JP6392944B1 - オイルチャック - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルの漏れを防止し、油密効果を奏することができるオイルチャックを提供する。
【解決手段】止め輪40は、ベース壁41と第1の環状壁42と第2の環状壁43とにより、スリット90に連通する油溝44が形成された凹の字形状に構成されている。作動油がスリット90から導入されて油溝44に流れ込むと、第2の環状壁43が作動油に押動されて第2の環状壁43が第1の環状壁42に対して傾くように揺動して前記回転シャフトユニット30に油密に当接する。
【選択図】図5

Description

本発明は、工作機械に用いられるオイルチャックに関する。
オイルチャックは、工作機械に油圧でワーク(加工対象)を挟んで固定する工具である。従来のオイルチャックは、例えばハウジング内に固定座や、スリーブ、ベアリング、回転座、制動座、プルレバー、フロントシャフトカバー、リヤシャフトカバー、前部コレット、後部コレット等が設けられており、ハウジング、固定座、及び回転座を経て油路が形成されている。作動油が油路を流れて制動座に至ると、制動座が前部コレット、後部コレットをワークに対して締めたり緩めたりするように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
台湾特許第557239号明細書
オイルチャックは、制動座によって前部コレット、後部コレットをワークに対して締めたり緩めたりすることでワークを挟持したり開放したりすることができるが、回転座の外周面及び固定座の内周面の間には隙間が形成されているので、作動油がそこから滲み込むことを防止するために、回転座の外周面及び固定座の内周面の間を塞ぐ複数の止め輪が設けられている。止め輪は、作動油と接触しない時は断面が円形になっている。工作機械が止まっている時に、作動油がオイルチャックの油路に流入して制動座が膨らんだり縮んだりすることによってワークを挟持したり開放したりする場合には、作動油が回転座の外周面及び固定座の内周面の間の止め輪に当たって止め輪が変形しその隙間を塞ぎ、作動油の滲み込みを避けることができる。しかし、作動油の流入圧が小さいと、止め輪に対しての当り圧により止め輪がその隙間を塞ぐほど変形せずに、やはり作動油が滲み込んでしまう。その一方、止め輪に対しての当り圧を上げるために作動油の流入圧を大きくすると、止め輪は変形の繰り返しによって劣化し、止め輪の変形疲労により、止め輪がその隙間を塞ぐことができなくなり、やがて回転座の外周面及び固定座の内周面の隙間に作動油が滲み込んでしまうという問題点がある。
また、工作機械が稼動している間でもオイルの漏れをなくすために、止め輪を回転座の外周面及び固定座の内周面の間を塞ぐように設けているため、工作機械の稼動が中止した場合、作動油の流入圧を上げなくても、止め輪が回転座の外周面及び固定座の内周面の間に保持され良好に塞ぐことができ、オイルの漏れを防止することができる。しかし、工作機械が稼動している間も止め輪が絶えず回転座と接触しているので、止め輪が摩損して劣化し易い問題点がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、オイルの漏れを防止し、油密効果を奏することができるオイルチャックを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るオイルチャックは、作動油の油圧で少なくとも1つのワークを挟むためのオイルチャックであって、軸線を中心とする軸線方向に沿って延伸されるインナーホールを収容空間として形成したハウジングの前記インナーホールにシャフトシート、回転シャフトユニット、複数の止め輪、及びコレットユニットを配置し、前記シャフトシートは、前記軸線方向と直角の径方向に延伸される第1の側面を有し、前記回転シャフトユニットは、前記軸線方向に沿って延伸するように前記シャフトシート内に回転可能に設けられ、前記第1の側面と対面して前記径方向に沿って延伸する第2の側面を有し、前記第1の側面と前記第2の側面との間に前記作動油が流れるスリットが形成され、各前記止め輪は、前記第1の側面と前記第2の側面との間に設けられ、前記スリットを跨って前記第1の側面から前記第2の側面に至るように環状に延伸されたベース壁と、前記ベース壁の一側から突き出ると共に環状に延伸するように形成され、前記シャフトシートに隣接して配置された第1の環状壁と、前記ベース壁の他側から突き出て前記第1の環状壁と並立すると共に環状に延伸するように形成され、前記回転シャフトユニットと隣接して配置された第2の環状壁とを有し、前記止め輪は、前記ベース壁と前記第1の環状壁と前記第2の環状壁とにより、前記スリットに連通する油溝として形成された凹の字形状に構成され、前記作動油が前記スリットから導入されて前記油溝に流れ込むと、前記第2の環状壁が前記作動油に押動されて前記第2の環状壁が前記第1の環状壁に対して傾くように揺動して前記回転シャフトユニットに油密に当接し、前記コレットユニットは、前記回転シャフトユニットの内部に設けられ、前記作動油によって前記ワークに対して締めたり緩めたりするように駆動されることを特徴とする。
本発明に係るオイルチャックは、ベース壁とベース壁の両側から突き出て設けられた第1の環状壁、第2の環状壁とにより凹の字形状に構成された止め輪がシャフトシートの第1の側面と回転シャフトユニットの第2の側面の間に配置されていることで、作動油の油圧が掛かると、第2の環状壁が第1の環状壁に対して傾くように弾性的に揺動し、回転シャフトユニットと油密に当接され、作動油の漏れを防止することができる。回転シャフトユニットが回転しても第2の環状壁が第1の環状壁に対して傾くように弾性的に揺動されることで、止め輪との接触面積を小さくすることができ、摩損が発生したり高温になったりせずに済む。
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照する以下の実施形態の詳細な説明において明白になるであろう。
本発明に係るオイルチャックの一実施例における稼動状態を説明する組立断面図である。 図1の一部を拡大して示す。 図2の一部を拡大して示す。 本発明に係るオイルチャックが停止している間、ワークが開放される状態を示す図である。 図4の一部を拡大して示す。 本発明に係るオイルチャックが停止している間、ワークが挟持される状態を示す図である。 図6の一部を拡大して示す。
以下、本発明に係るオイルチャックの一実施例について図面を参照して説明する。
(実施例)
図1〜図3に示されているように、この実施例に係るオイルチャックは、工作機械に油圧でワーク(加工対象)を挟んで固定するものであり、ハウジング10内にシャフトシート20、回転シャフトユニット30、複数の止め輪40、コレットユニット50、軸受け60、第1の逆止弁70及び第2の逆止弁80等を設けて構成されている。
ハウジング10は、軸線Lを中心とする軸線方向に沿って延伸されるインナーホール111を形成する内側面11と、該内側面11と背中側の外側面12とを有し、外側面12から内側面11に至るように連通する第1のガイド孔13と、第1のガイド孔13と相互にずれて外側面12から内側面11に至るように連通する第2のガイド孔14とが設けられている。
シャフトシート20は、ハウジング10のインナーホール111内でハウジング10に固定して取り付けられており、内側面11と垂直であると共に軸線方向と直角の方向である径方向Yに延伸される第1の側面21を有し、第1の側面21から第1のガイド孔13に至って連通する第1の給油孔22と、第1の給油孔22と相互にずれて第1の側面21から第2のガイド孔14に至るように連通する第2の給油孔23と、第1の給油孔22の径方向Y沿いの両側及び第2の給油孔23の径方向Y沿いの両側で第1の側面21に窪む第1の溝24とが設けられている。図2と図3に示されているように、第1の給油孔22及び第2の給油孔23の間の2つの第1の溝24は互いに連通している。
回転シャフトユニット30は、軸線方向に沿って延伸するようにシャフトシート20内に回転可能に設けられ、メインボディ301とメインボディ301の径方向Yの一側に固定された駆動輪座302とを有する。メインボディ301及び駆動輪座302の間にはシリンダキャビティ303が形成されている。
メインボディ301は、シャフトシート20の第1の側面21と対面しながら径方向Yに沿って延伸する第2の側面31を有し、第2の側面31に至って第1の給油孔22とシリンダキャビティ303に連通する第1のオイル案内通路32と、第1のオイル案内通路32とずれて第2の側面31に至って第2の給油孔23とシリンダキャビティ303に連通する第2のオイル案内通路33(図6と図7を参照)と、第1のオイル案内通路32の径方向Y沿いの両側及び第2のオイル案内通路33の径方向Y沿いの両側で第2の側面31に窪む複数の第2の溝34とが設けられている。
第1のオイル案内通路32及び第2のオイル案内通路33の間の2つの第2の溝34は互いに連通している。複数の第2の溝34はそれぞれ、溝底面341と溝底面341の両側に繋がった溝側面342とにより画成されている。第1のオイル案内通路32及び第2のオイル案内通路33におけるシリンダキャビティ303に連通している一端口は、軸線Lに対応してシリンダキャビティ303の両側に設けられている。第1の側面21と第2の側面31との間には作動油が流れるスリット90が形成され、スリット90は第1の給油孔22、第2の給油孔23及び第1のオイル案内通路32及び第2のオイル案内通路33に連通している。
シリンダキャビティ303と第2のオイル案内通路33の間には、第1のオイル案内通路32に対応して、第1のオイルリターン通路(図示せず)が設けられている。シリンダキャビティ303と第1のオイル案内通路32の間には、第2のオイル案内通路33に対応して、第2のオイルリターン通路(図示せず)が設けられている。
止め輪40は、第1の側面21と第2の側面31との間に複数設けられ、例えば、第1のオイル案内通路32の両側及び第2のオイル案内通路33の両側にそれぞれ1つ合わせて4つ設けられる。各止め輪40は、図3、図5に示されているように、スリット90を跨って第1の側面21から第2の側面31に至るように環状に延伸されたベース壁41と、ベース壁41の一側、即ち一側周面401の一側周縁から突き出ると共に環状に延伸し、シャフトシート20に隣接して配置された第1の環状壁42と、ベース壁41の他側、即ち一側周面401の他側周縁に突き出て第1の環状壁42と並立すると共に環状に延伸されるように連結され、回転シャフトユニット30と隣接して配置された第2の環状壁43とを有し、例えばその横断面がCの字形或いはOの字形になっている。また、ベース壁41と第1の環状壁42と第2の環状壁43との間はスリット90に連通する油溝44(図5参照)として形成されている。
また、第1のオイル案内通路32と第2のオイル案内通路33との間に配置された2つの止め輪40、40は、それぞれの他側周面402が互いに接触して一体として連結されるようにそれぞれの一側周面401に油溝44が形成され、全体の一部の縦断面がほぼIの字形になる止め輪構造40Aになる(例えば図2、図3等参照)。なお、止め輪40は、流体圧力が掛かるとひずむが除荷すると弾性的に元に戻る性質をもったものである。
また、各止め輪40において、第2の環状壁43は油溝44と反対側の末端面45と、末端面45から他側周面402にかけて切り欠いてアーク状に形成された湾曲面46とを有する。止め輪構造40Aは、2つの止め輪40の湾曲面46が繋がり一つの連続した凹面46Aとして形成されている。
第1の環状壁42は、第1の溝24に嵌められて固定されている。第2の環状壁43は、第2の溝34に嵌入されて設けられている。図3に示されているように、第1の環状壁42の径方向Yと垂直(軸線Lに平行の軸線方向)の厚みt1は第2の環状壁43の径方向Yと垂直(軸線Lに平行の軸線方向)の厚みt2よりも大である。また、第2の環状壁43の径方向Y沿いの厚みt3は、対応する第2の溝34の溝底面341の溝幅wよりも小である。
第1のオイル案内通路32と第2のオイル案内通路33との間に配置された2つの止め輪40それぞれの湾曲面46が一体として円錐形に窪むように連結されている。このように、第1のオイル案内通路32と第2のオイル案内通路33との間に配置された2つの止め輪40は一体として円錐形に窪むように形成された湾曲面46を有するので、末端面45と第2の溝34の溝底面341とが接触する面積を更に小さくすることができる。従って、止め輪40が摩擦により温度が上がり劣化することを防止することができ、長く使用することができる。
コレットユニット50は、回転シャフトユニット30のシリンダキャビティ303に嵌められて設けられた制動座51を有する。コレットユニット50及びメインボディ301は、シャフトカバー、コレット、プルレバーと連携して稼働した時、作動油によって制動座51がワークに対して締めたり緩めたりする固定作業を行うことができる。なお、この固定作業は、例えば台湾特許第557239号明細書のように、当該技術分野では既知技術であるため、ここではその詳細は省略する。
第1の逆止弁70は、回転シャフトユニット30のメインボディ301内において第1のオイル案内通路32に取り付けられ、作動油を一方向のみに移動させる働きがあり、つまり、作動油を第1の給油孔22を経てシリンダキャビティ303に送らせるように開弁し、また、シリンダキャビティ303に送られた作動油が第1の給油孔22へ逆方向に流れようとすると閉弁する形で作動する構造にした弁である。
第2の逆止弁80は、回転シャフトユニット30のメインボディ301内において第2のオイル案内通路33に取り付けられ、作動油を一方向のみに移動させる働きがあり、つまり、作動油を第2の給油孔23を経てシリンダキャビティ303に送らせるように開弁し、また、シリンダキャビティ303に送られた作動油が第2の給油孔23へ逆方向に流れようとすると閉弁する形で作動する構造にした弁である。なお、第1の逆止弁70と第2の逆止弁80は、例えば台湾特許第425997号、第535959号明細書のように、当該技術分野では既知技術であるため、ここではその詳細は省略する。
以上のように構成されたオイルチャックの動作及び作用について添付した図面を参照しながら説明する。
図1〜図3は、オイルチャックが稼働し、作動油が第1のガイド孔13と第2のガイド孔14に導入されていない状態を示している。図1〜図3に示されているように、作動油が止め輪40に当たっていない時、第2の環状壁43及び第1の環状壁42は動かず、第2の環状壁43と対応する溝側面342との間には隙間が形成されている。この状態で、挟持されたワークを加工すると共に、駆動輪座302が外力によって駆動され、回転シャフトユニット30全体とコレットユニット50とワークと一緒に回転された時、第2の環状壁43と対応する溝側面342との間の隙間により、止め輪40の第2の環状壁43は第2の溝34の溝底面341及び溝側面342とあまり擦れ合うことがない。このように、摩擦や摩擦による温度上昇を防止し、構成部材の劣化を遅らせ、使用寿命を延ばすことができる。
その一方、図4と図5に示されているように、作動油(破線の矢印)が第1のガイド孔13に導入され、第1の給油孔22、スリット90を経て第1のオイル案内通路32を流れ、流れた作動油の量が一定圧になり第1の逆止弁70が開弁した時、作動油はシリンダキャビティ303に導入される。こうして、作動油で制動座51を図4又は図5の右側に押して動かすと、ワーク(図示せず)が開放される。これによって、ワークの交換作業を行うことができる。
そして、作動油は第1の給油孔22からスリット90に導入されると共に、径方向Yに沿って第1の給油孔22両側の止め輪40の油溝44に流れ込む。導入された作動油により肉厚が小さい第2の環状壁43が押動されて対応する溝側面342に傾くように弾性的に揺動する。こうして、第2の環状壁43及び対応する溝底面341、溝側面342は、互いに油密に当接されることができ、作動油の漏れを防止することができる。これによって、作動油が逆向きに第2の給油孔23、第2のオイル案内通路33に流れることを防ぐことができる。
また、制動座51の右側空間には、背圧(逆向き)の作動油が入っているが、この背圧の作動油の油圧が第1の給油孔22、第1のオイル案内通路32における作動油の油圧よりも低いので、この背圧の作動油がシリンダキャビティ303と第2のオイル案内通路33との間における第1のオイルリターン通路(図示せず)に沿って回流する(図7の破線矢印)ようになり、この油圧が低い背圧作動油が第2の給油孔23の一側に設けられた止め輪40を押し付けて動かす(図7の破線矢印)。これによって、作動油がスリット90から漏れることを防止することができる。
そして、作動油の第1のガイド孔13への導入が止まり、第1の逆止弁70がまた閉弁すると、第1のオイル案内通路32が切断されるので、シリンダキャビティ303における作動油が逆向きに第1の給油孔22に流れることを防ぐことができる。これによって、第1の給油孔22の両側の止め輪40の第2の環状壁43に作動油による油圧が掛からないので、止め輪40は例えば自身の材質の弾性等により、図5の状態から図3の状態に弾性的に揺動して回復することができる。
図6、図7に示されているように、作動油(破線矢印)が第2のガイド孔14から導入され、第2の給油孔23、スリット90、第2のオイル案内通路33を経て第2の逆止弁80を押して第2の逆止弁80が開弁した時、作動油がシリンダキャビティ303に導入される。シリンダキャビティ303に導入された作動油は制動座51を押して図6と図7の左側に傾くように揺動させる。これによって、ワーク(図示せず)を挟持することができる。こうして、ワークの加工を行うことが可能である。この時、作動油が第2の給油孔23からスリット90に導入されると共に、径方向Yに沿って第2の給油孔23両側の止め輪40の油溝44に入り込む。入り込んだ作動油により肉厚が小さい第2の環状壁43が押動されて対応する溝側面342に傾くように弾性的に揺動する。こうして、第2の環状壁43及び対応する溝底面341、溝側面342が互いに緊密に接触するようになるので、オイルの漏れを防止することができる。これによって、作動油が逆向きに第1の給油孔22、第1のオイル案内通路32に流れることを防ぐことができる。
また、制動座51の左側空間には、背圧(逆向き)の作動油が入っているが、この背圧の作動油は油圧が第2の給油孔23、第2のオイル案内通路33における作動油の油圧よりも低いので、シリンダキャビティ303と第1のオイル案内通路32との間における第2のオイルリターン通路(図示せず)に沿って回流する(図5の破線矢印)ようになり、この油圧が低い背圧作動油が第1の給油孔22の一側に設けられた止め輪40を押し付けて動かす(図5の破線矢印)。これによって、作動油がスリット90から漏れることを防止することができる。
そして、作動油の第2のガイド孔14への導入が止まり、第2の逆止弁80がまた閉弁すると、第2のオイル案内通路33が切断されるので、シリンダキャビティ303における作動油が逆向きに第2の給油孔23に流れることを防ぐことができる。これによって、第2の給油孔23の両側の止め輪40の第2の環状壁43に作動油による油圧が掛からないので、止め輪40は例えば自身の材質の弾性等で、図7の状態から図3の状態に弾性的に揺動して回復することができる。
以上により、止め輪40は、ベース壁41とベース壁41の両側から突き出て設けられた第1の環状壁42、第2の環状壁43とにより凹の字形状になっており、作動油の油圧で第2の環状壁43が第1の環状壁42に対して揺動されるように構成されているので、止め輪40に作動油の油圧が掛かると、止め輪40が弾性的に動かされ、止め輪40の第2の環状壁43が対応する第2の溝34の溝側面342、溝底面341と互いに緊密に接触される。従って、作動油の漏れを防止することができる。このように、作動油の流体圧力を上げることなく、止め輪40が回転シャフトユニット30と共にオイルの漏れを防ぐ油密効果を奏することができる。また、回転シャフトユニット30が回転しても、作動油の油圧で第2の環状壁43が溝側面342側に傾くように弾性的に揺動されることで、2つの末端面45と溝底面341との接触面積が小さくて済むので、回転シャフトユニット30が稼働して回転しても止め輪40が摩擦により高温になることを避けることができる。従って、構成部材の摩損及び劣化を遅らせることができ、長く使用できる。
また、第1のオイル案内通路32と第2のオイル案内通路33との間に配置された2つの止め輪40、40はそれぞれの他側周面402が互いに接触して一体として例えば略Iの字形状に連結され、2つの止め輪40の湾曲面46が繋がり一つの連続した凹面46Aとして形成されていることで、第2の環状壁43が溝側面342側に傾くように弾性的に揺動されるようになるので、2つの末端面45と溝底面341との接触面積が小さくて済み、回転シャフトユニット30が回転しても、止め輪40との接触面積が小さく、摩損や高温が発生せず、回転もよりスムーズになる。
本発明に係るオイルチャックは、コンパクトな構造を有する止め輪40で簡単に取り付けることができ、また、止め輪40を簡単に取り付けるだけで油密効果を奏することができる。
以上、本発明に係るオイルチャックの一例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明に係るオイルチャックは、油圧でワーク(加工対象)を挟んで安定に固定でき且つ作動油の漏れを防止できるオイルチャックとして有用である。
10 ハウジング
11 内側面
111 インナーホール
12 外側面
13 第1のガイド孔
14 第2のガイド孔
20 シャフトシート
21 第1の側面
22 第1の給油孔
23 第2の給油孔
24 第1の溝
30 回転シャフトユニット
301 メインボディ
302 駆動輪座
303 シリンダキャビティ
31 第2の側面
32 第1のオイル案内通路
33 第2のオイル案内通路
34 第2の溝
341 溝底面
342 溝側面
40 止め輪
40A 止め輪構造
401 一側周面
402 他側周面
41 ベース壁
42 第1の環状壁
43 第2の環状壁
44 油溝
45 末端面
46 湾曲面
46A 凹面
50 コレットユニット
60 軸受け
70 第1の逆止弁
80 第2の逆止弁
90 スリット
L 軸線
t1、t2、t3 厚み
w 溝幅
Y 径方向

Claims (8)

  1. 作動油の油圧で少なくとも1つのワークを挟むためのオイルチャックであって、軸線を中心とする軸線方向に沿って延伸されるインナーホールを収容空間として形成したハウジングの前記インナーホールにシャフトシート、回転シャフトユニット、複数の止め輪及びコレットユニットを配置し、
    前記シャフトシートは、前記軸線方向と直角の径方向に延伸される第1の側面を有し、
    前記回転シャフトユニットは、前記軸線方向に沿って延伸するように前記シャフトシート内に回転可能に設けられ、前記第1の側面と対面して前記径方向に沿って延伸する第2の側面を有し、前記第1の側面と前記第2の側面との間に前記作動油が流れるスリットが形成され、
    各前記止め輪は、前記第1の側面と前記第2の側面との間に設けられ、前記スリットを跨って前記第1の側面から前記第2の側面に至るように環状に延伸されたベース壁と、前記ベース壁の一側から突き出ると共に環状に延伸するように形成され、前記シャフトシートに隣接して配置された第1の環状壁と、前記ベース壁の他側から突き出て前記第1の環状壁と並立すると共に環状に延伸するように形成され、前記回転シャフトユニットと隣接して配置された第2の環状壁とを有し、
    前記止め輪は、前記ベース壁と前記第1の環状壁と前記第2の環状壁とにより、前記スリットに連通する油溝として形成された凹の字形状に構成され、
    前記作動油が前記スリットから導入されて前記油溝に流れ込むと、前記第2の環状壁が前記作動油に押動されて前記第2の環状壁が前記第1の環状壁に対して傾くように揺動して前記回転シャフトユニットに油密に当接し、
    前記コレットユニットは、前記回転シャフトユニットの内部に設けられ、前記作動油によって前記ワークに対して締めたり緩めたりするように駆動されることを特徴とするオイルチャック。
  2. 前記シャフトシートは、前記第1の側面に連通するように設けられた第1の給油孔と、前記第1の給油孔と相互にずらして設けられた第2の給油孔とを有し、
    前記回転シャフトユニットは、メインボディと、前記メインボディの前記径方向の一側に固定された駆動輪座とを有し、
    前記メインボディ及び前記駆動輪座の間にシリンダキャビティが形成され、
    前記メインボディは、前記第2の側面を有し、
    前記メインボディは、前記第1の給油孔と前記シリンダキャビティとの間に連通する第1のオイル案内通路と、前記第1のオイル案内通路とずれて前記第2の給油孔と前記シリンダキャビティとの間に連通する第2のオイル案内通路とが設けられ、
    前記第1のオイル案内通路及び前記第2のオイル案内通路における前記シリンダキャビティに連通している一端口は、前記軸線に対応して前記シリンダキャビティの両側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のオイルチャック。
  3. 前記止め輪は、前記第1の側面と前記第2の側面との間に、前記第1のオイル案内通路の両側及び前記第2のオイル案内通路の両側にそれぞれ1つずつ設けられていることを特徴とする請求項2に記載のオイルチャック。
  4. 前記第1のオイル案内通路と前記第2のオイル案内通路との間に配置された2つの前記止め輪が一体として連接していることを特徴とする請求項3に記載のオイルチャック。
  5. 前記シャフトシートは、前記第1の給油孔の前記径方向沿いの両側及び前記第2の給油孔の前記径方向沿いの両側に前記第1の側面に窪む複数の第1の溝が設けられ、
    前記第1の給油孔及び前記第2の給油孔の間の2つの前記第1の溝は互いに連通するように設けられ、
    前記止め輪の前記第1の環状壁は、前記第1の溝に嵌められて固定され、
    前記回転シャフトユニットの前記メインボディは、前記第1のオイル案内通路の前記径方向沿いの両側及び前記第2のオイル案内通路の前記径方向沿いの両側に前記第2の側面に窪む複数の第2の溝が設けられ、
    前記第1のオイル案内通路及び前記第2のオイル案内通路の間の2つの前記第2の溝は互いに連通するように設けられ、
    前記止め輪の前記第2の環状壁は、前記第2の溝に嵌入されて設けられ、
    前記第2の溝は、溝底面と、前記溝底面の両側に繋がった溝側面とを有するように構成され、
    前記止め輪の前記第2の環状壁の前記径方向沿いの厚みは、対応する前記第2の溝の溝底面の溝幅よりも小であり、
    前記止め輪に前記作動油の油圧が掛かると、前記止め輪が弾性的に動かされ、前記止め輪の前記第2の環状壁が対応する前記第2の溝の前記溝側面と互いに緊密に接触されて、前記止め輪の前記第2の環状壁と対応する前記第2の溝の前記溝側面との間の隙間がなくなる、
    ことを特徴とする請求項4に記載のオイルチャック。
  6. 前記回転シャフトユニットの前記メインボディ内において前記第1のオイル案内通路(32)に取り付けられた第1の逆止弁を更に有し、
    前記第1の逆止弁は、前記作動油を前記第1の給油孔を経て前記シリンダキャビティに送らせるように開弁し、前記シリンダキャビティに送られた前記作動油が前記第1の給油孔へ逆方向に流れようとすると閉弁する形で作動する構造にした弁であることを特徴とする請求項5に記載のオイルチャック。
  7. 前記回転シャフトユニットの前記メインボディ内において前記第2のオイル案内通路に取り付けられた第2の逆止弁を更に有し、
    前記第2の逆止弁は、前記作動油を前記第2の給油孔を経て前記シリンダキャビティに送らせるように開弁し、前記シリンダキャビティに送られた前記作動油が前記第2の給油孔へ逆方向に流れようとすると閉弁する形で作動する構造にした弁であることを特徴とする請求項6に記載のオイルチャック。
  8. 前記止め輪の前記第1の環状壁の前記径方向と垂直の厚みは、前記止め輪の前記第2の環状壁の前記径方向と垂直の厚みよりも大であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの一項に記載のオイルチャック。
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