JP6391112B2 - コンデンサマイクロホン - Google Patents
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Description
すなわち、固定極に対向して振動板が配置されてなる前記コンデンサマイクロホンユニットは、その静電容量が数十pF前後で、出力インピーダンスが極めて高いために、例えばFET(電界効果トランジスタ)などによるインピーダンス変換器を用いて音声信号を取り出すように構成される。
そして、前記インピーダンス変換器は、一般的に前記FETのソース端子より、音声出力を得るソースフォロア回路により構成される。
図6に示す符号U1が、前記したコンデンサマイクロホンユニットであり、この例においては振動板もしくは固定極のいずれか一方に、エレクトレット誘電体膜を備えたエレクトレット型コンデンサマイクロホンユニットU1を構成している。また、コンデンサマイクロホンユニットU1を構成する例えば振動板が回路の基準電位点に接続され、固定極がインピーダンス変換器11に接続されている。
そして、前記バッファ回路12からの非反転音声出力と、インバータ回路13を介した反転音声出力は、ファントム給電装置からの動作電流を受けるバッファ回路14を介して、それぞれホット側端子Out(+)およびコールド側端子Out(−)に平衡出力され、グランドラインGNDがシールドに接続される図示せぬ平衡シールドケーブルを介して、例えばミキサー回路などの外部機器に伝送される。
なお、図6に示したインバータ回路(位相反転回路)13を用いることにより、音声信号を平衡出力させるコンデンサマイクロホンについては、特許文献1に開示されている。
図7に示す符号U1,11,12は、前記した図6に示した同一符号の各部と同一の機能を果たすものであり、その詳細な説明は省略する。
なお、図7に示したトランスT1を用いることにより、音声信号を平衡出力させるコンデンサマイクロホンについては、特許文献2に開示されている。
また、図6に示す構成によると、インバータ回路13を介して反転音声出力を生成するために、インバータ回路13を介さない非反転音声出力との間で、信号伝送系の相違による信号のアンバランスが生じ、結果として音声信号の品質を低下させる要因になる。
すなわち、前記した技術的な観点に基づいて、コンデンサマイクロホンユニットの直後より互いに逆相の音声信号を平衡伝送することにより、外来ノイズを効果的に相殺させることができると共に、音声信号の品質を十分に確保することができるコンデンサマイクロホンを提供することを課題とするものである。
すなわち、コンデンサマイクロホンユニットの直後において、各インピーダンス変換器により互いに逆相の音声信号が平衡出力され、この平衡出力された音声信号は、必要に応じてそれぞれ電流増幅され、平衡シールドケーブルを介して外部機器に伝送するように構成される。
また、平衡出力される第1および第2電気信号は、共に同一回路構成による信号伝送路を介して出力することができるので、音声信号の品質を十分に確保したコンデンサマイクロホンを提供することができる。
前記したとおりコンデンサマイクロホンユニットは、振動板が固定極に対峙して配置され、振動板と固定極の間にコンデンサが形成されている。そして、図1Aおよび図1Bは、振動板1に対峙する固定極2側に、マイナス電荷が帯電されたエレクトレット誘電体膜2aを備えたエレクトレット型コンデンサマイクロホンユニットU1の例を示している。
そして、図1Aおよび図1Bに示すコンデンサマイクロホンユニットU1においては、振動板1に正の音圧を受けた場合には、振動板1側には正の電圧信号が生成され、固定極2側には負の電圧信号が生成される。
また、図1Bに示すように、固定極2を基準電位点(グランドライン)に接続し、振動板1よりインピーダンス変換器11を介して、電気信号(音声信号)を得る構成においては、振動板1側に生成される正の電圧信号に基づいて、インピーダンス変換器11の出力端子Outに音声信号が出力されることになる。
したがって、この発明は図2に同じく模式図で示すように、固定極2と振動板1にそれぞれ高い値の入力インピーダンスを有する第1インピーダンス変換器11aと第2のインピーダンス変換器11bを接続し、振動板1の変位に基づいて発生する互いに逆相の電圧信号を、第1と第2のインピーダンス変換器11a,11bより平衡出力させることを基本構想とするものである。
すなわち、コンデンサマイクロホンユニットU1は、前記したとおり振動板1が固定極2に対峙した状態に構成されており、この実施の形態においては、前記固定極2にエレクトレット誘電体膜2aを備えた周知のエレクトレット型コンデンサマイクロホンユニットU1を構成している。
そして、直流電源VccとグランドラインGNDとの間には、電圧分割抵抗R1a,R2aが接続され、これらの接続点と前記ゲート電極との間にはバイアス供給抵抗R3aが接続されて、前記ゲート電極に対して所定のバイアス電圧が供給されるように構成されている。
そして、第2のインピーダンス変換器11bに搭載されたFETQ1bのソース電極が出力端子Out(−)になされている。
この図4に示す構成は、図3に示したエレクトレット誘電体膜2aに代えて成極電源を利用するものであり、図4に示すように固定極2に対して、高抵抗素子R5aを介して成極電源E1aによる負電位が供給されるように構成されている。
そして、固定極2とインピーダンス変換器11aのFETQ1aとの間には、直流カットコンデンサC1aが挿入されて、FETQ1aに対する成極電源E1aの印加が阻止されるように構成されている。
そして、振動板1とインピーダンス変換器11bのFETQ1bとの間には、直流カットコンデンサC1bが挿入されて、FETQ1bに対する成極電源E1bの印加が阻止されるように構成されている。
また図4に示す構成においても、図3に示した例とその作用は同一であり、固定極2と振動板1に生ずる互いに逆相となる電圧信号が、それぞれ第1のインピーダンス変換器11aの出力端子Out(+)と、第2のインピーダンス変換器11bの出力端子Out(−)から平衡出力されることになる。
しかしながら、図4に示す構成において、例えば振動板1に印加される成極電源E1bとその周辺の回路(R5b及びC1b)、もしくは固定極2に印加される成極電源E1aとその周辺の回路(R5a及びC1a)のいずれか一方を削除しても、振動板1と固定極2との間には所定の成極電圧を加えることができる。したがって、その作用効果は同一となる。
前記バッファ回路12a,12bは、第1および第2インピーダンス変換器11a,11bからの平衡出力信号をそれぞれ電流増幅するものであり、このバッファ回路12a,12bは必要に応じて配置される。
そして、一方の定電圧電源回路15aからの出力電圧は、前記符号11a〜14aで示す各回路の動作電源Vccとして利用され、また他方の定電圧電源回路15bからの出力電圧は、前記符号11b〜14bで示す各回路の動作電源Vccとして利用される。
これにより、外来ノイズについて十分な対策を図ることができると共に、音声信号の品質を十分に確保したコンデンサマイクロホンを提供することができるなど、前記した発明の効果の欄に記載したとおりの作用効果を得ることができる。
2 固定極
11a,11b インピーダンス変換器
12a,12b バッファ回路
14a,14b バッファ回路
15a,15b 定電圧電源回路
Q1a,Q1b FET
R1a〜R4b 抵抗素子
R5 高抵抗素子
E1 成極電源
U1 コンデンサマイクロホンユニット
Claims (5)
- 固定極に対峙して振動板が配置された単一のコンデンサマイクロホンユニットと、
前記固定極に一端が接続された第1抵抗素子と、
前記第1抵抗素子の他端に一方の端部が接続され、第1抵抗素子を介して前記固定極に負または正電位を供給する第1成極電源と、
前記コンデンサマイクロホンユニットの前記固定極に接続されて、当該固定極に生成される第1電気信号を出力する第1FETを含む第1インピーダンス変換器と、
前記固定極と第1インピーダンス変換器の第1FETとの間に接続され、前記第1成極電源から前記第1FETへの直流電圧の印加を阻止する第1直流カットコンデンサと、
前記振動板に一端が接続された第2抵抗素子と、
前記第2抵抗素子の他端に一方の端部が接続され、第2抵抗素子を介して前記振動板に正または負電位を供給する第2成極電源と、
前記コンデンサマイクロホンユニットの前記振動板に接続されて、当該振動板に生成される第2電気信号を出力する第2FETを含む第2インピーダンス変換器と、
前記振動板と第2インピーダンス変換器の第2FETとの間に接続され、前記第2成極電源から前記第2FETへの直流電圧の印加を阻止する第2直流カットコンデンサとが備えられ、
前記第1成極電源と第2成極電源の他方の端部が、それぞれグランド接続されて、前記第1電気信号と第2電気信号が、前記単一のコンデンサマイクロホンユニットによる音声信号として平衡出力されることを特徴とするコンデンサマイクロホン。 - 前記第1電気信号と第2電気信号の位相は互いに逆相であることを特徴とする請求項1に記載されたコンデンサマイクロホン。
- 前記第1インピーダンス変換器における第1FETのゲート端子が前記第1直流カットコンデンサを介して前記固定極に接続され、ソース端子より前記第1電気信号を出力するソースフォロア回路を構成し、前記第2インピーダンス変換器における第2FETのゲート端子が前記第2直流カットコンデンサを介して前記振動板に接続され、ソース端子より前記第2電気信号を出力するソースフォロア回路をそれぞれ構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたコンデンサマイクロホン。
- 前記第1インピーダンス変換器より出力される第1電気信号と、前記第2インピーダンス変換器より出力される第2電気信号とが、平衡シールドケーブルを介して外部機器に伝送されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載されたコンデンサマイクロホン。
- 前記第1インピーダンス変換器と第2インピーダンス変換器の後段にそれぞれホット側端子とコールド側端子を備えるバッファ回路を接続し、前記ホット側端子とコールド側端子に前記第1電気信号と第2電気信号を出力することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載されたコンデンサマイクロホン。
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