JP6388500B2 - 鍛造装置、鍛造方法、および、成形体の製造方法 - Google Patents

鍛造装置、鍛造方法、および、成形体の製造方法 Download PDF

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本発明は、鍛造装置、鍛造方法、および、成形体の製造方法に関する。
板状の金属素材を、一対の金型によりプレス加工を行うプレス機械が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、金属製の板材から、絞りしごき加工により、有底筒体を作製する装置が知られている。絞り加工とは、板材などの周部を中央によせて容器形状に加工する加工法である。しごき加工とは、板材の肉厚を多少薄くしながら、その表面をなめらかにする加工法である。絞り・しごき加工は、材料を絞りながら、しごき加工を同時に行う複合加工法である。
一般的な絞りしごき加工装置は、アルミニウム等の金属板材から大型角型ケースなどを作製する場合、第1の絞り・しごき工程(約5工程)、中間トリム工程(縁部の切取り工程)、第2の絞り・しごき工程(約3工程)、仕上げトリム工程(縁部の切取り工程)、などを行う。また、上記金属板材として、例えば、クラッド材なども用いられる。クラッド材としては、例えばアルミニウム/銅、ニッケル/ステンレス/銅、アルミニウム/ニッケル、などを挙げることができる。
ところで、インパクト加工法により成形するインパクト加工装置が知られている。このインパクト加工装置は、スラグと呼ばれる金属塊にパンチで衝撃を与えて有底筒形状体を成形する。
特開平7−266100号公報
しかしながら、上述した一般的な絞りしごき加工を行う装置は、5工程〜8工程などの多工程により絞り・しごき加工を行うので、比較的長い加工時間を要する。また、この絞り・しごき加工を行う装置は、複雑な構造の金型およびプレス機を要する。
また、上述した絞り・しごき加工装置では、絞り・しごき加工の後、中間トリム工程、仕上げトリム工程などを行うことを要し、材料の重量に対する製品重量の比率である材料利用率が約50%程度であり、低い材料利用率となっている。
また、上述したインパクト加工装置は、開放系の後方押し出し加工法にてパンチにより筒状成形した際に、成形されたケースの側壁の板厚が不均一となる場合がある。
また、板材などの素材に対して複数回のプレス加工を施して、複数の有底の筒状部を並設させたハニカム構造などを形成する場合、素材を高精度に位置決めすることが困難であった。素材がずれた状態でプレス加工を行うと、加工精度が低下して、ハニカム構造などに歪みなどを生じる場合がある。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、板材などの素材に対して、複数回のプレス加工を施し、複数の有底の筒状部を高精度に並設させたハニカム構造などを、簡単に、短時間に形成することができる鍛造装置を提供すること、複数の有底の筒状部を、簡単に、高精度に形成することができる鍛造装置の鍛造方法を提供すること、鍛造装置により生成された成形体を提供すること、などを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明による鍛造装置は、以下の構成を少なくとも具備するものである。
鍛造の素材を成形して複数の有底の筒状部を所定間隔に並設した成形体を生成する鍛造装置であって、
前記素材を挟圧する第1の型および第2の型と、
前記第1の型に形成された第1の孔部に貫通自在に設けられた第1のパンチと、
前記第2の型に形成された第2の孔部に貫通自在に設けられた第2のパンチと、
前記第1の型、および、前記第2の型を駆動制御し、且つ、前記第1のパンチ、および/または、前記第2のパンチを駆動制御する駆動制御部と、
前記第1の型または前記第2の型に対して前記素材を所定位置に位置決めする位置決め手段と、を有し、
前記第2の型に形成された前記第2の孔部は、前記第1のパンチに対応した位置に形成され、且つ、前記第1のパンチの端部の外形寸法よりも大きい内形寸法となるように形成され、
前記駆動制御部は、前記第1のパンチおよび前記第2のパンチにより挟圧した素材部分の厚みを減少させるように、前記第1のパンチ、および/または、前記第2のパンチを駆動制御した場合、前記第1のパンチと前記第2のパンチにより挟圧した素材部分の厚みの減少量に応じて、前記第1の型と前記第2の型により挟圧した素材部分の厚みを略保った状態で、前記第1の型と第2の型により挟圧される素材部分を、前記第1の型側に移動させ、且つ、前記第1のパンチと前記第2の孔部の隙間に材料流動させることにより形成される筒状部を増加させる駆動制御を行い、
前記位置決め手段は、前記筒状部の外側面を、前記第1の型または前記第2の型に設けた位置決め当接部に当接させることにより、前記第1の型または前記第2の型に対して前記素材を所定位置に位置決めすることを特徴とする。
また、本発明の鍛造装置の鍛造方法は、上記鍛造装置の駆動制御部が、前記素材の加工領域の周囲の素材部分の厚みを略均一に維持した状態で、前記素材をプレス加工して筒状部を形成するステップと、
上記鍛造装置の前記位置決め手段が、前記筒状部の外側面を前記第1の型または前記第2の型に設けた位置決め当接部に当接させることにより、前記第1の型または前記第2の型に対して前記素材を所定位置に位置決めするステップと、
前記位置決め手段により前記素材を前記第1の型または前記第2の型に位置決めした状態で、前記駆動制御部が前記素材の加工領域の周囲の素材部分の厚みを略均一に維持した状態で、前記素材をプレス加工して所定間隔に並設した筒状部を形成するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の成形体の製造方法は、上記鍛造装置を用いて成形体を生成することを特徴とする。
本発明によれば、板材などの素材に対して、複数回のプレス加工を施し、複数の有底の筒状部を高精度に並設させたハニカム構造などを、簡単に、短時間に、高精度に形成することができる鍛造装置を提供することができる。
また、本発明によれば、複数の有底の筒状部を、簡単に、高精度に形成することができる鍛造装置の鍛造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、鍛造装置により生成された成形体を提供することができる。
本発明の実施形態に係る鍛造装置の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る鍛造装置の電気的な構成の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る鍛造装置の動作の一例を説明するための図。 本発明の実施形態に係る鍛造装置の動作の一例を示す断面図、(a)は鍛造素材を上型のストリッパーおよび下型の可動下ダイ、上パンチおよび下パンチで挟圧した状態の一例を示す断面図、(b)は塑性流動させた素材の一例を示す断面図。 本発明の実施形態に係る鍛造装置で成形された素材から上パンチを離間した状態の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る鍛造装置の動作の一例を示す図、(a)は上ダイセットが上死点に位置した場合、(b)は上パンチおよび下パンチが素材を押さえた場合、(c)は上ダイセットが下死点に位置した場合、(d)は上ダイセットが再び上死点に位置した場合の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る鍛造装置の動作の一例を示すフローチャート。 本発明の実施形態に係る鍛造装置の動作の一例を示す図、(a)上パンチおよび下パンチと上型のストリッパー,下型の可動下ダイの動きの一例を示す図、(b)は成形された素材の一例を示す断面図。 複数の上パンチおよび下パンチを備えた鍛造装置により成形された素材の一例を示す図、(a)は上型のストリッパー、下型の可動下ダイ、上パンチ、下パンチにより素材を挟圧した状態の一例を示す断面図、(b)は上パンチ、下パンチにより挟圧して塑性流動させた素材の一例を示す断面図、(c)は上型のストリッパーと下型の可動下ダイが離間した状態の一例を示す図。 複数の筒形状部を成形した素材の一例を示す図、(a)は第1具体例に係る鍛造装置により成形された素材の上面図、(b)は(a)の側面図、(c)は第2具体例に係る鍛造装置により成形された素材の上面図、(d)は(c)の側面図、(e)は第3具体例に係る鍛造装置により成形された素材の上面図、(f)は(e)の側面図、(g)は第4具体例に係る鍛造装置により成形された素材の上面図、(h)は(g)の側面図、(i)は第5具体例に係る鍛造装置により成形された素材の上面図、(j)は(i)の側面図。 複数の筒形状部を成形した素材の一例を示す図、(a)は第6具体例に係る鍛造装置により成形された素材の上面図、(b)は(a)の側面図。 第7具体例に係る鍛造装置により成形された素材の一例を示す図、(a)は素材の一例を示す上面図、(b)は成形後の素材の一例を示す図。 鍛造装置により成形された素材の他の例を示す図、(a)は成形後の素材の上面図、(b)は(a)に示された素材の側面図、(c)は複数行1列ずつ加工成形後の素材の上面図、(d)は複数行複数列ずつ加工成形後の素材の上面図。 本発明の他の実施形態に係る鍛造装置の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る鍛造装置の第1の型(上型)の一例を示す斜視図。 本発明の実施形態に係る鍛造装置の第2の型(下型)の一例を示す斜視図。 下型と素材の一例を示す上面図。 鍛造装置の動作の一例を示す図、(a)は上型と素材とを離間した初期状態を示す図、(b)は上パンチ、下パンチにより素材を押圧した状態の一例を示す図、(c)は上型および上パンチと素材を離間した状態の一例を示す図、(d)は型に対して素材を位置決めした状態を示す図、(e)は上パンチ、下パンチにより素材を押圧した状態の一例を示す図、(f)は上型と素材を離間した状態の一例を示す図。 鍛造装置の動作の一例を示すフローチャート。 鍛造装置の動作の一例を説明するための図、(a)は下型の一例を示す図、(b)は成形体の一例を示す図。 成形体の一例を示す斜視図。 下型の一例を示す斜視図。 鍛造装置の動作の一例を説明するための図、(a)は下型の一例を示す図、(b)は成形体の一例を示す図。 鍛造装置の動作の一例を説明するための図、(a)は下型の一例を示す図、(b)は成形体の一例を示す図。 成形体の一例を示す図。 下型の一例を示す斜視図。 下型および成形体の一例を示す斜視図。 下型の一例を示す斜視図。 鍛造装置の動作の一例を示す図、(a)は下型の一例を示す図、(b)は第1プレス加工の後、素材と金型の位置合わせ状態の一例を示す図、(c)は第2プレス加工の後、素材と金型の位置合わせ状態の一例を示す図、(d)は第3プレス加工の後、素材と金型の位置合わせ状態の一例を示す図。
本発明の実施形態に係る鍛造装置を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。なお、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
本発明の実施形態に係る鍛造装置は、鍛造の素材を成形して複数の有底の筒状部を所定間隔に並設したハニカム構造などを有する成形体を生成する。
先ず、この鍛造装置の基本的な構造及び動作について簡単に説明し(図1〜図14など参照)、その後、板材などの素材に対して、複数回のプレス加工を施し、複数の有底の筒状部を高精度に並設させたハニカム構造などを形成する鍛造装置について説明する(図15〜図29など参照)。
図1は、本発明の実施形態に係る鍛造装置100の一例を示す図である。図2は鍛造装置100の電気的な構成の一例を示す図である。
本発明の実施形態に係る鍛造装置100は、鍛造の素材5(鍛造素材)である板材や予備成形された素材などを鍛造加工により成形して、有底の筒形状体を作製する。詳細には、本実施形態では、鍛造装置100は、鍛造素材であるアルミニウムなどの金属を鍛造加工により、有底の角筒形状体(角形ケース)に成形する。尚、鍛造装置100は、六角形状体、多角筒形状体、円筒形状体などの有底の筒形状体(筒状部)を作製するように構成されていてもよい。
図1に示したように、本発明の実施形態に係る鍛造装置100は、第1のパンチ11(上パンチ)と、第2のパンチ13(下パンチ)と、上型12(第1の型)と、下型14(第2の型)と、上バネホルダー31a(上ダイセット)、上押え板31bと、下バネホルダー32a(下ダイセット)と、下押え板32bと、などを有する。上ブロック31は上バネホルダー31a(上ダイセット)と上押え板31bを有し、下ブロック32は、下バネホルダー32a(下ダイセット)と下押え板32bを有する。
上型12は、ストリッパー12a、上ホルダ12b、上プレート12c、などを有する。下型14は、可動下ダイ14a(下ストリッパー)、下ホルダ14b、下プレート14c、などを有する。
また、図1、図2に示したように、鍛造装置100は、制御部110(CPU)と、操作入力部120と、表示部130と、記憶部140と、位置検出部150と、駆動部160(160a、160b、160c、160d,160e)と、などを有する。
鍛造装置100は、金属製の台座20上にスライド部材21(上ダイセットなど)が上下方向に移動自在に配置されている。本実施形態では、台座20は矩形状に形成されており、角部付近それぞれに、スライドガイドとしてのロッド22が備えられている。
本実施形態では、台座20は、プレスボルスター201と、そのプレスボルスター201上に配置された下ダイセット202と、を有する。スライド部材21は、プレススライド211と、そのプレススライド211の下部に設けられた上ダイセット212と、を有する。
ロッド22は、台座20と上ダイセット212との間に配置され、上ダイセット212を上下方向に移動自在に支持している。詳細には、複数のロッド22により、上ダイセット212の下面の角部端部付近それぞれに、突起部21aが設けられている。突起部21aには孔部21bが形成されている。この孔部21bに、ロッド22の上端部が摺動自在に嵌合する。ロッド22の下端部は、台座20に設けられた突起部20aを介して台座20に固定されている。
ダイセット用ガイドは、上記付勢部材25、ロッド22などを有する。このダイセット用ガイドは、上ダイセットと下ダイセットの位置関係を正しく保つように構成されている。
詳細には、ロッド22の外周部には、スプリングなどの付勢部材25が設けられている。付勢部材25は、下端部が台座20の上面に設けられた突起部20aの上端に当接し、上端部がスライド部材21の下面に設けられた突起部21aに当接するように構成されている。つまり、付勢部材25は、上ダイセット212を上方に向かって付勢するように構成されている。
上ダイセット212およびプレススライド211の上部には、それらを上下方向に駆動する駆動部160aが配置されている。本実施形態では、例えば、図1に示したように、プレススライド211の上方に、クランク軸165とコネクティングロッド166が設けられている。クランク軸165は、その両端部付近が、例えば、下ダイセット202に固定された支持部材30に設けられた孔部30aに回転自在に支持されている。
駆動部160aがクランク軸165を回転駆動した場合、クランク軸165にコネクティングロッド166を介して接続されたスライド部材21(上ダイセット212およびプレススライド211)が上下方向に移動するように構成されている。
上ダイセット212の下部に、上押え板31bが設けられている。上押え板31bの下部に上型12が設けられている。詳細には、上押え板31bの下部に上プレート12cが設けられ、上プレート12cの下部に上ホルダ12bが設けられ、上ホルダ12bの下部にストリッパー12aが設けられている。
上型12は、略中央部に孔部12dが設けられ、その孔部12dに、上パンチ11が摺動自在に貫通するように構成されている。詳細には、ストリッパー12a、上ホルダ12bの略中央部に孔部12dが設けられ、上パンチ11の上端部が上プレート12cに接続され、且つ、固定された構造となっている。つまり、上プレート12cは、上パンチ11の上端部に当接するように配置され、上パンチ11の力を受ける部材である。上ホルダ12bは、上パンチ11を納める板部材である。
ストリッパー12aは、鍛造加工された材料を上型12からはがすように構成されている。また、ストリッパー12aは、鍛造対象の素材5を鍛造加工中に、鍛造対象の素材5を押えるように構成されている。駆動部(160b、160c)にバネを使用している場合、そのバネと上押え板31bとが接続した構造を有する。
上パンチ11は、六角柱形状、四角柱形状、円柱形状などの柱形状に形成されている。本実施形態では、上パンチ11は六角柱形状に形成されている。上パンチ11の上下方向に沿った長さは、上型12の厚み方向(上下方向)の長さよりも長くなるように構成されている。
つまり、上型12が、スライド部材21に近づく方向に移動した場合、上パンチ11の下端部が上型12の下端よりも突出するように構成されている。
駆動部160b、駆動部160cが、上押え板31bとストリッパー12aとの間に配置されている。上型12のストリッパー12aは、駆動部160b、160cにより、ストリッパー12aとスライド部材21とが離間する方向および近づく方向に移動自在に構成されている。詳細には、駆動部160b,160cは、油圧、空気圧、モータ、バネ、それら二つ以上の組み合わせ、などにより、駆動部160b,160cの固定部に対して可動部が伸縮するように構成されている。つまり、鍛造装置100は、制御部110の制御により、上型12(ストリッパー12a)と上ホルダ12bとの間の距離を調整可能に構成されている。
台座20の下ダイセット202上に、下押え板32bが設けられている。下押え板32bの上部に下バネホルダー32aが設けられている。下バネホルダー32aの上部に下型14が設けられている。詳細には、下バネホルダー32aの上部に下プレート14cが設けられ、下プレート14cの上部に下ホルダ14bが設けられ、下ホルダ14bの上部に可動下ダイ14a(下ストリッパー)が設けられている。
つまり、下プレート14cは、下パンチ13の下端部に当接するように配置され、下パンチ13の力を受ける板である。
下型14は、略中央部に孔部14dが設けられ、その孔部14dに、下パンチ13が摺動自在に貫通するように構成されている。詳細には、可動下ダイ14a、下ホルダ14bの略中央部に孔部14dが設けられ、下パンチ13の下端部が下プレート14cに接続され、且つ、固定された構造となっている。下ホルダ14bは、下パンチ13を納める板部材である。
可動下ダイ14a(下ストリッパー)は、鍛造加工された材料を下型14からはがすように構成されている。また、可動下ダイ14aは、鍛造対象の素材5を鍛造加工中に、鍛造対象の素材5を押えるように構成されている。例えば、駆動部(160d,160e)にバネを使用している場合、そのバネと下押え板32bとが接続した構造を有する。
第2の型(下型14)に形成された第2の孔部(孔部14d)は、第1のパンチ(上パンチ11)に対応した位置に形成され、且つ、第1のパンチ(上パンチ11)の端部の外形寸法よりも大きい内形寸法となるように形成されている。
下パンチ13は、六角柱形状、四角柱形状、円柱形状などの柱形状に形成されている。本実施形態では、下パンチ13は六角柱形状に形成されている。下パンチ13の上下方向に沿った長さは、下型14の厚み方向(上下方向)の長さと略同じとなるように構成されている。
また、下型14が、台座20(または下押え板32b)から離れる方向に移動した場合、下パンチ13の上端部が下型14の上端よりも凹むように構成されている。下パンチ13の上端部、及び、下型14の孔部14dの大きさ(上パンチ11の移動方向に直交する方向の大きさ)は、上パンチ11の下端部の大きさ(上パンチ11の移動方向に直交する方向の大きさ)よりも大きく形成されている。
駆動部160d、駆動部160eが、下押え板32bと可動下ダイ14aとの間に配置されている。下型14の可動下ダイ14aは、駆動部160d、160eにより、下型14の可動下ダイ14aと下ダイセット202(または下押え板32b)とが離間する方向および近づく方向に移動自在に構成されている。詳細には、駆動部160d,160eは、油圧、空気圧、モータ、バネ、それら二つ以上の組み合わせ、などにより、駆動部160d,160eの固定部に対して可動部が伸縮するように構成されている。つまり、鍛造装置100は、制御部110の制御により、下型14の可動下ダイ14aと下ダイセット202(または下押え板32B)との間の距離を調整可能に構成されている。
また、鍛造装置100は、上パンチ11が鍛造素材5としての板材をパンチした場合、上パンチ11と下型14の孔部14dの側壁との間に隙間が形成され、素材5の材料の塑性変形により、その隙間を埋めるように材料流動が生じるように構成されている。
本発明の実施形態に係る鍛造装置100は、鍛造素材である金属製の素材5(板材など)を、後方押し出し鍛造加工により成形する。
また、鍛造装置100は、板材などの素材5を背圧付加鍛造加工により成形する。背圧付加鍛造加工とは、材料流出口に背圧を付加して、塑性変形域における静水圧を高めることにより、流動性を高めながら材料を塑性変形するように鍛造を行う加工法である。
また、鍛造装置100は、板材などの素材5を、冷間鍛造加工により成形する。冷間鍛造加工とは、素材を加熱せずに常温で鍛造する加工法である。
図1、図2に示したように、鍛造装置100は、制御部110(CPU)と、操作入力部120と、表示部130と、記憶部140と、位置検出部150と、駆動部160と、などを有する。この各構成要素はバスなどの通信路により電気的に接続されている。
制御部110は、鍛造装置100の各構成要素を統括的に制御する。詳細には、制御部110は、記憶部に記憶された制御プログラムなどのプログラム(PRG)を実行することにより、鍛造装置100(コンピュータ)に本発明に係る機能を実現する。制御部110の詳細な機能については後述する。
操作入力部120は、各種操作ボタン、各種スイッチ、キーボード、マウス、タッチパネル、などの操作入力装置であり、ユーザーなどの操作に応じた操作信号を制御部110に出力する。
表示部130は、制御部110の制御により、本発明に係る鍛造装置の各種情報などを表示する。
記憶部140は、RAM、ROM、外部記憶装置などの記憶装置により構成されており、本発明に係る機能を実現するプログラム、各種制御パラメータ、などを記憶している。
位置検出部150は、上パンチ11、上型12、下パンチ13、下型14、などの位置を検出し、その位置を示す検出信号を制御部110に出力する。また、位置検出部150は、上型12または下型14に対する素材の位置を検出し、その位置を示す信号を制御部110に出力する。この位置検出部150は、必要に応じて適宜設けられていてもよい。
駆動部160は、制御部110の制御に応じて、上パンチ11、上型12、下パンチ13、下型14などを駆動する。詳細には、駆動部160は、駆動部160a、駆動部160b、駆動部160c、駆動部160d、などを有する。
駆動部160aは、油圧、空気圧、電動モータなどにより構成され、例えば、クランク軸165、コネクティングロッド166などを駆動して上ダイセット212などを昇降させる。
駆動部160b、駆動部160cは、例えば、上型12のストリッパー12aと上ダイセット212に設けられ、上型12と上ダイセット212とが離間する方向および近づく方向に移動自在に構成されている。詳細には、駆動部160b,160cは、油圧、空気圧、モータ、バネ、それら2つ以上の組み合わせ、などにより、駆動部160b,160cの固定部に対して可動部が伸縮するように構成されている。つまり、鍛造装置100は、制御部110の制御により、上型12のストリッパー12aと上ダイセット212との間の距離を調整可能に構成されている。
駆動部160d,160eは、下型14の可動下ダイ14aと下ダイセット202とが離間する方向および近づく方向に移動自在に構成されている。詳細には、駆動部160d,160eは、油圧、空気圧、モータ、バネなどにより、駆動部160d,160eの固定部に対して可動部が伸縮するように構成されている。つまり、鍛造装置100は、制御部110の制御により、下型14の可動下ダイ14aと下ダイセット202との間の距離を調整可能に構成されている。
駆動部160および制御部110(CPU)は駆動制御部に対応する。
駆動制御部は、第1の型12のストリッパー12a、及び、第2の型14の可動下ダイ14aを駆動制御し、且つ、第1のパンチ11、及び/又は、第2のパンチ13を駆動制御する。
また、駆動制御部は、第1のパンチ11および第2のパンチ13により挟圧した素材部分5bの厚みを減少させるように、第1のパンチ11、および、第2のパンチ13を駆動制御した場合、第1のパンチ(上パンチ11)と第2のパンチ(下パンチ13)により挟圧した素材部分5bの厚み5eの減少量(体積減少量:減少部分5ed)に応じて、第1の型(上型12のストリッパー12a)と第2の型(下型14の可動下ダイ14a)により挟圧した素材部分の厚みを略保った状態で、第1の型(上型12のストリッパー12a)と第2の型(下型14の可動下ダイ14a)により挟圧される素材部分5aを、第1の型(上型12のストリッパー12a)側に移動させ、且つ、第1のパンチ(上パンチ11)と第2の孔部14dの隙間に材料流動させることにより形成される筒状部5pを増加させる駆動制御を行う。
詳細には、例えば、駆動制御部は、第1のパンチ11と第2のパンチ13との挟圧による素材部分の厚みの減少量(体積減少量:減少部分5ed)と、第1のパンチ11(上パンチ)と第2の孔部14dの隙間に材料流動させることにより形成される筒状部5pの増加量(体積増加量:増加部分5pd)とが同じ、または、略同じとなるように、第1の型(上型12のストリッパー12a)と第2の型(下型14の可動下ダイ14a)により挟圧される素材部分を、第1の型12(上型12のストリッパー12a)側に移動させる駆動制御を行う。
本実施形態では、駆動制御部は、下パンチ13を固定した状態で、上型12のストリッパー12a、下型14の可動下ダイ14aを第1の型(上型12のストリッパー12a)側に移動させるように、駆動部160b、160c、160d、160eを駆動する。
尚、駆動制御部は、第1のパンチ11および第2のパンチ13により挟圧した素材部分5bの厚みを減少させるように、第1のパンチ11、および、第2のパンチ13を駆動制御した場合、第1のパンチ(上パンチ11)と第2のパンチ(下パンチ13)により挟圧した素材部分5bの厚み5eの減少量(体積減少量:減少部分5ed)に応じて、第1の型(上型12のストリッパー12a)と第2の型(下型14の可動下ダイ14a)により挟圧した素材部分の厚みを略保った状態で、第1のパンチ11、および、第2のパンチ13により挟圧される素材部分を、第2のパンチ13側に移動させ、且つ、第1のパンチ(上パンチ11)と第2の孔部14dの隙間に材料流動させることにより形成される筒状部5pを増加させる駆動制御を行ってもよい。
この筒状部5pとは、平面視で、六角形状、多角形状、円筒形状、ドーナツ形状(環状)などの所望の筒形状を含む。
また、駆動制御部は、上パンチ11を固定した状態で、下パンチ13を上パンチ11側に押圧制御し、上型12のストリッパー12a、下型14の可動下ダイ14aを第1の型(上型12のストリッパー12a)側に移動させるように、駆動部160b、160c、160d、160eを駆動してもよい。
<鍛造装置100の動作の一例>
図4は、本発明の実施形態に係る鍛造装置100の動作の一例を示す断面図である。また、図4(a)は素材5を上型12と下型14、上パンチ11および下パンチ13で挟圧した状態の一例を示す断面図であり、図4(b)は塑性流動させた素材5の一例を示す断面図である。図5は鍛造装置100で成形された素材5から上パンチ11を離間した状態の一例を示す図である。
図6は本発明の実施形態に係る鍛造装置100の動作の一例を示す図である。詳細には、図6(a)は上ダイセット212が上死点に位置した場合、図6(b)は上パンチ11および下パンチ13が素材を押さえた場合、図6(c)は上ダイセット212が下死点に位置した場合、図6(d)は上ダイセット212が再び上死点に位置した場合の鍛造装置100の一例を示す図である。
図7は本発明の実施形態に係る鍛造装置100の動作の一例を示すフローチャートである。図8は本発明の実施形態に係る鍛造装置100の動作の一例を示す図である。詳細には、図8(a)は上パンチ11と、下パンチ13と、上型12のストリッパー12a、下型14の可動下ダイ14aの動きの一例を示す図、図8(b)は成形された素材5の一例を示す断面図である。図8(a)において、各線は、上パンチ11の下端位置、上型12のストリッパー12aの下端位置、下型14の可動下ダイ14aの上端位置、下パンチ13の上端位置を示している。
次に、鍛造装置100の動作の一例を、図1から図8などを参照しながら説明する。
初期状態では、鍛造装置100の制御部110は、スライド部材21が上死点位置となるように、駆動部160aが設定されている。この状態では、図3に示したように、上型12のストリッパー12aおよび上パンチ11は、下型14の可動下ダイ14aおよび下パンチ13と離間した状態となっている。
図3に示したように、下型14の可動下ダイ14aと下パンチ13の上に、鍛造対象の素材5である板材が載置される。この場合、下パンチ13上に、板材などの素材における筒形状体の形成位置と一致するように、素材5を配置する。
図3に示したように、下型14の下ホルダ14bに形成された第2の孔部14dは、第1のパンチ11(上パンチ)に対応した位置に形成され、且つ、第1のパンチ11(上パンチ)の端部の外形寸法11L(上型12のストリッパー12aの孔部の内形寸法)よりも大きい内径寸法14L(下パンチ13の外形寸法)となるように形成されている。
次に、ステップST1において、制御部110は、図4(a)に示したように、駆動部160を駆動して、第1の型である上型12のストリッパー12aおよび第2の型である下型14の可動下ダイ14aにより素材5の端部付近を挟圧する。また、この場合、制御部110は、上パンチ11と下パンチ13とにより素材5の中央部付近を挟圧する。
ステップST2において、制御部110は、図4(b)に示したように、駆動部160(160a、160b、160c、160d)をそれぞれ駆動して、第1のパンチ11(上パンチ)および第2のパンチ13(下パンチ)により挟圧した素材部分(板材)の厚みを減少させるように、第1のパンチ11(上パンチ)、および、第2のパンチ13(下パンチ)を駆動制御した場合、第1のパンチ11(上パンチ)と第2のパンチ13(下パンチ)により挟圧した素材部分5bの厚み5eの減少量(体積減少量:減少部分5ed)に応じて、上型12のストリッパー12aと下型14の可動下ダイ14aにより挟圧した素材部分の厚みを略保った状態で、上型12のストリッパー12aと下型14の可動下ダイ14aにより挟圧される素材部分5aを、上型12のストリッパー12a側に移動させ、且つ、第1のパンチ11(上パンチ)と第2の孔部14dの隙間に材料流動させることにより形成される筒状部5pを増加させる駆動制御を行う。
鍛造装置100は、上型12と下型14で素材5の厚み5dを略均一に維持した状態で、上述した駆動制御を行うので、素材5の加工時、素材5の加工部位以外の部分が加工部位に引き込まれたりしない、加工部位から素材材料がはみ出さない、板形状に影響を与えないように成形を行うことができる。
次に、図5に示したように、制御部110は、駆動部160を駆動して、スライド部材21の上ダイセット212、上型12のストリッパー12a、上パンチ11を上方に移動させる。
詳細には、図8に示したように、素材5の上端部位置k(上型12の下端部位置)は、上パンチ11と下パンチ13により挟圧される部分の板厚の減少量に応じて、上昇するように移動する。
図9は、複数の上パンチ11及び下パンチ13を備えた鍛造装置100の一例を示す図である。詳細には、図9(a)は上型12のストリッパー12a、下型14の可動下ダイ14a、上パンチ11、下パンチ13により素材5を挟圧した状態の一例を示す断面図、図9(b)は上パンチ11、下パンチ13により挟圧して塑性流動させた素材5の一例を示す断面図、図9(c)は上型12のストリッパー12aと下型14の可動下ダイ14aが離間した状態の一例を示す図である。
図9に示した鍛造装置100は、上型12のストリッパー12aに形成された複数の孔部に上パンチ11がそれぞれ貫通自在に設けられ、下型14の可動下ダイ14aに形成された複数の孔部に下パンチ13がそれぞれ設けられている。
鍛造装置100は、上述したように、板材などの素材5の加工時、素材5の加工部位以外の部分が加工部位に引き込まれたりしない、加工部位から素材の材料がはみ出さない、素材の板形状部分に影響を与えないように成形を行うことができる。このため、図9に示した鍛造装置100は、板材などの素材5に、連続的に密接して筒形状部を加工成形することができる。
以下、鍛造装置100の動作を上述した図面(特に図9)を参照しながら、詳細に説明する。
先ず、鍛造装置100の制御部110は、上型12のストリッパー12aと下型14の可動下ダイ14aにより板材などの素材5を挟圧し、且つ、複数の上パンチ11と下パンチ13により、素材5を挟圧する。
次に、制御部110は、駆動部160(160a、160b、160c、160d)を駆動して、複数の第1のパンチ11(上パンチ)および複数の第2のパンチ13(下パンチ)により挟圧した素材部分の厚みを減少させるように、第1のパンチ11(上パンチ)、および、第2のパンチ13(下パンチ)を駆動制御した場合、第1のパンチ11(上パンチ)と第2のパンチ13(下パンチ)により挟圧した素材部分5bの厚み5eの減少量(体積減少量:減少部分5ed)に応じて、第1の型である上型12のストリッパー12aと第2の型である下型14の可動下ダイ14aにより挟圧した素材部分の厚みを略保った状態で、上型12のストリッパー12aと下型14により挟圧される素材部分5aを、上型12のストリッパー12a側に移動させ、且つ、第1のパンチ11(上パンチ)と第2の孔部14dの隙間に材料流動させることにより形成される筒状部5pを増加させる駆動制御を行う。
この際、鍛造装置100の制御部110は、板材などの素材5の加工部位以外の部分が加工部位に引き込まれたりしない、加工部位から素材の材料がはみ出さない、素材の板形状部分に影響を与えないように、駆動部160を駆動制御する。
そして、鍛造装置100の制御部110は、駆動部160を駆動して、スライド部材21の上ダイセット212、上型12のストリッパー12a、上パンチ11などを上方に移動させる。
このように、鍛造装置100は、板材などの素材5に連続的に密接して、有底の筒形状体を成形することができる。
図10、図11は、複数の筒形状部を成形した素材5の一例を示す図である。上記実施形態では、鍛造装置100が板材などの一つの鍛造素材5を鍛造加工により成形して、一つの有底の筒形状体を作製したが、この形態に限られるものではない。例えば、図10に示したように、鍛造装置100は、一つの鍛造素材5に複数の筒形状体を同時に成形するように構成されていてもよい。
また、円筒形状体に限られるものではなく、例えば、鍛造装置100は、図10(a)、図10(b)に示したように、断面形状が偏平な楕円形状(ソラマメ形状)の有底の筒形状体を複数成形するように構成されていてもよい。
鍛造装置100は、例えば、図10(c)、図10(d)に示したように、複数の有底の円筒形状体を成形するように構成されていてもよい。
また、鍛造装置100は、図10(e)、図10(f)に示したように、有底の四角筒形状体を複数成形するように構成されていてもよい。
また、鍛造装置100は、図10(g)、図10(h)に示したように、断面形状が十字形状の有底の筒形状体を複数成形するように構成されていてもよい。
また、鍛造装置100は、図10(i)、図10(j)に示したように、断面形状が略三角形状の有底の筒形状体を複数成形するように構成されていてもよい。
また、鍛造装置100は、素材5に有底の筒形状部を成形した後、必要に応じて、2次加工や3次加工を行うことにより、図11(a)、図11(b)に示したように、多段状に成形するように構成されていてもよい。この場合、素材5を複雑な形状に成形することができる。
また、鍛造装置100は、据込み加工などの予備成形された素材5により、図12(a)に示したようなフランジ付きの素材5などに、本発明に係る鍛造加工を施すことにより、図12(b)に示したように、比較的深い有底の筒形状体5tを容易に成形することができる。例えば、電池ケースなどの比較的深い有底の筒形状体5tを作製する際に、上記本発明に係る鍛造加工法を採用することで、容易にそれを作製することができる。
ここで、据え込み加工とは、材料を長さ方向に圧縮してその長さの一部または全部の断面を大きくする加工法である。
また、図13(a)、図13(b)に示したように、鍛造装置100は、例えば、素材5の板材に、筒形状体5tを一つずつ、加工場所をずらして複数回加工することにより、素材5に複数の筒形状体5tを成形するように構成されていてもよい。
また、鍛造装置100は、例えば、図13(c)に示したように、素材5の板材に、材料送り方向と直交する方向に複数個の筒形状体5tが並ぶように、一列ずつ、加工場所をずらして複数回加工することにより、素材5に複数の筒形状体5tをマトリクス状に成形するように構成されていてもよい。
また、鍛造装置100は、例えば、図13(d)に示したように、素材5の板材に、材料送り方向と直交する方向に複数個の筒形状体5tが並ぶように、3列など複数列ずつ、加工場所をずらして複数回加工することにより、素材5に複数の筒形状体5tをマトリクス状に成形するように構成されていてもよい。
<本発明の他の実施形態に係る鍛造装置>
図14は本発明の他の実施形態に係る鍛造装置の一例を示す図である。
図14に示した鍛造装置100は、プレス機に駆動装置(駆動部)が組み込まれた構造を有する。
詳細には、図14に示した鍛造装置は、第1のパンチ11(上パンチ)と、第2のパンチ13(下パンチ)と、上型12と、下型14と、などを有する。
上型12は、ストリッパー12a、上ホルダ12b、上プレート12c、などを有する。下型14は、可動下ダイ14a(下ストリッパー)、下ホルダ14b、下プレート14c、などを有する。また、本実施形態の鍛造装置は、制御部110(CPU)と、操作入力部120と、表示部130と、記憶部140と、位置検出部150と、駆動部160(160a、160b、160c、160d,160e)と、などを有する(不図示)。
図14に示した鍛造装置100は、図1に示した鍛造装置と比較すると、上押え板31b、上バネホルダー31a、下バネホルダー32a、下押え板32bが設けられていない。
また、図14に示した鍛造装置100では、駆動部160d、160eの上端部が可動下ダイ14aに接続され、下端部がプレスボルスター201に接続された構造を有し、駆動部160b、160cの上端部がプレススライド211に接続され、下端部がストリッパー12aに接続された構造を有する。
図14に示した鍛造装置100では、制御部110が駆動部160a,160b、160c、160d、160eを駆動させることにより、比較的大きいストロークでストリッパー12aや可動下ダイ14aを動作可能に構成されている。
上述したように、ストリッパー12aや可動下ダイ14aの可動範囲が比較的大きい鍛造装置100を提供することができる。
図14に示した鍛造装置と、図1などに示した鍛造装置と同じ構成については、説明を省略する。
<ハニカム構造形成>
次に、板材などの鍛造の素材に対して、複数回のプレス加工を施し、複数の有底の筒状部を高精度に並設させたハニカム構造などを有する成形体を簡単に生成する鍛造装置について、図面を参照しながら説明する。ハニカム構造は、例えば、平面視、六角形状、四角形状、三角形状などの有底の筒形状部を並設したものである。尚、本実施形態に関する鍛造装置に関し、上記実施形態と同様な構成および動作について説明を省略する。
図15は本実施形態に係る鍛造装置の上型12(第1の型)の一例を示す斜視図である。図16は本実施形態に係る鍛造装置の下型14(第2の型)の一例を示す斜視図である。図17は下型14と素材5の一例を示す上面図である。
本実施形態では、上型12は、複数の孔部12dを有する。詳細には、上型12は、平面視で六角形状の複数の孔部12dを有する。具体的には、上型12は、中心部に孔部12da、その孔部12daの周囲に6個の孔部12db,12dc,12dd,12de,12df,12dgを有する(図15参照)。この孔部12dは、六角柱形状の上パンチを摺動自在に貫通するように構成されている。尚、本実施形態では、孔部12dfに対応する上パンチを設けない。
下型14は、複数の孔部14dを有する。詳細には、下型14は、6個の孔部14da,14db,14dc,14dd,14de,14dfを有し、各孔部に六角柱形状の下パンチを摺動自在に貫通するように構成されている。下型14の6個の孔部14da,14db,14dc,14dd,14de,14dfは、上型12の孔部12da,12db,12dc,12dd,12de,12dfに対応する位置に設けられている。上型の孔部12dgに対応する下型14の位置には、段部14dgが形成されている。
また、下型14は、素材5に形成した筒状部の外側面に当接する位置決め当接部143を有する。詳細には、下型14の上面141は素材5の下面に当接する。下型14は、孔部14da,14db,14dfの近傍に段部142を有する。段部142の上下方向の長さは、素材5に形成される筒状部よりも長くなるように規定されている。下型14の段部142の下部に、平坦部142aが形成されている。
詳細には、下型14の段部142の立ち上がり側面に、素材5に形成された筒状部の外側面に当接する位置決め当接部143a,143b,143c,143d,143gを有する。
位置決め当接部143b,143c,143dは、孔部14ddで形成された素材の筒状部の外側面の一部分に当接可能な形状に形成されている。位置決め当接部143aは、孔部14deで形成された筒状部の外側面の一部分に当接可能な形状に形成されている。位置決め当接部143gは、孔部14dcで形成された筒状部の外側面の一部分に当接可能な形状に形成されている。
尚、本実施形態では、下型14の立ち上がり側面145に素材の筒状部は当接しない。
このように、下型14の位置決め当接部143b,143c,143dに、孔部14ddで形成された素材の筒状部の外側面の一部分に当接させることで、素材を下型14に高精度に位置決めすることができる。つまり、下型14と素材5の位置関係に関し、素材の送り方向、および、その方向に直交する方向への所定位置からのずれが小さい。
また、下型14の位置決め当接部143aに、孔部14deで形成された筒状部の外側面を当接させ、且つ、位置決め当接部143gに、孔部14dcで形成された筒状部の外側面を当接させることで、素材を下型14に高精度に位置決めすることができる。つまり、下型14と素材5の位置関係に関し、素材の送り方向への所定位置からのずれが小さい。
また、本実施形態では、下型14は、細長の矩形状の素材5の幅方向の側面に当接可能な段部144を有する。この段部144に素材5の幅方向の側面を当接させることで、下型14に対して素材5をさらに高精度に位置決めを行うことができる。つまり、下型14と素材5の位置関係に関し、素材の送り方向に直交する方向への所定位置からのずれが小さい。
本実施形態では、鍛造装置は、素材5の位置を調整する調整手段61(位置決め手段)を有する。調整手段61は、例えば、素材5の端部付近を把持可能に構成され、且つ、素材5を下型14に対して所定位置に配置するように移動自在に構成されている。この調整手段61は、例えば、X軸、Y軸、Z軸方向に移動自在な把持部と、把持部を移動させる駆動手段を有し、制御部(CPU)による駆動手段の駆動制御により、把持部により把持された素材の位置を所定位置に移動自在に構成されている。
素材に対して、複数回のプレス加工を施し、複数の六角形状の筒状部を有するハニカム構造を形成する場合、本実施形態では、図17に示したように、1回のプレス加工により6個の筒状部(A)を素材5に形成した後、調整手段61(位置決め手段)により、素材5を送り方向に所定距離だけずらし、素材5に形成された筒状部(A)の外側面を下型14の位置決め当接部に当接させて、高精度に位置決めを行い、次のプレス加工により6個の筒状部(B)を形成する。鍛造装置は、上記工程を繰り返すことにより、素材5に6個の筒状部(A)、6個の筒状部(B)、6個の筒状部(C(Ca,Cb,Cc,Cd,Ce,Cf))、6個の筒状部(D)を有するハニカム構造を容易に形成することができる。
図18は鍛造装置の動作の一例を示す図である。詳細には図18(a)は上型12と素材5とを離間した初期状態を示す図、図18(b)は上パンチ11、下パンチ13により素材5を押圧した状態の一例を示す図、図18(c)は上型12および上パンチ11と素材5を離間した状態の一例を示す図、図18(d)は下型14に対して素材5を位置決めした状態を示す図、図18(e)は上パンチ11、下パンチ13により素材5を押圧した状態の一例を示す図、図18(f)は上型12と素材5を離間した状態の一例を示す図である。
図19は鍛造装置の動作の一例を示すフローチャートである。
本実施形態に係る鍛造装置の動作に一例を上述した図面(図18,図19,図1など)を参照しながら説明する。
ステップST11において、駆動制御部が、素材の加工領域の周囲の素材部分の厚みを略均一に維持した状態で、素材5をプレス加工して筒状部を形成する(図18(a),図18(b),図18(c)参照)。
詳細には、制御部110は、駆動部160を駆動して、第1の型である上型12および第2の型である下型14により素材5の端部付近を挟圧する。この場合、制御部110は、上パンチ11と下パンチ13とにより素材5の中央部付近を挟圧する。
そして、制御部110は、駆動部160(160a、160b、160c、160d)をそれぞれ駆動して、第1のパンチ11(上パンチ)および第2のパンチ13(下パンチ)により挟圧した素材部分(板材)の厚みを減少させるように、第1のパンチ11(上パンチ)、および、第2のパンチ13(下パンチ)を駆動制御した場合、第1のパンチ11(上パンチ)と第2のパンチ13(下パンチ)により挟圧した素材部分5bの厚み5eの減少量(体積減少量:減少部分5ed)に応じて、上型12のストリッパー12aと下型14の可動下ダイ14aにより挟圧した素材部分の厚みを略保った状態で、上型12のストリッパー12aと下型14の可動下ダイ14aにより挟圧される素材部分5aを、上型12のストリッパー12a側に移動させ、且つ、第1のパンチ11(上パンチ)と第2の孔部14dの隙間に材料流動させることにより形成される筒状部5pを増加させる駆動制御を行う。
このように、鍛造装置100は、上述した駆動制御を行うので、素材5の加工時、素材5の加工部位以外の部分が加工部位に引き込まれたりしない、加工部位から素材材料がはみ出さない、板形状に影響を与えないように成形を行うことができる。
ステップST12において、位置決め手段としての調整手段61が素材5の端部付近5uを把持して素材5を移動させ、筒状部5pの外側面5sを第2の型14(または第1の型12)に設けた位置決め当接部143に当接させることにより、第2の型(または第1の型12)に対して素材5を所定位置に位置決めする(図18(d)参照)。
ステップST13において、素材5を第2の型14(または第1の型12)に位置決めした状態で、駆動制御部が素材5の加工領域の周囲の素材部分の厚みを略均一に維持した状態で、素材5をプレス加工して所定間隔に並設した筒状部を形成する(図18(e),図18(f)参照)。
このステップST13の動作については、ステップST11と略同様な動作である。
詳細には、制御部110は、駆動部160を駆動して、第1の型である上型12および第2の型である下型14により素材5の端部付近を挟圧する。この場合、制御部110は、上パンチ11と下パンチ13とにより素材5の中央部付近を挟圧する。
そして、制御部110は、駆動部160(160a、160b、160c、160d)をそれぞれ駆動して、第1のパンチ11(上パンチ)および第2のパンチ13(下パンチ)により挟圧した素材部分(板材)の厚みを減少させるように、第1のパンチ11(上パンチ)、および、第2のパンチ13(下パンチ)を駆動制御した場合、第1のパンチ11(上パンチ)と第2のパンチ13(下パンチ)により挟圧した素材部分5bの厚み5eの減少量(体積減少量:減少部分5ed)に応じて、上型12のストリッパー12aと下型14の可動下ダイ14aにより挟圧した素材部分の厚みを略保った状態で、上型12のストリッパー12aと下型14の可動下ダイ14aにより挟圧される素材部分5aを、上型12のストリッパー12a側に移動させ、且つ、第1のパンチ11(上パンチ)と第2の孔部14dの隙間に材料流動させることにより形成される筒状部5pを増加させる駆動制御を行う。
このように、鍛造装置100は、上述した駆動制御を行うので、素材5の加工時、素材5の加工部位以外の部分が加工部位に引き込まれたりしない、加工部位から素材材料がはみ出さない、板形状に影響を与えないように成形を行うことができる。
図20は鍛造装置の動作の一例を説明するための図である。詳細には、図20(a)は下型14の一例を示す図、図20(b)は成形体の一例を示す図である。図21は成形体の一例を示す斜視図である。
上述した実施形態では、図20(a)に示したように、下型14に形成された6個の孔部14dにのみ下パンチを摺動自在に設けた態様であった。また、上型12に関しても同様に、各下パンチに対応する位置に上パンチを摺動自在に設ける。
本実施形態に係る鍛造装置は、上述した動作により図20(b),図21に示したように、素材5に対して、複数回のプレス加工を施し、複数の六角形状の有底の筒状部を有するハニカム構造を形成することができる。このように、本実施形態に係る鍛造装置は、ハニカム構造を有する成形体を容易に高精度に作製することができる。
図22は下型14Bの一例を示す斜視図である。図22に示した下型14Bと、図16に示した下型14の相違点を説明する。下型14Bは、位置決め当接部143a,143b,143c,143d,143e,143f,143g,143h,143mを有する。
位置決め当接部143b,143c,143dは、孔部14ddで形成された素材の筒状部の外側面の一部分に当接可能な形状に形成されている。
また、本実施形態では、素材5を1つの筒状部の大きさだけ、素材5の幅方向にずらした状態で、孔部14ddで形成された素材の筒状部の外側面の一部分に当接する、位置決め当接部143e,143f、位置決め当接部143h,143mを有する。また、図22に示した下型14Bは、図16に示した下型14の段部144を備えていない。
図22に示した下型14Bを採用した場合、プレス加工と次のプレス加工の間で、素材の送り方向に対して斜め方向、または、直交する方向に素材5を容易にずらすことができ、素材の移動の自由度を向上させることができる。このように、6個の筒状部を一つの単位として、素材の送り方向に対して斜め方向にずらした状態でプレス加工を行うことができ、幅広の素材に対して、広範囲にハニカム構造を形成することができる。
図23は、鍛造装置の動作の一例を説明するための図である。詳細には、図23(a)は下型14の一例を示す図、(b)は成形体の一例を示す図である。
図23(a)に示した下型14では、5つの孔部14d(2箇所の斜線部分を除く)にのみ下パンチを設ける。上型12も同様に、各下パンチに対応する位置の5つの孔部のみに上パンチを設ける。
図23(a)に示した下型14と、この下型14に対応する上型12を用いた鍛造装置は、複数回プレス加工を繰り返すことにより、図23(b)に示したように、素材5に、5つの有底の筒状部5pを一つの単位として、5つの筒状部(A)、5つの筒状部(B)、5つの筒状部(C)、5つの筒状部(D)を有する構造を容易に形成することができる。
図24は鍛造装置の動作の一例を説明するための図である。詳細には、図24(a)は下型14の一例を示す図、図24(b)は成形体の一例を示す図である。
図24(a)に示した下型14では、5つの孔部14d(2箇所の斜線部分を除く)にのみ下パンチを設ける。図24(a)に示した下型14と図23に示した下型との相違点に関し、下パンチを設ける箇所が異なる。
上型12も同様に、各下パンチに対応する位置の5つの孔部のみに上パンチを設ける。
図24(a)に示した下型14と、この下型14に対応する上型12を用いた鍛造装置は、複数回プレス加工を繰り返すことにより、図24(b)に示したように、素材5に、5つの有底の筒状部5pを一つの単位として、5つの筒状部(A)、5つの筒状部(B)、5つの筒状部(C)、5つの筒状部(D)を有する構造を容易に形成することができる。
図25は成形体の一例を示す図である。
図25に示した実施形態の鍛造装置では、プレス加工と次のプレス加工の間で、素材5を、素材の送り方向(素材の幅方向に直交する方向)に対して斜め方向にずらして位置決めを行う。
鍛造装置は、上述したように、素材の送り方向に対して斜め方向に素材をずらしながら、複数回プレス加工を行うことにより、図25に示したように、素材5に、5つの有底の筒状部5pを一つの単位として、5つの筒状部(A)、5つの筒状部(B)、5つの筒状部(C)、5つの筒状部(D)を有するハニカム構造を容易に形成することができる。このように、素材の送り方向に対して斜め方向に素材をずらしながらプレス加工を繰り返し行うことで、ハニカム構造を容易に形成することができる。
図26は下型14Cの一例を示す斜視図である。図26に示した実施形態の鍛造装置において、下型14Cは一つの孔部14de(14d)を有し、その孔部14de(14d)の周囲に、平坦部142a上に平面視で六角形状の壁部1402が6つ形成されている。壁部1402の上面1401(141)は、素材の下面に当接するように構成されている。
本実施形態では、位置決め当接部143として、この六角形状の壁部1402の内側面を用いる。
下型14の孔部14deに下パンチを設ける。上型には、下パンチに対応する位置の孔部のみに上パンチを設ける。
図26に示した下型14Cを有する鍛造装置は、先ず、孔部14deに対応する位置にプレス加工により一つの筒状部を形成する。その筒状部を、孔部14deに隣接して形成された六角形状の壁部1402の内面に当接させることで、素材を下型14Cに高精度に位置決めする。
次に、鍛造装置は、孔部14deに対応する位置にプレス加工により筒状部を形成する。
次に、素材をずらして、孔部14deに隣接して形成された六角形状の壁部1402の内面に当接させることで、素材を下型14Cに高精度に位置決めする。
このように、プレス加工工程、位置決め工程を繰り返し行うことで、ハニカム構造を有する成形体を容易に作製することができる。
図27は下型14Dおよび成形体の一例を示す斜視図である。
図27に示した実施形態の下型14Dは、平面視、六角形の孔部14dの各頂点から放射方向に延設した壁部1402を有する。この壁部1402は、下型14Dの平坦部142a上に立設されている。
本実施形態の鍛造装置の他の構成は、上述した構成と同じであるので説明を省略する。
この下型14Dを有する鍛造装置は、先ず、孔部14dに対応する位置にプレス加工により一つの筒状部を形成する。その筒状部を、孔部14dに隣接して形成された壁部1402の側面に当接させることで、素材を下型14Dに高精度に位置決めする。
次に、鍛造装置は、孔部14dに対応する位置にプレス加工により筒状部を形成する。
次に、素材をずらして、孔部14dに隣接して形成された壁部1402の側面に当接させることで、素材を下型14Dに高精度に位置決めする。
このように、プレス加工工程、位置決め工程を繰り返し行うことで複数の筒状部を備えたハニカム構造を有する成形体を容易に作製することができる。尚、鍛造装置は、ハニカム構造ではなく、素材に複数の筒状部を並設した成形体を形成してもよい。
図28は下型14Eの一例を示す斜視図である。
図28に示した下型14Eは、平面視、六角形状の9つの孔部14dを有する。各孔部14dには、下パンチが設けられる。上型は、下型14Eの各孔部14dに対応する位置に孔部を有し、その孔部に上パンチを配置している。
下型14Eは、その上面141に、素材の下面を当接するように構成されている。また、下型14Eは、段部142の立ち上がり部分に、位置決め当接部143を有する。この位置決め当接部143は、素材5に形成した複数の筒状部の外側面の一部分に当接する形状に形成されている。
下型14Eを有する鍛造装置の動作を説明する。
図29は図28に示した下型14Eを有する鍛造装置の動作の一例を示す図である。詳細には、図29(a)は下型の一例を示す図、図29(b)は第1プレス加工の後、素材と金型の位置合わせ状態の一例を示す図、図29(c)は第2プレス加工の後、素材と金型の位置合わせ状態の一例を示す図、図29(d)は第3プレス加工の後、素材と金型の位置合わせ状態の一例を示す図である。
先ず、鍛造装置は、素材に9つの有底の六角形状の筒状部をプレス加工により形成する(図29(a)参照)。
次に、素材5に形成した9つの筒状部5p(A)のうち、図29(b)に示した右上部分の3つの筒状部5pの外側面の一部分を、下型14Eの位置決め当接部143の側面に当接させて、素材5を下型14Eに対して高精度に位置決めを行う。次に、素材に対してプレス加工を行い、9つの筒状部を形成する。
次に、図29(c)に示したように、素材5に形成した複数の筒状部5p(A)、5p(B)のうち、筒状部5p(A)の左上部分の3つの筒状部5pの外側面の一部分を、下型14Eの位置決め当接部143の側面に当接させて、素材5を下型14Eに対して高精度に位置決めを行う。次に、素材に対してプレス加工を行い、9つの筒状部を形成する。
次に、図29(c)に示したように、素材5に形成した複数の筒状部5p(A)、5p(B)、5p(C)の外側面の一部分を、下型14Eの位置決め当接部143の側面に当接させて、素材5を下型14Eに対して高精度に位置決めを行う。次に、素材に対してプレス加工を行い、9つの筒状部を形成する。
このように、プレス加工工程、位置決め工程を繰り返し行うことで、比較的短時間に、複数の筒状部を備えたハニカム構造を有する成形体を容易に作製することができる。
尚、上述した実施形態では、素材に形成した筒状部に当接する位置決め当接部143を下型14に設けたが、この形態に限られるものではない。例えば、素材に形成した筒状部に当接する位置決め当接部を上型12に形成してもよい。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る鍛造装置は、鍛造の素材を成形して複数の有底の筒状部を所定間隔に並設した成形体を生成する。詳細には、鍛造装置は、素材を挟圧する上型12(第1の型)および下型14(第2の型)と、上型12に形成された第1の孔部12dに貫通自在に設けられた上パンチ11(第1のパンチ)と、下型14に形成された第2の孔部14dに貫通自在に設けられた下パンチ13(第2のパンチ)と、上型12および下型を駆動制御し、且つ、上パンチ11、および/または、下パンチ13を駆動制御する駆動制御部(制御部110、駆動部160)と、下型14(または上型12)に対して素材5を所定位置に位置決めする位置決め手段(調整手段61)と、を有する。
下型14の可動下ダイ14aに形成された第2の孔部14dは、上パンチ11に対応した位置に形成され、且つ、上パンチ11の端部の外径よりも大きい内径に形成されている。
駆動制御部(制御部110、駆動部160)は、第1のパンチ11(上パンチ)および第2のパンチ13(下パンチ)により挟圧した素材部分の厚みを減少させるように、第1のパンチ11(上パンチ)、および、第2のパンチ13(下パンチ)を駆動制御した場合、第1のパンチ11(上パンチ)と第2のパンチ13(下パンチ)により挟圧した素材部分の厚みの減少量に応じて、上型12のストリッパー12aと下型14の可動下ダイ14aにより挟圧した素材部分の厚みを略保った状態で、上型12のストリッパー12aと下型14の可動下ダイ14aにより挟圧される素材部分を、上型12のストリッパー12a側に移動させ、且つ、第1のパンチ11(上パンチ)と第2の孔部14dの隙間に材料流動させることにより形成される筒状部を増加させる駆動制御を行う。
位置決め手段(調整手段61)は、素材5に形成された筒状部5pの外側面を、下型14(第2の型)または、上型12(第1の型)に設けた位置決め当接部143に当接させることにより、下型14(第2の型)または、上型12(第1の型)に対して素材5を所定位置に位置決めする。
また、本実施形態では、素材に複数の筒状部を有するハニカム構造を形成するように、位置決め手段(調整手段61)が、筒状部を下型14または上型12に対して位置決めを行う。
このように、板材などの素材に対して、複数回のプレス加工を施し、複数の有底の筒状部を高精度に並設させたハニカム構造などを、簡単に、短時間に形成することができる鍛造装置を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る鍛造装置の鍛造方法は、駆動制御部(制御部110、駆動部160)が、素材5の加工領域の周囲の素材部分の厚みを略均一に維持した状態で、その素材をプレス加工して筒状部5pを形成する工程(ステップST11)と、位置決め手段(調整手段61)が、筒状部の外側面を下型14(第2の型)または上型12(第1の型)に設けた位置決め当接部143に当接させることにより、下型14または上型12に対して素材を所定位置に位置決めする工程(ステップST12)と、位置決め手段(調整手段61)により素材5を下型14または上型12に位置決めした状態で、駆動制御部が素材の加工領域の周囲の素材部分の厚みを略均一に維持した状態で、素材5をプレス加工して所定間隔に並設した筒状部を形成する工程(ステップST13)と、を有する。
このため、複数の有底の筒状部を、簡単に、高精度に形成することができる鍛造装置の鍛造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、上記鍛造装置により生成された、複数の筒状部を所定間隔に並設した構造(ハニカム構造など)を有する成形体を提供することができる。
また、例えば、絞り・しごき加工、トリム加工を繰り返し行う場合と比較して、本発明の実施形態に係る鍛造装置は、トリム加工を行う工程を低減することができるので、高い材料利用率の加工を行うことができる。
また、本発明の実施形態に係る鍛造装置は、上述したように、金属製の板材などの鍛造素材5を、後方押し出し鍛造加工、背圧付加鍛造加工、冷間鍛造加工により成形する。このため、短時間に、高精度に、有底筒状に鍛造加工を行うことができる鍛造装置を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る鍛造装置は、駆動制御部(制御部110、駆動部160)が、第1の型である上型12のストリッパー12aに、第1のパンチ11(上パンチ)にかかる力とは独立した第1の拘束力を加え、且つ、第2の型である下型14の可動下ダイ14aに、第1のパンチ11にかかる力とは独立した第2の拘束力を加えるように駆動制御を行う。この場合、第2の拘束力は、第1の拘束力よりも大きいことが好ましい。
こうすることで、簡単な駆動制御により、簡単に、素材5である板材を成形して筒状部5pを形成することができる。
また、駆動制御部(制御部110、駆動部160)は、素材5の材料流動により、上パンチ11に沿ってはみ出したり、上パンチ11と孔部14dに沿って引き込まれたりしないように鍛造加工を行うことで、簡単に、有底筒形状体を成形することができる。
尚、上記実施形態の鍛造装置は、下パンチ13が台座20などに固定され、上型12のストリッパー12aと下型14の可動下ダイ14aにより挟圧される板材部分を、上型12のストリッパー12a側(上方向)に移動させたが、この形態に限られるものではない。
例えば、鍛造装置は、上パンチ11と下パンチ13により板材などの素材5を挟圧した状態で、且つ、上型12のストリッパー12aと下型14の可動下ダイ14aにより素材5を挟圧した状態(固定)で、上パンチ11と下パンチ13により挟圧した板材部分を下方に移動するように構成してもよい。
また、鍛造装置100は、上パンチ11と下パンチ13により素材5を挟圧した状態で、且つ、上型12のストリッパー12aと下型14の可動下ダイ14aにより素材5を挟圧した状態で、上パンチ11と下パンチ13により挟圧した板材部分を、上型12のストリッパー12aと下型14の可動下ダイ14aにより挟圧した板材部分から離れる方向に移動するように構成してもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
本実施形態では、素材に鍛造加工を施して、平面視で、正六角形などの六角形状の有底筒形状体を、複数個、並べて配列されたハニカム構造を有する成形体を形成したが、この形態に限られるものではない。
例えば、平面視、正方形などの四角形状、または、正三角形などの三角形状の有底筒形状体を複数個、配列されたパターンを形成するようにしてもよい。
5 素材(鍛造素材、板材、予備成形された素材など:鍛造加工対象物)
5a ストリッパーにより挟圧される素材(板材)部分
5b 上パンチと下パンチにより挟圧される素材(板材)部分
5e 素材(板材)の厚み(鍛造加工により、上パンチと下パンチにより挟圧される素材部分の厚み)
5ed 減少部分
5p 筒状部
5pd 増加部分
5t 筒形状体
5s 外側面
11 上パンチ(第1のパンチ)
11L 上パンチの外形寸法
12 上型(第1の型:ストリッパー)
12a ストリッパー
12b 上ホルダ
12c 上プレート
12d 孔部
13 下パンチ(第2のパンチ)
14 下型(第2の型:可動下ダイ)
14a 可動下ダイ(下ストリッパー)
14b 下ホルダ
14c 下プレート
14d 孔部
20 台座(下ダイセットおよびプレスボルスター)
21 スライド部材(プレススライドおよび上ダイセット)
22 ロッド(スライドガイド)
25 付勢部材(スプリング)
31 上ブロック
32 下ブロック
61 調整手段(位置決め手段)
100 鍛造装置
110 制御部(CPU)
120 操作入力部
130 表示部
140 記憶部
143 位置決め当接部
150 位置検出部(センサ)
160 駆動部
201 プレスボルスター
202 下ダイセット
211 プレススライド
212 上ダイセット

Claims (4)

  1. 鍛造の素材を成形して複数の有底の筒状部を所定間隔に並設した成形体を生成する鍛造装置であって、
    前記素材を挟圧する第1の型および第2の型と、
    前記第1の型に形成された第1の孔部に貫通自在に設けられた第1のパンチと、
    前記第2の型に形成された第2の孔部に貫通自在に設けられた第2のパンチと、
    前記第1の型、および、前記第2の型を駆動制御し、且つ、前記第1のパンチ、および/または、前記第2のパンチを駆動制御する駆動制御部と、
    前記第1の型または前記第2の型に対して前記素材を所定位置に位置決めする位置決め手段と、を有し、
    前記第2の型に形成された前記第2の孔部は、前記第1のパンチに対応した位置に形成され、且つ、前記第1のパンチの端部の外形寸法よりも大きい内形寸法となるように形成され、
    前記駆動制御部は、前記第1のパンチおよび前記第2のパンチにより挟圧した素材部分の厚みを減少させるように、前記第1のパンチ、および/または、前記第2のパンチを駆動制御した場合、前記第1のパンチと前記第2のパンチにより挟圧した素材部分の厚みの減少量に応じて、前記第1の型と前記第2の型により挟圧した素材部分の厚みを略保った状態で、前記第1の型と第2の型により挟圧される素材部分を、前記第1の型側に移動させ、且つ、前記第1のパンチと前記第2の孔部の隙間に材料流動させることにより形成される筒状部を増加させる駆動制御を行い、
    前記位置決め手段は、前記筒状部の外側面を、前記第1の型または前記第2の型に設けた位置決め当接部に当接させることにより、前記第1の型または前記第2の型に対して前記素材を所定位置に位置決めすることを特徴とする鍛造装置。
  2. 前記素材に複数の筒状部を有するハニカム構造を形成するように、前記位置決め手段が、前記筒状部を前記第1の型または前記第2の型に対して位置決めを行うことを特徴とする請求項1に記載の鍛造装置。
  3. 請求項1に記載の鍛造装置の鍛造方法であって、
    前記駆動制御部が、前記素材の加工領域の周囲の素材部分の厚みを略均一に維持した状態で、前記素材をプレス加工して筒状部を形成する工程と、
    前記位置決め手段が、前記筒状部の外側面を前記第1の型または前記第2の型に設けた位置決め当接部に当接させることにより、前記第1の型または前記第2の型に対して前記素材を所定位置に位置決めする工程と、
    前記位置決め手段により前記素材を前記第1の型または前記第2の型に位置決めした状態で、前記駆動制御部が前記素材の加工領域の周囲の素材部分の厚みを略均一に維持した状態で、前記素材をプレス加工して所定間隔に並設した筒状部を形成する工程と、を有することを特徴とする
    鍛造装置の鍛造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の鍛造装置を用いて成形体を生成することを特徴とする成形体の製造方法。
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