本発明は、小児充実性腫瘍を処置する方法を提供する。本発明者らは、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物、即ちNab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))が、in vitroおよびin vivoの両方で、小児充実性腫瘍に対して著しい抗腫瘍活性を有することを見出した。Nab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))は、従来のパクリタキセル処置の後、小児充実性腫瘍の異種移植モデルの局所再発腫瘍において、活性であることをさらに見出した。
したがって、一態様における本出願は、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、個体が約21歳以下(約18歳以下など)である方法を提供する。充実性腫瘍には、例えば、軟部組織肉腫(横紋筋肉腫など)および神経芽細胞腫が含まれる。
別の態様では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、個体が前処置を受けている方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、前処置に対して耐性または治療抵抗性である。一部の実施形態では、個体は、前処置で進行している。一部の実施形態では、個体は再発性充実性腫瘍を有する。
本明細書に記載される方法に有用な組成物(医薬組成物など)、薬、キット、および単位剤形も提供される。
定義
本明細書で使用される「処置」または「処置する」は、臨床結果を含めた有益なまたは所望の結果を得るための手法である。本発明の目的で、有益なまたは所望の臨床結果には、疾患から生ずる1つまたは複数の症状を緩和すること、疾患の程度を減じること、疾患を安定化させること(例えば、疾患の悪化を予防または遅延させること)、疾患の拡がり(例えば、転移)を予防または遅延させること、疾患の再発を予防または遅延させること、疾患の進行を遅延または遅くすること、疾患状態を回復させること、疾患の寛解をもたらすこと(部分的にまたは全体的に)、疾患を処置するのに必要な1種または複数のその他の投薬の用量を減少させること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を増大または改善すること、体重増加を増すこと、および/または生存を延長することの1つまたは複数が含まれるが、これらに限定するものではない。「処置」には、がんの病理学的帰結の低減も包含される。本発明の方法は、処置のこれらの態様のいずれか1つまたは複数を企図する。
「個体」という用語は、哺乳動物を指し、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、げっ歯類、または霊長類を含むが、これらに限定するものではない。
本明細書で使用される「前治療」は、ナノ粒子組成物を投与する方法とは異なりかつそのような方法の前に開始される療法レジームを指す。前治療は、一般に、必ずではないが、タキサンナノ粒子組成物の投与を含まない。前治療は、本明細書に記載される方法と共に同じ療法薬(複数可)のいくつかを含んでいてもよいことを理解されたい。
本明細書で使用される「危険な状態にある」個体は、充実性腫瘍を発症する危険のあるヒト個体である。「危険な状態にある」ヒト個体は、検出可能な疾患を有していてもいなくてもよく、本明細書に記載される処置方法の前に検出可能な疾患を示していても示していなくてもよい。「危険な状態にある」は、ヒト個体が、本明細書に記載される、充実性腫瘍の発症に相関する測定可能なパラメーターである、1つまたは複数のいわゆる危険因子を有することを示す。これらの危険因子の1つまたは複数を有するヒト個体は、これらの危険因子のないヒト個体よりも、がんを発症する可能性が高い。
「アジュバント状況」は、ヒト個体が充実性腫瘍の履歴を有しておりかつ一般に(必ずではないが)手術(例えば、外科的切除)、放射線療法、および化学療法を含むがこれらに限定されない療法に対して応答性があった臨床状況を指す。しかし、充実性腫瘍のそれらの履歴により、これらの個体は、疾患を発症する危険があると見なされる。「アジュバント状況」における処置または投与は、処置の後続の形態を指す。危険の程度(例えば、アジュバント状況にあるヒト個体が、いつ、「高い危険性」または「低い危険性」と見なされるか)は、いくつかの因子に依存し、最も一般的には、最初に処置したときの疾患の程度に依存する。
「ネオアジュバント状況」は、方法が一次/原因療法の前に実施される臨床状況を指す。
本明細書で使用する、充実性腫瘍の発症を「遅延させる」は、疾患の発症を先延ばし、妨げ、遅くし、抑制し、安定化させ、かつ/または延期することを意味する。この遅延は、処置される疾患および/または個体の履歴に応じて、時間の長さの変化に関するものとすることができる。当業者に明らかなように、十分なまたは有意な遅延は、個体が疾患を発症しないという理由で実際には予防を包含することができる。充実性腫瘍の発症を「遅延させる」方法は、この方法を使用しない場合に比べ、所与の時間枠において疾患発症の可能性を低減させかつ/または所与の時間枠において疾患の程度を低減させる方法である。そのような比較は、典型的には、統計的に有意な数の対象を使用した臨床研究に基づく。充実性腫瘍の発症は、コンピュータ断層撮影(CTスキャン、例えばヘリカルスパイラルCTスキャン)、超音波内視鏡検査(EUS)、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)、腹腔鏡検査、または生検(例えば、経皮的針生検または細針吸引)を含むがこれらに限定されない標準的な方法を使用して、検出可能とすることができる。発症は、最初は検出不可能であり得る充実性腫瘍の進行を指してもよく、再発を含む。
本明細書で使用される「併用療法」とは、第1の薬剤が別の薬剤と併せて投与されることを意味する。「〜と併せて」は、別の処置様式に加えた1つの処置様式の投与を指し、例えば、同じ個体への本明細書に記載したナノ粒子組成物の投与を、その他の薬剤の投与に加えて行うことである。したがって、「〜と併せて」は、1つの処置様式の、その他の処置様式の送達の前、最中、もしくは後での個体への投与を指す。
本明細書で使用される「有効量」という用語は、指定された障害、状態、または疾患を処置するのに十分な、例えばその症状の1つまたは複数を回復させ、和らげ、少なくし、かつ/または遅延させるのに十分な、化合物または組成物の量を指す。充実性腫瘍に関して、有効量は、腫瘍を収縮させ、かつ/または腫瘍の成長速度を低減させ(腫瘍成長の抑制など)、または充実性腫瘍におけるその他の望ましくない細胞増殖を予防しもしくは遅延させるのに十分な量を含む。一部の実施形態では、有効量は、充実性腫瘍の発症を遅延させるのに十分な量である。一部の実施形態では、有効量は、再発を予防しまたは遅延させるのに十分な量である。有効量は、1回または複数回の投与で投与することができる。充実性腫瘍の場合、薬物または組成物の有効量は、(i)充実性腫瘍細胞の数を低減させ;(ii)腫瘍サイズを低減させ;(iii)抹消器官への充実性腫瘍細胞の浸潤を、阻害し、遅らせ、ある程度まで遅くし、好ましくは停止させ;(iv)腫瘍転移を阻害し(即ち、ある程度まで遅くし、好ましくは停止させ);(v)腫瘍成長を阻害し;(vi)腫瘍の発生および/または再発を予防しまたは遅延させ;(vii)充実性腫瘍に関連した症状の1つまたは複数をある程度まで軽減させ;かつ/または(viii)充実性腫瘍間質を破砕し(破壊するなど)てもよい。
本明細書で使用される「同時投与」という用語は、併用療法における第1の療法および第2の療法が、約15分以下の時間間隔、例えば約10、5、または1分以下の時間間隔のいずれかで投与されることを意味する。第1および第2の療法が同時に投与される場合、第1および第2の療法は、同じ組成物に含有されていてもよく(例えば、第1および第2の療法を共に含む組成物)、または別々の組成物に含有されていてもよい(例えば、第1の療法が1つの組成物中にあり、第2の療法が別の組成物に含有される)。
本明細書で使用される「逐次投与」という用語は、併用療法における第1の療法および第2の療法が、約15分超、例えば約20、30、40、50、60分またはそれ以上のいずれかを超える時間間隔のいずれかで投与されることを意味する。第1の療法または第2の療法のいずれかが最初に投与されてもよい。第1および第2の療法は別々の組成物に含有され、それらが同じまたは異なるパッケージまたはキットに含有されてもよい。
本明細書で使用される「並行投与」という用語は、併用療法における第1の療法の投与と第2の療法の投与とが互いに重なることを意味する。
本明細書で使用される「薬学的に許容される」または「薬理学的に適合可能な」とは、生物学的にまたはその他の観点から望ましくないものではない材料を意味し、例えば材料は、著しく望ましくない生物学的作用を全く引き起こすことも、この材料が含有されている組成物のその他の成分のいずれかと有害な形で相互作用することもなく、患者に投与される医薬組成物に組み込まれてもよい。薬学的に許容される担体または賦形剤は、好ましくは、毒性および製造試験で必要とされる基準を満たしており、かつ/または米国食品医薬品局により作成された不活性成分指針に含まれる。
本明細書に記載される本発明の態様および実施形態は、態様および実施形態「からなること」および/または「から本質的になること」を含むことが理解される。
本明細書で「約」値またはパラメーターという場合、その値またはパラメーターそのものに対する変動量を含む(記載する)。例えば、「約X」を指す記載は、「X」の記載を含む。
本明細書および添付される特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「または」、および「the」は、文脈が他に明示しない限り、複数の指示対象を含む。
小児充実性腫瘍を処置する方法
一部の実施形態における本出願は、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、この個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)である方法を提供する。一部の実施形態では、組成物は、アルブミンで被覆されたタキサンを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、アルブミンで被覆されたタキサンを含みかつ約200nm以下の平均直径を有する、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物は、ヒトアルブミンで被覆されたパクリタキセルを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150以下(約130nmなど)の平均直径を有し、組成物中のアルブミンとパクリタキセルとの重量比は約9:1またはそれ未満(約9:1など)である。一部の実施形態では、組成物は、Abraxane(Nab−パクリタキセル)を含む。一部の実施形態では、組成物は、Abraxane(Nab−パクリタキセル)である。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は、約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量を投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、充実性腫瘍は肉腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は癌腫(腺癌など)である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は腹部腫瘍、軟部組織腫瘍、骨腫瘍、または眼腫瘍である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は脳腫瘍である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は黒色腫である。
一部の実施形態では、充実性腫瘍は、横紋筋肉腫などの軟部組織肉腫である。したがって例えば、一部の実施形態では、ヒト個体の軟部組織肉腫を処置する方法であって、この個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)である方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の横紋筋肉腫を処置する方法であって、この個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)である方法が提供される。一部の実施形態では、組成物は、アルブミンで被覆されたタキサンを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、アルブミンで被覆されたタキサンを含みかつ約200nm以下の平均直径を有する、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物は、ヒトアルブミンで被覆されたパクリタキセルを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150以下(約130nmなど)の平均直径を有し、組成物中のアルブミンとパクリタキセルとの重量比は約9:1またはそれ未満(約9:1など)である。一部の実施形態では、組成物は、Abraxane(Nab−パクリタキセル)を含む。一部の実施形態では、組成物は、Abraxane(Nab−パクリタキセル)である。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は、約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量を投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、充実性腫瘍は神経芽細胞腫である。例えば、一部の実施形態では、ヒト個体の神経芽細胞腫を処置する方法であって、この個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)である方法が提供される。一部の実施形態では、組成物は、アルブミンで被覆されたタキサンを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、アルブミンで被覆されたタキサンを含みかつ約200nm以下の平均直径を有する、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物は、ヒトアルブミンで被覆されたパクリタキセルを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150以下(約130nmなど)の平均直径を有し、組成物中のアルブミンとパクリタキセルとの重量比は約9:1またはそれ未満(約9:1など)である。一部の実施形態では、組成物は、Abraxane(Nab−パクリタキセル)を含む。一部の実施形態では、組成物は、Abraxane(Nab−パクリタキセル)である。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は、約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量を投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、充実性腫瘍は、0期、I期、またはII期などの早期充実性腫瘍である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は、III期またはIV期などの後期がんである。一部の実施形態では、充実性腫瘍はIIIb期またはIV期にある。
一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。したがって一部の実施形態において本明細書に記載される方法は、個体の年齢に基づいて(上記年齢など)、処置するヒト個体を選択するステップも包含する。
一部の実施形態では、充実性腫瘍は早期がん、非転移性がん、原発性がん、進行がん、局所進行がん、転移性がん、寛解中のがん、または再発性がんである。一部の実施形態では、充実性腫瘍は、局所的に切除可能であり、局所的に切除不能であり、または切除不能である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は進行性充実性腫瘍である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は、ホルモン療法に対して実質的に治療抵抗性である。本明細書で提供される方法は、アジュバント状況で実施することができる。あるいは、方法は、ネオアジュバント状況で実施することができる。一部の実施形態では、方法は、第1選択療法である。一部の実施形態では、方法は第2選択療法である。
一部の実施形態では、個体は、充実性腫瘍が予め処置されている(「前治療」とも呼ぶ)。したがって例えば、一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)でありかつこの個体の充実性腫瘍が予め処置されている方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の肉腫(軟部組織肉腫など、例えば横紋筋肉腫)を処置する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)でありかつこの個体の肉腫が予め処置されている方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の神経芽細胞腫を処置する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)でありかつこの個体の神経芽細胞腫が予め処置されている方法が提供される。一部の実施形態では、組成物は、アルブミンで被覆されたタキサンを含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、組成物は、アルブミンで被覆されたタキサンを含みかつ約200nm以下の平均直径を有する、ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物は、ヒトアルブミンで被覆されたパクリタキセルを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150以下(約130nmなど)の平均直径を有し、組成物中のアルブミンとパクリタキセルとの重量比は約9:1またはそれ未満(約9:1など)である。一部の実施形態では、組成物は、Abraxane(Nab−パクリタキセル)を含む。一部の実施形態では、組成物は、Abraxane(Nab−パクリタキセル)である。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は、約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量を投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、個体は、処置時に、前治療で進行している。例えば個体は、前治療での処置後、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月以内のいずれかで進行している。一部の実施形態では、個体は、前治療に対して耐性または治療抵抗性である。一部の実施形態では、個体は、前治療を継続するのに不適切である(例えば、応答できないことによりかつ/または毒性により)。一部の実施形態では、個体は、前治療に応答できなかった。一部の実施形態では、個体は、前治療に対して非応答性である。一部の実施形態では、個体は、前治療に対して部分的に応答性がある。一部の実施形態では、個体は、それほど望ましくない程度の応答性を示す。一部の実施形態では、個体は、高い応答性を示す。一部の実施形態では、個体は再発性充実性腫瘍を有し、即ち個体は、前治療での処置に対して最初は応答性があるが、前治療の休止から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、または60カ月後のいずれかで充実性腫瘍を発症する。
一部の実施形態では、本発明の方法を開始したときに前治療を停止した(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、または60カ月間)。一部の実施形態では、前治療は、本発明の方法を開始したときに停止しなかった。
一部の実施形態では、方法は、処置のために患者を選択するステップをさらに含む。例えば一部の実施形態では、前治療で処置されているヒト個体の充実性腫瘍(例えば神経芽細胞腫、および横紋筋肉腫などの軟部組織肉腫)を処置する方法であって、a)個体が、前治療(タキサンに基づく療法など)で進行しているか否かを決定するステップであって、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であるステップと、b)個体に、アルブミンおよびタキサンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、前治療で処置されているヒト個体の充実性腫瘍(例えば神経芽細胞腫、および横紋筋肉腫などの軟部組織肉腫)を処置する方法であって、a)前治療(タキサンに基づく療法など)に応答しない個体を選択するステップであって、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であるステップと、b)個体に、アルブミンおよびタキサンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、前治療(タキサンに基づく療法など)で処置されているヒト個体の充実性腫瘍(例えば神経芽細胞腫、および横紋筋肉腫などの軟部組織肉腫)を処置する方法であって、個体に、アルブミンおよびタキサンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、かつこの個体が前治療で進行しているとの決定に基づいて前記個体を処置のために選択する方法が提供される。一部の実施形態では、前治療(タキサンに基づく療法など)で処置されているヒト個体の充実性腫瘍(例えば神経芽細胞腫、および横紋筋肉腫などの軟部組織肉腫)を処置する方法であって、個体に、アルブミンおよびタキサンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、かつ前治療に対して非応答性であることに基づいて前記個体が選択される方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は、約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量を投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、前治療(タキサンに基づく療法など)で処置されているヒト個体の充実性腫瘍(例えば神経芽細胞腫、および横紋筋肉腫などの軟部組織肉腫)を処置する方法であって、a)個体が、前治療での継続処置に適切か否かを決定する(例えば、応答性および/または毒性の欠如に起因して)ステップであって、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であるステップと;b)個体に、アルブミンおよびタキサンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、前治療(タキサンに基づく療法など)で処置されているヒト個体の充実性腫瘍(例えば神経芽細胞腫、および横紋筋肉腫などの軟部組織肉腫)を処置する方法であって、個体に、アルブミンおよびタキサンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、前治療での継続処置にこの個体が不適切であるとの決定に基づいて(例えば、応答性および/または毒性に欠如に起因して)、前記個体が選択される方法が提供される。この個体が、前治療に関連して望ましいとは言えない応答性を示しまたは望ましくない症状を示す場合、ヒト個体は、前治療での継続処置に不適切とすることもできる。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は、約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量を投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、前治療で処置されているヒト個体の充実性腫瘍(例えば神経芽細胞腫、および横紋筋肉腫などの軟部組織肉腫)を処置する方法であって、a)個体が、前治療(タキサンに基づく療法など)に対して耐性または治療抵抗性であるか否かを決定するステップであって、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であるステップと;b)この個体に、アルブミンおよびタキサンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、前治療で処置されているヒト個体の充実性腫瘍(例えば神経芽細胞腫、および横紋筋肉腫などの軟部組織肉腫)を処置する方法であって、この個体に、アルブミンおよびタキサンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に対して耐性または治療抵抗性であるとの決定に基づいて前記個体が選択される方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は、約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量を投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、前治療は、パクリタキセル、例えばTaxol(登録商標)などのタキサンの投与(「タキサンに基づく療法」)を含む。一部の実施形態では、前治療は、Cosmegen(アクチノマイシン−Dとしても知られているダクチノマイシン)、Vincasar PFS(硫酸ビンクリスチン)、シクロホスファミド、塩酸ドキソルビシン(アドリアマイシンPFSまたはアドリアマイシンRDF)、カルボプラチン、シスプラチン、エトポシド、テニポシド、シクロスポリン、ダカルバジン、エピルビシン、ゲムシタビン、イホスファミド、メトトレキセート、トポテカン、および/またはダクチノマイシンの投与を含む。一部の実施形態では、前治療は手術を含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、タキサンナノ粒子組成物を、前治療で使用される同じ薬剤の1種または複数と併せて投与するステップを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、タキサンナノ粒子組成物を、前治療で使用されない薬剤(複数可)と併せて投与するステップを含む。
一部の実施形態では、方法は、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップであって、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)で進行しているステップを含む。一部の実施形態では、方法は、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップであって、タキサンがアルブミンで被覆され、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)で進行しているステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、この個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、このナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約200nm以下(約200nm未満など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体がタキサンに基づく療法で進行している方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、この個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、タキサンがアルブミンで被覆され、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約200nm以下(約200nm未満など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体がタキサンに基づく療法で進行している方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、この個体に、パクリタキセルおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、パクリタキセルがヒトアルブミンで被覆され、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約150nm以下(約150nmなど)であり、ヒトアルブミンとパクリタキセルとの重量比が約9:1またはそれ未満であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体がタキサンに基づく療法で進行している方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab−パクリタキセルを含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体がタキサンに基づく療法で進行している方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab−パクリタキセルの有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体がタキサンに基づく療法で進行している方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は、約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量を投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、方法は、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップであって、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に対して耐性または治療抵抗性であるステップを含む。一部の実施形態では、方法は、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップであって、タキサンがアルブミンで被覆され、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に対して耐性または治療抵抗性であるステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約200nm以下(約200nm未満など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に対して耐性または治療抵抗性である方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、パクリタキセルおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、タキサンがアルブミンで被覆され、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約150nm以下(約150nmなど)であり、組成物中のヒトアルブミンとパクリタキセルとの重量比が約9:1またはそれ未満(約9:1など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に対して耐性または治療抵抗性である方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab−パクリタキセルを含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に対して耐性または治療抵抗性である方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab−パクリタキセルの有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に対して耐性または治療抵抗性である方法が提供される。一部の実施形態では、個体は軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は、約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量を投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、方法は、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップであって、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に応答できなかったものであるステップを含む。一部の実施形態では、方法は、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップであって、タキサンがアルブミンで被覆され、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に応答できなかったものであるステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約200nm以下(約200nm未満など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に応答できなかったものである方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、タキサンがアルブミンで被覆され、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約200nm以下(約200nm未満など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に応答できなかったものである方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、パクリタキセルおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、パクリタキセルがヒトアルブミンで被覆され、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約150nm以下(約130nmなど)であり、ヒトアルブミンとパクリタキセルとの重量比が約9:1またはそれ未満(約9:1など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に応答できなかったものである方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab−パクリタキセルを含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に応答できなかったものである方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab−パクリタキセルの有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に応答できなかったものである方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は、約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量を投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、方法は、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップであって、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に対してそれほど望ましくない程度の応答性を示すステップを含む。一部の実施形態では、方法は、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップであって、タキサンがアルブミンで被覆され、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に対してそれほど望ましくない程度の応答性を示すステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約200nm以下(約200nm未満など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に対してそれほど望ましくない程度の応答性を示す方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、タキサンがアルブミンで被覆され、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約200nm以下(約200nm未満など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に対してそれほど望ましくない程度の応答性を示す方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、パクリタキセルおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、パクリタキセルがヒトアルブミンで被覆され、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約150nm以下(約130nmなど)であり、組成物中のヒトアルブミンとパクリタキセルとの重量比が約9:1またはそれ未満(約9:1など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に対してそれほど望ましくない程度の応答性を示す方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab−パクリタキセルを含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に対してそれほど望ましくない程度の応答性を示す方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab−パクリタキセルの有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が前治療(タキサンに基づく療法など)に対してそれほど望ましくない程度の応答性を示す方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は、約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量を投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、方法は、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップであって、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が再発性充実性腫瘍を有する(例えば、個体は、前治療の休止から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、または60カ月後のいずれかで充実性腫瘍を発症する)ステップを含む。一部の実施形態では、方法は、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップであって、タキサンがアルブミンで被覆され、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が再発性充実性腫瘍を有する(例えば、個体は、前治療の休止から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、または60カ月後のいずれかで充実性腫瘍を発症する)ステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約200nm以下(約200nm未満など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が再発性充実性腫瘍を有する(例えば、個体は、前治療の休止から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、または60カ月後のいずれかで充実性腫瘍を発症する)方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、タキサンがアルブミンで被覆され、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約200nm以下(約200nm未満など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が再発性充実性腫瘍を有する(例えば、個体は、前治療の休止から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、または60カ月後のいずれかで充実性腫瘍を発症する)方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、パクリタキセルおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、パクリタキセルがヒトアルブミンで被覆され、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約150nm以下(約130nmなど)であり、組成物中のヒトアルブミンとパクリタキセルとの重量比が約9:1またはそれ未満(約9:1など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が再発性充実性腫瘍を有する(例えば、個体は、前治療の休止から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、または60カ月後のいずれかで充実性腫瘍を発症する)方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab−パクリタキセルを含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が再発性充実性腫瘍を有する(例えば、個体は、前治療の休止から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、または60カ月後のいずれかで充実性腫瘍を発症する)方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab−パクリタキセルの有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が再発性充実性腫瘍を有する(例えば、個体は、前治療の休止から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、または60カ月後のいずれかで充実性腫瘍を発症する)方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は、約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量を投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、方法は、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップであって、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、前治療(タキサンに基づく療法など)は、個体へのタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量の投与を開始したときに停止させた(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10カ月間)ステップを含む。一部の実施形態では、方法は、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップであって、タキサンがアルブミンで被覆され、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、前治療(タキサンに基づく療法など)は、個体へのタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量の投与を開始したときに停止させた(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10カ月間)ステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約200nm以下(約200nm未満など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、前治療(タキサンに基づく療法など)は、個体へのタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量の投与を開始したときに停止させた(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10カ月間)方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、タキサンがアルブミンで被覆され、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約200nm以下(約200nm未満など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、前治療(タキサンに基づく療法など)は、個体へのタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量の投与を開始したときに停止させた(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10カ月間)方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、パクリタキセルおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、パクリタキセルがヒトアルブミンで被覆され、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の平均粒度が約200nm以下(約200nm未満など)であり、組成物中のヒトアルブミンとパクリタキセルとの重量比が約9:1またはそれ未満(約9:1など)であり、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、前治療(タキサンに基づく療法など)は、個体へのタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量の投与を開始したときに停止させた(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10カ月間)方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab−パクリタキセルを含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、前治療(タキサンに基づく療法など)は、個体へのタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量の投与を開始したときに停止させた(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10カ月間)方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab−パクリタキセルの有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、前治療(タキサンに基づく療法など)は、個体へのタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量の投与を開始したときに停止させた(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10カ月間)方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は、約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量を投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、充実性腫瘍は神経内分泌腫瘍である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は結合組織のがんである。一部の実施形態では、充実性腫瘍は、間葉細胞(例えば、骨格筋前駆細胞)から生じたがんである。一部の実施形態では、充実性腫瘍は軟部組織腫瘍(軟部組織肉腫など)である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、CNS腫瘍、ウィルムス腫瘍、およびユーイング肉腫からなる群から選択される。
一部の実施形態では、充実性腫瘍は神経芽細胞腫である。神経芽細胞腫は、小児期で最も一般的な頭蓋外充実性腫瘍がんであり、乳児期で最も一般的ながんである。神経芽細胞腫は、米国内で毎年約650症例の発生率を有する。神経芽細胞腫は、交感神経系の任意の神経堤要素から生ずる神経内分泌腫瘍である。この腫瘍は、副腎の1つで頻繁に生ずるが、頭部、頚部、胸部および腹部の神経組織でも発症する可能性がある。1期神経芽細胞腫では、腫瘍は1つの領域のみにあり、見ることができる腫瘍の全てを手術中に除去することができる。2A期では、腫瘍は1つの領域のみにあるが、見ることのできる腫瘍の全てを手術中に除去することはできない。2B期では、腫瘍は1つの領域のみにあり、見ることのできる腫瘍の全てを手術中に完全に除去でき、かつがん細胞が腫瘍付近のリンパ節に見出される。3期では、腫瘍を手術中に完全に除去することができず、身体の一方の側から他方に拡がり、近くのリンパ節にも拡がっている可能性がある。4期では、腫瘍が、離れているリンパ節、皮膚、骨髄、骨、肝臓、または身体のその他の部分に拡がっている。4S期は、1または2期で定義された局所原発性腫瘍を持ち、肝臓、皮膚、または骨髄に限定して散在している12カ月齢未満の乳児において診断される。高リスク神経芽細胞腫の症例の20%〜50%は、導入高用量化学療法に適切に応答せず、進行性または治療抵抗性である。最先端療法の終了後の再発も一般的である。成長の低減、甲状腺機能障害、学習困難、およびより大きいリスクの2次がんは、高リスク疾患の生存者に影響を及ぼす。
このように一部の実施形態では、充実性腫瘍はI期神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は2A期神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍はI期神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は3期神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍はI期神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は4S期神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫(neutoblastoma)を有し、前治療(従来の高用量化学療法など)を受けている。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有し、前治療(従来の高用量化学療法など)を受けており、前治療に対して進行性または治療抵抗性である。
一部の実施形態では、充実性腫瘍は横紋筋肉腫である。横紋筋肉腫(RMS)は、間葉細胞(即ち、骨格筋前駆細胞)から生ずる可能性がある結合組織のがんである。RMSは、筋組織に取着され、腸を包み込み、または任意の解剖学的な場所にあるものを見出すこともできる。ほとんどのRMSは、頭部、頚部、または尿生殖路など、骨格筋が本来欠如している領域に生ずる。その2つの最も一般的な形態は、胎児性RMSおよび肺胞性RMSである。胎児性RMAは、乳児および低年齢の小児でより一般的であり、がん細胞は、典型的な6〜8週目の胎児のものに似ている。肺胞性RMSは、年長の小児および十代の若者でより一般的であり、がん細胞は、10〜12週目の胎児のものに似ている。肺胞性RMSは、体幹および脚部の大きい筋肉に生じる可能性がある。
1期RMSにおいて、腫瘍は、好適な部位、例えば眼窩、頭頚部領域、生殖もしくは泌尿部位(膀胱および前立腺を除く)、または胆管で開始している。1期RMS腫瘍は、任意のサイズとすることができ、近くの領域に成長しかつ/または近くのリンパ節に拡がっていてもよい。1期RMS腫瘍は、遠位部位まで拡がっていない。2期RMSでは、腫瘍は、好適ではない部位、例えば膀胱もしくは前立腺、腕もしくは脚、傍髄膜部位、あるいは1期で列挙した任意のその他の部位で開始している。腫瘍は約2インチまたはそれよりも小さい直径であり、近くのリンパ節または遠位部位まで拡がっていない。3期RMSでは、腫瘍は好適でない部位で開始しており、≦2インチの直径であるが近くのリンパ節まで拡がっており、または≧2インチの直径でありリンパまで拡がっていてもいなくてもよい。いずれの場合も、がんは遠位部位まで拡がっていない。4期では、がんは任意の部位で開始しているとすることができ、任意のサイズとすることができるが、骨髄、肺、肝臓、骨、または骨髄などの遠位部位まで拡がっている。
横紋筋肉腫を持つ小児または未成年の予後は、患者の年齢、発生部位、腫瘍サイズ(最も広い直径)、切除可能性、転移の存在、関与する転移部位または組織の数、所属リンパ節の関与の存在または不在、病理組織学的サブタイプ(肺胞性対胎児性)、ならびに横紋筋肉腫腫瘍細胞の固有の生物学的特性に関係するが、これらに限定するものではない。横紋筋肉腫は、通常、局所疾患を持つほとんどの小児で治癒可能であり、診断後5年で70%超が生存する。再発は、無病生存の5年後では稀であり、10年では遅発性事象率が9%である。しかし再発は、最初の手術後に好適ではない部位に肉眼的遺残病変を有する患者および診断時に転移性疾患を有する者にとって、より一般的である。
このように、一部の実施形態では、充実性腫瘍は胎児性横紋筋肉腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は肺胞性RMSである(例えば、体幹および/または脚部の大きい筋肉での肺胞性)。一部の実施形態では、個体は1期横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は2期横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は3期横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は4期横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、横紋筋肉腫を有する個体は、約6カ月から約7歳であり、例えば約6カ月から約5歳である。一部の実施形態では、横紋筋肉腫を有する個体は約9から約15歳であり、例えば約11から約15歳である。一部の実施形態では、個体は前処置を受けており、3、4、もしくは5年間またはそれよりも長い無処置期間を有している。
一部の実施形態では、充実性腫瘍は骨肉腫である。骨肉腫(OS)は、骨芽細胞分化を示し、悪性類骨を生成する(即ち、骨組織の成熟前に形成される骨基質の非石灰化有機部分)、間葉由来の原始形質転換細胞から生じた悪性新生物である。OSは、小児がんにおける8番目に最も一般的な形態であり、小児患者における全ての悪性腫瘍の2.4%を占める。OSは、管状の長い骨の成長部分でより頻繁に生じ、42%は大腿骨で、19%は脛骨で、10%は上腕骨で生じる。症例の8%は顎で生じ、別の8%は骨盤で生じる。OSは、女性よりも男性で蔓延し、白人の小児よりもアフリカ系アメリカ人およびヒスパニックの小児に蔓延する。
骨肉腫は、局在化し、転移し、または再発する可能性がある。局所OSでは、がん細胞は、骨を越えてまたはがんが開始した組織の付近に拡がっていない。転移性OSでは、がん細胞は、発生した組織から身体のその他の部位(例えば、肺、その他の骨)に拡がっている。再発性OSは、処置後にがんが再発した症例を指す。OSは、最初に特定された組織に戻る可能性があり、または身体の別の部分(例えば、肺)に再発し得る。OSの程度について記載する別の方法は、「TNM」方式を介し、ここで「T」は腫瘍のサイズおよび場所を指し、「N」は、がんがリンパ節まで拡がっているか否かを指し、「M」は、がんが身体の他の部分に転移しているか否かを指す(Ritterら、(2010年)「Osteosarcoma」Ann Oncol.21巻:vii320頁〜vii325頁)。
処置により、局所骨肉腫を持つ患者の5年生存率を60%〜80%の範囲にすることができる。OSは、腫瘍が切除可能な場合に、より治癒し易くなる。骨肉腫が最初に診断されたときに転移が存在する場合、5%生存率を約15%〜30%の範囲にすることができる。生存率は、がんが肺のみに拡がっている場合または全ての腫瘍を切除できる場合、より高くすることができる。改善された予後に結び付けられたその他の因子には、年齢(より若い)、性別(女性)、腕または脚の腫瘍、完全に切除可能である腫瘍(複数可)、正常な血中アルカリホスファターゼおよびLDHレベル、および化学療法に対する良好な応答が含まれるが、これらに限定するものではない。
一部の実施形態では、骨肉腫は局在化する。一部の実施形態では、骨肉腫は切除可能である。一部の実施形態では、骨肉腫は転移性である。一部の実施形態では、骨肉腫は再発性である。一部の実施形態では、個体は、TX、T0、T1、T2、またはT3骨肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、NX、N0、またはN1骨肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、MX、M0、M1、M1a、またはM1b骨肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、GX、G1、G2、G3、またはG4骨肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、IA期骨肉腫(T1、N0、M0、G1〜G2)を有する。一部の実施形態では、個体は、IB期骨肉腫(T2、N0、M0、G1〜G2)を有する。一部の実施形態では、個体は、IIA期骨肉腫(T1、N0、M0、G3〜G4)を有する。一部の実施形態では、個体は、IIB期骨肉腫(T2、N0、M0、G3〜G4)を有する。一部の実施形態では、個体は、III期骨肉腫(T3、N0、M0、任意のG)を有する。一部の実施形態では、個体は、IVA期骨肉腫(任意のT、N0、M1a、任意のG)を有する。一部の実施形態では、個体は、IVB期(任意のT、N1、任意のM;または任意のT、任意のN、M1b、任意のG)を有する。一部の実施形態では、骨肉腫を有する個体は男性である。一部の実施形態では、骨肉腫を有する個体は、アフリカ系アメリカ人またはヒスパニックの個体である。
一部の実施形態では、充実性腫瘍は網膜芽細胞腫である。網膜芽細胞腫は、網膜、眼の光検出組織で発症する。網膜芽細胞腫は稀であり、15,000名の生児出生中約1名に影響を与えるが、最も一般的な遺伝性の小児悪性腫瘍である。この疾患の2つの形態があり、遺伝性(変異RB1遺伝子が遺伝的に受け継がれる)形態および非遺伝性形態(RB1遺伝子の両方のコピーが受胎後に変異したときに生ずる)である。約3分の2の症例で、片方の眼のみが冒され;他の3分の1では、腫瘍が両眼に発症する。リーゼ・エルスワースの病期分類システムは、眼内網膜芽細胞腫を5つの群に分ける。1A群は、4視神経円板直径(DD)よりも小さくかつ眼球赤道(即ち、眼球赤道は、眼球の前半分と後ろ半分とを分割する)にまたは眼球赤道の後ろにある、1つの腫瘍を持つ患者を含む。1B群では、患者は、4DDよりも小さい多数の腫瘍を有し、全ては赤道にまたは赤道の後ろにある。2A群の患者は、赤道にまたは赤道の後ろに4から10DDの1つの腫瘍を有し、2B群では、患者は、赤道にまたは赤道の後ろに4から10DDの多数の腫瘍を有する。3A群の患者は赤道の正面に腫瘍を有し、3B群の患者は、赤道の後ろに10DDよりも大きい1つの腫瘍を有する。4A群の患者は、10DDよりもいくらか大きい多数の腫瘍を有し、4B群の患者は、眼の正面に向かって網膜の前縁まで延びる1つまたは複数の腫瘍を有する。5A群の患者は、網膜の半分超を巻き込む腫瘍を有し、5B群の患者は硝子体播種を有し、即ち、眼を満たすゼラチン状材料内に腫瘍が拡がっている。
先進国世界では、網膜芽細胞腫は、全ての小児がんのうち最良の治癒率(95〜98%)の1つを有し、罹患者10名ごとに9名超が成人まで生存する。優先事項は、小児の寿命を維持すること、次いで視力を保つこと、次いで合併症または処置の副作用を最小限に抑えることである。予後は、疾患の程度、腫瘍(複数可)のサイズおよび場所、転移の存在または不在、および療法に対する腫瘍の応答に依存する。1群網膜芽細胞腫は、化学療法、光凝固、凍結療法、小線源療法、または外部ビーム放射などの処置で制御することができる。4または5群網膜芽細胞腫は、そのような処置に対してそれほど応答性がない可能性がある。
一部の実施形態では、充実性腫瘍は遺伝性網膜芽細胞腫(retinoblasmoma)である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は非遺伝性網膜芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は1A群網膜芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は1B群網膜芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は2A群網膜芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は2B群網膜芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は3A群網膜芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は3B群網膜芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は4A群網膜芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は4B群網膜芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は5A群網膜芽細胞腫である。一部の実施形態では、充実性腫瘍は5B群網膜芽細胞腫である。
一部の実施形態では、個体は、星状細胞腫、脳幹グリオーマ、上衣腫、胚細胞腫瘍、または髄芽腫などの中枢神経系(CNS)腫瘍を有する。小児中枢神経系腫瘍は、脳および脊髄の外側に典型的には拡がらない。一部の実施形態では、CNS腫瘍は再発性CNS腫瘍である。
一部の実施形態では、個体は、ウィルムス腫瘍(腎芽腫としても公知である)を有する。一部の実施形態では、個体はI期ウィルムス腫瘍を有する。一部の実施形態では、個体はII期ウィルムス腫瘍を有する。一部の実施形態では、個体はIII期ウィルムス腫瘍を有する。一部の実施形態では、個体はIV期ウィルムス腫瘍を有する。一部の実施形態では、個体はV期ウィルムス腫瘍を有する。一部の実施形態では、個体は再発性ウィルムス腫瘍を有する。
一部の実施形態では、個体は軟部組織肉腫を有する。一部の実施形態では、個体はI期軟部組織肉腫を有する。一部の実施形態では、個体はII期軟部組織肉腫を有する。一部の実施形態では、個体はIII期軟部組織肉腫を有する。一部の実施形態では、個体はIV期軟部組織肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は再発性軟部組織肉腫を有する。
一部の実施形態では、個体はユーイング肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は局所ユーイング肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は転移性ユーイング肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は1期ユーイング肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は2期ユーイング肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は3期ユーイング肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は4期ユーイング肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は再発性ユーイング肉腫を有する。
一部の実施形態において、個体は、タキサンに基づく療法(例えば、タキサン単剤療法または併用療法)での充実性腫瘍の処置に対して耐性があり、処置後に進行している(例えば、充実性腫瘍は治療抵抗性である)。一部の実施形態では、個体は、タキサンに基づく療法(例えば、タキサン単剤療法または併用療法)での充実性腫瘍の処置に対して最初は応答性があるが、処置後に進行している。一部の実施形態では、個体はヒトである。一部の実施形態では、個体は、充実性腫瘍の家族歴を有する(例えば、少なくとも2名の一等親血縁者が、他のがんまたは家族性疾患の蓄積なしに充実性腫瘍に罹患している)。一部の実施形態では、個体は、1つまたは複数の遺伝性小児充実性腫瘍症状を有する。神経芽細胞腫の場合、症状は、原発性腫瘍の場所に依存する可能性がある。神経芽細胞腫の症状には、例えば、眼球突出、眼の周りの隈、骨痛、腫れた胃、疲労、無痛、便秘、貧血、乳児の皮下の青味がかった腫瘤、虚弱または麻痺、浮腫、および腹部、頚部、または胸部の腫瘤を含めることができるが、これらに限定するものではない。網膜芽細胞腫の場合、症状には、例えば、寄り眼、複視、視覚障害、斜視、眼痛および充血、およびそれぞれの眼で異なる虹彩色を含めることができるが、これらに限定するものではない。骨肉腫の場合、症状には、例えば、運動中または負荷でより悪化し得る骨痛、関節の圧痛または炎症、骨の弱さに起因した骨折、限られた範囲の運動、疲労、および貧血が含まれるが、これらに限定するものではない。横紋筋肉腫の場合、症状は、腫瘍の場所に応じて広範に及ぶ可能性がある。そのような症状には、例えば、鼻血、副鼻腔炎に類似した症状、耳痛、外耳道からの滲出、突出した眼または寄り眼、困難な排尿、膣からの出血、膣からまたは睾丸の周りでの塊の成長、腹痛および嘔吐、および腕または脚での塊または腫瘤を含めることができるが、これらに限定するものではない。一部の実施形態では、個体は男性である。一部の実施形態では、個体は女性である。一部の実施形態では、個体は、発現時に単一病変を有する。一部の実施形態では、個体は、発現時に多数の病変を有する。
一部の実施形態では、個体は、充実性腫瘍に関連した1つまたは複数の症状を示すヒトである。一部の実施形態では、個体は、充実性腫瘍の早期にある。一部の実施形態では、個体は、充実性腫瘍の進行期にある。一部の実施形態では、個体は、非転移性充実性腫瘍を有する。一部の実施形態では、個体は、原発性充実性腫瘍を有する。実施形態のいくつかにおいて、個体は、遺伝的にまたはその他の手法で充実性腫瘍を発症し易くなる(例えば、危険因子を有する)。これらの危険因子には、年齢、性別、人種、食事、遺伝学的考察、家族歴、遺伝的状態(例えば、リ・フラウメニ症候群、神経線維腫症1型、ベックウィズ・ヴィーデマン症候群、ロトムンド・トムソン(Rothmund−Thompson)症候群、ブルーム症候群、ウェルナー症候群、コステロ症候群、ヌーナン症候群)、ある特定の疾患(例えば、ページェット病、骨疾患)、出生前曝露(例えば、タバコまたはある特定の投薬に対する)、および環境曝露(例えば、イオン化放射に対する)が含まれるが、これらに限定するものではない。
本明細書に記載される方法は、以下に論じる充実性腫瘍の処置の様々な態様に有用である。一部の実施形態におけるこれらの方法は、個体にゲムシタビンの有効量を投与するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍の細胞増殖を阻害する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)である方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の細胞増殖が阻害される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍の転移を阻害する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)である方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、1つまたは複数のリンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍の転移を阻害する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、タキサンに基づく療法に対して耐性または治療抵抗性である方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、1つまたは複数のリンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍の転移を阻害する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、タキサンに基づく療法に応答できなかったものである方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、1つまたは複数のリンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍の転移を阻害する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、タキサンに基づく療法に対してそれほど望ましくない程度の応答性を示す方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、1つまたは複数のリンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍の転移を阻害する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が再発性充実性腫瘍を有する(例えば、個体は、タキサンに基づく療法を休止して約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、または60カ月後のいずれかで充実性腫瘍を発症する)方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、1つまたは複数のリンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍の転移を阻害する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、個体へのタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量の投与を開始したときに、タキサンに基づく療法を停止させた(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10カ月間)方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、1つまたは複数のリンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の既存の腫瘍転移(リンパ節への転移など)を低減させる(例えば、根絶する)方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)である方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が低減される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を低減させる方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の既存の腫瘍転移(リンパ節への転移など)を低減させる(例えば、根絶する)方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、タキサンに基づく療法に対して耐性または治療抵抗性である方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が低減される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を低減させる方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の既存の腫瘍転移(リンパ節への転移など)を低減させる(例えば、根絶する)方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、タキサンに基づく療法に応答できなかったものである方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が低減される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を低減させる方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の既存の腫瘍転移(リンパ節への転移など)を低減させる(例えば、根絶する)方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、タキサンに基づく療法に対してそれほど望ましくない程度の応答性を示す方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が低減される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を低減させる方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が低減される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を低減させる方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の既存の腫瘍転移(リンパ節への転移など)を低減させる(例えば、根絶する)方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が再発性充実性腫瘍を有する(例えば、個体は、タキサンに基づく療法の休止から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、または60カ月後のいずれかで充実性腫瘍を発症する)方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が低減される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を低減させる方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の既存の腫瘍転移(リンパ節への転移など)を低減させる(例えば、根絶する)方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、個体へのタキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量の投与を開始したときに、タキサンに基づく療法を停止させた(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10カ月間)方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が低減される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を低減させる方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の既存の腫瘍転移(リンパ節への転移など)の発生率または負担を低減させる方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)である方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の既存の腫瘍転移(リンパ節への転移など)の発生率または負担を低減させる方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、タキサンに基づく療法に対して耐性または治療抵抗性である方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の既存の腫瘍転移(リンパ節への転移など)の発生率または負担を低減させる方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、タキサンに基づく療法に応答できなかったものである方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の既存の腫瘍転移(リンパ節への転移など)の発生率または負担を低減させる方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、タキサンに基づく療法に対してそれほど望ましくない程度の応答性を示す方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の既存の腫瘍転移(リンパ節への転移など)の発生率または負担を低減させる方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が再発性充実性腫瘍を有する(例えば個体は、タキサンに基づく療法の休止から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、または60カ月後のいずれかで充実性腫瘍を発症する)方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の既存の充実性腫瘍の転移(リンパ節への転移など)の発生率または負担を低減させる方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、個体への、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量の投与を開始したときに、タキサンに基づく療法を停止させた(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10カ月間)方法が提供される。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍のサイズを低減させる方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)である方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)低減する。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の腫瘍サイズを低減させる方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、タキサンに基づく療法に対して耐性または治療抵抗性である方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)低減する。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍のサイズを低減させる方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、タキサンに基づく療法に応答できなかったものである方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)低減する。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍のサイズを低減させる方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、タキサンに基づく療法に対してそれほど望ましくない程度の応答性を示す方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)低減する。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍のサイズを低減させる方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が再発性充実性腫瘍を有する(例えば個体は、タキサンに基づく療法の休止から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、または60カ月後のいずれかで充実性腫瘍を発症する)方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)低減する。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍のサイズを低減させる方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、個体への、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量の投与を開始したときに、タキサンに基づく療法を停止させた(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10カ月間)方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)低減する。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍の疾患進行の時間(例えば、無増悪生存期間)を延長する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)である方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、疾患進行までの時間を少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12週のいずれかだけ延長する。一部の実施形態では、方法は、疾患進行までの時間を、少なくとも1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、3.0、3.2、3.4、3.6、3.8、4.0、4.2、4.4、4.6、4.8、5.0、5.2、5.4、5.6、5.8、6.0、6.2、6.4、6.6、6.8、7.0、7.2、7.4、7.6、7.8、8.0、8.2、8.4、8.6、8.8、9.0、9.2、9.4、9.6、9.8、10.0、10.2、10.4、10.6、10.8、11.0、11.2、11.4、11.6、11.8、12.0、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、30、36、42、48、54、60、66、または72カ月のいずれかだけ延長する。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、充実性腫瘍を有するヒト個体の全生存期間を延長する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)である方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、個体の生存期間を少なくとも1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、3.0、3.2、3.4、3.6、3.8、4.0、4.2、4.4、4.6、4.8、5.0、5.2、5.4、5.6、5.8、6.0、6.2、6.4、6.6、6.8、7.0、7.2、7.4、7.6、7.8、8.0、8.2、8.4、8.6、8.8、9.0、9.2、9.4、9.6、9.8、10.0、10.2、10.4、10.6、10.8、11.0、11.2、11.4、11.6、11.8、12.0、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、30、36、42、48、54、60、66、または72カ月のいずれかだけ延長する。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、充実性腫瘍を有するヒト個体の1つまたは複数の臨床的有用性を改善する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)である方法が提供される。臨床的有用性には、改善された/より良好な生活の質、充実性腫瘍の改善された/より良好な症状の制御、および大幅な体重増加が含まれるが、これらに限定するものではない。一部の実施形態では、個体は、改善された生活の質、改善された症状の制御、および大幅な体重増加を有する。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
一部の実施形態では、充実性腫瘍を有するヒト個体の1つまたは複数の症状を緩和する方法であって、個体に、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)である方法が提供される。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子中のタキサンは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、ABRAXANE(登録商標)を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、ABRAXANE(登録商標)が、約80mg/m2から約150mg/m2(例えば、約100mg/m2から約150mg/m2、例えば約100mg/m2)に及ぶ用量で毎週、または4週のうち3週間は毎週投与される方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、ABRAXANE(登録商標)を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、ABRAXANE(登録商標)が、約150mg/m2から約300mg/m2(例えば、約260mg/m2)に及ぶ用量で3週間ごとに1回投与される方法が提供される。一部の実施形態では、ABRAXANE(登録商標)は静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量、例えば約750mg/m2から約3000mg/m2であって、例えば約1000mg/m2から約2000mg/m2を含めた量を、投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、ABRAXANE(登録商標)を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、ABRAXANE(登録商標)が、約80mg/m2から約150mg/m2(例えば、約100mg/m2から約150mg/m2、例えば約100mg/m2)に及ぶ用量で毎週、または4週のうち3週間は毎週投与され、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、個体が、前治療(タキサンに基づく療法など)に対して耐性または治療抵抗性である方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の充実性腫瘍を処置する方法であって、個体に、ABRAXANE(登録商標)を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、ABRAXANE(登録商標)が、約150mg/m2から約300mg/m2(例えば、約260mg/m2)に及ぶ用量で3週間ごとに1回投与され、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、個体が、前治療(タキサンに基づく療法など)に対して耐性または治療抵抗性である方法が提供される。一部の実施形態では、ABRAXANE(登録商標)は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は非転移性充実性腫瘍を有する。一部の実施形態では、個体は原発性充実性腫瘍を有する。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量、例えば約750mg/m2から約3000mg/m2であって、例えば約1000mg/m2から約2000mg/m2を含めた量を、投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、ヒト個体のユーイング肉腫を処置する方法であって、個体に、ABRAXANE(登録商標)を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、ABRAXANE(登録商標)が、約80mg/m2から約150mg/m2(例えば、約100mg/m2から約150mg/m2、例えば約100mg/m2)に及ぶ用量で毎週、または4週のうち3週間は毎週投与される方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体のユーイング肉腫を処置する方法であって、個体に、ABRAXANE(登録商標)を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、ABRAXANE(登録商標)が、約150mg/m2から約300mg/m2(例えば、約260mg/m2)に及ぶ用量で3週間ごとに1回投与される方法が提供される。一部の実施形態では、ABRAXANE(登録商標)が静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量、例えば約750mg/m2から約3000mg/m2であって、例えば約1000mg/m2から約2000mg/m2を含めた量を、投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、ユーイング肉腫を有するヒト個体の生存を延長する方法であって、個体に、ABRAXANE(登録商標)を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、ABRAXANE(登録商標)が、約80mg/m2から約150mg/m2(例えば、約100mg/m2から約150mg/m2、例えば約100mg/m2)に及ぶ用量で毎週、または4週のうち3週間は毎週投与される方法が提供される。一部の実施形態では、ユーイング肉腫を有するヒト個体の生存を延長する方法であって、個体に、ABRAXANE(登録商標)を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、ABRAXANE(登録商標)が、約150mg/m2から約300mg/m2(例えば、約260mg/m2)に及ぶ用量で3週間ごとに1回投与される方法が提供される。一部の実施形態では、ABRAXANE(登録商標)は静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量、例えば約750mg/m2から約3000mg/m2であって、例えば約1000mg/m2から約2000mg/m2を含めた量を、投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、ヒト個体の骨肉腫を処置する方法であって、個体に、ABRAXANE(登録商標)を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、ABRAXANE(登録商標)が、約80mg/m2から約150mg/m2(例えば、約100mg/m2から約150mg/m2、例えば約100mg/m2)に及ぶ用量で毎週、または4週のうち3週間は毎週投与され、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、前治療(タキサンに基づく療法など)に対して耐性または治療抵抗性である方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体の骨肉腫を処置する方法であって、個体に、ABRAXANE(登録商標)を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、ABRAXANE(登録商標)が、約150mg/m2から約300mg/m2(例えば、約260mg/m2)に及ぶ用量で3週間ごとに1回投与され、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、前治療(タキサンに基づく療法など)に対して耐性または治療抵抗性である方法が提供される。一部の実施形態では、ABRAXANE(登録商標)は静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量、例えば約750mg/m2から約3000mg/m2であって、例えば約1000mg/m2から約2000mg/m2を含めた量を、投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
一部の実施形態では、骨肉種を有するヒト個体の生存を延長する方法であって、個体に、ABRAXANE(登録商標)を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、ABRAXANE(登録商標)が、約80mg/m2から約150mg/m2(例えば、約100mg/m2から約150mg/m2、例えば約100mg/m2)に及ぶ用量で毎週、または4週のうち3週間は毎週投与され、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、前治療(タキサンに基づく療法など)に対して耐性または治療抵抗性である方法が提供される。一部の実施形態では、骨肉種を有するヒト個体の生存を延長する方法であって、個体に、ABRAXANE(登録商標)を含む組成物の有効量を投与するステップを含み、ABRAXANE(登録商標)が、約150mg/m2から約300mg/m2(例えば、約260mg/m2)に及ぶ用量で3週間ごとに1回投与され、この個体が約21歳以下(約18歳以下など)であり、この個体が、前治療(タキサンに基づく療法など)に対して耐性または治療抵抗性である方法が提供される。一部の実施形態では、ABRAXANE(登録商標)は静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、約17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳以下のいずれかである。一部の実施形態では、個体は約9から約15歳である。一部の実施形態では、個体は約5から約9歳である。一部の実施形態では、個体は約1から約5歳である。一部の実施形態では、個体は約1歳以下、例えば約6カ月齢から約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、方法は、個体に、ゲムシタビンの有効量、例えば約750mg/m2から約3000mg/m2であって、例えば約1000mg/m2から約2000mg/m2を含めた量を、投与する(例えば、静脈内投与する)ステップをさらに含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびナノ粒子組成物は、並行して投与される。
ナノ粒子組成物の投薬および投与方法
ヒト個体(ヒトなど)に投与されるタキサンナノ粒子組成物の用量は、特定の組成物、投与形態、および処置される充実性腫瘍のタイプに応じて変化してもよい。一部の実施形態では、組成物の量は、目的の応答(部分応答、完全応答、または安定疾患など)をもたらすのに有効である。一部の実施形態では、タキサンナノ粒子組成物の量は、個体に完全応答をもたらすのに十分である。一部の実施形態では、タキサンナノ粒子組成物の量は、個体に部分応答をもたらすのに十分である。一部の実施形態では、タキサンナノ粒子組成物の量は、個体に安定疾患(即ち、充実性腫瘍)をもたらすのに十分である。一部の実施形態では、投与されるタキサンナノ粒子組成物の量(例えば、単独で投与される場合)は、タキサンナノ粒子組成物で処置した個体の集団の中で約25%、30%、32%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、50%、60%、65%、または70%超のいずれかの全奏効率をもたらすのに十分である。本明細書に記載される方法の処置に対するヒト個体の応答は、例えば、RECISTレベルに基づいて決定することができる。
一部の実施形態では、組成物の量は、個体の無増悪生存を延長するのに十分である。一部の実施形態では、組成物の量は、個体の全生存を延長するのに十分である。一部の実施形態では、組成物の量(例えば、単独で投与した場合)は、タキサンナノ粒子組成物で処置した個体の集団の中で約25%、30%、32%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、50%、60%、65%、または70%超のいずれかの臨床上の利益をもたらすのに十分である。
一部の実施形態では、組成物の量、第1の療法、第2の療法、または併用療法は、処置前の同じ対象における対応する腫瘍サイズ、充実性腫瘍細胞の数、または腫瘍成長速度に比べて、あるいは処置を受けないその他の対象における対応する活性に比べて、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%のいずれかだけ腫瘍のサイズを減少させるのに、がん細胞の数を減少させるのに、または腫瘍の成長速度を低減させるのに十分な量である。標準的な方法、例えば精製された酵素を用いたin vitroアッセイ、細胞に基づくアッセイ、動物モデル、またはヒト検査を使用して、この作用の大きさを測定することができる。
一部の実施形態では、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の量は、毒物学的作用(即ち、毒性の臨床上許容されるレベルよりも高い作用)を誘発するレベルよりも低いか、または組成物が個体に投与されると潜在的な副作用が制御または忍容され得るレベルである。
一部の実施形態では、組成物の量は、同じ投薬レジームに従う組成物の最大耐量(MTD)に近い。一部の実施形態では、組成物の量は、MTDの約80%、90%、95%、または98%超のいずれかである。
一部の実施形態では、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の量は、下記の範囲:約0.1mgから約500mg、約0.1mgから約2.5mg、約0.5から約5mg、約5から約10mg、約10から約15mg、約15から約20mg、約20から約25mg、約20から約50mg、約25から約50mg、約50から約75mg、約50から約100mg、約75から約100mg、約100から約125mg、約125から約150mg、約150から約175mg、約175から約200mg、約200から約225mg、約225から約250mg、約250から約300mg、約300から約350mg、約350から約400mg、約400から約450mg、または約450から約500mgのいずれかに含まれる。一部の実施形態では、組成物(例えば、単位剤形)の用量中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の量は、約5mgから約500mg、例えば約30mgから約300mg、または約50mgから約200mgの範囲にある。一部の実施形態では、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度は、希釈されており(約0.1mg/ml)または濃縮されており(約100mg/ml)、例えば、約0.1から約50mg/ml、約0.1から約20mg/ml、約1から約10mg/ml、約2mg/mlから約8mg/ml、約4から約6mg/ml、または約5mg/mlのいずれかが含まれる。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度は、少なくとも約0.5mg/ml、1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、または50mg/mlのいずれかである。
ナノ粒子組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の例示的な用量には、少なくとも約25mg/m2、30mg/m2、50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、180mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、250mg/m2、260mg/m2、300mg/m2、350mg/m2、400mg/m2、500mg/m2、540mg/m2、750mg/m2、1000mg/m2、または1080mg/m2のいずれかのタキサン(例えば、パクリタキセル)が含まれるが、これらに限定するものではない。様々な実施形態では、組成物は、約350mg/m2、300mg/m2、250mg/m2、200mg/m2、150mg/m2、120mg/m2、100mg/m2、90mg/m2、50mg/m2、または30mg/m2未満のいずれかのタキサン(例えば、パクリタキセル)を含む。一部の実施形態では、投与当たりのタキサン(例えば、パクリタキセル)の量は、約25mg/m2、22mg/m2、20mg/m2、18mg/m2、15mg/m2、14mg/m2、13mg/m2、12mg/m2、11mg/m2、10mg/m2、9mg/m2、8mg/m2、7mg/m2、6mg/m2、5mg/m2、4mg/m2、3mg/m2、2mg/m2、または1mg/m2未満のいずれかである。一部の実施形態では、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の用量は、下記の範囲:約1から約5mg/m2、約5から約10mg/m2、約10から約25mg/m2、約25から約50mg/m2、約50から約75mg/m2、約75から約100mg/m2、約100から約125mg/m2、約125から約150mg/m2、約150から約175mg/m2、約175から約200mg/m2、約200から約225mg/m2、約225から約250mg/m2、約250から約300mg/m2、約300から約350mg/m2、または約350から約400mg/m2のいずれかに含まれる。一部の実施形態では、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の用量は、約5から約300mg/m2、例えば約100から約150mg/m2、約120mg/m2、約130mg/m2、または約140mg/m2である。一部の実施形態では、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の用量は、約100mg/m2である。
上記態様のいずれかの一部の実施形態では、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の用量は、少なくとも約1mg/kg、2.5mg/kg、3.5mg/kg、5mg/kg、6.5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、または60mg/kgのいずれかを含む。様々な実施形態では、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の用量は、約350mg/kg、300mg/kg、250mg/kg、200mg/kg、150mg/kg、100mg/kg、50mg/kg、25mg/kg、20mg/kg、10mg/kg、7.5mg/kg、6.5mg/kg、5mg/kg、3.5mg/kg、2.5mg/kg、または1mg/kg未満のいずれかのタキサン(例えば、パクリタキセル)を含む。
一部の実施形態では、組成物中のパクリタキセルの用量は、28日周期で1、8、および15日目に投与される、少なくとも約2mg/kg、2.5mg/kg、2.7mg/kg、5mg/kg、6.5mg/kg、7.5mg/kg、または10mg/kgのいずれかである。一部の実施形態では、組成物中のパクリタキセルの用量は、28日周期で1、8、および15日目に投与される約2.7mg/kgである。一部の実施形態では、組成物は、30分にわたって静脈内に投与される。
ナノ粒子組成物の投与に関する例示的な投薬頻度には、毎日、2日ごと、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、中断せずに毎週、4週のうち3週間、3週ごとに1回、2週ごとに1回、または3週のうち2週間が含まれるが、これらに限定するものではない。一部の実施形態では、組成物は、およそ2週ごとに1回、3週ごとに1回、4週ごとに1回、6週ごとに1回、または8週ごとに1回投与される。一部の実施形態では、組成物は、1週間に少なくとも約1×、2×、3×、4×、5×、6×、または7×(即ち、毎日)のいずれかで投与される。一部の実施形態では、各投与間の間隔は、約6カ月、3カ月、1カ月、28日、20日、15日、14日、13日、12日、11日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、または1日未満のいずれかである。一部の実施形態では、各投与間の間隔は、約1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、8カ月、または12カ月超のいずれかである。一部の実施形態では、投薬スケジュールに中断がない。一部の実施形態では、各投与間の間隔は、約1週間以下である。
一部の実施形態では、投薬頻度は、2日ごとに1回を、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、および11回である。一部の実施形態では、投薬頻度は、2日ごとに1回を、5回である。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)を少なくとも10日間にわたって投与し、各投与間の間隔は約2日以下であり、各投与でのタキサン(例えば、パクリタキセル)の用量は、約0.25mg/m2から約250mg/m2、約0.25mg/m2から約150mg/m2、約0.25mg/m2から約75mg/m2、例えば約0.25mg/m2から約25mg/m2、または約25mg/m2から約50mg/m2である。
一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)は、28日周期で1、8、および15日目に投与し、各投与でのタキサン(例えば、パクリタキセル)の用量は、約100mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、175mg/m2、または200mg/m2である。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)は、28日周期で1、8、および15日目に30分間にわたり静脈内に投与し、各投与でのタキサン(例えば、パクリタキセル)の用量は、約100mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、175mg/m2、または200mg/m2である。一部の実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。
組成物の投与は、長期間にわたって、例えば約1カ月から約7年まで延長することができる。一部の実施形態では、組成物は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、または84カ月のいずれの期間にわたって投与される。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の投薬量は、3週間のスケジュールで与えた場合に5〜400mg/m2の範囲、または毎週のスケジュールで与えた場合に5〜250mg/m2(80〜150mg/m2など、例えば100〜120mg/m2)の範囲とすることができる。例えば、タキサン(例えば、パクリタキセル)の量は、4週間のスケジュールで約60から約300mg/m2(例えば、約260mg/m2)である。
ナノ粒子組成物(例えば、パクリタキセル/アルブミンナノ粒子組成物)の投与に関するその他の例示的な投薬スケジュールには、100mg/m2を毎週、中断せずに;75mg/m2を毎週、4週のうち3週間;100mg/m2を毎週、4週のうち3週間;125mg/m2を毎週、4週のうち3週間;125mg/m2を毎週、3週のうち2週間;130mg/m2を毎週、中断せずに;175mg/m2を2週ごとに1回;260mg/m2を2週ごとに1回;260mg/m2を3週ごとに1回;180〜300mg/m2を3週ごとに;60〜175mg/m2を毎週、中断せずに;20〜150mg/m2を1週に2回;および150〜250mg/m2を1週に2回が含まれるが、これらに限定するものではない。組成物の投薬頻度は、投与する医師の判断に基づいて、処置の過程全体を通して調整されてもよい。
一部の実施形態では、個体は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回の処置サイクルのいずれかで処置される。
本明細書に記載される組成物は、約24時間よりも短い注入時間にわたり、ヒト個体への組成物の注入を可能にする。例えば、一部の実施形態では、組成物は、約24時間、12時間、8時間、5時間、3時間、2時間、1時間、30分、20分、または10分未満のいずれかの注入期間にわたって投与される。一部の実施形態では、組成物は、約30分、または約30〜40分の注入期間にわたって投与される。
ナノ粒子組成物中のタキサン(一部の実施形態では、パクリタキセル)のその他の例示的な用量には、約50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、260mg/m2、および300mg/m2のいずれかが含まれるが、これらに限定するものではない。例えば、ナノ粒子組成物中のパクリタキセルの投薬量は、3週間のスケジュールで与えた場合に約100〜400mg/m2の範囲、または毎週のスケジュールで与えた場合に約50〜250mg/m2の範囲とすることができる。
ナノ粒子組成物は、例えば静脈内、動脈内、腹腔内、肺内、経口、吸入、膀胱内、筋肉内、気管内、皮下、眼内、髄腔内、経粘膜、および経皮を含めた様々な経路を介して、ヒト個体(ヒトなど)に投与することができる。一部の実施形態では、組成物の持続連続放出製剤を使用してもよい。一部の実施形態では、組成物は静脈内に投与される。一部の実施形態では、組成物は動脈内に投与される。一部の実施形態では、組成物は腹腔内に投与される。
併用療法(ゲムシタビンとの併用療法など)の場合、その他の薬剤(ゲムシタビンなど)を、ナノ粒子組成物と同じまたは異なる経路で投与することができる。その他の薬剤を投与するための投薬頻度は、ナノ粒子組成物の場合と同じまたは異なっていてもよい。一部の実施形態では、その他の薬剤がゲムシタビンである場合、ゲムシタビンは、約500から約3000mg/m2、例えば約500から約750、約750から約1000、約1000から約1250、約1250から約1500、約1500から約1750、約1750から約2000、約2000から約2250、約2250から約2500、約2500から約2750、または約2750から約3000mg/m2の投薬量で投与することができる。一部の実施形態では、ゲムシタビンは、ナノ粒子組成物と共に逐次投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンは、ナノ粒子組成物と同時に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンは、ナノ粒子組成物と並行して投与される。
ナノ粒子組成物
本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含む(様々な実施形態では、本質的にタキサンおよびアルブミンからなる)ナノ粒子を含む。難水溶性の薬物(タキサンなど)のナノ粒子は、例えば、参照によりそのそれぞれの全体が組み込まれる米国特許第5,916,596号;第6,506,405号;第6,749,868号、および第6,537,579号;第7,820,788号、および米国特許公開第2006/0263434号、および第2007/0082838号;PCT特許出願WO08/137148号に開示されている。
一部の実施形態では、組成物は、平均または中間直径が約1000ナノメートル(nm)以下、例えば約900、800、700、600、500、400、300、200、および100nm以下のいずれかであるナノ粒子を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均または中間直径は約200nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均または中間直径は約150nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均または中間直径は約100nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均または中間直径は約20から約400nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均または中間直径は約40から約200nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子は滅菌濾過可能である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物中のナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有し、例えば約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nm以下のいずれか1つが含まれる。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のいずれか1つ)は、約200nm以下の直径であって例えば約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nm以下のいずれか1つを含めた直径を有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子の少なくとも約50%(例えば、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、または99%のいずれか1つ)は、約20から約400nmの範囲内、例えば約20から約200nm、約40から約200nm、約30から約180nmを含めた範囲内、ならびに約40から約150、約50から約120、および約60から約100nmのいずれか1つを含めた範囲内に包含される。
一部の実施形態では、アルブミンは、ジスルフィド結合を形成することができるスルフヒドラル基を有する。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分のアルブミンの少なくとも約5%(例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%のいずれか1つを含む)が架橋している(例えば、1つまたは複数のジスルフィド結合により架橋)。
一部の実施形態では、ナノ粒子は、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)で被覆されたタキサン(パクリタキセルなど)を含む。一部の実施形態では、組成物は、ナノ粒子および非ナノ粒子の両方の形でタキサンを含み、組成物中のタキサンの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のいずれか1つがナノ粒子の形をとる。一部の実施形態では、ナノ粒子中のタキサンは、重量でナノ粒子の約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%超のいずれか1つを構成する。一部の実施形態では、ナノ粒子は非ポリマー母材を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子は、ポリマー材料(ポリマー母材など)を実質的に含まないタキサンのコアを含む。
一部の実施形態では、組成物は、組成物のナノ粒子および非ナノ粒子部分の両方にアルブミンを含み、組成物中のアルブミンの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のいずれか1つが組成物の非ナノ粒子部分にある。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)とタキサンとの重量比は、約18:1またはそれ未満であり、例えば約15:1またはそれ未満、例えば約10:1またはそれ未満である。一部の実施形態では、組成物中のアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)とタキサンとの重量比は、約1:1から約18:1、約2:1から約15:1、約3:1から約13:1、約4:1から約12:1、約5:1から約10:1のいずれか1つの範囲内に包含される。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンとタキサンとの重量比は、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:15またはそれ未満のいずれか1つである。一部の実施形態では、組成物中のアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)とタキサンとの重量比は、下記の:約1:1から約18:1、約1:1から約15:1、約1:1から約12:1、約1:1から約10:1、約1:1から約9:1、約1:1から約8:1、約1:1から約7:1、約1:1から約6:1、約1:1から約5:1、約1:1から約4:1、約1:1から約3:1、約1:1から約2:1、約1:1から約1:1のいずれか1つである。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、上記特徴の1つまたは複数を含む。
本明細書に記載されるナノ粒子は、乾燥製剤(凍結乾燥した組成物など)中に存在してもよく、または生体適合性媒体中に懸濁されてもよい。適切な生体適合性媒体には、水、緩衝水性媒体、生理食塩液、緩衝生理食塩液、任意選択でアミノ酸の緩衝溶液、任意選択でタンパク質の緩衝溶液、任意選択で糖の緩衝溶液、任意選択でビタミンの緩衝溶液、任意選択で合成ポリマーの緩衝溶液、および脂質含有エマルジョンなどが含まれるが、これらに限定するものではない。
一部の実施形態では、薬学的に許容される担体は、ヒト血清アルブミンを含む。ヒト血清アルブミン(HSA)は、Mr 65Kの高溶解性球状タンパク質であり、585アミノ酸からなる。HSAは、血漿中で最も豊富なタンパク質であり、ヒト血漿のコロイド浸透圧の70〜80%はHSAが原因である。HSAのアミノ酸配列は、合計で17のジスルフィド橋、1つの遊離チオール(Cys34)、および単一のトリプトファン(Trp214)を含有する。HSA溶液の静脈内使用は、血液量減少性(hypovolumic)ショックの予防および処置に関して(例えば、Tullis、JAMA、237巻、355〜360頁、460〜463頁(1977年)およびHouserら、Surgery, Gynecology and Obstetrics、150巻、811〜816頁(1980年)参照)、および新生児高ビリルビン血症の処置における交換輸血と併せて(例えば、Finlayson、Seminars in Thrombosis and Hemostasis、6巻、85〜120頁(1980年)参照)示されてきた。その他のアルブミンは、ウシ血清アルブミンなどが考えられる。そのような非ヒトアルブミンの使用は、例えば、獣医学(愛玩用ペットおよび農業用家畜を含む)などの非ヒト哺乳動物におけるこれらの組成物の使用という文脈において適切と考えられる。
ヒト血清アルブミン(HSA)は、多数の疎水性結合部位(脂肪酸に関して合計で8カ所、HSAの内因性リガンド)を有し、多様な組のタキサン、特に中性のおよび負に帯電した疎水性化合物を結合する(Goodmanら、The Pharmacological Basis of Therapeutics、9版、McGraw−Hill New York(1996年))。2つの高親和性結合部位が、HSAのサブドメインIIAおよびIIIAで提示されており、これらは、極性リガンド形体の結合点として機能する、表面付近に帯電したリシンおよびアルギニン残基を持つ非常に細長い疎水性ポケットである(例えば、Fehskeら、Biochem. Pharmcol.、30巻、687〜92頁(198a)、Vorum、Dan. Med. Bull.、46巻、379〜99頁(1999年)、Kragh−Hansen、Dan. Med. Bull.、1441巻、131〜40頁(1990年)、Curryら、Nat. Struct. Biol.、5巻、827〜35頁(1998年)、Sugioら、Protein. Eng.、12巻、439〜46頁(1999年)、Heら、Nature、358巻、209〜15頁(199b)、およびCarterら、Adv. Protein. Chem.、45巻、153〜203頁(1994年)参照)。パクリタキセルおよびプロポフォールは、HSAに結合することが示されてきた(例えば、Paalら、Eur. J. Biochem.、268巻(7号)、2187〜91頁(200a)、Purcellら、Biochim. Biophys. Acta、1478(a)、61〜8頁(2000年)、Altmayerら、Arzneimittelforschung、45巻、1053〜6頁(1995年)、およびGarridoら、Rev. Esp. Anestestiol. Reanim.、41巻、308〜12頁(1994年)参照)。さらに、ドセタキセルは、ヒト血漿タンパク質に結合することが示されてきた(例えば、Urienら、Invest. New Drugs、14(b)、147〜51頁(1996年)参照)。
組成物中のアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)は、一般にタキサンの担体として働き、即ち組成物中のアルブミンは、アルブミンを含んでいない組成物に比べ、水性媒体中でタキサンをより素早く懸濁可能にしまたは懸濁液を維持するのを助ける。これは、タキサンを可溶化するのに毒性溶媒(または界面活性剤)の使用を避けることができ、それによって、ヒト個体(ヒトなど)にタキサンを投与したときの1つまたは複数の副作用を低減させることができる。このように、一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、Cremophor(Cremophor EL(登録商標)(BASF)を含む)などの界面活性剤を実質的に含まない(例えば、含まない)。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、界面活性剤を実質的に含まない(例えば、含まない)。ナノ粒子組成物が個体に投与されたとき、組成物中のCremophorまたは界面活性剤の量が、ヒト個体で1つまたは複数の副作用を引き起こすのに十分ではない場合、組成物は、「Cremophorを実質的に含まず」または「界面活性剤を実質的に含まない」。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、約20%、15%、10%、7.5%、5%、2.5%、または1%未満のいずれか1つの有機溶媒または界面活性剤を含有する。
本明細書に記載される組成物中のアルブミンの量は、組成物中のその他の成分に応じて変化することになる。一部の実施形態では、組成物は、水性懸濁液中でタキサンを安定化させるのに十分な量で、例えば安定なコロイド懸濁液(ナノ粒子の安定な懸濁液など)の形でアルブミンを含む。一部の実施形態では、アルブミンは、水性媒体中でのタキサンの沈降率を低減させる量にある。粒子含有組成物の場合、アルブミンの量は、タキサンのナノ粒子のサイズおよび密度にも依存する。
タキサンは、長時間にわたって、例えば少なくとも約0.1、0.2、0.25、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、60、または72時間のいずれかにわたって水性媒体中に懸濁したままの場合(目に見える沈殿も沈降も無い場合など)、水性懸濁液中で「安定化する」。懸濁液は一般に、必ずではないが、ヒト個体(ヒトなど)への投与に適している。懸濁液の安定性は、一般に(必ずではないが)、貯蔵温度(例えば室温(20〜25℃など)または冷蔵状態(4℃など))で評価される。例えば懸濁液は、懸濁液を調製した約15分後に裸眼で見えるまたは1000倍の光学顕微鏡下で見たときに綿状沈殿も粒子凝集も示さない場合、貯蔵温度で安定である。安定性は、約40℃よりも高い温度などでの加速試験条件下でも評価することができる。
一部の実施形態では、アルブミンは、ある濃度で、水性懸濁液中でタキサンを安定化させるのに十分な量で存在する。例えば、組成物中のタキサンの濃度は約0.1から約100mg/mlであり、例えば約0.1から約50mg/ml、約0.1から約20mg/ml、約1から約10mg/ml、約2mg/mlから約8mg/ml、約4から約6mg/ml、約5mg/mlのいずれかが含まれる。一部の実施形態では、タキサンの濃度は、少なくとも約1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、および50mg/mlのいずれかである。一部の実施形態では、アルブミンは、界面活性剤(Cremophorなど)の使用を回避する量で存在し、したがって組成物は、界面活性剤(Cremophorなど)を含まずまたは実質的に含まないようになる。
一部の実施形態では、液体の形をとる組成物は、アルブミンを約0.1%から約50%(w/v)(例えば、約0.5%(w/v)、約5%(w/v)、約10%(w/v)、約15%(w/v)、約20%(w/v)、約30%(w/v)、約40%(w/v)、または約50%(w/v))含む。一部の実施形態では、液体の形をとる組成物は、アルブミンを約0.5%から約5%(w/v)含む。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のアルブミン、例えば、アルブミンとタキサンとの重量比は、十分な量のタキサンが細胞に結合しまたは細胞により輸送されるようなものである。アルブミンとタキサンとの重量比は、種々のアルブミンとタキサンとの組合せに合わせて最適化されなければならないが、一般にアルブミン、例えばアルブミンとタキサンとの重量比(w/w)は約0.01:1から約100:1、約0.02:1から約50:1、約0.05:1から約20:1、約0.1:1から約20:1、約1:1から約18:1、約2:1から約15:1、約3:1から約12:1、約4:1から約10:1、約5:1から約9:1、または約9:1である。一部の実施形態では、アルブミンとタキサンとの重量比は、約18:1またはそれ未満、15:1またはそれ未満、14:1またはそれ未満、13:1またはそれ未満、12:1またはそれ未満、11:1またはそれ未満、10:1またはそれ未満、9:1またはそれ未満、8:1またはそれ未満、7:1またはそれ未満、6:1またはそれ未満、5:1またはそれ未満、4:1またはそれ未満、および3:1またはそれ未満のいずれかである。一部の実施形態では、組成物中のアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)とタキサンとの重量比は、下記の:約1:1から約18:1、約1:1から約15:1、約1:1から約12:1、約1:1から約10:1、約1:1から約9:1、約1:1から約8:1、約1:1から約7:1、約1:1から約6:1、約1:1から約5:1、約1:1から約4:1、約1:1から約3:1、約1:1から約2:1、約1:1から約1:1のいずれか1つである。
一部の実施形態では、アルブミンによって、著しい副作用なしにヒト個体(ヒトなど)に組成物を投与することが可能になる。一部の実施形態では、アルブミン(ヒト血清アルブミンなど)は、ヒトにタキサンを投与したときの1つまたは複数の副作用を低減させるのに有効な量にある。「タキサンを投与したときの1つまたは複数の副作用を低減させる」という用語は、タキサンによって引き起こされた1つまたは複数の望ましくない作用ならびにタキサンを送達するのに使用される送達ビヒクル(タキサンを、注入するのに適切なものにする溶媒など)によって引き起こされた副作用の、低減、緩和、排除、または回避を指す。そのような副作用には、例えば、骨髄抑制、神経毒性、過敏症、炎症、静脈刺激、静脈炎、疼痛、皮膚刺激、抹消性ニューロパシー、好中球減少性発熱、アナフィラキシー反応、静脈血栓症、溢血、およびこれらの組合せが含まれる。しかし、これらの副作用は単なる例示であり、タキサンに関連したその他の副作用または副作用の組合せを低減させることができる。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物はABRAXANE(登録商標)(Nab−パクリタキセル)を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物はABRAXANE(登録商標)(Nab−パクリタキセル)である。ABRAXANE(登録商標)は、直接注入可能な生理溶液に分散させることができるヒトアルブミンUSPによって安定化したパクリタキセルの製剤である。0.9%塩化ナトリウム注入液または5%デキストロース注入液などの適切な水性媒体に分散させたとき、ABRAXANE(登録商標)は、パクリタキセルの適切なコロイド懸濁液を形成する。コロイド懸濁液中のナノ粒子の平均粒度は約130ナノメートルである。HSAは水に自由に溶解するので、ABRAXANE(登録商標)は、希釈(0.1mg/mlのパクリタキセル)から濃縮(20mg/mlのパクリタキセル)に及ぶ広範な濃度であって例えば約2mg/mlから約8mg/ml、約5mg/mlを含む濃度で再構成することができる。
ナノ粒子組成物を作製する方法は、当技術分野で公知である。例えば、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含有するナノ粒子は、高剪断力の条件下(例えば、超音波または高圧均質化など)で調製することができる。これらの方法は、例えば、米国特許第5,916,596号;第6,506,405号;第6,749,868号;第6,537,579号、第7,820,788号、および米国特許公開第2007/0082838号、第2006/0263434号、およびPCT出願WO08/137148号にも開示されている。
簡単に言うと、タキサン(パクリタキセルなど)を有機溶媒に溶解し、溶液をアルブミン溶液に添加することができる。混合物を高圧均質化に供する。次いで有機溶媒を蒸発によって除去することができる。得られた分散液をさらに凍結乾燥することができる。適切な有機溶媒には、例えば、ケトン、エステル、エーテル、塩素化溶媒、および当技術分野で公知のその他の溶媒が含まれる。例えば有機溶媒は、塩化メチレンまたはクロロホルム/エタノール(例えば、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、または9:1の比をもつ)とすることができる。
ナノ粒子組成物中のその他の成分
本明細書に記載されるナノ粒子は、その他の薬剤、賦形剤、または安定化剤を含む組成物中に存在することができる。例えば、ナノ粒子の負のζ電位を増加させることによって安定性を増大させるため、ある特定の負に帯電した成分を添加してもよい。そのような負に帯電した成分には、グリコール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸、およびその他のものからなる胆汁酸の胆汁酸塩;下記のホスファチジルコリン:パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルオレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルアラキドイルホスファチジルコリン、およびジパルミトイルホスファチジルコリンを含む、レシチン(卵黄)に基づくリン脂質を含むリン脂質が含まれるが、これらに限定するものではない。その他のリン脂質は、L−α−ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジステアリオールホスファチジルコリン(DSPC)、水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、およびその他の関係する化合物を含む。負に帯電した界面活性剤または乳化剤、例えばコレステリル硫酸ナトリウムなども、添加剤として適している。
一部の実施形態では、組成物は、ヒトへの投与に適している。一部の実施形態では、組成物は、獣医学の分野、愛玩用ペット、および農業用動物など、哺乳動物への投与に適している。ナノ粒子組成物の、広く様々な、適切な製剤がある(例えば、米国特許第5,916,596号;第6,096,331号;第7,820,788号参照)。下記の製剤および方法は単なる例示であり、いかなる方法によっても限定するものではない。経口投与に適した製剤は、(a)有効量の化合物が水、生理食塩液、またはオレンジジュースなどの希釈剤に溶解されたような、液状溶液、(b)固形分または顆粒として所定量の活性成分をそれぞれが含有しているカプセル、サッシェ、または錠剤、(c)適切な液体中の懸濁液、および(d)適切なエマルジョンからなることができる。錠剤形態は、ラクトース、マンニトール、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、微結晶質セルロース、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、およびその他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤、着香剤、および薬理学的に適合可能な賦形剤の1種または複数を含むことができる。ロゼンジ形態は、香料、通常はスクロースおよびアカシアまたはトラガカントに活性成分を含むことができ、ならびに香錠は、活性成分を不活性基材、例えばゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアに含み、エマルジョン、ゲルなどは、活性成分の他に当技術分野で公知であるような賦形剤を含有する。
適切な担体、賦形剤、および希釈剤の例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、生理食塩液、シロップ、メチルセルロース、メチルおよびプロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油が含まれるが、これらに限定するものではない。製剤は、潤滑剤、湿潤剤、乳化および懸濁化剤、保存剤、甘味剤、または着香剤をさらに含むことができる。
非経口投与に適した製剤は、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および意図されるレシピエントの血液に適合する製剤にする溶質を含有することができる、水性および非水性の等張性滅菌注射液と、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、および保存剤を含むことができる水性および非水性滅菌懸濁液とを含む。製剤は、単位用量または多回用量を密封した容器、例えばアンプルおよびバイアルで提示することができ、使用直前に、注射のための滅菌液状賦形剤、例えば水の添加しか必要としないフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵することができる。即時注射液および懸濁液は、既に記載した種類の滅菌粉末、顆粒、および錠剤から調製することができる。注射可能な製剤が好ましい。
一部の実施形態では、組成物は、約4.5から約9.0のpH範囲であって、例えば約5.0から約8.0、約6.5から約7.5、および約6.5から約7.0のいずれかのpH範囲を含めたpH範囲を有するように製剤化される。一部の実施形態では、組成物のpHは約6以上になるように製剤化され、例えば約6.5、7、または8(約8など)以上のいずれかが含まれる。組成物は、グリセロールなどの適切な張度調節剤の添加によって、血液に対して等張性を持つように作製することもできる。
キット、薬、および組成物
本発明は、本明細書に記載される方法のいずれかで使用されるキット、薬、組成物、および単位剤形も提供する。
本発明のキットは、タキサン含有ナノ粒子組成物(または単位剤形および/または製品)および/または別の薬剤(本明細書に記載される薬剤など)を含む1つまたは複数の容器を含み、一部の実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより使用するための取扱い説明書をさらに含む。キットは、処置に適切なヒト個体を選択する説明書をさらに含んでいてもよい。本発明のキットで提供される取扱い説明書は、典型的には、ラベルまたは添付文書(例えば、キットに含まれる紙シート)に書き留められた取扱い説明書であるが、機械可読式取扱い説明書(例えば、磁気または光記憶ディスクに保持された取扱い説明書)も許容される。
例えば一部の実施形態では、キットは、a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む組成物と、b)約21歳以下(約18歳以下など)であるヒト個体の充実性腫瘍を処置するためにナノ粒子組成物を投与するための取扱い説明書とを含む。一部の実施形態では、個体は、軟部組織肉腫などの肉腫、例えば横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は神経芽細胞腫を有する。
本発明のキットは、適切なパッケージ内にある。適切なパッケージには、バイアル、ボトル、ジャー、および可撓性パッケージ(例えば、密封されたMylarまたはプラスチックバッグ)などが含まれるが、これらに限定するものではない。キットは、緩衝液および説明情報などの追加の構成要素を任意選択で提供してもよい。このように本出願は、バイアル(密封されたバイアルなど)、ボトル、ジャー、および可撓性パッケージなどを含む製品も提供する。
ナノ粒子組成物の使用に関連した取扱い説明書は、一般に、意図された処置での投薬量、投薬スケジュール、および投与経路に関する情報を含む。容器は、単位用量、バルクパッケージ(例えば、多回用量パッケージ)、またはサブユニット用量であってもよい。例えばキットは、長期間、例えば1週間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3カ月、4カ月、5カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月、12カ月、またはそれ超のいずれかにわたってヒト個体の効果的な処置を提供するために、本明細書に開示されるタキサン(タキサンなど)の十分な投薬量を含有するものが提供されてもよい。キットは、多数の単位用量のタキサンおよび医薬組成物と、使用のための取扱い説明書とを含んでいてもよく、薬局、例えば病院薬局および調剤薬局で貯蔵および使用するのに十分な量で包装されてもよい。
本明細書に記載される方法に有用な薬、組成物、および単位剤形も提供される。
(実施例1A)
小児充実性腫瘍の異種移植片モデルにおけるAbraxane
本実施例は、Abraxane(登録商標)(Nab−paclitaxel)が、in vitroおよびin vivoの両方において小児充実性腫瘍に対して有意な抗腫瘍活性を有することを実証している。
神経芽細胞腫(NB)の細胞株7つおよび横紋筋肉腫(RMS)の細胞株3つからなるパネルを、in vitroにおいて、より高濃度のAbraxane(登録商標)に曝露した。細胞生存度は、Alamar Blueアッセイによって評価された。ABRAXANEの抗腫瘍作用は、in vivoにおける異種移植片モデルによってさらに評価された。動物の生存は、転移性NBモデルにおいても評価された。異種移植切片は、切断カスパーゼ−3およびホスホ−ヒストンH3について免疫組織化学によって分析した。加えて、血漿中および腫瘍内のパクリタキセル濃度は、液体クロマトグラフィー質量分析法によって測定した。腫瘍内に対する血漿中の濃度の比は、Abraxane(登録商標)処置群とパクリタキセル処置群との間で比較された。
Abraxane(登録商標)は、用量依存的に試験された小児充実性腫瘍細胞株の大部分において細胞傷害性を示した。in vivoにおいては、AbraxaneはNB(SKN−BE(2)およびCHLA−20)およびRMS(RH4)異種移植片モデルの両方において抗腫瘍活性を示した。SK−N−BE(2)転移性モデルにおいては、ABRAXANE処置は、対照と比較して、動物の生存を有意に長めた(p<0.01)Abraxane(登録商標)処置は、in vivoにおいて、腫瘍の細胞周期停止およびアポトーシスを誘発することが実証された。RH4モデルにおいては、パクリタキセル(34日)と比較して、Abraxane(登録商標)処置により、増大した局所的な無再発期間(54日)が観察された。パクリタキセル処置後に局所的に再発した腫瘍で、パクリタキセル耐性であることが判明したものは、Abraxane(登録商標)には依然反応性を有する。機械論的には、パクリタキセルと比較して、Abraxane(登録商標)によって、より高まった腫瘍内のパクリタキセルレベルおよび対応してより低い血漿中パクリタキセルレベルが観察され、その結果、Abraxane(登録商標)によってより高い腫瘍/血漿のパクリタキセル薬物濃度比が得られた。
Abraxane(登録商標)は、in vitroおよびin vivoの両方において小児充実性腫瘍に対して有意な抗腫瘍活性を示した。Abraxaneの治療的向上は、腫瘍内への薬物送達の改善に関連していると考えられる。非臨床的研究の結果は、小児充実性腫瘍患者集団を対象にした臨床研究におけるAbraxane(登録商標)のさらなる試験例を裏付けている。
(実施例1B)
8つの細胞株におけるSPARCおよびPTEN発現の分析。
Abraxane(登録商標)の抗腫瘍効果の潜在的レギュレーター、および、薬物反応を予測するための潜在的バイオマーカーを明らかにするため、ウェスタンブロットにより、8つの神経芽細胞腫の細胞株(CHLA−15、CHLA−20、CHLA−90、LAN−5、NUB−7、SK−N−BE(2)、BE(2)CおよびSH−SY5Y)においてSPARCおよびPTEN発現を分析した。結果は図12に示されている。
(実施例1C)
小児充実性腫瘍の前臨床モデルにおけるAbraxane(登録商標)
Abraxane(ABI−007)は凍結乾燥粉末として供され、再構成されるまで室温下で保管された。Abraxaneは、添付文書に従って、0.9%食塩水20mlにより再構成し、5mg/mlの保存溶液とした。投与液は、保存溶液を0.9%食塩水で所望濃度に希釈することにより調製された。Taxol(登録商標)(パクリタキセル)はDMSOに溶解し、25mg/mlの保存溶液とした。投与液は、保存溶液を0.9%食塩水で所望濃度に希釈することにより調製された。
横紋筋肉腫細胞RH4、RH30、RDは10%FBSを追加したDMEMにおいて培養された。神経芽細胞腫細胞CHLA−15、CHLA−20およびCHLA−90は、Lグルタミン3mM、インスリンおよびトランスフェリン(transferin)それぞれ5μg/mlおよび亜セレン酸5ng/mlおよび20%ウシ胎児血清(FBS、完全培地)を追加したイスコフ改変ダルベッコ培地で培養した。LAN−5、SK−N−BE(2)、BE(2)CおよびSH−SY5Y神経芽細胞腫細胞は10%FBSを追加したAMEMで培養した。KHOS骨肉腫細胞は、10%FBSを追加したイーグル最小必須培地で培養した。
細胞は、薬物処置開始前に、24ウェル組織培養プレートに、細胞200,000個/ウェルの密度で培養培地にシーディングされ、37℃下で24時間インキュベートされた。細胞は増加する濃度のAbraxane(登録商標)(10−3から103ng/ml)に72時間曝露された。対照および処置培地において増殖する細胞の生存度は、製造者のプロトコールに従ってAlamar Blueアッセイにより測定した。つまり、Alamar Blueは、細胞培養培地中に10分の1に希釈され、蛍光色変化は3時間後にモニターした。細胞増殖の比色測定による評価は、励起波長540nmおよび発光波長590nmにおいてSPECTRAmax Geminiスペクトロメーターを使用して実施し、測定値は相対蛍光単位(RFU)で表した。細胞生存度は3重測定し、対照の無処置細胞について計算した。
アポトーシスの検出は、アネキシンVを使用して、Annexin V−FITC Early Apoptosis Detection Kitにより行なわれた。細胞は、48時間のAbraxane(登録商標)処置前に、カバーガラス上で終夜培養された(細胞2×105個)。アネキシンV−FITCによるアポトーシスの染色のため、製造業者のプロトコールに従ってアネキシンV−FITCと共にインキュベートした後、細胞は洗浄され、2%ホルムアルデヒドにより固定し、蛍光顕微鏡下で、FITC−アネキシンVおよびDAPI(核染色)用にセットしたデュアルフィルターを使用して可視化した。
Abraxane(登録商標)/Taxol(登録商標)の抗腫瘍活性は、NOD/SCID腫瘍異種移植片を使用して、in vivoにおいて皮下の横紋筋肉腫(RH4およびRH30)および神経芽細胞腫(SK−N−BE(2)およびCHLA−20)に対して調査された。つまり、腫瘍細胞は、注射前にHBSSにより3回洗浄された。マウスは、腫瘍細胞1×106個を皮下注射された。腫瘍増殖は週ごとにデジタルキャリパーを使用して2次元で測定し、腫瘍の体積は幅2×長さ×0.5として計算した。腫瘍の直径が0.5cmに達した時点で、マウスは、各群10匹の処置群にランダム化された。Abraxane(登録商標)は低用量のメトロノミック投与(1日当たり2、5または10mg/kgの3種類の異なった用量を静脈注射)もしくは細胞毒量(1週当たり50mg/kgの静脈注射)のいずれかによって投与された。Taxol(登録商標)は、1週当たり20または30mg/kgを静脈注射により投与された。対照のマウスは食塩水を投与された。潜在的な薬物毒性に関して、腫瘍体積、マウスの体重および動物の苦痛の兆候が、週ごとに2または3回評価された。動物は腫瘍の大きさが1.5cm3に達した時点で屠殺された。
Abraxaneの抗転移活性は、SK−N−BE(2)神経芽細胞腫転移性モデルにおいてさらに調査された。腫瘍細胞は尾の側脈に静脈内に投与された(26ゲージ注射針、総量100μl中に細胞1×106個)。マウスは各群10匹の2群(対照およびAbraxaneを1週当たり50mg/kg静脈注射)にランダム化され、処置は接種から14日後に開始し、エンドポイントの事象まで実施された。エンドポイントの事象は、20%の体重減、32℃未満の体温またはストレスの兆候などの重篤な臨床状態にあるマウスに関して、我々の動物委員会ガイドラインに従って定められた。対照群およびAbraxane(登録商標)処置群の生存期間が比較され、統計学的に分析された。
in vivoにおける細胞周期停止およびアポトーシスを誘発するAbraxane(登録商標)の効果を評価するため、Abraxane(登録商標)またはDMSO−Taxol(登録商標)により処置されたSK−N−BE(2)皮下異種移植片が研究の最後に回収され、製造業者の指示に従って、アポトーシスマーカー(切断カスパーゼ−3)および有糸分裂マーカー(ホスホ−ヒストンH3)に関して免疫組織学(IHC)により分析された。同様に、RH4異種移植片が回収され、ホスホ−ヒストンH3(phosphor−histone H3)に関してIHCにより分析された。
血漿中および腫瘍内の薬物濃度は、単回または反復薬物投与後に研究された。RH4異種移植片モデルにおいては、血液/腫瘍サンプルはAbraxane(登録商標)(50mg/kg)またはTaxol(登録商標)(30mg/kg)の初回投与24時間後に採取された。SK−N−BE(2)異種移植片モデルにおいては、Taxol(登録商標)(20mg/kg)およびAbraxane(登録商標)(50mg/kg)が1、8および15日目に投与された。低用量メトロノミック投与のAbraxane(登録商標)(10mg/kg)は、1日目から15日目まで日ごとに投与された。Abraxane(登録商標)/Taxol(登録商標)の最終投与から24時間後に、血液および腫瘍のサンプルが採取され、LC/MSによってTaxol(登録商標)濃度に関して分析された。腫瘍内対血漿中の濃度の比が計算され、Abraxane処置群およびDMSOベースのTaxol(登録商標)処置群の間で比較された。
それぞれの実験から得られたデータは、平均±SDとして表された。統計学的分析のためには、独立二群の平均値の差に関するスチューデントのt検定が使用された。P値が<0.05で有意とみなされた。in vivoにおける腫瘍増殖に対するそれぞれの処置による効果を比較するため、一元配置分散分析法とともにダネットの多重比較検定が使用された。生存曲線の比較は、カプラン・マイヤー生存分析用のGraphPad Prismソフトウェアが使用された。
小児がん細胞の広いパネルに対するAbraxaneの有効性を判定するため、3つの横紋筋肉腫細胞株(RH4、RH30およびRD)、7つの神経芽細胞腫細胞株(CHLA−20、CHLA−15、CHLA−90、LAN−5、SK−N−BE(2)、BE(2)CおよびSH−SY5Y)および1つの骨肉腫細胞株(KHOS)が、増加する濃度のAbraxane(登録商標)にin vitroにおいて72時間曝露された後、Alamar Blueアッセイによって生存度に関して試験された。図1Aに示すように、3つの横紋筋肉腫細胞株すべてはAbraxane(登録商標)処置に対して用量依存的に反応性を有した。IC50値が計算され、0.48から4.0ng/mlまでの範囲に及んだ。骨肉腫細胞株KHOSに関しては、限定的な反応性が観察された(図1B)。
7つの神経芽細胞腫細胞株に関しては、Abraxane(登録商標)は、細胞生存度によって測定されているように、in vitroにおいて用量依存的な細胞傷害性を示した(図1C)。それぞれの細胞株はAbraxane(登録商標)に対して異なった感受性を示した。これらすべての細胞株のうち、CHLA−20が最大のEC50値を有し(36nM)、LAN−5およびSK−N−BE(2)が最小のEC50値を有する。さらに、神経芽細胞腫細胞株がin vitroにおいて72時間処置されたところ、すべての試験した細胞株が溶剤DMSOに溶解されたTaxol(登録商標)よりもAbraxane(登録商標)に対してより高い感受性を示し(図2A〜C)、アルブミン結合製剤の溶液中におけるTaxol(登録商標)が腫瘍細胞内に、より取り込まれやすいことを示唆した。
我々はさらに、in vitro薬物処置後における細胞のアポトーシスを評価した。横紋筋肉腫RH4細胞はより高濃度のAbraxane(登録商標)(つまり10、50または100ng/ml)と共に48時間インキュベートし、アネキシンV−FITCによりアポトーシスに関して分析された。アネキシンV−FITCにコンジュゲートされたタンパク質は、早期アポトーシスのマーカーであるホスファチジルセリンが発現している細胞表面に結合する。Abraxane(登録商標)処置後において、アネキシンV−FITC陽性染色により示されるアポトーシスRH4細胞の増加が観察された(図3)。より高濃度のAbraxane(登録商標)(50または100ng/ml)では、ほとんどの細胞はカバーガラスから脱離したが、残る細胞のほぼすべてはアネキシンV−FITC陽性染色を示した。
血漿中および腫瘍内薬物濃度は、薬物の単回および反復投与後に測定された。ヒト横紋筋肉腫(RH4)およびヒト神経芽細胞腫(SK−N−BE(2))の異種移植片を持つマウスは、異なる用量のTaxol(登録商標)(1週当たり20mg/kgまたは30mg/kg)またはAbraxane(登録商標)(5日間連続10mg/kg/日または1週当たり50mg/kg)を静脈投与された。最終投与の24時間後には、血液および腫瘍のサンプルが採取され、LC/MSによってTaxol(登録商標)濃度に関して分析された。両方の腫瘍モデルにおいて、Abraxane(登録商標)処置は、DMSO−Taxol(登録商標)と比較して低い血漿中Taxol(登録商標)濃度を示した一方で、腫瘍内Taxol(登録商標)濃度はAbraxane(登録商標)処置群においてより高かった(図4Aおよび4B)。結果として、薬物投与から24時間後には、Abraxane(登録商標)はDMSO−Taxol(登録商標)と比較して、腫瘍/血漿のTaxol(登録商標)比が高かった。
in vivoにおけるAbraxane(登録商標)の抗腫瘍活性は、複数の小児腫瘍異種移植片において評価された。横紋筋肉腫モデルにおいて、RH4およびRD異種移植片を持つマウスは、Abraxane(登録商標)(50mg/kg)およびTaxol(登録商標)(30mg/kg)の静脈注射により処置された。1週当たり50mg/kgの投与は、ヒトにおける1週当たり150mg/m2の投与に相当し、それは成人における1週当たりのAbraxane(登録商標)による処置の最大用量である。Taxol(登録商標)30mg/kgも成人患者における最大用量に相当する。
Abraxane(登録商標)およびDMSO−Taxol(登録商標)処置のどちらも、RH4腫瘍増殖を有意に抑制し、8日目における第2回目の投与後に腫瘍の退縮が観察された(図5A)。しかし、Taxol(登録商標)により処置された動物はAbraxaneおよび対照動物と比較して低い体重を示し(図5B)、Taxol(登録商標)群のマウス7匹中1匹が10日目に死亡し、比較的低い用量であってもTaxol(登録商標)はAbraxane(登録商標)と比較して高い毒性を有することを示した。RH4モデルにおいては、Taxol(登録商標)処置(13.6±2.07日)と比較して、Abraxane(登録商標)処置により、増大した局所的な無再発期間(37.7±3.2日)が観察された。
RD異種移植片モデルにおいては、Taxol(登録商標)(1週当たり30mg/kg)またはAbraxane(登録商標)(1週当たり50mg/kg)が1日および8日目に投与された。Abraxane(登録商標)処置において腫瘍の退縮が観察された。対照動物と比較して、Taxol(登録商標)処置はRD腫瘍の増殖を遅らせることができたが、前記腫瘍は退縮の兆候を見せず進行性に増殖した。15日目に、Taxol(登録商標)薬物処置からAbraxane(登録商標)(1週当たり50mg/kg)に取って代わった際には、前記腫瘍はAbraxane(登録商標)の初回投与後に急速に退縮した(図5C)。
腫瘍増殖は、パクリタキセル/Abraxane処置されたRD異種移植片モデルにおいて評価された。Abraxane処置群においては、腫瘍を持つマウスはAbraxane(1週当たり50mg/kg)処置を受けた。パクリタキセル処置群においては、腫瘍の大きさが2週間のパクリタキセル処置後にエンドポイントに達するため、前記マウスは、15日目に、各群5匹の2群にランダム化された。1つの動物群は継続して30mg/kgのパクリタキセルを受け、もう1つの群は、その代わりにAbraxane50mg/kgを受けた。RD異種移植片モデルにおいては、Taxol(登録商標)処置およびAbraxane(登録商標)処置の両方が腫瘍増殖を有意に抑制したが、腫瘍の収縮はAbraxane(登録商標)処置の腫瘍においてのみ観察された(図5C)。
RH4異種移植片においては、腫瘍の直径が0.5cm超に達した際、マウスは各群7匹の3群にランダム化された(対照、Abraxane処置およびパクリタキセル処置)。Taxol(登録商標)(30mg/kg)またはAbraxane(登録商標)(50mg/kg)は、1、8および15日目に投与された。腫瘍の体積が測定され、幅2×長さ×0.5として計算された。完全退縮は、Taxol(登録商標)処置のマウスにおいて31日目後に観察された(図6A)。しかし、Taxol(登録商標)処置の動物すべてが11から15日後に腫瘍再発を示した。52日目には、Taxol(登録商標)再発腫瘍が直径0.5cmに達した際、動物はAbraxane(登録商標)およびTaxol(登録商標)の2つの処置群にランダム化された。薬物は52、59および66日目に、上記と同様のスケジュールおよび用量で与えられた。腫瘍増殖をモニターした。図6Aに示されているとおり、再発したRH4異種移植片は、Taxol(登録商標)に対しては薬物耐性であったが、Abraxane(登録商標)処置に対しては依然感受性を有した。Abraxane(登録商標)で再度処置されたすべての再発腫瘍において、腫瘍退縮が観察された。
29日目後には、Abraxane(登録商標)処置のマウスにおいて完全退縮が観察された(図6B)。7匹中6匹において、37から42日後に再発腫瘍が発生した。75日目には、Abraxane(登録商標)再発腫瘍が直径0.5cmに達した際、動物は、Abraxane(登録商標)処置群および食塩水対照群の2群にランダム化された。Abraxane(登録商標)または食塩水が、75、82および87日目に上記と同様のスケジュールおよび用量で与えられた。図6Bに示されているとおり、再発したRH4腫瘍がAbraxane(登録商標)により再度処置された際(1週当たり50mg/kg)、Abraxane(登録商標)からの再発腫瘍は、図6Bに示されるように依然Abraxane(登録商標)に対する感受性を有した。
神経芽細胞腫の異種移植片モデルにおいては、Abraxane(登録商標)の様々なスケジュールや用量(つまり、低用量メトロノミック(LDM)および標準的な最大耐量(MTD)スケジュール)が比較された。マウスの皮下異種移植腫瘍(SK−N−BE(2)およびCHLA−20)は、ビヒクルのみ、1日当たり2、5および10mg/kg、または1週当たり50mg/kgのAbraxane(登録商標)のいずれかにより処置された。対照のマウスは食塩水を受けた。1日当たり2、5、10mg/kgの静脈注射と、増加する用量のAbraxane(登録商標)は、SK−N−BE(2)に関して用量依存的な仕方でより大きな腫瘍増殖抑制を明確に示した(図7A)。2mg/kg/日の投与は、腫瘍増殖に対して有意な効果は示さなかった一方で、1日当たり5および10mg/kgの用量は腫瘍増殖を有意に抑制した。最も強い抗腫瘍活性は、Abraxane(登録商標)において1週当たり50mg/kg静脈注射において観察された。腫瘍増殖は、CHLA−20異種移植片モデルにおいても評価された。腫瘍を有するマウスは、Abraxaneの標準的な最大耐量(MTD、1週当たり50mg/kg)または低用量メトロノミック投与のAbraxane(LDM、1日当たり10mg/kg)のいずれかにより処置された。CHLA−20異種移植片モデルにおいては、1週当たり50mg/kg静脈注射のAbraxane(登録商標)が、1日当たり10mg/kgのLDM療法と比較して同様の抗腫瘍活性を示した(図7B)。
Abraxane(登録商標)処置による動物の生存はSK−N−BE(2)転移性モデルにおいてさらに調査された。腫瘍を有するマウスは、対照ビヒクルまたはAbraxane(登録商標)(1週当たり50mg/kgを静脈注射)処置され、すべての処置は腫瘍細胞接種から14日後に開始された。図8Aに示されているとおり、Abraxane(登録商標)処置は、動物の生存を対照群と比較して有意に延長した(Abraxane群における59日の生存期間中央値に対して対照群における32日、P<0.01)。Abraxane(登録商標)処置は、前記マウスにおいて、対照と比較して有意に体重を増加させた(図8B)。
Abraxane(登録商標)の抗腫瘍活性が腫瘍細胞のアポトーシスおよび細胞周期停止によるものかを判定するため、様々な用量のAbraxane(登録商標)またはTaxol(登録商標)により処置されたSK−N−BE(2)異種移植片は、研究の最後に回収され、アポトーシスマーカー(切断カスパーゼ−3)および有糸分裂マーカー(ホスホ−ヒストンH3)に関して免疫組織学(IHC)により分析された。腫瘍増殖の抑制の結果と一致して、Abraxane(登録商標)処置は、対照の腫瘍と比較して、アポトーシス細胞集団を用量依存的に有意に増加させた一方で、1週当たり20mg/kgのTaxol(登録商標)は、腫瘍におけるアポトーシスをわずかに増加させるのみであった(図9)。同様に、Abraxane(登録商標)処置は、ホスホ−ヒストンH3陽性細胞をも用量依存的に増加させた(図10)。1週当たり20mg/kgのTaxol(登録商標)は、腫瘍においてわずかにホスホ−ヒストンH3陽性細胞を増加させるのみであった。
RH4異種移植片が、Abraxane(登録商標)(50mg/kg静脈注射)またはTaxol(登録商標)(30mg/kg静脈注射)の投与から48時間後に回収され、腫瘍の切片はIHCにより、ホスホ−ヒストンH3に関して染色された。Abraxane(登録商標)およびTaxol(登録商標)処置後には、ホスホ−ヒストンH3陽性細胞集団の有意な増加が観察された(図11)。Abraxane(登録商標)は、in vitroおよびin vivoの両方において小児充実性腫瘍に対して有意な抗腫瘍活性を示した。Abraxane(登録商標)の治療的向上は、腫瘍内への薬物送達の改善に関連していると考えられる。本前臨床研究の結果は、小児充実性腫瘍患者集団におけるAbraxane(登録商標)のさらなる試験を支持している。
(実施例2)
小児がんの処置におけるAbraxane(登録商標)の第I/II相試験。
本実施例は、悪性小児充実性腫瘍(例:横紋筋肉腫(RMS)、神経芽細胞腫(NB)または、非RMS軟部組織肉腫やメラノーマなど、その他の種類の腫瘍)を持つ患者におけるAbraxane(登録商標)の最大耐量(MTD)および用量制限毒性(DLT)を評価するための第I相用量設定試験について報告する。ベースライン評価に次いで、患者(6カ月から21歳までの12から24人の患者)は処置期間に入る。患者は、第1または第2の選択処置に失敗しているか、または、難治性疾患の証拠があり、タキサン抵抗性充実性腫瘍(脳腫瘍を除く)を示している。Abraxane(登録商標)は、開始用量120mg/m2、1週当たり30分において3週間の投与、次いで1週間の休止期間(28日サイクル)において、静脈内点滴投与された。Abraxane(登録商標)の開始用量は、非臨床的な毒性学的データに基づいて選択された。
第1のサイクルは、DLTおよびMTDを判定するための処置期間とみなされる。Abraxane(登録商標)のMTDは、標準3+3デザインを使用して決定され、3人の患者が各用量レベルに配属される。DLTが観察されない場合、さらに3人の患者が次の用量レベルに配属される。DLTが1回観察される場合、用量レベルは6人の患者に拡張される。所定の用量レベルにおいてDLTが2回観察される場合、MTDを超えたとみなされる。患者6人の拡張コホートにおいて、6人中1人またはそれ未満の患者がDLTを経験する場合、この用量がMTDであると定義される。所定の用量レベルのすべての患者は、次の用量レベルに配属される前に、療法1サイクルを完了する。
DLTは(国立がん研究所の有害事象共通用語規準(Common Terminology Criteria of Adverse Events)[NCI CTCAE]v3.0を使用して)、グレード3/4の任意の非血液毒性、処置にかかわらず発生するグレード3/4の悪心または嘔吐、任意の持続期間のグレード4の血小板減少症および7日超持続するグレード4の無併発性の好中球減少症(つまり、発熱または感染症を伴わない)、入院を要するグレード4の発熱性好中球減少症、および3週間を超える処置の遅延を要するグレード3の任意の血液毒性として定義される。
研究全体を通して、患者は、毒性、反応評価および用量変更の必要性に関して定期的に評価された。患者は、進行性疾患(PD)または容認できない毒性を経験するまで、同意を取り下げるまで、または処置を継続することがもはや患者の最善の益とはならないと医師が判断するまで、処置を継続した。中止した患者は、研究の最終評価を完了し、30日間の追跡調査期間に入る。
(実施例3)小児骨肉腫の処置におけるナノ粒子アルブミン結合パクリタキセルの前臨床評価
SPARCは、ユーイング肉腫原発腫瘍25例中、広範囲に発現した(スコア3、図13)10例(40%)、および、より限定された発現3例(12%)を含む、大部分で発現した。SPARCの広範囲な発現は、再発性ユーイング肉腫の患者から採取された7つのサンプルすべてにおいて見られた。
1:100の希釈液を使用して抗オステオネクチン/SPARC抗体による試験が実施された。ユーイング肉腫の腫瘍組織は、4μmのホルマリン固定されたパラフィン包埋組織切片および標準のイムノペルオキシダーゼ技法を採用したベンタナディスカバリー自動免疫染色を使用して分析された。腫瘍組織におけるタンパク質の発現は、染色の強度および広がりを組み込んだ半定量的な方法でスコア化され、0から4のスケールにより定義された(0=発現なし、1=腫瘍細胞の10%未満が染色される、2=10から50%、3=50から80%、および4=80%超)。染色強度は以下のようにグレード化された。0=染色なし、1=弱い、淡黄色の染色、2=中程度、黄褐色の染色、3=褐色、強い染色。免疫反応性のスコアは、Remmeleら、「Recommendation for uniform definition of an immunoreactive score for immunohistochemical estrogen receptor detection in breast cancer tissue」、Pathologie、1987年、8巻:138〜140頁で説明されているとおり、1ケース中の組織シリンダーにおいて観察された個々の染色強度の合計を、各ケースから得られるシリンダーの数で割ることにより計算された。
143.98.2骨肉腫細胞を有するマウスは、ゲムシタビン、nab−パクリタキセル(つまりAbraxane(登録商標))または前記2種類の薬物の併用により処置された。つまり、5×106個の143.98.2骨肉腫細胞またはA673ユーイング肉腫細胞が、100μlのPBSに懸濁され、生後5から6週間の雌の無胸腺症のnu/nuマウスに33%マトリゲルと共に皮下に移植された。腫瘍の体積は、L=腫瘍の最大直径、W=腫瘍のLに対して垂直な最大直径として、L×W2×(π/6)の計算式により計算された。腫瘍が200から300mm3に達した時点で、動物は、食塩水の対照、1コースとして30mg/kgのnab−パクリタキセルを1から5日目において静脈注射、100mg/kgのゲムシタビンを死亡まで週2回腹腔内投与、または、nab−パクリタキセルおよびゲムシタビンの併用により処置された。マウスは、腫瘍が体重の10%(約2500mm3)に達した時点で屠殺された。
増殖抑制はすべての処置群において見られ、ゲムシタビンにAbraxane(登録商標)を加えることにより、相加的な活性につながった(図14A、併用とnab−パクリタキセルのみとの比較についてp=0.031、CONは対照、GEMはゲムシタビン、ABXはnab−パクリタキセル)。併用療法は生存を長めた(図14B、併用とnab−パクリタキセルのみとの比較についてp=0.0311)。体重の減少は15%未満で、併用は忍容可能であった。
有意な増殖抑制および全体的な生存の改善は、5日間1コースの、nab−パクリタキセルのみ、対、対照によるユーイング肉腫モデルにおいても見られた(p<0.0001、図14Cおよび図14D、CONが対照、GEMはゲムシタビン、ABXはnab−パクリタキセル)。処置レジメンが同じであったにもかかわらず、nab−パクリタキセルによる増殖抑制は、骨肉腫モデルにおいてよりもユーイング肉腫において、より明白であり、使用された用量においては、ゲムシタビンによる相加的な利点は見られなかった。
統計学的分析を実施するため、各群からマウス10匹のサンプルが、腫瘍の大きさの41%の差を検出する上で、80%の検出力を提供することが計算された。検出力は有意レベル0.05で、分散が等しいとみなして、両側2標本スチューデントのt検定を使用して計算された。ログランク検定により生存を分析するため、および、2標本スチューデントのt検定により腫瘍増殖を分析するため、GraphPad Prism 5ソフトウェアが使用された。
要約すると、SPARCはユーイング肉腫原発腫瘍の大部分で発現し、特に再発性腫瘍において発現する。骨肉腫における同様の発見と組み合わされると[8]、これらの腫瘍におけるnab−パクリタキセルを研究するための生物学的な理論的根拠を提供している。以前に報告されているとおり、nab−パクリタキセルは骨肉腫の増殖をも抑制し(Yangら、「The efficacy of Abraxane on osteosarcoma xenografts in nude mice and expression of secreted protein, acidic and rich in cysteine」、American Journal of Medical Science、2012年、344巻:199〜205頁)、ゲムシタビンは相加的であると思われた。
本発明は、明確な理解のために実例および実施例として詳細に説明されているが、何らかの小幅な変更および改変が実施されるであろうことは当業者にとっては明らかである。ゆえに、説明および実施例は本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。