JP6386685B1 - 湿し水組成物およびオフセット印刷方法 - Google Patents
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Abstract
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このようにカルシウムイオンが増加すると前述の通り、酸や酸塩類と反応し、不溶性物質の析出が顕著になり、さらに問題を増長させることがあった。
ブランケットパイリングは、特に回転するブランケット胴の後ろ側(くわえ尻側という)に画線部の油性インキが押し出されるようにして堆積しやすく、その堆積物の高さが大きくなると、ブランケットから紙へ油性インキの転移が阻害され、油性インキの着肉が不良の印刷物となってしまう。しかも、このときには印刷を停止してブランケットを洗浄し、堆積物を除去しなければならず、損紙の増大、生産性の低下が非常に大きく、改良が望まれている。
(1)水で25〜200倍に希釈してオフセット印刷に使用する湿し水組成物であって、
イミノジ酢酸、およびイミノジ酢酸ナトリウム塩の中から選ばれる少なくとも1種を湿し水組成物に対し0.1〜5質量%、トリアセチンを湿し水組成物に対し1〜30質量%含有することを特徴とする湿し水組成物、
R1−O−(CH2CHR2O)n−H (1)
(ここで、式中、R1は炭素数が1〜4のアルキル基であり、R2は水素原子またはメチル基であり、nは1〜4の整数である。)
(3)前記酸が、リン酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、コハク酸、およびマレイン酸の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(2)に記載の湿し水組成物、
(4)前記塩類が、硝酸アンモニウム、リン酸塩、クエン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(2)または(3)に記載の湿し水組成物、
(5)さらに、下記一般式(2)で表されるピロリドン誘導体を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の湿し水組成物、
これらの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、2種以上を併用してもよい。
R4−O−(CH2CHR5O)n−H (2)
(ここで、式中、R4は炭素数が1〜4のアルキル基であり、R5は水素原子またはメチル基であり、nは1〜4の整数である。)
これらの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、2種以上を併用してもよい。
これらの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、2種以上を併用してもよい。
具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、ジエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、トリエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、テトラプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、テトラプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノターシャリブチルエーテルなどが挙げられ、なかでもエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、プロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールなどがより好ましい。
これらの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、2種以上を併用してもよい。
これらの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、2種以上を併用してもよい。
これらの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、2種以上を併用してもよい。
これらの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、2種以上を併用してもよく、前記水溶性有機溶媒と併用してもよい。
これらの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、2種以上を併用してもよい。
これらの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、2種以上を併用してもよい。
これらの付加化合物の含有量は、湿し水組成物に対し0〜5質量%であり、0.02〜3質量%であることがより好ましく、0.1〜2質量%であることがさらに好ましい。
防錆剤としては、例えばベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、チオサリチル酸、ベンゾイミダゾール及びその誘導体等が挙げられる。
消泡剤としてはシリコン消泡剤が好ましく、その中で乳化分散型及び可溶化型などのいずれも使用することができる。
ノニオン型界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸部分エステル類、蔗糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどが挙げられ、なかでもポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー類、アセチレングリコール類やアセチレンアルコール類およびこれらの酸化エチレンおよび/または酸化プロピレン付加物などが好ましく用いられる。
カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などが挙げられる。
また両性界面活性剤の例としては、アルキルイミダゾリン類が挙げられる。
さらに、フッ素系界面活性剤が挙げられる。フッ素系アニオン界面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、フッ素系ノニオン界面活性剤としては、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルプロピレンオキサイド付加物、フッ素系カチオン界面活性剤としては、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
これらの界面活性剤の含有量は、発泡の問題やインキとの乳化を考慮すると、湿し水組成物に対し5質量%以下が好ましく、0〜2質量%が適当である。
例えば、アルミニウム板を支持体とし、その上に感光層を有する感光性オフセット印刷版(あらかじめ感光性を付与した印刷版で、PS版と呼ばれる。)を画像露光及び現像して得られたオフセット印刷版に対して好適に使用できる。
可視や赤外線のレーザーで直接露光するCTP用のオフセット印刷版(CTPプレート)にも好適に使用することができる。具体例としてはフォトポリマータイプデジタルプレート(例えば、コダック合同会社製:エクスサーモTP−W)や、サーマルポジタイプデジタルプレート(例えば、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(株)製:XPシリーズ)などが挙げられる。
無処理型オフセット印刷版にも好適に使用できる。無処理型オフセット印刷版では、印刷機上で可視や赤外線のレーザーで直接露光し、露光部分以外の非画線部を湿し水組成物(希釈液)で洗い流し、その後、通常のオフセット印刷方法により印刷する。従って、無処理型オフセット印刷版では、従来のPS版やCTP版で使用されてきた現像処理、水洗、リンス液処理等の後処理工程が不要となるため、これらの廃棄物が排出されない。無処理型オフセット印刷版としては、例えば、ブルーアース(コニカミノルタビジネスソリューションズ(株)製)、XZ−R(富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(株)製)、アズーラシリーズ(日本アグファ・ゲバルト(株)製)、Sonola XJ(コダック合同会社製)などが挙げられる。
表1および表2の処方にしたがって、湿し水組成物を各々作製した。
表1および表2の湿し水組成物について、軟水にて50倍に希釈し、湿し水とし、該湿し水中に、短冊状に切断した中質コート紙(UPMウルトラH、UPM社製)2gを浸した。この際に、紙を浸す前と1時間経過後の湿し水の導電率を測定した。導電率は、LAQUA F74S型電気伝導率計((株)堀場製作所製)および汎用電気伝導率用セル(浸せき形) 3552−10D((株)堀場製作所製)を用いて測定した。
1時間経過後と浸す前の導電率の差を求めた。導電率の差が小さいほど、カルシウムイオンなどを湿し水中に混入させないことを示し、軟水の導電率の差よりも小さいものを良好と判断する。
下記実機印刷試験時において、1万部ごとに印刷物をサンプリングし、印刷画像を目視にて観察し、ブランケットパイリングの発生状況を確認した。
ブランケットパイリングの発生について、◎:10万部以上印刷しても発生しない、○:10万部未満、7万部以上印刷しても発生しない、△:7万部未満、5万部以上印刷した時点で発生はみられるが、印刷物として許容できる(実用上問題ない)、×:5万部未満の印刷で発生し印刷物として許容できない、の4段階で評価した。
なお、上記評価は目視で観察しやすい紅インキにて行なった。
印刷機:(株)小森コーポレーション製 システム35 4色オフセット輪転機
印刷回転数:800rpm
印刷版:富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(株)製 XP−F(CTP版) AM175線
印刷インキ:東京インキ(株)製 ガイア墨、藍、紅、黄
用紙:日本製紙(株)製 OKコートL
湿し水:水道水にて50倍に希釈し調整した各湿し水組成物
上記実機印刷試験終了後の湿し水の濁りを目視にて観察した。
湿し水の濁りについて、○:まったく濁っていない、△:やや濁りがある(実用上問題ない)、×:濁っている、の3段階で評価した。
Claims (6)
- 水で25〜200倍に希釈してオフセット印刷に使用する湿し水組成物であって、
イミノジ酢酸、およびイミノジ酢酸ナトリウム塩の中から選ばれる少なくとも1種を湿し水組成物に対し0.1〜5質量%、トリアセチンを湿し水組成物に対し1〜30質量%含有することを特徴とする湿し水組成物。 - さらに、酸、塩類および下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の湿し水組成物。
R1−O−(CH2CHR2O)n−H (1)
(ここで、式中、R1は炭素数が1〜4のアルキル基であり、R2は水素原子またはメチル基であり、nは1〜4の整数である。) - 前記酸が、リン酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、コハク酸、およびマレイン酸の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の湿し水組成物。
- 前記塩類が、硝酸アンモニウム、リン酸塩、クエン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2または3に記載の湿し水組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の湿し水組成物を水で25〜200倍に希釈した希釈液を使用する印刷工程を含むことを特徴とするオフセット印刷方法。
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