《第1の実施形態》
以下、本実施形態を、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るPOSシステム10を示すブロック図である。図1に示されるように、POSシステム10は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワーク12を介して相互に接続されるPOS端末1a,1b,1c,セルフPOS端末2a,2b、監視POS端末3、ストアサーバ4、及び店舗端末5を有している。POS端末1a,1b,1cは、店員にのみ操作が許可される端末である。また、セルフPOS端末2a,2bは、主として、商品の購入を希望する顧客に利用される端末である。
図1に示されるように、POSシステム10では、3台のPOS端末1a,1b,1cが、ハブ13Aを介してネットワーク12に接続されている。また、2台のセルフPOS端末2a,2bと、監視POS端末3は、ハブ13Bを介してネットワーク12に接続されている。そして、ストアサーバ4と店舗端末5は、ハブ13Cを介してネットワーク12に接続されている。
図2は、POS端末1a,1b,1cのブロック図である。図2に示されるように、POS端末1a,1b,1cは、CPU(Central Processing Unit)101、主記憶部102、補助記憶部103、オペレータ側ディスプレイ104、オペレータ側入力部105、インタフェース106、スキャナユニット107、プリントユニット108、顧客側ディスプレイ109、顧客側入力部110、及び上記各部を相互に接続するシステムバス111を有している。
CPU101は、補助記憶部103に記憶されたプログラムを読み出して実行する。CPU101の具体的な動作については後述する。
主記憶部102は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを有している。主記憶部102は、CPU101の作業領域として用いられる。
補助記憶部103は、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリなどの不揮発性メモリを有している。補助記憶部103は、CPU101が実行するプログラム及び各種パラメータなどを記憶している。また、CPU101による処理結果などを含む情報を順次記憶する。
オペレータ側ディスプレイ104は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示ユニットを有している。オペレータ側ディスプレイ104は、プログラムを実行するCPU101によって生成される画像や文字などを表示する。
オペレータ側入力部105は、操作ボタンや、タッチパネルを有している。オペレータ側ディスプレイ104とオペレータ側入力部105はGUI(graphical user interface)を構成する。このため、店員(オペレータ)は、オペレータ側入力部105を構成するタッチパネルを介して、オペレータ側ディスプレイ104に表示されるアイコンやボタンをタッチすることで、CPU101に種々の指示を通知することができる。
インタフェース106は、LANインタフェース、シリアルインタフェース、パラレルインタフェース、アナログインタフェースなどを備えている。POS端末1a,1b,1cは、インタフェース106を介して、ネットワーク12に接続される。
スキャナユニット107は、顧客や店員が所持するカードや、商品のタグなどに設けられたバーコード或いはQRコード(登録商標)などの識別コードを読み取る。そして、読み取った結果を電子データとして出力する。
プリントユニット108は、ロール紙などの連続紙に情報を印刷してレシートを作成する。プリントユニット108としては、例えばサーマルプリンタやドットプリンタなどを用いる。
顧客側ディスプレイ109は、LCDなどの表示ユニットを有している。顧客側ディスプレイ109は、プログラムを実行するCPU101によって生成される画像などを表示する。
顧客側入力部110は、操作ボタンや、タッチパネルを有している。顧客側ディスプレイ109と顧客側入力部110はGUIを構成する。このため、顧客は、顧客側入力部110を構成するタッチパネルを介して、顧客側ディスプレイ109に表示されるアイコンやボタンにタッチすることで、CPU101に種々の指示を通知することができる。
図3は、セルフPOS端末2a,2bのブロック図である。図3に示されるように、セルフPOS端末2a,2bは、CPU201、主記憶部202、補助記憶部203、ディスプレイ204、入力部205、インタフェース206、スキャナユニット207、プリントユニット208、重量計測ユニット209、及び上記各部を相互に接続するシステムバス210を有している。
CPU201は、補助記憶部203に記憶されたプログラムを読み出して実行する。CPU201の具体的な動作については後述する。
主記憶部202は、RAM等の揮発性メモリを有している。主記憶部202は、CPU201の作業領域として用いられる。
補助記憶部203は、ROM、磁気ディスク、半導体メモリなどの不揮発性メモリを有している。補助記憶部203は、CPU201が実行するプログラム及び各種パラメータなどを記憶している。また、CPU201による処理結果などを含む情報を順次記憶する。
ディスプレイ204は、LCDなどの表示ユニットを有している。ディスプレイ204は、プログラムを実行するCPU201によって生成される画像などを表示する。
入力部205は、操作ボタンや、タッチパネルを有している。ディスプレイ204と入力部205はGUIを構成する。このため、店員は、入力部205を構成するタッチパネルを介して、ディスプレイ204に表示されるアイコンやボタンをタッチすることで、CPU201に種々の指示を通知することができる。
インタフェース206は、LANインタフェース、シリアルインタフェース、パラレルインタフェース、アナログインタフェースなどを備えている。セルフPOS端末2a,2bは、インタフェース206を介して、ネットワーク12に接続される。
スキャナユニット207は、顧客や店員が所持するカードや、商品のタグなどに設けられたバーコード或いはQRコード(登録商標)などの識別コードを読み取る。そして、読み取った結果を電子データとして出力する。
プリントユニット208は、ロール紙などの連続紙に情報を印刷してレシートを作成する。プリントユニット208としては、例えばサーマルプリンタやドットプリンタなどを用いることができる。
重量計測ユニット209は、スキャナユニット207によってスキャンされることにより登録が完了した商品が載置される計量台を有している。重量計測ユニット209は、計量台に載置された商品の重量を計測して、計測結果を出力する。
図4は、セルフPOS端末2a,2bの斜視図である。図4に示されるように、セルフPOS端末2a,2bでは、筐体220の内部に上述したCPU201、主記憶部202、補助記憶部203、インタフェース206、スキャナユニット207、プリントユニット208などが収容されている。そして、筐体220の上部にディスプレイ204が設置されている。
また、筐体220の一方の側面側には買い物かごを載置することが可能なかご台221が設けられている。そして、他方の側面側には、重量計測ユニット209が配置されている。セルフPOS端末2a,2bでは、かご台221に載置された買い物かごから取り出された商品は、スキャナユニット207(図4では不図示)によってスキャンされた後に、重量計測ユニット209に載置される。
図5は、監視POS端末3のブロック図である。図5に示されるように、監視POS端末3は、CPU301、主記憶部302、補助記憶部303、ディスプレイ304、入力部305、インタフェース306、スキャナユニット307、プリントユニット308、及び上記各部を相互に接続するシステムバス309を有している。監視POS端末3は、店員にのみ操作が許可されている。
図6は、POS端末1a,1b,1cと、セルフPOS端末2a,2bと、監視POS端末3の配置図の例である。図6に示されるように、POS端末1a,1b,1c、及びセルフPOS端末2a,2bは、店舗の出口付近に一列に配置されている。そして、顧客は白抜き矢印に示されるように、店舗の内側から各POS端末1a,1b,1c、及びセルフPOS端末2a,2bにアクセスし、商品の決済を行う。
また、監視POS端末3は、セルフPOS端末2a,2bを利用する顧客を十分に視認可能な位置に配置されている。店員90は、監視POS端末3を使用して、セルフPOS端末2a,2bの機能を代行することができる。
図7は、ストアサーバ4のブロック図である。図7に示されるように、ストアサーバ4は、CPU401、主記憶部402、補助記憶部403、ディスプレイ404、入力部405、インタフェース406、及び上記各部を相互に接続するシステムバス407を有している。
CPU401は、補助記憶部403に記憶されたプログラムを読み出して実行する。
主記憶部402は、RAM等の揮発性メモリを有している。主記憶部402は、CPU401の作業領域として用いられる。
補助記憶部403は、ROM、磁気ディスク、半導体メモリなどの不揮発性メモリを有している。補助記憶部403は、CPU401が実行するプログラム、商品情報601、顧客情報602などを記憶している。また、CPU401による処理結果などを含む情報を順次記憶する。
図8は、商品情報601を模式的に示す図である。図8に示されるように、商品情報601は、商品識別コード、商品名、重量、大きさ、単価、年齢制限商品か否かを示すフラグを含む情報である。商品識別コードは、店舗で販売する商品ごとに割り当てられた、数字とアルファベットからなるコードである。商品名は、店舗で販売する商品の名称である。重量は、店舗で販売する商品の重量である。大きさは、店舗で販売する商品の幅、奥行き、高さを示す情報である。単価は、商品1つあたりの価格である。年齢制限商品か否かを示すフラグは、例えば値が1のフラグは商品が年齢制限商品であることを示し、値が0のフラグは商品が年齢制限商品ではないことを示す。
商品情報601を構成する商品識別コード、商品名、重量、大きさ、単価、フラグは互いに関連づけられている。そのため、店舗で販売する商品が例えば「缶ビールB」である場合には、ビールの缶に設けられたバーコードなどを読み取ることによって商品識別コードを取得すると、当該商品識別コードが割り当てられた商品の商品名が缶ビールBであることや、商品の重量や大きさを示す情報、商品が年齢制限商品であるか否かなどを特定することが可能となる。
図9は、顧客情報602を模式的に示す図である。図9に示されるように、顧客情報602は、顧客識別コードと、氏名と、住所と、電話番号を示す情報である。顧客識別コードは、店舗を利用する顧客ごとに割り当てられた、数字とアルファベットからなるコードである。顧客識別コードは、例えば、顧客が店舗のメンバーに登録されたときに、顧客ごとに付与される。顧客には、顧客識別コードを示すバーコードなどが記載されたIDカードが割り当てられる。
顧客識別コードは、顧客の氏名、住所、電話番号に関連付けられている。そのため、例えばメンバーズカードなどのIDカードに記載されたバーコードなどを読み込むことによって、顧客識別コードを取得すると、当該顧客識別コードが割り当てられた顧客の氏名、住所、電話番号を示す情報を検索することが可能となる。
図7に戻り、ディスプレイ404は、LCDなどの表示ユニットを有している。ディスプレイ404は、プログラムを実行するCPU401によって生成される画像などを表示する。
入力部405は、キーボードや、マウスなどのポインティングデバイスを有している。オペレータ(店員)の指示は、入力部405を介して入力され、システムバス407を経由してCPU401に通知される。
インタフェース406は、LANインタフェース、シリアルインタフェース、パラレルインタフェース、アナログインタフェースなどを備えている。ストアサーバ4は、インタフェース406を介して、ネットワーク12に接続される。
図1に示される店舗端末5は、CPU、主記憶部、補助記憶部、ディスプレイ、入力部、インタフェースを有するパーソナルコンピュータである。
次に、セルフPOS端末2a,2bの動作について説明する。図10及び図11は、セルフPOS端末2a,2bのCPU201によって実行される一連の処理を示すフローチャートである。セルフPOS端末2a,2bが起動されると、図10及び図11に示される一連の処理が開始される。
図10の最初のステップS101では、CPU201は、ディスプレイ204に示される登録開始ボタンのタッチを待ち受ける。そして、登録開始ボタンがタッチされた場合には、登録開始指示があったと判断し(ステップS101;Yes)、ディスプレイ204に、図12に示される画像P1を表示する。画像P1には、商品の登録を終了するためのボタンB1と、登録される商品の商品名、単価、数量、金額を表示するテーブルが示される。CPU201は、画像P1を表示すると、ステップS102へ移行する。
ステップS102では、CPU201は、図12に示されるボタンB1がタッチされたか否かを判断する。CPU201は、ボタンB1がタッチされていないと判断した場合には(ステップS102:No)、ステップS103へ移行する。
ステップS103では、CPU201は、顧客が購入を希望する商品に設けられた識別コードのスキャンを待ち受ける。
商品の識別コードのスキャンが行われていない場合には(ステップS103:No)、CPU201は、ステップS102へ戻る。商品の識別コードがスキャンされると、スキャナユニット207から識別コードを示す電子データが出力される。CPU201は、スキャナユニット207から出力された電子データを受信すると、商品の識別コードがスキャンされたと判断し(ステップS103;Yes)、ステップS104へ移行する。
ステップS104では、CPU201は、スキャナユニット107から受信した電子データに示される識別コードに基づいて、ストアサーバ4の補助記憶部403に記憶される商品情報601を読み出す。そして、商品情報601に含まれる、商品の名称、数量、及び単価と、決済金額を、決済の対象となる商品として登録する。CPU201は、登録された商品の名称、数量、及び単価と、決済金額を、ディスプレイ204に表示する。
次のステップS105では、CPU201は、登録情報をストアサーバ4へ送信する。図13は、登録情報を模式的に示す図である。図13に示されるように、登録情報には、セルフPOS端末2a,2bに個別に割り当てられた端末IDと、当該決済の登録番号と、セルフPOS端末2a,2bを操作する顧客の顧客識別コードと、商品識別コードと、重量計測ユニット209の計測結果としての計測重量と、が含まれる。
端末IDは、POS端末1a,1b,1c及びセルフPOS端末2a,2bそれぞれに一意に割り当てられる識別コードである。端末IDを参照することで、決済がどの端末を使用して行われたかを識別することができる。登録番号は、1取引に1つ割り当てられる番号である。計測重量は、重量計測ユニット209によって計測された商品、或いは商品と買い物かごの総重量である。
ステップS105での処理が終了すると、CPU201は、ステップS102へ戻る。ステップS102において、ボタンB1がタッチされた場合には(ステップS102:Yes)、CPU201は、ステップS106へ移行して、精算処理を行う。これにより、店員と顧客との間で決済が可能となる。CPU201は、ステップS106の処理が終了すると、次のステップS107へ移行する。
ステップS107では、CPU201は、ストアサーバ4へ、決済の終了を通知する。ストアサーバ4には、商品ごとに記録された登録情報が、完結した取引における登録情報として保存される。
ステップS107の処理が終了すると、CPU201は、ステップS101へ戻り、以降、ステップS101〜ステップS107の処理を繰り返し実行する。
上述した一連の処理が実行されているときに、例えば、セルフPOS端末2a,2bの補助記憶部203などが故障して、セルフPOS端末2a,2bが利用できなくなることがある。本実施形態に係るPOSシステム10では、商品の登録ごとに、登録情報がストアサーバ4に記憶される。このため、店員は、ストアサーバ4に順次記憶された登録情報を検索して、セルフPOS端末2a,2bが利用できなくなるまでの取引の内容を示すレシートを発行する。レシートには、取引の内容を示すバーコード或いはQRコード(登録商標)が記載されている。
レシートの発行は、ストアサーバ4とネットワーク12を介して接続されたPOS端末1a,1b,1c、監視POS端末3、店舗端末5、或いは正常に動作するセルフPOS端末2a,2bを介して、行うことができる。
顧客は、上記レシートを使用して、商品の登録を再開することができる。以下、商品の登録を再開する際に、セルフPOS端末2a,2bのCPU201が実行する処理について、図11を参照して説明する。図11の最初のステップS201では、CPU201は、登録再開指示を待ち受ける。店員は、ディスプレイ204に表示される登録再開ボタン、或いは登録開始ボタンをタッチすることで、商品登録を再開することができる。
CPU201は、ディスプレイ204に示される登録再開ボタンがタッチされた場合には、登録再開指示があったと判断し(ステップS201;Yes)、ディスプレイ204に、図12に示される画像P1を表示する。CPU201は、画像P1を表示すると、ステップS202へ移行する。
次のステップS202では、CPU201は、レシートのスキャンを待ち受ける。レシートのスキャンが行われていない場合には(ステップS202:No)、CPU201は、ステップS201へ戻る。レシートがスキャンされると、スキャナユニット207からレシートに記載されたコードが電子データとして出力される。CPU201は、スキャナユニット207から出力された電子データを受信すると、レシートがスキャンされたと判断し(ステップS202;Yes)、ステップS203へ移行する。
次のステップS203では、CPU201は、受信した電子データに基づいて、故障したセルフPOS端末2a,2bを介して登録された商品それぞれについての商品情報を読み出し、ディスプレイ204に表示する。これにより、ディスプレイ204には、図12に示される登録画面が表示され、新たなセルフPOS端末2a,2bを使用して、故障したセルフPOS端末2a,2bによって行われた商品の登録を再開することが可能となる。
次のステップS204では、重量チェックが行われる。登録が再開される場合には、店員或いは顧客により、商品が買い物かごとともに、図4に示される重量計測ユニット209に載置される。CPU201は、重量計測ユニット209によって計測された現在の商品の総重量と、図13の計測重量に示される計測データとを比較する。
次のステップS205では、現在の商品の総重量と計測データとが一致するか否かを判断する。CPU201は、現在の商品の総重量と計測データとが一致すると判断した場合には(ステップS205:Yes)、ステップS206へ移行する。そして、図10に示されるステップS101〜ステップS107の処理を実行し、再開処理を終了する。
一方、CPU201がステップS205で、現在の商品の総重量と計測データとが一致しないと判断した場合には(ステップS205:No)、ステップS207へ移行する。
ステップS207では、店舗の担当者へ、現在の商品の総重量と計測データとが一致していないことを通知する。当該通知は、例えば監視POS端末3のディスプレイ304に、上記内容を示すテキストを表示することにより行うことができる。
次のステップS208では、CPU201は、商品登録の再開の承認を待ち受ける。店舗の担当者は、重量計測ユニット209に載置された商品と、登録情報に示される商品が一致することが確認できた場合には商品登録の再開を承認し、確認することができなかったときには、商品登録を中止することができる。
商品登録の再開の承認は、例えば、店員がユーザ認証を行ってディスプレイ204に承認ボタンを表示させてから、当該承認ボタンをタッチすることにより行うことができる。ユーザ認証は、例えば、店員が所持するIDカードを、スキャナユニット207を用いてスキャンすることにより行う。また、商品登録の中止は、ディスプレイ204に表示される中止ボタンをタッチすることにより行うことができる。
CPU201は、ステップS208で、商品登録の再開が承認された場合には(ステップS208:Yes)、ステップS206へ移行して、図10に示されるステップS101〜ステップS107の処理を実行し、再開処理を終了する。一方、CPU201は、ステップS208で、商品登録が中止された場合には(ステップS208:No)、ステップS209へ移行する。
ステップS209では、CPU201は、当該取引について登録された登録情報を初期化する。これにより、故障前のセルフPOS端末2a,2bで登録された商品についての情報が抹消され、再開処理が終了する。
この場合には、CPU201によって、図10に示される一連の処理が実行される。したがって、顧客は、購入を希望する商品の登録を最初から始めることになる。
以上説明したように、本実施形態では、セルフPOS端末2a,2bのスキャナユニット207で商品がスキャンされると、登録情報が、その都度ストアサーバ4に送信され、記憶される(ステップS105)。そのため、購入を希望する商品すべての登録が終了する前に、当該セルフPOS端末2a,2bに不測の故障が発生し、商品の登録が中断したとしても、他のセルフPOS端末2a,2bを使用して、商品の登録を再開することができる。これにより、POSシステム10の利便性が向上する。
本実施形態では、商品の登録が中断されたときの商品の総重量と、商品の登録が再開されたときの商品の総重量が一致した場合に、商品の登録を再開することが可能となる(ステップS204,S205)。このため、登録が終わった商品が買い物かごから取り出されていたり、登録が終わっていない商品が買い物かごに入っている場合などには、商品の登録が制限される。したがって、商品の決済を正確に行うことが可能となる。
なお、上記実施形態では、図11に示されるように、CPU201が登録再開指示を受け付けてから(ステップS201:Yes)、レシートがスキャンされた場合に(ステップS202:Yes)、商品の登録(ステップS206)を再開することが可能になる場合について説明した。これに限らず、ステップS201の処理を省略し、レシートがスキャンされた場合には(ステップS202:Yes)、CPU201によって、直ちにステップS203以降の処理が行われることとしてもよい。
上記実施形態では、商品登録の再開の承認を、セルフPOS端末2a,2bのディスプレイ204に表示される承認ボタンをタッチすることにより行うこととした。これに限らず、ステップS207で、店舗の担当者へ、現在の商品の総重量と計測データとが一致していないことが通知されたときに、監視POS端末3のディスプレイ304に、商品登録の再開の承認を行うための承認ボタンを表示させることとしてもよい。この場合には、店員は、監視POS端末3のディスプレイ304に表示される承認ボタンをタッチすることで、セルフPOS端末2a,2bでの商品登録の再開の承認を行うことができる。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態に係るPOSシステム10について説明する。第1の実施形態と同一又は同等の構成については、同等の符号を用いるとともに、その説明を省略する。第2の実施形態に係るセルフPOS端末2a,2bは、顧客が商品の登録を中断することができる点で、第1の実施形態に係るセルフPOS端末2a,2bと相違している。
図14は、本実施形態に係るセルフPOS端末2a,2bのCPU201によって実行される一連の処理を示すフローチャートである。図14に示されるように、最初のステップS101では、CPU201は、ディスプレイ204に示される登録開始ボタンのタッチを待ち受ける。そして、登録開始ボタンがタッチされた場合には、登録開始指示があったと判断し(ステップS101;Yes)、ディスプレイ204に、図15に示される画像P2を表示する。画像P2には、商品の登録を終了するためのボタンB1、及び商品の登録を中断するためのボタンB2と、登録される商品の商品名、単価、数量、金額を表示するテーブルが示される。CPU201は、画像P2を表示すると、ステップS102へ移行する。
ステップS102では、CPU201は、図15に示されるボタンB1がタッチされたか否かを判断する。CPU201は、ボタンB1がタッチされていないと判断した場合には(ステップS102:No)、ステップS301へ移行する。
ステップS301では、CPU201は、図15に示されるボタンB2がタッチされたか否かを判断する。CPU201は、ボタンB2がタッチされたと判断した場合には(ステップS301:Yes)、ステップS302へ移行する。
ステップS302では、CPU201は、店舗の担当者の呼び出しを行う。担当者の呼び出しは、例えば監視POS端末3のディスプレイ304に、当該セルフPOS端末2a,2bを識別するための情報を表示することにより行うことができる。CPU201は、担当者の呼び出しを行ったら、次のステップS303へ移行する。
次のステップS303では、CPU201は、これまで登録が行われた商品を示す情報が印刷されたレシートを発行する。レシートには、取引の内容を示すバーコード或いはQRコード(登録商標)が記載されている。
次のステップS304では、CPU201は、ストアサーバ4へ、登録の中断を通知する。ストアサーバ4には、商品ごとに記録された登録情報が、中断した取引における登録情報として保存される。ステップS304での処理が終了すると、CPU201は、ステップS101へ戻る。
また、ステップS301において、ボタンB2がタッチされていないと判断した場合には(ステップS301:No)、CPU201は、ステップS103へ移行する。
ステップS103では、CPU201は、顧客が購入を希望する商品に設けられた識別コードのスキャンを待ち受ける。
商品の識別コードのスキャンが行われていない場合には(ステップS103:No)、CPU201は、ステップS102へ戻る。商品の識別コードがスキャンされると、スキャナユニット207から識別コードを示す電子データが出力される。CPU201は、スキャナユニット207から出力された電子データを受信すると、商品の識別コードがスキャンされたと判断し(ステップS103;Yes)、ステップS104へ移行する。
ステップS104では、CPU201は、スキャナユニット107から受信した電子データに示される識別コードに基づいて、ストアサーバ4の補助記憶部403に記憶される商品情報601を読み出す。そして、商品情報601に含まれる、商品の名称、数量、及び単価と、決済金額を、決済の対象となる商品として登録する。CPU201は、登録された商品の名称、数量、及び単価と、決済金額を、ディスプレイ204に表示する。
次のステップS105では、CPU201は、登録情報をストアサーバ4へ送信する。
ステップS105での処理が終了すると、CPU201は、ステップS102へ戻る。ステップS102において、ボタンB1がタッチされた場合には、CPU201は、ステップS106へ移行して、精算処理を行う。これにより、店員と顧客との間で決済が可能となる。CPU201は、ステップS106の処理が終了すると、次のステップS107へ移行する。
ステップS107では、CPU201は、ストアサーバ4へ、決済の終了を通知する。ストアサーバ4には、商品ごとに記録された登録情報が、完結した取引における登録情報として保存される。
ステップS107の処理が終了すると、CPU201は、ステップS101へ戻り、以降、ステップS101〜ステップS107の処理を繰り返し実行する。
顧客は、商品の登録を終了した場合に、上記レシートを使用して、商品の登録を再開することができる。商品の登録が再開される場合には、CPU201によって、図11に示される一連の処理が実行される。
以上説明したように、本実施形態では、セルフPOS端末2a,2bのスキャナユニット207で商品がスキャンされると、登録情報が、その都度ストアサーバ4に送信され、記憶される(ステップS105)。そのため、購入を希望する商品すべての登録が終了する前に、商品の登録が中断したとしても、当該POS端末1a,1b,1c、或いは、他のセルフPOS端末2a,2bを使用して、商品の登録を再開することができる。これにより、POSシステム10の利便性が向上する。
本実施形態では、商品の登録が中断されたときの商品の総重量と、商品の登録が再開されたときの商品の総重量が一致した場合に、商品の登録を再開することが可能となる(ステップS204,S205)。このため、登録が終わった商品が買い物かごから取り出されていたり、登録が終わっていない商品が買い物かごに入っている場合には、商品の登録が制限される。したがって、商品の決済を正確に行うことが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態によって限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、セルフPOS端末2a,2bを使用して、商品の登録を再開する場合について説明した。これに限らず、POS端末1a,1b,1cを使用して、商品の登録を再開することとしてもよい。この場合には、図11におけるステップS205での処理が省略される。したがって、店員はステップS208での処理と同様に、登録が終了した商品と、登録情報に示される商品が一致することを確認することになる。
上記第1の実施形態では、セルフPOS端末2a,2bが故障した後に、ストアサーバ4から商品情報を読み出して、商品の登録を再開する場合について説明した。これに限らず、POS端末1a,1bでの登録中に当該POS端末1a,1bが故障した場合にも、正常に動作するPOS端末1a,1bや、セルフPOS端末2a,2bを用いて、商品の登録を再開することができる。
上記実施形態では、商品の登録を再開する場合には、レシートをスキャンすることにより取得される情報に基づいて、登録が終わっている商品それぞれについての商品情報が読み出され、登録の再開が可能になる場合について説明した。図13に示されるように、登録情報には顧客識別コードも含まれている。このため、商品の登録が中断される前に、顧客識別コードが読み込まれている場合には、レシートに代えてメンバーズカードなどのIDカードをスキャンすることにより得られる顧客識別コードに基づいて、登録が終わっている商品それぞれについての商品情報を読み出して、登録を再開することとしてもよい。
上記実施形態では、商品情報601と顧客情報602が、ストアサーバ4に保存されている場合について説明した。これに限らず、商品情報601と顧客情報602は、POS端末1a,1b,1cやセルフPOS端末2a,2bに記憶されていることとしてもよい。
補助記憶部103に記憶されているプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magnet-Optical Disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布され、コンピュータにインストールされたものであってもよい。
また、プログラムは、通常インターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納されており、必要に応じてダウンロードされたものであってもよい。
本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施しうるものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。