JP6386305B2 - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents
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Description
合わせガラス用中間膜中に二酸化バナジウムを微分散させることにより、二酸化バナジウムの相転移温度未満では可視光線及び赤外線の透過率が高いが、相転移温度以上になると可視光線の透過率が高い状態で、赤外線の透過率が低下する性質を示す合わせガラス用中間膜が得られることが期待される。
そのため、特許文献2のような従来の合わせガラス用中間膜は、長期間に渡って使用できないという問題がある。
本発明は、サーモクロミック性に優れ、かつ、サーモクロミック性を長期間に渡って持続させることが可能な合わせガラス用中間膜、並びに、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することを目的とする。
以下、本発明を詳述する。
図1に示す中間膜1は、サーモクロミック層2と、サーモクロミック層2の一方の表面2a(第1の表面)側に配置された第1の紫外線遮蔽層3と、サーモクロミック層2の他方の表面2b(第2の表面)側に配置された第2の紫外線遮蔽層4とを有する。中間膜1は、合わせガラスを得るために用いられる。中間膜1は、合わせガラス用中間膜である。なお、本発明において、第2の紫外線遮蔽層4は必須の構成要件ではない。即ち、サーモクロミック層2の一方の表面2aのみに第1の紫外線遮蔽層3が積層されていてもよい。この場合には、中間膜1の第1の紫外線遮蔽層3を、光線が入射される側に配置すればよい。例えば、中間膜を用いた合わせガラスを自動車に用いる場合には、第1の紫外線遮蔽層3が自動車の外側に配置され、サーモクロミック層2が自動車の内側に配置される。また、中間膜1は、4層以上の積層構造を有していてもよい。
第1の紫外線遮蔽層3は、熱可塑性樹脂と、紫外線遮蔽剤とを含有する。第2の紫外線遮蔽層4は、熱可塑性樹脂と、紫外線遮蔽剤とを含有する。第1,第2の紫外線遮蔽層3,4は紫外線遮蔽剤を含有するため、紫外線の透過を効果的に抑制する層として機能する。従来のように、二酸化バナジウム粒子を含む中間膜を用いて合わせガラスを作製しただけでは、得られる合わせガラスが長期間使用されたときに、サーモクロミック性が低下するが、サーモクロミック層2と第1の紫外線遮蔽層3を有することで、優れたサーモクロミック性を長期間維持することが可能となる。
特に、本発明では合わせガラス用中間膜を敢えて2層以上の多層にし、サーモクロミック層と紫外線遮蔽層とを有する構成とすることで、紫外線遮蔽層側から中間膜に入射する光線の内、紫外線が効果的に遮蔽される。このため、サーモクロミック層に至る紫外線の量を低減できる。従って、サーモクロミック層に含まれている上記二酸化バナジウム粒子の劣化を抑制できる。その結果、優れたサーモクロミック性を長期間にわたり維持できる。
上記第1の紫外線遮蔽層が上記サーモクロミック層の一方の表面に積層されていることで、紫外線の透過が効果的に抑制され、上記サーモクロミック層のサーモクロミック性が低下することを防止できる。その結果、優れたサーモクロミック性を長期間にわたり維持することができる。
上記絶縁性金属酸化物としては、シリカ、アルミナ及びジルコニア等が挙げられる。上記絶縁性金属酸化物は、例えば5.0eV以上のバンドギャップエネルギーを有する。
上記ベンゾトリアゾール系紫外線遮蔽剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「TinuvinP」)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin320」)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin326」)、及び2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin328」)等のベンゾトリアゾール系紫外線遮蔽剤が挙げられる。紫外線を吸収する性能に優れることから、上記紫外線遮蔽剤はハロゲン原子を含むベンゾトリアゾール系紫外線遮蔽剤であることが好ましく、塩素原子を含むベンゾトリアゾール系紫外線遮蔽剤であることがより好ましい。
上記ベンゾフェノン系紫外線遮蔽剤としては、例えば、オクタベンゾン(BASF社製「Chimassorb81」)等が挙げられる。
上記トリアジン系紫外線遮蔽剤としては、例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール(BASF社製、「Tinuvin1577FF」)等が挙げられる。
上記ベンゾエート系紫外線遮蔽剤としては、例えば、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(BASF社製、「tinuvin120」)等が挙げられる。
上記マロン酸エステル系紫外線遮蔽剤としては、例えば、マロン酸[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−ジメチルエステル(クラリアントジャパン社製、Hostavin PR−25)等が挙げられる。
上記シュウ酸アニリド系紫外線遮蔽剤としては、例えば、2−エチル2’−エトキシ−オキサルアニリド(クラリアントジャパン社製、Sanduvor V SU)等が挙げられる。
初期及び経時後のサーモクロミック性をより一層高める観点からは、紫外線遮蔽層100質量%中、紫外線遮蔽剤の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以下、特に好ましくは0.8質量%以下である。特に、紫外線遮蔽層100質量%中、紫外線遮蔽剤の含有量が0.2質量%以上であることにより、合わせガラスの経時後のサーモクロミック性の低下を顕著に抑制できる。
初期及び経時後のサーモクロミック性をより一層高める観点からは、サーモクロミック層100質量%中、紫外線遮蔽剤の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以下、特に好ましくは0.8質量%以下である。特に、サーモクロミック層100質量%中、紫外線遮蔽剤の含有量が0.3質量%以上であることにより、合わせガラスの経時後のサーモクロミック性の低下を顕著に抑制できる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリビニルアルコール樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。また、これら以外の熱可塑性樹脂を用いてもよい。
なかでも、上記熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂又はエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であることが好ましい。上記サーモクロミック層と第1の紫外線遮蔽層との密着性を高める観点からは、熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠して、原料となるポリビニルアルコールの水酸基が結合しているエチレン基量を測定することにより求めることができる。
上記アセチル化度が0.1モル%以上であると、上記ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性を高めることができる。上記アセチル化度が30モル%以下であると、中間膜の耐湿性が高くなる。
上記アセチル化度は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。上記アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
上記アセタール化度が60モル%以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が85モル%以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間を短縮することができる。
上記アセタール化度は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。
上記アセタール化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、アセチル化度(アセチル基量)と水酸基の含有率(ビニルアルコール量)とを測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、ついで、100モル%からアセチル化度と水酸基の含有率とを差し引くことにより算出され得る。
なお、ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である場合は、上記アセタール化度(ブチラール化度)及びアセチル化度(アセチル基量)は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出され得る。
上記ポリアルキレンナフタレート樹脂としては、ポリエチレンナフタレート及びポリブチレンナフタレート等が挙げられる。
また、サーモクロミック層の長期安定性を高める観点からは、上記サーモクロミック層に含まれる熱可塑性樹脂は、ポリエステル樹脂であることが好ましい。ポリエステル樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の他の熱可塑性樹脂に比較して、サーモクロミック層が含有する二酸化バナジウム粒子の劣化を抑制することができ、サーモクロミック層の長期安定性をより一層高めることができる。
なお、上記第1の紫外線遮蔽層に含まれる熱可塑性樹脂と上記サーモクロミック層に含まれる熱可塑性樹脂は同じものであってもよく、異なるものであってもよい。
上記アセチル化度の下限が上記好ましい範囲であれば、上記ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性を高めることができる。また、上記アセチル化度の上限が上記好ましい範囲であれば、中間膜の耐湿性が高くなる。
上記アセタール化度の下限が上記好ましい範囲であれば、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度の上限が上記好ましい範囲であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間を短縮することができる。
上記二酸化バナジウム粒子は、サーモクロミック特性を有することから、本発明の合わせガラス用中間膜や合わせガラスに優れたサーモクロミック性を付与することができる。
可視光よりも長い波長780nm以上の赤外線は、紫外線と比較して、エネルギー量が小さい。しかしながら、赤外線は熱的作用が大きく、赤外線が物質にいったん吸収されると熱として放出される。このため、赤外線は一般に熱線と呼ばれている。上記二酸化バナジウム粒子の使用により、上記二酸化バナジウムの相転移温度以上の条件で、赤外線(熱線)を効果的に遮断でき、上記二酸化バナジウムの相転移温度未満の条件で、赤外線(熱線)を効果的に透過できる。
なお、第1及び第2の紫外線遮蔽層についても、二酸化バナジウム粒子を含有してもよい。
二酸化バナジウムは様々な結晶相が存在するが、単斜晶結晶と正方晶結晶(ルチル型)が可逆的に相転移する。その相転移温度は約68℃である。上記相転移温度は、二酸化バナジウム中のバナジウム原子の一部をバナジウム以外の金属原子で置換することにより調整することができる。従って、二酸化バナジウム粒子又は置換二酸化バナジウム粒子を適宜選択したり、置換二酸化バナジウム粒子において置換する原子種や置換率を適宜選択したりすることにより、得られる合わせガラス用中間膜のサーモクロミック性を制御することができる。
なお、置換率とは、バナジウム原子数と置換された原子数との合計に占める、置換された原子数の割合を百分率で示した値である。
上記コア粒子として、例えば、酸化ケイ素、シリカゲル、酸化チタン、ガラス、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、ハイドロタルサイト化合物、ハイドロタルサイト化合物の焼成物、及び、炭酸カルシウム等の無機粒子が挙げられる。
上記平均粒子径が上記好ましい下限以上であれば、サーモクロミック性を充分に高めることができる。平均粒子径が上記好ましい上限以下であれば、二酸化バナジウム粒子の分散性を高めることができる。
上記「平均粒子径」は、体積平均粒子径を示す。平均粒子径は、粒度分布測定装置(日機装社製「UPA−EX150」)等を用いて測定できる。
また、上記サーモクロミック層100質量%中、二酸化バナジウム粒子の含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上、特に好ましくは1.5質量%以上、好ましくは6.0質量%以下、より好ましくは5.5質量%以下、さらに好ましくは4.0質量%以下、特に好ましくは3.5質量%以下、最も好ましくは3.0質量%以下である。上記サーモクロミック層における二酸化バナジウム粒子の含有量が上記好ましい範囲内であると、サーモクロミック性を充分に高めることができる。
上記グリセリンエステルは特に限定されず、例えば、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリントリステアリン酸エステル、デカグリセリンデカステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンジステアリン酸エステル、ヘキサグリセリントリステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンペンタステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、テトラグリセリントリステアリン酸エステル、テトラグリセリンペンタステアリン酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステル、グリセロールモノステアレート、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンデカオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンペンタオレイン酸エステル、テトラグリセリンモノオレイン酸エステル、テトラグリセリンペンタオレイン酸エステル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、グリセロールモノオレエート、2−エチルヘキサン酸トリグリセライド、カプリン酸モノグリセライド、カプリン酸トリグリセライド、ミリスチン酸モノグリセライド、ミリスチン酸トリグリセライド、デカグリセリンモノカプリル酸エステル、ポリグリセリンカプリル酸エステル、カプリル酸トリグリセライド、デカグリセリンモノラウリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、テトラグリセリンモノラウリン酸エステル、ポリグリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンヘプタベヘニン酸エステル、デカグリセリンドデカベヘニン酸エステル、ポリグリセリンベヘニン酸エステル、デカグリセリンエルカ酸エステル、ポリグリセリンエルカ酸エステル、テトラグリセリン縮合リシノール酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リシノール酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル等が挙げられる。
上記グリセリンエステルのうち市販品としては、例えば、SYグリスターCR−ED(阪本薬品工業社製、縮合リシノール酸ポリグリセリン酸エステル)、SYグリスターPO−5S(阪本薬品工業社製、オレイン酸ヘキサグリセリンペンタエステル)等が挙げられる。
上記ポリカルボン酸は特に限定されず、例えば、主鎖骨格にカルボキシル基を有するポリマーにポリオキシアルキレンをグラフトしたポリカルボン酸重合体等が挙げられる。
上記ポリカルボン酸のうち市販品としては、例えば、日油社製マリアリムシリーズ(AFB−0561、AKM−0531、AFB−1521、AEM−3511、AAB−0851、AWS−0851、AKM−1511−60等)等が挙げられる。
上記第2の紫外線遮蔽層を有することで、上記サーモクロミック層が第1及び第2の紫外線遮蔽層の間に挟み込まれた構成となり、その結果、中間膜の両面において、中間膜に入射する紫外線を、第1及び第2の紫外線遮蔽層により効果的に遮蔽できる。
上記サーモクロミック層と第2の紫外線遮蔽層との密着性を高める観点からは、上記第2の紫外線遮蔽層に含まれる熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。この場合には、サーモクロミック層と第2の紫外線遮蔽層との親和性が高められ、サーモクロミック層と第2の紫外線遮蔽層との密着性をより一層高めることができる。また、上記第1の紫外線遮蔽層と第2の紫外線遮蔽層とは同じ熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
また、上記紫外線遮蔽剤についても、上記第1の紫外線遮蔽層と同様のものを用いてもよく、異なるものを用いてもよい。
上記可塑剤としては、例えば、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸可塑剤及び有機亜リン酸可塑剤などのリン酸可塑剤等が挙げられる。なかでも、有機エステル可塑剤が好ましい。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
上記多塩基性有機酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。上記多塩基性有機酸としては、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等が挙げられる。
上記有機リン酸可塑剤としては、特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート及びトリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記サーモクロミック層、第1及び第2の紫外線遮蔽層における上記可塑剤の含有量はそれぞれ異なっていてもよい。例えば、サーモクロミック層、第1及び第2の紫外線遮蔽層の内の少なくとも一層の上記可塑剤の含有量が、上記熱可塑性樹脂100質量部に対して55質量部以上である場合、合わせガラスの遮音性を高めることができる。
また、実用面の観点、並びに長期間にわたりサーモクロミック性を充分に維持する観点からは、第1及び第2の紫外線遮蔽層の厚みの好ましい下限は0.001mm、より好ましい下限は0.2mm、好ましい上限は0.8mm、より好ましい上限は0.6mmである。
図2は、本発明の合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を示す部分切欠断面図である。
図2に示す合わせガラス11は、中間膜1と、合わせガラス部材12、13とを備える。中間膜1は、合わせガラス用中間膜である。中間膜1は、合わせガラス部材12、13の間に挟み込まれている。従って、合わせガラス11は、合わせガラス部材12と、中間膜1と、合わせガラス部材13とがこの順で積層されて構成されている。合わせガラス部材12は、第1の紫外線遮蔽層3の外側の表面3aに積層されている。合わせガラス部材13は、第2の紫外線遮蔽層4の外側の表面4aに積層されている。
(1)サーモクロミック層の作製
二酸化バナジウム粒子(新興化学工業社製、平均粒子径77μm)0.1質量部、分散剤としてポリカルボン酸(AFB−0561、日油社製)0.5質量部を、可塑剤である28質量部のトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)中に添加し、水平型のマイクロビーズミルで混合して二酸化バナジウム粒子分散液を得た。分散液中の二酸化バナジウム粒子の体積平均粒子径は132nmであった。なお、上記二酸化バナジウム粒子分散液に添加する前の二酸化バナジウム粒子について、放射光施設内でXRD測定(波長0.5Å、露光時間10分間)を行い、得られたXRDパターンについて解析ソフト(リガク社製PDXL)を用いてリートベルト解析することによって、上記二酸化バナジウム粒子中の二酸化バナジウムの含有量を算出した。上記二酸化バナジウム粒子中の二酸化バナジウムの含有量は100モル%であり、上記二酸化バナジウム以外のバナジウム酸化物の含有量は0モル%であった。
得られた二酸化バナジウム粒子分散液の全量を、ポリビニルブチラール樹脂(PVB1)(平均重合度1700、水酸基の含有率30.5モル%、アセチル化度1モル%、ブチラール化度68.5モル%)72質量部に加え、ミキシングロールで充分に溶融混練した後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートに挟み、厚さ100μmのスペーサを介して、熱プレスにて150℃、100kg/cm2の条件で15分間加圧し、厚さ100μmのサーモクロミック層を得た。
トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)0.8質量部を、水平型のマイクロビーズミルにて混合し、分散液を得た。
ポリビニルブチラール樹脂(PVB1)100質量部に対し、得られた分散液全量を添加し、ミキシングロールで充分に混練した後、ポリテトラフルオロエチレンシートに挟み、厚さ330μmのスペーサを介して、熱プレスにて150℃、100kg/cm2の条件で15分間加圧し、厚さ330μmの第1の紫外線遮蔽層を得た。
トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)0.8質量部を、水平型のマイクロビーズミルにて混合し、分散液を得た。
ポリビニルブチラール樹脂(PVB1)100質量部に対し、得られた分散液全量を添加し、ミキシングロールで充分に混練した後、ポリテトラフルオロエチレンシートに挟み、厚さ330μmのスペーサを介して、熱プレスにて150℃、100kg/cm2の条件で15分間加圧し、厚さ330μmの第2の紫外線遮蔽層を得た。
第1の紫外線遮蔽層/サーモクロミック層/第2の紫外線遮蔽層の順に厚み方向に重ね、150℃で5分間プレスすることにより3層構造を有する厚み760μmの合わせガラス用中間膜を得た。
得られた中間膜を、縦5cm×横5cmの大きさに切断した。次に、JIS R3202に準拠した2枚のフロートガラス(縦5cm×横5cm×厚み2mm)を用意した。この2枚のフロートガラスの間に、得られた中間膜を挟み込み、真空ラミネーターにて90℃で30分間保持し、真空プレスし、合わせガラスを得た。
実施例1の「(1)サーモクロミック層の作製」において、二酸化バナジウム粒子(新興化学工業社製)の添加量を0.05質量部に変更し、ポリカルボン酸(AFB−0561、日油社製)の添加量を0.25質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例1の「(1)サーモクロミック層の作製」において、二酸化バナジウム粒子(新興化学工業社製)の添加量を1質量部に変更し、ポリカルボン酸(AFB−0561、日油社製)の添加量を5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例1の「(2)第1の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)1質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第1の紫外線遮蔽層を得た。
同様に、実施例1の「(3)第2の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)1質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第2の紫外線遮蔽層を得た。
得られた第1の紫外線遮蔽層及び第2の紫外線遮蔽層を用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例1の「(2)第1の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)0.2質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第1の紫外線遮蔽層を得た。
同様に、実施例1の「(3)第2の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)0.2質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第2の紫外線遮蔽層を得た。
得られた第1の紫外線遮蔽層及び第2の紫外線遮蔽層を用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例1の「(2)第1の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製、TinuvinP)0.8質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第1の紫外線遮蔽層を得た。同様に、実施例1の「(3)第2の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製、TinuvinP)0.8質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第2の紫外線遮蔽層を得た。
得られた第1の紫外線遮蔽層及び第2の紫外線遮蔽層を用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例1の「(2)第1の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製、TinuvinP)0.2質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第1の紫外線遮蔽層を得た。同様に、実施例1の「(3)第2の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製、TinuvinP)0.2質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第2の紫外線遮蔽層を得た。
得られた第1の紫外線遮蔽層及び第2の紫外線遮蔽層を用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例1の「(2)第1の紫外線遮蔽層の作製」において、厚さ660μmのスペーサを介して、熱プレスにて150℃、100kg/cm2の条件で15分間加圧し、厚さ660μmの第1の紫外線遮蔽層を得たこと以外は、実施例1と同様にして第1の紫外線遮蔽層を得た。
第2の紫外線遮蔽層を用いず、得られた第1の紫外線遮蔽層/サーモクロミック層の順に厚み方向に重ね、150℃で5分間プレスすることにより2層構造を有する厚み760μmの合わせガラス用中間膜を得た。
得られた中間膜を、縦5cm×横5cmの大きさに切断した。次に、JIS R3202に準拠した2枚のフロートガラス(縦5cm×横5cm×厚み2mm)を用意した。この2枚のフロートガラスの間に、得られた中間膜を挟み込み、真空ラミネーターにて90℃で30分間保持し、真空プレスし、合わせガラスを得た。
実施例1の「(1)サーモクロミック層の作製」において、ポリビニルブチラール樹脂(PVB1)を、ポリビニルブチラール樹脂(PVB2)(平均重合度2300、水酸基の含有率22モル%、アセチル化度13モル%、ブチラール化度65モル%)に変更した以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例1の「(1)サーモクロミック層の作製」において、ポリビニルブチラール樹脂(PVB1)を、ポリビニルブチラール樹脂(PVB2)に変更し、二酸化バナジウム粒子(新興化学工業社製)の添加量を0.05質量部に変更し、ポリカルボン酸(AFB−0561、日油社製)の添加量を0.25質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例1の「(1)サーモクロミック層の作製」において、ポリビニルブチラール樹脂(PVB1)を、ポリビニルブチラール樹脂(PVB2)に変更し、二酸化バナジウム粒子(新興化学工業社製)の添加量を1質量部に変更し、ポリカルボン酸(AFB−0561、日油社製)の添加量を5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
(1)サーモクロミック層の作製
ポリエチレンテレフタレート樹脂100質量部に対し、0.1質量部の二酸化バナジウム粒子(新興化学工業社製、平均粒子径77μm)を添加し、樹脂と二酸化バナジウムの混合物を溶融混練して二酸化バナジウム粒子を樹脂中に均一に分散させた。得られた混練物をT型ダイを備えた溶融押出機を用いて押出し、厚さ100μmのサーモクロミック層を得た。
得られたサーモクロミック層を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例12の「(1)サーモクロミック層の作製」において、二酸化バナジウム粒子(新興化学工業社製)の添加量を0.05質量部に変更した以外は、実施例12と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例12の「(1)サーモクロミック層の作製」において、二酸化バナジウム粒子(新興化学工業社製)の添加量を1質量部に変更した以外は、実施例12と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例12の「(1)サーモクロミック層の作製」の同様の方法でサーモクロミック層を得た。
また、実施例1の「(2)第1の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)1質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第1の紫外線遮蔽層を得た。
同様に、実施例1の「(3)第2の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)1質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第2の紫外線遮蔽層を得た。
得られたサーモクロミック層、第1の紫外線遮蔽層及び第2の紫外線遮蔽層を用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例12の「(1)サーモクロミック層の作製」の同様の方法でサーモクロミック層を得た。
また、実施例1の「(2)第1の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)0.2質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第1の紫外線遮蔽層を得た。
同様に、実施例1の「(3)第2の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)0.2質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第2の紫外線遮蔽層を得た。
得られたサーモクロミック層、第1の紫外線遮蔽層及び第2の紫外線遮蔽層を用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例12の「(1)サーモクロミック層の作製」の同様の方法でサーモクロミック層を得た。
また、実施例1の「(2)第1の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製、TinuvinP)0.8質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第1の紫外線遮蔽層を得た。
同様に、実施例1の「(3)第2の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製、TinuvinP)0.8質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第2の紫外線遮蔽層を得た。
得られたサーモクロミック層、第1の紫外線遮蔽層及び第2の紫外線遮蔽層を用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例12の「(1)サーモクロミック層の作製」の同様の方法でサーモクロミック層を得た。
また、実施例1の「(2)第1の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製、TinuvinP)0.2質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第1の紫外線遮蔽層を得た。
同様に、実施例1の「(3)第2の紫外線遮蔽層の作製」において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40質量部に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製、TinuvinP)0.2質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして第2の紫外線遮蔽層を得た。
得られたサーモクロミック層、第1の紫外線遮蔽層及び第2の紫外線遮蔽層を用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例1の「(2)第1の紫外線遮蔽層の作製」において、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして第1の紫外線遮蔽層を得た。
同様に、実施例1の「(3)第2の紫外線遮蔽層の作製」において、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして第2の紫外線遮蔽層を得た。
得られた第1の紫外線遮蔽層及び第2の紫外線遮蔽層を用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例1の「(2)第1の紫外線遮蔽層の作製」において、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)を添加せず、厚さ660μmのスペーサを介して、熱プレスにて150℃、100kg/cm2の条件で15分間加圧し、厚さ660μmの第1の紫外線遮蔽層を得たこと以外は、実施例1と同様にして第1の紫外線遮蔽層を得た。
第2の紫外線遮蔽層を用いず、得られた第1の紫外線遮蔽層/サーモクロミック層の順に厚み方向に重ね、150℃で5分間プレスすることにより2層構造を有する厚み760μmの合わせガラス用中間膜を得た。
得られた中間膜を、縦5cm×横5cmの大きさに切断した。次に、JIS R3202に準拠した2枚のフロートガラス(縦5cm×横5cm×厚み2mm)を用意した。この2枚のフロートガラスの間に、得られた中間膜を挟み込み、真空ラミネーターにて90℃で30分間保持し、真空プレスし、合わせガラスを得た。
実施例1の「(1)サーモクロミック層の作製」の二酸化バナジウム粒子分散液を得る工程において、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)1質量部を添加し、また、実施例1の「(2)第1の紫外線遮蔽層の作製」及び「(3)第2の紫外線遮蔽層の作製」において、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例1の「(1)サーモクロミック層の作製」の二酸化バナジウム粒子分散液を得る工程において、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)5.2質量部を添加し、また、実施例1の「(2)第1の紫外線遮蔽層の作製」及び「(3)第2の紫外線遮蔽層の作製」において、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
実施例12の「(1)サーモクロミック層の作製」の樹脂と二酸化バナジウムの混合物に、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)5.2質量部を添加した以外は、実施例12と同様にしてサーモクロミック層を得た。さらに、実施例1の「(2)第1の紫外線遮蔽層の作製」及び「(3)第2の紫外線遮蔽層の作製」において、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin326)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして第1の紫外線遮蔽層及び第2の紫外線遮蔽層を作製した。得られたサーモクロミック層、第1の紫外線遮蔽層及び第2の紫外線遮蔽層を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
得られた合わせガラスの性能を以下の方法で評価した。結果を表1、表2に示した。
紫外可視近赤外分光光度計(日本分光株式会社製「V−670」)及び温調ユニットを用いて、JIS R3106(1998)に準拠して、得られた合わせガラスの耐光性試験前の100℃における波長780〜2500nmでの赤外線透過率Tirを求めた。
紫外線照射装置(スガ試験機社製、HLG−2S)等を用いて、JIS R3205に準拠して、紫外線(石英ガラス水銀灯(750W))を、合わせガラスに1000時間照射した。1000時間照射後の赤外線透過率Tir(耐光性試験後のTir)を上記の方法により測定した。なお、実施例8及び比較例2で得られた合わせガラスを基に作製した透過率測定試料は、紫外線の光源に近い側に、紫外線遮蔽層が配置されるように、合わせガラスを配置した。
得られた測定値から、ΔTir((耐光性試験後のTir)−(耐光性試験前のTir))を求めた。
2…サーモクロミック層
2a…第1の表面
2b…第2の表面
3…第1の紫外線遮蔽層
3a…外側の表面
4…第2の紫外線遮蔽層
4a…外側の表面
5…二酸化バナジウム粒子
11…合わせガラス
12、13…合わせガラス部材
Claims (11)
- 第1の紫外線遮蔽層と、サーモクロミック層とを有し、
前記第1の紫外線遮蔽層は、熱可塑性樹脂と、紫外線遮蔽剤とを含有し、
前記サーモクロミック層は、熱可塑性樹脂と、二酸化バナジウム粒子を含有する
ことを特徴とする合わせガラス用中間膜。 - 第1の紫外線遮蔽層が、サーモクロミック層の一方の表面に積層されていることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
- 第1の紫外線遮蔽層が、サーモクロミック層の一方の表面側に積層されており、熱可塑性樹脂と紫外線遮蔽剤とを含有する第2の紫外線遮蔽層が、サーモクロミック層の他方の表面側に積層されていることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
- 紫外線遮蔽剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線遮蔽剤であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の合わせガラス用中間膜。
- 第1の紫外線遮蔽層に含まれる熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の合わせガラス用中間膜。
- 第1の紫外線遮蔽層は、更に可塑剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の合わせガラス用中間膜。
- 第1の紫外線遮蔽層における、熱可塑性樹脂100質量部に対する紫外線遮蔽剤の含有量が0.2〜1.0質量部であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の合わせガラス用中間膜。
- サーモクロミック層に含まれる熱可塑性樹脂は、ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
- サーモクロミック層に含まれる熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
- サーモクロミック層に含まれるポリビニルアセタール樹脂は、水酸基の含有率が30モル%以下であり、アセチル基量が5モル%以上であることを特徴とする請求項9に記載の合わせガラス用中間膜。
- 合わせガラス部材の間に、請求項1〜10のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜を有することを特徴とする合わせガラス。
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