JP2012072039A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供する。
【解決手段】二酸化バナジウム粒子を含有する合わせガラス用中間膜であって、前記合わせガラス用中間膜の酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下である合わせガラス用中間膜。該中間膜は前記二酸化バナジウム粒子を含有する層(A)と、酸素透過率が1000mL/m2・day・MPa以下である層(B)とが積層されていることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜及び合わせガラスに関する。
二酸化バナジウム又は二酸化バナジウムのバナジウム原子の一部を他の原子で置換した置換二酸化バナジウムは、特定の温度以上になると半導体から金属に相転移し、赤外線透過率を大きく減少させるサーモクロミック特性を有することが広く知られている(例えば、特許文献1)。即ち、例えばガラス上に二酸化バナジウム膜を形成すると、相転移温度未満では可視光線及び赤外線の透過率が高いが、相転移温度以上になると可視光線の透過率が高い状態で、赤外線の透過率が低下する性質を示す。
従来より、二酸化バナジウムが有するサーモクロミック特性を利用したサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜の製造が試みられてきた。即ち、合わせガラス用中間膜中に二酸化バナジウムを分散させることにより、二酸化バナジウムの相転移温度未満では可視光線及び赤外線の透過率が高いが、相転移温度以上になると可視光線の透過率が高い状態で、赤外線の透過率が低下する性質を示す合わせガラス用中間膜が得られることが期待される。
しかしながら、実際には二酸化バナジウム粒子を分散させた合わせガラス用中間膜を長期間保管すると、合わせガラス用中間膜のサーモクロミック性が低下するという問題があった。
特開2000−233929号公報
本発明は、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、二酸化バナジウム粒子を含有する合わせガラス用中間膜であって、前記合わせガラス用中間膜の酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下である合わせガラス用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、二酸化バナジウム粒子を含有する合わせガラス用中間膜を長期間保管すると、合わせガラス用中間膜のサーモクロミック性が低下することを見出した。更に、本発明者は、サーモクロミック性の低下は二酸化バナジウム粒子の酸化が原因である可能性が高いと考え、合わせガラス用中間膜の酸素透過率を制御することにより、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の合わせガラス用中間膜は二酸化バナジウム粒子を含有する。上記二酸化バナジウム粒子は、酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下である合わせガラス用中間膜中に分散している。
上記二酸化バナジウム粒子は、サーモクロミック特性を有する。
二酸化バナジウムは様々な結晶相が存在するが、単斜晶結晶と正方晶結晶(ルチル型)が可逆的に相転移する。その相転移温度は約68℃である。
上記相転移温度は、二酸化バナジウム中のバナジウム原子の一部をタングステン、モリブデン、ニオブ及びタンタルから選択される少なくとも1種以上の原子で置換することにより調整することができる。従って、二酸化バナジウム粒子又は置換二酸化バナジウム粒子を適宜選択したり、置換二酸化バナジウム粒子において置換する原子種や置換率を適宜選択したりすることにより、得られる合わせガラス用中間膜の性能を制御することができる。
上記置換二酸化バナジウム粒子を用いる場合、金属原子の置換率の好ましい下限は0.1原子%、好ましい上限は10原子%である。置換率が0.1原子%以上であると、上記置換二酸化バナジウム粒子の相転移温度を容易に調整することができ、10原子%以下であると、優れたサーモクロミック性を得ることができる。
なお、置換率とは、バナジウム原子数と置換された原子数との合計に占める、置換された原子数の割合を百分率で示した値である。
上記二酸化バナジウム粒子は、実質的に二酸化バナジウムのみで構成された粒子であってもよく、コア粒子の表面に二酸化バナジウムが付着した粒子であってもよい。同様に、上記置換二酸化バナジウム粒子は、実質的に置換二酸化バナジウムのみで構成された粒子であってもよく、コア粒子の表面に置換二酸化バナジウムが付着した粒子であってもよい。上記コア粒子として、例えば、酸化ケイ素、シリカゲル、酸化チタン、ガラス、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、ハイドロタルサイト化合物、ハイドロタルサイト化合物の焼成物、及び、炭酸カルシウム等の無機粒子が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜における上記二酸化バナジウム粒子の含有量は、合わせガラス用中間膜100重量%中、好ましい下限は0.001重量%、好ましい上限は20重量%、より好ましい下限は0.005重量%、より好ましい上限は10重量%、更に好ましい下限は0.01重量%、更に好ましい上限は5重量%である。上記二酸化バナジウム粒子の含有量が上記下限以上であると、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜が得られる。上記二酸化バナジウム粒子の含有量が上記上限以下であると、合わせガラス用中間膜の透明性が高くなる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下である。上記酸素透過率を制御することにより、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜を得ることができる。詳細は明らかではないが、上記酸素透過率を制御することにより、上記二酸化バナジウム粒子の酸化を防止することができるためであると考えられる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下であれば特に限定されないが、上記酸素透過率の好ましい上限は100mL/m・day・MPa、より好ましい上限は50mL/m・day・MPa、更に好ましい上限は10mL/m・day・MPa、特に好ましい上限は5mL/m・day・MPaである。上記酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下とすることにより、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜が得られる。
なお、上記酸素透過率はJIS K7126に準拠した方法により、測定することができる。
上記酸素透過率を1000mL/m・day・MPa以下にする方法は特に限定されないが、例えば、酸素透過率が低い樹脂を用いる方法、合わせガラス用中間膜の厚みを制御する方法等が挙げられる。なかでも、合わせガラス用中間膜の厚みを制御する必要がないことから、酸素透過率が低い樹脂を用いる方法が好ましい。
上記酸素透過率が低い樹脂は、厚み80μmの樹脂膜を形成し、20℃、65%RHの恒温恒湿環境下にて、JIS K7126Bに準拠した方法により、上記樹脂膜の酸素透過率を測定した場合、上記樹脂膜の酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下となる樹脂が好ましい。
上記酸素透過率が低い樹脂は特に限定されないが、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン−6、ポリメタキシレンアジパミド、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリグリコール酸等が挙げられる。上記酸素透過率が低い樹脂を用いることにより、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜が得られる。なかでも、上記酸素透過率が低い樹脂は、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン共重合体又はエチレン−ビニルアルコール共重合体であることが好ましく、ポリ塩化ビニリデン又はエチレン−ビニルアルコール共重合体であることがより好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜における上記酸素透過率が低い樹脂の含有量は、合わせガラス用中間膜100重量%中、好ましい下限は1重量%、好ましい上限は99重量%、より好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は98重量%、更に好ましい下限は50重量%、更に好ましい上限は97重量%である。上記酸素透過率が低い樹脂の含有量が上記下限以上であると、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜が得られる。上記酸素透過率が低い樹脂の含有量が上記上限以下であると、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜が得られる。
また、本発明の合わせガラス用中間膜における上記二酸化バナジウム粒子の含有量は、上記酸素透過率が低い樹脂100重量部に対して好ましい下限が0.001重量部、好ましい上限が20重量部である。上記二酸化バナジウム粒子の含有量が0.001重量部以上であると、充分なサーモクロミック特性を得ることができ、20重量部以下であると、合わせガラス用中間膜の透明性が高くなる。上記二酸化バナジウム粒子の含有量のより好ましい下限は0.01重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、低揮発性有機溶剤、ショ糖脂肪酸エステル等の保留剤、非カチオン性界面活性剤、安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等の従来公知の添加物を含有してもよい。
上記分散剤は、合わせガラス用中間膜中に、上記二酸化バナジウム粒子を分散させる役割を有する。
上記分散剤として、グリセリンエステル、ポリカルボン酸等が挙げられる。
上記グリセリンエステルは特に限定されず、例えば、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリントリステアリン酸エステル、デカグリセリンデカステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンジステアリン酸エステル、ヘキサグリセリントリステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンペンタステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、テトラグリセリントリステアリン酸エステル、テトラグリセリンペンタステアリン酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステル、グリセロールモノステアレート、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンデカオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンペンタオレイン酸エステル、テトラグリセリンモノオレイン酸エステル、テトラグリセリンペンタオレイン酸エステル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、グリセロールモノオレエート、2−エチルヘキサン酸トリグリセライド、カプリン酸モノグリセライド、カプリン酸トリグリセライド、ミリスチン酸モノグリセライド、ミリスチン酸トリグリセライド、デカグリセリンモノカプリル酸エステル、ポリグリセリンカプリル酸エステル、カプリル酸トリグリセライド、デカグリセリンモノラウリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、テトラグリセリンモノラウリン酸エステル、ポリグリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンヘプタベヘニン酸エステル、デカグリセリンドデカベヘニン酸エステル、ポリグリセリンベヘニン酸エステル、デカグリセリンエルカ酸エステル、ポリグリセリンエルカ酸エステル、テトラグリセリン縮合リシノール酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リシノール酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル等が挙げられる。
上記グリセリンエステルのうち市販品としては、例えば、SYグリスターCR−ED(阪本薬品工業社製、縮合リシノール酸ポリグリセリン酸エステル)、SYグリスターPO−5S(阪本薬品工業社製、オレイン酸ヘキサグリセリンペンタエステル)等が挙げられる。
上記ポリカルボン酸は特に限定されず、例えば、主鎖骨格にカルボキシル基を有するポリマーにポリオキシアルキレンをグラフトしたポリカルボン酸重合体等が挙げられる。
上記ポリカルボン酸のうち市販品としては、例えば、日油社製マリアリムシリーズ(AFB−0561、AKM−0531、AFB−1521、AEM−3511、AAB−0851、AWS−0851、AKM−1511−60等)等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜における上記分散剤の含有量は、上記二酸化バナジウム粒子100重量部に対して、好ましい下限は1重量部、好ましい上限は10000重量部、より好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は1000重量部、更に好ましい下限は30重量部、更に好ましい上限は300重量部である。上記分散剤の含有量が上記下限以上であると、上記二酸化バナジウム粒子の分散性が向上するため、合わせガラス用中間膜の透明性が高くなる。上記分散剤の含有量が上記上限以下であると、上記分散剤の析出を抑制できるため、合わせガラス用中間膜の透明性が高くなる。
上記赤外線吸収剤は、合わせガラス用中間膜の遮熱性を向上させる役割を有する。
上記赤外線吸収剤として、錫ドープ酸化インジウム粒子、アンチモンドープ酸化錫粒子、セシウムドープ酸化タングステン粒子等の遮熱粒子を含有してもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜の膜厚は特に限定されないが、合わせガラスとして最小限必要な耐貫通性を考慮すると、実用的には、好ましい下限が0.1mm、好ましい上限が1.0mmであり、より好ましい下限が0.3mm、より好ましい上限が0.8mmである。また、耐貫通性の向上を目的として、必要に応じて本発明の合わせガラス用中間膜に他の合わせガラス用中間膜を積層してもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜を製造する方法は特に限定されないが、上記二酸化バナジウム粒子と上記酸素透過率が低い樹脂と必要に応じて配合する添加剤との混合物を用いて合わせガラス用中間膜を製造する方法や、上記二酸化バナジウム粒子を分散させた分散液と上記酸素透過率が低い樹脂と必要に応じて配合する添加剤との混合物を用いて合わせガラス用中間膜を製造する方法が挙げられる。
上記混合物を作製する方法として、押出機、プラストグラフ、ニーダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール等を用いる方法が挙げられる。なかでも、連続的な生産に適することから、押出機を用いる方法が好適である。
本発明の合わせガラス用中間膜を成形する方法として、押し出し法、カレンダー法、プレス法等が挙げられる。
上記二酸化バナジウム粒子の分散性を向上させるために、上記分散液を用いることが好ましい。
上記分散液は、上記二酸化バナジウム粒子、上記分散剤及び有機溶媒を含有することが好ましい。
上記分散液中における上記二酸化バナジウム粒子の分散径(D50)の好ましい上限は100μmである。D50が100μm以下であると、透明性に優れる合わせガラス用中間膜を製造することができる。D50のより好ましい上限は10μmである。D50の下限については特に限定されないが、実質的には10nmが限界であると考えられる。
なお、本明細書においてD50とは、粒子をある粒子径から2つに分けたときに、大きい側と小さい側が等量となる粒子径のことを意味する。
上記分散液中における上記二酸化バナジウム粒子の含有量の好ましい下限は0.001重量%、好ましい上限は60重量%である。上記二酸化バナジウム粒子の含有量が0.001重量%以上であると、優れたサーモクロミック特性を有する合わせガラス用中間膜を得ることができ、60重量%以下であると、透明性に優れる合わせガラス用中間膜を製造することができる。上記二酸化バナジウム粒子の含有量のより好ましい下限は0.01重量%、より好ましい上限は40重量%である。
上記分散液中における上記分散剤の含有量の好ましい下限は0.001重量%、好ましい上限は30重量%である。上記分散剤の含有量が0.001〜30重量%の範囲内であると、上記二酸化バナジウム粒子の優れた分散効果を得ることができる。上記分散剤の含有量のより好ましい下限は0.01重量%、より好ましい上限は10重量%である。
上記有機溶媒は特に限定されず、メタノール、エタノール等のアルコールが挙げられる。
また、上記有機溶媒として、合わせガラス用中間膜の可塑剤として用いられる従来公知の液状可塑剤を用いることができる。上記液状可塑剤は、例えば、ジヘキシルアジペート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート及びトリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート等が挙げられ、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートであることがより好ましい。
上記分散液を製造する方法は特に限定されないが、例えば、上記二酸化バナジウム粒子、上記分散剤、上記有機溶媒及び必要に応じて添加する添加剤を、ビーズミル、遊星式攪拌装置、湿式メカノケミカル装置、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、超音波照射機等を用いて混練する方法等が挙げられる。
上記分散液は、極めて二酸化バナジウム粒子の分散安定性に優れ、これを用いることによりサーモクロミック性を有し、透明性に優れた合わせガラス用中間膜を製造することができる。
また、上記二酸化バナジウム粒子を含有する合わせガラス用中間膜であって、上記二酸化バナジウム粒子を含有する層(A)と、酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下である層(B)とが積層されている合わせガラス用中間膜もまた、本発明の1つである。
上記層(B)は、酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下であれば特に限定されないが、上記酸素透過率の好ましい上限は100mL/m・day・MPa、より好ましい上限は50mL/m・day・MPa、更に好ましい上限は10mL/m・day・MPa、特に好ましい上限は5mL/m・day・MPaである。上記酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下とすることにより、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜が得られる。
なお、上記酸素透過率はJIS K7126に準拠した方法により、測定することができる。
上記合わせガラス用中間膜は、上記二酸化バナジウム粒子を含有する層(A)と、酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下である層(B)とを備える。上記二酸化バナジウム粒子を含有する層(A)に、酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下である層(B)が積層されていることにより、上記層(A)に到達する酸素の絶対量を低減することができる。そのため、上記二酸化バナジウム粒子の酸化を抑制することができ、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜が得られると考えられる。
なお、上記層(A)は、上記層(B)が積層されているため、酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下である必要はない。
上記層(A)は二酸化バナジウム粒子を含有する。
上記層(A)に含まれる二酸化バナジウム粒子として、上述した二酸化バナジウム粒子を用いることができる。
上記層(A)における上記二酸化バナジウム粒子の含有量は、上記層(A)100重量%中、好ましい下限は0.001重量%、好ましい上限は20重量%、より好ましい下限は0.005重量%、より好ましい上限は10重量%、更に好ましい下限は0.01重量%、更に好ましい上限は5重量%である。上記二酸化バナジウム粒子の含有量が上記下限以上であると、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜が得られる。上記二酸化バナジウム粒子の含有量が上記上限以下であると、合わせガラス用中間膜の透明性が高くなる。
上記層(A)は熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。
上記熱可塑性樹脂として、従来公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。上記熱可塑性樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との併用により、ガラス板に対する上記層(A)の接着力をより一層高くすることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、例えば、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することにより製造できる。上記ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより製造できる。上記ポリビニルアルコールのけん化度は、一般に80〜99.8モル%である。
上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、好ましくは200以上、より好ましくは500以上、更に好ましくは1600以上、最も好ましくは2700以上、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3500以下である。上記平均重合度が上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。上記平均重合度が上記上限以下であると、上記層(A)の成形が容易になる。
上記ポリビニルアセタール樹脂に含まれているアセタール基の炭素数は特に限定されない。上記ポリビニルアセタール樹脂を製造する際に用いるアルデヒドは特に限定されない。上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基の炭素数は3又は4であることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基の炭素数が3以上であると、上記層(A)のガラス転移温度が充分に低くなる。
上記アルデヒドは特に限定されない。上記アルデヒドとして、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドとしては、例えば、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド又はn−バレルアルデヒドが好ましく、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド又はイソブチルアルデヒドがより好ましく、n−ブチルアルデヒドが更に好ましい。上記アルデヒドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率(水酸基量)は、好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上、更に好ましくは18モル%以上、好ましくは40モル%以下、より好ましくは35モル%以下、更に好ましくは25モル%以下である。上記水酸基の含有率が上記下限以上であると、上記層(A)の耐湿性がより一層高くなる。上記水酸基の含有率が上記上限以下であると、上記層(A)の柔軟性が高くなり、取扱いが容易になる。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠して、原料となるポリビニルアルコールの水酸基が結合しているエチレン基量を測定することにより求めることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度(アセチル基量)は、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは0.3モル%以上、更に好ましくは0.5モル%以上、特に好ましくは15モル%以上、好ましくは30モル%以下、より好ましくは25モル%以下、更に好ましくは20モル%以下である。上記アセチル化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤の相溶性が高くなる。上記アセチル化度が上記上限以下であると、上記層(A)及び合わせガラスの耐湿性がより一層高くなる。
上記アセチル化度は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。上記アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合はブチラール化度)は、好ましくは60モル%以上、より好ましくは63モル%以上、好ましくは85モル%以下、より好ましくは75モル%以下、更に好ましくは70モル%以下である。上記アセタール化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。
上記アセタール化度は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。
上記アセタール化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、アセチル基量と水酸基の含有率とを測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、次いで、100モル%からアセチル基量と水酸基の含有率とを差し引くことにより算出され得る。
なお、ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である場合には、上記アセタール化度(ブチラール化度)およびアセチル基量は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出され得る。
上記層(A)における上記熱可塑性樹脂の含有量は、上記層(A)100重量%中、好ましい下限は10重量%、好ましい上限は99重量%、より好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は95重量%、更に好ましい下限は50重量%、更に好ましい上限は90重量%である。
更に、上記層(A)は可塑剤を含有することが好ましい。
上記層(A)に含まれている可塑剤は特に限定されない。上記可塑剤として、従来公知の可塑剤を用いることができる。上記可塑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記可塑剤としては、例えば、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等などの有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸可塑剤及び有機亜リン酸可塑剤などのリン酸可塑剤等が挙げられる。なかでも、有機エステル可塑剤が好ましい。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
上記一塩基性有機酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、グリコールと一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル、並びにトリエチレングリコール又はトリプロピレングリコールと一塩基性有機酸とのエステル等が挙げられる。上記グリコールとしては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びトリプロピレングリコール等が挙げられる。上記一塩基性有機酸としては、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、n−ノニル酸及びデシル酸等が挙げられる。
上記多塩基性有機酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。上記多塩基性有機酸としては、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等が挙げられる。
上記有機エステル可塑剤としては、特に限定されず、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、及びリン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物等が挙げられる。これら以外の有機エステル可塑剤を用いてもよい。
上記有機リン酸可塑剤としては、特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート及びトリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)及びトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)の内の少なくとも1種を含むことが好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを含むことがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記可塑剤の含有量は25〜50重量部であることが好ましい。上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記可塑剤の含有量は、より好ましくは30重量部以上、より好ましくは50重量部以下である。上記可塑剤の含有量が上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。上記可塑剤の含有量が上記上限以下であると、合わせガラス用中間膜の透明性がより一層高くなる。
上記層(A)は、低揮発性有機溶剤、ショ糖脂肪酸エステル等の保留剤、非カチオン性界面活性剤、安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等の従来公知の添加物を含有してもよい。
上記層(A)の層厚は特に限定されないが、合わせガラスとして最小限必要な耐貫通性を考慮すると、実用的には、好ましい下限が0.1mm、好ましい上限が1.0mmであり、より好ましい下限が0.3mm、より好ましい上限が0.8mmである。
上記層(B)の酸素透過率は1000mL/m・day・MPa以下である。上記層(B)の酸素透過率を制御することにより、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜を製造することができる。
上記層(B)の酸素透過率を1000mL/m・day・MPa以下にする方法は特に限定されないが、例えば、酸素透過率が低い樹脂を用いる方法、無機酸化物層を有する層(B)を用いる方法、層(B)の厚みを制御する方法等が挙げられる。なかでも、層(B)の厚みを制御する必要がないことから、酸素透過率が低い樹脂を用いる方法又は無機酸化物層を有する層(B)を用いる方法が好ましい。
上記酸素透過率が低い樹脂は、厚み80μmの樹脂膜を形成し、20℃、65%RHの恒温恒湿環境下にて、JIS K7126Bに準拠した方法により、上記樹脂膜の酸素透過率を測定した場合、上記樹脂膜の酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下となる樹脂が好ましい。
上記酸素透過率が低い樹脂は特に限定されないが、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン−6、ポリメタキシレンアジパミド、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリグリコール酸等が挙げられる。上記酸素透過率が低い樹脂を用いることにより、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜が得られる。なかでも、上記酸素透過率が低い樹脂は、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン共重合体又はエチレン−ビニルアルコール共重合体であることが好ましく、ポリ塩化ビニリデン又はエチレン−ビニルアルコール共重合体であることがより好ましい。
上記層(B)における上記酸素透過率が低い樹脂の含有量は、上記層(B)100重量%中、好ましい下限は1重量%、好ましい上限は99重量%、より好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は98重量%、更に好ましい下限は50重量%、更に好ましい上限は97重量%である。上記酸素透過率が低い樹脂の含有量が上記下限以上であると、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜が得られる。上記酸素透過率が低い樹脂の含有量が上記上限以下であると、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜が得られる。
上記無機酸化物層を有する層(B)は、少なくとも、無機酸化物層と基材とを有することが好ましい。
上記無機酸化物として、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化チタン、酸化ジルコニア等が挙げられる。酸素透過率を低下させる効果に優れることから、上記無機酸化物は酸化アルミニウム又は酸化ケイ素であることが好ましい。
上記基材として、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム等の樹脂フィルムが挙げられる。
上記層(B)の層厚は特に限定されないが、合わせガラスとして最小限必要な耐貫通性を考慮すると、実用的には、好ましい下限が0.001mm、好ましい上限が0.3mmであり、より好ましい下限が0.005mm、より好ましい上限が0.1mmである。
上記合わせガラス用中間膜は、上記層(A)と上記層(B)とを有すればよく、上記層(A)と上記層(B)とが直接積層されていてもよく、上記層(A)と上記層(B)とが他の層を介して積層されていてもよい。特に、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性が得られることから、2層の上記層(B)の間に、上記層(A)が積層されていることが好ましい。また、層(B)は2種類以上の異なる層(B)が積層されていてもよい。
また、合わせガラスの耐貫通性を向上させるために、合わせガラス用中間膜の最外層として、ポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂を含有する最外層(以下、層(C)ともいう)を形成することが好ましい。例えば、上記層(C)と上記層(B)と上記層(A)と上記層(B)と上記層(C)とがこの順で積層された合わせガラス用中間膜は、長期間保管しても優れたサーモクロミック性を有するだけではなく、優れた耐貫通性を得ることができる。
上記層(C)は熱可塑性樹脂及び可塑剤を含有することが好ましい。
上記層(C)に含まれる熱可塑性樹脂及び可塑剤として、上述した熱可塑性樹脂及び可塑剤を用いることができる。
上記層(C)の層厚は特に限定されないが、合わせガラスとして最小限必要な耐貫通性を考慮すると、実用的には、好ましい下限が0.01mm、好ましい上限が0.5mmであり、より好ましい下限が0.1mm、より好ましい上限が0.4mmである。
本発明の合わせガラス用中間膜を製造する方法は特に限定されないが、上記層(A)及び上記層(B)をそれぞれ成形した後に、上記層(A)と上記層(B)とを積層する方法や、上記層(A)を形成するための樹脂組成物と、上記層(B)を形成するための樹脂組成物又は樹脂とを共押出する方法等が挙げられる。
特に、上記層(A)を製造する際には、上述した二酸化バナジウム粒子を分散させた分散液を用いることが好ましい。
上記樹脂組成物を混合する方法として、押出機、プラストグラフ、ニーダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール等を用いる方法が挙げられる。なかでも、連続的な生産に適することから、押出機を用いる方法が好適である。
本発明の合わせガラス用中間膜が、2枚の透明板の間に挟み込まれている合わせガラスもまた、本発明の1つである。
本発明の合わせガラスの製造方法は特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。
上記透明板は特に限定されず、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラス、グリーンガラス等の無機ガラス等が挙げられる。また、ポリカーボネートやポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記2枚の透明板は、同種の透明板であってもよいし、異種の透明板であってもよい。異種の透明板の組み合わせは、例えば、透明フロート板ガラスとグリーンガラスのような着色された板ガラスとの組み合わせや、無機ガラスと有機プラスチックス板との組み合わせ等が挙げられる。
本発明によれば、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されない。
(実施例1)
(1)二酸化バナジウム粒子分散液の調製
二酸化バナジウム粒子((WO)2重量%(VO)98重量%、NanoAmor社製)3重量部と、分散剤として縮合リシノール酸ポリグリセリンエステル(SYグリスターCR−ED、阪本薬品工業社製)1重量部と、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)28重量部とをビーズミルで混合し、二酸化バナジウム粒子分散液を得た。
(2)層(A)を形成するための樹脂組成物Aの製造
二酸化バナジウム粒子分散液32重量部とポリビニルブチラール樹脂(水酸基の含有率30.5モル%、アセチル基量1モル%、平均重合度が1700であるポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでブチラール化して得られた樹脂)72重量部とを混合し、層(A)を形成するための樹脂組成物Aを得た。
(3)層(B)を形成するための樹脂B
ポリ塩化ビニリデン(サランUB、旭化成ケミカルズ社製)を、層(B)を形成するための樹脂Bとした。
(4)層(C)を形成するための樹脂組成物C
トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)28重量部とポリビニルブチラール樹脂(水酸基の含有率30.5モル%、アセチル基量1モル%、平均重合度が1700であるポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでブチラール化して得られた樹脂)72重量部とを混合し、層(C)を形成するための樹脂組成物Cを得た。
(5)合わせガラス用中間膜の作製
得られた樹脂組成物A、樹脂B及び樹脂組成物Cを、共押出機を用いて共押出することにより、層(C)(厚み260μm)と、層(B)(厚み80μm)と、層(A)(厚み80μm)と、層(B)(厚み80μm)と、層(C)(厚み260μm)とがこの順に積層された合わせガラス用中間膜を得た。
(6)合わせガラスの作製
得られた合わせガラス用中間膜(縦5cm×横5cm)を、2枚の透明なフロートガラス(縦5cm×横5cm、厚さ2mm)の間に挟み、積層体とし、この積層体をゴムバックに入れ、ゴムバック内の圧力−53.2KPa下で100℃まで昇温し、100℃、−53.2KPa下で20分間保持した後に室温まで冷却し、減圧解除を行い、合わせガラスを得た。
(実施例2)
樹脂Bとして、エチレン−ビニルアルコール共重合体(エバールF104B、クラレ社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
(実施例3)
(1)二酸化バナジウム粒子分散液の調製
二酸化バナジウム粒子((WO)2重量%(VO)98重量%、NanoAmor社製)3重量部と、分散剤として縮合リシノール酸ポリグリセリンエステル(SYグリスターCR−ED、阪本薬品工業社製)1重量部と、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)28重量部とをビーズミルで混合し、二酸化バナジウム粒子分散液を得た。
(2)層(A)の作製
二酸化バナジウム粒子分散液32重量部とポリビニルブチラール樹脂(水酸基の含有率30.5モル%、アセチル基量1モル%、平均重合度が1700であるポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでブチラール化して得られた樹脂)72重量部とを混合し、層(A)を形成するための樹脂組成物Aを得た。得られた樹脂組成物Aを150℃で熱プレスすることにより、厚み80μmの層(A)を作製した。
(3)層(B)の作製
層(B)として、アルミナ蒸着PETフィルム(厚み12μm、マックスバリア01、東セロ社製)を用いた。
(4)層(C)の作製
トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)28重量部とポリビニルブチラール樹脂(水酸基の含有率30.5モル%、アセチル基量1モル%、平均重合度が1700であるポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでブチラール化して得られた樹脂)72重量部とを混合し、層(C)を形成するための樹脂組成物Cを得た。得られた樹脂組成物Cを150℃で熱プレスすることにより、厚み330μmの層(C)を作製した。
(5)合わせガラス用中間膜の作製
層(C)(厚み330μm)と、層(B)(厚み12μm)と、層(A)(厚み80μm)と、層(B)(厚み12μm)と、層(C)(厚み330μm)とをこの順に積層し、150℃で熱プレスすることにより、厚みが764μmの合わせガラス用中間膜を得た。
なお、層(B)のアルミナが蒸着された側が層(A)と接するように積層した。
(6)合わせガラスの作製
得られた合わせガラス用中間膜(縦5cm×横5cm)を、2枚の透明なフロートガラス(縦5cm×横5cm、厚さ2mm)の間に挟み、積層体とし、この積層体をゴムバックに入れ、ゴムバック内の圧力−53.2KPa下で100℃まで昇温し、100℃、−53.2KPa下で20分間保持した後に室温まで冷却し、減圧解除を行い、合わせガラスを得た。
(比較例1)
二酸化バナジウム粒子((WO)2重量%(VO)98重量%、NanoAmor社製)0.3重量部と、分散剤として縮合リシノール酸ポリグリセリンエステル(SYグリスターCR−ED、阪本薬品工業社製)0.5重量部と、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)28重量部とをビーズミルで混合し、二酸化バナジウム粒子分散液を得た。
二酸化バナジウム粒子分散液28.8重量部とポリビニルブチラール樹脂(水酸基の含有率30.5モル%、アセチル基量1モル%、平均重合度が1700であるポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでブチラール化して得られた樹脂)72重量部とを混合し、混合物を得た。得られた混合物を、押出機を用いて押出することにより、厚みが760μmである合わせガラス用中間膜を得た。
更に、実施例1と同様にして、合わせガラスを得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた合わせガラス用中間膜及び合わせガラスについて以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)合わせガラス用中間膜と層(B)の酸素透過率の評価
20℃、65%RHの恒温恒湿環境下にて、JIS K7126Bに準拠した方法により、実施例及び比較例にて得られた合わせガラス用中間膜の酸素透過率を測定した。
更に、実施例1及び2については、酸素透過率の評価用サンプルとして作製した層(B)(厚み80μm)の酸素透過率を測定した。実施例3については、アルミナ蒸着PETフィルム(厚み12μm、マックスバリア01、東セロ社製)の酸素透過率を測定した。
(2)サーモクロミック性の評価
直記分光光度計(日立ハイテク社製、U−4000)を用いて、JIS R 3106に準拠した方法により、作製直後の合わせガラスの10℃及び50℃における赤外線透過率TIRを測定した。
更に、20℃、65%RHの恒温恒湿環境下に100日間保管した合わせガラスの10℃及び50℃における赤外線透過率TIRを測定した。
なお、合わせガラスを10℃又は50℃に調整した室内に30分間放置することにより、合わせガラスの温度が充分に均一になってから、赤外線透過率の測定を行った。
Figure 2012072039
本発明によれば、長期間保管しても、優れたサーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供することができる。

Claims (7)

  1. 二酸化バナジウム粒子を含有する合わせガラス用中間膜であって、前記合わせガラス用中間膜の酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下であることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. ポリ塩化ビニリデン又はエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有することを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
  3. 二酸化バナジウム粒子を含有する合わせガラス用中間膜であって、前記二酸化バナジウム粒子を含有する層(A)と、酸素透過率が1000mL/m・day・MPa以下である層(B)とが積層されていることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  4. 層(B)はポリ塩化ビニリデン又はエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有することを特徴とする請求項3記載の合わせガラス用中間膜。
  5. 層(B)は無機酸化物層を有することを特徴とする請求項3記載の合わせガラス用中間膜。
  6. 2層の層(B)の間に、層(A)が挟み込まれていることを特徴とする請求項3、4又は5記載の合わせガラス用中間膜。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の合わせガラス用中間膜が、2枚の透明板の間に挟み込まれていることを特徴とする合わせガラス。
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