以下、本発明に係る冷蔵庫についてその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る冷蔵庫1の正面図である。図2は、図1のII−II線による断面図であり、図3は、図1のIII−III線による断面図である。冷蔵庫1は、一面が開口した直方体状の外箱1a及び該外箱1aの内側に設けられた直方体状の内箱1bとを備える。内箱1bの一面は、開口しており、外箱1aの前記一面と同一の側に位置している。
外箱1a及び内箱1bの間には発泡断熱材1c、例えばウレタン発泡剤が充填されている。冷蔵庫1は、その使用時には、載置面に対して、外箱1a及び内箱1bの夫々の長手方向が垂直となり、開口部分を有する一面が正面となる。
内箱1b内の空間には、載置面の反対に位置する天面の側から載置面側にかけ、所定距離を隔てて載置面に水平な断熱壁2及び3が設けられている。断熱壁2及び3により、冷蔵庫1は三つの空間に分離されている。断熱壁2及び3夫々の内部には、発泡断熱材、例えば、ウレタン発泡剤が充填されている。
内箱1bにおいて、断熱壁2よりも天面側の部分は、収容された物体を冷蔵する冷蔵室10を形成している。冷蔵室10の室温は、例えば2〜4℃程度に設定される。また、断熱壁3よりも載置面側の部分は、収容された物体を冷凍する第一冷凍室11を形成している。第一冷凍室11の室温は例えば−18℃以下になるように設定される。
断熱壁2及び3の間の空間は、載置面に垂直な断熱壁(図示せず)により分離し、分離した空間は、夫々正面が開口している。分離した一方の空間には、野菜などの物体を冷蔵する野菜室12が形成されている。野菜室12の室温は、例えば、7〜10℃程度に設定される。なお野菜室12は冷蔵室の一種である。
また、分離した他の空間は載置面に平行な断熱壁4により断熱壁2及び3の対向方向に分離し、断熱壁2の側に氷を製造する製氷室13が、断熱壁3の側に、収容された物体を冷凍する第二冷凍室14が形成されている。製氷室13及び第二冷凍室14の室温は、例えば、−18℃以下になるように設定される。なお、製氷室13は、冷凍室の一種である。
冷蔵庫1においては、冷蔵室10、第一冷凍室11、野菜室12、製氷室13及び第二冷凍室14が貯蔵室をなす。
冷蔵室10の断熱壁2側には、チルド室10aが設けてあり、チルド室10aから天面側にかけて収納棚10b、10b、10bが設けてある。また、断熱壁2には冷蔵室10から野菜室12へ貫通する孔2aが設けられている。
冷蔵室10の正面には、冷蔵室10を開閉する両開き式の扉10c、10dが設けられている。扉10c及び10d夫々の内面には、物体(例えば瓶、缶又はチューブ容器入りの食品)を収納する三つの収納ポケット10e、10e、10eが設けてある、
第一冷凍室11には、断熱壁3の側の一面が開口した箱型の第一冷凍室ケース11aが正面から内奥に摺動可能に設けられている。また、第一冷凍室11には、両側壁夫々に案内溝(図示せず)が設けられ、第一冷凍室ケース11aには、前記案内溝を移動する被案内部(図示せず)が設けられている。また、断熱壁3には、開口3aが設けられており、第一冷凍室11は、第二冷凍室14に連通している。
野菜室12には、断熱壁2の側の一面が開口した箱型の野菜室ケース12aが正面から内奥に摺動可能に設けられている。野菜室12には、両側壁夫々に案内溝(図示せず)が設けられ、野菜室ケース12aには、前記案内溝を移動する被案内部(図示せず)が設けられている。
製氷室13には、断熱壁2の側の一面が開口した箱型の製氷室ケース13aが正面から内奥にかけて摺動可能に設けられている。製氷室13には、両側壁夫々に案内溝(図示せず)が設けられ、製氷室ケース13aには、前記案内溝を移動する被案内部(図示せず)が設けられている。また、断熱壁4には、開口4aが設けられており、製氷室13及び第二冷凍室14は連通している。
第二冷凍室14には、製氷室13の側の一面が開口した箱型の第二冷凍室ケース14aが正面から内奥にかけて摺動可能に設けられている。第二冷凍室14には、両側壁夫々に案内溝(図示せず)が設けられ、第二冷凍室ケース14aには、前記案内溝を移動する被案内部(図示せず)が設けられている。
冷蔵室10、第一冷凍室11、野菜室12、製氷室13及び第二冷凍室14夫々の内奥には、載置面側から天面側にかけて延びた仕切り板20が設けてある。仕切り板20及び内箱1bの間には冷気通路21が形成されている。
冷気通路21内において、第一冷凍室11の内奥側には、冷却器30が設けられている。内箱1b内にて、冷却器30に対して冷蔵庫1の載置面側には、冷却器30の除霜を行うためのガラス管のヒータ31が設けられている。
一方で、冷却器30のヒータ31の反対側には、第一冷凍室11、製氷室13及び第二冷凍室14に冷気を送風するための冷凍室送風機32が設けられている。冷却器30及びヒータ31と、仕切り板20との間には、冷気通路21を第一冷凍室11側とその反対側とに分離する分離板22が設けられている。
冷気通路21内において、断熱壁2の付近に冷気通路21を天面側と載置面側とに区切る隔壁部23が設けてある。隔壁部23には、天面側及び載置面側に貫通する孔23aが設けられている。
隔壁部23の天面側には、孔23aを開閉する電動式のダンパ33が設けられている。ダンパ33よりも更に天面側には、冷蔵室10に冷気を送風するための冷蔵室送風機34が設けられている。
更に仕切り板20には、第一冷凍室11、製氷室13及び第二冷凍室14夫々に対応する位置に、冷凍用冷気供給孔21aが設けてあり、冷蔵室10に対応する位置に冷気を供給する冷蔵用冷気供給孔21bが設けられている。
冷蔵室10において、仕切り板20の天面側の端部には、天板24が設けてあり、該天板24と内箱1bとの間に冷気通路21に連通する天面側冷気通路24aが形成されている。天面側冷気通路24aには、冷蔵室10に冷気を供給する冷蔵用冷気供給孔24bが設けられている。
野菜室12及び断熱壁3の間には、冷気通路12bが設けられており、第一冷凍室11よりも内奥側には、冷気通路12cが設けられている。冷気通路12b及び冷気通路12cは連結しており、冷気通路12cを通過した冷気は、冷却器30に戻る。
第一冷凍室11よりも内奥側にて、ヒータ31よりも載置面側には、機械室25が設けられている。機械室25内には、圧縮機35が配置され、電装部36が設けられている。圧縮機35には、冷却器30と、凝縮器及び膨脹器(図示せず)とが接続されている。圧縮機35の作動により冷媒、例えば、イソブタンが循環して、冷凍サイクルが運転される。これにより、冷却器30が冷凍サイクルの低温側となる。
電装部36は、ヒータ31、冷凍室送風機32、ダンパ33、冷蔵室送風機34及び圧縮機35を制御する制御装置40を有する。図4は、冷蔵庫1の制御系の概略構成を示すブロック図である。冷蔵庫1は商用電源5に接続されており、該商用電源5から供給される電力により駆動される。
制御装置40は、CPU等を有する制御部41、ROM、RAM及び不揮発性メモリ等を有する記憶部42、計時部43、測定部44及び入出力部45を有する。入出力部45には、ヒータ31、冷凍室送風機32、ダンパ33、冷蔵室送風機34及び圧縮機35、より詳しくはこれらの駆動回路が接続されている。
制御部41は、記憶部42に記憶された制御プログラムを読み出し、入出力部45を介してヒータ31、冷凍室送風機32、ダンパ33、冷蔵室送風機34及び圧縮機35に動作指令を出力し、これらを作動させる。
制御部41は、冷蔵庫1の中を冷却する必要がある場合、例えば、温度センサ(図示せず)により冷蔵庫1の中の温度上昇を検知した場合、圧縮機35を作動させる。
作動した圧縮機35は、気体状の冷媒を圧縮する。圧縮された気体状の冷媒は、凝縮器における放熱により液体状になり、毛細管により減圧される。冷却器30は、減圧された液体状の冷媒を気化させることにより、周囲の空気を冷却し、冷気を発生させる。
以下、冷気の循環について説明する。図2及び図3の矢印は、冷気の循環を示している。制御部41は、冷凍室送風機32を作動させる。これにより、冷却器30が発生させた冷気は、冷蔵庫1の正面側及び天面側に送出される。送出された冷気は、冷気通路21を通流し、冷凍用冷気供給孔21aを通って、第一冷凍室11、製氷室13及び第二冷凍室14に供給される。
冷凍室送風機32から送出された直後の冷気は−40℃程度であり、第一冷凍室11、製氷室13及び第二冷凍室14は夫々、冷凍室送風機32に近いので、第一冷凍室11、製氷室13及び第二冷凍室14に貯蔵された物体は冷凍される。
更に、冷蔵室10を冷却する必要がある場合には、制御部41は、ダンパ33を作動させて孔23aを開放し、また、冷蔵室送風機34を作動させる。孔23aが開放されている場合、冷蔵室送風機34の作動により、冷気は更に天面側に通流し、冷蔵用冷気供給孔21bを通ることで冷蔵室10内に供給される。また、天面側冷気通路24aにも冷気は送出され、冷蔵用冷気供給孔24bを通って、冷蔵室10内に供給される。
冷蔵用冷気供給孔24bを通って冷蔵室10内に供給された冷気は、収納ポケット10eに収容された物体を効率よく冷却する。冷蔵室10に供給される冷気は、第一冷凍室11、製氷室13及び第二冷凍室14に供給される冷気よりも温度が高くなっており、冷蔵室10の室温は2〜4℃程度になる。
冷蔵室10内に供給された冷気は、断熱壁2に設けられた孔2aを通って野菜室12に至る。野菜室12に供給される冷気は、冷蔵室10に供給される冷気よりも温度が高くなっており、野菜室12の室温は、7〜10℃程度になる。野菜室12に供給された冷気は、冷気通路12b及び12cを通り冷却器30に至る。
製氷室13内の冷気は、断熱壁4に設けられた開口4aを通って、第二冷凍室14に移動する。また、第二冷凍室14内の冷気は、開口3aを通って、第一冷凍室11に移動する。第一冷凍室11の冷気は、冷蔵庫1の載置面側における第一冷凍室11及び内箱1bの間の隙間を通り、分離板22及び内箱1bの間に形成された通路を通って冷却器30に至る。
上述の如く、冷気が冷蔵庫1内を循環し、冷蔵庫1内に貯蔵された物体が冷却される。しかしながら、冷却器30が冷気を発生させた場合、空気中の水分が冷却され、冷却器30に霜が付着する。冷却器30が繰り返し冷気を発生させた場合、冷却器30に付着する霜の量が増え、冷気の生成効率が低下し、冷蔵庫1の機能が低下する。したがって、冷蔵庫1は、定期的に冷却器30の除霜を行う必要がある。
冷却器30の除霜は、制御部41がヒータ31を作動させることにより行われる。また、ヒータ31を作動させた後は冷蔵庫1内の温度が上昇するので、制御部41は、圧縮機35を作動させ、所定温度まで冷却する。実施の形態1に係る冷却器30の除霜及び該除霜後の冷却は、以下に説明する態様で行われる。
初めに、冷蔵庫1の駆動開始時に、制御部41は、記憶部42に記憶された測定プログラムを読み出して、冷蔵庫1の駆動開始時からの一日における商用電源5の電圧を測定部44に測定させる。前記測定プログラムは、24時間における電圧の測定時点及び測定回数を定めている。測定部44は、測定した電圧を記憶部42に記憶させる。
制御部41は記憶部42に記憶された電圧の測定値から、前記一日の電圧の平均値を算出する。その後、制御部41は、測定した電圧の経時的な変動において、前記平均値よりも高い期間を高電圧期間として特定する。
図5は、商用電源5の電圧の一日における変動の例を示すグラフである。図5において、Xは一日の電圧の平均値220Vを示す直線であり、A及びBは、高電圧期間を示している。Aは冷蔵庫1の駆動開始後から5時間後から8時間後までの3時間の期間であり、Bは冷蔵庫1の駆動開始後12時間後から19時間後までの7時間である。
商用電源5は一定の電圧になるように電力会社が制御して供給しているが、電力消費が大きくなると送電や変電による電圧降下が増えるので、各家庭に供給される電圧が低下する。更に、消費電力が発電所や変電所での電力供給能力に近づいてくると、一定電圧を維持できなくなり供給電圧が低下する。このように、商用電源であっても電力消費量によって各家庭に供給される電圧が変動する。
したがって、図5において、高電圧期間であるA及びBは、電力消費量が比較的少ない期間であると推測できる。
次に、制御部41は、冷却器30の除霜を行う除霜時間帯を決定する。図6は、除霜時間帯を決定する制御部の処理の手順を示すフローチャートである。記憶部41は、冷却器30の一回の除霜に費やす除霜時間と、該除霜後の前記圧縮機の作動に費やす作動時間とを記憶している。
制御部41は、商用電源の電圧を測定部44に測定させた一日の中に、前記除霜時間及び除霜後の圧縮機35の作動時間の合計時間以上の長さの高電圧期間が存在するか否かを判定する(S1)。制御部41は、合計時間以上の長さの高電圧期間が存在しないと判定した場合(S1:NO)、除霜時間帯の特定を行わず、その処理を終了する。
制御部41は、合計時間以上の長さの高電圧期間が存在すると判定した場合(S1:YES)、合計時間以上の長さの高電圧期間が複数存在するか否かを判定する(S2)。制御部41は、合計時間以上の長さの高電圧期間が複数存在すると判定した場合(S2:YES)、複数の中で最長の高電圧期間を除霜時間帯として特定する(S3)。
また、制御部41は、合計時間以上の長さの高電圧期間が単一であると判定した場合(S2:NO)、該単一の高電圧期間を除霜時間帯として特定する(S4)。
上述の如く除霜時間帯を決定する場合、例えば除霜時間が30分で、除霜後の圧縮機35の作動時間が1時間であるとき、図5においては、A及びBが前記除霜時間及び除霜後の圧縮機35の作動時間の合計時間以上の長さの高電圧期間となる。よって、制御部41は、A及びBの内、最長の期間であるBを除霜時間帯として特定する。
一方で、制御部41は、冷蔵庫1の駆動開始時から計時部43に計時を開始させ、24時間ごとにリセット及びスタートを行う。制御部41は、除霜時間帯の特定後は、計時部43が計時した時間に基づいて、除霜時間帯が訪れるごとに自動でヒータ31を作動させ、冷却器30の除霜を行う。一方で、除霜時間帯を特定しなかった場合は、任意の態様で定期的に冷却器30の除霜を行う。
以上により、除霜時間帯を特定した場合、特定後において、除霜時間帯は高電圧期間であると推定できる。よって、冷蔵庫1は、定期的に、電力消費の大きい除霜及び除霜後の冷却を高電圧期間と推定される時間帯に終了できる。したがって、冷蔵庫1は、外部からの情報がなくとも、電力消費を平準化するように動作させることが可能となる。
また、高電圧期間は、夜又は早朝等の人間の活動が少ない時間帯であると推測することができる。したがって、各家庭においても除霜時間帯は電力消費量が少なくなると推測され、消費電力が増加する除霜及び除霜後の圧縮機35の作動を行っても、各家庭での消費電力が規定値を超えてブレーカがおちてしまうことを防ぐことができる。
更に、計時部43の計時機能のみを用いているので、現在時刻の情報がない場合、例えば冷蔵庫1に時計機能がない場合でも、高電圧期間と推定される除霜時間帯に除霜を行うことができる。
なお、除霜時間及び除霜後の圧縮機35の作動時間は、夫々30分及び1時間に限られず、その他の長さであってもよく、一回の除霜におけるヒータ31の作動は、継続的又は断続的な作動の何れでもよい。
また、除霜時間帯は、一日の電圧の平均値よりも高い期間である高電圧期間から決定する構成でなく、一日の電圧の最高電圧となった時を含み、除霜時間及び除霜後の圧縮機35の作動時間の合計時間以上の長さとなる期間から決定する構成であってもよい。これにより、除霜及び除霜後の圧縮機35の作動をより商用電源5の電圧が高いと推定される期間に行わせることが可能となる。
また、一日の電圧の平均値でなく、所定の電圧よりも高い電圧となる期間を高電圧期間としてもよい。所定の電圧は、商用電源5の仕様下限電圧よりも高くすることが好ましい。これにより、消費電力が増加する除霜及び除霜後の圧縮機35の作動によって商用電圧が仕様電圧以下となり、他の電気機器の動作が不安定となることを防止できる。
また、除霜時間及び作動時間の合計時間以上の長さの高電圧期間を特定する構成でなく、除霜時間以上の長さの高電圧期間の時間帯を特定する構成であってもよい。この構成によっても、電力消費の大きい除霜を高電圧期間と推定される時間帯に終了できる。
更に、除霜時間及び作動時間の合計時間以上の長さの高電圧期間の時間帯を特定する構成としたが、前記合計時間を考慮せず、高電圧期間の時間帯を特定し、該時間帯に除霜を自動で行う構成としてもよい。この構成によれば、電力消費の大きい除霜を高電圧期間と推定される時間帯に行うことができる。
また、電圧の測定は冷蔵庫1の駆動開始時の一日でなく、その他の任意の一日であってもよい。また、電圧の測定期間は、一日分のみに限定されるものではなく、一日より長くても短くてもよい。更に、一日分の電圧を測定した後も、継続的に電圧の測定を行い続け、電圧が前記一日分の平均値よりも高くなった場合に除霜を自動で行う構成としてもよい。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2に係る冷蔵庫1についてその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。実施の形態2に係る冷蔵庫1の構成の内、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
実施の形態2において、制御部41は、実施の形態1と同様に測定部44に電圧を測定させ、高電圧期間を特定する。更に、制御部41は、全ての高電圧期間を、除霜を行う除霜時間帯として特定する。これにより、特定後の一日の中の除霜時間帯は、高電圧期間と推定できる。
制御部41は、圧縮機35を作動させる度に、圧縮機35を作動開始と同時に計時部43に計時を開始させ、圧縮機35の停止と同時に計時を終了させることにより、圧縮機35の作動時間を計時する。ただし、制御部41は、ヒータ31を作動させている間は、圧縮機35を作動させない。
制御部41は、圧縮機35の作動時間の計時の度にその積算値を算出する。記憶部42は、圧縮機35の作動時間の積算値の閾値を記憶している。更に記憶部42は実施の形態1と同様に、冷却器30の一回の除霜に費やす除霜時間を記憶している。
図7は、実施の形態2に係る制御部41が行う処理の手順を示すフローチャートである。制御部41は、測定部44による商用電源5の電圧の測定終了後から定期的に以下の動作を行う。
制御部41は圧縮機35の作動時間の積算値が閾値以上になったか否かを判定する(S11)。制御部41は前記積算値が閾値以上になっていないと判定した場合(S11:NO)、その処理を終了する。
制御部41は前記積算値が閾値以上になったと判定した場合(S11:YES)、判定した時点が、除霜時間帯であるか否かを判定する(S12)。制御部41は、前記積算値が閾値以上になったと判定した時点が、除霜時間帯でないと判定した場合(S12:NO)、その処理を終了する。
制御部41は、前記積算値が閾値以上になったと判定した時点が、除霜時間帯であると判定した場合(S12:YES)、ヒータ31を作動させ、計時部43にヒータ31の作動時間の計時を開始させる(S13)。
その後、制御部41は、積算値をリセットし(S14)、前記除霜時間が経過したか否かを判定する(S15)。制御部41は、前記除霜時間が経過していないと判定した場合(S15:NO)、ステップS15に戻る。
制御部41は、前記除霜時間が経過したと判定した場合(S15:YES)、ヒータ31を停止させ、計時部43にヒータ31の作動時間の計時を終了させる(S16)。制御部41は、ステップS16の終了後、所定時間経過後に、再度ステップS11を開始する。
上記の処理においては、ステップS11が、冷却器30を除霜すべきか否かを判定する判定手段をなす。
上記の構成では、冷蔵庫1は、制御部41が、圧縮機35の積算値が閾値以上になったと判定した時点が除霜時間帯である場合に、冷却器30の除霜を行う。よって、冷蔵庫1は、電力消費の大きい除霜を高電圧期間と推定される除霜時間帯に行うことができる。したがって、冷蔵庫1は、外部からの情報がなくとも、電力消費を平準化するように動作させることが可能となる。
更に、制御部41が圧縮機35の作動時間の積算値により除霜すべきであると判定した時点が除霜時間帯でない場合であっても、制御部41は、ステップS16の終了後、所定時間経過後、再度ステップS11を開始する。したがって、制御部41は、前記場合においても、最終的には、高電圧期間と推定される除霜時間帯に除霜をさせることができる。これにより、冷蔵庫1外からの情報がなくとも、電力消費を平準化するように動作させることをより確実にできる。
なお、制御部41が圧縮機35の作動時間の積算値により除霜すべきであると判定した時点が除霜時間帯でなかった場合(S12:NO)は、除霜時間帯となるまで待った後にステップS13を実行してもよい。
また、冷却器30を除霜すべきか否かを圧縮機35の作動時間の積算値により判定するので、除霜すべき時期を的確に決定することができる。
なお、冷却器30の除霜を行うべきか否かの判断は、圧縮機35の作動時間の積算値により判断する構成でなく、冷却器30が有する温度センサが検出する温度、冷蔵庫1の扉10c、10d等の開閉の回数、又はこれらの組み合わせにより判断する構成でもよい。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3に係る冷蔵庫1についてその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。実施の形態3に係る冷蔵庫1の構成の内、実施の形態1又は2と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
実施の形態3において、制御部41は、実施の形態1又は2と同様に測定部44に電圧を測定させ、高電圧期間を特定する。更に、制御部41は、全ての高電圧期間を、除霜を行う除霜時間帯として特定する。これにより、特定後の一日の中の除霜時間帯は、高電圧期間と推定できる。
制御部41は、圧縮機35を作動させる度に、圧縮機35の作動開始と同時に計時部43に計時を開始させ、圧縮機35の停止と同時に計時を終了させることにより、圧縮機35の作動時間を計時する。ただし、制御部41は、ヒータ31を作動させている間は、圧縮機35を作動させない。
制御部41は、圧縮機35の作動時間の計時の度にその積算値を算出する。記憶部42は、圧縮機35の作動時間の積算値の閾値として第一閾値及び該第一閾値よりも大きい第二閾値を記憶している。更に記憶部42は実施の形態1又は2と同様に、冷却器30の一回の除霜に費やす除霜時間を記憶している。
図8は、実施の形態3に係る制御部41が行う処理の手順を示すフローチャートである。制御部41は、測定部44による商用電源5の電圧の測定終了後から定期的に以下の動作を行う。
制御部41は、計時部43が計時した圧縮機35の作動時間の積算値が、記憶部42に記憶された第二閾値以上になったか否かを判定する(S21)。制御部41は、前記積算値が第二閾値以上になっていないと判定した場合(S21:NO)、前記積算値が第一閾値以上になったか否かを判定する(S22)。
制御部41は、前記積算値が第一閾値以上になっていないと判定した場合(S22:NO)、その処理を終了する。制御部41は、前記積算値が第一閾値以上になったと判定した場合(S22:YES)、判定した時点が除霜時間帯であるか否かを判定する(S23)。
制御部41は、前記積算値が第一閾値以上になったと判定した時点が除霜時間帯でないと判定した場合(S23:NO)、その処理を終了する。制御部41は、前記積算値が第一閾値以上になったと判定した時点が除霜時間帯であると判定した場合(S23:YES)、前記除霜時間帯内に前記積算値が第二閾値に達することが可能か否かを判定する(S24)。より具体的には、制御部41は、第二閾値及び第一閾値の差に相当する時間が、前記積算値が第一閾値以上になったと判定した時点から前記除霜時間帯の終了までに存在しているか否かを判定する。
制御部41は、前記時点を含む除霜時間帯に前記積算値が第二閾値に達することが可能であると判定した場合(S24:YES)、その処理を終了する。制御部41は、前記時点を含む除霜時間帯に第二閾値に達することが可能でないと判定した場合(S24:NO)、ヒータ31を作動させ、計時部43にヒータ31の作動時間の計時を開始させる(S25)。
その後、前記積算値をリセットし(S26)、前記除霜時間が経過したか否かを判定する(S27)。制御部41は、前記除霜時間が経過していないと判定した場合(S27:NO)、ステップS27に戻る。
制御部41は、前記除霜時間が経過したと判定した場合(S27:YES)、ヒータ31を停止させ、計時部43にヒータ31の作動時間の計時を終了させる(S28)。
一方で、制御部41は、前記積算値が第二閾値以上になったと判定した場合(S21:YES)、判定した時点が除霜時間帯であるか否かを判定する(S29)。制御部41は、前記積算値が第二閾値以上になったと判定した時点が除霜時間帯でないと判定した場合(S29:NO)、その処理を終了する。
制御部41は、前記積算値が第二閾値以上になったと判定した時点が除霜時間帯であると判定した場合(S29:YES)、ステップS25からステップS28までの処理を行う。
上記の処理において、ステップS21及びS22が、冷却器30を除霜すべきか否かを判定する判定手段をなす。また、ステップS24が第二閾値に最短時間で達する時点を予測する予測手段をなす。
上記の構成では、冷蔵庫1は、制御部41が、圧縮機35の積算値が第二閾値以上となったと判定した時点が除霜時間帯である場合に、冷却器30の除霜を行う。よって、冷蔵庫1は、電力消費の大きい除霜を高電圧期間と推定される除霜時間帯に行うことができる。したがって、冷蔵庫1は、外部からの情報がなくとも、電力消費を平準化するように動作させることが可能となる。
また、冷蔵庫1は、除霜時間帯に前記積算値が第二閾値に達しないが、第一閾値以上になった場合にヒータを作動させることができる。これにより、前記積算値が第二閾値以上になった後、次の除霜時間帯に入るまで、除霜が行われず、冷却器30の機能が低下するという事態を防止することができる。
なお、制御部41が、圧縮機35の積算値が第二閾値以上となったと判定した時点が除霜時間帯でなかった場合(S29:NO)は、除霜時間帯となるまで待った後に、ステップS25を実行してもよい。
また、冷却器30を除霜すべきか否かを圧縮機35の作動時間の積算値により判定するので、除霜すべき時期を的確に決定することができる。
なお、冷却器30の除霜を行うべきか否かの判断は、圧縮機35の作動時間の積算値により判断する構成でなく、冷却器30が有する温度センサが検出する温度、冷蔵庫1の扉10c、10d等の開閉の回数、又はこれらの組み合わせにより判断する構成でもよい。
本発明に係る冷蔵庫(1)は、気体状の冷媒を圧縮する圧縮機(35)と、該圧縮機(35)による圧縮を経た液体状の前記冷媒の気化により冷気を発生させる冷却器(30)と、該冷却器(30)を除霜するヒータ(31)と、該ヒータ(31)の作動を制御する制御部(41)とを備え、商用電源(5)から供給される電力により駆動される冷蔵庫(1)において、前記商用電源(5)の電圧を測定する測定部(44)を備え、前記制御部(41)は、前記測定部(44)が測定した電圧の値が所定値よりも高い高電圧期間に前記ヒータ(31)を作動させることを特徴とする。
本発明によれば、前記制御部(41)は、高電圧期間にヒータ(31)を作動させるので、電力消費の大きい除霜を高電圧期間に行い、冷蔵庫(1)外からの情報がなくとも、電力消費を平準化するように動作させることが可能となる。
本発明に係る冷蔵庫(1)は、前記冷却器(30)の一回の除霜に費やす除霜時間と、前記除霜後の前記圧縮機(35)の作動に費やす作動時間とが規定されており、前記測定部(44)は、任意の一日分の前記商用電源(5)の電圧を測定し、前記制御部(41)は、前記電圧を測定した一日の内に前記除霜時間及び作動時間の合計時間以上の長さの前記高電圧期間となる時間帯があった場合、前記電圧を測定した一日より後は、前記時間帯に、前記ヒータ(31)の作動を開始させ、前記除霜時間及び作動時間が終了するようにしてあることを特徴とする。
本発明によれば、除霜時間帯は高電圧期間であると推定できる。よって、冷蔵庫(1)は、定期的に、電力消費の大きい除霜及び除霜後の冷却を高電圧期間と推定される除霜時間帯に終了できる。したがって、冷蔵庫(1)は、外部からの情報がなくとも、電力消費を平準化するように動作させることが可能となる。
本発明に係る冷蔵庫(1)は、前記測定部(44)は、任意の一日分の前記商用電源(5)の電圧を測定し、前記制御部(41)は、所定の数値条件により前記冷却器(30)を除霜すべきか否かを判定する判定手段を有し、前記電圧を測定した一日より後は、前記判定手段が除霜すべきであると判定した時点が前記一日の内の前記高電圧期間である場合に、前記ヒータ(31)を作動させるようにしてあることを特徴とする。
本発明によれば、制御部(41)は判定手段が除霜を行うべきであると判定した時点が前記一日の内の高電圧期間である場合にヒータ(31)を作動させる。したがって、冷蔵庫(1)は、確実に前記一日の内の高電圧期間に冷却器(30)の除霜を行うことができる。これにより、冷蔵庫(1)外からの情報がなくとも、電力消費を平準化するように動作させることが可能となる。
本発明に係る冷蔵庫(1)は、前記数値条件は、前記冷却器(30)の除霜が終了した後の前記圧縮機(35)の作動時間の積算値であることを特徴とする。
本発明によれば、数値条件が圧縮機(35)の作動時間の積算値であるので、冷却器(30)を除霜すべき時期を的確に決定することができる。
本発明に係る冷蔵庫(1)は、前記測定部(44)は、任意の一日分の前記商用電源(5)の電圧を測定し、前記制御部(41)は、前記冷却器(30)の除霜が終了した後の前記圧縮機(35)の作動時間の積算値に係る第一閾値及び該第一閾値よりも大きい第二閾値により、前記冷却器(30)を除霜すべきか否かを判定する判定手段と、前記積算値が前記第一閾値以上になった場合に前記第二閾値に最短時間で達する時点を予測する予測手段とを有し、前記電圧を測定した一日より後は、前記積算値が前記第二閾値以上になったと前記判定手段が判定した時点が前記一日の内の前記高電圧期間である場合に前記ヒータ(31)を作動させ、前記判定手段が前記高電圧期間に前記積算値が前記第一閾値以上になったと判定した時点にて、前記予測手段が予測する時点が前記高電圧期間でない場合に前記ヒータ(31)を作動させるようにしてあることを特徴とする。
本発明によれば、冷蔵庫(1)は、制御部(41)が、圧縮機(35)の積算値が第二閾値以上となったと判定した時点が前記一日の内の高電圧期間である場合に、冷却器(30)の除霜を行う。
よって、冷蔵庫(1)は、電力消費の大きい除霜を高電圧期間と推定される除霜時間帯に行うことができる。したがって、冷蔵庫(1)は、外部からの情報がなくとも、電力消費を平準化するように動作させることが可能となる。
また、冷蔵庫(1)は、除霜時間帯に前記積算値が第二閾値に達しないが、第一閾値以上になった場合にヒータ(31)を作動させることができる。これにより、前記積算値が第二閾値以上になった後、次の前記高電圧期間に入るまで、除霜が行われず、冷却器(30)の機能が低下するという事態を防止することができる。
また、冷却器(30)を除霜すべきか否かを圧縮機(35)の作動時間の積算値により判定するので、除霜すべき時期を的確に決定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。即ち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。