JP6384862B2 - ブロー成形金型 - Google Patents

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本発明は、成形適正温度に加熱したプリフォームを、成形金型に挿入して延伸ブローによりボトルに成形するブロー成形装置に関する。
従来、PETボトルのようなブロー成形容器は、成形適正温度に加熱したプリフォームを、成形金型に挿入して延伸ブローによりブロー成形装置で成形されている(特許文献1)。
また、ボトル成形の際のブロー延伸効果を高めるために、前記プリフォーム加熱に対する工夫もなされている(特許文献2、3)。
特開2013−32020号公報(図2) 特開平1−184118号公報(第5図) 特開平5−77314号公報(図1、図8)
先ず、ブロー成形ラインの1例を、図1に基づいて、説明する。
図1は、ブロー成形ラインの平面図である。
図1において、ブロー成形ライン50は、試験管状の有底筒状体に成形されたプリフォームPが、上流から矢印P1の方向へ壁17に囲まれたクリーンルーム51内に供給され、ホイール55を経由して搬送装置61によって図示矢印の方向へ搬送されている間に、ホイール62aとホイール62bに懸架されている搬送区間で加熱装置54により成形適正温度に加熱されて、ホイール64を経由して回転式ブロー成形装置56に受け渡され、延伸ブローによりボトルBに成形された後、ボトルBがホイール65、ホイール66を経て矢印B1方向の次工程へ搬出されるようになっている。
なお、前記プリフォームP或いは成形されたボトルBは、前記搬送装置61に備えられた等ピッチ配置の図示しない容器グリッパに保持されて図示矢印の方向へ搬送されるようになっている。
ブロー成形装置56には、後述するブロー成形金型4が円周等分に配置されており、前記搬送装置61の図示しない容器グリッパと同期して、上流側から搬送されてくるプリフォームPの挿入受渡し、下流側へのブロー成形後のボトルBの排出受渡しがなされるようになっている。
次に、従来のブロー成形金型4について、図4を基に説明する。
図4は、図1の断面V−V図で、従来のブロー成形金型を示す図である。
図4において、ブロー成形金型4は、その口部Pmを図示しない容器グリッパで把持され、鍔部Pnの下部から底部にかけてブロー成形適正温度になっているプリフォームPが、前記受渡しの位置で所定量開閉する2分割構造の上部金型41および底部金型43に挿入受渡しされ、鍔部Pnの下部を挟んだ状態で前記上部金型41および底部金型43の閉作動後に、図の上方から図示しないストレッチロッドをプリフォームPの口部Pmの中心部からプリフォームPの底部内面に向けて挿入され、筒状のストレッチロッドの先端部からブローエアを吹き込まれることによって、前記上部金型41および底部金型43のキャビティ41cおよびキャビティ43cの形状に沿ったブロー成形ボトルBに成形されるようになっている。
前記2分割構造の上部金型41は、該上部金型41に対応した開閉式2分割構造の金型キャリア42に収容されており、前記金型キャリア42には温調配管(A)42Aが設けられて、温度調節された温調液が温度調節器40Aから配管42Pによって図示矢印のように循環送液され、金型キャリア42から上部金型41への熱伝達によって、該上部金型41が所定の温度に保たれるようになっている。
同様に、前記2分割構造の底部金型43には、温調配管(B)43Bが設けられて、温度調節された温調液が温度調節器40Bから配管43Pによって図示矢印のように循環送液され、該底部金型43が所定の温度に保たれるようになっている。
次に、従来のブロー成形金型4の作用を説明する。
ブロー成形金型4の上部金型41は、金型キャリア42が温度調節器40Aにより所定温度に調節された温調液が循環されることによって、成形適正温度に加熱されたプリフォームPを挿入されることによる温度上昇を抑えられるとともに、所定温度よりも低くなった場合には温度を上げられて、ブロー成形に適した温度状態(1例として85℃〜120℃)に保たれ、また、底部金型43も温度調節器40Bで所定の温度に調節された温調液が循環されることによって、ブロー成形に適した温度状態(1例として65℃〜100℃)に保たれる。
しかしながら、従来のブロー成形金型4の技術では、金型キャリア42或いは底部金型43に温度調節器を経由して循環させる温水のような温調液が必要となり、この温調液によって金型キャリア42或いは底部金型43が腐食する恐れがある。
さらに、金型キャリア42或いは底部金型43と温度調節器との間の配管長さが長くなるために温調液の温度が低下し、上部金型41或いは底部金型43の温度にムラが生じて、木目細かい温度調節が難しいという恐れがある。
本発明は、上述の事情に鑑み、温調液のような熱媒体が不要となって金型の腐食の恐れがなく、金型の温度ムラがなく木目細かい温度調節ができるブロー成形金型を提供することを目的としている。
前記の課題に対し、本発明は以下の手段により解決を図る。
(1)本発明の第1の態様のブロー成形金型は、成形適正温度に加熱したプリフォームを、成形金型に挿入して延伸ブローによりボトルに成形するブロー成形装置において、冷却手段を付属した成形金型に電磁誘導コイルを備えて、該成形金型の温度を検出する温度検出器の検出温度が所定温度から下がった際に、温度調節手段によって前記電磁誘導コイルへの通電量を制御して該成形金型を延伸ブロー成形適正温度まで加熱する構成とし、前記成形金型は前記プリフォームの底部に対応する底部金型と、該底部金型の上部に対応する上部金型とを有して、前記プリフォームを前記底部金型に沿った前記ボトルに成形し、前記底部金型及び前記上部金型に、前記冷却手段及び前記電磁誘導コイルが設けられ、前記冷却手段を、該成形金型の外面に設けた冷却フィンで構成したことを特徴とする。
)本発明の第態様のブロー成形金型は、前記第1の態様のブロー成形金型において、該成形金型の材料をアルミ合金で構成したことを特徴とする。
の態様における本発明は、冷却手段を付属した成形金型に電磁誘導コイルを備えて、該成形金型の温度を検出する温度検出器の検出温度が所定温度から下がった際に、温度調節手段によって前記電磁誘導コイルへの通電量を制御して該成形金型を延伸ブロー成形適正温度まで加熱する構成したことにより、温調液を使用することなく、したがって、温調液による腐食がなく、設定温度の調節が容易で温度ムラが少ない成形金型とすることができるという効果を有する。
また、前記冷却手段を、該成形金型の外面に設けた冷却フィンで構成したことにより、成形適正温度に加熱されたプリフォームから受ける熱を逃がしやすく、電磁誘導コイルへの通電による温度調節と相俟って木目細かな温度調節ができるという効果を有する。
第二及び第三の態様における本発明は、請求項1に記載のブロー成形金型において、前記冷却手段を、該成形金型の外面に設けた冷却フィンで、或いは、冷却部と連結され、該成形金型の内部に埋め込まれたヒートパイプで構成したことにより、成形適正温度に加熱されたプリフォームから受ける熱を逃がしやすく、電磁誘導コイルへの通電による温度調節と相俟って木目細かな温度調節ができるという効果を有する。
の態様における本発明は、第1の態様に記載のブロー成形金型において、該成形金型の材料を熱伝導率が高いアルミ合金で構成したことにより、木目細かな温度調節が短時間に行われるという効果を有する。
ブロー成形ラインの平面図である。 図1の断面V−V図で、本発明の実施の形態に係わるブロー成形金型を示す。 図1の断面V−V図で、本発明の参考例に係わるブロー成形金型を示す。 図1の断面V−V図で、従来のブロー成形金型を示す図である。
以下、この発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
(本発明の実施の形態)
本発明の実施の形態を図2に基づいて説明する。
図2は、図1の断面V−V図で、本発明の実施の形態に係わるブロー成形金型を示す。
図2において、先に従来のブロー成形金型を説明した図4と同じ構造のものは同じ記号を付し、重複する説明は省略することがある。
図2において、本発明の実施の形態に係わるブロー成形金型1は、その口部Pmを図示しない容器グリッパで把持され、鍔部Pnの下部から底部にかけて延伸ブロー成形適正温度になっているプリフォームPが、前記受渡しの位置で所定量開閉する開閉式2分割構造の上部金型5(成形金型)および底部金型6(成形金型)に挿入受渡しされ、鍔部Pnの下部を挟んだ状態で前記上部金型5および底部金型6の閉作動後に、図の上方から図示しない筒状のストレッチロッドをプリフォームPの口部Pmの中心部からプリフォームPの底部内面に向けて挿入され、ストレッチロッドの先端部からブローエアを吹き込まれることによって、前記上部金型5および底部金型6のキャビティ5cおよびキャビティ6cの形状に沿ったブロー成形容器Bに成形されるようになっている。
前記開閉式2分割構造の上部金型5には温度検出器8が設けられて、該上部金型5の温度を検出してコントローラ(温度調節手段)10に信号を送り込むようになっている。
また、前記開閉式2分割構造の上部金型5は、該上部金型5に対応した開閉式2分割構造で、外面に冷却手段である冷却フィン11Fが設けられた金型キャリア11に囲まれており、前記金型キャリア11には電磁誘導コイル7Aが備えられ、前記温度検出器8で検出された温度に基づいてコントローラ10からの指令で、図示しない電源からの通電量が制御されて、金型キャリア11から上部金型5への熱伝導によって該上部金型5が所定の温度に保たれるようになっている。
同様に、前記開閉式2分割構造の底部金型6は、冷却手段である冷却フィン6Fが設けられ、電磁誘導コイル7Bが備えられて、図示しない温度検出器で検出された温度に基づいてコントローラ10からの指令で、図示しない電源からの通電量が制御されて所定の温度に保たれるようになっている。
なお、前記上部金型5および金型キャリア11、底部金型6は、アルミ合金材料のような熱伝導率が高いもので製作されている。
次に、本発明の実施の形態に係わるブロー成形金型1の作用を説明する。
ブロー成形金型1の上部金型5は、延伸ブロー成形適正温度に加熱されたプリフォームPが挿入されることにより加熱されるが、金型キャリア11に設けられた冷却フィン11Fからの放熱によって温度上昇が抑えられる。
一方、前記上部金型5は、上部金型5の温度が温度検出器8によって検出され、冷却フィン11Fからの放熱量が多い等により、所定温度よりも低くなった場合には、コントローラ10からの指令で、金型キャリア11に備えられている電磁誘導コイル7Aが通電されて加熱され、所定温度になった時に通電がOFFにされることによって、ブロー成形に適した温度に温度調節が行われる。
また、底部金型6も、延伸ブロー成形適正温度に加熱されたプリフォームPが挿入されることにより加熱されるが、冷却フィン6Fからの放熱によって温度上昇が抑えられ、底部金型6の温度が図示しない温度検出器によって検出され、冷却フィン6Fからの放熱量が多い等により、所定温度よりも低くなった場合には、コントローラ10からの指令で、該底部金型6に備えられている電磁誘導コイル7Bに通電されて加熱され、所定温度になった時に通電がOFFにされることによって、ブロー成形に適した温度に温度調節が行われる。
このようにして、上部金型5および底部金型6の温度が適切に調節され、先に説明した従来技術のような、金型キャリア或いは底部金型に循環させる温水のような温調液或いは温度調節器が不必要となり、また、温調液によって金型キャリア11或いは底部金型6が腐食する恐れもない。
さらに、コントローラ10からの指令による電磁誘導コイル7A或いは電磁誘導コイル7Bの通電による温度調節のため、所定温度への温度調節が短時間に行われやすく、上部金型5或いは底部金型6の温度にムラが少なくなる。
参考例
次に、本発明の参考例について、図3を基に説明する。
図3は、図1の断面V−V図で、本発明の参考例に係わるブロー成形金型を示す。
図3において、図2と同じ構造のものは同じ記号を付し、重複する説明は省略することがある。
図3において、本発明の参考例に係わるブロー成形金型2は、その口部Pmを図示しない容器グリッパで把持され、鍔部Pnの下部から底部にかけて延伸ブロー成形適正温度になっているプリフォームPが、前記受渡しの位置で所定量開閉する開閉式2分割構造の上部金型5および底部金型9に挿入受渡しされ、鍔部Pnの下部を挟んだ状態で前記上部金型5および底部金型9の閉作動後に、図の上方から図示しない筒状のストレッチロッドをプリフォームPの口部Pmの中心部からプリフォームPの底部内面に向けて挿入され、ストレッチロッドの先端部からブローエアを吹き込まれることによって、前記上部金型5および底部金型9のキャビティ5cおよびキャビティ9cの形状に沿ったボトルBに成形されるようになっている。
前記開閉式2分割構造の上部金型5には温度検出器8が設けられて、該上部金型5の温度を検出してコントローラ20に信号を送り込むようになっている。
また、前記開閉式2分割構造の上部金型5は、該上部金型5に対応した開閉式2分割構造で、冷却手段として冷却槽(冷却部)14に連結されたヒートパイプ13が設けられた金型キャリア12に囲まれており、前記金型キャリア12には電磁誘導コイル7Aが備えられ、前記温度検出器8で検出された温度に基づいてコントローラ20からの指令で、図示しない電源からの通電量が制御されて、金型キャリア12から上部金型5への熱伝導によって該上部金型5が所定の温度に保たれるようになっている。
同様に、前記開閉式2分割構造の底部金型9は、図示しない冷却槽に連結された図示しないヒートパイプが設けられ、また、図示しない電磁誘導コイルが備えられて、図示しない温度検出器で検出された温度に基づいてコントローラ20からの指令で、図示しない電源からの通電量が制御されて所定の温度に保たれるようになっている。
なお、前記上部金型5および金型キャリア12、底部金型9は、アルミ合金材料のような熱伝導率が高いもので製作されている。
次に、本発明の参考例に係わるブロー成形金型2の作用を説明する。
ブロー成形金型2の上部金型5は、延伸ブロー成形適正温度に加熱されたプリフォームPが挿入されることにより加熱されるが、金型キャリア12に埋め込まれ、冷却槽14に連結されたヒートパイプ13からの放熱によって温度上昇が抑えられる。
一方、前記上部金型5は、上部金型5の温度が温度検出器8によって検出され、ヒートパイプ13からの放熱量が多い等により、所定温度よりも低くなった場合には、コントローラ20からの指令で、金型キャリア12に備えられている電磁誘導コイル7Aが通電されて加熱され、所定温度になった時に通電がOFFにされることによって、ブロー成形に適した温度に温度調節が行われる。
また、底部金型9も、延伸ブロー成形適正温度に加熱されたプリフォームPが挿入されることにより加熱されるが、図示しないヒートパイプからの放熱によって温度上昇が抑えられる。一方、前記底部金型9は、底部金型9の温度が図示しない温度検出器によって検出され、図示しないヒートパイプからの放熱量が多い等により、所定温度よりも低くなった場合には、コントローラ20からの指令で、該底部金型9に備えられている電磁誘導コイル7Bに通電されて加熱され、所定温度になった時に通電がOFFにされることによって、ブロー成形に適した温度に温度調節が行われる。
1、2 ブロー成形金型
5 上部金型
6、9 底部金型
7A、7B 電磁誘導コイル
8 温度検出器
10、20 コントローラ
11、12 金型キャリア
11F 冷却フィン
13 ヒートパイプ
14 冷却槽
B ブロー成形ボトル
P プリフォーム

Claims (2)

  1. 成形適正温度に加熱したプリフォームを、成形金型に挿入して延伸ブローによりボトルに成形するブロー成形金型において、
    冷却手段を付属した成形金型に電磁誘導コイルを備えて、該成形金型の温度を検出する温度検出器の検出温度が所定温度から下がった際に、温度調節手段によって前記電磁誘導コイルへの通電量を制御して該成形金型を延伸ブロー成形適正温度まで加熱する構成とし、
    前記成形金型は前記プリフォームの底部に対応する底部金型と、該底部金型の上部に対応する上部金型とを有して、前記プリフォームを前記底部金型に沿った前記ボトルに成形し、
    前記底部金型及び前記上部金型に、前記冷却手段及び前記電磁誘導コイルが設けられ
    前記冷却手段を、該成形金型の外面に設けた冷却フィンで構成したことを特徴とするブロー成形金型。
  2. 請求項1に記載するブロー成形金型において、
    該成形金型の材料をアルミ合金で構成したことを特徴とするブロー成形金型。
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