JP2005035164A - 射出成形用金型及び低圧射出成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 射出成形機の外部から冷媒の供給を受けることなく金型を冷却すると共に、射出ユニットの有する樹脂の可塑化能力が小さくとも射出成形サイクルのハイサイクル化を図ることができる射出成形用の金型を提供すること。
【解決手段】 溶融樹脂が充填されるキャビティ22を形成するコアプレート20、20の周囲を熱伝導率の高い材料からなる型板(可動側型板3及び固定側型板5)により囲繞し、この型板3、5の外表面に放熱部材(放熱フィン7や放熱ピン)を突設し、この金型1の周囲に空冷ファンを配設して金型1に対して送風し、キャビティ22内に充填された溶融樹脂の熱を放熱部材及び放熱ファンの組合せにより放熱して冷却し、樹脂成形品を得る。
【選択図】 図3
【解決手段】 溶融樹脂が充填されるキャビティ22を形成するコアプレート20、20の周囲を熱伝導率の高い材料からなる型板(可動側型板3及び固定側型板5)により囲繞し、この型板3、5の外表面に放熱部材(放熱フィン7や放熱ピン)を突設し、この金型1の周囲に空冷ファンを配設して金型1に対して送風し、キャビティ22内に充填された溶融樹脂の熱を放熱部材及び放熱ファンの組合せにより放熱して冷却し、樹脂成形品を得る。
【選択図】 図3
Description
本発明は、溶融樹脂を射出して樹脂成形品を得る射出成形用の金型に関し、更に詳しくは、射出成形操作において溶融樹脂を金型内に射出・充填した後に、空冷ファン及び金型の表面に形成される放熱片部材により金型を冷却して樹脂成形品を得る射出成形用の金型に関する。
樹脂の射出成形加工は、例えば金型のキャビティに熱により溶融した樹脂を射出・充填し、その後冷却・固化して樹脂成形品を得る加工方法であり、その工程は一般的に、1.型締め工程(金型を閉じる工程)、2.射出工程(溶融樹脂をノズルから金型のキャビティに射出する工程)、3.保圧工程(金型内に充填した溶融樹脂のゲート部分が固化するまでの間、樹脂への加圧を維持する工程)、4.冷却工程(金型内の樹脂を冷却する工程)、5.型開き工程(金型を開く工程)、6.取り出し工程(樹脂成形品を金型から取り出す工程)の各工程に分類される。
このような射出成形加工において、射出成形サイクル(1回の射出成形で行われる操作)のハイサイクル化を図り、生産効率を向上させるためには、前記各工程に要する時間を短縮することが要求される。
例えば冷却工程に要する時間(以下、冷却時間と記す)を短縮するため、金型の内部に管状の経路を形成してその経路内に油や水などの流体の冷媒を導入し、金型を強制的に冷却する構成が広く採用されている。このような構成によれば、金型内に形成される冷媒の経路の数、形状や導入する冷媒の種類、温度や量を調整することにより、冷却効率を向上させて冷却時間を短縮することができる。
金型の冷却効率を向上させつつ金型強度の低下を防止する構成としては、金型を大型化して強度を高める構成が広く採用されているほか、例えば、金型のキャビティの直近に小径の冷却管を複数形成し、これらの冷却管に冷気を導入して金型を冷却する構成が提案されている(特許文献1参照)。この構成によれば、金型内部のキャビティの直近に冷却管(冷媒の経路)を形成することにより金型の冷却効率を向上させるものであるが、この冷却管を小径に形成して冷却管が金型の強度に与える影響を抑制するものである。そして冷媒として液体に比較して流動抵抗の小さい冷気(気体)を用いることにより、冷却管が小径であっても効率よく冷気を導入できるものである。
しかしながら特許文献1に記載の構成を含め、金型内に冷却管を形成する構成では金型が大型化するため、射出成形機も大型化する。また、射出成形機の外部から冷媒の供給を受ける必要があるため、射出成形機とは別に冷媒を供給する附帯的な設備(特許文献1に記載の構成では冷気供給源など)が必要となり、このような附帯的な設備がなければ樹脂の射出成形を行えず、射出成形に必要な設備が全体として大がかりなものとなる。
また、射出成形加工の生産効率を向上させる構成として、いわゆる多数個取りの金型(1回の射出成形操作で同時に複数の樹脂成形品を得ることができる金型)を用いる構成も広く採用されており、この構成によれば1回の射出成形操作で得られる樹脂成形品の個数が多いほど生産効率も向上させることができる。しかし得られる樹脂成形品の個数に比例的に金型も大型となるのみならず、射出工程において射出する溶融樹脂の量も増加するため、射出ユニットの有する樹脂の可塑化能力を向上させる必要があり、大型の射出ユニットを用いる必要がある。このため射出成形機が全体として大型化する。
そして射出ユニットの可塑化能力を高めて射出圧力を高くすると、射出工程において溶融樹脂にかかるせん断力も大きくなり、固化した樹脂の内部に応力が残留しやすくなる(いわゆる残留応力)ほか、大きなせん断力によって不必要な発熱が生じ、金型内で溶融樹脂が異常な高温となって変質するおそれもある。また、金型が大型になると金型の冷却速度が不均一となりやすく、1回の射出成形操作で得られる樹脂成形品の間で品質のばらつきが生じやすくなるおそれもある。
このように、射出成形加工における生産効率の向上及び得られる樹脂成形品の品質の維持と、射出成形機及び必要な附帯的設備の小型化・簡略化との両立を図ることは極めて困難である。
本発明が解決しようとする課題は、射出成形機の外部から冷媒の供給を受けることなく金型を冷却すると共に、射出ユニットの有する樹脂の可塑化能力が小さくとも射出成形サイクルのハイサイクル化を図ることができる射出成形用の金型を提供することである。
このような課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、溶融樹脂が射出・充填されるキャビティが形成される1個取りのコアプレートの周囲を熱伝導性の高い材料からなる型板により囲繞し、該型板の外表面には前記コアプレートのキャビティに充填される溶融樹脂の熱を放出させる放熱手段を設けてなることを要旨とするものである。
そして、請求項1に記載の型板の外表面に設けられる放熱手段は、請求項2に記載のように、前記型板の外表面に多数の放熱片部材を突設したものであることや、請求項3に記載のように、前記型板の外表面に多数の溝を刻設することにより表面積を増したものであることが望ましい。
請求項4に記載の発明は、上記射出成形用金型を用いて比較的低い射出圧力で樹脂成形品を得る低圧射出成形法を提示するもので、コアプレートのキャビティに低い射出圧力で溶融樹脂を注入し、そのキャビティ内に注入される溶融樹脂の熱により金型を比較的高い温度に維持しつつ、この金型の外表面を強制空冷して前記キャビティ内の溶融樹脂を固化するようにしたことを要旨とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、射出工程において金型のキャビティに充填された溶融樹脂は、その熱がコアプレートを囲繞する高熱伝導性の型板(すなわち固定側型板及び可動側型板)を伝導してその型板の外表面に設けられる放熱手段により可及的速やかに放熱される。このため、金型の冷却に要する時間(保圧工程及び冷却工程に要する時間)を短縮して射出成形サイクルのハイサイクル化を図ることができる。この場合この金型に近接して空冷ファンを配設し、この空冷ファンからの送風により強制空冷すれば、更に金型の冷却に要する時間を短縮することができる。また、金型の内部に冷媒を導入しなくとも金型を冷却することができることから、金型の小型化と射出成形機及びその附帯的な設備の小型化・簡略化を図ることができる。
この場合において、請求項2及び3に記載の発明のように、型板(固定側型板及び可動側型板)の外表面に放熱片部材を突設したり、複数の溝を刻設して表面積を増加させることで、型板の外表面からの放熱量を増加させて金型の冷却速度を大きくし、金型の冷却に要する時間を更に短縮して射出成形サイクルのハイサイクル化を図ることができる。ここで放熱片部材(例えば放熱フィンや放熱ピンなど)の突設や複数の溝の刻設は切削加工などにより安価に行うことができることから、金型の価格の低廉化も図ることができる。
請求項4に記載の発明にように、上記射出成形金型を用いて外部からの強制空冷により樹脂成形品を得るようにすれば、保圧工程及び冷却工程における金型の冷却を空冷ファンと放熱片部材の組合せにより行うことができるため、保圧工程及び冷却工程に要する時間を短縮化して射出成形サイクルのハイサイクル化を図ることができると共に、金型の冷却のために外部から冷媒の供給を受ける必要がないため、冷媒を供給するための附帯的な設備が不要となって射出成形機及び附帯的設備の小型化・簡略化を図ることができる。
以下に、本発明に係る射出成形用の金型の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明者は、射出成形サイクルのハイサイクル化と射出成形機及びその附帯的設備の小型化・簡略化の両立を図ることができる射出成形機について研究した結果、射出成形加工中は金型を比較的高温に維持することにより、射出工程において溶融樹脂の圧力が低くとも溶融樹脂の射出が行えること、及び保圧工程及び冷却工程における金型の冷却を、樹脂の固化に必要な温度に達するまでの最小限の温度低下に留めることにより、冷却時間の短縮を図れることを知見し、本発明を完成させたものである。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る射出成形用の金型の外観斜視図、図2はこの金型の外観平面図で、(a)はノズルタッチプレートを有する側から見た図、(b)は(a)の側方から見た図、(c)は(a)の反対側から見た図である。また、図3はこの金型の内部構造を示した断面模式図である。
本実施の形態に係る射出成形用の金型1は、溶融樹脂が充填されるキャビティ(空隙)を形成するコアプレート20、20と、このコアプレート20、20の周囲を囲繞するように形成される型板(可動側型板3及び固定側型板5)を有する。そしてこれらの型板3、5はそれぞれ型締め装置に装着するための取付板(可動側取付板11及び固定側型板13)が装着される。
これら射出成形用の金型1を構成する各要素について説明すると、コアプレート20、20は、結合した状態においてその内部に樹脂成形品の形状と略同一のキャビティ22が内部に形成され、このキャビティ22に溶融樹脂を射出・充填して樹脂成形品を得ることができる。このコアプレート20、20は熱伝導性の高い材料、例えば銅−ベリリウム合金などから形成されることが望ましい。なお、このコアプレート20、20は、1回の射出成形操作において1個の樹脂成形品を得ることができるいわゆる1個取りの金型を構成する。
型板(可動側型板3及び固定側型板5)は、コアプレート20、20の周囲を囲繞するように形成される部材であり、射出工程及び保圧工程においてコアプレート20、20が変形・分離等して成形不良が生じないように固定するための部材である。またこれらの型板3、5は、コアプレート20、20のキャビティ22に射出・充填された溶融樹脂の熱を外部に逃がして冷却するため、熱伝導率の高い材料、例えばアルミ合金などから形成されることが望ましい。そしてこれら型板3、5の外表面には、表面積を増加させて放熱の効率を高めるための放熱片部材として放熱フィン7、7、7、・・・が突設される。
なお、コアプレート20、20及び型板(可動側型板3及び固定側型板5)は、空気は通過できるが溶融樹脂は通過できないような微細な孔が多数形成される多孔質の材料、例えば多孔質アルミ合金から形成されるものであっても良い。多孔質の材料から形成されると、射出工程において金型内の空気は射出された溶融樹脂に押されて微細な孔から穴から抜け出すため、成形不良の発生を防止することができる。
型板3、5の外表面に形成される放熱フィン7、7、7、・・・は、切削加工を施して形成されるものであることが望ましく、例えば複数の溝を刻設することにより放熱フィン7、7、7、・・・が外表面から突設されるように形成するものであれば、一般的な切削加工、例えばフライス加工などにより放熱フィンを形成することができる。また、放熱片部材は放熱フィン7、7、7、・・・を形成する構成のほか、図5に示すように型板3、5の外表面に放熱ピン8、8、8、・・・を立設する構成であってもよい。
なお従来一般の金型は、溶融樹脂の高い射出圧力に耐え得るように金型強度を維持する必要があり、このような加工を施すことは金型強度が低下するおそれがあるため、外表面に放熱フィンや放熱ピンを形成する構成はなかった。また、金型の強度を維持できたとしても高硬度の材料に切削加工などを施すことは困難で加工コストがかかり、金型の価格が上昇するおそれもある。しかし本実施の形態に係る射出成形用の金型1は、溶融樹脂が低い射出圧力で射出されるため、型板3、5の外表面にこのような加工を施しても必要な金型強度を維持することは容易であり、かつアルミ合金などから形成されることから、一般的な切削加工などにより容易かつ安価に放熱フィン7、7、7、・・・を形成、あるいは放熱ピン8、8、8、・・・を立設することができる。
また、これらの型板3、5には管路状の温管9が形成されて金型1を予熱するための温媒を導入できるように構成される。金型1の予熱は射出成形加工の開始前において行われるものであり、冷却工程における冷媒の導入と異なり加熱に要する時間を短縮する要請は少なく、また金型全体を均一に加熱することが望まれものであることから、コアプレート20、20(又はキャビティ22)の直近に形成する必要がない。このため、それぞれ外表面近傍の強度の低下に影響を与えない箇所に形成することができ、強度維持のために金型を大型化する必要がない。なお、図はそれぞれの型板に温管9が4本ずつ形成される構成を示しているが、金型1の大きさや必要となる加熱量などに応じて適宜増減や位置の変更をすることが可能である。
また、固定側型板5にはキャビティ22に溶融樹脂を射出・充填する際にノズルを押し当てるノズルタッチプレート24(スプルーブシュ)が配設される。型板のノズルタッチプレート24が配設される部分は開口部15が形成され、この開口部15にはノズルと干渉しないように放熱フィン7、7、7、・・・が形成されない。また、可動側型板3及び固定側型板5にはアンギュラーピンを横抜きするための開口部15も形成され、同じくアンギュラーピンと干渉しないように放熱フィン7、7、7、・・・が形成されない。
そして、金型1の周囲には空冷ファン30が配設され(図4参照)、この空冷ファン30が作動すると各型板3、5の外表面に形成される放熱フィン7、7、7、・・・に対して送風するように構成される。この空冷ファン30は例えばパーソナルコンピュータのCPUなどの冷却に用いられる空冷ファンと同様の構造・機能を有するものが適用でき、ファンが回転して放熱フィン7、7、7、・・・に送風することにより放熱フィン7、7、7、・・・からの放熱を促進する。この空冷ファン30の送風能力は、必要となる冷却量に応じて適宜決定される。
この他に図示しないが、一般的な金型と同様に型板3、5の何れか一方にガイドピンが突設され、他方には開口部が形成されガイドピンブシュが装着されて、ガイドピンがガイドピンブシュ内をスライドするようにして可動側型板3と固定側型板5とがスライド式に分離・結合可能に構成される。そして可動側型板3及び固定側型板5はそれぞれ可動側取付板11及び固定側取付板13を介して型締め装置116に装着され(図4参照)、この型締め装置116により可動側型板3と固定側型板5の分離・結合動作が行われる。
このような構成を有する射出成形用の金型を用い、射出成形加工中はこの金型の温度を比較的高温に維持しつつ、射出工程において低い射出圧力で溶融樹脂を射出し、保圧工程及び冷却工程において金型の冷却を溶融樹脂の固化に必要な温度に達する最小限度の温度低下に留めるようにすると、射出成形サイクルのハイサイクル化を達成することができ、金型を冷却するための冷媒が不要で金型及び射出ユニットが小型にできることから射出成形機及びその附帯的設備の小型化・簡略化を図ることができる。
すなわち射出工程においては、溶融樹脂の流動性が低下しない間に、又は流動抵抗に抗して金型の内部に溶融樹脂を射出・充填する必要があることから、一般に高い射出圧力をかけて溶融樹脂を射出する。しかし、射出成形加工中において金型の温度を比較的高い温度に維持すると溶融樹脂の流動性が低下しにくくなることから、低い射出圧力であっても成形不良が生じることなく溶融樹脂を射出・充填することができる。このため射出ユニットの可塑化能力が小さくとも射出することができ、射出ユニットの小型化を図ることができる。なおここで例えばチョコレート用の金型で使用されているような多孔質材料から形成されるコアプレートを用いると、キャビティ22の内部の空気は微細な孔から抜け出るため、溶融樹脂の射出圧力が低い場合であっても成形不良の発生が抑制される。
そして低い射出圧力で溶融樹脂を射出することから、金型強度は低くとも良く、金型を小型化することができる。このため本実施の形態に係る射出成形用の金型はいわゆる1個取りの金型として構成される。1個取りの金型はいわゆる多数個取りの金型に比較して小型であるため蓄熱量が小さく、また小型になるほど単位体積当たりの表面積が大きくなるため金型の表面からの放熱量が相対的に大きくなって、保圧工程及び冷却工程における冷却速度が大きくなり、保圧工程及び冷却工程に要する時間を短縮することができる。
ここで、金型の強度に対する要求が厳しくないことから、金型を従来一般のように高硬度の材料から形成する必要がなく、熱伝導率が高く切削加工が容易なアルミ合金などから形成することができる。このため、射出工程及び保圧工程において必要となる金型の強度を維持しつつ、切削加工により容易に各型板3、5の外表面に放熱フィン7、7、7、・・・を形成して表面積を増加させ、更なる冷却速度の高速化を図ることができる。
また、保圧工程及び冷却工程における金型の冷却は、溶融樹脂が固化する温度に達するまでの最小限の温度低下に留めるため、少ない放熱量で必要な温度に達することができる。このため金型の蓄熱量が小さいこと及び表面積が相対的に大きいことに鑑みれば、従来一般の金型のように内部に冷媒を導入して冷却効率を向上させなくとも、空冷ファンと放熱片部材(放熱フィン7、7、7、・・・や放熱ピン8、8、8、・・・など)の組合せによって短時間で保圧工程及び冷却工程を完了させることができる。
更に、溶融樹脂の射出圧力が低く金型が小型であることから型締め力が小さくともよく、型締め工程及び型開き工程における金型の開閉動作に必要な動力源を小型にすることができて射出成形機の小型化を図ることができるほか、これら型締め工程及び型開き工程に要する時間も短縮できて射出成形サイクルのハイサイクル化にも資するものである。
なお、図5に示すように型板3、5の外表面に放熱ピン8、8、8、・・・を立設する構成においても、放熱フィン7、7、7、・・・を形成する構成と同様の作用効果を奏するものであるが、放熱ピン8、8、8、・・・を立設する構成によれば放熱フィン7、7、7、・・を形成する構成に比較して表面積を更に大きくしやすいため、金型の冷却に要する時間の更なる短縮を図ることができる。
次いで、本発明の第2の実施の形態について説明すると、第1の実施の形態に係る樹脂成形用金型が、型板3、5の外表面から放熱片部材(放熱フィン7、7、7、・・や放熱ピン8、8、8、・・・)を突設するのに対し(図3を特に参照)、図6に示すように第2の実施の形態に係る樹脂成形用金型は、型板3、5の外表面に複数の溝10、10、10、・・・を刻設して型板の外表面を増加させる構成を有するものである。このような構成によれば、第1の実施の形態と同様に、溶融樹脂の射出圧力が低いことから必要な金型強度を維持しつつ金型(型板)の外表面の表面積を増加させて冷却効率を向上させ、射出成形サイクルのハイサイクル化を図ることができる。そしてこのような溝10、10、10、・・・の刻設はフライス加工などの一般的な切削加工により形成することができ、安価に加工ができるものである。なお、これ以外の構成については第1の実施の形態と同一の構成を有するものであるため、説明は省略する。
図4は、このような射出成形用の金型を適用することができる射出成形機の構成を示した外観平面図である。この射出成形機100の射出ユニット102は、原料の固形の樹脂を貯蔵して供給するホッパー104と、ヒータ108により加熱される可塑化シリンダ(加熱筒)106と、可塑化シリンダ106の先端に装着されて金型1に溶融樹脂を射出するノズル120と、可塑化シリンダ106の内部で回転可能に配設されるスクリュー(図示せず)と、このスクリューを駆動するための動力源110及び駆動機構112とを備える。そしてヒータ108が可塑化シリンダ106を加熱することにより可塑化シリンダ106内に供給された樹脂を溶融し、可塑化シリンダ106内でスクリューが回転することにより溶融樹脂がノズル120に送り出されてノズル120から射出されるように構成される。
射出成形用の金型1はノズル120の先端近傍に配設され、型締め装置116により型締め工程及び型開き工程における開閉動作が行われると共に射出工程及び保圧工程における型締め力が加えられる。この型締め装置116は従来一般の構成を適用することができ、直圧式、トグル式などいずれの方式であっても良い。
更に金型1の周囲には、金型1に向けて送風可能なように空冷ファン30、30、・・・が配設される。図4に示す構成は、金型1の上方及び下方に配設されて金型1に対して送風できるものであるが、空冷ファン30、30、・・・を配設する位置や個数は必要となる冷却量その他の条件に応じて適宜変更することができる。また空冷ファン30の能力も、必要な冷却量に応じて適宜決定される。この場合、例えば金型1の斜め上方に配設して可塑化シリンダ106やノズルに風が当たらないように構成すると、可塑化シリンダ106やノズルが冷却されることがなく、望ましいものと考えられる。
このような構成を有する射出成形用の金型1を用いた射出成形機による射出成形の操作は、以下のように行われる。ここでは、原料の樹脂としてPBT樹脂(Polybutylene Terephthalate:ポリブチレン・テレフタレート)を適用する例を用いて示す。
射出成形加工の開始前において、まず各型板3、5に形成される温管9に温媒を導入して金型を予熱する。この温媒としては加熱した油や蒸気などを用いることができる。原料の樹脂としてPBT樹脂を適用する場合には、約180℃となるように加熱し、射出成形開始後は溶融樹脂温による慣性温度上昇を利用する。なお従来の金型内に冷媒を導入する構成においては、例えば約40℃の冷却水を導入するものであり、従来に比較して高い温度に維持するものである。
次いで固定側型板5に可動側型板3を結合して型締め力を加える(型締め工程)。そして射出成形機100のノズル120の先端をノズルタッチプレート24に押しあて、キャビティ22に溶融樹脂を射出する。従来の方法によれば、一般的に30〜40MPa程度の射出圧力で射出するため、この場合には最低でも5t程度の型締め力が必要とされるが、本発明に係る金型1を用いる場合には溶融樹脂を8MPa以下の射出圧力で射出するため、型締め力は1t程度で良い。また、溶融樹脂の射出圧力が低いため溶融樹脂にかかるせん断力が小さくなり、樹脂成形品の内部の残留応力が抑制されるとともに溶融樹脂の不必要な発熱が抑制され樹脂の変質が生じにくくなる。
次の保圧工程及び冷却工程においては、空冷ファン30を作動させて金型1(各型板3、5の表面に形成される放熱フィン7、7、7、・・・)に送風して冷却する。PBT樹脂の結晶化速度は約170℃で最も大きくなるが(出典:湯本和男編,「飽和ポリエステル樹脂ハンドブック」,日刊工業新聞社,p297)、金型1が小型で蓄熱容量が小さいこと及び単位体積当たりの表面積が大きいことから金型1の冷却速度が大きく、かつ冷却量は溶融樹脂が固化する温度に達する最小限の温度低下に留めることから、空冷ファン30と放熱フィン7、7、7、・・・との組合せによる冷却であっても保圧工程及び冷却工程を短時間で完了することができる。
その後、型開き工程において可動側型板3を移動して固定側型板5と分離し、取り出し工程において樹脂成形品を取り出して1回の射出成形操作は終了する。以降はこの操作を繰り返す。なお、射出成形加工が開始された後は、射出される溶融樹脂の有する熱量によって金型1の温度を維持するが、金型温度が低下した場合には温管9に温媒を導入して補助的に加熱する構成であっても良い。
このように、本実施の形態に係る射出成形用の金型を用い、射出成形操作中においてはこの金型の温度を比較的高温に維持し、射出工程においては低い射出圧力で溶融樹脂を射出し、保圧工程及び冷却工程においては金型の温度の低下を溶融樹脂の固化に必要最小限の温度低下に留めることにより、射出成形機及びその附帯的設備の小型化・簡略化と射出成形サイクルのハイサイクル化の両立を図ることができる。
溶融樹脂は低い射出圧力で射出されるから、射出工程において溶融樹脂にかかるせん断力を小さくして得られる樹脂成形品に残留応力が生じることを防止すると共に、余裕樹脂の不必要な温度上昇を抑制して樹脂が変質することを防止でき、また、1個取りの金型とすることにより、樹脂成形品ごとの寸法や品質のばらつきが生じることを抑制できることから、小型精密部品の射出成形に好適に適用することができる。
また、一般的に用いられている多数個取りの金型によれば、ノズルから射出された溶融樹脂を各樹脂成形品に対応するキャビティに分配するためのランナーが必要となる。このランナーは樹脂成形品を金型から取り出した後は不要となり、原材料として再利用するか廃棄処分されることになるが、原材料に混合して再利用する場合であっても樹脂成形品の品質を維持するため一定の割合以上は混合しないため、原材料に無駄が生じる場合がある。これに対し、本発明のように1個取りの金型とすれば、溶融樹脂を分配するためのランナーが不要で原材料の歩留りを向上させることができると共に、再利用のために混合する必要がなくなるため、樹脂成形品の品質の低下を防止することもできる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、前記実施の形態においては、固定側型板の取付板が形成されない側面にノズルタッチプレートを配設して溶融樹脂を射出する構成、すなわちノズルの軸線と可動側型板の往復運動の軸線とが直交する構成を示したが、ノズルの軸線と可動側型板の往復動の軸線とを一致する構成として、固定側取付板の面にノズルタッチプレートを配設して、射出工程及び保圧工程においてノズルをノズルタッチプレートに押しつける力により金型に型締め力を加える構成であっても良い。
また、前記実施の形態においては金型を予熱する構成として、金型に温管を形成して温媒を導入する構成を有しているが、金型をあらかじめ所定の温度に加熱維持できればよいものであり、前記構成に限らず、例えばカートリッジヒータなどの公知の各種加熱手段を適用することができる。
なお、前記実施の形態の説明で採り上げたPBT樹脂は適用できる樹脂の例示であり、金型の温度を調整することにより、このほか各種の樹脂に適用できるのはいうまでもない。
1 射出成形用の金型
3 可動側型板
5 固定側型板
7 放熱フィン
20 コアプレート
22 キャビティ
3 可動側型板
5 固定側型板
7 放熱フィン
20 コアプレート
22 キャビティ
Claims (4)
- 溶融樹脂が射出・充填されるキャビティが形成される1個取りのコアプレートの周囲を熱伝導性の高い材料からなる型板により囲繞し、該型板の外表面には前記コアプレートのキャビティに充填される溶融樹脂の熱を放出させる放熱手段を設けてなる射出成形用金型。
- 前記放熱手段は、前記型板の外表面に多数の放熱片部材を突設したものであることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用金型。
- 前記放熱手段は、前記型板の外表面に多数の溝を刻設することにより表面積を増したものであることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用の金型。
- コアプレートのキャビティに低い射出圧力で溶融樹脂を注入し、そのキャビティ内に注入される溶融樹脂の熱により金型を比較的高い温度に維持しつつ、この金型の外表面を強制空冷して前記キャビティ内の溶融樹脂を固化するようにしたことを特徴とする低圧射出成形方法。
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