JP6383635B2 - 構造物に対する変位計の取付具 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態に係る変位計の取付具は、構造物の変位計測方向に沿って、それぞれ複数の変位計を直列に配置した2つの変位計群を取り付けるための器具であり、これらの変位計の計測値の総和が、変位計群の両端の変位値と等しくなければならない場合に使用する。この変位計の取付具は、基本的な構成要素として、図1〜図3に示すように、ターゲットとなる基台20と、基台20に変位計10を取り付けるための固定部30とを備えている。そして、各変位計群を構成する各変位計10は、隣り合う一組の基台20の一方をそれぞれ共有するとともに、変位計測方向の横断面において両者が重なり合わないように取付位置をずらして、固定部30に固定されている。
変位計10は、一般に市販されている電気式変位計を用いる。この電気式変位計は、例えば、本体部11と、当該本体部11から突出する方向に付勢力を与えられて当該本体部11の長さ方向に移動可能な移動部12と、本体部11に対する移動部12の移動量に基づいて電気信号を発生する電気信号発生部(図示せず)とを備えている。なお、電気式変位計10の構成は、上述したものに限定されず、測定に必要な分解能を有していれば、どのような機構を備えていてもよい。また、分解能は、例えば1/500mm程度とするが、測定に必要な条件を満たしていれば特に限定されない。
基台20は、図1〜図3に示すように、横向きに開口した断面コ字状の取付部21と、取付部21の下部から下側へ向かって延長して設けたターゲット部22とを備えている。取付部21には、固定部30を用いて変位計10の端部を固定するが、この際、隣り合う一組の基台20(取付部21)に対して、変位計10の両端部をそれぞれ固定することにより、隣り合う一組のターゲットに変位計10を取り付けた状態となる。
この取付部21は、2群に分かれた変位計群を構成する各変位計10を固定するための部材であり、図1及び図2に示すように、横向きに開口した断面コ字状となっている。ここで、第1の変位計群を構成する各変位計10を10a、10b、10c、・・・とし、第2の変位計群を構成する各変位計10を10A、10B、10C、・・・とする。また、図1及び図2において、左側の取付部21から順に、21a、21b、21c、21d、21e、21fとする。
ターゲット部22は、取付部21を構造物の表面に固定するための部材であり、例えば、ネジ棒22a及びナット22bにより形成する。ターゲット部22をネジ棒22a及びナット22bで形成する場合には、予め、構造物の表面から構造物内へ向かって、ネジ棒22aを埋設しておくとともに、取付部21の下部壁に、ネジ棒22aの挿通口(図示せず)を開口しておく必要がある。図1〜図3に示す例では、挿通口にネジ棒22aを挿通し、取付部21の下部壁を挟んで一組のナット22bを締め付けることにより、ネジ棒22aに取付部21を固定して、基台20を構成する。ネジ棒22aの埋設には、既存のアンカー埋設技術等を用いることができる。また、ターゲット部22をネジ棒22a及びナット22bにより形成するのではなく、取付部21から延長して設けた棒状部材をターゲット部22とし、接着等により棒状部材の先端部を構造物の表面に取り付けてもよい。
固定部30は、取付部21に対して変位計10の端部を固定するための部材であり、例えば、ネジ棒30a、ナット30b、係止部30cを備えている。係止部30cは円環状の部材であり、予め、変位計10の両端部に、接着や溶接により取り付けてある。また、取付部21には、ネジ棒30aの挿通口(図示せず)が開口している。
図1〜3を用いて説明した実施形態は、断面コ字状の基台20(取付部21)を用いているが、基台20の形状はこれに限られるものではなく、隣り合う一組の基台20の一方をそれぞれ共有するように、第1の変位計群を構成する各変位計10と、第2の変位計群を構成する各変位計10を取り付けることができ、さらに変位計測方向の横断面において両者が重なり合わないように取付位置をずらすことができれば、どのような形状であってもよい。
本発明の変位計10の取付具は、一般に普及している電気式変位計をそのまま使用することができ、さらに、変位計10の長さの制約を受けることなく、変位計10の長さ以下の区間の変位を測定することができる。すなわち、本発明の変位計10の取付具は、構造が単純であるため安価に製作することができる。さらに、変位計10の取付方法も簡単であり、一般的に変位計測に用いる治具以外に、なんら特殊な部材を必要としない。
11 本体部
12 移動部
20 基台
21 取付部
22 ターゲット部
22a ネジ棒
22b ナット
30 固定部
30a ネジ棒
30b ナット
30c 係止部
Claims (3)
- 変位測定対象となる構造物に、変位計を取り付けるための取付具であって、
前記構造物の変位計測方向に沿って、それぞれ複数の変位計を直列に配置した第1の変位計群及び第2の変位計群と、
前記構造物に対して、前記第1の変位計群及び第2の変位計群を取り付ける複数の基台と、
前記変位計測方向に沿って隣り合う一組の基台に、前記第1の変位計群及び前記第2の変位計群を構成する各変位計の各端部を固定する固定部と、
を備え、
前記第1の変位計群を構成する各変位計と、前記第2の変位計群を構成する各変位計は、前記隣り合う一組の基台の一方をそれぞれ共有するとともに、前記変位計測方向の横断面において両者が重なり合わないように取付位置をずらして、前記固定部に固定することを特徴とする構造物に対する変位計の取付具。 - 前記基台は、前記構造物に取り付ける取付部と、当該取付部と一体となったターゲット部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の構造物に対する変位計の取付具。
- 前記変位計は、本体部と、当該本体部から突出する方向に付勢力を与えられて当該本体部の長さ方向に移動可能な移動部と、前記本体部に対する前記移動部の移動量に基づいて電気信号を発生する電気信号発生部とを備えた電気式変位計であることを特徴とする請求項1又は2に記載の構造物に対する変位計の取付具。
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