JP7186811B2 - 計測装置および計測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、計測装置および計測方法に関する。
特許文献1には、複数本の光ファイバケーブルを用いて、例えば長さ100mの大型の構造物の変形などを計測する方法が開示されている。
特開2000-17678号公報
より簡易な構成で計測を可能とするため、1本の光ファイバを用いて、計測対象物の変形に伴う傾斜量や断面性能(中立軸の位置や断面係数等)の変化を計測可能とすることが求められていた。
本発明はこのような事情を考慮してなされ、1本の光ファイバを用いて、計測対象物の変形に伴う傾斜量や断面性能(中立軸の位置や断面係数等)の変化を計測できる計測装置または計測方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る計測装置は、FBGが形成された1本の光ファイバと、前記光ファイバに接続された光測定器と、前記光ファイバに接する第1円弧面を有する第1ガイド部材と、前記光ファイバに接する第2円弧面を有する第2ガイド部材と、を備え、前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材は、一方向において間隔を空けて配置されるとともに、計測対象物に固定され、前記光ファイバは、前記計測対象物の計測面に沿い、かつ前記一方向に沿って配置された第1部分と、両端部が前記第1円弧面および前記第2円弧面に接する第2部分と、を有し、前記第2部分は、前記第1円弧面から前記第2円弧面に向かうに従って前記計測面から離れるように配置されている。
上記態様によれば、1本の光ファイバを用いて、計測対象物の変形に伴う計測面の傾斜量や、計測対象物の断面性能(中立軸の位置や断面係数等)の変化を計測することができる。また、計測対象物としての構造物の変形を、微細な区間において精密かつ連続して計測することが可能となる。
ここで、前記計測装置は、前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材が固定されたベース部材をさらに備え、前記ベース部材が前記計測対象物に固定されてもよい。
本発明の第2の態様に係る計測方法は、FBGが形成された1本の光ファイバに、張力が印加された張力印加区間と、張力が印加されない無張力区間と、を設け、前記無張力区間の前記光ファイバの歪量の測定結果を用いて温度校正を行い、前記張力印加区間の前記光ファイバの歪量の測定結果を用いて、計測対象物が変形することに伴って生じる、前記計測対象物の計測面の傾斜量を計測する。
本発明の第3の態様に係る計測方法は、FBGが形成された1本の光ファイバに、計測対象物の計測面に沿って配置された第1部分と、前記計測面から直線的に離れるように配置された第2部分と、を設けて、前記計測対象物の変形に伴って、前記第1部分において生じるひずみと、前記第2部分において生じるひずみと、に基づき、前記計測対象物の中立軸の前記計測面からの距離を計測する。
本発明の第4の態様に係る計測方法は、FBGが形成された1本の光ファイバを計測対象物に固定し、前記計測対象物が変形することに伴って前記光ファイバに生じる歪量を用いて、前記計測対象物の第1方向の傾斜量および前記第1方向に直交する第2方向の傾斜量を計測する。
上記計測方法において、前記光ファイバに生じる歪量を用いて、前記第1方向および前記第2方向の双方に直交する軸方向回りの前記計測対象物のねじれを計測してもよい。
本発明の上記態様によれば、1本の光ファイバを用いて、計測対象物の変形に伴う傾斜量や断面性能(中立軸の位置や断面係数等)の変化を計測できる計測装置または計測方法を提供することができる。
第1実施形態に係る計測装置を第1方向から見た図である。 図1Aの計測装置を第2方向から見た図である。 第1実施形態に係る計測方法を説明するための概略図である。 図2Aの計測対象物が変形した後の状態を示す概略図である。 第2実施形態に係る計測装置を第1方向から見た図である。 図3Aの計測装置を第2方向から見た図である。 第3実施形態に係る計測装置を第1方向から見た図である。 図4Aの計測装置を第2方向から見た図である。 第1~第3実施形態の計測装置の第1の使用例を示す図である。 第1~第3実施形態の計測装置の第2の使用例を示す図である。 図6AのVI-VI断面矢視図である。 第1~第3実施形態の計測装置の第3使用例を示す図である。 図7AのVII-VII断面矢視図である。 第4実施形態に係る計測装置を第1方向から見た図である。 図8の計測装置を第2方向から見た図である。 第4実施形態に係る計測原理を説明するための図である。 第4実施形態に係る計測原理を説明するための図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の計測装置について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、計測装置1は、取付ユニット10と、光測定器20と、を備えている。取付ユニット10は、シート材11と、ベース部材12と、第1ガイド部材13と、第2ガイド部材14と、1本の光ファイバ15と、を備えている。取付ユニット10は計測対象物Tの表面(計測面t1)に固定される。光ファイバ15にはFBG(Fiber Bragg Grating)が形成されている。光測定器20は、光ファイバ15に測定光を出射し、FBGで反射された反射光を分析することで、光ファイバ15の各部における歪を測定するように構成されている。具体的には、光測定器20はOFDR(Optical Frequency Domain Reflectometry)によって光ファイバ15の各部の歪を測定する。光測定器20は、計測対象物Tに固定されてもよいし、固定されなくてもよい。光測定器20は精密機器であるため、特に計測対象物Tが地中や海中に設置される場合、光測定器20は計測対象物Tから離れた地上に配置するとよい。
計測対象物Tは、任意の構造物などである。具体的には、鋼管杭、鋼管矢板、鋼矢板(U型、Z型、ハット型、直線型など)、H型鋼、PC壁体、PC杭、橋梁の各部材、建築部材(柱、梁、壁面)、貯蔵施設、地下空間やトンネルの壁面や天井などが挙げられる。ただし、上記以外の計測対象物Tに本実施形態の計測装置1および計測方法を適用してもよい。
(方向定義)
本実施系形態では、XYZ直交座標系を設定して各構成の位置関係を説明する。光ファイバ15の軸方向を軸方向Zといい、図面ではZ軸によって表す。軸方向Zにおいて、光測定器20側を-Z側と表し、その反対側を+Z側と表す。軸方向Zに直交する一方向を第1方向Xといい、図面ではX軸によって表す。軸方向Zおよび第1方向Xの双方に直交する方向を第2方向Yといい、図面ではY軸によって表す。第1方向Xは変形前の計測対象物Tの計測面t1に垂直な方向であり、第2方向Yは変形前の計測面t1に平行な方向である。第1方向Xにおいて、計測対象物Tから見た取付ユニット10側を+X側と表し、その反対側を-X側と表す。第2方向Yにおいて、一方側を+Y側と表し、他方側を-Y側と表す。
第1実施形態の計測装置1および計測方法によれば、計測対象物Tの第1方向Xにおける傾斜量と、計測対象物Tの断面性能(中立軸の位置や断面係数等)の変化を計測可能である。
シート材11は、取付ユニット10の他の構成部材を計測対象物Tに取り付けることを容易にするために用いられる。シート材11としては、計測対象物Tの計測面t1に固定可能であり、計測面t1の変形に追従して変形する材質が好適である。シート材11は、例えば厚さ0.01~0.3mmの金属(SUS)製シートなどである。なお、シート材11は無くてもよく、例えばベース部材12を計測対象物Tに直接取り付けてもよい。
ベース部材12は、第1ガイド部材13と第2ガイド部材14との間隔を固定し、かつ、計測面t1の変形に追従して第1ガイド部材13および第2ガイド部材14を変位させるために用いられる。ベース部材12としては、第1ガイド部材13および第2ガイド部材14を固定可能であり、計測面t1の変形に追従して変形する材質が好適である。図1A、図1Bの例では、ベース部材12は、軸方向Zに沿って延びる2本のレールである。各レールは、例えば幅および厚さが0.3~0.5mmの金属(SUS)製角材などである。2本のレールは第2方向Yに間隔を空けて配置され、レール同士の間に、光ファイバ15の一部が位置している。なお、ベース部材12の形状は適宜変更可能であり、例えば2本のレールが接続されて一体化されていてもよい。
第1ガイド部材13および第2ガイド部材14はそれぞれ、少なくとも一部に円弧面13a、14aを有しており、当該円弧面13a、14aに光ファイバ15が当接する。本実施形態の第1ガイド部材13および第2ガイド部材14は、中心軸線が第2方向Yに沿う円柱形状であり、外周面が先述の円弧面13a、14aとなっている。なお、第1ガイド部材13および第2ガイド部材14の形状は適宜変更可能であり、例えば半円柱形状であってもよいし、円筒形状であってもよい。
第1ガイド部材13および第2ガイド部材14は、軸方向Zにおいて間隔を空けて配置されている。第1ガイド部材13は-Z側に位置し、第2ガイド部材14は+Z側に位置している。図1Bに示すように、本実施形態では、軸方向Zにおいて、光測定器20と第1ガイド部材13との間の任意の区間をZ軸計測区間Szと称し、第1ガイド部材13と第2ガイド部材14との間の区間をX軸計測区間Sxと称する。また、光ファイバ15のうち、Z軸計測区間Szに位置する部分を第1部分P1といい、X軸計測区間Sxに位置する部分を第2部分P2という。光ファイバ15には、少なくとも第1部分P1および第2部分P2において、所定の張力が印加されている。言い換えると、Z軸計測区間SzおよびX軸計測区間Sxは、光ファイバ15に張力が印加された区間(以降、「張力印加区間」という)である。
図1Bに示すように、光ファイバ15のうちZ軸計測区間Szに位置する第1部分P1は、計測面t1に沿って、直線状に配置されている。光ファイバ15は、第1ガイド部材13の-X側、すなわち第1ガイド部材13と計測面t1との間を通されている。また、光ファイバ15は、第2ガイド部材14のユニット側(+X側)を通されている。光ファイバ15には所定の張力が印加されるため、光ファイバ15は、第1ガイド部材13の円弧面13aおよび第2ガイド部材14の円弧面14aに接する。また、張力により、第1ガイド部材13と第2ガイド部材14との間で光ファイバ15は直線状に張られた状態となる。
図2Aおよび図2Bは、本実施形態の計測装置1の計測原理を説明する概略図である。図2Bは、測定対象物Tに第1方向Xの荷重(第2方向Yに延びる軸線を中心とした曲げモーメントM)が作用して、測定対象物Tに撓み変形が生じた様子を示している。図2A、図2Bでは、説明の便宜上、光ファイバ15の第1部分P1および第2部分P2を重ねて表示している。また、シート材11およびベース部材12は、計測対象物Tの変形に伴う光ファイバ15の伸びの量(歪量)を考慮する上では実質的に無視できるため、図2A、図2Bでは図示を省略している。なお、測定対象物Tは、少なくともZ軸計測区間SzおよびX軸計測区間Sxにおいて、均一で連続した変形を生じるものとして説明する。
図2A、図2Bなどに示され、以下の説明に用いる各記号の定義は以下の通りである。
A0:第1ガイド部材13の円弧面13aのうち計測面t1に最も近い点
B0:第1ガイド部材13の円弧面13aのうち計測面t1から最も遠い点
A1:第2ガイド部材14の円弧面14aのうち計測面t1に最も近い点
B1:第2ガイド部材14の円弧面14aのうち計測面t1から最も遠い点
A’1:変形後の、点A0に対する相対変位後の点A1の位置
B’1:変形後の、点B0に対する相対変位後の点B1の位置
B’1:第2ガイド部材14の円弧面14aのうち計測面t1から最も遠い点
Laz:変形が生じる前の点A0と点A1との間の距離
L’az:変形後の、計測面t1に沿った点A0と点A’1との間の円弧長
L”az:変形後の、点A0と点A’1との間の直線長
Lax:第2部分P2の長さ(点A0-B1間の直線長)
L’ax:変形後の、第2部分P2の長さ(点A0-B’1間の直線長)
Lch:変形前の測定対象物Tの中立軸と計測面t1との間の距離
L’ch:変形後の測定対象物Tの中立軸と計測面t1との間の距離
∠θa:第2部分P2が計測面t1に対してなす角の大きさ
∠θ’a:変形後において第2部分P2が計測面t1に対してなす角の大きさ
∠θA0:∠(B0―A0―A1)の大きさ
∠θ’A0:点A’0における計測面t1の法線が、変形前の計測面t1の法線に対してなす角の大きさ
∠θ’A1:点A’1における計測面t1の法線が、変形前の計測面t1の法線に対してなす角の大きさ
∠θ’A0および∠θ’A1は、測定対象物Tの変形により、ガイド部材13、14が配置された位置で生じた計測対象部Tの傾斜量を示している。
先述の通り、光ファイバ15には張力が印加されているため、光ファイバ15の第2部分P2の-Z側の端部は点A0に接し、+Z側の端部は点B1に接することになる。
上記パラメータを用いて、∠θ’A0および∠θ’A1の大きさを計測する計測方法について説明する。
図2Aと図2Bとを比較すると、図2Bでは、測定対象物Tの変形により、光ファイバ15の第1部分P1および第2部分P2でひずみ(伸び)が生じている。第1部分P1で生じるひずみをεzと表し、第2部分P2で生じるひずみをεxと表す。εz、εxの値は、光測定器20がOFDRによる解析を行うことで取得できる。Laz、Laxの値は、計測装置1の設計によるものであるから、既知である。L’azの値は、εzの値から換算できる。L”azの値は、εxより換算できる。また、L”az=R×sin(∠θ’A1/2)×2の関係にある。点A0、B0間の距離(すなわち第1ガイド部材13の直径)をD1とし、光ファイバ15の第2部分P2の表面がガイド部材13の表面13aの表面と接する点を13a0とし、ガイド部材13の中心と点13a0を結ぶ直線が鉛直方向(直線A0~B0)との角度を∠θbとする。同様に光ファイバ15の第2部部分P2の表面がガイド部材14の表面14aと接する点を14b1とした場合も同様に∠θbの角度となる。また、光ファイバ15の直径をDfとし、D’1=D1+Dfとすると、∠θb=asin((D‘1)/Laz)である。また、直線(13a1―14b1)の延長線が直線(A1-B1)の延長線と交わる点をBf1とし、その対象点(A1側の交点)をAf1とすれば、直線(Af1-Bf1)の長さは、Laz×tan(∠θb)=D’iとなる。∠θbおよびD‘iの値はLazおよびD1に基づいて三角関数により算出できる。また、光ファイバ15の直径をDfとし、D’1=D1+Dfとすると、∠θ’A0の値はL”az、D’i、L’ax、およびL”azに基づいて三角形の挟角の定理より算出できる。
さらに、幾何学的な関係から、以下の(1)式が成立する。
∠θ’A0=∠θA0-∠θ’A1÷2 …(1)
(1)式を変形すると、(1)’式が得られる。
∠θ’A1=(π/2-∠θ’A0)×2 …(1)’
ここで、∠θ’A1はL”azより算出するため、(1)’式は循環計算となる。そこで、一次的にL”az=L’azとして(1)’式に基づいて∠θ’A1の値を算出し、事後的に誤差を修正するという手法を採用する。またこの他に、理論上の誤差として「εzの増大とともに、光ファイバ15の伸び方向と点A0から点B1に向かう方向とに僅かずつ差異が生じる」という現象がある。これらは、同程度の誤差を生じるため、理論誤差の合計を計算の最終段階でΔ∠θ’A1=G*εz^の指数関数に近似して修正する(Δ∠θ’A1は∠θ’A1の変化量、Gは中立軸深さにより変化する定数)。このような方法によれば、理論上の誤差を無視できる程度の大きさにすることができる。
以上より、光ファイバ15の第1部分P1および第2部分P2に生じるひずみの測定結果に基づいて、∠θ’A0および∠θ’ の値(すなわち、変形に伴う計測面t1の傾斜量)を算出することができる。
また、変形後の測定対象物Tの中立軸の曲率半径をRとすると、R=L’az÷∠θ’A1が成立する。上述の通り、L’azおよび∠θ’A1はどちらも算出可能な値であるから、Rの値も算出可能である。そして、R=L’ch÷εzとなることが知られているから、L’chの大きさも算出可能である。
以上より、光ファイバ15の第1部分P1および第2部分P2に生じるひずみの測定結果に基づいて、L’chの値(すなわち、測定対象物Tの変形後の断面性能(中立軸の位置や断面係数等)の変化)を算出することができる。
なお、光ファイバ15は、計測対象物Tが変形することに加えて、温度の変化によっても伸縮する。このため、光ファイバ15の歪量の測定結果には、計測対象物Tの変形に起因する成分と、温度変化に起因する成分と、が含まれる。より高精度に計測対象物Tの傾斜量を計測するには、光測定器20の測定結果から、温度変化に起因する成分を除去する(すなわち温度校正を行う)ことが好ましい。
そこで、本実施形態では、上述の張力印加区間に加えて、光ファイバ15に張力が印加されていない区間(以降、「無張力区間」という)を設ける。無張力区間は、光ファイバ15の任意の部分に設けることができる。無張力区間における光ファイバ15の歪量は温度変化に起因するものであるから、当該歪量を用いて温度校正を行えばよい。
以上説明したように、本実施形態の計測装置1は、FBGが形成された1本の光ファイバ15と、光ファイバ15に接続された光測定器20と、光ファイバ15に接する第1円弧面13aを有する第1ガイド部材13と、光ファイバ15に接する第2円弧面14aを有する第2ガイド部材14と、を備え、第1ガイド部材13および第2ガイド部材14は、一方向(軸方向Z)において間隔を空けて配置されるとともに、計測対象物Tに固定され、光ファイバ15は、計測対象物Tの計測面t1に沿い、かつ前記一方向に沿って配置された第1部分P1と、両端部が第1円弧面13aおよび第2円弧面14aに接する第2部分P2と、を有し、第2部分P2は、第1円弧面13aから第2円弧面14aに向かうに従って計測面t1から離れるように配置されている。
上記のような構成により、1本の光ファイバ15を用いて、計測対象物Tの変形に伴う計測面t1の傾斜量や、計測対象物Tの中立軸の位置などを計測することができる。そして、上記構成によれば、計測対象物Tとしての構造物の変形を、微細な区間において精密かつ連続して計測することが可能となる。
また、計測装置1は、第1ガイド部材13および第2ガイド部材14が固定されたベース部材12をさらに備え、ベース部材12が計測対象物Tに固定されている。これにより、光ファイバ15を計測対象物Tに取り付けるための構成をユニット化することができる。したがって、光ファイバ15の計測対象物Tへの取付が容易となる。
また、本実施形態の計測方法は、FBGが形成された1本の光ファイバ15に、張力が印加された張力印加区間と、張力が印加されない無張力区間と、を設け、無張力区間の光ファイバ15の歪量の測定結果を用いて温度校正を行い、張力印加区間の光ファイバ15の歪量の測定結果を用いて、計測対象物Tが変形することに伴って生じる、計測対象物Tの計測面t1の傾斜量を計測する。これにより、より高精度に傾斜量を計測することが可能となる。
また、本実施形態の計測方法は、FBGが形成された1本の光ファイバ15に、計測対象物Tの計測面t1に沿って配置された第1部分P1と、計測面t1から直線的に離れるように配置された第2部分P2と、を設けて、計測対象物Tの変形に伴って、第1部分P1において生じるひずみεzと、第2部分P2において生じるひずみεxと、に基づき、計測対象物Tの中立軸の計測面t1からの距離を計測する。このような計測方法により、従来は計測することが容易ではなかった設置後の構造物の中立軸の位置の変化を、1本の光ファイバ15を用いて計測することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
第1実施形態では、計測対象物Tに第1方向Xの荷重が作用した場合の計測対象物Tの傾斜量(∠θ’A0および∠θ’ の値)を計測した。これに加えて、本実施形態では、計測対象物Tに第2方向Yの荷重が作用した場合の計測対象物Tの傾斜量を計測する。
図3A、図3Bに示すように、本実施形態では、第2ガイド部材14の+Z側に、第3ガイド部材16および第4ガイド部材17が配置されている。第3ガイド部材16および第4ガイド部材17は、中心軸線が第1方向Xに沿う円柱形状である点を除き、第1ガイド部材13および第2ガイド部材14と同様の構成である。本実施形態では、第3ガイド部材16と第4ガイド部材17との間の区間をY軸計測区間Syと称する。Y軸計測区間Syも張力印加区間である。
光ファイバ15は、第3ガイド部材16の+Y側および第4ガイド部材17の-Y側を通されている。光ファイバ15は、第3ガイド部材16の円弧面16aおよび第4ガイド部材17の円弧面17aに接している。これにより、Y軸計測区間Syにおいて、光ファイバ15は、第2方向Yにおける一方側から他方側に向けて直線状に延びている。Y軸計測区間Syにおいて、計測面t1から+X側に一定の間隔だけ離れた位置に、光ファイバ15が位置している。
本実施形態では、計測対象物Tに第2方向Yの荷重が作用することによる変形に伴い、Y軸計測区間Syにおける光ファイバ15に生じるひずみをεyと称する。εyの値も、光測定器20によるOFDRによって取得することができる。εyの値に基づき、第1実施形態と同様の手法を用いれば、計測対象物Tに第2方向Yの荷重が作用した場合の計測対象物Tの傾斜量を計測することができる。さらに、計測対象物Tの第2方向Yにおける中立軸の位置も、第1実施形態と同様に計測することが可能である。
以上説明したように、本実施形態の計測方法によれば、FBGが形成された1本の光ファイバ15を計測対象物Tに固定し、計測対象物Tが変形することに伴って光ファイバ15に生じるひずみ量であるεx、εy、およびεzを用いて、計測対象物Tの第1方向Xの傾斜量および第1方向Xに直交する第2方向Yの傾斜量を計測することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について説明するが、第2実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
第2実施形態では、計測対象物Tに第1方向Xおよび第2方向Yの荷重が作用した場合の計測対象物Tの傾斜量を計測した。これに加えて、本実施形態では、計測対象物Tに生じる軸方向Z回りのねじれの量を計測する。
図4A、図4Bに示すように、本実施形態では、第3ガイド部材16の+Z側に、第5ガイド部材18、第6ガイド部材19、第7ガイド部材21、および第8ガイド部材22が配置されている。第5ガイド部材18および第6ガイド部材19の構成は、第1ガイド部材13および第2ガイド部材14の構成と同様である。第7ガイド部材21および第8ガイド部材22の構成は、第3ガイド部材16および第4ガイド部材17の構成と同様である。本実施形態では、第5ガイド部材18と第6ガイド部材19との間の区間を副X軸計測区間Sx’と称する。また、第7ガイド部材21と第8ガイド部材22との間の区間を副Y軸計測区間Sy’と称する。また、第8ガイド部材22よりも+Z側の任意の区間を副Z軸計測区間Sz’と称する。副X軸計測区間Sx’、副Y軸計測区間Sy’、および副Z軸計測区間Sz’も張力印加区間である。なお、測定対象物Tは、少なくともこれらの張力印加区間において、傾斜量およびねじれ量の両方において均一で連続した変形を生じるものとして説明する。
副Y軸計測区間Sy’の軸方向Zにおける長さは、Y軸計測区間Syの軸方向Zにおける長さとは同一であってはならない(整数倍であることが望ましい)。副X軸計測区間Sx’、副Y軸計測区間Sy’、および副Z軸計測区間Sz’の数は、複数(n箇所)であってもよい。nは1以上の整数である。n箇所のうち、注目する副X軸計測区間Sx’、副Y軸計測区間Sy’、および副Z軸計測区間Sz’が設けられた位置をiと表し、X軸計測区間Sx、Y軸計測区間Sy、およびZ軸計測区間Szが設けられた位置をi=1と表すとき、本実施形態では、(i)~(i+1)間の相対的傾斜変化を計算する。なお、(i)~(i+1)間に、第1方向Xおよび第2方向Yの双方において傾斜量の変化があり、かつ捩れが生じている場合を前提とする。X軸計測区間SxおよびY軸計測区間Syの計測結果、若しくは副X軸計測区間Sx’および副Y軸計測区間Sy’の計測結果に基づくと、XY投影面における合成傾斜角βzが得られる。(i)の位置と(i+1)の位置とで、合成傾斜角βzを比較することで、合成傾斜角の変化量(Δβz)を検出できる。このΔβzが、(i)~(i+1)間において生じたねじれの量である。
以上説明したように、本実施形態によれば、光ファイバ15に生じる歪量を用いて、第1方向Xおよび第2方向Yの双方に直交する軸方向Z回りの計測対象物Tのねじれを計測することが可能である。
次に、第1~第3実施形態の計測装置1の使用例を説明する。
図5に示すように、1つの柱状の計測対象物Tに対して、複数の取付ユニット10を取り付け、これらの取付ユニット10に共通の光ファイバ15を固定してもよい。この場合、1つの光測定器20および1本の光ファイバ15を用いて、各取付ユニット10の位置における計測対象物Tの傾斜量、中立軸、ねじれを計測することができる。
また、図6A、図6Bに示すように、1つの円筒状の計測対象物Tの内周面に、当該円筒の長手方向に沿って、複数の取り付けユニット10を取り付けてもよい。この計測対象物Tは、具体的には鋼管杭などであり、計測面t1は鋼管杭などの内周面である。この場合、光ファイバ15の軸方向Zと鋼管杭の長手方向が一致する。この場合も、各取付ユニット10の位置における計測対象物T(鋼管杭)の傾斜量、中立軸、ねじれを計測することができる。また、例えば鋼管杭が水中に設置されて外周側から浸食される場合などには、計測面t1(内周面)からの中立軸の位置を計測することで、鋼管杭の厚みの減少を把握することも可能である。
また、図7A、図7Bに示すように、箱型構造物である計測対象物Tの3つの内面に、それぞれ複数の取付ユニット10を取り付けてもよい。この場合、3つの内面がそれぞれ計測面t1となる。
また、前記実施形態ではOFDRを用いて光ファイバ15の各部の歪を測定したが、WDM(Wavelength Division Multiplexing)などの他の方法を用いてもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態等で説明した取付ユニット10を改良し、より使用しやすくしたものである。第1実施形態等と同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。なお、図8Aでは光ファイバ15等の表示を省略している。
図8Aに示すように、本実施形態の取付ユニット30は、シート材31と、主棒材32~34と、補助棒材35、36と、を備える。主棒材32~34および補助棒材35、36は、シート材31に固定されている。固定の方法は任意であるが、例えばシート材31、主棒材32~34、および補助棒材35、36が金属(例えばSUS)である場合は、溶接によって固定してもよい。また、接着剤等によって固定してもよい。取付ユニット30は、第1実施形態の取付ユニット10等と同様に、計測対象物Tに取り付けられる。取付ユニット30の計測対象物Tへの固定の方法は任意であるが、溶接や接着剤(例えばエポキシ系接着剤)等による固定を採用できる。
シート材31の-X側の面は、計測対象物Tの表面t1に接している。シート材31には貫通孔31aが形成されている。貫通孔31aは、軸方向Zに延びる長孔である。貫通孔31aの内側に、補助棒材35、36が配置されている。補助棒材35、36は第2方向Yに沿って延びる円柱状である。シート材31の厚みよりも補助棒材35、36の直径が大きいため、補助棒材35、36の一部が、貫通孔31aから+X側に向けて突出している。一例として、シート材31の厚みが0.3mmであり、補助棒材35、36の直径が0.5mmであってもよい。補助棒材35は貫通孔31aにおける-Z側の端部に位置し、補助棒材36は貫通孔31aにおける+Z側の端部に位置している。
主棒材32~34は、シート材31の+X側の面に固定されている。主棒材32~34は第2方向Yに沿って延びる円柱状である。主棒材32~34の長さは、第2方向Yにおける貫通孔31aの幅よりも大きい。主棒材32~34は貫通孔31aを跨ぐように配置されている。主棒材32~34の直径は例えば1mmである。
図8Bに示すように、光ファイバ15は、補助棒材35の+X側、主棒材32の-X側、主棒材33の+X側、主棒材34の-X側、および補助棒材36の+X側を順に通過している。主棒材32、34の-X側を通過するため、光ファイバ15は部分的に貫通孔31aの内側に位置する。このように、貫通孔31aを設けることで、計測対象物Tの表面t1からの取付ユニット30の出っ張りを少なくすることができる。光ファイバ15は主棒材33の+X側を通されるため、主棒材33の-X側の部分には貫通孔31aが設けられていなくてもよい。言い換えると、2つの貫通孔31aが主棒材32の-X側および主棒材34の-X側にそれぞれ設けられていてもよい。主棒材32よりも-Z側、および主棒材34よりも+Z側の領域においては、光ファイバ15はエポキシ樹脂などによって固められ、シート材31に固定されている。主棒材32から主棒材34までの区間においては、光ファイバ15はエポキシ樹脂などによって固められておらず、露出している。主棒材32から主棒材34までの区間において、光ファイバ15には所定の張力が加えられており、棒材間における光ファイバ15は直線状である。計測対象物Tが杭材である場合、主棒材32から主棒材34までの区間において露出した光ファイバ15を保護するため、少なくともこの区間における光ファイバ15を保護チューブ等によって覆うことが好ましい。これにより、杭材(計測対象物T)とともに取付ユニット30および光ファイバ15が地面に圧入されたときに、光ファイバ15が損傷することを抑制できる。保護チューブは、例えば半円筒状であり、計測対象物Tに固定される。
本実施形態においては、シート材31の-Z側の端部から補助棒材35までの区間が、第1実施形態等で説明したZ軸計測区間Szに相当する。また、主棒材32から主棒材33までの区間が、第1実施形態等で説明したX軸計測区間Sxに相当し、主棒材33から主棒材34までの区間が、第3実施形態で説明した副X軸計測区間Sx’に相当する。
以下、本実施形態の計測方法について説明する。以下の説明では、各記号を以下のように定義する。
ε:光ファイバ15に生じる歪
Lch:変形前の測定対象物Tの中立軸と計測面t1との間の距離
La:変形が生じる前の計測区間の長さ
∠θ’A0:外力の影響を除去し、傾斜変化が錆進行のみで生じた場合の推定傾斜角で、変形後の∠(B’f0-A’f0-A’f1)角度
∠θ’Ai:計測区間における曲げ傾斜
L’a:変形後の、計測面t1に沿った点A0と点Aiとの間の円弧長
R:計測対象物Tに曲げモーメントMが作用することで生じる曲げ半径
計測対象物Tに曲げモーメントMが作用して撓み変形することで、光ファイバ15に歪εが生じた場合について考える。R=Lch/εであり、L’a=La×(1+ε)である。歪により生じる回転半径はR=Lchである。L’a/(π×R)=∠θ’Ai/πであるから、以下の(2)式が成立する。
∠θ’Ai=L’a/R=La/Lch×ε×(1+ε) …(2)
経時変化により、計測対象物Tに錆が進行し、LchがL”chに変化し、εがε”に変化し、∠θ’Aiが∠θ”Ai:に変化したとする。このとき、(2)式をもとに以下の(3)式が得られる。
∠θ”Ai=L’a/R=La/L”ch×ε”×(1+ε”) …(3)
(2)式を(3)式で割ることで、以下の(4)式が得られる。
∠θ’Ai/∠θ”Ai=L”ch×ε”×(1+ε”)/Lch×ε×(1+ε) …(4)
(4)式を変形することで、以下の(5)式が得られる。
L”ch/Lch=∠θ’Ai/∠θ”Ai×(ε×(1+ε))/(ε”×(1+ε”)) …(5)
計測対象物Tに錆が進行していない場合はL”ch/Lch=1であるから、(5)式より、以下の(6)式が得られる。
∠θ’Ai/∠θ”Ai=(ε”×(1+ε”)/(ε×(1+ε)) …(6)
計測対象物Tの歪εは、経験的に、100~500μεである。このため、ε×ε項およびε”×ε”は充分に小さく、無視することができる。したがって、(ε”×(1+ε”)/(ε×(1+ε))≒ε/ε”と近似できる。よって、(6)式を変形することで(7)式が得られる。
∠θ”Ai≒∠θ’Ai×ε”/ε …(7)
つまり、∠θ”Aiは歪εと一次相関関係があり、また、曲げモーメントMとも一次相関関係がある。
次に、Z軸計測区間Szにおける長さLBの光ファイバ15に歪εが生じて長さL’Bとなり、X軸計測区間Sxにおける長さLbの光ファイバ15に歪εが生じて長さL’bとなった場合について考える。つまり、L’B=LB×(1+ε)であり、L’b=Lb×(1+ε)である。曲げモーメントMにより、図9に示す∠θA0が∠θ’A0に増大したとする。∠θA0は三角形の夾角定理によって、以下の式(8)により求まる。
∠θA0=acos((D’i^2+LB^2-Lb^2)/(2×D’i×LB)) …(9)
曲げモーメントMによって点Aiに発生する傾斜角∠θ’Aiは以下の式(9)により求まる。
∠θ’Ai=(∠θ’A0-∠θA0)×2 …(8)
一般的に、錆の厚さと鋼材の断面性能は一次相関であることが知られている。
外力が変化せずに錆が進行し、歪εがε’’’に変化し、歪εがε’’’に変化し、∠θ’Aiが∠θ’’’Aiに変化した場合を考える。このとき、式(5)をもとに、以下の式(9)が得られる。
1>L”ch/Lch=∠θ’Ai/∠θ’’’Ai×(ε×(1+ε))/(ε’’’×(1+ε’’’)) …(9)
錆が進行する際の比較基準時(図10における点A0)のε、εの値(ε0、ε0)から∠θ’Aiを算出し、錆が進行した後のε’’’、ε’’’の値から∠θ’’’Aiを算出する。∠θ’Ai/∠θ’’’Ai=βとする。図10より、錆進行厚さrを推定する。
推定式は r=(1-β)/α …(10) である。
αとは、低減勾配であり、計測対象となる鋼材の規格寸法より理論的係数としてシミュレーションにより求めることができ、鋼矢板等の主要鋼材については製造メーカーから公表されている。
図10において、直線L1は、曲げモーメントM(応力)が一定で錆が進行したと仮定した場合を示している。直線L2は、錆が進行せず、曲げモーメントM(応力)が増加したと仮定した場合を示している。直線L1の傾きをβ1としたとき、β1は計測対象となる鋼材の規格寸法と比較基準時の錆進行rおよびSz区間の歪値より理論的係数としてシミュレーションにより求めることができる。
点Aiにおけるεi、εiの値は、計測装置による測定結果から得られる。点Asは、横軸がεiのときに直線L1上に位置する点である。点Asにおける縦軸の値をεAsと表す。点Amは、横軸εiのときに直線L2上に位置する点である。点Amにおける縦軸の値をεAmと表す。グラフより、εi-εAmの値が求まる。
以下の式(11)は、錆が比較基準時より進行していないと仮定したときに、計測値ε’iの値から、εAmを推計する式である。
εAm=(εi-ε0)×α1 +εB0…(11)
以下の式(12)は外力が比較基準時から外力が変化していないと仮定したとき、計測値ε’iの値から、εAsを推計する式である。つまりε’の増加分が錆進行によるものだけであると仮定した場合に、錆進行厚さrを推計する式である。
εAs’=(εi-ε0)×β1+εB0…(12)
式(12)において、β1は式(11)におけるα1と同様に、計測対象となる鋼材の規格寸法と比較基準時の錆進行rおよびSz区間の歪値より理論的係数としてシミュレーションにより求めることができる。
外力の増加によって比較基準時の点A0(ε0、ε0)から点C1(εCi、εCi)に変化し、錆の進行によって点C1から点Ai(εi、εi)に変化した場合について考える。(εCi-ε0)/(εi-ε0)=ηとすると、以下の式(13)、(14)が成り立つ。
(εi-εAm)=(β1-α1)×(εi-ε0)×η …(13)
(εAs-εi)=(β1-α1)×(εi-ε0)×(1-η) …(14)
式(13)、(14)から、以下の式(15)が得られる。
η=(εi-εAm)/(εAs-εAm) …(15)
このηを用いて、A’i(ε’i、ε’i)の値を計算し、∠θ’A0を求める。また、比較基準時の∠θA0と錆進行後の∠θ’A0との比(∠θA0/∠θ’A0)=βを算出し、先述の数式(10)を適用し、錆進行厚さrを推定する。以上より、光ファイバ15の計測結果を用いて、錆の進行厚さ度合い(rの値)を求めることが可能である。
本実施形態によれば、杭材に取り付けユニット30を取り付けたまま、杭材を地面に圧入することで、地中の杭材の錆進行を、光ファイバ15を通した光測定器20の光の測定結果によって推定することができる。
なお、本実施形態の計測原理を、他の計測装置に適用することも可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
例えば、図1Bに示した計測装置1において、第2ガイド部材14の+Z側に他のガイド部材(例えば図4Bの第6ガイド部材19)を配置し、当該他のガイド部材の-X側に光ファイバ15を通してもよい。
1…計測装置 12…ベース部材 13…第1ガイド部材 13a…第1円弧面 14…第2ガイド部材 14a…第2円弧面 15…光ファイバ 20…光測定器 T…計測対象物 t1…計測面

Claims (6)

  1. FBGが形成された1本の光ファイバと、
    前記光ファイバに接続された光測定器と、
    前記光ファイバに接する第1円弧面を有する第1ガイド部材と、
    前記光ファイバに接する第2円弧面を有する第2ガイド部材と、を備え、
    前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材は、一方向において間隔を空けて配置されるとともに、計測対象物に固定され、
    前記光ファイバは、前記計測対象物の計測面に沿い、かつ前記一方向に沿って配置された第1部分と、両端部が前記第1円弧面および前記第2円弧面に接する第2部分と、を有し、
    前記第2部分は、前記第1円弧面から前記第2円弧面に向かうに従って前記計測面から離れるように配置され、
    前記光測定器は、OFDRによって前記光ファイバの各部の歪量を測定する、計測装置。
  2. 前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材が固定されたベース部材をさらに備え、
    前記ベース部材が前記計測対象物に固定される、請求項1に記載の計測装置。
  3. 請求項1に記載の計測装置を用いた計測方法であって、
    前記光ファイバに、張力が印加された張力印加区間と、張力が印加されない無張力区間と、を設け、
    前記無張力区間の前記光ファイバの歪量をOFDRによって測定し、
    前記無張力区間の前記光ファイバの歪量の測定結果を用いて温度校正を行い、
    前記張力印加区間の前記光ファイバの歪量の測定結果を用いて、前記計測対象物が変形することに伴って生じる、前記計測対象物の前記計測面の傾斜量を、幾何学的に計測する、計測方法。
  4. 請求項1に記載の計測装置を用いた計測方法であって、
    前記光ファイバに、前記第1部分と、前記計測面から直線的に離れるように配置された前記第2部分と、を設けて、
    前記計測対象物の変形に伴って、前記第1部分において生じるひずみεzをOFDRによって測定した結果と、前記第2部分において生じるひずみεxをOFDRによって測定した結果と、前記計測対象物の中立軸の曲率半径Rを幾何学的に求めた結果と、に基づき、前記計測対象物の中立軸の前記計測面からの距離L’chを、R=L’ch÷εzの関係式から計測する、計測方法。
  5. 請求項1に記載の計測装置を用いた計測方法であって、
    前記光ファイバを前記計測対象物に固定し、前記計測対象物が変形することに伴って前記光ファイバに生じる歪量をOFDRによって測定した結果を用いて、前記計測対象物の第1方向の傾斜量および前記第1方向に直交する第2方向の傾斜量を幾何学的に計測する、計測方法。
  6. 前記第1方向の傾斜量および前記第2方向の傾斜量に基づいて、前記第1方向および前記第2方向に平行な投影面における合成傾斜角を計算し、前記合成傾斜角の変化量に基づいて、前記第1方向および前記第2方向の双方に直交する軸方向回りの前記計測対象物のねじれを計測する、請求項5に記載の計測方法。
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