JP6383268B2 - 状態判定システム及び車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、車両の乗員の生理的状態を判定する状態判定システム及び該システムを備えた車両用シートに係り、特に、車両用シートに着座した乗員の生理的活動に応じて変化する計測対象値を計測し、その計測結果に基づいて生理的状態を判定する状態判定システム及び該システムを備えた車両用シートに関する。
車両用シートに着座した乗員の生理的活動に応じて変化する計測対象値をセンサにて計測し、その計測結果に基づいて乗員の生理的状態を判定する状態判定システムは、既に知られている。状態判定システムの一例を挙げると、車両用シート内部に備えられた圧力センサにて乗員の呼吸(具体的には、呼吸に伴う体表面の振動)を検出し、検出した呼吸波形のピーク位置間隔から乗員の覚醒状態を判定するシステムが知られている。
また、上記の状態判定システムにおいて呼吸を検出する際には、車両走行中の振動(具体的には、路面状態及び路面とタイヤとの接触状態の変化によって生じる車体振動)に起因した雑音成分が重畳され易い。このため、乗員の覚醒状態を判定するにあたり、呼吸波形中から上記の車体振動成分を除去することが知られている。このように車体振動成分を取り除くことで、呼吸波形に基づいて乗員の覚醒状態を判定した場合の判定精度が向上することとなる。
ところで、車体振動成分を呼吸波形中から取り除く上で車体振動成分の特定が必要となるが、車体振動成分の特定方法としては、特許文献1あるいは特許文献2に記載の方法が考えられる。特許文献1では、車両用シートのシートバックとシートクッションにそれぞれ圧力センサを配置し、双方の圧力センサの計測波形の差分を求め、当該差分に相当する周波数成分を車体振動成分として特定する。特許文献2では、車体振動成分特定用のセンサ(具体的には加速度センサ)が呼吸検出用のセンサとは別に設けられ、当該加速度センサの計測結果から車体振動成分を特定している。
特開2007−61490号公報 国際公開第2012/63308号公報
以上のように、特許文献1及び特許文献2では、いずれも、車体振動成分を特定するにあたり、センサを追加的に用いることとしている。しかしながら、センサを追加することで部品数が増え、その分、状態判定システムのコストが割高となってしまう。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、追加的にセンサを用いなくとも車体振動成分の影響を考慮して精度よく乗員の生理的状態を判定することが可能な状態判定システム及び該システムを備えた車両用シートを提供することにある。
前記課題は、本発明の状態判定システムによれば、車両に搭載された車両用シートに着座した乗員の生理的活動に応じて変化する計測対象値を計測するセンサと、該センサの計測結果に基づいて乗員の生理的状態を判定する判定装置と、を有し、該判定装置は、前記計測結果の変化波形を示すデータに対してノイズ除去用のフィルタ処理を施す第一フィルタ処理と、前記変化波形から前記計測結果の変化についての加速度成分を算出して、前記変化波形に含まれる周波数成分のうち、前記車両の振動に起因した周波数成分を、前記変化波形から特定する特定処理と、前記加速度成分を示すデータに対してノイズ除去用のフィルタ処理を施す第二フィルタ処理と、特定された前記車両の振動に起因した周波数成分に基づいて前記変化波形を補正する補正処理と、補正された前記変化波形に基づいて前記生理的状態を判定する判定処理と、を実行し、前記補正処理では、前記第一フィルタ処理が施されたデータが示す前記変化波形から、前記第二フィルタ処理が施されたデータが示す前記加速度成分を除去することにより解決される。
上述した本発明の状態判定システムでは、乗員の生理的活動に応じて変化する計測対象値を計測するセンサの計測結果から、車両の振動に起因した周波数成分(車体振動成分)を特定する。そして、その特定結果に基づいて上記センサの計測結果の変化波形を補正し、補正された変形波形に基づいて乗員の生理的状態を判定する。かかる構成によれば、車体振動成分を特定するためにセンサを追加しなくとも、精度よく生理的状態を判定することが可能となる。
また、上記の構成では、車体振動成分を特定するにあたり、センサの計測結果の変化波形から当該計測結果の変化についての加速度成分を算出する。この加速度成分の算出結果は、従来の状態判定システム(例えば、特許文献2に記載の睡眠状態推定装置)において車体振動成分を特定するために用いられた加速度センサの計測結果と代替し得るものである。したがって、上記の構成によれば、センサの計測結果の変化波形から算出した当該計測結果の変化についての加速度成分を用いて、精度よく生理的状態を判定することが可能となる。
また、上記の構成では、補正処理の前段階で、センサの計測結果の変化波形を示すデータ、及び加速度成分(すなわち、車体振動成分)を示すデータの各々に対してノイズ除去用のフィルタ処理を施す。これにより、状態判定の精度をより一層向上させることが可能となる。
また、前記課題は、本発明の状態判定システムによれば、車両に搭載された車両用シートに着座した乗員の生理的活動に応じて変化する計測対象値を計測するセンサと、該センサの計測結果に基づいて乗員の生理的状態を判定する判定装置と、を有し、該判定装置は、前記計測結果の変化波形を示すデータに対してノイズ除去用のフィルタ処理を施す第一フィルタ処理と、前記変化波形から前記計測結果の変化についての速度成分を算出して、前記変化波形に含まれる周波数成分のうち、前記車両の振動に起因した周波数成分を、前記変化波形から特定する特定処理と、前記速度成分を示すデータに対してノイズ除去用のフィルタ処理を施す第二フィルタ処理と、特定された前記車両の振動に起因した周波数成分に基づいて前記変化波形を補正する補正処理と、補正された前記変化波形に基づいて前記生理的状態を判定する判定処理と、を実行し、前記補正処理では、前記第一フィルタ処理が施されたデータが示す前記変化波形から、前記第二フィルタ処理が施されたデータが示す前記速度成分を除去することにより解決される。
上記の構成では、車体振動成分を特定するにあたり、センサの計測結果の変化波形から当該計測結果の変化についての速度成分を算出する。この速度成分の算出結果は、車体振動成分の影響を排除する上で、上述した加速度成分と同等の効果を果たす。したがって、上記の構成によれば、センサの計測結果の変化波形から算出した当該計測結果の変化についての速度成分を用いて、精度よく生理的状態を判定することが可能となる。
また、上記の構成では、補正処理の前段階で、センサの計測結果の変化波形を示すデータ、及び速度成分を示すデータの各々に対してノイズ除去用のフィルタ処理を施す。これにより、状態判定の精度をより一層向上させることが可能となる。
また、上記の状態判定システムにおいて、前記センサは、前記車両用シートのシートクッションに配置され、乗員が前記車両用シートに着座した際に前記シートクッションの上面に掛かる圧力を前記計測対象値として計測し、前記判定装置は、前記計測結果に基づいて乗員の覚醒状態を判定することとしてもよい。
上記の構成では、乗員が車両用シートに着座した際にシートクッションの上面に掛かる圧力をセンサにて計測し、その計測結果に基づいて乗員の覚醒状態を判定する。かかる構成において、センサの計測結果の変化波形から車体振動成分を除去する補正を行い、補正された変化波形に基づいて、乗員の覚醒状態を判定する。これにより、乗員の覚醒状態を精度よく判定することが可能となる。
さらに、本発明の車両用シートによれば、上述したいずれかの状態判定システムを備えていることで、前記課題を解決することができる。
本発明の状態判定システムによれば、車体振動成分を特定するためにセンサを追加しなくとも、精度よく生理的状態を判定することが可能となる。
また、本発明の状態判定システムによれば、センサの計測結果の変化波形から算出した当該計測結果の変化についての加速度成分を用いて、精度よく生理的状態を判定することが可能となる。
また、本発明の状態判定システムによれば、補正処理の前段階においてセンサの計測結果の変化波形を示すデータ、及び加速度成分を示すデータの各々に対してノイズ除去用のフィルタ処理を施すので、状態判定の精度がより一層向上する。
また、本発明の状態判定システムによれば、センサの計測結果の変化波形から算出した当該計測結果の変化についての速度成分を用いて、精度よく生理的状態を判定することが可能となる。
また、本発明の状態判定システムによれば、補正処理の前段階においてセンサの計測結果の変化波形を示すデータ、及び速度成分を示すデータの各々に対してノイズ除去用のフィルタ処理を施すので、状態判定の精度がより一層向上する。
また、本発明の状態判定システムによれば、乗員が車両用シートに着座した際にシートクッションの上面に掛かる圧力を計測し、その計測結果に基づいて乗員の覚醒状態を判定する構成において、精度よく覚醒状態を判定することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る状態判定システムの構成を示す模式図である。 呼吸波形についての説明図である。 状態判定フローの流れを示す図である。 センサの計測結果の変化波形についての説明図である。 補正された変化波形についての説明図である。 変形例に係る状態判定フローの流れを示す図である。 変形例において補正された変化波形についての説明図である。
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)について説明する。なお、下記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
本実施形態に係る状態判定システム(以下、本システム10)は、車両に搭載された車両用シートに着座した乗員の生理的状態を判定(推定)するために用いられる。本実施形態において「生理的状態」とは、乗員の覚醒状態を意味するが、これに限定されるものではない。「生理的状態」は、覚醒状態のほか、乗員の精神安定状態や泥酔状態等、乗員の身体各部(臓器や神経を含む)の働きや機能の正常・異常に関する状態を意味し、このような状態を判定するシステムに対して本発明が適用可能である。
本システム10の構成について図1を参照しながら説明すると、センサとしての呼吸センサ1と、判定装置としてのECU(Electronic Control Unit)2によって構成されている。呼吸センサ1は、公知の圧力センサからなり、例えば、ピエゾセンサ式の圧力センサ、半導体ピエゾ抵抗式の圧力センサ、歪みゲージ式の圧力センサ、静電容量式の圧力センサ、あるいはシリコンレゾナント式の圧力センサ等からなる。また、呼吸センサ1は、車両用シートSのシートクッションS1、より具体的には、シートクッションS1の着座部(乗員の臀部を支える部分)に備えられている。そして、呼吸センサ1は、乗員が前記車両用シートに着座した際にシートクッションS1の上面に掛かる圧力(すなわち、着座圧)を計測対象値として計測する。ここで、着座圧は、車両用シートSに着座した乗員の生理的活動、具体的には呼吸に応じて変化する。つまり、乗員が車両用シートSに着座しているとき、着座圧は、図2に示すように周期的に変化する。図2は、乗員が車両用シートSに着座している状態における着座圧の変化波形、すなわち、呼吸波形を示す図である。
なお、乗員が正常な覚醒状態にあるときには、圧力変動の周期、換言すると、ピーク間隔(図2中、記号piにて表記)が略一定となる。ここで、呼吸波形におけるピークは、呼吸中の呼期に相当し、覚醒度に応じてピーク間隔piが変化する。そして、本実施形態では、上記のピーク間隔piによって乗員の覚醒状態を判定することとしている。なお、ピーク間隔piから覚醒状態を判定する方法については、公知であるため、その詳細については説明を省略することとする。
また、本実施形態では、乗員の呼吸に応じて変化する計測対象値として着座圧を計測することとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、覚醒状態を判定する上で必要となる計測対象値及びこれを計測するセンサについては、特に制限されるものではない。例えば、シートに着座した着座者の荷重を計測対象値とすることが可能であり、かかる場合には、荷重センサを利用することとなる。また、乗員の骨格形状(乗員の身体中、シートに接している部位の骨格形状)を計測対象値とすることも可能であり、かかる場合には、形状センサを利用することとなる。
ECU2は、呼吸センサ1の計測結果に基づいて乗員の覚醒状態を判定する装置である。ECU2のハードウェア構成について図1を参照しながら概説すると、呼吸センサ1の計測結果を示す信号の入力ポート2aと、アンプ等により構成される信号処理器2bと、A/D変換器2cと、データ処理用の演算機器2dと、を有する。また、演算機器2dは、公知のマイコンによって構成されており、覚醒状態判定に関する一連のデータ処理を実行する。具体的に説明すると、演算機器2dは、図3に図示した状態判定フローの各ステップにおいて、対応するデータ処理を実行する。以下、図3に従って状態判定フローの流れを説明する。
状態判定フローは、乗員が車両用シートSに着座した時点で開始される。状態判定フローが開始されると、先ず、呼吸センサ1による圧力計測が開始される(S001)。そして、呼吸センサ1の計測結果を示す信号(電気信号)が入力ポート2aを通じてECU2に入力されると、当該信号に対して、信号処理器2bによる増幅処理、及び、A/D変換器2cによるデジタル信号(データ)への変換処理がなされる。なお、呼吸センサ1による圧力計測は、乗員が車両用シートSに着座している間、定期的に行われ、その都度、上記の処理が繰り返し実行される。この結果、ECU2は、呼吸センサ1による計測結果の係止変化を示す変化波形を取得するようになる。
ここで、変化波形について説明すると、本来は図2に図示した呼吸波形のように規則的な波形となるべきところ、実際には図4に示すように不規則な波形となる。これは、呼吸波形に相当する周波数成分に、信号伝送時に生じるノイズの周波数成分、及び、車体振動成分が重畳されることが原因である。ここで、「車体振動成分」とは、上記の変化波形に含まれる周波数成分のうち、車両の振動(具体的には、路面状態及び路面とタイヤとの接触状態の変化によって生じる車体振動)に起因した周波数成分を意味する。
そして、図4に図示したような変化波形をそのまま利用しても、上述のピーク間隔piを特定することは困難である。故に、変化波形をそのまま用いたところで、乗員の覚醒状態を適切に判定することは困難である。そこで、本システム10では、ECU2(厳密には、演算機器2d)が後述する補正処理を実行することとしている(S008)。
補正処理を説明するにあたり、その前処理として行われるデータ処理について先に説明する。補正処理の前処理として、ECU2は、先ず、上記の変化波形を示すデータ(以下、変化波形データ)に対して一般的なノイズ除去用のフィルタ処理を施す。具体的には、変化波形データに対して、メジアンフィルタによるフィルタ処理(S002)及びローパスフィルタによるフィルタ処理(S003)を施す。ここで、変化波形データに対して施されるメジアンフィルタ及びローパスフィルタによるフィルタ処理は、第一フィルタ処理に相当する。
一方、補正処理の前処理として、ECU2は、車体振動成分を特定する特定処理を実行する(S004)。そして、本実施形態では、上記の変化波形から車体振動成分を特定する。すなわち、本実施形態では、呼吸センサ1の計測結果から車体振動成分を特定することとしており、かかる点が本システム10の特徴である。具体的に説明すると、呼吸センサ1の計測結果の変化波形を2回微分することで圧力加速度成分を算出する。ここで、圧力加速度成分とは、呼吸センサ1の計測結果の変化についての加速度成分、分かり易く言うと、呼吸センサ1が計測した圧力(着座圧)の変化速度について求めた単位時間あたりの変化量(変化度合い)である。
そして、ECU2は、上記の圧力加速度成分に対して全波整流処理を実行した上で(S005)、当該圧力加速度成分を示すデータ(以下、圧力加速度成分データ)に対して一般的なノイズ除去用のフィルタ処理を施す。具体的には、圧力加速度成分データに対して、メジアンフィルタによるフィルタ処理(S006)及びローパスフィルタによるフィルタ(S007)を施す。ここで、圧力加速度成分データに対して施されるメジアンフィルタ及びローパスフィルタによるフィルタ処理は、第二フィルタ処理に相当する。
その後、ECU2は、補正処理を実行し、特定処理において特定された車体振動成分に基づいて、呼吸センサ1の計測結果の変化波形を補正する(S008)。具体的には、メジアンフィルタ及びローパスフィルタによるフィルタ処理が施された変化波形データが示す変化波形から、同じくメジアンフィルタ及びローパスフィルタによるフィルタ処理が施された圧力加速度成分データが示す圧力加速度成分を除去する。このように補正された変化波形は、図5に示すように、本来の呼吸波形と近似した波形となる。図5は、補正された変化波形についての説明図である。なお、同図中には、図2に図示した本来の呼吸波形が破線にて併せて図示されている。また、同図には、比較例として、従来の状態判定フローにおいて用いられた変化波形が一点鎖線にて併せて図示されている。
そして、図5に示すように、補正された変化波形では、呼期ピークが明瞭に現れるようになる。すなわち、補正された変化波形によれば、ピーク間隔piの特定も容易になる。この結果、ECU2は、補正処理後に実行する判定処理(S009)では、直前のステップで補正された変化波形に基づいて乗員の覚醒状態を精度よく判定することが可能となる。
より詳しく説明すると、従来の状態判定フローでは、車体振動成分を特定するために加速度センサを用いていた。加速度センサによって車体振動成分を正確に特定する上では、加速度センサを呼吸センサ1と同様の配置箇所、すなわち、シートクッションS1の着座部に配置しているのが望ましい。しかしながら、加速度センサを着座部に配置してしまうと、着座感が損なわれてしまう。このため、従来の状態判定フローでは、シートクッションS1の着座部から離れた箇所、例えば、車体フロアに加速度センサを配置していた。
ただし、車体フロアに加速度センサを配置した場合では、シートクッションS1の着座部に配置した場合よりも、車体振動成分の特定精度が低下してしまう。これは、着座圧に影響を及ぼす車体振動が、シートクッションS1の着座部に伝達されてきた振動であり、かかる振動の振動量は、シートクッションS1にクッション材が内包されていることで実際の振動量(車体フロア側で検出される振動量)とは相違するからである。以上のような状況により、車体フロアに配置した加速度センサによって特定された車体振動成分に基づいて変化波形を補正したとしても、図5の一点鎖線に示す波形となり、かかる波形では呼期ピークが明瞭に現れないこともある。
これに対して、本システム10では、呼吸センサ1の計測結果(厳密には、計測結果の変化波形)から車体振動成分を特定する。すなわち、本システム10では、車体振動成分を特定するために利用されるセンサがシートクッションS1の着座部にある。このため、本システム10による状態判定フローでは、従来の状態判定フロー(すなわち、車体フロアに加速度センサを配置した場合)よりも車体振動成分の特定精度が高くなる。これにより、変化波形から車体振動成分を良好に除去することが可能となり、結果として、補正後の変化波形が本来の呼吸波形に対して良好に近似するようになる。
以上の効果により、本システム10の状態判定フローでは、従来の状態判定フローよりも精度よく乗員の覚醒状態を判定することが可能となる。さらに、従来の状態判定フローのように加速度センサを利用しないので、その分、部品数が少なくなり、システム構築のコストについても削減されるようになる。
なお、以上までに説明してきた実施形態では、車体振動成分を特定するにあたり、呼吸センサ1の計測結果の変化波形を2階微分して圧力加速度成分を算出することとしたが、これに限定されるものではない。呼吸センサ1の計測結果の変化波形から車体振動成分を特定する構成は、他にも考えられる。以下では、呼吸センサ1の計測結果の変化波形から車体振動成分を特定する他の構成(変形例)について説明する。
変形例における状態判定フローは、図6に示すように、特定処理の実行ステップS014を除き、先に説明した状態判定フローと同様の流れとなっている。このため、以下では、変形例における状態判定フローのうち、特定処理の実行ステップS014を中心に説明することとする。
変形例において、ECU2は、特定処理の実行時に、呼吸センサ1の計測結果の変化波形を1回微分することで圧力速度成分を算出する。ここで、圧力速度成分とは、呼吸センサ1の計測結果の変化の速度成分、つまり、呼吸センサ1が計測した圧力(着座圧)の変化速度を意味する。
そして、ECU2は、上記の圧力速度成分に対して全波整流処理を実行した上で(S015)、当該圧力速度成分を示すデータ(以下、圧力速度成分データ)に対して、メジアンフィルタによるフィルタ処理(S016)及びローパスフィルタによるフィルタ(S017)を施す。ここで、圧力速度成分データに対して施されるメジアンフィルタ及びローパスフィルタによるフィルタ処理は、第二フィルタ処理に相当する。
一方、変形例においても、先に説明した実施形態と同様、ECU2が変化波形データに対して、メジアンフィルタによるフィルタ処理(S012)及びローパスフィルタによるフィルタ処理(S013)を施す。ここで、変化波形データに対して施されるメジアンフィルタ及びローパスフィルタによるフィルタ処理は、第一フィルタ処理に相当する。
その後、ECU2は、補正処理を実行し、特定処理において特定された車体振動成分に基づいて、呼吸センサ1の計測結果の変化波形を補正する(S018)。具体的には、メジアンフィルタ及びローパスフィルタによるフィルタ処理が施された変化波形データが示す変化波形から、同じくメジアンフィルタ及びローパスフィルタによるフィルタ処理が施された圧力速度成分データが示す圧力速度成分を除去する。このように補正された変化波形は、図7に示すように、本来の呼吸波形と近似した波形となる。図7は、変形例において補正された変化波形についての説明図である。なお、同図には、本来の呼吸波形が破線にて図示されており、また、先の実施形態における補正された変化波形(すなわち、圧力加速度成分を除去した変化波形)が二点鎖線にて図示されている。
図7に図示された2つの変化波形を比較すると、両波形の変化パターンが近似していることが分かる。すなわち、車体振動成分に対応する成分として圧力速度成分を特定したとしても、補正処理における補正の作用は、車体振動成分に対応する成分として圧力加速度成分を特定した場合と略同様である。つまり、図7に示すように、変形例において補正された変化波形においても呼期ピークが明瞭に現れるようになる。このため、変形例においても、補正された変化波形からピーク間隔piを容易に特定することが可能となり、ECU2がその後の判定処理(S019)において、直前のステップで補正された変化波形に基づいて乗員の覚醒状態を精度よく判定するようになる。
1 呼吸センサ(センサ)
2 ECU(判定装置)
2a 入力ポート
2b 信号処理器
2c A/D変換器
2d 演算機器
10 本システム(状態判定システム)
S 車両用シート
S1 シートクッション

Claims (4)

  1. 車両に搭載された車両用シートに着座した乗員の生理的活動に応じて変化する計測対象値を計測するセンサと、
    該センサの計測結果に基づいて乗員の生理的状態を判定する判定装置と、を有し、
    該判定装置は、
    前記計測結果の変化波形を示すデータに対してノイズ除去用のフィルタ処理を施す第一フィルタ処理と、
    前記変化波形から前記計測結果の変化についての加速度成分を算出して、前記変化波形に含まれる周波数成分のうち、前記車両の振動に起因した周波数成分を、前記変化波形から特定する特定処理と、
    前記加速度成分を示すデータに対してノイズ除去用のフィルタ処理を施す第二フィルタ処理と、
    特定された前記車両の振動に起因した周波数成分に基づいて前記変化波形を補正する補正処理と、
    補正された前記変化波形に基づいて前記生理的状態を判定する判定処理と、を実行し、
    前記補正処理では、前記第一フィルタ処理が施されたデータが示す前記変化波形から、前記第二フィルタ処理が施されたデータが示す前記加速度成分を除去することを特徴とする状態判定システム。
  2. 車両に搭載された車両用シートに着座した乗員の生理的活動に応じて変化する計測対象値を計測するセンサと、
    該センサの計測結果に基づいて乗員の生理的状態を判定する判定装置と、を有し、
    判定装置は、
    前記計測結果の変化波形を示すデータに対してノイズ除去用のフィルタ処理を施す第一フィルタ処理と、
    前記変化波形から前記計測結果の変化についての速度成分を算出して、前記変化波形に含まれる周波数成分のうち、前記車両の振動に起因した周波数成分を、前記変化波形から特定する特定処理と、
    前記速度成分を示すデータに対してノイズ除去用のフィルタ処理を施す第二フィルタ処理と、
    特定された前記車両の振動に起因した周波数成分に基づいて前記変化波形を補正する補正処理と、
    補正された前記変化波形に基づいて前記生理的状態を判定する判定処理と、を実行し、
    前記補正処理では、前記第一フィルタ処理が施されたデータが示す前記変化波形から、前記第二フィルタ処理が施されたデータが示す前記速度成分を除去することを特徴とする状態判定システム。
  3. 前記センサは、前記車両用シートのシートクッションに配置され、乗員が前記車両用シートに着座した際に前記シートクッションの上面に掛かる圧力を前記計測対象値として計測し、
    前記判定装置は、前記計測結果に基づいて乗員の覚醒状態を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の状態判定システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の状態判定システムを備えた車両用シート。
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