JP6031896B2 - 呼吸信号推定装置及び呼吸信号推定方法 - Google Patents

呼吸信号推定装置及び呼吸信号推定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6031896B2
JP6031896B2 JP2012188791A JP2012188791A JP6031896B2 JP 6031896 B2 JP6031896 B2 JP 6031896B2 JP 2012188791 A JP2012188791 A JP 2012188791A JP 2012188791 A JP2012188791 A JP 2012188791A JP 6031896 B2 JP6031896 B2 JP 6031896B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric sensor
signal
nonlinear
linear
output value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012188791A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014045792A (ja
Inventor
サシャ ヴラジック
サシャ ヴラジック
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Aisin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, Aisin Corp filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2012188791A priority Critical patent/JP6031896B2/ja
Publication of JP2014045792A publication Critical patent/JP2014045792A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6031896B2 publication Critical patent/JP6031896B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

本発明は、圧電センサ信号から呼吸信号を推定する呼吸信号推定装置及び方法に関する。
人の呼吸状態(呼吸時間、呼吸周期、呼吸回数、呼吸量、呼吸の深さ、呼吸速度等)を示す信号(以下、「呼吸信号」とする。)を用いて、人の病状、緊張度、覚醒度等を推測する研究が行われている。人の呼吸状態を測定するには、人の鼻や口もとにエアフローセンサを装着させ、エアフローセンサにより呼吸信号を測定することが最も望ましい。
一方、呼吸バンドセンサは人の胸のあたりに装着され、人の胸の動きを測定する。そのため、比較的、人の呼吸状態に近い信号を測定することができるが、エアフローセンサほどの正確性を実現するものではない。
圧電センサは、圧力の変化を測定しそれを電気信号として出力する。そのため、椅子や寝台等に備え付けた圧電センサを用いて、人の呼吸に関連する圧力の変化を測定することが可能である。しかしながら、圧電センサは、人の体動、呼吸に起因する胸及び腹の動き、血流の脈動(即ち、心拍)等を測定し、合わせて測定環境に応じた振動(例えば、自動車の振動)も測定するため、正確な呼吸信号を測定することが難しい。
特許文献1は、生体状態判断装置及び支援システムを開示する。特許文献1は、人体を拘束するシートベルトに埋め込まれた圧電センサの信号から、所定の周波数帯域及び所定の強度閾値を超えたピーク数に着目して、運転者の呼吸情報及び心拍情報を判断し、運転者の覚醒度、緊張度等を診断する。
特許文献2は、心拍検出装置を開示する。特許文献2は、座席に埋め込まれた圧電センサの信号から、心拍及び呼吸の周波数領域に相当する設定周波数範囲の信号成分をフィルタリングにより抽出し、所定の閾値を用いて心拍や呼吸状態を判断する。
特開2005−95408号公報 特開2008−79931号公報
人の呼吸状態を判断するためには、エアフローセンサを用いて呼吸信号を測定することが望ましい。即ち、エアフローセンサからの信号は、呼吸信号に極めて近い。しかしながら、人の鼻や口もとにエアフローセンサを常に装着させておくことは、人を拘束し不快感を生じさせることがある。そのため、人を拘束しない圧電センサの信号を用いて、人の呼吸信号を正確に推定することが望まれる。
特許文献1及び2は、閾値を用いて呼吸状態を判断しているが、圧電センサの信号から実際の人の呼吸状態を正確に推定するものではない。ここで、正確な人の呼吸状態の判断基準は、人の鼻や口もとに装着されたエアフローセンサにより測定する呼吸信号を基準とする。また、いずれの特許文献も、複数の圧電センサの中から、呼吸バンドセンサの信号に近い信号を生成する圧電センサを選択する技術に関係するものではない。さらに、いずれの特許文献も、圧電センサ信号を、非線形処理、線形処理、非線形処理の順に処理することで、呼吸信号を推定することの技術的思想を示していない。
本発明の第1の態様は、被験者を保持する保持具に設けられた圧電センサからの圧電センサ信号を入力する入力部と、予め定められた非線形関数を用いて、前記圧電センサ信号を非線形処理することにより呼吸信号を推定する非線形推定部とを備える、ことを特徴とする。
本発明によれば、予め定められた非線形関数を用いることにより、圧電センサの信号を用いて人の呼吸信号を正確かつ高速に推定することができる。また、保持具に設けられた圧電センサ信号を用いることにより、被験者を拘束せずに、呼吸信号を推定することができる。さらに、本発明によれば、複数の圧電センサの中から、呼吸バンドセンサの信号に近い信号を生成する圧電センサを高速かつ簡便に選択し、それを用いて人の呼吸状態をさらに正確かつ高速に推定する呼吸信号推定装置を提供する。
本発明の第1実施形態に係るシステムを示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る呼吸信号推定装置のブロック図である。 本発明の一実施例に係る入力非線形処理部における非線形性関数のグラフである。 本発明の一実施例に係る入力非線形処理部における非線形性関数のグラフである。 本発明の一実施例に係る線形処理部におけるフィルタ特性を示すボード線図である。 本発明の一実施例に係る線形処理部におけるフィルタ特性を示すボード線図である。 本発明の一実施例に係る出力非線形処理部における非線形性関数のグラフである。 本発明の一実施例に係る圧電センサ信号から呼吸信号を推定するフローチャートである。 本発明の一実施例に係る推定した呼吸信号波形とエアフローセンサ信号波形とを比較したグラフである。 本発明の第2実施形態に係るシステムを示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る圧電センサ選択装置及び呼吸信号推定装置のブロック図である。 本発明の一実施例に係る圧電センサ選択装置により選択された圧電センサ信号波形と呼吸バンドセンサ信号波形とを比較したグラフである。
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態で説明する寸法、材料、形状、構成要素の相対的な位置等は任意であり、本発明が適用される装置の構造又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に説明される実施形態で具体的に記載された形態に限定されるものではない。
なお、以下で説明する図面で、同機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することもある。また、本発明において、関連する機能はデジタル信号を処理するものであり、詳細には述べないが、適宜、アナログ−デジタル変換は行われているものとする。
[第1実施形態]
(システム100の概要)
図1は、本発明の第1実施形態に係るシステム100を示す模式図である。
本実施形態に係るシステム100は、被験者用の椅子(保持具)104と、椅子104の背もたれに配置されたN個の圧電センサ102〜102(Nは正の整数)と、圧電センサ102〜102に接続された呼吸信号推定装置101と、呼吸信号推定装置101に接続された出力装置103とを含む。圧電センサ102〜102は、例えばピエゾ素子等の圧電体から構成され、圧電体に印加された圧力を電気信号(以下、「圧電センサ信号」という。)として出力可能である。
圧電センサ102〜102は、椅子104の背もたれに配置されており、例えば、被験者の胸、腰等の各部から受ける圧力を検出する。なお、圧電センサ102〜102を背もたれに限らず、座部に設けてもよく、また、寝台、ソファ、便座、自動車のシートベルト等に配置してもよい。このように、椅子等の保持具に圧電センサを設けることにより、被験者の身体を拘束せずに、呼吸信号を推定することができる。
呼吸信号推定装置101は、圧電センサ信号から呼吸信号を推定する機能を有する。また、出力装置103は推定された呼吸信号に基づき、呼吸状態(呼吸時間、呼吸周期、呼吸回数、呼吸量、呼吸速度等)を計測、判断したり、その信号を他のアプリケーションへ出力することもできる。
図2は、呼吸信号推定装置101のブロック図である。呼吸信号推定装置101は、ソフトウェアの指示に応じて演算処理を行うコンピュータ等により構成されており、N個のノイズ除去部200〜200と、入力部201と、非線形推定部202とを備える。
ノイズ除去部200〜200は、A/Dコンバータ(未図示)を介して、対応する圧電センサ102〜102に接続される。入力部201は、圧電センサ102〜102からの圧電センサ信号を入力し、それを非線形推定部202へ提供する。非線形推定部202は、ノイズ除去部200〜200及び出力装置103に接続される。
非線形推定部202は、ノイズ除去部200〜200を通った圧電センサ信号を受け取る入力非線形処理部203と、入力非線形処理部203からの出力信号を受け取る線形処理部202と、線形処理部202からの出力信号を受け取り、出力装置103に信号を送る出力非線形処理部205とを含む。
ノイズ除去部200〜200、入力部201、非線形推定部202、入力非線形処理部203、線形処理部204、及び出力非線形処理部205は、それらの機能を実現するために呼吸信号推定装置101内に設けられたハードウェアであってもよく、又は、呼吸信号推定装置101内に記憶され、それらの機能を呼吸信号推定装置101に実現させるためのソフトウェアであってもよい。
圧電センサ102〜102は、人の体動、呼吸に起因する胸及び腹の動き、血流の脈動(即ち、心拍)等、並びに測定環境に応じた振動を測定し、その測定結果である圧電センサ信号を、対応するノイズ除去部200〜200へ出力する。圧電センサ信号には、人の呼吸に関連する成分以外の成分、例えば、人の体動及び測定環境に応じた振動等の成分も含まれることがある。
ノイズ除去部200〜200は、従来技術(例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている技術)を用いて、対応する圧電センサ102〜102から送られた圧電センサ信号から、人の呼吸に関連する成分以外の成分をノイズとして取り除く。そして、ノイズ除去部200〜200は、ノイズが除去された圧電センサ信号を、非線形推定部202の入力非線形処理部203へ出力する。
(非線形推定部202の機能)
本実施形態では、非線形推定部202は、ハマースタイン−ウィーナー・モデル(Hammerstein-Wiener Model)に基づく機能構造を有する。このモデルは、静的、即ち時間変動が無いモデルである。そのため、このモデルは、測定中に使用するパラメータを、動的に変更させる必要は無く、事前に決定し記憶させておくことができる。
また、このモデルは、圧電センサ信号と、呼吸信号の正確性の基準であるエアフローセンサからの信号(以下単に「エアフローセンサ信号」とする。)との間の非線形性関数を実現する。本実施形態において、非線形性関数は、区分線形関数であり、線形セグメントが連結されたものである。このような区分線形関数を用いることで、演算速度を比較的向上できる。なお、非線形性関数は、区分線形関数に限らず、1次元多項式やウェーブレット関数等であってもよい。
入力非線形処理部203は、入力部201から、ノイズ除去部200〜200でノイズが除去された圧電センサ信号の数と同じ数(即ちN個の圧電センサ信号)の入力値を受け取る。入力非線形処理部203は、式1:
を演算し、N個の非線形出力値w(k)を線形処理部204へ出力する。
ここで、u(k)は入力非線形処理部203への入力値(即ち、ノイズが除去された圧電センサ102の信号、i=1〜N)、w(k)は入力非線形ブロック203からの非線形出力値、fは入力非線形ブロック203における非線形性関数、及びkは時間である。
線形処理部204は、入力非線形処理部203からの非線形出力値w(k)を受け取る。線形処理部204は、全ての入力(即ち、非線形出力値w(k))をそれぞれの伝達関数で線形処理(フィルタリング)し、そして、それらは単一の出力値を生成するために合計される。線形処理部204は、線形処理(フィルタリング)を行うために、式2:
を演算し、単一の出力値y(k)を出力非線形処理部205へ出力する。
ここで、nはフィルタ次数(伝達関数の次数)、kは時間、δiはサンプル間隔(単位:サンプル、通常は1である。)である。B(q)及びA(q)は、多項式であり、式3:
で表される。qは時間シフト演算子であり、Z変換と同等のものである。
出力非線形処理部205は、線形処理部204から単一の出力値y(k)を受け取る。出力線形処理部203は、式4:
を演算し、単一の非線形出力値out(k)を出力装置103へ出力する。
出力装置103は、アプリケーション用途に応じて、適宜、非線形出力値out(k)を処理できる。例えば、出力装置103は、非線形出力値out(k)に係る波形をディスプレイに表示し、呼吸状態を視覚的に出力することも可能である。また、呼吸状態に基づき、被験者の覚醒度、健康状態等を判断することも可能である。さらに、出力装置103は、非線形出力値out(k)を別のアプリケーションへ向けて送信してもよい。
本実施形態に係る呼吸信号推定装置101は、人の呼吸状態に関連する振動を含む振動を圧電センサにより測定し、圧電センサ信号を基に、それぞれ直列に接続された入力非線形処理部、線形処理部及び出力非線形処理部を有する非線形推定を用いて、正確な呼吸信号を推定することができる。
なお、入力非線形処理部203における非線形性関数f、線形処理部204における線形伝達関数Σ(B/A)、及び、出力非線形処理部205における非線形性関数hは、エアフローセンサ信号波形と出力出力非線形処理部から出力される信号波形とが略一致するように、圧電センサ信号の振幅等や定数A、B、δ等のパラメータを調整してそれぞれ決定できる。そのため、様々な条件の下で、これらの関数を予め導出しておき、呼吸信号推定装置101に記憶させておけばよい。
図3A〜図7は、本実施形態の一実施例として、本実施形態に係る呼吸信号推定装置101で使用された非線形関数及び線形関数のグラフ、並びに、圧電センサ信号から呼吸信号を推定したフローチャート及びその結果を示すグラフである。
本実施例では、N=2、即ち2つの圧電センサ102及び102を用いた。圧電センサ102及び102は、図1に示されるように、椅子104(保持具)の背もたれ内部であって、被験者の腹部及び腰部にあたる位置にそれぞれ設置した。また、被験者の鼻や口もとにエアフローセンサを装着させ、エアフローセンサ信号を呼吸信号の正確性の基準とした。
本実施例では、被験者が椅子104に座った状態で呼吸を数分間継続して行い、被験者の鼻や口もとに装着されたエアフローセンサ信号波形と、2つの圧電センサ102及び102の圧電センサ信号から推定装置101により推定した波形とを時間領域において比較した。
図3Aは、入力非線形処理部203において、式1を用いて、圧電センサ102の圧電センサ信号である入力値u(k)を非線形出力値w(k)へ変換する非線形性関数fを示すグラフである。図3Bは、入力非線形処理部203において、式1を用いて、圧電センサ102の圧電センサ信号である入力値u(k)を非線形出力値w(k)へ変換する非線形性関数fを示すグラフである。非線形性関数f及びfは線形セグメントが連結した区分線形関数である。
被験者の呼吸に起因する体の振動は、体の部位に応じて異なり、また、個々人によってもそれぞれ異なることが予想される。本実施例では、圧電センサ102及び102の設置位置が異なることから、得られた非線形性関数f及びfの形状もそれぞれ異なった。
図4Aは、線形処理部204において、式2及び式3を用いて、圧電センサ102の圧電センサ信号に対する入力非線形処理部203の演算結果(非線形出力値Wsensor1(k))にかけるフィルタの特性を示すボード線図である。参照符号401がそのゲイン線図、参照符号402がその位相線図を示す。
図4Bは、線形処理部204において、式2及び式3を用いて、圧電センサ102の圧電センサ信号に対する入力非線形処理部203の演算結果(非線形出力値Wsensor2(k))にかけるフィルタの特性を示すボード線図である。参照符号403がそのゲイン線図、参照符号404がその位相線図を示す。
図5は、出力非線形処理部205において、式4を用いて、線形処理部204からの入力値(単一の出力値y(k))を非線形出力値out(k)へ変換する非線形性関数hを示すグラフである。非線形性関数hは線形セグメントが連結した区分線形関数である。
図6は、本実施例に係る呼吸信号推定装置における圧電センサ信号から呼吸信号を推定するフローチャートを示す。
まず、圧電センサ102、102が圧電センサ信号を出力する(ステップ602)。ノイズ除去部200、200が圧電センサ信号のノイズを除去する(ステップ603)。入力非線形処理部203が、予め呼吸信号推定装置101に記憶されている各圧電センサに対応する第1の非線形性関数f、fを用いて、ノイズが除去された各圧電センサ信号u、uを、対応する非線形出力値Wsensor1、Wsensor2へ変換する(ステップ604)。
それから、線形処理部204が、予め呼吸信号推定装置101に記憶されている線形伝達関数Σ(B/A)を用いて、非線形出力値Wsensor1、Wsensor2を単一の出力値yへ変換する(ステップ605)。出力非線形処理部205が、予め呼吸信号推定装置101に記憶されている第2の非線形性関数hを用いて、単一の出力値yを非線形出力値outへ変換する(ステップ606)。そして、出力装置103が、非線形出力値outをディスプレイに表示し、その出力値により人の呼吸状態を判断し、他のアプリケーションへその出力値を送信する等の処理を行う(ステップ607)。
図7は、呼吸信号の正確性の基準である被験者の鼻や口もとに装着されたエアフローセンサ信号波形701と、圧電センサ102及び102からの圧電センサ信号を推定装置101により推定した波形702とを比較したグラフである。
参照符号700は、300秒間測定した場合における、それぞれの波形の結果を比較したグラフである。グラフ中で、破線がエアフローセンサ信号波形701であり、実線が推定した波形702である。参照符号703は、図7中の破線楕円で囲んだ部分を拡大したグラフである。
図7から理解されるように、本実施例による圧電センサ信号から呼吸信号を推定した波形702は、正確性の基準であるエアフローセンサ信号波形701に概ね一致した。このことから、本実施形態に係る呼吸信号推定装置101は、圧電センサ信号から人の呼吸状態を表す呼吸信号を正確かつ高速に推定することができることが理解される。
なお、本発明の実用化の際には、非線形推定部で得られる非線形性関数及び線形伝達関数を複数集め、データベースにまとめて、条件に応じてその関数をデータベースから読み出して使用できるようにすればよい。例えば、本実施例の結果が、座席に座っている男性の呼吸信号を推定したものである場合ならば、複数のそのような実験データを予め集めておき、男性が座席に座っている間の条件に応じてデータベースから該当する関数を読み出し、呼吸信号の推定のために用いることができる。
[第2実施形態]
(システム800の概要)
図8は、本発明の第2実施形態に係るシステム800を示す模式図である。
システム800は、システム100の構成に加えて、呼吸時間及び呼吸速度(単位時間あたりの呼吸回数)等の観点から、被験者の胸のあたりに装着した呼吸バンドセンサ(図示せず)から得られる信号(以下、単に「呼吸バンドセンサ信号」とする。)に近い信号を出力する圧電センサを選択するための圧電センサ選択装置801を含むシステムである。
本実施形態に係るシステム800は、被験者用の椅子(保持具)104、椅子104の背もたれに配置されたN個の圧電センサ102〜102(Nは正の整数)と、圧電センサ102〜102に接続された圧電センサ選択装置801と、圧電センサ選択装置801に接続された呼吸信号推定装置101と、呼吸信号推定装置101に接続された出力装置103とを含む。なお、図8では、N個の圧電センサ102〜102が椅子の背もたれに配置されているが、それらは、寝台、ソファ、便座、自動車のシートベルト等に配置されてもよい。
図9は、圧電センサ選択装置801と呼吸信号推定装置101のブロック図である。圧電センサ選択装置801は、対応する圧電センサ102〜102に電気的に接続されたN個のノイズ除去部200〜200と、ノイズ除去部200〜200に電気的に接続された圧電センサ選択処理部802とを備える。
N個のノイズ除去部200〜200は、従来技術(例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている技術)を用いて、対応する圧電センサ102〜102から送られた信号から、人の呼吸に関連する成分以外の成分をノイズとして取り除く。そして、ノイズ除去部801〜801は、ノイズが除去された信号を、圧電センサ選択処理部802へ出力する。
圧電センサ選択処理部802は、各圧電センサからのノイズ除去された信号を窓関数で切り出し(ブロック803〜803)、高速フーリエ変換(FFT)で周波数領域へ変換し(ブロック804〜804)、周波数領域において信号のパワーを計算し(ブロック805〜805)、逆高速フーリエ変換(IFFT)で時間領域へ変換する(ブロック806〜806)。そして、このように演算した信号の自己相関上で、最大のピークを記憶し、ピーク数、ピークのパワー、ピーク間の間隔を推定する(ブロック807)。
同時に、圧電センサ選択処理部802は、各圧電センサからのノイズ除去された信号の中心モーメントを推定する(ブロック808)。2次の中心モーメント(分散)Vは、式5:
から求まる。
また、3次の中心モーメント(歪度)Sは、式6:
から求まる。
同様に、4次の中心モーメント(尖度)Kは、式7:
から求まる。
同様に、n次の中心モーメントMは、式8:
から求まる。
最終的に、圧電センサ選択装置801は、どの圧電センサからの信号が、呼吸バンドセンサ信号に近いかを、各信号の同次数のモーメント及び自己相関を比較し小さい値をとる信号に1点加算するアルゴリズムを用いて、総合点の大きい方からK個(KはN以下の正の整数)の圧電センサを選択することを決定する(ブロック809)。
ここで、図10は、本実施形態の一実施例として、2つの圧電センサ102、102の信号から、圧電センサ選択装置801が最も呼吸バンドセンサの信号に近い方を選択し、その圧電センサ信号波形と呼吸バンドセンサ信号波形とを比較したグラフである。2つの圧電センサは、図8のように被験者の椅子104の背もたれに取り付けられ、呼吸バンドセンサ(図示せず)は被験者の胸のあたりに取り付けられた。
本実施例では、圧電センサ選択装置801は、圧電センサ102、102の信号に対して、各信号の自己相関及び3次、4次、6次、10次の中心モーメントを演算し、各信号の自己相関及び同次数のモーメントを互いに比較し小さい値を有する方に1点加算し、その結果、総合点の大きい方の圧電センサ信号を出力する圧電センサを選択した。
参照符号1000は、測定時間500秒間の、呼吸バンドセンサ信号波形1001(破線)と、選択した圧電センサの圧電センサ信号波形1002(実線)との比較結果を示す。参照符号1003は、図10中の破線楕円で囲まれた部分を拡大図を示す。図10から理解されるように、本実施例に係る圧電センサ選択装置801は、呼吸バンドの信号と非常に近い信号を出力する圧電センサを選択できた。
このように、圧電センサ選択装置801で選択されたK個の圧電センサの圧電センサ信号が呼吸信号推定装置101に送られる。その結果、呼吸バンドセンサ信号に近い圧電センサ信号を使用することができるため、呼吸信号推定装置101は、呼吸信号をさらに正確に推定することができるようになる。
(その他の実施形態)
圧電センサ選択装置801は、呼吸信号推定装置101と一緒に使用しなくてもよい。圧電センサ選択装置801は、呼吸バンドセンサ信号に近い圧電センサ信号を出力する圧電センサを選択し、その結果が出力装置103へ送られ、他のアプリケーションで使用されるようにしてもよい。
101:呼吸信号推定装置、200:ノイズ除去部、201:入力部、202:非線形処理部、203:入力非線形処理部、204:線形処理部、205:出力非線形処理部、103:出力装置

Claims (6)

  1. 被験者を保持する保持具に設けられた圧電センサからの圧電センサ信号を入力する入力部と、
    予め定められた非線形関数を用いて、前記圧電センサ信号を非線形処理することにより呼吸信号を推定する非線形推定部とを備え
    前記非線形推定部は、
    第1の非線形性関数を用いて、前記圧電センサ信号から第1の非線形出力値を演算する入力非線形処理部と、
    線形伝達関数を用いて、前記第1の非線形出力値を線形処理して、単一の出力値を演算する線形処理部と、
    第2の非線形性関数を用いて、前記単一の出力値から第2の非線形出力値を演算することにより、呼吸信号を推定する出力非線形処理部とを備える、呼吸信号推定装置。
  2. 前記第1及び第2の非線形性関数は、区分線形関数である、請求項1に記載の呼吸信号推定装置。
  3. 前記圧電センサに接続され、前記圧電センサ信号のノイズを除去するノイズ除去部をさらに備える、請求項1または2に記載の呼吸信号推定装置。
  4. 記入力部は、複数の圧電センサ信号から呼吸バンドセンサ信号に近い信号を出力する圧電センサを選択する圧電センサ選択装置で選択された圧電センサの圧電センサ信号を入力し、
    前記非線形推定部は、前記圧電センサ選択装置で選択された圧電センサの圧電センサ信号を非線形処理することにより呼吸信号を推定する、請求項1ないしのいずれか1項に記載の呼吸信号推定装置。
  5. 前記圧電センサ選択装置で選択された圧電センサの圧電センサ信号は、前記圧電センサ選択装置で複数の圧電センサ信号の自己相関及び同次数モーメントを比較し、その比較結果に応じて選択された所定数の圧電センサの圧電センサ信号である、請求項に記載の呼吸信号推定装置。
  6. 被験者を保持する保持具に設けられた圧電センサからの圧電センサ信号を受信するステップと、
    予め定められた非線形関数を用いて、前記圧電センサ信号を非線形処理することにより呼吸信号を推定するステップとを具備し、
    前記呼吸信号を推定するステップは、
    第1の非線形性関数を用いて、前記圧電センサ信号から第1の非線形出力値を演算するステップと、
    線形伝達関数を用いて、前記第1の非線形出力値を線形処理して、単一の出力値を演算するステップと、
    第2の非線形性関数を用いて、前記単一の出力値から第2の非線形出力値を演算することにより、呼吸信号を推定するステップとを具備する、呼吸信号推定方法。
JP2012188791A 2012-08-29 2012-08-29 呼吸信号推定装置及び呼吸信号推定方法 Active JP6031896B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012188791A JP6031896B2 (ja) 2012-08-29 2012-08-29 呼吸信号推定装置及び呼吸信号推定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012188791A JP6031896B2 (ja) 2012-08-29 2012-08-29 呼吸信号推定装置及び呼吸信号推定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014045792A JP2014045792A (ja) 2014-03-17
JP6031896B2 true JP6031896B2 (ja) 2016-11-24

Family

ID=50606119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012188791A Active JP6031896B2 (ja) 2012-08-29 2012-08-29 呼吸信号推定装置及び呼吸信号推定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6031896B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6383268B2 (ja) * 2014-11-28 2018-08-29 テイ・エス テック株式会社 状態判定システム及び車両用シート

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07246837A (ja) * 1994-03-09 1995-09-26 Araco Corp 車両用バックドアの車体開口部への取付構造
JP4863047B2 (ja) * 2005-09-01 2012-01-25 公立大学法人会津大学 呼吸心拍監視装置
JP4797646B2 (ja) * 2006-01-24 2011-10-19 トヨタ自動車株式会社 覚醒度推定装置および覚醒度推定方法
EP2152895A2 (en) * 2007-05-11 2010-02-17 Sigmed, Inc. Non-invasive characterization of a physiological parameter
FR2943234B1 (fr) * 2009-03-18 2012-09-28 Imra Europe Sas Procede de surveillance d'un parametre biologique d'un occupant d'un siege avec reduction de bruit
JP5868866B2 (ja) * 2009-12-03 2016-02-24 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 呼吸インピーダンスを推定するための装置の作動方法及び当該装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014045792A (ja) 2014-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8262582B2 (en) Extraction of heart inter beat interval from multichannel measurements
KR101184657B1 (ko) 호흡임피던스 측정장치 및 그 측정방법, 호흡임피던스 표시방법
EP3381364B1 (en) Respiratory estimation method and device
FI126631B (en) Method and apparatus for monitoring stress
JP2006346093A (ja) 車内生体情報検出装置
JP5766585B2 (ja) 頭蓋内圧測定装置および測定方法
JP5352814B2 (ja) 自律神経成分指標推定装置及び自律神経成分指標推定方法
EP3459454B1 (en) Biological information monitoring system
KR101706197B1 (ko) 압전센서를 이용한 폐쇄성수면무호흡 선별검사를 위한 장치 및 방법
JP4863047B2 (ja) 呼吸心拍監視装置
TW201225912A (en) Method for measuring physiological parameters
JP4452145B2 (ja) 心拍検出装置
JP2013172899A (ja) 覚醒度推定装置
JP2011194217A (ja) 振動測定法におけるアーティファクトの周波数スペクトルの使用法
EP3459455B1 (en) Biological information monitoring system
KR20200024518A (ko) 모바일 환경에서 심전도 r 피크를 검출하기 위한 방법 및 이를 구현하기 위한 시스템
JPWO2018155384A1 (ja) 検出装置
JP6031896B2 (ja) 呼吸信号推定装置及び呼吸信号推定方法
JP2013106837A (ja) 心拍検知方法、心拍検知装置および精神ストレス計測装置
JP5846179B2 (ja) 生体情報取得装置
JP5800776B2 (ja) 生体動情報検出装置
RU2732117C2 (ru) Устройство и способ преобразования сигнала сна
JP3687135B2 (ja) 音振動評価装置
JP5812265B2 (ja) 自律神経の状態評価システム
JP6538620B2 (ja) 呼吸推定方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150710

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160623

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161010

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6031896

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151