JP6382639B2 - 蒸気圧縮式冷凍サイクル - Google Patents

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Description

本発明は、低温側の熱を高温側に移動させる蒸気圧縮式冷凍サイクルに関する。
例えば特許文献1に記載の蒸気圧縮式冷凍サイクルでは、高圧熱交換器にて冷却された高圧冷媒を第1減圧器及び第2減圧器にて二段で減圧するとともに、第1減圧器にて減圧された中間圧冷媒を、圧縮工程途中に注入(インジェクション)するインジェクションサイクルを採用している。
すなわち、インジェクションサイクルは、冷凍能力発生に寄与しない気相冷媒を圧縮工程途中に注入することにより、圧縮機の消費動力を低減するとともに、低圧熱交換器(蒸発器)で発生する冷凍能力の増大を図ることを目的とした蒸気圧縮式冷凍サイクルである。
特開2012−236577号
本発明は、上記点に鑑み、圧縮機の消費動力を更に低減可能なインジェクション方式の蒸気圧縮式冷凍サイクルを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、低温側の熱を高温側に移動させる蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて、高温側の冷媒を冷却する高圧熱交換器(3)と、低温側の冷媒を加熱・蒸発させる低圧熱交換器(7)と、高圧熱交換器(3)から流出した高圧冷媒を減圧・膨張させる第1減圧器(5A)と、第1減圧器(5A)にて減圧された中間圧冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する気液分離器(11)と、気液分離器(11)にて分離された液相冷媒を減圧・膨張させて低圧熱交換器(7)に供給する第2減圧器(5B)と、低圧熱交換器(7)側から気相冷媒を吸引して圧縮するとともに、圧縮された冷媒を高圧熱交換器(3)側に吐出する第1圧縮機(9A)と、気液分離()から気相冷媒を吸引して圧縮するとともに、圧縮された冷媒を高圧熱交換器(3)側に吐出する第2圧縮機(9B)と、第2圧縮機(9B)の作動を制御する制御部(21)であって、高圧熱交換器(3)から流出した高圧冷媒の過冷却度(Sc)、当該高圧冷媒の温度、及び当該高圧冷媒の圧力のうち少なくとも2つの情報に基づいて第2圧縮機(9B)により吸引される気相冷媒量を調節する制御部(21)とを備えることを特徴とする。
インジェクション方式の蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいては、冷凍能力の発生に寄与しない気相冷媒を中間圧の状態で抽出して高圧熱交換器に送り込むことが望ましい。
つまり、高圧冷媒を第1減圧器(5A)で減圧・膨張させると、気液二相状態の中間圧冷媒となる。したがって、当該中間圧の気相冷媒のみを抽出して高圧熱交換器(3)に送り込めば、冷凍能力に寄与しない気相冷媒に対する圧縮仕事量を削減できる。
上記「中間圧の気相冷媒」の量は、高圧熱交換器(3)から流出した高圧冷媒の状態、つまり第1減圧器(5A)に流入する高圧冷媒の状態に基づいて推定できる。
当該高圧冷媒の状態は、(a)高圧冷媒の過冷却度(Sc)及び高圧冷媒の温度(HT)の組み合わせ、(b)高圧冷媒の温度(HT)及び高圧冷媒の圧力(HP)の組み合わせ、及び(c)高圧冷媒の過冷却度(Sc)及び高圧冷媒の圧力(HP)の組み合わせのうちいずれかの組み合わせにより推定できる。
したがって、高圧冷媒の過冷却度(Sc)、高圧冷媒の温度(HT)、及び高圧冷媒の圧力(HP)のうち少なくとも2つの情報に基づいて第2圧縮機(9B)により吸引される気相冷媒量を調節すれば、当該中間圧の気相冷媒を抽出して高圧熱交換器(3)に送り込むことが可能となる。
延いては、冷凍能力の発生に寄与しない気相冷媒を中間圧の状態で抽出して高圧熱交換器(3)に送り込むことが可能となるので、圧縮機の消費動力を更に低減可能なインジェクション方式の蒸気圧縮式冷凍サイクルを得ることが可能となる。
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
本発明の第1実施形態に係る蒸気圧縮式冷凍サイクルの模式図である。 本発明の第1実施形態に係る蒸気圧縮式冷凍サイクルの制御系のブロック図である。 p−h線図である。 第2圧縮機9Bの回転数を決定するためのチャートである。 消費電力と第1減圧器5A開度との関係を示すグラフである。
以下に説明する「発明の実施形態」は実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的手段や構造等に限定されるものではない。
本実施形態は、サーバ室の冷房を行う空調装置に本発明に係る蒸気圧縮機式冷凍サイクルを適用したものである。サーバ室には、ICT機器や非常用電源装置(バッテリー)等の電気機器が設置されている。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。なお、少なくとも符号を付して説明した部材又は部位は、「複数」や「2つ以上」等の断りをした場合を除き、少なくとも1つ設けられている。
(第1実施形態)
1.蒸気圧縮式冷凍サイクルの構成
本実施形態に係る蒸気圧縮式冷凍サイクル1は、図1に示すように、高圧熱交換器3、第1減圧器5A、第2減圧器5B、低圧熱交換器7、第1圧縮機9A、第2圧縮機9B、及び気液分離器11等を備えている。
高圧熱交換器3は、第1圧縮機9A及び第2圧縮機9Bのうち少なくとも一方から吐出された高圧の冷媒(以下、吐出冷媒ともいう。)を冷却する。つまり、高圧熱交換器3は、室外空気と吐出冷媒とを熱交換して、吐出冷媒を冷却する。なお、本実施形態では、吐出冷媒の圧力は、冷媒の臨界圧力より小さい。このため、気相状態の吐出冷媒は、高圧熱交換器3にて冷却されて凝縮(液化)する。
第1減圧器5Aは、高圧熱交換器3から流出した高圧冷媒を減圧・膨張させる。高圧熱交換器3から流出する冷媒(以下、高圧冷媒という。)の過冷却度は、後述するように、予め設定された0(ゼロ)以上の所定範囲に維持される。このため、第1減圧器5Aにて減圧された冷媒は、気液二相状態となっている。
第1減圧器5Aにて減圧された冷媒(以下、中間圧冷媒という。)は、気液分離器11にて気相冷媒と気相冷媒とに分離される。気液分離器11は、気相冷媒と液相冷媒との密度差を利用して冷媒を分離する。このため、気液分離器11の下方側に液相冷媒が溜まり、かつ、気液分離器11の上方側に気相冷媒が溜まる。
第2減圧器5Bは、気液分離器11にて分離された液相冷媒を減圧・膨張させて低圧熱交換器7に供給する。低圧熱交換器7は、第2減圧器5Bにて減圧された低圧の液相冷媒を蒸発させる。つまり、低圧熱交換器7では、第2減圧器5Bにて減圧された冷媒を室内に供給される空気にて加熱することにより、主に液相冷媒を蒸発(気化)させて当該空気を冷却する。
第1圧縮機9Aは、低圧熱交換器7側から流出した冷媒を吸引して圧縮するとともに、圧縮された冷媒を高圧熱交換器3側に吐出する。第2圧縮機9Bは、気液分離器11から気相冷媒を吸引して圧縮するとともに、圧縮された冷媒を第1圧縮機9Aの吐出側に吐出する。このため、第1圧縮機9Aから吐出された冷媒と第2圧縮機9Bから吐出された冷媒とは合流して高圧熱交換器3に流入する。
第1アキュムレータ17Aは、低圧熱交換器7から流出する冷媒から気相冷媒を分離抽出して気相冷媒を第1圧縮機9Aの吸入側に供給する。第2アキュムレータ17Bは、気液分離器11から第2圧縮機9Bに供給される冷媒から気相冷媒を分離抽出して気相冷媒を第2圧縮機9Bの吸入側に供給する。
バルブ19は、後述する非インジェクション運転時に、第1圧縮機9Aの吐出側と第2圧縮機9Bの吐出側とが連通することを阻止する。なお、本実施形態に係るバルブ19は、第1圧縮機9Aから吐出された高圧の冷媒が第2圧縮機9Bに逆流することを規制する逆止弁にて構成されている。
第1送風機3Aは、高圧熱交換器3に冷却用空気(室外空気)を送風する。第2送風機7Aは、低圧熱交換器7に室内空気を送風する。そして、第1圧縮機9A、第2圧縮機9B、第1減圧器5A、及び第2減圧器5B等の作動は、図2に示すように、制御装置21により制御される。
2.蒸気圧縮式冷凍サイクルの制御
2.1 制御系の構成
制御装置21は、CPU、ROM及びRAM等を有するマイクロコンピュータにて構成れている。第1圧縮機9A等の制御を実行するためのプログラム(ソフトウェア)は、ROM等の不揮発性記憶部に予め記憶されている。制御が実行される際には、当該プログラムが読み込まれてCPUにて実行される。
制御装置21には、高圧温度センサS1、高圧センサS2、低圧温度センサS3、蒸発温度センサS4、中間圧センサS5等からの検出信号が入力されている。高圧温度センサS1は、高圧熱交換器3の冷媒出口及び第1減圧器5Aの冷媒入口のうちいずれか一方にて冷媒温度を検出する。
高圧センサS2は、高圧熱交換器3の冷媒出口及び第1減圧器5Aの冷媒入口のうちいずれか一方にて冷媒圧力を検出する。以下、高圧温度センサS1に検出された冷媒温度を高圧冷媒温度HTという。高圧センサS2により検出された冷媒圧力を高圧冷媒圧力HPという。
低圧温度センサS3は、低圧熱交換器7の冷媒出口側の冷媒温度を検出する。蒸発温度センサS4は、低圧熱交換器7の温度、つまり低圧熱交換器7での冷媒蒸発温度を検出する。中間圧センサS5は、中間圧冷媒の圧力(以下、中間圧MPという。)、つまり気液分離器11内の冷媒圧力を検出する。
なお、低圧温度センサS3及び蒸発温度センサS4は、低圧熱交換器7の冷媒出口側の冷媒過熱度、つまり低圧熱交換器7での冷却負荷(熱負荷)を検出するためのセンサである。したがって、蒸発温度センサS4に代えて、低圧熱交換器7での蒸発圧力を検出してもよい。
2.2 第1減圧器の制御について
第1減圧器5Aは可変絞り装置にて構成されている。可変絞り装置は、絞り開度を変更調節する電気式のアクチュエータ(図示せず。)を有する。制御装置21は、上記アクチュエータの作動を制御して第1減圧器5Aの絞り開度を変更する。
具体的には、制御装置21は、高圧冷媒温度HT及び高圧冷媒圧力HPを利用して、高圧熱交換器3から流出する冷媒の過冷却度が、予め設定された0(ゼロ)以上の所定範囲(本実施形態では、2℃〜5℃)に維持されるように第1減圧器5Aの絞り開度を制御する。
すなわち、高圧冷媒の過冷却度は、図3に示すように、高圧冷媒温度HT及び高圧冷媒圧力HPにより特定(検知)可能である。そこで、制御装置21は、高圧冷媒温度HT及び高圧冷媒圧力HPに基づいて、現在の過冷却度(以下、過冷却度Scという。)を特定した後、その過冷却度Scが、上記所定範囲から外れている場合には、第1減圧器5Aの開度を変更する。
具体的には、制御装置21は、過冷却度Scが上記所定範囲の上限値より大きい場合には、第1減圧器5Aの絞り開度を現状より大きくする。これにより、高圧冷媒圧力HPが低下するので、過冷却度Scが小さくなる。
過冷却度Scが上記所定範囲の下限値より大きい場合には、制御装置21は第1減圧器5Aの絞り開度を現状より小さくする。これにより、高圧冷媒圧力HPが上昇するので、過冷却度Scが大きくなる。
2.3 第2減圧器の制御について
第2減圧器5Bは、可変絞り装置(図示せず。)にて構成されている。可変絞り装置は、絞り開度を変更調節する電気式のアクチュエータ(図示せず。)を有する。制御装置21は、上記アクチュエータの作動を制御して第2減圧器5Bの絞り開度を変更する。具体的には、制御装置21は、低圧熱交換器7の冷媒出口側の冷媒過熱度が、0以上の値であって予め設定された所定の値となるように第2減圧器5Bの絞り開度を制御する。
2.4 第1圧縮機の制御
制御装置21は、低圧熱交換器7にて必要な冷凍能力(冷房能力)が発生するように、第1圧縮機9Aの回転数等を制御する。具体的には、制御装置21は、室内温度が予め設定された温度範囲(例えば、10℃〜30℃)となるように、第1圧縮機9A等の作動を制御する。
なお、室内温度を所定の温度範囲に制御する手法は、室温センサ(図示せず。)を利用して第1圧縮機9Aの回転数を制御する手法、低圧熱交換器7から供給される空気の温度(吹出空気温度)を検出するセンサ利用して第1圧縮機9Aの回転数を制御する手法、それら2つの手法を組み合わせた制御手法、及びその他の制御手法等、その具体的な制御手法は不問である。
そして、室内温度を低下させる際には、制御装置21は、第1圧縮機9Aの回転数を増大させて低圧熱交換器7で発生する冷凍能力を増大させる。このとき、制御装置21は、少なくとも低圧熱交換器7の表面温度が露点より高くなるまで第2送風機7Aの送風量を増大させる。
つまり、第1圧縮機9Aの回転数が増大すると、蒸発温度が低下して低圧熱交換器7の表面温度が露点以下となる可能性がある。表面温度が露点以下となると、低圧熱交換器7で発生する冷凍能力の多くが、空気中の蒸気を凝縮させるために消費される。このため、室内温度を低下させるに必要な消費電力が大きくなる。
そこで、本実施形態では、第1圧縮機9Aの回転数を増大させた場合には、第2送風機7Aの送風量、つまり低圧熱交換器7の熱負荷を増大させて顕熱比(SHF)が予め設定された値(例えば、0.95)以上となるようにしている。
なお、冷房能力を低下させる際には、制御装置21は、第1圧縮機9Aの回転数を低下させて低圧熱交換器7で発生する冷凍能力を低下させるとともに、低下した冷凍能力に応じて第2送風機7Aの送風量を低下させる。
2.5 第2圧縮機の制御
制御装置21は、低圧熱交換器7での熱負荷の大きさ及び外気温度に基づいて、第2圧縮機9Bを稼働させるインジェクション運転と第2圧縮機9Bを停止させる非インジェクション運転とを切替制御する。
つまり、夏場のように熱負荷が大きく、外気温度も高い場合には、制御装置21はインジェクション運転を実行する。逆に、冬場のように熱負荷が小さく、外気温度も低い場合には、制御装置21は非インジェクション運転を実行する。
具体的には、本実施形態では、外気温度が予め決められた温度(以下、第1外気温度という。)以上となった場合、及び室内温度が予め決められた温度(以下、第1室内温度という。)以上のなった場合のうちいずれかの場合にインジェクション運転が実行される。
本実施形態では、外気温度が予め決められた温度(以下、第2外気温度という。)より低くなった場合、及び室内温度が予め決められた温度(以下、第2室内温度という。)より低くなった場合のうちいずれかの場合に非インジェクション運転が実行される。
なお、第1外気温度と第2外気温度とは、同一の温度及び異なる温度のうちいずれであってもよい。第1室内温度と第2室内温度とは、同一の温度及び異なる温度のうちいずれであってもよい。
インジェクション運転の実行時においては、制御装置21は、中間圧冷媒に含まれる気相冷媒量と第2圧縮機9Bの吸引冷媒量とが同一となるように第2圧縮機9Bの回転数を制御する。
すなわち、中間圧冷媒に含まれる気相冷媒量は、中間圧冷媒の乾き度又は湿り度(以下、乾き度等という。)により推定可能である。乾き度等は、図3に示すように、高圧冷媒圧力HP、高圧冷媒温度HT及び中間圧MPに基づいて推定可能である。
中間圧MPは、高圧冷媒圧力HP及び第1減圧器5Aの開度により決定され、かつ、本実施形態に係る第1減圧器5Aの開度は、過冷却度Scが所定範囲内になるように制御される。このため、乾き度等も特定の範囲(以下、特定乾き度という。)内にほぼ収まる。
制御装置21の不揮発性記憶部には、実機試験又はコンピュータシミレーション等により求められた特定乾き度が記憶されている。そして、制御装置21は、少なくとも特定乾き度、及び第1減圧器5Aに流入する冷媒流量に基づいて第2圧縮機9Bの回転数を制御する。
なお、第1減圧器5Aに流入する冷媒流量(以下、単に「冷媒流量」という。)は、第1圧縮機9Aの吐出冷媒量(以下、第1吐出冷媒量という。)と第2圧縮機9Bの吐出冷媒量(以下、第2吐出冷媒量という。)との和である。
このとき、中間冷媒の乾き度が小さくなるほど、冷媒流量において第1吐出冷媒量の占める割合が大きくなる。そして、過冷却度が0℃より大きい値に維持されると、中間冷媒の乾き度が小さい状態に維持される。このため、第2圧縮機9Bの回転数を決定する際に、第1吐出冷媒量を冷媒流量とみなしても実用上を大きな問題がない。
そこで、本実施形態では、過冷却度Scが所定範囲となるように第1減圧器5Aを制御することにより、特定乾き度を固定値とみなすことが可能な状態を維持した上で、第2圧縮機9B回転数を第1圧縮機9Aの回転数に基づいて制御することにより、第2圧縮機9Bにより吸引される気相冷媒量を調節している。
3.本実施形態に係る蒸気圧縮式冷凍サイクルの特徴
インジェクション方式の蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいては、冷凍能力の発生に寄与しない気相冷媒を中間圧の状態で抽出して高圧熱交換器に送り込むことが望ましい。
つまり、高圧冷媒を第1減圧器5Aで減圧・膨張させると、図3に示すように、気液二相状態の中間圧冷媒となる。したがって、当該中間圧の気相冷媒のみを抽出して高圧熱交換器3に送り込めば、冷凍能力に寄与しない気相冷媒に対する圧縮仕事量を削減できる。
そして、本実施形態では、特定乾き度を固定値とみなすことが可能な状態を維持した上で、第2圧縮機9B回転数を第1圧縮機9Aの回転数に基づいて制御することにより、第2圧縮機9Bにより吸引される気相冷媒量を調節しているので、中間圧冷媒中の気相冷媒を抽出して高圧熱交換器3に送り込むことが可能となる。
延いては、冷凍能力の発生に寄与しない気相冷媒を中間圧の状態で抽出して高圧熱交換器に送り込むことが可能となるので、圧縮機9A等の消費動力を更に低減可能なインジェクション方式の蒸気圧縮式冷凍サイクルを得ることが可能となる。
本実施形態では、インジェクション運転と非インジェクション運転とを切り替えることが可能であるので、第1圧縮機9A及び第2圧縮機9Bの消費動力を更に低減可能なインジェクション方式の蒸気圧縮式冷凍サイクル1を得ることができる。
すなわち、圧縮行程途中に中間圧冷媒を注入することにより見込まれる消費動力の低減量により、中間圧冷媒を注入することにより必要とされる消費動力の方が大きくなる場合には、インジェクション運転から非インジェクション運転に切り替えることにより、消費動力を低減でき得る。
(第2実施形態)
第1実施形態では、過冷却度が所定範囲に維持さると、中間圧冷媒の乾き度等が一定の範囲に維持されることに着目し、制御装置21は、過冷却度が所定範囲となるように第1減圧器5Aの開度を制御を実行した。以下、この制御を過冷却度制御という。
これに対して、本実施形態に係る制御装置21は、過冷却度制御を実行しない。すなわち、上述したように、過冷却度は、高圧冷媒温度HT及び高圧冷媒圧力HPに基づいて推定可能である。乾き度等は、高圧熱交換器3から流出した高圧冷媒の状態、つまり第1減圧器5Aに流入する高圧冷媒の状態に基づいて推定可能である。
そして、高圧冷媒の状態は、(a)高圧冷媒の過冷却度及び高圧冷媒温度HTの組み合わせ、(b)高圧冷媒温度HT及び高圧冷媒圧力HPの組み合わせ、及び(c)高圧冷媒の過冷却度及び高圧冷媒圧力HPの組み合わせのうちいずれかの組み合わせにより推定可能である。
つまり、本実施形態に係る制御装置21は、過冷却度制御を実行することなく、上記(a)〜(c)のいずれか(例えば、(b))により高圧冷媒の状態、つまり乾き度等を推定し、当該推定した乾き度等に基づいて第2圧縮機9Bの回転数を制御するものである。
(第3実施形態)
本実施形態は、第2実施形態に係る蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて、消費電力も考慮して第1減圧器5Aの開度を決定するものである。
すなわち、図4は、第2圧縮機9Bの回転数を決定するためのアルゴリズムを示すチャートである。図4に示すように、制御目標とする過冷却度が決定されると(S1)、外気温度(高圧熱交換器3に供給する冷却風の温度)によって、高圧冷媒圧力HP及び高圧冷媒温度HTが自ずと決定する(S2、S3)。
高圧冷媒圧力HP及び高圧冷媒温度HTが決定すると、第1減圧器5Aの開度が決定するので(S4)、中間圧MP及び乾き度等が自ずと決定する(S5、S6)。乾き度等は、比率であるので、気相冷媒量は、第1減圧器5Aに流入する冷媒流量に乾き度を乗した値となる。
第1減圧器5Aに流入する冷媒流量の多くは、上述したように、第1吐出冷媒量である。第1吐出冷媒量は、低圧熱交換器7での熱負荷、つまり第1圧縮機9Aの回転数により決定される(S7、S8)。したがって、第2圧縮機9Bの回転数、つまり、気相冷媒量は、第1減圧器5Aに流入する冷媒流量に乾き度を乗した値に基づいて決定れる(S9)。
そこで、本実施形態に係る制御装置21は、(a)第1圧縮機9Aの消費電力、(b)第2圧縮機9Bの消費電力、(c)第1減圧器5Aの開度、及び(d)外気温度のうちいずれかが変更される度に、その時の(a)〜(d)を不揮発性記憶部に記憶していく。
次に、制御装置21は、不揮発性記憶部に記憶された(a)〜(d)を示す関係(図5参照)に基づいて、消費電力が小さくなる第1減圧器5Aの開度を決定する。以下、この制御装置21の行為を「開度決定行為」という。
そして、制御装置21は、蒸気圧縮式冷凍サイクルが設置された後、開度決定行為を継続的に実行し続けることにより、最適な「消費電力が小さくなる第1減圧器5Aの開度」を学習しながら、第1減圧器5Aの開度制御を実行する。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、インジェクション運転と非インジェクション運転とを切替制御可能な蒸気圧縮式冷凍サイクルであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、常にインジェクション運転を行う蒸気圧縮式冷凍サイクルであってもよい。
上述の実施形態では、第1圧縮機9Aと第2圧縮機9Bとは、冷媒流れに対して並列に配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1圧縮機9Aと第2圧縮機9Bとは、冷媒流れに対して直列に配置してもよい。
なお、第1圧縮機9Aと第2圧縮機9Bとを冷媒流れに対して直列に配置した場合には、非インジェクション運転時に第1圧縮機9Aから吐出された冷媒を、第2圧縮機9Bを迂回させて高圧熱交換器3に導く迂回路を設ける必要がある。
上述の実施形態では、第1減圧器5Aの開度を可変制御したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、第1減圧器5Aをキャピラリーチューブ(細管)や固定絞りにて構成するとともに、第2実施形態に示された手法にて高圧冷媒の状態、つまり乾き度等を推定し、当該推定した乾き度等に基づいて第2圧縮機9Bの回転数を制御してもよい。
上述の実施形態では、第2アキュムレータ17Bを設けたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、気液分離器11から第2圧縮機9Bに至る冷媒通路における圧力損失は小さい場合や当該冷媒通路で冷却が小さい場合等、当該冷媒通路にて気相冷媒が凝縮(液化)するおそれが無い場合には、第2アキュムレータ17Bを廃止してもよい。
上述の実施形態では、第1アキュムレータ17Aを設けたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2減圧器5Bにて低圧熱交換器7の出口における冷媒過熱度を0以上に確保できる場合、つまり過渡的な変化に対しても第2減圧器5Bが追従できる場合には、第1アキュムレータ17Aを廃止してもよい。
上述の実施形態では、顕熱比が所定値以上になるように第2送風機7Aの送風量を制御したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、低圧熱交換器7にて冷却された空気の温度(吹出空気温度)と室内空気温度との差に基づいて送風量を制御してもよい。
本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。したがって、第1〜第3実施形態に示された蒸気圧縮機式冷凍サイクルのうち、少なくとも2つの蒸気圧縮機式冷凍サイクルを組み合わせてもよい。特に、第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせてもよい。
1… 蒸気圧縮式冷凍サイクル 3… 高圧熱交換器 5A… 第1減圧器
5B… 第2減圧器 7… 低圧熱交換器 9A… 第1圧縮機
9B… 第2圧縮機 11… 気液分離器 19… バルブ

Claims (3)

  1. 低温側の熱を高温側に移動させる蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて、
    高温側の冷媒を冷却する高圧熱交換器と、
    低温側の冷媒を加熱・蒸発させる低圧熱交換器と、
    前記高圧熱交換器から流出した高圧冷媒を減圧・膨張させる第1減圧器と、
    前記第1減圧器にて減圧された中間圧冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する気液分離器と、
    前記気液分離器にて分離された液相冷媒を減圧・膨張させて前記低圧熱交換器に供給する第2減圧器と、
    前記低圧熱交換器側から気相冷媒を吸引して圧縮するとともに、圧縮された冷媒を前記高圧熱交換器側に吐出する第1圧縮機と、
    前記気液分離から気相冷媒を吸引して圧縮するとともに、圧縮された冷媒を前記高圧熱交換器側に吐出する第2圧縮機と、
    前記第2圧縮機の作動を制御する制御部であって、前記高圧熱交換器から流出した高圧冷媒の過冷却度、当該高圧冷媒の温度、及び当該高圧冷媒の圧力のうち少なくとも2つの情報に基づいて前記第2圧縮機により吸引される気相冷媒量を調節する制御部とを備え
    前記第1減圧器は、前記高圧熱交換器から流出した高圧冷媒の過冷却度を予め設定された所定範囲に維持しながら、当該高圧冷媒を減圧・膨張させることを特徴とする蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  2. 前記第1圧縮機の吐出側は、前記第2圧縮機の吐出側に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  3. 前記制御部は、第1減圧器の開度、及び当該開度時の消費電力を記憶するとともに、記憶された開度と消費電力との関係から消費電力が小さくなる前記第1減圧器の開度を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
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