JP6381931B2 - 高周波回路装置および多層回路基板 - Google Patents

高周波回路装置および多層回路基板 Download PDF

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Description

本発明は、高周波回路装置および多層回路基板に関するものである。
特許文献1には、高周波部品(フィルタ)の電気特性を向上させる例として、回路構成にコンデンサ、コイルを含み、共振器とコンデンサを直列に接続した構成とし、フィルタ回路の減衰域において共振器の等価インダクタンスと直列コンデンサとが直列共振する共振器トラップを備え、高周波用フィルタ装置を実現する技術が開示されている。このような技術によれば、共振器を用いてトラップ回路を構成することとしたので、部品の小型化、軽量化を図りつつフィルタ特性を向上することができ、また、回路を構成する素子数を減らして、コストダウンおよび損失の低減を図ることができる。
また、特許文献2には、電源層、グランド層等のベタパターンを含んで構成された多層回路基板において、ベタパターンに接続した部品リードが挿入されるスルーホールと、ベタパターンのスルーホール周辺にベタパターンを剥離して形成した熱放散を抑制するピットとを具備し、はんだ処理工程におけるスルーホールからベタパターンへの熱放散をピットにより抑制することを特徴とした技術が開示されている。このような技術によれば、はんだ付け時におけるはんだ上がり性の改善を図ることができる。
特開平07−94324号公報 特開2005−12088号公報
ところで、特許文献1に開示された技術では、減衰特性を向上させるためにトラップ回路の追加が必要となり、回路が複雑化するという問題がある。
また、特許文献2に開示された技術では、スルーホールの構造により特性が劣化する場合があることから、安定した動作とその信頼性の確保が難しいという問題点がある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、回路を複雑化することなく、所望の特性を得ることが可能な高周波回路装置および多層回路基板を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、多層回路基板を備える高周波回路装置において、高周波回路を構成する電子部品であって、電気伝導性部材によって構成される筐体内に素子が収容された電子部品が載置される側の面に形成される外層と、前記外層に形成される伝送線路の基準電位となる少なくとも1つの内層と、を有し、前記電子部品の前記筐体は、前記内層に対して接触ランドによって電気的に接続され、前記電子部品は、前記内層に接続された電気伝導性の筐体内に収容され、一端を開放端とし、他端を給電ピンと電気的に接続するヘリカル状コイルと、前記ヘリカル状コイルとの距離を調整可能な態様にて保持され、前記ヘリカル状コイルの前記開放端との距離を調整することで共振周波数を設定可能な調整部材を有し、前記外層と前記内層との距離をd(単位:m)とし、これらの間に配置される誘電体層の誘電率をεとし、前記共振周波数における電気信号の自由空間波長をλ(単位:m)とした場合に、d<λ/200√εを満たすように前記誘電体層の厚さが設定されていることを特徴とする。
このような構成によれば、回路を複雑化することなく、所望の特性を得ることが可能となる。
また、本発明は、前記電子部品の前記共振周波数を抑圧帯域として有することを特徴とする。
また、本発明は、高周波回路装置が形成される多層回路基板において、高周波回路を構成する電子部品であって、電気伝導性部材によって構成される筐体内に素子が収容された電子部品が載置され側の面に形成される外層と、前記外層に形成される伝送線路の基準電位となる少なくとも1つの内層と、を有し、前記内層には、前記電子部品の前記筐体を電気的に接続するための接触ランドが形成され、前記電子部品は、前記内層に接続された電気伝導性の筐体内に収容され、一端を開放端とし、他端を給電ピンと電気的に接続するヘリカル状コイルと、前記ヘリカル状コイルとの距離を調整可能な態様にて保持され、前記ヘリカル状コイルの前記開放端との距離を調整することで共振周波数を設定可能な調整部材を有し、前記外層と前記内層との距離をd(単位:m)とし、これらの間に配置される誘電体層の誘電率をεとし、前記共振周波数における電気信号の自由空間波長をλ(単位:m)とした場合に、d<λ/200√εを満たすように前記誘電体層の厚さが設定されていることを特徴とする。
また、本発明は、多層回路基板を備える高周波回路装置において、高周波回路を構成する電子部品であって、電気伝導性部材によって構成される筐体内に素子が収容された電子部品が載置される側の面に形成される外層と、前記外層と対向して形成される他の外層と、前記外層に形成される伝送線路の基準電位となる少なくとも1つの内層と、前記内層とは異なる他の内層と、を有し、前記電子部品の前記筐体は、前記外層から前記他の外層に向けて挿通されている端子を有し、前記端子は、前記内層に対して接触ランドによって電気的に接続されるとともに、前記他の内層に対してサーマルランドまたは非接触ランドを介して挿通されている、ことを特徴とする。
また、本発明は、高周波回路装置が形成される多層回路基板において、高周波回路を構成する電子部品であって、電気伝導性部材によって構成される筐体内に素子が収容された電子部品が載置される側の面に形成される外層と、前記外層と対向して形成される他の外層と、前記外層に形成される伝送線路の基準電位となる少なくとも1つの内層と、前記内層とは異なる他の内層と、を有し、前記電子部品の前記筐体は、前記外層から前記他の外層に向けて挿通されている端子を有し、前記端子は、前記内層に対して接触ランドによって電気的に接続されるとともに、前記他の内層に対してサーマルランドまたは非接触ランドを介して挿通されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、回路を複雑化することなく、所望の特性を得ることが可能な高周波回路装置および多層回路基板を提供することができる。
本発明の実施形態に係る高周波回路装置の構成例を示す断面図である。 図1に示す電子部品の具体的な構成例を示す図である。 図2に示す電子部品の内部の構造を示す図である。 図2に示す電子部品の調整ねじとヘリカル状コイルの位置関係を示す図である。 接触ランドの構成例を示すである。 非接触ランドの構成例を示すである。 サーマルランドの構成例を示すである。 回路シミュレーションで使用した複数の接触ランドと複数のサーマルランドがそれぞれ形成された内層の一例を示す図である。 回路シミュレーションで用いた多層回路基板の構成を示す図である。 回路シミュレーションの結果をまとめた図である。 回路シミュレーションの結果を示すグラフである。 等価的な容量を増減させた場合のS21特性を示すグラフである。 内層の厚さを変えた場合のS21特性を示すグラフである。 図13に示すグラフで使用した多層回路基板の構成を示す図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)実施形態の構成の説明
図1は、本発明の実施形態に係る高周波回路装置の構成例を模式的に示す断面図である。この図1に示すように、本発明の実施形態に係る高周波回路装置1は、フィルタ回路であって、多層回路基板10と電子部品20とを有している。多層回路基板10は、誘電体層11,12,13、外層14,15、および、内層16,17を有している。電子部品20は、筐体200、接地端子205、給電ピン206、および、内蔵素子210を有している。
ここで、多層回路基板10を構成する誘電体層11,12,13は、電気絶縁性を有する樹脂等によって構成される。なお、樹脂の種類としては、例えば、エポキシ、ポリイミド、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、および、ポリフェニレンエーテル等がある。
外層14,15および内層16,17は、例えば、銅等の電気伝導性を有する金属薄板によって構成され、必要に応じて配線パターンが形成されている。図1の例では、誘電体層11および誘電体層12の間に内層16が配置され、誘電体層12および誘電体層13の間に内層17が配置され、これらが積層して接合されるとともに、誘電体層11,13のそれぞれの表面に外層14,15が配置されている。なお、図1の例では、内層は2枚とされているが、内層を1枚としたり、3枚以上としたりするようにしてもよい。
電子部品20は、電気伝導性を有する筐体200内に内蔵素子210が収容されて構成される。接地端子205は、電気伝導性を有する金属によって構成され、筐体200に接続されている。給電ピン206は、電気伝導性を有する金属によって構成され、内蔵素子210に接続されている。内蔵素子210は、例えば、抵抗素子、インダクタンス素子、または、抵抗素子、共振素子等によって構成される。
なお、図1では、フィルタ回路を構成する電子部品として、電子部品20のみを示しているが、実際にはこれ以外の電子部品も多層回路基板10上に配置されている。また、電子部品20は、筐体200を備えていなくてもよい。
図2は、図1に示す電子部品20の具体例を示す図である。図2に示す例では、電子部品20は、所定の周波数fを共振周波数とする共振器であり、後述するように導電性の筐体内にヘリカル状コイルが配置されて構成され、直列共振によって対象となる周波数帯域を選択的に減衰させる。すなわち、図2に示す電子部品20は、所定の周波数fを抑圧帯域とするトラップ回路として動作する。ここで、図2に示す電子部品20は、非磁性であって、導電性を有する立方体形状の筐体200の上面201に、共振周波数を調整するための調整ねじ203が設けられている。調整ねじ203は、非磁性の導電性部材によって構成される。また、筐体200の下面には、電子部品20を多層回路基板10に取り付けるための接地端子204,205が設けられるとともに、後述するヘリカル状コイルの一端に接続された給電ピン206が設けられている。
図3は、図2に示す電子部品20の内部の構成例を示す図である。この図3に示すように、電子部品20の筐体200の内部には、内蔵素子としてのヘリカル状コイルモジュール210が配置されている。ここで、ヘリカル状コイルモジュール210は、例えば、樹脂等の絶縁体によって構成され、底面形状が略正方形である直方体形状を有する底部211と、底部211と一体的に構成されるとともに、底部211から突出した円柱形状を有するボビン部212を有している。このボビン部212には、線径はQ値から求めた太さのSn(錫)メッキ線であって、線長は共振周波数の1/4波長から求めた長さを有する、ヘリカル状コイル213が巻回されており、このヘリカル状コイル213の一端は、底部211に設けられた給電ピン206に接続され、他端は開放端とされている。
また、ボビン部212の上面には凹部が形成され、その凹部内に調整ねじ203の一端が挿入される。調整ねじ203の端面には調整ねじ203を回転する際にドライバが挿入される溝203aが形成されている。また、調整ねじ203の側面には雄ねじが形成され、筐体200の上面201には、調整ねじ203が挿入される穴201aが形成され、この穴201aの側面には雌ねじが形成されている。雌ねじに雄ねじを嵌合させるように穴201aに調整ねじ203を挿入することで、これらを電気的に接続するとともに、ボビン部212の上面の凹部内への挿入深さを調整可能とする。
図4は、ヘリカル状コイル213と調整ねじ203との位置関係を模式的に示す図である。この図に示すように、ヘリカル状コイル213の開放端と調整ねじ203は、距離Dを隔てて配置されている。このため、これらの間にはキャパシタ成分が形成される。調整ねじ203を回転することで、これらの距離が調整されるため、キャパシタ成分の容量値が増減されることになる。ここで、調整ねじ203の一部の側面は筐体200に電気的に接続され、また、筐体200の接地端子204,205は多層回路基板10のグランドパターンである内層16に接地されている。このため、給電ピン206とグランドとの間には、ヘリカル状コイル213とキャパシタ成分による直列共振回路が形成され、この直列共振回路の共振周波数は、調整ねじ203を回転することで調整可能とされる。なお、電子部品20の共振周波数については、例えば、ヘリカル状コイル213の長さを調整することで設定可能である。また、電子部品20のQ値については、例えば、ヘリカル状コイル213の線径を調整することで設定可能である。
図1に戻る。外層14の電子部品20が配置されている部分は、電子部品20の筐体200の下部形状に応じた非接触ランド14aが形成されている。すなわち、電子部品20の筐体200は、外層14とは非接触の状態とされている。内層16の接地端子205が挿通される部分は接触ランド16aとされている。すなわち、接地端子205は、接触ランド16aを介して内層16に電気的に接続される。図5は、接触ランドの構成例を示す模式図である。なお、この図では説明を簡略化するために、図1に比較して構成を簡略化して示している。この例では、内層16の接地端子205が挿通する部分にはビアホール161が形成され、このビアホール161の周辺の内層16と接地端子205とが接触することでこれらが電気的に接続された状態とされる。
なお、ランドとしては、接触ランド以外にも、図6に示す非接触ランドと、図7に示すサーマルランドが存在する。図6は、非接触ランドの構成例を示す模式図である。この例では、内層16の接地端子205が挿通する部分にはビアホール161が形成され、ビアホール161の周辺には内層16が円環状に除外された領域162が形成されている。この円環状の領域162によって内層16と接地端子205とは電気的に非接触の状態とされる。図7は、サーマルランドの構成例を示す模式図である。この例では、内層16の接地端子205が挿通する部分にはビアホール161が形成され、ビアホール161の周辺には内層16が扇状に除外された領域163が複数形成されている。このような扇状に除外された領域163を複数設けることにより、半田付けの際に、半田鏝から内層16に伝わる熱の量を制限することで(熱抵抗を上げることで)、半田上がり性を改善することができる。なお、図1に示す接触ランド16aは、図7に示すサーマルランドではなく、図5に示すいわゆる「ベタ接触ランド」とされている。
外層14と内層16の間に配置される誘電体層11の厚さd(単位:m)は、誘電体層11の誘電率をεとし、電子部品20の共振周波数f(単位:Hz)の電気信号の自由空間波長をλ(単位:m)とした場合に、d<λ/200/√εを満たすように設定されている。
(B)実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の実施形態の動作を、シミュレーション結果を用いて説明する。図8は、シミュレーションで用いた内層16を模式的に示す図である。ここで、図8(A)は図5に示す接触ランド16aが複数形成された内層16の例を示し、図8(B)は図7に示すサーマルランド16cが複数形成された内層16の例を示している。
図9は、シミュレーション対象とした多層回路基板を示している。この図9に示す多層回路基板は、外層L1,L7および内層L2〜L6と、誘電体層I1〜I6を有している。シミュレーションでは、内層L2〜L6として、図8(A)に示す複数の接触ランド16aを有する内層と、図8(B)に示す複数のサーマルランド16cが形成された内層を任意に選択して用いる。なお、電子部品20は、外層L1側に配置される。図1との対応関係では、外層L1が外層14に対応し、内層16が内層L2に対応し、誘電体層11が誘電体層I1に対応している。
図10は、シミュレーション結果を示す図である。この図10において、タイプ1〜タイプ7は、図9に示す内層L2〜L6の組み合わせが異なる多層回路基板を示している。図中の「A」は内層として図8(A)に示す複数の接触ランド16aを有する内層を使用していることを示し、「B」は内層として図8(B)に示す複数のサーマルランド16cを有する内層を使用していることを示している。例えば、タイプ1の場合には、内層L2〜L4については図8(A)に示す複数の接触ランド16aを有する内層を使用し、内層L5〜L6については図8(B)に示す複数のサーマルランド16cを有する内層を使用している。また、図中の「変化」は、タイプ1に比較した場合の特性変化を示し、「−」は変化がほとんどないことを示し、「×」は「−」よりも特性が劣化したことを示し、「××」は「×」よりもさらに特性が劣化したことを示し、また、「×××」は「××」よりもさらに特性が劣化したことを示している。この図10の結果から、内層L2として、図8(B)に示す複数のサーマルランド16cを有する内層を使用した場合には接触ランド16aを使用した場合に比較して、特性が劣化することが分かる。また、内層L2として、図8(B)に示す複数のサーマルランド16cを有する内層を使用した場合には、内層L3〜L6として、複数のサーマルランド16cを有する内層の使用枚数が多いほど特性が劣化することが分かる。
図11は、図10に示すタイプ1〜タイプ6の多層回路基板を使用して減衰極を有するHPF(High Pass Filter)を構成した場合のS21特性を示している。この図11に示すように、最も理想的な特性に近いタイプ1に対応する太い実線のグラフでは、1.8GHzの前後に2つの減衰極が形成されているが、理想特性から最も外れているタイプ4に対応する太い一点鎖線のグラフでは、減衰極が低周波数側にずれるとともに、減衰極の減衰量がタイプ1よりも小さくなっている。
つぎに、サーマルランドを有する内層L2を用いた場合に、特性が劣化する理由について説明する。サーマルランドを有する内層L2を用いた場合に特性が劣化する理由としては、回路に並列に接続される等価的なキャパシタンス成分の容量が変化することが考えられる。これについて説明する。図12は、等価的な容量を増減させた場合のS21特性の変化を示す図である。図12では、等価的な容量が小さい順に、二点鎖線、一点鎖線、間隔が長い破線、間隔が短い破線、実線で表示している。この図に示すように、コンデンサ31の容量が変化するに従って、特性が劣化している。すなわち、内層L2と接地端子204,205とをサーマルランド16cによって接続すると、接触ランド16aの場合に比較して、給電ピン206とグランドである内層L2との間に形成される等価的なキャパシタンスの容量が変化することで、特性が劣化すると推測することができる。このことから、本実施形態では、接地端子204,205と内層16とをサーマルランド16cではなく、接触ランド16aによって接続する構成とすることで、特性の劣化を防いでいる。
つぎに、誘電体層11の厚さについて説明する。図13は図1に示す実施形態において、誘電体層11の厚さを変化させた場合のS21特性の変化を示すグラフである。図14は、図13に示す各グラフに対応する各層の厚さを示す図である。より詳細には、図14(A)は図13の破線のグラフに対応する各層の厚さを示している。図14(A)では、外層14の厚さは0.043mm、誘電体層11の厚さは0.25mm、内層16の厚さは0.018mm、誘電体層12の厚さは0.425mm、内層17の厚さは0.018mm、誘電体層13の厚さは0.428mm、外層15の厚さは0.018mmとされ、トータルの厚さは1.2mmとされている。図14(B)は図13の一点鎖線のグラフに対応する各層の厚さを示している。図14(B)では、図14(A)と比較すると、誘電体層11の厚さは0.125mmとされ、誘電体層12の厚さは0.55mmとされている。これら以外の構成は図14(A)と同様である。図14(C)は図13の実線のグラフに対応する各層の厚さを示している。図14(C)では、図14(A)と比較すると、誘電体層11の厚さは0.5mmとされ、誘電体層12の厚さは0.175mmとされている。これら以外の構成は図14(A)と同様である。
図13のS21特性に示すように、破線、一点鎖線、および、実線のグラフを比較すると、一点鎖線で示すグラフの減衰特性が最も急峻で理想的な特性となっている。これらのグラフの比較から、外層14と内層16の間の誘電体層11の厚さが薄い方が理想的な特性が得られることが分かる。本願の発明者は、誘電体層11の誘電率をεとし、誘電体層11の厚さをd(単位:m)とし、共振器20の共振周波数をf(単位:Hz)とした場合において、周波数fの電気信号の自由空間における波長をλ(単位:m)としたときに、d<λ/200/√εの条件を満たすことで、S21特性を向上させることができることを実験によって確認した。このため、誘電体層11については、前述した条件を満たすように、厚さを設定することで、理想的な特性を得ることができる。
(E)変形実施形態の説明
以上の各実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、図1に示す実施形態では、内層は2枚としたが、1枚または3枚以上としてもよい。
また、図1に示す実施形態では、誘電体層の厚さは略同じに設定しているが、これらの一部または全てが異なる構成としてもよい。
また、図1に示す実施形態では、給電ピンは外層15に接続するようにしたが、これ以外の層に接続するようにしてもよい。例えば、外層14に接続したり、内層17に接続したりしてもよい。
また、以上の実施形態では、共振器20は、調整ねじによって共振周波数を調整するようにしたが、ヘリカル状コイル213との距離を変更できる手段であれば、調整ねじ以外の手段を用いるようにしてもよい。具体的には、例えば、ヘリカル状コイル213との距離を調整可能なスライダーを用いるようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、HPFを例に実施例の説明を行ったが、LPFやBPFへの適用も可能であり、フィルタ以外の適用も可能である。
1 高周波回路装置(フィルタ)
10 多層回路基板
11〜13 誘電体層
14,15 外層
16,17 内層
20 電子部品
200 筐体
204,205 接地端子
206 給電ピン
210 内蔵素子

Claims (5)

  1. 多層回路基板を備える高周波回路装置において、
    高周波回路を構成する電子部品であって、電気伝導性部材によって構成される筐体内に素子が収容された電子部品が載置される側の面に形成される外層と、
    前記外層に形成される伝送線路の基準電位となる少なくとも1つの内層と、を有し、
    前記電子部品の前記筐体は、前記内層に対して接触ランドによって電気的に接続され、
    前記電子部品は、前記内層に接続された電気伝導性の筐体内に収容され、一端を開放端とし、他端を給電ピンと電気的に接続するヘリカル状コイルと、前記ヘリカル状コイルとの距離を調整可能な態様にて保持され、前記ヘリカル状コイルの前記開放端との距離を調整することで共振周波数を設定可能な調整部材を有し、
    前記外層と前記内層との距離をd(単位:m)とし、これらの間に配置される誘電体層の誘電率をεとし、前記共振周波数における電気信号の自由空間波長をλ(単位:m)とした場合に、d<λ/200√εを満たすように前記誘電体層の厚さが設定されていることを特徴とする高周波回路装置。
  2. 前記電子部品の前記共振周波数を抑圧帯域として有することを特徴とする請求項1に記載の高周波回路装置。
  3. 高周波回路装置が形成される多層回路基板において、
    高周波回路を構成する電子部品であって、電気伝導性部材によって構成される筐体内に素子が収容された電子部品が載置され側の面に形成される外層と、
    前記外層に形成される伝送線路の基準電位となる少なくとも1つの内層と、を有し、
    前記内層には、前記電子部品の前記筐体を電気的に接続するための接触ランドが形成され、
    前記電子部品は、前記内層に接続された電気伝導性の筐体内に収容され、一端を開放端とし、他端を給電ピンと電気的に接続するヘリカル状コイルと、前記ヘリカル状コイルとの距離を調整可能な態様にて保持され、前記ヘリカル状コイルの前記開放端との距離を調整することで共振周波数を設定可能な調整部材を有し、
    前記外層と前記内層との距離をd(単位:m)とし、これらの間に配置される誘電体層の誘電率をεとし、前記共振周波数における電気信号の自由空間波長をλ(単位:m)とした場合に、d<λ/200√εを満たすように前記誘電体層の厚さが設定されていることを特徴とする多層回路基板。
  4. 多層回路基板を備える高周波回路装置において、
    高周波回路を構成する電子部品であって、電気伝導性部材によって構成される筐体内に素子が収容された電子部品が載置される側の面に形成される外層と、
    前記外層と対向して形成される他の外層と、
    前記外層に形成される伝送線路の基準電位となる少なくとも1つの内層と、
    前記内層とは異なる他の内層と、を有し、
    前記電子部品の前記筐体は、前記外層から前記他の外層に向けて挿通されている端子を有し、
    前記端子は、前記内層に対して接触ランドによって電気的に接続されるとともに、前記他の内層に対してサーマルランドまたは非接触ランドを介して挿通されている、
    ことを特徴とする高周波回路装置。
  5. 高周波回路装置が形成される多層回路基板において、
    高周波回路を構成する電子部品であって、電気伝導性部材によって構成される筐体内に素子が収容された電子部品が載置される側の面に形成される外層と、
    前記外層と対向して形成される他の外層と、
    前記外層に形成される伝送線路の基準電位となる少なくとも1つの内層と、
    前記内層とは異なる他の内層と、を有し、
    前記電子部品の前記筐体は、前記外層から前記他の外層に向けて挿通されている端子を有し、
    前記端子は、前記内層に対して接触ランドによって電気的に接続されるとともに、前記他の内層に対してサーマルランドまたは非接触ランドを介して挿通されている、
    ことを特徴とする多層回路基板。
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