以下に、本願に係る配信装置、表示制御装置、表示制御方法、および表示制御プログラムの実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る配信装置、表示制御装置、表示制御方法、および表示制御プログラムが限定されるものではない。
[1.表示制御処理]
まず、図1A、図1B、および図1Cを用いて、実施形態に係る表示制御処理の一例について説明する。図1A、図1B、および図1Cは、実施形態に係る表示制御処理の一例を示す図である。
ここでは、ブラウザ(例えば、ウェブブラウザ)を有する端末装置(表示制御装置の一例)によって、動画の広告コンテンツ(以下、「動画コンテンツC」と記載する)が配置されるページW(例えば、ウェブページW)の一部がブラウザの表示領域に表示される例を示す。以下、ページWのうちブラウザに表示される領域を可視領域VAと記載する。
図1Aに示すように、ページWは、第1領域AR1と、第2領域AR2とを含む。さらに、ページWは、第1領域AR1と第2領域AR2との間に設定される第3領域AR3を含む。なお、図1Aに示すページWの構成は一例であり、これに限定されるものではない。ページWは、第1領域AR1と第2領域AR2とが隣接する位置に設定され、第1領域AR1および第2領域AR2が設定されない他の位置に第3領域AR3が設定されてもよい。
第1領域AR1および第2領域AR2は、例えば、広告の動画コンテンツCの再生が行われる広告枠である。なお、ここでは、広告枠が第1領域AR1および第2領域AR2の2枠である場合について説明するが、広告枠は3枠以上であってもよい。
第3領域AR3には、例えば、ニュースなどの記事(投稿メッセージの一例)が時系列に配列される。各記事は、例えば、1以上のセンテンスや1以上のパラグラフを含む。なお、第3領域AR3に配列されるコンテンツ情報は、時系列に配列される投稿メッセージに限定されるものではなく、例えば、スマートデバイス向けのUI(User Interface)コンテンツなど、任意のコンテンツ情報であってもよい。
図1Aに示す例では、ページWの縦サイズは、ブラウザの表示領域の縦サイズよりも長い。このためブラウザの表示領域内に位置するページWの領域が表示され、ブラウザの表示領域外に位置するページの領域は表示されない。端末装置のユーザ(以下、単に「ユーザ」と記載する)は、例えば、スクロール操作によって、ページのうちブラウザの表示領域に位置させる領域を変更することができる。
このため、動画コンテンツCは、ユーザによるスクロールのタイミングによっては、広告の内容を適切にユーザへ伝えることができず、広告効果が低減することがある。例えば、図1Aに示すように、第1領域AR1が可視領域VA内に位置する状態で、15秒間の車の動画コンテンツCが5秒間再生された時点では、動画コンテンツCの主要な内容である車の映像が一部しか表示されていない。
このため、この時点でユーザがスクロール操作を行って、可視領域VAを第3領域AR3へ移動させた場合、図1Bに示すように、動画コンテンツCの再生開始から10秒後に表示される車全体の映像をユーザに閲覧させることができずに広告効果が低減する。
そこで、本実施形態に係る表示制御処理では、動画コンテンツCの再生途中に、第1領域AR1が可視領域VA外になり、その後、第2領域AR2が可視領域VA内になった場合に、閲覧が中断された動画コンテンツCの続きを端末装置によって再生させる。
具体的には、本実施形態では、端末装置に表示されるページWに設定される動画コンテンツCを制御する制御情報(プログラム)によって端末装置に以下の手順を実行させることにより、閲覧が中断された動画コンテンツCの続きを端末装置によって再生させる。
まず、制御情報は、ページWのうち端末装置の表示部に表示される領域の情報を可視領域VAの情報として取得する可視領域取得手順を端末装置に実行させる。
そして、制御情報は、ページWのうち動画コンテンツCが再生される第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA外になったタイミングの動画コンテンツCの再生位置を検出する再生位置検出手順を端末装置に実行させる。
その後、制御情報は、ページWのうち第2領域AR2の一部または全部が可視領域VA内になった場合に、再生位置検出手順により検出された再生位置に応じた再生位置を動画コンテンツCの第2領域AR2における再生開始位置として決定する再生位置決定手順を端末装置に実行させる。
これにより、例えば、図1Bに示すように、動画コンテンツCの閲覧が再生開始から10秒の時点で中断されても、図1Cに示すように、第2領域AR2が可視領域内になった場合に、動画コンテンツCを再生開始後10秒の時点から再生させることができる。
したがって、本実施形態に係る表示制御処理によれば、動画コンテンツCの閲覧がユーザのスクロール操作によって中断されても、その後、閲覧が中断された動画コンテンツCの続きを再生させるので、動画コンテンツCによる広告効果を増大させることができる。
なお、ここでは、図1Bに示す状態から第2領域AR2が可視領域VA内になる場合について説明したが、本実施形態に係る制御情報は、図1Bに示す状態から第1領域AR1が可視領域VA内になった場合にも同様の手順を端末装置に実行させることができる。
かかる場合、制御情報は、前述した可視領域取得手順と、再生位置検出手順とを端末装置に実行させる。そして、制御情報は、ページWのうち第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA内になった場合に、再生位置検出手順により検出された再生位置に応じた再生位置を動画コンテンツCの第1領域AR1における再生開始位置として決定する再生位置決定手順を端末装置に実行させる。
これにより、制御情報は、図1Bに示す状態から第1領域AR1が可視領域VA内になった場合にも、閲覧が中断された動画コンテンツCの続きを端末装置によって再生させることができる。
また、ここでは、第2領域AR2の一部または全部が可視領域VA内になった場合に、第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA外となった時点の再生位置から動画コンテンツCの再生を再開する場合について説明したが、これは再生開始位置の一例である。
本実施形態に係る表示制御処理では、再生位置検出手順により検出された再生位置に応じた再生位置であれば、他の再生位置から動画コンテンツCの再生再開が可能である。例えば、第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA外となった時点よりも所定時間前の再生位置から再生を再開させることもできる。
これにより、第1領域AR1の大半が可視領域VA外になり、その時に再生されている動画コンテンツCの大半をユーザが閲覧できないような場合であっても、この閲覧できなかった部分の動画を第2領域AR2で再生させてユーザに閲覧させることができる。
また、本実施形態に係る表示制御処理では、ユーザによるスクロールの速度に応じて、再生開始位置を調整することもできる。これにより、例えば、ユーザによるスクロールの速度が高く、ユーザが動画コンテンツCの内容を的確に認識できていない場合に、第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA外となった時点よりも所定時間前の再生位置から再生を再開することができる。
一方、ユーザによるスクロールの速度が低く、ユーザが動画コンテンツCの内容を的確に認識できている場合には、第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA外となった時点の再生位置から再生を再開することができる。
以下、上述した表示制御処理を実現する端末装置等の一例について詳細に説明する。なお、以下の例では、端末装置は、端末装置の表示部に表示されるページWに設定される動画コンテンツCを制御する表示制御プログラム(制御情報の一例)を取得し、かかる制御情報に従って上述した表示制御処理を行う。
[2.情報配信システムの構成]
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報配信システム1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報配信システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報配信システム1は、広告装置10と、配信装置20と、端末装置30とを含む。
広告装置10、配信装置20および端末装置30(表示制御装置の一例)は、通信ネットワークNを介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。通信ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、図2に示す例では、広告装置10、配信装置20および端末装置30がそれぞれ1台ずつ示されているが、これらの装置のうちいずれかまたは全部が2台以上であってもよい。
広告装置10は、広告の動画コンテンツCを端末装置30へ配信する。例えば、広告装置10は、端末装置30からの要求があった場合に、端末装置30のユーザの属性に応じた広告の動画コンテンツCを端末装置30に配信する。
配信装置20は、端末装置30からの要求に応じてページ(例えば、ウェブページ)の情報を端末装置30へ配信する。例えば、配信装置20は、ポータルサイト、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関する各ページを配信する。以下、配信装置20は、ページの一例として、ウェブページを送信するものとして説明するが、ページは、例えば、端末装置30において表示されるものであればよく、ウェブページに限定されない。
配信装置20によって配信されるウェブページの情報には、例えば、マークアップ言語により記述されたファイル等が含まれる。マークアップ言語は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)やXML(Extensible Markup Language)である。なお、以下においては、マークアップ言語により記述されたファイルがHTMLファイルであるものとして説明するが、マークアップ言語により記述されたファイルは、XMLファイルやその他のファイルであってもよい。
端末装置30は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、ゲーム機などのように通信機能やブラウザ機能を有する装置である。端末装置30は、端末装置30のユーザの操作に基づき、通信ネットワークNを介して配信装置20からHTMLファイルを取得し、かかるHTMLファイルに応じたウェブページ画像を表示部に表示する。
HTMLファイルには、広告装置10のURL等が情報取得命令として含まれており、端末装置30は、情報取得命令に基づいて広告装置10にアクセスし、広告装置10から広告の動画コンテンツCを取得する。
以下、広告装置10、配信装置20および端末装置30の順にそれぞれの構成例を説明する。
[3.広告装置10の構成例]
図3は、実施形態に係る広告装置10の構成例を示す図である。図3に示すように、広告装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部11は、通信ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置30や配信装置20との間で情報の送受信を行う。
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
記憶部12は、広告の動画コンテンツCおよび動画コンテンツCに関する各種情報を記憶する。かかる記憶部12は、動画コンテンツCおよび動画コンテンツCに関する各種情報として、広告情報テーブルを記憶する。
広告情報テーブルは、例えば、「広告ID」、「広告コンテンツ」および「広告属性」のそれぞれの情報を含み、これらの情報は互いに関連付けられている。「広告ID」は、広告コンテンツ毎に割り当てられる識別情報である。
「広告コンテンツ」は、配信対象の広告の動画コンテンツCである。なお、動画コンテンツCは、広告表示のための画像素材やプログラムコードのみならず、これらの画像素材やプログラムコードを取得するためのリンク情報を含む。
「広告属性」には、例えば、「対象種別」や「ユーザ属性」などの情報が含まれる。「対象種別」は、動画コンテンツCによる広告対象を示す情報である。広告対象は、例えば、商品やサービスなどである。「ユーザ属性」は、対応する動画コンテンツCの閲覧を望むことが予想されるユーザの属性である。ユーザの属性は、例えば、ユーザの性別、年齢層、職業などである。
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、制御部13内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
かかる制御部13は、受付部14と、配信部15とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部13の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部13が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
受付部14は、端末装置30から広告取得要求を受け付ける。例えば、受付部14は、広告取得要求として、HTTPリクエストを受け付ける。配信部15は、受付部14によって広告取得要求が受け付けられた場合に、広告取得要求に応じた広告の動画コンテンツCと、この広告コンテンツに対応する広告属性とを記憶部12から読み出し、読み出した情報を広告情報として端末装置30へ送信する。
なお、記憶部12は、端末ユーザの識別情報と属性情報(例えば、端末ユーザの嗜好、性別、年齢、住所、職業など)を記憶することもできる。受付部14は、広告取得要求に、例えば、端末ユーザの識別情報が含まれている場合、記憶部12に記憶されている広告の動画コンテンツCの中から、端末ユーザの属性情報に応じた広告コンテンツを配信する広告コンテンツとして決定する。なお、端末ユーザの識別情報は、例えば、HTTPクッキー(HyperText Transfer Protocol Cookie)に含まれる情報であるが、配信装置20へのログインIDであってもよい。
[4.配信装置20の構成例]
図4は、実施形態に係る配信装置20の構成例を示す図である。図4に示すように、配信装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。
通信部21は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部21は、通信ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置30や広告装置10との間で情報の送受信を行う。
記憶部22は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部22は、ウェブページWの情報を記憶する。記憶部22は、端末装置30へ提供するウェブページWの情報を記憶する。かかるウェブページWの情報は、例えば、HTMLファイルやウェブページWを構成する静止画像や動画像の情報などである。
また、ウェブページWの情報には、表示制御処理を端末装置30に実行させるための制御プログラムが含まれる。かかる制御プログラムは、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語より記述される。また、制御プログラムは、Java(登録商標)アプレットなどのアプレットであってもよい。また、制御プログラムは、HTMLファイルに記述されていてもよい。
なお、かかる制御プログラムは、例えば、広告装置10の記憶部12において記憶することもできる。この場合、広告装置10の制御部13は、例えば、端末装置30から広告コンテンツの取得要求があった場合に、広告コンテンツと制御プログラムを記憶部12から読み出して、端末装置30へ配信することもできる。
制御部23は、例えば、CPUやMPU等によって、配信装置20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部23は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
かかる制御部23は、受付部24と、配信部25とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部23の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部23が有する各処理部の接続関係は、図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
受付部24は、端末装置30からページ取得要求を受け付ける。例えば、受付部24は、ページ取得要求として、HTTPリクエストを受け付ける。配信部25は、受付部24によってページ取得要求が受け付けられた場合、ページ取得要求に応じたウェブページWの情報を端末装置30へ配信する。
[5.端末装置30の構成例]
図5は、実施形態に係る端末装置30の構成例を示す図である。図5に示すように、端末装置30は、通信部31と、表示部32と、入力部33と、記憶部34と、制御部35とを備える。通信部31は、通信ネットワークNを介して広告装置10や配信装置20と通信するための通信インタフェースであり、例えば、NIC(Network Interface Card)等のインタフェースである。
表示部32は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイである。また、表示部32は、タッチパネル式のディスプレイであってもよい。この場合、端末ユーザは、表示部32の画面上を指などで操作することで、表示部32に表示されたウェブページWのスクロール操作などが可能である。
入力部33は、文字、数字およびスペースを入力するためのキー、エンターキーおよび矢印キーなどを含むキーボードや、電源ボタンなどを有する。また、表示部32がタッチパネル式のディスプレイである場合、表示部32の一部が入力部33として機能する。
記憶部34は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。かかる記憶部34は各種プログラムや設定データなどが記憶される。記憶部34に記憶されるプログラムとして、例えば、OS(Operating System)、ブラウザプログラム、制御プログラムなどがある。また、記憶部34は、広告装置10や配信装置20から取得したその他の情報も記憶する。
制御部35は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。また、制御部35は、例えば、CPUやMPU等によって、記憶部34に記憶されているプログラムが図示しない内部RAMを作業領域として実行されることにより後述する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
かかる制御部35は、記憶部34に記憶されているプログラムを実行することによって、図4に示すように、要求部41、受付部42、表示処理部43、可視領域取得部44、第1領域再生部45、再生停止部46、再生位置検出部47、再生位置決定部49、速度検出部48、第2領域再生部50、および更新部51として機能する。
例えば、制御部35は、記憶部34に記憶されているブラウザプログラムを実行することによって、要求部41および受付部42、表示処理部43として機能する。また、制御部35は、記憶部34に記憶されている制御プログラムを実行することによって、可視領域取得部44、第1領域再生部45、再生停止部46、再生位置検出部47、再生位置決定部49、速度検出部48、第2領域再生部50、および更新部51として機能する。なお、制御部35の構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
[5.1.要求部41]
要求部41は、端末ユーザの入力部33への操作(以下、ユーザ操作と記載する)に従って、配信装置20にページ取得要求を送信する。また、要求部41は、受付部42によって受け付けられたウェブページWの情報に広告取得命令が含まれる場合に、広告取得要求を広告装置10に送信する。
[5.2.受付部42]
受付部42は、ウェブページWの情報と広告の動画コンテンツCの情報とを受け付け、受け付けた情報を記憶部34に記憶する。例えば、受付部42は、要求部41によって送信されたページ取得要求に応答した配信装置20から、広告表示領域を含むウェブページWの情報を受け付けて記憶部34に記憶する。また、受付部42は、ウェブページWの情報に広告取得命令が含まれる場合には、広告取得要求を送信するよう要求部41に指示し、かかる広告取得要求に応じて広告装置10から送信される広告の動画コンテンツCの情報を受け付ける。
[5.3.表示処理部43]
表示処理部43は、記憶部34に記憶されたウェブページWの情報および広告の動画コンテンツCの情報に基づいて、可視領域VAに表示する画像の情報を生成し、生成した画像の情報を表示部32へ出力する。これにより、表示部32にウェブページWの画像(以下、ページ画像と記載する)が表示される。なお、表示処理部43は、表示部32の表示領域内にブラウザの表示領域の全部が含まれない場合、例えば、ブラウザの表示領域のうち表示部32の表示領域に含まれる領域のページ画像が表示部32に表示される。
例えば、図1Aに示したようなウェブページWの一部がページ画像としてブラウザの表示領域に表示される。可視領域VAに表示される。ここでは、ウェブページWのうちブラウザの表示領域に表示される領域が上述した可視領域VAであるとして説明する。
なお、以下においては、可視領域VAにおける座標系をディスプレイ座標系と記載し、このディスプレイ座標系における座標をG(X,Y)と記載する。また、ウェブページWにおける座標系をウェブページ座標系と記載し、このウェブページ座標系における座標をH(X,Y)と記載する。
ウェブページWは、前述したように、第1領域AR1、第3領域AR3、および第2領域AR2を含む。第1領域AR1および第2領域AR2は、広告の動画コンテンツCが再生される領域である。また、第3領域AR3は、ニュースなどの記事の文章(投稿メッセージの一例)が時系列に配列される。
表示処理部43は、例えば、ウェブページWのうち可視領域VAの左上原点のXY座標(以下、左上原点座標と記載する)を演算する。かかる原点座標は、ウェブページWの可視領域VAへの初期表示時点では、W(0,0)であり、表示処理部43は、その後のスクロール量に応じて原点座標を求める。
また、表示処理部43は、左上原点座標と可視領域VAのサイズとに基づいて、ウェブページWのうち可視領域VAの右下原点のXY座標(以下、右下原点座標と記載する)を演算する。かかる右下原点座標は、可視領域VAのサイズが640×480の場合、ウェブページWの可視領域VAへの初期表示時点では、W(640,480)であり、表示処理部43は、その後のスクロール量に応じて原点座標を求める。
例えば、可視領域VAのサイズが640×480、ウェブページWのサイズが640×2000、および、Y方向のスクロール量が400である場合、表示処理部43は、W(0,400)を左上原点座標とし、W(640,880)を右下原点座標とする。
そして、表示処理部43は、演算した原点座標(左上原点座標と右下原点座標)の情報を可視領域取得部44へ出力する。さらに、表示処理部43は、端末ユーザの入力部33への操作量に応じてスクロール量を演算し、演算したスクロール量を可視領域取得部44へ出力する。
表示処理部43は、ウェブページWのうち可視領域VAに対応する領域のページ画像を生成するために必要な情報を記憶部34から取得してページ画像を生成し、表示部32へ出力することによって表示部32にウェブページWを表示させる。
例えば、表示処理部43は、第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA内になった場合、もしくは、第2領域AR2の一部または全部が可視領域VA内になった場合に、可視領域VA内において、動画コンテンツCを再生する。また、表示処理部43は、第3領域AR3の一部または全部が可視領域VA内になった場合に、可視領域VA内において、ニュースなどの記事の文章を表示する。
[5.4.可視領域取得部44]
可視領域取得部44は、表示処理部43から入力される原点座標(左上原点座標と右下原点座標)の情報に基づき、ウェブページWのうち表示部32に表示される領域の情報を可視領域VAの情報として取得する。
つまり、可視領域取得部44は、ウェブページWの中でどの領域が可視領域VA内に位置しているかを示す情報を取得する。なお、可視領域取得部44は、表示処理部43から入力される原点座標の一方と可視領域VAのサイズの情報とに基づき、可視領域VAの情報を取得することもできる。
また、可視領域取得部44は、ウェブページWのスクロール量を示す情報についても表示処理部43から取得する。そして、可視領域取得部44は、取得した可視領域VAの情報を第1領域再生部45、再生停止部46、再生位置決定部49、速度検出部48、および更新部51へ出力する。また、可視領域取得部44は、取得したスクロール量を示す情報を速度検出部48へ出力する。
[5.5.第1領域再生部45]
第1領域再生部45は、可視領域取得部44から入力される可視領域VAの情報に基づき、ウェブページWにおける第1領域AR1が可視領域VA内になったか否かを判定する。例えば、第1領域再生部45は、第1領域AR1のうちの一部(例えば、50%以上の領域)が可視領域VAに入った場合に、第1領域AR1が可視領域VA内になったと判定する。
なお、第1領域再生部45は、第1領域AR1の全領域が可視領域VAに入った場合に、第1領域AR1が可視領域VA内になったと判定する構成であってもよい。そして、第1領域再生部45は、第1領域AR1が可視領域VA内になったと判定した場合に、第1領域AR1において広告の動画コンテンツCを再生するように表示処理部43へ再生要求を出力する。
表示処理部43は、第1領域再生部45から再生要求が入力された場合、動画コンテンツCの情報を記憶部34から取得し、表示部32に表示中の第1領域AR1において動画コンテンツCを再生する。
[5.6.再生停止部46]
再生停止部46は、可視領域取得部44から入力される可視領域VAの情報に基づき、ウェブページWにおける第1領域AR1が可視領域VA外になったか否かを判定する。例えば、再生停止部46は、第1領域AR1の一部(例えば、75%以上の領域)が可視領域VAから出た場合に、第1領域AR1が可視領域VA外になった場合と判定する。
なお、再生停止部46は、第1領域AR1の全領域が可視領域VAから出た場合に、第1領域AR1が可視領域VA外になったと判定する構成であってもよい。そして、再生停止部46は、第1領域AR1が可視領域VA外になったと判定した場合、第1領域AR1における動画コンテンツCの再生を停止するように、第1領域再生部45へ再生停止要求を出力する。
第1領域再生部45は、再生停止部46から再生停止要求が入力された場合、第1領域AR1における動画コンテンツCの再生を停止させるように、表示処理部43へ再生停止指示を出力する。
表示処理部43は、第1領域再生部45から再生停止指示が入力された場合、第1領域AR1における動画コンテンツCの再生を停止させる。また、表示処理部43は、第1領域再生部45から再生停止指示が入力されたタイミングの動画コンテンツCの再生位置を再生位置検出部47へ出力する。
[5.7.再生位置検出部47]
再生位置検出部47は、表示処理部43から入力される再生位置を、第1領域AR1が可視領域VA外になったタイミングの動画コンテンツCの再生位置として検出する。そして、再生位置検出部47は、第1領域AR1が可視領域VA外になったタイミングの動画コンテンツCの再生位置を再生位置決定部49へ出力する。
[5.8.速度検出部48]
速度検出部48は、可視領域取得部44から入力されるスクロール量を示す情報に基づき、時間当たりのスクロール量からスクロール速度を検出する。そして、速度検出部48は、検出したスクロール速度を再生位置決定部49へ出力する。
[5.9.再生位置決定部49]
再生位置決定部49は、可視領域取得部44から入力される可視領域VAの情報に基づき、第2領域AR2が可視領域VA内になったか否かを判定する。例えば、再生位置決定部49は、第2領域AR2のうちの一部(例えば、50%以上の領域)が可視領域VAに入った場合に、第2領域AR2が可視領域VA内になったと判定する。
なお、再生位置決定部49は、第2領域AR2の全領域が可視領域VAに入った場合に、第2領域AR2が可視領域VA内になったと判定する構成であってもよい。そして、再生位置決定部49は、第2領域AR2が可視領域VA内になったと判定した場合に、再生位置検出部47によって検出された再生位置に応じた再生位置を動画コンテンツCの第2領域AR2における再生開始位置として決定する。
また、再生位置決定部49は、速度検出部48から入力されるスクロール速度に応じて、動画コンテンツCの第2領域AR2における再生開始位置を調整する。ここで、図6を参照して、再生位置決定部49が行う再生開始位置の調整について説明する。
図6は、実施形態に係る再生開始位置の調整の一例を示す説明図である。再生位置決定部49は、例えば、図6における左側中央に示すように、動画コンテンツCが冒頭から10秒間再生された時点で第1領域AR1が可視領域VA外となった場合に、速度検出部48からスクロール速度を取得する。
そして、再生位置決定部49は、取得したスクロール速度が所定の閾値よりも高いか否かを判定し、スクロール速度が閾値以上であった場合に、スクロール速度を高と判定する。また、再生位置決定部49は、スクロール速度が閾値未満であった場合に、スクロール速度を低と判定する。
再生位置決定部49は、スクロール速度を高と判定した場合、図6における右上に示すように、第2領域AR2が可視領域VA内になると、動画コンテンツCの再生位置を所定時間(例えば、2秒間)巻き戻した再生位置を再生開始位置とするように調整する。
このように、再生位置決定部49は、スクロール速度が高く、ユーザが第1領域AR1で再生された動画コンテンツCの内容を的確に認識できていない場合、第1領域AR1で再生が中断された位置よりも前の再生位置を第2領域AR2における再生開始位置とする。これにより、動画コンテンツCの内容をより的確にユーザへ認識させることができる。
また、再生位置決定部49は、スクロール速度を低と判定した場合、図6における右下に示すように、第2領域AR2が可視領域VA内になると、動画コンテンツCの再生位置を第1領域AR1で再生が中断された位置とするように調整する。
このように、再生位置決定部49は、例えば、スクロール速度が低くユーザが第1領域AR1で再生された動画コンテンツCの内容を的確に認識できている場合、第1領域AR1で再生が中断された位置から動画コンテンツCの続きをユーザへ閲覧させる。これにより、可視領域VA内において、動画コンテンツCを重複なくより長い時間再生させることができる。
図5に戻り、再生位置決定部49は、調整して決定した再生開始位置を示す情報を、第2領域AR2が可視領域VA内になったタイミングで第2領域再生部50へ出力する。
[5.10.第2領域再生部50]
第2領域再生部50は、再生位置決定部49から再生開始位置が入力される場合に、入力された再生開始位置から動画コンテンツCの再生を開始するように、表示処理部43へ再生要求を出力する。表示処理部43は、第2領域再生部50から再生要求が入力されると、再生位置決定部49によって決定された再生開始位置から第2領域AR2において、動画コンテンツCの再生を開始する。
なお、表示処理部43は、第1領域AR1と第2領域AR2とにおいて15秒間の動画コンテンツCが最後まで再生された場合、次に直近の広告枠が可視領域VA内になるタイミングで、要求部41に新たな広告取得要求を広告装置10へ送信させる。これにより、次に直近の広告枠が可視領域VA内になった場合、その広告枠内において新たに別の動画コンテンツCが再生される。
[5.11.更新部51]
更新部51は、記憶部34に新たなニュースなどの記事が記憶された場合に、ウェブページWの第3領域AR3に表示する記事を更新するように、表示処理部43へ記事の更新指示を出力する。表示処理部43は、更新部51から記事の更新指示が入力される場合に、新たに記憶された記事の情報を記憶部34から取得して第3領域AR3の先頭位置に表示させ、更新時期が最も古い記事を第3領域AR3から削除する。これにより、端末装置30は、常時最新の記事を第3領域AR3に表示させることができる。
また、上述の例では、ウェブページWのうちブラウザの表示領域に表示される領域を可視領域VAとして説明したが、例えば、表示部32の表示領域からブラウザの表示領域の一部が外れた領域にある場合、可視領域VAは、ウェブページWのうち表示部32の表示領域とブラウザの表示領域とが重なる領域に表示される領域(以下、重複表示領域と記載する)であってもよい。
この場合、表示処理部43は、重複表示領域の座標を演算し、かかる重複表示領域の座標の情報を可視領域取得部44へ通知する。可視領域取得部44は、表示処理部43から入力される重複表示領域の座標に基づき、ウェブページWのうち表示部32に表示される領域の情報を可視領域VAの情報として取得する。そして、可視領域取得部44は、取得した可視領域VAの情報を再生停止部46、再生位置決定部49、および速度検出部48へ出力する。
[6.端末装置30の処理フロー]
次に、実施形態に係る端末装置30による情報処理の手順について説明する。図7および図8は、実施形態に係る端末装置30の制御部35が実行する処理を示すフローチャートである。
図7に示すように、制御部35は、配信装置20からウェブページWの情報(例えば、XMLファイル)を取得し(ステップS101)、ウェブページWの情報に広告要求指令があるか否かを判定する(ステップS102)。そして、制御部35は、ウェブページの情報に広告要求指令がないと判定した場合(ステップS102,No)、処理をステップS104へ移す。
また、制御部35は、ウェブページWの情報に広告要求指令があると判定した場合(ステップS102;Yes)、広告装置10から広告要求指令に応じた広告の動画コンテンツCを取得する(ステップS103)。続いて、制御部35は、ウェブページWの画像を生成し(ステップS104)、可視領域VAの情報を取得する(ステップS105)。
その後、制御部35は、ウェブページWの表示処理を行う(ステップS106)。次に、かかるウェブページWの表示処理について、図8を参照して説明する。図8に示すように、制御部35は、ウェブページWの表示処理を開始すると、まず、第1領域AR1が可視領域VA内になったか否かを判定する(ステップS201)。
そして、制御部35は、第1領域AR1が可視領域VA内になっていないと判定した場合(ステップS201,No)、可視領域VAのウェブページWを表示部32に表示させ(ステップS209)、処理をステップS201へ移す。また、制御部35は、第1領域AR1が可視領域VA内になったと判定した場合(ステップS201,Yes)、可視領域VA内の第1領域AR1において、動画コンテンツCを再生する(ステップS202)。
続いて、制御部35は、動画コンテンツCの再生位置を取得する(ステップS203)。その後、制御部35は、第1領域AR1が可視領域VA外になったか否かを判定する(ステップS204)。そして、制御部35は、第1領域AR1が可視領域VA外になっていないと判定した場合(ステップS204,No)、処理をステップS202へ移す。
また、制御部35は、第1領域AR1が可視領域VA外になったと判定した場合(ステップS204,Yes)、動画コンテンツCの再生を停止して、可視領域VAのウェブページWを表示する(ステップS205)。例えば、制御部35は、可視領域VA内の第3領域AR3にニュースの記事を表示する。
その後、制御部35は、第2領域AR2が可視領域VA内になったか否かを判定する(ステップS206)。そして、制御部35は、第2領域AR2が可視領域VA内になっていないと判定した場合(ステップS206,No)、処理をステップS205へ移す。
また、制御部35は、第2領域AR2が可視領域VA内になったと判定した場合(ステップS206,Yes)、第2領域AR2における動画コンテンツCの再生開始位置を決定する(ステップS207)。そして、制御部35は、可視領域VA内の第2領域AR2において、ステップS207で決定した再生開始位置から動画コンテンツCの再生を再開して(ステップS208)、処理を終了する。
また、制御部35は、第2領域AR2における動画コンテンツCの再生中にスクロール操作が行われた場合、再度、図8に示す処理を実行する。かかる場合、制御部35は、そのときに動画コンテンツCが再生中の広告枠の領域が第2領域AR2であれば、第3の領域AR3を第1領域AR1としてステップS201およびステップS204の処理を行う。
そして、制御部35は、ウェブページWの中で、そのときに動画コンテンツCが再生中の広告枠の領域と最も近い広告枠の領域を第2領域AR2としてステップS206の処理を行う。
これにより、制御部35は、例えば、可視領域VAが図1Cに示す第2領域AR2から再び図1Aに示す第1領域AR1へ移動された場合に、図1Aに示す第1領域AR1において動画コンテンツCの再生を再開することができる。また、制御部35は、可視領域VAが図1Cに示す第2領域AR2から第3領域AR3とは逆側に配置された広告枠の領域へ移動された場合には、移動先の広告枠の領域内において動画コンテンツCの再生を再開させることができる。
[7.表示制御処理の変形例]
上述した実施形態では、第1領域AR1における動画コンテンツCの再生途中に、可視領域VAが第3領域AR3から第2領域AR2へ移動された場合、第3領域域AR3において、動画コンテンツCの続きを再生させる表示制御処理を主に説明した。
しかし、上述した表示制御処理は、本願に係る表示制御処理の一例に過ぎず、種々の変形が可能である。以下、図9Aおよび図9Bを参照し、実施形態に係る表示制御処理の変形例について説明する。図9Aおよび図9Bは、実施形態の変形例に係る表示制御処理の説明図である。
変形例に係る端末装置の制御部は、上述した表示制御処理に加えて、次の表示制御処理を行う。制御部は、第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA外になったタイミングの再生位置が所定の再生位置よりも後の再生位置である場合、第1領域AR1に表示された動画コンテンツCとは異なる動画コンテンツを第2領域AR2において再生する。
例えば、制御部は、15秒間の動画コンテンツCの場合、動画コンテンツCの冒頭から12秒間再生されたときの第1再生位置を所定の再生位置とする。そして、図9Aにおける左側に示すように、15秒間の動画コンテンツCのうち冒頭から13秒までの部分が再生されたタイミングにおいて、第1領域AR1が可視領域VA外になったとする。
かかる場合、制御部は、図9Aにおける右側に示すように、第2領域AR2が可視領域VA内になると、第1領域AR1において再生した動画コンテンツCとは異なる広告の動画コンテンツC1を第3の領域AR3において再生する。
このように、制御部は、可視領域VA内の第1領域AR1において動画コンテンツCのほぼ全部を再生した場合に、可視領域VA内の第2領域AR2において別の動画コンテンツC1を再生するので、ウェブページW中の複数の広告枠を有効利用することができる。
また、制御部は、動画コンテンツCが再生される第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA外になったタイミングの再生位置が所定の再生位置よりも前の再生位置である場合、動画コンテンツCの先頭を第2領域AR2における動画コンテンツC1の再生開始位置として決定する。
例えば、制御部は、15秒間の動画コンテンツCの場合、動画コンテンツの冒頭から3秒間再生された時の第2再生位置を所定の再生位置とする。そして、図9Bにおける左側に示すように、15秒間の動画コンテンツCのうち冒頭から2秒までの部分が再生されたタイミングにおいて、第1領域AR1が可視領域VA外になったとする。
かかる場合、制御部は、図9Bにおける右側に示すように、第2領域AR2が可視領域VA内になると、第1領域AR1において再生した動画コンテンツCを再度冒頭から再生する。
このように、制御部は、可視領域VA内の第1領域AR1において動画コンテンツCのごく一部しか再生されない場合、可視領域VA内の第2領域AR2において再度動画コンテンツC1を再生するので、動画コンテンツCによる広告効果を増大させることができる。
なお、上述した実施形態では、広告枠である第1領域AR1においてコンテンツCを再生中に、第1領域AR1が可視領域VA外となり、その後、直近の広告枠である第2領域AR2が可視領域VA内となった場合に、第2領域AR2において動画コンテンツCの続きを再生する場合について説明した。
しかし、動画コンテンツCの続きを再生する広告枠は、動画コンテンツCの再生が中断された広告枠の直近の広告枠に限定されるものではない。例えば、ウェブページWには、広告枠A、広告枠B、広告枠C、および広告枠Dの順に4つの広告枠が設定される場合がある。
かかる場合、図8に示す処理を端末装置30の制御部35によって2系統で並行して実行させ、一方の系統では、図8に示す処理中の第1領域AR1を広告枠A、第2領域AR2を広告枠Cとして処理を実行させる。また、他方の系統では、図8に示す第1領域AR1を広告枠B、第2領域AR2を広告枠Dとして処理を実行させる。
これにより、例えば、広告枠Aにおいて再生が中断された車の動画広告の続きを広告枠Cにおいて再生させ、広告枠Bにおいて再生が中断された化粧品の動画広告の続きを広告枠Dにおいて再生させることができる。
[8.他の実施形態]
次に、図10〜図12を参照して、他の実施形態に係る情報配信システムについて説明する。図10は、他の実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。また、図11は、他の実施形態に係る広告装置の構成例を示す図であり、図12は、他の実施形態に係る課金情報の一例を示す図である。
他の実施形態に係る情報配信システムは、可視領域VA内において再生されている広告の動画コンテンツCの画像が再生の途中で可視領域VA外になった回数に応じて、広告主へ請求(以下、「課金」と記載する)する広告料金を調整可能とするシステムである。
かかる情報配信システムでは、端末装置は、図10に示す構成とし、広告装置は、図11に示す構成とする。なお、配信装置は、図4に示したものと同一の構成とする。なお、図10および図11に示す各構成要素のうち、図3および図5に示す構成要素と同一の構成要素については、図3および図5に示す符号と同一の符号を付することにより、ここではその説明を省略する。
図10に示すように、端末装置30Aは、制御部35Aが備える表示処理部43Aが通信部31にも接続されている点を除き、図5に示す端末装置30と同様の構成である。かかる表示処理部43Aは、図5に示す表示処理部43が実行する処理に加え、ユーザによって動画コンテンツCの閲覧が中断された場合に、その旨を示す情報を通信部31を介して広告装置10Aへ送信する。
例えば、表示処理部43Aは、入力部33から入力される情報に基づき、可視領域VA内において再生中の動画コンテンツCの画像が再生の途中で可視領域VA外になる度に、その旨を示す中断情報と動画コンテンツCの広告IDとを広告装置10Aへ送信する。
一方、図11に示すように、広告装置10Aは、制御部13Aが課金情報生成部16をさらに備える点を除き、図3に示す広告装置10と同様の構成である。かかる広告装置10Aでは、受付部14が通信部11を介して端末装置30Aから中断情報および広告IDを取得する度に、取得した中断情報および広告IDを課金情報生成部16へ出力する。
課金情報生成部16は、受付部14から入力される広告ID毎に、広告IDとともに入力される中断情報の入力回数を再生中断回数としてカウントする。そして、課金情報生成部16は、カウントした再生中断回数に応じた課金内容と、再生中断回数と、広告IDとを対応付けた課金情報を生成する。
例えば、課金情報生成部16は、図12に示すように、再生中断回数が1回の広告IDが「01」の動画コンテンツCについては、課金内容を「全額課金」とする課金情報を生成する。ここでの全額課金とは、1回の動画コンテンツCの配信について、広告装置10Aを運営する企業と広告主との間で契約された広告料金の全額を広告主に課金することを意味する。
また、課金情報生成部16は、再生中断回数が2回の広告IDが「02」の動画コンテンツCについては、課金内容を「半額課金」とする課金情報を生成する。また、課金情報生成部16は、再生中断回数が3回の広告IDが「03」の動画コンテンツCについては、課金内容を「課金なし」とする課金情報を生成する。
そして、課金情報生成部16は、生成した課金情報を記憶部12へ記憶させる。これにより、例えば、広告装置10Aを運営する企業は、広告主に対して、記憶部12に記憶された課金情報に基づき、または、課金情報を広告主へ提示して、動画コンテンツCの再生中断回数に応じた課金を行うことができる。
このように、他の実施形態に係る情報配信システムによれば、例えば、再生中断回数が多くなるほど課金金額を減額することによって、広告効果に影響を及ぼす可能性が高い動画コンテンツCの再生中断回数に応じた適切な課金を行うことができる。
また、上述においては、端末装置30は、ブラウザプログラムと配信装置20から送信される表示制御プログラムとによって、上述した処理を行う例を説明したが、端末装置30は、表示制御プログラムを予め記憶部34に記憶しておくようにしても良い。また、ブラウザプログラムに表示制御プログラムを含めても良い。また、ブラウザプログラムに表示制御プログラムを含めても良く、結果的に端末装置30,30Aにおいて上述した処理を実行できればよい。
[9.ハードウェア構成]
なお、上述した実施形態における広告装置10,10A、配信装置20および端末装置30,30Aは、例えば、図13に示すような構成のコンピュータ60がプログラムを実行することによって実現される。図13は、プログラムを実行するコンピュータ60のハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ60は、CPU61、RAM62、ROM(Read Only Memory)63、HDD(Hard Disk Drive)64、通信インターフェイス(I/F)65、入出力インターフェイス(I/F)66、およびメディアインターフェイス(I/F)67を備える。
CPU61は、ROM63またはHDD64に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM63は、コンピュータ60の起動時にCPU61によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ60のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD64は、CPU61によって実行されるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。例えば、HDD64は、図3に記載した記憶部12、図4に示した記憶部22、図5に示した記憶部34などと同様のデータを記憶する。通信インターフェイス65は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU61へ送り、CPU61が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
CPU61は、入出力インターフェイス66を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU61は、入出力インターフェイス66を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU61は、生成したデータを、入出力インターフェイス66を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス67は、記録媒体68に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM62を介してCPU61に提供する。CPU61は、当該プログラムを、メディアインターフェイス67を介して記録媒体68からRAM62上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体68は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto−Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
コンピュータ60が上述した実施形態に係る広告装置10,10Aとして機能する場合、コンピュータ60のCPU61は、RAM62上にロードされたプログラムを実行することにより、図3に示す受付部14、配信部15、および図11に示す課金情報生成部16の各機能を実現する。
また、コンピュータ60が上述した実施形態に係る配信装置20として機能する場合、コンピュータ60のCPU61は、RAM62上にロードされたプログラムを実行することにより、図4に示す受付部24および配信部25の各機能を実現する。
また、コンピュータ60が上述した実施形態に係る端末装置30,30Aとして機能する場合、コンピュータ60のCPU61は、RAM62上にロードされたプログラムや配信装置20または広告装置10,10Aから受信した制御プログラムを実行することにより、例えば、図5に示す要求部41、受付部42、表示処理部43、可視領域取得部44、第1領域再生部45、再生停止部46、再生位置検出部47、速度検出部48、再生位置決定部49、第2領域再生部50、更新部51、および図10に示す表示処理部43Aの各機能を実現する。
コンピュータ60のCPU61は、広告配信プログラムを、記録媒体68から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
[10.効果]
実施形態に係る配信装置20は、配信部25を備える。配信部25は、端末装置30,30A(表示制御装置の一例)に表示されるページWに設定される動画コンテンツCを制御する表示制御プログラム(制御情報の一例)を端末装置30,30Aに配信する。
表示制御プログラムは、可視領域取得手順と、再生位置検出手順と、再生位置決定手順とを端末装置30、30Aに実行させる。可視領域取得手順は、ページWのうち端末装置30,30Aの表示部32に表示される領域の情報を可視領域VAの情報として取得する。再生位置検出手順は、ページWのうち動画コンテンツCが再生される第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA外になったタイミングの動画コンテンツCの再生位置を検出する。
再生位置決定手順は、ページWのうち第3領域AR3を介して第1領域AR1に隣接する第2領域AR2の一部または全部が可視領域VA内になった場合に、再生位置検出手順により検出された再生位置に応じた再生位置を動画コンテンツCの第2領域AR2における再生開始位置として決定する。
これにより、可視領域VA内の第1領域AR1において再生中の動画コンテンツCの画像がユーザのスクロール操作によって可視領域VA外となっても、第2領域AR2が可視領域VA内となった場合に、動画コンテンツCの続きを再生することができる。したがって、動画の広告コンテンツによる広告効果を増大させることができる。
また、表示制御プログラムは、第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA外になった場合に、動画コンテンツCの再生を停止する再生停止手順を端末装置30,30Aに実行させる。これにより、可視領域VA外となった第1領域AR1において無駄に動画コンテンツCを再生することがなくなるので、端末装置30,30Aの処理負荷および消費電力を低減することができる。
また、表示制御プログラムは、第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA内になった場合に、第1領域AR1において動画コンテンツCを再生する第1領域再生手順を端末装置30,30Aに実行させる。これにより、第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA内となる前に、無駄に動画コンテンツCを再生することがなくなるので、端末装置30,30Aの処理負荷および消費電力を低減することができる。
また、第3領域AR3は、時系列に配列された投稿メッセージを表示する領域であり、表示制御プログラムは、第3領域AR3に表示する投稿メッセージを更新する更新手順を端末装置30,30Aに実行させる。これにより、常時最新の投稿メッセージを第3領域AR3に表示させることができる。
また、表示制御プログラムは、ページWに対する可視領域VAの移動速度を検出する速度検出手順を端末装置30,30Aに実行させ、再生位置決定手順は、可視領域VAの移動速度に応じて、再生開始位置を調整する。
これにより、第2領域AR2において、可視領域VAの移動速度に応じた適切な再生位置から動画コンテンツCの再生を再開することができるので、動画コンテンツCによる広告効果をさらに向上させることができる。
また、表示制御プログラムは、第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA外になったタイミングの再生位置が所定の再生位置よりも後の再生位置である場合、第1領域AR1に表示された動画コンテンツCとは異なる動画コンテンツC1を第2領域AR2において再生する第3領域再生手順を端末装置30,30Aに実行させる。
これにより、可視領域VA内の第1領域AR1において動画コンテンツCのほぼ全部を再生した場合に、可視領域VA内の第2領域AR2において別の動画コンテンツC1を再生することによって、ウェブページW中の複数の広告枠を有効利用することができる。
また、再生位置決定手順は、動画コンテンツCが再生される第1領域AR1の一部または全部が可視領域VA外になったタイミングの再生位置が所定の再生位置よりも前の再生位置である場合、動画コンテンツCの先頭を再生開始位置として決定する。
これにより、可視領域VA内の第1領域AR1において動画コンテンツCのごく一部しか再生されない場合、可視領域VA内の第2領域AR2において再度動画コンテンツCを再生するので、動画コンテンツCによる広告効果を増大させることができる。
また、可視領域VAは、ウェブページWのうちブラウザに表示される領域全体、または、ウェブページWのうちブラウザに表示されかつ表示部32に表示される領域の重複部分である。
これにより、例えば、表示部32の表示領域から可視領域VAの一部が外れた領域にある場合であっても、端末ユーザが視認している領域に基づいて、第2領域AR2における動画コンテンツCの再生開始位置を決定することができる。
[11.その他]
上述した広告装置10および配信装置20は、それぞれ複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
また、図中(例えば図3、図4、図5など)の矢印は、データや制御などの流れについて主要な方向を補助的に示すもので、他の流れを否定するものでも、方向の限定を意味するものでもない。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。