JP6381494B2 - 受信機および誤差補正方法 - Google Patents

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Description

本発明は、直交ミキサの同相信号と直交信号との間の振幅誤差および位相誤差等の特性の不均衡により生じる、周波数変換後の受信信号の誤差を補正する受信機および誤差補正方法に関する。
空間に放射されている電波を探知する電波探知装置や、空間に放射されている電波の波形を記録し分析を行う波形メモリ等に使用する受信機では、電波信号を捕捉し、捕捉した電波信号をA−D(Analog-to-Digital)変換可能な周波数の信号に周波数変換した上でデジタル信号に変換し、処理を行なうという構成がとられている。電波信号は、スーパーヘテロダイン方式により周波数変換を行なうと、変換結果として、所要の周波数の信号の他に、周波数変換に使用する局部発振器の周波数(以後、ローカル周波数と言う)に対して対称な周波数にも、本来存在しないイメージ信号が発生する。未知な周波数の電波を受信する電波探知装置や波形メモリでは、周波数変換の過程でこのようにイメージ信号が発生すると、捕捉、分析する対象の電波を誤る可能性がある。このため、電波探知装置や波形メモリに使用される受信機においては、スーパーヘテロダイン方式の代わりに、捕捉した電波信号を直交ミキサにより周波数変換するように構成することで、周波数変換時に発生するイメージ信号を抑圧するという構成がとられている(例えば、非特許文献1)。
直交ミキサは、I(In-phase:同相)チャネルとQ(Quadrature:直交)チャネルのそれぞれで入力信号を局部発振器の信号と混合させて周波数変換を行ない、IチャネルとQチャネルそれぞれの周波数変換後の信号であるI信号とQ信号に含まれるイメージ信号同士を干渉させて抑圧する。IチャネルとQチャネルの関係が理想的な状態、すなわち、I信号とQ信号の振幅が同一であり、I信号とQ信号の位相差が90度であるような均衡した状態である場合は、イメージ信号同士は干渉により抑圧される。しかし、アナログ回路の特性によって、直交ミキサが出力するI信号およびQ信号との間の振幅誤差および位相誤差などで表されるIQ誤差が生じる。このIQ誤差により、I信号とQ信号に含まれるイメージ信号は、正確に打ち消しあうことができなくなり、十分に抑圧できなくなる。
特許文献1に開示される受信装置は、誤差検出用の正弦波に基づき誤差を予め検出して誤差データとして記憶し、実際の通信時に誤差データに基づいて誤差の補正を行う。特許文献2に開示される復調装置は、復調回路の後段に設けられている位相誤差補正回路および振幅誤差補正回路のフィードバック制御によって、復調されたI成分およびQ成分について、位相誤差および振幅誤差を補正する。
特開平08−307465号公報 特開2004−040678号公報
Philip E. Pace, "Advanced Techniques for Digital Receivers", Norwood MA: Artech House Inc., June 30, 2000, p253-256.
直交ミキサにおいては、出力するI信号およびQ信号との間に振幅誤差および位相誤差が発生すると、周波数変換した結果からイメージ信号が十分に抑圧できなくなる。これに対し、特許文献1に開示される受信装置および特許文献2に開示される復調装置においては、周波数変換後の受信信号について、得ようとする周波数以外の周波数に発生するイメージ信号を抑圧する処理を行なわない。そのため、広帯域の不特定な電波を受信対象にする電波探知装置や波形メモリの受信機に特許文献1に開示される受信装置や、特許文献2に開示される復調装置を適用しても、それぞれの受信信号に他の受信信号のイメージ信号が干渉する場合の影響を除くことができず、所望の信号を適切に検出することができないという課題がある。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、受信信号の直交ミキサにおける誤差の補正の精度を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る受信機は、信号生成器と、直交ミキサと、誤差検出部と、補正係数算出部と、誤差補正部とを備える。信号生成器は、受信帯域内の周波数の校正信号を生成する。直交ミキサは、ローカル周波数に基づいて、アンテナが捕捉した電波から生成する受信信号および校正信号それぞれの周波数変換を行って、同相信号および直交信号を生成する。誤差検出部は、ローカル周波数に正の決められた値を加算した値である第1の周波数の校正信号に基づいて、同相信号と直交信号との間の第1のIQ誤差を検出し、ローカル周波数から正の決められた値を減算した値である第2の周波数の校正信号に基づいて、同相信号と直交信号との間の第2のIQ誤差を検出する。補正係数算出部は、第1のIQ誤差および第2のIQ誤差から、受信信号から生成された同相信号および直交信号の誤差の補正に用いられる補正係数を算出する。誤差補正部は、補正係数を用いて、受信信号から生成された同相信号および直交信号の周波数が正の決められた値の成分および周波数が負の決められた値の成分を補正する。
本発明によれば、ローカル周波数に正の決められた値を加算した値である第1の周波数の校正信号およびローカル周波数から正の決められた値を減算した値である第2の周波数の校正信号のそれぞれに基づいて検出された第1のIQ誤差および第2のIQ誤差から算出した補正係数を用いて受信信号を補正することで、受信信号の直交ミキサにおける誤差の補正の精度を向上させることが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る受信機の構成例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る直交ミキサの構成例を示すブロック図である。 周波数軸上での信号の分散を示す図である。 周波数軸上での信号の分散を示す図である。 周波数軸上での所望の信号と不要な信号の干渉を示す図である。 実施の形態1に係る受信機が行う補正係数算出・誤差補正の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る受信機が行う補正係数算出の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る受信機が行う誤差補正および信号検出の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る受信機が用いるローカル周波数を示す図である。 実施の形態2における瞬時受信帯域と校正信号の周波数の関係を示す図である。 実施の形態2に係る受信機が行う受信帯域全体の補正係数算出の動作の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る受信機の構成例を示すブロック図である。受信機1は、I(In-phase:同相)Q(Quadrature:直交)方式の受信機である。受信機1は、電波を捕捉して受信信号を生成するアンテナ10、受信帯域内の周波数の校正信号を生成する信号生成器11、受信信号または校正信号を取得して出力する切替器12、受信信号および校正信号それぞれの周波数変換を行ってI信号およびQ信号を生成する直交ミキサ13、および信号処理部2を備える。
信号処理部2は、I信号のA−D(Analog-to-Digital)変換を行うA−D変換器14a、Q信号のA−D変換を行うA−D変換器14b、A−D変換されたI信号のFFT(Fast-Fourier-Transformation:高速フーリエ変換)を行うFFT15a、A−D変換されたQ信号のFFTを行うFFT15b、FFTされたI信号およびQ信号を校正信号検出部17または信号合成部22に出力する切替器16、FFTされた、受信信号に基づくI信号およびQ信号から、受信信号がデジタル処理可能な信号に変換された中間周波数信号を生成する信号合成部22、FFTされた、校正信号に基づくI信号およびQ信号のそれぞれのピーク電力を検出する校正信号検出部17、およびI信号およびQ信号のピーク電力から、I信号とQ信号との間の振幅誤差および位相誤差で表されるIQ誤差を検出し、IQ誤差記憶部19に書き込む誤差検出部18を備える。信号処理部2はさらに、IQ誤差記憶部19から読み出した複数のIQ誤差から補正係数を算出し、補正係数記憶部21に書き込む補正係数算出部20、補正係数記憶部21から読み出した補正係数を用いて、信号合成部22が生成する中間周波数信号を補正する誤差補正部23、および補正された周波数スペクトルから外来信号を検出する信号検出部24を備える。
受信機1の各部の動作は制御部30によって制御される。制御部30は、CPU(Central Processing Unit)および内部メモリなどから構成されるプロセッサ、およびRAM(Random Access Memory)およびフラッシュメモリなどから構成されるメモリを備える。制御部30は、メモリに記憶されている制御プログラムを実行し、受信機1の各部の制御を行う。制御部30は、例えば、切替器12に校正信号または受信信号を出力させる制御、および切替器16にFFTされたI信号およびQ信号を校正信号検出部17または信号合成部22に出力させる制御を同期させて行う。
受信機1は、複数のIQ誤差から算出した補正係数を用いて受信信号に基づくI信号およびQ信号を補正し、補正後の周波数スペクトルから外来信号を検出する。受信機1の各部について説明する。
アンテナ10は、電波を捕捉して受信信号を生成し、切替器12に送る。信号生成器11は、受信機1の受信帯域内の周波数の校正信号を生成して切替器12に出力する。切替器12は、受信信号または校正信号を取得して、直交ミキサ13に出力する。直交ミキサ13は、ローカル周波数に基づいて切替器12が出力する受信信号または校正信号の直交検波を行ってI信号およびQ信号を生成し、I信号をA−D変換器14aに出力し、Q信号をA−D変換器14bに出力する。
I信号は、A−D変換器14aでA−D変換され、FFT15aでFFTされ、切替器16に送られる。Q信号は、A−D変換器14bでA−D変換され、FFT15bでFFTされ、切替器16に送られる。切替器16は、切替器12が校正信号を出力している場合には、FFTされたI信号およびQ信号を校正信号検出部17に送り、切替器12が受信信号を出力している場合には、FFTされたI信号およびQ信号を信号合成部22に送る。
信号合成部22では、受信されてFFTされたI信号およびQ信号を、FFTの周波数ビン(周波数区分)毎にI信号と90度移相したQ信号をI+jQにより合成して中間周波数の信号を生成する。信号合成部22が生成した中間周波数の信号には、直交ミキサ13のI信号とQ信号の間の振幅誤差と位相誤差による誤差が含まれている。誤差補正部23は、補正係数記憶部21から補正係数を取得し、信号合成部22が合成したそれぞれの周波数ビン毎の中間周波数の信号の誤差を補正する。信号検出部24は、誤差補正部23により補正されたそれぞれの周波数ビンの中間周波数信号から、受信信号に含まれる空間に放射されている電波を、ピーク検出等により検出する。
上述のように、信号検出部24により空間の電波を検出するために、誤差補正部23により直交ミキサ13の振幅誤差および位相誤差の影響を補正する。校正信号検出部17、誤差検出部18、IQ誤差記憶部19、補正係数算出部20、および補正係数記憶部21は協働して、直交ミキサ13の振幅誤差および位相誤差を検出し、誤差補正部23で使用する補正係数を提供する。
校正信号検出部17は、切替器12が校正信号を出力している場合に、FFT15aでFFTされたI信号とFFT15bでFFTされたQ信号のそれぞれから、校正信号に該当する周波数ビンの信号を検出し、誤差検出部18に送る。誤差検出部18は、校正信号検出部17から受信したI信号とQ信号とを比較して振幅誤差及び位相誤差等のIQ誤差を検出し、IQ誤差記憶部19に記憶する。補正係数算出部20は、IQ誤差記憶部19から必要な周波数ビンについて、振幅誤差、位相誤差等のIQ誤差を取得し、誤差補正部23で使用する補正係数を算出し、補正係数記憶部21に記憶する。
図2は、実施の形態1に係る直交ミキサの構成例を示すブロック図である。切替器12から直交ミキサ13に入力される信号cos(ωt)は分波されて、ミキサ133a,133bに送られる。ωは、入力信号の角速度であり、ω=2πF(信号の周波数)である。また、一般に、角速度ωと周波数Fとの関係は、ω=2πFである。発振器131は、cos(ωt)のLO信号を出力する。ω=2πFであり、ωは、ローカル信号の角速度であり、Fは、ローカル信号の周波数である。90度ハイブリッド回路132は、LO信号をミキサ133aに、LO信号の位相を90度シフトした信号sin(ωt)をミキサ133bに出力する。直交ミキサ13に入力される信号とLO信号はミキサ133aで混合され、LPF(Low-Pass Filter:低域フィルタ)134a、増幅器135aを介してI信号として出力される。直交ミキサ13に入力される信号と90度位相がシフトされたLO信号はミキサ133bで混合され、LPF134b、増幅器135bを介してQ信号として出力される。直交ミキサ13により入力信号を周波数変換した結果は、I信号と90度移相したQ信号とを合成し、I+jQにより得られる。I信号、Q信号は、それぞれ、(1)式および(2)式の通りとなる。
Figure 0006381494
Figure 0006381494
ここで、Aは、I信号の振幅に対するQ信号の振幅の比の値であり、以後、振幅誤差と言う。振幅誤差は、高周波信号入力からI信号の出力までの信号の増幅率に対する、高周波信号入力からQ信号の出力までの信号の増幅率の比の値である。また、θは、I信号の位相に対するQ信号の位相の90度に対するずれであり、以後、位相誤差と言う。これら、振幅誤差、位相誤差等で表される、I信号とQ信号との間の不均衡さを表す誤差を、IQ誤差という。理想的な状態では、A=1であり、θ=0である。実際には該条件は成立せず、I信号とQ信号との間に、振幅誤差および位相誤差が生じる。信号処理部2は、このようなI信号とQ信号との間のIQ誤差を補正する。
入力の高周波信号を周波数変換した結果は、I+jQであり、(3)式の通りである。
Figure 0006381494
(3)式は、振幅誤差、位相誤差が無い場合は、(4)式の通りとなる。
Figure 0006381494
(3)式、(4)式からわかるとおり、直交ミキサにより入力の高周波信号を周波数変換すると、I信号とQ信号との間に振幅誤差、位相誤差が無い場合は、角速度ω−ω(周波数F−F=(ω−ω)/2π)の信号となり、振幅誤差、位相誤差が存在する場合は、振幅誤差、位相誤差に応じて、角速度ω−ωの信号に加えて角速度−(ω−ω)(周波数−(F−F)=−(ω−ω)/2π)の信号が現れる。
一般に、直交ミキサ13のI信号とQ信号の間の振幅誤差、位相誤差は、構成する部品の特性や、伝送路などの回路構成上の都合等により、入力信号の周波数により変化する。例えば、周波数F=F+ΔFの信号を直交ミキサ13に入力した場合における振幅誤差、位相誤差をそれぞれA、θとすると、(3)式、(4)式は、それぞれ、(5)式、(6)式のようになる。
Figure 0006381494
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図3は、周波数軸上での信号の分散を示す図である。図3は、(5)式と(6)式により示される、周波数F+ΔFの信号を直交ミキサ13に入力した場合の周波数変換結果を表す。図3に示すとおり、IチャネルとQチャネルとの間に振幅誤差、位相誤差が無い場合は、周波数F+ΔFの信号の周波数変換結果は、ΔFのみに振幅1001のように現れる。I信号とQ信号との間に振幅誤差、位相誤差がある場合は、周波数F+ΔFの信号の周波数変換結果は、周波数ΔF上の振幅1002、周波数−ΔF上の振幅1003のように、周波数ΔFと周波数−ΔFとに分散する。
これに対し、周波数F=F−ΔFを直交ミキサ13に入力した場合における振幅誤差、位相誤差は、入力周波数が異なるため、A、θとは異なる値となる。これらをそれぞれA、θとする。周波数F−ΔFの信号を直交ミキサ13により周波数変換する場合は、A、θにより、(3)式、(4)式は、それぞれ、(7)式、(8)式のとおりとなる。
Figure 0006381494
Figure 0006381494
図4は、周波数軸上での信号の分散を示す図である。図4は、(7)式と(8)式により示される、周波数F−ΔFの信号を直交ミキサ13に入力した場合の周波数変換結果を表す。図4に示すとおり、I信号とQ信号との間に振幅誤差、位相誤差が無い場合は、周波数F−ΔFの信号の周波数変換結果は、−ΔFのみに振幅1011のように現れる。I信号とQ信号との間に振幅誤差、位相誤差がある場合は、周波数F−ΔFの信号の周波数変換結果は、周波数−ΔF上の振幅1012、周波数ΔF上の振幅1013のように、周波数−ΔFと周波数ΔFとに分散する。
校正信号検出部17は、FFTされたI信号およびQ信号を検出する。校正信号検出部17は、FFTされたI信号およびQ信号のそれぞれの校正信号の周波数Fの変換後の周波数F−Fに該当する周波数成分の値であるFFT(I)FS−F0、FFT(Q)FS−F0を検出し、誤差検出部18に送る。誤差検出部18は、校正信号検出部17から送信されたI信号およびQ信号の振幅誤差Aおよび位相誤差θを算出する。
ここで、FFT(I)FS−F0およびFFT(Q)FS−F0については、(1)式および(2)式の周波数F−Fの成分と比較することにより、(9)式、(10)式の関係が成り立つ。
Figure 0006381494
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このため、(9)式および(10)式から導かれる(11)式および(12)式の関係から、振幅誤差Aは、下記(13)式で表される。
Figure 0006381494
Figure 0006381494
Figure 0006381494
(1)式および(2)式により、FFT(I)FS−F0の位相は(14)式、FFT(Q)FS−F0の位相は(15)式のように表される。このため、位相誤差θは、下記(16)式で表される。
Figure 0006381494
Figure 0006381494
Figure 0006381494
ここで、周波数F+ΔF(第1の周波数)の校正信号を直交ミキサ13に入力した場合の、I信号およびQ信号をそれぞれI、Qとすると、(13)式および、(16)式より、振幅誤差A、位相誤差θは、それぞれ(17)式および(18)式のように表される。
Figure 0006381494
Figure 0006381494
また、周波数F−ΔF(第2の周波数)の校正信号を直交ミキサ13に入力した場合の、I信号およびQ信号をそれぞれI、Qとすると、(13)式および、(16)式より、振幅誤差A、位相誤差θは、それぞれ(19)式及び(20)式のように表される。
Figure 0006381494
Figure 0006381494
以上の手順において、校正信号検出部17は、I信号及びQ信号のFFT結果の周波数がF−Fの成分を取得し、誤差検出部18は、校正信号検出部17が検出した、周波数がF−Fの成分によりI信号及びQ信号を比較した。これは、校正信号の周波数をFとした場合、校正信号が入力された直交ミキサ13から出力されるI信号及びQ信号は周波数がF+FおよびF−Fの成分のみを有することを利用したものである。振幅誤差Aおよび位相誤差θを算出する手段は、上記の手段に制限されるものではなく、例えば、誤差検出部18は、A−D変換器14aおよび14bの出力を自己相関や、相互相関を使用して直接比較して振幅誤差Aおよび位相誤差θを算出しても良い。また、以上の手順において、振幅誤差、位相誤差を、Iチャネルの振幅、位相を基準にした値としたが、Qチャネルの振幅、位相を基準としてもよい。
図5は、周波数軸上での所望の信号と不要な信号の干渉を示す図である。図5は、受信信号を直交ミキサ13により周波数変換した場合の、受信信号に含まれる周波数F+ΔFの信号と周波数F−ΔFの信号がそれぞれ変換された信号同士の周波数軸上での干渉を示す図である。図5のΔFの位置において、周波数F+ΔFの信号が直交ミキサ13により変換された信号を黒色の矢印で示し、周波数F−ΔFの信号が変換された不要な信号を白抜きの矢印で示す。また図5の−ΔFの位置において、周波数F−ΔFの信号が直交ミキサ13により変換された信号を白抜きの矢印で示し、周波数F+ΔFの信号が変換された不要な信号を黒色の矢印で示す。受信信号に、振幅がnE1の第1の周波数(周波数F+ΔF)の信号と振幅がnE2の第2の周波数(周波数F−ΔF)の信号が含まれる場合、互いの電力が干渉する。
IQ誤差がある状態で、周波数ΔF(第1の中間周波数)において検出した信号をS・ej2πΔFtとすると、S・ej2πΔFt=FFT(I)+jFFT(Q)である。ここで、FFT(I)は、FFT15aの出力の、周波数がΔFに該当する成分であり、FFT(Q)は、FFT15bの出力の、周波数がΔFに該当する成分である。また、上記のSに関する式は、中間周波数の信号I+jQに対してFFTを行なった結果のそれぞれの周波数Fについての、次の関係に基づく。
Figure 0006381494
・ej2πΔFtは、(22)式で表すとおり、(5)式×nE1と(7)式×nE2のej2πΔFtの成分である。
Figure 0006381494
また、IQ誤差がある状態で、周波数−ΔF(第2の中間周波数)において検出した信号をS・e−j2πΔFtとすると、S・e−j2πΔFt=I+jQである。ここで、Iは、FFT15aの出力の、周波数が−ΔFに該当する成分であり、Qは、FFT15bの出力の、周波数が−ΔFに該当する成分である。−ΔFのように、周波数が負となる周波数成分については、FFTの折り返しを利用し、FFTの出力の、周波数が「サンプリング周波数―ΔF」である成分として取得する。このため、S・e−j2πΔFtは、(23)式で表すとおり、(5)式×nE1と(7)式×nE2のe−j2πΔFtの成分である。
Figure 0006381494
(22)式および(23)式より、受信信号に含まれる第1の周波数の信号の振幅nE1、第2の周波数の信号の振幅nE2、第1の中間周波数において検出される信号の振幅S、第2の中間周波数において検出される信号の振幅Sは、(24)式の関係となる。
Figure 0006381494
このため、受信信号に含まれる第1の中間周波数の信号の振幅nE1と、第2の中間周波数の信号の振幅nE2は、(24)式を(25)式のように解くことにより得られる。なお、(25)式におけるXは、(26)式に示すとおりである。
Figure 0006381494
Figure 0006381494
上記(25)式を整理すると、補正係数は、下記(27)式で表される。補正係数算出部20は、算出した補正係数を補正係数記憶部21に書き込む。
Figure 0006381494
図6は、実施の形態1に係る受信機が行う補正係数算出・誤差補正の動作の一例を示すフローチャートである。受信機1は、アンテナ10により受信した受信信号をもとに信号合成部22により生成された中間周波数信号を、補正係数記憶部21から読み出す補正係数により補正する。この補正係数を算出するため、受信機1は、受信機毎に決められた、補正係数更新タイミングと呼ぶ期間に、信号生成器11からの校正信号を基に補正係数を算出して補正係数記憶部21に記憶する。補正係数更新タイミングは、例えば受信機1の起動時や、起動後の一定間隔毎などに設定される。
FFTの周波数ビンの数をMとする。補正係数更新タイミングである場合には(ステップS11;Y)、信号生成器11からの校正信号が直交ミキサ13に入力されるよう、制御部30が切替器12を切り替える(ステップS12)。FFT15a,15bの出力が校正信号検出部17に出力されるよう、制御部30が切替器16を切り替える(ステップS13)。mの値を初期化して、m=1とする(ステップS14)。ΔF=(m/M)Fに基づき正の値ΔFを算出する(ステップS15)。ΔFに基づいて、後述するように、受信機1が補正係数算出を行う(ステップS16)。mに1を加算し(ステップS17)、mがM/2以下である場合には(ステップS18;N)、ステップS15に戻って上述の処理を繰り返す。mがM/2より大きい場合には(ステップS18;Y)、処理を終了する。
補正係数更新タイミングでない場合には(ステップS11;N)、アンテナ10からの受信信号が直交ミキサ13に入力されるよう、制御部30が切替器12を切り替える(ステップS19)。FFT15a,15bの出力が信号合成部22に出力されるよう、制御部30が切替器16を切り替える(ステップS20)。後述するように、受信機1が誤差補正および外来信号の検出を行う(ステップS21)。
図6におけるステップS16の補正係数算出の処理について説明する。図7は、実施の形態1に係る受信機が行う補正係数算出の動作の一例を示すフローチャートである。信号生成器11が、ローカル周波数Fに正の値ΔFを加算した、周波数F+ΔFの第1の校正信号を生成する(ステップS31)。第1の校正信号をもとに直交ミキサ13がI信号、Q信号を生成する(ステップS32)。I,Q各チャネル毎のA−D変換器14a,14bの出力を、FFT15a,15bがそれぞれFFT計算する(ステップS33)。校正信号検出部17がFFT15a,15bそれぞれの出力のΔFの成分(FFT(IΔF,FFT(QΔF)を検出する(ステップS34)。誤差検出部18が、FFT(IΔFとFFT(QΔFとを比較してIQ誤差(第1のIQ誤差)を検出し、IQ誤差をIQ誤差記憶部19に記憶する(ステップS35)。
信号生成器11が、ローカル周波数Fから正の値ΔFを減算した、周波数F−ΔFの第2の校正信号を生成する(ステップS36)。第2の校正信号をもとに直交ミキサ13がI信号、Q信号を生成する(ステップS37)。I,Q各チャネル毎のA−D変換器14a,14bの出力を、FFT15a,15bがそれぞれFFT計算する(ステップS38)。校正信号検出部17がFFT15a,15bそれぞれの出力のΔFの成分(FFT(IΔF,FFT(QΔF)を検出する(ステップS39)。誤差検出部18が、FFT(IΔFとFFT(QΔFとを比較してIQ誤差(第2のIQ誤差)を検出し、IQ誤差をIQ誤差記憶部19に記憶する(ステップS40)。補正係数算出部20が、IQ誤差記憶部19からIQ誤差を取得し、(27)式により補正係数(C11,C12,C21,C22)を算出する(ステップS41)。補正係数算出部20が、補正係数(C11,C12,C21,C22)を補正係数記憶部21に記憶する(ステップS42)。
図6におけるステップS21の誤差補正および信号検出の処理について説明する。図8は、実施の形態1に係る受信機が行う誤差補正および信号検出の動作の一例を示すフローチャートである。アンテナ10からの受信信号をもとに直交ミキサ13がI信号、Q信号を生成する(ステップS51)。I,Q各チャネル毎のA−D変換器14a,14bの出力を、FFT15a,15bがそれぞれFFT計算する(ステップS52)。mの値を初期化して、m=1とする(ステップS53)。ΔF=(m/M)Fに基づきΔFを算出する(ステップS54)。誤差補正部23は、FFT15a,15bの出力から、周波数ΔFのI成分FFT(I)、Q成分FFT(Q)を取得し、周波数ΔFの信号S・ej2πΔFt=FFT(I)+jFFT(Q)を得る(ステップS55)。誤差補正部23は、FFT15a,15bの出力から、周波数−ΔFのI成分FFT(I)、Q成分FFT(Q)を取得し、周波数−ΔFの信号S・e−j2πΔFt=I+jQを得る(ステップS56)。
誤差補正部23は、ΔFおよび−ΔF該当の補正係数(C11,C12,C21,C22)を補正係数記憶部21から読み出す(ステップS57)。誤差補正部23は、S、S、補正係数(C11,C12,C21,C22)から、(25)式により受信信号の周波数+ΔF、−ΔFの振幅(nE1,nE2)を算出する(ステップS58)。mに1を加算し(ステップS59)、mがM/2以下である場合には(ステップS60;N)、ステップS54に戻って上述の処理を繰り返す。mがM/2より大きい場合には(ステップS60;Y)、信号検出部24は、補正された全ての+ΔF、−ΔFの成分を比較し、外来信号を検出する(ステップS61)。
ローカル周波数およびΔFの値を変えて、上述の処理を繰り返すことで、広帯域に亘って受信信号の誤差補正を行うことが可能になる。なお、上記説明では、受信機1がFFTの周波数ビン全て(m=1〜M)の周波数範囲から外来信号を検出するとしたが、受信機1がFFTの一部の周波数ビンからのみ外来信号を検出するような場合でも、補正係数の算出および補正の実施は同様に行なうことができる。例えば、受信機1がmまたはM−mの周波数ビンのみから外来信号を検出する場合には、図6のフローにおいて、ステップS15からS17の処理をm=mのみについて実施して補正係数を算出し、図8のフローにおいて、ステップS54からS58の処理をm=mのみについて実施して補正および外来信号の検出を行なうようにすればよい。
ところで、上記説明では、IQ誤差として、I信号とQ信号の間の振幅誤差と位相誤差を使用したが、以下のように、I信号とQ信号それぞれの複素振幅の比の値をIQ誤差としてもかまわない。
(9)式および(10)式から、周波数F+ΔFの校正信号を直交ミキサ13に入力したときの第1の中間周波数のI信号(=I)と90度位相シフトさせたQ信号(=Q)の複素振幅の比の値をZとすると、ZおよびZの複素共役Z は、それぞれ(28)式および(29)式のようになる。ただし、変数の右肩に付した*は、複素共役を表す。
Figure 0006381494
Figure 0006381494
同様に、(9)式および(10)式から、周波数F−ΔFの校正信号を直交ミキサ13に入力したときの第2の中間周波数のI信号(=I)と90度位相シフトさせたQ信号(=Q)の複素振幅の比の値をZとすると、ZおよびZの複素共役Z は、それぞれ(30)式および(31)式のようになる。
Figure 0006381494
Figure 0006381494
(28)式〜(31)式により、(25)式を整理すると、(32)式のようになる。なお、(32)式におけるXは、(33)式に示すとおりである。
Figure 0006381494
Figure 0006381494
上記(32)式を整理すると、補正係数は、下記(34)式で表される。
Figure 0006381494
以上のように、補正係数は、I信号とQ信号の間の複素振幅の比の値Zから算出することも可能である。このため、誤差検出部18において式(28)、(29)、(30)および(31)のそれぞれの式で表されるZ、Z 、Z、Z を算出してIQ誤差記憶部19に記憶させ、補正係数算出部20において、式(34)に基づいて補正係数を算出するようにしてもよい。
以上説明した通り、本実施の形態1に係る受信機1によれば、第1の周波数の校正信号および第2の周波数の校正信号のそれぞれに基づいて検出されたIQ誤差を用いて、補正係数を算出し、補正係数を用いて受信信号を補正することで、IQ誤差の補正の精度を向上させることが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1の受信機1を、更に広帯域の受信信号について適用する。実施の形態2に係る受信機1の構成は実施の形態1に係る受信機1と同様である。受信信号は、A−D変換器14aおよび14bでAD変換され、FFT15a、15bでFFTされる。直交ミキサ13の発振器131は、複数のローカル周波数についてローカル信号を発生させることができる。受信機1は、受信信号の周波数に合わせて複数のローカル周波数から選択したローカル周波数のローカル信号を直交ミキサ13の発振器131から出力し、直交ミキサ13により、受信信号をA−D変換器14a、14b、FFT15a、15bで処理可能な周波数に変換することにより、より広帯域の受信信号に対応する。
図9は、本発明の実施の形態2に係る受信機1が用いるローカル周波数を示す図である。実施の形態2に係る受信機1は、複数のローカル周波数のそれぞれについて、補正係数の算出を行い、補正係数に基づいてIQ誤差を補正する。図9の例では、受信機1は、LO#1〜LO#nmaxまでのローカル周波数を用いる。斜線で示される部分は各ローカル周波数の瞬時受信帯域の上側帯域であり、交差する斜線で示される部分は各ローカル周波数の瞬時受信帯域の下側帯域である。
受信機1では、イメージ信号を抑圧するために、受信する全ての周波数について、(27)式による補正係数を算出する必要が有る。図9のようにLO#1〜LO#nmaxまでのローカル周波数を用いる場合、ローカル周波数が1つの場合に比べて、n倍の周波数について補正係数を算出することが必要になる。実施の形態1では、補正係数を算出するために、それぞれの周波数に合わせて発振器131により校正信号を出力する。しかし、補正係数を算出する周波数が多くなると、全ての周波数に対応して校正信号を出力することは、補正係数算出に必要な時間を増大させ、受信機1の目的である電波信号の捕捉能力を低下させる。このため、実施の形態2に係る受信機では、決められた周波数について校正信号により補正係数を算出し、他の周波数については、補間により補正係数を算出する。
図10は、実施の形態2における瞬時受信帯域と校正信号の周波数の関係を示す図である。図10は、ローカル周波数がLO#nの場合であり、図10における矢印が、校正信号を示す。サンプリング周波数をFsとすると、ローカル周波数がLO#nの場合の瞬時受信帯域は、LO#n−Fs/2からLO#n+Fs/2までである。誤差検出部18は、周波数軸上で瞬時受信帯域内であってローカル周波数に対して対称な位置にある複数組の周波数ビンに対応する複数の校正信号に基づいてIQ誤差(複数組の第1のIQ誤差および第2のIQ誤差)を検出する。誤差検出部18は、LO#nに対して対称な、p(p≧2)組、すなわち2p個の周波数ビンに対して補正係数を算出する。補正係数の算出に用いられる校正信号の数は、アナログ回路の特性を考慮して任意に定めることができる。2p個の周波数ビンはそれぞれ、LO#n±ΔFq(q=1〜p)で表される。
誤差検出部18は、周波数がLO#n±ΔFqで表される複数の校正信号のそれぞれに対して、実施の形態1と同様にIQ誤差を検出する。そして、補正係数算出部20は、複数の校正信号の各組について、実施の形態1と同様の補正係数を算出する処理を行い、上記複数組の周波数ビンに対応する、(27)式で表される補正係数を算出する。補正係数算出部20は、算出した補正係数に基づく補間によって、校正信号が入力されない瞬時受信帯域の他の周波数ビンに対応する補正係数を算出する。補正係数算出部20は、例えば、算出した補正係数に基づく線形補間によって他の周波数ビンに対応する補正係数を算出する。
瞬時受信帯域の上側帯域におけるm番目の周波数ビンとm番目の周波数ビンについて補正係数がIQ誤差に基づいて算出されている場合に、m番目の周波数ビンとm番目の周波数ビンの間のm番目の周波数ビンに対応する補正係数を線形補間により算出する処理について説明する。m番目の周波数ビンに対応する補正係数をC11(m),C12(m),C21(m),C22(m)とし、m番目の周波数ビンに対応する補正係数をC11(m),C12(m),C21(m),C22(m)とし、m番目の周波数ビンに対応する補正係数をC11(m),C12(m),C21(m),C22(m)とする。補正係数算出部20は、C11(m)の実部および虚部のそれぞれを、(35)式で表されるように線形補間によって算出する。
Figure 0006381494
補正係数算出部20は、C12(m),C21(m),C22(m)についても同様に線形補間を行い、校正信号が入力されない周波数ビンのそれぞれについて補正係数を算出する。また、瞬時受信帯域の端の周波数ビンについて補正係数が算出されていない場合、補正係数算出部20は、補正係数が算出されている周波数ビンの内、当該の端の周波数ビンに最も近い周波数ビンと2番目に近い周波数ビンの補正係数を使用して、同様に(35)式によって外挿することにより、当該の端までの周波数ビンの補正係数を算出する。補正係数算出部20は、複数のローカル周波数のそれぞれについて、上述の補正係数を算出する処理を行い、複数のローカル周波数のそれぞれについて、各周波数ビンに対応する補正係数を補正係数記憶部21に記憶する。誤差補正部23は、補正係数記憶部21から補正係数を読み出し、FFTされた、受信信号に基づくI信号およびQ信号を周波数ビンごとに補正する。
図10の例では、補正係数算出部20は、周波数軸上で上側帯域および下側帯域のそれぞれの中央と端部に位置する3組の周波数ビンに対して上記(27)式で表される補正係数を算出する。補正係数算出部20は、周波数がLO#n±ΔF1で表される1組の校正信号のそれぞれに基づいて検出されたIQ誤差から、補正係数を算出する。同様に、LO#n±ΔF2で表される1組の校正信号に基づいて補正係数を算出し、LO#n±ΔF3で表される1組の校正信号に基づいて補正係数を算出する。補正係数算出部20は、算出された補正係数に基づく線形補間によって、校正信号が入力されない周波数ビンのそれぞれについても補正係数を算出する。
図11は、実施の形態2に係る受信機が行う受信帯域全体の補正係数算出の動作の一例を示すフローチャートである。受信機1は、図7に示す補正係数算出の動作を行う(ステップS71)。校正信号が入力される周波数ビンである、対象の周波数ビンについて補正係数の算出が完了していない場合には(ステップS72;N)、周波数ビンを変更して(ステップS73)、ステップS71に戻って上述の処理を繰り返し行う。対象の周波数ビン全てについて補正係数の算出が完了した場合には(ステップS72;Y)、算出した補正係数に基づく線形補間を行い、校正信号が入力されない周波数ビンについても補正係数を算出する(ステップS74)。全てのローカル周波数について補正係数の算出が完了していない場合には(ステップS75;N)、ローカル周波数を変更して(ステップS76)、ステップS71に戻って上述の処理を繰り返し行う。全てのローカル周波数について補正係数の算出が完了した場合には(ステップS75;Y)、処理を終了する。
図11に示す受信帯域全体の補正係数算出の処理が終了した後、切替器12が受信信号を出力している場合に受信機1が行う誤差補正および信号検出の動作は、図8に示す実施の形態1に係る受信機1が行う誤差補正および信号検出の動作と同様である。
以上説明した通り、本実施の形態2に係る受信機1によれば、受信帯域の周波数ビンのそれぞれに対して補正係数を算出し、補正係数を用いて受信信号を補正することで、受信信号の直交ミキサにおける誤差の補正の精度を向上させることが可能となる。そのため、校正信号と受信信号との周波数に差がある場合であっても、適切に受信信号を補正することができる。
また、上記説明では、m番目の周波数ビンとm番目の周波数ビンの間のm番目の周波数ビンに対応する補正係数を、補正係数を補間することにより算出するが、m番目の周波数ビンとm番目の周波数ビンの間のm番目の周波数ビンについて、振幅誤差A、A、位相誤差θ、θを補間により算出し、(27)式により補正係数を算出するようにしても良い。m番目の周波数ビンに対応する振幅誤差をA(m)、A(m)、位相誤差をθ(m)、θ(m)とし、m番目の周波数ビンに対応する振幅誤差をA(m)、A(m)、位相誤差をθ(m)、θ(m)とし、m番目の周波数ビンに対応する振幅誤差をA(m)、A(m)、位相誤差をθ(m)、θ(m)とする。誤差検出部18は、A(m)を、下記(36)式で表されるように線形補間によって算出するようにしても良い。
Figure 0006381494
この場合、誤差検出部18は、A(m),θ(m),θ(m)についても同様に線形補間を行い、校正信号が入力されない周波数ビンのそれぞれについてIQ誤差を検出し、補正係数算出部20は、該IQ誤差に基づいて各周波数ビンのそれぞれについて補正係数を算出する。その他については、同様である。
1 受信機、2 信号処理部、10 アンテナ、11 信号生成器、12,16 切替器、13 直交ミキサ、14a,14b A−D変換器、15a,15b FFT、17 校正信号検出部、18 誤差検出部、19 IQ誤差記憶部、20 補正係数算出部、21 補正係数記憶部、22 信号合成部、23 誤差補正部、24 信号検出部、30 制御部、131 発振器、132 90度ハイブリッド回路、133a,133b ミキサ、134a,134b LPF、135a,135b 増幅器。

Claims (8)

  1. 受信帯域内の周波数の校正信号を生成する信号生成器と、
    ローカル周波数に基づいて、アンテナが捕捉した電波から生成する受信信号および前記校正信号それぞれの周波数変換を行って、同相信号および直交信号を生成する直交ミキサと、
    前記ローカル周波数に正の決められた値を加算した値である第1の周波数の前記校正信号に基づいて、前記同相信号と前記直交信号との間の第1のI(In-phase:同相)Q(Quadrature:直交)誤差を検出し、前記ローカル周波数から前記正の決められた値を減算した値である第2の周波数の前記校正信号に基づいて、前記同相信号と前記直交信号との間の第2のIQ誤差を検出する誤差検出部と、
    前記第1のIQ誤差および前記第2のIQ誤差から、前記受信信号から生成された前記同相信号および前記直交信号の誤差の補正に用いられる補正係数を算出する補正係数算出部と、
    前記補正係数を用いて、前記受信信号から生成された前記同相信号および前記直交信号の周波数が正の前記決められた値である成分および周波数が負の前記決められた値である成分を補正する誤差補正部と、
    を備える受信機。
  2. 前記誤差検出部は、前記直交ミキサが前記第1の周波数の前記校正信号から生成した前記同相信号および前記直交信号をフーリエ変換した結果から、前記第1のIQ誤差を検出し、前記直交ミキサが前記第2の周波数の前記校正信号から生成した前記同相信号および前記直交信号をフーリエ変換した結果から、前記第2のIQ誤差を検出する、
    請求項1に記載の受信機。
  3. 前記誤差検出部は、互いに異なる複数の正の前記決められた値について、前記第1のIQ誤差と前記第2のIQ誤差とを検出し、
    前記補正係数算出部は、前記第1のIQ誤差および前記第2のIQ誤差から、前記受信信号から生成された前記同相信号および前記直交信号の周波数が複数の正の前記決められた値である成分および周波数が複数の負の前記決められた値である成分を補正する前記補正係数を算出し、該補正係数に基づく補間によって他の周波数の成分を補正する前記補正係数を算出する、
    請求項1または2に記載の受信機。
  4. 複数の前記ローカル周波数に基づいて前記直交ミキサが動作する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の受信機。
  5. 直交ミキサにより、ローカル周波数に基づいて、アンテナが捕捉した電波から生成する受信信号の周波数変換を行って、同相信号および直交信号を生成する受信信号変換ステップと、
    前記直交ミキサにより、前記ローカル周波数に基づいて、前記ローカル周波数に正の決められた値を加算した値である第1の周波数の校正信号の周波数変換を行なって同相信号および直交信号を生成し、前記直交ミキサにより、前記ローカル周波数に基づいて、前記ローカル周波数から前記正の決められた値を減算した値である第2の周波数の前記校正信号の周波数変換を行なって同相信号および直交信号を生成する校正信号変換ステップと、
    前記校正信号変換ステップで前記第1の周波数の前記校正信号から生成された前記同相信号と前記直交信号との間の第1のI(In-phase:同相)Q(Quadrature:直交)誤差を検出し、前記校正信号変換ステップで前記第2の周波数の前記校正信号から生成された前記同相信号と前記直交信号との間の第2のIQ誤差を検出する誤差検出ステップと、
    前記第1のIQ誤差および前記第2のIQ誤差から、前記受信信号から生成された前記同相信号および前記直交信号の誤差の補正に用いられる補正係数を算出する補正係数算出ステップと、
    前記補正係数を用いて、前記受信信号から生成された前記同相信号および前記直交信号の周波数が正の前記決められた値である成分および周波数が負の前記決められた値である成分を補正する誤差補正ステップと、
    を備える誤差補正方法。
  6. 前記誤差検出ステップにおいて、前記第1の周波数の前記校正信号から前記校正信号変換ステップで生成された前記同相信号および前記直交信号をフーリエ変換した結果から、前記第1のIQ誤差を検出し、前記第2の周波数の前記校正信号から前記校正信号変換ステップで生成された前記同相信号および前記直交信号をフーリエ変換した結果から、前記第2のIQ誤差を検出する、
    請求項5に記載の誤差補正方法。
  7. 前記誤差検出ステップにおいて、互いに異なる複数の正の前記決められた値について、前記第1のIQ誤差と前記第2のIQ誤差とを検出し、
    前記補正係数算出ステップにおいて、前記第1のIQ誤差および前記第2のIQ誤差から、前記受信信号から生成された前記同相信号および前記直交信号の周波数が複数の正の前記決められた値である成分および周波数が複数の負の前記決められた値である成分を補正する前記補正係数を算出し、該補正係数に基づく補間によって他の周波数の成分を補正する前記補正係数を算出する、
    請求項5または6に記載の誤差補正方法。
  8. 複数の前記ローカル周波数に基づいて前記直交ミキサが動作する、
    請求項5から7のいずれか1項に記載の誤差補正方法。
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