JP6381036B2 - 温間サイジング設備および温間サイジング方法 - Google Patents
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Description
鉄系焼結体をオーステナイト化温度(Ae1点)よりも高い温度に加熱してオーステナイト化する加熱炉と、
その加熱炉から焼結体を受け入れ、その焼結体をAe1点よりも高い温度からAe1点よりも低くかつマルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い温度までパーライトが析出しない冷却速度で急冷する急冷装置と、
その急冷装置から焼結体を受け入れ、Ms点よりも高温の前記焼結体をMs点よりも低温の金型で圧縮することで前記焼結体の寸法矯正と前記焼結体のマルテンサイト変態とを同時に行なうプレス装置と、
前記プレス装置から排出された焼結体を常温のスタッキング部に順に積み上げるスタッキング装置と、
前記プレス装置の下流側、かつ、前記スタッキング部の上流側に配置され、前記プレス装置から排出された焼結体に常温かそれよりも低温の冷却ガスを吹き付けながらその焼結体を前記スタッキング部に向けて搬送する冷却搬送装置と、
を有する温間サイジング設備である。
(1)本発明の一態様に係る温間サイジング設備は、
鉄系焼結体をオーステナイト化温度(Ae1点)よりも高い温度に加熱してオーステナイト化する加熱炉と、
その加熱炉から焼結体を受け入れ、その焼結体をAe1点よりも高い温度からAe1点よりも低くかつマルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い温度までパーライトが析出しない冷却速度で急冷する急冷装置と、
その急冷装置から焼結体を受け入れ、Ms点よりも高温の前記焼結体をMs点よりも低温の金型で圧縮することで前記焼結体の寸法矯正と前記焼結体のマルテンサイト変態とを同時に行なうプレス装置と、
前記プレス装置から排出された焼結体を常温のスタッキング部に順に積み上げるスタッキング装置と、
前記プレス装置の下流側、かつ、前記スタッキング部の上流側に配置され、前記プレス装置から排出された焼結体に常温かそれよりも低温の冷却ガスを吹き付けながらその焼結体を前記スタッキング部に向けて搬送する冷却搬送装置と、
を有する温間サイジング設備である。
このようにすると、焼結体がプレス装置から排出されてからスタッキング部に到達するまでの間に、冷却搬送装置によって焼結体が冷却されるので、スタッキング部に到達したときの焼結体の温度が十分に低い温度となる。そのため、焼結体をスタッキング部に順に積み上げたときに、1番下の位置にある焼結体と、下から2段目以上の位置にある焼結体とで、焼結体の寸法のばらつきが生じにくい。したがって、高精度かつ高硬度の焼結体を安定して製造することができる。
(2)前記冷却搬送装置として、以下の構成のものを採用することができる。
前記焼結体を前記スタッキング部に向けて搬送するコンベヤと、
そのコンベヤによる焼結体の搬送経路を覆うように設けられたコンベヤカバーと、
そのコンベヤカバー内に前記冷却ガスを送り込む冷却ガス供給装置とを有する。
(3)また、本発明の一態様に係る温間サイジング方法として、以下の構成のものを提供する。
鉄系焼結体をオーステナイト化温度(Ae1点)よりも高い温度に加熱してオーステナイト化するオーステナイト化工程と、
そのオーステナイト化工程の後、前記焼結体をAe1点よりも高い温度からAe1点よりも低くかつマルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い温度までパーライトが析出しない冷却速度で急冷する急冷工程と、
その急冷工程の後、Ms点よりも高温の前記焼結体をMs点よりも低温の金型で圧縮することで前記焼結体の寸法矯正と前記焼結体のマルテンサイト変態とを同時に行なう温間サイジング工程と、
その温間サイジング工程の後、前記焼結体を常温のスタッキング部に順に積み上げるスタッキング工程と、
前記温間サイジング工程の後、前記スタッキング工程の前に、前記プレス装置から排出された焼結体に常温かそれよりも低温の冷却ガスを吹き付けながらその焼結体を前記スタッキング部に向けて搬送する冷却搬送工程と、
を有する温間サイジング方法。
本発明の実施形態にかかる温間サイジング設備および温間サイジング方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上流側から加熱炉10のメッシュベルトコンベヤ17に焼結体1が順次供給される。メッシュベルトコンベヤ17上の焼結体1は、加熱室16を通過することによりAe1点よりも高い温度に加熱してオーステナイト化される。
焼結体1は加熱炉10から排出され、急冷装置11に受け入れられる。急冷装置11に受け入れられた焼結体1は、油槽18に浸漬することで、Ae1点よりも高い温度から、Ae1点よりも低くかつMs点よりも高い温度まで急冷される。このときの焼結体1の冷却速度は、パーライトが析出しない速度(すなわち同速度を維持してMs点よりも低い温度まで冷却した場合に、焼結体1の組織がパーライトにならずにマルテンサイトになる冷却速度)である。
急冷工程の後、焼結体1は中間搬送装置12で急冷装置11からプレス装置13に搬送される。プレス装置13が焼結体1を受け入れるとき、焼結体1の温度は、Ae1点よりも低くかつMs点よりも高い温度(例えばMs点が150〜200℃の範囲にある焼結体1の場合、220〜280℃程度)である。プレス装置13は、焼結体1を金型23で圧縮することで焼結体1を塑性変形させ、焼結体1の寸法矯正を行なう。このとき、金型23で焼結体1を圧縮するときの加圧力によって焼結体1のMs点が一時的に上昇するとともに、金型23と焼結体1の接触面間の熱伝導によって焼結体1が急冷されるため、焼結体1の組織がマルテンサイト変態する。
プレス装置13から排出された焼結体1は、冷却搬送装置14で冷却ガスを吹き付けながらスタッキング部25に向けて搬送される。プレス装置13から排出された直後の焼結体1の温度は、例えばMs点が150〜200℃の範囲にある焼結体1の場合、80〜120℃程度である。そして、この焼結体1が冷却搬送装置14で冷却しながら搬送されることで、スタッキング部25に到達する直前の焼結体1の温度が60℃以下(好ましくは40℃以下)となる。
図8に示すように、持ち上げ搬送装置38は、冷却搬送装置14の出口にある焼結体1を持ち上げて、スタッキング部25の上に降ろす動作を繰り返し、スタッキング部25の上に焼結体1を積み上げる。そして、焼結体1が所定の複数段(例えば7段)積み上がるごとに、スタッキング部25が一定の角度だけ回転する。このようにして、スタッキング装置15は、プレス装置13から排出された焼結体1をスタッキング部25に順に積み上げ、焼結体1の山をスタッキング部25の上に形成する。このとき、スタッキング部25の温度は、加熱または冷却などの温度調整が行なわれておらず常温である。
冷却搬送装置14で冷風を吹き付けながら焼結体1を搬送し、その焼結体1をスタッキング部25に積み上げて7段の焼結体1の山を形成する動作を3セット行なった。そして、各セットの焼結体1を、図5に示すようにアウターロータ3の内側に挿入し、インナーロータ2の外歯5とアウターロータ3の内歯4の間に形成されるチップクリアランスtの大きさ(単位μm)を測定した。このとき、アウターロータ3は同一物(マスター品)を用いた。また、チップクリアランスtの測定は、図5に示すインナーロータ2を60度ずつ回転して測定を繰り返すことで、1個のインナーロータ2あたり6箇所測定した。その測定結果を表1および図9に示す。
冷却搬送装置14による冷風の吹き付けを行なわずにそのまま焼結体1を搬送し、その焼結体1をスタッキング部25に積み上げて7段の焼結体1の山を形成する動作を3セット行なった。そして、実施例と同様に、各セットの焼結体1を、図5に示すようにアウターロータ3の内側に挿入し、インナーロータ2の外歯5とアウターロータ3の内歯4の間に形成されるチップクリアランスtの大きさ(単位μm)を測定した。このとき、アウターロータ3は同一物(マスター品)を用いた。また、チップクリアランスtの測定は、図5に示すインナーロータ2を60度ずつ回転して測定を繰り返すことで、1個のインナーロータ2あたり6箇所測定した。その測定結果を表2および図10に示す。
2 インナーロータ
3 アウターロータ
4 内歯
5 外歯
6 側面
7 側面
10 加熱炉
11 急冷装置
12 中間搬送装置
13 プレス装置
14 冷却搬送装置
15 スタッキング装置
16 加熱室
16a 入口
16b 出口
17 メッシュベルトコンベヤ
18 油槽
19 投入装置
20 取り出し装置
21 カバー
22 熱風発生器
23 金型
24 金型冷却機構
25 スタッキング部
26 コンベヤ
27 コンベヤカバー
28 冷却ガス供給装置
30 テールプーリ
31 ヘッドプーリ
32 コンベヤベルト
33 コンベヤフレーム
34 電動モータ
35 開口
36 冷却ガス発生器
37 冷却ガス導入路
38 持ち上げ搬送装置
40 チャック部
41 昇降駆動装置
42 水平駆動装置
43 回転駆動装置
44 周壁
45 ベースフレーム
46 ガイド板
t チップクリアランス
Claims (3)
- 鉄系焼結体をオーステナイト化温度(Ae1点)よりも高い温度に加熱してオーステナイト化する加熱炉と、
その加熱炉から焼結体を受け入れ、その焼結体をAe1点よりも高い温度からAe1点よりも低くかつマルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い温度までパーライトが析出しない冷却速度で急冷する急冷装置と、
その急冷装置から焼結体を受け入れ、Ms点よりも高温の前記焼結体をMs点よりも低温の金型で圧縮することで前記焼結体の寸法矯正と前記焼結体のマルテンサイト変態とを同時に行なうプレス装置と、
前記プレス装置から排出された焼結体を常温のスタッキング部に順に積み上げるスタッキング装置と、
前記プレス装置の下流側、かつ、前記スタッキング部の上流側に配置され、前記プレス装置から排出された焼結体に常温かそれよりも低温の冷却ガスを吹き付けながらその焼結体を前記スタッキング部に向けて搬送する冷却搬送装置と、
を有する温間サイジング設備。 - 前記冷却搬送装置は、
前記焼結体を前記スタッキング部に向けて搬送するコンベヤと、
そのコンベヤによる焼結体の搬送経路を覆うように設けられたコンベヤカバーと、
そのコンベヤカバー内に前記冷却ガスを送り込む冷却ガス供給装置と、
を有する請求項1に記載の温間サイジング設備。 - 鉄系焼結体をオーステナイト化温度(Ae1点)よりも高い温度に加熱してオーステナイト化するオーステナイト化工程と、
そのオーステナイト化工程の後、前記焼結体をAe1点よりも高い温度からAe1点よりも低くかつマルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い温度までパーライトが析出しない冷却速度で急冷する急冷工程と、
その急冷工程の後、Ms点よりも高温の前記焼結体をMs点よりも低温の金型で圧縮することで前記焼結体の寸法矯正と前記焼結体のマルテンサイト変態とを同時に行なう温間サイジング工程と、
その温間サイジング工程の後、焼結体を常温のスタッキング部に順に積み上げるスタッキング工程と、
前記温間サイジング工程の後、前記スタッキング工程の前に、前記プレス装置から排出された焼結体に常温かそれよりも低温の冷却ガスを吹き付けながらその焼結体を前記スタッキング部に向けて搬送する冷却搬送工程と、
を有する温間サイジング方法。
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JP2015019034A JP6381036B2 (ja) | 2015-02-03 | 2015-02-03 | 温間サイジング設備および温間サイジング方法 |
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