JP6380706B1 - 農業用フィルム - Google Patents

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Abstract

太陽光を透過させるとともに、光熱変換により、それ自体が発熱し、農業用ハウス内の温度を上昇させうる農業用フィルムを提供する。本発明は、金属元素を含む黒色無機粒子と、光透過性樹脂とを含有し、金属元素を含む黒色無機粒子の含有量が、光透過性樹脂100重量部に対して0.05重量部以上0.20重量部以下であり、金属元素を含む黒色無機粒子はレーザー回折散乱法によって測定される体積頻度ヒストグラムにおいて、5μm以上の成分の最大体積頻度が2.0%以下である粒度分布を有する、農業用フィルムを提供する。

Description

本発明は農業用フィルムに関するものである。
農業用ハウスに用いる農業用フィルムには、太陽光を透過させるとともに、光熱変換により、それ自体が発熱し、ハウス内温度を上昇させうる機能を有することが求められている。
太陽光を透過させる農業用フィルムとしては、例えば、酸化鉄を含む層を有するフィルムが報告されている(特許文献1)。
特開2007−62042号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の農業用フィルムは、フィルム自体の発熱が十分とはいえず、ハウス内温度を上昇させる目的に用いるには満足できるものではなかった。
本発明者は、鋭意検討した結果、本発明が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[5]記載の発明を含む。
[1]金属元素を含む黒色無機粒子と、光透過性樹脂とを含有し、
前記金属元素を含む黒色無機粒子の含有量が、前記光透過性樹脂100重量部に対して0.05重量部以上0.20重量部以下であり、
前記金属元素を含む黒色無機粒子はレーザー回折散乱法によって測定される体積頻度ヒストグラムにおいて、5μm以上の成分の最大体積頻度が2.0%以下である粒度分布を有する、農業用フィルム。
[2]前記金属元素を含む黒色無機粒子が、レーザー回折散乱法によって測定される体積頻度ヒストグラムにおいて、最頻粒径が600nm以上5μm以下である粒度分布を有する、[1]に記載の農業用フィルム。
[3]前記金属元素を含む黒色無機粒子が、金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子、金属炭化物粒子、金属窒化物粒子、及び金属硫化物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]または[2]に記載の農業用フィルム。
[4]前記金属元素を含む黒色無機粒子が、Fe、MoS粒子、及びWC粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の農業用フィルム。
[5]前記光透過性樹脂が、ポリオレフィン樹脂またはシリコーン樹脂である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の農業用フィルム。
本発明によれば、太陽光を透過させるとともに、光熱変換により、それ自体が発熱し、農業用ハウス内の温度を上昇させうる農業用フィルムを提供することができる。
実施例及び比較例に使用した黒色粒子1、2、3、4、及び5のレーザー回折散乱法によって測定された体積ヒストグラムである。 実施例及び比較例に使用した黒色粒子6、7、8、及び9のレーザー回折散乱法によって測定された体積ヒストグラムである。 実施例及び比較例に使用した黒色粒子10、11、12、及び13のレーザー回折散乱法によって測定された体積ヒストグラムである。
<農業用フィルム>
本発明の農業用フィルムは、
金属元素を含む黒色無機粒子と、光透過性樹脂とを含有し、
前記金属元素を含む黒色無機粒子の含有量が、前記光透過性樹脂100重量部に対して0.05重量部以上0.20重量部以下であり、
前記金属元素を含む黒色無機粒子はレーザー回折散乱法によって測定される体積頻度ヒストグラムにおいて、5μm以上の成分の最大体積頻度が2.0%以下である粒度分布を有する、農業用フィルム
である。
本明細書において、「最大体積頻度」とは、レーザー回折散乱法によって測定される体積頻度ヒストグラムにおいて、体積頻度が最大となる粒子径を有する粒子の体積頻度を意味し、「5μm以上の成分の最大体積頻度」とは、粒子径が5μm以上である粒子を対象に、体積頻度が最大となる粒子径を有する粒子の体積頻度を意味する。
また、「最頻粒径」は、レーザー回折散乱法によって測定される体積頻度ヒストグラムにおいて、体積頻度が最大となる粒子径を意味する。
本発明の農業用フィルムの厚みは、フィルム強度の観点から0.01mm以上であることが好ましい。また、フィルムの中継ぎ加工性や、使用時の被覆作業性などの観点から、0.3mm以下であることが好ましく、0.03mm以上、0.25mm以下であることがより好ましい。
本発明の農業用フィルムは、単層フィルムであってもよいし、
複数のフィルムが積層されている多層フィルムであって、少なくとも一層が、
光透過性樹脂と、金属元素を含む黒色無機粒子とを含有し、金属元素を含む黒色無機粒子の含有量が、光透過性樹脂100重量部に対して0.05重量部以上0.20重量部以下であり、
金属元素を含む黒色無機粒子が、レーザー回折散乱法によって測定される体積頻度ヒストグラムにおいて、5μm以上の成分の最大体積頻度が2.0%以下である粒度分布を有する、フィルムである、多層フィルムであってもよい。
多層フィルムにおいて、上述の光透過性樹脂と、金属元素を含む黒色無機粒子とを含有するフィルムを除くその他の層は、公知の農業用フィルムとすることができ、防曇性被膜であることが好ましい。かかる防曇性被膜としては、例えば、無機酸化物ゾルのコーティング膜や、無機酸化物と有機化合物からなるコーティング膜が挙げられる。無機酸化物ゾルとしては、例えば、コロイダルシリカやアルミナゾルが挙げられ、有機化合物としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの高分子樹脂バインダーや、界面活性剤が挙げられる。
防曇性被膜は、上述の光透過性樹脂と、金属元素を含む黒色無機粒子とを含有するフィルムの片面上に形成されていてもよいし、上述の光透過性樹脂と、金属元素を含む黒色無機粒子とを含有するフィルムの両面のそれぞれの上に形成されていてもよい。また、防曇性被膜は単層膜でも2層以上の多層膜でもよい。
防曇性被膜を積層する方法は、塗布による方法でもよいし、予め作製した防曇性被膜を上述の光透過性樹脂と、金属元素を含む黒色無機粒子とを含有するフィルムに積層する方法でもよい。
本発明の農業用フィルムが多層フィルムである場合、3層から5層のフィルムであることが、各層のバランスをとる観点で好ましい。
例えば、上層、中間層、及び下層の3層のフィルムで構成されている場合、成形性、透明性、及び強度の観点から、各層の厚みの比は、(上層の厚み)/(下層の厚み)の値が1であることが好ましく、(中間層の厚み)/(上層又は下層の厚み)の値が、2以上5以下であることが好ましい。成形性、透明性、及び強度の観点から、(中間層の厚み)/(上層又は下層の厚み)の値は、2以上4以下であることがより好ましい。
<光透過性樹脂>
本発明の農業用フィルムは、光透過性樹脂を含有する。
本明細書において、光透過性樹脂とは、光透過性を有する樹脂であって、光透過性を有するとは、ヘイズが30%以下であることを意味する。
光透過性樹脂としては、全光線透過率Ttが80%以上であり、ヘイズが20%以下であることが好ましい。
全光線透過率TtはJIS K 7361に準拠して、直読式ヘイズコンピュータを用いて測定する。
ヘイズは、JIS K7105に準拠し、直読式ヘイズコンピュータを用いて測定する。
全光線透過率Tt、及びヘイズは、JIS Z8113に規定されているC光を測定光として、100μmの厚みの光透過性樹脂フィルムに対し、厚み方向と並行に測定光を入射させ測定する。
光透過性樹脂を採用することで、光透過性を有する農業用フィルムを得ることができる。
具体的な光透過性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、メチルメタクリル樹脂、スチレン樹脂、水添環状樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、及びフェノール樹脂など種々の樹脂が挙げられる。農業用フィルムに含有される光透過性樹脂は、透明性、耐候性、又は強度を向上させる観点から、ポリオレフィン樹脂、又はシリコーン樹脂であることが好ましく、ポリオレフィン樹脂であることがより好ましい。
光透過性樹脂の市販品としては、例えば、(株)ADEKA製のアデカアークルズ(登録商標)KTシリーズ、アデカボンタイター(登録商標)HUXシリーズ、アデカレジン(登録商標)EMシリーズ、三菱レイヨン(株)製のダイヤナール(登録商標)、ダイヤビーム(登録商標)、レイクイーン(登録商標)、三井化学(株)製アルマテックス(登録商標)、エポキー(登録商標)などが挙げられる。
後述する農業用フィルムの製造方法において、光透過性樹脂と、金属元素を含む黒色無機粒子との混合物を基板に塗工する工程を含む製造方法を採用する場合、光透過性樹脂は、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、メチルメタクリル樹脂、スチレン樹脂、水添環状樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、又はフェノール樹脂であることが好ましく、ポリオレフィン樹脂、又はシリコーン樹脂がより好ましく、シリコーン樹脂であることが更により好ましい。
塗工面は、農業用ハウスの室内側としてもよいし、室外側としてもよいし、室内側及び外側の両方としてもよい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリα−オレフィン樹脂が挙げられる。ポリα−オレフィン樹脂は、α−オレフィンの単独重合体であってもよく、α−オレフィンと、他の単量体との共重合体であってもよい。
α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられる。
α−オレフィンと共重合する、α−オレフィン以外の他の単量体としては、例えば、多不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニルなどが挙げられる。多不飽和化合物としては、共役ジエンまたは非共役ジエンなどが挙げられる。
α−オレフィンの単独重合体としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。
α−オレフィンの共重合体としては、例えば、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びエチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、及びエチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体などが挙げられる。
これらのうち、密度が0.910〜0.935の低密度ポリエチレンや、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、及び、酢酸ビニル含有量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が、透明性、及び耐候性の点から好ましい。
ポリオレフィン樹脂は、メタロセン触媒で共重合して得られるエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。これは、通常メタロセンポリエチレンといわれているものである。メタロセンポリエチレンにおいて、エチレンと共重合する炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどが挙げられる。上記のメタロセンポリエチレンは、例えば特開昭58−19309号公報や、特開平6−9724号公報等に記載の種々の公知の製法により得られる。
本発明に含有されるポリオレフィン樹脂は、好ましくは、以下の物性を示すものである。
メルトフローレート(MFR)
JIS−K7210により測定されたMFRが0.01〜10g/10分であることが好ましく、0.1〜5g/10分であることがより好ましい。
MFRが10g/10分以下であると、成形時にフィルムが蛇行しにくく安定して成形が可能であるという点で好ましい。MFRが0.01g/10分以上であると、成形時の樹脂圧力が増大せず、成形機に負荷がかからず、生産性がよいという点で好ましい。
密度
JIS−K7112により測定された密度が、0.880〜0.930g/cmであることが好ましく、0.880〜0.920g/cmであることがより好ましい。
密度が0.930g/cm以下であると透明性が高いという点で好ましい。密度が0.880g/cm以上であるとフィルム表面がべたつかず、ブロッキングが生じにくいという点で好ましい。
分子量分布
ゲルパーミュレーションクロマトグラフ(GPC)によって求められる分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.5〜3.5であることが好ましく、1.5〜3.0の値を示すものであることがより好ましい。なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ポリスチレン換算の値である。
分子量分布が3.5以下であると機械的強度が高いという点で好ましい。分子量分布が1.5以上であると、成形時にフィルムが蛇行しにくく安定して成形が可能であるという点で好ましい。
シリコーン樹脂としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーンレジン、シリコーングリス、シリコーンエラストマー、及びシリコーン界面活性剤などが挙げられる。シラノールを持つ化合物の縮合、シランの部分的加水分解、ハロゲンシラン、及びシリルアミンの加水分解などで重合させたシリコーン樹脂でもよい。シリコーン樹脂の市販品としては、東レ・ダウコーニング(株)製SYLGARD184(登録商標)SILICONE ELASTOMER KIT)が入手可能である。
<金属元素を含む黒色無機粒子>
本発明の農業用フィルムは、金属元素を含む黒色無機粒子を含有する。本明細書において、黒色無機粒子は、L*a*b*表色系において、明度L*が30.0以下である無機粒子を意味する。
無機粒子は、無機物質の単体粒子であってもよく、化合物粒子であってもよい。
金属元素を含む黒色無機粒子としては、例えば、金属粒子、合金粒子、岩石粒子、金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子、金属炭化物粒子、金属窒化物粒子、及び金属硫化物粒子が挙げられ、好ましくは、金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子、金属炭化物粒子、金属窒化物粒子、及び金属硫化物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、金属酸化物粒子、金属炭化物粒子、及び金属硫化物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくは、金属酸化物粒子である。
黒色無機粒子に含まれる金属元素としては、例えばMg、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、Th、U、Hf、Ta、W、Re、Au、Hg、Tl、Pb、Bi等が挙げられる。
金属元素を含む黒色無機粒子は、金属元素の他に、さらに、As、Se、及びTe等の元素を含んでいてもよい。
農業用フィルムに含有される、金属元素を含む黒色無機粒子は、明度L*が30.0以下であれば1種以上であってよい。
例えば、金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子、金属炭化物粒子、金属窒化物粒子、及び金属硫化物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
黒色無機粒子を構成する金属酸化物としては、例えば酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化銀、及び酸化レニウム等が挙げられる。
黒色無機粒子を構成する金属水酸化物としては、例えば水酸化マンガン、水酸化鉄、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、水酸化モリブデン、及び水酸化ルテニウム等が挙げられる。
黒色無機粒子を構成する金属炭化物としては、例えば炭化チタン、炭化ニッケル、炭化銅、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化ケイ素、及び炭化タングステン(WC)等が挙げられる。
黒色無機粒子を構成する金属窒化物としては、例えば窒化コバルト、窒化ニッケル、窒化亜鉛、窒化ニオブ、及び窒化インジウム等が挙げられる。
黒色無機粒子を構成する金属硫化物としては、例えば硫化鉄、硫化コバルト、硫化ニッケル、硫化銅、硫化ニオブ、硫化モリブデン(MoS)、及び硫化錫等が挙げられる。
黒色無機粒子を構成する具体的な化合物としては、例えば、CuO、MnO、AgO、FeO、Fe、γ‐Fe、Ni(OH)、CuS、FeS、TaC、NbC、SiC、及びNbNなど種々の化合物が挙げられる。
黒色無機粒子は、好ましくは、Fe粒子、MoS粒子、及びWC粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、Fe粒子である。
金属元素を含む黒色無機粒子の明度L*は、分光測色計を用いて、粉末状態で測定することができる。
本発明の農業用フィルムに含有される、金属元素を含む黒色無機粒子の明度L*は、25.0以下であることが好ましい。
本発明の農業用フィルムに含まれる金属元素を含む黒色無機粒子の含有量は、光透過性樹脂100重量部に対し、0.05〜0.20重量部である。黒色無機粒子の含有量を0.20重量部以下とすることで、農業用フィルムに適した透明性を得ることができる。
本発明の農業用フィルムに含有される、金属元素を含む黒色無機粒子は、レーザー回折散乱法によって測定される体積頻度ヒストグラムにおいて5μm以上の成分の最大体積頻度が2.0%以下である。該最大体積頻度を、2.0%以下とすることで、効率的に光エネルギーを熱エネルギーに変換して放出することができる。5μm以上の成分の最大体積頻度は、1.5%以下であることが好ましい。
また、該体積頻度ヒストグラムにおいて、最頻粒径が600nm以上5μm以下であることが好ましい。該最頻粒径が、5μm以下である場合、光エネルギーを熱エネルギーに効率的に変換する観点から好ましい。
光エネルギーから変換された熱エネルギーは、フィルムの両面から放出され、農業用ハウス内の温度を上昇させることができる。
<添加剤>
本発明に係る農業用フィルムは、光透過性樹脂、及び金属元素を含む黒色無機粒子の他に、添加剤を含有していてもよい。
添加剤の含有量は、農業用フィルム100重量部に対し、5重量部以下であることが好ましい。
本発明に係る農業用フィルムは、通常農業用フィルムに含有される耐候剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤を含有することができる。
また、本発明の農業用フィルム中には、通常合成樹脂に含有される各種添加剤を含有することができる。それらの添加剤としては、例えば、金属の有機酸塩、塩基性有機酸塩及び過塩基性有機酸塩、ハイドロタルサイト化合物、エポキシ化合物、β-ジケトン化合物、多価アルコール、ハロゲン酸素酸塩、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、防霧剤などが挙げられる。
本発明の農業用フィルムは、更に下記の成分を、必要に応じて含有させることができる。この成分としては、例えば、その他安定剤、耐衝撃性改善剤、架橋剤、充填剤、発泡剤、帯電防止剤、造核剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、難燃剤、蛍光剤、殺菌剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、加工助剤などを挙げることができる。
本発明に係る農業用フィルムが多層フィルムである場合、上記添加剤は、1層のみに含有されていてもよいし、複数の層に含有されていてもよいし、全ての層に含有されていてもよい。
<農業用フィルムの製造方法>
本発明の農業用フィルムは、例えば、光透過性樹脂と、金属元素を含む黒色無機粒子とを混合する工程と、得られた混合物を圧縮成形する工程とを含む製造方法によって製造することができる。
混合する工程としては、例えば、各々必要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、単軸又は二軸押出機、ロールなどの配合機や混練機を使用すればよい。
上記混合する工程で得られた混合物をフィルムに成形する工程としては、例えば、溶融押出成形法(Tダイ法、インフレーション法、ブロー成形法を含む)、カレンダー成形法、ロール成形法、溶融流延成形法、加圧成形法、ペースト成形法、粉体成形法等の方法を好適に使用することができる。
本発明の農業フィルムは、光透過性樹脂と金属元素を含む黒色無機粒子との混合物を基板に塗工することによって製造してもよい。基板としては、例えば、公知の農業用フィルムであってよく、上述の防雲性覆膜であってもよい。
公知の農業用フィルムの上に製造することにより、複数の層からなる農業用フィルムを製造することができる。
当該製造方法としては、例えば、光透過性樹脂と、金属元素を含む黒色無機粒子とを混合する工程と、得られた混合物を基板に塗工する工程と、塗工された混合物を硬化させる工程とを含む製造方法が挙げられる。
混合する工程としては、例えば、各々の材料を必要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、単軸又は二軸押出機、ロールなどの配合機や混練機を使用して混合する工程が挙げられる。
塗工する方法としては、例えば、グラビアコーティング、リバースコーティング、刷毛コーティング、スプレーコーティング、キッスコーティング、ダイコーティング、ディッピングなどの公知の方法が挙げられる。
硬化させる方法としては、例えば、硬化剤の添加により硬化させる方法、乾燥により硬化させる方法、光照射により硬化させる方法、及び湿気により硬化させる方法など公知の方法が挙げられる。
農業用フィルムの製造方法において、例えば、光透過性樹脂と、金属元素を含む黒色無機粒子とを混合することにより、光透過性樹脂に金属元素を含む黒色無機粒子を分散させることができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例及び比較例中の試験方法は次の通りである。
(1)金属元素を含む黒色無機粒子(以下、黒色粒子と呼ぶことがある。)における体積頻度ヒストグラム、最頻粒径、5μm以上の成分の最大体積頻度の算出
黒色粒子における体積頻度ヒストグラム、最頻粒径、5μm以上の成分の最大体積頻度は、レーザー回折散乱法により求めた。具体的には、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(マルバーンインストゥルメント社製MASTERSIZER2000)を用い、粒径0.02μmから2000μmの範囲について間隔をロガリズム、サイズバンド数100で出力し、粒度分布の体積頻度ヒストグラムを得た。該体積頻度ヒストグラムに基づいて、体積頻度が最大となる粒径を最頻粒径として算出した。同様に該体積頻度ヒストグラムに基づいて、粒径が5μm以上の成分において体積頻度が最大となる粒径の体積頻度を5μm以上の成分の最大体積頻度として算出した。
本願実施例で用いた後述する黒色粒子1〜13について、最頻粒径、及び5μm以上の成分の最大体積頻度を算出し、結果を表2に示した。
(2)黒色粒子の色相測定
黒色粒子の色相は、分光測色計(コニカミノルタジャパン株式会社製CM−700d)を用い、粉末状態で測定した。
本願実施例で用いた後述する黒色粒子1〜13について色相を測定し、結果を表2に示した。
(3)疑似太陽光照射時の表面温度上昇値試験
疑似太陽光が照射される表面の上昇温度値は、ソーラーシミュレーター(分光計器株式会社製OTENTO−SUNII、AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm2)を用いて測定用サンプルに一定の光を1分間照射し、サーモグラフィー装置(日本アビオニクス株式会社製サーモトレーサTH−9100)を用いて、光照射前後の表面温度を測定し、(光照射後の温度)−(光照射前の温度)の値から算出した。
なお、実施例3〜10、及び比較例2〜5においては、測定時におけるフィルムの弛みを防止し、測定再現性を高めるため、ポリエチレンテレフタレートフィルムの上に塗工し、硬化させた二層フィルムの状態で測定した。
(4)透明性試験
後述する光透過性樹脂1及び2、並びに実施例1〜10、及び比較例1〜5で得られたフィルムに対し、全光線透過率Tt、及びヘイズの測定を行った。
全光線透過率TtはJIS K 7361に準拠して、直読式ヘイズコンピュータ(スガ試験機株式会社製 HGM−2DP)を用いて行った。ヘイズの測定は、JIS K7105に準拠し、直読式ヘイズコンピュータ(スガ試験機株式会社製 HGM−2DP)を用いて行った。測定光は、JIS Z8113に規定されているC光を使用した。
測定光は、厚み100μmの光透過性樹脂フィルムの厚み方向と並行に照射した。
なお、実施例3〜10、及び比較例2〜3においては、測定時におけるフィルムの弛みを防止し、測定再現性を高めるため、測定再現性を高めるため、ポリエチレンテレフタレートフィルムの上に塗工し、硬化させた二層フィルムの状態で測定した。
次に実施例1〜10、比較例1〜5について説明する。
原料には表1、及び表2に記載の光透過性樹脂、及び黒色粒子を使用した。
[実施例1〜2、比較例1]
低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製 低密度ポリエチレンF200−0、MFR2、d=0.922、以下、光透過性樹脂1と呼ぶことがある)と、黒色粒子(森下弁柄工業株式会社製 MTB−30、酸化二鉄(III)鉄(II)、以下、黒色粒子2と呼ぶことがある)とを、それぞれ表3に記載の重量比で配合し、混練装置(株式会社東洋精機製作所製ラボプラストミル30C150)を用い、回転数60rpm、温度150℃、予熱1分間、混練時間10分間で造粒することにより、ペレットを得た。
該ペレットを1mmの金型、及び圧縮成型機(株式会社神藤金属工業所製NF−37)を用い、圧縮圧80kg/cm、温度150℃、加熱圧縮5分間、冷却5分間で、100μmのプレスシートを得た。
それぞれのプレスシートについて、表面温度上昇値試験、及び透明性試験を行い、結果を表3に示した。
[実施例3]
シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング株式会社「SYLGARD184(登録商標)」SILICONE ELASTOMER KIT、以下、光透過性樹脂2と呼ぶことがある)に、黒色粒子(和光純薬株式会社製 酸化二鉄(III)鉄(II)、以下黒色粒子1と呼ぶことがある)を、光透過性樹脂100重量部に対して、黒色粒子0.05重量部の割合で配合し、樹脂組成物を得た。
該樹脂組成物を自動塗工装置(テスター産業株式会社製PI−1210 FILMCOATER)にて厚さ100μmでポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製E5000、100μm)上に塗工し、110℃で3時間、熱風乾燥を行い、厚み100μmのフィルムを得た。
得られたフィルムについて、表面温度上昇値試験、及び透明性試験を行い、結果を表3に示した。
[実施例4]
光透過性樹脂2と黒色粒子1とを、光透過性樹脂100重量部に対して、黒色粒子0.10重量部の割合で配合し、樹脂組成物を得る以外は、実施例3と同様にフィルムを製造し、試験を行った。結果を表3に示した。
[実施例5]
光透過性樹脂2と黒色粒子2とを、光透過性樹脂100重量部に対して、黒色粒子0.10重量部の割合で配合し、樹脂組成物を得た以外は、実施例3と同様にフィルムを製造し、試験を行った。結果を表3に示した。
[実施例6]
黒色粒子2と、黒色粒子(株式会社高純度化学研究所製 FE017PB、酸化二鉄(III)鉄(II)、以下黒色粒子3と呼ぶことがある)とを、重量比6:4で混合し、得られた混合物を黒色粒子4とした。
光透過性樹脂2と黒色粒子4とを、光透過性樹脂100重量部に対して、黒色粒子0.10重量部の割合で配合し、樹脂組成物を得た以外は、実施例3と同様にフィルムを製造し、試験を行った。結果を表3に示した。
[実施例7]
光透過性樹脂2と黒色粒子(日本新金属株式会社製 WC−10、炭化タングステン、以下黒色粒子6と呼ぶことがある)とを、光透過性樹脂100重量部に対して、黒色粒子0.10重量部の割合で配合し、樹脂組成物を得る以外は、実施例3と同様にフィルムを製造し、試験を行った。結果を表4に示した。
[実施例8]
黒色粒子6と、黒色粒子(日本新金属株式会社製 WC−50、炭化タングステン、以下黒色粒子7と呼ぶことがある)とを、重量比8:2で混合し、得られた混合物を黒色粒子8とした。
光透過性樹脂2と黒色粒子8とを、光透過性樹脂100重量部に対して、黒色粒子0.10重量部の割合で配合し、樹脂組成物を得る以外は、実施例3と同様にフィルムを製造し、試験を行った。結果を表4に示した。
[実施例9]
光透過性樹脂2と黒色粒子(開拓者モリブデン業製 SF、硫化モリブデン、以下黒色粒子10と呼ぶことがある)とを、光透過性樹脂100重量部に対して、黒色粒子0.10重量部の割合で配合し、樹脂組成物を得る以外は、実施例3と同様にフィルムを製造し、試験を行った。結果を表4に示した。
[実施例10]
黒色粒子10と、黒色粒子(開拓者モリブデン業製 TF、硫化モリブデン、以下黒色粒子11と呼ぶことがある)とを、重量比8:2で混合し、得られた混合物を黒色粒子12とした。
光透過性樹脂2と黒色粒子12とを、光透過性樹脂100重量部に対して、黒色粒子0.10重量部の割合で配合し、樹脂組成物を得る以外は、実施例3と同様にフィルムを製造し、試験を行った。結果を表4に示した。
[比較例2]
黒色粒子を用いずに、光透過性樹脂2を樹脂組成物とした以外は、実施例3と同様にフィルムを製造し、試験を行った。結果を表3に示した。
[比較例3]
黒色粒子2と、黒色粒子3とを、重量比4:6で混合し、得られた混合物を黒色粒子5とした。
光透過性樹脂2と黒色粒子5とを、光透過性樹脂100重量部に対して、黒色粒子0.10重量部の割合で配合し、樹脂組成物を得た以外は、実施例3と同様にフィルムを製造し、試験を行った。結果を表3に示した。
[比較例4]
黒色粒子6と、黒色粒子7とを、重量比7:3で混合し、得られた混合物を黒色粒子9とした。
光透過性樹脂2と黒色粒子9とを、光透過性樹脂100重量部に対して、黒色粒子0.10重量部の割合で配合し、樹脂組成物を得た以外は、実施例3と同様にフィルムを製造し、試験を行った。結果を表4に示した。
[比較例5]
黒色粒子10と、黒色粒子11とを、重量比6:4で混合し、得られた混合物を黒色粒子13とした。
光透過性樹脂2と黒色粒子13とを、光透過性樹脂100重量部に対して、黒色粒子0.10重量部の割合で配合し、樹脂組成物を得た以外は、実施例3と同様にフィルムを製造し、試験を行った。結果を表4に示した。
Figure 0006380706
Figure 0006380706
Figure 0006380706
Figure 0006380706
表3及び表4の結果は、本発明のフィルムによれば、太陽光を透過させるとともに、光熱変換により、それ自体が発熱し、フィルム表面の温度を十分に上昇させることができることを示している。具体的には、表3において、共通の光透過性樹脂を用いて本発明に規定の黒色無機粒子を規定量含むことにより、上記光学特性を保ちつつ、当該黒色無機粒子を含まないフィルムに比べてフィルム表面の上昇温度値が良好であることが観察された(比較例1に対する実施例1〜2及び比較例2に対する実施例3〜6)。また表3及び表4においては、本発明に規定の各種の黒色の黒色無機粒子を用いたフィルムで上記発明の効果が観察されたのに対し(実施例1〜10)、同一の光透過性樹脂を用いても本発明に規定された黒色無機粒子ではない黒色無機粒子を含んだフィルムでは、その効果は得られないことが観察された(実施例3〜6に対する比較例3、及び実施例7〜10に対する比較例4〜5)。

Claims (4)

  1. 金属元素を含む黒色無機粒子と、光透過性樹脂とを含有し、前記金属元素を含む黒色無機粒子が、金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子、金属炭化物粒子、金属窒化物粒子、及び金属硫化物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種であって、前記金属元素を含む黒色無機粒子の含有量が、前記光透過性樹脂100重量部に対して0.05重量部以上0.20重量部以下であり、前記金属元素を含む黒色無機粒子はレーザー回折散乱法によって測定される体積頻度ヒストグラムにおいて、5μm以上の成分の最大体積頻度が2.0%以下である粒度分布を有する、農業用フィルム。
  2. 前記金属元素を含む黒色無機粒子が、レーザー回折散乱法によって測定される体積頻度ヒストグラムにおいて、最頻粒径が600nm以上5μm以下である粒度分布を有する、請求項1に記載の農業用フィルム。
  3. 前記金属元素を含む黒色無機粒子が、Fe粒子、MoS粒子、及びWC粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の農業用フィルム。
  4. 前記光透過性樹脂が、ポリオレフィン樹脂またはシリコーン樹脂である、請求項1〜のいずれか1項に記載の農業用フィルム。
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