JP2013234290A - 導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート - Google Patents
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Abstract
【課題】熱可塑性樹脂中への導電性フィラーの分散性が良好であり、シート又はフィルムに加工した場合であっても、その表面への導電性フィラーの凝集物の発生が抑制され、高い表面平滑性と耐衝撃性とを兼ね備えた導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートの提供。
【解決手段】(A)ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンエーテル、及びポリエチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、(B)ジメチルポリシロキサンを2次元で架橋したシリコーンゴム粒子と、(C)カーボンブラックとを含有し、前記(A)成分100質量部に対する、前記(B)成分の含有量が3質量部〜25質量部である導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートである。
【選択図】なし
【解決手段】(A)ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンエーテル、及びポリエチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、(B)ジメチルポリシロキサンを2次元で架橋したシリコーンゴム粒子と、(C)カーボンブラックとを含有し、前記(A)成分100質量部に対する、前記(B)成分の含有量が3質量部〜25質量部である導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートである。
【選択図】なし
Description
本発明は、導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートに関する。
熱可塑性樹脂にカーボンブラックのような導電性フィラーを溶融混練して製造される導電性熱可塑性樹脂を薄肉成形した導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートは、一般的に、半導体や電子部品の輸送や保管などに使用されている。導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートには、優れた導電性と表面平滑性が求められている。
熱可塑性樹脂に導電性を付与する方法としては、カーボンブラックや炭素繊維等の導電性フィラーを2軸押出機やバンバリーミキサーなどで溶融混練する方法が一般的に行われている(特許文献1参照)。
しかし、このような熱可塑性樹脂にカーボンブラックを溶融混練する方法で製造された導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートを薄肉成形した場合、その表面にカーボンブラックの凝集物が発生するという問題がある。特に、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂を用いたシート又はフィルムにおいては、前記カーボンブラックの分散性が悪く、シート又はフィルム中でカーボンブラックの凝集体が形成される。なお、JIS包装用語規格によると、厚さが250μm未満のプラスチックの膜状のものをフィルムといい、厚さが250μm以上のプラスチックの薄い板状のものをシートという。このカーボンブラックの凝集体の大きさは、樹脂の混練、成形方法によっても異なるが、一般的に5μm以上であり、これが前記シート又は前記フィルムの表面に凝集物として現れてしまい、突起物となってフィルム又はシートの表面平滑性を損なうなどの様々な問題が生じることがある。このカーボンブラックの凝集体が脱落することで半導体がショートするという不具合が生じることがある。
しかし、このような熱可塑性樹脂にカーボンブラックを溶融混練する方法で製造された導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートを薄肉成形した場合、その表面にカーボンブラックの凝集物が発生するという問題がある。特に、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂を用いたシート又はフィルムにおいては、前記カーボンブラックの分散性が悪く、シート又はフィルム中でカーボンブラックの凝集体が形成される。なお、JIS包装用語規格によると、厚さが250μm未満のプラスチックの膜状のものをフィルムといい、厚さが250μm以上のプラスチックの薄い板状のものをシートという。このカーボンブラックの凝集体の大きさは、樹脂の混練、成形方法によっても異なるが、一般的に5μm以上であり、これが前記シート又は前記フィルムの表面に凝集物として現れてしまい、突起物となってフィルム又はシートの表面平滑性を損なうなどの様々な問題が生じることがある。このカーボンブラックの凝集体が脱落することで半導体がショートするという不具合が生じることがある。
したがって、熱可塑性樹脂中への導電性フィラーの分散性が良好であり、シート又はフィルムに加工した場合であっても、その表面への導電性フィラーの凝集物の発生が抑制され、導電性と高い表面平滑性とを兼ね備えた導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートの提供が望まれているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、熱可塑性樹脂中への導電性フィラーの分散性が良好であり、シート又はフィルムに加工した場合であっても、その表面への導電性フィラーの凝集物の発生が抑制され、高い表面平滑性と耐衝撃性とを兼ね備えた導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンエーテル、及びポリエチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、
(B)ジメチルポリシロキサンを2次元で架橋したシリコーンゴム粒子と、
(C)カーボンブラックとを含有し、
前記(A)成分100質量部に対する、前記(B)成分の含有量が3質量部〜25質量部であることを特徴とする導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートである。
<2> (B)成分のシロキサン結合の数が5,000〜10,000である前記<1>に記載の導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートである。
<3> (A)成分が、メルトフローレート10g/10分間〜20g/10分間のポリカーボネートであり、(C)成分が、DBP吸油量100mL/100g〜700mL/100gのカーボンブラックである前記<1>から<2>のいずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートである。
<1> (A)ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンエーテル、及びポリエチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、
(B)ジメチルポリシロキサンを2次元で架橋したシリコーンゴム粒子と、
(C)カーボンブラックとを含有し、
前記(A)成分100質量部に対する、前記(B)成分の含有量が3質量部〜25質量部であることを特徴とする導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートである。
<2> (B)成分のシロキサン結合の数が5,000〜10,000である前記<1>に記載の導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートである。
<3> (A)成分が、メルトフローレート10g/10分間〜20g/10分間のポリカーボネートであり、(C)成分が、DBP吸油量100mL/100g〜700mL/100gのカーボンブラックである前記<1>から<2>のいずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートである。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、熱可塑性樹脂中への導電性フィラーの分散性が良好であり、シート又はフィルムに加工した場合であっても、その表面への導電性フィラーの凝集物の発生が抑制され、高い表面平滑性と耐衝撃性とを兼ね備えた導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートを提供することができる。
(導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート)
本発明の導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートは、熱可塑性樹脂(以下、「(A)成分」と称することがある)と、ジメチルポリシロキサンを2次元で架橋したシリコーンゴム粒子(以下、「(B)成分」と称することがある)と、カーボンブラック(以下、「(C)成分」と称することがある)とを少なくとも含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
本発明の導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートは、熱可塑性樹脂(以下、「(A)成分」と称することがある)と、ジメチルポリシロキサンを2次元で架橋したシリコーンゴム粒子(以下、「(B)成分」と称することがある)と、カーボンブラック(以下、「(C)成分」と称することがある)とを少なくとも含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
<(A)熱可塑性樹脂>
前記熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、及びポリエチレンテレフタレート(PET)から選ばれる少なくとも1種である。
前記熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、及びポリエチレンテレフタレート(PET)から選ばれる少なくとも1種である。
<<ポリカーボネート(PC)>>
前記ポリカーボネート(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ポリカーボネート、芳香族ポリカーボネートなどが挙げられる。これらの中でも、芳香族ポリカーボネートが好ましい。前記ポリカーボネートは、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
前記ポリカーボネート(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ポリカーボネート、芳香族ポリカーボネートなどが挙げられる。これらの中でも、芳香族ポリカーボネートが好ましい。前記ポリカーボネートは、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
前記ポリカーボネートを合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価フェノールとカーボネート前駆体との溶液法又は溶融法等により合成する方法などが挙げられる。また、必要に応じて、分子量調整剤、分岐剤、触媒等を適宜使用してもよい。
−2価フェノール−
前記2価フェノールとしては、例えば、ビスフェノールA〔2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〕、ヒドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシジフェニル)ペンタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、5’−クロロ−2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジクロロジフェニルエーテル、ビス(4−ジヒドロキシ−5−プロピルフェニル)メタン、ビス(4−ジヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−エチルフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、市場での入手の容易性の点で、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系化合物が好ましく、ビスフェノールAが特に好ましい。
前記2価フェノールとしては、例えば、ビスフェノールA〔2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〕、ヒドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシジフェニル)ペンタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、5’−クロロ−2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジクロロジフェニルエーテル、ビス(4−ジヒドロキシ−5−プロピルフェニル)メタン、ビス(4−ジヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−エチルフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、市場での入手の容易性の点で、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系化合物が好ましく、ビスフェノールAが特に好ましい。
−カーボネート前駆体−
前記カーボネート前駆体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボニルハライド、カーボネート、ハロホルメートなどが挙げられる。
前記カーボネート前駆体の具体的として、ホスゲン、ジフェニルカーボネート、2価フェノールのジハロホルメート、これらの混合物などが挙げられる。
前記カーボネート前駆体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボニルハライド、カーボネート、ハロホルメートなどが挙げられる。
前記カーボネート前駆体の具体的として、ホスゲン、ジフェニルカーボネート、2価フェノールのジハロホルメート、これらの混合物などが挙げられる。
前記ポリカーボネートのメルトフローレート(MFR)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが5g/10分間〜60g/10分間が好ましく、10g/10分間〜20g/10分間がより好ましい。前記MFRが、5g/10分間未満であると、前記(B)成分や前記(C)成分の濡れ性が悪くなり、これらの分散性が低下して表面平滑性が悪くなることがあり、60g/10分間を超えると、剪断エネルギーが伝わりにくく、前記(B)成分や前記(C)成分の分散性が低下して表面平滑性が悪くなることがある。なお、MFRは、その値が低いほど、粘度が高いことを示す。
前記MFRは、ISO1133に準拠し測定した値である。測定条件は、測定温度300℃、荷重11.77Nの条件で測定した値である。
前記MFRは、ISO1133に準拠し測定した値である。測定条件は、測定温度300℃、荷重11.77Nの条件で測定した値である。
<<ポリエチレン(PE)>>
前記ポリエチレン(PE)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、低密度ポリエチレンであってもよく、高密度ポリエチレンであってもよいが、低密度ポリエチレンが好ましい。
前記ポリエチレンとしては、例えば、エチレンの単独重合体やエチレンを主成分とする共重合体などが挙げられる。
前記エチレンを主成分とする共重合体としては、例えば、エチレンと、α−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)とを共重合してなる共重合体などが挙げられる。前記エチレンを主成分とする共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
これらのポリエチレンは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記ポリエチレンは、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
前記ポリエチレン(PE)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、低密度ポリエチレンであってもよく、高密度ポリエチレンであってもよいが、低密度ポリエチレンが好ましい。
前記ポリエチレンとしては、例えば、エチレンの単独重合体やエチレンを主成分とする共重合体などが挙げられる。
前記エチレンを主成分とする共重合体としては、例えば、エチレンと、α−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)とを共重合してなる共重合体などが挙げられる。前記エチレンを主成分とする共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
これらのポリエチレンは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記ポリエチレンは、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
<<ポリプロピレン(PP)>>
前記ポリプロピレン(PP)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロピレンの単独重合体やプロピレンを主成分とする共重合体などが挙げられる。
前記プロピレンを主成分とする共重合体としては、例えば、プロピレンと、α−オレフィン(例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)とを共重合してなる共重合体などが挙げられる。前記プロピレンを主成分とする共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
これらのポリプロピレンは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記ポリプロピレンは、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
前記ポリプロピレン(PP)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロピレンの単独重合体やプロピレンを主成分とする共重合体などが挙げられる。
前記プロピレンを主成分とする共重合体としては、例えば、プロピレンと、α−オレフィン(例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)とを共重合してなる共重合体などが挙げられる。前記プロピレンを主成分とする共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
これらのポリプロピレンは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記ポリプロピレンは、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
<<ポリフェニレンエーテル(PPE)>>
前記ポリフェニレンエーテル(PPE)としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、2,6−キシレノールの重合によって得られる非結晶性樹脂であるポリフェニレンオキサイドが好ましい。
前記ポリフェニレンエーテルは、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
前記ポリフェニレンエーテル(PPE)としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、2,6−キシレノールの重合によって得られる非結晶性樹脂であるポリフェニレンオキサイドが好ましい。
前記ポリフェニレンエーテルは、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
前記ポリフェニレンエーテルの合成品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノールなどを酸化カップリングにより合成されるポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレン)エーテル、又はポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル)等の単独重合体、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール等の共重合体、又はこれらの重合体が無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸などにより変性された重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、通常のポリフェニレンエーテルは、単独では加工が困難であるために、共重合体にするか、あるいはポリスチレン系樹脂等とブレンドすることにより改質して使用される。
<<ポリエチレンテレフタレート(PET)>>
前記ポリエチレンテレフタレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記ポリエチレンテレフタレートは、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
前記ポリエチレンテレフタレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記ポリエチレンテレフタレートは、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
これらの中でも、前記(A)成分は、ポリカーボネートが好ましく、メルトフローレート10g/10分間〜20g/10分間のポリカーボネートが特に好ましい。
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート中の前記(A)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30質量%〜95質量%が好ましく、50質量%〜80質量%がより好ましい。前記(A)成分の含有量が、30質量%未満であると、前記熱可塑性樹脂の機械的物性が大きく低下し、本来の熱可塑性樹脂の性能を発揮できずフィルム及びシートを成形するのが困難となることがある。また、前記(A)成分の含有量が、95質量%を超えると前記(C)成分を配合することができず導電性が不十分となることがある。
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート中の前記(A)成分の含有量は、例えば、熱重量測定(TG、TG−DTA)などにより測定することができる。
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート中の前記(A)成分の含有量は、例えば、熱重量測定(TG、TG−DTA)などにより測定することができる。
<(B)ジメチルポリシロキサンを2次元で架橋したシリコーンゴム粒子>
前記ジメチルポリシロキサンを2次元で架橋したシリコーンゴム粒子は、シロキサン結合(−Si−O−Si−O−)を主鎖とする重合体であり、前記Siは、有機基を有していてもよい。前記ジメチルポリシロキサンは、直鎖状のジメチルポリシロキサンである。また、前記(B)成分は、熱可塑性を有するものである。
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートに前記(B)成分を配合すると、前記カーボンブラックの分散効果が著しく向上し、高い表面平滑性と優れた耐衝撃性を兼ね備えることができる点で有利である。
なお、本発明において、「シリコーンゴム粒子」とは、常温(15℃〜35℃)で固形ゴム状あるいは固形粉末状であるシリコーンゴムであることを意味する。
前記ジメチルポリシロキサンを2次元で架橋したシリコーンゴム粒子は、シロキサン結合(−Si−O−Si−O−)を主鎖とする重合体であり、前記Siは、有機基を有していてもよい。前記ジメチルポリシロキサンは、直鎖状のジメチルポリシロキサンである。また、前記(B)成分は、熱可塑性を有するものである。
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートに前記(B)成分を配合すると、前記カーボンブラックの分散効果が著しく向上し、高い表面平滑性と優れた耐衝撃性を兼ね備えることができる点で有利である。
なお、本発明において、「シリコーンゴム粒子」とは、常温(15℃〜35℃)で固形ゴム状あるいは固形粉末状であるシリコーンゴムであることを意味する。
前記(B)成分の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積平均粒径が、0.01μm〜10μmが好ましく、0.1μm〜8μmがより好ましい。前記体積平均粒径が、0.01μm未満であると、前記(A)成分や前記(C)成分の分散性が低下して表面平滑性が悪くなることがあり、10μmを超えると、耐衝撃性が低下することがある。なお、前記体積平均粒径は、例えば、レーザー回折法により測定することができる。
前記(B)成分の真比重としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.90〜1.5が好ましく、0.95〜1.4がより好ましい。
前記(B)成分のシロキサン結合の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5,000〜10,000が好ましい。前記シロキサン結合の数が、5,000未満であると、前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートからブリードアウトしやすくなることがある。
前記(B)成分は、ジメチルポリシロキサンを2次元で架橋したシリコーンゴム粒子を含む限り、該(B)成分をシリカに含浸させたもの(以下、「シリカ含浸(B)成分」と称することがある)であってもよく、該(B)成分の周囲を3次元架橋構造を有するシリコーン樹脂粉末で被覆されたもの(以下、「シリコーン複合粒子」と称することがある)であってもよい。
ただし、前記(B)成分が前記シリカ含浸(B)成分である場合、該シリカ含浸(B)成分中の(B)成分の含有量が、65%以上であることが必要である。前記(B)成分の含有量が65%未満であると、耐衝撃性が低下することや、平滑性が悪くなることがある。
また、前記(B)成分が前記シリコーン複合粒子である場合、該(B)成分に対する該被覆成分(3次元架橋構造を有するシリコーン樹脂粉末)の被覆率が50%未満であることが必要である。前記被覆率が50%を超えると、耐衝撃性が低下することや、平滑性が悪くなることがある。
ただし、前記(B)成分が前記シリカ含浸(B)成分である場合、該シリカ含浸(B)成分中の(B)成分の含有量が、65%以上であることが必要である。前記(B)成分の含有量が65%未満であると、耐衝撃性が低下することや、平滑性が悪くなることがある。
また、前記(B)成分が前記シリコーン複合粒子である場合、該(B)成分に対する該被覆成分(3次元架橋構造を有するシリコーン樹脂粉末)の被覆率が50%未満であることが必要である。前記被覆率が50%を超えると、耐衝撃性が低下することや、平滑性が悪くなることがある。
前記(B)成分は、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
前記(B)成分の市販品の具体例としては、商品名で、KMP−597、KMP−598、KMP−594、X−52−875(以上、信越化学工業株式会社製)等のシリコーンゴム粒子;KMP−605、X−52−7030(以上、信越化学工業株式会社製)等のシリコーン複合粒子;GENIOPLAST(登録商標) Pellet S(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)等のシリカ含浸(B)成分などが挙げられる。
前記(B)成分の市販品の具体例としては、商品名で、KMP−597、KMP−598、KMP−594、X−52−875(以上、信越化学工業株式会社製)等のシリコーンゴム粒子;KMP−605、X−52−7030(以上、信越化学工業株式会社製)等のシリコーン複合粒子;GENIOPLAST(登録商標) Pellet S(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)等のシリカ含浸(B)成分などが挙げられる。
前記(B)成分の含有量としては、前記(A)成分100質量部に対して、3質量部〜25質量部であるが、3質量部〜20質量部が好ましく、3質量部〜15質量部がより好ましい。前記(B)成分の含有量が、3質量部未満であると、前記(A)成分や前記(C)成分の分散性が低下して表面平滑性が悪くなることがあり、25質量部を超えると、前記(B)成分を前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートに均一に分散することが困難になることがある。
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート中の前記(B)成分の含有量は、例えば、熱重量測定(TG、TG−DTA)などにより測定することができる。
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート中の前記(B)成分の含有量は、例えば、熱重量測定(TG、TG−DTA)などにより測定することができる。
<<(C)カーボンブラック>>
前記カーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オイルファーネス法によって製造されるファーネスブラック、特殊ファーネス法によって製造されるケッチェンブラック、アセチレンガスを原料として製造されるアセチレンブラック、閉鎖空間で原料を直燃して製造されるランプブラック、天然ガスの熱分解によって製造されるサーマルブラック、拡散炎をチャンネル鋼の底面に接触させて捕捉するチャンネルブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記カーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オイルファーネス法によって製造されるファーネスブラック、特殊ファーネス法によって製造されるケッチェンブラック、アセチレンガスを原料として製造されるアセチレンブラック、閉鎖空間で原料を直燃して製造されるランプブラック、天然ガスの熱分解によって製造されるサーマルブラック、拡散炎をチャンネル鋼の底面に接触させて捕捉するチャンネルブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記(C)成分のDBP(フタル酸ジブチル)吸油量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100mL/100g〜700mL/100gが好ましく、100mL/100g〜400mL/100gがより好ましく、170mL/100g〜370mL/100gが特に好ましい。
前記DBP吸油量が100mL/100g未満であると、前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートが半導電領域に達するまでに前記(C)成分を多量に配合することが必要となり、そのため導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートの機械的強度が低下することや、該導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート自身が有する流動性を著しく低下させるため、成形性が悪化することがある。前記DBP吸油量が700mL/100gを超えると、前記(C)成分が凝集しやすく分散性が低下して表面平滑性が悪くなることがある。一方、前記DBP吸油量を前記特に好ましい範囲とすることにより、流動性がより優れたものとなり、好適である。また、前記DBP吸油量が異なる2種類以上の(C)成分を任意の比率で混合して用いてもよい。この場合は、前記2種類以上の(C)成分のDBP吸油量を前記好ましい範囲内とすることが望ましい、
なお、本発明において、前記DBP吸油量は、ASTM D2414に準拠して測定した値である。
前記DBP吸油量が100mL/100g未満であると、前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートが半導電領域に達するまでに前記(C)成分を多量に配合することが必要となり、そのため導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートの機械的強度が低下することや、該導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート自身が有する流動性を著しく低下させるため、成形性が悪化することがある。前記DBP吸油量が700mL/100gを超えると、前記(C)成分が凝集しやすく分散性が低下して表面平滑性が悪くなることがある。一方、前記DBP吸油量を前記特に好ましい範囲とすることにより、流動性がより優れたものとなり、好適である。また、前記DBP吸油量が異なる2種類以上の(C)成分を任意の比率で混合して用いてもよい。この場合は、前記2種類以上の(C)成分のDBP吸油量を前記好ましい範囲内とすることが望ましい、
なお、本発明において、前記DBP吸油量は、ASTM D2414に準拠して測定した値である。
前記(C)成分は、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。前記(C)成分の市販品の具体的としては、商品名で、ケッチェンブラックEC300J(DBP吸油量360mL/100g、ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製)、アセチレンブラック(DBP吸油量210mL/100g、電気化学工業株式会社製)、エンサコ250G(DBP吸油量190mL/100g、TIMCAL社製)などが挙げられる。
前記(C)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜30質量%が好ましく、6質量%〜20質量%がより好ましい。前記(C)成分の含有量が、5質量%未満であると、前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートに導電性を付与することができないことがあり、30質量%を超えると、前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートを成形する前の導電性熱可塑性樹脂組成物の粘度が上昇して成形性が悪くなることや、機械強度が低下し、耐衝撃性、屈曲性、引張物性などが悪くなることがある。
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート中の前記(C)成分の含有量は、例えば、熱重量測定(TG、TG−DTA)などにより測定することができる。
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート中の前記(C)成分の含有量は、例えば、熱重量測定(TG、TG−DTA)などにより測定することができる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、染料、前記(A)成分以外の熱可塑性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、染料、前記(A)成分以外の熱可塑性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記(A)成分以外の熱可塑性樹脂としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリレート又はメタクリレートと他の化合物との共重合体、スチレン系樹脂、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、熱可塑性エラストマー、ポリアセタール、ポリサルフォン、変性ポリサルフォン、ポリアリルサルフォン、ポリケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、スーパーエンジニアプラスチックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートの厚みとしては、特に制限はなく、用途等に応じて適宜選択することができるが、25μm〜800μmが好ましい。
なお、JIS包装用語規格によると、厚みが250μm未満のプラスチックの膜状のものをフィルムといい、厚みが250μm以上のプラスチックの薄い板状のものをシートという。
なお、JIS包装用語規格によると、厚みが250μm未満のプラスチックの膜状のものをフィルムといい、厚みが250μm以上のプラスチックの薄い板状のものをシートという。
<特性>
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートは、表面平滑性に優れるものである。本発明において、表面平滑性とは、160cm2の前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートの表面を目視して観察し、このフィルム中の5μmを超える突起物(ブツ)の数を数え、これを少なくとも5枚のフィルム(160cm2/枚)について行い、少なくとも5枚の突起物(ブツ)の数の平均値が40.0個以下のものを、表面平滑性を有する導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートとする。
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートは、表面平滑性に優れるものである。本発明において、表面平滑性とは、160cm2の前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートの表面を目視して観察し、このフィルム中の5μmを超える突起物(ブツ)の数を数え、これを少なくとも5枚のフィルム(160cm2/枚)について行い、少なくとも5枚の突起物(ブツ)の数の平均値が40.0個以下のものを、表面平滑性を有する導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートとする。
また、前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートは、耐衝撃性に優れるものである。本発明において、耐衝撃性とは、ISO179に準拠して測定したシャルピー衝撃強度が5.0kJ/m2以上であることをいう。
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートの導電性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表面抵抗率が、1×102Ω〜1×1012Ωが好ましく、1×104Ω〜1×1010Ωがより好ましい。
前記表面抵抗率は、ASTM D257に準拠して測定することができる。
前記表面抵抗率は、ASTM D257に準拠して測定することができる。
<導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートの製造方法>
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートを製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、溶融混練工程と、成形工程とを含むことが好ましく、必要に応じて、更にその他の工程を含んでいてもよい。
前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートを製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、溶融混練工程と、成形工程とを含むことが好ましく、必要に応じて、更にその他の工程を含んでいてもよい。
<<溶融混練工程>>
前記溶融混練工程は、前記(A)成分と、前記(B)成分と、前記(C)成分と、必要に応じて、前記その他の成分とを溶融混練する工程である。これにより、ペレット状の導電性熱可塑性樹脂組成物が得られる。
前記溶融混練工程は、前記(A)成分と、前記(B)成分と、前記(C)成分と、必要に応じて、前記その他の成分とを溶融混練する工程である。これにより、ペレット状の導電性熱可塑性樹脂組成物が得られる。
前記導電性熱可塑性樹脂組成物中の各成分は、前記各成分が別々に調製された後に、これらを合せて溶融混練されてもよく、前記各成分が同時に溶融混練されてもよい。
前記各成分が別々に調製される場合、該各成分の混合は、ヘンシェルミキサー、ブレンダー、タンブラー等の混合機を利用して乾式予備混練することが好ましい。
前記各成分が別々に調製される場合、該各成分の混合は、ヘンシェルミキサー、ブレンダー、タンブラー等の混合機を利用して乾式予備混練することが好ましい。
前記溶融混練する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の溶融混練機を用いる方法などが挙げられる。
前記溶融混練機としては、例えば、熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押出混練機などが挙げられる。これらの中でも、押出混練機が好ましく、2軸押出混練機がより好ましい。
前記溶融混練機としては、例えば、熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押出混練機などが挙げられる。これらの中でも、押出混練機が好ましく、2軸押出混練機がより好ましい。
前記導電性熱可塑性樹脂組成物は、前記溶融混練機によりストランド状に押し出されることが好ましい。押し出された導電性熱可塑性樹脂組成物は、空冷又は水冷により冷却された後、切断機(例えば、ペレタイザー)にてペレット状に切断される。
<<成形工程>>
前記成形工程は、前記導電性熱可塑性樹脂組成物(好ましくは、ペレット状の導電性熱可塑性樹脂組成物)を、フィルム又はシートに成形する工程である。
前記成形する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インフレーション法、Tダイ法等の押出成形法、カレンダー法などが挙げられる。これらの中でも、製膜性や安定生産性の面から、押出成形法が好ましく、Tダイ法がより好ましい。
前記成形工程は、前記導電性熱可塑性樹脂組成物(好ましくは、ペレット状の導電性熱可塑性樹脂組成物)を、フィルム又はシートに成形する工程である。
前記成形する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インフレーション法、Tダイ法等の押出成形法、カレンダー法などが挙げられる。これらの中でも、製膜性や安定生産性の面から、押出成形法が好ましく、Tダイ法がより好ましい。
前記成形工程の成形温度としては、特に制限はなく、前記導電性熱可塑性樹脂組成物の流動特性や製膜性等に応じて適宜選択することができるが、概ね400℃以下で行うことが好ましい。
<用途>
本発明の導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートは、熱可塑性樹脂中への導電性フィラーの分散性が良好であり、シート又はフィルムに加工した場合であっても、その表面への導電性フィラーの凝集物の発生が抑制され、高い表面平滑性と耐衝撃性とを兼ね備えているため、例えば、電子部品搬送用(例えば、IC(integrated circuit)チップ、LSI(large scale integration)、LED(light emitting diode)等)キャリアテープ、電子部品搬送用キャリアテープ用のカバーテープ、テープオートメーテッドボンディング(TAB)用スペーサーテープ、電子部品搬送用トレー等の電気部品用途や電子部品用途などに好適に用いることができる。
本発明の導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートは、熱可塑性樹脂中への導電性フィラーの分散性が良好であり、シート又はフィルムに加工した場合であっても、その表面への導電性フィラーの凝集物の発生が抑制され、高い表面平滑性と耐衝撃性とを兼ね備えているため、例えば、電子部品搬送用(例えば、IC(integrated circuit)チップ、LSI(large scale integration)、LED(light emitting diode)等)キャリアテープ、電子部品搬送用キャリアテープ用のカバーテープ、テープオートメーテッドボンディング(TAB)用スペーサーテープ、電子部品搬送用トレー等の電気部品用途や電子部品用途などに好適に用いることができる。
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜3)
下記表1及び2に示す各成分を、表1に示す配合量で、ベント付き同方向二軸押出機(ナカタニ機械株式会社製)を用いて混練し、ストランドカット法により導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートをペレット化した。得られた前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートのペレットからインフレーション成形機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて厚み150μmのフィルムを作製し、下記に示す方法で、表面平滑性及びシャルピー衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
下記表1及び2に示す各成分を、表1に示す配合量で、ベント付き同方向二軸押出機(ナカタニ機械株式会社製)を用いて混練し、ストランドカット法により導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートをペレット化した。得られた前記導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートのペレットからインフレーション成形機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて厚み150μmのフィルムを作製し、下記に示す方法で、表面平滑性及びシャルピー衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
<表面平滑性の評価>
実施例及び比較例で得られたフィルムを160cm2にカットし、目視して表面観察を行い、このフィルム中の5μmを超える突起物(ブツ)の数を数えた。これを5枚のフィルム(160cm2/枚)について行い、5枚の突起物(ブツ)の数の平均値を算出し、下記評価基準に基づき評価した。なお、「○」が合格であることを意味する。
[評価基準]
○:突起物(ブツ)の数の平均値が40.0個以下
×:突起物(ブツ)の数の平均値が40.0個超
実施例及び比較例で得られたフィルムを160cm2にカットし、目視して表面観察を行い、このフィルム中の5μmを超える突起物(ブツ)の数を数えた。これを5枚のフィルム(160cm2/枚)について行い、5枚の突起物(ブツ)の数の平均値を算出し、下記評価基準に基づき評価した。なお、「○」が合格であることを意味する。
[評価基準]
○:突起物(ブツ)の数の平均値が40.0個以下
×:突起物(ブツ)の数の平均値が40.0個超
<シャルピー衝撃強度の評価>
ISO準拠試験片製造用金型を用いて射出成形したダンベル試験片に、ノッチングマシン(株式会社東洋精機製作所製)を用いてノッチをつけ、ISO179に準拠して測定し、シャルピー衝撃強度の評価を行い、下記評価基準に基づき評価した。なお、「○」が合格であることを意味する。
[評価基準]
○:シャルピー衝撃強度が5.0kJ/m2以上
×:シャルピー衝撃強度が5.0kJ/m2未満
ISO準拠試験片製造用金型を用いて射出成形したダンベル試験片に、ノッチングマシン(株式会社東洋精機製作所製)を用いてノッチをつけ、ISO179に準拠して測定し、シャルピー衝撃強度の評価を行い、下記評価基準に基づき評価した。なお、「○」が合格であることを意味する。
[評価基準]
○:シャルピー衝撃強度が5.0kJ/m2以上
×:シャルピー衝撃強度が5.0kJ/m2未満
本発明の導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシートは、熱可塑性樹脂中への導電性フィラーの分散性が良好であり、シート又はフィルムに加工した場合であっても、その表面への導電性フィラーの凝集物の発生が抑制され、高い表面平滑性と耐衝撃性とを兼ね備えているため、例えば、電子部品搬送用(例えば、ICチップ、LSI、LED等)キャリアテープ、電子部品搬送用キャリアテープ用のカバーテープ、テープオートメーテッドボンディング(TAB)用スペーサーテープ、電子部品搬送用トレー等の電気部品用途や電子部品用途などに好適に用いることができる。
Claims (3)
- (A)ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンエーテル、及びポリエチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、
(B)ジメチルポリシロキサンを2次元で架橋したシリコーンゴム粒子と、
(C)カーボンブラックとを含有し、
前記(A)成分100質量部に対する、前記(B)成分の含有量が3質量部〜25質量部であることを特徴とする導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート。 - (B)成分のシロキサン結合の数が5,000〜10,000である請求項1に記載の導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート。
- (A)成分が、メルトフローレート10g/10分間〜20g/10分間のポリカーボネートであり、(C)成分が、DBP吸油量100mL/100g〜700mL/100gのカーボンブラックである請求項1から2のいずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012108632A JP2013234290A (ja) | 2012-05-10 | 2012-05-10 | 導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート |
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Publications (1)
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JP2012108632A Pending JP2013234290A (ja) | 2012-05-10 | 2012-05-10 | 導電性熱可塑性樹脂フィルム又はシート |
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