JP6378603B2 - 水素ガス充填カプラ用ホルダー - Google Patents
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Description
この種の水素ステーションでは、水素ガスを供給するためのディスペンサーが設置される。このディスペンサーは、ディスペンサー本体と、このディスペンサー本体に接続され、自動車の水素タンクへ水素ガスを送給するための水素送給ホースと、このホースの先端に装着され、自動車のレセプタクルに着脱自在に接続される水素ガス充填カプラとを備える。充填カプラは水素供給ノズルとも称せられ、全体が略円筒状に構成され、外周面にフランジ又は凹凸形状を有し、特に先端側はソケット式ノズルユニットになっていて、自動車のレセプタクルの差し込み口に挿入接続可能な突状のノズル、及びノズルの周囲を包囲しかつレセプタクルの差し込み口に外嵌可能な受け口を有するソケットとからなる。また、この充填カプラの先端部には、レセプタクル側の通信機に接続して各種情報を送受信する通信機として、赤外線通信などの無線通信を行う通信インターフェースが併せて設けられる。
ディスペンサーはかかる構造を備え、充填カプラを自動車のレセプタクルに挿入接続して、ディスペンサー本体から水素送給ホースを通じ、充填カプラ及びレセプタクルを介して、水素ガスを自動車の水素タンク内へ送り込むようになっている。
しかしながら、現状での充填カプラ用ホルダーは、充填カプラの外周面のフランジ又は凹凸形状に係合可能なフック状のものが一般的で、このようなホルダーでは、充填カプラのフランジを引掛けるだけなので、確実な保持状態とは言い難く、また、充填カプラをロックする場合に、チェーンや南京錠を使って拘束する他に手立てがなく、これでは、取扱いが煩雑で、また、充填カプラを損傷させる恐れがある。
また、このホルダーでは、上部に庇状のカバーを付けて、充填カプラのソケットの先端面を覆うようにしているが、このようなカバーの覆いでは、ソケットの先端面の受け口が密閉されないため、この受け口から水や不純物が入りやすく、充填カプラの保護管理上好ましくない。
先端部側に、燃料電池自動車のレセプタクルの差し込み口に挿入接続可能な突状のノズルと、前記ノズルの周囲を包囲しかつ前記レセプタクルの差し込み口に外嵌可能な受け口を有するソケットとからなるソケット式ノズルユニットを備え、少なくとも、前記ソケット式ノズルユニットの後方の外周面に当該外周面の外径よりも大径のフランジを有し、全体として略筒形状に形成され、燃料電池自動車に水素ガスを充填する充填カプラを、水素ガスを供給するためのディスペンサーの外面その他建物、塀の壁面を含むカプラ設置面に保持するのに使用する水素ガス充填カプラ用ホルダーであって、
充填カプラの前記フランジを係止して充填カプラを支持する受け部と、
前記受け部の上方で、充填カプラの先端部側を保持固定する保持ユニットと、
を備え、
前記受け部は、
充填カプラの前記フランジを係止可能に平面視略U字形に形成され、両端部間に充填カプラの外周面の外径と略同じか少し大きい間隔を有し、
前記保持ユニットは、
下面に開口を有し、上面を閉塞された略筒状に形成され、前記下面開口と前記上面との間に、少なくとも、前記受け部に支持された充填カプラの先端部側を充填カプラの先端面から後端部方向に一定の長さまでを包囲保持可能に、かつ前記受け部に支持された充填カプラを前記受け部から上げて充填カプラの先端面から後端部方向にさらに所定の長さまで進入可能な内部空間を有するホルダーケースと、
前記ホルダーケースの前記下面開口内に前記下面開口から前記ホルダーケースの前記上 面に向けて後退可能に配設される可動部材と、
前記可動部材に前記下面開口に対向して設けられ、前記下面開口と略同じ大きさを有する弾性材からなる押え部材と、
前記ホルダーケース内に設置され、常態として、前記可動部材を前記ホルダーケースの下面開口側に向けて押圧付勢し、前記押え部材を前記ホルダーケースの下面開口に位置決め保持するばね部材と、
を有し、
充填カプラを、前記フランジを介して前記受け部に支持し、前記ホルダーケースの前記下面開口内で充填カプラの先端面を前記ばね部材の付勢力により前記可動部材で前記押え部材を介して弾性的に押え保持する、
ことを要旨とする。
(1)ホルダーケースに、ホルダーケース内でばね部材の押圧により下面開口に向けて押圧付勢された可動部材を、前記可動部材の後退方向の動きを規制してロックする形式の錠ユニットを併せて備える。
(2)受け部に、前記受け部の外周面に前記受け部の外周面側から内周面側に向けて形成される軸挿通部と、前記軸挿通部に貫挿され、一端が前記受け部の内周面から出没可能に配置され、他端が前記受け部の外周面の外側に延びる検知棒と、前記軸挿通部内に配置され、前記検知棒の一端を常態として前記受け部の内周面から突出させるばね部材とからなり、前記受け部に充填カプラが支持されている状態と支持されていない状態とを前記検知棒の進退運動により検知、伝達する形式のカプラ検知伝達器を併せて備える。
(3)保持ユニットの押え部材に充填カプラの受け口に嵌入可能な凸状部を有する。
(4)保持ユニットの押え部材に充填カプラの受け口に対向してエアーの吹き出し孔を有する。
(5)保持ユニットのホルダーケースに内部空間を通気するための通気孔を有する。
(6)受け部、保持ユニットは、共通の取付ベースに固定され、前記取付ベースを介して、ディスペンサーの外面その他建物、塀の壁面を含むカプラ設置面に取り付けられる。
また、本ホルダーでは、上記の構成により、充填カプラを本ホルダーに保持する場合、充填カプラの先端部側を保持ユニットのホルダーケースの下面開口内に挿入し、充填カプラの先端面で押え部材を介して可動部材をばね部材の付勢力に抗して押圧することにより、充填カプラの先端部側をホルダーケースの下面開口内にさらに挿入して、充填カプラのフランジよりも後方の一部を受け部内に通し、この状態から、充填カプラのホルダーケースの下面開口内への押圧を解除して、充填カプラをフランジを介して受け部に支持し、ホルダーケースの下面開口内で充填カプラの先端面をばね部材の付勢力により可動部材で押え部材を介して弾性的に押えるようにし、反対に、充填カプラを本ホルダーから取り外す場合は、まず、充填カプラの先端面で押え部材を介して可動部材をばね部材の付勢力に抗して押圧することにより、充填カプラの先端部側をホルダーケースの下面開口内にさらに挿入し、続いて、充填カプラのフランジよりも後方を受け部から離脱し、この状態から、充填カプラの先端部側をホルダーケースの下面開口内から引き抜いて、保持ユニットから離脱すればよく、充填カプラの出し入れを容易に行うことができる。
さらに、本ホルダーでは、保持ユニットの錠ユニットにより、ホルダーケース内で可動部材の後退方向の動きを規制するようにしたので、充填カプラをホルダーに保持した状態を確実かつ簡易にロック(施錠)して、充填カプラのいたずらや不正な使用を防ぎ、ソケットの損傷を防止することができ、また、このロック状態の解除(解錠)も確実かつ簡易に行うことができる。
なお、本ホルダーHは、燃料電池自動車に水素ガスを充填する充填カプラを、水素ガスを供給するためのディスペンサーの外面その他建物、塀の壁面を含むカプラ設置面に保持するのに使用するもので、本ホルダーHの適用対象となる充填カプラCは、図2に示すように、先端部側に、燃料電池自動車のレセプタクルの差し込み口に挿入接続可能な突状のノズル91と、このノズル91の周囲を包囲しかつレセプタクルの差し込み口に外嵌可能な受け口90を有するソケット92とからなるソケット式ノズルユニットU9を備え、少なくとも、ソケット式ノズルユニットU9の後方の外周面に当該外周面の外径よりも大径のフランジ93を有し、全体として略筒形状に形成される。この実施の形態では、特に、充填カプラCのノズルユニットU9の後方で、全体としては長さ方向略中央部に、充填カプラCの外径よりも大径のフランジ93が形成され、このフランジ93の後部に隣接してフランジ93の外径よりも小さい段部94が形成され、この段部94の後方の後端部側が段部94の外径よりも少し小さくなっている。この後端部側は充填カプラCのグリップ95となる部分で、グリップ95として握りやすくするために、外周面が凹凸状に形成される。
また、充填カプラの主要な部分が略筒形状であれば、充填カプラの一部にハンドルを付けてガンタイプにしたものでも、本ホルダーHの適用対象となる。
ホルダーケース31は、下面に開口310を有し、上面を閉塞された略筒状に形成され、下面開口310と上面との間に、少なくとも、受け部2に支持された充填カプラCの先端部側を充填カプラCの先端面から後端部方向に一定の長さまでを包囲保持可能に、かつ受け部2に支持された状態の充填カプラCを受け部2から(持ち)上げて充填カプラCの先端面から後端部方向にさらに所定の長さまでが進入可能な内部空間311を有する。また、このホルダーケース31には任意の位置に内部空間311を通気するための通気孔312を併せて有する。
この場合、ホルダーケース31は、上面が平板状に形成され、外周面が鉛直面と断面略U字形の曲面との複合形状で、背面が鉛直面で取付面313になっていて、所定の位置にねじ穴314が設けられ、正面から両側面にかけては断面略U字形の曲面形状になっている。下面は受け部2の受け座2Aと同芯的に対向可能に、正面が高く背面側が低い斜めに形成されて開口される。この下面開口310から内部空間311を画成する内周面は略円筒形で、受け部2の受け座2Aの内周面と略平行の斜めに形成され、その奥行は既述の少なくとも必要な寸法よりもやや大きく取ってある。このホルダーケース31の内部空間311には奥行方向中間部に内周面から内部空間311上に突出してばねを押えるためのばね押え片315が形成される。
また、この場合、ホルダーケース31の下面開口310の内周にはホルダーケース31の一部品としてガイド部材316が取り付けられる。ガイド部材316は、ホルダーケース31の下面開口310の内周に嵌着可能に上下各面を開口された略円筒形に形成され、その内周面が可動部材32のためのガイド面316Gで、その奥側の上面開口縁部が可動部材32のためのストッパー316Sになっている。また、このガイド部材316の背面側には、通気孔312として、外周面の上部から下部にかけてガスを抜くための溝が併せて形成される。このガイド部材316はホルダーケース31の下面開口310の内周に取り付けられ、上面開口の縁部、すなわちストッパー316Sはホルダーケース31の内部空間311内のばね押え片315の下方所定の位置に配置される。
可動部材32は、ホルダーケース31の下面開口310内に下面開口310からホルダーケース31の上面に向けて後退可能に配設される。
この場合、可動部材32はガイド部材316の内周に嵌合可能に下面に開口320を有し上面を閉塞された略円筒形に形成され、外周面の上部に外周方向に突出するフランジ321、上面の中央に凹状のばね受け322、ばね受け322の底面中心に貫通穴323を有する。可動部材32は、外周面上部のフランジ321がガイド部材316のストッパー316Sに係止され、下面開口320面をホルダーケース31の下面開口310面と面一にして、ガイド部材316の内側に配置される。このようにして可動部材32は、ガイド部材316内に配置され、このガイド部材316のガイド面316Gを案内にして、またこのガイド部材316のストッパー316Sにより抜け止めされて、ホルダーケース31の下面開口310内に下面開口310からホルダーケース31の上面に向けて(斜め)上方に後退可能に配置される。
押え部材33は弾性材からなり、ホルダーケース31の下面開口310と略同じ大きさで、充填カプラCの受け口90に嵌入可能な凸状部331を有し、充填カプラCの受け口90に対向してエアーの吹き出し孔332を有し、可動部材32にホルダーケース31の下面開口310に対向して設けられる。
この場合、押え部材33はEPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)からなり、ホルダーケース31の下面開口310と略同じ大きさの略円形の皿状に形成され、下面の中央に充填カプラCの受け口90に嵌入可能な略球形面の凸状部331を有し、上面の中央に可動部材32のばね受け322の底面中心の貫通穴323に挿通係止される略楔形の突起333を有し、この突起333が可動部材32の下面開口320側からばね受け322底面中心の貫通穴323に係合されて、可動部材32の下面開口320内に一体的に組み付けられる。また、この押え部材33には、突起333の先端から突起333の軸心を通り、凸状部331の中心に貫通して、突起333側からエアーを通し、凸状部331の中心開口から吹き出すためのエアーの吹き出し孔332が形成される。
ばね部材34は、ホルダーケース31内に設置され、常態として、可動部材32をホルダーケース31の下面開口310側に向けて押圧付勢し、押え部材33をホルダーケース31の下面開口310に位置決め保持する。この場合、ばね部材34は、コイルスプリングが採用され、可動部材32の上面のばね受け322内に配置され、ばね受け322の底面とホルダーケース31の内部空間311に突出されるばね押え片315との間で圧縮され、可動部材32をホルダーケース31の下面開口310側に向けて押圧付勢し、押え部材33をホルダーケース31の下面開口310に位置決め保持するようになっている。
そして、充填カプラCを、フランジ93を介して受け部2に支持し、ホルダーケース31の下面開口310内で充填カプラCの先端面をばね部材34の付勢力により可動部材32で押え部材33を介して弾性的に押え保持するようになっている。
なお、このディスペンサーD内には、汎用性のリミットスイッチLS(この場合、水素ガス雰囲気での使用が可能な防爆用で、アクチュエータとしてローラレバーL1を備えた縦型のリミットスイッチLS)、制御装置(図示省略)が内設され、このリミットスイッチLSの作動(この場合、ローラレバーL1が回動方向に押されて、内蔵スイッチ(図示省略)が作動すること)により、本ホルダーHに充填カプラCが収納されている状態か収納されていない状態かを検出するようになっている。この場合、リミットスイッチLSはディスペンサーD内で本ホルダーHの取付位置、特に受け部2に近接する所定の位置に配置される。
この場合、まず、充填カプラCの先端部側を保持ユニット3のホルダーケース31の下面開口310内に挿入する。続いて、充填カプラCの先端面で押え部材33を介して可動部材32をコイルスプリング34の付勢力に抗して押圧することにより、充填カプラCの先端部側をホルダーケース31の下面開口310内にさらに挿入する。これにより、フランジ93が受け部2の受け座2Aの上方にあり、充填カプラCのフランジ93よりも後方の一部、この場合、フランジ93後部に隣接する段部94が受け部2の略U字形の受け座2Aの正面の開放部20から挿通可能となるので、充填カプラCの段部94を受け座2A内に通す。このとき、受け部2の内周部がU字形になっているので、正面の開放部20が広くなって、充填カプラCを開放部20に通しやすく、また、受け部2の正面両端部付近が前方に向けて下方傾斜しているので、充填カプラCと受け部2が干渉しにくく、充填カプラCを受け部2内に入れやすくなっている。そして、この状態から、充填カプラCのホルダーケース31の下面開口310内への押圧を解除して、充填カプラCをフランジ93を介して受け部2の受け座2Aに支持し(このとき、フランジ93は受け座2Aの上部に嵌合固定される)、ホルダーケース31の下面開口310内のコイルスプリング34の付勢力により、充填カプラCの先端面を可動部材32で押え部材33を介して弾性的に押えるとともに、充填カプラCのフランジ93を受け部2に向けて圧接する。
これにより、充填カプラCは本ホルダーHに安定的に確実に保持される。また、この場合、充填カプラCのソケット92の先端面は保持ユニット3のホルダーケース31の下面開口310内でEPDM製の押え部材33により押え固定されるので、ソケット92の先端面を傷つけることなく、受け口90への水や不純物の浸入が防止される。特に、この保持ユニット3の押え部材33の中央に充填カプラCの受け口90に嵌入可能な略球形面の凸状部331を有するので、この凸状部331で受け口90は完全に密閉されて、シール性は増大し、受け口90への水や不純物の浸入がより確実に防止される。
また、この押え部材33は凸状部331の中心にエアーの吹き出し孔332を有しているので、このエアーの吹き出し孔332にエアーの供給源から延ばされたホースを接続して、充填カプラCの受け口90へエアーを供給することにより、受け口90内の凍結が防止される。さらに、ホルダーケース31の一部、この場合、ガイド部材316の背面に通気孔312が設けられていることで、この通気孔312を通じて、ホルダーケース31内を通気することができ、ホルダーケース31内に水素が浸入し、滞留するのを防止することができる。
また、この場合、充填カプラCが受け座2A内に通されたときに、受け部2の受け台2Bに設けられたカプラ検知伝達器5の受け台2Bから突出される検知棒51の先端部が充填カプラCの外周面で押されて、検知棒51が後端部方向に変位し、検知棒51後端部のドグ53がディスペンサーD内部でリミットスイッチLSのローラレバーL1を押圧回動するので、リミットスイッチLSの内蔵スイッチが作動し、ONとなる。これにより、充填カプラCが本ホルダーHに収納された状態が検出される。
そして、この充填カプラCの保持状態は、錠ユニット4によりロックすることができる。この場合、ホルダーケース31の正面上部の装着部に錠ユニット4としてシリンダー錠が取り付けられているので、シリンダー錠4の鍵孔40にキー(図示省略)を差し込み、キーの回転操作によりロック位置に回動すれば、ホルダーケース31内でロックレバー42が可動部材32の上面に当接して、可動部材32の後退方向の動きを規制する。これにより、充填カプラCを本ホルダーHに保持した状態を確実かつ簡易にロック(施錠)して、充填カプラCのいたずらや不正な使用を防ぎ、ソケット92の損傷を防止することができる。
また、この場合、充填カプラCが受け部2から離脱されたときに、受け部2の受け台2Bに設けられたカプラ検知伝達器5の受け台2Bから突出される検知棒51の先端部が充填カプラCの外周面による押圧が解除されて、検知棒51が先端部方向に変位し、ディスペンサーDの内部で検知棒51後端部のドグ53によるリミットスイッチLSのローラレバーL1の押圧回動が解除されて、リミットスイッチL2の内蔵スイッチが作動し、OFFとなる。これにより、充填カプラCが本ホルダーHから取り外されて本ホルダーHに収納されていない状態が検出される。
また、本ホルダーHでは、上記の構成により、充填カプラCを本ホルダーHに保持する場合、充填カプラCの先端部側を保持ユニット3のホルダーケース31の下面開口310内に挿入し、充填カプラCの先端面で押え部材33を介して可動部材32をばね部材34の付勢力に抗して押圧することにより、充填カプラCの先端部側をホルダーケース31の下面開口310内にさらに挿入して、充填カプラCのフランジ93よりも後方の一部を受け部2内に通し、この状態から、充填カプラCのホルダーケース31の下面開口310内への押圧を解除して、充填カプラCをフランジ93を介して受け部2に支持し、ホルダーケース31の下面開口310内で充填カプラCの先端面をばね部材34の付勢力により可動部材32で押え部材33を介して弾性的に押えるようにし、反対に、充填カプラCを本ホルダーHから取り外す場合は、まず、充填カプラCの先端面で押え部材33を介して可動部材32をばね部材34の付勢力に抗して押圧することにより、充填カプラCの先端部側をホルダーケース31の下面開口310内にさらに挿入し、充填カプラCのフランジ93よりも後方を受け部2から離脱し、この状態から、充填カプラCの先端部側をホルダーケース31の下面開口310内から引き抜き、保持ユニット3から離脱すればよく、充填カプラCの出し入れを容易に行うことができる。
さらに、本ホルダーHでは、錠ユニット4として、ホルダーケース31の正面上部に正面を開口されて形成された装着部にシリンダー錠が取り付けられ、シリンダー錠4の鍵孔40にキー(図示省略)を差し込み、キーの回転操作によりロック位置に回動すれば、ホルダーケース31内でロックレバー42が可動部材32の上面に当接して、可動部材32の後退方向の動きを規制し、反対に、このシリンダー錠4の鍵孔40にキー(図示省略)を差し込み、キーの回転操作によりアンロック位置に回動すれば、ホルダーケース31内で、ロックレバー42がばね押え片315の上方で可動部材32に干渉しない位置に回動されるようにしたので、充填カプラCを本ホルダーHに保持した状態を確実かつ簡易にロック(施錠)して、充填カプラCのいたずらや不正な使用を防ぎ、ソケットの損傷を防止することができ、また、このロック状態の解除(解錠)も確実かつ簡易に行うことができる。
また、本ホルダーHの場合、受け部2に、受け部2の外周面に受け部2の外周面側から内周面側に向けて形成される軸挿通部235と、軸挿通部235に貫挿され、一端が受け部2の内周面から出没可能に配置され、他端が受け部2の外周面の外側に延びる検知棒51と、軸挿通部235内に配置され、検知棒51の一端を常態として受け部2の内周面から突出させるばね部材52とからなり、受け部2に充填カプラCが支持されている状態と支持されていない状態とを検知棒51の進退運動により検知、伝達する形式の検知伝達器5を併せて備え、この検知伝達器5をディスペンサーD内に配設されたリミットスイッチLSに作動連結することにより、本ホルダーHに充填カプラCが収納されている状態と収納されていない状態とを検知して伝達することができる。
さらに、本ホルダーHの場合、保持ユニット3の押え部材33の中央に充填カプラCの受け口90に嵌入可能な略球形面の凸状部331を有するので、この凸状部331で受け口90を完全に密閉して、シール性を増大し、受け口90への水や不純物の浸入をより確実に防止することができる。
またさらに、この押え部材33の中心に充填カプラCの受け口90に対向してエアーの吹き出し孔332を有するので、このエアーの吹き出し孔332にエアーの供給源から延ばされたホースを接続して、受け口90へエアーを供給することにより、受け口90の凍結を防止することができる。さらに、ホルダーケース31に、この場合、ガイド部材316の背面に内部空間311を通気するための通気孔312を設けたので、この通気溝312を通じて、ホルダーケース31内を通気することができ、ホルダーケース31内に水素が浸入し、滞留するのを防止することができる。
D ディスペンサー
D1 軸挿通穴
LS リミットスイッチ
L1 ローラレバー
H 充填カプラ用ホルダー
1 取付ベース
11 ねじ挿通穴
110 溝
12 ねじ挿通穴
120 溝
13 軸挿通穴
14 取付穴
2 受け部
2A 受け座
2B 受け台
20 開放部
20A 開放部
21 上部
211 フランジ支持部
212 フランジ保持部
213 突起
22 下部
221 段部保持部
23 受け台取付部
231 傾斜面
232 取付面
233 ねじ穴
234 凸状部
235 軸挿通部
236 溝
24 受け座支持部
240 溝
241 上部
242 下部
243 保持面
244 段付き形状の穴
3 保持ユニット
31 ホルダーケース
310 開口
311 内部空間
312 通気孔
313 取付面
314 ねじ穴
315 ばね押え片
316 ガイド部材
316G ガイド面
316S ストッパー
32 可動部材
320 開口
321 フランジ
322 ばね受け
323 貫通穴
33 押え部材
331 凸状部
332 エアーの吹き出し孔
333 突起
34 ばね部材(コイルスプリング)
4 錠ユニット(シリンダー錠)
40 鍵孔
41 ローター
42 ロックレバー
5 カプラ検知伝達器
51 検知棒
52 ばね部材(コイルスプリング)
53 ドグ
54 ばね部材の押え
Claims (7)
- 先端部側に、燃料電池自動車のレセプタクルの差し込み口に挿入接続可能な突状のノズルと、前記ノズルの周囲を包囲しかつ前記レセプタクルの差し込み口に外嵌可能な受け口を有するソケットとからなるソケット式ノズルユニットを備え、少なくとも、前記ソケット式ノズルユニットの後方の外周面に当該外周面の外径よりも大径のフランジを有し、全体として略筒形状に形成され、燃料電池自動車に水素ガスを充填する充填カプラを、水素ガスを供給するためのディスペンサーの外面その他建物、塀の壁面を含むカプラ設置面に保持するのに使用する水素ガス充填カプラ用ホルダーであって、
充填カプラの前記フランジを係止して充填カプラを支持する受け部と、
前記受け部の上方で、充填カプラの先端部側を保持固定する保持ユニットと、
を備え、
前記受け部は、
充填カプラの前記フランジを係止可能に平面視略U字形に形成され、両端部間に充填カプラの外周面の外径と略同じか少し大きい間隔を有し、
前記保持ユニットは、
下面に開口を有し、上面を閉塞された略筒状に形成され、前記下面開口と前記上面との間に、少なくとも、前記受け部に支持された充填カプラの先端部側を充填カプラの先端面から後端部方向に一定の長さまでを包囲保持可能に、かつ前記受け部に支持された充填カプラを前記受け部から上げて充填カプラの先端面から後端部方向にさらに所定の長さまで進入可能な内部空間を有するホルダーケースと、
前記ホルダーケースの前記下面開口内に前記下面開口から前記ホルダーケースの前記上面に向けて後退可能に配設される可動部材と、
前記可動部材に前記下面開口に対向して設けられ、前記下面開口と略同じ大きさを有する弾性材からなる押え部材と、
前記ホルダーケース内に設置され、常態として、前記可動部材を前記ホルダーケースの下面開口側に向けて押圧付勢し、前記押え部材を前記ホルダーケースの下面開口に位置決め保持するばね部材と、
を有し、
充填カプラを、前記フランジを介して前記受け部に支持し、前記ホルダーケースの前記下面開口内で充填カプラの先端面を前記ばね部材の付勢力により前記可動部材で前記押え部材を介して弾性的に押え保持する、
ことを特徴とする水素ガス充填カプラ用ホルダー。 - ホルダーケースに、前記ホルダーケース内でばね部材の押圧により下面開口に向けて押圧付勢された可動部材を、前記可動部材の後退方向の動きを規制してロックする形式の錠ユニットを併せて備える請求項1に記載の水素ガス充填カプラ用ホルダー。
- 受け部に、前記受け部の外周面に前記受け部の外周面側から内周面側に向けて形成される軸挿通部と、前記軸挿通部に貫挿され、一端が前記受け部の内周面から出没可能に配置され、他端が前記受け部の外周面の外側に延びる検知棒と、前記軸挿通部内に配置され、前記検知棒の一端を常態として前記受け部の内周面から突出させるばね部材とからなり、前記受け部に充填カプラが支持されている状態と支持されていない状態とを前記検知棒の進退運動により検知、伝達する形式のカプラ検知伝達器を併せて備える請求項1又は2に記載の水素ガス充填カプラ用ホルダー。
- 保持ユニットの押え部材に充填カプラの受け口に嵌入可能な凸状部を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の水素ガス充填カプラ用ホルダー。
- 保持ユニットの押え部材に充填カプラの受け口に対向してエアーの吹き出し孔を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の水素ガス充填カプラ用ホルダー。
- 保持ユニットのホルダーケースに内部空間を通気するための通気孔を有する請求項1乃至5のいずれかに記載の水素ガス充填カプラ用ホルダー。
- 受け部、保持ユニットは、共通の取付ベースに固定され、前記取付ベースを介して、ディスペンサーの外面その他建物、塀の壁面を含むカプラ設置面に取り付けられる請求項1乃至6のいずれかに記載の水素ガス充填カプラ用ホルダー。
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