JP6377969B2 - 織機の筬打ち装置 - Google Patents

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本発明は、長手方向を織幅方向に向けた状態で設けられるロッキングシャフトと、該ロッキングシャフトに取り付けられる複数のスレーソードと、前記ロッキングシャフトに連結されて前記ロッキングシャフトを回転駆動する駆動軸とを備え、前記駆動軸によって前記ロッキングシャフトが回転駆動されることにより前記スレーソードが前記駆動軸の軸心を揺動中心として揺動駆動される織機の筬打ち装置に関する。
前記のような織機の筬打ち装置に関する技術として、特許文献1に記載されたものが一例として挙げられる。特許文献1には、中実の丸棒で形成されたロッキングシャフトを備える織機の筬打ち装置が開示されている。具体的には、特許文献1に開示された筬打ち装置では、中実の丸棒で形成されたロッキングシャフトであって長手方向を織幅方向に向けたロッキングシャフトと、ロッキングシャフトの上側に取り付けられる複数のスレーソードと、複数のスレーソードによってロッキングシャフトの上側に支持される筬保持部材とから成る揺動部を備え、揺動部がロッキングシャフトの軸心を揺動中心として揺動駆動されるものとなっている。
しかし、特許文献1に開示された筬打ち装置では、以下の理由により、ロッキングシャフトの支持構造が複雑になるという問題がある。
織機の筬打ち装置においては、揺動部が高速で揺動駆動されると共に筬打ち時に筬が織前を叩くことによる衝撃を揺動部が受けるため、ロッキングシャフトには高い曲げ剛性が求められる。そして、ロッキングシャフトの曲げ剛性を高めるためには、ロッキングシャフトの外径を大きくする必要がある。しかし、特許文献1に開示された筬打ち装置では、ロッキングシャフトは中実に形成されたものであるため、径を大きくすると、ロッキングシャフトの質量が過大となり、揺動部の揺動時におけるロッキングシャフトの慣性が揺動駆動に支障を来すものとなってしまう。そのため、特許文献1に開示されたような中実のロッキングシャフトでは、揺動部の揺動運動に必要な曲げ剛性が得られる程度までロッキングシャフトの外径を大きくすることができず、ロッキングシャフトは曲げ剛性の不足したものとなる。
但し、ロッキングシャフトの曲げ剛性が不足した状態であると、揺動部の揺動運動における運動方向(揺動方向)の反転時や筬打ち時等において、揺動部の慣性や筬打ち時の衝撃によりロッキングシャフトに撓みが生じ、それが原因となって、揺動部の正確な揺動運動が損なわれ、製織される織布の品質が低下する場合がある。
そこで、特許文献1に開示されているようなロッキングシャフトが中実の丸棒で形成されている筬打ち装置では、ロッキングシャフトの曲げ剛性不足を補ってロッキングシャフトの撓みを抑制するために、織幅方向における中間の位置でロッキングシャフトを支持する中間支持装置が設けられる構成となっている。しかし、そのような中間支持装置を設ける構成では、ロッキングシャフトの支持構造が複雑なものとなってしまう。
一方、ロッキングシャフト自体の構造が前記特許文献1に開示されたものと異なる織機の筬打ち装置として、特許文献2に開示されたものがある。この特許文献2に開示された筬打ち装置では、ロッキングシャフトが中空円筒形状に形成されたものとなっている。そして、そのような中空円筒形状のロッキングシャフトを採用した筬打ち装置(以下、「円筒型の筬打ち装置」とも言う。)によれば、以下の理由により、ロッキングシャフトの曲げ剛性を高いものとすることができ、ロッキングシャフトの支持構造を簡単なものとすることができる。
一般に、軸部材は、長手方向と直交する方向の断面の面積(質量)が同じである場合に、前記断面の形状を軸部材の軸心からの距離が大きい形状としたものの方が、前記距離が小さい形状のものよりも、曲げ剛性が高く、軸部材が撓みにくい。したがって、軸部材は、質量が同じ場合に、中空円筒形状に形成されたものの方が、中実の丸棒で形成されたものに比べて、前記断面の形状を前記距離が大きい形状とすることができ、曲げ剛性を高くすることができる。
そのため、筬打ち装置においては、特許文献2に開示されているようなロッキングシャフトが中空円筒形状に形成されたものの方が、特許文献1に開示された中実のロッキングシャフトに比べて、質量(慣性)を大きくすることなくロッキングシャフトの曲げ剛性を高めることができる。そして、そのような円筒型の筬打ち装置では、前記のようにロッキングシャフトの曲げ剛性を高いものとすることができるため、ロッキングシャフトの支持構造は、特許文献1の筬打ち装置のように中間支持装置を備えるものとする必要は無く、比較的に簡単な構造とすることができる。
特開2005−344223号公報 特開平8−49140号公報
しかし、従来の円筒型の筬打ち装置では、以下のような問題がある。
一般に、筬打ち装置は、複数のスレーソードが織幅方向に間隔を空けてロッキングシャフトに取り付けられると共に、筬保持部材がロッキングシャフトに対する上側の位置で複数のスレーソードに架け渡されるかたちで取り付けられる構成となっている。また、従来の筬打ち装置では、ロッキングシャフトは、その軸心を揺動部の揺動中心に一致させる配置で設けられている。
したがって、従来の筬打ち装置では、ロッキングシャフト、複数のスレーソード、筬保持部材から成る揺動部は、その重心の位置がロッキングシャフトの軸心よりも上方(筬側)に位置するものとなり、揺動部の重心の位置と揺動部の揺動中心(ロッキングシャフトの軸心の位置)とが異なる状態(所謂、アンバランス状態)となっている。そのため、揺動部の揺動運動に伴い、前記アンバランス状態に起因してロッキングシャフトの支持部に振動が発生してしまう。そして、その振動が織機の振動を助長し、その振動が原因で騒音が発生したり、場合によって織機上の装置の破損を招いてしまう。また、前記振動は、織機の運転速度が高くなるほど顕著なものとなる。
そこで、特許文献2にも開示されているように、従来の筬打ち装置では、ロッキングシャフトに対する反筬側に重心が存在するカウンタウエイトを揺動部に設け、揺動部全体としての重心の位置を揺動部の揺動中心に近づけることで前記アンバランス状態を改善することが行われている。
しかしながら、従来の円筒型の筬打ち装置では、前記のように剛性を高めるべくロッキングシャフトは大径化されたものとなっていたため、揺動部に前記のようなカウンタウエイトを設ける構成とした場合、揺動部の揺動中心から大きく離間した位置にカウンタウエイトが存在する構成となる。そのため、従来の円筒型の筬打ち装置において前記のようなカウンタウエイトを設ける構成とした場合には、筬打ち装置が大型化し、揺動部を揺動可能とする筬打ち装置の配置のために大きな空間(スペース)を必要とするものとなる。
但し、織機においては、織機に備えられる他の装置の配置との関係で、筬打ち装置を配置するための空間を拡大することが困難である場合が多い。そのため、剛性を高めることを目的として中空円筒形状のロッキングシャフトを採用した従来の筬打ち装置では、前記カウンタウエイトを設けることができない場合があり、前記振動を軽減すべく、織機の運転速度を低く抑えなければならないものとなる。また、ロッキングシャフトの径を小さくしてカウンタウエイトを設けるということも考えられるが、その場合は、前記した中実のロッキングシャフトと同様に剛性が得られないものとなり、ロッキングシャフトの支持構造を複雑化しなければならなくなる。
そこで、本発明の課題は、装置の複雑化を避けるべく中空円筒形状のロッキングシャフトを採用した織機の筬打ち装置において、装置を大型化させることなく、前記アンバランス状態を改善することができる織機の筬打ち装置を提供することにある。
前記の課題の下に、本発明は、中空円筒形状のロッキングシャフトであって長手方向を織幅方向に向けた状態で設けられるロッキングシャフトと、該ロッキングシャフトに取り付けられる複数のスレーソードであって織幅方向に間隔を空けて設けられると共に筬保持部材を支持する複数のスレーソードと、軸線を織幅方向に向けると共に回転可能な状態で織機フレームに支持される駆動軸であって前記ロッキングシャフトに連結されて前記ロッキングシャフトを回転駆動する駆動軸とを備え、前記駆動軸によって前記ロッキングシャフトが回転駆動されることにより前記スレーソードが前記駆動軸の軸心を揺動中心として揺動駆動される織機の筬打ち装置において、前記ロッキングシャフト及び前記駆動軸の一方は、前記ロッキングシャフト及び前記駆動軸の他方によって前記ロッキングシャフトの自重を支持する係合部であって、その支持された状態において前記ロッキングシャフトの軸心が前記駆動軸の軸心に対し偏心した位置となるような係合部を備え、前記ロッキングシャフトが、前記係合部と前記他方との当接により前記駆動軸に対し位置決めされた状態で前記駆動軸に対し組み付けられることで、織幅方向に見て前記駆動軸の軸心に対し反筬保持部材側へ軸心を偏心させた位置で、前記駆動軸に対し固定されていることを特徴とする。
ここで、正確には、前記駆動軸の軸心の延長線が前記揺動中心と一致するものであり、前記駆動軸と前記揺動中心とは、織幅方向に見てその位置が一致する。
また、前記した本発明による織機の筬打ち装置は、織幅方向に見て前記ロッキングシャフト及び前記駆動軸の軸心に対し偏心した位置において軸線を織幅方向に向けた状態で前記駆動軸及び前記ロッキングシャフトに嵌装される基準ピンであって前記ロッキングシャフトを前記駆動軸に対し該基準ピンの軸心廻りに回動自在に組み付ける基準ピンを備えるように構成されていてもよい。
本発明の織機の筬打ち装置によれば、装置の複雑化を避けるべく中空円筒形状のロッキングシャフトを採用した織機の筬打ち装置において、ロッキングシャフトが、駆動軸の軸心に対し反筬保持部材側へ軸心を偏心させた位置で駆動軸に固定される構成としたことにより、ロッキングシャフト、複数のスレーソード及び筬保持部材から成る揺動部の重心の位置を揺動部の揺動中心である駆動軸の軸心の位置に近づけることができる。したがって、本発明によれば、その筬打ち装置は、カウンタウエイトを設けなくても前記アンバランス状態が改善されたものとなるため、カウンタウエイトを設けることによる装置の大型化を避けることができ、筬打ち装置の配置に制限を受ける織機においても、織機の振動を抑制することが可能となり、織機の高速運転に対応できるものとなる。
また、前記した本発明による織機の筬打ち装置において、ロッキングシャフトの軸心及び駆動軸の軸心に対し偏心した位置において駆動軸及びロッキングシャフトに嵌装される基準ピンを設け、ロッキングシャフトを駆動軸に対し基準ピンの軸心廻りに回動自在に組み付けると共に、基準ピン廻りに回動変位するロッキングシャフトを支持する係合部をロッキングシャフト及び駆動軸の一方に設ける構成とすることにより、ロッキングシャフトを駆動軸に対して偏心させた状態とするための偏心構造が、より簡単な構成で実現できると共に、ロッキングシャフトを駆動軸に対して組み付ける作業が容易に行えるものとなる。より詳しくは、以下の通り。
ロッキングシャフトを駆動軸に対し偏心させた状態とする偏心構造としては、例えば、ロッキングシャフトと駆動軸とを連結する連結部材を設けると共に、その連結部材を、ロッキングシャフトが駆動軸に対し偏心した位置で連結されるように構成することが考えられる。ただし、この構成の場合に、そのような駆動軸とロッキングシャフトとを異なる位置で連結する連結部材が必要となり、また、その連結部材自体も、製作に複雑さが要求されるものとなる。
これに対し、前記偏心構造の構成を容易化できる構成として、ロッキングシャフト及び駆動軸の一方に、その他方によってロッキングシャフトの自重を支持する係合部であって、その支持された状態においてロッキングシャフトが駆動軸に対し偏心した位置となるような係合部を設け、その係合部によってロッキングシャフトを駆動軸に対し位置決めし、その状態でロッキングシャフトを駆動軸に対し組み付けるものとすることが考えられる。
この構成によれば、ロッキングシャフト及び駆動軸の一方に前記のような係合部を設ける(一体的に形成する、もしくは取り付ける)と共に、ロッキングシャフトを駆動軸に対し組み付ける構成を設けるのみでよいため、前記連結部材を設ける場合と比べ、前記偏心構造の構成を簡単なものとすることができる。そして、この構成によれば、係合部と前記他方との当接によってロッキングシャフトを駆動軸に対し位置決めすることにより、駆動軸の軸心に対するロッキングシャフトの軸心の偏心量を予め定められた所定の大きさとすることができる。
ただし、この構成の場合、係合部によりロッキングシャフトの自重を支持しただけの状態では、偏心量は所定の大きさとなるものの、駆動軸に対するロッキングシャフトの位相については必ずしも所定の位相とはならず、駆動軸に対するロッキングシャフトの組み付けに手間を要してしまう場合がある。なお、前記で言う所定の位相とは、ロッキングシャフトに支持された筬の最前進位置が、製織に応じた所定の位置となるような位相である。
詳しくは、駆動軸側に係合部が設けられる場合の例で説明すると、係合部にロッキングシャフトが載置されることにより、ロッキングシャフトの自重が係合部に支持された状態となるが、単に載置するだけの構成では、ロッキングシャフトは駆動軸に対し任意の位相を取り得る状態であるため、載置した後にロッキングシャフトの位相を前記所定の位相に合わせる作業が必要となる。そのため、駆動軸に対するロッキングシャフトの組み付けに手間を要してしまう。
なお、ロッキングシャフトが前記所定の位相となっている状態では、ロッキングシャフトは外周面上の所定の位置で、係合部上の特定の位置に当接した状態となる。従って、前記した位相を合わせる作業は、係合部上にロッキングシャフトを載置した後、ロッキングシャフトにおける外周面上の前記所定の位置が係合部における前記特定の位置で当接した状態となるように、ロッキングシャフトを回転させることで行われる。しかし、ロッキングシャフトは重量物であるため、その位相あわせの作業は、作業者にとって手間を要するものである。
そこで、前記した係合部を備える構成に加え、ロッキングシャフトの軸心及び駆動軸の軸心に対し偏心した位置において駆動軸及びロッキングシャフトに嵌装される基準ピンを設け、ロッキングシャフトを駆動軸に対し基準ピンの廻りに回動自在に組み付ける構成とすることにより、ロッキングシャフトが自重によって基準ピン廻りに下側へ回動変位して係合部によって支持される状態となり、それにより、ロッキングシャフトが常に所定の位相で駆動軸に対し位置決めされた状態となるものとすることができる。
詳しくは、前記のような基準ピンを設け、ロッキングシャフトを基準ピンに対し回動自在に組み付ける構成とすることにより、ロッキングシャフトが自重によって基準ピン廻りに回動変位し、前記係合部と前記他方とが当接してロッキングシャフトが前記係合部によって支持された状態となる。このとき、ロッキングシャフトは、一定の軌跡で回動変位するため、前記係合部と前記他方とは、常に基準ピンの軸心を中心とする一定の円周上の位置で当接するものとなる。すなわち、係合部と前記他方とは常に一定の位置で当接することとなる。したがって、前記基準ピンを設ける構成とすることにより、係合部によって駆動軸に対しロッキングシャフトを位置決めする構成として前記偏心構造の構成が簡単なものとなると共に、係合部と前記他方とを当接させるだけで所定の偏心量が得られるという効果に加え、ロッキングシャフトが常に所定の位相で駆動軸に対し位置決めされた状態とすることができるという効果が得られるので、ロッキングシャフトを駆動軸に対して組み付ける作業が容易に行えるものとなる。
本発明の筬打ち装置を備えた織機の部分側面図である。 図1の筬打ち装置1の部分拡大正面図である。 本発明の筬打ち装置1の他の実施形態を示す部分拡大正面図である。 本発明の筬打ち装置1の他の実施形態を示す部分拡大正面図である。 本発明の筬打ち装置1の他の実施形態を示す部分拡大正面図である。
以下、本発明の織機の筬打ち装置の一実施例について、図1、図2に基づいて説明する。
図1に示すように、織機の筬打ち装置1は、ロッキングシャフト17と、該ロッキングシャフト17に取り付けられる複数のスレーソード10(図1では、その1つのみを図示)と、複数のスレーソード10によってロッキングシャフト17に支持される筬保持部材9と、筬保持部材9によってロッキングシャフト17に保持される筬8と、ロッキングシャフト17に連結されてロッキングシャフト17を回転駆動する駆動軸11とを備えている。
そして、筬打ち装置1は、ロッキングシャフト17が経糸方向に関し綜絖枠4よりも織前7側の位置であって上下方向に関しワープライン5よりも下方の位置において左右の織機フレーム2、2間に架設されるかたちで設けられている。
ロッキングシャフト17について、本発明が前提とするものは、中空円筒形状のものである。したがって、本実施例のロッキングシャフト17は、中空円筒形状の円筒部19を主体としている。なお、この円筒部19は、その軸線方向の寸法が、左右の織機フレーム2、2の間の間隔よりも若干短いものとなっている。
スレーソード10は、ロッキングシャフト17の長手方向に亘り所定の間隔で複数個設けられる。そして、各スレーソード10は、その一端において溶接等によってロッキングシャフト17に固定されると共に、他端において筬保持部材9を支持している。
筬保持部材9は、筬8を保持するためのものであって、図示の例では、ロッキングシャフト17の長手方向に亘って延在する一対の板部材で構成されており、一対の板部材で筬8を挟持して保持する構成となっている。そして、この筬保持部材9は、その長手方向に亘る複数箇所において、ボルト等のねじ部材によってスレーソード10の前記他端に固定され、スレーソード10を介してロッキングシャフト17に支持されている。従って、筬8は、スレーソード10、筬保持部材9を介してロッキングシャフト17に支持されてる。
駆動軸11は、本実施例では、左右の織機フレーム2、2のそれぞれに設けられ、各織機フレーム2内で軸受等(図示略)によって回転可能に支持されると共に、その一端が各織機フレーム2の内側の側面から突出するように設けられている。また、各駆動軸11は、織機の主軸(図示略)に連結されており、主軸が1回転する期間(製織サイクル)において、筬8の揺動角に応じた角度範囲で同期して往復回動駆動される。
そして、ロッキングシャフト17は、その両端部のそれぞれが、対応する側の織機フレーム2に設けられた駆動軸11に対し、その駆動軸11の前記した織機フレーム2から突出する部分に連結されることにより、駆動軸11を介して各端部が織機フレーム2に支持され、左右の織機フレーム2、2間に架設されるかたちとなる。したがって、ロッキングシャフト17は、前記のように駆動軸11を介して織機フレーム2に支持された状態において、その主体である円筒部19の軸線の延在方向が織幅方向と一致するものとなっている。また、各織機フレーム2における駆動軸11の位置は、前記のようなロッキングシャフト17の配置に対応したものとなっている。
その上で、駆動軸11が前記のように往復回動駆動されることにより、ロッキングシャフト17、複数のスレーソード10、筬保持部材9、及び筬8から成る揺動部が駆動軸11によって往復揺動駆動され、筬打ち運動が行われる。
以上で説明した織機の筬打ち装置1において、本実施例では、ロッキングシャフト17と駆動軸11とがフランジ締結によって連結されるものとなっており、そのために、ロッキングシャフト17がその両端部にフランジ部18、18を有すると共に、駆動軸11がロッキングシャフト側の端部にフランジ部13を有する構成となっている。さらに、本実施例では、前記構成に加え、ロッキングシャフト17を駆動軸11に対し偏心した位置で位置決めするための構成として、ロッキングシャフト17を支持する係合部を形成するために駆動軸11に係合孔14が形成されると共に、ロッキングシャフト17と駆動軸11との連結部においてロッキングシャフト17及び駆動軸11に嵌装される基準ピン22が設けられるものとなっている。これらの各部について、より詳しくは以下の通りである。
ロッキングシャフト17のフランジ部18は、円盤状の板材を円筒部19の両端のそれぞれに取り付けることで形成されている。より詳しくは、前記円盤状の板材は、その外径寸法が円筒部19の外径寸法よりも大きいものとなっており、その中心を円筒部19の軸心24aに一致させた配置で、円筒部19の両端面に溶接等によって固定される。そして、この円盤状の板材がロッキングシャフト17におけるフランジ部18となる。
なお、このフランジ部18を形成する前記円盤状の板材は、その両側面が平面に形成されると共に厚さ寸法が均一なものとなっている。したがって、前記円盤状の板材が前記両側面のうちの一方で円筒部19に取り付けられた状態において、他方の側面は円筒部19の軸線方向と直交する方向に延在する平面となっている。すなわち、フランジ部18の外側の側面は、円筒部19の軸線方向と直交する方向に延在する平面となっている。
各駆動軸11は、ロッキングシャフト側の端部(織機フレーム2から突出する側の端部)にフランジ部13を有しており、そのフランジ部13は、本実施例では、駆動軸11の軸部12と一体に形成されたものとなっている。より詳しくは、駆動軸11は、そのロッキングシャフト側の端部がそれ以外の部分(軸部12)よりも大径に形成されており、その大径の部分が駆動軸11におけるフランジ部13となっている。
なお、駆動軸11において、フランジ部13は、その外径の中心が軸部12の軸心23aに一致するようなかたちで形成されている。すなわち、フランジ部13と軸部12とは、軸部12の前記端部において軸部12と同心状に形成されている。
また、駆動軸11のフランジ部13には、ロッキングシャフト17を支持する係合部を構成するための係合孔14が形成されている。より詳しくは、駆動軸11のフランジ部13には、駆動軸11の軸線方向に見て、軸部12の軸心23aを中心とした係合孔14が形成されている。
この係合孔14は、駆動軸11における反軸部側にのみ開口した有底の孔として形成されている。また、係合孔14は、その底面16が、駆動軸11の軸線方向と直交する方向に延在する平面となるように形成されている。なお、駆動軸11のフランジ部13はその外径寸法がロッキングシャフト17のフランジ部18の外径寸法よりも大きく形成されている。そして、係合孔14は、その内径寸法がロッキングシャフト17のフランジ部18の外径寸法よりも大きい孔として形成されている。
この構成により、駆動軸11のフランジ部13は、円盤状の基部の反軸部側に、その基部に連続するかたちで環状部25が形成される構成となっており、その基部と環状部25とによって前記した有底の係合孔14が構成されると共に、その環状部25(係合孔14)の内周面15上にロッキングシャフト17のフランジ部18を載置可能なものとなっている。
さらに、駆動軸11のフランジ部13には、前記したロッキングシャフト17を駆動軸11に対し組み付けるための固定ボルト20が螺合される複数の雌ねじ孔21が、フランジ部13における係合孔14の底面に開口するかたちで形成されている。
そして、本実施例では、後述のように、駆動軸11に対するロッキングシャフト17の組み付け時において、フランジ部13における環状部25(係合孔14)の内周面15上にロッキングシャフト17のフランジ部18が載置され、ロッキングシャフト17の自重がその内周面15によって支持されるものであり、したがって、このフランジ部13における環状部25の一部(上記載置時にロッキングシャフト17のフランジ部18が当接する部分を含む部分)が係合部に相当するものとなる。すなわち、本実施例では、フランジ部13に前記のような係合孔14が形成されることによって環状部25が形成され、その環状部25の一部が係合部となるものであり、係合孔14は係合部を構成するために形成されるものである。
以上のような構成のロッキングシャフト17及び駆動軸11において、ロッキングシャフト17は、その軸心24aが駆動軸11の軸心23aに対し偏心した位置で駆動軸11に対し固定ボルト20によって組み付けられるものであり、その連結のための構成(連結構造)は、詳しくは以下の通りである。
先ず、ロッキングシャフト17には、そのフランジ部18における円筒部19の外周面よりも半径方向に突出する部分に、ロッキングシャフト17(円筒部19)の軸心24aを中心とする仮想円上に位置する配置で、前記仮想円の円周方向に亘り固定ボルト20を挿通するための複数の貫通孔26が形成されている。なお、この複数の貫通孔26は、前記仮想円上における所定の範囲において等ピッチで形成されている。
また、駆動軸11にも、ロッキングシャフト17における前記貫通孔26に対応する雌ねじ孔21であって、固定ボルト20が螺合される雌ねじ孔21が形成されている。この駆動軸11における雌ねじ孔21について、より詳しくは以下の通り。
駆動軸11は、前記のように織機の主軸に連結されており、筬8の揺動角に応じた角度範囲で織機の主軸に同期して軸心23a廻りに往復揺動運動されるものである。その上で、ロッキングシャフト17を駆動軸11に対し連結する作業は、主軸の回転角度(クランク角度)が予め設定された角度(例えば、クランク角度0°)において行われる。そして、前記連結作業が行われる予め設定されたクランク角度に対応する駆動軸11の前記角度範囲中における位相を「連結位相」とすると、駆動軸11のフランジ部13には、駆動軸11が前記連結位相となっている状態において、前記載置状態でロッキングシャフト17を連結できるように雌ねじ孔21が複数形成されている。
なお、この複数の雌ねじ孔21の配置について、前記のように駆動軸11のフランジ部13における係合孔14はその内周面15にロッキングシャフト17のフランジ部18が載置可能となっており、本実施例では、駆動軸11とロッキングシャフト17とは、駆動軸11のフランジ部13における係合孔14の内周面15にロッキングシャフト17のフランジ部18が載置された状態で連結されるものであるが、その載置状態では、ロッキングシャフト17は、その軸心24aが駆動軸11の軸心23aに対し下方へ偏心した配置となる。そこで、前記のような偏心状態にあるロッキングシャフト17を固定ボルト20によって連結可能とすべく、複数の雌ねじ孔21は、駆動軸11のフランジ部13において、駆動軸11が前記連結位相となっている状態において駆動軸11の軸心23aに対し下方に偏心した位置を中心とする仮想円上に形成されるものとなっている。
但し、その複数の雌ねじ孔21が配置される前記仮想円は、ロッキングシャフト17のフランジ部18における貫通孔26が配置される前記仮想円と同じ直径であり、且つ、その中心の駆動軸11の軸心23aに対する偏心量は、前記載置状態のロッキングシャフト17における軸心24aの駆動軸11の軸心23aに対する偏心量eと同じである。
さらに、各雌ねじ孔21は、ロッキングシャフト17の位相が駆動軸11の前記連結位相に対応したクランク角度に応じた位相(以下、「所定の位相」とも言う。)の状態で前記載置状態とされたときに、ロッキングシャフト17におけるフランジ部18の貫通孔26に挿通された固定ボルト20が螺合可能な位置に形成されている。なお、ロッキングシャフト17の位相が前記の所定の位相となっている状態においては、スレーソード10(筬8)の揺動位置は、駆動軸11の前記連結位相に対応したクランク角度に応じたものとなっている。すなわち、例えば、そのクランク角度が0°の場合には、前記所定の位相は、筬8の揺動位置がその揺動範囲における最前進位置となる位相である。
そして、前記のような配置において、各雌ねじ孔21は、係合孔14の底面16と駆動軸11のフランジ部13における軸部側の面とに開口する通しの雌ねじ孔21として形成されている。
前記のような連結構造を有するロッキングシャフト17及び駆動軸11について、ロッキングシャフト17は、駆動軸11が前記連結位相となっている状態において、前記載置状態で前記所定の位相に位置決めされて駆動軸11に連結されるものであり、その所定の位相で前記ロッキングシャフト17を位置決めするための構成として、以上で説明した構成に加え、ロッキングシャフト17及び駆動軸11の軸心に対し偏心した位置において駆動軸11及びロッキングシャフト17に嵌装される基準ピン22であって駆動軸11に対し回動可能(自在)にロッキングシャフト17を連結する基準ピン22が設けられている。
そのために、ロッキングシャフト17のフランジ部18及び駆動軸11のフランジ部13には、その基準ピン22が嵌挿される取付孔が形成されている。なお、駆動軸11のフランジ部13における取付孔は、本実施例では、駆動軸11が前記連結位相となっている状態において、駆動軸11の軸心23aに対する略水平方向の反綜絖枠側に位置する配置で、雌ねじ孔21が配置される前記仮想円上に形成されているものとする。また、ロッキングシャフト17のフランジ部18における取付孔は、ロッキングシャフト17の軸線方向に見て、固定ボルト20が挿通される貫通孔26の配置される前記仮想円上において前記貫通孔26と重複しない位置に形成されるものとなっている。したがって、ロッキングシャフト17と駆動軸11とは、両取付孔に嵌装された基準ピン22によって連結された状態において、両者の軸心23a、24aを一致させることが可能なものとなっている。その上で、ロッキングシャフト17のフランジ部18における取付孔の前記仮想円上における配置については、以下の点に基づいて決定される。
先ず、前提として、駆動軸11のフランジ部13における係合孔14の内径寸法とロッキングシャフト17のフランジ部18の外径寸法との関係は、前記揺動部の重心位置を考慮して決定された所望の前記偏心量eが得られるように設定されている。すなわち、駆動軸11の係合孔14の内径寸法とロッキングシャフト17のフランジ部18の外径寸法との差の1/2が前記偏心量eとなるため、その差の1/2が所望の前記偏心量eと等しくなるように、例えば、ロッキングシャフト17のフランジ部18の外径寸法に対する係合孔14の内径寸法が決定されている。
その上で、連結時における(前記載置状態にある)ロッキングシャフト17の位相は、前記仮想円の半径(軸心24aから基準ピン22までの距離)及び駆動軸11の係合孔14の内径寸法とロッキングシャフト17のフランジ部18の外形寸法との関係が決まっている状態では、ロッキングシャフト17のフランジ部18における前記仮想円上での基準ピン22の配置によって規定されるものとなる。但し、この基準ピン22の配置は、スレーソード10の位置を基準とした配置である。
そこで、ロッキングシャフト17のフランジ部18における取付孔は、ロッキングシャフト17が基準ピン22によって駆動軸11に対し回動可能に連結されると共にその自重による回動に伴ってフランジ部18が駆動軸11における係合孔14に当接した状態(前記載置状態)において、そのロッキングシャフト17の位相が前記した所定の位相となるように、前記仮想円上における配置が決定される。
その結果、駆動軸11が前記連結位相となっている状態において、例えば、駆動軸11の軸心23aとロッキングシャフト17の軸心24aとを一致させた状態で基準ピン22により両者を連結し、その状態から、ロッキングシャフト17を自重により基準ピン22の位置を中心として回動(揺動)させて駆動軸11における係合孔14の内周面15に当接した状態とすることにより、ロッキングシャフト17の位相は、基準ピン22と前記当接の位置とによって確定され、前記所定の位相となる。
なお、厳密には、ロッキングシャフト17におけるフランジ部18が駆動軸11における環状部25(係合孔14の内周面15)に当接する位置Hは、駆動軸11の軸心23aに対する真下から経糸方向に若干ずれた位置となるが、基準ピン22の軸心からロッキングシャフト17の軸心24aまでの距離が偏心量eと比べて比較的大きいものである場合に、前記当接する位置Hは駆動軸11の軸心23aに対しほぼ真下の位置と見なすことができるものとなるため、上記のように所望の偏心量となるロッキングシャフト17におけるフランジ部18の外形寸法に対する係合孔14の孔径寸法を設定するようにしても差し支えない。
以上のような本実施例による織機の筬打ち装置1によれば、ロッキングシャフト17を駆動軸11に対し連結する作業が以下のように行われる。
先ず、基準ピン22が、その一端において駆動軸11の取付孔に嵌装されると共に他端を取付孔から係合孔14側へ突出させるかたちで、駆動軸11に取り付けられる。そして、駆動軸11を前記連結位相とした上で、駆動軸11のフランジ部13に対して対応するロッキングシャフト17のフランジ部18が組み付けられる。
本実施例では、ロッキングシャフト17と駆動軸11との連結作業時においては、各駆動軸11は、織機フレーム2に支持された状態において、軸線方向(織幅方向)に変位自在となっており、織幅方向において両駆動軸11、11におけるフランジ部13、13の間隔が変更可能となっている。そして、ロッキングシャフト17が連結される前の状態においては、前記間隔がロッキングシャフト17の軸線方向の寸法よりも大きくなるように各駆動軸11が配置されている。したがって、その状態においては、ロッキングシャフト17を両駆動軸11、11(フランジ部13、13)の間に配置可能となっている。
その状態において、ホイスト等の昇降運搬装置によってロッキングシャフト17を運搬し、ロッキングシャフト17を、織幅方向に見てその軸心24aが駆動軸11の軸心23aに略一致するような位置で、両駆動軸11、11のフランジ部13、13間に配置する。また、その配置において、ロッキングシャフト17は、織幅方向に見てフランジ部18に形成された取付孔の位置が前記連結位相となっている駆動軸11の取付孔(取付孔に嵌装された基準ピン22)の位置に略一致するような位相状態とされる。
そして、そのようにロッキングシャフト17が両駆動軸11、11の間の位置に配置された状態において、各駆動軸11を織幅方向の内側(ロッキングシャフト側)へ変位させ、各駆動軸11に取り付けた基準ピン22の他端側をロッキングシャフト17の対応する側の端部(フランジ部18)に形成された取付孔に対し位置を合わせながら嵌挿された状態とする。それにより、ロッキングシャフト17は、基準ピン22を介して駆動軸11に対し組み付けられた状態となる。但し、その組み付けられた状態において、ロッキングシャフト17は、駆動軸11に対し基準ピン22廻りに回動可能となっている。そこで、前記昇降運搬装置をロッキングシャフト17が下方へ変位するように操作すると、ロッキングシャフト17は、その自重により基準ピン22を中心として下方へ向けて回動し、フランジ部18の外周面において駆動軸11のフランジ部13における係合孔14の内周面15に当接し、その係合孔14の内周面15に載置された状態となる。
なお、この載置状態においては、駆動軸11の軸心23aに対するロッキングシャフト17の軸心24aの偏心量eは、前記した駆動軸11における係合孔14の内周面15の径とロッキングシャフト17におけるフランジ部18の外径との関係で、揺動部の重心を考慮した所望の偏心量となり、また、ロッキングシャフト17の位相は、前記した基準ピン22の配置により、前記所定の位相となる。そして、その載置状態においては、ロッキングシャフト17のフランジ部18に設けられた各貫通孔26の位置が対応する駆動軸11の雌ねじ孔21の位置と一致した状態となるため、固定ボルト20を各貫通孔26に挿通すると共に雌ねじ孔21に螺装することにより、ロッキングシャフト17と駆動軸11とがフランジ締結によって連結固定された状態となる。
このように、本実施例の織機の筬打ち装置1によれば、中空円筒形状のロッキングシャフト17が駆動軸11の軸心23aに対し下方である反筬保持部材側へ偏心した位置で駆動軸11に連結されるため、ロッキングシャフト17、複数のスレーソード10、筬保持部材9、及び筬8から成る揺動部の重心の位置がその揺動中心である駆動軸11の軸心23aの位置に近づいた状態となり、カウンタウエイトを設けることなく、揺動部の重心の位置と揺動中心の位置とが異なることによるアンバランス状態を改善することができる。
しかも、ロッキングシャフト17を駆動軸11に対して偏心させた状態とするための偏心構造が、駆動軸11のフランジ部13に形成された係合孔14と、ロッキングシャフト17のフランジ部18とを主体として構成されるものとなっており、簡単な構成であるため、製造面やコスト面において有利なものとなっている。
さらに、駆動軸11の係合孔14に対しロッキングシャフト17のフランジ部18を載置状態とするだけで前記のような偏心状態を実現することができるため、ロッキングシャフト17を駆動軸11に対し連結するための作業が容易に行えると共に、その偏心状態における偏心量eは、駆動軸11の係合孔14の内径寸法とロッキングシャフト17のフランジ部18の外形寸法との関係によって定まるものであるため、揺動部の重心を考慮した所望の偏心量を得るための構成を容易に実現することができる。
ところで、前記のような構成においては、駆動軸11の係合孔14の内周面15にロッキングシャフト17のフランジ部18をロッキングシャフト17の自重によって載置した状態とするだけでも前記のような偏心状態とすることができるが、単に載置しただけの状態では、偏心量eは所望の大きさとなるものの、駆動軸11に対するロッキングシャフト17の位相については、ロッキングシャフト17は駆動軸11に対し任意の位相を取り得るため、前記載置後に重量物であるロッキングシャフト17を前記のように載置した状態で回転させて位相を合わせる(調整する)作業が必要となり、駆動軸11に対するロッキングシャフト17の組み付けに手間を要してしまう場合がある。
また、ロッキングシャフト17の自重のみによる載置状態では、駆動軸11の係合孔14の内周面15とロッキングシャフト17のフランジ部18の外周面との間に生じる摩擦抵抗により、駆動軸11の係合孔14の内周面15内においてロッキングシャフト17のフランジ部18が当接する位置Hは必ずしも内周面15の最下点とはならないため、前記のように位相を合わせる作業を行っても、駆動軸11の前記連結位相に対しロッキングシャフト17の位相が前記所定の位相となっていない場合があり、その調整に更なる手間を要してしまう場合がある。
すなわち、ロッキングシャフト17の自重による載置状態では、本来であれば、駆動軸11の係合孔14の内周面15内においてロッキングシャフト17のフランジ部18が当接する位置Hは前記内周面15の最下点となるはずであるため、前記調整はロッキングシャフト17のフランジ部18がその最下点に当接した状態であることを前提に行われるが、実際には、駆動軸11における係合孔14の内周面15とロッキングシャフト17におけるフランジ部18の外周面との間に生じる摩擦抵抗によってもロッキングシャフト17の自重が支持された状態となるため、駆動軸11の係合孔14内においてロッキングシャフト17の当接する位置Hが前記最下点からずれた位置となる場合がある。その場合、その状態において前記調整を行っても、駆動軸11の前記連結位相に対するロッキングシャフト17の位相は前記所定の位相となっていない状態となるため、筬打ち位置が適正な位置とならず、再調整が必要となる。
これに対し、前記のようにロッキングシャフト17の軸心24a及び駆動軸11の軸心23aに対し偏心した位置において駆動軸11の取付孔及びロッキングシャフト17の取付孔に嵌装される基準ピン22を設け、ロッキングシャフト17を駆動軸11に対し基準ピン22の廻りに回動自在に組み付ける構成としたことにより、ロッキングシャフト17のフランジ部18は、常に一定の軌跡で回動変位するものとなり、駆動軸11における係合孔14の内周面15とロッキングシャフト17におけるフランジ部18の外周面とが基準ピン22の軸心を中心とする一定の円周上の位置(特定の位置)で当接し、駆動軸11の係合孔14の内周面15内におけるロッキングシャフト17のフランジ部18の当接する位置Hが常に一定の位置となる。
そして、ロッキングシャフト17における基準ピン22が嵌挿される取付孔は、ロッキングシャフト17におけるフランジ部18の外周面が駆動軸11における係合孔14の内周面15内の前記一定の位置において当接した状態において、ロッキングシャフト17の位相が前記所定の位相となるような配置に形成されているため、ロッキングシャフト17を自重により基準ピン22の位置を中心として回動させて係合孔14の内周面15に当接した状態とするだけで、ロッキングシャフト17の位相が前記所定の位相となるものとなっている。したがって、本実施例の筬打ち装置1によれば、駆動軸11に対するロッキングシャフト17の組み付け作業において、前記のような位相を合わせる作業を行わなくてもよいため、前記組み付け作業が容易に行えるものとなる。
また、本実施例では、駆動軸11が前記連結位相となっている状態において、基準ピン22の位置が駆動軸11の軸心23aに対する略水平方向(略経糸方向)の位置となっており、ロッキングシャフト17の軸心24aが駆動軸11の軸心23aに対し偏心する偏心方向(駆動軸11の軸心23aに対する反筬保持部材側への方向)に対して略90°の角度で交差する方向に基準ピン22が位置する構成となっている。これにより、ロッキングシャフト17の軸心24aと駆動軸11の位置Hとを結ぶ方向(偏心方向)が重力方向と略一致したものとなっており、前記載置状態のロッキングシャフト17の自重により駆動軸11(係合孔14の内周面15)の位置Hに作用する力がほぼロッキングシャフト17に作用する重力と一致したものとなる。したがって、本実施例の筬打ち装置1によれば、前記載置状態のロッキングシャフト17が駆動軸11に対してより確実に位置決めされるので、前記組み付け作業がより容易に且つ正確に行えるものとなる。
以上では、本発明の織機の筬打ち装置の一実施例について説明したが、本発明による筬打ち装置は、前記実施例に限定されるものではなく、以下のような変形した例でも実施が可能である。
係合部について、前記実施例では、係合部を構成するための係合孔14が駆動軸11に形成されており、駆動軸11に対するロッキングシャフト17の組み付け作業時(以下、単に「組み付け時」とも言う。)においてロッキングシャフト17のフランジ部18が駆動軸11における係合孔14の内周面15上に載置(支持)される構成となっているが、係合孔はロッキングシャフトに形成されていてもよく、ロッキングシャフトがその係合孔の内周面で駆動軸のフランジ部上に載置される構成としてもよい。すなわち、本発明による筬打ち装置は、基準ピンを中心とした回動時におけるロッキングシャフトの自重を支持する係合部が駆動軸に設けられる構成に限らず、その係合部がロッキングシャフトに設けられる構成であってもよい。
具体的には、例えば、図3に示す構成がその一例として挙げられる。この図3の構成は、前記実施例のように駆動軸とロッキングシャフトとがフランジ締結により直接的に連結される構成において、駆動軸のフランジ部には係合孔は形成されず、代わりにロッキングシャフトのフランジ部に係合孔を形成したものである。より詳しくは、この例では、ロッキングシャフト37のフランジ部38は、駆動軸31のフランジ部33の外径寸法よりも大きい孔径の係合孔34が、その中心をフランジ部38の中心(ロッキングシャフト37の軸心)と一致させるかたちで形成されている。そのため、ロッキングシャフト37のフランジ部38は、そのような係合孔34が形成可能な外径寸法を有するものとなっている。また、そのような係合孔34が形成されることにより、ロッキングシャフト37のフランジ部38は、円盤状の基部から反円筒部側に突出する環状部39を有する構成となっている。それにより、ロッキングシャフト37は、そのフランジ部38における環状部39の係合孔34内に駆動軸31のフランジ部33を配置した状態において、その係合孔34の内周面35で駆動軸31のフランジ部33の外周面上に載置された状態となることが可能な構成となっている。
そして、この構成によれば、ロッキングシャフト37がそのフランジ部38における環状部39の係合孔34の内周面35で駆動軸31のフランジ部33の外周面上に載置された状態となることにより、ロッキングシャフト37はその軸心が駆動軸31の軸心に対し下側(反筬保持部材側)へ偏心した状態で駆動軸31に支持された状態となる。したがって、この構成においては、前記載置状態において駆動軸31の外周面に当接する係合孔34の内周面35の一部(上側の一部分)を含むフランジ部38における環状部39の一部が係合部として機能する。
また、係合部について、前記実施例及び前記例では、駆動軸及びロッキングシャフトの一方に係合孔が形成されることにより係合部が形成される、より詳しくは、前記一方に係合孔が形成されることによって設けられるフランジ部における環状部の一部が係合部に相当するものとなっているが、係合部は、そのように係合孔によって構成されるものに限らず、前記一方におけるフランジ部に対し、その端面における円周方向の一部分において、その端面から駆動軸及びロッキングシャフトの他方の側へ突出する突起部として構成されたものであってもよい。すなわち、前記実施例の構成においては、環状部25は円周方向に亘って周壁が存在するように設けられているが、係合部として機能するのはその周壁の一部であることから、その周壁の一部のみが突起部として存在し、他の部分が省略された構成としてもよい。
具体的には、例えば、前記実施例のように駆動軸に係合部が設けられる構成においては、駆動軸における円盤状のフランジ部のロッキングシャフト側の端面に対し、円周方向における一部であって前記実施例における環状部の係合部に相当する位置に、前記端面から突出するようなかたちで前記突起部としての係合部材を取り付ける構成とすればよい。そして、この場合は、その係合部材が駆動軸における係合部となる。
なお、この係合部材については、前記実施例における環状部の一部のように円弧状の板材で構成されたものであってもよいが、係合部は、基準ピン廻りに回動するロッキングシャフトの自重を支持できればよいものであるため、ピン形状等のものであってもよい。また、この係合部材の位置については、前記のように前記実施例における係合部(環状部の一部)と同じ位置に設けられるものに限らず、基準ピン廻りに回動するロッキングシャフトがその係合部材(突起部)に当接して自重が支持された状態において、ロッキングシャフトの前記偏心量eが所望の大きさとなり、且つ、ロッキングシャフトの位相が前記所定の位相となるものであれば、どのような位置に設けられていてもよい。
また、前記一方に設けられる係合部と駆動軸及びロッキングシャフトの他方との関係について、前記実施例では、前記組み付け時において、ロッキングシャフト17がそのフランジ部18における外周面において駆動軸11における係合孔14の内周面15上に載置される構成となっている。すなわち、前記他方がその外径寸法の最も大きい部分を被載置面とし、前記組み付け時において、前記他方がそのような被載置面において前記一方における係合部に支持される構成となっており、それに伴い、前記偏心状態を実現すべく、前記係合部は、前記一方における半径方向において、前記他方における軸心から前記被載置面までの距離よりも大きい距離の位置に設けられるものとなっている。しかし、本発明における前記一方の係合部と前記他方との関係はそのようなものに限らず、前記組み付け時において、前記他方における最も外径寸法の大きい部分よりも半径方向における内側の部分において係合部に載置(支持)されるものとしてもよい。そして、その場合には、前記一方の半径方向における係合部の位置については、そのような載置において前記偏心状態が得られるものとなる。
具体的には、例えば、前記実施例と同様に前記他方をロッキングシャフトとし、前記組み付け時においてロッキングシャフトがフランジ部において駆動軸の係合部に載置される構成において、図4に示すように、ロッキングシャフト47のフランジ部48にその駆動軸側の端面から突出するかたちで前記外周面よりも外径寸法の小さい同心状の突出部49を設ける、すなわち、フランジ部48を段付きの構成とし、その段部(前記突出部49の外周面50)において駆動軸41の係合部に支持される構成等が考えられる。そして、その構成の場合には、所望の前記偏心状態における偏心量eが前記実施例と同じであるとすると、駆動軸41の係合孔44は、前記実施例よりも駆動軸41の半径方向において内側に設けられるものとなる。但し、いずれの場合においても、前記一方の半径方向における係合部の位置は、前記他方における軸心からそのときの被載置面までの距離よりも前記一方の軸心から離間した位置に設けられるものであり、その位置は、前記他方における前記距離と所望の前記偏心量eとから決定されるものである。
なお、図4の例では、前記突出部49が円筒形状に形成されたものとなっているが、前記突出部49はそのような構成に限らず、前記組み付け時において前記他方の被載置面を載置することが出来る形状のものであれば、どのような構成のものであってもよい。
基準ピンについて、前記実施例では、駆動軸11が前記連結位相となっている状態において、駆動軸11のロッキングシャフト側の端面(フランジ部13の端面)における駆動軸11の軸心23aに対する略水平方向の反綜絖枠側の位置であって雌ねじ孔21が配置される前記仮想円上の位置に設けられるものとなっているが、駆動軸における前記端面上での基準ピンの位置は、前記実施例の位置に限らず、次の条件を満たすようなものであれば、どのような位置であってもよい。
先ず、駆動軸に対し基準ピンを介してロッキングシャフトが回動自在に組み付けられた状態において、ロッキングシャフトにおける駆動軸側の端面(フランジ部の端面)に形成される取付孔(基準ピンが嵌挿される孔)のロッキングシャフト上での位置との関係において、織幅方向に見て、ロッキングシャフトの軸心の位置を駆動軸の軸心の位置と一致させることが可能なものとする。言い換えれば、駆動軸における前記端面上での軸心から基準ピンまでの距離が、ロッキングシャフトにおける前記端面上での軸心から取付孔までの距離と一致したものとなるようにする。
さらに、前記のように駆動軸とロッキングシャフトとが組み付けられた状態において、織幅方向に見て両者の軸心を一致させた状態からロッキングシャフトが自重により回動可能である必要があるため、駆動軸が前記連結位相となっている状態において、駆動軸の軸心を通って鉛直方向に延在する仮想線上における駆動軸の軸心よりも上側の位置以外の位置に軸心が位置するものとする。
その上で、ロッキングシャフトがその基準ピン廻りに回動して自重を係合部に支持された状態において、駆動軸の軸心に対するロッキングシャフトの軸心の偏心量eが所望の大きさとなるように、係合部の位置との関係において、前記のように両者の軸心が一致した状態から所望の前記偏心量eが得られるようなロッキングシャフトの回動量が得られるものとする。
また、前記実施例や前記例では、駆動軸とロッキングシャフトとを回動可能に連結する基準ピンが設けられ、前記組み付け時においてロッキングシャフトが駆動軸に対し基準ピンを中心に自重によって回動し、その回動が係合部によって支持される(係止される)ことによってロッキングシャフトの位相決めが行われる(前記所定の位相の状態となる)構成となっているが、本発明による筬打ち装置においては、この基準ピンは必ずしも必要ではなく、前記組み付け時においてロッキングシャフトが係合部により単に自重を支持される構成であってもよい。
具体的には、例えば、前記実施例と同様に前記一方を駆動軸とし、駆動軸が係合部を備えると共にロッキングシャフトが駆動軸側の端面にフランジ部を備える構成とした場合において、前記組み付け時において、ロッキングシャフトがフランジ部において単に駆動軸の係合部上に載置される構成であってもよい。そして、そのような構成であっても、駆動軸の軸心に対しロッキングシャフトの軸心が所望の偏心量だけ偏心した状態が実現できる。なお、その構成の場合には、係合部に支持された状態のロッキングシャフトが駆動軸に対して任意の位相を取り得るため、ロッキングシャフトの位相決めについては、前記載置状態において、作業者がロッキングシャフトを回転させて行うものとすればよい。
駆動軸とロッキングシャフトとの連結構造について、前記実施例では、駆動軸11に対し下方へ偏心した状態のロッキングシャフト17を駆動軸11に対し連結可能とするために、ロッキングシャフト17のフランジ部18において固定ボルト20を挿通するための複数の貫通孔26がロッキングシャフト17の軸心24aを中心とする仮想円上に位置する配置で形成されると共に駆動軸11のフランジ部13において前記貫通孔26に対応する雌ねじ孔21が前記連結位相となっている駆動軸11の軸心23aに対し下方に偏心した位置を中心とする仮想円上に位置する配置で形成された構成となっているが、前記連結構造はそのような構成に限らず、次のような構成であってもよい。
例えば、駆動軸のフランジ部において、複数の雌ねじ孔が駆動軸の軸心の位置を中心とする仮想円上に位置する配置で形成された構成とし、その上で、ロッキングシャフトのフランジ部において、前記雌ねじ孔に対応する貫通孔が前記載置状態で前記所定の位相となっているロッキングシャフトの軸心に対し上方(反筬保持部材側)に偏心した位置を中心とする仮想円上に位置する配置で形成されたものとしてもよい。
また、前記雌ねじ孔に対応する貫通孔は、ロッキングシャフトが前記載置状態で前記所定の位相となっている状態において対応する雌ねじ孔に固定ボルトを螺装可能なものであれば、どのような構成のものであってもよく、例えば、前記貫通孔が対応する雌ねじ孔に対して大径の孔として形成された構成であってもよいし、前記貫通孔が対応する雌ねじ孔に対して長孔に形成された構成であってもよい。これらの構成とした場合に、前記貫通孔を対応する雌ねじ孔に対して厳密に位置を一致させて形成する必要が無くなるので、前記連結構造はその設計がより容易なものとなる。
また、前記実施例のように本発明の筬打ち装置が基準ピンを備える構成とした場合において、前記貫通孔が丸孔に形成される構成に代えて、前記貫通孔が基準ピンの軸心(取付孔の中心)を中心とする円弧状の長孔に形成される構成にしてもよく、そのような構成とした場合に、前記連結構造は、前記長孔に挿通した固定ボルトを対応する雌ねじ孔に螺装したままの状態でロッキングシャフトを基準ピン廻りに回動させて前記載置状態とすることが可能なものとなる。
また、前記実施例では、ロッキングシャフト17がその両端部にフランジ部18を有すると共に駆動軸11がロッキングシャフト側の端部にフランジ部13を有し、駆動軸11とロッキングシャフト17とがそれぞれのフランジ部において連結される構成となっているが、駆動軸とロッキングシャフトとの連結構造は、このような構成に限らない。すなわち、前記連結構造は、駆動軸とロッキングシャフトとがフランジ締結以外によって連結される構成であってもよい。
具体的には、例えば、図5に示す構成がその一例として挙げられる。この図5の構成は、前記実施例のようなロッキングシャフトがフランジ部を有し駆動軸に対してフランジ締結により連結される構成に代えて、ロッキングシャフトがフランジ部を有さず駆動軸に対し嵌合により連結される構成としたものである。より詳しくは、この例では、駆動軸51におけるロッキングシャフト側の端部に連結部材52が取り付けられており、その連結部材52がロッキングシャフト57を駆動軸51に対し連結するための嵌合孔を有する構成となっている。
連結部材52は、外径寸法が駆動軸51の外径寸法及びロッキングシャフト57(円筒部)の外径寸法よりも大きい円盤状の板材で形成されたものとなっており、その両側面の一方に駆動軸51に取り付けるための第1の嵌合孔53が形成されると共に、前記両側面の他方にロッキングシャフト57を取り付けるための第2の嵌合孔54が形成されている。第1、第2の嵌合孔53、54は、それぞれの設けられる側面にのみ開口した有底の孔として形成されており、孔径寸法がそれぞれに嵌合される駆動軸51及びロッキングシャフト57の外径寸法に応じた大きさとなっている。但し、第2の嵌合孔54は、第1の嵌合孔53に対し中心の位置が偏心した位置となるように形成されており、その第1の嵌合孔53に対する偏心量eが前記のような所望の偏心量と同じ大きさとなるように形成されている。
そして、前記組み付け時において、連結部材52は、前記連結位相となっている駆動軸51の軸心に対し第2の嵌合孔54の中心が下方の位置となる配置で第1の嵌合孔53を駆動軸51のロッキングシャフト側端部に嵌合されている。図示の例では、駆動軸51におけるロッキングシャフト側の端面に開口するかたちで複数の雌ねじ孔55が設けられると共に連結部材における第1の嵌合孔の底面に前記雌ねじ孔に対応する貫通孔60が形成されており、該貫通孔60に挿通された固定ボルト56が対応する雌ねじ孔55に螺合されることにより連結部材52が駆動軸51に対して固定されている。
その上で、ロッキングシャフト57は、その駆動軸51に対応する側の端部を連結部材52の第2の嵌合孔54に嵌合される。図示の例では、ロッキングシャフト57の端部における外周面に開口するかたちで複数の雌ねじ孔58が形成されると共に、連結部材52における第2の嵌合孔54の内周面に開口するかたちで前記雌ねじ孔58に対応する貫通孔61が形成されている。該貫通孔61は、その前記内周面における位置が駆動軸51の前記連結位相において該貫通孔61に挿通した固定ボルト59を前記所定の位相のロッキングシャフト57における対応する雌ねじ孔58に螺装可能な位置となっている。その上で、前記組み付け時において、作業者が、ロッキングシャフト57を回転させてロッキングシャフト57の位相決めを行うと共に該貫通孔61に嵌挿した固定ボルト59を対応する雌ねじ孔58に螺合することにより、ロッキングシャフト57が前記連結位相となっている駆動軸51に対し前記所定の位相で固定された状態となる。
この構成によれば、連結部材52において第2の嵌合孔54が第1の嵌合孔53に対し偏心した位置に形成され、前記組み付け時において第2の嵌合孔54の中心が駆動軸51の軸心に対し下方の位置となる配置で連結部材52が駆動軸51に対し固定されているので、第2の嵌合孔54に嵌合されたロッキングシャフト57が駆動軸51の軸心に対し下方(反筬保持部材側)へ偏心した位置となる。
なお、この例では、駆動軸51及びロッキングシャフト57の一方側に設けられた嵌合孔に駆動軸51及びロッキングシャフト57の他方が嵌合されて前記偏心状態となる構成となっている。このように、本発明による筬打ち装置においては、前記連結構造は、前記実施例や前記例のような駆動軸及びロッキングシャフトの一方が駆動軸及びロッキングシャフトの他方に設けられた前記一方の外径寸法よりも孔径寸法の大きい係合孔に遊嵌された載置状態において前記偏心状態となる構成に限らない。
さらに、前記実施例では、駆動軸11が係合部を備え、ロッキングシャフト17が係合部に載置されて自重が支持されることにより駆動軸11に対するロッキングシャフト17の偏心状態が実現される構成となっているが、本発明の筬打ち装置においては、駆動軸及びロッキングシャフトの一方が係合部を備えると共にその係合部によりロッキングシャフトの自重が支持される構成に限らず、例えば、前記実施例のようなフランジ締結によって駆動軸とロッキングシャフトとが連結される構成において、前記一方が係合部を備えず、ロッキングシャフトが駆動軸に対し反筬保持部材側に偏心した状態において、固定ボルトのみによってロッキングシャフトが駆動軸に対し支持される構成であってもよい。すなわち、本発明による筬打ち装置は、前記係合部を備える構成に限らず、ロッキングシャフトが駆動軸に対し軸心の位置が反筬保持部材側に偏心した位置で連結・固定される構成であればどのような構成であってもよい。
また、前記実施例の筬打ち装置では、ロッキングシャフトがその両端部において駆動軸に連結される両側駆動式の構成となっているが、本発明が前提とする筬打ち装置は、そのような両側駆動式のものに限らず、ロッキングシャフトがその一方の端部のみで駆動軸に連結され、他方の端部は、織幅方向に見て軸心を前記駆動軸に一致させると共に回転可能な状態で織機フレームに支持された支持軸に対し軸心の位置が前記駆動軸に対する偏心量eと同じ大きさで反筬保持部材側に偏心した状態となるように連結・固定される構成(所謂、片側駆動式の構成)であってもよい。
さらに、本発明は、以上で説明したいずれの実施形態にも限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜に変更可能である。
1 筬打ち装置
2 織機フレーム
3 開口装置
4 綜絖枠
5 ワープライン
6 開口
7 織前
8 筬
9 筬保持部材
10 スレーソード
11 駆動軸
12 軸部
13 フランジ部
14 係合孔
15 内周面
16 底面
17 ロッキングシャフト
18 フランジ部
19 円筒部
20 固定ボルト
21 雌ねじ孔
22 基準ピン
23 駆動軸(軸部)の軸線
23a 駆動軸(軸部)の軸心
24 ロッキングシャフト(円筒部)の軸線
24a ロッキングシャフト(円筒部)の軸心
25 環状部
26 貫通孔
31 駆動軸
32 軸部
33 フランジ部
34 係合孔
35 内周面
36 底面
37 ロッキングシャフト
38 フランジ部
39 環状部
41 駆動軸
42 軸部
43 フランジ部
44 係合孔
45 内周面
46 底面
47 ロッキングシャフト
48 フランジ部
49 突出部
50 外周面
51 駆動軸
52 連結部材
53 第1の貫通孔
54 第2の貫通孔
55 雌ねじ孔
56 固定ボルト
57 ロッキングシャフト
58 雌ねじ孔
59 固定ボルト
60 貫通孔
61 貫通孔
A 経糸方向
B 反綜絖枠側(織前側)
C 綜絖枠側
D 上下方向
E 上側(筬保持部材側)
F 下側(反筬保持部材側)
G 織幅方向
H 当接する位置
e 偏心量

Claims (2)

  1. 中空円筒形状のロッキングシャフトであって長手方向を織幅方向に向けた状態で設けられるロッキングシャフトと、該ロッキングシャフトに取り付けられる複数のスレーソードであって織幅方向に間隔を空けて設けられると共に筬保持部材を支持する複数のスレーソードと、軸線を織幅方向に向けると共に回転可能な状態で織機フレームに支持される駆動軸であって前記ロッキングシャフトに連結されて前記ロッキングシャフトを回転駆動する駆動軸とを備え、前記駆動軸によって前記ロッキングシャフトが回転駆動されることにより前記スレーソードが前記駆動軸の軸心を揺動中心として揺動駆動される織機の筬打ち装置において、
    前記ロッキングシャフト及び前記駆動軸の一方は、前記ロッキングシャフト及び前記駆動軸の他方によって前記ロッキングシャフトの自重を支持する係合部であって、その支持された状態において前記ロッキングシャフトの軸心が前記駆動軸の軸心に対し偏心した位置となるような係合部を備え、
    前記ロッキングシャフトは、前記係合部と前記他方との当接により前記駆動軸に対し位置決めされた状態で前記駆動軸に対し組み付けられることで、織幅方向に見て前記駆動軸の軸心に対し反筬保持部材側へ軸心を偏心させた位置で、前記駆動軸に対し固定されている
    ことを特徴とする織機の筬打ち装置。
  2. 織幅方向に見て前記ロッキングシャフト及び前記駆動軸の軸心に対し偏心した位置において軸線を織幅方向に向けた状態で前記駆動軸及び前記ロッキングシャフトに嵌装される基準ピンであって前記ロッキングシャフトを前記駆動軸に対し該基準ピンの軸心廻りに回動自在に組み付ける基準ピンを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の織機の筬打ち装置。
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