JP6377829B1 - 多芯型絶縁電線およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電導線群18の高密度配置を可能としながらも、電導線群18の形状保持性を確保しつつ成型工程数の低減化および生産性の向上に寄与する多芯型絶縁電線およびその製造方法を提供する。【解決手段】第1電導線8、第2電導線9および第3電導線13から成る電導線群18を芯軸10の中央部11a、谷部11bおよび山部11cに設けて電導線群18の高密度配置を可能とする。外被層20により、芯軸10の電導線群18を樹脂体14と一緒に被覆するため、全体の柔軟性を確保しながら、全体を緊密に束ねて纏める形状保持性を確保することができる。さらに、成型工程数の削減により、短時間で成形作業が終了して生産性の向上に貢献する。【選択図】図3

Description

本発明は車両などの電気系統に適用される多芯型絶縁電線に係り、とりわけ、簡素な製法により多種類の電導線を絶縁状態に配置した多機能な多芯型絶縁電線およびその製造方法に関する。
例えば、自動車の製造業界では、電装品への電力供給のため、種々の電線が接続用のワイヤーハーネスとして使用されている。この種の電線では、多機能性を発揮させるため、複数の導電線を絶縁状態に配置して押出し被覆したものがある(特許文献1参照)。
この特許文献1は、多芯平角電線の製造方法および製造装置を具体化発明として開示しており、平角導体を被覆する際、クロスヘッド内で平角導体の捩れを防止する押出し被覆構造を達成している。
特許文献2に開示された多芯ケーブルでは、複数本の同軸電線のうちで、二対以上の同軸電線対を接触状態に並列し、同軸電線間のクロストークを−40dB以下に抑制している。
特許文献3では、複数本の電線を外被で被覆した多芯ケーブルを開示し、両端部の外被の被覆厚を中間部の被覆厚よりも大きくした厚肉部を形成している。これにより、多芯ケーブルをコネクタに接続する際、厚肉部がストレイン・リリーフとして機能することで接続部分の保護を図っている。
特許文献4の多芯ケーブルでは、抗張力繊維から成る中央層に対して、同軸電線ユニット、複数本の同軸電線、樹脂テープ、遮蔽層および樹脂製の外被を同芯状態に配置している。この積層構造により、耐熱性および耐電圧性を確保しながらも高い柔軟性を確保している。
特許文献5の絶縁電線では、エチレン酢酸ビニール樹脂に水酸化マグネシウムを添加した樹脂を用いて押出成形することで、機器への実装性に配慮した絶縁被覆をラミネートとして成型している。絶縁被覆は、後工程でγ線照射により架橋することにより、ハロゲン化合物を含まない難燃性多芯フラット型の絶縁電線を実現している。
特開平9−213149号公報 特開2016−207658号公報 特開2016−81672号公報 特開2006−56706号公報 特開2002−260452号公報
しかしながら、特許文献1−5のいずれの場合でも、導電体線は樹脂被覆された上で、絶縁体内に埋設状態に成型する必要がある。
このため、導電体線を高密度に配置することが困難となり、また、成型作業が多工程となって時間を要して生産性が低下する虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、導電体線を高密度に配置することができ、また、成型工程の削減により、短時間で成形作業が終了して生産性の向上に寄与する多芯型絶縁電線およびその製造方法を提供することにある。
(請求項1および請求項について)
絶縁性の芯軸には、芯軸構造として軸方向に沿って形成された形態とし、芯軸の外周縁部には、周方向に沿って起伏する複数の山部と複数の谷部とを連続的に設けている。
電導線群は、第1電導線、第2電導線および第3電導線から成り、第1電導線は芯軸の中央部に設けられ、第2電導線は山部に埋設され、第3電導線は谷部に配置されている。配置・充填工程の樹脂体は谷部と第3電導線との間に生じた空隙部を充填している。外被層により、芯軸の周囲に位置する電導線群を樹脂体と一緒に被覆している。
第1電導線、第2電導線および第3電導線は、それぞれ複数本の細線を撚り合せて形成した撚線から成っている。
請求項1および請求項では、第1電導線、第2電導線および第3電導線の三者から成る電導線群を順に芯軸の中央部、谷部および山部に設けているので、電導線群の高密度配置が可能となる。
また、外被層により、芯軸の電導線群を樹脂体と一緒に被覆しているため、全体の柔軟性を確保しながら、電導線群と樹脂体とを緊密に束ねて纏める形状保持性を確保することができる。
さらに、第1電導線、第2電導線および第3電導線の各電導線は、被覆が要らず裸線の状態でよいので、成型工程数の削減により、短時間で成形作業が終了して生産性の向上に貢献することができる。
第1電導線、第2電導線および第3電導線は、撚線から成っているため、電導線群に高電気容量化が図られると共に、屈曲変位に富む高い柔軟性を確保することができる。
(請求項について)
請求項では、請求項における配設・充填工程の代わりに配置工程を設けている。この配置工程では、樹脂被覆でコーティングした第3電導線を用意して谷部に空隙部を余しながら配置する。
請求項の被覆工程では、外被層を被覆成型する際の発熱により、第3電導線の樹脂被覆を融解し、融解後の樹脂被覆が樹脂体として空隙部を充填する。
(請求項および請求項について)
外被層と樹脂体とは、これら相互間の移行性を無くすため、同一種類の合成樹脂材料により形成されている。このため、外被層と樹脂体との相互間が緊密に接触していても、可塑剤などの添付物が両者の間を移行することがなくなる。この結果、外被層と樹脂体との良好な密着保持性を長期にわたって保持することができる。
(請求項および請求項について)
請求項3および請求項7では、芯軸、外被層および樹脂体の三者は、いずれも難燃性ポリウレタン樹脂から形成している。このため、これら三者を共通の合成樹脂材料を用いてコスト的に有利に型成することができる。さらに、請求項3では、請求項1と同様に、電導線群の高密度配置や形状保持性を確保することができ、併せて成型工程数の削減により、短時間で成形作業が終了して生産性の向上に寄与する。
(a)は第1電導線および第2電導線を芯軸に設ける第1押出成型機を示す縦断面図、(b)は(a)のN1−N1線に沿う横断面図、(c)は(a)のN2−N2線に沿う横断面図である(実施例1)。 (d)は第3電導線を芯軸に設ける第2押出成型機を示す縦断面図、(e)は(d)のN3−N3線に沿う横断面図である(実施例1)。 (a)は外被層を設ける第3押出成型機を示す縦断面図、(b)は(a)のJ1−J1線に沿う横断面図である(実施例1)。 (a)−(c)はコーティングした第3電導線を用いる配置工程で絶縁電線体を成型する手順を示す横断面図である(実施例2)。 第1電導線および第2電導線を芯軸に設ける成型ノズルを示す斜視図である(実施例3)。 (a)は第1電導線および第2電導線を芯軸に設ける成型ノズルを示す縦断面図、(b)は外周側に外被層を設ける第4押出成型機を示す縦断面図、(c)は図5のJ2−J2線に沿う横断面図、(d)は(a)のJ3−J3線に沿う横断面図、(e)は(a)のJ4−J4線に沿う横断面図、(f)は(b)のJ5−J5線に沿う横断面図、である(実施例3)。 (a)−(c)は多芯型絶縁電線の成型工程を示す横断面図、(d)は芯軸の構造を示す斜視図である(実施例4)。 (a)は芯軸を押出処理する第5押出成型機を示す横断面図、(b)は(a)のN4−N4線に沿う横断面図、(c)は(a)のN5−N5線に沿う横断面図である(実施例5)。 多芯型絶縁電線を示す横断面図である(実施例5)。 (a)−(c)は多芯型絶縁電線の成型工程を示す横断面図である(実施例6)。
本発明に係る電導線群は、第1電導線、第2電導線および第3電導線から成り、第1電導線は中央部に配され、第2電導線は山部に埋設され、第3電導線は谷部に配置されている。樹脂体は、谷部と第3電導線との間に生じた空隙部を充填し、電導線群を樹脂体と一緒に外被層で被覆する。
図1ないし図3に基づいて本発明の実施例1を説明する。
本発明に係る多芯型絶縁電線では、例えば、自動車に装備されたABS(アンチロック・ブレーキングシステム)やEPB(エレクトリック・パーキングブレーキ)などの電装品の駆動用のセンサー(図示せず)から制御コンピュータとしての電気制御ユニット(ECU)への信号伝送に有用である。電源としては、例えば、薄型矩形状の電池を単体の二次電池として左右方向に沿って複数個並列させて重ね合せた電池集合体(セル一列積層体)を用いている。
多芯型絶縁電線の成型・製造にあたっては、図1(a)に示す第1押出成型機1を用いる。押出成型機1のポイント2は、円錐台状の筒型を成す押出用の成型ノズル3とクロスヘッド4とを備えた通常の機種である。成型ノズル3とクロスヘッド4との間に形成された流通路5には、流動推進用のスクリュー6aを内設したスクリューシリンダ6からの絶縁性の溶融樹脂S1(例えば、難燃性ポリウレタン樹脂)を金型7に向かって流動圧送させるようになっている。
成型ノズル3は、通常の場合、ステンレス鋼(SUS)、ダイス鋼あるいはタングステン超合金鋼などから成る金属製であり、テーパ角は、例えば30°−70°の角度範囲内に設定している。成型ノズルとしては、金属製に代わって、セラミック製のものであってもよい。
金型7は、一例として中空部が略十字筒形状となるように形成されており、金型7には、図1(b)に示すように、一本の第1電導線8および四本の第2電導線9と共に溶融樹脂S1が流通路5から圧送により通過するようになっている。
これにより、図1(c)に示す型抜き後の芯軸10が所定長さの芯軸構造として成型されて用意される(初期工程)。
すなわち、第1電導線8が金型7の中央を通過可能に配設され、第2電導線9が金型7の外周端部内を通過可能に配設されている。
初期工程で処理された芯軸10は、中央部11aを有して軸方向に沿って延出形成された形態の芯軸構造を成す。起伏部10Aは、芯軸10の外周縁部に凹凸状に起伏形成され、電導線のマルチセパレータとして機能する。
この起伏部10Aは、芯軸10の外周縁部を周方向に沿って複数区間に区画するように設けられて、中央部11aの外周囲で起伏する複数(例えば、四箇所)の山部11bと複数(例えば、四箇所)の谷部11cとから成っている。
初期工程と同時に行われる配設工程では、金型7に対する溶融樹脂S1の圧送通過に伴う芯軸10の成型と同時に、芯軸10の中央部に軸方向に沿って第1電導線8が配され、山部11bのそれぞれに第2電導線9が埋設される。
初期工程に続く配設・充填工程では、図2(d)に示すように、第2押出成型機12を用いて、谷部11cのそれぞれに第3電導線13を配置する。これと同時に、図2(e)に示すように、谷部11cと第3電導線13との間に生じる空隙部Spに溶融樹脂S2を注入して樹脂体14(例えば、難燃性ポリウレタン樹脂)で充填する。
この際、第3電導線13は、第1電導線8および第2電導線9の二者と共に電導線群18を構成する。
すなわち、配設・充填工程では、第2押出成型機12の成型ダイス12aとクロスヘッド12bとの間の流通路15に溶融樹脂S2(難燃性ポリウレタン樹脂)を流動圧送させる。
これと同時に、芯軸10および第3電導線13の双方をポイント12cに押出しにより通過させることで、空隙部Spに樹脂体14を充填した絶縁電線体17が成型される。
この押出成型時には、絶縁電線体17がポイント12cの通過に伴う撚合力を受け、支障のない範囲で螺旋状に撚り合うように変形される。
配設・充填工程に続く被覆工程では、図3(a)に示すように、第3押出成型機19を用いて、芯軸10の電導線群18を樹脂体14と一緒に被覆する外被層20(厚み0.3mm−0.5mm)を形成する。
すなわち、被覆工程では、第3押出成型機19のダイス19aとクロスヘッド19bとの間の流通路21に溶融樹脂S3(難燃性ポリウレタン樹脂)を流動圧送させる。
これと同時に、ポイント19cに絶縁電線体17を押出しにより通過させることで、絶縁電線体17に外被層20を被覆成型して多芯型絶縁電線20Aを構成する(図3(b)参照)。
ここで、電導線群18の仕様(材料および寸法関係)についての一例を示せば、第1電導線8は、Cu−Sn合金製の細線を複数本撚り合って形成した単一の圧縮撚線を成し、第2電導線9は、Cu−Sn合金製の細線(φ0.08mm)を37本撚り合って形成した圧縮撚線(37/0.08)で四個所に配置している(断面積:0.54平方ミリメータ)。
第3電導線13は四本から成り、そのうち二本は、Cu−Sn合金製の細線(φ0.08mm)を37本撚り合って形成した圧縮撚線(37/0.08)である。
他の二本は、Cu−Sn合金製の細線(φ0.08mm)を87本撚り合った圧縮撚線(37/0.08)を用意し、この圧縮撚線を更に7本撚り合って形成した圧縮二重撚線(7/85/0.08)である。圧縮二重撚線の断面積は、2.47平方ミリメータである。電導線群18については、とりわけ、愛知県碧南市に所在する専業メーカである三州電線株式会社製の電線を使用することもできる。
電導線群18について敷衍すれば、四本の第2電導線9のそれぞれは、互いに全く異なる径寸法に設定してもよく、また、四本の第3電導線13も、それぞれ互いに全く異なる径寸法に設定してもよい。
なお、電導線群18のうち、第1電導線8と全ての第2電導線9は適用対象や使用状況などの実用的観点から不要と判断する場合には省略してもよい。
〔実施例1の効果〕
実施例1では、第1電導線8、第2電導線9および第3電導線13から成る電導線群18を芯軸10の中央部11a、谷部11bおよび山部11cに設けているので、電導線群18の高密度配置が可能となる。
また、外被層20により、芯軸10の電導線群18を樹脂体14と一緒に被覆しているため、全体の柔軟性を確保しながら、電導線群18を樹脂体14と緊密に束ねて纏める形状保持性を確保することができる。
さらに、第1電導線8、第2電導線9および第3電導線13の各電導線は、被覆が要らず裸線の状態でよいので、成型工程数の削減により、短時間で成形作業が終了して生産性の向上に貢献することができる。
第2電導線9は複数本あって互いに異なる径寸法を有しており、第3電導線13も複数本あって互いに異なる径寸法を有している。このため、第2電導線お9よび第3電導線13において、必要な電気容量に応じた径寸法の電導線を設定することで、通信線としての多機能化を図ることができる。
第1電導線8、第2電導線9および第3電導線13は、それぞれ複数本の細線を撚り合せて形成した圧縮撚線から成っている。このため、電導線群18に高電気容量化が図られると共に、屈曲変位に富む高い柔軟性を確保することができる。
外被層20と樹脂体14とは、これら相互間の移行性を無くすため、同一種類の合成樹脂材料(難燃性ポリウレタン樹脂)により形成されている。このため、外被層20と樹脂体14との相互間が緊密に接触していても、可塑剤などの添付物が両者の間を移行することがなくなる。この結果、外被層20と樹脂体14とが剥離することがなく、これら両者間の良好な密着保持性を長期にわたって保持することができる。
芯軸10、外被層20および樹脂体14の三者は、いずれも難燃性ポリウレタン樹脂から形成している。このため、これら三者を共通の合成樹脂材料を用いてコスト的に有利に型成することができる。
図4は本発明の実施例2を示す。この実施例2では、実施例1の多芯型絶縁電線の製造方法において、配設・充填工程の代わりに配置工程を設けている(図4(a)〜図4(c)参照)。
この配置工程では、例えば、難燃性ポリウレタン樹脂の樹脂被覆13aでコーティングした第3電導線13を用意して谷部11cに空隙部Spを余しながら配置する。すなわち、空隙部Spは、溶融樹脂S1による樹脂体14では充填しない。
この場合、被覆工程では、外被層20を被覆成型する際の発熱により、第3電導線13の樹脂被覆13aを融解し、融解後の樹脂被覆13aが樹脂体14として空隙部Spを充填する(図4(b)参照)。その後、被覆工程において、芯軸10の電導線群18を樹脂体14と一緒に外被層20で被覆する。このように構成しても、実施例1と同様な効果が得られる。下記に示す実施例3〜6についても同様である。
図5および図6は本発明の実施例3を示す。この実施例3では、図5に示す芯軸31を成型ノズル30に流動通過させることにより絶縁電線体32を成型する。
この場合の芯軸31は、図6(c)に示すように、芯軸31に外接する側縁帯31aを一体に延出形成している。側縁帯31aの幅寸法Wは、芯軸31の外縁部の周長に対応する寸法関係に設定している。
芯軸31の中央部には軸方向に沿って単一の第1電導線8を埋設し、側縁帯31aには、複数の第2電導線9を幅方向に沿って等間隔に埋設している。芯軸31の外周縁には、第2電導線9に対応する細溝31bが線長方向に沿って延出形成されている。
斯かる芯軸31を図5および図6(a)に示すように、成型ノズル30に押出しにより通過させる。これにより、図6(d)に示すように、側縁帯31aが側方にカールして芯軸31の外周縁を密着状態に被覆して第2電導線9を細溝31bに緊密に嵌合させて絶縁電線体32を成型する(図6(e)参照)。
成型ノズル30を通過後の絶縁電線体32は、図6(b)に示すように、第4押出成型機35で押出処理を受ける。第4押出成型機35は、成型ノズル35aとクロスヘッド35bを有するポイント35cを備えている。成型ノズル35aとクロスヘッド35bとの間に形成された流通路35dには、スクリューシリンダ6のスクリュー6aからの溶融樹脂S4を流動圧送させるようになっている。
多芯型絶縁電線33Aの成型・製造にあたっては、図6(b)に示すように、絶縁電線体32を押出しによりポイント35cに通過させると同時に溶融樹脂S4を流通路35dに流動圧送させる。これにより、溶融樹脂S4が流通路35dから絶縁電線体32の外表面を覆う外被層33を形成して多芯型絶縁電線33Aを成型する(図6(f)参照)。
図7は本発明の実施例4を示す。この実施例4が実施例3と異なるところは、二つの側縁帯31e、31fを芯軸31の上下の対向側から外接状態で互いに反対側に延出成形したことである(図7(a)、(d)参照)。側縁帯31e、31fは、いずれも複数本の第2電導線9を埋設している。
芯軸31を実施例3と同様の成型ノズルに通過させることにより、側縁帯31e、31fが芯軸31の外周縁を密着状態に被覆すると共に、第2電導線9を細溝31bに緊密に嵌合させて絶縁電線体32を成型する(図7(b)参照)。
実施例3と同様の第4押出成型機35におけるポイント35cに絶縁電線体32を通過させると同時に溶融樹脂S4を流通路35dに流動圧送させる。これにより、被覆工程として、図7(c)に示すように、溶融樹脂S4が絶縁電線体32の外表面に外被層33を成型して多芯型絶縁電線33Aを構成する。
図8および図9は本発明の実施例5を示す。この実施例5が実施例1と異なるところは、中央孔11aは省かれ、第1電導線8は配設せず、かつ山部11bの第2電導線9を省略したことである。
このため、図8(b)に示すように、芯軸構造を成す絶縁性の芯軸40は中実状であり、複数の山部40aと複数の谷部40bとを備えた形態を作製用意する(初期工程)。
この場合、芯軸40は、図8(a)に示すように、第5押出成型機41で押出処理を受ける。第5押出成型機41は、成型ノズル41aとクロスヘッド41bを有するポイント41cを備えている。成型ノズル41aとクロスヘッド41bとの間に形成された流通路41dには、スクリューシリンダ6からのスクリュー6aによる溶融樹脂S5を流動圧送させるようになっている。
多芯型絶縁電線40Bの成型・製造時には、先ず、実施例1の第3電導線と同様に用意した電導線13を谷部40aに配置し、この状態の芯軸40を第5押出成型機41のポイント41cに通過させると同時に溶融樹脂S5を流通路41dに流動圧送させる。
これにより、谷部40aと電導線13との間に生じた空隙部Spを樹脂体14で充填する(図8(c)参照)。これと同時に、山部40bが芯軸40の周方向に側方へ変形されて電導線13および樹脂体14の双方を覆う山部変形部42aを備えた絶縁電線体42が設けられる(配設・充填・変形工程)。
次いで、実施例3(図6(b)参照)と同様の第4押出成型機35におけるポイント35cに絶縁電線体42を通過させると同時に溶融樹脂S4を流通路35dに流動圧送させる。
これにより、溶融樹脂S4が、図9に示すように、絶縁電線体42の外表面に外被層43を成型して、芯軸40、電導線13および樹脂体14を一体的に覆う多芯型絶縁電線40Bを構成する(被覆工程)。
この場合および後述する実施例6でも、実施例2と同様に、樹脂体14の充填に代わって、電導線13をコーティングした樹脂被覆を融解して使用する配置工程を設けてもよい。
図10は本発明の実施例6を示す。この実施例6が実施例5と異なるところは、中実状の芯軸40の横断面を星型あるいはヒトデ型(各辺が内方に凸となる曲線を成す四辺形)として、その外周縁部に起伏する山部40bと谷部40aを形成したことである(図10(a)の初期工程参照)。
多芯型絶縁電線40Bの成型・製造時には、図8(a)の実施例5と同様に、谷部40aに電導線13を配置した状態で、実施例5と同様の第5押出成型機41で押出処理を受けた後、図10(b)に示すように、配設・充填・変形工程で山部変形部44を備えた絶縁電線体45が設けられる。
溶融樹脂S4が、図10(c)に示すように、絶縁電線体45の外表面に外被層46を成型して、芯軸40、電導線13および樹脂体14を一体的に覆う多芯型絶縁電線40Bを構成する(被覆工程)。
〔変形例〕
(a)芯軸10は、中空部が略十字筒形状の金型7により、マルチセパレータとして四箇所ずつの山部11bおよび谷部11cを形成したが、芯軸10には、所定形状の金型7を用いて、三箇所あるいは四箇所以上の山部11bおよび谷部11cを複数個として設けてもよい。
実施例5、6の芯軸40についても上記と同様である。
(b)芯軸10(40)、樹脂体14および外被層20(33、43、46)の材質として、共通の難燃性ポリウレタン樹脂を用いたが、通常のポリウレタン樹脂、高純度のポリエチレン(PE)、エチレン・ビニール・アセテート共重合体(エチレン酢酸ビニール共重合体:EVA)、熱可塑性加硫物あるいはテトラフルオロエチレン・プロピレン系フッ素ゴムなどの合成樹脂材料を用いてもよい。
(c)また、芯軸10(40)、樹脂体14および外被層20(33、43、46)の材質としては、上記合成樹脂材料に代わって、塩素化ポリオレフィン、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・メチレンゴム)でもよく、あるいはポリアミド(PA)、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)あるいはシンジオタクチックポリスチレン(SPS)などのエンジニアリングプラスチック材料を用いてもよい。
本発明に係る多芯型絶縁電線では、第1電導線、第2電導線および第3電導線から成る電導線群を芯軸の中央部、谷部および山部に設けているので、電導線群の高密度配置が可能とな、また、外被層により、芯軸の電導線群を樹脂体と一緒に被覆しているため、全体の柔軟性を確保しながら、全体を緊密に束ねて纏める形状保持性を確保することができる。これらの有用性に着目した関連事業からの需要が喚起され、関連部品の流通を介して機械産業に貢献することができる。
1 金型
8 第1電導線
9 第2電導線
10 軸芯
10a 軸芯の外周縁部
11a 中央部
11b 山部
11c 谷部
13 第3電導線
13a 第3電導線の樹脂被覆
14 樹脂体
17 絶縁電線体
18 電導線群
20 外被層
20A、33A 多芯型絶縁電線
S1〜S5 溶融樹脂
Sp 空隙部

Claims (7)

  1. 軸方向に沿って延出形成された絶縁性の芯軸を有し、前記芯軸の外周縁部を周方向に複数区間に区画するように、前記外周縁部に沿って起伏する複数の山部と複数の谷部とを連続的に形成した芯軸構造と、
    前記芯軸の中央部に前記軸方向に沿って配された第1電導線、前記山部に埋設された第2電導線および前記谷部に配置された第3電導線から成る電導線群と、
    前記谷部と前記第3電導線との間に生じた空隙部に充填配設された樹脂体と、
    前記電導線群を前記芯軸および前記樹脂体の双方と一緒に被覆する外被層とを具備し 前記第1電導線、前記第2電導線および前記第3電導線の三者のいずれもが、複数本の細線を撚り合せて形成した撚線から成ることを特徴とする多芯型絶縁電線。
  2. 前記外被層と前記樹脂体とは、これら相互間の移行性を無くすため、同一種類の合成樹脂材料により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多芯型絶縁電線。
  3. 軸方向に沿って延出形成された絶縁性の芯軸を有し、前記芯軸の外周縁部を周方向に複数区間に区画するように、前記外周縁部に沿って起伏する複数の山部と複数の谷部とを連続的に形成した芯軸構造と、
    前記芯軸の中央部に前記軸方向に沿って配された第1電導線、前記山部に埋設された第2電導線および前記谷部に配置された第3電導線から成る電導線群と、
    前記谷部と前記第3電導線との間に生じた空隙部に充填配設された樹脂体と、
    前記電導線群を前記芯軸および前記樹脂体の双方と一緒に被覆する外被層とを具備し、 前記芯軸、前記外被層および前記樹脂体の三者は、いずれも難燃性ポリウレタン樹脂から成ることを特徴とする多芯型絶縁電線。
  4. 軸方向に沿って延出形成された絶縁性の芯軸を有し、前記芯軸の外周縁部を周方向に複数区間に区画するように、前記外周縁部に沿って起伏する複数の山部と複数の谷部とを連続的に形成した芯軸構造を用意する初期工程と、
    前記初期工程と同時に、第1電導線および第2電導線をそれぞれ用意し、前記第1電導線を前記芯軸の中央部に前記軸方向に沿って配し、前記第2電導線を前記山部に埋設する配設工程と、
    第3電導線を用意して前記谷部に配置すると共に、前記谷部と前記第3電導線との間に生じた空隙部を樹脂体で充填する配設・充填工程と、
    前記芯軸を前記第1電導線、前記第2電導線および前記第3電導線の三者から成る電導線群および前記樹脂体と一緒に被覆する外被層を形成する被覆工程とを具備し、
    前記第1電導線、前記第2電導線および前記第3電導線の三者のいずれもが、複数本の細線を撚り合せて形成した撚線から成ることを特徴とする多芯型絶縁電線の製造方法
  5. 軸方向に沿って延出形成された絶縁性の芯軸を有し、前記芯軸の外周縁部を周方向に複数区間に区画するように、前記外周縁部に沿って起伏する複数の山部と複数の谷部とを連続的に形成した芯軸構造を用意する初期工程と、
    前記初期工程と同時に、第1電導線および第2電導線を用意し、前記第1電導線を前記芯軸の中央部に前記軸方向に沿って配し、前記第2電導線を前記山部に埋設する配設工程と、
    樹脂被覆した第3電導線を用意して前記谷部に、前記谷部と前記第3電導線との間に空隙部を余した状態で配置する配置工程と、
    前記第1電導線、前記第2電導線および前記第3電導線から成る電導線群を一体的に被覆する外被層を形成すると共に、前記外被層を形成する際の発熱により融解した前記樹脂被覆で前記空隙部を充填する被覆工程とを具備したことを特徴とする多芯型絶縁電線の製造方法
  6. 前記外被層と前記樹脂体とは、これら相互間の移行性を無くすため、同一種類の合成樹脂材料により形成されていることを特徴とする請求項4に記載の多芯型絶縁電線の製造方法
  7. 前記芯軸、前記外被層および前記樹脂体の三者は、いずれも難燃性ポリウレタン樹脂から成ることを特徴とする請求項4に記載の多芯型絶縁電線の製造方法。
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