JP6377662B2 - フィルターユニットの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、臨床検査や研究分析等の分野において、検体液や試料液等をろ過するために用いられるフィルターユニットの製造方法に関する。
近年、患者の健康状態を診断する臨床検査において、操作が簡便であり、迅速に検査結果が得られることから、イムノクロマト法を利用した臨床検査が多く採用されている。イムノクロマト法を利用した臨床検査では、主に患者の鼻腔、咽頭又は結膜等を綿棒やスワブ等の検体採取具で拭って採取された検体について検査が行われる。採取された検体は、検体調整液に浸漬することにより分散又は溶解され、イムノクロマトグラフィー測定用の展開液として調整される。その際、検体調整液中には、採取された検体由来の粘性の高い分泌物や細胞片等の不要な物質が多く含まれていることから、これらの不要な物質が検査の検出精度を低下させることを防ぐため、検体調整液中の不要な物質をフィルターでろ過して除去することが行われている。
検体調整液等の試料液のろ過処理にあたっては、たとえば、特許文献1で提案されているようなフィルターユニットが用いられている。フィルターユニットとは、フィルターホルダーに予めフィルターが装着されている器具である。この種のフィルターユニットを用いることにより、ろ過処理の都度フィルターをフィルター保持具にセットする必要がなく、ろ過処理後はフィルターユニットごと廃棄することができるため、迅速かつ簡便にろ過処理を行うことができる。
特許文献1に記載されたフィルターユニットでは、フィルターとしてプラスチック焼結多孔質体や焼結ガラスフィルター等の焼結フィルターが用いられている。焼結フィルターは剛性が高く変形し難いため、フィルターホルダーのフィルター内装部に、フィルター内装部の内径よりも若干大径に形成した焼結フィルターを嵌入することにより、フィルターはフィルターホルダーから脱落することなく、安定してフィルター内装部に保持される。
特開2007−17151号公報
他方、ろ過フィルターには、上述した焼結フィルター以外にも、スポンジ様素材等の可撓性を有する連通多孔質材料で形成されたものや、シート状の多孔質材料で形成されたものなどがあり、ろ過対象である試料液の物性や、求められるろ過精度等に合わせて選択される。フィルターとして、スポンジ様素材やシート状素材等の変形しやすいものを採用した場合、焼結フィルターと同様にフィルター内装部の内径よりも若干大径にフィルターを形成して圧入しても、この種のフィルターは剛性が低く変形し易いため、安定してフィルター内装部に保持され難い。そのため、ろ過処理の際に比較的高い圧力がフィルターにかかると、所定の位置からフィルターが脱落しやすい。
それゆえ、この種の変形しやすいフィルターを用いる際には、図8に示すように、フィルター4をフィルター内装部に収容させたのち、フィルター4の表面周縁とフィルター内装部の内壁32aとをOリング9を用いて固定させることが行われる。しかしながら、Oリング9によるフィルター4の固定は確実ではあるが、フィルターホルダー3とフィルター4の他にOリング9という別部材を必要とするため、フィルターユニット1’の製造にコストがかかるという問題があった。
そこで、発明者らは、フィルター内装部の内壁に周方向に凸状リブを有するフィルターホルダーを設計し、フィルター内装部に収容されたフィルターの表面周縁を内壁に形成した凸状リブで押さえることを試みた。この場合、上述したOリングのような別部材は必要としないが、フィルター内装部にフィルターを収容させる際、凸状リブ部分の内径がフィルターの外径よりも著しく小径となるためにフィルターを収容する妨げとなり、フィルターが変形した状態で収容されたり、斜めに傾いた状態で収容されることがあった。
本発明の目的は上述した点に鑑み案出されたもので、変形しやすい材質のフィルターであってもOリングのような固定のための別部材を必要とせずにフィルターホルダーに固定することができるフィルターユニットの製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、フィルターをスムーズにフィルターホルダーに収容でき、製造が容易なフィルターユニットの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のフィルターユニットの製造方法は、一端が開口した筒体に形成されたフィルター収容部とフィルター収容部の底部と連通したろ液取出口を有し、熱可塑性樹脂からなるフィルターホルダーの筒体の開口からフィルターを挿入して、フィルター収容部にフィルターを収容するフィルター収容工程と、筒体の開口から、柱状に形成された圧入治具の先端を挿入し、圧入治具で筒体の内壁を圧入して圧入バリを生じさせ、フィルターを係止する係止爪を形成する係止爪形成工程と、を含んでいる。
本発明のフィルターユニット製造方法では、フィルターをフィルターホルダーに収容した後、フィルター収容部の筒体の開口から、柱状の圧入治具の先端を挿入する。フィルターホルダーは熱可塑性樹脂で形成されているため圧入治具と当接する筒体の内壁は容易に圧入され、圧入された部分には圧入溝が形成されると共に圧入バリが生じる。圧入バリは筒体の内壁からフィルターの表面方向に突出し、フィルターを係止する係止爪として作用する。このように、フィルターを固定するための別部材を必要とすることなく、フィルターがフィルターホルダーから脱落しないよう装着されたフィルターユニットを容易かつ迅速に得ることができる。本発明では、適用できるフィルターが限定されず、さまざまな素材、厚み及び物性のフィルターを使用することができる。
また、本発明の圧入治具は、周側面に軸方向に延びる2つ以上の角部を有しており、係止爪形成工程において、角部が筒体の内壁を圧入することも好ましい。フィルター収容部の筒体の開口から、2つ以上の角部を周側面に設けた柱状の圧入治具を挿入し、複数の角部で筒体の内壁を圧入する。これにより、2つ以上の複数の係止爪が得られ、フィルターを安定してフィルターホルダーに係止することができる。また、角部のみで筒体の内壁を圧入するため、圧入にかかる力を小さくすることができ、フィルターホルダーの筒体の変形等も抑制することができる。
また、フィルターホルダーのフィルター収容部の筒体は、円筒形であり、圧入治具は、筒体の内径と略同じかやや小さい径を有する円柱部と、円柱部の周側面に設けられた軸方向に延びる2つ以上の角部と、円柱部の先端に設けられた縮径テーパー状に突出した調芯部を有し、係止爪形成工程において、圧入治具の角部で筒体の内壁を圧入することも好ましい。圧入治具の先端、すなわち圧入方向の先端に縮径テーパー状に突出した調芯部を設けることにより、圧入時に圧入治具の中心軸と筒体の中心軸とを一致させることができ、圧入治具の偏心による係止爪の係止力の低下を防ぐことができる。
また、調芯部は、円柱部と略同じ径を有するストレート部と縮径したテーパー部とからなることも好ましい。圧入治具の先端に設けられた調芯部に、ストレート部とテーパー部とを設けることにより、ストレート部が圧入治具の中心軸と筒体の中心軸とをより一致させるように案内するため、圧入治具の偏心がより改善される。
また、調芯部には、係止爪形成工程において、生じた圧入バリを逃がすための逃がし溝が、角部の圧入端面と連続するように設けられていることも好ましい。これにより、圧入治具の角部の圧入により生じる圧入バリは、調芯部内に設けられた逃がし溝に収容されながら圧入される。それゆえ、フィルター表面に対向して突出する係止爪が形成され、安定してフィルターを係止することができる。
また、本発明の圧入治具は、多角柱形に形成されており、係止爪形成工程において、圧入治具の多角柱の角部が筒体の内壁を圧入することも好ましい。これにより、多角柱に形成された圧入治具の角部のみで筒体の内壁を圧入するため、圧入にかかる力を小さくすることができ、フィルターホルダーの筒体の変形等も抑制することができる。また、圧入治具を単純な形状とすることができるため、圧入治具の入手や維持管理のための費用を低コストとすることができる。
また、圧入治具は、角部の圧入端面が半円弧状の凹面に形成されたものであることも好ましい。これにより、圧入治具の圧入により生じる圧入バリは、圧入端面の半円弧状の凹面に当接し、円弧状にカールされる。それゆえ、カール状の係止爪が形成され、フィルター表面が弾性的に係止爪で押圧されたフィルターユニットが得られる。また、圧入治具の角部の圧入端面が凹アール面に形成されることにより、角部の先端部分が鉤爪状に形成されるため、角部の先端の鉤爪が筒体の内壁を鋭利に削るように作用するため、圧入にかかる力を小さくすることができる。
本発明によれば、以下のような優れた効果を有するフィルターユニットの製造方法を提供することができる。
(1)フィルターを収容したフィルターホルダーに対し、圧入治具の圧入のみでフィルターを固定することができるため、製造が容易である。
(2)圧入治具の圧入により生じた圧入バリでフィルターを係止するため、Oリングのような固定のための別部材を必要とせずにフィルターを固定することができる。
(3)2つ以上の角部で筒体の内壁を圧入することにより、2つ以上の係止爪が得られ、フィルターを安定してフィルターホルダーに係止することができる。また、角部のみで筒体の内壁を圧入するため、圧入にかかる力を小さくすることができ、圧入時のフィルターホルダーの変形も抑制することができる。
(4)圧入治具の先端に調芯部を設けることにより、圧入の際の位置決めが容易になされ、圧入の偏心を抑制することができ、フィルターを安定して係止するフィルターホルダーを製造することができる。
(5)圧入治具の調芯部に、生じた圧入バリを逃がすための逃がし溝を設けることにより、圧入時に生ずる圧入バリが逃がし溝に収容されながら圧入されるため、係止爪の折れ等の変形を防ぐことができ、確実にフィルターを係止する係止爪を得ることができる。
本発明の第一の実施形態に係るフィルターユニットの製造方法に用いられる圧入治具を示す図であって、(a)圧入治具の底面図(圧入治具の先端)、(b)圧入治具の正面図、及び(c)図1(a)のA−A線断面図である。 本発明の第一の実施形態に係るフィルターユニットの製造方法を概略的に説明する説明図であって、(a)フィルターホルダーにフィルターを収容するところを示す部分断面正面図及び平面図、(b)圧入治具で筒体の内壁を途中まで圧入した状態を示す部分断面正面図及びB−B線断面図、(c)圧入治具で筒体の内壁を最後まで圧入した状態を示す部分断面正面図、(d)製造されたフィルターユニットの部分断面正面図及び平面図である。 本発明の第二の実施形態に係るフィルターユニットの製造方法に用いられる圧入治具を示す図であって、(a)圧入治具の底面図(圧入治具の先端)、(b)圧入治具の正面図、及び(c)図3(a)のC−C線断面図である。 本発明の第二の実施形態に係るフィルターユニットの製造方法を概略的に説明する説明図であって、(a)圧入治具で筒体の内壁を途中まで圧入した状態を示す部分断面正面図及びD−D線断面図、(b)圧入治具で筒体の内壁を最後まで圧入した状態を示す部分断面正面図、(c)製造されたフィルターユニットの部分断面正面図及び平面図である。 本発明の第三の実施形態に係るフィルターユニットの製造方法に用いられる圧入治具を示す図であって、(a)圧入治具の底面図(圧入治具の先端)、(b)圧入治具の正面図、及び(c)E−E線断面図である。 本発明の第三の実施形態に係るフィルターユニットの製造方法を概略的に説明する説明図であって、(a)圧入治具で筒体の内壁を途中まで圧入した状態を示す部分断面正面図及びF−F線断面図、(b)圧入治具で筒体の内壁を最後まで圧入した状態を示す部分断面正面図、(c)製造されたフィルターユニットの部分断面正面図及び平面図である。 本発明の第四の実施形態に係るフィルターユニットの製造方法に用いられる圧入治具を示す図であって、(a)圧入治具の底面図(圧入治具の先端)、(b)圧入治具の正面図、及び(c)G−G線断面図である。 従来のフィルターユニットを示す(a)部分断面正面図及び(b)平面図である。
以下、図1及び図2を参照して、本発明の第一の実施形態にかかるフィルターユニット1の製造方法並びにそれに用いられる圧入治具2、フィルターホルダー3及びフィルター4について説明する。
まず、図1に基づき、本発明のフィルターユニット1の製造方法に用いられる圧入治具2について説明する。本実施形態の圧入治具2は多角柱状に形成されており、周側面21には複数の角部22を有している。この多角柱に形成された圧入治具2の複数の角部22で、フィルターホルダー3の筒体の内壁32aをそれぞれ圧入することにより、フィルター4を係止する係止爪6を得ることができる。係止爪6は圧入治具2が有する角部22がフィルターホルダー3の内壁32aを圧入することにより得られるため、係止するフィルターの種類、フィルターの使用条件などに応じて、多角柱の形状及び角数を適宜選択することができる。安定してフィルターを係止できる観点から、圧入治具2は2つ以上の角部でフィルターホルダー3の内壁32aを圧入できるような多角柱形状とすることが好ましく、4つ以上の角部でフィルターホルダー3の内壁32aを圧入できるような形状とすることがより好ましく、本実施形態では、図1及び図2に示すように4つの角部22を有する略正四角柱が選択され、4つの係止爪6を製造している。
圧入治具2は、角部22を含む軸断面23(図2(b)参照)において、フィルターホルダー3の内壁32aを圧入する各角部22から中心軸までの線分の長さが、フィルターホルダー3の筒体32の内径の半分よりも大きく、筒体32の外径の半分よりも小さくなるように形成されている。これにより、圧入治具2がフィルターホルダー3の筒体32を圧入する際、筒体の内壁32aのみを圧入し、筒体の外壁32bは圧入せずに圧入した内壁32aの外方に薄肉部7を形成することができる。例えば、本実施形態で用いられているフィルターホルダー3の筒体の内径は約7mm、外径は約9mmである。この場合、圧入治具2の軸断面23における各角部22と中心軸との線分の長さが3.7mm〜4.3mmとなるように圧入治具2を設計することが好ましく、3.8mm〜4.1mmとすることがより好ましい。本実施形態の圧入治具2は、一辺が約5.5mm、対角線が約7.8mm、略正方形の底面を有する四角柱に設計されており、各角部22と中心軸との線分の長さは約3.9mmである。圧入治具2の柱高さは圧入するフィルターホルダー3にフィルター4をセットしたときのフィルター表面から筒体32の開口33までの高さ以上であればよく、特に限定されない。また、圧入治具2の材質はフィルターホルダー3に圧入できるものであればよく、特に限定されないが、耐久性や取り扱いのしやすさの観点から金属が好ましく、強度及び耐摩耗性の観点からハイス鋼などの工具鋼が好適に用いられる。圧入治具2は、先端24側を下向き(フィルターホルダーと対向する方向)にして、ピン圧入機等の圧入装置に取り付けされて用いられる。
次に、図2に基づき、本発明のフィルターユニット1の製造方法に用いられるフィルターホルダー3について説明する。図2(a)に示すように、フィルターホルダー3は、一端が開口した筒体32に形成されたフィルター収容部31と、フィルター収容部31の底部と連通したろ液取出口34とから概略構成されている。フィルター収容部31の筒体32は、開口33からフィルター4を容易に収容できるよう、筒体32の軸断面がフィルター4の外形と略同じかやや小さめに形成される。本実施形態におけるフィルター収容部31の筒体32は円筒状に形成され、内径約7mm、外径約9mm、壁の厚みは約1mm、筒の長さ(高さ)は約5mmに形成されている。フィルター収容部31の筒体32の内壁32aが上述した圧入治具2で圧入されると、筒体の内壁32aには圧入溝8が形成されるが、この圧入溝8の外方に一定の強度を備えた薄肉部7が形成されるよう、筒体32の壁は一定以上の厚みを有していることが好ましい。なお、筒体32の形状は円筒以外でもよく、フィルター4の形状に合わせて適宜決定される。
また、フィルターホルダー3は熱可塑性樹脂から形成されており、結晶性樹脂及び非結晶性樹脂のいずれも選択することができる。結晶性樹脂としては、特に限定されないが、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタール、PBT及びPET等が好適に用いられ、非結晶樹脂としては、PVC、耐衝撃性ポリスチレン、ABS及びPETG等が好適に用いられる。また、結晶性樹脂及び非結晶樹脂には分類されないが、液晶ポリマーも適用可能である。
次にフィルター4について説明する。図2(a)に示すように、フィルター4はフィルター収容部31の筒体32に収容可能な大きさ、すなわち、筒体32の内径と略同じ大きさか、それよりもやや大きく形成されている。本実施形態では、筒体32の内径は6.9mmであるところ、フィルター4は若干大径の直径7.1mmの略円形状に形成されている。フィルターの材質としては、特に限定されず、あらゆる材質のものを使用することができる。たとえば、多孔質樹脂成形体、ガラス繊維、微細なメッシュ、綿、布、スポンジ、ビーズ、メンブレンフィルタ若しくは焼結フィルター又はこれらの組み合わせを用いることもでき、フィルターの種類、厚さ、剛性及びその他の物性は限定されない。本実施形態では、主に可撓性を有するPVAスポンジと多孔質樹脂成形体とから構成されたフィルターが選択されており、フィルターの厚みは約3〜4mmである。
次に、図2を参照しながら、本発明の第一の実施形態に係るフィルターユニット1の製造方法について説明する。
[フィルター収容工程]
まず、図2(a)に示すフィルター収容工程について説明する。本工程ではフィルターホルダー3のフィルター収容部31にフィルター4を収容する。フィルター4は、フィルター収容部31の筒体32の開口33からフィルター4を挿入することにより収容される。本実施形態のフィルター4の外形は、筒体32の内径よりもやや大径に形成されているが、剛性が小さく変形しやすい材質からなるため、筒体32の開口33からフィルター4を比較的弱い力で圧入させることにより、容易にフィルター4をフィルター収容部31に収容することができる。収容されたフィルター4はフィルター収容部31の底面及びフィルター4の外周縁が当接する内壁に支持される。
[係止爪形成工程]
次に、図2(b)〜(c)に示す係止爪形成工程について説明する。まず、図2(b)に示すように、本工程では、フィルターホルダー3の筒体32の開口33から圧入治具2を挿入して筒体の内壁32aを圧入する。筒体32の中心軸と圧入治具2の中心軸がずれて偏心が生じると、圧入治具2の圧入により形成される圧入バリ5、圧入溝8及び薄肉部7の大きさや形状にバラツキが出て、形成される係止爪6の係止力にバラツキが生じやすい。それゆえ、圧入治具2の各角部22が筒体の内壁32aを均一に圧入できるよう、筒体32の中心軸と圧入治具2の中心軸とをできるだけ一致させた状態で圧入することが好ましい。圧入治具2をフィルターホルダー3の筒体32の開口33に挿入し押圧すると、筒体の内壁32aは圧入治具2の各角部22によりそれぞれ圧入される。角部22の圧入端面22aに当接して圧入された筒体の内壁23aにはV字型の圧入溝8とその外方に薄肉部7が形成され、圧入溝8が形成されたことによる圧入バリ5が圧入治具2の角部22の圧入端面22a下方に生じる。
次に、図2(c)に示すように、フィルター4の表面近くの位置まで圧入治具2を圧入してフィルター4を係止する係止爪6を作成する。圧入治具2の圧入により生じる圧入バリ5は、フィルター4の表面近くまで圧入された結果、筒体の内壁32aから連続してフィルター4の表面上に突出する係止爪6を形成する。本実施形態では圧入治具2の角部22の圧入端面22aは先端24と同一平面上にあり、平坦面に形成されているため、圧入治具2の角部22に押圧されて生じる圧入バリ5は平坦な圧入端面22aに当接しながら伸長する。それゆえ、係止爪6もストレート形状として形成されている。係止爪作成工程での圧入に係る加工温度は、特に限定されず、室温で行うことができる。なお、圧入治具又はフィルターホルダーの材質や形状等に基づき、環境温度及び圧入治具の温度を加温する等して加工温度を適宜調整することも可能である。
上述した工程による製造方法により、図2(d)に示すフィルターユニット1が得られる。圧入治具2の圧入により形成された各係止爪6がフィルター4の表面を係止してフィルター4の脱落を防ぐ。本発明によれば、フィルターホルダー3へのフィルター4の収容が容易であり、Oリングのようなフィルター固定のための別部材を必要とせず、迅速で容易かつ低コストにフィルターユニット1を得ることができる。
次に、図3及び図4を参照して、本発明の第二の実施形態にかかるフィルターユニット100の製造方法並びにそれに用いられる圧入治具102について説明する。なお、フィルターホルダー3及びフィルター4の構成に関する説明は、上述した第一の実施形態の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
まず、図3に基づき、本発明のフィルターユニット100の製造方法に用いられる圧入治具102について説明する。本実施形態の圧入治具102は前述した第一の実施形態と同様に略正四角柱状に形成されており、周側面121には4つの角部122を有している。本実施形態にかかる圧入治具102の角部122の圧入端面122aは、半円弧状の凹アール面に形成されており、角部122の先端部分が鉤爪状に形成されている。それゆえ、この圧入治具102を用いてフィルターホルダー3の筒体の内壁32aを圧入すると、角部122の先端の鉤爪が筒体の内壁32aを鋭利に削るように作用するため、圧入にかかる力を小さくすることができる。また、圧入により生じる圧入バリが半円弧状の凹アール面に当接するため、円弧状にカールした係止爪106が4つ形成される。たとえば、本実施形態の圧入治具2は、一辺が約5.5mm、対角線が約7.8mmの正方形の底面を有し、その各角部122の圧入端面122aには、深さ約0.2mm、曲率半径約1mmの凹アール面がそれぞれ形成されている。圧入治具102の先端124は、圧入治具102の各角部122の鉤爪状の先端部分と同一平面上にあるように構成されており、圧入端面122aは各角部122から中心に向かって所定の曲率半径で削られて形成されている。圧入治具102の構成に関するその他の説明は、上述した第一の実施形態の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
次に、図4を参照しながら、本発明の第二の実施形態に係るフィルターユニット100の製造方法について説明する。なお、フィルター収容工程に関する説明は、上述した第一の実施形態の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
係止爪作成工程について、まず、図4(a)を参照して説明する。本工程では、フィルターホルダー3の筒体32の開口33から圧入治具102を挿入して筒体の内壁32aを圧入する。筒体32の中心軸と圧入治具102の中心軸がずれて偏心すると、圧入治具102の圧入により形成される圧入バリ105、圧入溝108及び薄肉部107の大きさや形状にバラツキが出て、形成される係止爪106の大きさや係止力にもバラツキが生じやすい。それゆえ、圧入治具102の各角部122が筒体の内壁32aを均一に圧入できるよう、筒体32の中心軸と圧入治具102の中心軸とをできるだけ一致させた状態で圧入することが好ましい。圧入治具102をフィルターホルダー3の筒体32の開口33に挿入すると、筒体の内壁32aは圧入治具2の各角部122によりそれぞれ圧入される。このとき、角部122の先端部分が鉤爪状に形成されているため、角部122が筒体の内壁32aを鋭利に削るように作用する。それゆえ、圧入にかかる力を小さくすることができ、スムーズに圧入することができる。角部122の圧入端面122aと当接して圧入された筒体の内壁23aにはV字型の圧入溝108とその外方に薄肉部107が形成され、圧入溝108が形成されたことによる圧入バリ105が圧入治具102の角部122の圧入端面122a下方に生じる。
次に、図4(b)に示すように、フィルター4の表面近くの位置まで圧入治具102を圧入してフィルター4を係止する係止爪106を作成する。圧入治具102の圧入により生じる圧入バリ105は、フィルター4の表面近くまで圧入された結果、筒体の内壁32aから連続してフィルター4の表面上に突出する係止爪106を形成する。本実施形態では圧入治具102の角部122の圧入端面122aは半円弧状の凹アール面に形成されているため、圧入治具102の角部122に押圧されて生じる圧入バリ105は圧入端面122aに当接し案内されて、カール状に伸長する。それゆえ、カール状に突出した係止爪106が形成される。
上述した工程による製造方法により、図2(c)に示すフィルターユニット100が得られる。本実施形態では、カール状に突出した係止爪106が圧入治具102の圧入により形成される。各係止爪106はカール状に形成された爪の先端部でフィルター4を弾性的に押圧して係止することができる。なお、本実施形態においては、係止爪106のカール形状が形成されやすい観点から、フィルターホルダー3をポリプロピレン等の比較的硬質な材質で形成することが好ましい。なお、フィルターユニット100の製造方法に関するその他の説明は、上述した第一の実施形態の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
次に、図5及び図6を参照して、本発明の第三の実施形態にかかるフィルターユニット200の製造方法並びにそれに用いられる圧入治具202について説明する。なお、フィルターホルダー3及びフィルター4の構成に関する説明は、上述した第一の実施形態の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
まず、図5に基づき、本発明のフィルターユニット200の製造方法に用いられる圧入治具202について説明する。本実施形態の圧入治具202は柱状に形成された円柱部と、円柱部の周側面221に設けられた角部222と、円柱部の先端に設けられた調芯部225とを有している。円柱部の外径は、円筒形に形成された筒体32の内径と略同じか筒体32の内径よりも若干小さくなるように設計されている。この円柱部の周側面221には軸方向に延びる複数の角部222が設けられており、この複数の角部222で、フィルターホルダー3の筒体の内壁32aをそれぞれ圧入することにより、フィルター4を係止する係止爪206を得ることができる。角部222の形状、数又は配置等は係止するフィルターの種類、フィルターの使用条件などに応じて適宜選択することができ、安定してフィルターを係止できる係止爪206を得る観点から、2つ以上の角部222を設けることが好ましく、4つ以上の角部222を設けることがより好ましく、角部222は周側面221に均等に配置することが好ましい。また、角部222の形状は、特に限定されないが、比較的小さな力で圧入できる形状とすることが好ましく、圧入にかかる力を小さくできる観点からV字形とすることが好ましい。なお、角部222をV字形とした場合の内角の角度は、特に限定されないが、安定してフィルターを係止できる係止爪を形成できる観点から、30度以上が好ましく、60度以上がより好ましい。本実施形態では、図5(a)に示すように、周側面221に略均等に配置されたV字形の8つの角部222を有しており、V字形に形成された角部222の内角の角度は約90度である。
また、圧入治具202の角部222を含む軸断面223(図6(a)参照)において、各角部222から円柱の中心軸までの線分の長さが、フィルターホルダー3の筒体32径の半分よりも大きく、筒体の外径の半分よりも小さくなるように形成されている。これにより、圧入治具202がフィルターホルダー3の筒体32を圧入する際、圧入治具202の角部222が筒体の内壁32aのみを圧入し、筒体の外壁32bは圧入せずに圧入した内壁32aの外方に安定した薄肉部207を形成することができる。例えば、本実施形態で用いられているフィルターホルダー3の筒体の内径は約7mm、外径は約9mmである。この場合、圧入治具202の軸断面223における各角部222と中心軸との線分の長さが3.7mm〜4.3mmとなるように設計することが好ましく、3.8mm〜4.1mmとすることがより好ましい。本実施形態の圧入治具202は、円柱部の直径が約6.9mmに形成されており、各角部222と中心軸との線分の長さは約3.9mmに設計されている。
また、本実施形態にかかる圧入治具202の圧入方向の先端224には、圧入治具202の円柱部の底面から連続して縮径テーパー状に突出する調芯部225が設けられている。それゆえ、圧入の際には、圧入治具202の角部222が筒体32に接する前に、テーパー部225aを有する調芯部225が筒体32の開口33から挿入され、筒体32の中心軸と圧入治具202の中心軸とを一致させるように案内する。これにより、圧入治具202の偏心を防ぐことができ、安定してフィルター4を係止する係止爪206を容易に得ることができる。
さらに、本実施形態の圧入治具202の調芯部225には、圧入により生じた圧入バリ205を逃がすための逃がし溝225bが、角部222の圧入端面222aと連続するように設けられている。これにより、圧入治具202の角部222の圧入により生じる圧入バリ205は、テーパー部225aに当接することなく、調芯部225内に設けられた逃がし溝225bに収容されながら圧入される。それゆえ、テーパー部225aに圧入バリ205が接触して折り畳まれる等の変形を抑制でき、フィルター4表面に対向して突出する係止爪206が確実に形成される。本実施形態では、調芯部225は、突出高さが0.5mm、縮径された先端の外径は約5.9mmに形成されているが、特にこれに限定されない。また、逃がし溝225bは、全ての角部222の圧入端面222aから中心軸方向に連続した凹溝に形成され中心近傍で連結されているが、この形状に限定されず、中心近傍で連結されていなくてもよい。
次に、図6を参照しながら、本発明の第三の実施形態に係るフィルターユニット200の製造方法について説明する。なお、フィルター収容工程に関する説明は、上述した第一の実施形態の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
係止爪作成工程について、まず、図6(a)を参照して説明する。本工程では、フィルターホルダー3の筒体32の開口33から圧入治具202を挿入して筒体の内壁32aを圧入する。本実施形態にかかる圧入治具202の圧入方向の先端224には縮径テーパー状に突出する調芯部225が設けられている。それゆえ、圧入治具202の角部222が筒体32に接する前に、調芯部225のテーパー部225aが筒体32の開口33から挿入され、筒体32の中心軸と圧入治具202の中心軸とを一致させるように案内する。引き続き、圧入治具202を挿入すると筒体の内壁32aは圧入治具202の各角部222に接触し、それぞれ圧入される。角部222の圧入端面222aと当接して圧入された筒体の内壁23aにはV字型の圧入溝208とその外方に薄肉部207が形成され、圧入溝208が形成されたことによる圧入バリ205は、圧入治具202の角部222の圧入端面222a下方に生じる。圧入バリ205はさらなる圧入治具202の圧入により圧入端面222aに当接しながら伸長するが、伸長した圧入バリ205はテーパー部225aに当接することなく、圧入端面222aと連続して設けられた逃がし溝225bに収容される。それゆえ、テーパー部225aに圧入バリ205が接触して折り畳まれる等の変形を抑制でき、フィルター4表面に対向して突出する係止爪206が確実に形成される。
次に、図6(b)に示すように、フィルター4の表面近くの位置まで圧入治具202を圧入してフィルター4を係止する係止爪206を得る。圧入治具202の圧入により生じる圧入バリ205は、フィルター4の表面近くまで圧入された結果、逃がし溝225b内に収容されて伸長し、筒体の内壁32aから連続してフィルター4の表面上に突出する係止爪206を形成する。
上述した工程による製造方法により、図6(c)に示すフィルターユニット200が得られる。本実施形態では、圧入治具202の調芯部225により、中心軸あわせが行われ、圧入治具の偏心による係止爪の係止力の低下を防ぐことができる。なお、フィルターユニット200の製造方法に関するその他の説明は、上述した第一の実施形態の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
次に、図7を参照して、本発明の第四の実施形態にかかるフィルターユニットの製造方法に用いられる圧入治具302について説明する。なお、フィルターホルダー3及びフィルター4の構成に関する説明は、上述した第一の実施形態の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
まず、図7に基づき、本発明のフィルターユニットの製造方法に用いられる圧入治具302について説明する。本実施形態の圧入治具302は円柱状に形成された円柱部と、円柱部の周側面321に設けられた角部322と、円柱部の先端に設けられた調芯部325とを有している。本実施形態にかかる圧入治具302の圧入方向の先端324に設けられた調芯部325には、さらに、ストレート部325cが設けられている。ストレート部325cは、円柱部の周側面321の外径と略同じ径を有し、円柱部と連続して形成されており、円柱部の底面とテーパー部325aとの間に配置されている。圧入治具302の先端に設けられた調芯部325に、ストレート部325cとテーパー部325aとを設けることにより、ストレート部325cが筒体32の中心軸と圧入治具302の中心軸とをより一致させるように案内するため、圧入治具の偏心がより改善される。圧入の際には、圧入治具302の角部322が筒体32に接する前に、テーパー部325a及びストレート部325cを備える調芯部325が筒体32の開口33から挿入され、筒体32の中心軸と圧入治具302の中心軸とをより一致させるように案内する。これにより、圧入治具302の偏心を防ぐことができ、安定してフィルター4を係止する係止爪を容易に得ることができる。
さらに、本実施形態の圧入治具302の調芯部325には、圧入により生じた圧入バリを逃がすための逃がし溝325bが、角部322の圧入端面322aと連続するように設けられている。これにより、圧入治具302の角部322の圧入により生じる圧入バリは、ストレート部325c及びテーパー部325aに当接することなく、調芯部325内に設けられた逃がし溝325bに収容されながら圧入される。それゆえ、ストレート部325c及びテーパー部325aに圧入バリが接触して折り畳まれる等の変形を抑制でき、フィルター4表面に対向して突出する係止爪が確実に形成される。本実施形態では、調芯部325は、ストレート部325c及びテーパー部325aを含めた全体の突出高さが0.5mm、縮径された先端の外径は約6.4mmに形成されているが、特にこれに限定されない。また、逃がし溝325bは、全ての角部322の圧入端面322aから中心軸方向に連続した凹溝に形成され中心近傍で連結されているが、この形状に限定されず、中心近傍で連結されていなくてもよい。なお、圧入治具302の構成、圧入治具302を用いたフィルターユニットの製造方法に関するその他の説明は、上述した第三の実施形態の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
なお、上述した実施形態では具体的に説明されていないが、他の実施形態として、係止爪作成工程で用いる圧入治具をフィルターホルダーの筒体32の内径よりもひとまわり大径に形成された円柱状とすることも可能である。これにより、フィルターホルダーの筒体32の内壁32aが環状に圧入され、環状の係止爪を得ることができる。さらに、圧入治具をフィルターホルダーの筒体32の内壁32aの2箇所を圧入して2つの係止爪を作成できるような、マイナスドライバー様形状とすることも可能である。
以下、実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。以下実施例におけるフィルターの係止力の測定方法は以下の通りである。図2(a)に示すフィルターホルダー3のフィルター収容部31に収容されたフィルター4に対し、フィルター収容部31の底部側から開口33側に押圧できるよう、フィルター収容部31とろ液取り出し口34との間を剃刀で切断した。フィルター収容部31の底部を上に、筒体32の開口33が下になるように置き、フィルター収容部31の底部孔の中心部から開口33側に向かって収容されたフィルター4の底面を3mmのピンで押圧し、フィルター4が脱落するまでのピーク応力(単位:N)を測定した。ピーク応力は、プッシュプルゲージ(製品名:AIKOHデジタルプッシュプルゲージRX−5)を用いて測定した。
[実施例1]
材質がポリプロピレンからなる図2(a)に示すフィルターホルダー3に対し、フィルター4として、可撓性を有する複層フィルター(上からPVAスポンジ、連通多孔質樹脂成形体、ガラス繊維ろ紙及びPVAスポンジの4層構造、全体で約3〜4mm厚)を収容し、図1に示す圧入治具2(試験区1)又は図7に示す圧入治具302(試験区2)でそれぞれ圧入してフィルターユニットを得た。フィルター4の外径はフィルターホルダー3の筒体32の内径(6.9mm)よりもやや大きい7.1mmとした。フィルター4とほぼ同じ外径の焼結フィルターを収容させて得られたフィルターユニット(対照区1)及びフィルター4を収容したのみで圧入治具での圧入を行わなかったもの(対照区2)を対照とした。得られたフィルターユニットについてそれぞれフィルターの係止力を測定した。N数はいずれの対照区、試験区とも10とした。結果を以下表に示す。この結果によれば、本発明の方法により得られたフィルターユニットは、高い係止力を有しており、係止爪の数、すなわち、圧入治具の角部の数を増やすことにより、さらに高い係止力が得られることが示された。
Figure 0006377662
[実施例2]
材質がPETG、ポリエチレン又は66ナイロンのフィルターホルダーについて、図7に示す圧入治具302で圧入してフィルターユニットを製造し、実施例1と同様にして係止力の評価試験を行った。結果を以下表に示す。この結果によれば、フィルターホルダーがいずれの材質からなる場合においても、本発明の方法により得られた係止爪はフィルターを安定的に係止することがわかった。
Figure 0006377662
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態を技術的範囲に含むものである。
1、100、200、1´ フィルターユニット
2、102、202、302 圧入治具
21、121、221、321 周側面
22、122、222、322 角部
22a、122a、222a、322a 圧入端面
23、123、223 軸断面
24、124、224、324 先端
225、325 調芯部
225a、325a テーパー部
225b、325b 逃がし溝
325c ストレート部
3 フィルターホルダー
31 フィルター収容部
32 筒体
32a 内壁
32b 外壁
33 開口
34 ろ液取出口
4 フィルター
5、105、205 圧入バリ
6、106、206 係止爪
7、107、207 薄肉部
8、108、208 圧入溝
9 Oリング

Claims (6)

  1. 一端が開口した筒体に形成されたフィルター収容部と該フィルター収容部の底部と連通したろ液取出口を有し、熱可塑性樹脂からなるフィルターホルダーの前記筒体の開口からフィルターを挿入して、前記フィルター収容部に該フィルターを収容するフィルター収容工程と、
    前記筒体の開口から、柱状に形成された圧入治具の先端を挿入し、前記圧入治具で前記筒体の内壁を圧入して圧入バリを生じさせ、前記フィルターを係止する係止爪を形成する係止爪形成工程と、を含み、
    前記圧入治具は、周側面に軸方向に延びる2つ以上の角部を有しており、
    前記係止爪形成工程において、前記角部が前記筒体の内壁を圧入することを特徴とするフィルターユニットの製造方法。
  2. 前記フィルターホルダーのフィルター収容部の前記筒体は、円筒形であり、
    前記圧入治具は、前記筒体の内径と略同じかやや小さい径を有する円柱部と、該円柱部の周側面に設けられた軸方向に延びる2つ以上の角部と、該円柱部の先端に設けられた縮径テーパー状に突出した調芯部を有し、
    前記係止爪形成工程において、前記圧入治具の前記角部で前記筒体の内壁を圧入することを特徴とする請求項に記載のフィルターユニットの製造方法。
  3. 前記調芯部は、前記円柱部と略同じ径を有するストレート部と縮径したテーパー部とからなることを特徴とする請求項に記載のフィルターユニットの製造方法。
  4. 前記調芯部には、前記係止爪形成工程において生じた圧入バリを逃がすための逃がし溝が、前記角部の圧入端面と連続するように設けられていることを特徴とする請求項又はに記載のフィルターユニットの製造方法。
  5. 前記圧入治具は、多角柱形に形成されており、
    前記係止爪形成工程において、前記圧入治具の多角柱の角部が前記筒体の内壁を圧入することを特徴とする請求項1に記載のフィルターユニットの製造方法。
  6. 前記圧入治具は、前記角部の圧入端面が半円弧状の凹面に形成されたものであることを特徴とする請求項に記載のフィルターユニットの製造方法。
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