JP6377471B2 - 航空機用熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、主流路から分岐する補助流路と、補助流路を開閉する弁と、その補助流路を形成する部材間を封止するシール部材とを備える航空機用熱交換器に関する。
航空機では、熱交換器が、例えば、エンジンオイルの冷却や発電機オイルの冷却に用いられる。航空機用熱交換器には、例えば、プレートフィン型や、シェルアンドチューブ型、サーフェス型などがあり、これらは熱交換を行う本体(コア)の構造が異なる。
プレートフィン型熱交換器の本体は、例えば、高温流体流路と、低温流体流路とが交互に積層されてなる。高温流体通路内および低温流体通路内には、いずれも、板状フィンが配置され、その板状フィンはコルゲートフィンと呼ばれる。
シェルアンドチューブ型熱交換器の本体は、筒状のシェルと、そのシェル内に並べて配置される複数の伝熱管とを備える。この場合、シェルと伝熱管の間に第1流体が流通するとともに、各伝熱管内に第2流体が流通し、伝熱管を介して熱交換が行われる。
サーフェス型熱交換器の本体は、例えば、帯状であり、その内部に流体が流通する。また、本体の外部は、気流に曝される。本体の内部には、板状フィン(コルゲートフィン)が配置され、本体の外部には、放熱フィンが設けられる。この場合、板状フィンや放熱フィンを介して本体の内部の流体と外部の気流とで熱交換が行われる。
このような航空機用熱交換器は、熱交換に供される流体が流通する主流路から分岐する補助流路と、その補助流路を開閉する弁とを備える場合がある。補助流路は、例えば、主流路の一部の流通を省略するためのバイパス流路が該当する。以下では、補助流路を開閉する弁のうちで、バイパス流路を開閉する弁を、特に「バイパス弁」とも呼ぶ。
補助流路を開閉する弁を設ける場合、補助流路を形成する部材間を封止するシール部材を配置することがある。例えば、特許文献1に提案されるサーフェス型熱交換器では、バイパス流路と、そのバイパス流路を開閉するバイパス弁とが設けられる。このようなバイパス流路を設ければ、例えば、外部が極低温環境下で冷却対象の流体の温度が融点を下回る場合に、冷却対象流体が熱交換器の流路の一部を通ることを省略できる。なお、特許文献1では説明が省略されているが、バイパス流路とともにバイパス弁を設けるのに伴い、シール部材を配置する。このシール部材は、例えば、バイパス弁の蓋とバイパス流路を主に形成し弁本体を収納する部材との間に配置され、それらの隙間を封止する。
特許第5442916号
前述の通り、航空機用熱交換器では、補助流路を開閉可能な弁とともにシール部材を補助流路上に配置する場合がある。また、特許文献1に記載のサーフェス型熱交換器では、バイパス流路を開閉可能なバイパス弁が設けられ、この場合、そのバイパス弁の蓋とバイパス流路を主に形成する部材との間を封止するシール部材(例えばOリング)が配置される。
ところで、航空機用熱交換器では、火災の際でも流体を外部に漏洩させることなく、内部で保持することが要求される。具体的には、航空機用熱交換器は、所定の火炎試験に合格することが要求される。この火炎試験は、例えば、ISO 2685に規定され、熱交換器を約1100℃の環境下に15分間配置することによって行われる。その火炎試験において、流体の外部漏洩がなければ、合格となる。
特許文献1では、バイパス流路にバイパス弁を設けることが記載されるが、耐火性に関して何ら記載されていない。例えば、バイパス弁の蓋とバイパス流路を主に形成する部材との間にシール部材を配置すれば、火炎試験の際にシール部材が加熱されて破損し、流体が外部に漏洩する事態となる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、火災の際のシール部材の昇温を低減でき、耐火性を確保できる航空機用熱交換器を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態による航空機用熱交換器は、主流路から分岐する補助流路と、前記補助流路を開閉する弁と、前記補助流路を形成する部材間を封止するシール部材とを備える航空機用熱交換器であって、前記航空機用熱交換器は、前記弁の上流側と下流側とを接続する逃がし流路をさらに備え、前記逃がし流路の横断面の面積は、前記補助流路の横断面の面積よりも小さい。
前記逃がし流路の横断面の面積は、前記補助流路の横断面の面積に占める割合が0.1〜5%とすることができる。また、前記逃がし流路は、前記弁の弁体に設けられた貫通孔からなるのが好ましい。前記航空機用熱交換器は、サーフェス型とすることができる。
本発明の航空機用熱交換器は、弁の上流側と下流側とを接続する逃がし流路を備える。このため、弁によって補助流路の流体の流通が遮断される状態でも、補助流路の流体が僅かに流動する。これにより、火災発生時に、補助流路から火炎により加熱された高温の流体が流出するとともに、補助流路に低温の流体が流入する。その結果、シール部材の昇温を低減してシール部材の破損を防止でき、熱交換器の耐火性を確保できる。
図1は、航空機用熱交換器の構成例を示す正面図である。 図2は、航空機用熱交換器の構成例を示す分解斜視図である。 図3は、航空機用熱交換器の構成例が備える第1部材を示す正面図である。 図4は、航空機用熱交換器の構成例を示すA−A断面図である。 図5は、航空機用熱交換器の構成例を示すB−B断面図である。
以下に、本実施形態の航空機用熱交換器について、図面を参照しながら説明する。
図1〜図5は、航空機用熱交換器の構成例を示す図である。これらのうち、図1は熱交換器の正面図、図2は熱交換器の分解斜視図、図3は第1部材の正面図、図4は熱交換器のA−A断面図、図5は熱交換器のB−B断面図である。
図1〜5に示す航空機用熱交換器10(以下、単に「熱交換器」ともいう)は、サーフェス型であり、図示は省略するが、航空機用エンジン(例えばガスタービンエンジン)に搭載される。熱交換器10の形状は、帯状である。この熱交換器10は、例えば、エンジンの湾曲した面(例えば内周面や外周面)に沿うように配置されるため、熱交換器10も、配置面に沿って湾曲する。
熱交換器がエンジンの湾曲した面に配置される場合、熱交換器10の外部は、エンジンの軸方向(図1、4、5のハッチングを施した矢印参照)に沿う気流に曝される。熱交換器10の内部には、流体として、例えば、エンジンのオイル、または、エンジンによって駆動される発電機のオイルが流通する。その際、外部の気流と内部のオイルとで熱交換が行われ、内部のオイルが冷却される。
熱交換器10の内側の湾曲面10aおよび外側の湾曲面10bは、図4および図5に示すようにテーパー状であり、ファンケーシングの軸方向に沿う気流の下流側に向かうに従って径が大きくなる。図4および図5に示す二点鎖線は、熱交換器10の内側の湾曲面10aおよび外側の湾曲面10bの中心線と平行な線である。
熱交換器10の本体は、第1部材20と、第2部材30とを板厚方向に重ね合わせて構成される。その本体内には、複数の板状フィン(コルゲートフィン)40が配置される。これらの部材は、例えば、ろう付けによって互いに接合される。
第1部材20は、帯状の板材であり、その外側の湾曲面には、窪み部20aを有する。また、第2部材30も、帯状の板材であり、第1部材20と重ね合わることにより、第1部材20の窪み部20aを覆う蓋となる。この第1部材の窪み部20aと第2部材30の内側の湾曲面によって、本体内部に主流路11が形成される(図3参照)。
この本体内部の主流路11は、第1部材の仕切部20bにより、往路11aと復路11bとに区画される。仕切部20bは、第1部材の窪み部20a内において、湾曲面の軸方向の中央位置に、周方向の一端(図3における上端)から他端(図3における下端)に向かって延びる。
続いて、本体内部の主流路11に流体を流出入させる流入ヘッダ12および流出ヘッダ13の構成を、主に図4を参照しながら説明する。第1部材の窪み部20a内において、その周方向の一端には、2個の凹溝(20c、20d)が仕切部20bを挟んで湾曲面の軸方向に並べて設けられる。凹溝(20c、20d)は、それぞれ、湾曲面の軸方向に延びて、窪み部20aよりも深く凹んでいる。また、第1部材の凹溝(20c、20d)と対応する位置には、第2部材30の外側の湾曲面において、凸状の膨出部30aが設けられ、内側の湾曲面において、2個の凹溝(30c、30d)が軸方向に並べて設けられる。
第1部材の往路11a側の凹溝20cは、第2部材30の凹溝30cとともに、本体内部の主流路11(往路11a)に流体を流入させる流入ヘッダ12を構成する。また、第1部材の復路11b側の凹溝20dは、第2部材30の凹溝30dとともに、本体内部の主流路11(復路11b)から流体を流出させる流出ヘッダ13を構成する。
第2部材の膨出部30aの外側には、ポート取付け部50が設けられる。そのポート取付け部50および膨出部30aには、流入ヘッダ12への流体の供給口14が設けられ、その供給口14はポート取付け部50および膨出部30aを連通する貫通孔からなる。また、ポート取付け部50および膨出部30aには、流出ヘッダ13からの流体の排出口15が設けられ、その排出口15はポート取付け部50および膨出部30aを連通する貫通孔からなる。
第1部材20の内側の湾曲面には、複数の放熱フィン20eが内側の湾曲面と略垂直に設けられる。複数の放熱フィン20eは、それぞれ湾曲面の軸方向に沿って延び、湾曲面の周方向に並べて配置される。図2では、放熱フィン20eが設けられる領域を、二点鎖線で示しており、一部の放熱フィン20eの図示は省略する。
第2部材30の外側の湾曲面には、複数の放熱フィン30eが外側の湾曲面と略垂直に設けられる。複数の放熱フィン30eは、それぞれ湾曲面の軸方向に沿って延び、湾曲面の周方向に並べて配置される。図2では、放熱フィン30eが設けられる領域を、二点鎖線で示しており、一部の放熱フィン30eの図示は省略する。
なお、図2〜図6に示す熱交換器10は、第1部材20の内側の湾曲面および第2部材30の外側の湾曲面の両方に、放熱フィン(20e、30e)を設けるが、いずれか一方のみに放熱フィンを設ける構成を採用してもよい。放熱フィンを設ける湾曲面は、熱交換器の配置面(例えば内周面または外周面)や、要求される熱交換効率に応じて適宜設定すればよい。
コルゲートフィン40は、第1部材の窪み部20a内に収容され、第1部材の窪み部20aの底面および第2部材30の内側の湾曲面と当接する。このようなコルゲートフィン40により、本体内部の主流路11は、仕切られて細分化され、複数の小さな流路が主流路11内に形成される。
コルゲートフィン40は、図2に示すように、分割されおり、複数の部材からなる。コルゲートフィン40は、図4および図5に示すように、本体内部のうちで、流入ヘッダ12、流出ヘッダ13、バイパス流入用ヘッダ16およびバイパス流出用ヘッダ17を除いて配置される。より具体的には、コルゲートフィン40は、図2に示すように、流入ヘッダ12を構成する凹溝20c、流出ヘッダ13を構成する凹溝20d、バイパス流入用ヘッダ16を構成する凹溝20fおよびバイパス流出用ヘッダ17を構成する凹溝20gを除いて配置される。
このような構成例の熱交換器10では、供給口14を介して流入ヘッダ12に流体が供給される。流体は、流入ヘッダ12内で主流路11の複数の小さな流路に分配され、主流路11の往路11aおよび復路11bを順に流通し、流出ヘッダ13に到達する。この本体内部の主流路11を流通する過程で、コルゲートフィン40、第1部材の放熱フィン20eおよび第2部材の放熱フィン30eを介して本体内部の流体と外部の気流とで熱交換が行われる。主流路11の複数の小さな流路を流通して流出ヘッダ13に到達した流体は、その流出ヘッダ13で合流し、排出口15から流出する。
本実施形態の航空機用熱交換器では、主流路11から分岐する補助流路と、その補助流路を開閉する弁とを備える。この補助流路は、主流路の一部の流通を省略するためのバイパス流路60aとすることができ、補助流路を開閉する弁はバイパス弁70とすることができる。このような補助流路および補助流路を開閉する弁の構成について、バイパス流路60aおよびバイパス弁70を例に、主に図5を参照しながら説明する。
第1部材の窪み部20a内には、流入ヘッダ12または流出ヘッダ13を構成する凹溝(20c、20d)と同様に、湾曲面の周方向の中間部にも、凹溝(20f、20g)が2個設けられる。また、第1部材の中間部の凹溝(20f、20g)と対応する位置には、第2部材30の外側の湾曲面において、凸状の膨出部30bが設けられるとともに、内側の湾曲面において、2個の凹溝(30f、30g)が湾曲面の軸方向に並べて設けられる。
第1部材の往路11a側の凹溝20fは、第2部材の凹溝30fとともに、流体をバイパス流路60aに流入させることが可能なバイパス流入用ヘッダ16を構成する。第1部材の復路11b側の凹溝20gは、第2部材30の凹溝30gとともに、流体をバイパス流路60aから流出させることが可能なバイパス流出用ヘッダ17を構成する。
バイパス流入用ヘッダ16からバイパス流路60aに流体が流入可能なように、第2部材の膨出部30bには、凹溝30fに通じる貫通孔30hが設けられる。また、バイパス流路60aからバイパス流出用ヘッダ17に流体が流出可能なように、第2部材の膨出部30bには、凹溝30gに通じる貫通孔30iが設けられる。
第2部材の膨出部30bには、バルブ取付け部60が設けられ、そのバルブ取付け部60には、バイパス流路60aが設けられる。バイパス流路60aは、バイパス流入用ヘッダ16とバイパス流出用ヘッダ17とを接続する流路である。
そのバイパス流路60aには、バイパス弁70が配置される。同図に示すバイパス弁70は、差圧開閉弁であり、バイパス流入用ヘッダ16とバイパス流出用ヘッダ17との差圧に応じてバイパス流路60aを開閉する。
このバイパス弁70を設けるため、バルブ取付け部60は、弁本体収納部材61と、蓋部材62とに分割されている。バイパス弁70は、バイパス流路60aに設けるので、弁本体収納部材61と蓋部材62との間を封止するためにシール部材63が配置される。同図に示すシール部材63は、Oリングであり、リング溝に配置される。リング溝は、バイパス弁70が挿入される穴の内周面に設けられる。このシール部材63は、バイパス弁70が挿入される穴の内周面と、蓋部材62の円柱状の突起部の外周面との隙間を封止する。
このようなバイパス流路60aおよびバイパス弁70を備えれば、バイパス弁70によってバイパス流路60aが遮断されている場合、前述の通り、流体は、主流路11の往路11aおよび復路11bを順に流通する。一方、バイパス弁70によってバイパス流路60aが開放されている場合、往路11aの中間でバイパス流入用ヘッダ16を通過する際に流体の大部分がバイパス流路60aに流入し、バイパス流出用ヘッダ17を介して復路11bの中間に戻される。このため、流体は、本体内部の主流路11の一部を省略して流通する。
このようなバイパス機能によれば、冷却対称の流体が熱交換器10の本体内部の主流路11の一部を流通することが省略されるので、熱交換器通過後の流体の温度を高めたまま維持することができる。このバイパス機能は、例えば、極低温環境下で、冷却対象の流体の温度が融点を下回るようなときに、流体の温度を早期に高める際に利用できる。
本実施形態の航空機用熱交換器は、逃がし流路71aをさらに備える。その逃がし流路71aについて、補助流路をバイパス流路60aとし、補助流路を開閉する弁をバイパス弁70とする場合を例に、説明する。
同図に示す熱交換器10では、逃がし流路71aがバイパス弁70に設けられ、具体的には、逃がし流路71aがバイパス弁70の弁体71に設けられた貫通孔からなる。同図に示す弁座72の開口部はその直径が20mmであり、この場合、逃がし流路71aの貫通孔は、例えば、その直径が1mmである。このような逃がし流路71aは、バイパス弁の上流側(バイパス流入用ヘッダ16側)と下流側(バイパス流出用ヘッダ17側)とを接続する。
この逃がし流路71aが設けられていない場合、以下の理由によって、火災の際にシール部材が昇温して破損し、流体が外部に漏洩する事態となる。バイパス弁70によってバイパス流路60aの流体の流通が遮断される状態では、バイパス流路60a内で流体が滞留する。この状態で、火災が発生すると、シール部材63とともに、その周囲の部材やバイパス流路60a内で滞留する流体が加熱される。その結果、ゴム等からなるシール部材63が昇温に伴い、変形や変質することによって破損し、そのシール性が損なわれ、熱交換器10の本体内部の流体が漏洩する。
これに対し、本実施形態の航空機用熱交換器では、逃がし流路71aを備える。この場合、バイパス弁70によってバイパス流路60aの流体の流通が遮断される状態でも、逃がし流路71aに流体が流通することから、バイパス流路60aの流体が完全に滞留することなく僅かに流動する。具体的には、上流側(バイパス流入用ヘッダ16側)から下流側(バイパス流出用ヘッダ17側)に流体が流動する。これに伴って、バイパス流入用ヘッダ16からバイパス流路60aに流体が流入するとともに、バイパス流路60aからバイパス流出用ヘッダ17に流体が流出する。
火災が発生すると、シール部材63とともに、その周囲の部材やバイパス流路60a内の流体が加熱される。その際、上述の逃がし流路71aの作用により、バイパス流路60aで加熱された高温の流体がバイパス流出用ヘッダ17に流出するとともに、冷却対象の流体がバイパス流入用ヘッダ16からバイパス流路60aに流入する。冷却対象の流体は、例えば、80℃程度であるので、結果的に、バイパス流路60aから高温流体が流出するとともに、バイパス流路60aに低温流体が流入することとなる。これに伴い、シール部材63とともにその周囲の部材が抜熱され、シール部材63の昇温を低減でき、破損を防止できる。このため、火災の際に耐火性を確保できる。
このような逃がし流路71aの横断面の面積は、バイパス流路60aといった補助流路の横断面の面積よりも小さい。逃がし流路71aの横断面の面積が補助流路の横断面の面積と同じ場合、または、逃がし流路71aの横断面の面積が補助流路の横断面の面積よりも大きい場合、バイパス弁70といった弁によって補助流路を開閉する本来の機能が失われ、熱交換器10の本来の性能が発揮できない。
逃がし流路71aの横断面の面積が過大であると、弁によって補助流路を開閉する本来の機能が失われ、熱交換器10の性能が発揮できないおそれがある。このため、逃がし流路71aの横断面の面積(mm2)は、補助流路の横断面の面積(mm2)と比べ、補助流路の流体の流通を遮断する弁の機能を維持できる程度に小さく設定するのが好ましい。例えば、逃がし流路71aの横断面の面積(mm2)を、補助流路の横断面の面積(mm2)に占める割合が5%以下となるように設定すればく、好ましくは1%以下となるように設定すればよい。
逃がし流路71aの横断面の面積が過小であると、上述の逃がし流路71aによってシール部材63が抜熱される効果が不足し、シール部材63が破損に至るおそれがある。このため、逃がし流路71aの横断面の面積(mm2)は、補助流路の横断面の面積(mm2)と比べ、火災時に前記シール部材63の破損を防止できる程度に小さく設定するのが好ましい。例えば、逃がし流路71aの横断面の面積(mm2)を、補助流路の横断面の面積(mm2)に占める割合が0.1%以上となるように設定すればよい。
本発明において「逃がし流路の横断面の面積」および「補助流路の横断面の面積」とは、当該流路の単位時間当たりの流量を決定する位置の断面積を意味する。通常、流路の単位時間当たりの流量を決定する位置は、最も断面積が小さい位置となる。このように流路の横断面の面積について規定するのは、流路の横断面面積が大きくなるのに応じて流路の単位時間当たりの流量が増加することによる。したがって、逃がし流路の横断面の面積が補助流路の横断面の面積より小さいとは、実質的に、逃がし流路の単位時間当たりの流量が、補助流路の単位時間当たりの流量より少ないことを意味する。図5に示す逃がし流路71aの場合、「逃がし流路の横断面の面積」は逃がし流路71aを構成する貫通孔の断面積となり、「補助流路の横断面の面積」は弁座72の開口部の断面積となる。
逃がし流路71aは、前記図5に示すような、バイパス弁70といった弁の弁体71の貫通孔からなる構成に限定されない。すなわち、逃がし流路71aによってシール部材63が抜熱される効果が発揮される限り、種々の構成を採用できる。例えば、バイパス弁70といった弁の弁体71または弁座72に突起を設ける構成を採用できる。この構成では、弁が閉状態である場合でも、突起によって弁体71と弁座72の間に隙間が形成され、その隙間が逃がし流路として機能する。また、バルブ取付け部60に逃がし流路を適宜形成してもよい。
加工コストや耐久性の観点から、逃がし流路71aは、前記図5に示すような、弁の弁体に設けられた貫通孔からなる構成を採用するのが好ましい。
本実施形態の航空機用熱交換器をサーフェス型の熱交換器の構成例を参照しながら説明したが、本実施形態の航空機用熱交換器はサーフェス型に限定されない。すなわち、主流路から分岐する補助流路と、補助流路の経路内に配置され、補助流路を開閉する弁と、補助流路を形成する部材間を封止するシール部材とを備えれば、本実施形態の航空機用熱交換器を、プレートフィン型の熱交換器や、シェルアンドチューブ型の熱交換器、その他の熱交換器に適用することもできる。
本発明において、「主流路」は、熱交換の対象となる流体が流通する流路を意味する。主流路は、熱交換器の本体の内部の流路に限定されることなく、熱交換器の本体の外部の流路を含む。熱交換器の本体の外部の主流路として、例えば、熱交換器の内部に供給される流体が流通する流路や、熱交換器の内部から排出された流体が流通する流路が該当する。また、プレートフィン型熱交換器の場合、例えば、本体内部および本体外部の高温流体流路と、本体内部および本体外部の低温流体流路とが主流路に該当する。
また、補助流路は、例えば、バイパス流路とすることができる。この場合、バイパス流路は、図1〜図5に示すような、本体内部の主流路11の一部を省略して流体を流通させる構成に限定されない。すなわち、バイパス流路は、流体が熱交換器10の本体内部の主流路11の全部について流通を省略するように構成してもよい。後者の構成を採用する場合、ポート取付け部50にバイパス流路およびバイパス弁を設ければよい。
補助流路を開閉可能な弁も、差圧開閉弁に限定されることなく、補助流路の流体の流通を遮断または開放できればよい。例えば、温度検知型の開閉弁を採用してもよい。また、差圧開放弁は、前記図5に示すようなコイルばねを内蔵する方式の圧力検知型の開閉弁に限らず、他の方式の圧力検知型の開閉弁を用いてもよい。
本発明の航空機用熱交換器は、火災の際のシール部材の昇温を低減でき、耐火性を確保できる。このため、航空機のエンジンオイルの冷却や発電機オイルの冷却で用いられる熱交換器において、有効に利用することができる。
10:航空機用熱交換器、 10a:熱交換器の内側の湾曲面、
10b:熱交換器の外側の湾曲面、
11:本体内部の主流路、 11a:往路、 11b:復路、
12:流入ヘッダ、 13:流出ヘッダ、 14:供給口、 15:排出口、
16:バイパス流入用ヘッダ、 17:バイパス流出用ヘッダ、
20:第1部材、 20a:窪み部、 20b:仕切部、
20c:流入ヘッダの凹溝、 20d:流出ヘッダの凹溝、 20e:放熱フィン、
20f:バイパス流入用ヘッダの凹溝、 20g:バイパス流入用ヘッダの凹溝、
30:第2部材、 30a、30b:膨出部、 30c:流入ヘッダの凹溝、
30d:流出ヘッダの凹溝、 30e:放熱フィン、
30f:バイパス流入用ヘッダの凹溝、 30g:バイパス流入用ヘッダの凹溝、
30h、30i:貫通孔、
40:板状フィン(コルゲートフィン)、 50:ポート取付け部、
60:バルブ取付け部、 60a:バイパス流路(補助流路)、
61:弁本体収納部材、 62:蓋部材、 63:シール部材、
70:バイパス弁、 71:弁体、 71a:逃がし流路(貫通孔)、 72:弁座

Claims (4)

  1. 主流路から分岐する補助流路と、前記補助流路を開閉する弁と、前記補助流路を形成する部材間を封止するシール部材とを備える航空機用熱交換器であって、
    前記航空機用熱交換器は、
    前記弁の上流側と下流側とを接続する逃がし流路をさらに備え、
    前記逃がし流路の横断面の面積は、前記補助流路の横断面の面積よりも小さい、航空機用熱交換器。
  2. 請求項1に記載の航空機用熱交換器であって、
    前記逃がし流路の横断面の面積は、前記補助流路の横断面の面積の0.1〜5%である、航空機用熱交換器。
  3. 請求項1または2に記載の航空機用熱交換器であって、
    前記逃がし流路は、前記弁の弁体に設けられた貫通孔からなる、航空機用熱交換器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の航空機用熱交換器であって、
    前記航空機用熱交換器は、サーフェス型である、航空機用熱交換器。

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