JP6377119B2 - 有機電気光学ポリマーとして有用な、ガラス転移温度調整可能な共重合体、及び該共重合体を用いた有機電気光学素子 - Google Patents

有機電気光学ポリマーとして有用な、ガラス転移温度調整可能な共重合体、及び該共重合体を用いた有機電気光学素子 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス転移温度(以下、Tgともいう)を調整することができ、有機電気光学ポリマー(以下、有機EOポリマーともいう)として有用な共重合体、並びに該共重合体を含有する有機電気光学素子等に関する。
光変調器、光スイッチング、光メモリー、光電子回路、波長変換、電界センサー、THz波発生及び受信、ホログラム等の光制御素子等に適用できる電気光学材料(以下、EO材料ともいう)には、これまでニオブ酸リチウム等の無機材料が用いられてきた。しかしながら、このような無機材料は高速性において限界があり、次世代の超高速光通信実現のためには、満足すべきものではない。
有機EOポリマーは、無機材料に比べて大きな電気光学効果(以下、EO効果ともいう)を示し、高速動作が可能であることから、次世代の光通信を担う電気光学材料として期待されている。しかしながら、光制御素子のデバイス作製においては、解決すべき課題が多く未だ実用化に至っていない。その課題の一つが、EO効果の経時的な長期安定性である。
光制御素子のデバイスでは、通常、光導波路構造が使用される。有機EOポリマーを用いた光導波路の基本構造は、通常は、有機EOポリマーを含むコア層の上下に、有機EOポリマーを含まないクラッド層が設けられた3層構造である。EO効果を発現するためには、ポリマーのガラス転移温度(Tg)近傍の温度で、電界を印加して配向(ポーリング)処理を施さなければならない。しかし、Tgが低すぎると、短期間で配向が緩和してEO効果が低下してしまう。
光導波路を形成するためには、コア層の屈折率がクラッド層の屈折率より高くなければならない。そして、コア層の電気抵抗率がクラッド層の電気抵抗率と同等以上でなければ、コア層に有効に電界がかからず、ポーリングすることができない。
本発明者らは、有機EOポリマーの屈折率と電気抵抗率を調整する方法として、2種以上の2次非線形光学特性を有する成分(すなわち、電気光学分子)を含有し、光重合性残基をポリマー側鎖に有する架橋性高分子組成物において、2次非線形光学特性を有する成分の濃度を調整する方法を見出した(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1の方法で作製した有機EOポリマーは、クラッド層のTgがコア層のTgより大幅に低くなるものであった。ポーリング温度が、有機EOポリマーのTgと比較して高すぎると、EOポリマーが柔らかくなり変形してしまうため、ポーリング温度を、クラッド層が変形しないようにクラッド層のTgに合わせる必要があった。しかし、該ポーリング温度では、コア層のポーリング温度としては低すぎるという問題があった。
また、有機EOポリマーのTgは、その骨格となるポリマーの種類と、EO分子の配合割合によって決定される。しかし、典型的な有機EOポリマーの骨格ポリマーとして使用されるポリメチルメタクリレートは、Tgが100〜110℃と低く、光制御素子のデバイスとして使用するには十分なTg値ではない。また、EO分子の配合量を増加させると、有機EOポリマーのTgは上昇するが、光導波路を形成するためのEO分子の最適な含有量は、コア層及びクラッド層それぞれにおいて決まっているため、EO分子の含有量によってTgを調整することができない。
従って、有機EOポリマーのTg値が所望の値となるように調整できる方法が求められていた。
非特許文献1には、有機EOポリマーのTg値を高くする方法として、アダマンチルメタクリレートをポリメタクリレートに共重合する方法が開示されている。しかしながら、非特許文献1に記載の方法では、予めEO分子が結合したモノマーを使用して有機EOポリマーを重合するため、EO分子が結合したモノマーと結合していないモノマー間の反応速度に差があり、ランダム重合された有機EOポリマーの作製が難しいという問題があった。
特願2012−185880号
M. Eckl, P. Strohriegl, M. Eich, M. Sprave, J. Vydra, "Nonlinear Optical Active Polymethacrylates with High Glass Transition Temperatures." Molecular Crystals and Liquid Crystals Science and Technology. Section A. Molecular Crystals and Liquid Crystals, vol. 283, 143 (1996).
本発明は、上記現状に鑑み、所望のTgを有する有機EOポリマーを提供することを課題とする。また、ランダム重合された有機EOポリマーを提供することも、本発明の課題の一つとする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、シクロアルカンメタクリレート及び2−イソシアナトエチルメタクリレートをモノマーとして含む共重合体において、シクロアルカンメタクリレートと2−イソシアナトエチルメタクリレートの配合比率を変動させ、さらに、該共重合体に電気光学分子(EO分子)を結合させることによって、所望のガラス転移温度(Tg)値を有する該共重合体を得ることができることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の共重合体等に関する。
[1]シクロアルカンメタクリレート及び2−イソシアナトエチルメタクリレートをモノマーとして含む共重合体であって、(イ)シクロアルカンメタクリレートと2−イソシアナトエチルメタクリレートの配合比率を変動させて、さらに、(ロ)電気光学分子(EO分子)を結合させることによって、所望のガラス転移温度(Tg)値を得ることができることを特徴とする共重合体。
[2]シクロアルカンが、架橋されていてもよい単環又は縮合環であることを特徴とする前記[1]に記載の共重合体。
[3]前記[1]又は[2]に記載の共重合体を含むことを特徴とする有機電気光学素子。
[4]光変調器又は光スイッチである前記[3]に記載の有機電気光学素子。
[5]シクロアルカンメタクリレート及び2−イソシアナトエチルメタクリレートをモノマーとして含む共重合体において、(イ)シクロアルカンメタクリレートと2−イソシアナトエチルメタクリレートの配合比率を変動させ、さらに、(ロ)電気光学分子(EO分子)を結合させることを特徴とする、所望のガラス転移温度(Tg)値を有する共重合体の製造方法。
本発明の共重合体は、シクロアルカンメタクリレートと2−イソシアナトエチルメタクリレートの配合比率を変動させて、さらに、電気光学分子(EO分子)を結合させることによって、所望のTg値を有するものにすることができるため、本発明の共重合体を用いて、EO材料として最適なTg値を有するコア層及びクラッド層の有機EOポリマーを作製することができる。
また、本発明によれば、最適なTg値を有するコア層及びクラッド層の有機EOポリマーを作製することができるため、EO効果の高い有機EOポリマーデバイスが作製可能になり、小型で高EO効率な光変調器の作製、光通信の高速化及び低消費電力化が図れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の共重合体は、シクロアルカンメタクリレート及び2−イソシアナトエチルメタクリレートをモノマーとして含む共重合体であって、(イ)シクロアルカンメタクリレートと2−イソシアナトエチルメタクリレートの配合比率を変動させて、さらに、(ロ)電気光学分子(EO分子)を結合させることによって、所望のガラス転移温度(Tg)値を得ることができることを特徴とする。
本発明において、シクロアルカンメタクリレートのシクロアルカンは、特に限定されないが、単環又は縮合環であることが好ましい。これらの単環又は縮合環は、架橋されていてもよい。縮合環としては、例えば、ビシクロ環、トリシクロ環等が挙げられる。
本発明において、共重合体の重合方法としては、シクロアルカンメタクリレート及び2−イソシアナトエチルメタクリレートをポリマー原料のモノマーとして含んで重合する方法であれば特に限定されないが、例えば、溶液重合、塊状重合等の従来公知の方法を使用することができ、好ましくは、溶液重合である。これらの重合技術は従来十分に確立されていて、本発明はそれに従ってよい。
溶液重合において使用される溶媒は、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶剤等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を混合して使用することができる。溶媒は、好ましくは、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤等であり、より好ましくは、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン等である。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、通常は、重合系内におけるモノマーの濃度が約10〜70重量%の範囲から適宜選択すれば良く、好ましくは、約20〜50重量%である。
重合温度は、反応規模等に応じて適宜選択することができ、通常は、反応液の内温0〜200℃の範囲であれば良く、好ましくは、約30〜100℃であり、より好ましくは、約50〜80℃である。
重合時間は、反応規模や反応温度等により一定しないが、通常は、数分〜20時間の範囲で適宜選択すれば良く、好ましくは、約0.5〜10時間であり、より好ましくは、約1〜6時間である。数分とは、1分〜10分程度を意味する。
本発明の共重合体を製造するために使用されるシクロアルカンメタクリレートと2−イソシアナトエチルメタクリレートの配合比率は、特に限定されないが、シクロアルカンメタクリレートと2−イソシアナトエチルメタクリレートのモル比が、例えば、約1/10〜15/1であり、好ましくは約1/5〜10/1であり、より好ましく約1/2〜6/1である。
本発明の共重合体の重合において、重合時にラジカル重合開始剤を用いてもよい。ラジカル重合開始剤は、特に限定されず、公知の化合物を使用することができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。有機過酸化物としては、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ―t―ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t―ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t―アミルパーオキシイソノナノエート、t―アミルパーオキシ―2―エチルヘキサノエート等が挙げられる。アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’―アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’―アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’―アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。ラジカル重合開始剤は、好ましくは、ベンゾイルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル, 1,1’―アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等である。
本発明の共重合体の重合方法の好ましい態様としては、まず、シクロアルカンメタクリレートと2−イソシアナトエチルメタクリレートを、溶媒及び重合開始剤存在下で加熱することにより付加重合させ、共重合体(A)を得る。得られた共重合体(A)に、EO分子を結合させることによって、以下の構造式(1)で表される本発明の共重合体を得ることができる。
共重合体(A)の重合において、シクロアルカンメタクリレートと2−イソシアナトエチルメタクリレートの配合比率を変動させることにより、共重合体(A)にEO分子を結合させて得られる本発明の共重合体を、所望のTg値を有するものとすることがきる。
具体的には、共重合体(A)の重合において、2−イソシアナトエチルメタクリレートに対するシクロアルカンメタクリレートの配合比率を大きくすることにより、共重合体(A)のTgを大きくすることができ、該配合比率を小さくすることにより、共重合体(A)のTgを小さくすることができる。
例えば、後述の実施例記載の如く2−イソシアナトエチルメタクリレートに対するジシクロペンタニルメタクリレートの配合比率を、2−イソシアナトエチルメタクリレート1モルに対して、約0.9〜5.4モル%増加させれば、共重合体(A)のTgを約1〜50℃大きくすることができる。
共重合体(A)へのEO分子の結合様式は、特に限定されないが、共重合体(A)に含まれる2−イソシアナトエチルメタクリレート単位の側鎖に結合することが好ましい。
また、共重合体(A)にEO分子を結合させる方法は、特に限定されないが、例えば、共重合体(A)及びEO分子を、触媒及び溶媒存在下に加熱し、反応させて結合する方法が好ましい。溶媒、加熱温度及び加熱時間は、特に限定されず、上述した本発明の共重合体の重合において使用される溶媒、該重合における重合温度及び重合時間と同様の態様が好ましい。触媒は、特に限定されないが、例えば、ジブチルスズジラウレート、ピリジン、トリエチルアミン等が挙げられ、好ましくは、ジブチルスズジラウレート等である。
本発明において使用されるEO分子は、特に限定されないが、例えば、米国特許6067186号明細書、特表2004‐501159号公報、国際WO2011/024774A1号公報、「非線形光学のための有機材料」(日本化学会編、季刊化学総説No.15(1992))、“Organic Nonlinear Optical Materials”(Ch. Bosshard, et. al., Gordon and Breach Publishers(1995))、「情報・通信用光有機材料の最新技術」(戒能俊邦監修、シーエムシー出版(2007))、及び“Molecular Nonlinear Optics”(ed. J. Zyss, Academic Press(1994))等に記載の2次非線形光学特性を有する成分の中から選択されてもよい。
前記EO分子の一例としては、以下の構造式[A-1]〜[A-7]で表されるもの等が挙げられる。
本発明に用いられるEO分子の含有量は、特に限定されないが、前記共重合体(A)にEO分子を結合した重合体(本発明の共重合体)全量に対して、通常は、約1〜70重量%であり、好ましくは、約5〜60重量%であり、より好ましくは、約10〜50重量%である。
本発明の共重合体は、必須化合物(共重合体(A)及びEO分子)以外の化合物を含んでいてもよい。これらは、前記共重合体(A)の重合時に添加する及び/又は結合させてもよいし、重合後に添加する及び/又は結合させてもよく、また、本発明の共重合体に後から添加する及び/又は結合させてもよい。
前記必須化合物以外の化合物としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の光安定剤;ベンジルジメチルケタール、α-ヒドロキシアセトフェノン類、α-アミノアセトフェノン類等のアセトフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類、O−アシルオキシム類、チタノセン類等の光硬化開始剤;ミヒラーズケトン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン等の三重項増感剤;トリス[−(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]-イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5-トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)等のポリチオール類、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールアリルエーテル、トリアリルイソシアヌレート等の架橋補助剤等の配合剤等の添加剤等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を使用することができる。これらの添加剤等を含有する場合、その含有量は、本発明の共重合体全量に対して、通常は約0.5〜30重量%程度であり、好ましくは、約1〜20重量%程度である。
本発明の共重合体の数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、通常は、約0.5〜10万であり、好ましくは、約1〜5万である。尚、数平均分子量(Mn)は、後述の実施例に記載の方法で測定された値である。
本発明の共重合体のTgは、特に限定されないが、通常は、約105〜230℃であり、好ましくは、約120〜200℃である。尚、Tgは、後述の実施例に記載の方法で測定された値である。
上述のようにして得られた本発明の共重合体は、有機電気光学素子として使用することができる。すなわち、本発明は、該共重合体を含有する有機電気光学素子をも含む。該有機電気光学素子は、本発明の共重合体以外の成分を含んでも良い。該有機電気光学素子は、好ましくは、光変調器又は光スイッチである。
本発明の有機電気光学素子は、従来公知の方法を用いて、例えば、光変調器、光スイッチ、マルチコアスイッチ、光インターコネクト、チップ内光配線、THz波発生THzセンサー、高感度・高S/N脳波計、脳-機械インターフェース(BMI)、ホログラフィ等に使用することができる。例えば、本発明の有機電気光学ポリマーを用いて光導波路を作製する場合は、特願2012−185880号に記載の方法(有機EOポリマーの積層による光導波路3層構造の作製方法)を用いて好適に製造することができる。
本発明を以下の実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
最初に、本実施例において作製した共重合体の評価方法を示す。
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
実施例及び比較例で得られたポリマーのTgは、視差走査熱量測定装置(Rigaku Thermo plus DSC 8230、株式会社リガク社製)を使用し、測定試料10mg、基準試料はAl空容器、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分の条件で測定を行った。
[数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の測定]
実施例で得られたポリマーの分子量は、Alliance e2695 (日本ウォーターズ株式会社製)を用いたGPCにより求めた。(カラム: Shodex GPC KF-804L (8 mmφ×300mmL)、展開溶媒:THF、カラム温度:40℃)
(実施例1.共重合ポリマー(A−1))
ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA) 1.89 g (8.56 mmol)、2-イソシアナトエチルメタクリレート(MOI) 1.5 g (9.67 mmol)、およびアゾイソブチロニトリル(AIBN) 80 mg (0.49 mmol)をトルエン 3.75 mlに溶解し、アルゴンを封入した後遮光下70℃油浴中2時間攪拌した。冷却後ジイソプロピルエーテル(IPE) 130 ml中に注いで攪拌した。析出物をろ取し、IPEで洗浄した。70℃に加熱下減圧乾燥して共重合ポリマー(A−1)を3.07 g得た。
上記共重合ポリマー(A−1) 1.0 gをテトラヒドロフラン 35 mlに溶解した。メタノール(MeOH) 3.0 ml およジブチルスズジラウレート(DBTDL) 30 μl を加えて60℃油浴中2時間攪拌した。反応液を冷却後IPE 300 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃に加熱下減圧乾燥した。共重合ポリマー(A−1)のメチルカルバメート体を無色粉末として0.9 g得た。得られたメチルカルバメート体は、Tg: 101.1℃、Mn: 32,600、Mw: 97,500であった。
DCPMAとMOIの比率を表1に記載のように変えた以外は上記と同様にして反応し、共重合ポリマー(A−2)〜(A−7)を得、これらをメチルカルバメート体に変換後Tgと分子量を測定した。結果を表1に示す。
表1の結果から、MOIに対するDCPMAの配合比率を、MOI1モルに対して、約0.9〜5.4モル%増加させることにより、共重合体(A)のTgを約1〜50℃大きくすることができることが確認された。この結果から、DCPMAとMOIの配合比率を変動させることにより、DCPMAとMOIをモノマーとして含む共重合体を、所望のTg値を有するものとすることができることは明らかである。
(実施例2.共重合ポリマー(B−1))
アダマンチルメタクリレート(AdMA) 7.54 g (34.19 mmol)、 2-イソシアナトエチルメタクリレート(MOI) 6.0 g (38.67 mmol)およびAIBN 360 mg (2.19 mmol)をトルエン15 mlに溶解し、アルゴンを封入した後遮光下70℃油浴中2時間攪拌した。冷却後IPE 530 ml中に注いで攪拌した。析出物をろ取し、IPEで洗浄した。70℃に加熱下減圧乾燥して共重合ポリマー(B−1)を13.33 g得た。
上記共重合ポリマー(B−1) 0.7 gをテトラヒドロフラン 35 mlに溶解した。メタノール 1.0 ml およびジブチルスズジラウレート(DBTDL) 15 μl を加えて60℃油浴中2時間攪拌した。反応液を冷却後IPE 300 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃に加熱下減圧乾燥し、共重合ポリマー(B−1)のメチルカルバメート体を無色粉末として0.6 g得た。得られたメチルカルバメート体は、Tg: 115.7℃、Mn: 27,500、Mw: 8,6500であった。
(実施例3.共重合ポリマー(B−2))
アダマンチルメタクリレート(AdMA) 11.25 g (51.07 mmol)、 2-イソシアナトエチルメタクリレート(MOI) 2.8 g (18.05 mmol)およびAIBN 340 mg (2.07 mmol)をトルエン 20 mlに溶解し、アルゴンを封入した後遮光下70℃油浴中2時間攪拌した。冷却後IPE 700 ml中に注いで攪拌した。析出物をろ取し、IPEで洗浄した。70℃に加熱下減圧乾燥して共重合ポリマー(B−2)を14.31 g得た。
上記共重合ポリマー(B−2) 1.0 gをテトラヒドロフラン 50 mlに溶解した。メタノール 3.0 ml およジブチルスズジラウレート(DBTDL) 30 μl を加えて60℃油浴中2時間攪拌した。反応液を冷却後IPE 430 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃に加熱下減圧乾燥し、共重合ポリマー(B−2)のメチルカルバメート体を無色粉末として0.76 g得た。得られたメチルカルバメート体は、Tg: 166.7℃、Mn: 33,000、Mw: 79,500であった。
実施例2及び3の結果から、シクロアルカンメタクリレートとしてAdMAを用いた場合も、AdMAとMOIの配合比率を変動させることにより、所望のTg値を有し、AdMAとMOIをモノマーとして含む共重合体が得られることは明らかである。
(実施例4.共重合ポリマー(C−1))
イソボルニルメタクリレート(IBMA) 8.8 g (39.58 mmol)、2-イソシアナトエチルメタクリレート(MOI) 6.95 g (44.79 mmol)およびAIBN 419 mg (2.53 mmol)をトルエン 17.5 mlに溶解し、アルゴンを封入した後遮光下70℃油浴中2時間攪拌した。冷却後ジイソプロピルエーテル 600 ml中に注いで攪拌した。析出物をろ取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄した。70℃に加熱下17時間減圧乾燥して共重合ポリマー(C−1)を14.86 g得た。
上記共重合ポリマー(C−1) 1.3 gをテトラヒドロフラン 35 mlに溶解した。メタノール 3.0 mlおよびジブチルスズジラウレート(DBTDL) 40 μl を加えて60℃油浴中2時間攪拌した。反応液を冷却後ジイソプロピルエーテル(IPE) 600 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃加熱下減圧乾燥し、共重合ポリマー(C−1)のメチルカルバメート体を無色粉末として1.18 g得た。得られたメチルカルバメート体は、Tg:106.3℃、Mn: 30,300、Mw: 63,900であった。
(実施例5.共重合ポリマー(C−2))
イソボルニルマタクリレート(IBMA) 9.89 g (44.48 mmol)、2-イソシアナトエチルメタクリレート(MOI) 2.44 g (15.73 mmol)およびAIBN 297 mg (1.803 mmol)をトルエン 14 mlに溶解し、アルゴンを封入した後70℃油浴中2時間攪拌した。冷却後ジイソプロピルエーテル 480 ml中に注いで攪拌した。析出物をろ取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄した。70℃に加熱下17時間減圧乾燥して共重合ポリマー(C−2)を8.68 g得た。
上記共重合ポリマー(C-2) 1.29 g (1.64 mmol)をTHF 35 mlに溶解した。メタノール 3.0 mlおよびDBTDL 40 μlを加えて60℃油浴中2時間攪拌した。反応液を冷却後ジイソプロピルエーテル(IPE) 600 ml中に注いで攪拌した。粘稠な析出物を傾瀉で採り、新たにIPE 100 mlを加えて撹拌し、析出したポリマーをグラスフィルターにてろ取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃加熱下17時間減圧乾燥し、共重合ポリマー(C−2)のメチルカルバメート体を無色粉末として0.546 g得た。得られたメチルカルバメート体は、Tg:144.7℃、Mn: 66,300、Mw: 98,200であった。
実施例4及び5の結果から、シクロアルカンメタクリレートとしてIBMAを用いた場合も、IBMAとMOIの配合比率を変動させることにより、所望のTg値を有し、IBMAとMOIをモノマーとして含む共重合体が得られることは明らかである。
(実施例6.共重合ポリマー(D−1))
テトラヒドロフラン 55 mlに前記共重合ポリマー(A−1) 1.09 gを溶解した。これにSKNEO-237(EO分子1) 0.5 g (0.657 mmol)およびDBTDL 40 μlを加えて60℃油浴中2時間攪拌した。次いでテトラヒドロフラン 1 mlに溶解したケイヒ酸2-ヒドロキシエチルエステル(HEC) 0.4 g (2.08 mmol) およびDBTDL 20 μlを加えて1.5 時間攪拌した。さらにメタノール 3 ml を加えて0.5時間撹拌した。反応液を冷却後IPE 440 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃に加熱下減圧乾燥し、共重合ポリマー(D−1)を黒色粉末として1.76 g得た。得られた共重合ポリマー(D−1)は、Tg:102.5℃であった。
(実施例7.共重合ポリマー(D−2))
テトラヒドロフラン 55 mlに前記共重合ポリマー(A−2) 1.27 gを溶解した。これに前記EO分子1、0.5 g (0.657 mmol)およびDBTDL 40 μl を加えて60℃油浴中2時間攪拌した。次いでテトラヒドロフラン 1 mlに溶解したHEC 0.2 g (1.041 mmol) およびDBTDL 20 μlを加え、70℃に昇温して1.5時間攪拌した。さらにメタノール 3 ml を加えて0.5時間撹拌した。反応液を冷却後ジイソプロピルエーテル(IPE) 660 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃加熱下減圧乾燥し、共重合ポリマー(D−2)を黒色粉末として1.79 g得た。得られた共重合ポリマー(D−2)は、Tg:116.1℃であった。
(実施例8.共重合ポリマー(D−3))
テトラヒドロフラン 55 mlに前記共重合ポリマー(A−3) 1.28 gを溶解した。これに前記EO分子1、0.5 g (0.657 mmol)およびDBTDL 40 μl を加えて60℃油浴中2時間攪拌した。次いでテトラヒドロフラン 1 mlに溶解したHEC 0.2 g (1.041 mmol) およびDBTDL 20 μlを加えて1 時間、さらに70℃に昇温して1時間攪拌した。さらにメタノール 3 ml を加えて0.5時間撹拌した。反応液を冷却後ジイソプロピルエーテル(IPE)660 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃加熱下減圧乾燥し、共重合ポリマー(D−3)を黒色粉末として1.79 g得た。得られた共重合ポリマー(D−3)は、Tg:120.0℃であった。
(実施例9.共重合ポリマー(D−4))
THF 55 mlに前記共重合ポリマー (A−4) 1.29 gおよび前記EO分子1、0.5 g (0.657 mmol)を溶解した。これにDBTDL 40 μlを加えて60℃油浴中2時間攪拌した。次いでTHF 1 mlに溶解したHEC 0.2 g (1.04 mmol)およびDBTDL 20 μlを加えて1.5 時間攪拌した。さらにメタノール 3 mlを加えて45分間撹拌した。反応液を冷却後ジイソプロピルエーテル(IPE) 660 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃加熱下16時間減圧乾燥し、共重合ポリマー(D−4)を黒色粉末として1.72 g得た。得られた共重合ポリマー(D−4)は、Tg:125.9℃であった。
(実施例10.共重合ポリマー(D−5))
テトラヒドロフラン 55 mlに前記共重合ポリマー(A−5) 1.29 gを溶解した。これに前記EO分子1、0.5 g (0.657 mmol)およびDBTDL 40 μl を加えて60℃油浴中2時間攪拌した。次いでテトラヒドロフラン 1 mlに溶解したHEC 0.2 g (1.04 mmol) およびDBTDL 20 μlを加えて1.5時間攪拌した。さらにメタノール 3 mlを加えて0.5時間撹拌した。反応液を冷却後ジイソプロピルエーテル(IPE) 660 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃加熱下減圧乾燥し、共重合ポリマー(D−5)を黒色粉末として1.73 g得た。得られた共重合ポリマー(D−5)は、Tg:131.3℃であった。
(実施例11.共重合ポリマー(D−6))
前記共重合ポリマー(A−6) 1.28 g (1.644 mmol)をテトラヒドロフラン 55 mlに溶解し、前記EO分子1、0.6 g (0.789 mmol)およびDBTDL 40μlを加え、アルゴンを封入して60℃油浴中2時間攪拌した。次いでHEC 0.1 g (0.520 mmol)を1 mlのテトラヒドロフランに溶解して添加し、DBTDL 20 μlを追加した。1.5時間撹拌した後メタノール 3 mlを加えて40分撹拌した。冷却後ジイソプロピルエーテル550 mlに注ぎ、攪拌した。析出した黒色粉末をグラスフィルターにてろ取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄した。70℃に加熱下16時間減圧乾燥して共重合ポリマー(D−6)を1.73 g得た。得られた共重合ポリマー(D−6)は、Tg:139.3℃であった。
(実施例12.共重合ポリマー(D−7))
前記共重合ポリマー(A−7) 1.4 g (1.04 mmol)をテトラヒドロフラン 60 mlに溶解し、SKNEO-285(EO分子2) 0.61 g (0.883 mmol) およびDBTDL 30 μlを加え、アルゴンを封入して60℃油浴中3.5時間攪拌した。次いでメタノール 1 mlおよびDBDTL 10 μlを加えて40分撹拌した。冷却後IPE 450 ml中に注いで攪拌した。析出した黒色粉末をろ取し、IPEで洗浄した。70℃に加熱下減圧乾燥して共重合ポリマー(D−7)を1.69 g得た。得られた共重合ポリマー(D−7)は、Tg:161.1℃であった。
(実施例13.共重合ポリマー(E−1))
テトラヒドロフラン 55 mlに前記共重合ポリマー(B−1) 1.22 gを溶解した。次いで前記EO分子1、0.6 g (0.788 mmol)およびDBTDL 30 μlを加えて60℃油浴中2時間攪拌した。次いでテトラヒドロフラン 1 mlに溶解したHEC 0.1 g (0.520 mmol)およびDBTDL 10 μlを加えて1.5 時間攪拌した。さらにメタノール 3 mlを加えて1時間撹拌した。反応液を冷却後ジイソプロピルエーテル(IPE)550 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃加熱下減圧乾燥し、共重合ポリマー(E−1)を黒色粉末として1.54 g得た。得られた共重合ポリマー(E−1)は、Tg:128.5℃であった。
(実施例14.共重合ポリマー(E−2))
テトラヒドロフラン 55 mlに前記共重合ポリマー(B−2) 1.28 gを溶解した。次いで前記EO分子1、0.6 g (0.7875 mmol)およびDBTDL 40 μlを加えて60℃油浴中2時間攪拌した。次いでテトラヒドロフラン 1 mlに溶解したHEC 0.1 g (0.5203 mmol)およびDBTDL 15 μlを加えて1.5 時間攪拌した。さらにメタノール 3 mlを加えて1時間撹拌した。反応液を冷却後ジイソプロピルエーテル(IPE)700 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃加熱下減圧乾燥し、共重合ポリマー(E−2)を黒色粉末として1.67 g得た。得られた共重合ポリマー(E−2)は、Tg:166.1℃であった。
(実施例15.共重合ポリマー(F−1))
テトラヒドロフラン 50 mlに前記共重合ポリマー(C−1) 1.23 gを溶解した。次いで前記EO分子1、0.6 g (0.7885 mmol)およびDBTDL 40 μlを加えて60℃油浴中2時間攪拌した。次いでテトラヒドロフラン 1 mlに溶解したHEC 0.1 g (0.5202 mmol) およびDBTDL 20 μlを加えて2時間攪拌した。さらにメタノール 3 mlを加えて30分撹拌した。反応液を冷却後ジイソプロピルエーテル(IPE)600 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃加熱下減圧乾燥し、共重合ポリマー(F−1)を黒色粉末として1.74 g得た。得られた共重合ポリマー(F−1)は、Tg: 122.1℃であった。
(実施例16.共重合ポリマー(F−2))
テトラヒドロフラン 50 mlに前記共重合ポリマー(C−2)1.28 gを溶解した。次いで前記EO分子1、0.6 g (0.7885 mmol)およびDBTDL 40 μlを加えて60℃油浴中2時間攪拌した。次いでTHF 1 mlに溶解したHEC 0.1 g (0.5202 mmol)およびDBTDL 20 μlを加えて1.5時間攪拌した。さらにメタノール3 mlを加えて30分撹拌した。反応液を冷却後ジイソプロピルエーテル(IPE)600 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃加熱下減圧乾燥し、共重合ポリマー(F−2)を黒色粉末として1.73 g得た。得られた共重合ポリマー(F−2)は、Tg:153.0℃であった。
実施例6〜16の結果から、シクロアルカンメタクリレート及び2−イソシアナトエチルメタクリレートをモノマーとして含み、所望のTgを有する共重合体(実施例1〜5の共重合体)に、EO分子を結合させることによって、所望のTg値を有する有機EOポリマーが得られることが確認できた。
(比較例1.共重合ポリマー(R−1))
メチルメタクリレート(MMA) 6.97 g (69.62 mmol)、 2-イソシアナトエチルメタクリレート(MOI) 8.0 g (51.56 mmol)およびAIBN 0.6 g (3.65 mmol)をトルエン18 mlに溶解し、アルゴンを封入した後遮光下60℃油浴中2時間攪拌した。冷却後IPE 550 ml中に注いで攪拌した。析出物をろ取し、IPEで洗浄した。70℃に加熱下減圧乾燥して共重合ポリマー(R−1)を12.24 g得た。
上記共重合ポリマー(R−1) 0.8 gをテトラヒドロフラン 45 mlに溶解した。メタノール 3.0 ml およびジブチルスズジラウレート(DBTDL) 30 μl を加えて60℃油浴中2時間攪拌した。反応液を冷却後IPE 300 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃に加熱下減圧乾燥し、共重合ポリマー(R−1)のメチルカルバメート体を無色粉末として0.79 g得た。得られたメチルカルバメート体は、Tg: 71.8℃であった。
(比較例2.共重合ポリマー(R−2))
メチルメタクリレート(MMA) 14.19 g (141.74 mmol)、 2-イソシアナトエチルメタクリレート(MOI) 11.0 g (70.90 mmol)およびAIBN 1.04 g (6.33 mmol)をトルエン29 mlに溶解し、アルゴンを封入した後遮光下60℃油浴中2時間攪拌した。冷却後IPE 900 ml中に注いで攪拌した。析出物をろ取し、IPEで洗浄した。70℃に加熱下減圧乾燥して共重合ポリマー(R−2)を20.84 g得た。
上記共重合ポリマー(R−2) 0.92 gをテトラヒドロフラン 50 mlに溶解した。メタノール 1.0 ml およびジブチルスズジラウレート(DBTDL) 30 μl を加えて60℃油浴中2時間攪拌した。反応液を冷却後IPE 300 ml中に注いで攪拌した。析出した粉末をろ取し、IPEで洗浄した後70℃に加熱下減圧乾燥し、共重合ポリマー(R−2)のメチルカルバメート体を無色粉末として0.84 g得た。得られたメチルカルバメート体は、Tg: 86.4℃であった。
比較例1及び2の結果から、メチルメタクリレート及び2−イソシアナトエチルメタクリレートをモノマーとして含む共重合体では、メチルメタクリレートと2−イソシアナトエチルメタクリレートの配合比率を変動させても、シクロアルカンメタクリレート及び2−イソシアナトエチルメタクリレートをモノマーとして含む実施例の共重合体のように、得られる共重合体のTg値が低く、所望のTg値を有する共重合体を得ることができないことが確認された。
本発明によれば、所望のTg値を有する有機EOポリマーを得ることができるため、EO材料として最適なTg値を有するコア層及びクラッド層の有機EOポリマーを作製することができる。さらに、本発明によれば、EO材料として最適なTg値を有するコア層及びクラッド層の有機EOポリマーを作製することができるため、EO効果の高い有機EOポリマーデバイスが作製可能になり、小型で高EO効率な光変調器の作製、光通信の高速化及び低消費電力化を行うことができる。

Claims (2)

  1. シクロアルカンメタクリレート及び2−イソシアナトエチルメタクリレートをモノマーとして含み、さらに、2次非線形光学特性を有する成分を結合させてなる、所望のガラス転移温度(Tg)値(120℃未満を除く。)を有する、下記構造式(1)で表される共重合体(ただし、オクタヒドロ−1H−4,7−メタノインデニル メタクリレートと2−イソシアナトエチルメタクリレートのモル比が3/2であるコポリマーを除く)におけるガラス転移温度(Tg)値の調整方法において、シクロアルカンメタクリレートと2−イソシアナトエチルメタクリレートの配合比率を、前者/後者のモル比が1/10〜15/1で変動させることを特徴とする方法
  2. シクロアルカンメタクリレート及び2−イソシアナトエチルメタクリレートをモノマーとして含み、さらに、2次非線形光学特性を有する成分を結合させてなる、所望のガラス転移温度(Tg)値(120℃未満を除く。)を有する、下記構造式(1)で表される共重合体(ただし、オクタヒドロ−1H−4,7−メタノインデニル メタクリレートと2−イソシアナトエチルメタクリレートのモル比が3/2であるコポリマーを除く)において、シクロアルカンメタクリレートと2−イソシアナトエチルメタクリレートの配合比率を、前者/後者のモル比が1/10〜15/1で変動させてガラス転移温度(Tg)値を調整した前記共重合体の有機電気光学素子における使用。
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