JP6376898B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置に関するものである。
液晶表示装置は、液晶パネルと、この液晶パネルを照明するバックライトと、から構成される。バックライトは、光源、光源の光を拡散する光学シート、及び光学シートを保持するパネルホルダを有する。またパネルホルダは液晶パネルも保持する。パネルホルダは、液晶パネルの背面を支持するとともに防塵の役割を果たす弾性体を有する。液晶表示装置は、液晶パネルの前面を保持するためのフレームを有する。フレームは、液晶パネルと対向する面側に配置され、液晶パネルの前面側を保持する弾性体を有する。液晶表示装置を構成する部材は、表示面側から順に、フレーム、液晶パネルの前面の弾性体、液晶パネル、液晶パネルの背面の弾性体、パネルホルダ、光学シート、光源の順番で配置される。
液晶パネルの前面及び背面の弾性体は、液晶パネルの周縁部の各辺に直線状に配置される。この弾性体は、4つの直線状の部材が枠状に組み合わされて液晶パネルの周縁部に配置されるのが一般的である。弾性体としては、液晶パネルに局所的に応力が加わらないように、柔軟性に富んだ材料が用いられる。これにより、液晶の配向の乱れや部分的な白浮き現象の発生が抑制される。
次に液晶表示装置全体における塵埃の侵入について説明する。
図10は液晶表示装置の駆動時の塵埃の侵入経路を示す図であり、図10(a)は液晶表示装置の正面図、図10(b)は側面図、図10(c)は背面図である。
塵埃80は質量が軽いため舞い上がりやすく、その後、自重にて落下する。落下した塵埃80は、矢印101で示すように、フレーム10と液晶パネル20の下辺に主に蓄積する。蓄積した塵埃80は、背面上部に備えたファン100と、液晶表示装置内で発生した熱による上昇気流によって、液晶表示装置上部へと上昇し、一部はファン100より液晶表示装置の外部に放出される。
続いて、液晶パネル周辺における塵埃の侵入について説明する。
図11は図10の右下隅部のBB断面であり、液晶パネルの表示領域への塵埃の侵入経路を示す。液晶パネル20と光学シート40との間には、図11に示すように空間が設けられる。これは、液晶パネル20が外力によってたわんで光学シート40に接触することを防ぐためである。しかしながら、図10のように、液晶パネル20と光学シート40の間に塵埃80が侵入すると、光学シート40の表面及び液晶パネル20の裏面(背面)に塵埃80が付着する恐れがある。塵埃80が付着すると、液晶パネル20を照射するバックライトの基板60の光源61からの光62を妨げ、黒点となり表示劣化が生じる。
そこで、液晶パネル20と光学シート40の間の塵埃の侵入経路340を塞いで防塵するために、液晶パネル20の背面の弾性体は、光学シート40との間に間隙を生じさせないようにする必要がある。しかし、組み立て時の誤差や弾性体の寸法公差等の影響により、各辺に分割された弾性体の4隅の合わせ部に間隙が生じやすい。
特許文献1には、パネルホルダの4隅の合わせ部において、パネルホルダに配置する弾性体を突き合わせる防塵構造が提案されている。図12(a)はこの防塵構造の正面図、図12(b)はこの防塵構造において弾性体の貼り付け位置が変化した場合を示す図である。
特許文献1の防塵構造では、一方の辺(長辺)のパネルホルダ32上に配置する弾性体34を所定長よりも延長させ、他方の辺(短辺)のパネルホルダ31上に配置する弾性体33は所定長としている。これにより、両者の端部が略T字状に配置される。この略T字状の合わせ部において、貼り付け誤差や寸法公差によって弾性体34の貼り付け位置が変化しても、略T字状の合わせ部の形状が維持され塵挨の侵入を抑制することができる。
特開2008−191607号公報
しかしながら、特許文献1の弾性体の配置構造では次の課題がある。すなわち、弾性体33の貼り付け位置には誤差や弾性体自身の寸法公差がある。また、バックライトの光源やIC等の液晶表示装置が発する熱、もしくは設置・輸送中の外部の温湿度環境により、液晶パネルの背面の弾性体が熱膨張や収縮することがある。これにより、弾性体33の所定の貼り付け位置が変化する場合がある。この場合、図11(b)に示すように、略T字状の合わせ部において、略T字状の合わせ部の形状が変化して間隙37が生じ、塵挨が侵入してしまう。
本発明の目的は、表示パネルを支持する弾性体に貼り付け誤差や熱による膨張・収縮が生じても塵挨の侵入を抑制することができる表示装置を提供することである。
本発明の第1の態様は、
表示パネルと、
前記表示パネルの表示領域の周縁の周縁領域を背面側から支持する枠状のパネルホルダと、
第1の方向に沿って前記パネルホルダの前面側に配置される第1弾性体と
前記第1の方向に垂直な第2の方向に沿って前記パネルホルダの前面側に配置される第2弾性体と、
備え、
記第1弾性体の一部と前記第2弾性体の一部とが重なるように、前記第1弾性体と前記第2弾性体とが配置されることを特徴とする表示装置である。
本発明の第2の態様は、
光を発する光源を備える光源基板と、
前記光源基板を収容する筐体と、
前記筐体の前面側に設けられた枠状のパネルホルダと、
前記パネルホルダの前面側に設けられ、前記光源から発せられた光を透過して表示領域に画像を表示する表示パネルと、
前記パネルホルダの前面側に設けられ、前記表示パネルの前記表示領域の周縁の周縁領域を背面側から支持するための複数の背面弾性体と、
を備え、
前記複数の背面弾性体うち1つの背面弾性体は、当該背面弾性体と隣接する他の背面弾性体と交差して配置されることを特徴とする表示装置である。
本発明によれば、表示パネルを支持する弾性体に貼り付け誤差や熱による膨張・収縮が生じても塵挨の侵入を抑制することができる表示装置を提供することができる。
実施例1の液晶表示装置全体の分解斜視図 図1のA部の拡大図 実施例1の液晶表示装置の塵埃の侵入の様子を示す図 実施例2の液晶表示装置のフレームの弾性体貼り付け時の正面図 実施例2の液晶表示装置のHH断面における塵埃の侵入の様子を示す正面図 実施例2の液晶表示装置のII断面における塵埃の侵入の様子を示す正面図 実施例3の液晶表示装置のパネルホルダ右下角部の正面図 実施例3の液晶表示装置のパネルホルダ右下角部の塵埃の侵入の様子 実施例3の液晶表示装置のパネルホルダ右下角部のL字の弾性体 従来の液晶表示装置の駆動時の塵埃の侵入経路を示す図 従来の液晶表示装置の塵埃の侵入の様子を示すBB断面図 従来の液晶表示装置の組み合わせ斜視図 実施例5の液晶表示装置の弾性体を示す図 実施例5の液晶表示装置の弾性体を示す図
(実施例1)
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(A)は、本発明の実施例1に係る液晶表示装置1の全体の分解斜視図である。図1(B)は、液晶表示装置1の背面に備わる換気用ファンを示す模式図である。
液晶表示装置1は、板金によって製作されるフレーム10、液晶パネル20、樹脂によって成型されるパネルホルダ30、光学シート40、反射シート50、基板60、ケース70によって構成される。また、液晶表示装置1は、装置内部の空気を外部に排気する換気用ファン900を備える。換気用ファン900は、液晶パネル20の表示領域中央部に対し上部に配置されている。なお、本実施例では、表示装置が、表示パネルとして透過型の液晶パネルを用いた液晶表示装置である場合の例を説明するが、表示装置は、透過型の液晶表示装置に限らない。例えば、表示装置は、反射型の液晶表示装置であってもよい。また、表示装置は、液晶素子の代わりにMEMS(Micro Electro Mechanical System)
シャッターを用いたMEMSシャッター方式ディスプレイであってもよい。
実施例1は以下の構成で実施した。
フレーム10は鋼板の1mmの厚さのものを用い、液晶パネル20の表示領域に沿って分断加工後に、液晶表示装置1の側面を覆うようにL字に曲げ加工を行う。フレーム10は、ケース70とネジで締結し固定される。
パネルホルダ30はABS樹脂を用い、4辺分割して成型される。分割されたパネルホルダ30の各辺は、ケース70とネジで締結し、4辺が枠状になるように組み立てられる。枠状に組み立てられたパネルホルダ30は、液晶パネル20を表示領域の周縁部の4辺において背面から支持し、光学シート40から一定の空間を保つように液晶パネル20を保持し収納する。液晶パネル20を保持するために、パネルホルダ30の滑らかな表面上に弾性部材(第1の弾性部材)が液晶パネル20の表示領域の周縁部に沿って配置される。
弾性部材は、エチレンプロピレンゴムから成る半独立・半連続気泡構造の弾性体からなる。弾性体の片面は、フィルム基材にアクリル系粘着剤が積層されており、この面をパネルホルダ30に貼り付ける。
実施例1では、物性は80%圧縮時に圧縮荷重0.15(N/cm)かつ線膨張率が230〜240×10−6/℃を用いた。また外形寸法は厚み3mm、幅3mm、長さ500mm
の細長い四角柱形状(線形状)のものを用いた。40℃温度差が生じると、弾性体の両端で4.6mmから4.8mm膨張する。
フレーム10とパネルホルダ30によって、液晶パネル20の収納空間が確保される。液晶パネル20とフレーム10の隙間は1.0mm、液晶パネル20とパネルホルダ30の隙間は2.0mmである。弾性体と液晶パネル20とが接触するように、フレーム10に配置する弾性体は厚み1.5mm、パネルホルダ30に配置する弾性体は厚み3.0mmのものを配置する。弾性体は隙間を充填できればよく、厚みが不均一であっても、四角柱形状(線形状)でなくても構わない。
光学シート40は複数枚の光学部材から構成される。本実施例では、光学シート40は視野角向上フィルム、輝度向上フィルム、輝度拡散フィルムを有し、バックライトユニット800からの光を調整する。各フィルムは、アクリル系樹脂及びポリエステル基材によって構成される。
反射シート50は白色のPET材で成型され、光源61の周囲に配置され、光源61の光を反射することで、光学シート40に光を入射させる。
基板60には光源61が実装される。光源61として本実施例ではLED(Light Emitting Diode)を用いる。
ケース70は鋼板により枠形状に形成される。ケース70の内側に、光学シート40、反射シート50、及び基板60が収納される。パネルホルダ30、光学シート40、反射シート50、基板60、及びケース70によりバックライトユニット800が構成され、バックライトユニット800により液晶パネル20が照明される。
図2は、図1におけるパネルホルダ30のA部の拡大図であり、CC断面は長辺側側面
からの断面図、DD断面は短辺側側面からの断面図である。
パネルホルダ30は、パネルホルダ短辺31とパネルホルダ長辺32に分割されており、各パネルホルダは4隅角部で連結される。パネルホルダ連結後に、パネルホルダ長辺弾性体34をパネルホルダ長辺32に沿って配置する。弾性体は、粘着材にてパネルホルダ30に固定される。次に、パネルホルダ短辺弾性体33をパネルホルダ短辺31に沿って配置し、隅部35においてパネルホルダ長辺弾性体34に重ねる。パネルホルダ長辺弾性体34は、液晶パネル20の表示領域の周縁部の一の辺に沿って配置される線形状の第1の弾性体であり、パネルホルダ短辺弾性体33は、前記一の辺に垂直の辺に沿って配置される線形状の第2の弾性体である。ここで、弾性体の貼り付け順序として、まずパネルホルダ長辺弾性体34を貼り、次にパネルホルダ短辺弾性体33を貼る例を示したが、パネルホルダ短辺弾性体33がパネルホルダ長辺弾性体34の上から重なり合っていれば、貼り付け順序はこれに限られない。
弾性体の重なり合う部分35について詳細に説明する。
CC断面ではパネルホルダ短辺弾性体33がパネルホルダ長辺弾性体34を押さえるように貼り付けられる。そのため、パネルホルダ短辺弾性体33に押し込まれて、パネルホルダ長辺弾性体34に三角形状の間隙37が生じる。本実施例では、弾性体の間隙37の断面積は0.01であった。
DD断面では、パネルホルダ長辺弾性体34をまたぐようにパネルホルダ短辺弾性体33が配置され、間隙は生じない。
図3は、本実施例における液晶表示装置1の塵埃の侵入経路の拡大図であり、図3(a)は正面図で、図3(b)は図3(a)のEE断面図である。
塵埃80は、液晶パネル20とフレーム弾性体11・12の間隙から液晶表示装置1内に侵入する。侵入した塵埃80は、液晶パネル20の背面へと侵入するが、液晶パネル20の背面に貼り付けられたパネルホルダ長辺弾性体34によって、塵埃80の侵入が防がれるため、それ以上、塵埃80は侵入しない。またパネルホルダ長辺弾性体34の位置は、光源61の拡散光62の照射領域より外側で、かつ液晶パネル20の表示領域よりも外側であるため、弾性体近傍に蓄積した塵埃80は画質に影響しない。
なお、上記の説明においては、枠上に組み立てたパネルホルダ30の4隅の内の1隅の
角部の構造について図示して説明したが、残りの3隅の角部の合わせ部も同様の構造である。また、上記の説明では4分割にパネルホルダ30が分割されている構成を例示したが、パネルホルダ30が一体成形されるものであってもよい。その場合も、パネルホルダ30の周縁部の4辺の各々に貼り付ける弾性体は個別の部材であるので、上述のように隅部において長辺弾性体の上に短辺弾性体が重なるように貼り付ければ同様の効果が得られる。また、4隅の全てにおいて長辺弾性体と短辺弾性体とが重なり合うようにしても良いし、4隅のうちの少なくとも1隅において長辺弾性体と短辺弾性体とが重なり合うようにしても良い。実施例1の液晶表示装置1のように、換気用ファン900を備える構成では、液晶パネル20の表示領域の中央部に対し換気用ファン900の配置位置と反対側に位置する隅において長辺弾性体と短辺弾性体とが重なり合うようにしても良い。実施例1の場合、下辺左右の隅である。これらの隅は塵埃の侵入しやすいためである。実施例1では、長辺弾性体(第1の弾性体)と短辺弾性体(第2の弾性体)とが重なる部位において、パネルホルダの前面側に長辺弾性体があり、液晶パネルの背面側に短辺弾性体がある例を示したが、逆の位置関係でも良い。すなわち、長辺弾性体(第1の弾性体)と短辺弾性体(第2の弾性体)とが重なる部位において、パネルホルダの前面側に短辺弾性体があり、液晶パネルの背面側に長辺弾性体があっても良い。実施例1では、長辺弾性体(第1の弾性体)と短辺弾性体(第2の弾性体)とが重なる部位において、長辺弾性体と短辺弾性体が交差するよう配置される例を示したが、両者は当該部位において重なっていればよく、必ずしも交差していなくても良い。
(実施例2)
図4は、本発明の実施例2を説明する図であり、フレーム10の右下角部の構成を示す。図4は、実施例1で記載した図2のパネルホルダ30に対し液晶パネル20を挟んで対向する位置に配置されるフレーム10の右下角部の拡大図である。
液晶パネル20を表示領域の周縁部の4辺を前面側から支持するフレーム10は、枠状かつ周囲をL字に曲げられた形状を有する。フレーム10と液晶パネル20との間には弾性部材(第2の弾性部材)が配置される。弾性部材は、フレーム10の開口部に沿って、フレーム10の背面側の4辺の各辺に分割して貼り付けられる複数の弾性体からなる。貼り付け順序は、短辺フレーム弾性体11を貼り付けた後、4隅部で短辺フレーム弾性体11に重なるように長辺フレーム弾性体12を貼り付ける。長辺フレーム弾性体12は、液晶パネル20の表示領域の周縁部の一の辺に沿って配置される線形状の第4の弾性体であり、短辺フレーム弾性体11は、前記一の辺に垂直の辺に沿って配置される線形状の第5の弾性体である。フレーム10に貼り付けられる弾性体は、隅部35において重なり合っていればよく、隅部35において図4のように十字形状に重なり合っていなくてもよい。また、貼り付け順序についても、短辺フレーム弾性体11の上に長辺フレーム弾性体12が重なり合うように貼り付けられれば、上述した貼り付け順序に限られない。
フレーム10に貼り付ける長辺及び短辺の弾性体の材質は、パネルホルダ30に貼り付ける弾性体と同様とし、80%圧縮時に0.2(N/cm)以下の弾性体を用いる。実施例2では、80%圧縮時の圧縮荷重0.15(N/cm)、厚み2mm、幅2mmのものを用いた。
図5は、液晶パネル20に図2のパネルホルダ30と図4のフレーム10を組み付けた構造における、HH断面におけるフレーム10側の塵埃の侵入経路を示す図であり、図6はII断面におけるパネルホルダ30側の塵埃の侵入経路を示す図である。
塵埃80は図5で示すように、フレーム10の弾性体の重なり合う箇所である4隅の短辺フレーム弾性体11に生じた間隙38より侵入しようとする。しかしながら、間隙38の断面積は小さく、多くの塵埃の侵入を妨げる。フレーム10側の間隙38を通過した微
量の塵埃は、液晶パネル20の背面側に侵入する。図6のように、液晶パネル20の背面側に侵入する塵埃80は、パネルホルダ短辺弾性体33の近傍に滞留するが、パネルホルダ短辺弾性体33には間隙がないため、パネルホルダ長辺弾性体34の間隙37に迂回する侵入経路90を通る。侵入経路90を通る際に、迂回することにより塵埃80は更に分散し、侵入する塵埃80は更に減少する。残った微量の塵埃80は、パネルホルダ30側の間隙37より液晶パネル20の裏面(背面)に侵入しようとするが、間隙37は非常に小さいため、液晶パネル20の背面への塵埃80の侵入を抑制することができる。
フレーム10側の弾性体の重なり合う位置と、パネルホルダ30側の弾性体の重なり合う位置とは、面内で同じ位置であっても良いし、異なる位置であっても良い。実施例2では、長辺弾性体(第4の弾性体)と短辺弾性体(第5の弾性体)とが重なる部位において、液晶パネルの前面側に長辺弾性体があり、フレームの背面側に短辺弾性体がある例を示したが、逆の位置関係でも良い。すなわち、長辺弾性体(第4の弾性体)と短辺弾性体(第5の弾性体)とが重なる部位において、液晶パネルの前面側に短辺弾性体があり、フレームの背面側に長辺弾性体があっても良い。実施例2では、長辺弾性体(第4の弾性体)と短辺弾性体(第5の弾性体)とが重なる部位において、長辺弾性体と短辺弾性体が交差するよう配置される例を示したが、両者は当該部位において重なっていればよく、必ずしも交差していなくても良い。
(実施例3)
実施例1は一般的な屋内・屋外環境での使用を想定した防塵構造であるが、実施例3では更に過酷な塵埃環境を想定した防塵構造である。
図7は実施例3を説明する図であり、パネルホルダ30の右下角部の構成を示す拡大図である。図8は液晶パネル20を組み込んだ際の塵埃の侵入経路を示す図である。
実施例3のパネルホルダ30の構成とパネルホルダ30の弾性体の構成は実施例1と同じであるため、詳細な説明は省する。
図7に示すように、パネルホルダ長辺弾性体34とパネルホルダ短辺弾性体33との重なり合う部分の近傍に、立方体の弾性体110を配置する。弾性体110は、パネルホルダ長辺弾性体34(第1の弾性体)とパネルホルダ短辺弾性体33(第2の弾性体)とが重なる部位において第1の弾性体と第2の弾性体とに内側から近接する位置に配置される第3の弾性体である。図8に示すように、パネルホルダ長辺弾性体34には小断面積ながら間隙37が生じており、その間隙37より塵埃80は液晶パネル20の背面に侵入しようとする。しかしながら、間隙37を通過した塵埃80は、立方体の弾性体110により、侵入経路が2つに分割される。もともと間隙37の断面積は小さく通過する塵埃の量は少ないが、侵入経路が分割されることにより、塵埃が分散し、更に塵埃の侵入は少なくなる。
立方体の弾性体110を配置する位置は、パネルホルダ長辺弾性体34とパネルホルダ短辺弾性体33との重なり合う部分の近傍であればよい。実施例3では、弾性体110がパネルホルダ長辺弾性体34とパネルホルダ短辺弾性体33とが重なる部位において、パネルホルダ長辺弾性体34とパネルホルダ短辺弾性体33とに内側から近接する位置に配置される例を示したが、外側から近接する位置でも良い。重なり合う部分に接するように弾性体110を配置することにより、パネルホルダ30の弾性体を重なり合わせたことによってパネルホルダ長辺弾性体34に生じた微小な間隙37が塞がれ、更に塵埃の侵入を抑制することができる。第3の弾性体は、第1の弾性体(パネルホルダ長辺弾性体34)に近接する面と、第2の弾性体(パネルホルダ短辺弾性体33)に近接する面と、を有する直方体又は立方体の形状の弾性体である。図7の弾性体110は、立方体形状として説明したが、直方体形状等、立方体形状に限定されない。
実施例3のパネルホルダ30の弾性体の寸法は幅3mm、高さ3mmとし、材質は実施例1のパネルホルダ30の弾性体と同様のものを使用した。弾性体110の位置は、パネルホルダ30の弾性体の重なり合う部分の近傍であって、パネルホルダ長辺弾性体34とパネルホルダ短辺弾性体33とが重なり合うことによって生じる間隙37を塞ぐことができる位置であればよい。上記の例ではパネルホルダ長辺弾性体34とパネルホルダ短辺弾性体33の内側に弾性体110を配置する例を示したが、弾性体110の配置位置はパネルホルダ長辺弾性体34とパネルホルダ短辺弾性体33の外側でも良い。実施例3では、パネルホルダ30の長辺弾性体と短辺弾性体の交差する部位において、長辺弾性体と短辺弾性体に内側から近接する位置又は外側から近接する位置に弾性体110を配置する例を示した。しかし、フレーム10の長辺弾性体と短辺弾性体の交差する部位において、長辺弾性体と短辺弾性体に内側から近接する位置又は外側から近接する位置に同様の弾性体を配置しても良い。長辺フレーム弾性体12(第4の弾性体)と短辺フレーム弾性体11(第5の弾性体)とが重なる部位において、第4の弾性体と第5の弾性体とに内側から近接する位置又は外側から近接する位置に弾性体110に相当する弾性体(第6の弾性体)を配置しても良い。
(実施例4)
実施例4は、実施例3と同じく過酷な塵埃環境を想定した防塵構造を示す。図9は、実施例4を説明する図であり、パネルホルダ30の右下角部の構成を示す拡大図である。
実施例4は、パネルホルダ30の構成とパネルホルダ30の弾性体の構成は実施例1及び実施例3と同じであるため、詳細な説明は省する。
図9に示すように、実施例4では、パネルホルダ長辺弾性体34とパネルホルダ短辺弾性体33との重なり合う部分の外側を囲むようにL字の弾性体111を配置する。L字形状の弾性体111でパネルホルダ長辺弾性体34とパネルホルダ短辺弾性体33との重なり合う部分を囲むことにより、間隙37に侵入する前に塵埃80の侵入経路が分割される。かつ、L字の弾性体111と、パネルホルダ長辺弾性体34及びパネルホルダ短辺弾性体33と、が接する長さが増加するため、塵埃80の分散距離が大きくなり、塵埃80の侵入量が少なくなる。そして更に、断面積の小さい間隙37を通過する塵埃の量も更に少なくなり、画質の劣化をより抑制できる。
実施例4のパネルホルダ30の弾性体の寸法は幅3mm、高さ3mmとし、材質は実施例1のパネルホルダ30の弾性体と同様のものを使用した。弾性体111の位置は、パネルホルダ30の弾性体の重なり合う部分の近傍であって、パネルホルダ長辺弾性体34とパネルホルダ短辺弾性体33とが重なり合うことによって生じる間隙37を塞ぐことができる位置であればよい。上記の例ではパネルホルダ長辺弾性体34とパネルホルダ短辺弾性体33の内側に弾性体111を配置する例を示したが、弾性体111の配置位置はパネルホルダ長辺弾性体34とパネルホルダ短辺弾性体33の外側でも良い。実施例4では、パネルホルダ30の長辺弾性体と短辺弾性体の交差する部位において、長辺弾性体と短辺弾性体に内側から近接する位置又は外側から近接する位置に弾性体111を配置する例を示した。しかし、フレーム10の長辺弾性体と短辺弾性体の交差する部位において、長辺弾性体と短辺弾性体に内側から近接する位置又は外側から近接する位置に同様の弾性体を配置しても良い。
(実施例5)
実施例5は、実施例3、4と同じく過酷な塵埃環境を想定した防塵構造を示す。図13は、実施例5を説明する図であり、パネルホルダ30の右下角部の構成を示す拡大図である。実施例5は、パネルホルダ30の構成とパネルホルダ30の弾性体の構成は実施例1
、3、4と同じであるため、詳細な説明は省略する。
図13に示すように、実施例5では、パネルホルダ短辺弾性体33とパネルホルダ長辺弾性体34の内側に近接するように、パネルホルダ30の短辺、長辺それぞれの長手方向に沿って、コーナー弾性体39A、39Bが配置される。コーナー弾性体39Aは、パネルホルダ長辺弾性体34(第1の弾性体)に近接する線形状の第7の弾性体であり、コーナー弾性体39Bは、パネルホルダ短辺弾性体33(第2の弾性体)に近接する線形状の第8の弾性体である。図13に示すように、第7の弾性体(コーナー弾性体39A)と第8の弾性体(コーナー弾性体39B)とは交差しつつ重なる。また、第7の弾性体(コーナー弾性体39A)と第2の弾性体(パネルホルダ短辺弾性体33)とは重なり、第8の弾性体(コーナー弾性体39B)と第1の弾性体(パネルホルダ長辺弾性体34)とは重なる。第7の弾性体と第2の弾性体との重なり、及び第8の弾性体と第2の弾性体との重なりにおいて、重なる弾性体同士は図13のように交差していても良いし、交差していなくても良い。
弾性体の貼付順序は、例えば、まず、コーナー弾性体39Aをパネルホルダ長辺弾性体34に沿うように、かつ隅部においてパネルホルダ短辺弾性体33と重なるように配置する。次いで、コーナー弾性体39Bをパネルホルダ短辺弾性体33に沿うように、かつ、隅部においてパネルホルダ長辺弾性体34、及びコーナー弾性体39Aと重なるように配置する。
なお、弾性体の貼り付け順序は上述の例に限らない。例えば、図14に示すような、以下の貼付順序であってもよい。パネルホルダ長辺弾性体34を配置した次にコーナー弾性体39Aをパネルホルダ長辺弾性体34に沿うように配置する。次に、パネルホルダ短辺弾性体33をパネルホルダ短辺31に沿うように、かつ隅部35においてパネルホルダ長辺弾性体34、及びコーナー弾性体39Aに重なるように配置する。次に、コーナー弾性体39Bをパネルホルダ短辺弾性体33に沿うように、かつ隅部においてパネルホルダ長辺弾性体34、及びコーナー弾性体39Aと重なるように配置する。また、コーナー弾性体39A、39Bは、パネルホルダ長辺弾性体34とパネルホルダ短辺弾性体33の外側に配置しても良い。コーナー弾性体39Aを配置することで、間隙37の経路長が長くなって吸気抵抗が増すので、断面積の小さい間隙37を通過する塵埃の量も更に少なくなり、画質の劣化をより抑制できる。
図13では、コーナー弾性体39A(第7の弾性体)とコーナー弾性体39B(第8の弾性体)とが重なる部位において、パネルホルダ側の前面側に第7の弾性体があり、液晶パネルの背面側に第8の弾性体がある例を示したが、配置は逆でも良い。すなわち、重な部位において、パネルホルダ側の前面側に第8の弾性体があり、液晶パネルの背面側に第7の弾性体があっても良い。
また、コーナー弾性体39A(第7の弾性体)とパネルホルダ短辺弾性体33(第2の弾性体)とが重なる部位において、パネルホルダ側の前面側に第2の弾性体があり、液晶パネルの背面側に第7の弾性体がある例を示したが、配置は逆でも良い。すなわち、重な部位において、パネルホルダ側の前面側に第7の弾性体があり、液晶パネルの背面側に第2の弾性体があっても良い。
また、コーナー弾性体39B(第8の弾性体)とパネルホルダ長辺弾性体34(第1の弾性体)とが重なる部位において、パネルホルダ側の前面側に第1の弾性体があり、液晶パネルの背面側に第8の弾性体がある例を示したが、配置は逆でも良い。すなわち、重な部位において、パネルホルダ側の前面側に第8の弾性体があり、液晶パネルの背面側に第1の弾性体があっても良い。
また、実施例5で示したコーナー弾性体39Aとコーナー弾性体39Bに相当する弾性体がフレームと液晶パネルとの間に配置される長辺フレーム弾性体12と短辺フレーム弾性体11との重な部位に配置されていても良い。
10:フレーム、11:フレーム短辺弾性体、12:フレーム長辺弾性体、20:液晶パネル、30:パネルホルダ、33:パネルホルダ短辺弾性体、34:パネルホルダ長辺弾性体、35:弾性体の重なり合う位置、39A、39B:コーナー弾性体

Claims (16)

  1. 表示パネルと、
    前記表示パネルの表示領域の周縁の周縁領域を背面側から支持する枠状のパネルホルダと、
    第1の方向に沿って前記パネルホルダの前面側に配置される第1弾性体と
    前記第1の方向に垂直な第2の方向に沿って前記パネルホルダの前面側に配置される第2弾性体と、
    備え、
    記第1弾性体の一部と前記第2弾性体の一部とが重なるように、前記第1弾性体と前記第2弾性体とが配置されることを特徴とする表示装置。
  2. 前記第1弾性体と前記第2弾性体とが重なる領域において、前記第1弾性体が前記パネルホルダに接し、前記第2弾性体が前記表示パネルに接するように、前記第1弾性体と前記第2弾性体とが配置されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 記第1弾性体と前記第2弾性体とは交差するよう配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
  4. 記第1弾性体と前記第2弾性体とが重なる領域において、前記第1弾性体と前記第2弾性体とに内側から近接する位置又は外側から近接する位置に配置される第3弾性体を更に有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
  5. 前記第3弾性体は、前記第1弾性体に近接する面と、前記第2弾性体に近接する面と、を有する直方体又は立方体の形状の弾性体であることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
  6. 前記第3弾性体は、前記第1弾性体と前記第2弾性体との重なる領域の外側を囲むように配置されるL字の形状の弾性体であることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
  7. 前記表示パネルの前記周縁領域を前面側から支持する枠状のフレームと、
    前記第1の方向に沿って前記フレームの背面側に配置される第4弾性体と、
    前記第2の方向に沿って前記フレームの背面側に配置される第5弾性体と、
    を更に備え
    記第4弾性体の一部と前記第5弾性体の一部とが重なることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
  8. 前記第4弾性体と前記第5弾性体とが重なる領域において、前記第4弾性体が前記表示パネルに接し、前記第5弾性体が前記フレームに接するように、前記第4弾性体と前記第5弾性体とが配置されることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
  9. 記第4弾性体と前記第5弾性体とは交差するよう配置されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の表示装置。
  10. 記第4弾性体と前記第5弾性体とが重なる領域において、前記第4弾性体と前記第5弾性体とに内側から近接する位置又は外側から近接する位置に配置される第6弾性体を更に有することを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
  11. 前記パネルホルダは、
    前記第1の方向に延伸する第1面と、
    前記第1面と接続し、前記第2の方向に延伸する第2面と、
    を備え、
    前記第1弾性体は、前記第1面に沿って配置され、
    前記第2弾性体は、前記第2面に沿って配置され、
    前記第1面と前記第2面とが接続する領域において、前記第1弾性体の一部と前記第2弾性体の一部とが重なることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の表示装置。
  12. 前記第1弾性体は、直方体形状の弾性部材であり、
    前記第2弾性体は、直方体形状の弾性部材であり、
    前記第1弾性体の端側の一部と、前記第2弾性体の端側の一部とが重なるように、前記第1弾性体および前記第2弾性体が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の表示装置。
  13. 前記パネルホルダの背面側に配置され、光源を備える光源基板と、
    前記パネルホルダの背面側を支持し、前記光源基板を収容する筐体と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の表示装置。
  14. 光を発する光源を備える光源基板と、
    前記光源基板を収容する筐体と、
    前記筐体の前面側に設けられた枠状のパネルホルダと、
    前記パネルホルダの前面側に設けられ、前記光源から発せられた光を透過して表示領域に画像を表示する表示パネルと、
    前記パネルホルダの前面側に設けられ、前記表示パネルの前記表示領域の周縁の周縁領域を背面側から支持するための複数の背面弾性体と、
    を備え、
    前記複数の背面弾性体のうち少なくとも1つの背面弾性体は、当該背面弾性体と隣接する他の背面弾性体と交差して配置されることを特徴とする表示装置。
  15. 前記複数の背面弾性体は、前記パネルホルダの隅に対応する領域で、交差するように配置されることを特徴とする請求項14に記載の表示装置。
  16. 前記表示パネルの前面側に設けられ、前記表示パネルの前記周縁領域を覆う枠状のフレームと、
    前記フレームの背面側に設けられ、前記表示パネルの前記周縁領域を前面側から支持するための複数の前面弾性体と、
    を更に備え、
    前記複数の前面弾性体のうち少なくとも1つの前面弾性体は、当該前面弾性体と隣接する他の前面弾性体と交差して配置されることを特徴とする請求項14または請求項15に記載の表示装置。
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