以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による水素充填システム1の概略構成図である。
水素充填システム1は、燃料タンク210を搭載した車両200と、貯蔵された水素ガスを燃料タンク210に充填するための水素ステーション100と、を備える。
車両200は、燃料タンク210に充填された水素ガスを燃料とする燃料電池を備え、燃料電池の発電電力によって駆動モータ等を駆動して走行する。車両200は、燃料タンク210の他に、燃料タンク210内の状態を検出するための車両側圧力センサ211及び車両側温度センサ212と、レセプタクル213と、送信機220と、車両コントローラ230と、を備える。
車両側圧力センサ211及び車両側温度センサ212は、それぞれ燃料タンク210に取り付けられる。車両側圧力センサ211は、燃料タンク210内の圧力Pvehicleを検出する。車両側温度センサ212は、燃料タンク210内の温度Tvehicleを検出する。
レセプタクル213は、車両200のリッドボックス214に設けられ、燃料タンク210に水素を充填する際に水素ステーション側の充填ノズル32が接続される部品である。水素ガスは、レセプタクル213を介して燃料タンク210に充填される。
送信機220は、車両200の燃料タンク210に関する情報を含む信号を送信する送信手段である。送信機220は、例えばレセプタクル213に設けられた赤外線通信機であって、水素ステーション側の充填ノズル32が接続されているときに、充填ノズル32に設けられた水素ステーション側の受信機33との間で赤外線通信を行うことができるようになっている。送信機220は、車両コントローラ230からの送信指令に基づいて、燃料タンク210に水素ガスを充填する際に必要な車両側情報を、所定の間隔(例えば100[ms])で水素ステーション側の受信機33に送信する。
車両側情報は、複数のデータで構成されており、固定情報と変動情報とを含む。固定情報には、車両側の送信機220と水素ステーション側の受信機33との間で通信を行うにあたって必要となるプロトコル情報及び通信ソフトウェアのバージョン情報や、レセプタクル213の種類、燃料タンク210の容積などのデータが含まれる。変動情報には、車両側圧力センサ211及び車両側温度センサ212で検出した燃料タンク210内の圧力Pvehicle及び温度Tvehicleや、水素ガスを燃料タンク210に充填可能な状態であるか否か示す充填可否情報などが含まれる。
車両コントローラ230は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えるマイクロコンピュータとして構成される。
車両コントローラ230には、前述した車両側圧力センサ211及び車両側温度センサ212の検出値や、レセプタクル213に充填ノズル32が接続されたか否かを検出する車両側接続センサ231の検出値、車両200のリッドボックス214が開かれたか否かを検出する開閉センサ232の検出値などのほか、車両200の走行させるための制御に必要な種々のセンサ類の検出値が入力される。車両コントローラ230は、例えばリッドボックス214が開かれた場合やレセプタクル213に充填ノズル32が接続された場合など、燃料タンク210に水素ガスを充填する可能性があるときに、送信機220に対して車両側情報の送信指令を出す。
水素ステーション100は、輸送されてきた既成の水素ガスを貯蔵しておくオフサイト側ステーションであり、コンプレッサ10と、複数の貯蔵タンク20と、ディスペンサ30と、コントローラ40と、を備える。
コンプレッサ10は、必要に応じてトレーラ等によって輸送されてきた輸送タンク2内の既成の水素ガスを、加圧圧縮して各貯蔵タンク20に供給する。輸送タンク2内の圧力は、例えば20MPaに設定されている。
貯蔵タンク20は、車両200の燃料タンク210に充填するための水素ガスを、所定の圧力に維持した状態で貯蔵する。本実施形態では、貯蔵タンク20は、低圧貯蔵タンク21、中圧貯蔵タンク22及び高圧貯蔵タンク23の3つのタンクで構成される。低圧貯蔵タンク21、中圧貯蔵タンク22及び高圧貯蔵タンク23の貯蔵上限圧力は、それぞれ40Mpa、60Mpa、80Mpaに設定されている。各貯蔵タンク21−23には、各貯蔵タンク21−23内の圧力を検出するための貯蔵圧センサ41−43がそれぞれ取り付けられる。
貯蔵タンク20は、上流配管11を介してコンプレッサ10に接続され、下流配管15を介してディスペンサ30に接続される。
上流配管11は、コンプレッサ10によって加圧圧縮された水素ガスを各貯蔵タンク20に供給するためのガス流路であって、メイン流路11Aと、分岐流路11Bと、を備える。
メイン流路11Aは、その上流端がコンプレッサ10に接続される。
分岐流路11Bは、メイン流路11Aの下流端から3本に分岐して、各貯蔵タンク21−23の入口部に接続される。分岐流路11Bには、各分岐流路11Bを開閉する第1上流開閉弁12、第2上流開閉弁13及び第3上流開閉弁14がそれぞれ設けられる。第1上流開閉弁12、第2上流開閉弁13及び第3上流開閉弁14の開度は、コントローラ40によって制御される。
下流配管15は、各貯蔵タンク20に貯蔵された水素ガスをディスペンサ30に供給するためのガス流路であって、メイン流路15Aと、分岐流路15Bと、を備える。
メイン流路15Aは、下流端がディスペンサ30に接続される。メイン流路15Aには、各貯蔵タンク20からディスペンサ30に供給され水素ガスの流量を調整するための流量調整弁19と、メイン流路15Aを流れる水素ガスの流量を検出するための流量センサ44と、が設けられる。流量調整弁19の開度は、メイン流路15Aを流れる水素ガスの流量が所望の流量となるように、流量センサ44の検出値に基づいてコントローラ40によってフィードバック制御される。
分岐流路15Bは、メイン流路15Aの上流端から3本に分岐して、各貯蔵タンク21−23の出口部に接続される。分岐流路15Bには、各分岐流路15Bを開閉する第1下流開閉弁16、第2下流開閉弁17及び第3下流開閉弁18がそれぞれ設けられる。第1下流開閉弁16、第2下流開閉弁17及び第3下流開閉弁18の開度は、コントローラ40によって制御される。
低圧貯蔵タンク21に水素ガスを貯蔵する場合、コントローラ40は、第1上流開閉弁12のみを開弁状態とし、その他の開閉弁を閉弁状態として、コンプレッサ10によって加圧圧縮した輸送タンク2内の水素ガスを低圧貯蔵タンク21に供給する。中圧貯蔵タンク22に水素ガスを貯蔵する場合、コントローラ40は、第2上流開閉弁13のみを開弁状態とし、その他の開閉弁を閉弁状態として、コンプレッサ10によって加圧圧縮した輸送タンク2内の水素ガスを中圧貯蔵タンク22に供給する。高圧貯蔵タンク23に水素ガスを貯蔵する場合、コントローラ40は、第3上流開閉弁14のみを開弁状態とし、その他の開閉弁を閉弁状態として、コンプレッサ10によって加圧圧縮した輸送タンク2内の水素ガスを高圧貯蔵タンク23に供給する。
ディスペンサ30は、各貯蔵タンク21−23に選択的に接続され、接続された貯蔵タンク20内の水素ガスを燃料タンク210に充填する充填装置である。ディスペンサ30は、燃料タンク210内の圧力上昇に併せて低圧貯蔵タンク21、中圧貯蔵タンク22、高圧貯蔵タンク23の順に接続され、貯蔵タンク20内の圧力と燃料タンク210内の圧力との差圧を利用して、燃料タンク210に充填する。ディスペンサ30は、充填ホース31と、充填ノズル32と、受信機33と、ステーション側圧力センサ34と、ステーション側温度センサ35と、表示部36と、を備える。
充填ホース31は、ディスペンサ30に選択的に接続された貯蔵タンク20内の水素ガスを、車両200の燃料タンク210に供給するためのホースである。
充填ノズル32は、充填ホース31の先端に設けられ、車両200のレセプタクル213に接続される。
受信機33は、車両200の送信機220と通信する通信手段である。受信機33は、車両200の燃料タンク210に関する車両側情報を含む信号を受信する。受信機33は、例えば充填ノズル32に設けられた赤外線通信機であって、充填ノズル32がレセプタクル213に接続されたときに、車両側の送信機220との間で赤外線通信を行うことができるようになっている。受信機33で受信した車両側情報は、コントローラ40に入力される。
ステーション側圧力センサ34及びステーション側温度センサ35は、それぞれ充填ホース31に取り付けられる。ステーション側圧力センサ34は、車両200の燃料タンク210に充填される水素ガスの圧力、すなわち水素ステーション側の圧力PStaを検出する。ステーション側温度センサ35は、車両200の燃料タンク210に充填される水素ガスの温度、すなわち水素ステーション側の温度TStaを検出する。
表示部36は、水素ガスの充填状態に関する情報を表示するディスプレイであって、ディスペンサ30の全面上部に配置される。表示部36には、充填状態に関する情報として、水素ガスの充填状況や充填終了予定時間、後述する充填方法(通信充填及び非通信充填のいずれを実施しているか)などの情報が表示される。本実施形態では、表示部36を介して目標水素充填量等の入力ができるように、表示部36はタッチパネル式のディスプレイとなっている。
コントローラ40は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えるマイクロコンピュータとして構成される。また、コントローラ40には、必要に応じてカウント値をカウントするカウンタ49が備えられている。
コントローラ40には、前述した貯蔵圧センサ41−43や流量センサ44、ステーション側圧力センサ34、ステーション側温度センサ35の検出値のほか、充填ノズル32がレセプタクル213に接続されたか否かを検出するステーション側接続センサ45の検出値や受信機33で受信した車両側情報が入力される。コントローラ40は、これらの入力値に基づいて、車両200の燃料タンク210に水素ガスを充填する水素充填制御を実施する。
ここで、本実施形態によるコントローラ40は、いわゆる通信充填によって燃料タンク210に水素ガスを充填するか、又は、非通信充填によって燃料タンク210に水素ガスを充填するかを、選択的に実行することができるようになっている。
通信充填は、受信機33で受信した車両側情報を利用して燃料タンク210に水素ガスを充填する充填方法である。すなわち、車両側と水素ステーション側で通信を行い、車両側情報に含まれる燃料タンク210内の温度Tvehicleを監視しながら、燃料タンク210に水素ガスを充填する充填方法である。
このように、通信充填の場合は、燃料タンク210内の温度Tvehicleを監視しながら燃料タンク210に水素ガスを充填することができるので、燃料タンク210内の温度Tvehicleに応じて水素ガスの供給流量を制御することができる。
すなわち、燃料タンク210内の温度Tvehicleが低いときは流量を多くして充填速度を速めることができる。
そして、燃料タンク210内の温度Tvehicleが規定の上限温度に近付いてきたときは、水素ガスの流量を減らしつつ、燃料タンク210内の温度Tvehicleが規定の上限温度になるまで水素ガスの充填を継続することができる。したがって、通信充填では、燃料タンク210内の温度Tvehicleと水素ステーション側の圧力PStaとに基づいて燃料タンク210の水素充填率SOCを算出し、水素充填率SOCが目標水素充填率SOCtgtとなるまで水素充填を継続することができる。
一方で、非通信充填は、受信機33で受信した車両側情報を利用せずに燃料タンク210に水素ガスを充填する充填方法である。すなわち、車両側と水素ステーション側で通信を行わず、水素ステーション側の情報のみで燃料タンク210に水素ガスを充填する充填方法である。
非通信充填の場合は、燃料タンク210内の温度Tvehicleが不明なので、燃料タンク210内の温度Tvehicleに応じて水素ガスの流量を制御することができず、燃料タンク210内の温度の急激な上昇を防止するために、一定の低流量で水素ガスを供給することしかできない。そのため、充填速度は通信充填よりも遅くなる。
また、非通信充填の場合は、燃料タンク210内の温度Tvehicleが不明なので、水素充填率SOCを算出することもできない。そのため、水素ステーション側の圧力PStaが目標水素充填率SOCtgtに応じて予め定められた非通信充填停止圧力P2となったら水素充填を終了する必要がある。そして、非通信充填停止圧力P2は、充填中に燃料タンク210内の温度Tvehicleが規定の上限温度を超えないようにするために、十分なマージンを確保した低い圧力に設定する必要がある。
したがって、非通信充填を実施した場合は、通信充填を実施した場合と比較して充填速度は遅くなり、また、燃料タンク210に充填できる水素ガス量も少なくなる。
そのため、車両側の送信機220と水素ステーション側の受信機33との間で通信が確保できる場合には、通信充填を実施する。しかしながら、送信機220から、燃料タンク210に関する情報を含む信号が受信機33へ送信されたときに、受信機33において送信機220からの信号が正常に受信されない場合もある。このような場合には、コントローラ40で実行される充填処理が非通信充填に移行されてしまうので、燃料タンク210に燃料ガスを充填するときの効率が悪くなってしまう。
そこで本実施形態では、燃料タンク210に燃料ガスを充填する際に車両200との通信により車両側情報を含む信号が受信されない場合には、水素充填システム1を再起動するようにした。以下、この本実施形態による水素充填制御について説明する。
図2は、本実施形態による水素充填制御に関する燃料ガス充填方法を示すフローチャートである。本処理は、水素ステーション100の充填ノズル32が車両200のレセプタクル213に接続されたときに開始される。
ステップS1において、コントローラ40は、運転者等によってディスペンサ30に入力された燃料タンク210の目標水素充填率SOCtgtを読み込む。
ステップS2において、コントローラ40は、ディスペンサ30の受信機33において、車両200の送信機220から送信されてくる車両側情報の受信確認ができたか否かを判定する。
例えば、コントローラ40は、車両200のレセプタクル213に充填ノズル32が接続されてからの経過時間が所定の待機時間を超過したか否かを確認する。そしてコントローラ40は、経過時間が所定の待機時間を超えていない場合には、車両側情報が受信されたと判定し、何らかの異常により経過時間が所定の待機時間を超えた場合には、車両側情報が受信されなかったと判定する。
あるいは、燃料ガスを充填することを許可するための充填ボタンがディスペンサ30に設けられている場合には、コントローラ40は、充填ボタンが押されてからの経過時間に応じて受信確認ができたか否かを判定するようにしてもよい。
このように、充填処理を開始するための準備が整ってかたら所定期間が経過しても、受信機33によって車両側情報を含む信号が受信されない場合には、コントローラ40は、車両側情報が受信されなかったと判断する。これにより、車両側情報が受信できたか否かを確認することが可能になる。
車両側情報の受信確認ができれば、コントローラ40は、ステップS3の処理に進む。すなわち、ステップS2の処理は、車両200の燃料タンク210に関する車両側情報を含む信号が、ディスペンサ30の受信機33により受信されたか否かを判断する判断手段に相当する。
ステップS3において、コントローラ40は、受信機33が受信した車両側情報のデータ整合性確認ができたか否かを判定する。データ整合性確認は、SAE規格J2799に準じたものであり、車両側情報としての複数のデータが適切な区切り文字で区切られているかなどを確認するものである。コントローラ40は、データ整合性確認ができれば、通信充填を実施すべくステップS4の処理に進む。一方、データ整合性確認ができなければ通信充填の実施を断念して非通信充填を実施すべくステップS8の処理に進む。
ステップS4において、コントローラ40は、車両側情報に基づいて通信充填処理を実施する。通信充填処理の詳細については、図3を参照して後述する。通信充填処理を実施した後、コントローラ40は、水素充填制御についての燃料ガス充填方法を終了する。
また、ステップS2で何らかの異常により車両側情報の受信確認ができなかったと判定された場合には、コントローラ40は、ステップS5に進む。
ステップS5において、コントローラ40は、水素ステーション100が有する通信機能に係るシステムを再起動する。コントローラ40は、例えば、コントローラ40に記憶されたOS(Operating System;オペレーションシステム)プログラムや、マイコンに含まれるIO(Input Output;入出力)ソフト、車両200と通信する通信機能を含む通信ソフトなどを再起動する。
OSプログラムは、水素ステーション100を制御するためのシステムソフトウェアである。OSプログラムを再起動することにより、コントローラ40で実行される通信充填処理や非通信充填処理を含む全ての機能が一度に再起動される。
IOソフトは、コントローラ40に接続されたデバイスと、コントローラ40との間で行われる通信処理を実行するためのドライバソフトウェアである。IOソフトを再起動することにより、例えば、コントローラ40に内蔵されたマイコンと受信機33との間で行われる通信機能が再起動される。
通信ソフトは、コントローラ40と車両コントローラ230との間で行われる通信処理を実行するためのアプリケーションソフトウェアである。通信ソフトを再起動することにより、例えば、車両200から送信されてくる信号に含まれる車両側情報を受信する通信機能や受信機33が再起動される。
なお、コントローラ40は、水素ステーション100の通信機能に加えて、車両200の通信機能を再起動させるようにしてもよい。この場合には、コントローラ40は、車両200の通信機能を再起動するための指令信号を車両200の送信機220を介して車両コントローラ230に送信する。
ステップS6において、コントローラ40は、車両200と通信する通信機能に係るシステムを再起動した後、再起動回数をカウントするために、カウンタ49のカウント値を「1」だけカウントアップする。
ステップS7において、コントローラ40は、カウンタ49のカウント値が所定の回数閾値Tnよりも大きいか否かを判断する。そしてコントローラ40は、カウント値が回数閾値Tn以下である場合には、ステップS2の処理に戻り、例えば、ステップS5で行われた再起動処理によって車両側情報の受信確認ができ、かつ、データ整合性の確認ができた場合には、通信充填処理を実行する。
一方、コントローラ40は、カウンタ49のカウント値が回数閾値Tnよりも大きい場合には、通信機能の再起動を禁止し、通信充填の実施を断念して非通信充填を実施すべくステップS8の処理に進む。なお、ステップS5からステップS7までの処理は、水素ステーション100で車両側情報が受信できなかった場合に、受信機33を備える水素ステーション100を再起動する再起動手段に相当する。
ステップS8において、コントローラ40は、車両200と通信することなく非通信充填処理を実施する。非通信充填処理の詳細については、図4を参照して後述する。非通信充填処理を実施した後、コントローラ40は、水素充填制御についての燃料ガス充填方法を終了する。なお、ステップS4及びステップS8の処理は、通信充填処理又は非通信充填処理を実行する処理手段に相当する。
図3は、通信充填処理の内容について説明するフローチャートである。
ステップS40において、コントローラ40は、目標水素充填率SOCtgtに基づいて通信充填停止圧力P1を算出する。
具体的には、コントローラ40は、レセプタクル213に充填ノズル32が接続された後、通信充填による水素充填を開始する前に検出されたステーション側の圧力PSta及び温度TStaを、燃料タンク210の初期圧力及び外気温として取得する。
そしてコントローラ40は、予め設定された通信充填停止圧力算出用のマップを参照し、取得したステーション側の圧力PSta及び温度TStaに基づいて、通信充填停止圧力P1を算出する。
ステップS41において、コントローラ40は、車両200の燃料タンク210に対して通信充填処理による水素充填を開始する。
ステップS42において、コントローラ40は、現在のステーション側の圧力PStaを読み込む。なお、現在のステーション側の圧力PStaは、充填処理を実行するために用いられる非通信情報である。
ステップS43において、コントローラ40は、受信機33で受信した最新の車両側情報を読み込む。
ステップS44において、コントローラ40は、現在のステーション側の圧力PStaと、最新の車両側情報に含まれる燃料タンク210の温度Tvehicleとに基づいて、現在の燃料タンク210の水素充填率SOCを算出する。
本実施形態では、コントローラ40は、以下の(1)式により、現在の燃料タンク210の水素充填率SOCを算出する。(1)式において、ρ(P,T)は、燃料タンク210内の圧力がP、温度がTであった場合のガス密度を表す。NWP(Nominal Working Pressure)は、燃料タンク210を満充填したときの、基準温度(15℃)における燃料タンク210内の圧力である。
ステップS45において、コントローラ40は、水素充填率SOCが目標水素充填率SOCtgt以上になったか否か判定し、かつ、ステーション側の圧力PStaが通信充填停止圧力P1以上となったか否かを判定する。一方、コントローラ40は、双方とも満足していなければ、通信充填を継続すべく、ステップS42の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。
一方、コントローラ40は、水素充填率SOCが目標水素充填率SOCtgt以上になった場合、又は、ステーション側の圧力PStaが通信充填停止圧力P1以上になった場合には、通信充填を終了し、燃料タンク210への水素の充填を終了する。
図4は、非通信充填処理の内容について説明するフローチャートである。
ステップS80において、コントローラ40は、目標水素充填率SOCtgtに基づいて非通信充填停止圧力P2を算出する。
具体的には、コントローラ40は、レセプタクル213に充填ノズル32が接続された後、非通信充填による水素充填を開始する前に検出されたステーション側の圧力PSta及び温度TStaを、燃料タンク210の初期圧力及び外気温として取得する。
そしてコントローラ40は、予め設定された非通信充填停止圧力算出用のマップを参照し、ステーション側の圧力PSta及び温度TStaに基づいて、目標水素充填率SOCtgtに応じた非通信充填停止圧力P2を算出する。なお、非通信充填圧力P2は、通信充填圧力P1よりも低い値となる。
ステップS81において、コントローラ40は、通信充填を中止して非通信充填による水素充填を開始する。
ステップS82において、コントローラ40は、現在のステーション側の圧力PStaを読み込む。なお、現在のステーション側の圧力PStaは、充填処理を実行するために用いられる非通信情報である。
ステップS83において、コントローラ40は、ステーション側の圧力PStaが、非通信充填停止圧力P2以上となったか否かを判定する。そしてコントローラ40は、ステーション側の圧力PStaが非通信充填停止圧力P2未満であれば、ステップS82の処理に戻って非通信充填処理による水素充填を継続する。
一方、コントローラ40は、ステーション側の圧力PStaが、非通信充填停止圧力P2以上になった場合には、非通信充填を終了し、燃料タンク210への水素の充填を終了する。
以上説明した本実施形態による水素充填システム1によれば、以下の効果を得ることができる。
水素充填システム1のコントローラ40は、水素ステーション100と車両200と間の通信状態に応じて、通信充填処理、及び非通信充填処理のうちのいずれかの充填処理を実行する制御装置である。
通信充填処理とは、車両200と通信しながら、ディスペンサ30から車両200の燃料タンク210に燃料ガスを充填する充填処理のことである。非通信充填処理は、車両200と通信することなく、ディスペンサ30から燃料タンク210に燃料ガスを充填する充填処理のことである。
これらの充填処理は、SEA(Society of Automotive Engineers)の規格で定められている。このESA規格で定められた通信充填処理を実行することにより、非通信充填処理に比べて、燃料ガスを燃料タンク210に充填してから充填が完了するまでの時間を短縮することができると共に、燃料タンク210への燃料ガスの充填率を高めることができる。
コントローラ40は、車両200と通信することにより、燃料タンク210に関する車両側情報を含む信号を受信する受信機33を備え、受信機33を用いて車両側情報を含む信号が受信されたか否かを判断する。そしてコントローラ40は、受信機33により車両側情報を含む信号が受信された場合には、その信号に含まれる車両側情報に基づいて通信充填処理を実行する。
一方、コントローラ40は、受信機33により車両側情報を含む信号が受信されなかった場合には、コントローラ40を再起動することで受信機33を再起動する。
コントローラ40を再起動することにより、何らかの理由で動作しなくなっていた通信機能が正常に動作する場合がある。このような場合には、車両200の燃料タンク210に関する情報を受信することが可能となり、通信充填処理を実行することが可能になる。
したがって、コントローラ40の再起動により、水素ステーション100の係員や、車両200の運転者が、手動によってコントローラ40を再起動するような煩わしい作業をしなくて済むので、作業負担を軽減することができる。
さらに、通信充填処理が実行されることにより、非通信充填処理を実行したときに比べて、燃料タンク210に燃料ガスを充填してから充填が完了するまでの充填時間を短縮することができると共に、燃料タンク210への燃料ガスの充填率を高くすることができる。このため、効率よく、ディスペンサ30から燃料タンク210に燃料ガスを充填させることができる。
このように、本実施形態によれば、水素ステーション100の通信機能の異常などにより、車両側情報を含む信号が受信されなかった場合には、コントローラ40が再起動される。これにより、車両側情報を含む信号が受信されるようになった場合には、通信充填処理が実行されるので、効率よく車両200の燃料タンク210に燃料ガスを充填することが可能となる。
また、本実施形態では、コントローラ40が再起動された後、受信機33で車両側情報を含む信号が受信できたときには、コントローラ40は、受信信号に含まれる車両側情報に基づいて通信充填処理を実行する。これにより、燃料タンク210への充填時間を短縮すると共に燃料タンク210への充填率を高くすることができる。
また、本実施形態では、コントローラ40が再起動されても、受信機33の通信機能が回復せず車両側情報が受信されなかったときには、コントローラ40は、車両200と通信することなく非通信充填処理を実行する。
このように、車両側情報を含む信号を受信できない場合でも、非通信充填処理に移行することにより、燃料タンク210への燃料ガスの充填率は低下するものの、水素ステーション100の充填処理が停止されることなく、スムースに水素充填を行うことができる。
また、本実施形態では、コントローラ40を再起動した回数をカウントするカウンタ49がコントローラ40に備えられている。そしてコントローラ40は、車両200からの信号が受信されなかった場合において、カウンタ49のカウント値が所定の回数閾値Tnを超えていないときには、もう一度、コントローラ40を再起動する。
このように、所定の再起動回数を超えない範囲で、コントローラ40を複数回、再起動させることにより、非通信充填よりも通信充填を行う機会を増やすことができる。このため、燃料タンク210への燃料ガスの充填率を高めることができる。
また本実施形態では、コントローラ40は、カウンタ49のカウント値が回数閾値tnを超えたときには、コントローラ40の再起動を禁止し、非通信充填処理を実行する。これにより、水素ステーション100の通信機能が復旧しないような状態で必要以上に再起動を繰り返すことを抑制できると共に、速やかに非通信充填に移行させることができる。
また本実施形態では、コントローラ40は、受信機33の通信機能の異常により車両側情報を含む信号が受信されなかった場合には、車両200の送信機220と受信機33との間の通信を実現するアプリケーションソフトウェアを再起動する。これにより、車両側情報を含む信号を受信できなかった原因が水素ステーション100の通信機能の異常であった場合には、他の機能を再起動しないので済むので、早期に通信充填処理を開始することができる。
あるいは、コントローラ40は、車両側情報を含む信号を受信できなかった場合には、コントローラ40に記憶されたOSプログラムを再起動するようにしてもよい。これにより、受信機33の通信機能の異常ではなく別の理由により車両側情報を受信できなかった場合には、全ての機能が一度に再起動されるので、コントローラ40の機能をひとつずつ再起動するよりも確実に、コントローラ40の機能を復帰させることができる。
または、コントローラ40は、車両側情報を含む信号を受信できなかった場合には、受信機33を再起動するようにしてもよい。これにより、受信機33が原因で車両200と通信できなかった場合には、コントローラ40において車両側情報を含む信号を受信することが可能になる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図5を参照して説明する。本実施形態は、再起動後に受信確認を実施するか、受信確認を実施せずに非通信充填に移行するかを判断する手法が第1実施形態と相違する。なお、本実施形態ではカウンタ49は、再起動後の経過時間を計測する機能をさらに有する。
第2実施形態の燃料ガス充填方法では、図2に示したステップS6及びステップS7の処理に代えて、ステップS11及びステップS12の処理が追加されている。その他の処理については、図2で示した処理と同じ処理であるため、同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
ステップS5で水素ステーション100の通信機能を有するシステムが再起動され、ステップS11においてコントローラ40は、一回目の再起動を実施してからの経過時間を計測するために、カウンタ49のカウントを開始させる。
ステップS7において、コントローラ40は、カウンタ49のカウント値が所定の時間閾値Ttよりも大きいか否かを判断する。そしてコントローラ40は、カウント値が時間閾値Tt以下である場合には、ステップS2の処理に戻り、再起動によって車両側情報の受信確認ができ、かつ、データ整合性の確認ができた場合には、通信充填処理を実行する。
一方、コントローラ40は、カウント値が時間閾値Ttよりも大きい場合には、通信充填の実施を断念して非通信充填を実施すべくステップS8の処理に進む。
このように、本実施形態では、コントローラ40の起動後の経過時間を計測し、計測時間に応じて、受信確認を再度実施するか、受信確認を実施せずに非通信充填に移行するかを判断する。
コントローラ40の再起動に要する時間が長くなるような状況で、複数回、再起動が行われると、運転者が車両200のレセプタクル213に充填ノズル32を接続してから、燃料タンク210の充填が完了するまでの待ち時間が長くなってしまう。このため、再起動後の経過時間に基づいて非通信充填処理に移行するか否かを判断することにより、速やかに非通信充填処理に行こうすることができる。
本発明の第2実施形態によれば、コントローラ40は、車両側情報を含む信号が受信されなかった場合において、カウンタ49を用いて再起動した後の経過時間を計測する。そしてコントローラ40は、再起動後の経過時間が所定の時間閾値Ttを超えたときには、車両側情報の受信確認をせずに、非通信充填処理に移行する。
これにより、1回の再起動に要する時間が長くなってしまうような状況でも、非通信充填処理への移行タイミングが遅くなりすぎることを回避できる。なお、コントローラ40は、カウンタ49を用いて、再起動回数をカウントアップすると共に一回目の再起動からの経過時間を計測し、カウンタ49のカウント値が回数閾値Tnよりも小さい場合であっても、経過時間が時間閾値Ttを超えたときには、再起動を禁止するようにしてもよい。この場合にも、再起動時間が長くなりすぎて非通信充填処理への移行タイミングが遅くなるのを抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図6を参照して説明する。
第3実施形態の燃料ガス充填方法では、図2に示したステップS5からステップS7までの処理に代えて、ステップS21からステップS29までの処理が追加されている。その他の処理については、図2で示した処理と同じ処理であるため、同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
ステップS2で車両側情報の受信確認ができなかった場合には、ステップS21の処理が実行される。
ステップS21においてコントローラ40は、コントローラ40に設定された通信ソフトを再起動する。通信ソフトは、コントローラ40の通信機能を実現するアプリケーションソフトウェアである。
ステップS22においてコントローラ40は、通信ソフトを再起動した後、再起動回数をカウントするために、カウンタ49のカウント値を「1」だけカウントアップする。
ステップS23において、コントローラ40は、カウンタ49のカウント値が第1閾値Tn1よりも大きいか否かを判断する。そしてコントローラ40は、カウント値が第1閾値Tn1以下である場合には、ステップS2の処理に戻り、再起動によって車両側情報の受信確認をする。なお、第1閾値Tn1は、予め定められた値であり、例えば「3」に設定される。
ステップS24において、コントローラ40は、カウント値が第1閾値Tn1よりも大きい場合には、コントローラ40に設定されたIOソフトを再起動する。
IOソフトは、通信ソフトよりも下層のプログラムであり、受信機33などのデバイスとデータをやりとりするためのデバイスソフトウェアである。IOソフトを再起動することにより、通信ソフトや他のソフトも再起動される。
ステップS25においてコントローラ40は、IOソフトを再起動した後、カウンタ49のカウント値を「1」だけカウントアップする。
ステップS26において、コントローラ40は、カウンタ49のカウント値が第2閾値Tn2よりも大きいか否かを判断する。そしてコントローラ40は、カウント値が第2閾値Tn2以下である場合には、ステップS2の処理に戻り、再起動によって車両側情報の受信確認をする。なお、第2閾値Tn2は、第1閾値Tn1よりも大きな値であり、例えば「4」に設定される。
ステップS27において、コントローラ40は、カウンタ49のカウント値が第2閾値Tn2よりも大きい場合には、コントローラ40のOSプログラムを再起動する。
OSプログラムは、IOソフトよりも下層のプログラムである。OSプログラムを再起動することにより、通信ソフトやIOソフトなどの全てのソフトが再起動される。
ステップS28においてコントローラ40は、OSプログラムを再起動した後、カウンタ49のカウント値を「1」だけカウントアップする。
ステップS26において、コントローラ40は、カウンタ49のカウント値が第3閾値Tn3よりも大きいか否かを判断する。そしてコントローラ40は、カウント値が第3閾値Tn3以下である場合には、ステップS2の処理に戻り、再起動によって車両側情報の受信確認を行う。なお、第3閾値Tn3は、第2閾値Tn2よりも大きな値であり、例えば「5」に設定される。
一方、カウント値が第3閾値Tn3よりも大きい場合には、通信充填の実施を断念して非通信充填を実施すべくステップS8の処理に進む。
このように、通信ソフト、IOソフト、OSプログラムの順にプログラムを再起動することにより、異常の可能性が高いプログラムから順番に再起動されるので、1回の再起動に要する時間を短くしつつ、早期に通信充填を開始することが可能になる。
本発明の第3実施形態によれば、コントローラ40は、通信ソフト又はIOソフトを再起動した後、車両200からの信号が受信できなかった場合には、OSプログラムを再起動する。
このように、再起動されるプログラムの対象を徐々に広げることにより、短時間で通信充填を開始することが可能になり、通信充填が行えなかった理由を特定しやすくなる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図7を参照して説明する。
第4実施形態の燃料ガス充填方法では、図2に示した燃料ガス充填方法に加えて、ステップS31及びステップS32の処理が追加されている。その他の処理については、図2で示した処理と同じ処理であるため、同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
ステップS31において、コントローラ40は、ステップS3でデータ整合性の確認ができた場合には、通信充填を開始する旨を表示部36に表示させる。その後、ステップS4で通信充填処理が実行される。
一方、ステップS32において、コントローラ40は、ステップS3でデータ整合性の確認ができなかった場合、又は、ステップS7で再起動回数が閾値Tnを超えた場合には、通信充填を開始する旨を表示部36に表示させる。その後、ステップS8で非通信充填処理が実行される。
すなわち、ステップS31及びステップS32の処理は、コントローラ40で実行される充填処理に応じて、通信充填又は非通信充填を表示する表示手段に相当する。
本発明の第4実施形態によれば、表示部36によって、通信充填処理が実行される場合には、車両200と通信しながら充填処理を実行する旨が表示され、非通信充填処理が実行される場合には、車両200と通信せずに充填処理を実行する旨が表示される。
これにより、水素ステーション100又は車両200が原因で通信機能が正常ではないことを、車両200の運転者や水素ステーション100の係員などに知らせることができる。このため、速やかに修理等の対応をとることが可能になる。
このように本実施形態によれば、車両側情報の受信確認ができない場合には、水素ステーション100の通信機能を再起動することにより、運転者や係員の手を煩わせることなく、効率よく車両の燃料タンク210に燃料ガスを充填させることが可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上記の各実施形態では、水素ステーション100のコントローラ40において、車両200との通信において車両200からの信号が受信されなかった場合に、コントローラ40を再起動する例について説明した。しかしながら、本発明の実施形態は、水素ステーション100に備えられる制御装置だけでなく、水素ステーション100と通信を行うことが可能な携帯端末や遠隔操作端末などの通信装置に対しても本実施形態を適用することも可能である。
例えば、水素ステーション100は、受信機33によってレセプタクル213に充填ノズル32が接続されたことを検出すると、充填処理に関する信号として、接続確認信号を通信装置に送信する。
この場合において、水素ステーション100の通信機能の異常などにより、車両200からの車両側情報を含む信号が水素ステーション100で受信されなかったときには、水素ステーション100は、充填処理の異常を示す信号を通信装置に送信する。通信装置は、充填処理の異常を示す信号を受信すると、水素ステーション100の通信機能、例えば受信機33の再起動を指示する再起動指令を水素ステーション100に送信する。
または、通信装置は、接続確認信号を受信してから所定期間、水素ステーション100からの信号が受信されなかった場合には、水素ステーション100に通信機能の再起動指令を送信してもよい。これにより、水素ステーション100のコントローラ40が再起動される。
なお、水素ステーション100は、車両200と通信をするたびに、車両200との通信により取得される燃料タンク210に関する車両側情報を通信装置に送信し、通信装置は、その車両側情報に基づいて通信充填処理を実行するようにしてもよい。また充填に関する信号として、車両側情報と水素ステーション側情報を遠隔操作端末に返信してもよい。
あるいは、車両200は、水素ステーション100との通信において、受信機33との通信信号が送信機220で受信できなかった場合には、水素ステーション100の通信機能の再起動を指示する再起動指令を受信機33へ送信するようにしてもよい。また、車両200は、水素ステーション100に通信機能の再起動指令を送信すると共に、車両200の送信機220を再起動するようにしてもよい。
また、上記の各実施形態では、燃料ガスとして水素ガスを用いた場合について説明したが、燃料ガスは水素ガスに限られるものではない。圧縮天然ガスや液化天然ガス、液化石油ガスなどの種々の燃料ガスを用いることができる。また、燃料ガスを充填する対象は、車両に限られるものではない。また、車両自体も燃料電池車両に限られるものではない。
また、上記の各実施形態では、水素ステーション100としてオフサイト側ステーションを例示して説明したが、水素ステーション100は、水素ステーション100内で水素ガスを製造して貯蔵するオンサイト側ステーションでもよい。
上述したコントローラ40に設けられた各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)をコントローラ40にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコントローラ40に読み込ませ、実行するものであっても良い。コントローラ40にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、コントローラ40に内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、コントローラ40に設けられたCPU(不図示)にて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。