反射した増幅光ビームの測定値に基づいてレーザ生成プラズマ(LPP)極端紫外線(EUV)光源内の増幅光ビームの位置を位置合わせ又は他の方法で制御する技術について開示する。LPP EUV光源は、ターゲット材料を受けるターゲット場所に向かって増幅光ビーム(照射用増幅光ビーム又は順方向ビーム)を誘導することによって、EUV光を生成する。ターゲット材料は、プラズマに変換された場合にEUV光を放出する材料を含む。照射用増幅光ビームがターゲット材料に当たると、ターゲット材料は増幅光ビームを吸収して、プラズマに変換することができる、及び/又はターゲット材料は照射用増幅光ビームを反射して、反射した増幅光ビーム(小滴反射ビーム又は戻りビーム)を発生させることができる。
EUV光源の使用中に、照射用増幅光ビームはターゲット場所から離れて、ターゲット材料がプラズマに変換される可能性を低減することができる。以下で説明するように、反射した増幅光ビームの測定値を使用して、ターゲット材料に対して複数の次元で照射用増幅光ビームの場所を監視する。光源の動作中に、照射用増幅光ビームがターゲット場所と位置合わせされたままであるように、監視された場所を使用して、照射用増幅光ビームに対する調整を判定する。以下で説明する技術によって、ターゲット位置に対して増幅光ビームの焦点位置を監視し、ターゲット位置に対して最適位置に留まるようにビーム焦点を制御することができる。
複数の物理的効果により、増幅光ビームがターゲット場所から離れるようにすることができる。例えば、ターゲット場所に照射用増幅光ビームを集束させるレンズ又は湾曲ミラーなどの集束光学系を加熱することにより、集束光学系の焦点距離を変化させ、照射用増幅光ビームの伝播方向に平行である「z」方向に沿って照射用増幅光ビームの焦点面を移動させることができる。照射用増幅光ビームを操縦し、ターゲット場所へと誘導する回転ミラー及び他の光学要素を振動させることにより、増幅光ビームの伝播方向を横断する「x」及び/又は「y」方向で、増幅光ビームをターゲット場所から離れる方向に移動させることができる。パルス状増幅光ビームの場合、小滴がターゲット場所へと進行する経路に平行である「x」方向に沿った焦点位置とターゲット材料との変位は、ターゲット材料の前又は後にパルスがターゲット領域に到着していることを示すことができる。
増幅光ビームの場所を判定するには、異なるデータ取得率を有する別個のセンサを使用して、反射した増幅光ビームを撮像し、センサからのデータを使用して、複数の次元で増幅光ビームの位置を判定する。異なるデータ取得率のセンサを使用すると、追加の情報を提供することができる。何故なら、照射用増幅光ビームをターゲット場所に対して移動させる物理的効果の時間スケールが変動するからである。例えば、増幅光ビーム又はプラズマの吸収によりレンズ材料を加熱するなど、増幅光ビームを集束するレンズに対する熱効果は、増幅光ビームの焦点面を「z」方向に沿って移動させるが、これは、光学要素の高周波振動によって引き起こされることがある「x」及び/又は「y」方向での何らかの動作よりも速度が遅い。
したがって、以下で説明する監視技術は、ターゲット場所又はターゲット材料に対して複数の次元で照射用増幅光ビームの場所を調整し、したがって照射用増幅光ビームの位置合わせを改良して、光源によって生成されるEUV光の量を増加させることにより、EUV光源の性能を改良することができる。
監視技術についてさらに詳細に説明する前に、EUV光源について説明する。図4は、複数の次元でターゲット材料に対する照射用増幅光ビームの場所を監視し、判定するビーム位置決めシステム260の例を示す。ビーム位置決めシステム260はまた、光学コンポーネントに結合されたアクチュエータ又は他の要素に提供されると、コンポーネントの位置を変化させ、照射用増幅光ビームの位置を変更する信号を発生させることもできる。
図1Aを参照すると、LPP EUV光源100は、ターゲット場所105にあるターゲット混合物114に、ビーム経路に沿ってターゲット混合物114に向かって進行する増幅光ビーム110を照射することによって形成される。照射サイトとも呼ばれるターゲット場所105は、真空チャンバ130の内部107にある。増幅光ビーム110がターゲット混合物114に当たると、ターゲット混合物114内のターゲット材料が、EUV範囲に輝線がある元素を有するプラズマ状態に変換される。発生したプラズマは、ターゲット混合物114内のターゲット材料の組成に依存する特定の特徴を有する。これらの特徴には、プラズマによって生成されたEUV光の波長、及びプラズマから放出されたデブリのタイプ及び量などがある。
光源100はまた、液体小滴、液体流、固体粒子又はクラスタ、液体小滴内に含まれる固体粒子、又は液体流に含まれる固体粒子の形態のターゲット混合物114を送出、制御、及び誘導するターゲット材料デリバリシステム125も含む。ターゲット混合物114は、例えば、水、スズ、リチウム、キセノン、又はプラズマ状態に変換されるとEUV範囲に輝線を有する任意の材料のようなターゲット材料を含む。例えば、元素のスズは、純スズ(Sn)として、スズ化合物、例えば、SnBr4、SnBr2、SnH4として、スズ合金、例えばスズ−ガリウム合金、スズ−インジウム合金、スズ−インジウム−ガリウム合金、又はこれらの合金の任意の組み合わせとして使用することができる。ターゲット混合物114はまた、非ターゲット粒子のような不純物も含むことができる。したがって、不純物がない状況では、ターゲット混合物114はターゲット材料のみで構成される。ターゲット混合物114は、非ターゲット粒子などの不純物も含むことがある。ターゲット混合物114は、ターゲット材料デリバリシステム125によってチャンバ130の内部107に、及びターゲット場所105に送出される。
光源100は、レーザシステム115の1つ以上の利得媒体内の反転分布により、増幅光ビーム110を生成するドライブレーザシステム115を含む。光源100は、レーザシステム115とターゲット場所105の間にビームデリバリシステムを含み、ビームデリバリシステムはビーム輸送システム120と、焦点アセンブリ122とを含む。ビーム輸送システム120は、レーザシステム115から増幅光ビーム110を受け、必要に応じて増幅光ビーム110を操縦及び修正して、増幅光ビーム110を焦点アセンブリ122へと出力する。焦点アセンブリ122は、増幅光ビーム110を受け、ビーム110をターゲット場所105に集束させる。
幾つかの実施態様では、レーザシステム115は、1つ以上のメインパルスを、及び場合によっては1つ以上のプリパルスを提供するために、1つ以上の光増幅器、レーザ及び/又はランプを含むことができる。各光増幅器は、高い利得で所望の波長を光学的に増幅することができる利得媒体と、励起光源と、内部光学系とを含む。光増幅器は、レーザミラー、又はレーザキャビティを形成する他のフィードバックデバイスを有しても、有していなくてもよい。したがって、レーザシステム115は、レーザキャビティがない場合でも、レーザ増幅器の利得媒体の反転分布により増幅された光ビーム110を生成する。さらに、レーザシステム115は、レーザシステム115に十分なフィードバックを提供するレーザキャビティがある場合に、コヒーレントレーザビームである増幅光ビーム110を生成することができる。「増幅光ビーム」という用語は、単に増幅されているが、必ずしもコヒーレントレーザ振幅ではないレーザシステム115からの光、及び増幅され、またコヒーレントレーザ振幅であるレーザシステム115からの光のうち1つ以上を包含する。
レーザシステム115内の光増幅器は、利得媒体として、CO2を含み、1000以上の利得にて約9100nmと約11000nmの間、特に約10.6μmの波長の光を増幅することができる充填ガスを含むことができる。レーザシステム115に使用するために適切な増幅器及びレーザは、パルス状レーザデバイス、例えばDC又はRF励起で例えば約9300nm又は約10600nmの放射線を生成し、比較的高い電力、例えば10kW以上及び高いパルス繰り返し率、例えば50kHz以上で動作するパルス状ガス放電CO2レーザデバイスを含むことができる。レーザシステム115の光増幅器は、レーザシステム115を比較的高い電力で操作する場合に使用することができる水などの冷却システムも含むことができる。
図1Bは、例示的ドライブレーザシステム180のブロック図を示す。ドライブレーザシステム180は、光源100内のドライブレーザシステム115として使用することができる。ドライブレーザシステム180は、3つの電力増幅器181、182及び183を含む。電力増幅器181、182及び183のいずれか、又は全部は、内部光学要素(図示せず)を含むことができる。
光184は出力窓185を通して電力増幅器181を出て、湾曲ミラー186で反射する。反射後、光184は空間フィルタ187を通過し、湾曲ミラー188で反射して、入力窓189を通して電力増幅器182に入る。光184は、電力増幅器182で増幅され、出力窓190を通して光191として電力増幅器182から再誘導される。光191は、折り返しミラー192で増幅器183に向かって誘導され、入力窓193を通して増幅器183に入る。増幅器183は光191を増幅し、光191を出力ビーム195として出力窓194を通して増幅器183から誘導する。折り返しミラー196は、出力ビーム195を上方向に(ページの外側に)、及びビーム輸送システム120へと誘導する。
空間フィルタ187はアパーチャ197を画定し、これは例えば約2.2mm〜3mmの直径を有する円とすることができる。湾曲ミラー186及び188は、例えばそれぞれ約1.7m及び2.3mの焦点距離を有するオフアクシス放物線ミラーとすることができる。空間フィルタ187は、アパーチャ197がドライブレーザシステム180の焦点と一致するように位置決めすることができる
再び図1Aを参照すると、光源100は、増幅光ビーム110が通過して、ターゲット場所105に到達できるようにするアパーチャ140を有するコレクタミラー135を含む。コレクタミラー135は、例えばターゲット場所105に1次焦点、中間位置145(中間焦点とも呼ばれる)に2次焦点を有する楕円面鏡とすることができ、ここでEUV光を光源100から出力し、例えば集積回路ビーム位置決めシステムツール(図示せず)に入力することができる。光源100はまた、コレクタミラー135からターゲット場所105に向かって先細になり、増幅光ビーム110がターゲット場所105に到達できるようにしながら、焦点アセンブリ122及び/又はビーム輸送システム120に入るプラズマ生成デブリの量を低減する開放式で中空の円錐形シュラウド150(例えばガスコーン)も含むことができる。そのために、シュラウド内に、ターゲット場所105へと誘導されたガス流を提供することができる。
光源100は、小滴位置検出フィードバックシステム156、レーザ制御システム157、及びビーム制御システム158に接続された主制御装置155も含むことができる。光源100は、1つ以上のターゲット又は小滴撮像装置160を含むことができ、これは例えばターゲット場所105に対する小滴の位置を示す出力を提供し、この出力を小滴位置検出フィードバックシステム156に提供して、これは例えば小滴の位置及び軌跡を計算することができ、そこから小滴位置の誤差を小滴毎に、又は平均で計算することができる。このように、小滴位置検出フィードバックシステム156は、小滴位置の誤差を入力として主制御装置155に提供する。したがって、主制御装置155は、レーザの位置、方向、及びタイミングの補正信号を、例えばレーザタイミング回路の制御に使用することができるレーザ制御システム157に、及び/又はビーム制御システム158に提供し、ビーム輸送システム120の増幅光ビームの位置及び整形を制御して、チャンバ130内のビーム焦点の位置及び/又は集光力を変化させることができる。
ターゲット材料デリバリシステム125は、ターゲット材料デリバリ制御システム126を含み、これは例えば主制御装置155からの信号に応答して、ターゲット材料供給装置127から放出されたままの小滴の放出点を修正し、所望のターゲット場所105に到達する小滴の誤差を補正するように動作可能である。
また、光源100は光源検出器165を含むことができ、これは、パルスエネルギー、波長の関数としてのエネルギー分布、波長の特定の帯域内のエネルギー、波長の特定の帯域外のエネルギー、及びEUV強度及び/又は平均電力の角分布を含むが、それらに限定されない1つ以上のEUV光のパラメータを測定する。光源検出器165は、主制御装置155が使用するフィードバック信号を発生する。フィードバック信号は、レーザパルスのタイミング及び焦点などのパラメータの誤差を示して、EUV光を効果的かつ効率的に生成するために適正な場所及び時間で小滴を適切に遮断することができる。
光源100はまた、光源100の様々な区間を位置合わせする、又はターゲット場所105への増幅光ビーム110の操縦を補助するために使用することができるガイドレーザ175も含むことができる。ガイドレーザ175に関して、光源100は、焦点アセンブリ122内に配置されて、ガイドレーザ175及び増幅光ビーム110からの光の一部をサンプリングするメトロロジーシステム124を含む。他の実施態様では、メトロロジーシステム124はビーム輸送システム120内に配置される。メトロロジーシステム124は、光の部分集合をサンプリング又は再誘導する光学要素を含むことができ、このような光学要素は、ガイドレーザビーム及び増幅光ビーム110のパワーに耐えることができる任意の材料から作成される。ビーム分析システムはメトロロジーシステム124及び主制御装置155から形成される。何故なら、主制御装置155が、ガイドレーザ175からサンプリングした光を分析し、この情報を使用して、ビーム制御システム158を通して焦点アセンブリ122内のコンポーネントを調整するからである。
要約すると、このように光源100は増幅光ビーム110を生成し、これはビーム経路に沿って誘導されて、ターゲット場所105にてターゲット混合物114を照射し、混合物114内のターゲット材料を、EUV範囲の光を発するプラズマに変換する。増幅光ビーム110は、レーザシステム115の設計及び特性に基づいて決定された特定の波長(光源波長とも呼ばれる)にて動作する。さらに、増幅光ビーム110は、ターゲット材料がコヒーレントレーザ光を生成するのに十分なフィードバックをレーザシステム115に提供した場合、又はドライブレーザシステム115がレーザキャビティを形成するのに適切な光学的フィードバックを含む場合に、レーザビームとなることができる。
図2Aを参照すると、例示的な光学的撮像システム200の上面図が示されている。光学的撮像システム200は、EUV光をリソグラフィツール210に提供するLPP EUV光源205を含む。光源205は、図1A及び図1Bの光源100と同様である、及び/又はそのコンポーネントの一部又はすべてを含むことができる。
以下でさらに詳細に説明するように、光源205によって生成されるEUV光の量を増加させるために、光源205はビーム位置決めシステム260を含み、これは光源205の動作中にターゲット材料246に対して3次元で照射用増幅光ビーム216の位置を維持する。ビーム位置決めシステム260は、照射用増幅光ビーム216がターゲット材料246の少なくとも一部から反射した場合に生じる反射増幅光ビーム216を受け、その特性を測定する。測定された特性を使用して、複数の次元で照射用増幅光ビーム216の位置を判定し、監視する。ビーム位置決めシステム260を、図4に関してさらに詳細に説明する。
光源205は、照射用増幅光ビーム216を生成するドライブレーザシステム215と、ステアリングシステム220と、真空チャンバ240と、ビーム位置決めシステム260と、制御装置280とを含む。ステアリングシステム220は、照射用増幅光ビーム216を受け、照射用増幅光ビームを操縦して、チャンバ240内のターゲット場所242に向かって集束させる。ステアリングシステム220は光学要素222及び224を含む。図2Aに示す例では、光学要素222は、照射用増幅光ビーム216を受け、照射用増幅光ビーム216を光学要素224及び集束システム226に向かって反射する部分反射性光学要素である。
要素224は、照射用増幅光ビーム216を受け、必要に応じて照射用増幅光ビーム216を集束システム226に向かって操縦するビーム輸送システムなどの光学及び/又は機械的要素の集まりとすることができる。要素224は、照射用増幅光ビーム216を拡張するビーム拡張システムも含むことができる。例示的ビーム拡張システムの説明が、2009年12月15日出願の「Beam Transport System for Extreme Ultraviolet Light Source」と題した米国特許第8,173,985号明細書に見られ、これは参照により全体が本明細書に組み込まれる。
集束システム226は、照射用増幅光ビーム216を受け、ビーム216を焦点位置に集束させる集束光学系を含む。焦点位置は、チャンバ240内の焦点面244内にある場所又は領域である。集束光学系は、屈折性光学系、反射性光学系、又は屈折性及び反射性両方の光学コンポーネントを含む光学要素の集まりとすることができる。集束システム226は、集束光学系を通過する増幅光ビームに対して集束光学系を位置決めするために使用することができる回転ミラーなどの追加の光学コンポーネントも含むことができる。
図2B及び図2Cも参照すると、チャンバ240はターゲット領域242にてターゲット材料246を受ける。図2Bは光源205の側斜視図を示し、図2Cは線2C−2Cに沿った光源205の断面平面図を示す。ターゲット材料246は、ターゲット材料供給装置247から放出されるターゲット材料248の流れに含まれる金属性小滴とすることができる。ターゲット材料248の流れは、ターゲット材料供給装置247から放出され、「x」方向に沿ってターゲット場所242へと進行する。照射用増幅光ビーム216はターゲット材料246に当たり、反射して反射増幅光ビーム217を発生させる、及び/又はターゲット材料246に吸収されることがある。反射した増幅光ビーム217は、照射用増幅光ビーム216がターゲット材料246に向かって伝播する方向とは反対の「−z」方向に、ターゲット領域242から伝播する。反射した増幅光ビーム217は、ステアリングシステム220の全部又は一部を通って進行し、ビーム位置決めシステム260に入る。
以上で説明したように、ターゲット材料246がプラズマに変換されると、EUV光が生成される。ターゲット材料246は、ターゲット材料246が増幅光ビーム216のビーム苛性における最適位置にある場合に、プラズマに変換される可能性が高くなる。ビーム苛性における最適位置は、最大量のEUV光が生成される位置である。最適位置は、増幅光ビームの伝播方向に沿った2つの点にあり得る。例えば、ビーム苛性内に2つの最適場所があることがあり、一方は最小スポット位置の上流(「−z」方向)、他方は最小スポット位置の下流(「z」方向)にある。別の例では、ビーム苛性にある最適場所は、最小スポット位置にあってよく、焦点位置がターゲット材料246と一致する。
このように、光源205の動作中に、ターゲット材料246に対して一定の焦点位置を維持するために照射用増幅光ビーム216の位置を制御すると、ターゲット材料246を最適位置に維持することによってEUV光の生成を増加させることができる。すなわち、ターゲット材料246に対して照射用増幅光ビーム216を能動的に位置合わせすると、光源205の性能を改良することができる。
再度図2Aを参照すると、ビーム位置決めシステム260は、照射用増幅光ビーム216の位置、焦点位置、及び/又は焦点面244を示す情報を測定し、インタフェース262を通してその情報を制御装置280に提供する。インタフェース262は、制御装置280とビーム位置決めシステム260との間のデータ交換を可能にする任意の有線又は無線通信機構とすることができる。制御装置280は電子プロセッサ282と、電子記憶装置284とを含む。制御装置280は、増幅光ビーム216の位置を示す情報を使用して、インタフェース263を通して作動システム227及び/又は228に提供される信号を発生させる。
電子記憶装置284は、RAMなどの揮発性メモリとすることができる。幾つかの実施態様では、電子記憶装置284は非揮発性及び揮発性部分又はコンポーネントの両方を含むことができる。プロセッサ282は、汎用又は専用マイクロプロセッサなどのコンピュータプログラムを実行するのに適切な1つ以上のプロセッサ、及び任意の種類のディジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサとすることができる。一般的に、プロセッサは読み取り専用メモリ又はランダムアクセスメモリ、あるいはその両方から命令及びデータを受信する。
電子プロセッサ282は、任意のタイプの電子プロセッサでよく、複数の電子プロセッサとすることができる。電子記憶装置284は、おそらくコンピュータプログラムとして命令を記憶し、これは実行されると、プロセッサ282にビーム位置決めシステム260及び/又は制御装置280内の他のコンポーネントと通信させる。
作動システム227は、集束システム226の1つ以上の要素と結合される1つ以上のアクチュエータを含む。作動システム227内のアクチュエータは、制御装置280から信号を受信し、それに応答して集束システム226内の1つ以上の要素を移動及び/又は位置変更させる。集束システム226内の1つ以上の光学要素が変化した結果、焦点面244の場所が「z」方向に移動する。例えば、ビーム位置決めシステム260が得た測定値は、焦点面244がターゲット場所242と一致していないことを示すことがある。この例では、作動システム227は、照射用増幅光ビーム216を焦点面244に集束させるレンズを保持するマウントに機械的に結合されたアクチュエータを含むことができる。焦点面244を「z」方向に移動させるには、アクチュエータがレンズを「z」方向に移動させる。作動システム227は、集束システム226に含めることができる回転ミラー及び他の光学要素を調整することによって、焦点位置を「x」又は「y」方向に移動させることもできる。
作動システム228は、要素224のうち1つ以上の要素に結合される1つ以上のアクチュエータを含む。例えば、作動システム228は、折り畳みミラー(図示せず)を保持するマウントに機械的に結合されたアクチュエータを含むことができる。アクチュエータは、折り畳みミラーを移動させ、伝播方向「z」を横断する「x」又は「y」方向で照射用増幅光ビームを操縦することができる。
照射用増幅光ビーム216の判定された位置に基づいて要素224及び226を移動及び/又は位置変更することにより、ターゲット材料246の場所に対して照射用増幅光ビーム216の場所を維持し、光源205によって生成されるEUV光の量を増加させる。
図3A〜図3Cを参照すると、撮像システムの別の例が示されている。図3Aは、例示的撮像システム300の上面図を示す。図3Bは撮像システム300の側斜視図を示す、図3Cは線3C−3Cに沿って切り取った撮像システム300の断面平面図を示す。撮像システム300は、撮像システム200と同様である。
撮像システム300は、光源305と、EUVリソグラフィツール210とを含む。光源305は、ドライブレーザシステム215から照射用増幅光ビーム216を受けるステアリングシステム320を含む。ステアリングシステム320はステアリングシステム220と同様であるが、ただし、ステアリングシステム320は反射した増幅光ビーム217をビーム位置決めシステム260へと誘導する光学要素222を含まない。代わりに、反射した増幅光ビーム217は、ドライブレーザシステムの窓335から光学要素340へと反射する。光学要素340は、反射した増幅光ビーム217をビーム位置決めシステム260へと誘導する。光学要素340は、例えば平面鏡又は湾曲ミラーとすることができる。窓335は、ドライブレーザシステム215の一部である電力増幅器上の窓とすることができる。例えば、反射した増幅光ビーム217は、増幅器183の窓194(図1B)から反射することができる。
図4を参照すると、ビーム位置決めシステム260の例のブロック図が示されている。ビーム位置決めシステム260は、反射した増幅光ビーム217を受け、反射した増幅光ビーム217を複数のチャネルに分離し、各チャネルの反射した増幅光ビーム217の特性を測定する。反射した光ビーム217の特性を使用して、複数の次元でターゲット材料246に対する照射用増幅光ビーム216の場所を判定する。第1、第2、及び第3のチャネル415〜417は、光が自由空間内で伝播する経路とすることができる。幾つかの実施態様では、チャネル415〜417は、光ファイバ及び他の導波路など、チャネル内を伝播する光を案内し、少なくとも部分的に封じ込めるコンポーネントも含むことができる。
ビーム位置決めシステム260は、折り畳みミラー405と、部分反射性光学要素410a及び410bと、を含む。部分反射性光学要素410a及び410bは、例えばビームスプリッタ又は部分反射性鏡とすることができる。折り畳みミラー405は、ビーム位置決めシステム260を通して反射した増幅光ビーム217を操縦する。部分反射性光学要素410aは、反射した増幅光ビーム217を受け、ビーム217の一部を第1のチャネル415内に反射する。部分反射性光学要素410bは、ビーム217の透過部分を受け、光の一部を第2のチャネル416内に反射する。部分反射性光学要素410bは、反射した増幅光ビーム217の残りの部分を第3のチャネル417内に透過する。
したがって、反射した増幅光ビーム217の一部は第1のチャネル415、第2のチャネル416、及び第3のチャネル417内を進行する。反射した増幅光ビーム217のうち第1のチャネル415内を進行する部分はビーム411であり、第2のチャネル416内を進行する部分はビーム412であり、第3のチャネル内を進行する部分はビーム413である。
ビーム位置決めシステム260はまた、センサ420及びセンサ421も含む。センサ420はビーム411を感知するように位置決めされ、センサ421はビーム412及びビーム413を感知するように位置決めされる。センサ420からのデータを使用して、ビーム411の表示426を含む像424を生成することができる。センサ421からのデータを使用して、ビーム412の表示428及びビーム413の表示430を含む像425を生成することができる。表示426、428及び430の形状及び/又は表示426、428及び430の位置を分析することによって、焦点面244(図2A及び図2B)の場所及び/又はターゲット材料246に対する焦点位置を複数の次元で判定することができる。
センサ420及び421は、異なるレートでデータを取得し、したがって異なる時間スケールで生じる物理的効果に関する情報を提供する。図示の例では、センサ420の方がセンサ421より高いデータ取得率を有する。センサ420は、ドライブレーザ215の繰り返し率と同様、又はそれと同じ取得率を有することができる。幾つかの実施態様では、センサ420は少なくとも約50kHzの取得率又は約63kHzのデータ取得率を有する。高い取得率によって、センサ420は、ビーム輸送システム224の鏡の振動又はターゲット材料の流れ114の軌跡の振動など、照射用増幅光ビーム216の伝播方向を横切る方向で照射用増幅光ビーム216の場所を急速に変化させることがある高周波のシステムの妨害及び発生を監視するために使用することができるデータを収集することができる。照射用増幅光ビーム216の伝播方向を横切る次元は、図2A及び図2Bに示す「x」及び「y」方向を含む。横断方向に照射用増幅光ビーム216の場所が変化すると、反射した増幅光ビーム217の場所が対応して変化し、これらの変化をセンサ420で測定することができる。
センサ421は、センサ420より低いデータ取得率を有し、センサ420より相対的に多くの情報を提供することができる。センサ421は、例えば約48Hzのデータ取得率を有することができる。センサ421は、反射した増幅光ビーム217に含まれる波長に対して感度が高い任意のセンサとすることができる。例えば、センサ421はユタ州ノースローガンのOphir−Spiricon,LLCから入手可能なPYROCAMカメラとすることができる。図4に示す例は、像425を生成する単一のセンサ421を含むが、他の実施態様では、第2のチャネル416及び第3のチャネル417のそれぞれに別個のセンサを使用することができ、別個のセンサがそれぞれ、個々のチャネル内を進行する光の表示を有する別個の像を生成することができる。
ビーム位置決めシステム260はまた、チャネル415、416及び417のそれぞれに光学要素を含む。チャネル415は、例えばビーム411をセンサ420に集束させるレンズ又は他の要素を含むことができる光学要素442を含む。図5A〜図5Cも参照すると、図4の例のセンサ420は、四角形のアレイに配置構成された複数の別個の感知要素422a〜422dを含む四分割センサである。センサ420上のビーム411の位置を測定するには、感知要素422a〜422dそれぞれで感知したエネルギーの量を測定する。センサ上のビーム411の位置を判定する例を、図16に関して以下で説明する。
反射した増幅光ビーム217の位置が正確に確実に測定されるようにするために、センサ420におけるビーム411の直径は、感知要素422a〜422dのうち任意の1つの直径より大きいが、感知要素422a〜422dによって画定された四角形アレイの直径より小さい。この構成では、ビーム411はセンサ420の感知要素422a〜422dのうち複数に当たる傾向がある。センサ420に当たるビームの直径を比較的大きくするために、光学要素432は、ビーム411がセンサ420に集束しないように位置決めすることができる。すなわち、センサ420がビーム411を検出するが、ビーム411がセンサ420に集束しないように、光学要素432を焦点外れ状態で位置決めすることができる。幾つかの実施態様では、光学要素432は、光を拡張してセンサ420上に比較的大きいスポットを作成する1つ以上の光学要素を含むことができる。
ビーム位置決めシステム260はまた、チャネル416内に位置決めされた光学要素434を含む。光学要素434は、チャネル416内の部分反射性光学要素410bとセンサ421の間に位置決めされる。光学要素434は、「z」方向で焦点面244の場所又は焦点位置を判定できるように、光学要素410bから反射した光を受けて透過する。光学要素434は非点収差光学要素を含むことができ、これは焦点面244が「z」方向に移動すると、波面の焦点を修正して、表示428の楕円率を変化させる。光学要素434が非点収差光学要素を含む実施態様の一例を図7に示す。
幾つかの実施態様では、光学要素410bは光学要素の集まりを含み、そのいずれも非点収差ではなく、反射した増幅光ビーム217がターゲット材料246からセンサ421へと伝播するために異なる長さの経路を提供する。これらの実施態様では、反射した増幅光ビーム217のビーム直径のサイズを測定すると、「z」方向で焦点面244の場所及び焦点苛性の形状の指示が提供される。非点収差光学要素を含まない光学要素436の実施態様の一例を図12及び図14に示す。
ビーム位置決めシステム260はまた、光学要素410とセンサ421の間に位置決めされた光学要素436を含む。光学要素436は、ビーム413を受けてセンサ421へと誘導する。センサ421が感知した光を使用して、表示430を形成する。反射した増幅光ビーム217のセンサ420上の場所の測定値とともに、表示430の場所は、照射用増幅光ビーム216の伝播方向を横断する次元で、ターゲット材料246に対する照射用増幅光ビーム216の場所の第2の指示を提供する。
したがって、ビーム位置決めシステム260は、反射した増幅光ビーム217の位置及び/又は形状に関する複数の測定値を提供する。システム260は2つの測定値を提供し、その一方は相対的に高いデータ取得率を有するセンサ420から、他方は低い方のデータ取得率を有するセンサ421からの測定値で、照射用増幅光ビーム216の伝播方向を横断する次元(「x」又は「y」)で、ターゲット材料246に対する照射用増幅光ビーム216の場所を特定するために使用することができる。システム260はまた、照射用増幅光ビーム216の伝播方向でターゲット材料246に対する焦点面244又は焦点位置の場所を特定するために使用することができる測定値を提供する。
ビーム位置決めシステム260はまた、ビーム経路から取り出し可能なスペクトルフィルタ442を含むことができる。スペクトルフィルタは一部の波長を透過し、他を遮断する。幾つかの実施態様では、2つの異なるパルス状照射用増幅光ビームをターゲット材料246に誘導する。これらの2つの照射用増幅光ビームをメインパルス及びプリパルスと呼ぶ。メインパルスとプリパルスとは時間的に分離され、プリパルスはメインパルスの前にターゲット材料246へと誘導される。プリパルス及びメインパルスは異なる波長を有することができる。例えば、プリパルスは約1.06μmの波長を有することができ、メインパルスは約10.6μmの波長の波長を有することができる。照射用増幅光ビーム216がプリパルス及びメインパルスを含むケースでは、反射した増幅光ビーム217がメインパルス及びプリパルスの反射を含むことができる。
反射した増幅光ビーム217を受けるように配置した場合、スペクトルフィルタ442はプリパルスをメインパルスから分離し、それによってビーム位置決めシステム260はプリパルス及びメインパルスのいずれか、あるいは両方を使用して、ターゲット場所242に対する照射用増幅光ビーム216の場所を判定することができる。幾つかの場合、プリパルスはメインパルスより狭い焦点スポット、及び正確な結果を提供することができる。
図5A〜図5Cを参照すると、センサ420上のビーム411の例が示されている。ビーム411はチャネル415を通ってセンサ420へと進行し、そこでビーム411はスポット505を形成する。照射用光ビーム216がターゲット材料246と位置合わせされている場合、ビーム411はセンサ420の中心に当たり、感知要素422a〜422dのそれぞれが同量のエネルギーを感知する。照射用増幅光ビーム216が横断次元(図2A〜図2Cに示すような「x」又は「y」)でターゲット材料246に対して位置合わせ不良である場合、スポット505は、センサ420の中心から、照射用増幅光ビーム216の位置合わせ不良に対応する距離にある。
図5A〜図5Cは異なる時間におけるスポット505を示す。図5A及び図5Cでは、スポット505は中心から外れ、照射用増幅光ビーム216がターゲット場所242に対して横断方向に位置合わせ不良であることを示す。図5Bでは、スポット505はセンサ420の中心にあり、照射用増幅光ビーム216が横断方向でターゲット場所と位置合わせされていることを示す。以上で説明したように、センサ420上でスポット505の場所が変動することは、照射用増幅光ビーム216の場所が高周波で変化していることを示す。
図6を参照すると、ターゲット材料246と焦点位置との間の横断距離の関数として、感知要素422a〜422d上のエネルギー量の差の例が示されている。図6は、ターゲット材料246を照射用増幅光ビーム216に対して垂直面(図2Aに示す「y」方向)で移動させた場合のセンサ420の応答を示す。
図7を参照すると、別の例示的ビーム位置決めシステムのブロック図が示されている。ビーム位置決めシステム700は、システム260ではなく光源100、205又は305とともに使用することができる。ビーム位置決めシステム700は、ターゲット材料246に対する焦点位置の場所を測定する非点収差光学系を含む。
ビーム位置決めシステム700は、折り畳みミラー705及び部分反射性光学系710a及び710bを含む。部分反射性光学系710a及び710bは、例えばビームスプリッタ又は部分反射性鏡とすることができる。ビーム位置決めシステム700は反射した増幅光ビーム217を受け、ビーム217を別個のチャネル715、716及び717内に分割する。反射した増幅光ビーム217は部分反射性光学系710aに当たり、一部(ビーム711)が第1のチャネル715内に反射される。第1のチャネル715はまた、高速横断チャネルとも呼ばれる。折り畳みミラー705はビーム711を光学要素732へと誘導し、光学要素732はビーム711をセンサ720に誘導する及び/又は集束させる。光学要素732は光学要素432(図4)と同様であり、センサ720はセンサ420(図4)と同様の4分割センサ720である。
部分反射性光学系710bは、反射性光学系710aが透過した戻りビーム217の一部を受ける。反射性光学系710bが透過した戻りビーム217の一部は、ビーム713として第3のチャネル717に入る。第3のチャネル717を「低速横断チャネル」と呼ぶ。折り畳みミラー705は、ビーム713を第3のチャネル717に通して光学系736へと誘導し、これがビーム713をセンサ721に集束させる及び/又は誘導する。センサ721によって収集されたデータを使用して、ビーム712を表すスポット752及びビーム713を表すスポット754を含む像750を作成することができる。
部分反射性光学系710bは一部をチャネル716内にビーム712として反射する。チャネル716を「低速zチャネル」と呼ぶ。部分反射性光学系710bはビーム712を光学アセンブリ734へと誘導し、これがビーム712をセンサ721に集束させ、誘導する。センサ721はセンサ421(図4)と同様である。ビーム712は光学アセンブリ734のコンポーネントに入って、それを通過し、光学アセンブリ734を出て、センサ421に感知される。ビーム712はセンサ421上にスポットを形成する。
光学アセンブリ734は、平坦な反射性要素740、空間フィルタ741、非点収差光学要素746、及びレンズ748を含む。平坦な反射性要素740は平面鏡とすることができる。非点収差光学要素746は、例えば円柱レンズ又は鏡、円筒レンズ及び鏡の集まり、又は双円錐鏡とすることができる。
ビーム712は光学アセンブリ734に入り、平坦な反射性要素740で反射して空間フィルタ741に入る。空間フィルタ741はレンズ742、レンズ743及びアパーチャ744を含む。アパーチャ744は、レンズ742の焦点に配置された開口745を画定し、アパーチャ744はビーム712がセンサ721に到達する前に、それをフィルタリングする。ビーム712を開口745に通すと、ビーム712から背景放射及び散乱を除去するのに役立つ。球形光学系736とともに平面鏡705を使用することにより、円柱又は非点収差光学系を含むチャネルよりも厳密に、「x」及び/又は「y」方向で焦点の位置を測定することができる。
レンズ743はビーム712を平行にし、ビームを非点収差光学要素746に誘導する。非点収差光学要素746を通過した後、ビーム712は、レンズ748を通過してセンサ721上にスポットを形成する。光学アセンブリ734が非点収差要素を含むので、照射用増幅光ビーム216の焦点位置がターゲット材料246に対して伝播方向に移動すると、スポットの楕円率が変化する。
図8A〜図8C及び図9A〜図9Bを参照すると、焦点面244及びターゲット材料246の様々な相対的配置の例、及びセンサ721によって作成された例示的像が示されている。図8A〜図8Cは、例えば光学コンポーネント内の加熱及び/又は動作などにより「z」及び「y」方向に移動する焦点位置の例を示す。図9A〜図9Cは、それぞれセンサ721によって収集されたデータから作成された例示的像750A〜750Cを示す。
ビーム位置決めシステム700内で、ビーム712はチャネル716を通って進行し、センサ721で受けられる。ビーム713はチャネル717を通って進行し、センサ721で受けられる。チャネル716及び717の光学コンポーネントは、チャネル716からの光がセンサ721の左側に当たり、チャネル717からの光がセンサ721の右側に当たるように位置合わせされる。したがって、像750A〜750Cの左側はビーム712の表示を示し、像750A〜750Cの右側はビーム713の表示を示す。
図9Aの像750Aは、センサ721が図8Aと同様のシナリオを監視した場合にセンサ721によって生成される像を示し、ここでは焦点面244がターゲット材料246と一致している。この場合は、ターゲット材料246と焦点位置の間に「z」又は「y」方向の変位がなく、照射用増幅光ビーム216がターゲット材料246と位置合わせされている。像750Aは、ビーム712(光学アセンブリ734及び非点収差光学要素746を通過する)の表示752Aが円形であるので、位置合わせされた状態を示す。さらに、ビーム713の表示754Aがセンサ721の右側の中心と一致し、照射用増幅光ビーム216が図8Aに示す「y」方向でターゲット材料246と一致していることを示す。
図9Bの像750Bは、センサ721が図8Cと同様のシナリオを監視した場合にセンサ721によって生成される像を示す。この場合、ターゲット材料246は「z」及び「−y」方向で焦点位置から変位している。像750Bは、センサ751上の表示752Bの楕円率と表示754Bの場所で、この位置合わせ不良を示す。特に、表示752Bの横軸は縦軸より広く、焦点位置がターゲット材料246に対して「−z」方向に変位していることを示す。ビーム713の表示754Bは、表示754Aと比較して左側に移動しており、ターゲット材料246がターゲット材料246に対して「−y」方向に変位していることを示す。
図9Cの像750Cは、センサが図9Cと同様のシナリオを監視した場合にセンサ721によって生成される像を示す。この場合、ターゲット材料246が焦点位置の背後でその下にある。像750Cは、センサ751上の表示752Cの楕円率及び表示754Cの場所でこの位置合わせ不良を示す。特に、ビーム712の表示752Cの縦軸は横軸より広く、ターゲット材料246が焦点位置から「−z」方向に変位していることを示す。表示754Cは、ターゲット材料246がターゲット材料246に対して「y」方向に変位していることを示す。
図10Aは、「x」方向のターゲット材料246の位置の関数として、ビーム712の表示の楕円率の例を示す。照射用増幅光ビーム216の焦点位置がターゲット材料246と一致している場合、楕円率は0である。このようなシナリオを図8A及び図9Aに示す。図8B及び図9Bに示すように、ターゲット材料246に到達する前に焦点位置が形成された場合、楕円率はマイナスである(横軸が縦軸より大きい)。図8C及び図9Cに示すように、ターゲット材料246の後に焦点位置が形成された場合、楕円率はプラスである(横軸が縦軸より小さい)。
図10Bは、「y」方向のターゲット材料246の位置の関数として、ビーム713の表示の重心位置の例を示す。重心がセンサ721の右側の中心の左側にある場合、重心はマイナスの値を有すると見なすことができ、ターゲット材料246は焦点位置に対して「−y」方向の場所にある(図8B)。重心がセンサ721の右側の中心の右側にある場合、ターゲット材料246は焦点位置に対して「y」方向の場所にある(図8C)。
図11は、別の例示的ビーム位置決めシステム1100のブロック図である。ビーム位置決めシステム1100は、ビーム位置決めシステム260又はビーム位置決めシステム700ではなく、光源205又は305とともに使用することができる。ビーム位置決めシステム1100は反射した増幅光ビーム217が進行する3つのチャネルを含み、ビーム位置決めシステム1100は、ターゲット材料246に対して複数の次元で照射用増幅光ビーム216の場所を特定するために使用されるデータを提供する。ビーム位置決めシステム1100は、照射用増幅光ビーム216の伝播方向(図2Bに示す「z」方向)に平行な方向で照射用増幅光ビーム216の場所を特定するために使用される1つ以上の非点収差光学要素をチャネル内に含む。
ビーム位置決めシステム1100はまた、スペクトルフィルタ1142を含む。スペクトルフィルタ1142は、図4に関して説明したスペクトルフィルタ442と同様である。ビーム位置決めシステム1100は、反射した増幅光ビーム217を受ける。反射した増幅光ビーム217は部分反射性光学要素1110aに当たり、反射した増幅光ビーム217の一部がチャネル1115内に反射する。反射した増幅光ビーム217のうちチャネル1115内に反射する部分はビーム1111である。ビーム1111は光学系1132を通過してセンサ1120に至る。光学系1132は光学要素432(図4)と同様とすることができ、センサ1120は図4に関して説明した4分割検出器420とすることができる。
反射した増幅光ビーム217のうち部分反射性光学要素1110aが透過する部分は、部分反射性光学要素1110bによってビーム1112と1113に分割される。ビーム1112はチャネル1116内を進行し、ビーム1113はチャネル1117内を進行する。チャネル1116は光学系1134を含み、ビーム1112は光学系1134を通過してセンサ1121に至る。光学要素1134は光学系434と同様とすることができる。
チャネル1117は、偏光器1140と、フィルタ制御装置1144に結合されたスペクトルフィルタ1142と、平坦な反射性要素1146と、レンズ1148と、非点収差光学要素1150とを含む。偏光器1140及びスペクトルフィルタ1142は、チャネル1117から除去することができる。偏光器1140及びスペクトルフィルタ1142がチャネル1117内にない場合、ビーム1113はこれらの要素を通過しない。スペクトルフィルタ1142は、第1の波長帯域の光を透過し、第2の波長帯域の光を遮断するスペクトルフィルタとすることができる。第1の波長帯域はプリパルスの波長を含むことができ、第2の波長帯域はメインパルスの波長を含むことができる。この例では、スペクトルフィルタ1142はプリパルスを透過し、メインパルスを遮断する。スペクトルフィルタ1142は複数のスペクトルフィルタを含むことができ、1つはプリパルスを遮断してメインパルスを透過し、別のスペクトルフィルタはメインパルスを遮断してプリパルスを透過する。フィルタ制御装置1144は、スペクトルフィルタ1142をチャネル1117から除去し、スペクトルフィルタ1142をチャネル1117に配置するために使用される。スペクトルフィルタ1142が複数のフィルタを含む実施態様では、フィルタ制御装置1144によって複数のフィルタからチャネル1117に配置すべき1つを選択することができる。
ビーム1113は非点対称光学要素1150を出て、センサ1152によって感知される。センサ1152及びセンサ1121は、センサ1120より低いデータ取得率を有する。センサ1152及びセンサ1121は、ユタ州ノースローガンのOphir−Spiricon,LLCから入手可能なPYROCAMカメラとすることができる。幾つかの実施態様では、1つのセンサのみ(センサ1152又はセンサ1121)が必要であるように、ビーム1112及び1113を同様の場所に誘導することができる。
図12を参照すると、ビーム位置決めシステムの別の例示的光学アセンブリ1200が示されている。光学アセンブリ1200は、ビーム位置決めシステム260内で光学要素434として、光学アセンブリ734ではなくビーム位置決めシステム700内で、又はチャネル1117内のビーム位置決めシステム1100内で使用することができる。
光学アセンブリ1200は、照射用増幅光ビーム216の伝播方向でターゲット材料246に対する焦点位置の位置を判定するために使用することができる情報を提供する。光学アセンブリ1200は非点収差光学要素を含まない。代わりに、光学要素1200は複数の無非点収差光学要素を使用して、ターゲット材料246とセンサ1221の間にそれぞれ異なる長さを有する一連の光路を発生させる。戻りビーム217のうち各経路を進行する部分が、センサ1221上に撮像される。経路は異なる長さを有するので、特定の経路を辿るビームの像は、伝播方向に沿って特定の場所における照射用増幅光ビーム216の断面の像である。異なる経路を辿るビームの一連の像を分析することにより、ターゲット材料246に対する焦点位置の場所を判定し、必要に応じて調整することができる。
光学アセンブリ1200は、レンズ1202及び部分反射性光学系1205a及び1205bを含む。光学アセンブリ1200は、光源1204(光源205又は305と同様でよい)からの戻りビーム217を受ける。例示のために、図12は異なる時間に発生する戻りビーム217の2つの場合を示す。戻りビーム217aは、照射用増幅光ビーム216がターゲット場所242に集束した場合に生じる反射増幅光ビームである。図12に示す第2の戻りビームはビーム217bである。戻りビーム217bは、照射用増幅光ビーム216がターゲット材料246に到達する前に焦点に来たときに生じる。また図13A及び図13Bを参照すると、照射用増幅光ビーム216がターゲット材料に集束した状態の光源の側面図が図13Aに示されている。照射用増幅光ビーム216がターゲット材料246に到達する前に集束した状態の光源の側面図が、図13Bに示されている。
ビーム217aはレンズ1202を通って進行し、部分反射性光学要素1205aによって透過及び反射する。ビーム217aの透過部分は、センサ1221上にスポット1210を形成する。ビーム217aの反射部分は、ビーム1218aとして示されている。ビーム1218aは、反射性光学要素1205bによって反射及び透過される。ビーム217aの光学要素1205bによって反射した部分は、センサ1221上にスポット1211を形成する。ビーム217bはレンズ1202を通って進行し、部分反射性光学要素1205aによって透過及び反射する。ビーム217bの透過部分は、センサ1221上にスポット1212を形成する。ビーム217bの反射部分(ビーム1218b)は、反射性光学要素1205bによって反射及び透過する。ビーム217bの光学要素1205bで反射する部分は、センサ1221上にスポット1212を形成する。
像1250に示すように、レンズ1202はビーム217aをセンサ1221の焦点へともたらす。したがって、スポット1210の直径は小さくなる。ビーム1218aの方がセンサ1221へと辿る経路が長く、センサ1221に到達する前に点1225にて焦点に至る。ビーム1218aは、点1225の後に発散し始め、スポット1211はスポット1210より大きい直径を有する。
レンズ1202は、ビーム217bがセンサ1221に到達する前に、ビーム217bを点1226に集束させる。ビーム217bは、センサ1221に到達する前に発散し始める。したがって、ビーム217bがセンサ上に形成するスポット1221は、ビーム217bがセンサ1221で集束するような場合より大きい直径を有する。ビーム1218bがセンサ1221まで辿る経路が長くなり、焦点1226がセンサ1221からさらに離れた位置に生じる。このように、ビーム1218bによって形成されたスポット1213は、スポット1212より大きい直径を有する。
スポット1212と1213の直径を比較することにより、ビーム217bが収束し、焦点面244及び照射用増幅光ビーム216の焦点位置が(「−z」方向で)ターゲット材料246の前に生じることが判定される。焦点面244を調整して、伝播方向に沿ってターゲット材料246へと移動させる、又はターゲット材料246を焦点面244の場所へと移動させることができる。
また図13Cを参照すると、増幅光ビーム216が(「+z」方向で)ターゲット材料246の後に焦点位置を有し、反射した増幅光ビーム217が発散して、スポット1213がスポット1212より大きい直径を有する例である。したがって、増幅光ビーム216の焦点位置を調整して、ターゲット材料246の予想場所に近づけることができる。すなわち、焦点位置を「−z」方向に移動させることにより、増幅光ビーム216の焦点位置をターゲット場所247に向かって移動させることができる。
図14を参照すると、別の光学アセンブリ1400の例が示されている。光学アセンブリ1400は光学アセンブリ1200と同様であるが、ただし光学アセンブリ1400は5つの部分反射性光学要素1405a〜1405eを含む。光学アセンブリ1400は、光学アセンブリ1200の代わりにビーム位置決めシステム内で使用することができる。
部分反射性光学要素1405a〜1405eはそれぞれ、ターゲット材料246からセンサ1221まで異なる長さの経路を提供し、センサ1221上に対応するスポット1410〜1414を作成する。図14に示す例では、レンズ1402は、照射用増幅光ビーム216の焦点位置がターゲット材料246と一致した場合に生じる平行になった戻りビーム217を、センサ1221上のスポット1412に集束させる。したがって、スポット1412とは異なる戻りビーム217の異なる断面の尺度であるスポット1410の方が、直径が大きくなる。この例では、スポット1412はスポット1410〜1414のうち最小の直径を有する。
スポット1410〜1414の直径を比較することにより、ターゲット材料246(又はターゲット場所242)に対する増幅光ビーム216の焦点位置の場所を判定することができる。例えば、最小直径のスポットがスポット1410である場合、照射用増幅光ビーム216の焦点を調整して、例えば伝播方向に沿ってターゲット材料246へと移動させることができる、又はターゲット材料246を焦点面244の場所及び焦点位置に向かって移動させることができる。最小直径のスポットがスポット1414である場合、照射用増幅光ビーム216の焦点を調整して、ターゲット材料246から離すことができる。
図12の例は、2つの部分反射性光学要素1205a及び1205bを示し、図14の例は5つの部分反射性光学要素1205aから1205eを示すが、他の数の反射性光学要素を使用することができる。
図14Bは、アセンブリ1200又は1400などの無非点収差光学アセンブリを使用して増幅光ビーム216の焦点位置を調整する例示的プロセス1400Bを示す。プロセス1400Bは、アセンブリ1200又は1400で収集したデータのみで、又はビーム位置決めシステム260、700又は1100のいずれかの一部としてアセンブリ1200又は1400とともに実行することができる。プロセス1400Bは、制御装置280によって、及び/又はビーム位置決めシステムの1つ以上のセンサの電子プロセッサによって実行することができる。以下の説明では、プロセス1400をビーム位置決めシステム260、アセンブリ1400、及びセンサ1221に関して説明する。
戻りビーム217が少なくとも1つの光学要素と相互作用して、複数のビームを形成し、各ビームがセンサ1221まで異なる長さの経路を辿り、各ビームがセンサ1221上にそれぞれスポット1410〜1414を形成する(1450)。戻りビーム217と少なくとも1つの光学要素との相互作用は、戻りビーム217をレンズ1402に通して戻りビーム217を集束させるステップを含むことができる。他の実施態様では、戻りビーム217が少なくとも1つの光学要素と相互作用することは、戻りビーム217を集束させる湾曲ミラーなどの反射性要素で戻りビーム217を反射することを含むことができる。
戻りビーム217が少なくとも1つの光学要素と相互作用することは、戻りビーム217を少なくとも1つの部分反射性要素に通して複数のビームを形成することを含む。ビームはそれぞれ、ターゲット材料246及び/又はレンズ1202からセンサ1221まで異なる長さの経路を辿り、センサ1221の異なる部分にスポットを形成する(図12に示すように)。例えば、図12に示すように、5つの反射性要素を使用して、戻りビーム217を5つのビームに分割することができ、それぞれがセンサ1221まで異なる長さの経路を辿る。異なる数の反射性要素を使用することができる。反射性要素は、例えばビームスプリッタ、部分反射性鏡、又はビームを異なる経路に沿って伝播する2つ以上のビームに分割する任意の他の光学要素とすることができる。
複数のビームはそれぞれ、センサ1221上にスポットを形成する。複数のビームのそれぞれでレンズ1402とセンサ1221の間の経路長が異なるので、スポットの直径が変動する。センサ1221までの経路長が変動するので、センサ1221上のスポット1410〜1414は、伝播方向に沿って異なる面で得たビームの断面のサンプルと見なすことができる。スポット1410〜1414の相対的サイズを比較すると、照射用光ビーム216の伝播方向でターゲット材料246に対する照射用増幅光ビーム216の焦点の場所に関する指示が提供される。
複数のスポット1410〜1414それぞれのサイズを判定する(1460)。サイズは、例えばスポットの直径又はスポットの面積とすることができる。判定されたサイズを比較する(1470)。この比較に基づいて、増幅光ビーム216の焦点位置の場所を判定する(1480)。例えば、センサ1221、反射性要素1405a〜1405e、及びレンズ1402は、戻りビームがレンズ1402を通過する時に平行にされるように、増幅光ビーム216の焦点位置がターゲット材料246と重なる場合、戻りビーム217がスポット1412に集束されるように、相互に対して配置構成することができる。この例では、スポット1411がスポット1412より小さいと測定された場合、増幅光ビーム216の焦点位置はターゲット材料246と重ならない。例えば、戻りビーム217は平行にならずに収束することができ、そのことは増幅光ビーム216の焦点位置を「+z」方向にターゲット場所242へと移動しなければならないことを示すことができる。他の実施態様は、異なる構成で配置構成された光源1204の光学コンポーネントを有することができる。例えば、他の実施態様では、収束する戻りビーム217は、増幅光ビーム216がターゲット場所242に対して「−z」方向に移動しなければならないことを示すことができる。
「z」方向(ビーム216の伝播方向)で照射用増幅光ビーム216の焦点位置を位置決めするには、作動システム228及び227の1つ以上のアクチュエータがビーム輸送システム224及び/又は集束システム226(図2A)内の鏡、レンズ及び/又はマウントを移動して、照射用増幅光ビーム216をターゲット材料246へと操縦する。プロセス1200Bが制御装置280によって、又は制御装置280で完全に又は部分的に実行される実施態様では、制御装置280によって焦点位置の場所を提供又は計算することができ、制御装置280は、輸送システム224及び/又は集束システム226内のコンポーネントの量に対応する信号を生成し、増幅光ビーム216の焦点の場所を移動させる、又は調整することができる。
図15A〜図15Cを参照すると、光学アセンブリ1200を含むビーム位置決めシステムの2つのチャネルを撮像するセンサから発生された例示的像が示されている。ビーム位置決めシステムは、ビーム位置決めシステム260、700、又は1100のいずれでもよく、チャネル316、716又は1116それぞれで光学アセンブリ1200を使用する。像1505A〜1505Cは、照射用増幅光ビーム216の焦点位置がターゲット材料246に対して移動すると、3つの異なる時間におけるセンサの像を示す。像1505A〜1505Cの左側はスポット1210及び1211を示す。また図12を参照すると、スポット1210は、戻りビーム217がセンサ1221に到達する前にレンズ1202を通過する場合に生じる。戻りビーム217がレンズ1202を通過し、センサ1221に到達する前に部分反射性光学要素1205a及び1205bで反射した場合に、スポット1211が生じる。
像1505A内で、スポット1210Aはスポット1211Aより大きい直径を有し、ターゲット材料246に到達する前に照射用増幅光ビーム216の焦点位置が生じることを示す。像1505B内で、スポット1210Bはスポット1211Bより小さい直径を有し、ターゲット材料246に到達する前に照射用増幅光ビーム216の焦点位置が生じることを示す。したがって、像1505Aに基づいて行った焦点位置の調整は適切な方向であったが、焦点位置はターゲット材料246と重ならない。像1505C内で、スポット1210Cは点状であり、レンズ1202がビーム217をセンサ1221に集束し、したがって照射用増幅光ビーム216がターゲット材料に集束させることを示す。
像1505A〜1505Cの右側は、チャネル317、717又は1116を通って進行する戻りビーム217の部分の像であるスポット1520A〜1520Cを示す。像905A〜905C(図9A〜図9C)の右側と同様に、スポット1520A〜1520Cは、照射用増幅光ビーム216の伝播方向を横断する方向におけるターゲット材料246に対する照射用増幅光ビーム216の移動を示す。像1505Aは、照射増幅光ビーム216が垂直面でターゲット材料246の上にあること(図2Aの「y」方向)を示し、像1505Bは、照射用増幅光ビーム216が垂直面でターゲット材料246の下にあること(図2Bの「−y」方向)を示す。像1505Cで表示された時点で、照射用増幅光ビーム216は垂直面にてターゲット材料246と重なる。
図16を参照すると、ターゲット材料に対して照射用増幅光ビームを位置合わせする例示的プロセス1600が示されている。プロセス1600は、ビーム位置決めシステム260、700、又は1100のいずれかで収集したデータで実行することができる。プロセス1600は、制御装置280によって、及び/又はビーム位置決めシステム内の1つ以上のセンサの電子プロセッサによって実行することができる。以下の説明では、プロセス1600をビーム位置決めシステム260に関して説明する。
反射した増幅光ビームの第1、第2及び第3の測定値にアクセスする(1610)。反射した増幅光ビームは、ターゲット材料で反射したビームである。例えば、反射した増幅光ビームは戻りビーム217とすることができる。第1の測定値は第1のセンサから得られ、第2及び第3の測定値は第2のセンサから得られる。例えば、第1の測定値は4分割検出器420から得ることができ、第2及び第3の測定値はセンサ421から得ることができる。第1のセンサは、第2のセンサより高いデータ取得率を有する。以下で説明するように、異なるデータ取得率のセンサを使用することにより、プロセス1600は照射用増幅光ビーム216の位置合わせの変化を考慮に入れることができ、これは複数の物理的効果から生じ、その一部は他より短い時間フレームで生じる。第2及び第3の測定値は、センサ421などの単一のセンサから得るか、第2及び第3の測定値は、2つの異なるセンサから得ることができる。第2及び第3の測定値を同じセンサから得ると、比較的コンパクトでコンポーネントの少ないビーム位置決めシステムになり得る。幾つかの実施態様では、第2及び第3の測定値は2つの異なるセンサから得られ、その両方を全く同じものとすることができる。
第1の測定値に基づいて、ターゲット材料に対する照射用増幅光ビーム216の第1の場所を判定する(1620)。第1の場所は、照射用増幅光ビーム216の伝播方向を横断する方向にある。例えば、方向は図2Bに示す「x」方向又は「y」方向とすることができる。したがって、第1の場所は、ターゲット材料に対して「x」又は「y」方向の場所とすることができる。第1の場所は、照射用増幅光ビーム216とターゲット材料246との間の距離を表す値として表現することができる。幾つかの実施態様では、この距離は、照射用増幅光ビーム216の焦点面244とターゲット材料246との間の距離とすることができる。距離は、照射用増幅光ビーム216とターゲット場所242(ターゲット材料を受けると予想される場所)との間とすることができる。距離は、増幅光ビーム216の焦点位置とターゲット場所242又はターゲット材料との間とすることができる。
第1のセンサが4分割検出器である実施態様では、第1の場所はセンサ420上のスポット411の場所から判定することができる。例えば、スポット411はセンサ420の左側にあり、ターゲット材料246は焦点位置から「y」方向に変位している。センサ420上のスポット505の位置を判定するには、感知要素422a〜422dのそれぞれによって感知されたエネルギーを測定し、比較する。
感知要素422a〜422dのそれぞれがビーム411から同量のエネルギーを受ける場合、スポット505はセンサ420の中心にあり、照射用増幅光ビーム216が横断方向でターゲット材料246と位置合わせされる。センサ420の中心からスポット505のオフセットを判定するには、各感知要素422a〜422dにおけるエネルギーが異なる。センタからのスポット505の垂直方向のオフセットは、センサ420の底部にある感知要素422c及び422dからのエネルギーの合計を、センサ420の頂部にある感知要素422a及び422bからのエネルギーの合計から引くことによって判定することができる。マイナスの値は、スポット505の中心がセンサ420の中心より下にあることを示し、プラスの値は、スポット505の中心がセンサ420の中心より上にあることを示す。スポット505の水平方向のオフセットは、センサ420の左側にあるエネルギーの合計をセンサ420の右側にあるエネルギーの合計から引くことによって判定される。マイナスの値は、スポット505の中心がセンサ420の中心の右側であることを示し、プラスの値は、スポット505の中心がセンサ420の中心の左側であることを示す。
オフセットの量に基づいて、制御装置280は対応する量を判定し、作動システム227及び/又は作動システム228の1つ以上のアクチュエータを動作させて、ターゲット材料246と位置合わせされるように照射用増幅光ビーム216を調整する。
感知要素422a〜422dの信号の差は、センサ420からの単一データフレームから判定することができる。幾つかの実施態様では、小滴と照射用増幅光ビーム216との間の横断方向の距離を判定する前に、センサ420からの複数のデータフレームを平均する。例えば、信号の差を判定する前に、センサ420からの16又は250のデータフレームを平均することができる。さらに、感知要素422a〜422dすべての信号の合計で信号の差を割ることができる。
第2の測定値に基づいて、ターゲット材料に対する照射用増幅光ビーム216の第2の場所を判定する(1630)。第2の場所も、照射用増幅光ビーム216の伝播方向を横断する方向(図2Aの「x」又は「y」方向)にある。第2の場所は、第1の場所に対して垂直の方向とすることができる。例えば、第1の場所がターゲット材料246と照射用増幅光ビーム216との間の「x」方向の距離である場合、第2の場所は、ターゲット材料246と照射用増幅光ビーム216との間の「y」方向の距離とすることができる。
第2の場所は、第1のセンサより低いデータ取得率を有するセンサ421などのセンサで得られるデータから判定される。したがって、第2の場所及び第1の場所が同じ方向に沿っている実施態様でも、第2の場所と第1の場所は異なる情報を提供する。例えば、第1のセンサからのデータで、ある期間にわたって特定の方向で照射用増幅光ビーム216の場所を追跡すると、照射用増幅光ビーム216の位置の高周波変動が示され、第2のセンサからのデータで、ある期間にわたってその方向で照射用増幅光ビーム216の位置の変動を追跡すると、順方向ビームの低周波変動が示される。
第3の測定値に基づいて、ターゲット材料に対する増幅光ビームの焦点位置の場所を判定する(1640)。照射用増幅光ビーム216の焦点位置の場所を、順方向ビームの伝播方向に平行である方向(図2Aの「z」方向)で判定する。ターゲット材料246に対する焦点位置の場所は、非点収差光学要素を通過する光によって形成されたスポットの楕円率を測定することによって(図7及び図11)、又は一連の無非点収差光学要素を使用して、それぞれが照射用増幅光ビーム216の異なる断面を示すスポットを発生させることによって(図12及び図14)判定することができる。
照射用増幅光ビームは、第1の場所、第2の場所、又はターゲット材料に対して照射用増幅光ビームを位置合わせする焦点面の場所のうち1つ以上に基づいて、ターゲット材料に対して位置変更される(1650)。照射増幅光ビーム216を「x」又は「y」方向で位置合わせするには、作動システム228及び227の1つ以上のアクチュエータが、ビーム輸送システム224及び/又は集束システム226(図2A)内の鏡、レンズ及び/又はマウントを移動させ、照射用増幅光ビーム216をターゲット材料246へと操縦する。パルス状順方向ビームを使用する実施態様では、照射用増幅光ビーム216は代替的に又は追加的に、「x」方向でパルスとターゲット材料の間の距離に対応する時間だけ、パルスを遅延又は前進させることによって、「x」方向に位置合わせすることができる。ビーム216の焦点面244又は焦点位置を「z」方向に沿って位置合わせするには、作動システム227の1つ以上のアクチュエータが集束システム227内のレンズを移動させ、その結果、焦点面244及び焦点位置の位置変更をする。
他の実施態様も請求の範囲内に入る。