JP6373288B2 - ハンド機構 - Google Patents

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Description

本発明は、把持対象物を把持するためのハンド機構に関する。
従来、ロボットハンドに人間の指に近い構造を採用し、多様な対象物の把持が試みられている。例えば、大きい物から小さい物まで安定に把持するために複数本の指機構を備えるハンド機構では、この複数本の指機構が、それぞれ末節骨部及び該末節骨部に隣接する中節骨部を含む複数の骨部によって構成される場合がある。そして、中節骨部に対して末節骨部が真っ直ぐに伸びた状態から末節骨部を内側方向と外側方向の二方向に所定の角度範囲内で回転可能となることで、人間の指における「つまむ」動作に近い動作が実現される。
また、特許文献1には、第1多関節指及び第2多関節指と、第1多関節指及び第2多関節とともに所定接続部を中心に回転する単関節指とを備えるハンド機構が開示されている。当機構では、駆動アクチュエータから駆動力が付与されると、第1多関節指及び第2多関節指が取付部材との接続部を介して各指全体が同じ方向に回転する第1モードと、第1多関節指に含まれる第1所定指部及び第2多関節指に含まれる第2所定指部の第1モードでの回転が阻止された場合に、第1多関節指に含まれる第1所定指部以外の指部が第1所定指部に対して回転し、且つ、第2多関節指に含まれる第2所定指部以外の指部が第2所定指部に対して回転する第2モードが実行される。
特開2015−112650号公報
従来のハンド機構の開発では、把持対象物をどのように把持するか、すなわち、把持対象物に対して様々な把持動作を行うことを目的として、その開発が進められてきた経緯がある。そのため、ハンド機構による複雑な動作や柔軟な動作を実現するためにリンク機構が多用されている。一方で、ハンド機構における荷重への耐性については、必ずしもその検討は十分ではない。すなわち、把持対象物を把持するハンド機構を用いて、何らかの荷重が掛かる作業をそのハンド機構に行わせるという想定の下、ハンド機構の開発は行われてきてはいない。
例えば、ロボットが立ち上がり動作を行うときにハンド機構によって自重を支えるような動作や、ハンド機構でロボット荷重を支えながらの歩行動作等のために利用可能なハンド機構の開発は行われていない。一般には、ハンド機構の指等を構成するリンク機構に過大な荷重が掛からないように、ハンド機構とは別の構成物としてブラケット等の耐荷重性のある部材が取り付けられる。しかし、このような耐荷重性のある部材は、その大きさや取付位置等に起因して、ハンド機構の把持動作を阻害し得るものである。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、把持対象物の把持動作を行うハンド機構であって、外部からの荷重に対しても十分な耐性を示すとともに、その把持動作が好適に維持されるハンド機構を提供することを目的とする。
本発明において、上記課題を解決するために、ハンド機構が所定の閉状態にあるときに、把持動作を行う指の一方の回転動作を阻止する接触部材と当該指とを接触させる構成を採用した。この接触部材による単純な構成により、当該指に荷重が掛かったとしても、その荷重は接触部材で受け止められることになるため、ハンド機構を構成する各指への過大な荷重印加を回避することができる。
詳細には、本発明は、取付部材と、駆動アクチュエータからの駆動力を伝える駆動部と、一又は複数の指部から構成され、前記取付部材に対して第1取付接続部を中心に回転自在に取り付けられた第1指と、前記第1指と接続され、且つ、前記取付部材に対して第2取付接続部を中心に回転自在に取り付けられた第2指であって、前記駆動部からの駆動力により該第1指に対して近接するように該第1指とともに該取付部材に対して回転する第2指と、を備えるハンド機構である。そして、前記第1指の前記一又は複数の指部には、前記第1取付接続部による回転中心を含む所定の回転指部が含まれ、前記取付部材は、前記第1指が前記第1取付接続部を中心として回転し且つ前記第2指が前記第2取付接続部を中心として回転し、該第1指と該第2指との相対的な回転が行われる回転面において該第1指と該第2指とが交差した所定の閉状態であるときに、該第1指の前記所定の回転指部が接触し、該所定の回転指部の該取付部材に対する回転を阻止する接触部材を有している。更に、前記所定の回転指部が前記接触部材に接触し前記所定の閉状態である場合に、該所定の回転指部の所定部位が、該所定の閉状態において前記第2指より外側に位置する。
本発明に係るハンド機構は、第1指と第2指とを有し、これらの指により把持対象物の把持動作が行われる。これらの指は、駆動アクチュエータからの駆動力が駆動部を介して伝えられることで、様々な把持動作が実現されるものであり、その把持動作は特定の動作に限定されるものではない。ただし、当該ハンド機構では、把持対象物が存在しない場合には、第1指と第2指との相対的な回転が行われる回転面において第1指と第2指とが交差した所定の閉状態となる。すなわち、第1指と第2指は、両者の間に把持対象物が存在する場合にはそれを把持可能となり、把持対象物が存在しない場合には、両指が干渉することなく交差し、ハンド機構が閉じた形となる所定の閉状態に至る。
第1指及び第2指のそれぞれは、上述の所定の閉状態となり得る指構成であれば、複数の指部を有していてもよく、又は、1つの指部を有していてもよい。なお、第1指には、所定の回転指部が含まれる。例えば、第1指は、取付部材に対して第1取付接続部を中心に回転可能となるように接続された、当該所定の回転指部のみを有する単関節指であってもよい。別法として、第1指は、取付部材に対して第1取付接続部を中心に回転可能となるように接続され、当該所定の回転指部を含む複数の指部同士が接続部を介して互いに回転可能となるように接続された多関節指であってもよい。
ここで、ハンド機構が所定の閉状態に至ると、第1指に含まれる所定の回転指部が、取付部材に設けられた接触部材に接触する。この結果、所定の回転指部の第1取付接続部を中心とした回転が阻害されることになる。更に、この所定の閉状態では、第1指の所定の回転指部における所定部位が、その所定の閉状態にある第2指より外側に位置することとなる。なお、ハンド機構での第1指と第2指とが閉じたときこれらの指に囲まれる側が「内側」となり、ここで言う「外側」とは当該「内側」と反対側を意味する。したがって、ハンド機構が所定の閉状態にあるときには、所定の部位を含む所定の回転指部、すなわち第1指が第2指より外側に位置することになる。そのため、外部からハンド機構に対して掛かる外力は、概ね第1指の所定の回転指部における所定部位に作用することになる。
このようなハンド機構では、所定の閉状態にない場合には、第1指と第2指との回転動作により把持対象物の把持動作が可能となる。一方で、ハンド機構が所定の閉状態におか
れると、第1指における所定部位が外部からの外力に晒されやすいように位置し、且つ、当該第1指の所定の回転指部が接触部材に接触した状態となる。この結果、第1指の所定部位に外力が作用しても、その外力は接触部材によって受け止められることになる。そして、所定の回転指部は、第1指において第1取付接続部を介して取付部材に取り付けられているため、所定の回転指部が接触部材に接触し外力を受けている状態では、その外力は、第1指の所定の回転指部以外の指部や第2指には過大な荷重として伝わりにくい。そのため、本発明に係るハンド機構は、外部からの荷重に対しても十分な耐性を示すことが可能となるとともに、接触部材は所定の回転指部の回転を阻止するための単純な構成であるため、第1指と第2指による把持動作を阻害することはなく、以てハンド機構の把持動作は好適に維持され得る。
把持対象物の把持動作を行うハンド機構であって、外部からの荷重に対しても十分な耐性を示すとともに、その把持動作が好適に維持されるハンド機構を提供することができる。
本発明の実施例に係るハンド機構の斜視図である。 図1に示すハンド機構の側面図である。 図1に示すハンド機構の内部のリンク機構の概略構成を示す第1の図である。 図1に示すハンド機構の正面図である。 図1に示すハンド機構の内部のリンク機構の概略構成を示す第2の図である。 図1に示すハンド機構を構成する連結部材の構成を示す図である。 図1に示すハンド機構を構成する第1指部の構成を示す図である。 図1に示すハンド機構を構成する第2指部の構成を示す図である。 図1に示すハンド機構を構成する第3指部の構成を示す図である。 図1に示すハンド機構において、第1モードが実行され多関節指と単関節指が駆動されてつまみ動作を行った状態を示す図である。 図1に示すハンド機構において第2モードが実行され、多関節指の巻き込み動作により、把持対象物を把持している状態を示す第1の図である。 図1に示すハンド機構が第2モードによる巻き込み動作実行時の、多関節指の巻き込み状態を示す図である。 図1に示すハンド機構において単関節指と多関節指が閉じられ、耐荷重姿勢をとっている状態を示す図である。 図13に示すハンド機構において、ハンド機構内部の状態を示した図である。 本発明のハンド機構を備えたロボットが立ち上がり動作を行っている状態を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<ハンド機構1の構成>
図1は、本発明の実施形態にかかるハンド機構1の斜視図である。そして、図2はハンド機構1の側面図、図3はハンド機構1が内部に有するリンク機構を可視化した図であり
、また図4はハンド機構1の正面図である。また、図5も、図3と同様にハンド機構1における多関節指80A、80B、単関節指80Cを含むリンク機構の状態が把握可能となるように、ハンド機構1の内部を可視化させた図であり、図5に示すハンド機構は、図3に示すハンド機構の状態と比べ、多関節指80A、80Bと、単関節指80Cとの開きが大きくなった状態にある。これらの図に示すように、ハンド機構1は、取付部材10と、取付部材10に取り付けられる駆動機構30(図3等を参照)と、取付部材10に取り付けられ駆動機構30によって駆動される一対の多関節指80A、80Bと単関節指80Cを具備している。この一対の多関節指80A、80Bは、複数の指部が互いに回転可能となるように複数の接続部によって接続され、その根元の指部が取付部材10に取り付けられた多関節指である。また、単関節指80Cは、一つの指部を有し、当該指部の根元において接続部を介して取付部材10に接続される単関節指である。各指の詳細な構造は、後述する。なお、以下の説明において、指80A、80B、80Cが折れ曲がっていく方向(図2、図3において、多関節指80A、80Bと単関節指80Cとの間の空間が狭まる方向)を内側又は掌側、その反対方向(図2、図3において当該空間が広がる方向)を外側又は甲側ということとする。
取付部材10は、駆動機構30のリニアアクチュエータ31を取り付ける場であるとともに、連結部材50と第1指部81を第1接続部87の位置においてそれぞれ独立に回転自在に軸支している。駆動機構30は、リニアアクチュエータ31と連結部材50とを具備している。リニアアクチュエータ31は、概略円筒形をなすアクチュエータ本体33とアクチュエータ本体33の一方の端面から進退可能に突出するロッド35とを有している。リニアアクチュエータ31は電動で、取付部材10内に配置された制御装置からの指令に従いロッド35の進退量を調節することができる。
図6は、連結部材50の斜視図である。同図に示すように連結部材50は、側面から見て概略V字形となっているブロック形状である。連結部材50の下部中央には回転自在に第1接続部用シャフト61が挿通され、また連結部材50の2つに分かれる一方の上部には回転自在に第3接続部用シャフト63が挿通され、さらに連結部材50のもう一方の上部には一対の側壁部55間を回転自在に連結する連結ロッド65が取り付けられている。
連結部材50はその第1接続部用シャフト61の両側部分が取付部材10に取り付けられるとともに、取付部材10を貫通してその両外側に突出した第1接続部用シャフト61の両端にそれぞれ下記する第1指部81の第1接続部87を回転自在に取り付けている。つまり、連結部材50と第1指部81はそれぞれ独立して回転自在となるように取付部材10に取り付けられている。なお、後述するように、この第1指部81には、連結部190を介して単関節指80Cが連結されている。一方、連結部材50の連結ロッド65の中央には、リニアアクチュエータ31のロッド35の先端が取り付けられている。また連結部材50の第3接続部用シャフト63の両端には後述する第1駆動部111の第3接続部113が取り付けられている。このように、連結部材50を介して、ハンド機構1における1つのリニアアクチュエータ31と、2本の多関節指80A、80Bと単関節指80Cとが連結されている。
次に、多関節指80A、80Bの構造について詳細に説明する。なお、多関節指80A、80Bは同一構造であるため、本明細書では代表として多関節指80Aについて説明する。多関節指80Aは、根元側(取付部材10側)の第1接続部87にて取付部材10に回転自在に接続される第1指部81と、第1指部81の先端側(取付部材10と離れる側)の第2接続部97にて根元側が回転自在に接続される第2指部91と、第2指部91の先端側の第5接続部107にて根元側が回転自在に接続される第3指部101と、を有する。更に、多関節指80Aには、先端側が第2指部91の根元側の第4接続部115にて回転自在に接続され且つ根元側が駆動動力を印加する前記第3接続部113に接続される
第1駆動部111と、先端側が第3指部101の根元側の第7接続部125に回転自在に接続され且つ根元側が第1指部81の先端側の第6接続部123に回転自在に接続される第2駆動部121とが連結されており、これらの駆動部111、121は、後述するように駆動機構30からの駆動力を多関節指80Aの各指部に伝えるための構成である。
ここで、図7は第1指部81を示す図であり、図7(a)は第1指部81の側面図、図7(b)は図7(a)のA−A断面図である。同図に示すように第1指部81は、1枚の平板(板材)を下辺において略U字状に折り曲げることで、中央の底面部82の両側に平行になるように一対の側面部83が設けられている。一対の側面部83の根元側部分には前述のように第1接続部87が設けられており、この部分において第1指部81は取付部材10に回転自在に接続され、その際中央の底面部82は内側(掌側)に向けて、換言すれば、開口部分85が外側(甲側)を向くように第1指部81は配置される。第1接続部87にはベアリングが設置されている(以下の各接続部においても、同様にベアリングによる軸支が行われているものとする)。第1指部81の先端側には第2接続部97が設けられ、さらに第2接続部97よりも先端側に突出させた部分に第6接続部123が設けられている。第1指部81の第2接続部97付近から先端側の下部には、底面部82が切り欠かれて第2指部挿入部821が形成されている。また、図7(a)に示すように、第1接続部87と第2接続部97との間であって、第1接続部87寄りに第10接続部202が設けられている。この第10接続部202は、後述するように第1指部81と連結部190とが互いに回転自在となるように両者を軸支する接続部である。
次に図8は、第2指部91の側面図である。第2指部91も、第1指部81と同じように、1枚の平板(板材)を下辺において略U字状に折り曲げることで、中央の底面部92の両側に平行になるように一対の側面部93が設けられている。一対の側面部93の根元側部分には第2接続部97が設けられており、この部分において第1指部81の一対の側面部83に回転自在に接続される。第2接続部97では、両側面部83、93間に軸が渡されている。第2指部91の両側面部93には第2接続部97よりも根元側に突出する部分を設け、その部分に第1駆動部111に回転自在に接続される第4接続部115を設けている。また、第2指部91の左右両側面部93の甲側の辺93aの第2接続部97よりも先端側の位置には、第6接続部123を挿入する略U字状の第6接続部挿入凹部931が形成されている。甲側の辺93aの第6接続部挿入凹部931よりも根元側の部分は先端側の部分よりも高さを低くしている(図8中の高さh1を参照)。
また、第2指部91の左右両側面部93の内側(掌側)の辺93bの第5接続部107よりも根元側の位置には、第7接続部125を挿入する略U字状の第7接続部挿入凹部933が形成されている。内側の辺93bの第7接続部挿入凹部933よりも先端側の部分は根元側の部分よりも高さを高くしている(図8中の高さh2を参照)。第2指部91の両側面部93の外側面間の幅寸法は、前記第1指部81の両側面部83の内側面間の幅寸法よりも若干小さい寸法に形成されている。これにより、第2指部91と第1指部81を第2接続部97において接続する際は、第2指部91の根元側部分が第1指部81の先端側部分の左右両側面部83の間に挿入される。このとき第6接続部挿入凹部931は、第1指部81の両側面部83の間に配置される。また第2指部91の根元側部分は第1指部81の第2指部挿入部821に嵌り込む。また第2指部91の中央の底面92が掌側に向くように、多関節指80Aにおいて第2指部91が配置される。
次に、図9は、第3指部101の側面図である。第3指部101も、第1指部81、第2指部91と同じように、1枚の平板(板材)を下辺において略U字状に折り曲げることで、中央の底面部102の両側に平行になるように一対の側面部103を設けて形成されている。一対の側面部103の根元側の上部には第5接続部107が設けられており、この部分において第2指部91に回転自在に接続されている。第5接続部107の下部には
第7接続部125が設けられている。
次に、第1駆動部111及び第2駆動部121について説明する。第1駆動部111は棒状の平板であり、上述の通り、その根元側の第3接続部113において、連結部材50に回転自在に接続されている。一方、第1駆動部111の先端側は第2指部91の第2接続部97よりも根元側に突出させた部分の第4接続部115において回転自在に接続されている。さらに第4接続部115は、その一部が、第2指部挿入部821を介して第1指部81の外側(甲側)の開口部分85内に入り込んでいる。
また、第2駆動部121は、第1駆動部111と同じように棒状の平板であり、その根元側の第6接続部123において第1指部81の第2接続部97よりも先端側に突出させた部分に回転自在に接続されている。一方、第2駆動部121の先端側の第7接続部125において第3指部101の根元側の部分が回転自在に接続されている。
更に、第2指部91と第3指部101の間には、引っ張りバネからなる付勢手段140が取り付けられ、第2指部91と第3指部101との間が常に開く方向(第5接続部107を中心にして第2指部91に対して第3指部101の先端側部分が外側(甲側)に移動する方向)の付勢力が付与されている。なお、第5接続部107は付勢手段140の第2指部91側の支点a1より内側(掌側)に位置している。換言すると、付勢手段140は、第2指部91に係止された支点a1と第3指部101に係止された支点a2間の離間距離が近づくように付勢しており、第2指部91に対して第3指部101を内側(掌側)に移動した際は両支点a1、a2間が遠ざかるので、付勢手段140は元の開いた位置に向けてより強く付勢することになる。これにより、第1指部81と第2指部91間も開く方向に付勢され、結局、第1指部81、第2指部91、第3指部101全体は開く方向に付勢されることになる。なお付勢手段140は、このような配置に代わって、第1指部81、第2指部91間に、第1指部81、第2指部91間が常に開く方向の付勢力が付与されるように、取り付けてもよい。
ここで、図1〜図5からも分かるように、ハンド機構1には2つの多関節指80A、80Bとともに、一つの単関節指80Cが備えられている。この単関節指80Cは、一つの指部である第4指部180を有しており、2つの多関節指80A、80Bに対向するように、且つ第8接続部200を中心に取付部材10に対して回転自在となるように取付部材10に取り付けられている。なお、第8接続部200は、第4指部180の根元側から先端側に向かって一定距離の位置に設けられており、その第4指部180の根元側には更に接続部201が設けられている。この接続部201は、上記の通り第1指部81に対して第10接続部202を介して回転自在に接続された連結部190を、第4指部180に対して回転自在に接続するための接続部である。このようなリンク構成により、単関節指80Cは、多関節指80A、80Bに含まれる第1指部81の動きに連動して、換言すると第1指部81に駆動力を付与する駆動機構30からの駆動力の一部が連結部190を介して伝えられることで、第8接続部200を中心に取付部材10に対して回転する。また、単関節指80Cに含まれる第4指部180の外側には概ね台形状の突起部183が設けられている。この突起部183の側面の一部であり、第4指部180から最も離れた面は、荷重接触面183とされる。この荷重接触面183については、図12、図13に基づいて後述する。
このような指に関する構成を有するハンド機構1では、多関節指80A及び多関節指80Bと単関節指80Cとの間の空間(把持空間300:図3、図5を参照)に位置する把持対象物を把持することが可能となる。すなわち、駆動機構30からの駆動力によって把持空間300が狭まるように、後述する2つの把持動作モードが実行されることで、ハンド機構1は多様な把持動作を実現することができる。
なお、図5に示すように、第4指部180の根元側であって接続部201の近傍位置と、アクチュエータ本体33近くの支点182との間、すなわち、取付部材10の内部にバネ181が配置されている。バネ181は、第4指部180の第8接続部200を中心とした回転範囲において、常時、第4指部180を、第8接続部200を中心に図5中の矢印m1の方向(図中において時計回り方向)に回転させるモーメントを発生するように付勢する。そして、このようにバネ181によって常時図5中の矢印m1方向にモーメントが掛かると、多関節指80A及び多関節指80Bに対しては、連結部190を介して図5中の矢印m2の方向(図中において反時計回り方向)に回転させるモーメントが発生することになる。したがって、バネ181は、ハンド機構1を構成する各指80A、80B、80Cを常時閉じる方向に付勢していることになる。しかも、バネ181は多関節指80A、80Bの第1指部81に対しては付勢するが、第2指部91と第3指部101に対しては付勢しないので、付勢手段140の付勢力を阻害することはない。したがって、付勢手段140による第2指部91及び第3指部101への付勢力と、バネ181による第1指部81への付勢力は、相殺されることなく各々有効に働く。
ここでハンド機構1では、図4に示すように多関節指80Aの回転面(後述する第1モード及び第2モードにより指が回転するときの軌跡、以下、他の指の回転面についても同じ)及び多関節指80Bの回転面、単関節指80Cの回転面が互いに平行となるように、各指における指部が構成され、且つ各指が取付部材10に取り付けられている。したがって、後述する第1モード及び第2モードが実行されても、多関節指80A、80B、単関節指80Cは互いに衝突、接触することなく、把持対象物の把持に影響を及ぼすことはない。また、図4から分かるように、ハンド機構1を正面から見たとき、単関節指80Cの回転面が、多関節指80A、80Bの回転面に挟まれるように、各指の相対位置が決定されている。このような配置により、第1モード及び第2モードを通して、把持対象物に対して単関節指80Cの両側を2つの多関節指80A、80Bが把持する形になるため、常に安定的に把持対象物を3点支持することが可能となる。
また、図3に示すように、多関節指80A、80Bの第1指部81と単関節指80Cの第4指部180とを連結する連結部190は、その大部分が取付部材10の内部に隠れ、その一部だけが把持空間300に露出されている。このような構成にすることで、連結部190の大部分が把持空間300に露出している構成と比べて連結部190により把持空間300が狭くなるのを回避でき、ハンド機構1によって把持対象物をより的確に把持でき、又は、把持対象物を把持しようとするときのハンド機構1の位置決めや姿勢決めの制御が容易となる。好ましくは、後述する第1モード及び第2モードが実行されている間にわたって、連結部190の把持空間300側への露出量を可及的に少なく抑えるように、連結部190の第1指部81への連結部位である第10接続部202及び第4指部180への連結部位である第9接続部201の位置が決定される。また、第4指部180に付勢力を付与しているバネ181も取付部材10内に納められているので、バネ181がハンド機構1による把持対象物の把持動作を邪魔することはない。
<ハンド機構1の動作>
ここで、ハンド機構1の把持動作について詳細に説明する。ハンド機構1においては、多関節指80A、80Bと単関節指80Cとによる把持対象物のつまみ動作を行う第1モードと、主に多関節指80A、80Bによる把持対象物の巻き込み動作を行う第2モードが実行される。これらのモードにおけるハンド機構1の動作について、ハンド機構1の各指が最大に開いている状態(例えば、図5に示す状態)から、第1モード、第2モードが順次実行される形態を例として説明する。
(1)第1モード
第1モードでは、把持対象物のつまみ動作が可能となる。ここで、図5は、リニアアクチュエータ31のロッド35をアクチュエータ本体33内に最も引き込んだ状態を示しており、この状態では連結部材50は第1接続部87を中心にしてリニアアクチュエータ側に最も引き込まれた状態になっている。このとき、多関節指80A、80Bは、各指に含まれる指部および駆動部によるリンク構造上、指全体が最も外側に回転した状態であって、各指が図5に示すように真っ直ぐに伸ばされた状態となっている。この状態においては、第1指部81が第1接続部87を中心として外側に最も回転した位置にあるため、連結部190を介して、単関節指80Cの第4指部180も第8接続部200を中心として外側に最も回転した位置に置かれる。その結果、多関節指80A、80Bと、単関節指80Cは最も開いた状態となり、把持空間300が最も大きく形成されることになる。
この状態からリニアアクチュエータ31を駆動してそのロッド35を押し出す。このとき把持空間300に把持対象物が存在しないとすると、連結部材50が第1接続部87を中心にして図5中左回転し、第3接続部113が第4接続部115方向に向かって押し出される。これによって、第1接続部87を中心として第1指部81、第2指部91、第3指部101全体がそのまま一体になって、すなわち、多関節指80A、80Bが真っ直ぐ伸びた状態のままで内側に回転していく。このように第1指部81、第2指部91、第3指部101全体がそのまま一体に回転するのは、付勢手段140によって多関節指80A、80Bでの各指部の姿勢を維持する付勢力が付与されているからである。
また、多関節指80A、80Bの全体が第1接続部87を中心に内側に回転すると、連結部190を介して、単関節指80Cの第4指部180も第8接続部200を中心として内側に回転する。この結果、多関節指80A、80Bと単関節指80Cとは、それぞれの指が伸びた状態で、多関節指80A、80Bの先端部と単関節指80Cの先端部との距離が狭まるようにハンド機構1が閉じていく動作、すなわちつまみ動作が行われることになり、例えば、図10に示す状態となる。なお、図10に示す状態は、ハンド機構1の側面視において、第3指部101の先端部(すなわち多関節指80A、80Bの先端部)と、第4指部180の先端部(すなわち単関節指80Cの先端部)との間の距離が極めて近接した状態となっているが、図4に示すように、多関節指80A、80Bのそれぞれの回転面と、単関節指80Cの回転面は干渉しないことに留意したい。このつまみ動作が行われている過程では、バネ181によって第4指部180に対して内側に付勢力が付与されているため、つまみ動作が円滑に行われる。
図10は、第1モードでのつまみ動作により、ハンド機構1の側面から見たときに多関節指80A、80Bの先端部と単関節指80Cの先端部との距離が極小となった状態を示している。本実施例では、このように両先端部間の距離が小さくなる状態で、側面視において先端部同士が対向する状態となる。そこで、この両先端部間に把持対象物が位置するようにハンド機構1の位置および姿勢を制御すれば、多関節指80A、80Bと単関節指80Cの各先端部により把持対象物をつまんだ状態で把持することが可能となる。また、このようにハンド機構1が把持対象物を多関節指80A、80Bと単関節指80Cとで把持可能(つまみ動作可能)となるハンド姿勢が、本発明に係る所定の姿勢に相当する。なお、この把持対象物を把持している状態においても、図10に示すようにバネ181によって第4指部180に対して内側に付勢力が付与されている。そのため、第1モードでは、当該付勢力が、先端部間での把持対象物の把持状態を維持しようと作用することになり、以て把持対象物を把持した状態でハンド機構1全体の位置や姿勢が変動しても、安定して把持対象物を把持し続けることが可能となる。また、リニアアクチュエータ31の電源が切られ駆動力の供給が絶たれた場合でも、バネ181の付勢力により把持対象物を把持し続けることが可能となる。
なお、リニアアクチュエータ31を駆動して前記押し出したロッド35を後方に引き込
むと、上述とは逆の動作によって多関節指80A、80B全体がそのまま第1接続部87を中心にして一体に回転するとともに、単関節指80Cの第4指部180も第8接続部200を中心として回転することで、多関節指80A、80Bと単関節指80Cが開き、図5に示す状態に戻ることになる。
(2)第2モード
次に、ハンド機構1での第2モードについて図11、図12に基づいて説明する。図11は、図3と同様にハンド機構1の側面図であり、図12は、多関節指80A、80Bの構造が内側から把握しやすいように、単関節指80Cに関連する構成の記載を省略して多関節指80A、80Bの構成を示す斜視図である。第2モードは、上記第1モードに続いて行われる把持動作である。ここで、把持空間300に把持対象物(図中、2点鎖線で示される)が配置された状態で、上述の第1モードが実行されて、第1指部81が第1接続部を中心に内側に回転している過程で、その第1指部81が把持対象物に当接した状態を想定する。この状態から更にリニアアクチュエータ31を駆動してロッド35を押し出すことで連結部材50を第1接続部87を中心に回転させると、第3接続部113が第4接続部115方向に向かって押し出される。ここで連結部材50に接続されている第1駆動部111は、第2指部91に第4接続部115において連結され、更に第1指部81は、第4接続部115よりも内側の第2接続部97において第2指部91に連結されているので、駆動機構30に連結した第1駆動部111の駆動力が、まず第2指部91に伝わり、次に第1指部81に伝わっていく。そして、第1指部81、第2指部91に、それぞれ第1接続部87、第2接続部97を中心とするトルクが生じることになる。このとき、第1指部81は把持対象物が存在するためその回転は事実的に阻止されているので、結果として、駆動機構30からの駆動力が付勢手段140の付勢力に打ち勝つと、図11に示すように第2指部91が第2接続部97を中心に内側に回転していく。
このとき図11に示すように、第1指部81に設けた静止している第6接続部123は、第2接続部97を中心に回転する第4接続部115に対して近接した状態となるため、第2駆動部121が第2指部91に対して後方に引き込められ、第6接続部123が相対的に第6接続部挿入凹部931内から抜け出た状態となる。これによって、第7接続部125が、後方に引き込められて第7接続部挿入凹部933内に入り込み、第3指部101は第2指部91に対して第5接続部107を中心に内側に回転していく。そして図11に示すように、第1指部81に対して第2指部91を内側に折り曲げた際、第4接続部115は第1指部81の開口部分85内から外側に向けて露出していく。
これによって第2指部91と第3指部101が折れ曲がり、把持対象物に対してこれらの指部が巻き込んでいく形で把持対象物が把持される。換言すると、第1指部81の先端側の第6接続部123において第2駆動部121を接続し、その第6接続部123の根元側の第2接続部97において第2指部91を第1指部81に対して接続しているので、第1指部81に対して第2指部91が回転した際は、第2駆動部121が第3指部101を第5接続部107の内側の第7接続部125において引っ張り又は移動を規制し、その結果、第2指部91と第3指部101は同時に内側に向かって回転し、折れ曲がり、把持対象物を巻き込むように把持する。つまり、第1指部81に対して第2指部91が回転した際は必ず同時に第3指部101が第2指部91に対して回転することになる。
ここで、第2モードにおいてリニアアクチュエータ31によりロッド35が引き込むように駆動すると、第1接続部87を中心に連結部材50が取付部材10側に回転し、上述とは逆の動作によって第2接続部97、第5接続部107を中心に第2指部91、第3指部101が回転して、これらの指部による把持対象物の巻き込み状態が解消される。そして、第2指部91、第3指部101が、第1モードから第2モードに移り変わる際に第1指部81が把持対象物に当接したときの状態に戻ると、その後は、ハンド機構1の動作モ
ードが切り替わり、上述した第1モードが実行される。そのため、多関節指80A、80Bは指全体が、第1接続部87を中心とした回転を行うとともに、単関節指80Cが第8接続部200を中心とした回転を行う。
このようにハンド機構1では、第1指部81に対して把持対象物が接触し、その回転を阻止しない限りは、第1モードによる把持動作が行われ、第1指部81の回転が把持対象物によって阻止されると、第1モードから第2モードによる把持動作に切り替わる。そのため、把持空間300に位置する把持対象物を少なくとも第1モードか第2モードによる把持動作で確実に把持することができる。また、上述の通り、多関節指80A、80B、単関節指80Cのそれぞれの回転面は互いに衝突、接触しない。そのため、第1モードおよび第2モードにわたって、各指がどのように回転しても、把持空間300に存在しうる限りにおいて把持対象物を的確に把持することが可能となる。また、上述の通り第1モード及び第2モードにわたってバネ181の付勢力は付与され、ハンド機構1の指が閉じる方向の駆動力に対して補助が行われる。この付勢力は、構造の簡素な単関節指80C側に付与されることで、ハンド機構1の構造をいたずらに複雑化することなく、また、ハンド機構1の制御性を悪化させることなく、効果的なリニアアクチュエータ31の出力補助を実現し、ハンド機構1の小型化を促進し得るものである。
ところで、ハンド機構1において、把持対象物が一方の多関節指80Aの第1指部81に当接する位置と、他方の指80Bの第1指部81に当接する位置とが異なっている場合、両者の第3接続部113の位置は同一位置のまま、多関節指80Aと多関節指80Bは、第2モードにおいてそれぞれ異なる独立した動作を行う。即ち、並列に配置した2組の多関節指80A、80Bを同時に単一の駆動機構30によって駆動するだけで、把持しようとする把持対象物の形状に応じて多関節指80A、80Bそれぞれの第1指部81、第2指部91、第3指部101の屈曲状態を容易に異ならせることができ、以て、安定した把持対象物の把持が可能となる。
また、上述のハンド機構1では、第1指部81と第2指部91と第3指部101は何れも板材をU字状に折り曲げてその中央の底面部82、92、102を内側に向けて配置しているので、これら底面部82、92、102を把持対象物との当接面として直接機能させることができる。このため当接面となる部品を別途取り付ける必要がなく、構造の簡素化、軽量化が図れる。
また、ハンド機構1においては、第2指部91の第2接続部97よりも根元側に突出させた部分に第4接続部115を設けたので、第2接続部97、第4接続部115が高さ方向に重ならず、これによって第1指部81、第2指部91を接続した第2接続部97近傍部分の高さ寸法の薄型化を図ることができる。同じように、第4接続部115の一部が第1指部81の外側に開口する開口部分85内に入り込むことで、第1指部81の内部を第4接続部115の揺動スペースの一部として使用することになる。この結果、第1指部81に対して第2指部91を内側に折り曲げた際に第4接続部115が第1指部81の開口部分85内から外側に向けて突出する突き出し量(突き出し寸法)を小さくすることができる。これにより、第1指部81、第2指部91間の折り曲げ状態にかかわらず、第1指部81、第2指部91を接続した第2接続部97近傍部分の高さ寸法の薄型化を図ることができる。
一方、第2接続部97よりも先端側に突出させた部分に第6接続部123を設けているので、第2接続部97、第6接続部123は高さ方向に重ならない。第6接続部123は第3指部101を駆動する第2駆動部121を連結するために第1指部81に設けたものであるが、これによっても第1指部81および第2指部91を接続した第2接続部97近傍部分の高さ寸法の薄型化を図ることができる。また、第2指部91に設けた第6接続部
挿入凹部931を第1指部81の左右両側面部83の間に配置したので、第6接続部123が第2指部91から外側に向けて突出する突き出し量(突き出し寸法)を小さくできる。つまり、第1指部81、第2指部91間の折り曲げ状態にかかわらず、第1指部81、第2指部91を接続した第2接続部97近傍部分の高さ寸法の薄型化を、この構成からも図ることができる。
なお、第1駆動部111、第2駆動部121は何れも棒状の平板なので、第2指部91の両側面部93の間に嵌り込む構成を採用しても、両側面部93間の幅を小さくでき、第2指部91を必要最小限の幅寸法にすることができる。
(ハンド機構1による耐荷重姿勢)
上述のように、ハンド機構1は、駆動機構30の駆動力により多関節指80A、80Bと単関節指80Cとを用いて、第1モードと第2モードによる把持対象物の把持動作を実現可能とする。ここで、図1に戻る。上記の通り、単関節指80Cは、それを構成する第4指部180が、取付部材10に対して第8接続部200を中心に回転自在に接続されている。したがって、当該第8接続部200が本発明に係る第1取付接続部に相当するとともに、単関節指80Cが、本発明に係る第1指に相当する。また、多関節指80A、80Bについては、それを構成する第1指部81が、取付部材10に対して第1接続部87を中心に回転自在に接続されている。したがって、当該第1接続部87が本発明に係る第2取付接続部に相当するとともに、多関節指80A、80Bが、本発明に係る第2指に相当する。そして、取付部材10においては、第8接続部200の近くに、金属製の棒状のストッパ11が設けられている。ストッパ11は、第4指部180が第8接続部200を中心に取付部材10に近づくように回転してきたときに、第4指部180が取付部材10に接触する前に第4指部180の受け部180aと接触し、第4指部180のそれ以上の回転を阻止する。したがって、単関節指80Cに含まれる第4指部180が、本発明に係る所定の回転指部に相当し、また、ストッパ11は、単関節指80Cの第4指部180の取付部材10に近接する回転に関し事実上の可動範囲を決定する部材であり、本発明に係る接触部材に相当する。
そして、ハンド機構1の把持空間300内に把持対象物が存在しない状態で、図5に示す状態からハンド機構1を第1モードで駆動していくと、多関節指80A、80Bの先端部と単関節指80Cの先端部との間の距離が縮まっていき、ハンド機構1は図10に示すつまみ可能な姿勢(本発明に係る所定の姿勢)をとることになる。更にこの状態からリニアアクチュエータ31が駆動すると、把持空間300に把持対象物が存在しないため、各指は第2モードで駆動されることなく、引き続き第1モードで駆動されることになる。そして、単関節指80Cの第4指部180の受け部180aが、ストッパ11と接触して単関節指80Cの回転が阻止され、リニアアクチュエータ31が駆動停止する。このように第2モードでの駆動が行われる前に単関節指80Cがストッパ11によってその回転が阻止されるまで、単関節指80Cと多関節指80A、80Bとが閉じ、両者が交差した所定の閉状態となったとき、ハンド機構1は耐荷重姿勢をとることになる。以降、この耐荷重姿勢について図13及び図14に基づいて説明する。
図13はハンド機構1が耐荷重姿勢をとっているときの各指の所定の閉状態を示す図である。また、図14は、その所定の閉状態にあるハンド機構1に関し、第4指部180とストッパ11との接触状態が把握可能となるように、取付部材10の内部を可視化したものであり、更に、多関節指80A、80Bに関連する構成の図示を省略したものである。このようにハンド機構1が所定の閉状態に置かれているとき、棒状のストッパ11に対して第4指部180が上から覆うように接触しており、より具体的には、凹状に形成されている受け部180aにストッパ11が嵌まり込んでいる状態となっている(図14を参照)。更に、この閉状態においては、ハンド機構1の取付部材10の基部10a(各指が設
けられている部位とは反対側の部位。図13、図14を参照。)に対して垂直の方向(図13に矢印で示す方向であり、以降「所定方向」という)において、第4指部180に設けられた突起部183の荷重接触面183aが、多関節指80A、80Bに関する構成よりも外側に位置している。
このような閉状態における構成をハンド機構1が有することで、所定方向に沿ってハンド機構1に対して外部から荷重(外力)が掛けられたとき、第4指部180の突起部183が、その荷重接触面183aでその荷重を受けることになり、多関節指80A、80Bには荷重は掛からないことになる。そして、第4指部180はその内側の受け部180aでストッパ11に接触しているため、当該荷重印加時においては、荷重により第4指部180はストッパ11に押し付けられ、換言すれば第4指部180に印加された荷重は実質的にストッパ11によって支持されることになる。ストッパ11は取付部材10に直接固定されており、結果として外部からの荷重は、取付部材10によって支えられることになり、多関節指80A、80Cには作用しにくくなるため、多関節指80A、80Bを構成する各指部等に過大な荷重が掛かることを回避できる。これにより、第1モード及び第2モードでの駆動を実現するためのリンク機構を有するハンド機構1において、外部からの荷重に対しても十分な耐荷重性を発揮させることが可能となる。
また、上記耐荷重性は、第4指部180の受け部180aとストッパ11との接触によって実現されている。ストッパ11自体は、図1に示すように取付部材10の内部に配置されるものであり、把持空間300にその一部が飛び出す形状を有するものではない。そのため、本実施例では、ハンド機構1の把持能力を阻害することなく、ハンド機構1に対して上記耐荷重性を付与することが可能となる。
なお、図13を見ると理解できるが、ハンド機構1が所定の閉状態に置かれているとき、第4指部180の先端部についても多関節指80A、80Bより外側に位置している。そのため、外部からの荷重が第4指部180の先端部に掛かる場合でも、当該荷重をストッパ11で受け且つ多関節指80A、80Bに当該荷重が掛かりにくい状態とすることが可能である。ただし、単関節指80Cにおいては、第4指部180は第8接続部200で回転自在に支持されており、その先端部で荷重を受けると第8接続部200回りのモーメントが大きくなりやすく、ストッパ11や第8接続部200に掛かる負荷が大きくなる。そのため、外部からの荷重を受けるには、第4指部180の先端部よりも荷重接触面183aで荷重を受けるのが好ましいが、ストッパ11等への負荷が過大に大きくならない限りにおいて、第4指部180の先端部での荷重印加も可能である。
ここで、ハンド機構1の用途例として、ロボットへの装着が考えられる。ヒューマノイド型のロボットに搭載することで、把持対象物の把持動作を行うことが可能となる。そのような場合、更に、図15に示すように、ロボットが座り込んだ状態から立ち上がろうとする立ち上がり動作時に、ハンド機構1を利用することも可能である。すなわち、ロボットの立ち上がり動作時に、ロボットの自重の一部をハンド機構1で支えることで、ロボットを立ち上がらせるために必要な、膝、足首、股関節等のアクチュエータの出力を軽減させることができる。なお、この立ち上がり動作時においては、第4指部180の突起部183の荷重接触面183aで、ロボットの立つ地面を押すようにハンド機構1の姿勢が制御される。この他、荷重接触面183aを介して対象物を打ち込むような打撃動作を行うことも可能である。
<変形例1>
上記実施例のハンド機構1では、単関節指80Cの根元近くにストッパ11を設けているが、これに代えて多関節指80A、80B側にストッパ11を設けてもよい。この場合、多関節指80A、80Bの構成のうち、取付部材11に第1接続部87を介して回転自
在に取り付けられている第1指部81が、取付部材10側に設けられたストッパ11に接触するとともに、第1指部81に突起部183に相当する構成(突起構成)が配置される。そして、ハンド機構が図13等に示す所定の閉状態に置かれたときに、第1指部81の突起構成が単関節指80Cの第4指部180よりも外側に位置することで、外部からの荷重を当該突起構成で受けやすくする。このような構成により、多関節指80A、80B側で荷重を受け得る耐荷重姿勢をハンド機構1で実現することも可能である。
<変形例2>
上記実施例のハンド機構1では、第4接続部115の一部を第1指部81の開口部分85内に入り込ませたが、第4接続部115の全部を第1指部81の開口部分85内に入り込ませてもよい。また、連結部材50以外の部材(例えばリニアガイド等)によってリニアアクチュエータ31の駆動力を第3接続部113に伝達してもよい。
<変形例3>
また上記実施例のハンド機構1では、多関節指80Aと多関節指80Bにおけるリンク機構は同一としているが、両多関節指におけるリンク機構の構成を異ならせてもよい。すなわち、第1接続部87、第2接続部97、第3接続部113、第4接続部115の何れかの位置を両多関節指80A、80B間で異ならせてもよい。
<変形例4>
また、上記実施例のハンド機構1において、多関節指及80Aと多関節指80Bの先端部の、特に第1モードで把持対象物をつまみ動作によって把持する際に把持対象物に接触する部位に溝部を設け、単関節指80Cの先端部の、特に第1モードで把持対象物をつまみ動作によって把持する際に把持対象物に接触する部位に、把持対象物との接触により変形可能な変形部を設けてもよい。溝部の形成は、つまみ動作によって把持対象物を滑らずに把持するために有効であるが、多関節指及80A及び多関節指80Bの先端部と、単関節指80Cの先端部の両方に溝部が形成されると、仮に溝部に把持対象物の一部が嵌まってしまった場合に、把持対象物を非常に不安定な状態でつまみ上げてしまう可能性がある。そこで、このような不安定なつまみ動作を回避するために、一方の指の先端部を把持対象物の形状にならって変形しうる変形部を形成することで、第1モードでの把持動作を確実なものとすることができる。したがって、溝部が形成されるのが単関節指80Cの先端部であって、変形部が形成されるのが多関節指及80Aと多関節指80Bの先端部であってもかまわない。
1・・・ハンド機構、10・・・取付部材、11・・・ストッパ(接触部材)、30・・・駆動機構、31・・・リニアアクチュエータ、50・・・連結部材、80A、80B・・・多関節指(第2指)、80C・・・単関節指(第1指)、81・・・第1指部、82・・・底面部、83・・・側面部、87・・・第1接続部(第2取付接続部)、91・・・第2指部、92・・・底面部、93・・・側面部、93a・・・甲側の辺、931・・・第6接続部挿入凹部、97・・・第2接続部、101・・・第3指部、107・・・第5接続部、111・・・第1駆動部、113・・・第3接続部、115・・・第4接続部、121・・・第2駆動部、123・・・第6接続部、125・・・第7接続部、180・・・第4指部、180a・・・受け部、183・・・突起部、183a・・・荷重接触面、190・・・連結部、200・・・第8接続部(第1取付接続部)、201・・・第9接続部、202・・・第10接続部、300・・・把持空間

Claims (4)

  1. 取付部材と、
    駆動アクチュエータからの駆動力を伝える駆動部と、
    一又は複数の指部から構成され、前記取付部材に対して第1取付接続部を中心に回転自在に取り付けられた第1指と、
    前記第1指と接続され、且つ、前記取付部材に対して第2取付接続部を中心に回転自在に取り付けられた第2指であって、前記駆動部からの駆動力により該第1指に対して近接するように該第1指とともに該取付部材に対して回転する第2指と、
    を備えるハンド機構であって、
    前記第1指の前記一又は複数の指部には、前記第1取付接続部による回転中心を含む所定の回転指部が含まれ、
    前記取付部材は、前記第1指が前記第1取付接続部を中心として回転し且つ前記第2指が前記第2取付接続部を中心として回転し、該第1指と該第2指との相対的な回転が行われる回転面において該第1指と該第2指とが交差し、前記ハンド機構が耐荷重姿勢をとる所定の閉状態であるときに、該第1指の前記所定の回転指部が接触し、該所定の回転指部の該取付部材に対する回転を阻止し、該取付部材の内部に配置され該取付部材に固定された接触部材を有し、
    前記所定の回転指部が前記接触部材に接触し前記所定の閉状態である場合に、該所定の回転指部の所定部位が、該所定の閉状態において外部からの荷重を受けるように前記第2指より外側に位置する、
    ハンド機構。
  2. 前記第1指は、前記取付部材に対して前記第1取付接続部を中心に回転可能となるように接続された、前記所定の回転指部のみを有する単関節指である、
    請求項1に記載のハンド機構。
  3. 前記第1指は、前記取付部材に対して前記第1取付接続部を中心に回転可能となるように接続され、前記所定の回転指部を含む複数の指部同士が接続部を介して互いに回転可能となるように接続された多関節指である、
    請求項1に記載のハンド機構。
  4. 前記第1指の回転面及び前記第2指の回転面は互いに干渉せず、
    前記駆動部により前記第1指と前記第2指が回転され、該第1指と該第2指とによって把持対象物を把持し得る、前記ハンド機構の所定の姿勢を経て、該第1指が該第2指に対して更に回転されることで、前記所定の回転指部が前記接触部材に接触し、該ハンド機構が前記所定の閉状態に至る、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載のハンド機構。
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