JP6372934B2 - 移動間仕切り壁 - Google Patents

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Description

本発明は、移動間仕切り壁に関する。
従来、移動間仕切り壁は、展示場や美術館等の室内を間仕切りする際に、光や音が、移動壁本体と天井の間や、床との間から、漏れるのを防止するために、移動壁本体に可動式の遮蔽部材を設け、その遮蔽部材を複数組のラック・ピニオン機構で連動連結したものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特許第5667616号公報
しかし、ラック・ピニオン機構は、噛合による摩擦力が大きく、遮蔽部材を作動させるために強い力(大径)のガススプリングを複数本設ける必要があった。また、ラック・ピニオンの製作や、複数のラック部材と複数のピニオン部材との相互間寸法の位置決めを、高精度におこなう必要があり、手間と時間(製造コスト)がかかるという問題があった。また、部品点数が多く、構造が複雑で移動間仕切り壁全体が重くなり、走行(移動)時の使い勝手が悪くなるという問題もあった。
そこで、本発明は、天井側遮蔽部材と床側遮蔽部材とを容易に連動でき、迅速な遮蔽作動が可能で、しかも、構造の簡素化及び軽量化を実現可能な移動間仕切り壁の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の移動間仕切り壁は、左右方向に走行する移動壁本体と、該移動壁本体に設けた天井側遮蔽部材と、上記移動壁本体に設けた床側遮蔽部材と、上記天井側遮蔽部材に上端部が連結された第1連結部材と、上記床側遮蔽部材に下端部が連結された第2連結部材と、上記天井側遮蔽部材と上記床側遮蔽部材とに遮蔽用作動力を付与するための作動用弾発付勢部材と、上記天井側遮蔽部材の上昇及び上記床側遮蔽部材の降下を阻止するためのロック手段と、を備えた移動間仕切り壁に於て、正面視で上記移動壁本体の中央領域の内部空間に回動自在に配設された回動部材を備え、上記回動部材に、上記天井側遮蔽部材に昇降力を伝達するための上記第1連結部材の下端部と、上記床側遮蔽部材に昇降力を伝達するための上記第2連結部材の上端部と、上記ロック手段のロック力伝達部材の先端部と、を枢結し、上記作動用弾発付勢部材の基端部を上記移動壁本体の内部固定部に枢着すると共に、上記作動用弾発付勢部材の先端部を上記ロック力伝達部材の中間部に枢結して、上記ロック力伝達部材を、上記作動用弾発付勢部材の遮蔽用作動力を上記回動部材へ伝達するための部材と併用したものである。
また、上記作動用弾発付勢部材は、ガススプリングであって、前後方向に並列状に2本設けているものである。
本発明によれば、天井側遮蔽部材と床側遮蔽部材を簡素な構造をもって連動連結でき、容易かつ迅速に製造できる。製造効率を向上させると共に、製造コストを大幅に削減できる。また、軽量・薄型に容易に製作できる。作動時の摩擦が少なく、動力の伝達ロスが少なくなって、小さな動力源で、スムーズに効率良く各遮蔽部材を作動させることができる。軽量で容易に軽い力で走行させることができて使い勝手を向上できる。
本発明の実施の一形態を示す正面図であって、(a)は間仕切り開始状態を示す正面図であり、(b)は間仕切り途中状態を示す正面図である。 本発明の実施の一形態を示し、非遮蔽状態の要部断面正面図である。 遮蔽状態の要部断面正面図である。 非遮蔽状態の要部拡大図である。 遮蔽状態の要部拡大図である。 遮蔽状態の要部拡大断面側面図である。
以下、図示の実施形態に基づき本発明を詳説する。
本発明に係る移動間仕切り壁は、図1(a)に示すように、天井12から吊り下げられる複数枚の正面視長方形状の移動壁本体1,1を備え、吊下部材19によって天井12から吊下支持され、図示省略の天井側ガイドレールに沿って、室内の左右一方側Eeの側壁に向かって走行し、室内を間仕切りするように平面視一直線状に配設される。
移動壁本体1は、移動壁本体1の上端縁部1aに上下移動可能に設けられた天井側遮蔽部材2と、移動壁本体1の下端縁部1bに上下移動可能に設けられた床側遮蔽部材3と、を備えている。
図1(b)に示すように、天井側遮蔽部材2にて移動壁本体1の上端縁部1aと室内の天井12との間を遮蔽すると共に、床側遮蔽部材3にて移動壁本体1の下端縁部1bと室内の床13との間を遮蔽して、遮音や遮光可能に室内を間仕切りするものである。
図2に示すように、天井側遮蔽部材2及び床側遮蔽部材3は、横断面コの字状の遮蔽本体部20,30を有し、非遮蔽状態で、移動壁本体1の正面壁部材10と背面壁部材11の間に内嵌状に収納されている。
そして、天井側遮蔽部材2に上端部62aが連結され天井側遮蔽部材2に昇降力を伝達するための第1連結部材62と、床側遮蔽部材3に下端部63bが連結され床側遮蔽部材3に昇降力を伝達するための第2連結部材63と、を備えている。
第1連結部材62と天井側遮蔽部材2の連結構造、及び、第2連結部材63と床側遮蔽部材3の連結構造は、各遮蔽部材2,3に固着される支持部材に、前後水平状軸心をもって各連結部材62,63を枢着した連結構造としているが、この連結構造は自由であって、各遮蔽部材2,3と各連結部材62,63との間に、コイルスプリングやクッションゴム等の弾発付勢部材を介在させる連結構造や、半球状凹部(球面座)と半球状凸部との摺接による連結構造や、長孔と該長孔に移動自在に差し込まれるピンとの連結構造や、係止部同士による連結構造とするも良い。
さらに、図2及び図3に示すように、正面視で移動壁本体1の中央領域の内部空間に回動自在に配設された1つの回動部材6を備えている。
ここで、「正面視で移動壁本体1の中央領域に回動自在に配設」とは、移動壁本体1の左右一方側端縁部1eから、移動壁本体1の幅寸法Wの40%以上60%以下の範囲、かつ、移動壁本体1の下端縁部1bから、移動壁本体1の上下寸法Hの40%以上60%以下の範囲に、回動部材6の回動軸心L6が配設されて、回動部材6が移動壁本体1の内部固定部に枢着していることをいう。また、内部空間は、正面壁部材10と背面壁部材11との間の空間をいう。回動部材6は移動壁本体1の内部固定部に両持ち支持される枢支軸によって枢着されている。
そして、1つの回動部材6に、第1連結部材62の下端部62bを前後水平状の第1枢結軸心Lb廻りに揺動自在に直接的(リンク部材を介さず)に枢結すると共に、第2連結部材63の上端部63aを前後水平状の第2枢結軸心Lc廻りに揺動自在に直接的(リンク部材を介さず)に枢結している。
回動部材6が回動軸心L6廻りに回動した際に、第1連結部材62の下端部62b(第1枢結軸心Lb)と、第2連結部材63の上端部63a(第2枢結軸心Lc)と、が相互に異なる上下方向に移動(回動軸心L6を支点としてシーソー状移動)するように、各軸心L6,Lb,Lcを配設している。
つまり、図2及び図4の非遮蔽状態から、回動部材6が、回動軸心L6廻りの回転一方向N1に回転すると、図3及び図5に示すように、第1連結部材62が上昇すると共に第2連結部材63が降下して、遮蔽状態となるように構成している。
言い換えると、図3及び図5の遮蔽状態から、回動部材6が回転軸心L6廻りの回転他方向N2へ回動すると、第1連結部材62が降下すると共に第2連結部材63が上昇して図2及び図4に示す遮蔽状態となる。
また、回動部材6及び後述のロック力伝達部材91を介して、天井側遮蔽部材2と床側遮蔽部材3とを、移動壁本体1の外方へ、つまり、天井側遮蔽部材2に上昇力を付与して天井側へ、床側遮蔽部材3に降下力を付与して床側へ移動するように弾発付勢する作動用弾発付勢部材60を備えている。
作動用弾発付勢部材60は、伸長する方向に押し力を発揮するガススプリング(ガスダンパー)から成り、各遮蔽部材2,3を作動させるための機械的な駆動源である。従って、作動用の電気モータを設ける必要がなく、電源等の配線も必要なく容易に製作できる。また、モータ等の作動音が無く、静かに作動させることができる。電気的な駆動に頼らず、機械的な駆動が可能で、停電等の災害時にも使用できる。
作動用弾発付勢部材60は、移動壁本体1の内部空間に配設され、基端部60bを前後水平状の揺動軸心をもって移動壁本体1の内部固定部に枢着すると共に、先端部60aを前後水平状の作動源用枢結軸心Lgをもってロック力伝達部材91の左右方向の中間部91cに枢結している。このように設けることで、部品点数の削減、構造の簡素化、軽量化を実現している。
作動用弾発付勢部材60は、図2及び図4の短縮状態から図3及び図5の伸長状態に切り換わることで、ロック力伝達部材91を介して(左右一方側Eeへ移動させて)、回動部材6を回転一方向N1に回動させるように設けている。また、作動用弾発付勢部材60は、傾斜状姿勢で、図6に示すように、前後方向に並列状に(並べて)2本設けている。
さらに、作動用弾発付勢部材60の弾発力による回動部材6の回動を阻止して、天井側遮蔽部材2の上昇及び床側遮蔽部材3の降下を阻止するためのロック手段9を備えている。
ロック手段9は、回動部材6に先端部91aが枢結されロック状態(図2及び図4)で弾発付勢部材60の弾発力による回動部材6の回動を阻止するため、言い換えると、作動用弾発付勢部材60が短縮状態から伸長状態に切り換わるのを阻止するためのロック力伝達部材91を備えている。
ロック力伝達部材91は、左右方向に沿って配設された板状乃至棒状であって、先端部91aが前後水平状のロック用枢結軸心Ldをもって、回動部材6に揺動自在に枢結している。また、ロック力伝達部材91は、遮蔽用作動力を回動部材6へ伝達する部材でもある。
つまり、回動部材6には、第1連結部材62と第2連結部材63とロック力伝達部材91とが枢結されており、各枢結軸心Lb,Lc,Ldは、回動軸心L6を中心として回動軸心L6廻りに配設されている。
また、図6に示すように、回動部材6は、板状であって(板材から成り)、第1連結部材62が枢結する第1片部6bと、第2連結部材63が枢結する第2片部6cと、ロック力伝達部材91が枢結する第3片部6dと、第4片部6eと、を有し、第1片部6bと第2片部6cとを前後方向略同位置に配設し、第3片部6dと第4片部6eとを前後方向略同位置に配設し、第1・第2片部6b,6cと、第3・第4片部6d,6eと、を前後方向異なる位置に配設して、狭い内部空間を効率良く有効利用している。
また、正面視で、第1片部6bと第2片部6cとを回動軸心L6を中心として相互に約180度の反対位置に配設し、第3片部6dと第4片部6eとを回動軸心L6を中心として相互に約180度の反対位置に配設し、全体として略十字型に形成することで、回動部材6の重心位置が正面視で回動軸心L6と略同位置となり、バランスのとれたスムーズな回動を実現しつつ、回動部材6の軽量化を実現している。また、第4片部6eは、ロック力伝達部材91の左右方向の移動をスムーズにする(負荷を軽減する)ためのカウンターバランスとしても作用する。
また、ロック手段9は、ロック力伝達部材91の移動を阻止することで回動部材6の回動を阻止し、ロック力伝達部材91の移動阻止の解除(ロック解除)にて回動部材6を回動可能状態(回動許可状態)にするように構成したものであれば良い。
図4及び図5に於て、ロック手段9は、ロック力伝達部材91の基端部91bが下端部93bに枢結され中間部93cが移動壁本体1の内部固定部に枢支され上端部93aにロック用切欠部93dを有するL字状の揺動ロック部材93と、ロック状態でロック用切欠部93dに入り込んで揺動ロック部材93の枢支軸心L9廻りの揺動を阻止する係合凸部94dを有すると共に左右方向に走行するための車輪94fを有する(左右方向スライド自在な)ロック用スライド部材94と、車輪94fが走行すると共に移動壁本体1の内部固定部に固着されたロック用レール部材97と、ロック用スライド部材94を左右他方側Edへ常時弾発付勢する引張コイルバネ等のロック用弾発付勢部材95と、枢支軸心L9廻りに揺動自在に設けたロック用操作レバー96と、を備えている。
揺動ロック部材93の切欠部93dは、係合凸部94dが係合したロック状態で、左右一方側Eeへ開口するコの字状に形成されている。
また、ロック用弾発付勢部材95は、ロック状態で、係合凸部94dが切欠部93dから離脱しないように(左右他方向側Edへ押し込むように)スライド部材94を弾発付勢する。揺動ロック部材93は、切欠部93d内に係合凸部94dが係合されることで、枢支軸心L9廻りの揺動が阻止される。
ここで、ロック力伝達部材91は、作動用弾発付勢部材60の弾発力によって左右一方側Eeへ移動して回動部材6を回転一方向N1へ回動しようとする左右一方側Eeへの引張力(作動力)Faを受けている。揺動ロック部材93の下端部93bは、ロック力伝達部材91を、引張力Faに抗して引き込んだ所定ロック位置に保持するものである。つまり、ロック力伝達部材91は、ロック状態において、作動用弾発付勢部材60を短縮状態で保持するように(回動部材6の回動を阻止するように)所定ロック位置に固定されている(移動が阻止されている)。
ロック手段9は、図4のロック状態から、スライド部材94のロック解除用操作部94eを介して、操作者から左右一方側Eeへのスライド操作力Feを受けると、スライド部材94がロック用弾発付勢部材95の弾発力に抗して左右一方側Eeへ移動し、係合凸部94dが、切欠部93dから離脱し、揺動ロック部材93が枢支軸心L9廻りに揺動自在となる。つまり、ロック力伝達部材91が左右一方側Eeへ移動可能となり、回動部材6が回動可能なロック解除状態となる。すると、作動用弾発付勢部材60が伸長して、ロック力伝達部材91を左右一方側Eeへ移動させ、回動部材6を回転一方向N1に回転させて、第1連結部材62が上昇すると共に第2連結部材63が降下して遮蔽状態となる。
その後、スライド操作力Feが解除されると、スライド部材94は、ロック用弾発付勢部材95によって左右他方側Edへ移動し、係合凸部94dはロック状態のときの位置を通過するように左右他方側Edへ移動、或いは、ロック状態のときと同じ位置に配設されるが、ロック力伝達部材91が、引張力Faを受けて、揺動ロック部材93の下端部93bを左右一方側Eeへ移動させ、上端部93aを枢支軸心L9廻りに揺動させるため、係合凸部94dと切欠部93dは係合せず、図5に示すようにロック解除状態が保持される。
また、ロック解除状態から再びロック状態にするロック操作は、ロック用操作レバー96の把持部96bを引き上げて枢支軸心L9廻りに揺動させ、ロック用操作レバー96に設けた当り凸部96aを左右一方側Eeかつ下方へ移動させ、スライド部材94及び揺動ロック部材93に押し当てて、スライド部材94を左右一方側Eeへ移動させると共に、揺動ロック部材93を枢支軸心L9廻りに揺動させ、ロック力伝達部材91を引張力Faに抗して引き込む。すると、作動用弾発付勢部材60が弾発力に抗して短縮させられると共に、回動部材6が作動用弾発付勢部材60の弾発力に抗する回転他方向N2に回転する。また、ロック用操作レバー96を揺動させることで、揺動ロック部材93の切欠部93d近傍に設けたガイド勾配面93eに係合凸部94dを摺接させつつ押圧して、スライド部材94を左右一方側Eeへ移動させる。切欠部93dが左右一方側Eeに開口するコノ字となるように配設されると、スライド部材94はロック用弾発付勢部材95の引張力により係合凸部94dが切欠部93d内に落ち込むように移動して係合し、係合凸部94dが揺動ロック部材93の揺動を規制したロック状態となる。その後、ロック用操作レバー96を、操作前の姿勢に戻してロック操作完了となる。
次に、本発明の移動仕切り壁の使用方法(作動)について説明する。
図1に示すように、複数枚の移動壁本体1,1が平面視一直線状に配設された状態に於て、各移動壁本体1,1と天井12の間には走行のために設けた隙間が形成されると共に、各移動壁本体1と床13との間に走行のために設けた隙間が形成される。
移動壁本体1は、図2及び図4に示す非遮蔽状態から、ロック手段9のロック解除用操作部94eを操作すると、ロック解除状態となってロック力伝達部材91が移動自在となり、回動部材6が回動自在となる。
作動用弾発付勢部材60が伸長し、回動部材6が回転一方向N1に回転し、図3及び図5に示すように、回動部材6が第1連結部材62を押し上げると共に第2連結部材63を降下させる。回動部材6にて第1連結部材62が押し上げられ天井側遮蔽部材2が天井12に当接すると共に、第2連結部材63が押し下げられて床側遮蔽部材3が床13に当接し、遮蔽状態となる。
また、遮蔽を解除する場合は、図3及び図5の遮蔽完了状態からロック手段9のロック用操作レバー96を操作して、揺動ロック部材93を揺動させて、ロック力伝達部材91を左右他方向側Edへ引き込むように移動させる。つまり、操作レバー96の操作力を、ロック力伝達部材91を介して、作動用弾発付勢部材60を短縮させつつ回動部材6を回転他方向N2へ回転させて第1連結部材62への降下作動力及び第2連結部材63への上昇作動力に変換している。また、操作レバー96の操作にて、ロック力伝達部材91を左右他方側Edへ引き込んだ状態で、ロック用切欠部93dに係合凸部94dが係合して、揺動ロック部材93の揺動が阻止され、ロック力伝達部材91が所定ロック位置に停止される。
ロック力伝達部材91が左右他方側Edへ引き込まれる際、作動用弾発付勢部材60が短縮し、回動部材6は、作動用弾発付勢部材60の弾発力に抗する方向(回転他方向N2)へ回動し、第1連結部材62を降下させると共に、第2連結部材63を上昇させ、第1連結部材62の降下にて天井12から天井側遮蔽部材2を離間させると共に、第2連結部材63の上昇床13にて、床側遮蔽部材3を離間させて、非遮蔽状態となる。
次に、他の実施形態は、図示省略するが、移動壁本体1と、室内の左右一方側Ee又は左右他方側Edの側壁面と、の間を遮蔽するための側壁側遮蔽部材を備え、さらに、側壁側遮蔽部材に先端部が連結され側壁側遮蔽部材に左右方向の移動力を伝達するための第3連結部材を具備している。
そして、第3連結部材の基端部を、回動部材6の第4片部6eに枢結したものである。このように構成することで、全体の簡素化及び軽量化を図りながらも、移動壁本体1と室内の側壁面との間を遮蔽でき、遮音性や遮光性をより向上できる。天井側遮蔽部材2、床側遮蔽部材3、第1・第2連結部材62,63、回動部材6、ロック手段9、作動用弾発付勢部材60等の他の構成及び作用効果は上述の実施形態と同様である。
なお、本発明は、設計変更可能であって、回動部材6の正面視形状は、図例の十字型に限らず、T字型や、円板型、三角板型や矩形型や多角形型等自由である。また、図示省略したが、天井側遮蔽部材2は遮蔽本体部20の天井側面に、床側遮蔽部材3は遮蔽本体部30の床側面に、側壁面側遮蔽部材は遮蔽本体部の側壁面側に、シール用パッキン部材を有している。なお、本発明に於て側壁面とは、壁や柱、ロッカーや棚等の家具等の面である。移動壁本体1の内部固定部は、移動壁本体1の内部空間に接する正面壁部材10、背面壁部材11、枠体、補強部材、或いは、それらに固着され内部空間に配設された固定部材等自由である
以上のように、本発明の移動仕切り壁は、移動壁本体1の上端縁部1aに上下移動可能に設けられ上端縁部1aと室内の天井12との間を遮蔽するための天井側遮蔽部材2と、移動壁本体1の下端縁部1bに上下移動可能に設けられ下端縁部1bと室内の床13との間を遮蔽するための床側遮蔽部材3と、天井側遮蔽部材2に上端部62aが連結され天井側遮蔽部材2に昇降力を伝達するための第1連結部材62と、床側遮蔽部材3に下端部63bが連結され床側遮蔽部材3に昇降力を伝達するための第2連結部材63と、を備えた移動間仕切り壁に於て、正面視で移動壁本体1の中央領域の内部空間に回動自在に配設された回動部材6を備え、回動部材6に、第1連結部材62の下端部62bと、第2連結部材63の上端部63aとを、枢結したので、天井側遮蔽部材2と床側遮蔽部材3とを簡素な構造をもって機械的に連動連結でき、軽量・薄型に容易に製作できる。また、作動時の摩擦が少なく(伝達ロスが少なく)スムーズに効率良く各遮蔽部材2,3を移動させることができる。従って、小さな動力源(小径のガススプリング)で、遮蔽部材2,3を作動させることができる。容易かつ迅速に製造でき、製造効率を向上させ製造コストを大幅に削減できる。軽量化を実現でき、容易に軽い力で走行(移動)させることができて使い勝手を向上できる。
また、天井側遮蔽部材2の上昇及び床側遮蔽部材3の降下を阻止するためのロック手段9を備え、ロック手段9は、回動部材6に先端部91aが枢結されロック状態で回動部材6の回動を阻止するためのロック力伝達部材91を具備しているので、ロック操作力を効率良く第1・第2連結部材62,63に伝達できる。部品点数を削減でき、全体の簡素化・軽量化が図れる。
1 移動壁本体
1a 上端縁部
1b 下端縁部
2 天井側遮蔽部材
3 床側遮蔽部材
6 回動部材
9 ロック手段
12 天井
13 床
L6 回動軸心
62 第1連結部材
62a 上端部
62b 下端部
63 第2連結部材
63a 上端部
63b 下端部
91 ロック力伝達部材
91a 先端部
91b 基端部
91c 中間部

Claims (2)

  1. 左右方向に走行する移動壁本体(1)と、該移動壁本体(1)に設けた天井側遮蔽部材(2)と、上記移動壁本体(1)に設けた床側遮蔽部材(3)と、上記天井側遮蔽部材(2)に上端部(62a)が連結された第1連結部材(62)と、上記床側遮蔽部材(3)に下端部(63b)が連結された第2連結部材(63)と、上記天井側遮蔽部材(2)と上記床側遮蔽部材(3)とに遮蔽用作動力を付与するための作動用弾発付勢部材(60)と、上記天井側遮蔽部材(2)の上昇及び上記床側遮蔽部材(3)の降下を阻止するためのロック手段(9)と、を備えた移動間仕切り壁に於て、
    正面視で上記移動壁本体(1)の中央領域の内部空間に回動自在に配設された回動部材(6)を備え、
    上記回動部材(6)に、上記天井側遮蔽部材(2)に昇降力を伝達するための上記第1連結部材(62)の下端部(62b)と、上記床側遮蔽部材(3)に昇降力を伝達するための上記第2連結部材(63)の上端部(63a)と、上記ロック手段(9)のロック力伝達部材(91)の先端部(91a)と、を枢結し
    上記作動用弾発付勢部材(60)の基端部(60b)を上記移動壁本体(1)の内部固定部に枢着すると共に、上記作動用弾発付勢部材(60)の先端部(60a)を上記ロック力伝達部材(91)の中間部(91c)に枢結して、上記ロック力伝達部材(91)を、上記作動用弾発付勢部材(60)の遮蔽用作動力を上記回動部材(6)へ伝達するための部材と併用したことを特徴とする移動間仕切り壁。
  2. 上記作動用弾発付勢部材(60)は、ガススプリングであって、前後方向に並列状に2本設けている請求項1記載の移動間仕切り壁。
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