JP6371659B2 - 砂地に潜る二枚貝生息域の底質の改良剤及び改良方法 - Google Patents

砂地に潜る二枚貝生息域の底質の改良剤及び改良方法 Download PDF

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Description

本発明は、しじみ、あさり、はまぐりに代表される砂地に潜る二枚貝生息域の底質の改良剤及び改良方法に関する。
日本国内で、しじみ、あさり、はまぐりなどの砂地に潜る二枚貝は、味噌汁やお吸い物の具、佃煮や時雨煮の材料として広く利用されている。しじみの日本国内での在来種としては、やまとしじみ、ましじみ及びせたしじみが知られている。やまとしじみは汽水域の湖沼もしくは河口の底質の砂地に、ましじみは淡水域の湖沼もしくは河川の底質の砂地に生息している。せたしじみは琵琶湖にのみ生息する固有種である。あさり及びはまぐりは主に内湾の底質の砂地に生息している。砂地に潜る二枚貝の漁獲高は全体として減少傾向が続いている。特許文献1には、やまとしじみを含む濾過食性二枚貝の生育に底質環境の悪化が悪影響を及ぼす旨の記載がある。
特許文献1には、濾過食性二枚貝の飼育方法として、コンクリートで作製されているか、または、遮水シートで覆われた水路に濾過食性二枚貝を配置して、その水路に汽水を流す方法が記載されている。そして、この文献の実施例では、遮水シートで覆われた水路にやまとしじみを放流し、その水路にポンプを用いて汽水を流し続けている。
特許文献2には、悪化した閉鎖性水域の水質並びに底質の改善剤として、苦土系粉粒体の1種又は2種以上の材料によって構成され、そのMgO換算含有率が30%以上で水分率が20%以下であり、且つ水中に投入後自己崩壊する水質並びに底質改善剤が記載されている。そして、この文献には、苦土系粉粒体の例として水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムが記載されている。この文献の実施例6では上記の改善剤は車海老に対して毒性がないことが、そして実施例7では上記の改善剤がアオコの発生の抑制に有効であることがそれぞれ確認されている。
採取した二枚貝を食料とするための加工は、二枚貝の採取地の近隣で行われるのが一般的である。そして、二枚貝の食料への加工の際に大量に発生する貝殻は、その大部分が廃棄されている。
特開2006−345784号公報 特開平8−19774号公報
特許文献1に記載されている濾過食性二枚貝の飼育方法を利用して、商業的にしじみを養殖するためには大型の水路を作製し、汽水を流し続けるためのポンプとそのポンプを作動させる電気エネルギーが必要となる。一方、特許文献2に記載されている苦土系粉粒体によって構成された底質改善剤は、車海老に対して毒性がないとされている。このため、本発明の発明者は、特許文献2に記載の発明の発展として、苦土系粉粒体を含む粒状物がしじみの生息域の底質環境の改善に有効ではないかの期待のもとに検討した。その検討結果、苦土系粉粒体の一つである水酸化マグネシウム粉末のみを含む粒状物を、しじみ生息域の底質に散布すると、その底質に生息しているしじみの活動を抑える傾向があることが判明した。
従って、本発明の目的は、しじみなどの砂地を潜る二枚貝の活動を抑えずに、その二枚貝の生息域の底質環境を二枚貝の生息に好適な環境に改良することができる改良剤及び改良方法を提供することにある。
本発明の発明者は、砂地に潜る二枚貝の貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末及び/又は酸化マグネシウム粉末とを含む粒状物は、水酸化マグネシウム粉末のみを含む粒状物と比較して、しじみ生息域の底質に散布した場合に、しじみの活動を抑えるということが起こりにくいことを見出して、本願発明を完成させた。
すなわち、本発明は、砂地に潜る二枚貝の貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末及び/又は酸化マグネシウム粉末とを含む粒状物である砂地に潜る二枚貝生息域の底質改良剤にある。
本発明の底質改良剤の好ましい態様は、次の通りである。
(1)砂地に潜る二枚貝がしじみである。
(2)粒状物に含まれる貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末及び/又は酸化マグネシウム粉末との割合が質量比で50:50〜90:10の範囲にある。
(3)粒状物に含まれる貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末及び/又は酸化マグネシウム粉末との割合が質量比で60:40〜80:20の範囲にある。
本発明はまた、砂地に潜る二枚貝の貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末及び/又は酸化マグネシウム粉末とを含む粒状物を、二枚貝生息域に散布することからなる砂地に潜る二枚貝生息域の底質の改良方法にもある。
(1)砂地に潜る二枚貝がしじみである。
(2)貝殻粉末が、当該二枚貝生息域にて生息している二枚貝と同種の二枚貝の貝殻を粉砕して得た粉末である。
(3)貝殻粉末が、当該二枚貝生息域から採取した二枚貝の貝殻を粉砕して得た粉末である。
本発明の底質改良剤及び改良方法を用いることによって、しじみなどの砂地を潜る二枚貝の活動を抑えずに、その二枚貝の生息域の底質環境を二枚貝の生息に好適な環境に改良することができる。
本発明の底質改良剤は、砂地に潜る二枚貝の貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末及び/又は酸化マグネシウム粉末とを含む粒状物である。水酸化マグネシウム粉末及び酸化マグネシウム粉末は底質の改良剤として作用する。水酸化マグネシウム粉末及び酸化マグネシウム粉末が底質の改良剤として作用することは特許文献2に記載されている。貝殻粉末は、粒状物に含まれる水酸化マグネシウム粉末及び酸化マグネシウム粉末を希釈して、水酸化マグネシウム粉末及び酸化マグネシウム粉末による二枚貝の活動を抑える(例えば、二枚貝が砂地に潜らないようになる)傾向を抑制する作用があると考えられる。また、貝殻粉末は、底質に生息する魚介類のカルシウム栄養補給体としても作用する。貝殻粉末が魚介類の栄養補給体として利用できることは、特開2004−33133号公報に記載されている。
本発明の底質改良剤として用いる粒状物の形状としては、球状、楕円状、円柱状、円盤状、角柱状、立方体状、直方体状など任意の形状とすることができる。粒状物のサイズは、長径の長さで一般に0.5〜50mmの範囲、好ましくは1〜20mmの範囲である。貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末及び/又は酸化マグネシウム粉末との割合は、質量比で好ましくは50:50〜90:10の範囲(前者:後者)であり、特に好ましくは60:40〜80:20の範囲である。粒状物は、輸送中や二枚貝生息域に散布した後に容易に崩壊しないように、指で押したときに形状変化しないか、指で押した部分が僅かに潰れる程度の形状安定性を有することが好ましい。
粒状物は、貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末及び/又は酸化マグネシウム粉末とを含む粉末混合物を造粒することによって製造することができる。造粒方法としては、加圧成形法、押出成形法及び転動造粒法などの粉末の成形に用いられる一般的な方法を採用することができる。
貝殻粉末は粒子径が1mm以下であることが好ましく、特に0.5mm以下であることが好ましい。貝殻粉末の粒子径の下限は一般に0.001mmである。貝殻粉末は、貝殻を粉砕し、生成した粉砕物を分級することによって製造することができる。貝殻の粉砕には、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミルなどの粉砕装置を用いることができる。粉砕物の分級には篩を用いることができる。貝殻粉末は、底質改良の対象となる二枚貝生息水域の底質に生息している二枚貝と同種の二枚貝の貝殻を粉砕して得た粉末であることが好ましく、特に、底質改良の対象となる生息域から採取した二枚貝の貝殻を粉砕して得た粉末であることが好ましい。具体的には、二枚貝の採取地の近隣にある二枚貝の加工工場にて、二枚貝の食料への加工の際に大量に発生した貝殻を、その工場内もしくはその近隣の工場にて粉砕し、得られた貝殻粉末を利用して粒状物を製造し、その製造した粒状物を採取地に散布することが好ましい。こうすることによって、貝殻及び粒状物の輸送コストを抑えることができる。
水酸化マグネシウム粉末は、海水とアルカリ(例えば、水酸化カルシウム)との反応によって生成した水酸化マグネシウムを、精製、脱水、乾燥する方法(海水法)によって得られたものであることが好ましい。酸化マグネシウム粉末は、海水法によって得られた水酸化マグネシウム粉末を焼成することによって得られたものであることが好ましい。水酸化マグネシウム粉末及び/又は酸化マグネシウム粉末の粒径は、レーザ回折散乱法による平均粒子径で一般に0.5〜50μmの範囲、好ましくは1〜10μmの範囲である。
本発明の底質改良剤は、二枚貝生息域に散布することによって砂地に潜る二枚貝生息域の底質環境を改良することができる。砂地に潜る二枚貝の例としては、しじみ、あさり及びはまぐりを挙げることができる。二枚貝生息域は、二枚貝の漁場及び養殖場を含む。本発明の底質改良剤は、特にしじみ生息域の底質の改良剤として有用である。本発明の底質改良剤の散布量は、底質の面積1m2当たりの水酸化マグネシウム量として、一般に10〜2000gの範囲、好ましくは50〜1000gの範囲である。
[実施例1]しじみの貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末とを含む粒状物の作製(加圧成形)とやまとしじみに対する影響の評価
(1)粒状物の作製
やまとしじみの貝殻を粉砕機で粉砕し、生成した粉砕物を篩を用いて分級して、粒子径が0.5mm以下のしじみの貝殻粉末を得た。得られたしじみの貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末(平均粒子径:3μm)とを質量比で80:20の割合にて乾式混合して粉末混合物を得た。得られた粉末混合物1.0gを計り取り、これを直径10mmの金型に充填し、ハンドプレスを用いて加圧成形して、しじみの貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末とを含む円柱状の粒状物を作製した。
(2)やまとしじみに対する影響の評価
プラスチック製容器(縦100mm×横140mm×高さ40mm)に、豊浦標準砂を深さが20mmとなるように敷き詰めた。次いで海水と河川水とを質量比1:1の割合で混合して調製した擬似汽水を、プラスチック製容器の上限まで注入した。擬似汽水を注入してから1日静置した後、やまとしじみ(殻の長径が10〜20mmの成体)10個体をプラスチック製容器内の砂の上に配置し、次いで容器を暗所にて2時間静置した。静置後、砂中に潜り込んでいないやまとしじみを別の個体と取り替え、再度プラスチック製容器を暗所にて2時間静置した(この操作は、10個体のやまとしじみの全てが砂中に潜り込むまで繰り返した)。
10個体のやまとしじみの全てが砂中に潜り込んだことを確認した後、プラスチック製容器に、上記(1)で作製した粒状物を14g(砂の面積1m2当たりの水酸化マグネシウム量が200gとなる量)散布した。粒状物を散布してから1時間後、砂中に潜り込んでいる全てのやまとしじみを静かに掘り出し、次いでプラスチック製容器を暗所にて1日間静置した。静置後、砂中に潜り込んでいる全てのやまとしじみを静かに掘り出して、容器を暗所にて1時間静置したのち、砂中に潜り込んでいないやまとしじみを衰弱したしじみとして容器から取り出し、その固体数を数え、そして、衰弱したしじみを取り出した容器を暗所にて1日間静置した。この操作を数日繰り返した。表1に、粒状物を散布した日から1〜5日後の各日に衰弱したやまとしじみの固体数を示す。
[比較例1]水酸化マグネシウム粉末のみを含む粒状物の作製(加圧成形)とやまとしじみに対する影響の評価
(1)粒状物の作製
実施例1で使用した水酸化マグネシウム粉末0.7gを計り取り、これを直径10mmの金型に充填し、ハンドプレスを用いて加圧成形して、水酸化マグネシウム粉末のみを含む円柱状の粒状物を作製した。
(2)やまとしじみに対する影響の評価
プラスチック製容器に、上記(1)で作製した粒状物を2.8g(砂の面積1m2当たりの水酸化マグネシウム量が200gとなる量)散布したこと以外は、実施例1と同様にして評価した。表1に、粒状物を散布した日から1〜5日後の各日に衰弱したやまとしじみの固体数を示す。
表1
────────────────────────────────────────
1日後 2日後 3日後 4日後 5日後
────────────────────────────────────────
実施例1 0 0(0) 0(0) 1(1) 0(1)
────────────────────────────────────────
比較例1 3 0(3) 1(4) 1(5) 0(5)
────────────────────────────────────────
括弧内の数字は、衰弱したやまとしじみの固体数の積算値である。
表1の結果から、水酸化マグネシウム粉末のみを含む粒状物(比較例1)は、粒状物を散布してから1日経過後の時点で3個体のやまとしじみが衰弱し、4日経過後には全個体(10個体)のうちの半数のやまとしじみが衰弱していることから、やまとしじみを衰弱させる影響力が強いことが分かる。この結果は、特許文献2の実施例6の結果(苦土系改善剤は車海老に対して毒性がないとの結果)からは予想できない結果である。これに対して、しじみの貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末とを含む粒状物(実施例1)は、粒状物を散布してから5日後でも衰弱したやまとしじみは1個体のみであり、水酸化マグネシウム粉末のみを含む粒状物(比較例1)と比較して、しじみを衰弱させる影響力が弱いことが分かる。
一方、水酸化マグネシウム及び酸化マグネシウムを含む苦土系改善剤が、アオコの抑制に有効であることは特許文献2の実施例7で確認されている。従って、水酸化マグネシウム粉末及び/又は酸化マグネシウム粉末を含む粒状物は、しじみ生息域の底質改良剤として有用である。
[比較例2]水酸化マグネシウム粉末のみを含む粒状物の作製(押出成形)とやまとしじみに対する影響の評価
(1)粒状物の作製
水酸化マグネシウムケーキ(含水率:25質量%)を、開孔径が5mmのスクリーンを用いて押出成形して含水粒状物を得た。得られた含水粒状物を、ベルト式乾燥機を用いて140℃の温度で乾燥して、水酸化マグネシウムのみを含む粒状物を製造した。
(2)やまとしじみに対する影響の評価
プラスチック製容器に、上記(1)で作製した粒状物を2.8g(砂の面積1m2当たりの水酸化マグネシウム量が200gとなる量)散布したこと以外は、実施例1と同様にして評価した。表2に、粒状物を散布した日から1〜5日後の各日に衰弱したやまとしじみの固体数を示す。
表2
────────────────────────────────────────
1日後 2日後 3日後 4日後 5日後
────────────────────────────────────────
比較例2 2 0(2) 1(3) 0(3) 0(3)
────────────────────────────────────────
括弧内の数字は、衰弱したやまとしじみの固体数の積算値である。
表2の結果から、押出成形により作製した水酸化マグネシウム粉末のみを含む粒状物(比較例2)は、粒状物を散布してから1日後の時点でやまとしじみが衰弱しており、やまとしじみを衰弱させる影響力が強いことが分かる。この比較例2の結果と上記比較例1の結果から、水酸化マグネシウム粉末のみを含む粒状物は、その作製方法にかかわらずやまとしじみを衰弱させる影響力が強いことが分かる。
[実施例2]しじみの貝殻粉末と酸化マグネシウム粉末とを含む粒状物の作製とやまとしじみに対する影響の評価
(1)粒状物の作製
実施例1で得たしじみ貝殻粉末と、酸化マグネシウム粉末(平均粒子径:3.3μm)とを質量比で80:20の割合にて乾式混合して粉末混合物を調製した。得られた粉末混合物を皿型造粒機を用いて、水を噴霧しながら転動させて含水粒状物を得た。得られた含水粒状物を乾燥機を用いて100℃の温度で乾燥した後、篩を用いて分級して、直径が3〜5mmのしじみの貝殻粉末と酸化マグネシウム粉末とを含む球状の粒状物を作製した。
(2)やまとしじみに対する影響の評価
プラスチック製容器に、上記(1)で作製した粒状物を2.8g(砂の面積1m2当たりの酸化マグネシウム量が143g、水酸化マグネシウム量に換算して207gとなる量)散布したこと以外は、実施例1と同様にして評価した。表3に、粒状物を散布した日から1〜5日後の各日に衰弱したやまとしじみの固体数を示す。
表3
────────────────────────────────────────
1日後 2日後 3日後 4日後 5日後
────────────────────────────────────────
実施例2 0 0 0 0 0
────────────────────────────────────────
表3の結果から、しじみ貝殻粉末と酸化マグネシウム粉末とを含む粒状物は、しじみ貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末とを含む粒状物(実施例1)と同様に、しじみを衰弱させる影響力が弱いことが分かる。
[実施例3]しじみの貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末とを含む粒状物の形状安定性の評価
実施例1で得たしじみ貝殻粉末と実施例1で使用した水酸化マグネシウム粉末とを下記の表4に記載の質量比にて乾式混合して試料1〜4の粉末混合物を得た。得られた粉末混合物1.0gを計り取り、これを直径10mmの金型に充填し、ハンドプレスを用いて加圧成形してしじみの貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末とを含む粒状物を作製した。作製した粒状物を指で押したときの粒状物の形状変化を観察した。表4に、その結果を示す。
表4
────────────────────────────────────────
しじみの 水酸化マグネ
貝殻粉末:シウム粉末 粒状物の形状変化
────────────────────────────────────────
試料1 80:20 指で押した部分が僅かに潰れる。
試料2 70:30 形状変化しない。
試料3 60:40 形状変化しない。
試料4 50:50 形状変化しない。
────────────────────────────────────────
表4の結果から、しじみの貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末とを上記の範囲で含む粒状物は、指で押したときに形状変化しないか、指で押した部分が僅かに潰れる程度であることから、輸送中や二枚貝生息域に散布した後に容易に崩壊することが起こりにくいと考えられる。従って、上記の粒状物は、しじみ生息域の底質の改良剤として用いるのに実用上問題がないレベルで形状が安定していることが分かる。

Claims (7)

  1. 砂地に潜る二枚貝の貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末及び/又は酸化マグネシウム粉末とを50:50〜90:10の範囲の割合にて含み、長径の長さが0.5〜50mmの範囲の造粒物である砂地に潜る二枚貝生息域の底質改良剤。
  2. 砂地に潜る二枚貝がしじみである請求項1に記載の底質改良剤。
  3. 粒状物に含まれる貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末及び/又は酸化マグネシウム粉末との割合が質量比で60:40〜80:20の範囲にある請求項1に記載の底質改良剤。
  4. 砂地に潜る二枚貝の貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末及び/又は酸化マグネシウム粉末とを50:50〜90:10の範囲の割合にて含み、長径の長さが0.5〜50mmの範囲にある造粒物を、二枚貝生息域に散布することからなる砂地に潜る二枚貝生息域の底質の改良方法。
  5. 砂地に潜る二枚貝がしじみである請求項4に記載の改良方法。
  6. 貝殻粉末が、当該二枚貝生息域にて生息している二枚貝と同種の二枚貝の貝殻を粉砕して得た粉末である請求項4に記載の改良方法。
  7. 貝殻粉末が、当該二枚貝生息域から採取した二枚貝の貝殻を粉砕して得た粉末である請求項4に記載の改良方法。
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