JP2007244380A - Em菌を含む集魚材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クロダイ等の海洋大型魚を集めて捕獲するに際し、従来の撒き餌のように海洋を汚染することなく、海中を一時的に濁らせて魚の食い気を誘って集魚効果を高めると同時に、EM菌による発酵によってもたらされる臭いや味覚効果や海底浄化効果も有する集魚材を提供することにある。
【解決手段】 EM菌を有するEMボカシ成分に餌成分を混入し、それを海中の一定個所の届けられるよう高比重材や浮遊材を混入し、また、つなぎ成分で集魚材を一定形状にまとめ飛散を防止したことを特徴とするEM菌を含む集魚材に関する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、EM菌を含む集魚材に関し、特にクロダイなどの海洋大型魚を、EM菌の発酵によってもたらされる臭いや味覚効果で魚の食い気を誘って集魚すると同時に、海岸や海底浄化効果も有する集魚材に関する。
海洋における大型魚であるクロダイ(ヌチともよばれる)やマダイ、メジナ(グレ)、アイゴなどを釣り等によって捕獲する場合、通常は撒き餌などにより魚を集めておいて捕獲することが行われている。これらの撒き餌タイプの集魚材は、餌が四散して効率が悪いばかりでなく、これらの餌が腐敗して海岸や海底に溜まってヘドロ化し、海の環境を悪化させていた。
また、クロダイは海中数メータから数十メータの深さに生息し、従来の集魚材ではその場所に的確に集魚材を与えるには効率が悪い。また、クロダイは、海中に時折起こる濁り(自然現象的には大雨による河川からの土砂の流れ込み、台風など)に興奮するという習性を持っており、その興奮によって食い気が活発になることも知られている。しかし、従来の集魚材は、これらのクロダイ等の習性を有効に活用するものではなく、著しく効率の悪いものであった。
一方、近年EM菌と呼ばれる有用微生物群(Effective Microorganisms)を、ミジンコ等の餌(特開2003−299422)や海底の浄化(特開平8−209669)に使用する例も認められているが、クロダイ等の大型魚の集魚材として使用されてはいない。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、水深数メータから数十メータの海中の比較的深い場所に棲息するクロダイ(チヌ)やマダイ、メジナ(グレ)、アイゴなどの大型魚を効果的に捕獲するために用いられる集魚材を提供することにある。また、本発明は、従来の撒き餌等で問題であった海岸や海底の汚染を防止するばかりでなく、積極的に海の浄化をもたらす集魚材を提供することにある。また、本発明は、少量の餌でありながら、臭いや味覚成分で集魚する効率の高い集魚材を提供することにある。
本発明は上記の目的を達成するためになされたものであって、EMボカシ成分と餌成分が含まれていることを特徴とするEM菌を含む集魚材に関する。また本発明は、EMボカシ成分が1%から30%、濁り付与材が5%から60%、高比重材が30%から80%含まれている前記EM菌を含む集魚材に関する。また本発明は、EMボカシ成分が5%から50%、浮遊材が10%から60%含まれている前記EM菌を含む集魚材。前記集魚材がスライスドライポテトをつなぎ材として含むEM菌を含む集魚材に関する。また本発明は、前記濁り付与材がヌカ材または/および貝殻粉末であるEM菌を含む集魚材に関する。また本発明は、前記集魚材からなるダンゴの水中沈降速度が5秒/m以下であるEM菌を含む集魚材に関する。さらに本発明は、前記EMボカシ成分がパン粉を有機物質材としてEM菌を発酵させた成分からなるEM菌を含む集魚材に関する。
本発明は、海洋に棲むクロダイ等の大型魚を捕獲するための集魚材に関する。 集魚材とは、釣り竿や網などで魚を捕獲する前に、予め水中に投げ入れて魚を集めておくための材料である。本発明における集魚材には、沈降型と滞留型の2つのタイプがある。主として海底にいる大型魚を釣り上げるには、沈降型の集魚材が使用される。海中や海面を回遊する大型魚に対しては、海中や海面に滞留する滞留型の集魚材が使用される。
本発明の沈降型集魚材は、クロダイ等の大型魚が、濁りに食い気が立つという習性を利用し、人為的に海中を濁らせ、水深に拘わらず、捕獲効率を高めるために使用される。一般に使用される撒き餌は、海面に撒かれ拡散させ、潮の流れの中で魚を寄せるもので、使用する量の割合に比較して効率が悪く、そのため海洋汚染をもたらすものであった。本発明の集魚材は、大型魚が好む臭いや味覚を有する材料を、大型魚が棲息する場所に的確に届け、また、それらの魚が濁りによって食い気が立つという習性を利用して、捕獲効率を高めた材料からなる。
本発明の滞留型集魚材は、大型魚が餌を求めて回遊する際、EM菌の発酵によってもたらされる臭いや味覚効果で魚の食い気を誘って集魚する方式で、大型魚が回遊する場所に的確に滞留する集魚材を提供することにある。
本発明は、EM菌を含むことによって集魚効果を高め、海洋汚染を積極的に防止する集魚材に関する。EM菌とは、有用微生物群(Effective Microorganisms)を云い、光合成細菌、放線菌、酵母菌、乳酸菌、糸状菌等を含み、土中や水中にあって、微生物層を生き物にとって好ましい状態へと環境を変える性質を有する。EM菌は市販されており、商品名サイオンEM1号、サイオンEM2号(サン興産業株式会社)、商品名EM−1(株式会社EM研究所)などがあり、これらに黒糖や水などを加えて、EM強化活性液を作る。EM菌は、集魚材の餌成分である押麦、コーン、フスマ等を発酵させて、蛋白質を合成し、大型魚の好む臭いや味覚成分を作り出す役目をするばかりでなく、海底に残って、海底のヘドロ化した有機物を積極的に浄化する機能も有する。
本発明においては、EM菌はヌカ等の有機物資材を発酵させたEMボカシとよばれるEM発酵資材として使用される。EM菌は生き物であるから、その取り扱いが難しいが、EMボカシの形態で、発酵により有用物を生成させ、保存にも適した状態とすることができる。有機物資材としては、米ヌカが有用蛋白質を多く生成し、臭い成分や味覚成分を発生するので特に有用である。また、フスマ(麦の穀)はEM強化活性液を吸収しやすく撹拌性も優れ、通常これら種々の有機物資材を混合して使用される。なお、滞留型集魚材においては、この有機物資材にパン粉を使用することが特に適合する。パン粉は浮遊材的性質も兼ね備えるからである。また、パン粉には、水分を吸収することによる粘り効果があり、また餌成分であるオキアミ、アミエビからでるエキスを吸収し、独特の臭いや味覚成分を持つことになり、集魚効果を高めることができる。また不透明な物質として浮遊することから、魚類への餌としての視覚効果も有する。
本発明の集魚材は、上記の成分に、粗挽きサナギ、赤アミ、オキアミ、アミエビ、生サナギ、グルタミン酸ソーダ(グルソー)などの餌成分を加えて混合して使用される。これらの餌成分にEM菌が作用することによって、魚の食い気を誘う臭いや味覚効果で集魚効果を高めることができる。
本発明の集魚材は、EMボカシ成分、餌成分の他、下記に詳述する濁り付与材、高比重材、浮遊材等が含まれるが、それらの資材を、水でダンゴ状等にして成形するためのつなぎ材が必要になる。また、つなぎ材がないと、集魚材は海中ですぐに飛散し、効率の悪い集魚材となる。つなぎ材としては、スライスドライポテト、馬鈴薯澱粉、小麦粉、パン粉など種々のものが使用できる。これらのつなぎ材は、集魚材全体の1%以上であって10%以下が好ましく、2%以上であって5%以下がさらに好ましい。これらの資材のうち、スライスドライポテトが特に有効であり、スライスドライポテトをつなぎ材として使用することに本発明の特徴がある。集魚材を一定形状に成形する場合、手に過度に粘り着くことなく、またダンゴ状などにして投入し沈降速度を調節する際、割れたり崩れたりすることなく有効に目的領域に届けることができた。スライスドライポテトは、ジャガイモを1mmから5mm、好ましくは3mmから4mmにスライスして乾燥した物や、それら粉砕した物、すり潰したものなどが含まれる。つなぎ材は、スライスドライポテトや他のつなぎ材を混ぜて併用することができる。
本発明の沈降型集魚材におけるEMボカシは、本発明の集魚材に混ぜられて、その主要成分となる。その配合割合は、1%(重量%、以下同じ)から30%の範囲が好ましく、さらに好ましくは3%から20%、7%から12%が最も好ましい。1%より低い場合は、集魚材に臭い成分や味覚成分を集魚に有効な程度に付与することができず、30%を越えると、本発明の他の有効成分である高比重材等を含むようにすることができないばかりでなく、保存中に発酵が進みすぎるなどの弊害が生ずるようになる。
本発明の集魚材は、クロダイ等の大型魚が、海水の濁りによって食い気が生じることを利用して集魚効果が高められていることを特徴とする。濁りは、本発明の集魚材を水(海水等)で固めてダンゴ状にして海中に投入し、集魚材中の濁り付与材が海中で溶けだすことにより発生する。本発明における濁り付与材は、短期間に容易に溶け出し、水中を濁らせる資材をいう。 本発明に使用される濁り付与材としては、脱脂ヌカ、麦ヌカ等のヌカが、魚の餌成分ともなり、濁り効果も高く有効である。また、貝殻、特に蛎殻の粉末が、高比重材としても共用でき、さらに、これら貝殻は本来海の一成分で、海の物を海に戻すことになり、海洋汚染をもたらすことがないので好ましい。貝殻の粉末は、2.1mm以下、さらに好ましくは1.0mm以下に粉砕されたものであることが望ましい。また、濁り付与材は、赤土や粘土など土壌成分を使用することもできる。なお、これらの2.1mm以下などの表現は、篩の網目における「篩の呼び寸法」を示す。
本発明における濁り付与材は、クロダイにおいては沈降型および滞留型の双方に使用することができるが、沈降型においては特に重要で必須の成分となる。本発明の沈降型の集魚材では、濁り付与材はその主要成分となり、その配合割合は、5%から60%の範囲が好ましく、さらに好ましくは10%から50%、20%から40%が最も好ましい。5%より低い場合は、集魚に有効な程度に濁りを付与することができず、また、高比重材の比率が高まるので、ダンゴに成形することが困難になる。濁り付与材の配合割合が60%を越えると、本発明の他の有効成分である高比重材等を含むようにすることができず、海底に有効に到達しなくなる。
本発明の沈降型の集魚材においては、集魚材をダンゴにして投入して水深の深い位置にいるクロダイ等にできるだけ瞬時に、しかも有効に集魚材を届けるために、高比重材を含む必要がある。高比重材としては、真比重が1.5以上、好ましくは2以上、最も好ましくは2.5以上である無機資材から選ばれる。高比重材としては、海砂が有効であり、本来海の一成分で、海の物を海に戻すことになり、海洋汚染をもたらすことがないので好ましい。また、貝殻を粉砕したものも高比重材として使用できる。他に、鉄鉱石、スラグ、鉄粉末などの鉱物なども使用される。他の素材として、左官が使用する化粧砂である寒水石なども使用することができる。なお、本発明における真比重および下記に示すカサ比重の測定法は、JISZ8807(1976)による。
本発明における高比重材は、本発明の沈降型集魚材に混ぜられて、その主要成分となる。その配合割合は、30%から80%の範囲が好ましく、さらに好ましくは40%から75%、50%から70%が最も好ましい。30%より低い場合は、集魚材を瞬時に有効に魚の場所に届けることができない。また、できるだけ速度早く沈むことで、海水と集魚材との摩擦により集魚材が溶けだし濁りを発生する。あまりゆっくり沈むと、濁りの発生も少ない。また、時間がかかりすぎ、魚が逃げることや、捕獲に時間がかかりすぎるなどの弊害が生じる。80%を越えると、本発明の他の有効成分であるEMボカシ成分、濁り付与材、餌成分およびつなぎ成分などを含むようにすることができない。
上記のように、本発明の沈降型の集魚材は、できるだけ瞬時に魚のいる場所に届ける必要がある。本発明人の実験によると、その沈降速度は5秒/m以下であることが好ましく、0.7秒/m以上であって 3秒/m以下が好ましく、0.8秒以上であって2秒以下であることが最も好ましい。0.5秒/m以下にするためには高比重成分を極端に多くする必要があり、他の有効成分を有効に含むことができなかった。また、5秒を/mを越える沈降速度では、水深数十メートルという位置に届けるには時間がかかりすき、また有効に濁りを発生しない場合もあった。なお、沈降速度の測定方法は、実施例の項で説明する。
本発明の沈降型の集魚材は、使用時に海水等の水分を加えてダンゴ状にして、海中に投入する。ダンゴの大きさ、水分の量等は、魚のいる水深、潮の流れの速度、魚の種類等を勘案して、釣師の経験で適宜工夫して使用される。水深20m前後では、6cmから8cm、それ以上の水深では、8cmから10cm程度の大きさで使用される。
本発明の滞留型の集魚材におけるEMボカシは、本発明の集魚材に混ぜられて、その主要成分となる。その配合割合は、5%から50%の範囲が好ましく、さらに好ましくは20%から40%、25%から35%が最も好ましい。5%より低い場合は、集魚材に臭い成分や味覚成分を集魚に有効な程度に付与することができず、50%を越えると、本発明の他の有効成分である高比重材等を含むようにすることができないばかりでなく、保存中に発酵が進みすぎるなどの弊害が生ずるようになる。
本発明の滞留型の集魚材においては、集魚材を一定の形状で海中に投入して水深の一定の位置にいるクロダイ等に有効に集魚材を届けるために、沈降してしまわないよう浮遊材を含む必要がある。浮遊材は比重が軽く、沈降速度が非常に遅いものから選ばれる。浮遊材としては、真比重が1.5未満、好ましくは1.2以下、最も好ましくは1.1以下であり、カサ比重が1未満である有機資材から選ばれる。浮遊材としては、フスマ、米糠、パン粉が有効であり、特にパン粉は、浮遊効果が大きく、特に有効である。また、パン粉には、上述したように粘り効果、餌成分のエキスを吸収することによる臭いや味覚による集魚効果、魚類への視覚効果も併せ持っている。
本発明における浮遊材は、本発明の滞留型集魚材に混ぜられて、その主要成分となる。その配合割合は、20%から70%の範囲が好ましく、さらに好ましくは30%から60%、40%から55%が最も好ましい。20%より低い場合は、集魚材が沈降してしまうことが多く、有効に魚の場所に届けることができない。70%を越えると、本発明の他の有効成分であるEMボカシ成分、濁り付与材、餌成分およびつなぎ成分などを含むようにすることができない。
浮遊材を含む滞留型集魚材は、海中に長く滞留する必要がある。本発明人の実験によると、その滞留型集魚材の沈降速度は10秒/m以上であることが好ましく、20秒/m以上であることがさらに好ましく、30秒/m以上が最も好ましい。
本発明の滞留型の集魚材は、使用時に海水等の水分を加えて混ぜ合わされて、海中に投入する。ダンゴ状にして投入する場合もあり、また、柄杓等ですくって、その量のまま、海中に投入することもできる。しかし、投入された形状があまりに早く崩れて飛散しないよう、本発明のつなぎ材で一定形状に保たれていることが好ましい。
本発明の集魚材は、水深数メータから数十メータの海中の比較的深い場所に棲息するクロダイ(チヌ)やメジナ(グレ)等の大型魚を効果的に捕獲するために用いられる。従来の撒き餌では、海流に乗って撒き散らし、的確に魚のいる場所に届けることができないので、多量の不必要な餌が撒かれており不経済である。また、これらの餌は、海岸や海底をヘドロ化して海洋汚染の原因の一つになっている。本発明においては、EM菌を使用することで、これら海底の汚染を防止するばかりでなく、積極的に海底の浄化をもたらす効果がある。また、本発明では、EM菌を使用することで、少量の餌でありながら、臭いや味覚成分で集魚する効率の高い集魚材となる。また本発明では、クロダイ等の大型魚が水中の濁りにより食い気をさそうという習性を利用し、集魚効果の高い集魚材とすることができる。また、本発明の集魚材はつなぎ材で一定形状に保たれているので、長くその形状を保ち、飛散を防止するので、餌成分を有効に大型魚のいる場所に留めることができる。さらに本発明では、集魚材に高比重材や浮遊材を有することにより、水中一定場所に的確に集魚材を届けることができる集魚材となる。また、浮遊材としてパン粉を使用することにより、に粘り効果、餌成分のエキスを吸収することによる臭いや味覚による集魚効果、魚類への視覚効果なども併せ持たせることができる。
以下、本発明の実施の態様の例を実施例に基づき詳述する。
本発明を構成するそれぞれの配合材から沈降型の集魚材を製造する方法を説明する。まず、EMボカシを製造しておく。水18リットルに対して、サン興産業の商品名サイオンEM1号を250ml、商品名サイオンEM2号を100ml、黒糖を200ml加えて、よく攪拌してEM強化活性液を作っておく。この強化活性液1500ml、フスマ5kg、飼料用麦1kg、コーンフレーク1kg、糖蜜150mlを加えて充分に攪拌する。そして、米ヌカ15kg、井戸水2500ml、糖蜜150mlを加えて攪拌する。これらをナイロン製袋に詰めて密封することで嫌気状態にして、10日から2週間発酵させことでEMボカシとする。
次に本発明のクロダイ用沈降型集魚材を構成するそれぞれの配合材を混合する方法を説明する。70リッターのコンクリートミキサーに、濁り付与材として脱脂ヌカ4kg(6.6%)、麦ヌカ6kg(9.9%)、EMボカシを6kg(9.9%)、粉末にされた乾燥スライスドライポテトを2kg(3.3%)加えて行き、約15分間攪拌する。次に粗挽きさなぎ1kg(1.7%)、グルソー0.4kg(0.7%)、コーン0.6kg(1.0%)、押し麦0.4kg(0.7%)を加えて、さらに10分間攪拌する。そして、蛎殻の粉末10kg(16.5%)、海砂30kg(49.6%)加えて、15分間攪拌する。なお、かっこ内の数字は、集魚材全体に対する重量パーセントで示す。 できた混合物が集魚材で、袋に詰められて製品となる。なお、蛎殻粉末は、広島県の卜部産業株式会社の商品名セルカで、2.1mm以下に粉砕されたものを使用した。
次に本発明の沈降型集魚材を実際に使用する例を説明する。本発明の沈降型集魚材を袋からだし、海水等を加えてこねてペースト状にする。そのペーストの中に針に刺した餌を入れてくるみ、ダンゴ状にする。そのダンゴをクロダイ等のいる海域に投入する。投入後、直ちに竿等で魚の捕獲に入る。ダンゴの投入は、10分や15分分間隔程度に複数回に渡って投入し、その間、捕獲は継続して行う。釣り人を複数のグループに分けて、従来の撒き餌のグループと本発明の集魚材を使用するグループで数日間比較実験すると、本発明の集魚材のグループが、約1.4倍から1.7倍の漁獲量となった。このようなテストを繰り返した海域では、以前余り見かけなかったナマコを散見できるようになり、赤潮も少なくなってきた。これらはEM菌による海底の浄化作用によるものとおもわれる。
本発明の沈降型集魚材の沈降速度は次のように測定する。集魚材5に対して水1の割合(重量比)で混ぜて、直径約8cmのダンゴ状にし、水深数メータの水中に投入し、底に着くまでの時間を測定する。そして、その時間を水深で割ることにより、沈降速度(秒/m)に換算して示す。実施例1および実施例2から作成された集魚材によって作成されたダンゴのの沈降速度は、1.4秒であった。
本発明を構成するそれぞれの配合材から浮遊型の集魚材を製造する方法を説明する。まず、EMボカシを製造しておく。水18リットルに対して、サン興産業の商品名サイオンEM1号を250ml、商品名サイオンEM2号を100ml、黒糖を200ml加えて、よく攪拌してEM強化活性液を作っておく。この強化活性液1500ml、フスマ5kg、飼料用麦1kg、コーンフレーク1kg、糖蜜150mlを加えて充分に攪拌する。そして、パン粉4kg、井戸水2500ml、糖蜜150mlを加えて攪拌する。これらをナイロン製袋に詰めて密封することで嫌気状態にして、10日から2週間発酵させことでEMボカシとする。
次に本発明のクロダイ用浮遊型集魚材を構成するそれぞれの配合材を混合する方法を説明する。70リッターのコンクリートミキサーに、濁り付与材として脱脂ヌカ4kg(13.8%)、麦ヌカ6kg(20.1%)、EMボカシを6kg(20.1%)、粉末にされたスライスドライポテトを2kg(6.9%)加えて行き、約15分間攪拌する。次にオキアミ6kg(20.1%)、粗挽きさなぎ2kg(6.9%)、グルソー1kg(3.4%)、コーン2kg(6.9%)、押し麦1kg(3.4%)を加えて、さらに10分間攪拌する。そして、浮遊材のパン粉4kg(13.8%)、米糠2kg(6.9%)加えて、15分間攪拌する。なお、かっこ内の数字は、集魚材全体に対する重量パーセントで示す。 できた混合物が集魚材で、袋に詰められて製品となる。なお、EMボカシ成分や浮遊材として使用されるパン粉は、東京都の国分株式会社の商品名「国分のパン粉」で、2mm以下に粉砕されたものを使用した。
次に本発明の浮遊型集魚材を実際に使用する例を説明する。本発明の浮遊型集魚材を袋からだし、海水等を加えてこねてペースト状にする。そのペーストの中に針に刺した餌を入れてくるみ、ダンゴ状にする。そのダンゴをクロダイ等のいる海域に投入する。投入後、直ちに竿等で魚の捕獲に入る。ダンゴの投入は、10分や15分分間隔程度に複数回に渡って投入し、その間、捕獲は継続して行う。釣り人を複数のグループに分けて、従来の撒き餌のグループと本発明の集魚材を使用するグループで数日間比較実験すると、本発明の集魚材のグループが、約1.3倍から1.7倍の漁獲量となった。このようなテストを繰り返した海域では、以前余り見かけなかったナマコを散見できるようになり、赤潮も少なくなってきた。これらはEM菌による海の浄化作用によるものとおもわれる。
本発明は、クロダイ等の海洋の大型魚を効率的に捕獲し、海洋汚染を積極的に防止することができる集魚材として使用される。
Claims (7)
- EMボカシ成分と餌成分が含まれていることを特徴とするEM菌を含む集魚材。
- EMボカシ成分が1%から30%、濁り付与材が5%から60%、高比重材が30%から80%含まれている請求項1のEM菌を含む集魚材。
- EMボカシ成分が5%から50%、浮遊材が10%から60%含まれている請求項1のEM菌を含む集魚材。
- 請求項1の前記集魚材が乾燥スライスドライポテトをつなぎ材として含むEM菌を含む集魚材。
- 請求項2の前記濁り付与材がヌカ材または/および貝殻粉末であるEM菌を含む集魚材。
- 請求項2の前記集魚材からなるダンゴの水中沈降速度が5秒/m以下であるEM菌を含む集魚材。
- 請求項3の前記EMボカシ成分がパン粉を有機物質材としてEM菌を発酵させた成分からなるEM菌を含む集魚材。
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