JP6369267B2 - 鉄損測定装置、鉄損測定方法、およびプログラム - Google Patents

鉄損測定装置、鉄損測定方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、鉄損測定装置、鉄損測定方法、およびプログラムに関し、特に、PWM(Pulse Width Modulation)インバータから出力された励磁電圧により電磁鋼板を励磁するために用いて好適なものである。
従来から、PWMインバータを励磁電源として用いて回転機等の電気機器を駆動することが行われている。そこで、このような電気機器に用いられる電磁鋼板等の磁性材料の磁気特性(鉄損等)を、実際の使用状態に近い使用状態で評価するために、PWMインバータで励磁された磁性材料の磁気特性を測定することが提案されている(非特許文献1を参照)。
乙女大三朗、外7名、「PWMインバータ励磁下における無方向性電磁鋼板の鉄損測定」、電気学会マグネティクス 静止器 回転機合同研究会資料(MAG/SA/RM−10−32)、2010年1月29日、p.37−42
しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、パルス幅変調を行う際の変調波の波形を正弦波で固定している。したがって、例えば、磁性材料における磁束密度が、多くの電気機器の動作条件である1.4[T]以上の領域になると、高調波の影響が顕著になる。磁性材料における磁束密度が1.4[T]以上の領域になると、磁束密度と磁界強度との関係が、線形から非線形に変化するからである。
このため、例えば、同一の磁性材料であっても、PWMインバータで励磁した場合の磁気特性と、その他の励磁電源で励磁した場合の磁気特性とを比較することが容易ではない。また、例えば、同一のPWMインバータを用いた場合であっても、異なる複数の磁性材料における磁気特性の比較や、異なる励磁条件で励磁された同一の磁性材料における磁気特性の比較も容易ではない。
このように、従来の技術では、PWMインバータからの出力電圧で励磁された磁気特性の比較評価を行うことが容易ではない。
そこで、本発明は、PWMインバータからの出力電圧で励磁された鉄損の比較評価を容易に行えるようにすることを目的とする。
本発明の鉄損測定装置は、目標励磁電圧を変調波としてPWM(Pulse Width Modulation)制御を行うことにより励磁電圧を生成するPWMインバータを用いて、電磁鋼板における鉄損を測定する鉄損測定装置であって、前記PWMインバータで生成された前記励磁電圧によって励磁された電磁鋼板における磁束密度の時間波形が正弦波であると見なせるか否かを判定する収束判定手段と、前記収束判定手段により、前記磁束密度の時間波形が正弦波であるとは見なせないと判定されると、当該正弦波であるとは見なせない磁束密度と、前記電磁鋼板における磁束密度の目標値との差分を、少なくとも一周期の期間において導出する磁束密度差分導出手段と、前記磁束密度差分導出手段により導出された前記差分に基づいて、前記目標励磁電圧の修正量を導出する電圧修正量導出手段と、前記電圧修正量導出手段により導出された前記修正量に基づいて、前記目標励磁電圧を変更する目標励磁電圧導出手段と、前記収束判定手段により、前記正弦波であると見なせる磁束密度と、前記励磁された電磁鋼板における磁界強度であって、当該磁束密度と同じタイミングにおける磁界強度と、の時間波形を用いて得られるヒステリシスループに基づいて、前記電磁鋼板における鉄損を導出する鉄損導出手段と、を有し、前記PWMインバータは、前記目標励磁電圧導出手段により前記目標励磁電圧が変更されると、当該変更された後の前記目標励磁電圧を変調波としてPWM制御を行うことにより前記励磁電圧を生成し、前記鉄損導出手段は、前記収束判定手段により、前記磁束密度の時間波形が正弦波でないと判定されることなく前記磁束密度の時間波形が正弦波であると見なせると判定された場合には、前記PWMインバータが前記目標励磁電圧を変調波としてPWM制御を行うことにより生成された前記励磁電圧によって励磁された前記電磁鋼板における磁束密度および磁界強度の時間波形に基づく前記ヒステリシスループに基づいて、前記電磁鋼板における鉄損を導出し、前記収束判定手段により、前記磁束密度の時間波形が正弦波であると見なせないと判定された場合には、前記PWMインバータが、前記電圧修正量導出手段により導出された前記修正量に基づいて変更された後の前記目標励磁電圧を変調波としてPWM制御を行うことにより生成された前記励磁電圧によって励磁された前記電磁鋼板における磁束密度および磁界強度の時間波形に基づく前記ヒステリシスループに基づいて、前記電磁鋼板における鉄損を導出することを特徴とする。
本発明の鉄損測定方法は、目標励磁電圧を変調波としてPWM(Pulse Width Modulation)制御を行うことにより励磁電圧を生成するPWMインバータを用いて、電磁鋼板における鉄損を測定する鉄損測定方法であって、前記PWMインバータで生成された前記励磁電圧によって励磁された電磁鋼板における磁束密度の時間波形が正弦波であると見なせるか否かを判定する収束判定工程と、前記収束判定工程により、前記磁束密度の時間波形が正弦波であるとはと見なせないと判定されると、正弦波であるとは見なせない磁束密度と、前記電磁鋼板における磁束密度の目標値との差分を、少なくとも一周期の期間において導出する磁束密度差分導出工程と、前記磁束密度差分導出工程により導出された前記差分に基づいて、前記目標励磁電圧の修正量を導出する電圧修正量導出工程と、前記電圧修正量導出工程により導出された前記修正量に基づいて、前記目標励磁電圧を変更する目標励磁電圧導出工程と、前記収束判定工程により、前記正弦波であると見なせる磁束密度と、前記励磁された電磁鋼板における磁界強度であって、当該磁束密度と同じタイミングにおける磁界強度と、の時間波形を用いて得られるヒステリシスループに基づいて、前記電磁鋼板における鉄損を導出する鉄損導出工程と、を有し、前記目標励磁電圧導出工程により前記目標励磁電圧が変更されると、前記PWMインバータにおいて、当該変更された後の前記目標励磁電圧を変調波としてPWM制御を行うことにより前記励磁電圧を生成し、前記鉄損導出工程は、前記収束判定工程により、前記磁束密度の時間波形が正弦波でないと判定されることなく前記磁束密度の時間波形が正弦波であると見なせると判定された場合には、前記PWMインバータが前記目標励磁電圧を変調波としてPWM制御を行うことにより生成された前記励磁電圧によって励磁された前記電磁鋼板における磁束密度および磁界強度の時間波形に基づく前記ヒステリシスループに基づいて、前記電磁鋼板における鉄損を導出し、前記収束判定工程により、前記磁束密度の時間波形が正弦波であると見なせないと判定された場合には、前記PWMインバータが、前記電圧修正量導出工程により導出された前記修正量に基づいて変更された後の前記目標励磁電圧を変調波としてPWM制御を行うことにより生成された前記励磁電圧によって励磁された前記電磁鋼板における磁束密度および磁界強度の時間波形に基づく前記ヒステリシスループに基づいて、前記電磁鋼板における鉄損を導出することを特徴とする。
本発明のプログラムは、前記磁気特性測定装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明によれば、電磁鋼板における磁束密度の波形が正弦波になるように、PWMインバータにおける目標励磁電圧(変調波)を変更する。したがって、PWMインバータからの出力電圧で励磁された鉄損の比較評価を容易に行うことができる。
磁気特性測定システムの構成の一例を示す図である。 PWMインバータの動作の一例を説明する図である。 変更後の変調波に基づいてPWMインバータで生成される波形の一例を概念的に示す図である。 磁気特性測定装置の動作の一例を説明するフローチャートである。 PWMインバータからの出力電圧と目標励磁電圧の発明例を示す図である。 リング試料における磁束密度の波形の発明例を示す図である。 PWMインバータからの出力電圧と目標励磁電圧の比較例を示す図である。 リング試料における磁束密度の波形の比較例を示す図である。 リング試料における磁束密度の波形の参考例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、磁気特性測定システムの構成の一例を示す図である。図1では、複数の電磁鋼板を積み重ねてリング状にしたリング試料Sの磁気特性を測定する場合を例に挙げて示す。ただし、軟磁性材料に代表される磁性材料であれば、磁気特性の測定対象は、リング試料Sに限定されるものではない。
磁気特性測定システムは、直流電圧発生部100と、PWMインバータ200と、励磁コイル300と、Bコイル400と、シャント抵抗500と、磁気特性測定装置600と、を有する。
直流電圧発生部100は、直流電圧をPWMインバータ200に出力する。本実施形態では、直流電圧発生部100は、正の直流電圧と、当該正の直流電圧と絶対値が同じ負の直流電圧とをPWMインバータ200に出力する。
PWMインバータ200は、目標励磁電圧を変調波としてPWM(Pulse Width Modulation)制御を行うことにより出力電圧を励磁電圧として生成する。すなわち、PWMインバータ200は、目標励磁電圧(変調波)の大きさと搬送波の大きさとの比較の結果に基づいて、直流電圧発生部100より出力された直流電圧を出力するタイミングを制御することにより、目標励磁電圧(変調波)をパルス幅変調した出力電圧を励磁電圧として生成し、励磁コイル300に印加する。
ここで、図2を参照しながら、PWMインバータ200の動作の一例を説明する。尚、PWMインバータ200としては、公知の種々の方式で駆動するPWMインバータを適用することができ、図2に示す方式で駆動するものに限定されない。ただし、後述するように、本実施形態のPWMインバータ200は、目標励磁電圧(変調波)を自動的に変更できる構成を有する必要がある。
図2において、PWMインバータ200は、正相変調波210の大きさと搬送波220の大きさとを、各時刻において比較する。そして、PWMインバータ200は、正相変調波210の大きさが搬送波220の大きさよりも大きい場合に「1」を出力し、そうでない場合に「0(ゼロ)」を出力することを各時刻において行い、正相ノッチ波240を生成する。
また、PWMインバータ200は、正相変調波210の位相を180[°]ずらして(正相変調波210に(−1)を掛けて)負相変調波230を生成する。PWMインバータ200は、このようにして生成した負相変調波230の大きさと搬送波220の大きさとを、各時刻において比較する。そして、PWMインバータ200は、負相変調波230の大きさが搬送波220の大きさよりも大きい場合に「1」を出力し、そうでない場合に「0(ゼロ)」を出力することを各時刻において行い、負相ノッチ波250を生成する。
尚、図2では、変調波・搬送波の値を相対値で示す。
PWMインバータ200は、正相ノッチ波240から負相ノッチ波250を減算したパルス波において「1」を示す期間に、直流電圧発生部100より出力された正の直流電圧に基づく電圧を出力する。また、PWMインバータ200は、正相ノッチ波240から負相ノッチ波250を減算したパルス波において「−1」を示す期間に、直流電圧発生部100より出力された負の直流電圧に基づく電圧を出力する。また、PWMインバータ200は、正相ノッチ波240から負相ノッチ波250を減算したパルス波において「0(ゼロ)」を示す期間には、直流電圧発生部100より出力された直流電圧に基づく電圧を出力しない。このようにして得られる電圧により構成されるパルス列(パルス波)が出力電圧260として、PWMインバータ200から励磁コイル300に印加される。
尚、図2では、出力電圧260の値を相対値で示す。
図1の説明に戻り、励磁コイル300とBコイル400は、それぞれ、リング試料Sに巻き回されるコイルである。尚、励磁コイル300とBコイル400の巻き数と巻き方向は、図1に示すものに限定されない。
PWMインバータ200から励磁コイル300に出力電圧260が印加されると、励磁コイル300に励磁電流が流れる。この励磁電流によりリング試料Sは励磁され、Bコイル400に誘導起電力が生じる。本実施形態では、図1に示すように、励磁コイル300の一端とPWMインバータ200の出力端子の一端との間にはシャント抵抗500が配置される。シャント抵抗500は、励磁コイル300に流れる励磁電流を検出するためのものである。
磁気特性測定装置600は、リング試料Sの磁気特性の一例として、磁束密度、磁界強度、および鉄損を測定する。磁気特性測定装置600のハードウェアは、例えば、CPU、RAM、ROM、HDD、および各種のインターフェースを備える情報処理装置等を用いることにより実現される。以下に、磁気特性測定装置600が有する機能の一例を説明する。以下の各ブロックは、例えば、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。尚、本実施形態では、磁気特性測定装置600は、予め決められた時間間隔Δtが経過する度に処理を行うものとする。
(磁束密度導出部601)
磁束密度導出部601は、Bコイル400の両端に生じる誘導起電力を入力して、リング試料Sの磁束密度を導出する。本実施形態では、磁束密度導出部601は、時刻t(j)におけるリング試料Sの磁束密度B(j)[T]を、以下の(1)式により導出する。尚、jは、時刻ステップを表す変数jであり、0(ゼロ)を初期値として、前述した時間間隔Δtが経過するたびにインクリメントされる。
Figure 0006369267
(1)式において、es(j)は、時刻t(j)においてBコイル400の両端に生じる誘導起電力[V]である。fは、励磁基本周波数(PWMインバータ200における変調波の基本周波数)[Hz]である。Nbは、Bコイル400の巻き数[回]である。Sは、リング試料Sの磁路に垂直な断面の面積[m2]である。
磁束密度導出部601は、以上のようにして、リング試料Sの磁束密度B(j)を少なくとも一周期分、導出する。
尚、Bコイル400の両端に生じる誘導起電力を増幅器で増幅した上で磁束密度導出部601に入力するようにしてもよい。
(磁界強度導出部602)
磁界強度導出部602は、シャント抵抗500に流れる励磁電流を入力して、リング試料Sの磁界強度を導出する。本実施形態では、磁界強度導出部602は、時刻t(j)におけるリング試料Sの磁界強度H(j)[A/m]を、以下の(2)式により導出する。
Figure 0006369267
(2)式において、Nは、励磁コイル300の巻き数[回]である。I(j)は、時刻t(j)に励磁コイル300に流れる励磁電流(の実効値)[A]である。Rは、リング試料Sの半径[m]である。
磁界強度導出部602は、以上のようにして、リング試料Sの磁界強度H(j)を少なくとも一周期分、導出する。
尚、励磁コイル300に流れる励磁電流を増幅器で増幅した上で磁界強度導出部602に入力するようにしてもよい。
(目標磁束密度入力部603)
目標磁束密度入力部603は、リング試料Sにおける一周期分の目標磁束密度を特定するための情報を入力して(一時的に)記憶する。
本実施形態では、リング試料Sにおける磁束密度の時間波形の目標を正弦波とする(尚、以下の説明では、この目標となる時間波形を、必要に応じて、目標波形と称する)。また、リング試料Sにおける磁束密度の周波数の目標値を励磁基本周波数とする。
目標磁束密度入力部603は、リング試料Sにおける磁束密度の目標波形と、励磁基本周波数とを、リング試料Sにおける一周期分の目標磁束密度を特定するための情報として入力する。さらに目標磁束密度入力部603は、リング試料Sにおける磁束密度の大きさ(波高値(最大値)または実効値)の目標値を、リング試料Sにおける一周期分の目標磁束密度を特定するための情報として入力する。
ここで、Bコイル400の両端に生じる誘導起電力es(j)は直接的に測定される。また、前述した(1)式のように、リング試料Sにおける磁束密度B(j)と、Bコイル400の両端に生じる誘導起電力es(j)とは比例関係にある。したがって、後述するように、磁気特性測定装置600(目標励磁電圧導出部607)により、PWMインバータ200における変調波(電圧)を導出(変更)する場合には、磁束密度として取り扱うよりも電圧として取り扱う方が実装が簡便になる。
そこで、目標磁束密度入力部603は、リング試料Sにおける一周期分の目標磁束密度を特定するための情報の代わりに、Bコイル400の両端における一周期分の目標誘導起電力を特定するための情報を入力して(一時的に)記憶する。例えば、目標磁束密度入力部603は、目標波形(正弦波)と、目標周波数(励磁基本周波数)と、誘導起電力の大きさ(波高値または実効値)とを含む情報を、Bコイル400の両端における一周期分の目標誘導起電力を特定するための情報として入力する。
かかる情報の入力は、例えば、オペレータによるユーザインタフェースの操作、外部装置との通信、または可搬型記憶媒体からの読み出しにより実現される。
尚、目標波形は正弦波で固定であるので、目標波形については目標磁束密度入力部603により改めて入力せずに磁気特性測定装置600に予め記憶していてもよい。
また、前述したように、Bコイル400の両端における一周期分の目標誘導起電力を特定するための情報を入力する構成にすれば、実装が簡便になる。しかしながら、Bコイル400の両端における一周期分の目標誘導起電力を特定するための情報ではなく、リング試料Sにおける一周期分の目標磁束密度を特定するための情報を入力してもよい。
(収束判定部604)
収束判定部604は、磁束密度導出部601から出力された、リング試料Sの少なくとも一周期分の磁束密度B(j)の波形と、目標波形である正弦波との類似度に基づいて、リング試料Sの一周期分の磁束密度B(j)の波形が正弦波である(と見なせる)か否かを判定する。
以下に、この判定の方法の例を説明する。
第1の方法として、収束判定部604は、リング試料Sの一周期分の磁束密度B(j)から波形率を導出する。次に、収束判定部604は、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形率と、正弦波の波形率(=π/(2・√2))との差を導出する。
そして、収束判定部604は、導出した差の絶対値が閾値以下である場合に、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波である(とは見なせない)と判定する。一方、導出した差の絶対値が閾値以下でない場合、収束判定部604は、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波ではない(正弦波であるとは見なせない)と判定する。このように、波形率の差を類似度とすることができる。
以上の第1の方法の変形例として、波形率に代えて、波高率を採用してもよい。また、前述した(1)式のように、リング試料Sにおける磁束密度B(j)と、Bコイル400の両端に生じる誘導起電力es(j)とは比例関係にある。したがって、第1の方法の更なる変形例として、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形率・波高率に代えて、Bコイル400の両端に生じる誘導起電力es(j)の波形率・波高率を採用してもよい。
第2の方法として、収束判定部604は、磁束密度導出部601から、Bコイル400の両端に生じる一周期分の誘導起電力es(j)を入力する。また、収束判定部604は、目標磁束密度入力部603から、Bコイル400の両端における一周期分の目標誘導起電力を入力する。
次に、収束判定部604は、Bコイル400の両端における一周期分の目標誘導起電力とBコイル400の両端に生じる一周期分の誘導起電力es(j)との差を各時刻ステップにおいて導出し、導出した差の絶対値の総和を導出する。
そして、収束判定部604は、導出した総和が閾値以下である場合に、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波である(と見なせる)と判定する。一方、導出した総和の絶対値が閾値以下でない場合、収束判定部604は、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波ではない(正弦波であるとは見なせない)と判定する。このように、Bコイル400の両端における誘導起電力の、目標波形と実測波形の差の絶対値の総和を類似度とすることができる。
以上の第2の方法の変形例として、目標磁束密度入力部603が、リング試料Sにおける一周期分の目標磁束密度を入力する場合には、Bコイル400の両端における一周期分の目標誘導起電力の代わりに、リング試料Sにおける一周期分の目標磁束密度を用いると共に、Bコイル400の両端に生じる一周期分の誘導起電力es(j)の代わりに、リング試料Sにおける一周期分の磁束密度B(j)を用いることができる。
尚、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形を拡大すると、PWMインバータ200のキャリア周波数に相当する周期での階段状の変動が認められることがある。PWMインバータ200のキャリア周波数が低い場合には、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形に、この階段状の変動が顕著に表れる。測定に際しての制約等によって、PWMインバータ200のキャリア周波数を高くできることができない場合には、前述した類似度の判定のための閾値を緩めればよい(リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波であると判定されやすくすればよい)。
ここで、本実施形態では、以下の条件を満たせば、厳密には正弦波でなくても、誘導起電力や磁束密度の波形が正弦波であるものとして、正弦波を定義する。
すなわち、基本周波数をfs[Hz]、PWMインバータ200のキャリア周波数をfc[Hz]、(2×fc−fs)[Hz]よりも低い周波数成分であるi次の高調波成分の振幅をAi(iは2以上の整数)、基本波成分の振幅をA1とした場合に、全てのiにおいて以下の(3)式を満たす波形を正弦波であると定義する。
{Ai/A1}×100<ε ・・・(3)
(3)式において、εは、閾値[%]である。
PWMインバータでは、(2×fc−fs)[Hz]以上の高調波が出力電圧に含まれる。したがって、この周波数(=(2×fc−fs)[Hz])以下の高調波を規定の対象とし、当該高調波の振幅が、基本波(正弦波)の振幅に近い波形であれば、正弦波であるとみなしてよいものとする。閾値εは、実験的に定めることができるが、例えば、1[%]を閾値εとして採用することができる。
(磁束密度差分導出部605)
磁束密度差分導出部605は、収束判定部604により、リング試料Sの一周期分の磁束密度B(j)の波形が正弦波でない(正弦波であるとは見なせない)と判定されると、リング試料Sの一周期分の磁束密度B(j)からリング試料Sにおける一周期分の目標磁束密度を減算することにより、一周期分の差分磁束密度を導出する。
前述したように本実施形態では、リング試料Sにおける一周期分の目標磁束密度として、Bコイル400の両端における一周期分の目標誘導起電力を採用する(目標磁束密度入力部603の欄の説明を参照)。
したがって、磁束密度差分導出部605は、以下の(4)式の計算を、一周期分の各時刻t(j)について行うことにより、一周期分の差分誘導起電力を導出する。
Δes(j)=(es(j)−esr(j)) ・・・(4)
(4)式において、es(j)は、時刻t(j)にBコイル400の両端に生じる誘導起電力[V]である。esr(j)は、時刻t(j)におけるBコイル400の両端の目標誘導起電力[V]である。Δes(j)は、時刻t(j)における差分誘導起電力[V]である。
尚、目標磁束密度入力部603が、リング試料Sにおける一周期分の目標磁束密度を入力する場合には、前述した計算に代えて、以下の計算を行う。すなわち、時刻t(j)におけるリング試料Sの磁束密度B(j)から、時刻t(j)における目標誘導起電力Br(j)を減算することを、一周期分の各時刻t(j)について行うことにより、一周期分の差分磁束密度を導出する。
(電圧修正量導出部606)
電圧修正量導出部606は、磁束密度差分導出部605により導出された、一周期分の差分誘導起電力に基づいて、PWMインバータ200における目標励磁電圧(変調波)の一周期分の修正量を導出する。
前述したように、磁束密度差分導出部605では、(4)式により一周期分の差分誘導起電力(Δes(j)=(es(j)−esr(j))を導出する。時刻t(j)における目標励磁電圧の、修正前の値に対する修正量(補正量)の割合は、励磁コイル300に印加する電圧(励磁電圧)と、Bコイル400の両端に生じる誘導起電力とで同じである。励磁コイル300に印加される励磁電圧と、Bコイル400の両端に生じる誘導起電力とは比例関係にあると見なせるからである。したがって、電圧修正量導出部606は、以下の(5)式の計算を、一周期分の各時刻t(j)について行うことにより、PWMインバータ200における目標励磁電圧(変調波)の一周期分の修正量を導出する。
Figure 0006369267
(5)式において、ΔV(j)は、時刻t(j)におけるPWMインバータ200の目標励磁電圧(変調波)の修正量[V]である。V(j)は、時刻t(j)に励磁コイル300に印加される電圧[V]である。(4)式の説明で前述したように、Δes(j)は、時刻t(j)における差分誘導起電力[V]であり、es(j)は、時刻t(j)にBコイル400の両端に生じる誘導起電力[V]である。Kは、緩和係数(0<K≦1)であり、例えば、0.3程度の値が予め設定される。緩和係数Kは、フィードバック制御における発散を抑制するためのものである。
尚、目標磁束密度入力部603が、リング試料Sにおける一周期分の目標磁束密度を入力する場合には、前述した計算に代えて、以下の計算を行う。すなわち、以下の(6)式の計算を、一周期分の各時刻t(j)について行うことにより、PWMインバータ200における目標励磁電圧(変調波)の一周期分の修正量を導出する。
ΔV(j)=K・Nb・S・(1/(t(j)−t(j−1)))・(ΔB(j)−ΔB(j−1)) ・・・(6)
(6)式において、t(j)は時刻、t(j−1)は時刻t(j)の1つ前の時間ステップにおける時刻である。ΔB(j)は、時刻t(j)における差分磁束密度であり、ΔB(j−1)は、時刻t(j−1)における差分磁束密度である。目標磁束密度入力部603の最後に説明したように、差分磁束密度ΔB(j)、ΔB(j−1)は、時刻t(j)、t(j−1)におけるリング試料Sの磁束密度B(j)、B(j−1)から、時刻t(j)、t(j−1)における目標誘導起電力Br(j)、Br(j−1)を減算することにより、それぞれ導出される。また、(1)式の説明で前述したように、Nbは、Bコイル400の巻き数[回]であり、Sは、リング試料Sの磁路に垂直な断面の面積[m2]である。
(目標励磁電圧導出部607)
目標励磁電圧導出部607は、電圧修正量導出部606により導出された、PWMインバータ200における目標励磁電圧(変調波)の一周期分の修正量に基づいて、PWMインバータ200における目標励磁電圧(変調波)を変更する。リング試料Sにおける磁束密度(Bコイル400の両端に生じる誘導起電力)の実測値が目標値よりも大きい場合には、目標励磁電圧(変調波)を、電圧修正量導出部606により導出された修正量だけ減らす。一方、リング試料Sにおける磁束密度(Bコイル400の両端に生じる誘導起電力)の実測値が目標値よりも小さい場合には、目標励磁電圧(変調波)を、電圧修正量導出部606により導出された修正量だけ増やす。
具体的に本実施形態では、目標励磁電圧導出部607は、以下の(7)式の計算を、一周期分の各時刻t(j)について行うことにより、PWMインバータ200における変更後の目標励磁電圧(変調波)を導出する。
new(j)=Vold(j)−ΔV(j) ・・・(7)
(7)式において、Vnew(j)は、時刻t(j)における変更後の目標励磁電圧(変調波)[V]である。Vold(j)は、時刻t(j)における変更前の目標励磁電圧(変調波)[V]である。(5)式および(6)式を参照しながら前述したように、ΔV(j)は、時刻t(j)におけるPWMインバータ200の目標励磁電圧(変調波)の修正量[V]である。
目標励磁電圧導出部607は、以上のようにして導出した、PWMインバータ200における変更後の目標励磁電圧(変調波)をPWMインバータ200に出力する。PWMインバータ200は、この変調波を、新たな正相変調波として用いて、図2を参照しながら前述したようにして出力電圧を生成し、励磁コイル300に出力する。
図3は、変更後の変調波に基づいてPWMインバータ200で生成される波形の一例を概念的に示す図である。
図3(a)は、変更後の正相変調波310と、搬送波220と、変更後の正相ノッチ波320の一例を示す。変更後の正相ノッチ波320は、変更後の正相変調波310と搬送波220とにより生成されるものである。
図3(b)は、変更後の負相変調波330と、搬送波220と、変更後の負相ノッチ波340の一例を示す。変更後の負相ノッチ波340は、変更後の負相変調波330と搬送波220とにより生成されるものである。
図3(c)は、出力電圧350を、目標励磁電圧である変更後の正相変調波310と共に示す図である。
図3(c)に示すように、Bコイル400の両端に生じる一周期分の誘導起電力(リング試料Sにおける一周期分の磁束密度)を正弦波にすることにより、目標励磁電圧は、正弦波から歪む波形となる。
(鉄損導出部608)
鉄損導出部608は、収束判定部604により、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波である(と見なせる)と判定されると、当該判定されたタイミングに対応するリング試料Sの一周期分の磁束密度B(j)を磁束密度導出部601から取得する。また、鉄損導出部608は、当該判定されたタイミングに対応するリング試料Sの一周期分の磁界強度H(j)を磁界強度導出部602から取得する。
そして、鉄損導出部608は、リング試料Sにおける鉄損W[W/kg]を、以下の(8)式により導出する。
Figure 0006369267
(8)式において、Jは、一周期が経過する間に変数jがインクリメントされる回数である(すなわち、(8)式のΣは、一周期分の積算をすることを表す)。
(測定結果出力部609)
測定結果出力部609は、リング試料Sにおける磁気特性の測定結果を出力する。本実施形態では、磁気特性は、磁束密度B(j)の波形が正弦波である(と見なせる)と判定されたタイミングに対応するリング試料Sの一周期分の磁束密度B(j)と、同じく磁束密度B(j)の波形が正弦波である(と見なせる)と判定されたタイミングに対応するリング試料Sの一周期分の磁界強度H(j)と、鉄損導出部608により導出されたリング試料Sにおける鉄損Wとを含む。
出力の形態は、例えば、コンピュータディスプレイへの表示、磁気特性測定装置600の内部の記憶媒体への記憶、可搬型記憶媒体への記憶、および外部装置への送信のうち、少なくとも1つを含む。
次に、図4のフローチャートを参照しながら、本実施形態の磁気特性測定装置600の動作の一例を説明する。尚、ここでは、目標磁束密度入力部603は、リング試料Sにおける一周期分の目標磁束密度(Bコイル400の両端における一周期分の目標誘導起電力)を特定するための情報を入力して記憶しているものとして説明を行う。
まず、ステップS401において、目標励磁電圧導出部607は、目標励磁電圧(変調波)の初期値をPWMインバータ200に出力する。これにより、PWMインバータ200が駆動する。
尚、目標励磁電圧(変調波)の初期値は、特に限定されない。例えば、目標励磁電圧(変調波)の初期値の波形を、励磁基本周波数を周波数とする正弦波にすることができる。また、リング試料Sにおける磁束密度の大きさ(波高値(最大値)または実効値)の目標値に、Bコイル400と励磁コイル300との巻き数比(N/Nb)を乗算した値を、目標励磁電圧(変調波)の大きさ(波高値(最大値)または実効値)にすることができる。
次に、ステップS402において、磁束密度導出部601は、リング試料Sの一周期分の磁束密度B(j)を導出する。
次に、ステップS403において、磁界強度導出部602は、リング試料Sの一周期分の磁界強度H(j)を導出する。
次に、ステップS404において、収束判定部604は、磁束密度導出部601から出力された、リング試料Sの一周期分の磁束密度B(j)の波形と、目標波形である正弦波との類似度を導出する。そして、収束判定部604は、導出した類似度に基づいて、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波である(と見なせる)か否かを判定する。
この判定の結果、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波である(と見なせる)場合には、後述するステップS408に進む。
一方、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波ではない(正弦波であるとは見なせない)と判定された場合には、ステップS405に進む。
ステップS405に進むと、磁束密度差分導出部605は、一周期分の各時刻t(j)について(4)式の計算を行うことにより、一周期分の差分誘導起電力を導出する。
次に、ステップS406において、電圧修正量導出部606は、一周期分の各時刻t(j)について(5)式の計算を行うことにより、PWMインバータ200における目標励磁電圧(変調波)の一周期分の修正量を導出する。
次に、ステップS407において、目標励磁電圧導出部607は、一周期分の各時刻t(j)について(7)式の計算を行うことにより、PWMインバータ200における変更後の目標励磁電圧(変調波)を導出する。
そして、ステップS401に戻り、目標励磁電圧導出部607は、ステップS407で導出した、変更後の目標励磁電圧(変調波)をPWMインバータ200に出力する。
その後、前述したように、ステップS404において、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波である(と見なせる)と判定されると、ステップS408に進む。
ステップS408に進むと、鉄損導出部608は、ステップS404で、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波である(と見なせる)と判定されたタイミングの直前に実行されたステップS402、S403の導出結果を取得する。すなわち、正弦波である(と見なせる)と判定されたときの、リング試料Sの一周期分の磁束密度B(j)・磁界強度H(j)を取得する。そして、鉄損導出部608は、取得したリング試料Sの一周期分の磁束密度B(j)・磁界強度H(j)に基づいて、(8)式の計算を行うことにより、リング試料Sにおける鉄損Wを導出する。
次に、ステップS409において、測定結果出力部609は、リング試料Sにおける磁気特性の測定結果を出力する。前述したように、磁気特性は、ステップS404で磁束密度B(j)の波形が正弦波である(と見なせる)と判定された直前のステップS402、S403で導出された、リング試料Sの一周期分の磁束密度B(j)・磁界強度H(j)と、ステップS408で導出されたリング試料Sにおける鉄損Wとを含む。
(実施例)
次に、実施例を説明する。尚、本発明が以下に示す実施例に限定されるものではないということは勿論である。
ここでは、リング試料Sを以下のものとした。
材質:50A470
外径:47[mm]
内径:33[mm]
積厚:10[mm]
また、励磁コイル300の巻き数を300[回]、Bコイル400の巻き数を100[回]とした。
また、以下の測定条件で測定を行った。
リング試料Sにおける磁束密度の波高値の上限値:1.7[T]
励磁基本周波数:50[Hz]
キャリア周波数:5[kHz]
変調率m:0.4
尚、変調率mは、変調波の振幅E0を搬送波の振幅Esで割った値(=E0÷Es)である。
本実施例では、前述した本実施形態の手法(図4のフローチャートの手法)で、PWMインバータ200からの出力電圧により励磁されたリング試料Sの鉄損を導出した(以下の説明では、この手法を、必要に応じて発明例と称する)。
また、目標励磁電圧の波形を正弦波に固定し、目標励磁電圧(変調波)を変更せずに、PWMインバータからの出力電圧により励磁されたリング試料Sの鉄損を導出した(以下の説明では、この手法を、必要に応じて比較例と称する)。比較例におけるリング試料Sの鉄損の導出の方法は、発明例と同じである。比較例では、図1に示した目標磁束密度入力部603、収束判定部604、磁束密度差分導出部605、電圧修正量導出部606、および目標励磁電圧導出部607を用いずに、PWMインバータに目標励磁電圧(変調波)を固定値として設定する構成になる。
また、発明例と同じように、リング試料Sにおける磁束密度の波形が正弦波になるようにリニア電源からの出力電圧を制御し、当該出力電圧により励磁されたリング試料Sの鉄損を導出した(以下の説明では、この手法を、必要に応じて参考例と称する)。参考例におけるリング試料Sの鉄損の導出の方法は、発明例と同じである。このように、参考例では、PWMインバータではなく、リニア電源(アナログ制御により動作する電源)を用いる。したがって、参考例では、前述したキャリア周波数および変調率の条件は適用されない。尚、参考例は、JIS C 2550−1(2011)で定められる方法(規格標準)に従って測定を行ったものになる。
図5は、発明例における結果を示す図であり、PWMインバータ200からの出力電圧(励磁コイル300に印加される励磁電圧)510と目標励磁電圧520を示す図である。目標励磁電圧520は、最終的に得られた目標励磁電圧(図4のステップS404でYESと判定されたときの目標励磁電圧)である。
図6は、発明例における結果を示す図であり、リング試料Sにおける磁束密度の波形610を示す図である。リング試料Sにおける磁束密度の波形610は、最終的に得られた波形(図4のステップS404でYESと判定されたときの波形である)。
図7は、比較例における結果を示す図であり、PWMインバータからの出力電圧(励磁コイル300に印加される励磁電圧)710と目標励磁電圧720を示す図である。
図8は、比較例における結果を示す図であり、リング試料Sにおける磁束密度の波形810を示す図である。
図9は、参考例における結果を示す図であり、リング試料Sにおける磁束密度の波形910を示す図である。
表1に、発明例、比較例、および参考例のそれぞれでの、リング試料Sにおける鉄損と、リング試料Sにおける磁束密度の波形率を示す。
Figure 0006369267
参考例では、PWMインバータを用いていない。したがって、図9に示す、リング試料Sにおける磁束密度の波形910には、PWMインバータを用いることに起因する高調波成分は含まれない。
図8に示すように、比較例では、リング試料Sにおける磁束密度の波形810は歪む。したがって、リング試料Sにおける磁束密度の波形810から導出される鉄損には、この歪みの影響が含まれる。このため、図8、図9に示すリング試料Sにおける磁束密度の波形810、910から導出した鉄損を比較しても、PWMインバータを励磁電源として用いることによる鉄損のみを評価することができない。
これに対し、図6、図9、および表1の波形率に示すように、発明例では、参考例と同様に、リング試料Sにおける磁束密度の波形610を正弦波に制御する。表1に示すように発明例と参考例の波形率の誤差は0.1[%]以内になる。したがって、図6、図9に示すリング試料Sにおける磁束密度の波形610、910から導出した鉄損を比較することにより、PWMインバータを励磁電源として用いることによる鉄損のみを評価することが可能になる。
表1に示すように、比較例における鉄損は6.45[W/kg]であるのに対し、発明例における鉄損は6.17[W/kg]である。このように、発明例における鉄損が、比較例における鉄損よりも小さいのは、発明例では、リング試料Sにおける磁束密度の波形が歪むことに起因する鉄損の増加を抑制できていることに対応すると考えられる。また、発明例における鉄損(=6.17[W/kg])に対する比較例における鉄損(=6.45[W/kg])の誤差率(={(6.45−6.17)/6.17}×100)は、約5[%]であり、JIS C 2550−1(2011)の再現性の項で示されている2[%]よりも大きな値となる。したがって、これらの鉄損の差は、誤差として無視できるものではないといえる。
以上のことから、表1に示す発明例における鉄損(=6.17[W/kg])から、参考例における鉄損(=4.55[W/kg])を減算した値(=1.62[W/kg])が、PWMインバータを励磁電源として用いることによる鉄損であると評価することができる。
以上のように本実施形態では、リング試料Sにおける磁束密度の波形が正弦波になるように、PWMインバータ200における目標励磁電圧(変調波)を変更する。したがって、リング試料Sにおける磁束密度の高調波成分の影響を除去した上で、リング試料Sにおける鉄損を導出することができる。これにより、例えば、他の励磁電源を用いた場合でも、リング試料Sにおける磁束密度の波形が正弦波になるように励磁電圧を調整すれば、当該他の励磁電源を用いた場合と、PWMインバータを励磁電源として用いた場合との鉄損を比較することにより、PWMインバータを励磁電源として用いることによる鉄損の変化分を評価することができる。また、例えば、異なる磁性材料における鉄損の比較や、同一の磁性材料における励磁条件を変えた場合の鉄損の比較を行うことができる。したがって、PWMインバータにおける出力電圧で励磁された磁気特性の比較評価を容易に行うことができる。
(変形例)
本実施形態では、Bコイル400の両端に生じる誘導起電力を用いてリング試料Sにおける磁束密度を導出する場合を例に挙げて説明した。また、シャント抵抗500に流れる電流を用いて(励磁電流法により)磁界強度を求める場合を例に挙げて説明した。しかしながら、磁性材料における磁束密度および磁界強度を導出する方法は、このような方法に限定されず、磁性材料における磁束密度および磁界強度を測定するその他の公知の技術を用いてもよい。また、磁気特性測定装置600が外部で測定・導出された、磁性材料における磁束密度および磁界強度を取得してもよい。すなわち、PWMインバータ200からの出力電圧によって励磁された磁性材料における磁束密度を導出するための検出を行っていれば、磁束密度検出装置は、必ずしも、Bコイル400に限定されない。また、PWMインバータ200からの出力電圧によって励磁された磁性材料における磁束密度を導出するための検出を行っていれば、磁界強度検出装置は、必ずしも、励磁コイル300およびシャント抵抗500に限定されない。
また、本実施形態では、磁束密度差分導出部605、電圧修正量導出部606、および目標励磁電圧導出部607において、一周期分の計算を行うようにした。しかしながら、一周期分以上の期間において前述した計算を行ってもよい。
また、本実施形態では、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波である(と見なせる)と判定された場合に、リング試料Sにおける鉄損Wを導出する場合を例に挙げて説明した(図4のS404、S408を参照)。しかしながら、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波である(と見なせる)か否かに関わらずリング試料Sにおける鉄損Wを測定し、リング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波である(と見なせる)と判定された場合の鉄損を出力する構成としてもよい。
例えば、ステップS403とS404との間で、ステップS402で導出されたリング試料Sの一周期分の磁束密度B(j)と、ステップS403で導出されたリング試料Sの一周期分の磁界強度H(j)とに基づいて、リング試料Sにおける鉄損Wを導出する。そして、ステップS408の処理を行わずに、ステップS409において、ステップS404でリング試料Sにおける磁束密度B(j)の波形が正弦波である(と見なせる)と判定されたタイミングの直前に導出されたリング試料Sにおける鉄損Wを出力するようにしてもよい。
尚、以上説明した本発明の実施形態のうち、少なくとも磁気特性測定装置600が行う処理は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100:直流電圧発生部、200:PWMインバータ、300:励磁コイル、400:Bコイル、500:シャント抵抗、600:磁気特性測定装置、601:磁束密度導出部、602:磁界強度導出部、603:目標磁束密度入力部、604:収束判定部、605:磁束密度差分導出部、606:電圧修正量導出部、607:目標励磁電圧導出部、608:鉄損導出部、609:測定結果出力部

Claims (8)

  1. 目標励磁電圧を変調波としてPWM(Pulse Width Modulation)制御を行うことにより励磁電圧を生成するPWMインバータを用いて、電磁鋼板における鉄損を測定する鉄損測定装置であって、
    前記PWMインバータで生成された前記励磁電圧によって励磁された電磁鋼板における磁束密度の時間波形が正弦波であると見なせるか否かを判定する収束判定手段と、
    前記収束判定手段により、前記磁束密度の時間波形が正弦波であるとは見なせないと判定されると、当該正弦波であるとは見なせない磁束密度と、前記電磁鋼板における磁束密度の目標値との差分を、少なくとも一周期の期間において導出する磁束密度差分導出手段と、
    前記磁束密度差分導出手段により導出された前記差分に基づいて、前記目標励磁電圧の修正量を導出する電圧修正量導出手段と、
    前記電圧修正量導出手段により導出された前記修正量に基づいて、前記目標励磁電圧を変更する目標励磁電圧導出手段と、
    前記収束判定手段により、前記正弦波であると見なせる磁束密度と、前記励磁された電磁鋼板における磁界強度であって、当該磁束密度と同じタイミングにおける磁界強度と、の時間波形を用いて得られるヒステリシスループに基づいて、前記電磁鋼板における鉄損を導出する鉄損導出手段と、
    を有し、
    前記PWMインバータは、前記目標励磁電圧導出手段により前記目標励磁電圧が変更されると、当該変更された後の前記目標励磁電圧を変調波としてPWM制御を行うことにより前記励磁電圧を生成し、
    前記鉄損導出手段は、前記収束判定手段により、前記磁束密度の時間波形が正弦波でないと判定されることなく前記磁束密度の時間波形が正弦波であると見なせると判定された場合には、前記PWMインバータが前記目標励磁電圧を変調波としてPWM制御を行うことにより生成された前記励磁電圧によって励磁された前記電磁鋼板における磁束密度および磁界強度の時間波形に基づく前記ヒステリシスループに基づいて、前記電磁鋼板における鉄損を導出し、前記収束判定手段により、前記磁束密度の時間波形が正弦波であると見なせないと判定された場合には、前記PWMインバータが、前記電圧修正量導出手段により導出された前記修正量に基づいて変更された後の前記目標励磁電圧を変調波としてPWM制御を行うことにより生成された前記励磁電圧によって励磁された前記電磁鋼板における磁束密度および磁界強度の時間波形に基づく前記ヒステリシスループに基づいて、前記電磁鋼板における鉄損を導出することを特徴とする鉄損測定装置。
  2. 前記収束判定手段は、前記PWMインバータで生成された前記励磁電圧によって励磁された電磁鋼板における磁束密度の時間波形と正弦波との類似度を導出し、導出した類似度に基づいて、前記PWMインバータで生成された前記励磁電圧によって励磁された電磁鋼板における磁束密度の時間波形が正弦波であると見なせるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の鉄損測定装置。
  3. 前記鉄損導出手段により導出される前記電磁鋼板における鉄損は、当該鉄損を導出したときと、励磁電源、励磁条件、または励磁対象の電磁鋼板を異ならせ、且つ、電磁鋼板における磁束密度の時間波形が正弦波であると見なせる条件下で導出された当該電磁鋼板における鉄損と比較するために用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄損測定装置。
  4. 前記収束判定手段は、前記PWMインバータで生成された前記励磁電圧によって励磁された電磁鋼板における磁束密度の時間波形の代わりに、前記電磁鋼板に巻き回されたコイルであって、前記励磁された前記電磁鋼板における磁束密度を検出するためのコイルであるBコイルの両端に生じる誘導起電力の時間波形を用い、
    前記磁束密度差分導出手段は、前記正弦波であるとは見なせない磁束密度と、前記電磁鋼板における磁束密度の目標値との差分の代わりに、前記Bコイルの両端に生じる誘導起電力であって、前記正弦波であるとは見なせない誘導起電力と、前記Bコイルの両端に生じる誘導起電力の目標値との差分を用いることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の鉄損測定装置。
  5. 前記励磁電圧によって励磁された電磁鋼板における磁束密度の波高値は、1.4[T]以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の鉄損測定装置。
  6. 目標励磁電圧を変調波としてPWM(Pulse Width Modulation)制御を行うことにより励磁電圧を生成するPWMインバータを用いて、電磁鋼板における鉄損を測定する鉄損測定方法であって、
    前記PWMインバータで生成された前記励磁電圧によって励磁された電磁鋼板における磁束密度の時間波形が正弦波であると見なせるか否かを判定する収束判定工程と、
    前記収束判定工程により、前記磁束密度の時間波形が正弦波であるとはと見なせないと判定されると、正弦波であるとは見なせない磁束密度と、前記電磁鋼板における磁束密度の目標値との差分を、少なくとも一周期の期間において導出する磁束密度差分導出工程と、
    前記磁束密度差分導出工程により導出された前記差分に基づいて、前記目標励磁電圧の修正量を導出する電圧修正量導出工程と、
    前記電圧修正量導出工程により導出された前記修正量に基づいて、前記目標励磁電圧を変更する目標励磁電圧導出工程と、
    前記収束判定工程により、前記正弦波であると見なせる磁束密度と、前記励磁された電磁鋼板における磁界強度であって、当該磁束密度と同じタイミングにおける磁界強度と、の時間波形を用いて得られるヒステリシスループに基づいて、前記電磁鋼板における鉄損を導出する鉄損導出工程と、
    を有し、
    前記目標励磁電圧導出工程により前記目標励磁電圧が変更されると、前記PWMインバータにおいて、当該変更された後の前記目標励磁電圧を変調波としてPWM制御を行うことにより前記励磁電圧を生成し、
    前記鉄損導出工程は、前記収束判定工程により、前記磁束密度の時間波形が正弦波でないと判定されることなく前記磁束密度の時間波形が正弦波であると見なせると判定された場合には、前記PWMインバータが前記目標励磁電圧を変調波としてPWM制御を行うことにより生成された前記励磁電圧によって励磁された前記電磁鋼板における磁束密度および磁界強度の時間波形に基づく前記ヒステリシスループに基づいて、前記電磁鋼板における鉄損を導出し、前記収束判定工程により、前記磁束密度の時間波形が正弦波であると見なせないと判定された場合には、前記PWMインバータが、前記電圧修正量導出工程により導出された前記修正量に基づいて変更された後の前記目標励磁電圧を変調波としてPWM制御を行うことにより生成された前記励磁電圧によって励磁された前記電磁鋼板における磁束密度および磁界強度の時間波形に基づく前記ヒステリシスループに基づいて、前記電磁鋼板における鉄損を導出することを特徴とする鉄損測定方法。
  7. 前記収束判定工程は、前記PWMインバータで生成された前記励磁電圧によって励磁された電磁鋼板における磁束密度の時間波形の代わりに、前記電磁鋼板に巻き回されたコイルであって、前記励磁された前記電磁鋼板における磁束密度を検出するためのコイルであるBコイルの両端に生じる誘導起電力の時間波形を用い、
    前記磁束密度差分導出工程は、前記正弦波であるとは見なせない磁束密度と、前記電磁鋼板における磁束密度の目標値との差分の代わりに、前記Bコイルの両端に生じる誘導起電力であって、前記正弦波であるとは見なせない誘導起電力と、前記Bコイルの両端に生じる誘導起電力の目標値との差分を用いることを特徴とする請求項に記載の鉄損測定方法。
  8. 請求項1〜の何れか1項に記載の鉄損測定装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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