まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前面(正面)側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠101と、外枠101に開閉可能に取り付けられた前面枠と、で主に構成されている。前面枠の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球(パチンコ玉)を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。この上皿3の下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、その上端部には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン516が設けられている。
プッシュボタン516は、上下に可動可能とされて、遊技者により操作されていない非操作状態である非押下(高背)状態と、遊技者により操作されている操作状態である押下(低背)状態とを反復するようになっているとともに、プッシュボタン516の直下に設けられたバネ部材517により、常時、非押下(高背)状態に付勢されており、遊技者が操作したときにおいてのみ非押下(高背)状態から押下(低背)状態となる。
これらプッシュボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を受付け可能に構成されていればよい。プッシュボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図2を参照)が設けられている。
操作レバー600のパチンコ遊技機1内方側には、送風口が設けられていることで、操作レバー600を操作する遊技者の手に対し、演出に応じて送風するとともにバイブレータを動作させて振動させることにより臨場感を高めることができるようになっている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には前後方向に向けて開口が形成されており、該開口周囲は、環状のステージ飾り枠150が設けられている。該ステージ飾り枠150内には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を変動表示する複数の変動表示部を含む第1演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。
第1演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示部(図柄表示エリア)がある。第1演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示(可変表示)を行う。演出図柄の変動表示を行う第1演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。
また、ステージ飾り枠150内における第1演出表示装置9の右方には、第2演出表示装置11を備えた演出ユニット200が配置されている。更に第1演出表示装置9の正面には、装飾役物210が配置されている。この装飾役物210は、演出ユニット200を正面視から被覆可能な大きさに形成されているとともに、樹脂材等の透光性を有する材質により構成されており、遊技者は、装飾役物210の後方に配置されている演出ユニット200を、該装飾役物210を介して視認することが可能となっている。更に、演出ユニット200の下端部は図示しない前後方向を向く枢軸に固着されている。該枢軸は、第1役物モータ33が駆動することにより回動可能となっている。このため、演出ユニット200は、詳細は後述するが、第1役物モータ33を駆動することにより装飾役物210の後方である第1位置と、第1演出表示装置9の右部正面である第2位置との間を円弧状の軌跡を描きながら移動可能となっている。更に第1演出表示装置9の下方には、左右方向を向くレール(図示せず)が設けられている。演出ユニット200は、詳細は後述するが、第1役物モータ33を駆動することにより該レール上を第1演出表示装置9の右方である第1位置と、第1演出表示装置9の正面である第2位置との間を水平に移動可能となっている。
尚、本発明における第1位置と第2位置とは、パチンコ遊技機1における異なる位置を指しているが、第1位置と第2位置との関係としては、本実施例のように第2位置を第1演出表示装置9の右部正面のように遊技者が視認する機会が多く目立つ位置とし、第1位置を装飾役物210の後方のように遊技者が視認する機会が第1位置よりも少なく目立たない位置とすることが望ましい。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第1演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
第1演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ13b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第2入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bの検出結果及び第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は第1演出表示装置9の直下に設けられているが、第1演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、第1始動入賞口13への入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、第1演出表示装置9の表示画面には、後述する保留予告フラグがセットされているときにおいて第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部(図1参照)と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部(図1参照)とが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23(例えば、近接スイッチ)及び第3入賞確認スイッチ23a(例えば、フォトセンサ)で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
なお、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を変動表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a,29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29b,29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
第1始動入賞口13内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b)が設けられている。この実施例では、第1始動入賞口13内で、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bとが上下に配置されている(本例では、第1始動口スイッチ13aが上側に配置され、第1入賞確認スイッチ13bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第1始動入賞口13内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第1始動口スイッチ13aで検出され、次いで第1入賞確認スイッチ13bで検出される。
また、第2始動入賞口14内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b)が設けられている。この実施例では、第2始動入賞口14内で、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bとが上下に配置されている(本例では、第2始動口スイッチ14aが上側に配置され、第2入賞確認スイッチ14bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第2始動口スイッチ14aで検出され、次いで第2入賞確認スイッチ14bで検出される。
また、大入賞口内には、大入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a)が設けられている。この実施例では、大入賞口内で、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとが配置されている(本例では、カウントスイッチ23が上側に配置され、第3入賞確認スイッチ23aが下側に配置されている)。従って、この実施例では、大入賞口内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まずカウントスイッチ23で検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23aで検出される。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとして、それぞれ異なる検出方式のスイッチが用いられる。この実施例では、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23として近接スイッチを用い、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aとしてフォトセンサを用いている。
また、第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第1特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第2特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第1カウントスイッチ23または第2カウントスイッチ24によって遊技球が検出されたことにもとづいて、賞球払出が実行される。また、第1始動口スイッチ13aによる検出結果に加えて第1入賞確認スイッチ13bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、第2始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、カウントスイッチ23による検出結果に加えて第3入賞確認スイッチ23aの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。従って、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aは、異常入賞の判定のみに用いられる。
このように、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23は近接スイッチを用いて構成し、第1〜3入賞確認スイッチ13b,14b,23aはフォトセンサを用いているが、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aの検出方式はこの実施例で示したものにかぎらず、例えば、第1,2始動口スイッチ13a,14a及びカウントスイッチ23と、第1〜3入賞確認スイッチ13b,14b,23aとで異なる検出方式であれば、逆に第1,2始動口スイッチ13a,14a及びカウントスイッチ23としてフォトセンサを用い、第1〜3入賞確認スイッチ13b,14b,23aとして近接スイッチを用いてもよい。この場合、フォトセンサである第1,2始動口スイッチ13a,14a及びカウントスイッチ23の検出結果にもとづいて特別図柄の変動表示や賞球払出処理が実行され、近接スイッチである第1〜3入賞確認スイッチ13b,14b,23aの検出結果は、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口の異常入賞の判定のみに用いられることになる。また、例えば、電磁式のスイッチである近接スイッチや光学式のフォトセンサに代えて、第1,2始動口スイッチ13a,14a及びカウントスイッチ23または第1〜3入賞確認スイッチ13b,14b,23aとして、機械式のスイッチ(マイクロスイッチなど)を用いてもよい。
また、この実施例では、特別図柄の変動表示や賞球払出処理の実行の契機となる第1,2始動口スイッチ13a,14a,カウントスイッチ23は、異常入賞の判定に用いられる第1〜3入賞確認スイッチ13b,14b,23aよりも上流側に設けられていたが、異常入賞の判定に用いられるスイッチの下流側に設けてもよい。
そして遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、第1始動口スイッチ13a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第1入賞確認スイッチ13b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第1始動口スイッチ13aにて検出された遊技球数と第1入賞確認スイッチ13bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第1始動入賞口13への異常入賞が発生したと判定する。また、第2始動口スイッチ14a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第2入賞確認スイッチ14b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第2始動口スイッチ14aにて検出された遊技球数と第2入賞確認スイッチ14bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定する。また、カウントスイッチ23(近接スイッチ)から入力した検出信号と第3入賞確認スイッチ23a(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、カウントスイッチ23にて検出された遊技球数と第3入賞確認スイッチ23aにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、5以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、大入賞口への異常入賞が発生したと判定する。
このように、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aと、を互いに異なる検出方式のセンサ(本例では、近接スイッチとフォトセンサ)により構成していることで、例えば電磁波などを用いて第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われた場合に、近接スイッチにて検出された遊技球数とフォトスイッチにて検出された遊技球数とに差が生じ、遊技制御用マイクロコンピュータ1560はこの差球数が所定の閾値を超えた場合に異常入賞が発生したと判定するため、確実な不正行為対策を講ずることができる。
遊技領域7には、遊技状態に応じて発光する複数の装飾LED25a,25bを有する装飾部材25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図2参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図2参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
図1では、図示を省略しているが、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天ランプモジュール530の近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。なお、賞球LED51および球切れLED52は、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100によって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている(図2参照)。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
この実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄が「確変大当り」または「非確変当り」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、第1大当り状態(15ラウンド大当り状態)に移行する。大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。なお、15ラウンド大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「突確(突然確変大当り)」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、第2大当り状態(高速2ラウンド大当り状態)に移行する。第2大当り状態では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)あるいは所定個数(例えば3個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。第2大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第2ラウンド数(例えば「2」)となる。
このような第2大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出玉(賞球)が得られるが、大入賞口の開放期間が第2期間(0.5秒間)であって、非常に短い。そのため、第2大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、第2大当り状態は第2特定遊技状態ともいう。また、第2大当り状態は、本実施例のように、第1大当り状態に比べてラウンドの実行回数が少ないものではなく、同一のラウンド数であって、大入賞口の開放期間が非常に短い(例えば0.1秒間)としたものであってもよい。すなわち、第2大当り状態は、各ラウンドで大入賞口を開放状態に変化させる期間が第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第1大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであってもよい。
また、「非確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば70回等)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。このように非確変大当りに対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基に対応する大当り図柄特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて変動表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
「確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後や、確変状態において「突確」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第2大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや演出図柄の変動表示において、変動表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に変動表示結果が「大当り」となるまで継続する。
こうした「確変大当り」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。また、「突確」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、突確大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち確変大当り図柄が停止表示されて変動表示結果が「大当り」となることは、「確変大当り」と称される。突確大当り図柄が停止表示されて変動表示結果が「大当り」となることは、「突確大当り」(「突確大当り」ともいう)と称される。なお、これら大当り図柄は任意であり、例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号等にしてもよい。
「小当り」に対応する特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、突確(第2大当り状態)と同様に特別可変入賞球装置20において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置20を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が、第2回数{第2ラウンド数に等しい実行回数(本例では2回)}に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、第2大当り状態と同様に、特別可変入賞球装置20を第1状態とする期間が第2期間となることと、第1状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、変動表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口14を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合せられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口14は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
また、この実施例では、通常状態において「突確」の終了後には、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない第2確変制御(潜伏確変状態;高確低ベース状態)へ移行する。また、確変状態において「突確」となったことに基づく第2大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態)へ移行する。
このように確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないもの(潜伏確変)が含まれていてもよい。また、例えば、特図ゲームにける変動表示結果が「確変大当り」となったことに基づく第1大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態ともいう)に制御され、その後、特図表示結果が「大当り」となることなく、特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば70回)に達したときには、確変制御は継続して行われるものの、時短制御や高開放制御が終了して行われなくなる第2確変状態(高確低ベース状態ともいう)に制御されるようにしてもよい。
第1演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、第1演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について簡単に説明する。パチンコ遊技機1の背面側では、第1演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板ともいう)31、音声制御基板70および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケースに収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ1560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板が設置されている。ターミナル基板には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。なお、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
パチンコ遊技機1の背面上部の貯留タンクに貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチが設けられている。球切れスイッチが球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチが遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ1560(遊技制御手段に相当)が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ1560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ1560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ1560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、乱数回路53が内蔵されている。乱数回路53は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切り替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ1560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ1560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路53から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ100)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータ100にも、遊技制御用マイクロコンピュータ1560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ1560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ1560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ1560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ1560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14a、第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23aおよび各入賞口スイッチ30a,30bや、演出装置500に設けられる昇降センサ90からの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、演出装置500の可動部800を昇降する昇降モータ533を基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ1560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ1560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する第1演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU120およびRAM122を含む演出制御用マイクロコンピュータ100や、第1演出表示装置9及び第2演出表示装置11での表示制御を実行するVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262を搭載している。
なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP262に第1演出表示装置9及び第2演出表示装置11の表示制御を行わせる。尚、本実施例の第2演出表示装置11は、後述する役物予告演出の実行時以外の通常時においては、第1演出表示装置9において実行される演出図柄の変動表示や各種演出に関連したキャラクタのアニメーション等が表示される。尚、後述する役物予告演出の実行時以外の通常時においては、第2演出表示装置11において何れの表示を実行しないようにしても良く、また、第1演出表示装置9において実行される演出図柄の変動表示や各種演出に関係なくキャラクタのアニメーション等が表示されるようにしても良い。
尚、演出制御基板80には、演出ユニット200を第1位置と第2位置との間で移動させるための第1役物モータ33、演出ユニット200が備える第2演出表示装置11を回転させるための第2役物モータ34及び演出ユニット200内に設けられたスリップリングモジュール38が接続されている。更に、スリップリングモジュール38は、第2演出表示装置11及び第2演出表示装置11内に設けられた、後述するスター役物300を回転させるための第3役物モータ35に接続されている。尚、スリップリングモジュール38とは、回転体に対して同心円上に配置された環状の電路とブラシを介して電力や電気信号を伝達するための機構を備えた装置である。このスリップリングモジュールを介して演出制御基板80に第2演出表示装置11及び第3役物モータ35が接続されることで、第2演出表示装置11における表示制御と、第3役物モータ35によるスター役物300の回転制御が可能となっている。
また、スリップリングモジュール38は、電力や電気信号を伝達するための複数の環状の電路やブラシなどは、金属部材で構成されている。更に、これらの金属部材同士の絶縁体を構成する合成樹脂材を有している。そして、演出ユニット200を駆動させる際には、第2演出表示装置11の回転に応じて、これらのスリップリングモジュール38の内部の金属部材同士や合成樹脂材などが互いに摺接されながら動作されるようになっている。尚、本実施例では、後述するように、異常なパルス信号が生じても、役物モータ33〜35の誤作動を防ぐことができるので、スリップリングモジュール38の金属部材同士や合成樹脂材などが回転動作によって過度に加熱される虞もないようになっている。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ1560側)に入り込まない。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段である演出制御用CPU120が、遊技盤6に設けられているステージLED(図示略)の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c並びに天ランプモジュール530内の各LEDの表示制御を行う。
図2に示すように、演出制御基板80は、演出制御用CPU120、ROM121、RAM122、I/O123を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵のROM121に格納されたプログラムに従って動作し、シリアル入力回路260を介して演出制御コマンドを受信する。演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に、第1演出表示装置9に表示する画像の生成等の第1演出表示装置9の表示制御を行わせる表示制御処理を実施する。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROM121には、図柄変動制御パターンテーブルを初めとする、各種予告演出の演出制御パターンを含む予告演出制御パターンテーブル(図示略)、各種大当り状態や小当り状態における演出制御パターンを含む各種演出制御パターンテーブル(図示略)等が記憶されている。図柄変動制御パターンテーブルには、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、並びに音制御実行データ、音声入力や動作入力等の入力の受付け開始や受付け終了のタイミング等を特定可能な入力受付け期間データ、終了コードといった演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
また、各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
なお、図柄変動制御パターン、各種予告の予告演出制御パターン、各種演出制御パターン等、各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
プロセスタイマ設定値は、演出制御用CPU120における演出制御用のプロセスタイマの格納値であるプロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、プロセスタイマ設定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
演出制御用CPU120は、これら演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、プロセスタイマ値がプロセスタイマ設定値のいずれかと合致したときには、そのプロセスタイマ設定値と対応付けられた演出制御実行データに含まれる表示制御実行データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を第1演出表示装置9の表示画面に表示させる制御を行う。また、音声制御実行データにより指定される態様で各スピーカ27から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御実行データにより指定される態様で装飾LED25や天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c等の発光体を点滅させる制御を行う。なお、プロセスタイマ設定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
また、予告演出制御パターンには、各種の予告演出を実施する際に、各予告演出が開始されてから予告演出が終了するまでの期間における、演出表示動作や操作ボタンの有効・無効の制御動作や入力される音声や動作の処理内容等の演出動作の制御内容を示すデータ(予告演出制御パターン)が格納されている。予告演出制御パターンには、図柄変動制御パターンと同じく、予告プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データといった予告演出の演出動作を制御するための複数の制御データ(予告プロセスデータ)とともに、遊技者からの操作を受付けるためにプッシュボタン516や操作レバー600の操作を受付ける期間等のデータやこれら操作を受付けるための制御データが時系列的に設定されている。
尚、これら操作予告演出制御パターンは、変動開示後に各予告演出を開始するまでの予告演出開始待ち時間を特定可能とされており、これら特定される予告演出開始待ち時間に基づいて、後述する予告演出開始待ちタイマがセットされるようになっている。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMには、第1保留記憶表示部並びに第2保留記憶表示部の表示を行うための第1保留表示バッファと第2保留表示バッファや、時短回数をカウントするための時短回数カウンタ、確変回数をカウントするための確変回数カウンタ、音声入力予告おける操作ボタンの操作や音声入力の状況やジェスチャー予告における動作入力の状況を特定可能な入力履歴情報を記憶する領域等が設けられている。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROM121には、予告演出の種別を決定するための予告演出決定用テーブル等の各種テーブルが記憶されている。
遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての天ランプモジュール基板542、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、枠ボタン基板509が設けられている。これら各枠側IC基板542,473b,473c,508,509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
操作台基板508には、操作レバー600に設けられたレバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513から出力される信号を検出し、信号入力に対応した所定の検知信号を出力するセンサ監視IC(図示略)と、該センサ監視ICによる検知信号が入力されるパラレル−シリアル変換IC(図示略)が搭載されており、操作レバー600の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
同様に、枠ボタン基板509には、プッシュボタン516の操作を検出するボタンスイッチ516aからの出力信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板89を介して演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)に出力するパラレル−シリアル変換ICが実装されており、これらプッシュボタン516の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、図2に示すように、演出制御基板80、中継基板88および中継基板89は、バス型の配線ルートで接続される。また、演出制御基板80には、第1演出表示装置9及び第2演出表示装置11が接続され、さらに第1〜3役物モータ33〜35が接続される。
図3は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80のみを設ける場合を示すが、LEDドライバ基板等を設けてもよい。この場合、LEDドライバ基板等には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU120、シリアル出力回路253、シリアル入力回路254、クロック信号出力部256および入力取込信号出力部257を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。この演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、シリアル入力回路260および入力ポート261を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路260は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に第1演出表示装置9及び第2演出表示装置11の表示制御を行わせる。
本実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して第1演出表示装置9及び第2演出表示装置11の表示制御を行うVDP262が演出制御基板80に搭載されている。また、VDP262は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。更に、VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP262は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して第1演出表示装置9及び第2演出表示装置11に出力する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示略)から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。CGROMは、第1演出表示装置9及び第2演出表示装置11に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU120の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。
また、演出制御用CPU120は、シリアル出力回路253を介して役物モータ33〜35を駆動する信号を出力する。このシリアル出力回路253は、入力した役物モータ33〜35を駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板88に出力する。また、演出制御用CPU120は、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。
また、図2〜図4に示すように、クロック信号出力部256は、クロック信号を出力する。このクロック信号は、第1及び第2役物モータ33,34を駆動する駆動回路551のシリアル−パラレル変換IC521に供給されるとともに、スリップリングモジュール38を介して第3役物モータ35の駆動回路552のシリアル−パラレル変換IC522に供給される。更に、このクロック信号は、中継基板88,89を介して各枠側IC基板542,473b,473c,508,509に搭載されたシリアル−パラレル変換ICやパラレル−シリアル変換ICに供給される。したがって、本実施例では、各シリアル−パラレル変換ICおよび各パラレル−シリアル変換ICに共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部257は、図2及び図3に示すように、演出制御用CPU120の指示に従って、中継基板89を介して、操作台基板508,509に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。操作台基板508に搭載された入力ICであるパラレル−シリアル変換ICは、演出制御用マイクロコンピュータ100からの入力取込信号が入力されると、レバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513の検出信号や、バイブレータ514内の振動モータ514a並びに風モータ515aの駆動フィードバック信号や励磁相フィードバック信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板88,89を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。
同様に、枠ボタン基板509に搭載された入力ICであるパラレル−シリアル変換ICも、入力取込信号出力部257から出力される入力取込信号が入力されると、ボタンスイッチ516検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板89を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。
音声合成用IC173は、音番号データを入力すると、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
中継基板88は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板98,99に搭載された各シリアル−パラレル変換ICに供給する。そして、各シリアル−パラレル変換ICは、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各装飾LED25a,25bに供給する。
また、中継基板89は、バス型に1系統の配線ルートで中継基板88と接続されており、各シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、盤側IC基板上でバス形式に接続されている。また、盤側IC基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICにはそれぞれ固有のIDがある。
中継基板89に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、各枠側IC基板542,473b,473c,508,509に搭載された各シリアル−パラレル変換ICに供給される。そして、各シリアル−パラレル変換ICは、供給されたシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば供給されたシリアルデータをパラレルデータに変換して出力する。
また、図4に示すように、駆動回路551,552には、シリアル−パラレル変換IC521,522に加えて、これらシリアル−パラレル変換IC521,522から出力されるパラレルデータが入力されることで、各第1〜3役物モータ33〜35を駆動する各駆動制御IC523〜525が搭載されている。尚、各駆動制御IC523〜525は、各第1〜3役物モータ33〜35のそれぞれに対応している。
これら役物モータ33〜35としては、駆動用パルス信号が個別に入力される4つの励磁コイルを備える周知の4相のステッピングモータが共に使用されており、各駆動制御IC523〜525は、各相の励磁コイルに1相励磁駆動または1−2相励磁駆動となるように個別に駆動用パルス信号を、演出制御用マイクロコンピュータ100から送信されるシリアルデータに基づくパラレルデータ(制御信号)に基づいて供給することで、各役物モータ33〜35を、演出制御用マイクロコンピュータ100からの指示に応じて回転または停止可能になっている。
また、駆動回路551,552には、各役物モータ33〜35に駆動電力を供給する各駆動電源制御IC533〜535が搭載されている。尚、本実施例では、各駆動電源制御IC533〜535は、各第1〜3役物モータ33〜35のそれぞれに対応し、DC12Vの駆動電力を各役物モータ33〜35に供給可能になっている。また、各第1〜3役物モータ33〜35は、駆動用パルス信号の入力と同時に、駆動電源制御IC533〜535から駆動電力が入力されたときのみ駆動されるようになっている。
更に、駆動電源制御IC533〜535には、シリアル−パラレル変換IC521,522から駆動制御IC523〜525に接続される配線がORゲート回路を介して接続されている。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100から送信されるシリアルデータに基づくパラレルデータ(制御信号)が駆動電源制御IC533〜535に入力され、このパラレルデータの入力があるときのみ、駆動電源制御IC533〜535が役物モータ33〜35に駆動電力を供給し、パラレルデータの入力がないときには、駆動電源制御IC533〜535が役物モータ33〜35に駆動電力を供給しない制御を行うようになっている。
つまり、本実施例では、駆動制御IC523〜525から駆動用パルス信号が役物モータ33〜35に入力されるのみでは、役物モータ33〜35の励磁コイルが励磁されず、当該駆動用パルス信号の入力と同時に、駆動電力が駆動電源制御IC533〜535から入力されたときに、励磁コイルが励磁されるので、役物モータ33〜35が誤作動を起こさないようになっている。このように、役物モータ33〜35を動作させないとき(パラレルデータの入力がないとき)に、役物モータ33〜35に駆動電力が供給されてしまって過熱や誤動作が発生することを抑制できる。
例えば、駆動制御IC523〜525や役物モータ33〜35に接続される配線などにおいて、静電気等の発生に起因するノイズ等の影響により異常なパルス信号が生じても、この異常なパルス信号が役物モータ33〜35に入力されたとしても、駆動電源制御IC533〜535から駆動電力が役物モータ33〜35に入力されないので、役物モータ33〜35の誤作動を防ぐことができる。また、励磁コイルがショートされてしまうことも防止できる。
尚、本実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ100から送信されるシリアルデータに基づくパラレルデータ(制御信号)が駆動電源制御IC533〜535に入力されたときのみ、駆動電源制御IC533〜535が役物モータ33〜35に駆動電力を供給するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パラレルデータ(制御信号)が駆動電源制御IC533〜535に入力されたことを示す指示信号が、シリアル−パラレル変換IC521,522(または演出制御用マイクロコンピュータ100)以外から入力されるようにしても良く、当該指示信号が入力されたときのみ、駆動電源制御IC533〜535が役物モータ33〜35に駆動電力を供給するようにしても良い。
尚、本実施例では、駆動電源制御IC533〜535には、シリアル−パラレル変換IC521,522から駆動制御IC523〜525に接続される配線が1つのORゲート回路を介して接続されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ORゲートを多段に形成しても良い。例えば、シリアル−パラレル変換ICから出力される信号の配線が4つある場合に、これら4つの配線のうち、2つの配線を1つのORゲートに接続するとともに他の2つの配線を他の1つのORゲートに接続し、更に、これら2つのORゲートから出力される信号の配線を、1つのORゲートに接続し、当該ORゲートから出力される信号を駆動電源制御ICに入力するようにしても良い。
尚、本実施例では、4つの励磁コイルを備えるステッピングモータの1つに対して1つの駆動電源制御ICが設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、4つの励磁コイルのそれぞれに供給される駆動電力を制御するために、4つの駆動電源制御ICを設けるようにしても良い。この場合には、シリアル−パラレル変換ICから駆動制御ICに接続される複数の配線のうち、各励磁コイルに対応したパラレルデータ(制御信号)が送信される配線の1つ1つを、ORゲート回路を介して各駆動電源制御ICに接続するようにする。
尚、本実施例では、役物モータ33〜35が演出制御用マイクロコンピュータ100により制御されるものを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、役物モータ33〜35が遊技制御用マイクロコンピュータ1560により制御されるものであっても良い。
尚、本実施例では、役物を可動させる手段である役物モータ33〜35としてステッピングモータが例示されおり、このステッピングモータに対する駆動電力の供給手段に本発明が適用されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステッピングモータ以外のモータにも本発明を適用できる。例えば、交流モータや直流モータなどに対する駆動電力の供給手段に本発明を適用しても良いし、役物を可動させる手段としてソレノイドアクチュエータなどを用いるようにして、当該ソレノイドアクチュエータなどに対する駆動電力の供給手段に本発明を適用しても良い。
次に、本実施例における演出ユニット200の構成について説明する。図5(a)〜図5(c)は、演出ユニット200における第2演出表示装置11の動作を示す図である。図5(a)〜図5(c)に示すように、演出ユニット200は、垂直方向を向く軸体202と、第2演出表示装置11と、スター役物300と、から主に構成されている。このうち第2演出表示装置11は、軸体202に対して回転可能に枢支されており、第2役物モータ34の駆動により軸体202周りに回転することによって表示画面が設けられた前面11aとスター役物300が取り付けられた背面11bとを選択的にパチンコ遊技機1の前方に対して表示可能となっている。尚、第2演出表示装置11は、通常時は表示画面が設けられた前面11aをパチンコ遊技機1の前方に対して表示するようになっている。
更に、本実施例では、第2演出表示装置11において少なくとも背面11bが合成樹脂材で形成されている。また、前面11aにおける表示画面の枠部となる部位も合成樹脂材で形成するようにしても良い。更に、第2演出表示装置11を構成する部材には、多数の合成樹脂材が用いられている。尚、本実施例では、これらの合成樹脂材が熱による膨張や劣化などがし難い耐熱性を有するものを用いなくても良く(耐熱性を有していても良い)、低コストで製造できる合成樹脂材を用いることができる。また、本実施例では、前述したように、異常なパルス信号が生じても、役物モータ33〜35の誤作動を防ぐことができるので、第2演出表示装置11に用いられる合成樹脂材が回転動作によって過度に加熱される虞もないようになっている。
一方、スター役物300は、図5(b)及び図5(c)に示すように、正面視で四角形状に形成された5つの役物片301と、各役物片301を取り付ける基台302とから主に構成されており、各役物片301が基台302に取り付けられることで五角星形を形成している。尚、スター役物300の通常時(非回転時)の左右幅寸法L1は、正面視で第2演出表示装置11に収まるよう、第2演出表示装置11の左右幅寸法Lよりも短寸に形成されている。このため、スター役物300は、第2演出表示装置11の前面11aがパチンコ遊技機1の前方を向いている状態では、該第2演出表示装置11により完全にパチンコ遊技機1の前方から隠蔽されるようになっている。
基台302は、正面視の中央に前後方向を向く枢軸302aを備えており、第3役物モータ35が駆動することにより該枢軸302a周りに回転可能となっている。尚、各役物片301は、基台302に対して枢軸302aの系方向に向けてスライド移動可能に取り付けられているとともに、図示しないバネによって枢軸302aの中心に向けて付勢がなされている。
このため、第3役物モータ35の駆動により基台302が枢軸302a周りに回転する場合は、スター役物300自体も枢軸302a周りに回転するとともに、各役物片301は、回転により発生する遠心力によって枢軸302aの拡径方向に移動するので、スター役物300の回転時の左右幅寸法L2は、通常時(非回転時)よりも枢軸302aを中心に拡大(伸長)した状態であり、第2演出表示装置11の左右幅寸法Lよりも長寸に形成される。スター役物300の回転終了時は、各役物片301に働く遠心力が0となることで、各役物片301が前記バネの付勢力により枢軸302aに向けて基台302上を移動し、左右幅寸法が通常時(非回転時)のL1に戻る。尚、第2演出表示装置11の下端部内にはスリップリングモジュール38が内蔵されており、第3役物モータ35及び第2演出表示装置11は、該スリップリングモジュール38を介して演出制御基板80に接続されている。
また、本実施例では、5つの役物片301や基台302や枢軸302aなどが金属材で形成されている。更に、この金属材としては、鉄やアルミニウムや真鍮やステンレス合金等やその他の金属であれば良い。尚、本実施例では、これらの金属材が熱による膨張や劣化などがし難い耐熱性を有するものを用いなくても良く(耐熱性を有していても良い)、低コストで製造できる金属材を用いることができる。また、本実施例では、前述したように、異常なパルス信号が生じても、役物モータ33〜35の誤作動を防ぐことができるので、5つの役物片301や基台302や枢軸302aなどの金属材が回転動作によって過度に加熱される虞もないようになっている。
図6(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図6(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図6(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する変動表示結果通知コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図6(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5変動表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板31から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板31から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
本実施例では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別(確変や非確変や突確)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。
本実施例では、後述する始動入賞判定処理(S300−)内で実行される入賞時乱数値判定処理において、始動入賞の発生に基づき、変動表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別(確変や非確変や突確)を指定する値を設定し、演出制御基板80に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御基板80に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを変動表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを変動表示結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、変動表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
変動カテゴリコマンドの一例として、例えば、コマンドC600Hを合計保留記憶数に応じて判定閾値が異なる「非リーチ」の変動表示態様となる場合に応じた第1変動カテゴリコマンドとし、コマンドC601Hを合計保留記憶数にかかわらず共通して「スーパーリーチ」の変動表示態様となる場合に応じた第2変動カテゴリコマンドとし、コマンドC602Hを「非リーチ」と「スーパーリーチ」以外の変動表示態様(例えばノーマルリーチ)となる場合に応じた第3変動カテゴリコマンドとする。
図7は、主基板31の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図7に示すように、本実施例では、主基板31の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路53は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU56は、乱数回路53とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における演出図柄の変動表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図8は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、ノーマルリーチγといったノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、変動表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
図8に示すように、本実施例におけるノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、ノーマルリーチγといったノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、ノーマルリーチαのリーチ演出が実行される変動パターンが最も特図変動時間が短く設定されており、ノーマルリーチγのリーチ演出が実行される変動パターンが最も特図変動時間長く設定されている(ノーマルリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間:ノーマルリーチγ>ノーマルリーチβ>ノーマルリーチα)。
また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンが最も特図変動時間が短く設定されており、スーパーリーチγのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンが最も特図変動時間が長く設定されている(スーパーリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間:スーパーリーチγ>スーパーリーチβ>スーパーリーチα)。
更に、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンとスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターン全体の特図変動時間については、ノーマルリーチαが(15秒)実行される変動パターンが最も特図変動時間が短く設定されており、順次、ノーマルリーチβ(20秒)、ノーマルリーチγ(25秒)、スーパーリーチα(30秒)、スーパーリーチβ(35秒)、スーパーリーチγ(40秒)の順で特図変動時間が順次長くなるように設定されている。
尚、本実施例では、後述するようにスーパーリーチγ、スーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチγ、ノーマルリーチβ、ノーマルリーチαの順で変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高いよう設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
図9は、本実施例における変動パターン種別を示している。図8に示す各変動パターンは、図9に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば演出図柄の変動表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。
一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチ(ノーマルリーチα、ノーマルリーチβまたはノーマルリーチγ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチα、スーパーリーチβまたはスーパーリーチγ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容(例えばスーパーリーチαであるかスーパーリーチβであるかスーパーリーチγであるか)に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。あるいは、所定の変動表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを演出図柄の変動表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図9に示すように、各変動パターン種別には、変動表示態様や変動表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。図8に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図14に示すように設定された変動パターン決定テーブル134から特定することができる。すなわち、変動パターン決定テーブル134において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ1560が備えるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM54には、CPU56が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM54には、CPU56が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図8に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図10は、ROM54に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。本実施例では、特図表示結果決定テーブルとして、図10(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図10(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて変動表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて変動表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図11は、ROM54に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器8aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器8bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図12及び図13は、ROM54に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。本実施例では、変動パターン種別決定テーブルとして、図12(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図12(B)に示す小当り変動パターン種別決定テーブル132Bと、図13(A)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aと、図13(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3、変動パターン種別CA4−1及び変動パターン種別CA4−2のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合には、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターン種別CA4−1及び変動パターン種別CA4−2に対しては決定値が割り当てられていない。これに対して、大当り種別が「突確」である場合には、変動パターン種別CA4−1及び変動パターン種別CA4−2に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対しては決定値が割り当てられていない。これにより、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に応じて短期開放大当り状態に制御される場合には、通常開放大当り状態に制御される場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
なお、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aは、例えば遊技状態が通常状態であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bは、例えば遊技状態が確変状態や時短状態であるときに、時短制御が行われていることに対応する使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bとでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bとでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
図14は、ROM54に記憶される変動パターン決定テーブル134の構成例を示している。変動パターン決定テーブル134は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル134では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、単一または複数の変動パターンに割り当てられている。
特に、変動パターン種別がノーマルリーチハズレ(変動パターン種別CA2−1)である場合に決定される変動パターンとしては、1〜997までの決定値のうち、1〜550までがノーマルリーチαが実行されてハズレとなる変動パターンPA2−1に割り当てられており、551〜850までがノーマルリーチβが実行されてハズレとなる変動パターンPA2−2に割り当てられており、851〜997がノーマルリーチγが実行されてハズレとなる変動パターンPA2−3に割り当てられている。
一方、変動パターン種別がノーマルリーチ大当り(変動パターン種別CA3−1)である場合に決定される変動パターンとしては、1〜997までの決定値のうち、1〜400までがノーマルリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンPA4−1に割り当てられており、401〜700までがノーマルリーチβが実行されて大当りとなる変動パターンPA4−2に割り当てられており、701〜997がノーマルリーチγが実行されて大当りとなる変動パターンPA4−3に割り当てられている。このように、本実施例におけるノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、ノーマルリーチγにおいては、変動時間が長いノーマルリーチγが実行される場合が最も変動表示結果が大当りとなる大当り期待度が高く、変動時間が短いノーマルリーチαが実行される場合が最も変動表示結果が大当りとなる大当り期待度が低くなっている。
更に、変動パターン種別がスーパーリーチハズレ(変動パターン種別CA2−2)である場合に決定される変動パターンとしては、1〜997までの決定値のうち、1〜600までがスーパーリーチαが実行されてハズレとなる変動パターンPB3−1に割り当てられており、601〜900までがスーパーリーチβが実行されてハズレとなる変動パターンPB3−2に割り当てられており、901〜997がスーパーリーチγが実行されてハズレとなる変動パターンPB3−3に割り当てられている。
一方、変動パターン種別がスーパーリーチ大当り(変動パターン種別CA3−2)である場合に決定される変動パターンとしては、1〜997までの決定値のうち、1〜350までがスーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンPA5−1に割り当てられており、351〜650までがスーパーリーチβが実行されて大当りとなる変動パターンPA5−2に割り当てられており、651〜997がスーパーリーチγが実行されて大当りとなる変動パターンPA5−3に割り当てられている。このように、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγにおいては、変動時間が長いスーパーリーチγが実行される場合が最も変動表示結果が大当りとなる大当たり期待度が高く、変動時間が短いスーパーリーチαが実行される場合が最も変動表示結果が大当りとなる大当り期待度が低くなっている。
そして、これらノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、ノーマルリーチγ及びスーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγにおいては、最も変動表示時間が長いスーパーリーチγが実行される場合が最も変動表示結果が大当りとなる大当り期待度が高く、以下、変動表示時間が長い順にスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチγ、ノーマルリーチβ、ノーマルリーチαの順に変動表示結果が大当りとなる大当り期待度が高くなっている。
次に、遊技機の動作について説明する。先ず、パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ1560にてメイン処理が実行される。メイン処理では、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ1560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、S1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(S8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、S43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ1560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、第1演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ1560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ1560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、第1演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図15に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図16は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ1560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。先ず、CPU56は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14のどちらに遊技球が入賞したかを判定し、該判定結果に従って特図表示結果の判定、大当り種別の決定、変動パターン種別及び変動パターンの決定を行う始動入賞判定処理を実行する(S300−)。尚、始動入賞判定処理においては、CPU56は、特図判定結果、変動パターン種別決定結果、変動パターン決定結果、遊技球が入賞した始動入賞口に応じて、図6(A)及び図6(B)に示す変動表示結果指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、変動パターン指定コマンド、始動入賞指定コマンド等を演出制御基板80に対して送信するための送信設定を実行する。
S300−の処理の実行後は、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると第1演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。図17は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU120)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S700)。その後、演出制御用CPU120は、動作検出処理部に関する設定を実施するための動作検出処理部設定処理(S701)を実施した後、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ1560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図6参照)であるのか解析する。
図18は、図17に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、第1演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ1560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切り替えタイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
当り表示処理(S804):変動時間の終了後、第1演出表示装置9に大当り或いは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
当り遊技中処理(S805):大当り遊技中或いは小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、第1演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(S806)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(S806):第1演出表示装置9において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
なお、本実施例では、小当りが発生した場合においては、S804〜806において、突確が発生した場合と同様の演出処理を実施することで、発生したのが、確変状態に移行する突確であるのか、確変状態に移行しない小当りが発生したのかを遊技者が判別できないようになっている。
図19は、図18に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、RAM122内の変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S821)。次いで、RAM122内の表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(S822)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りに該当する表示結果3指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。受信した表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する表示結果2指定コマンドである場合においては、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが突確或いは小当りに該当する表示結果4、5指定コマンドである場合においては、停止図柄として、予めチャンス目として設定されている図柄の複数の組合せ(例えば「135」、「334」、「787」…などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが、はずれに該当する表示結果1指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。尚、演出図柄の組合の中には、はずれ図柄並びにチャンス目の双方に含まれるものが存在し、小当りの場合とはずれの場合とで同一の停止図柄となる場合が存在する。
これら停止図柄(確定図柄)の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。よって、突確と小当りにおいては、同一の停止図柄が決定される場合があり得る。
次いで、演出制御用CPU120は、予告設定処理を実施して、当該図柄変動について予告演出を実施するか否かや、どの種類の予告演出を実施するのかを決定する(S823)。
そして、S823の予告設定処理の後に演出制御用CPU120は、予告演出が実行されるか否かを判定する(S824)。
そして、演出制御用CPU120は、S823の予告設定処理において予告演出が実行される場合は、記憶されている予告種別に対応する予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)に基づいて、予告演出開始待ち時間を特定し、該特定した待ち時間を予告演出開始待ちタイマにセットした後(S825)、S827に進む。
一方、S823の予告設定処理において予告演出が実行されない場合には、S825を経由することなくS827に進む。該S827においては、変動パターンコマンドに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する。
そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S828)。
次に、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての第1演出表示装置9、第2演出表示装置11、演出用部品としての各種装飾LED25および演出用部品としてのスピーカ27、プッシュボタン516)の制御を実行する(S829)。例えば、第1演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP262に指令を出力する。また、各種装飾LED25を点灯/消灯制御を行わせるために、LEDドライバ基板等に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声制御基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S830)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S831)。
図20は、図19に示された演出図柄変動開始処理における予告設定処理(S823)を示すフローチャートである。予告設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、RAM122内に形成されているカウンタ等から予告演出決定用の乱数値を抽出し、該乱数値とS821の処理において読出した変動パターンコマンドの示す変動パターン、及びROM121に記憶されている予告演出決定用テーブルに基づいて、開始される変動表示における予告演出の実行の有無と、予告演出を実行する場合は予告演出種別を決定する(S901)。
尚、本実施例における予告演出種別としては、リーチとなる以前の演出図柄の変動表示中において複数の画像を段階的に表示していき、該画像の表示回数に応じて変動表示結果が大当りとなる大当り期待度が高くなっていくステップアップ予告演出と、リーチとなる以前の演出図柄の変動表示中において所定のキャラクタが表示画面中に表示され、該キャラクタとともに表示されるセリフに応じて大当りとなる大当り期待度が異なるセリフ予告演出と、リーチとなる以前の演出図柄の変動表示中において演出ユニット200において実行されるスターの表示態様に応じて変動表示結果が大当りとなる大当り期待度が異なるスター予告演出と、が予め用意されている。
具体的には、図24(A)に示すような割合で予告演出の有無と予告演出種別とを決定する。図24(A)に示す決定割合の設定例では、S821の処理において読出した変動パターンコマンドが示す変動パターンが非リーチの変動パターンである場合は、90%の割合で予告演出の非実行が決定され、5%の割合で予告演出種別がステップアップ予告演出に決定され、5%の割合で予告演出種別がセリフ予告演出に決定される。また、S821の処理において読出した変動パターンコマンドが示す変動パターンがノーマルリーチの変動パターンである場合は、50%の割合で予告演出の非実行が決定され、25%の割合で予告演出種別がステップアップ予告演出に決定され、25%の割合で予告演出種別がセリフ予告演出に決定される。更に、S821の処理において読出した変動パターンコマンドが示す変動パターンがスーパーリーチの変動パターンである場合は、20%の割合で予告演出の非実行が決定され、15%の割合で予告演出種別がステップアップ予告演出に決定され、15%の割合で予告演出種別がセリフ予告演出に決定され、50%の割合で予告演出種別がスター予告演出に決定される。
つまり、スター予告演出はスーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγのいずれかのリーチ演出を実行する変動パターンである場合のみ実行されるようになっているため、スター予告演出実行時は、遊技者に対して、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される場合よりも変動表示結果として大当りとなることを期待させることができる。
そして、S901の処理の実行後、演出制御用CPU120は、S901の処理においてステップアップ予告演出の実行が決定されたか否かを判定する(S902)。S901の処理においてステップアップ予告演出の実行が決定された場合は、該ステップアップ予告演出に応じた演出設定を実行する(S903)。また、S901の処理においてステップアップ予告演出の実行が決定されていない場合は、S901の処理においてセリフ予告演出の実行が決定されたか否かを判定する(S904)。
S901の処理においてセリフ予告演出の実行が決定された場合は、該セリフ予告演出に応じた演出設定を実行する(S905)。そして、S901の処理においてセリフ予告演出の実行が決定されていない場合は、S901の処理においてスター予告演出の実行が決定されたか否かを判定する(S906)。S901の処理においてスター予告演出の実行が決定されていない場合は予告設定処理を終了し、S901の処理においてスター予告演出の実行が決定されている場合は、変動表示結果が大当りであるか否かを判定する(S907)。変動表示結果が大当りであるか否かは、S821の処理で読出した変動パターンコマンドが示す変動パターンがスーパーリーチのリーチ演出を実行して大当りとなる変動パターン(PA5−1、PA5−2、PA5−3のいずれか)であるか否かを判定すれば良い。
変動表示結果が大当りである場合は、RAM122内に形成されているカウンタ等からスター予告演出における予告パターン決定用の乱数値を抽出し、該乱数値とS821の処理において読出した変動パターンコマンドの示す変動パターン、及びROM121に記憶されている大当り時スター予告演出における予告パターン決定用テーブルに基づいて、スター予告演出の予告パターンを決定する(S908)。また、変動表示結果が大当りでない場合は、RAM122内に形成されているカウンタ等からスター予告演出における予告パターン決定用の乱数値を抽出し、該乱数値とS821の処理において読出した変動パターンコマンドの示す変動パターン、及びROM121に記憶されているハズレ時スター予告演出における予告パターン決定用テーブルに基づいて、スター予告演出の予告パターンを決定する(S909)。
本実施例におけるスター予告演出の予告パターンとしては、図24(B)に示すように、予告パターン1〜4までが予め設けられている。これら予告パターン1〜4のうち、予告パターン1は、演出ユニット200が第1位置である装飾役物210の後方から移動せずに第2演出表示装置11においてスター画像の表示のみを実行するパターン(図26参照)であり、予告パターン2は、演出ユニット200が第1位置である装飾役物210の後方から第2位置である第1演出表示装置9の右部正面に移動した後に第2演出表示装置11においてスター画像の表示を実行する予告パターン(図27参照)である。
予告パターン3は、予告パターン2の実行内容に加えて、更に第2位置に位置している該第2演出表示装置11にてスター画像が表示されている状態で、第1演出表示装置9において第2演出表示装置11に向けて複数のスターが集まっていく前兆演出を実行する予告パターン(図28参照)である。
また、予告パターン4は、予告パターン3の実行内容に加えて、第2位置に位置している第2演出表示装置11を軸体202周りに回転させることでスター役物300をパチンコ遊技機1の前方に向け、更に該スター役物300を回転させる予告パターン(図29参照)である。
そして、S908においては、図24(C)に示すような割合でスター予告演出の予告パターンを決定する。図24(C)に示す決定割合の設定例では、S821の処理において読み取った変動パターンコマンドが示す変動パターンがスーパーリーチαを実行して大当りとなる変動パターンである場合、40%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン1に決定され、35%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン2に決定され、25%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン3に決定される。
また、S821の処理において読み取った変動パターンコマンドが示す変動パターンがスーパーリーチβを実行して大当りとなる変動パターンである場合、20%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン1に決定され、35%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン2に決定され、45%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン3に決定される。
更に、S821の処理において読み取った変動パターンコマンドが示す変動パターンがスーパーリーチγを実行して大当りとなる変動パターンである場合、100%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン4に決定される。
そして、S909においては、図24(D)に示すような割合でスター予告演出の予告パターンを決定する。図24(D)に示す決定割合の設定例では、S821の処理において読み取った変動パターンコマンドが示す変動パターンがスーパーリーチαを実行してハズレとなる変動パターンである場合、90%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン1に決定され、10%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン2に決定される。
また、S821の処理において読み取った変動パターンコマンドが示す変動パターンがスーパーリーチβを実行してハズレとなる変動パターンである場合、60%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン1に決定され、30%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン2に決定され、10%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン3に決定される。
また、S821の処理において読み取った変動パターンコマンドが示す変動パターンがスーパーリーチγを実行してハズレとなる変動パターンである場合、70%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン2に決定され、20%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン3に決定され、10%の割合でスター予告演出の予告パターンが予告パターン4に決定される。
図24(C)及び図24(D)に示すように、各スーパーリーチの種別毎に予告パターンが割り当てられていることで、本実施例においては、予告パターン4が最も大当り期待度が高く、次いで、予告パターン3、予告パターン2、予告パターン1の順に大当たり期待度が高くなるよう予告パターンの決定割合が設定されている。尚、本実施例における各予告パターンX(X=1〜4)の大当り期待度とは、図25に示すように、スーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンにおいて予告パターンXが決定される割合と、スーパーリーチβが実行されて大当りとなる変動パターンにおいて予告パターンXが決定される割合と、スーパーリーチγが実行されて大当りとなる変動パターンにおいて予告パターンXが決定される割合との和を、スーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンにおいて予告パターンXが決定される割合と、スーパーリーチβが実行されて大当りとなる変動パターンにおいて予告パターンXが決定される割合と、スーパーリーチγが実行されて大当りとなる変動パターンにおいて予告パターンXが決定される割合と、スーパーリーチαが実行されてハズレとなる変動パターンにおいて予告パターンXが決定される割合と、スーパーリーチβが実行されてハズレとなる変動パターンにおいて予告パターンXが決定される割合と、スーパーリーチγが実行されてハズレとなる変動パターンにおいて予告パターンXが決定される割合との和によって除算することで導出することができる。
このため、本実施例では、スーパーリーチαが実行されて大当りとなる場合は、予告パターン3に決定される割合が最も高く、次いで予告パターン2、予告パターン1の順で決定割合が低くなるよう設定されている。また、スーパーリーチβが実行されて大当りとなる場合は、予告パターン3に決定される割合が最も高く、次いで予告パターン2、予告パターン1の順で決定割合が高くなるよう設定されている。尚、スーパーリーチγが実行されて大当りとなる場合は、一義的に予告パターン4に決定される。
そして、S903、S905、S908またはS909の処理において各予告演出における演出設定を実行した後は、該S903、S905、S908またはS909において設定した予告演出の演出設定(S908、S909の処理を実行した場合は予告パターン)をRAM122の所定領域に記憶し(S910)、予告設定処理を終了する。
図21は、図18に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、まず、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S840A,S840B,S840C)。また、演出制御用CPU120は、予告演出を行うことに決定されているか、または予告演出の実行中であるか否かを判定する(S841)。予告演出を行うことに決定されているか、または予告演出の実行中である場合は、図22及び図23に示す予告演出処理を実行する(S842)。
予告演出を行うことに決定されていない場合及びS842の処理の実行後は、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(S843)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S845)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S846)。
また、S843の処理においてプロセスタイマがタイマアウトしていない場合及びS846の処理の実行後は、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを判定する(S847)。変動制御タイマがタイムアウトしている場合には、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S848)。そのようにして、第1演出表示装置9において、演出図柄の変動制御が実現される。VDP262は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を第1演出表示装置9に出力する。そのようにして、第1演出表示装置9において、演出図柄の変動における背景画像、保留表示、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S849)。
また、S847において変動制御タイマがタイマアウトしていない場合、及びS849の処理の実行後は、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か判定する(S850)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S851)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S852)。
図22〜図23は、予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU120は、既に予告演出が開始されている状態であるか否かを判定する(S501)。
予告演出が開始されていない場合には、予告演出開始待ちタイマの値を−1する(S502)。なお、予告演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、予告演出を行うことに決定されたときに、プロセステーブルの選択においてセットされる(図19におけるS825参照)。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしていなければ(S503)、予告演出処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合には、RAM122の所定領域に記憶されている予告演出の設定を基に実行する予告演出を特定し(S512)、特定した予告演出に該当する予告演出期間に相当する値を予告期間タイマにセットする(S513)。
次いで、演出制御用CPU120は、実行する予告演出に対応する予告演出制御パターンを、予告演出制御パターンテーブル(図示略)から読み出して選択した後(S515)、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)のプロセスデータ1における予告プロセスタイマをスタートさせる(S517)。
そして演出制御用CPU120は、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)の最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1、入力制御実行データ等)に従って演出装置(演出用部品としての第1演出表示装置9、演出用部品としての各種装飾LED25および演出用部品としてのスピーカ27、プッシュボタン516、操作レバー600)の制御を開始する(S518)。
また、S501の処理において既に予告演出が開始されている状態である場合は、開始された予告演出がステップアップ予告演出であるか否かを判定する(S519)。開始された予告演出がステップアップ予告演出である場合は、予告プロセスデータに応じてステップアップ予告演出における演出装置(演出用部品としての第1演出表示装置9、演出用部品としての各種装飾LED25および演出用部品としてのスピーカ27、プッシュボタン516、操作レバー600)の制御を実行する(S520)。
また、開始された予告演出がステップアップ予告演出でない場合は、開始された予告演出がセリフ予告演出であるか否かを判定する(S521)。開始された予告演出がセリフ予告演出である場合は、予告プロセスデータに応じてセリフ予告演出における演出装置(演出用部品としての第1演出表示装置9、演出用部品としての各種装飾LED25および演出用部品としてのスピーカ27、プッシュボタン516、操作レバー600)の制御を実行する(S522)。
また、開始された予告演出がセリフ予告演出でない場合は、開始された予告演出がスター予告演出であるとして、実行中のプロセスデータにおけるプロセスタイマに基づいて、第1役物モータ33の正転駆動タイミングであるか否を判定する(S524a)。第1役物モータ33の正転駆動タイミングである場合は、第1役物モータ33の正転駆動を実行する(S524b)。
S524aの処理において第1役物モータ33の正転駆動タイミングでない場合またはS524bの処理の実行後は、実行中のプロセスデータにおけるプロセスタイマに基づいて、第1役物モータ33の逆転駆動タイミングであるか否かを判定する(S524c)。第1役物モータ33の逆転駆動タイミングである場合は、第1役物モータ33の逆転駆動を実行する(S524d)。
S524cの処理において第1役物モータ33の逆転駆動タイミングでない場合またはS524dの処理の実行後は、実行中のプロセスデータにおけるプロセスタイマに基づいて、第2役物モータ34の正転駆動タイミングであるか否かを判定する(S525a)。第2役物モータ34の正転駆動タイミングである場合は、第2役物モータ34の正転駆動を実行し(S525b)、更に第2演出表示装置11の表示画面を黒色表示とする(S525c)。
S525aの処理において第2役物モータ34の正転駆動タイミングでない場合またはS525cの処理の実行後は、実行中のプロセスデータにおけるプロセスタイマに基づいて、第2役物モータ34の逆転駆動タイミングであるか否かを判定する(S526a)。第2役物モータ34の逆転駆動タイミングである場合は、第2役物モータ34の逆転駆動を実行し(S526b)、更に第2演出表示装置11の表示画面が黒色表示中であれば、該黒色表示を終了する(S526c)。
S526aの処理において第3役物モータ35の正転駆動タイミングでない場合またはS526cの処理の実行後は、実行中のプロセスデータにおけるプロセスタイマに基づいて、第3役物モータ35の正転駆動タイミングであるか否かを判定する(S526d)。第3役物モータ35の正転駆動タイミングである場合は、第3役物モータ35の正転駆動を実行する(S526e)。
S526dの処理において第3役物モータ35の逆転駆動タイミングでない場合またはS526eの処理の実行後は、実行中のプロセスデータにおけるプロセスタイマに基づいて、第2演出表示装置11におけるスター画像の表示タイミングであるか否かを判定する(S527a)。第2演出表示装置11におけるスター画像の表示タイミングである場合は、第2演出表示装置11においてスター画像を表示する(S527b)
S527aの処理において第2演出表示装置11におけるスター画像の表示タイミングでない場合またはS527bの処理の実行後は、実行中のプロセスデータにおけるプロセスタイマに基づいて、第2演出表示装置11におけるスター画像の表示終了タイミングであるか否かを判定する(S527c)。第2演出表示装置11におけるスター画像の表示終了タイミングである場合は、第2演出表示装置11においてスター画像の表示を終了する(S527d)
S527cの処理において第2演出表示装置11におけるスター画像の表示終了タイミングでない場合またはS527dの処理の実行後は、実行中のプロセスデータにおけるプロセスタイマに基づいて、第1演出表示装置9におけるエフェクト画像の表示タイミングであるか否かを判定する(S528a)。尚、エフェクト画像とは、演出ユニット200の動作態様に対応して表示される画像であり、前述した前兆演出の画像を含んでいる。第1演出表示装置9におけるエフェクト画像の表示タイミングである場合は、第1演出表示装置9において演出ユニット200の動作態様に対応したエフェクト画像を表示する(S528b)。
そして、S528aの処理において第1演出表示装置9におけるエフェクト画像の表示タイミングでない場合またはS520、S522、S528bのいずれかの処理の終了後、演出制御用CPU120は、予告プロセスを変更するための予告プロセスタイマの値を−1する。そして、予告演出期間の終了を計時するための予告期間タイマの値を−1し(S530)、予告期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S531)。予告期間タイマがタイマアウトしている場合は予告演出処理を終了し、予告期間タイマがタイマアウトしていない場合は、予告プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S535)。
予告プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は予告演出処理を終了し、予告プロセスタイマがタイマアウトしている場合は、予告プロセスデータの切り替えを行う(S536)。すなわち、予告プロセステーブルにおける次に設定されている予告プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S537)。また、その次に設定されている予告プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、入力制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して実施する(S538)。
次に、本実施例におけるスター予告演出の動作態様について、図26〜図29に基づいて説明する。先ず、図26(a)及び図26(b)に示すように、予告パターン1においては、第1演出表示装置9において演出図柄の変動表示が実行されている状態にてスター予告演出の実行開始タイミングとなると、第1位置である装飾役物210の後方において第2演出表示装置11の表示画面にスター画像が表示される。尚、該スター画像は、演出ユニット200が第1位置である装飾役物210の後方に配置されているため、該装飾役物210を介して遊技者に視認される。
そして、該スター画像の表示と同時に、第1演出表示装置9の表示画面の右部において、該スター画像の表示に対応したエフェクト画像(例えば、スター画像が輝いていることを示すフラッシュ等の画像)が表示される。そして、スター画像の表示が終了した後は、第1演出表示装置9にて変動表示されている演出図柄がリーチを示す組み合わせとなり、スーパーリーチ演出が実行される。
また、図27(a)及び図27(b)に示すように、予告パターン2においては、第1演出表示装置9において演出図柄の変動表示が実行されている状態にてスター予告演出の実行開始タイミングとなると、第1役物モータ33の正転駆動により演出ユニット200を第1位置である装飾役物210の後方から第2位置である第1演出表示装置9の右部正面へ、円弧状の軌跡を描きながら移動させる。そして、第2位置に移動した演出ユニット200における第2演出表示装置11の表示画面にはスター画像が表示される。
そして、該スター画像の表示と同時に、第1演出表示装置9の表示画面の右部において、該スター画像の表示に対応したエフェクト画像(例えば、スター画像が輝いていることを示すフラッシュ等の画像)が表示される。尚、スター画像の表示が終了した後は、第1役物モータ33の逆転駆動により演出ユニット200を第2位置である第1演出表示装置9の右部正面から第1位置である装飾役物210の後方へ、円弧状の軌跡を描きながら移動させる。演出ユニット200の第1位置への移動完了後は、第1演出表示装置9にて変動表示されている演出図柄がリーチを示す組み合わせとなり、スーパーリーチ演出が実行される。
また、予告パターン3においては、図27(a)〜図27(b)に示すように、予告パターン2と同様に第1演出表示装置9において演出図柄の変動表示が実行されている状態にてスター予告演出の実行開始タイミングとなると、第1役物モータ33の正転駆動により演出ユニット200を第1位置である装飾役物210の後方から第2位置である第1演出表示装置9の右部正面へ、円弧状の軌跡を描きながら移動させる。そして、第2位置に移動した演出ユニット200における第2演出表示装置11の表示画面にスター画像が表示されるとともに、第1演出表示装置9の表示画面の右部において、該スター画像の表示に対応したエフェクト画像が表示される。
更に、予告パターン3においては、図28に示すように、第2位置でスター画像を表示している第2演出表示装置11に対して、複数のスターが集まっていく前兆演出の画像を表示する。
尚、前兆演出の画像表示が終了した後は、第2演出表示装置11におけるスター画像の表示を終了するとともに、第1役物モータ33の逆転駆動により演出ユニット200を第2位置である第1演出表示装置9の右部正面から第1位置である装飾役物210の後方へ、円弧状の軌跡を描きながら移動させる。演出ユニット200の第1位置への移動完了後は、第1演出表示装置9にて変動表示されている演出図柄がリーチを示す組み合わせとなり、スーパーリーチ演出が実行される。
また、予告パターン4においては、図27(a)〜図27(b)及び図28に示すように、予告パターン2、予告パターン3と同様に第1演出表示装置9において演出図柄の変動表示が実行されている状態にてスター予告演出の実行開始タイミングとなると、第1役物モータ33の正転駆動により演出ユニット200が第1位置である装飾役物210の後方から第2位置である第1演出表示装置9の右部正面へ、円弧状の軌跡を描きながら移動させる。そして、第2位置に移動した演出ユニット200における第2演出表示装置11の表示画面にスター画像が表示されるとともに、第1演出表示装置9の表示画面の右部において、該スター画像の表示に対応したエフェクト画像が表示される。第2位置でスター画像を表示している第2演出表示装置11に対して、複数のスターが集まっていく前兆演出の画像を表示する。
更に、予告パターン4においては、図29(a)〜図29(b)に示すように、前兆演出の画像表示が終了した後は、第2役物モータ34の正転駆動により第2演出表示装置11を軸体202周りに回転させ、スター役物300が配置されている背面11bをパチンコ遊技機1の前方に向ける。尚、このとき、第2役物モータ34の正転駆動によってパチンコ遊技機1の後方を向く第2演出表示装置11の前面11aにおいては、第2演出表示装置11の表示画面を黒色表示とする。
次いで、第3役物モータ35の正転駆動によりスター役物300を枢軸302a周りに回転させる。同時に、第1演出表示装置9の表示画面の右部において、該スター役物300の回転に対応したエフェクト画像が表示される。尚、スター役物300は、第3役物モータ35の正転駆動により回転することで、前述したように各役物片301に回転による遠心力がはたらき、非回転時よりも拡大(伸長)した状態で回転する。
尚、スター役物300の回転が終了した後は、第2演出表示装置11における黒色表示を終了するとともに、第2役物モータ34の逆転駆動により第2演出表示装置11を軸体202周りに回転させることで第2演出表示装置11の前面11aをパチンコ遊技機1の前方に向かせる。更に、第1役物モータ33の逆転駆動により演出ユニット200を第2位置である第1演出表示装置9の右部正面から第1位置である装飾役物210の後方へ、円弧状の軌跡を描きながら移動させる。演出ユニット200の第1位置への移動完了後は、第1演出表示装置9にて変動表示されている演出図柄がリーチを示す組み合わせとなり、スーパーリーチ演出が実行される。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、演出制御用マイクロコンピュータ100から送信されるシリアルデータに基づくパラレルデータ(制御信号)の入力があるときのみ、駆動電源制御IC533〜535が役物モータ33〜35に駆動電力を供給し、パラレルデータの入力がないときには、駆動電源制御IC533〜535が役物モータ33〜35に駆動電力を供給しないことで、パラレルデータが出力されていないときには駆動電力が供給されないので、役物モータ33〜35の誤作動による不具合の発生を低減することができる。
また、本実施例によれば、第1〜3役物モータ33〜35は、4つの励磁コイルを備える周知の4相のステッピングモータであって、駆動用パルス信号は、演出制御用マイクロコンピュータ100から送信されるシリアルデータに基づくパラレルデータ(制御信号)に基づいて各相の励磁コイルに1相励磁駆動または1−2相励磁駆動となるように個別に供給される信号であることで、ステッピングモータの誤作動による不具合の発生を低減することができる。
また、本実施例によれば、演出ユニット200の第2演出表示装置11において少なくとも背面11bが合成樹脂材で形成されていることで、第1〜3役物モータ33〜35の誤作動による過熱を低減できるので、熱によって変形しやすい合成樹脂によって形成された部分を演出ユニット200が含んでいても、該合成樹脂によって形成された部分の変形による不具合を低減することができる。
また、本実施例によれば、演出ユニット200の第2演出表示装置11において少なくとも役物片301や基台302や枢軸302aなどが金属材で形成されていることで、第1〜3役物モータ33〜35の過熱による不具合の発生を低減することができる。また、誤動作による過熱を低減できるので、金属材が熱くなり過ぎることがない。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、スター役物300を五角星形に形成し、該スター役物300の通常時(非回転時)の左右幅寸法L1を、スター役物300が枢軸302a周りに回転しても正面視で第2演出表示装置11に収まるよう、第2演出表示装置11の左右幅寸法Lよりも短寸に形成したが、例えば、変形例として図30(a)に示すように、スター役物300の通常時(非回転時)の左右幅寸法を第2演出表示装置11の左右幅寸法と同一寸法に形成するようにしても良い。尚、この場合は、図30(a)及び図30(b)に示すように、スター役物300を枢軸302a周りに回転させると、該スター役物300の一部が第2演出表示装置11の側方に突出してしまうため、スター役物300の回転終了時は、スター役物300の回転をスター役物300の一部が第2演出表示装置11の側方に突出しない位置で停止するように第3役物モータの駆動制御を実行するようにすれば良い。
また、前記実施例では、スター役物300を奇数角である五角星形に形成したが、本発明はこれに限定されず、スター役物300を偶数角の星形に形成するようにしても良い。具体的には、スター役物300を五角星形に形成した場合は、該スター役物300の先端部のいずれかを第2演出表示装置11の端縁部に配置すると、スター役物300の他の先端部が第2演出表示装置11から突出してしまうことが有るのに対して、図30(a)に示すように、スター役物300を六角星形に形成した場合は、該スター役物の先端部のいずれかを第2演出表示装置11の端縁部に配置してもスター役物300の他の先端部が第2演出表示装置11から突出してしまうことなく、第2演出表示装置11の端縁部に配置されるため、スター役物300が奇数角の星形に形成された場合よりも正面視におけるスター役物300の表示面積を広く取ることができる。つまり、スター役物300を偶数角である星形に形成した場合は、スター役物300を奇数角である星形に形成した場合よりもスター役物300を大きく構成することができるので、スター役物300の回転によってより遊技者に対してインパクトを与えることができる。
また、前記実施例では、スター予告演出が実行される際は、予告パターン2〜4において、演出ユニット200を装飾役物210の後方である第1位置から第1演出表示装置9の右部正面である第2位置にかけて移動させた後、第2演出表示装置11の表示画面にスター画像を表示させてから第2演出表示装置11を軸体202周りに回転させているが、本発明はこれに限定されず、予告パターン2〜4においては、装飾役物210の後方である第1位置において第2演出表示装置11の表示画面にスター画像を表示させた後、演出ユニット200を装飾役物210の後方である第1位置から第1演出表示装置9の右部正面である第2位置にかけて移動させる際に第2演出表示装置11を軸体202周りに回転させるようにしても良い。
また、前記実施例では、スター役物300を回転させる予告パターンとしては、演出ユニット00を第1位置から第2位置へ移動させた後に第2演出表示装置11の表示画面にスター画像を表示させ、更に第2演出表示装置11を軸体202周りに回転させた後にスター役物300を回転させる予告パターン4を備えているが、本発明はこれに限定されず、スター予告演出の予告パターンとしては、第1位置である装飾役物210の後方において第2演出表示装置11を軸体202周りに回転させ、スター役物300を回転させる予告パターンを設けても良い。
また、前記実施例では、スター役物300の回転を演出図柄の変動表示中に実行されるスター予告演出において実行したが、本発明はこれに限定されず、スター役物300の回転は、例えば、演出図柄が「非確変大当り」を示す組み合わせで導出表示された大当り遊技中の所定ラウンドにおいて、該大当りが「確変大当り」であることを示す昇格演出において実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、演出図柄の変動表示中におけるリーチ演出の実行前にスター予告演出を実行したが、本発明はこれに限定されず、スター予告演出は、演出図柄の変動表示中におけるリーチ演出の実行後にするようにしても良い。
また、前記実施例では、スター予告演出を実行する遊技機をパチンコ遊技機1として説明したが、本発明はこれに限定されず、スター予告演出を実行する遊技機はスロットマシンであっても良い。この場合は、例えば、スロットマシンの前扉に配置された第1演出表示装置の側方に第2演出表示装置とスター役物とを備えた演出ユニットを設け、第2演出表示装置とLEDモジュールが設けられた枠体とを備えた演出ユニットを設け、ボーナス成立時等に演出ユニットを第1演出表示装置の正面に移動させた後にスター画像の表示、第2演出表示装置の回転、スター役物も回転を実行するようにすれば良い。
また、前記実施例では、演出ユニット200を装飾役物210の後方である第1位置から第1演出表示装置9の右部正面である第2位置にかけて移動させているが、本発明はこれに限定されず、第1位置は、例えば、ステージ飾り枠150の後方等の遊技者から完全に視認不可能となる箇所であっても良い。尚、この場合は、スター予告演出を実行する際は予告パターン1を実行しないようにする。
また、前記実施例では、演出ユニット200を装飾役物210の後方である第1位置から第1演出表示装置9の右部正面である第2位置にかけて移動させているが、本発明はこれに限定されず、第2位置は、演出ユニット200が第1位置から第1演出表示装置9に向けて移動する地点であれば第1演出表示装置9の右部正面でなくとも良い。
また、前記実施例では、簡単な構造で素早い移動が可能であることから、第1役物モータ33を駆動させることで、演出ユニット200を装飾役物210の後方である第1位置から第1演出表示装置9の右部正面である第2位置にかけて図示しない枢軸周りに円弧状の軌跡を描きながら移動させているが、本発明はこれに限定されず、演出ユニット200は、第1位置と第2位置との間を水平方向にスライド移動するようにしても良い。
また、前記実施例では、スター予告演出において、第2演出表示装置11の表示画面でのスター画像の表示にて大当り期待度を示しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、第2演出表示装置11の表示画面に表示されるスター画像の色や大きさにより大当たり期待度が異なるようにしても良い。
また、前記実施例では、第2役物モータ34を正転駆動させることで第2演出表示装置11の背面11bをパチンコ遊技機1の前方に向ける際、第2演出表示装置11の表示画面を黒色表示とすることで該表示画面に意図しない画面が表示されてしまうことを回避しているが、本発明はこれに限定されず、表示画面に意図しない画面が表示されてしまうことを回避することが可能であれば、第2演出表示装置11の表示画面は、例えば、黒色表示以外の表示や何れの画像も表示しない非表示としても良い。
また、前記実施例では、スター予告演出の予告パターン4において、第2役物モータ34を正転駆動させることで第2演出表示装置11の背面11bをパチンコ遊技機1の前方に向けた後、第3役物モータ35を正転駆動させることでスター役物300を回転させているが、本発明はこれに限定されず、第2役物モータ34と第3役物モータ35を同時に正転駆動させることで第2演出表示装置11とスター役物300の回転を同時に実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、スター予告演出の予告パターン4において、第3役物モータ35を正転駆動させることで、スター役物300を構成している各役物片301を遠心力により枢軸302aの拡径方向に移動させ、スター役物300を通常時(非回転時)よりも枢軸302aを中心に拡大(伸長)した状態で回転させているが、本発明はこれに限定されず、例えば、第2演出表示装置11内に駆動モータを設け、該駆動モータの駆動により各役物片301を基台302に沿って枢軸302aの径方向にスライド移動することでスター役物300を拡大させるようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球に対応する価値データや、入賞に応じた賞球数に対応する価値データを、記憶している価値データに対して加算して記憶する一方、遊技に使用された遊技球数に対応する価値データを、記憶されている価値データから減算し記憶する、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
尚、本パチンコ遊技機1を封入式遊技機として構成する場合は、遊技球が入賞口29a〜29d、特別可変入賞球装置20、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞することで、例えば、メダル等の遊技球以外の遊技価値が付与されるようにしても良い。すなわち、本実施例における遊技価値とは、遊技に使用される遊技球、賞球処理の実行によって払い出される賞球の他、封入式遊技機の場合には、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球またはメダル、遊技球や賞球等の遊技媒体数に対応した価値データ等を含む。封入式遊技機における遊技価値を前記価値データとする場合には、遊技者による貸出球の貸出要求がなされることで価値データが加算され、遊技により入賞が発生することで価値データが増加され、遊技に使用されることで価値データが減算されるようにすれば良い。尚、この場合、付与される価値データは、遊技者が携帯端末を使用することでアクセスが可能な特定のサーバにおいて、携帯端末で使用可能な壁紙や着信音等のコンテンツをダウンロードするために使用されるポイント等であっても良い。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、普通図柄及び特別図柄の変動表示に対応して第1演出表示装置9で変動表示される演出図柄などの変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU56は、1つ目のコマンドでは擬似連や滑り演出等の有無、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU56の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより普通図柄及び特別図柄の変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、本発明の非表示面を、1つの面である裏面のみとした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら非表示面を、例えば、演出ユニット200を板状体ではなく、三角柱状体や四角柱状体等の多角形柱状体とし、該多角形柱状体の一側面に第2演出表示装置11を設け、該第2演出表示装置11を設けた面以外の面の少なくとも1つに装飾役物210を設けたものとしても良い。
また、前記実施例では、演出ユニット200において遊技者が視認できる面の切り替えを、切り替えに要するスペースを少なくできることから回転軸を中心に回転させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出ユニット200が移動可能な軌道(ガイドレール)を、少なくとも半円型状に形成して、該軌道(ガイドレール)上の第1位置では、第2演出表示装置11を遊技者が視認可能な状態となり、該軌道(ガイドレール)上の第2位置では、装飾役物210を遊技者が視認可能な状態となるようにしても良いし、これら軌道(ガイドレール)や軸回転以外の機構によって、第2演出表示装置11が形成された表示面と、装飾役物210が形成された非表示面との切り替えを実施するようにしても良い。