まず、上記課題を解決するための他の手段について説明し、その後に、実施の形態について説明する。
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の遊技機は、
所定条件の成立を契機として第1特賞状態または第2特賞状態を発生させるための抽選を行う抽選手段と、
表示手段で識別情報を変更表示する識別情報変更手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第1特賞状態を発生させると判定した場合は、所定の内容で前記識別情報を停止表示し、前記第1特賞状態を発生させる第1特賞状態発生手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第2特賞状態を発生させると判定した場合は、前記所定の内容以外の内容で前記識別情報を停止表示し、前記第2特賞状態を発生させる第2特賞状態発生手段と、
特賞状態の発生を示す特賞状態信号を出力する特賞状態信号出力手段とを備え、
前記特賞状態信号出力手段は、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第1特賞状態を発生させると判定した場合は、前記特賞状態信号を出力し、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第2特賞状態を発生させると判定した場合は、前記特賞状態信号を出力しないことを特徴とする。
このような構成であれば、所定条件の成立を契機として、抽選手段により、第1特賞状態または第2特賞状態を発生させるための抽選が行われ、識別情報変更手段により、表示手段で識別情報が変更表示される。
抽選手段の抽選結果に基づいて第1特賞状態を発生させると判定した場合は、第1特賞状態発生手段により、所定の内容で識別情報が停止表示され、第1特賞状態が発生する。そして、特賞状態信号出力手段により、特賞状態信号が出力される。
これに対し、抽選手段の抽選結果に基づいて第2特賞状態を発生させると判定した場合は、第2特賞状態発生手段により、所定の内容以外の内容で識別情報が停止表示され、第2特賞状態が発生する。所定の内容以外の内容で識別情報が停止表示されるので、特賞状態が発生したことを認識しにくい。そして、特賞状態信号出力手段により、特賞状態信号が出力されない。
ここで、所定条件の成立としては、パチンコ機である場合は、例えば、始動入賞口に遊技球が入賞すること、パチスロ機である場合は、例えば、遊技開始を指示する操作レバーが操作されることが含まれる。
また、特賞状態とは、遊技者にとって有利な遊技価値を付与する遊技状態をいい、パチ
ンコ機である場合は、例えば、非確変大当たり、確変大当たり、JUB(Jump Up Bonus
)大当たり、突確大当たり、潜確大当たり、小当たりが含まれ、パチスロ機である場合は、例えば、ビッグボーナス、チャレンジタイム、小役が含まれる。
また、識別情報とは、文字、図形、図柄、画像、符号、記号、色彩その他視覚を通じて識別可能な情報、音響その他視覚以外の五感を通じて識別可能な情報、またはそれらの組み合わせをいう。
また、識別情報の変更表示としては、例えば、LED表示のように識別情報を逐次変更して表示すること、および識別情報を変動しながら表示することが含まれる。したがって、変更とは、必ずしも変動に限らない。
また、所定の内容で識別情報を停止表示するタイミングと、特賞状態を発生させるタイミングとは、どちらが先であってもよいし、同時であってもよい。識別情報を停止表示するタイミングの方が先であれば、特賞状態への期待感を向上することができる。これに対し、特賞状態を発生させるタイミングの方が先であれば、意外性を向上することができる。
〔発明2〕 さらに、発明2の遊技機は、発明1の遊技機において、
前記第2特賞状態発生手段は、前記抽選手段による抽選の当選確率が通常状態よりも高い高確率状態を前記第2特賞状態として発生させることを特徴とする。
このような構成であれば、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、第2特賞状態発生手段により、抽選手段による抽選の当選確率が通常状態よりも高い高確率状態が第2特賞状態として発生する。
〔発明3〕 さらに、発明3の遊技機は、発明1および2のいずれか1の遊技機において、
前記第1特賞状態発生手段は、通常状態よりも高い遊技価値を遊技者に付与する特賞状態、およびこれに続けて前記識別情報の変更時間が所定よりも短縮する時短状態を前記第1特賞状態として発生させ、
前記特賞状態信号出力手段は、前記時短状態である場合に、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第2特賞状態を発生させると判定した場合は、前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、第1特賞状態を発生させると判定した場合は、第1特賞状態発生手段により、通常状態よりも高い遊技価値を遊技者に付与する特賞状態、およびこれに続けて識別情報の変更時間が所定よりも短縮する時短状態が第1特賞状態として発生する。
そして、時短状態である場合に、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号出力手段により、特賞状態信号が出力される。
〔発明4〕 さらに、発明4の遊技機は、発明3の遊技機において、
前記特賞状態信号出力手段は、前記時短状態である場合に、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第2特賞状態を発生させると判定した場合は、前記第1特賞状態の発生時に前記特賞状態信号を出力するタイミングよりも遅らせて前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、時短状態である場合に、第2特賞状態を発生させると判定し
た場合は、特賞状態信号出力手段により、第1特賞状態の発生時に特賞状態信号を出力するタイミングよりも遅れて特賞状態信号が出力される。
〔発明5〕 さらに、発明5の遊技機は、発明1ないし4のいずれか1の遊技機において、
さらに、前記第1特賞状態または前記第2特賞状態を発生させると判定した場合に開放し遊技球を入賞可能とする入賞口と、
前記入賞口に遊技球が入賞した場合に遊技球を払い出す遊技球払出手段とを備え、
前記第1特賞状態発生手段は、1ラウンドにおいて前記入賞口を所定時間開放する長開放ラウンドを実行し、
前記第2特賞状態発生手段は、1ラウンドにおいて前記入賞口を前記所定時間よりも短い時間開放する短開放ラウンドを実行することを特徴とする。
このような構成であれば、第1特賞状態を発生させると判定した場合は、第1特賞状態発生手段により、長開放ラウンドが実行される。このとき、開放した入賞口に遊技球が入賞すると、遊技球払出手段により、遊技球が払い出される。
これに対し、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、第2特賞状態発生手段により、短開放ラウンドが実行される。このとき、開放した入賞口に遊技球が入賞すると、遊技球払出手段により、遊技球が払い出される。短開放ラウンドは、長開放ラウンドに比して入賞口の開放時間が短いので、遊技者は、入賞口の動作を見ても、特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。したがって、第2特賞状態に突然移行したかのような意外性を与えることができる。
ここで、長開放ラウンドまたは短開放ラウンドは、1回だけ実行してもよいし、複数回実行してもよい。また、実行回数は、毎回同じでなくてもよく、毎回異なってもよい。
〔発明6〕 さらに、発明6の遊技機は、発明1ないし5のいずれか1の遊技機において、
さらに、前記特賞状態信号を入力してから前記特賞状態信号を所定時間保持する信号保持手段を備え、
前記特賞状態信号出力手段は、前記所定時間間隔で前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、特賞状態信号出力手段により、所定時間間隔で特賞状態信号が出力され、信号保持手段により、特賞状態信号が出力されてから特賞状態信号が所定時間保持される。したがって、特賞状態信号出力手段が割込処理によって実現されるような場合であっても、特賞状態信号が定常的に出力されるので、呼出ランプ装置等で特賞状態信号を検出しやすくなる。
〔発明7〕 さらに、発明7の遊技機は、発明1ないし5のいずれか1の遊技機において、
前記特賞状態信号出力手段は、所定時間間隔で前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、特賞状態信号出力手段により、所定時間間隔で特賞状態信号が出力される。したがって、特賞状態信号出力手段が割込処理によって実現されるような場合に、信号保持手段を設けなくてもすむので、構成が簡素となる。
以上説明したように、発明1の遊技機によれば、第1特賞状態を発生させると判定した
場合は、特賞状態信号が出力されるのに対し、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号が出力されないので、第2特賞状態では、特賞状態信号の出力について第1特賞状態とは区別することができ、従来に比して、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができるという効果が得られる。
さらに、発明2の遊技機によれば、所定の内容以外の内容で識別情報を停止表示し、抽選手段による抽選の当選確率が通常状態よりも高い高確率状態が発生する場合に、特賞状態信号が出力されないので、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができるという効果が得られる。
さらに、発明3の遊技機によれば、第2特賞状態を発生させると判定した場合でも、時短状態である場合は、特賞状態信号が出力されるので、呼出ランプ装置等で時短状態が発生したことを把握することができるという効果が得られる。
さらに、発明4の遊技機によれば、時短状態である場合に、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号が遅れて出力されるので、遊技者は、呼出ランプ装置等の表示を見ても、第2特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。したがって、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができるという効果が得られる。
さらに、発明5の遊技機によれば、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、第2特賞状態発生手段により、短開放ラウンドが実行されるが、短開放ラウンドは、長開放ラウンドに比して入賞口の開放時間が短いので、遊技者は、入賞口の動作を見ても、特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。したがって、第2特賞状態に突然移行したかのような意外性を与えることができるという効果が得られる。
さらに、発明6の遊技機によれば、特賞状態信号出力手段が割込処理によって実現されるような場合であっても、特賞状態信号が定常的に出力されるので、呼出ランプ装置等で特賞状態信号を検出しやすくなるという効果が得られる。
さらに、発明7の遊技機によれば、特賞状態信号出力手段が割込処理によって実現されるような場合に、信号保持手段を設けなくてもすむので、構成が簡素となるという効果が得られる。
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1ないし図39は、本発明に係る遊技機の第1の実施の形態を示す図である。
本実施の形態は、本発明に係る遊技機をパチンコ機に適用したものである。
まず、パチンコ機の管理システムの構成を説明する。
図1は、パチンコ機の管理システムの構成を示す図である。
パチンコホールには、パチンコ機を設置するためのパチンコ機設置島が設置されている。パチンコ機設置島には、図1に示すように、複数のパチンコ機10が互いに背面を向き合わせて設置されている。
各パチンコ機10の上方には、パチンコホールの従業員を呼び出すための呼出ランプ装置500が設置されている。呼出ランプ装置500は、呼出機能のほか、大当たりの回数、大当たり抽選の当選確率が通常状態よりも高い高確率状態(以下、確変状態という。)の回数、図柄変動の回数その他の遊技情報を表示する機能を有する。
パチンコ機10は、自機の上方に設置される呼出ランプ装置500に接続されている。呼出ランプ装置500は、パチンコ機10の外部端子板(後述:213)に接続されている。
呼出ランプ装置500は、ハブ520に接続されている。ハブ520には、複数の呼出ランプ装置500が接続されている。
ハブ520は、ハブ522に接続されている。ハブ522には、複数のハブ520が接続されている。そして、ハブ522は、ホールコンピュータ530に接続されている。これにより、各パチンコ機10は、呼出ランプ装置500およびハブ520、520を介してホールコンピュータ530に接続される。ホールコンピュータ530は、パチンコホールの管理室等に設置されており、パチンコ機10からの出力信号に基づいて各パチンコ機10の遊技状態を監視する。
次に、パチンコ機10の構成を説明する。
図2は、パチンコ機10の正面図である。
図3は、本体枠13と前扉枠14を見開きにしてパチンコ機10を展開した状態を示す斜視図である。なお、図3では、便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
図4は、本体枠13と裏パックユニット15を見開きにしてパチンコ機10を展開した状態を示す斜視図である。
パチンコ機10は、図2ないし図4に示すように、パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有して構成されている。外枠11は、木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
外枠11の側方には、図2に示すように、球貸装置(例えば、CRユニット)Yが設けられている。球貸装置Yの前面側には、カード挿入口Hが設けられ、カード挿入口Hへのカードの挿入によりカードに記憶された金額に相当する数の遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
遊技機主部12は、図3および図4に示すように、本体枠13と、本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを有して構成されている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動軸側とし右側を回動旋回側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図3に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動軸側とし右側を回動旋回側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図4に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動軸側とし右側を回動旋回側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14の構成を説明する。
前扉枠14は、図2および図3に示すように、本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。
窓部21の周囲には、図2に示すように、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられている。さらにその左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音等が出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には、上方に開口した上皿33が設けられている。下側膨出部32内側には、同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、払出装置(後述:224)より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置(後述:110)側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内で余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
上記のように、パチンコ機10では、前扉枠14に対して窓部21、上皿33および下皿34が一体化されている。従来のパチンコ機においては、少なくとも窓部と下皿とがそれぞれ別ユニットとして設けられており、窓部が下皿に対して独立して回動可能となっていたため、パチンコ機の前面部には、上記各ユニット間に境界が生じていた。この場合、当該境界から不正用治具等を挿入して行う不正行為が想定される。また、かかる不正行為を抑制すべく各ユニット間の境界に対して不正抑制構造を設けることもできるが、そうすると構成の複雑化を招いてしまう。さらに、パチンコ機の前面部において境界が生じるのは、デザイン上好ましくない。これに対して、上記の通り、前扉枠14に対して窓部21、上皿33および下皿34が一体化されているので、窓部21と下皿34との間に境界が生じることはなく、上記不都合が抑制される。
上側膨出部31には、球貸操作装置36が設けられている。球貸操作装置36には、球貸しボタン37と、返却ボタン38と、度数表示部39とが設けられている。球貸装置Yにカード等を挿入した状態で、球貸操作装置36によって球貸し操作、カード返却操作およびカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン37は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン38は、球貸装置Yに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部39は、カード等の残額情報を表示するものである。
上側膨出部31には、さらに、遊技者が操作可能な操作ボタン35が設けられている。操作ボタン35は、例えば、演出図柄表示装置(後述:91)で行われる変動表示の演出内容を変更したり、リーチ時の演出内容を変更したりする場合に、遊技者により操作される。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、遊技球発射装置(後述:110)から遊技球が発射される。
次に、裏パックユニット15の構成を説明する。
図5は、裏パックユニット15の正面図である。
裏パックユニット15は、図5に示すように、裏パック201を有して構成されている
。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10の後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有して構成されている。
保護カバー部212は、左右側面および上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット(後述:86)を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には、複数の出力端子が設けられており、これらの出力端子を介して遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。
ベース部211には、外部端子板213よりも外側に、本体枠13が開放されているか否か(または閉鎖されているか否か)を検知する本体枠開放スイッチ217が設けられている。外枠11に対して本体枠13を閉じた状態では、本体枠開放スイッチ217の金属接点が閉じて本体枠13の閉鎖が検知され、外枠11に対して本体枠13を開いた状態では、金属接点が開いて本体枠13の開放が検知されるようになっている。
なお、本体枠開放スイッチ217は、本体枠13が開放状態の場合に主制御装置(後述:162)に対して本体枠開放信号を出力し、本体枠13が閉鎖状態の場合は、本体枠開放信号の出力を停止する。具体的には、本体枠13が開放している状態では、LOWレベル信号を出力し、本体枠13が閉鎖している状態では、HIGHレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、本体枠13が開放している状態では、HIGHレベル信号を出力し、本体枠13が閉鎖している状態では、LOWレベル信号を出力する構成としてもよい。また、本体枠13が開放している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。
ベース部211には、さらに、パチンコ機10の後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられている。掛止ピン214を本体枠13に設けられた軸受け部(不図示)に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔(不図示)に対して締結するための締結具215が設けられている。締結具215を被締結孔に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、さらに、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が設けられている。すなわち、裏パック201の最上部には、上方に開口したタンク221が設けられている。タンク221には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結されている。タンクレール222の下流側には、上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には、払出装置224が設けられている。
ケースレール223には、ケースレール223内の通路を通じてタンク221から払出装置224まで連なった遊技球を検知するように球無検知センサ223aが設けられている。球無検知センサ223aは、磁気検知タイプの近接センサで構成されており、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化を検知して電気信号として出力する。なお、球無検知センサ223aは、磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサ等を用いてもよい。
球無検知センサ223aは、払出制御装置242に対して電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態では、LOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態では、HIGHレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、遊技球を検知していない状態では、HIGHレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態では、LOWレベル信号を出力する構成としてもよい。また、遊技球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。
払出制御装置242では、球無検知センサ223aの検知結果に基づいてタンク221が球無状態であるか否かを判定する。具体的には、あらかじめ定められた期間が経過するまで球無検知センサ223aにおける遊技球の非検知状態が継続された場合は、タンク221が球無状態であると判定する。払出制御装置242においてタンク221が球無状態であると判定された場合、払出装置224による遊技球の払出が停止される。これにより、タンク221が球無状態であるにもかかわらず、払出装置224が動作し続けることが防止される。かかる払出動作の停止は、タンク221の球無状態が解除され球無検知センサ223aで遊技球が検知されることにより解除される。また、払出制御装置242においてタンク221が球無状態であると判定された場合、それに対応した報知処理が実行される。なお、タンク221において球詰まりが発生し、払出装置224側へ遊技球が流れていかない場合も球無状態であると判定される。
また、ケースレール223には、球抜きスイッチ223bが設けられている。例えば、タンク221に貯留されている遊技球のパチンコ機10の外部への排出に際して、ケースレール223にある遊技球もすべて排出する場合に球抜きスイッチ223bが押され、ケースレール223およびその下流側に貯留されている遊技球の排出が可能となる。なお、球抜きスイッチ223bの設置箇所は、ケースレール223に限定されることはなく、例えば、払出制御装置242に設置してもよい。
払出装置224では、遊技球の払出が実行される。払い出された遊技球は、出口側の通路に設けられた払出球検知センサ258により検知される。そして、払出装置224の下流側に設けられた払出通路(不図示)を通じて、ベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
払出機構部202には、裏パック基板229が設置されている。裏パック基板229には、例えば、交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切換操作により電源ONまたは電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、その下端部を前後に挟むようにして制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有して構成されている。取付台241には、払出制御装置242と、電源および発射制御装置243と、球貸用接続端子板249とが搭載されている。払出制御装置242、電源および発射制御装置243および球貸用接続端子板249は、払出制御装置242および球貸用接続端子板249がパチンコ機10の後方となり、電源および発射制御装置243がパチンコ機10の前方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、払出装置224を制御する払出制御基板を有して構成されている。払出制御基板は、無色透明の基板ボックス244内に収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は、裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には、状態復帰スイッチ245が設けられている。例
えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。また、払出制御基板には、7セグメント表示器242aが搭載されている。本体枠13を外枠11に対して開放することで、基板ボックス244を通じて7セグメント表示器242aの表示内容が視認可能となっている。
電源および発射制御装置243は、各種制御装置等で必要とする所定の電力を生成するとともに、遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の発射制御を行う電源および発射制御基板を有して構成されている。電源および発射制御基板は、基板ボックス246内に収容されている。
電源および発射制御装置243には、RAM消去スイッチ247が設けられている。パチンコ機10は、各種データの記憶保持機能を有し、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には、停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば、遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると、遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押下しながら電源を投入すると、RAMのデータが初期化されるようになっている。
球貸用接続端子板249は、球貸装置Y、払出制御装置242および球貸操作装置36に電気的に接続され、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置242に出力するものである。
次に、遊技盤81の構成を説明する。
図6は、遊技盤81の正面図である。
遊技盤81は、図6に示すように、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板81aに、遊技球案内用の多数の釘88、風車、レール101、102、一般入賞口82、可変入賞装置83、始動入賞口84および可変表示ユニット86等を組み付けて構成されている。そして、遊技盤81の周縁部が本体枠13の裏面側に取り付けられる。一般入賞口82、可変入賞装置83、始動入賞口84、可変表示ユニット86は、ルータ加工によってベース板81aに形成された貫通孔に設けられ、遊技盤81の前面側から木ねじ等により固定されている。遊技盤81の前面中央部は、窓部21を通じて前扉枠14の前面側から視認することができる。
遊技盤81の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した内レール101が立設されている。内レール101の外側には、同様に、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール102が設けられている。内レール101と外レール102とは、遊技球が通過可能な間隔をあけて配置されている。内レール101の右下の先端部と、外レール102の右上の先端部との間には、円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材103が設けられている。円弧部材103は、ベース板81aに打ち込んで固定されている。レール101、102により遊技盤81の前面外周が囲まれ、ベース板81aおよびガラス22により前後が囲まれることにより、遊技盤81の前面には、遊技球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤81の前面であってレール101、102および円弧部材103により区画して形成される略円形状の領域である。
レール101、102は、遊技球発射装置(後述:110)から発射された遊技球を遊技盤81の上部に案内するためのものである。内レール101の先端部には、戻り球防止部材104が取り付けられ、一旦、遊技盤81の上部に案内された遊技球が、レール101、102によって構成される誘導レールを逆戻りするといった事態が防止される。外レール102の先端部には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム105が取り
付けられ、所定以上の勢いで発射された遊技球が返しゴム105に当たって、勢いが減衰されつつ遊技領域の中央部に跳ね返される。
遊技領域の右上部には、特別図柄表示装置93が設けられている。特別図柄表示装置93は、主制御装置(後述:162)の制御により表示が行われるものであり、主に、演出図柄の変動中およびその結果、並びにパチンコ機10の遊技状態が表示される。特別図柄表示装置93には、発光手段である複数のLED93aと、7セグメント表示器93bとが設けられている。
LED93aは、パチンコ機10の現在の遊技状態を点灯状態により示したり、演出図柄が変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が大当たり図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示したりするものである。なお、LED93aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を報知することができる。
7セグメント表示器93bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。
遊技領域の中央部には、可変表示ユニット86が設けられている。可変表示ユニット86には、LCD(Liquid Crystal Display)で構成される演出図柄表示装置91と、LEDで構成される普通図柄表示装置94とが設けられている。可変表示ユニット86には、演出図柄表示装置91の外周を囲むようにして、センターフレーム92が設けられている。
演出図柄表示装置91は、始動入賞口84への入賞を契機として演出図柄を変動表示する。演出図柄表示装置91には、左、中および右の3つの図柄列が横方向に並んで表示される。各図柄列は、複数の演出図柄によって構成され、これら演出図柄が図柄列ごとに縦スクロールすることにより変動表示が行われる。なお、演出図柄表示装置91は、LCDに代えて、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクス表示装置、モータの回転により可変表示するドラムで構成してもよい。
演出図柄表示装置91で演出図柄が変動中に遊技球が始動入賞口84に入賞した場合、その入賞回数は、最大4回まで保留される。保留球数は、特別図柄表示装置93で表示されるとともに保留ランプ96でも点灯表示される。保留ランプ96は、最大保留数分の4つ設けられ、演出図柄表示装置91の上方に左右対称に設けられている。
普通図柄表示装置94は、スルーゲート85の通過を契機として普通図柄を変動表示する。普通図柄表示装置94は、普通図柄の表示部94aと、保留ランプ95とを有して構成されている。普通図柄表示装置94には、表示部94aにおいて、「○」の普通図柄と、「×」の普通図柄とが交互に点灯することにより変動表示が行われる。その変動表示が所定図柄(例えば、「○」の図柄)で停止した場合は、始動入賞口84の両側に設けられている可動片(電動チューリップ)が所定時間だけ開放され、始動入賞口84に入賞しやすくなる。
普通図柄表示装置94で普通図柄が変動中に遊技球がスルーゲート85を通過した場合、その通過回数は、最大4回まで保留される。保留球数は、特別図柄表示装置93で表示されるとともに保留ランプ95でも点灯表示される。保留ランプ95は、最大保留数分の4つ設けられ、演出図柄表示装置91の下方に左右対称に設けられている。
可変表示ユニット86の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口84が設けられている。始動入賞口84に遊技球が入賞すると、始動入賞口センサ154がオンになり、これを契機として主制御装置(後述:162)で大当たり抽選が行われる。また、始動入賞口84に遊技球が入賞すると、5個の遊技球が賞球として払い出される。
始動入賞口84の下方には、可変入賞装置83が設けられている。可変入賞装置83の略中央部には、横長矩形状の大入賞口83aが設けられている。大当たり抽選の結果、大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりであることを示すようにLED93aを点灯させるとともに、演出図柄表示装置91で大当たり図柄を停止表示することにより、大当たりの発生が報知される。その後、大当たりが発生する。大当たりとなると、通常時には閉鎖されている大入賞口83aが、所定条件が成立する(例えば、30秒経過し、または遊技球が10個入賞する)まで開放される。大入賞口83aに遊技球が入賞すると、15個の遊技球が賞球として払い出される。
大入賞口83aは、所定条件が成立すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、所定条件が成立するまで大入賞口83aが開放される。大入賞口83aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。したがって、大当たり中は、遊技者に対して通常時より多量の賞球が払い出される。
可変入賞装置83は、具体的には、大入賞口83aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するためのソレノイドとを有して構成されている。大入賞口83aは、通常時は、遊技球が入賞できないかまたは入賞し難い閉状態になっている。これに対し、大当たり時は、ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、遊技球が大入賞口83aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と閉状態との状態を交互に繰り返すように動作する。
また、始動入賞口84の左右両側には、遊技球が入賞可能な一般入賞口82が複数設けられている。一般入賞口82に遊技球が入賞すると、5個から15個の遊技球が賞球として払い出される。
さらに、遊技領域の最下部には、アウト口87が設けられている。いずれの入賞口82〜84にも入賞しなかった遊技球は、アウト口87を通って排出通路(不図示)へと導出される。
遊技盤81の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1、K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前扉枠14の小窓を通じて視認することができる。
次に、パチンコ機10の制御系の構成を説明する。
図7は、制御系300の構成を示すブロック図である。
制御系300は、図7に示すように、主制御装置162と、払出制御装置242と、音声ランプ制御装置143と、演出図柄表示装置91の表示制御を行う表示制御装置302と、電源および発射制御装置243とを有して構成されている。
主制御装置162は、DIP(Dual Inline Package)等のワンチップ型のマイクロプ
ロセッサであるMPU(Micro Processing Unit)310と、主制御装置162の外部か
らデータを入力する入力ポート316と、主制御装置162の外部にデータを出力する出力ポート318とを有して構成されている。MPU310、入力ポート316および出力
ポート318は、バス320を介して相互に接続されている。
MPU310は、MPU310により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM(Read Only Memory)312と、制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を記憶するためのワークエリアとして機能するRAM314と、割込回路、タイマ回路、データ送受信回路等の各種回路とを有して構成されている。
RAM314は、MPU310の内部レジスタの内容やMPU310により実行される制御プログラムの戻り先番地等が記憶されるスタックエリアと、各種のフラグ、カウンタおよびI/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有して構成されている。RAM314は、パチンコ機10の電源遮断後においても電源および発射制御装置243からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM314に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
電源遮断時(停電発生による電源遮断時を含む。以下、同様)には、I/O等の値がRAM314に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入時を含む。以下、同様)には、RAM314に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM314への書き込みは、メイン処理(図18)によって電源遮断時に実行され、RAM314に書き込まれた各値の復帰は、電源投入時の立ち上げ処理(図17)において実行される。なお、MPU310のNMI端子には、電源遮断時に、停電監視回路243cから停電信号SG1が入力されるように構成されており、MPU310では、停電信号SG1が入力されると、停電時処理としてNMI割込処理(図14)が実行される。
入力ポート316には、各一般入賞口82に入賞した遊技球を検知する入賞口センサ152a〜152cと、可変入賞装置83に入賞した遊技球を検知するカウントセンサ153と、始動入賞口84に入賞した遊技球を検知する始動入賞口センサ154と、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートセンサ155と、発射制御部243bと、RAM消去スイッチ回路243dと、払出制御装置242と等が接続されている。
出力ポート318には、払出制御装置242と、音声ランプ制御装置143と、特別図柄表示装置93と、普通図柄表示装置94と、発射制御部243bと、可変入賞装置83のソレノイドと等が接続されている。MPU310は、出力ポート318を介して、遊技の演出制御または遊技球の払出制御を行うための各種のコマンドを音声ランプ制御装置143および払出制御装置242にそれぞれ送信する。なお、音声ランプ制御装置143との通信は、主制御装置162から音声ランプ制御装置143への一方向となっている。これに対し、払出制御装置242との通信は、双方向となっている。
払出制御装置242には、主制御装置162と、払出装置224と、球貸用接続端子板249と、球無検知センサ223aとが接続されている。さらに、球貸用接続端子板249には、球貸装置Yが接続されている。
音声ランプ制御装置143には、主制御装置162と、音声出力装置362と、ランプ表示装置364と、表示制御装置302と、操作ボタン35とが接続されている。さらに、表示制御装置302には、演出図柄表示装置91が接続されている。
電源および発射制御装置243は、パチンコ機10の各部に電源を供給する電源部243aと、遊技球の発射制御を行う発射制御部243bと、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路243cと、RAM消去スイッチ247が接続されるRAM消去スイッチ回路243dとを有して構成されている。
電源部243aは、例えば、トランスを介して遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、トランスから供給される外部電力に基づいて、各制御装置162、242、143、302等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部243aは、トランスから供給される交流24ボルトの電源を取り込み、各種スイッチや、ソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧等を生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置162、242、143、302等に対して必要な電圧を供給する。
発射制御部243bには、遊技球発射装置110が接続されている。発射制御部243bは、主制御装置162により遊技球の発射が指示された場合に、遊技球発射ハンドル41の回動量に応じた発射強度で遊技球が発射されるように遊技球発射装置110を制御する。具体的には、遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れていることをタッチセンサ(不図示)により検知し、発射を停止させるための発射停止スイッチ(不図示)が操作されていない場合に、遊技球発射ハンドル41の回動量に対応してソレノイドが励磁され、遊技球発射ハンドル41の回動量に応じた発射強度で遊技球が発射される。
停電監視回路243cは、電源遮断時に停電信号SG1を出力する回路である。停電監視回路243cは、電源部243aから出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断し、主制御装置162および払出制御装置242に停電信号SG1を出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置162および払出制御装置242は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図14)を実行する。なお、電源部243aは、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系300の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。したがって、主制御装置162および払出制御装置242は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路243dは、RAM消去スイッチ247が押下された場合に、主制御装置162および払出制御装置242に、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置162および払出制御装置242は、電源投入時にRAM消去信号SG2を入力すると、それぞれのバックアップデータをクリアする。
次に、演出図柄表示装置91の表示画面を説明する。
図8は、演出図柄表示装置91の表示画面を説明するための図面である。
図8(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示し、図8(b)は、実際の表示画面の例を示している。
演出図柄は、「0」〜「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる図柄の手前に「0」〜「9」の数字を付して構成されている。このうち奇数番号(「1」、「3」、「5」、「7」、「9」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(「0」、「2」、「4」、「6」、「8」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、かつ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
演出図柄表示装置91の表示画面は、図8(a)に示すように、大きくは上下に2分割
されている。下側の2/3が演出図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左、中、右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされている。その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、「0」〜「9」の演出図柄が規定の順序で表示される。すなわち、各図柄列Z1〜Z3は、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3ごとに周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。左図柄列Z1においては、主図柄の数字が降順に現れるように配列されている。中図柄列Z2および右図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3ごとに最大3個の演出図柄を表示可能である。主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1であり、毎回の変動表示に際して、左図柄列Z1、右図柄列Z3、中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に演出図柄が停止表示される。演出図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられている。さらに、左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1、Ds3は、ソレノイドで電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
実際の表示画面では、図8(b)に示すように、主表示領域Dmに演出図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1、Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1、Ds3に動画が表示され、通常より大当たりに移行しやすい状態であることが遊技者に報知される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態では、ハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出したりして予告演出が行われる。なお、演出図柄表示装置91の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm、Dsに区分されているが、各表示領域Dm、Dsを跨いでより大きく演出図柄やキャラクタ等を表示して演出を行うこともできる。
次に、遊技状態の種別(以下、遊技種別という。)を説明する。
図9は、大当たり種別を示す図である。
パチンコ機10においては、図9に示すように、遊技種別のうち大当たり種別として、非確変大当たり、確変大当たり、JUB大当たり、突確大当たりおよび潜確大当たりの5つが規定されている。また、当たり種別として小当たりも規定されている。
大当たり抽選の結果、非確変大当たりとなった場合は、非確変大当たりであることを示すように特別図柄表示装置93でLED93aを点灯させるとともに、演出図柄表示装置91に大当たり図柄のうち非確変図柄を停止表示し、その後に非確変大当たりが発生するように制御する。非確変図柄は、例えば、演出図柄表示装置91において、主図柄が「222」、「444」、「666」といった偶数のぞろ目で構成される組み合わせとなる。また、1ラウンドにおいて大入賞口83aを長時間(例えば、29[s])開放するラウンド(以下、長開放ラウンドという。)が最大15回継続する。大入賞口83aが開放中に
大入賞口83aに遊技球が9個入賞した場合は、開放時間が経過する前でも1ラウンドが終了する。大当たり演出の終了後には、大当たり抽選の当選確率が確変状態よりも低い通常状態となるように制御するとともに、演出図柄の変動時間が通常状態よりも短い時短状態が所定回数(例えば、100回)継続するように制御する。
時短状態では、さらに、始動入賞口84の電動チューリップの開放時間が通常状態よりも長くなる(例えば、通常状態では0.2[s]の開放が行われるところ、時短状態では2[s]の開放が行われる。)か、または電動チューリップの開放回数が通常状態よりも多くなる(例えば、通常状態では1回の開放が行われるところ、時短状態では3回の開放が行われる。)。また、時短状態では、電動チューリップが開放する当選確率が通常状態よりも高くなるか、または普通図柄の変動時間が通常状態よりも短くなる。なお、これらの組み合わせで行ってもよい。例えば、電動チューリップが開放する当選確率が通常状態よりも高くなり、かつ、始動入賞口84の電動チューリップの開放時間が通常状態よりも長くなってもよい。このように時短状態では、始動入賞口84への入賞機会が増えるので、遊技球の消化を抑制することができる。
大当たり抽選の結果、確変大当たりとなった場合は、確変大当たりであることを示すように特別図柄表示装置93でLED93aを点灯させるとともに、演出図柄表示装置91に大当たり図柄のうち確変図柄を停止表示し、その後に確変大当たりが発生するように制御する。確変図柄は、例えば、演出図柄表示装置91において、主図柄が「111」、「333」、「555」といった奇数のぞろ目で構成される組み合わせとなる。また、長開放ラウンドが最大15回継続する。大入賞口83aが開放中に大入賞口83aに遊技球が9個入賞した場合は、開放時間が経過する前でも1ラウンドが終了する。大当たり演出の終了後には、確変状態となるように制御するとともに次回大当たりまで時短状態が継続するように制御する。
非確変大当たりまたは確変大当たりとなった場合は、大当たり演出の開始時から大当たり演出の終了時まで、時短付大当たり信号が外部端子板213から出力される。時短付大当たり信号は、外部端子板213の出力端子のうち一つから出力される。したがって、呼出ランプ装置500では、大当たりの回数が「1」加算されて表示されるので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見れば、大当たりが発生したことを把握することができる。
大当たり抽選の結果、JUB大当たりとなった場合は、JUB大当たりであることを示すように特別図柄表示装置93でLED93aを点灯させるとともに、演出図柄表示装置91に大当たり図柄のうち突確図柄を停止表示し、その後にJUB大当たりが発生するように制御する。突確図柄は、例えば、「341」といった外れ図柄と区別しがたい組み合わせとなる。大当たり演出の開始後所定時間(例えば、25[s])が経過した場合は、大当たりが発生したことを演出図柄表示装置91に表示する。また、1ラウンドにおいて大入賞口83aを短時間(例えば、60[ms])開放するラウンド(以下、短開放ラウンドという。)が15回継続し、その後、長開放ラウンドが最大14回継続する。大入賞口83aが開放中に大入賞口83aに遊技球が9個入賞した場合は、開放時間が経過する前でも1ラウンドが終了する。大当たり演出の終了後には、確変状態となるように制御するとともに次回大当たりまで時短状態が継続するように制御する。
JUB大当たりとなった場合は、大当たり演出の開始時から大当たりの発生が表示されるまで(例えば、25[s])は、時短付大当たり信号が外部端子板213から出力されず、その後大当たり演出の終了時まで、時短付大当たり信号が外部端子板213から出力される。したがって、呼出ランプ装置500では、大当たりの発生が表示されるまで大当たりの回数が変化しないので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、JUB大
当たりが発生したことを把握することができない。これにより、遊技者は、突確図柄が停止表示されても所定時間が経過するまで、JUB大当たりが発生することの期待を抱くことができるので、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができる。なお、LED93aの点灯態様によりJUB大当たりであることを把握することもできなくはないが、LED93aの点灯態様が複雑かつ多様なので、一見して把握することは難しい。
大当たり抽選の結果、突確大当たりとなった場合は、突確大当たりであることを示すように特別図柄表示装置93でLED93aを点灯させるとともに、演出図柄表示装置91に大当たり図柄のうち突確図柄を停止表示し、その後に突確大当たりが発生するように制御する。大当たり演出の開始後所定時間(例えば、25[s])が経過した場合は、確変状態となることを演出図柄表示装置91に表示する。また、短開放ラウンドが15回継続する。大入賞口83aが開放中に大入賞口83aに遊技球が9個入賞した場合は、開放時間が経過する前でも1ラウンドが終了する。大当たり演出の終了後には、確変状態となるように制御するとともに次回大当たりまで時短状態が継続するように制御する。
突確大当たりとなった場合は、大当たり演出の開始時から確変状態への移行が表示されるまで(例えば、25[s])は、時短付大当たり信号が外部端子板213から出力されず、その後大当たり演出の終了時まで、時短付大当たり信号が外部端子板213から出力される。したがって、呼出ランプ装置500では、確変状態への移行が表示されるまで大当たりの回数が変化しないので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、突確大当たりが発生したことを把握することができない。これにより、遊技者は、突確図柄が停止表示されても所定時間が経過するまで、突確大当たりが発生することの期待を抱くことができるので、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができる。なお、LED93aの点灯態様により突確大当たりであることを把握することもできなくはないが、LED93aの点灯態様が複雑かつ多様なので、一見して把握することは難しい。
大当たり抽選の結果、潜確大当たりとなった場合は、潜確大当たりであることを示すように特別図柄表示装置93でLED93aを点灯させるとともに、演出図柄表示装置91に大当たり図柄のうち突確図柄を停止表示し、その後に潜確大当たりが発生するように制御する。また、短開放ラウンドが15回継続する。大入賞口83aが開放中に大入賞口83aに遊技球が9個入賞した場合は、開放時間が経過する前でも1ラウンドが終了する。大当たり演出の終了後には、確変状態となるように制御するとともに、時短状態である場合に限り次回大当たりまで時短状態が継続するように制御する。潜確大当たりは、1ラウンドにおける大入賞口83aの開放時間も極端に短く、1ラウンドの期間(開放時間)が短い。そのため、遊技者に対しては、大当たりとならずに確変状態に突然移行したかのような意外性を与えることができる。さらに、遊技店にとっても大当たり抽選の当選確率と稼働とのバランスが作りやすいものとなる。
潜確大当たりとなった場合は、時短付大当たり信号が外部端子板213から出力されない。ただし、時短状態である場合は、大当たり演出の開始時から大当たり演出の終了時まで、時短付大当たり信号が外部端子板213から出力される。したがって、呼出ランプ装置500では、時短状態である場合を除き、大当たりの回数が変化しないので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、潜確大当たりが発生したことを把握することができない。これにより、遊技者は、突確図柄が停止表示された場合に、潜確大当たりが発生することの期待を抱くことができるので、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができる。なお、LED93aの点灯態様により潜確大当たりであることを把握することもできなくはないが、LED93aの点灯態様が複雑かつ多様なので、一見して把握することは難しい。
大当たり抽選の結果、小当たりとなった場合は、小当たりであることを示すように特別
図柄表示装置93でLED93aを点灯させるとともに、演出図柄表示装置91に大当たり図柄のうち突確図柄を停止表示し、その後に小当たりが発生するように制御する。また、大入賞口83aを短時間(例えば、60[ms])開放する動作が15回継続する。大入賞口83aが開放中に大入賞口83aに遊技球が9個入賞した場合は、小当たり演出が終了する。小当たり演出の終了後には、元の状態を維持するように制御する。例えば、確変状態および時短状態であれば確変状態および時短状態を維持し、通常状態および非時短状態であれば通常状態および非時短状態を維持する。
小当たりとなった場合は、時短付大当たり信号が外部端子板213から出力されない。したがって、呼出ランプ装置500では、大当たりの回数が変化しないので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、小当たりが発生したことを把握することができない。これにより、遊技者は、突確図柄が停止表示された場合に、潜確大当たりと区別することができず、潜確大当たりが発生することの期待を抱くことができるので、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができる。なお、LED93aの点灯態様により小当たりであることを把握することもできなくはないが、LED93aの点灯態様が複雑かつ多様なので、一見して把握することは難しい。
一方、パチンコ機10においては、遊技種別のうち外れ種別として、リーチ外れと、非リーチ外れの2つが規定されている。
大当たり抽選の結果、リーチ外れとなった場合は、外れであることを示すように特別図柄表示装置93でLED93aを点灯させる。これとともに、3つの演出図柄のうち左図柄および右図柄を同一の図柄で一旦停止表示して大当たりへの期待を遊技者に抱かせる演出(以下、リーチ演出という。)を行った後に、左図柄および右図柄とは異なる図柄で中図柄を停止表示することにより演出図柄表示装置91にリーチ外れ図柄を停止表示し、その後に外れとなるように制御する。
大当たり抽選の結果、非リーチ外れとなった場合は、外れであることを示すように特別図柄表示装置93でLED93aを点灯させるとともに、リーチ演出を行わずに演出図柄表示装置91に非リーチ外れ図柄を停止表示し、その後に外れとなるように制御する。
次に、主制御装置162で使用する乱数カウンタを説明する。
図10は、RAM314のカウンタ用バッファおよび保留球格納エリアを示す図である。
MPU310は、各種の乱数カウンタを用いて、大当たり抽選や特別図柄表示装置93の表示設定等を行う。具体的には、図10に示すように、大当たり抽選を行うための大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を決定するための大当たり種別乱数カウンタC2と、リーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ乱数カウンタC3と、演出図柄の変動パターンを決定するための変動パターン乱数カウンタCSとが使用される。また、大当たり乱数カウンタC1の初期値を設定するための第1初期値乱数カウンタCINI1と、普通図柄表示装置94で抽選結果を表示する普通抽選を行うための普通抽選乱数カウンタC4と、普通抽選乱数カウンタC4の初期値を設定するための第2初期値乱数カウンタCINI2とが使用される。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば、「0」〜「738」の数値範囲のうちいずれかの値をとり得るループカウンタとして構成されている。更新のたびに、現在の値に「1」が加算され、最大値(「738」)を超えた場合は初期値に戻るようになっている。大当たり乱数カウンタC1の場合、初期値は、最大値に達した時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値に設定される。大当たりとなる乱数の値(以下、大当たり値という。)は
、通常状態と確変状態とでそれぞれ設定されている。通常状態については、例えば、大当たり値の数が2個で、その値は、「373」、「727」となっている。これに対し、確変状態については、例えば、大当たり値の数が14個で、その値は、「59」、「109」、「163」、「211」、「263」、「317」、「367」、「421」、「479」、「523」、「631」、「683」、「733」となっている。また、小当たりとなる乱数の値(以下、小当たり値という。)は、例えば、「157」となっている。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一の数値範囲(「0」〜「738」)のうちいずれかの値をとり得るループカウンタとして構成されている。更新のたびに、現在の値に「1」が加算され、最大値(「738」)を超えた場合は初期値に戻るようになっている。第1初期値乱数カウンタCINI1の場合、初期値は、「0」に設定される。第1初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1とは異なる周期で更新される。これにより、大当たり乱数カウンタC1の更新を不規則に行うことができるので、不正行為が行われる可能性を低減することができる。
大当たり種別乱数カウンタC2は、例えば、「0」〜「99」の数値範囲のうちいずれかの値をとり得るループカウンタとして構成されている。更新のたびに、現在の値に「1」が加算され、最大値(「99」)を超えた場合は初期値に戻るようになっている。大当たり種別乱数カウンタC2の場合、初期値は、「0」に設定される。非確変大当たりとなる乱数の値(以下、非確変大当たり種別値という。)は、例えば、「0」〜「34」となっている。確変大当たりとなる乱数の値(以下、確変大当たり種別値という。)は、例えば、「35」〜「74」となっている。JUB大当たりとなる乱数の値(以下、JUB大当たり種別値という。)は、例えば、「75」〜「79」となっている。突確大当たりとなる乱数の値(以下、突確大当たり種別値という。)は、例えば、「80」〜「89」となっている。潜確大当たりとなる乱数の値(以下、潜確大当たり種別値という。)は、例えば、「90」〜「99」となっている。このように、大当たり種別が5つであるので、演出図柄表示装置91で停止表示される演出図柄は、5種類の大当たりに対応した態様と、小当たりに対応した態様と、外れに対応した1種類の態様との合計7種類の態様のうちいずれか1つが選択されることになる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば、「0」〜「1998」の数値範囲のうちいずれかの値をとり得るループカウンタとして構成されている。更新のたびに、現在の値に「1」が加算され、最大値(「1998」)を超えた場合は初期値に戻るようになっている。リーチ乱数カウンタC3の場合、初期値は、「0」に設定される。外れ時にリーチ演出を行う乱数の値(以下、リーチ値という。)は、例えば、「1887」〜「1998」となっている。
変動パターン乱数カウンタCSは、例えば、「0」〜「210」の数値範囲のうちいずれかの値をとり得るループカウンタとして構成されている。更新のたびに、現在の値に「1」が加算され、最大値(「210」)を超えた場合は初期値に戻るようになっている。変動パターン乱数カウンタCSの場合、初期値は、「0」に設定される。
普通抽選乱数カウンタC4は、例えば、「0」〜「250」の数値範囲のうちいずれかの値をとり得るループカウンタとして構成されている。更新のたびに、現在の値に「1」が加算され、最大値(「250」)を超えた場合は初期値に戻るようになっている。普通抽選乱数カウンタC4の場合、初期値は、最大値に達した時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値に設定される。当たりとなる乱数の値の数は、例えば、149個で、その値は、「5」〜「153」となっている。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、普通抽選乱数カウンタC4と同一の数値範囲(
「0」〜「250」)のうちいずれかの値をとり得るループカウンタとして構成されている。更新のたびに、現在の値に「1」が加算され、最大値(「250」)を超えた場合は初期値に戻るようになっている。第2初期値乱数カウンタCINI2の場合、初期値は、「0」に設定される。第2初期値乱数カウンタCINI2は、普通抽選乱数カウンタC4とは異なる周期で更新される。これにより、普通抽選乱数カウンタC4の更新を不規則に行うことができるので、不正行為が行われる可能性を低減することができる。
RAM314には、カウンタ用バッファが設けられている。各カウンタは、短時間間隔で更新され、その更新値がカウンタ用バッファに格納される。
RAM314には、保留球格納エリアが設けられている。保留球格納エリアは、1つの実行エリアと、4つの保留エリアとで構成されている。1つの保留エリアには、始動入賞口84に遊技球が入賞するタイミングで、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別乱数カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動パターン乱数カウンタCSの各値が格納される。具体的には、いずれの保留エリアにも乱数カウンタ値が格納されていない場合は、第1保留エリアに格納される。第1保留エリアに乱数カウンタ値が格納されている場合は、第2保留エリアに格納される。第1、第2保留エリアに乱数カウンタ値が格納されている場合は、第3保留エリアに格納される。第1ないし第3保留エリアに乱数カウンタ値が格納されている場合は、第4保留エリアに格納される。すべての保留エリアに乱数カウンタ値が格納されている場合は、いずれの保留エリアにも格納されない。
保留エリアの乱数カウンタ値は、大当たり抽選を行うごとに実行エリア側にシフトされる。具体的には、第1保留エリアの乱数カウンタ値が実行エリアにシフトされ、その後、第2保留エリアの乱数カウンタ値が第1保留エリアにシフトされる。次いで、第3保留エリアの乱数カウンタ値が第2保留エリアにシフトされ、その後、第4保留エリアの乱数カウンタ値が第3保留エリアにシフトされる。
次に、コマンドの種別を説明する。
図11は、コマンドの種別を示す図である。
コマンドの種別としては、図11に示すように、変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド、ラウンド開始コマンドおよびラウンド終了コマンドがある。
変動パターンコマンドは、複数の変動パターンのうちいずれかを指定するためのコマンドを含む。変動パターンは、遊技種別に対応している。例えば、変動パターン3は、通常のリーチ演出であるノーマルリーチ演出を行った後に外れとなる遊技状態に対応し、変動パターン8は、ノーマルリーチ演出よりも派手なスーパーリーチ演出を行った後に非確変大当たりとなる遊技状態に対応している。また、変動パターン10は、スーパーリーチ演出よりも派手なスペシャルリーチ演出を行った後に確変大当たりとなる遊技状態に対応し、変動パターン12は、特殊変動表示を行った後に突確大当たりとなる遊技状態に対応している。変動パターンコマンドは、停止種別コマンドとともに演出図柄の変動開始時に音声ランプ制御装置143に送信される。
停止種別コマンドは、演出図柄の停止図柄として外れ図柄を指定するためのコマンドと、演出図柄の停止図柄として非確変図柄を指定するためのコマンドと、演出図柄の停止図柄として確変図柄を指定するためのコマンドと、演出図柄の停止図柄として突確図柄を指定するためのコマンドとを含む。これらは、停止図柄の具体的な内容を指定するものではなく、単に停止図柄の種別を指定するだけのものである。すなわち、主制御装置162で停止図柄の種別だけを決定し、表示制御装置302で停止図柄の具体的な内容を決定することとなるので、主制御装置162の処理負荷を低減することができる。停止種別コマン
ドは、変動パターンコマンドの送信直後に音声ランプ制御装置143に送信される。
確定コマンドは、演出図柄の停止表示の確定を指定するためのコマンドである。確定コマンドは、演出図柄の変動終了時に音声ランプ制御装置143に送信される。
オープニングコマンドは、非確変大当たり、確変大当たり、JUB大当たり、突確大当たり、潜確大当たりまたは小当たりに対応し、大当たり演出または小当たり演出の開始を指定するためのコマンドである。したがって、表示制御装置302では、オープニングコマンドから非確変大当たり、確変大当たり、JUB大当たり、突確大当たり、潜確大当たりまたは小当たりを特定することができる。オープニングコマンドは、大当たり演出の開始時または小当たり演出の開始時に音声ランプ制御装置143に送信される。
エンディングコマンドは、非確変大当たり、確変大当たり、JUB大当たり、突確大当たり、潜確大当たりまたは小当たりに対応し、大当たり演出または小当たり演出の終了を指定するためのコマンドである。したがって、表示制御装置302では、エンディングコマンドから非確変大当たり、確変大当たり、JUB大当たり、突確大当たり、潜確大当たりまたは小当たりを特定することができる。オープニングコマンドは、大当たり演出の終了時または小当たり演出の終了時に音声ランプ制御装置143に送信される。
ラウンド開始コマンドは、大当たり演出におけるラウンドの開始を指定するためのコマンドである。ラウンド開始コマンドは、ラウンドの開始時に音声ランプ制御装置143に送信される。
ラウンド終了コマンドは、大当たり演出におけるラウンドの終了を指定するためのコマンドである。ラウンド終了コマンドは、ラウンドの終了時に音声ランプ制御装置143に送信される。
なお、コマンドの種別としては、その他にも、払出初期化コマンド、払出復帰コマンド、賞球コマンド、電源断コマンドその他各種のコマンドがある。図11のコマンドは代表的なコマンドにすぎない。
次に、ROM312のデータ構造を説明する。
ROM312には、変動パターンを決定するための複数の変動パターンテーブルと、変動パターンテーブルを決定するための振分構造テーブルとが格納されている。
まず、振分構造テーブルのデータ構造を説明する。
図12は、振分構造テーブル404のデータ構造の一部を示す図である。
変動パターンテーブルは、大当たりおよび外れのそれぞれに対応して設けられている。
大当たりに対応する変動パターンテーブルは、大当たり種別ごとに複数設けられている。
非確変大当たりに対応する変動パターンテーブル(以下、非確変大当たり変動パターンテーブルという。)は、保留球数ごとに複数設けられている。各保留球数に対応する非確変大当たり変動パターンテーブルは、さらに、リーチ乱数カウンタC3の所定の数値範囲ごとに設けられている。非確変大当たり変動パターンテーブルは、確変大当たりに対応する変動パターンテーブル(以下、確変大当たり変動パターンテーブルという。)の一部を共用している。したがって、非確変大当たりにのみ対応する専用の変動パターンテーブルは存在しない。これにより、変動パターンからは確変大当たりか非確変大当たりかを区別することができないので、非確変大当たり時でも、遊技の趣向が低下する可能性を低減す
ることができる。なお、非確変大当たり変動パターンテーブルは、保留球数が減算された後に参照(後述:S606、S704)されるものであるので、保留球数の範囲は、「0」〜「3」となっている。また、図12では、保留球数が「0」〜「3」の範囲を便宜上まとめて図示しているが、実際は、保留球数ごとに非確変大当たり変動パターンテーブルが設けられている。以下、他の変動パターンテーブルについても同様である。
非確変大当たり変動パターンテーブルにより決定された変動パターンコマンドは、確変大当たり以外の遊技種別に対応する変動パターンテーブルにより決定された変動パターンコマンドとは一致しない。したがって、表示制御装置302では、その変動パターンコマンドから確変大当たりまたは非確変大当たりを特定することができる。
確変大当たり変動パターンテーブルは、保留球数ごとに複数設けられている。各保留球数に対応する確変大当たり変動パターンテーブルは、さらに、リーチ乱数カウンタC3の所定の数値範囲ごとに設けられている。確変大当たり変動パターンテーブルのうち確変大当たりにのみ対応する専用の変動パターンテーブルにより決定された変動パターンコマンドは、他の遊技種別に対応する変動パターンテーブルにより決定された変動パターンコマンドとは一致しない。したがって、表示制御装置302では、その変動パターンコマンドから確変大当たりを特定することができる。
JUB大当たりに対応する変動パターンテーブル(以下、JUB大当たり変動パターンテーブルという。)は、保留球数ごとに複数設けられている。各保留球数に対応するJUB大当たり変動パターンテーブルは、さらに、リーチ乱数カウンタC3の所定の数値範囲ごとに設けられている。JUB大当たり変動パターンテーブルにより決定された変動パターンコマンドは、他の遊技種別に対応する変動パターンテーブルにより決定された変動パターンコマンドとは一致しない。したがって、表示制御装置302では、その変動パターンコマンドからJUB大当たりを特定することができる。
突確大当たりに対応する変動パターンテーブル(以下、突確大当たり変動パターンテーブルという。)は、保留球数ごとに複数設けられている。各保留球数に対応する突確大当たり変動パターンテーブルは、さらに、リーチ乱数カウンタC3の所定の数値範囲ごとに設けられている。突確大当たり変動パターンテーブルにより決定された変動パターンコマンドは、他の遊技種別に対応する変動パターンテーブルにより決定された変動パターンコマンドとは一致しない。したがって、表示制御装置302では、その変動パターンコマンドから突確大当たりを特定することができる。
潜確大当たりに対応する変動パターンテーブル(以下、潜確大当たり変動パターンテーブルという。)は、保留球数ごとに複数設けられている。各保留球数に対応する潜確大当たり変動パターンテーブルは、さらに、リーチ乱数カウンタC3の所定の数値範囲ごとに設けられている。潜確大当たり変動パターンテーブルにより決定された変動パターンコマンドは、他の遊技種別に対応する変動パターンテーブルにより決定された変動パターンコマンドとは一致しない。したがって、表示制御装置302では、その変動パターンコマンドから潜確大当たりを特定することができる。
小当たりに対応する変動パターンテーブル(以下、小当たり変動パターンテーブルという。)は、保留球数ごとに複数設けられている。各保留球数に対応する小当たり変動パターンテーブルは、さらに、リーチ乱数カウンタC3の所定の数値範囲ごとに設けられている。小当たり変動パターンテーブルにより決定された変動パターンコマンドは、他の遊技種別に対応する変動パターンテーブルにより決定された変動パターンコマンドとは一致しない。したがって、表示制御装置302では、その変動パターンコマンドから小当たりを特定することができる。
一方、外れに対応する変動パターンテーブル(以下、外れ変動パターンテーブルという。)は、保留球数ごとに複数設けられている。各保留球数に対応する外れ変動パターンテーブルは、さらに、リーチ乱数カウンタC3の所定の数値範囲ごとに設けられている。ここで、リーチ外れに対応する変動パターンテーブルと、非リーチ外れに対応する変動パターンテーブルとは、別々に設けられている。例えば、図12の例では、リーチ乱数カウンタC3の値が「0」〜「1886」に対応する外れ変動パターンテーブルが、非リーチ外れに対応する変動パターンテーブルに対応し、その他の外れ変動パターンテーブルが、リーチ外れに対応する変動パターンテーブルに対応している。なお、図12の例では、保留球数が「0」〜「1」の範囲しか図示していないが、「2」〜「3」の範囲についても、リーチ乱数カウンタC3の所定の数値範囲ごとに外れ変動パターンテーブルが設けられている。
外れ変動パターンテーブルにより決定された変動パターンコマンドは、他の遊技種別に対応する変動パターンテーブルにより決定された変動パターンコマンドとは一致しない。したがって、表示制御装置302では、その変動パターンコマンドからリーチ外れおよび非リーチ外れのいずれかを特定することができる。
振分構造テーブル404には、図12に示すように、大当たり/小当たり/外れの別、遊技種別、保留球数およびリーチ乱数カウンタの値ごとに、変動パターンテーブルへのアドレスが登録されている。図12の例では、大当たり抽選の結果が「大当たり」、大当たり種別が「非確変大当たり」、保留球数が「0」〜「3」およびリーチ乱数カウンタの値が「0」〜「998」である場合は、変動パターンテーブル1へのアドレスが対応付けられている。
次に、変動パターンテーブルのデータ構造を説明する。
図13は、変動パターンテーブル406のデータ構造を示す図である。
変動パターンテーブル406には、図13に示すように、変動パターン乱数カウンタCSの数値範囲に対応して、例えば、211個のレコードが登録されている。各レコードは、変動パターンを示す変動パターン番号を登録するフィールドを含んで構成されている。変動パターン乱数カウンタCSの値を取得し、取得した乱数カウンタ値の順位のレコードから変動パターン番号を読み出し、読み出した変動パターン番号により特定される変動パターンを決定する。例えば、乱数カウンタ値が「30」である場合は、30段目のレコードから変動パターン番号を読み出す。図13の例では、変動パターンテーブル406から「18」が読み出されるので、変動パターン18に決定される。
次に、主制御装置162で実行される処理を説明する。
MPU310は、ROM312の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、主制御処理を実行する。主制御処理は、大別して、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理と、定期的に起動されるタイマ割込処理と、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、立ち上げ処理の後に実行されるメイン処理とがある。
まず、NMI割込処理を説明する。
図14は、主制御装置162で実行するNMI割込処理を示すフローチャートである。
NMI割込処理は、NMI端子から停電信号SG1を入力した場合は、実行中の制御を中断して起動される処理であって、MPU310において実行されると、図14に示すように、ステップS100に移行する。
ステップS100では、電源遮断が発生したことを示す停電フラグをオンにし、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、タイマ割込処理を説明する。
図15は、主制御装置162で実行するタイマ割込処理を示すフローチャートである。
タイマ割込処理は、所定周期(例えば、2[ms])で実行される処理であって、MPU310において実行されると、図15に示すように、ステップS200に移行する。
ステップS200では、RAM消去スイッチ247を除く、球検知センサ152〜155等の各種センサや各種スイッチの状態を読み込み、スイッチ等の状態を判定し、スイッチ等の検知結果を示す検知情報をRAM314に格納するスイッチ読込処理を実行する。
次いで、ステップS202に移行して、第1初期値乱数カウンタCINI1および第2初期値乱数カウンタCINI2を更新する。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1および第2初期値乱数カウンタCINI2の各値にそれぞれ「1」を加算し、最大値を超えた場合はそれぞれ「0」に設定する。そして、それら更新値をカウンタ用バッファに格納する。
次いで、ステップS204に移行して、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別乱数カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および普通抽選乱数カウンタC4を更新する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別乱数カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および普通抽選乱数カウンタC4の各値にそれぞれ「1」を加算し、最大値を超えた場合はそれぞれ初期値に設定する。そして、それら更新値をカウンタ用バッファに格納する。
次いで、ステップS206に移行して、始動入賞口84への入賞を判定する始動入賞処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS206の始動入賞処理を説明する。
図16は、主制御装置162で実行する始動入賞処理を示すフローチャートである。
始動入賞処理は、始動入賞口84への入賞を判定する処理であって、ステップS206において実行されると、図16に示すように、ステップS300に移行する。
ステップS300では、RAM314の検知情報に基づいて始動入賞口84に遊技球が入賞したか否かを判定し、始動入賞口84に遊技球が入賞したと判定した場合(YES)は、
ステップS302に移行する。
ステップS302では、保留球数カウンタの値Nが「4」未満であるか否かを判定し、Nが「4」未満であると判定した場合(YES)は、ステップS304に移行して、保留球数
カウンタの値Nに「1」を加算し、ステップS306に移行する。
ステップS306では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別乱数カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動パターン乱数カウンタCSの各値を保留球格納エリアに格納する。具体的には、いずれの保留エリアにも乱数カウンタ値が格納されていない場合は、第1保留エリアに乱数カウンタ値を格納する。第1保留エリアに乱数カウンタ値が格納されている場合は、第2保留エリアに乱数カウンタ値を格納する。第1、第2保留エリアに乱数カウンタ値が格納されている場合は、第3保留エリアに乱数カウンタ値を格納する。第1ないし第3保留エリアに乱数カウンタ値が格納されている場合は、第4保留エ
リアに乱数カウンタ値を格納する。
ステップS306の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS302で、保留球数カウンタの値Nが「4」以上であると判定した場合(NO)、およびステップS300で、始動入賞口84に遊技球が入賞していないと判定した場合(NO)はいずれも、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、立ち上げ処理を説明する。
図17は、主制御装置162で実行する立ち上げ処理を示すフローチャートである。
立ち上げ処理は、電源投入時に起動される処理であって、MPU310において実行されると、図17に示すように、ステップS400に移行する。
ステップS400では、電源投入に伴う初期設定を行う。初期設定では、スタックポインタにあらかじめ決められた所定値を設定する。
次いで、ステップS402に移行して、払出制御装置242、音声ランプ制御装置143および表示制御装置302が動作可能な状態となるまで待機するため、所定時間(例えば、1[s])が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合(YES)は、
ステップS404に移行する。
ステップS404では、RAM314へのアクセスを許可し、ステップS406に移行して、RAM消去スイッチ247がオフになっているか否かを判定し、RAM消去スイッチ247がオフになっていると判定した場合(YES)は、ステップS408に移行する。
ステップS408では、停電フラグがオンになっているか否かを判定し、停電フラグがオンになっていると判定した場合(YES)は、電源遮断が発生したと判定し、ステップS4
10に移行して、RAM判定値を算出する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM314のスタックエリアおよび作業エリアにおけるデータのチェックサム値またはハッシュ値である。
次いで、ステップS412に移行して、算出したRAM判定値が正常であるか否かを判定することによりバックアップの有効性を判定し、RAM判定値が正常である(すなわち、算出したRAM判定値が電源遮断時に格納したRAM判定値と一致する)と判定した場合(YES)は、ステップS414に移行する。ここで、RAM判定値に代えて、RAM31
4の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく格納されているか否かによりバックアップの有効性を判定してもよい。
ステップS414では、停電フラグをオフにし、ステップS416に移行して、払出制御装置242を電源遮断時の状態に復帰させることを指定するための払出復帰コマンドを払出制御装置242に送信し、ステップS418に移行して、割込許可を設定し、メイン処理に移行する。
一方、ステップS412で、RAM判定値が正常でない(すなわち、算出したRAM判定値が電源遮断時に格納したRAM判定値と一致しない)と判定した場合(NO)は、バックアップされたRAM314のデータが破壊されている可能性が高いので、ステップS420に移行する。
ステップS420では、RAM314の使用領域を「0」にクリアし、ステップS422に移行して、RAM314の初期設定を行い、ステップS424に移行して、払出制御
装置242の初期化を指定するための払出初期化コマンドを払出制御装置242に送信し、ステップS418に移行する。
一方、ステップS408で、停電フラグがオンになっていないと判定した場合(NO)は、電源遮断が発生していないと判定し、ステップS420に移行する。
一方、ステップS406で、RAM消去スイッチ247がオフになっていないと判定した場合(NO)は、ステップS420に移行する。
一方、ステップS402で、所定時間が経過していないと判定した場合(NO)は、所定時間が経過するまでステップS402で待機する。
次に、メイン処理を説明する。
図18は、主制御装置162で実行するメイン処理を示すフローチャートである。
メイン処理は、主制御装置162の主制御を行う処理である。その概要としては、ステップS500〜S520の処理を所定周期(例えば、4[ms])で実行し、所定周期の1期間のうちステップS500〜S516の処理に要する時間の残余時間を利用して、ステップS518、S520の処理を繰り返し実行する。メイン処理は、MPU310において実行されると、図18に示すように、ステップS500に移行する。
ステップS500では、RAM314のコマンド用バッファに設定されているコマンドを外部端子板213、払出制御装置242、電源および発射制御装置243または音声ランプ制御装置143に送信する外部出力処理を実行する。具体的には、RAM314の検知情報に基づいて始動入賞口84等への入賞を判定し、入賞があると判定した場合は、賞球の払出を指定するための賞球コマンドを払出制御装置242に送信する。また、遊技球の発射を行う場合は、遊技球の発射を指定するための発射コマンドを電源および発射制御装置243に送信する。また、変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド、ラウンド開始コマンドおよびラウンド終了コマンド等を音声ランプ制御装置143に送信する。
次いで、ステップS502に移行して、変動パターン乱数カウンタCSを更新する。具体的には、変動パターン乱数カウンタCSの値に「1」を加算し、最大値を超えた場合は「0」に設定する。そして、変動パターン乱数カウンタCSの更新値をカウンタ用バッファに格納する。
次いで、ステップS504に移行して、払出制御装置242から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS506に移行して、演出図柄表示装置91で演出図柄の変動表示を行う図柄制御処理を実行し、ステップS508に移行する。
ステップS508では、大当たりが発生している場合に、大入賞口83aを開放または閉鎖する大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たりの中にラウンドが開始されると、大入賞口83aを開放し、所定条件が成立した(例えば、29秒経過し、または遊技球が9個入賞した)か否かを判定し、所定条件が成立したと判定した場合は、大入賞口83aを閉鎖する。この開放と閉鎖とを最大ラウンド数まで繰り返し実行する。
次いで、ステップS510に移行して、普通図柄表示装置94で普通図柄を変動表示する普通図柄制御処理を実行する。普通図柄制御処理では、スルーゲート85を遊技球が通過すると、その通過タイミングで普通抽選乱数カウンタC4の値を取得し、表示部94a
で普通図柄の変動表示を開始する。そして、取得した乱数カウンタ値に基づいて普通抽選を行い、当たりとなると、通常時は始動入賞口84への入賞を困難にしている電動役物を開放することにより始動入賞口84に遊技球が入賞しやすい状態を形成する。電動役物は、所定時間開放される。
次いで、ステップS512に移行して、遊技球の発射を制御する発射制御処理を実行する。発射制御処理では、RAM314の検知情報に基づいて、遊技球発射ハンドル41に遊技者が触れているか否かおよび発射停止スイッチ(不図示)がオフになっているか否かを判定し、遊技球発射ハンドル41に触れておりかつ発射停止スイッチがオフになっていると判定した場合は、RAM314のコマンド用バッファに発射コマンドを設定する。これにより、ステップS500の外部出力処理では、出力ポート318を介して発射コマンドが電源および発射制御装置243に送信される。
次いで、ステップS514に移行して、停電フラグがオフになっているか否かを判定し、停電フラグがオフになっていると判定した場合(YES)は、電源遮断が発生していないと
判定し、ステップS516に移行して、メイン処理を開始してから所定時間(例えば、4[ms])が経過していないか否かを判定し、所定時間が経過していないと判定した場合(YES)は、ステップS518に移行する。
ステップS518では、第1初期値乱数カウンタCINI1および第2初期値乱数カウンタCINI2を更新する。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1および第2初期値乱数カウンタCINI2の各値にそれぞれ「1」を加算し、最大値を超えた場合はそれぞれ「0」に設定する。そして、それら更新値をカウンタ用バッファに格納する。
次いで、ステップS520に移行して、変動パターン乱数カウンタCSを更新する。具体的には、変動パターン乱数カウンタCSの値に「1」を加算し、最大値を超えた場合は「0」に設定する。そして、変動パターン乱数カウンタCSの更新値をカウンタ用バッファに格納する。
ステップS520の処理が終了すると、ステップS514に移行する。ステップS500〜S512の処理に要する時間は、遊技状態によって変化するので、ステップS518、S520の乱数更新処理の実行回数も遊技状態によって変化する。したがって、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2および変動パターン乱数カウンタCSの更新を不規則に行うことができるので、不正行為が行われる可能性を低減することができる。
一方、ステップS516で、所定時間が経過したと判定した場合(NO)は、ステップS500に移行する。
一方、ステップS514で、停電フラグがオフになっていないと判定した場合(NO)は、電源遮断が発生したと判定し、電源断処理を実行するため、ステップS522に移行する。ステップS514の処理は、ステップS500〜S512の処理の終了時、またはステップS518、S520の処理の終了時に実行される。そのため、メイン処理において各処理が終了したタイミングで電源断処理が行われるので、電源断処理において、MPU310のレジスタの内容をスタックエリアに退避したり、スタックポインタの値を格納したりしなくても、ステップS400の処理においてスタックポインタに所定値を設定することにより、立ち上げ処理の終了後は、ステップS500の処理から開始することができる。したがって、主制御装置162の処理負荷を低減することができるとともに、主制御装置162が誤動作したり暴走したりすることなく比較的安定的な制御を行うことができる。また、メイン処理において各処理が終了したタイミングで電源断処理が行われるので、
RAM314にバックアップする情報量を少なくすることができる。
ステップS522では、割込禁止を設定し、ステップS524に移行して、電源遮断を指定するための電源断コマンドを払出制御装置242および音声ランプ制御装置143に送信し、ステップS526に移行する。
ステップS526では、RAM判定値を算出し、算出したRAM判定値をRAM314の所定領域に格納する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM314のスタックエリアおよび作業エリアにおけるデータのチェックサム値またはハッシュ値である。
次いで、ステップS528に移行して、RAM314へのアクセスを禁止し、電源が完全に遮断されるまで無限ループを継続する。
次に、ステップS506の図柄制御処理を説明する。
図19は、主制御装置162で実行する図柄制御処理を示すフローチャートである。
図柄制御処理は、演出図柄表示装置91で演出図柄の変動表示を行う処理であって、ステップS506において実行されると、図19に示すように、ステップS600に移行する。
ステップS600では、現在、大当たり中でないか否かを判定し、大当たり中でないと判定した場合(YES)は、ステップS602に移行する。大当たり中としては、演出図柄表
示装置91で大当たり演出を行っている最中と、大当たり演出の終了後の所定時間とが含まれる。
次いで、ステップS602に移行して、現在、特別図柄表示装置93で変動表示中でないか否かを判定し、変動表示中でないと判定した場合(YES)は、ステップS604に移行
して、保留球数カウンタの値Nが「0」よりも大きいか否かを判定し、「0」よりも大きいと判定した場合(YES)は、ステップS606に移行する。
ステップS606では、保留球数カウンタの値Nから「1」を減算し、ステップS608に移行して、保留球格納エリアの乱数カウンタ値を実行エリア側にシフトする。具体的には、第1保留エリアの乱数カウンタ値を実行エリアにシフトし、その後、第2保留エリアの乱数カウンタ値を第1保留エリアにシフトする。次いで、第3保留エリアの乱数カウンタ値を第2保留エリアにシフトし、その後、第4保留エリアの乱数カウンタ値を第3保留エリアにシフトする。
次いで、ステップS610に移行して、特別図柄表示装置93で変動表示を開始する変動開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS604で、保留球数カウンタの値Nが「0」以下であると判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS602で、現在、特別図柄表示装置93で変動表示中であると判定した場合(NO)は、ステップS612に移行して、特別図柄表示装置93の変動表示について変動時間が経過していないか否かを判定し、変動時間が経過していないと判定した場合(YES)は、ステップS614に移行する。
ステップS614では、特別図柄表示装置93の表示を更新する。具体的には、LED93aのうち、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯して
いるLED93aが赤である場合は、その赤のLED93aを消灯するとともに緑のLED93aを点灯させる表示態様を設定する。また、現在点灯しているLED93aが緑である場合は、その緑のLED93aを消灯するとともに青のLED93aを点灯させる表示態様を設定する。また、現在点灯しているLED93aが青である場合は、その青のLED93aを消灯するとともに赤のLED93aを点灯させる表示態様を設定する。なお、ステップS614の処理は、所定周期(例えば、4[ms])で実行されるが、実行ごとにLED93aの点灯色を変更すると、LED93aの点灯色の変化を遊技者が視認することができない。そこで、遊技者にLED93aの点灯色の変化を視認させるために、ステップS614の処理は、実行ごとにカウンタ(不図示)の値に「1」を加算し、そのカウンタ値が所定値(例えば、「100」)を超えた場合に、LED93aの点灯色の変更を行い、遊技者が視認可能な周期(例えば、4[ms]×100=0.4[s])でLED93aの点灯色の変更を行うことが好ましい。カウンタの値は、LED93aの点灯色を変更したら「0」に戻るようになっている。
ステップS614の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS612で、特別図柄表示装置93の変動表示について変動時間が経過したと判定した場合(NO)は、ステップS616に移行して、特別図柄表示装置93の停止表示を設定する。大当たり抽選では、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりであるか否かを判定し、大当たりであると判定した場合は、大当たり種別乱数カウンタC2の値に基づいて大当たり種別および大当たり時の停止図柄の種別を決定する。ステップS616の処理では、決定した大当たり時の停止図柄の種別に対応する表示態様となるように特別図柄表示装置93の停止表示を設定する。例えば、非確変大当たりである場合は緑色のLED93aを点灯させ、確変大当たりである場合は赤色のLED93aを点灯させ、外れである場合は青色のLED93aを点灯させる。なお、各LED93aの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしてもよい。
次いで、ステップS618に移行して、演出図柄表示装置91の停止表示をLED93aの点灯と同調させるために、RAM314のコマンド用バッファに確定コマンドを設定する。これにより、ステップS500の外部出力処理では、出力ポート318を介して確定コマンドが音声ランプ制御装置143に送信される。
ステップS618の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS600で、現在、大当たり中であると判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS610の変動開始処理を説明する。
図20は、主制御装置162で実行する変動開始処理を示すフローチャートである。
変動開始処理は、特別図柄表示装置93で変動表示を開始する処理であって、ステップS610において実行されると、図20に示すように、ステップS700に移行する。
ステップS700では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値を取得し、取得した乱数カウンタ値と大当たり値とを比較することにより大当たりであるか否かを判定し、大当たりであると判定した場合(YES)は、ステップS
702に移行する。
ステップS702では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり種別乱数カウンタC2の値を取得し、取得した乱数カウンタ値に基づいて大当たり種別を判定し、判定した大当たり種別に基づいて、大当たり時における特別図柄表示装置93の表示
態様および演出図柄の停止図柄の種別を決定する。
次いで、ステップS704に移行して、大当たりに対応する変動パターンテーブル406を読み出す。具体的には、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値を取得し、大当たり、決定した大当たり種別、保留球数カウンタの値Nおよび取得した乱数カウンタ値に対応する変動パターンテーブル406のアドレスを振分構造テーブル404から取得し、取得したアドレスに基づいて変動パターンテーブル406を読み出す。
次いで、ステップS706に移行して、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている変動パターン乱数カウンタCSの値を取得し、読み出した変動パターンテーブル406において、取得した乱数カウンタ値の順位のレコードから変動パターン番号を読み出し、読み出した変動パターン番号により特定される大当たり時の変動パターンを決定する。また、特別図柄表示装置93の変動表示について変動時間を決定し、演出図柄表示装置91で大当たり図柄を停止表示するまでの変動時間を決定する。具体的には、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3および変動パターン乱数カウンタCSの各値を取得し、取得したリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等の大まかな変動時間を決定するとともに、取得した変動パターン乱数カウンタCSの値に基づいて、リーチ演出後に最終停止図柄(中図柄)を停止表示するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。なお、変動時間は、変動パターン乱数カウンタCSの値を使わずにリーチ乱数カウンタC3の値だけを用いて設定することも可能であり、リーチ乱数カウンタC3の値だけで設定するか、またはリーチ乱数カウンタC3および変動パターン乱数カウンタCSの各値で設定するかは、その都度、リーチ乱数カウンタC3の値や遊技状態等に応じて適宜決定することができる。
次いで、ステップS708に移行して、ステップS702で判定した大当たり種別であることを示す当たり種別情報を設定し、ステップS710に移行する。
ステップS710では、時短付大当たり信号データがコマンド用バッファに設定されているか否かを判定し、時短付大当たり信号データが設定されていると判定した場合(YES)
は、ステップS712に移行して、コマンド用バッファに設定されている時短付大当たり信号データをクリアする。これにより、ステップS500の外部出力処理では、時短付大当たり信号の出力が停止する。
次いで、ステップS714に移行して、ステップS706、S724、S732で決定した変動パターンを指定するための変動パターンコマンドをRAM314のコマンド用バッファに設定する。これにより、ステップS500の外部出力処理では、出力ポート318を介して変動パターンコマンドが音声ランプ制御装置143に送信される。
次いで、ステップS716に移行して、ステップS702、S720、S728で決定した停止図柄の種別を指定するための停止種別コマンドをRAM314のコマンド用バッファに設定する。これにより、ステップS500の外部出力処理では、出力ポート318を介して停止種別コマンドが音声ランプ制御装置143に送信される。ステップS500の外部出力処理では、コマンド用バッファにコマンドが設定された順に送信されるので、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、その順序で送信される。
ステップS716の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS710で、時短付大当たり信号データがコマンド用バッファに設定されていないと判定した場合(NO)は、ステップS714に移行する。
一方、ステップS700で、大当たりでないと判定した場合(NO)は、ステップS718に移行して、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値を取得し、取得した乱数カウンタ値と小当たり値とを比較することにより大当たりであるか否かを判定し、小当たりであると判定した場合(YES)は、ステップS720に移行
する。
次いで、ステップS720に移行して、小当たり時における特別図柄表示装置93の表示態様および演出図柄の停止図柄の種別を決定する。
次いで、ステップS722に移行して、小当たりに対応する変動パターンテーブル406を読み出す。具体的には、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値を取得し、小当たり、保留球数カウンタの値Nおよび取得した乱数カウンタ値に対応する変動パターンテーブル406のアドレスを振分構造テーブル404から取得し、取得したアドレスに基づいて変動パターンテーブル406を読み出す。
次いで、ステップS724に移行して、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている変動パターン乱数カウンタCSの値を取得し、読み出した変動パターンテーブル406において、取得した乱数カウンタ値の順位のレコードから変動パターン番号を読み出し、読み出した変動パターン番号により特定される小当たり時の変動パターンを決定する。また、特別図柄表示装置93の変動表示について変動時間を決定し、演出図柄表示装置91で大当たり図柄を停止表示するまでの変動時間を決定する。具体的には、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3および変動パターン乱数カウンタCSの各値を取得し、取得したリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等の大まかな変動時間を決定するとともに、取得した変動パターン乱数カウンタCSの値に基づいて、リーチ演出後に最終停止図柄(中図柄)を停止表示するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。なお、変動時間は、変動パターン乱数カウンタCSの値を使わずにリーチ乱数カウンタC3の値だけを用いて設定することも可能であり、リーチ乱数カウンタC3の値だけで設定するか、またはリーチ乱数カウンタC3および変動パターン乱数カウンタCSの各値で設定するかは、その都度、リーチ乱数カウンタC3の値や遊技状態等に応じて適宜決定することができる。
次いで、ステップS726に移行して、小当たりであることを示す当たり種別情報を設定し、ステップS714に移行する。
一方、ステップS718で、小当たりでないと判定した場合(NO)は、ステップS728に移行して、外れ時における特別図柄表示装置93の表示態様および演出図柄の停止図柄の種別を決定する。
次いで、ステップS730に移行して、外れに対応する変動パターンテーブル406を読み出す。具体的には、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値を取得し、外れ、保留球数カウンタの値Nおよび取得した乱数カウンタ値に対応する変動パターンテーブル406のアドレスを振分構造テーブル404から取得し、取得したアドレスに基づいて変動パターンテーブル406を読み出す。
次いで、ステップS732に移行して、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている変動パターン乱数カウンタCSの値を取得し、読み出した変動パターンテーブル406において、取得した乱数カウンタ値の順位のレコードから変動パターン番号を読み出し、読み出した変動パターン番号により特定される外れ時の変動パターンを決定する。また、
特別図柄表示装置93の変動表示について変動時間を決定し、演出図柄表示装置91で大当たり図柄を停止表示するまでの変動時間を決定する。具体的には、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3および変動パターン乱数カウンタCSの各値を取得し、取得したリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等の大まかな変動時間を決定するとともに、取得した変動パターン乱数カウンタCSの値に基づいて、リーチ演出後に最終停止図柄(中図柄)を停止表示するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。なお、変動時間は、変動パターン乱数カウンタCSの値を使わずにリーチ乱数カウンタC3の値だけを用いて設定することも可能であり、リーチ乱数カウンタC3の値だけで設定するか、またはリーチ乱数カウンタC3および変動パターン乱数カウンタCSの各値で設定するかは、その都度、リーチ乱数カウンタC3の値や遊技状態等に応じて適宜決定することができる。
ステップS732の処理が終了すると、ステップS714に移行する。
次に、ステップS508の大入賞口開閉処理を説明する。
図21および図22は、主制御装置162で実行する大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。
大入賞口開閉処理は、大当たりが発生している場合に、大入賞口83aを開放または閉鎖する処理であって、ステップS508において実行されると、図21に示すように、ステップS800に移行する。
ステップS800では、当たり種別情報に基づいて非確変大当たりまたは確変大当たりであるか否かを判定し、非確変大当たりまたは確変大当たりであると判定した場合(YES)
は、ステップS802に移行する。
ステップS802では、大当たり演出を開始するタイミングであるか否かを判定し、大当たり演出を開始するタイミングであると判定した場合(YES)は、ステップS804に移
行する。
ステップS804では、非確変大当たりまたは確変大当たりに対応するオープニングコマンドをコマンド用バッファに格納する大当たり演出開始処理を実行する。これにより、ステップS500の外部出力処理では、出力ポート318を介してオープニングコマンドが音声ランプ制御装置143に送信される。
次いで、ステップS806に移行して、時短付大当たり信号データをコマンド用バッファに格納する。これにより、ステップS500の外部出力処理では、HIGHレベル信号となる時短付大当たり信号が外部端子板213から出力される。このとき、コマンド用バッファの時短付大当たり信号データがクリアされるまでHIGHレベル信号が出力されるように、主制御装置162のラッチ回路(不図示)により、時短付大当たり信号が出力されてからメイン処理の実行周期(例えば、4[ms])だけ時短付大当たり信号をラッチする。これにより、HIGHレベル信号が定常的に出力されるので、呼出ランプ装置500で時短付大当たり信号を検出しやすくなる。以下、ステップS500の外部出力処理で時短付大当たり信号を出力する場合は同様である。
ステップS806の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS802で、大当たり演出を開始するタイミングでないと判定した場合(NO)は、図22に示すように、ステップS836に移行して、ラウンドを開始するタイミングであるか否かを判定し、ラウンドを開始するタイミングであると判定した場合(YES)
は、ステップS838に移行する。
ステップS838では、ラウンド開始コマンドをコマンド用バッファに格納するラウンド開始処理を実行する。ただし、小当たりとなった場合は、ラウンド開始コマンドを設定しない。これにより、ステップS500の外部出力処理では、出力ポート318を介してラウンド開始コマンドが音声ランプ制御装置143に送信される。
ステップS838の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS836で、ラウンドを開始するタイミングでないと判定した場合(NO)は、ステップS840に移行して、ラウンドが継続中であるか否かを判定し、ラウンドが継続中であると判定した場合(YES)は、ステップS842に移行する。
ステップS842では、可変入賞装置83のソレノイドにより大入賞口83aの開閉を制御する大入賞口開閉制御処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS840で、ラウンドが継続中でないと判定した場合(NO)は、ステップS844に移行して、ラウンドを終了するタイミングであるか否かを判定し、ラウンドを終了するタイミングであると判定した場合(YES)は、ステップS846に移行する。
ステップS846では、ラウンド回数に「1」を加算し、ステップS848に移行して、ラウンド回数が最大ラウンド数を超えたか否かを判定し、最大ラウンド数を超えたと判定した場合(YES)は、ステップS850に移行する。
ステップS850では、非確変大当たり、確変大当たり、JUB大当たり、突確大当たり、潜確大当たりまたは小当たりに対応するエンディングコマンドをコマンド用バッファに格納する当たり演出終了処理を実行する。これにより、ステップS500の外部出力処理では、出力ポート318を介してエンディングコマンドが音声ランプ制御装置143に送信される。
ステップS850の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS848で、ラウンド回数が最大ラウンド数を超えていないと判定した場合(NO)は、ステップS852に移行して、ラウンド終了コマンドをコマンド用バッファに格納するラウンド終了処理を実行する。ただし、小当たりとなった場合は、ラウンド終了コマンドを設定しない。これにより、ステップS500の外部出力処理では、出力ポート318を介してラウンド終了コマンドが音声ランプ制御装置143に送信される。
ステップS852の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS844で、ラウンドを終了するタイミングでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、図21に示すように、ステップS800で、非確変大当たりまたは確変大当たりでないと判定した場合(NO)は、ステップS808に移行する。
ステップS808では、当たり種別情報に基づいてJUB大当たりまたは突確大当たりであるか否かを判定し、JUB大当たりまたは突確大当たりであると判定した場合(YES)
は、ステップS810に移行する。
ステップS810では、大当たり演出を開始するタイミングであるか否かを判定し、大当たり演出を開始するタイミングであると判定した場合(YES)は、ステップS812に移
行する。
ステップS812では、JUB大当たりまたは突確大当たりに対応するオープニングコマンドをコマンド用バッファに格納する大当たり演出開始処理を実行する。これにより、ステップS500の外部出力処理では、出力ポート318を介してオープニングコマンドが音声ランプ制御装置143に送信される。
ステップS812の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS810で、大当たり演出を開始するタイミングでないと判定した場合(NO)は、ステップS814に移行して、大当たり演出を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合(YES)は、ステップS816に移行
する。
ステップS816では、時短付大当たり信号データをコマンド用バッファに格納する。これにより、ステップS500の外部出力処理では、HIGHレベル信号となる時短付大当たり信号が外部端子板213から出力される。
ステップS816の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS814で、大当たり演出を開始してから所定時間が経過していないと判定した場合(NO)は、図22に示すように、ステップS836に移行する。
一方、図21に示すように、ステップS808で、JUB大当たりまたは突確大当たりでないと判定した場合(NO)は、ステップS818に移行する。
ステップS818では、当たり種別情報に基づいて潜確大当たりであるか否かを判定し、潜確大当たりであると判定した場合(YES)は、ステップS820に移行する。
ステップS820では、大当たり演出を開始するタイミングであるか否かを判定し、大当たり演出を開始するタイミングであると判定した場合(YES)は、ステップS822に移
行する。
ステップS822では、潜確大当たりに対応するオープニングコマンドをコマンド用バッファに格納する大当たり演出開始処理を実行する。これにより、ステップS500の外部出力処理では、出力ポート318を介してオープニングコマンドが音声ランプ制御装置143に送信される。
ステップS822の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS820で、大当たり演出を開始するタイミングでないと判定した場合(NO)は、ステップS824に移行して、時短状態であるか否かを判定し、時短状態であると判定した場合(YES)は、ステップS826に移行する。
ステップS826では、大当たり演出を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合(YES)は、ステップS828に移行する。
ステップS828では、時短付大当たり信号データをコマンド用バッファに格納する。これにより、ステップS500の外部出力処理では、HIGHレベル信号となる時短付大当たり信号が外部端子板213から出力される。
ステップS828の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS826で、大当たり演出を開始してから所定時間が経過していないと判定した場合(NO)、およびステップS824で、時短状態でないと判定した場合(NO)はい
ずれも、図22に示すように、ステップS836に移行する。
一方、図21に示すように、ステップS818で、潜確大当たりでないと判定した場合(NO)は、ステップS830に移行する。
ステップS830では、当たり種別情報に基づいて小当たりであるか否かを判定し、小当たりであると判定した場合(YES)は、ステップS832に移行する。
ステップS832では、小当たり演出を開始するタイミングであるか否かを判定し、小当たり演出を開始するタイミングであると判定した場合(YES)は、ステップS834に移
行する。
ステップS834では、小当たりに対応するオープニングコマンドをコマンド用バッファに格納する小当たり演出開始処理を実行する。これにより、ステップS500の外部出力処理では、出力ポート318を介してオープニングコマンドが音声ランプ制御装置143に送信される。
ステップS834の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS832で、小当たり演出を開始するタイミングでないと判定した場合(NO)は、図22に示すように、ステップS836に移行する。
一方、図21に示すように、ステップS830で、小当たりでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、音声ランプ制御装置143の構成を説明する。
図23は、音声ランプ制御装置143の構成を示すブロック図である。
音声ランプ制御装置143は、図23に示すように、DIP等のワンチップ型のマイクロプロセッサであるMPU350と、音声ランプ制御装置143の外部からデータを入力する入力ポート356と、音声ランプ制御装置143の外部にデータを出力する出力ポート358とを有して構成されている。MPU350、入力ポート356および出力ポート358は、バス360を介して相互に接続されている。
MPU350は、MPU350により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM352と、制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を記憶するためのワークエリアとして機能するRAM354と、割込回路、タイマ回路、データ送受信回路等の各種回路とを有して構成されている。
RAM354は、MPU350の内部レジスタの内容やMPU350により実行される制御プログラムの戻り先番地等が記憶されるスタックエリアと、各種のフラグ、カウンタおよびI/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有して構成されている。
入力ポート356には、主制御装置162と、操作ボタン35と等が接続されている。
出力ポート358には、音声出力装置362と、ランプ表示装置364と、表示制御装置302と等が接続されている。
MPU350は、入力ポート356を介して音声出力装置362の音声出力制御を行うためのコマンドを主制御装置162から受信すると、受信したコマンドに基づいて音声出力装置362を制御する。音声出力装置362は、音声ランプ制御装置143の制御によりスピーカ部26から音声を出力する。
MPU350は、入力ポート356を介してランプ表示装置364のランプ表示制御を行うためのコマンドを主制御装置162から受信すると、受信したコマンドに基づいてランプ表示装置364を制御する。ランプ表示装置364は、音声ランプ制御装置143の制御により、環状電飾部23、エラー表示ランプ部24、賞球ランプ部25および保留ランプ95、96の点灯や点滅を行う。
MPU350は、入力ポート356を介して表示制御装置302の表示制御を行うためのコマンドを主制御装置162から受信すると、受信したコマンドに基づいて表示制御装置302を制御する。表示制御装置302は、音声ランプ制御装置143の制御により演出図柄表示装置91の表示制御を行う。
なお、音声出力装置362の音声出力制御を行うためのコマンド、ランプ表示装置364のランプ表示制御を行うためのコマンドおよび表示制御装置302の表示制御を行うためのコマンドは、例えば、変動パターンコマンドのように、1つのコマンド(音声出力装置362、ランプ表示装置364および表示制御装置302の表示制御を行うためのコマンド)として構成される場合もある。この場合、MPU350は、受信したコマンドに基づいて、ランプ表示装置364、表示制御装置302および表示制御装置302を制御する。
次に、音声ランプ制御装置143で実行される処理を説明する。
MPU350は、ROM352の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、音声ランプ制御処理を実行する。音声ランプ制御処理は、大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、立ち上げ処理の後に実行されるメイン処理とがある。
まず、立ち上げ処理を説明する。
図24は、音声ランプ制御装置143で実行する立ち上げ処理を示すフローチャートである。
立ち上げ処理は、電源投入時に起動される処理であって、MPU350において実行されると、図24に示すように、ステップS1100に移行する。
ステップS1100では、電源投入に伴う初期設定を行う。初期設定では、スタックポインタにあらかじめ決められた所定値を設定する。
次いで、ステップS1102に移行して、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下によって電源断処理(後述:S1230)の実行中に開始されたものであるか否かを判定するため、電源断処理の実行中の電源遮断であるか否かを示す電源断処理中フラグがオフになっているか否かを判定し、電源断処理中フラグがオフになっていると判定した場合(YES)
は、電源断処理の実行中の電源遮断でないと判定し、ステップS1104に移行する。電源断処理中フラグがオフになっている場合、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であって電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、またはノイズ等の影響によりMPU350にのみリセットがかかって(主制御装置162からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。
ステップS1104では、RAM354のデータが破壊されているか否かを判定する。データ破壊の判定は、次のように行う。RAM354の特定領域には、RAM破壊チェックデータとして所定値(例えば、「55AAh」)が書き込まれている(後述:S1110)。したがって、RAM354の特定領域からデータを読み出し、読み出したデータが所定値と一致していれば、RAM354のデータが破壊されていないと判定することがで
きる。これに対し、読み出したデータが所定値と一致していなければ、RAM354のデータが破壊されていると判定することができる。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合は、RAM354の特定領域にRAM破壊チェックデータが記憶されていないので(電源遮断によってRAM354のすべてのデータがクリアされるので)、RAM354のデータが破壊されていると判定される。
一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であって電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、またはノイズ等の影響によりMPU350にのみリセットがかかって開始された場合は、RAM354の特定領域にRAM破壊チェックデータが記憶されているので、RAM354のデータが破壊されていないと判定される。
ステップS1104で、RAM354のデータが破壊されていると判定した場合(YES)
は、ステップS1106に移行して、RAM354のすべての領域を検査する。検査方法としては、まず、1バイトごとに「FFh」を書き込み、それを1バイトごとに読み出して「FFh」であるか否かを判定し、「FFh」であれば、RAM354が正常であると判定する。かかる1バイトごとの書き込みおよび判定を、「FFh」に次いで、「55h」、「AAh」、「00h」の順に行う。この検査により、RAM354のすべての領域が「0」にクリアされる。
次いで、ステップS1108に移行して、ステップS1106の検査結果としてRAM354が正常であるか否かを判定し、RAM354が正常であると判定した場合(YES)は
、ステップS1110に移行して、RAM破壊チェックデータ(例えば、「55AAh」)をRAM354の特定領域に書き込み、ステップS1112に移行する。
ステップS1112では、電源断処理を実行したか否かを示す電源断フラグがオンになっているか否かを判定する。電源断フラグは、電源断処理の実行時にオンにされるので、電源断フラグがオンになっている状態でステップS1112の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であって電源断処理を実行した後に開始された場合である。
ステップS1112で、電源断フラグがオンになっていると判定した場合(YES)は、電
源断処理を実行したと判定し、ステップS1114に移行して、音声ランプ制御装置143の各処理を初期化するために、RAM354の作業領域を「0」にクリアする。ここで、RAM354の作業領域とは、主制御装置162から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。なお、ステップS1114の処理により電源断フラグもオフになる。
次いで、ステップS1116に移行して、RAM354の初期設定を行い、ステップS1118に移行して、割込許可を設定し、メイン処理に移行する。
一方、ステップS1112で、電源断フラグがオンになっていないと判定した場合(NO)は、電源断処理を実行していないと判定し、ステップS1116に移行する。電源断フラグがオフになっている状態でステップS1112の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば、電源が完全に遮断された後に開始されたために、ステップS1106〜S1110の処理を経由してステップS1112の処理に至ったか、またはノイズ等の影響によりMPU350にのみリセットがかかって(主制御装置162からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。なお、この場合に、ステップS1114の処理を実行しないのは、ステップS1106〜S1110の処理を経由してステップS11
12の処理に至った場合は、ステップS1106の処理によって、既にRAM354のすべての領域がクリアされているし、立ち上げ処理が、ノイズ等の影響によりMPU350にのみリセットがかかって開始された場合は、RAM354の作業領域をクリアせず維持しておくことにより、音声ランプ制御装置143の制御を継続することができるからである。
一方、ステップS1108で、RAM354が正常でないと判定した場合(NO)は、ステップS1120に移行して、エラー表示ランプ部24によりRAM354の異常を報知し、電源が完全に遮断されるまで無限ループを継続する。なお、音声出力装置362により音声を出力してRAM354の異常を報知してもよい。
一方、ステップS1104で、RAM354のデータが破壊されていないと判定した場合(NO)は、ステップS1112に移行する。
一方、ステップS1102で、電源断処理中フラグがオフになっていないと判定した場合(NO)は、電源断処理の実行中の電源遮断であると判定し、ステップS1106に移行する。電源断処理中フラグがオンになっている場合、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって電源断処理の実行中にMPU350にリセットがかかって開始されたものである。この場合は、電源断処理の実行中なので、RAM354の記憶状態は必ずしも正しくない。したがって、音声ランプ制御装置143の制御を継続することができないので、ステップS1106に移行して、RAM354のすべての領域をクリアする。
次に、メイン処理を説明する。
図25は、音声ランプ制御装置143で実行するメイン処理を示すフローチャートである。
メイン処理は、音声ランプ制御装置143の主制御を行う処理であって、MPU350において実行されると、図25に示すように、ステップS1200に移行する。
ステップS1200では、メイン処理を実行してから所定時間(例えば、1[ms])が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合(YES)は、ステップS12
02に移行する。ステップS1200で所定時間が経過したか否かを判定するのは、ステップS1202〜S1214が表示に関する処理であり、所定時間よりも短い周期(1[
ms]以内)で実行する必要がないのに対して、ステップS1216の変動制御処理やス
テップS1218のコマンド受信処理は、短い周期で実行する方が好ましいからである。これにより、主制御装置162からのコマンドの受信漏れを防止できる。
ステップS1202では、エラー表示ランプ部24の点灯パターンを設定し、ランプ設定処理(後述:S1210)で設定される点灯パターンとなるように環状電飾部23および賞球ランプ部25の出力を設定する。
次いで、ステップS1204に移行して、電源投入報知処理を実行する。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定時間(例えば、30[s])電源が投入されたことを報知する処理であり、その報知は、音声出力装置362またはランプ表示装置364により行う。また、演出図柄表示装置91で電源供給の旨を表示することを指定するためのコマンドを表示制御装置302に送信してもよい。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行われない。
次いで、ステップS1206に移行して、主制御装置162からデモコマンドを受信した場合は(後述:S1218)、受信したデモコマンドを表示制御装置302に送信する
ことにより演出図柄表示装置91で客待ちデモ演出を開始する客待ちデモ演出処理を実行する。また、客待ちデモ演出処理では、受信したデモコマンドに基づいて音声出力装置362およびランプ表示装置364を制御する。デモコマンドは、保留球数が「0」でかつ演出図柄表示装置91で演出図柄の変動表示が終了した場合に送信される。客待ちデモ演出は、その場合の停止図柄、背景、キャラクタ、エフェクト等の画面状態を突然変化させることなく、現在の画面状態を基準として違和感なく自然に客待ちデモ演出に導入されるように演出内容が設定されている。これにより、遊技中に客待ちデモ演出が開始されても、遊技者に違和感を与える可能性を低減することができる。
次いで、ステップS1208に移行して、操作ボタン35が押下されたか否かを判定し、操作ボタン35が押下されたと判定した場合は、演出図柄表示装置91で、操作ボタン35の押下に伴うボタン演出を行う操作ボタン監視処理を実行する。操作ボタン監視処理では、例えば、変動表示の開始時に予告キャラが出現した場合に操作ボタン35を押下することにより今回の変動表示による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に操作ボタン35を押下することにより大当たりへの期待感を向上する演出に変更したりする。操作ボタン35は、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を決定するためのボタンとして用いることもできる。なお、パチンコ機10に操作ボタン35が設けられていない場合には、ステップS1208の処理は省略される。
次いで、ステップS1210に移行して、演出図柄表示装置91の表示に対応するように、環状電飾部23および賞球ランプ部25の点灯パターンを設定するランプ設定処理を実行する。
次いで、ステップS1212に移行して、演出図柄表示装置91の表示に対応するように、音声出力装置362の音声出力パターンを設定し、設定した音声出力パターンで音声出力装置362から音声を出力する音声設定処理を実行する。
次いで、ステップS1214に移行して、主制御装置162から変動パターンコマンドを受信した場合は(後述:S1218)、受信した変動パターンコマンドに基づいて演出図柄表示装置91の変動表示に要する時間と同期した時間を設定する液晶演出実行管理処理を実行する。この設定時間に基づいて、ステップS1210、S1212の処理の演出時間が設定される。
次いで、ステップS1216に移行して、変動パターンコマンド、停止種別コマンドまたは確定コマンドを主制御装置162から受信した場合は(後述:S1218)、受信した変動パターンコマンド、停止種別コマンドまたは確定コマンドを表示制御装置302に送信することにより演出図柄表示装置91の変動表示を制御する変動制御処理を実行する。また、変動制御処理では、受信した変動パターンコマンド、停止種別コマンドまたは確定コマンドに基づいて音声出力装置362およびランプ表示装置364を制御する。
次いで、ステップS1218に移行して、主制御装置162からコマンドを受信し、受信したコマンドを判定するとともにフラグの設定等の必要な処理を行うコマンド受信処理を実行する。
次いで、ステップS1220に移行して、電源遮断が発生したことを示す停電フラグがオフになっているか否かを判定する。停電フラグは、主制御装置162から電源断コマンドを受信した場合にオンにされる。
ステップS1220で、停電フラグがオフになっていると判定した場合(YES)は、電源
遮断が発生していないと判定し、ステップS1222に移行して、ステップS1104の
処理と同様に、RAM354のデータが破壊されているか否かを判定し、RAM354のデータが破壊されていると判定した場合(YES)は、ステップS1224に移行する。
ステップS1224では、エラー表示ランプ部24によりRAM354の異常を報知し、電源が完全に遮断されるまで無限ループを継続する。なお、音声出力装置362により音声を出力してRAM354の異常を報知してもよい。
一方、ステップS1222で、RAM354のデータが破壊されていないと判定した場合(NO)は、ステップS1200に移行する。
一方、ステップS1220で、停電フラグがオフになっていないと判定した場合(NO)は、電源遮断が発生したと判定し、電源断処理(後述:S1228)を実行するため、ステップS1226に移行する。ステップS1220の処理は、音声ランプ制御装置143のメイン処理の1サイクルの終了時に実行される。そのため、メイン処理において各処理が終了したタイミングで電源断処理が行われるので、電源断処理において、MPU350のレジスタの内容をスタックエリアに退避したり、スタックポインタの値を格納したりしなくても、ステップS1100の処理においてスタックポインタに所定値を設定することにより、立ち上げ処理の終了後は、ステップS1200の処理から開始することができる。したがって、音声ランプ制御装置143の処理負荷を低減することができるとともに、音声ランプ制御装置143が誤動作したり暴走したりすることなく比較的安定的な制御を行うことができる。
ステップS1226では、電源断フラグおよび電源断処理中フラグをオンにし、ステップS1228に移行して、電源断処理を実行する。電源断処理では、割込禁止を設定し、音声出力装置362およびランプ表示装置364の出力をオフにし、停電フラグをオフにする。
次いで、ステップS1230に移行して、電源断処理中フラグをオフにし、電源が完全に遮断されるまで無限ループを継続する。
一方、ステップS1200で、所定時間が経過していないと判定した場合(NO)は、ステップS1216に移行する。
次に、表示制御装置302の構成を説明する。
図26は、表示制御装置302の構成を示すブロック図である。
表示制御装置302は、図26に示すように、マイクロプロセッサであるMPU370と、MPU370により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したプログラムROM372と、制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を記憶するためのワークエリアとして機能するワークRAM374とを有して構成されている。
表示制御装置302は、さらに、演出図柄表示装置91に対する描画処理を行う画像コントローラ(VDP(Video Display Processor))376と、ワークRAM374から
画像コントローラ376にデータ転送を行うDMAC(Direct Memory Access Controller)378と、表示制御装置302の外部からデータを入力する入力ポート380とを有
して構成されている。MPU370、プログラムROM372、ワークRAM374、画像コントローラ376、DMAC378および入力ポート380は、バス382を介して相互に接続されている。
表示制御装置302は、さらに、背景データ、図柄データ、キャラクタデータおよびエ
フェクトデータ等を記憶したキャラクタROM384と、演出図柄表示装置91に出力する表示データを記憶するためのビデオRAM386と、表示制御装置302の外部にデータを出力する出力ポート388とを有して構成されている。画像コントローラ376および出力ポート388は、バス390を介して相互に接続されている。
入力ポート380には、音声ランプ制御装置143等が接続されている。
出力ポート388には、演出図柄表示装置91等が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たり抽選の当選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、演出図柄表示装置91で表示される図柄構成がまったく同じ仕様の機種があるので、表示制御装置302は、共通部品化されコスト低減が図られている。
MPU370は、入力ポート380を介して音声ランプ制御装置143からコマンドを受信すると、受信したコマンドに基づいて演出図柄表示装置91の表示制御を行う。
ワークRAM374は、MPU370の内部レジスタの内容やMPU370により実行される制御プログラムの戻り先番地等が記憶されるスタックエリアと、各種のフラグ、カウンタおよびI/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有して構成されている。
ワークRAM374には、RAM314と同様に、カウンタ用バッファが設けられている。カウンタ用バッファには、大当たり演出時または小当たり演出時のステージを決定するためのステージ乱数カウンタの値が格納されている。ステージ乱数カウンタは、短時間間隔で更新され、その更新値がカウンタ用バッファに格納される。
次に、プログラムROM372のデータ構造を説明する。
ROM372には、大当たり演出または小当たり演出を決定するための複数の演出データテーブルと、演出データテーブルを決定するための振分構造テーブルとが格納されている。
まず、振分構造テーブルのデータ構造を説明する。
図27は、振分構造テーブル408のデータ構造の一部を示す図である。
演出データテーブルは、大当たりおよび小当たりのそれぞれに対応して設けられている。
大当たりに対応する演出データテーブルは、JUB大当たり、突確大当たりおよび潜確大当たりのそれぞれに対応して設けられている。
JUB大当たりに対応する演出データテーブル(以下、JUB大当たり演出データテーブルという。)は、遊技価値を遊技者に付与する期待を抱かせる「銅」ステージ、銅ステージよりも高い遊技価値を遊技者に付与する期待を抱かせる「銀」ステージ、銀ステージよりも高い遊技価値を遊技者に付与する期待を抱かせる「金」ステージの3種のステージのそれぞれに対応して設けられている。そして、JUB大当たり演出データテーブルは、ステージ乱数カウンタの所定の数値範囲ごとに設けられている。1つの演出データテーブルに割り当てられている数値範囲が大きいほど、その演出データテーブルが選択される可能性が高くなる。図27の例では、「金」ステージに対応する演出データテーブル1、「銀」ステージに対応する演出データテーブル2、「銅」ステージに対応する演出データテーブル3の順に選択比率が高くなっているので、JUB大当たりとなった場合は、「金」
ステージが最も選択されやすい。
突確大当たりに対応する演出データテーブル(以下、突確大当たり演出データテーブルという。)は、同様に、「金」ステージ、「銀」ステージ、「銅」ステージの3種のステージのそれぞれに対応して設けられている。そして、突確大当たり演出データテーブルは、ステージ乱数カウンタの所定の数値範囲ごとに設けられている。図27の例では、「金」ステージに対応する演出データテーブル1、「銀」ステージに対応する演出データテーブル2、「銅」ステージに対応する演出データテーブル3の順に選択比率が高くなっているので、突確大当たりとなった場合は、「金」ステージが最も選択されやすい。
潜確大当たりに対応する演出データテーブル(以下、潜確大当たり演出データテーブルという。)は、同様に、「金」ステージ、「銀」ステージ、「銅」ステージの3種のステージのそれぞれに対応して設けられている。そして、潜確大当たり演出データテーブルは、ステージ乱数カウンタの所定の数値範囲ごとに設けられている。図27の例では、「銀」ステージに対応する演出データテーブル1、「金」ステージに対応する演出データテーブル2、「銅」ステージに対応する演出データテーブル3の順に選択比率が高くなっているので、潜確大当たりとなった場合は、「銀」ステージが最も選択されやすい。
小当たりに対応する演出データテーブル(以下、小当たり演出データテーブルという。)は、同様に、「金」ステージ、「銀」ステージ、「銅」ステージの3種のステージのそれぞれに対応して設けられている。そして、小当たり演出データテーブルは、ステージ乱数カウンタの所定の数値範囲ごとに設けられている。図27の例では、「銅」ステージに対応する演出データテーブル1、「銀」ステージに対応する演出データテーブル2、「金」ステージに対応する演出データテーブル3の順に選択比率が高くなっているので、小当たりとなった場合は、「銅」ステージが最も選択されやすい。
振分構造テーブル408には、図27に示すように、大当たり/小当たりの別、遊技種別およびステージ乱数カウンタの値ごとに、演出データテーブルへのアドレスが登録されている。なお、非確変大当たりおよび確変大当たりについては、「金」ステージ、「銀」ステージ、「銅」ステージには対応しないが、同様に、演出データテーブルへのアドレスが登録されている。
次に、演出データテーブルのデータ構造を説明する。
図28は、演出データテーブル410のデータ構造を示す図である。
演出データテーブル410には、図28に示すように、演出図柄表示装置91で1つの大当たり演出または小当たり演出を実現するための複数の演出データが時系列順に登録されている。先頭のレコードには、演出データの開始を示すSTARTデータが、末尾のレコードには、演出データの終了を示すENDデータがそれぞれ登録されている。演出データは、STARTデータとENDデータとの間のレコードに登録される。その各レコードには、図柄位置、背景種別、キャラクタ種別およびエフェクト等が演出データとして登録されている。
演出に使用される演出データテーブル410は、プログラムROM372から読み出され、ワークRAM374のテーブルバッファに設定される。テーブルバッファに設定された初期状態では、演出データテーブル410の先頭レコードにポインタが設定される。そして、ポインタを「1」ずつ加算しながら、ポインタが指し示すレコードの演出データを順次取得し、取得した演出データに基づいて演出図柄表示装置91の表示制御を行う。
次に、表示制御装置302で実行される処理を説明する。
MPU370は、プログラムROM372の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、表示制御処理を実行する。表示制御処理は、大別して、定期的に起動されるコマンド割込処理と、V割込信号の入力により起動されるV割込処理と、メイン処理とがある。
まず、コマンド割込処理を説明する。
図29は、表示制御装置302で実行するコマンド割込処理を示すフローチャートである。
コマンド割込処理は、所定周期(例えば、2[ms])で実行される処理であって、MPU370において実行されると、図29に示すように、ステップS1300に移行する。なお、コマンド割込処理は、タイマ割込ではなく、コマンドのストローブ信号を受信した場合に起動される処理として構成してもよい。
ステップS1300では、音声ランプ制御装置143からコマンドを受信したか否かを判定し、コマンドを受信したと判定した場合(YES)は、ステップS1302に移行する。
ステップS1302では、受信したコマンドをリングバッファに格納する。リングバッファは、論理的にリング状に構成された記憶領域である。初期状態では、リングバッファの始端に入力ポインタおよび読出ポインタが設定されている。
コマンドを格納する場合は、コマンドを受信すると、入力ポインタが指し示す2バイトの領域にコマンドが格納される。そして、入力ポインタに「1」が加算されることにより、入力ポインタは、リングバッファの終端側に1つ移動する。リングバッファの終端の領域にコマンドが格納されると、入力ポインタは、リングバッファの始端に再び設定される。
これに対し、コマンドを読み出す場合は、読出ポインタが指し示す2バイトの領域からコマンドが読み出される。そして、読出ポインタに「1」が加算されることにより、読出ポインタは、リングバッファの終端側に1つ移動する。リングバッファの終端の領域からコマンドが読み出されると、読出ポインタは、リングバッファの始端に再び設定される。読出ポインタは、入力ポインタよりも前方に設定されることはなく、入力ポインタと同一の位置またはそれよりも後方に設定される。入力ポインタと同一の位置である場合は、リングバッファのコマンドがすべて処理済みであることを意味する。入力ポインタよりも後方に位置する場合は、リングバッファに未処理の新規コマンドが存在することを意味する。
なお、入力ポインタおよび読出ポインタの移動単位は、1バイトであってもよい。すなわち、2バイトのコマンドを1バイトずつ入力し、1バイトずつ読み出してもよい。
ステップS1302の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS1300で、コマンドを受信しないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、V割込処理を説明する。
図30は、表示制御装置302で実行するV割込処理を示すフローチャートである。
V割込処理は、画像コントローラ376からV割込信号を入力した場合に起動される処
理であって、MPU370において実行されると、図30に示すように、ステップS1400に移行する。
ステップS1400では、リングバッファに新規コマンドが存在するか否かを判定し、新規コマンドが存在すると判定した場合(YES)は、ステップS1402に移行して、リン
グバッファから新規コマンドを読み出し、ステップS1404に移行する。
ステップS1404では、ステップS1402で読み出した新規コマンドがオープニングコマンドであるか否かを判定し、オープニングコマンドであると判定した場合(YES)は
、ステップS1406に移行する。
ステップS1406では、ステップS1402で読み出したオープニングコマンドが、非確変大当たりまたは確変大当たりに対応するものであるか否かを判定することにより、遊技種別が非確変大当たりまたは確変大当たりであるか否かを判定し、非確変大当たりまたは確変大当たりであると判定した場合(YES)は、ステップS1408に移行する。
ステップS1408では、非確変大当たりまたは確変大当たりに対応する演出データテーブル410のアドレスを振分構造テーブル408から取得し、取得したアドレスに基づいて演出データテーブル410をプログラムROM372から読み出し、ステップS1410に移行して、読み出した演出データテーブル410をワークRAM374のテーブルバッファに設定し、ステップS1412に移行する。
ステップS1412では、演出図柄表示装置91の表示設定を行う表示設定処理を実行し、ステップS1414に移行して、演出図柄表示装置91に対する表示を実行する表示実行処理を実行し、ステップS1416に移行する。
ステップS1416では、ステージ乱数カウンタを更新する。具体的には、ステージ乱数カウンタの値に「1」を加算し、最大値を超えた場合は「0」に設定する。そして、ステージ乱数カウンタの更新値をカウンタ用バッファに格納する。
ステップS1416の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS1406で、非確変大当たりまたは確変大当たりでないと判定した場合(NO)は、ステップS1418に移行する。
ステップS1418では、ステップS1402で読み出したオープニングコマンドに基づいて、遊技種別がJUB大当たり、突確大当たり、潜確大当たりまたは小当たりのいずれかであるかを判定する。そして、判定した遊技種別に対応する演出データテーブル410のアドレスを振分構造テーブル408から取得し、取得したアドレスに基づいて演出データテーブル410をプログラムROM372から読み出す。
ステップS1418の処理が終了すると、ステップS1410に移行する。
一方、ステップS1404で、ステップS1402で読み出した新規コマンドがオープニングコマンドでないと判定した場合(NO)は、ステップS1420に移行して、その他のコマンドを処理するその他コマンド処理を実行し、ステップS1412に移行する。
一方、ステップS1400で、新規コマンドが存在しないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、メイン処理を説明する。
図31は、表示制御装置302で実行するメイン処理を示すフローチャートである。
メイン処理は、表示制御装置302の主制御を行う処理であって、MPU370において実行されると、図31に示すように、ステップS1500に移行する。
ステップS1500では、電源投入に伴う初期設定を行う。初期設定では、スタックポインタにあらかじめ決められた所定値を設定する。
次いで、ステップS1502に移行して、割込許可を設定し、電源が完全に遮断されるまで無限ループを継続する。
次に、呼出ランプ装置500の外観構成を説明する。
図32は、呼出ランプ装置500の正面図である。
呼出ランプ装置500は、図32に示すように、大当たりの回数、確変状態の回数、図柄変動の回数その他の遊技情報を表示する表示部502と、パチンコホールの従業員を呼び出すための呼出ボタン504と、呼出ボタン504の押下に伴って点滅する呼出ランプ506とを有して構成されている。
次に、呼出ランプ装置500の制御系の構成を説明する。
図33は、呼出ランプ装置500の制御系の構成を示すブロック図である。
呼出ランプ装置500は、図33に示すように、呼出ランプ装置500の制御を行う制御部508と、外部端子板213からの出力信号を入力する信号入力部510と、ホールコンピュータ530に信号を出力する信号出力部512とを有して構成されている。
制御部508には、表示部502、呼出ボタン504および呼出ランプ506が接続されている。
外部端子板213は、大当たり演出時にハイレベルとなる大当たり信号と、特別図柄の確定を示す特別図柄確定信号と、時短付大当たり信号と、大当たり演出時または小当たり演出時にハイレベルとなる大当たりおよび小当たり信号と、始動入賞口84に遊技球が入賞した時にハイレベルとなる始動口入賞信号と、賞球の払出時にハイレベルとなる賞球信号とを出力する。パチンコ機10には、不正防止の観点から、外部から信号を取り込まないようにすることが好ましいので、外部端子板213は、一方向の通信となるようにフォトカプラ等で構成されている。信号入力部510は、外部端子板213から出力されるそれら信号をそれぞれ入力する。
信号出力部512は、信号入力部510から入力した信号をそれぞれホールコンピュータ530に出力する。
〔動作〕 次に、本実施の形態の動作を説明する。
まず、パチンコ機10に電源が投入されると、主制御装置162により、主制御処理が実行され、遊技可能な状態となる。遊技者は、貸し出しを受けた遊技球をパチンコ機10に装填し、遊技球発射ハンドル41を操作して遊技球を遊技盤81の遊技領域に発射することにより遊技を行うことができる。
遊技領域に発射された遊技球が始動入賞口84に入賞すると、始動入賞口センサ154により検知信号が出力される。主制御装置162では、始動入賞口センサ154から検知
信号が入力されると、そのタイミングで大当たり乱数カウンタC1の値が取得される。このとき、取得された乱数カウンタ値が大当たり値と一致していれば、大当たりとなる。
大当たりとなると、ステップS702〜S706を経て、大当たり種別、大当たり時における演出図柄の停止図柄の種別および大当たり時の変動パターンが決定される。そして、大当たり時の変動パターンで演出図柄が変動表示され、所定の変動時間経過後に大当たり図柄で演出図柄が停止表示される。演出図柄の停止表示後は、非確変大当たり、確変大当たり、JUB大当たり、突確大当たりおよび潜確大当たりのいずれかが発生する。
(1)非確変大当たり
次に、非確変大当たりが発生した場合を説明する。
図34は、非確変大当たりおよび確変大当たりに対応する大当たり演出を示すタイムチャートである。
非確変大当たりとなると、主制御装置162では、図34に示すように、まず、ステップS702〜S706、S714、S716を経て、非確変大当たりに対応する変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドが音声ランプ制御装置143を介して表示制御装置302に送信される。
表示制御装置302では、変動パターンコマンドを受信すると、ステップS1420、S1412〜S1416を経て、受信した変動パターンコマンドに対応する演出データテーブルが読み出されてテーブルバッファに設定される。そして、演出データテーブルの演出データが展開され、展開された演出データに基づいて、非確変大当たり時の変動パターンで演出図柄の変動表示が行われる。
表示制御装置302では、停止種別コマンドを受信すると、ステップS1420、S1412〜S1416を経て、受信した停止種別コマンドに対応する停止図柄テーブルが読み出され、読み出された停止図柄テーブルに基づいて非確変図柄が停止図柄として決定され、決定された非確変図柄で演出図柄が停止表示される。
主制御装置162では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドの送信後所定の変動時間が経過すると、確定コマンドが表示制御装置302に送信される。
表示制御装置302では、確定コマンドを受信すると、ステップS1420、S1412〜S1416を経て、確定表示用の演出データテーブルが読み出されてテーブルバッファに設定される。そして、演出データテーブルの演出データが展開され、展開された演出データに基づいて演出図柄の確定表示が行われる。
主制御装置162では、確定コマンドの送信後所定時間(例えば、0.5[s])が経過すると、ステップS804を経て、非確変大当たりに対応するオープニングコマンド1が表示制御装置302に送信される。また、これとほぼ同時に、ステップS806を経て、時短付大当たり信号が出力される。したがって、呼出ランプ装置500では、大当たりの回数が「1」加算されて表示されるので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見れば、大当たりが発生したことを把握することができる。
表示制御装置302では、オープニングコマンド1を受信すると、ステップS1408、S1410を経て、非確変大当たりに対応する演出データテーブル410のアドレスが振分構造テーブル408から取得され、取得されたアドレスに基づいて演出データテーブル410が読み出されてテーブルバッファに設定される。そして、演出データテーブルの演出データが展開され、展開された演出データに基づいて、非確変大当たりに対応する大
当たり演出が開始される。
大当たり演出中は、15回を上限として所定条件を満たすまで長開放ラウンドが継続される。主制御装置162では、ステップS838、S852を経て、ラウンドの開始時にラウンド開始コマンドが、ラウンドの終了時にラウンド終了コマンドがそれぞれ送信される。
表示制御装置302では、ラウンド開始コマンドおよびラウンド終了コマンドを受信すると、受信したラウンド開始コマンドおよびラウンド終了コマンドに基づいて大当たり演出中の処理が実行される。
また、大当たり演出中は、大入賞口83aが所定の開閉パターンで開放し、大入賞口83aに遊技球が入賞すると、遊技球1個につき所定数の遊技球が賞球として払い出される。
そして、最終ラウンドが終了すると、主制御装置162では、ステップS850を経て、非確変大当たりに対応するエンディングコマンド1が送信される。
表示制御装置302では、エンディングコマンド1を受信すると、ステップS1420を経て、受信したエンディングコマンド1に基づいて大当たり演出が終了する。
主制御装置162では、エンディングコマンド1の送信後所定時間(例えば、6[s])が経過すると、保留球数が「1」以上である場合は、変動パターンコマンドが送信されるが、この送信の際に、ステップS712を経て、時短付大当たり信号の出力が停止する。また、時短状態に移行する。
(2)確変大当たり
次に、確変大当たりが発生した場合を説明する。
確変大当たりが発生した場合は、図34に示すように、非確変大当たりが発生した場合とほぼ同様の動作を行う。時短付大当たり信号については、確変大当たりに対応するオープニングコマンド2の送信とほぼ同時に出力され、大当たり演出の終了後最初の変動パターンコマンドの送信とほぼ同時に停止する。異なるのは、大当たり演出の終了後に確変状態に移行する点である。
(3)JUB大当たり
次に、JUB大当たりが発生した場合を説明する。
図35は、演出図柄表示装置91の画面を示す図である。
図36は、JUB大当たりに対応する大当たり演出を示すタイムチャートである。
JUB大当たりとなると、主制御装置162では、JUB大当たりに対応する変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドが表示制御装置302に送信され、そこから所定の変動時間が経過すると、確定コマンドが表示制御装置302に送信される。
表示制御装置302では、変動パターンコマンドを受信すると、図35(a)に示すように、JUB大当たり時の変動パターンで演出図柄の変動表示が行われる。また、停止種別コマンドを受信すると、図35(b)に示すように、突確図柄で演出図柄が停止表示される。そして、確定コマンドを受信すると、演出図柄の確定表示が行われる。
主制御装置162では、図36に示すように、ステップS812を経て、JUB大当たりに対応するオープニングコマンド3が表示制御装置302に送信される。
表示制御装置302では、オープニングコマンド3を受信すると、ステップS1418、S1410を経て、JUB大当たりに対応する演出データテーブル410のアドレスが振分構造テーブル408から取得され、取得されたアドレスに基づいて演出データテーブル410が読み出されてテーブルバッファに設定される。そして、演出データテーブルの演出データが展開され、展開された演出データに基づいて、JUB大当たりに対応する大当たり演出が開始される。
大当たり演出が開始されると、図35(c)に示すように、「金」ステージ、「銀」ステージおよび「銅」ステージのいずれかを選択するため、「金」の文字、「銀」の文字および「銅」の文字が演出図柄表示装置91の画面にそれぞれ大きく表示され、各文字が点滅表示される。そして、例えば、「金」ステージが選択されると、図35(d)に示すように、「金」ステージが選択されたことが演出図柄表示装置91に表示される。その後、現在の遊技種別がJUB大当たりであるので、演出図柄表示装置91の画面が割れるような演出を経て、図35(e)に示すように、大当たりが発生したことが演出図柄表示装置91に表示される。この間、およそ25[s]である。
大当たりの発生が表示されると、主制御装置162では、ステップS816を経て、時短付大当たり信号が出力される。すなわち、JUB大当たりでは、オープニングコマンド3の送信後25[s]経過後に時短付大当たり信号が出力される。したがって、呼出ランプ装置500では、大当たりの発生が表示されるまで大当たりの回数が変化しないので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、JUB大当たりが発生したことを把握することができない。これにより、遊技者は、突確図柄が停止表示されても所定時間が経過するまで、JUB大当たりが発生することの期待を抱くことができるので、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができる。
一方、大当たり演出中は、まず、短開放ラウンドが15回繰り返される。主制御装置162では、短開放ラウンドの開始時にラウンド開始コマンドが、短開放ラウンドの終了時にラウンド終了コマンドがそれぞれ送信される。
次いで、14回を上限として所定条件を満たすまで長開放ラウンドが継続される。主制御装置162では、ステップS838、S852を経て、ラウンドの開始時にラウンド開始コマンドが、ラウンドの終了時にラウンド終了コマンドがそれぞれ送信される。
表示制御装置302では、ラウンド開始コマンドおよびラウンド終了コマンドを受信すると、受信したラウンド開始コマンドおよびラウンド終了コマンドに基づいて大当たり演出中の処理が実行される。
そして、最終ラウンドが終了すると、主制御装置162では、ステップS850を経て、JUB大当たりに対応するエンディングコマンド3が送信される。
表示制御装置302では、エンディングコマンド3を受信すると、ステップS1420を経て、受信したエンディングコマンド3に基づいて大当たり演出が終了する。
主制御装置162では、エンディングコマンド3の送信後所定時間(例えば、6[s])が経過すると、保留球数が「1」以上である場合は、変動パターンコマンドが送信されるが、この送信の際に、ステップS712を経て、時短付大当たり信号の出力が停止する。また、確変状態に移行する。
(4)突確大当たり
次に、突確大当たりが発生した場合を説明する。なお、変動パターンコマンド、停止種別コマンドおよび確定コマンドの送受信の動作については、JUB大当たりが発生した場合と同様なので、突確大当たりに対応するオープニングコマンド4の送受信の動作から説明する。
図37は、突確大当たりに対応する大当たり演出を示すタイムチャートである。
主制御装置162では、図37に示すように、ステップS812を経て、オープニングコマンド4が表示制御装置302に送信される。
表示制御装置302では、オープニングコマンド4を受信すると、ステップS1418、S1410を経て、突確大当たりに対応する演出データテーブル410のアドレスが振分構造テーブル408から取得され、取得されたアドレスに基づいて演出データテーブル410が読み出されてテーブルバッファに設定される。そして、演出データテーブルの演出データが展開され、展開された演出データに基づいて、突確大当たりに対応する大当たり演出が開始される。
大当たり演出が開始されると、図35(c)に示すように、「金」の文字、「銀」の文字および「銅」の文字が演出図柄表示装置91の画面にそれぞれ大きく表示され、各文字が点滅表示される。そして、例えば、「金」ステージが選択されると、図35(d)に示すように、「金」ステージが選択されたことが演出図柄表示装置91に表示される。その後、現在の遊技種別が突確大当たりであるので、演出図柄表示装置91の画面が割れるような演出を経て、図35(f)に示すように、確変状態に移行することが演出図柄表示装置91に表示される。この間、およそ25[s]である。
確変状態への移行が表示されると、主制御装置162では、ステップS816を経て、時短付大当たり信号が出力される。すなわち、突確大当たりでは、オープニングコマンド4の送信後25[s]経過後に時短付大当たり信号が出力される。したがって、呼出ランプ装置500では、確変状態への移行が表示されるまで大当たりの回数が変化しないので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、突確大当たりが発生したことを把握することができない。これにより、遊技者は、突確図柄が停止表示されても所定時間が経過するまで、突確大当たりが発生することの期待を抱くことができるので、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができる。
一方、大当たり演出中は、15回を上限として短開放ラウンドが継続される。主制御装置162では、ステップS838、S852を経て、ラウンドの開始時にラウンド開始コマンドが、ラウンドの終了時にラウンド終了コマンドがそれぞれ送信される。
表示制御装置302では、ラウンド開始コマンドおよびラウンド終了コマンドを受信すると、受信したラウンド開始コマンドおよびラウンド終了コマンドに基づいて大当たり演出中の処理が実行される。
そして、最終ラウンドが終了すると、主制御装置162では、ステップS850を経て、突確大当たりに対応するエンディングコマンド4が送信される。
表示制御装置302では、エンディングコマンド4を受信すると、ステップS1420を経て、受信したエンディングコマンド4に基づいて大当たり演出が終了する。
主制御装置162では、エンディングコマンド4の送信後所定時間(例えば、6[s])が経過すると、保留球数が「1」以上である場合は、変動パターンコマンドが送信されるが、この送信の際に、ステップS712を経て、時短付大当たり信号の出力が停止する。
また、確変状態に移行する。
(5)潜確大当たり
次に、潜確大当たりが発生した場合を説明する。なお、変動パターンコマンド、停止種別コマンドおよび確定コマンドの送受信の動作については、JUB大当たりが発生した場合と同様なので、潜確大当たりに対応するオープニングコマンド5の送受信の動作から説明する。
図38は、潜確大当たりに対応する大当たり演出を示すタイムチャートである。
主制御装置162では、図38に示すように、ステップS822を経て、オープニングコマンド5が表示制御装置302に送信される。
表示制御装置302では、オープニングコマンド5を受信すると、ステップS1418、S1410を経て、潜確大当たりに対応する演出データテーブル410のアドレスが振分構造テーブル408から取得され、取得されたアドレスに基づいて演出データテーブル410が読み出されてテーブルバッファに設定される。そして、演出データテーブルの演出データが展開され、展開された演出データに基づいて、潜確大当たりに対応する大当たり演出が開始される。
大当たり演出が開始されると、図35(c)に示すように、「金」の文字、「銀」の文字および「銅」の文字が演出図柄表示装置91の画面にそれぞれ大きく表示され、各文字が点滅表示される。そして、例えば、「金」ステージが選択されると、図35(d)に示すように、「金」ステージが選択されたことが演出図柄表示装置91に表示される。その後は、現在の遊技種別が潜確大当たりであるので、特定の表示が行われることなくラウンドに突入する。
潜確大当たりでは、時短付大当たり信号は出力されない。したがって、呼出ランプ装置500では、大当たりの回数が変化しないので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、潜確大当たりが発生したことを把握することができない。これにより、遊技者は、突確図柄が停止表示された場合に、潜確大当たりが発生することの期待を抱くことができるので、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができる。
ただし、時短状態である場合は、ステップS828を経て、オープニングコマンド5の送信後25[s]経過後に時短付大当たり信号が出力される。この場合は、突確大当たりと同様の動作を行う。
一方、大当たり演出中は、15回を上限として短開放ラウンドが継続される。主制御装置162では、ステップS838、S852を経て、ラウンドの開始時にラウンド開始コマンドが、ラウンドの終了時にラウンド終了コマンドがそれぞれ送信される。
表示制御装置302では、ラウンド開始コマンドおよびラウンド終了コマンドを受信すると、受信したラウンド開始コマンドおよびラウンド終了コマンドに基づいて大当たり演出中の処理が実行される。
そして、最終ラウンドが終了すると、主制御装置162では、ステップS850を経て、潜確大当たりに対応するエンディングコマンド5が送信される。
表示制御装置302では、エンディングコマンド5を受信すると、ステップS1420を経て、受信したエンディングコマンド5に基づいて大当たり演出が終了する。
主制御装置162では、エンディングコマンド5の送信後所定時間(例えば、6[s])が経過すると、確変状態に移行する。
(6)小当たり
一方、主制御装置162では、取得された乱数カウンタ値が小当たり値と一致していれば、小当たりとなる。
次に、小当たりが発生した場合を説明する。なお、変動パターンコマンド、停止種別コマンドおよび確定コマンドの送受信の動作については、JUB大当たりが発生した場合と同様なので、小当たりに対応するオープニングコマンド「小」の送受信の動作から説明する。
図39は、小当たり演出を示すタイムチャートである。
主制御装置162では、図39に示すように、ステップS834を経て、オープニングコマンド「小」が表示制御装置302に送信される。
表示制御装置302では、オープニングコマンド「小」を受信すると、ステップS1418、S1410を経て、小当たりに対応する演出データテーブル410のアドレスが振分構造テーブル408から取得され、取得されたアドレスに基づいて演出データテーブル410が読み出されてテーブルバッファに設定される。そして、演出データテーブルの演出データが展開され、展開された演出データに基づいて小当たり演出が開始される。
小当たり演出が開始されると、図35(c)に示すように、「金」の文字、「銀」の文字および「銅」の文字が演出図柄表示装置91の画面にそれぞれ大きく表示され、各文字が点滅表示される。そして、例えば、「金」ステージが選択されると、図35(d)に示すように、「金」ステージが選択されたことが演出図柄表示装置91に表示される。その後は、現在の遊技種別が小当たりであるので、特定の表示が行われることなく小当たり演出に突入する。
小当たりでは、時短付大当たり信号は出力されない。したがって、呼出ランプ装置500では、大当たりの回数が変化しないので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、小当たりが発生したことを把握することができない。これにより、遊技者は、突確図柄が停止表示された場合に、潜確大当たりと区別することができず、潜確大当たりが発生することの期待を抱くことができるので、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができる。
一方、小当たり演出中は、15回を上限として短開放が継続される。そして、最終の開放が終了すると、主制御装置162では、ステップS850を経て、小当たりに対応するエンディングコマンド「小」が送信される。
表示制御装置302では、エンディングコマンド「小」を受信すると、ステップS1420を経て、受信したエンディングコマンド「小」に基づいて小当たり演出が終了する。
主制御装置162では、エンディングコマンド「小」の送信後所定時間(例えば、6[
s])が経過すると、元の状態に移行する。例えば、確変状態および時短状態であれば確
変状態および時短状態を維持し、通常状態および非時短状態であれば通常状態および非時短状態を維持する。
(7)外れ
一方、主制御装置162では、取得された乱数カウンタ値が大当たり値および小当たり
値とも一致していなければ、外れとなる。
外れとなると、ステップS728〜S732を経て、外れ時における演出図柄の停止図柄の種別および外れ時の変動パターンが決定される。そして、外れ時の変動パターンで演出図柄が変動表示され、所定の変動時間経過後に外れ図柄で演出図柄が停止表示される。
〔効果〕 このようにして、本実施の形態では、始動入賞口84への入賞を契機として、非確変大当たり、確変大当たりまたは潜確大当たりを発生させるための大当たり抽選を行い、演出図柄表示装置91で演出図柄を変動表示し、非確変大当たりまたは確変大当たりを発生させると判定した場合は、非確変図柄または確変図柄で演出図柄を停止表示し、非確変大当たりまたは確変大当たりを発生させ、時短付大当たり信号を出力し、潜確大当たりを発生させると判定した場合は、外れ図柄と区別しがたい突確図柄で演出図柄を停止表示し、潜確大当たりを発生させ、時短付大当たり信号を出力しない。
従来の遊技機にあっては、突確大当たりの場合、大当たりとならずに確変状態に突然移行したかのような意外性を与えることを目的とするものの、呼出ランプ装置500に対しては、突確大当たりの発生時に時短付大当たり信号が出力されるので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見れば、突確大当たりが発生したことを把握することができ、遊技の趣向が低下するという問題があった。
また、従来、例えば、他の遊技種別として、突確図柄を停止表示して極めて短時間の当たりを発生させ、その後、遊技状態が変化しない小当たりを設定した場合、遊技者は、突確図柄を見ただけでは、突確大当たりなのか小当たりなのかが区別できず、突確大当たりが発生することの期待を抱く。しかし、呼出ランプ装置500に対しては、突確大当たりの発生時に時短付大当たり信号が出力されるので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見れば、突確大当たりまたは小当たりが発生したことを把握することができ、遊技の趣向が低下するという問題があった。
また、従来、例えば、突確大当たりの発生後に、突確大当たりが発生したことを表示する場合、遊技者は、その表示を見るまでは、突確大当たりが発生したか否かが分からず、突確大当たりが発生することの期待を抱く。しかし、呼出ランプ装置500に対しては、突確大当たりの発生時に時短付大当たり信号が出力されるので、遊技者は、その表示前であっても呼出ランプ装置500の表示を見れば、突確大当たりが発生したことを把握することができ、遊技の趣向が低下するという問題があった。
これに対し、本実施の形態であれば、非確変大当たりまたは確変大当たりを発生させると判定した場合は、時短付大当たり信号が出力されるのに対し、潜確大当たりを発生させると判定した場合は、時短付大当たり信号が出力されないので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、潜確大当たりが発生したことを把握することができない。また、小当たりを設定した場合、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、潜確大当たりまたは小当たりが発生したことを把握することができない。したがって、従来に比して、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができる。
さらに、本実施の形態では、大当たり抽選の当選確率が通常状態よりも高い確変状態を潜確大当たりとして発生させる。
これにより、外れ図柄と区別しがたい突確図柄で演出図柄を停止表示し、大当たり抽選の当選確率が通常状態よりも高い確変状態が発生する場合に、時短付大当たり信号が出力されないので、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができる。
さらに、本実施の形態では、時短状態である場合に、潜確大当たりを発生させると判定した場合は、時短付大当たり信号を出力する。
これにより、潜確大当たりを発生させると判定した場合でも、時短状態である場合は、時短付大当たり信号が出力されるので、呼出ランプ装置500で時短状態が発生したことを把握することができる。
さらに、本実施の形態では、時短状態である場合に、潜確大当たりを発生させると判定した場合は、非確変大当たりまたは確変大当たりの発生時に時短付大当たり信号を出力するタイミングよりも遅らせて時短付大当たり信号を出力する。
これにより、時短状態である場合に、潜確大当たりを発生させると判定した場合は、時短付大当たり信号が遅れて出力されるので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、潜確大当たりが発生したことを直ちには把握することができない。したがって、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができる。
さらに、本実施の形態では、JUB大当たりを発生させると判定した場合は、外れ図柄と区別しがたい突確図柄で演出図柄を停止表示し、JUB大当たりを発生させ、非確変大当たりまたは確変大当たりの発生時に時短付大当たり信号を出力するタイミングよりも遅らせて時短付大当たり信号を出力する。
これにより、非確変大当たりまたは確変大当たりを発生させると判定した場合は、時短付大当たり信号が出力されるのに対し、JUB大当たりを発生させると判定した場合は、時短付大当たり信号が遅れて出力されるので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、JUB大当たりが発生したことを直ちには把握することができない。また、小当たりを設定した場合、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、JUB大当たりまたは小当たりが発生したことを直ちには把握することができない。また、JUB大当たりの発生後に、大当たりが発生したことを表示する場合、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、JUB大当たりが発生したことを直ちには把握することができない。さらに、その表示よりも時短付大当たり信号の出力タイミングが遅ければ、遊技者は、JUB大当たりが発生したことが表示されるまで、JUB大当たりが発生することの期待を抱くことができる。したがって、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができる。
さらに、本実施の形態では、通常状態よりも高い遊技価値を遊技者に付与する大当たり演出、およびこれに続けて大当たり抽選の当選確率が通常状態よりも高い確変状態をJUB大当たりとして発生させる。
これにより、外れ図柄と区別しがたい突確図柄で演出図柄を停止表示し、大当たり演出およびこれに続けて確変状態が発生する場合に、時短付大当たり信号が遅れて出力されるので、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができる。
さらに、本実施の形態では、JUB大当たりを発生させると判定した場合は、大当たりが発生したことを演出図柄表示装置91で表示し、大当たりの発生を表示した後に時短付大当たり信号を出力する。
これにより、遊技者は、大当たりの発生が表示されるまで、JUB大当たりが発生することの期待を抱くことができるので、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができる。
さらに、本実施の形態では、突確大当たりを発生させると判定した場合は、外れ図柄と区別しがたい突確図柄で演出図柄を停止表示し、突確大当たりを発生させ、非確変大当たりまたは確変大当たりの発生時に時短付大当たり信号を出力するタイミングよりも遅らせて時短付大当たり信号を出力する。
これにより、非確変大当たりまたは確変大当たりを発生させると判定した場合は、時短付大当たり信号が出力されるのに対し、突確大当たりを発生させると判定した場合は、時短付大当たり信号が遅れて出力されるので、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、突確大当たりが発生したことを直ちには把握することができない。また、小当たりを設定した場合、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、突確大当たりまたは小当たりが発生したことを直ちには把握することができない。また、突確大当たりの発生後に、確変状態に移行することを表示する場合、遊技者は、呼出ランプ装置500の表示を見ても、突確大当たりが発生したことを直ちには把握することができない。さらに、その表示よりも時短付大当たり信号の出力タイミングが遅ければ、遊技者は、突確大当たりが発生したことが表示されるまで、突確大当たりが発生することの期待を抱くことができる。したがって、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができる。
さらに、本実施の形態では、大当たり抽選の当選確率が通常状態よりも高い確変状態を突確大当たりとして発生させる。
これにより、外れ図柄と区別しがたい突確図柄で演出図柄を停止表示し、確変状態が発生する場合に、時短付大当たり信号が遅れて出力されるので、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができる。
さらに、本実施の形態では、突確大当たりを発生させると判定した場合は、確変状態に移行することを演出図柄表示装置91で表示し、確変状態への移行を表示した後に時短付大当たり信号を出力する。
これにより、遊技者は、確変状態への移行が表示されるまで、突確大当たりが発生することの期待を抱くことができるので、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができる。
本実施の形態において、演出図柄表示装置91は、発明1の表示手段に対応し、主制御装置162のラッチ回路は、発明6の信号保持手段に対応し、払出制御装置242は、発明5の遊技球払出手段に対応し、ステップS202、S204、S306、S518は、発明1ないし4の抽選手段に対応している。また、ステップS702〜S706、S714、S716は、発明1、3若しくは5の第1特賞状態発生手段、または発明1、2若しくは5の第2特賞状態発生手段に対応し、ステップS806、S824〜S828は、発明1、3、4、6または7の特賞状態信号出力手段に対応している。
また、本実施の形態において、ステップS1420、S1412、S1414は、発明1の識別情報変更手段に対応し、非確変大当たりまたは確変大当たりは、発明1、3ないし5の第1特賞状態に対応し、潜確大当たりは、発明1ないし5の第2特賞状態に対応している。また、演出図柄は、発明1または3の識別情報に対応し、時短付大当たり信号は、発明1、3、4、6または7の特賞状態信号に対応している。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図40および図41は、本発明に係る遊技機の第2の実施の形態を示す図である。
本実施の形態は、第1の実施の形態に対して、ステップS500の外部出力処理で時短付大当たり信号の出力の可否を制御する点が異なる。なお、以下、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
まず、ステップS500の外部出力処理を説明する。
図40は、主制御装置162で実行する外部出力処理を示すフローチャートである。
外部出力処理は、ステップS500において実行されると、図40に示すように、ステップS900に移行する。
ステップS900では、時短付大当たり信号データがコマンド用バッファに設定されているか否かを判定し、時短付大当たり信号データが設定されていると判定した場合(YES)
は、ステップS902に移行する。
ステップS902では、当たり種別情報に基づいてJUB大当たりまたは突確大当たりであるか否かを判定し、JUB大当たりまたは突確大当たりであると判定した場合(YES)
は、ステップS904に移行する。
ステップS904では、時短付大当たり信号データがコマンド用バッファに設定されてから所定時間(例えば、25[s])が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合(YES)は、ステップS906に移行して、時短付大当たり信号を外部端子板2
13から出力し、ステップS908に移行する。
ステップS908では、RAM314のコマンド用バッファに設定されているコマンドを払出制御装置242、電源および発射制御装置243または音声ランプ制御装置143に送信する他の出力処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS904で、所定時間が経過していないと判定した場合(NO)、およびステップS900で、時短付大当たり信号データがコマンド用バッファに設定されていないと判定した場合(NO)はいずれも、ステップS908に移行する。
一方、ステップS902で、JUB大当たりまたは突確大当たりでないと判定した場合(NO)は、ステップS910に移行して、当たり種別情報に基づいて潜確大当たりであるか否かを判定し、潜確大当たりであると判定した場合(YES)は、ステップS912に移行す
る。
ステップS912では、時短状態であるか否かを判定し、時短状態であると判定した場合(YES)は、ステップS914に移行する。
ステップS914では、時短付大当たり信号データがコマンド用バッファに設定されてから所定時間(例えば、25[s])が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合(YES)は、ステップS916に移行して、時短付大当たり信号を外部端子板2
13から出力し、ステップS908に移行する。
一方、ステップS914で、所定時間が経過していないと判定した場合(NO)、およびステップS912で、時短状態でないと判定した場合(NO)はいずれも、ステップS908に移行する。
一方、ステップS910で、潜確大当たりでないと判定した場合(NO)は、ステップS9
18に移行して、時短付大当たり信号を外部端子板213から出力し、ステップS908に移行する。
次に、ステップS508の大入賞口開閉処理を説明する。
図41は、主制御装置162で実行する大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。
大入賞口開閉処理は、ステップS508において実行されると、図41に示すように、ステップS854に移行する。
ステップS854では、当たり種別情報に基づいて大当たりまたは小当たりであるか否かを判定し、大当たりまたは小当たりであると判定した場合(YES)は、ステップS856
に移行する。
ステップS856では、大当たり演出または小当たり演出を開始するタイミングであるか否かを判定し、大当たり演出または小当たり演出を開始するタイミングであると判定した場合(YES)は、ステップS858に移行する。
ステップS858では、非確変大当たり、確変大当たり、JUB大当たり、突確大当たり、潜確大当たりまたは小当たりに対応するオープニングコマンドをコマンド用バッファに格納する当たり演出開始処理を実行する。これにより、ステップS500の外部出力処理では、出力ポート318を介してオープニングコマンドが音声ランプ制御装置143に送信される。
ステップS858の処理が終了すると、ステップS860に移行して、時短付大当たり信号データをコマンド用バッファに格納する。これにより、ステップS500の外部出力処理では、非確変大当たり、確変大当たり、JUB大当たり、突確大当たり、潜確大当たりまたは小当たりに応じたタイミングで、HIGHレベル信号となる時短付大当たり信号が外部端子板213から出力される。
ステップS860の処理が終了すると、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS856で、大当たり演出または小当たり演出を開始するタイミングでないと判定した場合(NO)は、ステップS836に移行して、ラウンドを開始するタイミングであるか否かを判定し、ラウンドを開始するタイミングであると判定した場合(YES)は
、ステップS838に移行して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS836で、ラウンドを開始するタイミングでないと判定した場合(NO)は、ステップS840に移行して、ラウンドが継続中であるか否かを判定し、ラウンドが継続中であると判定した場合(YES)は、ステップS842に移行して、一連の処理を終了
して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS840で、ラウンドが継続中でないと判定した場合(NO)は、ステップS844に移行して、ラウンドを終了するタイミングであるか否かを判定し、ラウンドを終了するタイミングであると判定した場合(YES)は、ステップS846に移行する。
ステップS846では、ラウンド回数に「1」を加算し、ステップS848に移行して、ラウンド回数が最大ラウンド数を超えたか否かを判定し、最大ラウンド数を超えたと判定した場合(YES)は、ステップS850に移行して、一連の処理を終了して元の処理に復
帰させる。
一方、ステップS848で、ラウンド回数が最大ラウンド数を超えていないと判定した場合(NO)は、ステップS852に移行して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS844で、ラウンドを終了するタイミングでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
〔効果〕 このようにして、本実施の形態では、JUB大当たりまたは突確大当たりを発生させると判定した場合は、時短付大当たり信号データがコマンド用バッファに設定されから所定時間が経過した後に時短付大当たり信号を出力する。また、潜確大当たりを発生させると判定した場合は、時短状態である場合に限り、時短付大当たり信号データがコマンド用バッファに設定されから所定時間が経過した後に時短付大当たり信号を出力する。また、非確変大当たりまたは確変大当たりを発生させると判定した場合は、時短付大当たり信号データがコマンド用バッファに設定されると直ちに時短付大当たり信号を出力する。
これにより、大入賞口開閉処理では、非確変大当たり、確変大当たり、JUB大当たり、突確大当たり、潜確大当たりまたは小当たりにかかわらず、大当たり演出または小当たり演出を開始するタイミングで時短付大当たり信号データをコマンド用バッファに格納するだけでよいので、大入賞口開閉処理が簡素となる。
なお、第1および第2の実施の形態においては、潜確大当たりでは、時短状態である場合に、時短付大当たり信号を所定時間遅らせて出力するように構成したが、これに限らず、オープニングコマンド5の送信時とほぼ同時に出力するように構成することもできる。
また、第1および第2の実施の形態においては、JUB大当たりおよび突確大当たりでは、時短付大当たり信号を所定時間遅らせて出力し、潜確大当たりおよび小当たりでは、時短付大当たり信号を出力しないように構成したが、これに限らず、JUB大当たりおよび突確大当たりでは、オープニングコマンド3、4の送信時からエンディングコマンド3、4の送信時まで時短付大当たり信号を出力し、潜確大当たりおよび小当たりでは、オープニングコマンド3、4の送信時から所定時間(例えば、25[s])まで時短付大当たり信号を出力するように構成することもできる。
これにより、JUB大当たり、突確大当たり、潜確大当たりおよび小当たりではいずれも、オープニングコマンドから所定時間経過まで時短付大当たり信号が出力されるので、呼出ランプ装置500の表示では、所定時間経過まで遊技種別を区別することができない。
また、第1および第2の実施の形態においては、呼出ランプ装置500は、パチンコ機10およびホールコンピュータ530に接続したが、これに限らず、パチンコ機10とホールコンピュータ530を接続し、呼出ランプ装置500は、ホールコンピュータ530に接続してもよい。
また、第1および第2の実施の形態において、時短状態では、演出図柄の変動時間が通常状態よりも短くなり、かつ、始動入賞口84への入賞機会が通常状態よりも増すように制御したが、これに限らず、演出図柄の変動時間が通常状態と変わらず、始動入賞口84への入賞機会だけが通常状態よりも増すように制御することもできる。要するに、時短状態では、少なくとも遊技球の消化を抑制することさえ実現できればよい。
また、第1ないし第2の実施の形態において、停止種別コマンドは、外れ図柄、非確変
図柄、確変図柄または突確図柄を指定するためのコマンドとして構成したが、これに限らず、外れ、大当たり種別および小当たりに対応する図柄を指定するためのコマンドとして構成することもできる。この場合、停止種別コマンドは、外れ時の停止図柄を指定するためのコマンドと、非確変大当たり時の停止図柄を指定するためのコマンドと、確変大当たり時の停止図柄を指定するためのコマンドと、JUB大当たり時の停止図柄を指定するためのコマンドと、突確大当たり時の停止図柄を指定するためのコマンドと、潜確大当たり時の停止図柄を指定するためのコマンドと、小当たり時の停止図柄を指定するためのコマンドとを含む。
また、第1ないし第2の実施の形態において、時短付き大当たり信号データをクリアする処理(ステップS710、S712)は、ステップS708の処理の次に設けたが、これに限らず、ステップS850の処理の次に設けることもできる。
また、第1ないし第2の実施の形態においては、コマンド用バッファの時短付大当たり信号データがクリアされるまでHIGHレベル信号が出力されるように、主制御装置162のラッチ回路(不図示)により、時短付大当たり信号が出力されてからメイン処理の実行周期だけ時短付大当たり信号をラッチするように構成したが、これに限らず、ラッチ回路を設けず、メイン処理の実行周期ごとに、HIGHレベル信号が所定時間(実行周期未満の時間)出力されるように構成することもできる。これにより、ラッチ回路を設けなくてもすむので、構成が簡素となる。
また、第1ないし第2の実施の形態においては、長開放ラウンドの終了条件、短開放ラウンドの終了条件および小当たり演出の終了条件として大入賞口83aに遊技球が9個入賞したこととしたが、これに限らず、長開放ラウンドの終了条件の遊技球数と、短開放ラウンドの終了条件の遊技球数と、小当たり演出の終了条件の遊技球数とはそれぞれ異ならせてもよい。
また、第1ないし第2の実施の形態においては、呼出ランプ装置500をパチンコ機10とは別体に設けたが、これに限らず、呼出ランプ装置500をパチンコ機10に内蔵してもよい。
また、第1ないし第2の実施の形態において、JUB大当たり、突確大当たりまたは潜確大当たりでは、短開放ラウンドの終了間際に時短付大当たり信号を出力するように構成したが、これに限らず、短開放ラウンドの終了後に時短付大当たり信号を出力するように構成することもできる。
また、第1ないし第2の実施の形態においては、主制御装置162が停止図柄の種別を決定し、表示制御装置302が停止図柄の具体的な内容を決定するように構成したが、これに限らず、主制御装置162が停止図柄の具体的な内容まで決定するように構成することもできる。
これにより、表示制御装置302では、停止図柄の具体的な内容を決定しなくてもすむので、表示制御装置302の処理負荷を低減することができる。また、停止図柄テーブルも不要となるので、プログラムROM372のデータ容量を低減することができる。
また、第1および第2の実施の形態においては、大当たりと外れの共用の変動パターンテーブル406を特に設けなかったが、大当たりと外れの共用の変動パターンテーブル406を設けて構成することもできる。
また、第1および第2の実施の形態においては、変動パターン乱数カウンタCSの値、
リーチ乱数カウンタC3の値、大当たりおよび外れの別、大当たり種別、並びに保留球数カウンタの値N等の複数の要素に基づいて変動パターンを決定するように構成したが、これに限らず、これらのうち少なくとも1つの要素に基づいて変動パターンを決定するように構成することもできる。
また、第1および第2の実施の形態において、始動入賞口84への入賞は、最大4回まで保留するように設定したが、これに限らず、3回以下、または、5回以上の回数(例えば、8回)まで保留するように設定することもできる。また、演出図柄表示装置91で保留球図柄Rm1〜Rm4を表示するので、保留ランプ96を設けなくてもよい。また、特別図柄表示装置93で保留球数が示されるので、保留ランプ96により点灯表示を行わなくてもよい。
また、第1および第2の実施の形態において、スルーゲート85の通過は、最大4回まで保留するように設定したが、これに限らず、3回以下、または、5回以上の回数(例えば、8回)まで保留するように設定することもできる。また、特別図柄表示装置93で保留球数が示されるので、保留ランプ95を設けなくてもよいし、保留ランプ95により点灯表示を行わなくてもよい。
また、第1および第2の実施の形態において、普通図柄の変動表示は、表示部94aでランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うように構成したが、これに限らず、特別図柄表示装置93または演出図柄表示装置91を使用して行うように構成することもできる。同様に、保留ランプ95の点灯に対応する点灯表示を演出図柄表示装置91で行ってもよい。
また、第1および第2の実施の形態においては、大当たりとなると、通常時には閉鎖されている大入賞口83aが所定時間開放され、大入賞口83aに遊技球が入賞すると、15個の遊技球が賞球として払い出されるように構成したが、大当たりはこれに限定されるものではない。大入賞口83aとは別に開閉される大入賞口を遊技領域に設け、大当たりになると、大入賞口83aが所定時間開放され、大入賞口83aに遊技球が入賞すると、大入賞口83aとは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を大当たりとして構成することもできる。
また、第1および第2の実施の形態においては、変動パターン乱数カウンタCSを用いて変動パターンを決定するように構成したが、これに代えて、3つの変動種別カウンタCS1、CS2、CS3を用いて変動パターンを決定するように構成することもできる。
変動種別カウンタCS1は、例えば、「0」〜「198」の数値範囲のうちいずれかの値をとり得るループカウンタとして構成されている。更新のたびに、現在の値に「1」が加算され、最大値(「198」)を超えた場合は初期値に戻るようになっている。変動種別カウンタCS1の場合、初期値は、「0」に設定される。
変動種別カウンタCS2は、例えば、「0」〜「240」の数値範囲のうちいずれかの値をとり得るループカウンタとして構成されている。更新のたびに、現在の値に「1」が加算され、最大値(「240」)を超えた場合は初期値に戻るようになっている。変動種別カウンタCS2の場合、初期値は、「0」に設定される。
変動種別カウンタCS1の値に基づいて、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等の大まかな変動時間を決定する。また、変動種別カウンタCS2の値に基づいて、リーチ演出後に最終停止図柄(中図柄)を停止表示するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。変動種別カウンタCS1、CS2により決定された変動時
間に基づいて、表示制御装置302により、演出図柄のリーチ種別や細かな変動表示の態様が決定される。したがって、変動種別カウンタCS1、CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現することができる。また、変動種別カウンタCS1だけで変動表示の態様を決定したり、変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく変動表示の態様を決定したりすることもできる。
変動種別カウンタCS3は、例えば、「0」〜「162」の数値範囲のうちいずれかの値をとり得るループカウンタとして構成されている。更新のたびに、現在の値に「1」が加算され、最大値(「162」)を超えた場合は初期値に戻るようになっている。変動種別カウンタCS3の場合、初期値は、「0」に設定される。
演出図柄表示装置91では、演出図柄の変動表示以外に、変動表示している演出図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させたりする予告演出が行われる。予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算する演出パターン、逆に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算する演出パターン、または変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3については、変動パターンテーブル406と同様に、演出パターンが選択される乱数カウンタ値の範囲が異なる複数の演出パターンテーブルが設けられている。各演出パターンテーブルは、現在のパチンコ機10の遊技状態が確変状態であるか通常状態であるか、保留球数等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるように構成されている。
演出時間の加減算値としては、例えば、変動種別カウンタCS3の値に基づいて、変動表示の時間を変更しない場合、変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合の4種類の加減算値が決定される。なお、変動時間が加減算される場合は、演出図柄表示装置91で大当たりの期待値が高くなる予告演出が行われる。また、大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は、予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
このように、変動種別カウンタCS1、CS2により演出図柄の変動時間が決定されるとともに、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。したがって、最終停止図柄を停止表示するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1、CS2、CS3により決定される。
また、第1および第2の実施の形態においては、現在の遊技状態にかかわらず変動パターンテーブル406を決定するように構成したが、これに限らず、現在の遊技状態にも応じて変動パターンテーブル406を決定するように構成することもできる。
確変状態では、大当たりが発生しやすいため必要以上にリーチ演出が選択されないように、非リーチ外れの変動パターンに対応する乱数カウンタ値の範囲が「10」〜「238」と広い変動パターンテーブル406が選択され、非リーチ外れが選択されやすくなる。この変動パターンテーブル406は、リーチ外れの変動パターンに対応する乱数カウンタ値の範囲が「0」〜「9」と狭くなり、リーチ外れが選択されにくくなる。したがって、確変状態では、リーチ演出が選択されにくくなるので、単位時間当たりの変動表示の回数が増え、早期に大当たりが発生しやすくなる。
これに対し、通常状態では、保留球格納エリアに乱数カウンタ値が格納されていなければ、始動入賞口84への遊技球の入賞時間を確保するために、非リーチ外れの変動パターンに対応する乱数カウンタ値の範囲が「51」〜「238」と狭い変動パターンテーブル
406が選択され、非リーチ外れが選択されにくくなる。この変動パターンテーブル406は、リーチ外れの変動パターンに対応する乱数カウンタ値の範囲が「9」〜「50」と広くなり、リーチ外れが選択されやすくなる。したがって、通常状態では、始動入賞口84への遊技球の入賞時間を確保することができるので、演出図柄表示装置91で変動表示が継続して行われやすくなる。
また、第1および第2の実施の形態においては、主制御装置162、払出制御装置242、音声ランプ制御装置143、表示制御装置302および演出図柄表示装置91が電気信号によりデータの送受信を行うように構成したが、これに限らず、光通信によりデータの送受信を行うように構成することもできる。また、有線通信に限定されることはなく、電波や赤外線を用いた無線通信によりデータの送受信を行うように構成することもできる。
また、第1および第2の実施の形態においては、音声ランプ制御装置143が表示制御装置302を制御するように構成したが、これに代えて、表示制御装置302が音声ランプ制御装置143を制御するように構成することもできる。また、音声ランプ制御装置143および表示制御装置302に代えて、音声ランプ制御装置143および表示制御装置302の両機能を有する単一の制御装置を設けてもよい。
また、第1および第2の実施の形態においては、主制御装置162が音声ランプ制御装置143にコマンドを送信することにより、主制御装置162が音声ランプ制御装置143を介して表示制御装置302を間接的に制御するように構成したが、主制御装置162が表示制御装置302にコマンドを直接送信することにより、主制御装置162が表示制御装置302を直接制御するように構成することもできる。
また、第1および第2の実施の形態においては、主制御装置162が変動パターン乱数カウンタCSの値に基づいて変動パターンを決定するように構成したが、これに限らず、表示制御装置302(または音声ランプ制御装置143)に変動パターン乱数カウンタCSを設け、表示制御装置302(または音声ランプ制御装置143)が変動パターン乱数カウンタCSの値に基づいて変動パターンを決定するように構成することもできる。停止種別の決定についても同様の変形例を適用することができる。すなわち、主制御装置162では、リーチ乱数カウンタCS等に基づいて変動パターンテーブル406までを決定し、表示制御装置302(または音声ランプ制御装置143)では、変動パターン乱数カウンタCSの値に基づいて変動パターンを決定する。この場合、主制御装置162では、特別図柄表示装置93の変動表示等について変動時間を決定する必要があるところ、変動時間は、リーチ乱数カウンタCSに基づいて決定する。
これにより、主制御装置162では、変動パターンを決定しなくてもすむので、主制御装置162の処理負荷を低減することができる。
また、第1および第2の実施の形態においては、演出図柄表示装置91で演出図柄を縦方向にスクロールさせることにより演出図柄の変動表示を行うように構成したが、これに限らず、演出図柄を横方向にスクロールさせることにより、またはL字形等の所定経路に沿って演出図柄を移動表示することにより、演出図柄の変動表示を行うように構成することもできる。
また、第1および第2の実施の形態においては、他のタイプのパチンコ機等にも本発明を適用することができる。例えば、特別装置の特定領域に遊技球が入賞すると電動役物が所定回数開放するパチンコ機、特別装置の特定領域に遊技球が入賞すると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球その
他の種類のパチンコ機等にも、本発明を適用することができる。また、球貸装置Yを通じた遊技球の貸球が行われないパチンコ機等に本発明を適用することもできる。
また、スロットマシンにも本発明を適用することができる。スロットマシンは、例えば、コインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。したがって、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報で構成される識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば、操作レバー)の操作を契機として識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えば、ストップボタン)の操作を契機として、または、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものである場合は、遊技者に所定の遊技価値を付与する特賞状態を発生させるスロットマシン」となる。この場合、遊技媒体は、コイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機にも、本発明を適用することができる。パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の基本概念としては、「複数の識別情報で構成される識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、投入用操作手段(例えば、ボタン)の操作に基づく所定量の遊技球の投入の後、始動用操作手段(例えば、操作レバー)の操作を契機として識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えば、ストップボタン)の操作を契機として、または、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものである場合は、遊技者に所定の遊技価値を付与する特賞状態を発生させる遊技機」となる。この場合、遊技者には、下部の受皿に多量の遊技球が払い出される。
また、「課題を解決するための手段」の欄に記載した発明のほかに、以下の発明を採用することもできる。以下、必要に応じて作用、効果および用語の定義を示しつつ説明する。なお、発明Aに対しては、発明B、Cを適用することもできる。また、発明Bに対しては、発明Cを適用することもできる。
〔発明A1〕 発明A1の遊技機は、
所定条件の成立を契機として第1特賞状態または第2特賞状態を発生させるための抽選を行う抽選手段と、
表示手段で識別情報を変更表示する識別情報変更手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第1特賞状態を発生させると判定した場合は、所定の内容で前記識別情報を停止表示し、前記第1特賞状態を発生させる第1特賞状態発生手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第2特賞状態を発生させると判定した場合は、前記所定の内容以外の内容で前記識別情報を停止表示し、前記第2特賞状態を発生させる第2特賞状態発生手段と、
特賞状態の発生を示す特賞状態信号を出力する特賞状態信号出力手段とを備え、
前記特賞状態信号出力手段は、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第1特賞状態を発生させると判定した場合は、前記特賞状態信号を出力し、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第2特賞状態を発生させると判定した場合は、前記特賞状態信号を出力しないことを特徴とする。
従来の遊技機にあっては、突確大当たりの場合、大当たりとならずに確変状態に突然移行したかのような意外性を与えることを目的とするものの、呼出ランプ装置に対しては、突確大当たりの発生時に大当たり信号が出力されるので、遊技者は、呼出ランプ装置の表
示を見れば、突確大当たりが発生したことを把握することができ、遊技の趣向が低下するという問題があった。
また、例えば、他の遊技種別として、突確図柄を停止表示して極めて短時間の当たりを発生させ、その後、遊技状態が変化しない第2突確大当たりを設定した場合、遊技者は、突確図柄を見ただけでは、突確大当たりなのか第2突確大当たりなのかが区別できず、突確大当たりが発生することの期待を抱く。しかし、呼出ランプ装置に対しては、突確大当たりの発生時に大当たり信号が出力されるので、遊技者は、呼出ランプ装置の表示を見れば、突確大当たりまたは第2突確大当たりが発生したことを把握することができ、遊技の趣向が低下するという問題があった。
また、例えば、突確大当たりの発生後に、突確大当たりが発生したことを表示する場合、遊技者は、その表示を見るまでは、突確大当たりが発生したか否かが分からず、突確大当たりが発生することの期待を抱く。しかし、呼出ランプ装置に対しては、突確大当たりの発生時に大当たり信号が出力されるので、遊技者は、その表示前であっても呼出ランプ装置の表示を見れば、突確大当たりが発生したことを把握することができ、遊技の趣向が低下するという問題があった。
これに対し、発明A1の遊技機の構成であれば、所定条件の成立を契機として、抽選手段により、第1特賞状態または第2特賞状態を発生させるための抽選が行われ、識別情報変更手段により、表示手段で識別情報が変更表示される。
抽選手段の抽選結果に基づいて第1特賞状態を発生させると判定した場合は、第1特賞状態発生手段により、所定の内容で識別情報が停止表示され、第1特賞状態が発生する。そして、特賞状態信号出力手段により、特賞状態信号が出力される。
これに対し、抽選手段の抽選結果に基づいて第2特賞状態を発生させると判定した場合は、第2特賞状態発生手段により、所定の内容以外の内容で識別情報が停止表示され、第2特賞状態が発生する。所定の内容以外の内容で識別情報が停止表示されるので、特賞状態が発生したことを認識しにくい。そして、特賞状態信号出力手段により、特賞状態信号が出力されない。
これにより、第1特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号が出力されるのに対し、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号が出力されないので、遊技者は、呼出ランプ装置等の表示を見ても、第2特賞状態が発生したことを把握することができない。また、例えば、他の遊技種別として第2突確大当たりを設定した場合、遊技者は、呼出ランプ装置等の表示を見ても、第2特賞状態が発生したことを把握することができない。また、例えば、突確大当たりの発生後に、突確大当たりが発生したことを表示する場合、遊技者は、呼出ランプ装置等の表示を見ても、第2特賞状態が発生したことを把握することができない。したがって、従来に比して、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができるという効果が得られる。
ここで、所定条件の成立としては、パチンコ機である場合は、例えば、始動入賞口に遊技球が入賞すること、パチスロ機である場合は、例えば、遊技開始を指示する操作レバーが操作されることが含まれる。以下、発明B1およびC1の遊技機において同じである。
また、特賞状態とは、遊技者にとって有利な遊技価値を付与する遊技状態をいい、パチンコ機である場合は、例えば、非確変大当たり、確変大当たり、JUB大当たり、突確大当たり、潜確大当たり、小当たりが含まれ、パチスロ機である場合は、例えば、ビッグボーナス、チャレンジタイム、小役が含まれる。以下、発明B1およびC1の遊技機におい
て同じである。
また、識別情報とは、文字、図形、図柄、画像、符号、記号、色彩その他視覚を通じて識別可能な情報、音響その他視覚以外の五感を通じて識別可能な情報、またはそれらの組み合わせをいう。以下、発明B1およびC1の遊技機において同じである。
また、識別情報の変更表示としては、例えば、LED表示のように識別情報を逐次変更して表示すること、および識別情報を変動しながら表示することが含まれる。したがって、変更とは、必ずしも変動に限らない。以下、発明B1およびC1の遊技機において同じである。
また、所定の内容で識別情報を停止表示するタイミングと、特賞状態を発生させるタイミングとは、どちらが先であってもよいし、同時であってもよい。識別情報を停止表示するタイミングの方が先であれば、特賞状態への期待感を向上することができる。これに対し、特賞状態を発生させるタイミングの方が先であれば、意外性を向上することができる。以下、発明B1およびC1の遊技機において同じである。
〔発明A2〕 さらに、発明A2の遊技機は、発明A1の遊技機において、
前記第2特賞状態発生手段は、前記抽選手段による抽選の当選確率が通常状態よりも高い高確率状態を前記第2特賞状態として発生させることを特徴とする。
このような構成であれば、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、第2特賞状態発生手段により、抽選手段による抽選の当選確率が通常状態よりも高い高確率状態が第2特賞状態として発生する。
これにより、所定の内容以外の内容で識別情報を停止表示し、抽選手段による抽選の当選確率が通常状態よりも高い高確率状態が発生する場合に、特賞状態信号が出力されないので、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができるという効果が得られる。
〔発明A3〕 さらに、発明A3の遊技機は、発明A1およびA2のいずれか1の遊技機において、
前記第1特賞状態発生手段は、通常状態よりも高い遊技価値を遊技者に付与する特賞状態、およびこれに続けて前記識別情報の変更時間が所定よりも短縮する時短状態を前記第1特賞状態として発生させ、
前記特賞状態信号出力手段は、前記時短状態である場合に、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第2特賞状態を発生させると判定した場合は、前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、第1特賞状態を発生させると判定した場合は、第1特賞状態発生手段により、通常状態よりも高い遊技価値を遊技者に付与する特賞状態、およびこれに続けて識別情報の変更時間が所定よりも短縮する時短状態が第1特賞状態として発生する。
そして、時短状態である場合に、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号出力手段により、特賞状態信号が出力される。
これにより、第2特賞状態を発生させると判定した場合でも、時短状態である場合は、特賞状態信号が出力されるので、呼出ランプ装置等で時短状態が発生したことを把握することができるという効果が得られる。
〔発明A4〕 さらに、発明A4の遊技機は、発明A3の遊技機において、
前記特賞状態信号出力手段は、前記時短状態である場合に、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第2特賞状態を発生させると判定した場合は、前記第1特賞状態の発生時に前記特賞状態信号を出力するタイミングよりも遅らせて前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、時短状態である場合に、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号出力手段により、第1特賞状態の発生時に特賞状態信号を出力するタイミングよりも遅れて特賞状態信号が出力される。
これにより、遊技者は、呼出ランプ装置等の表示を見ても、第2特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。したがって、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができるという効果が得られる。
〔発明A5〕 さらに、発明A5の遊技機は、発明A1ないしA4のいずれか1の遊技機において、
さらに、前記第1特賞状態または前記第2特賞状態を発生させると判定した場合に開放し遊技球を入賞可能とする入賞口と、
前記入賞口に遊技球が入賞した場合に遊技球を払い出す遊技球払出手段とを備え、
前記第1特賞状態発生手段は、1ラウンドにおいて前記入賞口を所定時間開放する長開放ラウンドを実行し、
前記第2特賞状態発生手段は、1ラウンドにおいて前記入賞口を前記所定時間よりも短い時間開放する短開放ラウンドを実行することを特徴とする。
このような構成であれば、第1特賞状態を発生させると判定した場合は、第1特賞状態発生手段により、長開放ラウンドが実行される。このとき、開放した入賞口に遊技球が入賞すると、遊技球払出手段により、遊技球が払い出される。
これに対し、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、第2特賞状態発生手段により、短開放ラウンドが実行される。このとき、開放した入賞口に遊技球が入賞すると、遊技球払出手段により、遊技球が払い出される。短開放ラウンドは、長開放ラウンドに比して入賞口の開放時間が短いので、遊技者は、入賞口の動作を見ても、特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。したがって、第2特賞状態に突然移行したかのような意外性を与えることができる。
ここで、長開放ラウンドまたは短開放ラウンドは、1回だけ実行してもよいし、複数回実行してもよい。また、実行回数は、毎回同じでなくてもよく、毎回異なってもよい。以下、発明B4およびC4の遊技機において同じである。
〔発明A6〕 さらに、発明A6の遊技機は、発明A1ないしA5のいずれか1の遊技機において、
さらに、前記特賞状態信号を入力してから前記特賞状態信号を所定時間保持する信号保持手段を備え、
前記特賞状態信号出力手段は、前記所定時間間隔で前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、特賞状態信号出力手段により、所定時間間隔で特賞状態信号が出力され、信号保持手段により、特賞状態信号が出力されてから特賞状態信号が所定時間保持される。したがって、特賞状態信号出力手段が割込処理によって実現されるような
場合であっても、特賞状態信号が定常的に出力されるので、呼出ランプ装置等で特賞状態信号を検出しやすくなる。
〔発明A7〕 さらに、発明A7の遊技機は、発明A1ないしA5のいずれか1の遊技機において、
前記特賞状態信号出力手段は、所定時間間隔で前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、特賞状態信号出力手段により、所定時間間隔で特賞状態信号が出力される。したがって、特賞状態信号出力手段が割込処理によって実現されるような場合に、信号保持手段を設けなくてもすむので、構成が簡素となる。
〔発明B1〕 一方、発明B1の遊技機は、
所定条件の成立を契機として第1特賞状態または第2特賞状態を発生させるための抽選を行う抽選手段と、
表示手段で識別情報を変更表示する識別情報変更手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第1特賞状態を発生させると判定した場合は、所定の内容で前記識別情報を停止表示し、前記第1特賞状態を発生させる第1特賞状態発生手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第2特賞状態を発生させると判定した場合は、前記所定の内容以外の内容で前記識別情報を停止表示し、前記第2特賞状態を発生させる第2特賞状態発生手段と、
特賞状態の発生を示す特賞状態信号を出力する特賞状態信号出力手段とを備え、
前記特賞状態信号出力手段は、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第1特賞状態を発生させると判定した場合は、前記特賞状態信号を出力し、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第2特賞状態を発生させると判定した場合は、前記第1特賞状態の発生時に前記特賞状態信号を出力するタイミングよりも遅らせて前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、所定条件の成立を契機として、抽選手段により、第1特賞状態または第2特賞状態を発生させるための抽選が行われ、識別情報変更手段により、表示手段で識別情報が変更表示される。
抽選手段の抽選結果に基づいて第1特賞状態を発生させると判定した場合は、第1特賞状態発生手段により、所定の内容で識別情報が停止表示され、第1特賞状態が発生する。そして、特賞状態信号出力手段により、特賞状態信号が出力される。
これに対し、抽選手段の抽選結果に基づいて第2特賞状態を発生させると判定した場合は、第2特賞状態発生手段により、所定の内容以外の内容で識別情報が停止表示され、第2特賞状態が発生する。所定の内容以外の内容で識別情報が停止表示されるので、特賞状態が発生したことを認識しにくい。そして、特賞状態信号出力手段により、第1特賞状態の発生時に特賞状態信号を出力するタイミングよりも遅れて特賞状態信号が出力される。
これにより、第1特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号が出力されるのに対し、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号が遅れて出力されるので、遊技者は、呼出ランプ装置等の表示を見ても、第2特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。また、例えば、他の遊技種別として第2突確大当たりを設定した場合、遊技者は、呼出ランプ装置等の表示を見ても、第2特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。また、例えば、突確大当たりの発生後に、突確大当たりが発生したことを表示する場合、遊技者は、呼出ランプ装置等の表示を見ても、第
2特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。さらに、その表示よりも特賞状態信号の出力タイミングが遅ければ、遊技者は、突確大当たりが発生したことが表示されるまで、第2特賞状態が発生することの期待を抱くことができる。したがって、従来に比して、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができるという効果が得られる。
〔発明B2〕 さらに、発明B2の遊技機は、発明B1の遊技機において、
前記第2特賞状態発生手段は、通常状態よりも高い遊技価値を遊技者に付与する特賞状態、およびこれに続けて前記抽選手段による抽選の当選確率が前記通常状態よりも高い高確率状態を前記第2特賞状態として発生させることを特徴とする。
このような構成であれば、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、第2特賞状態発生手段により、通常状態よりも高い遊技価値を遊技者に付与する特賞状態、およびこれに続けて抽選手段による抽選の当選確率が通常状態よりも高い高確率状態が第2特賞状態として発生する。
これにより、所定の内容以外の内容で識別情報を停止表示し、通常状態よりも高い遊技価値を遊技者に付与する特賞状態、およびこれに続けて抽選手段による抽選の当選確率が通常状態よりも高い高確率状態が発生する場合に、特賞状態信号が遅れて出力されるので、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができるという効果が得られる。
〔発明B3〕 さらに、発明B3の遊技機は、発明B1およびB2のいずれか1の遊技機において、
さらに、前記第2特賞状態が発生したことを前記表示手段で表示する第2特賞状態発生表示手段を備え、
前記特賞状態信号出力手段は、前記第2特賞状態発生表示手段で前記第2特賞状態の発生を表示した後に前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、第2特賞状態発生表示手段により、第2特賞状態が発生したことが表示手段で表示される。そして、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号出力手段により、第2特賞状態の発生が表示された後に特賞状態信号が出力される。
これにより、遊技者は、第2特賞状態の発生が表示されるまで、第2特賞状態が発生することの期待を抱くことができるので、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができるという効果が得られる。
〔発明B4〕 さらに、発明B4の遊技機は、発明B1ないしB3のいずれか1の遊技機において、
さらに、前記第1特賞状態または前記第2特賞状態を発生させると判定した場合に開放し遊技球を入賞可能とする入賞口と、
前記入賞口に遊技球が入賞した場合に遊技球を払い出す遊技球払出手段とを備え、
前記第1特賞状態発生手段は、1ラウンドにおいて前記入賞口を所定時間開放する長開放ラウンドを実行し、
前記第2特賞状態発生手段は、1ラウンドにおいて前記入賞口を前記所定時間よりも短い時間開放する短開放ラウンドを実行し、その後、前記長開放ラウンドを実行することを特徴とする。
このような構成であれば、第1特賞状態を発生させると判定した場合は、第1特賞状態発生手段により、長開放ラウンドが実行される。このとき、開放した入賞口に遊技球が入
賞すると、遊技球払出手段により、遊技球が払い出される。
これに対し、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、第2特賞状態発生手段により、短開放ラウンドが実行され、その後、長開放ラウンドが実行される。このとき、開放した入賞口に遊技球が入賞すると、遊技球払出手段により、遊技球が払い出される。短開放ラウンドは、長開放ラウンドに比して入賞口の開放時間が短いので、遊技者は、入賞口の動作を見ても、特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。したがって、第2特賞状態に突然移行したかのような意外性を与えることができる。
〔発明B5〕 さらに、発明B5の遊技機は、発明B4の遊技機において、
前記特賞状態信号出力手段は、前記短開放ラウンドの終了後または終了間際に前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号出力手段により、短開放ラウンドの終了後または終了間際に特賞状態信号が出力される。
これにより、遊技者は、呼出ランプ装置等の表示を見ても、入賞口の動作を見ても、第2特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。したがって、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができるという効果が得られる。
〔発明B6〕 さらに、発明B6の遊技機は、発明B1ないしB5のいずれか1の遊技機において、
さらに、前記特賞状態信号を入力してから前記特賞状態信号を所定時間保持する信号保持手段を備え、
前記特賞状態信号出力手段は、前記所定時間間隔で前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、特賞状態信号出力手段により、所定時間間隔で特賞状態信号が出力され、信号保持手段により、特賞状態信号が出力されてから特賞状態信号が所定時間保持される。したがって、特賞状態信号出力手段が割込処理によって実現されるような場合であっても、特賞状態信号が定常的に出力されるので、呼出ランプ装置等で特賞状態信号を検出しやすくなる。
〔発明B7〕 さらに、発明B7の遊技機は、発明B1ないしB5のいずれか1の遊技機において、
前記特賞状態信号出力手段は、所定時間間隔で前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、特賞状態信号出力手段により、所定時間間隔で特賞状態信号が出力される。したがって、特賞状態信号出力手段が割込処理によって実現されるような場合に、信号保持手段を設けなくてもすむので、構成が簡素となる。
〔発明B8〕 さらに、発明B8の遊技機は、発明B1ないしB7のいずれか1の遊技機において、
さらに、記憶手段を備え、
前記第1特賞状態発生手段および前記第2特賞状態発生手段は、前記特賞状態信号の出力を指定するための特賞状態信号データを当該特賞状態の発生時に前記記憶手段に格納し、
前記特賞状態信号出力手段は、前記第1特賞状態を発生させると判定した場合は、前記記憶手段に前記特賞状態信号データが格納されると直ちに前記特賞状態信号を出力し、前
記第2特賞状態を発生させると判定した場合は、前記記憶手段に前記特賞状態信号データが格納されてから所定時間が経過した後に前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、第1特賞状態を発生させると判定した場合は、第1特賞状態発生手段により、第1特賞状態の発生時に特賞状態信号データが記憶手段に格納される。そして、特賞状態信号出力手段により、記憶手段に特賞状態信号データが格納されると直ちに特賞状態信号が出力される。
これに対し、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、第2特賞状態発生手段により、第2特賞状態の発生時に特賞状態信号データが記憶手段に格納される。そして、特賞状態信号出力手段により、記憶手段に特賞状態信号データが格納されてから所定時間が経過した後に特賞状態信号が出力される。
これにより、第1特賞状態または第2特賞状態を発生させるタイミングで特賞状態信号データを記憶手段に格納するだけでよいので、第1特賞状態発生手段および第2特賞状態発生手段の構成が簡素となるという効果が得られる。
〔発明C1〕 一方、発明C1の遊技機は、
所定条件の成立を契機として第1特賞状態または第2特賞状態を発生させるための抽選を行う抽選手段と、
表示手段で識別情報を変更表示する識別情報変更手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第1特賞状態を発生させると判定した場合は、所定の内容で前記識別情報を停止表示し、前記第1特賞状態を発生させる第1特賞状態発生手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第2特賞状態を発生させると判定した場合は、前記所定の内容以外の内容で前記識別情報を停止表示し、前記抽選手段による抽選の当選確率が通常状態よりも高い高確率状態を前記第2特賞状態として発生させる第2特賞状態発生手段と、
特賞状態の発生を示す特賞状態信号を出力する特賞状態信号出力手段とを備え、
前記特賞状態信号出力手段は、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第1特賞状態を発生させると判定した場合は、前記特賞状態信号を出力し、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第2特賞状態を発生させると判定した場合は、前記第1特賞状態の発生時に前記特賞状態信号を出力するタイミングよりも遅らせて前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、所定条件の成立を契機として、抽選手段により、第1特賞状態または第2特賞状態を発生させるための抽選が行われ、識別情報変更手段により、表示手段で識別情報が変更表示される。
抽選手段の抽選結果に基づいて第1特賞状態を発生させると判定した場合は、第1特賞状態発生手段により、所定の内容で識別情報が停止表示され、第1特賞状態が発生する。そして、特賞状態信号出力手段により、特賞状態信号が出力される。
これに対し、抽選手段の抽選結果に基づいて第2特賞状態を発生させると判定した場合は、第2特賞状態発生手段により、所定の内容以外の内容で識別情報が停止表示され、抽選手段による抽選の当選確率が通常状態よりも高い高確率状態が第2特賞状態として発生する。所定の内容以外の内容で識別情報が停止表示されるので、特賞状態が発生したことを認識しにくい。そして、特賞状態信号出力手段により、第1特賞状態の発生時に特賞状態信号を出力するタイミングよりも遅れて特賞状態信号が出力される。
これにより、第1特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号が出力されるのに対し、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号が遅れて出力されるので、遊技者は、呼出ランプ装置等の表示を見ても、第2特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。また、例えば、他の遊技種別として第2突確大当たりを設定した場合、遊技者は、呼出ランプ装置等の表示を見ても、第2特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。また、例えば、突確大当たりの発生後に、突確大当たりが発生したことを表示する場合、遊技者は、呼出ランプ装置等の表示を見ても、第2特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。さらに、その表示よりも特賞状態信号の出力タイミングが遅ければ、遊技者は、突確大当たりが発生したことが表示されるまで、第2特賞状態が発生することの期待を抱くことができる。したがって、従来に比して、遊技の趣向が低下する可能性を低減することができるという効果が得られる。
また、所定の内容以外の内容で識別情報を停止表示し、抽選手段による抽選の当選確率が通常状態よりも高い高確率状態が発生する場合に、特賞状態信号が遅れて出力されるので、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができるという効果が得られる。
〔発明C2〕 さらに、発明C2の遊技機は、発明C1の遊技機において、
さらに、前記第2特賞状態が発生したことを前記表示手段で表示する第2特賞状態発生表示手段を備え、
前記特賞状態信号出力手段は、前記第2特賞状態発生表示手段で前記第2特賞状態の発生を表示した後に前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、第2特賞状態発生表示手段により、第2特賞状態が発生したことが表示手段で表示される。そして、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号出力手段により、第2特賞状態の発生が表示された後に特賞状態信号が出力される。
これにより、遊技者は、第2特賞状態の発生が表示されるまで、第2特賞状態が発生することの期待を抱くことができるので、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができるという効果が得られる。
〔発明C3〕 さらに、発明C3の遊技機は、発明C1およびC2のいずれか1の遊技機において、
さらに、前記第1特賞状態または前記第2特賞状態を発生させると判定した場合に開放し遊技球を入賞可能とする入賞口と、
前記入賞口に遊技球が入賞した場合に遊技球を払い出す遊技球払出手段とを備え、
前記第1特賞状態発生手段は、1ラウンドにおいて前記入賞口を所定時間開放する長開放ラウンドを実行し、
前記第2特賞状態発生手段は、1ラウンドにおいて前記入賞口を前記所定時間よりも短い時間開放する短開放ラウンドを実行することを特徴とする。
このような構成であれば、第1特賞状態を発生させると判定した場合は、第1特賞状態発生手段により、長開放ラウンドが実行される。このとき、開放した入賞口に遊技球が入賞すると、遊技球払出手段により、遊技球が払い出される。
これに対し、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、第2特賞状態発生手段により、短開放ラウンドが実行される。このとき、開放した入賞口に遊技球が入賞すると、遊技球払出手段により、遊技球が払い出される。短開放ラウンドは、長開放ラウンドに比し
て入賞口の開放時間が短いので、遊技者は、入賞口の動作を見ても、特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。したがって、第2特賞状態に突然移行したかのような意外性を与えることができる。
〔発明C4〕 さらに、発明C4の遊技機は、発明C3の遊技機において、
前記特賞状態信号出力手段は、前記短開放ラウンドの終了後または終了間際に前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、特賞状態信号出力手段により、短開放ラウンドの終了後または終了間際に特賞状態信号が出力される。
これにより、遊技者は、呼出ランプ装置等の表示を見ても、入賞口の動作を見ても、第2特賞状態が発生したことを直ちには把握することができない。したがって、遊技の趣向が低下する可能性をさらに低減することができるという効果が得られる。
〔発明C5〕 さらに、発明C5の遊技機は、発明C1ないしC4のいずれか1の遊技機において、
さらに、前記特賞状態信号を入力してから前記特賞状態信号を所定時間保持する信号保持手段を備え、
前記特賞状態信号出力手段は、前記所定時間間隔で前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、特賞状態信号出力手段により、所定時間間隔で特賞状態信号が出力され、信号保持手段により、特賞状態信号が出力されてから特賞状態信号が所定時間保持される。したがって、特賞状態信号出力手段が割込処理によって実現されるような場合であっても、特賞状態信号が定常的に出力されるので、呼出ランプ装置等で特賞状態信号を検出しやすくなる。
〔発明C6〕 さらに、発明C6の遊技機は、発明C1ないしC4のいずれか1の遊技機において、
前記特賞状態信号出力手段は、所定時間間隔で前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、特賞状態信号出力手段により、所定時間間隔で特賞状態信号が出力される。したがって、特賞状態信号出力手段が割込処理によって実現されるような場合に、信号保持手段を設けなくてもすむので、構成が簡素となる。
〔発明C7〕 さらに、発明C7の遊技機は、発明C1ないしC6のいずれか1の遊技機において、
さらに、記憶手段を備え、
前記第1特賞状態発生手段および前記第2特賞状態発生手段は、前記特賞状態信号の出力を指定するための特賞状態信号データを当該特賞状態の発生時に前記記憶手段に格納し、
前記特賞状態信号出力手段は、前記第1特賞状態を発生させると判定した場合は、前記記憶手段に前記特賞状態信号データが格納されると直ちに前記特賞状態信号を出力し、前記第2特賞状態を発生させると判定した場合は、前記記憶手段に前記特賞状態信号データが格納されてから所定時間が経過した後に前記特賞状態信号を出力することを特徴とする。
このような構成であれば、第1特賞状態を発生させると判定した場合は、第1特賞状態
発生手段により、第1特賞状態の発生時に特賞状態信号データが記憶手段に格納される。そして、特賞状態信号出力手段により、記憶手段に特賞状態信号データが格納されると直ちに特賞状態信号が出力される。
これに対し、第2特賞状態を発生させると判定した場合は、第2特賞状態発生手段により、第2特賞状態の発生時に特賞状態信号データが記憶手段に格納される。そして、特賞状態信号出力手段により、記憶手段に特賞状態信号データが格納されてから所定時間が経過した後に特賞状態信号が出力される。
これにより、第1特賞状態または第2特賞状態を発生させるタイミングで特賞状態信号データを記憶手段に格納するだけでよいので、第1特賞状態発生手段および第2特賞状態発生手段の構成が簡素となるという効果が得られる。