本発明は、パチンコ機やスロットマシン等に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機には、始動条件が成立した場合に行われる抽選の結果が所定の結果であった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態(特定遊技状態)に切り替えられるものが多く存在する。かかるタイプの遊技機では、特別遊技状態中に、表示装置に映像を表示したり、スピーカーから音楽を出力したり等の演出を行うことにより、該特別遊技状態の興趣を高める工夫がなされている。
特別遊技状態中には、所定期間の経過又は所定数の入賞を終了条件として大開放口が開放されるイベント(所謂「ラウンド」)が複数回設けられている。隣接するラウンド間(即ち、大開放口が閉鎖されてから、次に開放するまでの間)には、所定時間(例えば、2s)のインターバル期間が設けられている。特別遊技状態中に実行される演出は、全体として一連の演出であるものの、ラウンド間のインターバル期間で中断しつつ間欠的に実行されることがある。
特別遊技状態が発生してから終了するまでの期間は、常に一定でなく、状況に応じて幅広い範囲を取り得る。例えば、パチンコ機の場合には、遊技者による球の打ち出し方や、盤面の釘の状態等によって相違するパチンコ機の個体差などに応じて1回のラウンド期間にばらつきが生じるため、特別遊技状態が発生してから終了するまでの期間が幅広く相違する。
そのため、特別遊技状態の期間と、該特別遊技状態中に実行される演出(表示演出、音声演出)の全体時間とを合わせることは困難であった。特別遊技状態中に実行される演出をラウンド間のインターバル期間で中断しつつ実行する場合には、例えば、ラウンド毎に予め定めた範囲の演出を各ラウンドで時間調整を行いつつ実行することによって、ラウンド期間のばらつきを吸収する、等によって、特別遊技状態の期間と演出の全体時間とを合わせること、等が行われている。
しかしながら、ラウンド毎に予め定めた範囲の演出を各ラウンドで時間調整を行うことにより、ラウンド間の繋がりに不自然さが生じることがあり、その不自然さによって遊技者が違和感を感じることがある。
本発明は、上記例示した事情等を鑑みてなされたものであり、特別遊技状態中に好適な長さの演出を実行できる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の遊技機は、通常遊技状態とは異なる遊技状態であって複数の単位遊技期間が所定のインターバル期間を介在させつつ順次実行される特定遊技状態を発生可能なものであって、 前記特定遊技状態中、前記一連の演出を、前記インターバル期間において中断させつつ各単位遊技期間において実行するよう制御する演出実行制御手段とを備え、前記一連の演出は、複数の単位演出パターンの組み合わせにより構成されており、前記複数の単位演出パターンのうち、最初の単位演出パターンを除く、少なくとも1の単位演出パターンの演出時間を調整することにより、前記一連の演出の全体演出時間を調整する全体演出時間調整手段を備え、前記全体演出時間調整手段は、前記演出時間の調整対象となる単位演出パターンより以前の遊技状況に基づいて、前記特定遊技状態中に実行される前記一連の演出の終了時期を予測する予測手段を含み、前記予測手段により予測された前記終了時期に基づいて、該演出時間の調整対象となる単位演出パターンの演出時間を調整するものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記全体演出時間調整手段は、前記複数の単位演出パターンのうち、最後の前記単位演出パターンの演出時間を調整することにより、前記一連の演出の全体演出時間を調整するものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、前記単位遊技期間の実行時間を計測する単位遊技期間計測手段を備え、前記全体演出時間調整手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間に対して前記単位遊技期間計測手段により計測された実行時間に基づいて、前記特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測する予測手段と、その予測手段により予測された前記終了時期に応じて、演出時間の調整対象となる前記単位演出パターンの演出時間を調整する演出時間調整手段とを含む。
請求項4記載の遊技機は、請求項3記載の遊技機において、前記単位遊技期間計測手段により計測された前記単位遊技期間の実行時間を該単位遊技期間毎に記憶する単位遊技期間記憶手段と、前記単位遊技期間記憶手段に記憶されている内容を用い、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される複数の前記単位遊技期間の実行時間に基づいて、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出する平均時間算出手段とを備え、前記予測手段は、前記平均時間算出手段により算出された平均時間に基づき、前記特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測するものである。
請求項5記載の遊技機は、請求項4記載の遊技機において、前記単位遊技期間記憶手段に記憶されている単位遊技期間の実行時間が予め設定されている設定値を超えるか否かを判定する判定手段を備え、前記平均時間算出手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間のうち、単位遊技期間の実行時間が前記判定手段により前記設定値を超えると判定された単位遊技期間を除いた、残りの単位遊技期間の実行時間の平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、特定遊技状態中、演出実行制御手段によって、複数の単位演出パターンの組み合わせから構成される一連の演出が、インターバル期間において中断させつつ各単位遊技期間において実行するよう制御される場合には、全体演出時間調整手段により、最初の単位演出パターンを除く、少なくとも1の単位演出パターンの演出時間が調整されて、一連の演出の全体演出時間が調整される。
このとき、演出時間の調整対象となる単位演出パターンより以前の遊技状況に基づいて、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測し、そのように予測された終了時期に基づいて、該演出時間の調整対象となる単位演出パターンの演出時間を調整する。よって、特定遊技状態が発生してから終了するまでの期間は、遊技状況(遊技者の遊技の仕方や、遊技機の個体差に応じた遊技媒体の移動の様子、など)に応じて幅広い範囲を取り得るが、この請求項1記載の遊技機によれば、遊技状況に応じて予測される特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を基に、演出時間の調整対象となる単位演出パターン(一連の演出を構成する複数の単位演出パターンの一部)の演出時間が調整されるので、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できるという効果がある。
また、複数の単位演出パターンのうち、最初の単位演出パターンを除く、少なくとも1の単位演出パターンの演出時間を調整することにより、一連の演出の全体演出時間を調整するので、演出時間の調整対象とする単位演出パターンの数を少なく設定することにより、単位演出パターン間の繋がりに影響を与える可能性を少なくすることができる。よって、一連の演出に不自然さを感じさせることを防止しつつ、特定遊技状態に実行する演出として好適な長さの演出を実行できるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。複数の単位演出パターンのうち、最後の単位演出パターンの演出時間が調整されて、一連の演出の全体演出時間が調整される。よって、単位演出パターン間の繋がりに影響を与えることがないので、一連の演出に不自然さを感じさせることを防止することができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。特定遊技状態において実行される一連の演出のうち、最初の単位演出パターンの実行中に実行される単位遊技期間の実行時間の計測値に基づいて、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期が予測される。よって、単位遊技期間における遊技状況(遊技者の操作癖など)を反映することができ、該終了時期の予測を精度良く行うことができる。その結果、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項3記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。単位遊技期間計測手段により計測された単位遊技期間の実行時間は、該単位遊技期間毎に単位遊技期間記憶手段に記憶される。そして、かかる単位遊技期間記憶手段に記憶されている内容を用いて、最初の単位演出パターンの実行中に実行される複数の単位遊技期間の実行時間に基づいて、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間が平均時間算出手段により算出される。よって、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間(遊技状況)に基づき、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測することが可能となり、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できるという効果がある。また、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を利用して、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測するので、予測精度を向上させることができるという効果がある。また、単位遊技期間の計測によって、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測するので、該時期の予測が容易であるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項4記載の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。異常な計測値を除外することができるので、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期の予測精度を向上させることができるという効果がある。
本発明の第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
第3図柄表示装置の表示画面を説明するための模式図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
各種カウンタの概要を示す図である。
(a)は、大当たり演出の構成を示す模式図であり、1ラウンドあたりの消化時間と、選択演出の演出期間との関係を説明する図である。
大当たり演出の内容を説明する図である。
選択演出決定テーブルの内容を示す模式図である。
主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
図11のメイン処理の中で実行される変動処理を示すフローチャートである。
図12の変動処理の中で実行される保留球格納エリア順送り処理を示すフローチャートである。
図12の変動処理の中で実行される変動開始処理を示すフローチャートである。
図11のメイン処理の中で実行される大当たり処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
図16のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
NMI割込処理を示すフローチャートである。
演出制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
演出制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
図20のメイン処理の中で実行される計測時間更新処理を示すフローチャートである。
図20のメイン処理の中で実行される選択演出決定処理を示すフローチャートである。
図20のメイン処理の中で実行される音声ランプ演出処理を示すフローチャートである。
図20のメイン処理の中で実行される表示演出処理を示すフローチャートである。
演出制御装置内のMPUにより実行されるコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。
図25のコマンド受信割込処理の中で実行されるラウンド設定処理を示すフローチャートである。
図27のラウンド設定処理の中で実行される参照値算出処理を示すフローチャートである。
第2実施形態の大当たり演出の構成を示す模式図である。
第2実施形態の大当たり演出(表示演出)の内容を説明する図である。
第2実施形態の選択演出決定テーブルの内容を示す模式図である。
第2実施形態の選択演出決定処理を示すフローチャートである。
第2実施形態のラウンド設定処理を示すフローチャートである。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、パチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3は、パチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示(変動演出)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ(図示せず)がオンされると共に可変抵抗器(図示せず)の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。なお、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ(図示せず)および打ち止めスイッチ(図示せず)がオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、第2入球口67(スルーゲート)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。なお、この図2は、符号を分かり易くするために、釘や金具などの一部を削除し図示したものである。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が落下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、主に第1図柄を表示するための第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられている。
第1図柄表示装置37における複数のLED37aは、点灯状態によって種々の情報を報知するものである。具体的に、LED37aは、主制御装置110(図3,5参照)でなされる大当たりの抽選結果に応じた第1図柄を点灯状態によって示す。大当たりの抽選結果として、例えば、確変大当たりと、通常大当たりと、外れとの3種類の抽選結果が設けられている場合に、抽選結果が「確変大当たり」であれば、LED37aは、点灯状態によって「確変大当たり」に対応する第1図柄を示す。同様に、LED37aは、大当たりの抽選結果に応じて、「通常大当たり」及び「外れ」にそれぞれ対応する第1図柄を点灯状態によって示す。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの抽選結果として、「確変大当たり」と、「通常大当たり」と、「外れ」との3つの抽選結果が設けられており、第1入球口64への入賞に基づき、「確変大当たり」であるか、「通常大当たり」であるか、「外れ」であるかが抽選されるように構成されている。
そして、かかる抽選の結果が「確変大当たり」であった場合には、第1図柄表示装置37のLED37aが「確変大当たり」に対応する第1図柄を停止図柄として表示した後、大当たり抽選の大当たり確率が通常確率よりアップして特別遊技状態(特定遊技状態)へ移行し易い遊技の状態になると共に、後述する第2図柄の当たり確率が通常確率よりアップして、第1入球口64(図2参照)に付随する電動役物が所定時間だけ開放されて、球が第1入球口64へ入球し易い状態となる。以下では、この状態のことを、確変中(確変状態)と称する。
一方で、大当たり抽選の結果が「通常大当たり」であった場合には、第1図柄表示装置37のLED37aが「通常大当たり」に対応する第1図柄を停止図柄として表示した後、大当たり抽選の大当たり確率は通常確率のままであるが、第2図柄の当たり確率が通常確率よりアップして、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放されて、球が第1入球口64へ入球し易い状態となる。以下では、この状態のことを、時短中(時短状態)と称する。
なお、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物を開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしてもよい。
また、大当たり抽選の結果が「外れ」であった場合には、第1図柄表示装置37のLED37aが「外れ」に対応する第1図柄を停止図柄として表示した後、確変中でも時短中でもない遊技の状態、即ち、大当たり抽選の大当たり確率も第2図柄の当たり確率も通常確率である状態となる。以下では、このような、確変中(確変状態)でも時短中(時短状態)でもない状態を、通常中(通常状態)と称する。
また、LED37aは、パチンコ機10の遊技状態(例えば、確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか、等)を点灯状態により、変動表示中(変動中)であるか否かを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示す。
これらLED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ない数のLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。また、7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞(入球)をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示部83と、第2入球口67(スルーゲート)を通過した球の保留球数を示す第2図柄保留ランプ84とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する演出制御装置117によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている(図4参照)。また、本実施形態では、第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。なお、本実施形態では、第1図柄表示装置37において主制御装置110の制御に伴った遊技状態や、大当たりの抽選結果を示す第1図柄の表示が行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示(変動演出)が、第3図柄表示装置81において行われる。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、大当たりの抽選が開始されてから、第1図柄表示装置37において、各種の停止図柄(例えば、確変大当たりを示す第1図柄、通常大当たりを示す第1図柄、外れを示す第1図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第1図柄表示装置37により示されると共に、特図保留ランプ85の点灯個数においても示される。以後、第1入球口64についての保留回数のことを、特図保留球数Nと称する。なお、特図保留ランプ85は、最大保留回数分の4つ設けられており、第3図柄表示装置81の上方に配設されている。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞が最大4回まで保留されるように構成するが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特図保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37において保留回数を表示するようにしても良い。なお、その場合は、特図保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示部83は、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過する毎に、表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。本実施形態のパチンコ機10は、第2図柄表示部83における変動表示が所定図柄(「○」の図柄)で停止した場合に、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口64へ入球し易い状態となるように構成されている。
球の第2入球口67(スルーゲート)の通過回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第2図柄保留ランプ84において点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67(スルーゲート)についての球の保留回数は、第1入球口64と同様に、最大回数が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ208a(図5参照)がオンとなり、その第1入球口スイッチ208aのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた第1図柄の表示が第1図柄表示装置37のLED37aにより示されると共に、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が、第3図柄表示装置81により示される。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、一般入賞口63へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、異なる数としても良い。例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を20個としても良い。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりであった場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、第1図柄表示装置37のLED37aを大当たりの停止図柄となるように点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(本実施形態では、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図5に示すソレノイド209の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞し易い開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、特別遊技状態は上述した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37のLED37aが大当たりに対応する態様で点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と、演出制御基板(演出制御装置117)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と、発射制御基板(発射制御装置112)と、電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、演出制御装置117、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本実施形態のパチンコ機10における第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための模式図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列(仮想図柄リール)を構成している。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃って停止する変動表示が行われ、その変動表示後(即ち、同一の主図柄が揃って停止した後)に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃って停止する変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃って停止する変動表示が行われる。
本実施形態では、図柄の変動方向は横方向Xとされており、かかる横方向の変動(横スクロール)において、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示され、各図柄列(Z1〜Z3)毎に左・中・右の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。ここで、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
第3図柄表示装置81の表示画面には、5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図4に示すように、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。
第1入球口64へ球が入球(入賞)し、所定の変動方向(本実施形態では横方向X)にスクロールする変動表示が実行された場合、その変動表示は、所定の変動時間後に、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順で停止する。このとき、いずれかの有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせ(本実施形態では、同一の主図柄の組み合わせ)が揃って停止すれば、大当たりが発生し、その大当たり遊技中に大当たり動画(大当たり演出)が表示される。
なお、本実施形態では、変動方向(スクロール方向)を横方向Xとしたが、変動方向は縦方向(即ち、横方向Xと直交する方向)であってもよい。変動方向を縦方向(縦スクロール)とする場合には、有効ラインを、上ライン(図4におけるZ1のライン)、中ライン(図4におけるZ2のライン)、下ライン(図4におけるZ3のライン)、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つとすればよい。そして、縦スクロールの場合には、例えば、左図柄列L1’→右図柄列L3→中図柄列L2の順に変動表示を停止する。
次に、図5を参照して、上述したパチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の構成を示すブロック図である。主制御装置110は、パチンコ機10全体の動作を制御するものであり、払出制御装置111や、演出制御装置117などのサブ制御装置に対して各種コマンドを送信し、サブ制御装置の動作を制御するものである。なお、主制御装置110からサブ制御装置へ送信される各種コマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。なお、サブ制御装置から主制御装置110へ、サブ制御装置の状態を示すコマンドを送信するように構成しても良い。
この主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、後述する各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路とが内蔵されている。
ここで、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられている保留球格納エリアや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等について説明する。図6は、各カウンタの概要を示す模式図である。
保留球格納エリアや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等は、大当たりの判定や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示部83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示部83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新される毎に、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
これらの各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2は、メイン処理(図11参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図16参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに適宜記憶される。なお、各種の制御プログラムの実行に際して、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の各値が参照される場合には、カウンタ用バッファに記憶されている各カウンタの各値がそれぞれ参照される。
保留球格納エリアは、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の値を記憶するためのメモリである。この保留球格納エリアには、球の入賞タイミングで取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶できるように、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有していると共に、変動開始処理(図14参照)において参照される1つの実行エリアとから構成されている。
保留球格納エリアにおける4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を格納するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を格納するためのエリアとが設けられている。なお、本実施形態では、1の保留球格納エリア内の各保留エリアの中に、カウンタC1〜C3の値が格納される3つのエリアを設ける構成としたが、保留球格納エリアを複数設けて、これら3つのエリアを複数の保留球格納エリアに分けて記憶する構成としてもよい。例えば、カウンタC1〜C3の値を格納するための3つのエリアのうちの一部(1又は2つのエリア)を、2つ設けられた保留球格納エリアのうちの一方に設け、残りのエリアを他方の保留球格納エリアに設けるように構成してもよい。
上述した通り、保留球格納エリアには、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶することができるが、複数回のデータを記憶する場合には、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。即ち、エリア番号の小さい保留エリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶される。よって、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
保留球格納エリアにおける実行エリアには、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を格納するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を格納するためのエリアとが設けられている。後述する変動処理(図12参照)において、保留球格納エリアの保留第1エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3の値)が、実行エリアにシフトされて参照され、その参照データに基づいて大当たりの抽選結果が決定される。そして、その抽選結果に対応する変動表示及び停止表示が、第1図柄表示装置37などで行われる。
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成されており(値=0〜738)、タイマ割込処理(図16参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図11参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。本実施形態では、大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時(大当たり確率が通常の状態)と高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)との2種類設定されている。低確率時(大当たり確率が通常の状態)に大当たりとなる乱数の値は2種類で、その値は「373,727」である。一方、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)に大当たりとなる乱数の値は13種類で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。なお、第1当たり乱数カウンタC1の値(乱数値)から、大当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの種別を決定するためのカウンタである。本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2により決定される大当たりの種別として、大当たり終了後に高確率状態となる大当たり(確変大当たり)と、大当たり終了後に低確率状態となる大当たり(通常大当たり)とがあり、球が第1入球口64に入賞したタイミング取得された第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、これら2種類の大当たり種別のうちのいずれかが決定される。
本実施形態において、第1当たり種別カウンタC2は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施形態では、後述する図16のタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。本実施形態では、「大当たり終了後に高確率状態となる大当たり(確変大当たり)」となる乱数の値は「1,2,3」であり、「大当たり終了後に低確率状態となる大当たり(通常大当たり)」となる乱数の値は「0,4」である。この第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、「大当たり終了後に高確率状態となる大当たり」か「大当たり終了後に低確率状態となる大当たり」かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
なお、本実施形態では、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されたデータ(カウンタC1〜C3の値)のうち、第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき「大当たり」と判定され、かつ、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき「大当たり終了後に高確率状態となる大当たり」と判定された場合に、その大当たりが「確変大当たり」となる。一方、第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき「大当たり」と判定され、かつ、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき「大当たり終了後に低確率状態となる大当たり」と判定された場合に、その大当たりが「通常大当たり」となる。
よって、第1当たり乱数カウンタC1の値と第1当たり種別カウンタC2の値とに基づき、2種類の大当たり(確変大当たり、又は通常大当たり)に対応した表示態様と、外れに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つの表示態様が、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様として選択される。
なお、本実施形態における「確変大当たり」は、最大ラウンド数が16ラウンドである大当たりの後、次に大当たり(確変大当たり、又は、通常大当たり)となるまでの間は、第1図柄の大当たり確率が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)へと移行すると共に、第2図柄の当たり確率もアップする大当たり(16ラウンド確変大当たり)である。
また、本実施形態における「通常大当たり」と、最大ラウンド数が16ラウンドである大当たりの後、第1図柄の大当たり確率が低確率状態(大当たり確率が通常の状態)へ移行し、所定の変動回数の間(本実施形態では、100変動回数)だけ、第2図柄の当たり確率のみがアップする大当たり(15R通常大当たり)である。
なお、本実施形態では、「通常大当たり」となった場合には、所定の変動回数の間、第2図柄の当たり確率をアップするように構成するが、これに換えて、次の大当たりの抽選結果が決定されるまで、第2図柄の当たり確率のアップを継続するように構成してもよい。
また、本実施形態では、「確変大当たり」又は「通常大当たり」の最大ラウンド数を16ラウンドとするが、最大ラウンド数は16ラウンドに限らず、種々の値(例えば、7ラウンドや、15ラウンドなど)とすることができる。
また、本実施形態では、「確変大当たり」の最大ラウンドも「通常大当たり」の最大ラウンド数も両方とも16ラウンドとするが、最大ラウンド数が「確変大当たり」と「通常大当たり」とで異なるようにしても良い。例えば、「確変大当たり」の最大ラウンド数を16ラウンドとし、「通常大当たり」の最大ラウンド数を7ラウンドとしても良い。
また、本実施形態では、「確変大当たり」となった場合には、次の大当たりの抽選結果が決定されるまで、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しているが、その代わりに、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)だけ、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しても良い。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止パターン(動的表示の表示結果の態様)が選択される。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。
なお、停止パターン選択カウンタC3の値(乱数値)から、停止パターンを選択するために参照されるテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられており、停止パターンは、このテーブルと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて選択される。なお、かかるテーブルは、1の停止パターンを取り得る停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。これは、パチンコ機10の現在の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留球数N等に応じて、各停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜5と狭くなると共に、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)で、保留球格納エリアに各乱数値が記憶(保留)されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜8であり、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
次に、3つの変動種別カウンタCS1〜CS3のうち、変動種別カウンタCS1,CS2について説明する。一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」とも称することがある。
第1変動種別カウンタCS1は、第3図柄の変動表示(動的表示)のパターン(変動パターン)を選択(選定)するために使用するカウンタである。この第1変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図11参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
本実施形態では、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択可能な変動パターンとして、通常変動、ノーマルリーチ変動、及びスーパーリーチ変動という3種類の変動パターンが設定されている。第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択される各変動パターンは、演出時間(変動時間)が異なるように構成されている。
これらの変動パターンのうち、「通常変動」は、リーチ表示を伴わずにハズレの表示結果を現出する変動パターン(即ち、外れ変動)である。本実施形態では、「通常変動」は、変動時間が11秒の変動パターンとして構成される。
「ノーマルリーチ変動」は、リーチ表示を伴う所謂ノーマルリーチの変動パターンである。本実施形態では、「ノーマルリーチ変動」は、変動時間が20秒の変動パターンとして構成される。
「スーパーリーチ変動」は、リーチが発生してから最終図柄が停止するまでの間に所定の演出が現出するリーチパターンである。本実施形態では、「スーパーリーチ変動」は、変動時間が40秒の変動パターンとして構成される。なお、「スーパーリーチ変動」においてリーチが発生してから最終図柄が停止するまでの間に現出する所定の演出としては、特定のキャラクタを登場させることや、特定の背景表示を行うことや、特定の態様(例えば、図柄が拡大又は縮小されたり、図柄がゆらゆらと揺れたり、など)で図柄が変動されること等が例示される。
第1変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から変動パターンを選択する際には、ROM202に記憶されている第1選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第1選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別(確変大当たり又は通常大当たり)や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止図柄(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各第1選択テーブルにおいて、変動パターンに対する第1変動種別カウンタCS1の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第1選択テーブル毎に、変動パターンの選択確率が異なる。
一方、第2変動種別カウンタCS2は、リーチパターン(本実施形態では、ノーマルリーチ又はスーパーリーチ)において、最終停止図柄以外の図柄が停止してリーチが発生した後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定するためのカウンタである。この第2変動種別カウンタCS2の値は、後述するメイン処理(図11参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
なお、以下の説明では、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて決定される、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を、単に「変動図柄数」と称することがある。即ち、本実施形態では、第2変動種別カウンタCS2の値により、ノーマルリーチにおける、左図柄列Z1の図柄(左図柄)及び右図柄列Z3の図柄(右図柄)が停止してから、中図柄列Z2の図柄(中図柄)が停止するまでの変動図柄数が決定される。
第2変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する際には、ROM202に記憶されている第2選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第2選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別(確変大当たり又は通常大当たり)や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止図柄(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各変動パターン選択テーブルにおいて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数に対する、第2変動種別カウンタCS2の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第2選択テーブルに応じて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数の選択確率が異なる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンの種別を選択し、第2変動種別カウンタCS2の値に基づき、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する。即ち、第1変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定される。つまり、変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動表示の多種多様化を容易に実現できる。
次に、変動種別カウンタCS3について説明する。変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」と称する。
第3変動種別カウンタCS3は、予告演出の演出パターンを選択するためのカウンタである。即ち、本実施形態の第3図柄表示装置81は、第3図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり(所謂「スベリ演出」)、図柄を戻したり(所謂「戻り演出」)、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出を行うことができるので、その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3によって選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算(例えば、+0.5秒、+1秒、+2秒など)する演出パターンや、それとは反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算(例えば、−1秒など)する演出パターンや、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。
即ち、この第3変動種別カウンタCS3の値に基づき、演出時間の加減算値が決定される。第3変動種別カウンタCS3の値に基づき決定された演出時間の加減算値が、変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて決定される変動時間に加減算されることにより、第1図柄又は第3図柄の変動表示の変動時間(即ち、図柄の変動表示が開始されてから、最終停止図柄が停止するまでの変動時間)が決定される。よって、変動種別カウンタCS1,CS2に加え、さらに変動種別カウンタCS3を組み合わせることにより、変動表示をさらに多種多様化できる。
なお、上述した停止パターン選択カウンタC3の場合と同様に、この変動種別カウンタCS3の場合も、変動種別カウンタCS3の値(乱数値)に対して選択される予告演出の演出パターンの範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。即ち、パチンコ機10の現在の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留球数N、等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるテーブルが設けられている。かかるテーブル(図示せず)は、上述した変動種別カウンタCS1,CS2と同様に、ROM202内に設けられている。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、例えば、本実施形態ではタイマ割込処理(図16参照)毎に、定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値は149種類あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
また、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図16参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図11参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
再度、図5に戻って説明する。RAM203は、上述したカウンタやフラグなどの他にも、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図11参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図10参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図18参照)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111と、演出制御装置117と、第1図柄表示装置37と、第2図柄表示装置82と、第2図柄保留ランプ84と、第1入球口スイッチ208aや図示しないスイッチ群又はセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209とが接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
また、RAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。なお、払出制御装置111で実行されるNMI割込処理は、主制御装置110で実行されるNMI割込処理(図18参照)と同様の処理である。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示せず)により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
演出制御装置117は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力設定、特図保留ランプ85におけるランプの点灯数の設定、電飾部29〜33や表示ランプ34などにおけるランプの点灯および消灯の設定、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示や大当たり演出を制御するものである。
演出制御装置117は、MPU271と、画像コントローラ274と、キャラクタROM275と、ビデオRAM276と、入出力ポート277と、出力ポート278と、バスライン279,280とを有している。
演算装置であるMPU271には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン279を介して入出力ポート277が接続されている。入出力ポート277には、主制御装置110と、画像コントローラ274と、音声出力装置226と、電飾部29〜33及び表示ランプ34と、特図保留ランプ85とが接続されている。
画像コントローラ274には、キャラクタROM275、及びビデオRAM276が接続されると共に、バスライン280を介して出力ポート278が接続されている。この出力ポート278の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの当選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、演出制御装置117は共通部品化されコスト低減が図られている。
なお、本実施形態では、音声出力の制御や、各種ランプの点灯および消灯の制御や、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示の制御を一括して演出制御装置117で行うよう構成しているが、各種制御を複数の制御装置で分担して行うように構成しても良い。例えば、音声出力の制御と、各種ランプの点灯および消灯の制御とを専用の制御装置(音声ランプ制御装置)で行い、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示の制御を専用の制御装置(表示制御装置)で行うように構成しても良い。
MPU271は、1チップマイコンとしての演算装置である。MPU271には、MPU271により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM272と、ワークメモリ等として使用されるRAM273などの各種回路とが内蔵されている。
ROM272は、 共通演出メモリ272aと、選択演出決定テーブル272bを格納する領域とを有している。
共通演出メモリ272aは、特別遊技状態中(即ち、大当たり中)に第3図柄表示装置81に表示される大当たり演出における共通演出部分の設定を記憶するためのメモリである。なお、「共通演出」とは、大当たり演出における前半部分を構成する演出パターンである。本実施形態では、「共通演出」の演出期間は130sである。
選択演出決定テーブル272bは、大当たり演出における選択演出部分を決定(選定)するためのテーブルである。なお、「選択演出」とは、大当たり演出における後半部分を構成する演出パターンである。本実施形態では、演出期間の異なる複数の選択演出が選択演出決定テーブル272bに準備されており、遊技状況に応じて、最適な演出期間の選択演出を選択(選定)するよう構成されている。なお、選択演出決定テーブル272bの構成については、図9を参照しつつ後述する。
詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり演出のうち共通演出の演出期間(本実施形態では130s)中に実行される各ラウンドの実行期間を計測し、計測された実行期間に基づき、1ラウンドの消化に要する平均時間を求める。そして、求めた平均時間に基づき、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに要する時間(総残り時間)の予測を行い、予測された総残り時間(共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに要する時間)に対して、最適な演出期間の選択演出を選択演出決定テーブル272bから選択するように構成されている。
演出制御装置117のRAM273は、計測時間メモリ273aと、参照値メモリ273bと、表示R数カウンタ273cと、共通演出時間計測カウンタ273dと、表示R時間計測カウンタ273eと、共通演出時間計測フラグ273fと、表示R時間計測フラグ273gとを有している。
計測時間メモリ273aは、特定遊技状態中(大当たり中)に実行される各ラウンドの実行期間(ラウンド期間)の計測値を、ラウンド数(即ち、表示R数カウンタ273cの値が示すラウンド)に対応付けて記憶するためのメモリである。
参照値メモリ273bは、「参照値」を記憶するためのメモリである。この「参照値」は、表示R時間計測カウンタ273eにより計測されたラウンド期間が、何らかの原因(例えば、遊技者が席を離れる等によって遊技が中断された、等)によって生じた異常な値であるか否かを判定するために使用される値である。
詳細は後述するが、計測時間メモリ273aに記憶されている各ラウンドのラウンド期間の計測値のうち、この参照値メモリ273bに記憶されている値(即ち、参照値)を超える値は、異常な値であるとして、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出するための値から除外される。
この参照値メモリ273bには、パチンコ機10に電源が投入されると、デフォルト値として25sが設定される。その後、特別遊技状態(大当たり)が終了する毎に、その特別遊技状態中の各ラウンドの計測時間に基づいて1ラウンドの消化に要する平均時間を算出し、算出された平均時間に基づき、次回の特別遊技状態において適用される参照値が決定されて、参照値メモリ273bに記憶される。
表示R数カウンタ273cは、特別遊技状態(大当たり)中に実行するラウンド数を管理するためのカウンタである。演出制御装置117が、主制御装置110から特別遊技状態への移行を指示する大当たり移行コマンドを受信すると、今回の特別遊技状態において実行される最大ラウンド数(本実施形態では、16ラウンド)が、表示R数カウンタ273cに設定される。その後、演出制御装置117が、主制御装置110から閉鎖コマンドを受信して1ラウンドが終了する毎に、表示R数カウンタ273cの値は1ずつ減算される。
共通演出時間計測カウンタ273dは、大当たり演出の前半を構成する演出である共通演出部分の演出期間(本実施形態では130s)を計測するためのカウンタである。本実施形態では、大当たり演出は、第1ラウンドの開始時から、最終ラウンド(本実施形態では、第16ラウンド)の終了時まで実行されるように構成されている。そのため、第1ラウンドの開始前に、共通演出部分の演出期間に相当する値が共通演出時間計測カウンタ273dに設定され、第1ラウンドの開始に伴って計測(計時)を開始する。そして、この共通演出時間計測カウンタ273dの値がゼロになったとき、共通演出部分の演出期間が終了したことを示す。
表示R時間計測カウンタ273eは、各ラウンドの期間を計測するためのカウンタである。演出制御装置117が、主制御装置110からラウンドの開始(即ち、特定入賞口65aの開放)を示す開放コマンドを受信すると、表示R時間計測カウンタ273eによる計測がゼロから開始される。そして、主制御装置110からラウンドの終了(即ち、特定入賞口65aの閉鎖)を示す閉鎖コマンドを受信すると、表示R時間計測カウンタ273eによる計測を終了し、そのときの値が、計測対象ラウンドのラウンド期間を示す。
共通演出時間計測フラグ273fは、共通演出時間計測カウンタ273dによる計測の実行中であるか否かを示すフラグであり、この共通演出時間計測フラグ273fがオン(即ち、「1」)であれば、共通演出時間計測カウンタ273dによる計測の実行中であることを示す。
この共通演出時間計測フラグ273fは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM273の初期化処理においてオフ(即ち、「0」)に初期化される。そして、演出制御装置117が、第1ラウンドの開始を示す開放コマンドを主制御装置110から受信すると、共通演出時間計測フラグ273fはオンに設定され、その後、共通演出時間計測フラグ273fは、共通演出時間計測カウンタ273dがゼロになったときにオフに設定される。
表示R時間計測フラグ273gは、表示R時間計測カウンタ273eによる計測の実行中であるか否かを示すフラグであり、この表示R時間計測フラグ273gがオン(即ち、「1」)であれば、表示R時間計測カウンタ273eによる計測の実行中であることを示す。
この表示R時間計測フラグ273gは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM273の初期化処理においてオフ(即ち、「0」)に初期化される。そして、1のラウンドの開始時点及び終了時点にそれぞれオン及びオフされる。具体的に、演出制御装置117が、ラウンドの開始を示す開放コマンドを主制御装置110から受信すると、表示R時間計測フラグ273gはオンに設定され、その後、そのラウンドの終了を示す開放コマンドを主制御装置110から受信すると、表示R時間計測フラグ273gはオフに設定される。
また、RAM273は、MPU271の内部レジスタの内容やMPU271により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更に、RAM273は、各種のメモリ、フラグ、カウンタ等などを有している。
MPU271は、上述したROM272及びRAM273に加え、音声メモリ280を有している。この音声メモリ280は、変動表示(変動演出)や大当たり演出に用いられる音声データや、効果音のデータなどを格納するメモリである。
画像コントローラ274は、キャラクタROM275、ビデオRAM276、入出力ポート277、出力ポート278のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM276に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
キャラクタROM275は、第3図柄表示装置81に表示する図柄(背景図柄や第3図柄や装飾図柄)などの演出用のデータが、圧縮された形式で格納されているメモリである。このキャラクタROM275には、例えば、変動表示(変動演出)や大当たり演出に用いられる演出用の各種データや、第3図柄のキャラクタ図柄や、背景図柄や、予告キャラクタ図柄などが記憶されている。演出用の各種データとしては、通常変動(外れ変動)、ノーマルリーチ変動、の各変動表示に用いるデータ(変動表示データ)などが該当する。なお、本実施形態では、大当たり演出のうち、表示演出は、動画又は静止画のコマ送りによって実行されるよう構成されており、キャラクタROM275には、動画又は静止画のコマ送りを行うためのデータが記憶されている。
キャラクタROM275には、記憶するデータ量を少なくするために、上述したような演出用のデータが圧縮された状態で記憶されている。本実施形態では、演出用のデータは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのデータが、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタROM275に記憶されている。キャラクタROM275に圧縮され記憶されている演出用のデータは、必要なものだけが読み出されて、解凍された後に、ビデオRAM276の所定の領域に書き込まれる。
ビデオRAM276は、第3図柄表示装置81に表示する演出用のデータを、解凍した状態(直ぐに使用可能な状態)で記憶するためのメモリである。ビデオRAM276は、変動表示データ記憶領域(図示せず)を有している。この図示されない変動表示データ記憶領域は、第3図柄表示装置81において変動表示(変動演出)や大当たり演出を行うためのデータを記憶するためのメモリであり、第3図柄表示装置81において各演出が開始されると、この変動演出データ記憶領域に記憶されているデータに対応する画像が時間に応じて第3図柄表示装置81に表示される。
なお、各種データをキャラクタROM275から読み出し、変動演出データ記憶領域に記憶するのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためである。例えば、演出データをキャラクタROM275から読み出しながら第3図柄表示装置(LCD)81に表示する構成にすると、読み出すデータ量が大きい場合には読み出しに時間を有し、スムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができない場合があるからである。また、RAMに記憶する方が、表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるからでもある。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図18参照)を正常に実行し、電源断の発生情報をRAM203及びRAM213に記憶して完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図7及び図8を参照して、本実施形態のパチンコ機10において実行される大当たり演出について説明する。図7(a)は、本実施形態のパチンコ機10において実行される大当たり演出の構成を示す模式図である。
本実施形態の大当たり演出は、表示演出及び音声演出ともに、開始から終了まで一連の演出として構成されている。即ち、本実施形態の表示演出及び表示演出は、特別遊技状態(大当たり)中におけるラウンド間のインターバルの期間に中断することなく一連の演出として実行されるように構成されている。
図7(a)に示すように、本実施形態の大当たり演出は、該大当たり演出の開始から実行される共通演出と、その共通演出に引き続いて実行される選択演出とから構成される。共通演出は、どの大当たり演出においても共通して実行される演出であり、その演出期間は130sとされている。
なお、この共通演出の演出期間(本実施形態では、130s)は、所定数Rのラウンドのラウンド期間が、各ラウンドを消化するのに要する最長期間(本実施形態では、30s)で実行される場合よりも長い期間であることが好ましい。その理由としては、1のラウンドを消化するのに要する平均時間の算出に使用する計測値(ラウンド期間の計測値)の数を少なくとも所定数Rだけ確保することができるからである。
一方、選択演出は、演出期間が28sである選択演出1から、演出期間が172sである選択演出10まで、10種類の選択演出が準備されており、これら10種類の選択演出の中から、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに要する時間(総残り時間)の予測値に応じたものが選択(選定)される。即ち、選択演出の演出期間は可変である。
図7(b)は、特別遊技状態(大当たり)において、1ラウンドあたりの消化時間(即ち、ラウンド期間)と、選択演出の演出期間との関係を説明する図である。ところで、球の発射間隔は一般的に0.6s程度であるので、ラウンドの終了条件の1つである10個の球が特定入賞口65aに入球するには、最低6sが必要であるので、1ラウンドの消化時間は最低6s程度要する。
本実施形態では、大当たり演出は、第1ラウンドの開始時から、最終ラウンド(本実施形態では、第16ラウンド)の終了時まで実行されるように構成されているので、1ラウンドあたりの消化時間が6〜8sである場合、ラウンド間のインターバル期間(本実施形態では、2s)を含め、大当たり演出期間は、126〜158sとなる。よって、共通演出の演出期間は130sであることから、1ラウンドあたりの消化時間が8s以下である場合の選択演出期間は、最大で28sとなる。本実施形態では、演出期間が28sである選択演出を選択演出1(表示選択演出1、音声選択演出1)として準備している。
同様に、1ラウンドあたりの消化時間が9s、10s、11s、12s、13s、14s、15s、及び16sである場合の選択演出期間は、それぞれ、44s、60s、76s、92s、108s、124s、140s、及び156sである。本実施形態では、演出期間が44s、60s、76s、92s、108s、124s、140s、及び156sである選択演出を、それぞれ、選択演出2〜9として準備している。
1ラウンドあたりの消化時間が16sより長い場合についても、選択演出1〜9と同様に、1s単位で選択演出を準備することもできるが、その分、キャラクタROM275や音声メモリ280に記憶するデータ量が増えるため、本実施形態では、1ラウンドあたりの消化時間が16sより長い場合には、選択演出の演出期間を一律172sとしている。そして、演出期間が172sである選択演出を選択演出10(表示選択演出10、音声選択演出10)として準備している。
図8は、大当たり演出の内容を説明する図である。まず、図8(a)及び(b)を参照して、第3図柄表示装置81に表示される大当たり演出の内容について説明する。図8(a)は、第3図柄表示装置81に表示される大当たり演出のうち、共通演出(以下、「表示共通演出」と称する。)の内容を示す図であり、図8(b)は、第3図柄表示装置81に表示される大当たり演出のうち、選択演出(以下、「表示選択演出」と称する。)の内容を示す図である。
図8(a)に示すように、演出期間(表示期間)が130sである表示共通演出は、20s間の「冒険出発」部分と、それに続く110s間の「海底探索」部分とから構成される。なお、表示共通演出における「海底探索」部分では、第3図柄のリーチ演出中に登場すると大当たりへの期待感が高まる(所謂「アツい」)キャラクタであるメインキャラを含む、メインキャラ1〜メインキャラ18までが登場するように設定されている。表示共通演出は、大当たり演出時に必ず実行される演出であるので、かかる表示共通演出の中で、リーチ演出中には登場する確率の低いアツいキャラクタを含むメインキャラを登場させることにより、遊技者に大当たり演出を堪能させることができる。
図8(b)に示すように、表示選択演出1〜10のうち、演出期間(表示期間)が28sである表示選択演出1だけは、28s間の「エンディング」部分から構成され、それ以外の表示選択演出2〜10は、種々の演出期間の「ジャングル探索」部分と、28s間の「エンディング」部分とから構成される。即ち、表示選択演出2〜10の演出期間の相違は、「ジャングル探索」部分の演出期間に応じたものとなる。
具体的に、演出期間が44sである表示選択演出2の「ジャングル探索」部分は、第3図柄のリーチ演出中に登場するサブキャラのうち、サブキャラ17,18が登場する16s間の演出として構成される。また、演出期間が60sである表示選択演出3の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ15〜18が登場する32s間の演出として構成される。
同様に、演出期間が76sである表示選択演出4の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ13〜18が登場する48s間の演出として構成され、演出期間が92sである表示選択演出5の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ11〜18が登場する64s間の演出として構成さる、演出期間が108sである表示選択演出6の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ9〜18が登場する80s間の演出として構成される。
また、表示選択演出7(124s)、表示選択演出8(140s)、表示演出選択演出9(156s)、及び表示選択演出10(172s)の「ジャングル探索」部分は、それぞれ、サブキャラ7〜18が登場する96s間の演出、サブキャラ5〜18が登場する112s間の演出、サブキャラ3〜18が登場する128s間の演出、及びサブキャラ1〜18が登場する144s間の演出として構成される。
なお、上述した表示共通演出及び表示選択演出1〜10において登場する「冒険出発」部分、「海底探索」部分、「ジャングル探索」部分、及び「エンディング」部分のデータは、キャラクタROM275に記憶されている。また、「海底探索」部分に登場するメインキャラ1〜18、及び「ジャングル探索」部分に登場するサブキャラ1〜18のデータも、キャラクタROM275に記憶されている。
次に、図8(c)及び(d)を参照して、音声出力装置226から音声として出力される大当たり演出の内容について説明する。図8(c)は、音声出力装置226から出力される大当たり演出のうち、共通演出(以下、「音声共通演出」と称する。)の内容を示す図であり、図8(d)は、音声出力装置226から出力される大当たり演出のうち、選択演出(以下、「音声選択演出」と称する。)の内容を示す図である。
図8(c)に示すように、演出期間(演奏期間)が130sである音声共通演出は、20s間の「前奏」と、それに続く110s間の「1番」とから構成される。なお、音声共通演出における「1番」は、Aメロ(20s)とBメロ(8s)とCメロ(24s)とDメロ(8s)とサビA(50s)とが、この順序で演奏される構成である。
図8(d)に示すように、音声選択演出1〜10は、種々の演出期間(演奏期間)の「2番」と、8s間の「エンディング」とから構成される。即ち、音声選択演出1〜10の演出期間の相違は、「2番」の演出期間に応じたものとなる。
具体的に、演出期間が28sである音声選択演出1の「2番」は、20s間のAメロから構成される。また、演出期間が44sである音声選択演出2の「2番」は、20s間のAメロと、8s間のBメロと、8s間のDメロとから構成され、演出期間が60sである音声選択演出3の「2番」は、20s間のAメロと、8s間のBメロと、24s間のCメロとから構成される。
同様に、演出期間が76sである音声選択演出4の「2番」は、20s間のAメロと、8s間のBメロと、40s間のサビBとから構成され、演出期間が92sである音声選択演出5の「2番」は、20s間のAメロと、24s間のCメロと、40s間のサビBとから構成され、演出期間が108sである音声選択演出6の「2番」は、20s間のAメロと、8s間のBメロと、24s間のCメロと、8s間のDメロと、40s間のサビBとから構成される。
また、演出期間が124sである音声選択演出7の「2番」は、20s間のAメロと、56s間のギターと、40s間のサビBとから構成され、演出期間が140sである音声選択演出8の「2番」は、20s間のAメロと、8s間のBメロと、8s間のDメロと、56s間のギターと、40s間のサビBとから構成される。また、演出期間が156sである音声選択演出9の「2番」は、20s間のAメロと、8s間のBメロと、24s間のCメロと、56s間のギターと、40s間のサビBとから構成され、演出期間が172sである音声選択演出10の「2番」は、20s間のAメロと、8s間のBメロと、24s間のCメロと、56s間のギターと、8s間のBメロと、40s間のサビBとから構成される。
なお、上述した表示共通演出及び表示選択演出1〜10において登場する「前奏」、「Aメロ」、「Bメロ」、「Cメロ」、「Dメロ」、「Aサビ」、「Bサビ」、「ギター」、「エンディング」のデータは、音声メモリ280に記憶されている。
次に、図9を参照して、複数の選択演出(表示選択演出1〜10、音声選択演出1〜10)の中から、1の選択演出を選択する方法について説明する。図9は、大当たり演出における選択演出部分を決定(選定)するためのテーブルである選択演出決定テーブル272b(図5参照)の内容を示す模式図である。
図9に示すように、選択演出決定テーブル272bは、共通演出期間中に計測された各ラウンドの実行期間(ラウンド期間)に基づいて算出された、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに要する時間(総残り時間)の予測値と、表示選択演出及び音声選択演出とが対応付けられている。
具体的に、総残り時間の予測値tが44s未満である場合に対して、表示選択演出1(28s)及び音声選択演出1(28s)が対応付けられている。また、総残り時間の予測値tが44s以上かつ60s未満である場合に対して、表示選択演出2(44s)及び音声選択演出2(44s)が対応付けられており、総残り時間の予測値tが60s以上かつ76s未満である場合に対して、表示選択演出3(60s)及び音声選択演出3(60s)が対応付けられている。
同様に、総残り時間の予測値tが76s以上かつ92s未満である場合に対して、表示選択演出4(76s)及び音声選択演出4(76s)が対応付けられており、総残り時間の予測値tが92s以上かつ108s未満である場合に対して、表示選択演出5(92s)及び音声選択演出5(92s)が対応付けられている。
また、総残り時間の予測値tが108s以上かつ124s未満である場合に対して、表示選択演出6(108s)及び音声選択演出6(108s)が対応付けられており、総残り時間の予測値tが124s以上かつ140s未満である場合に対して、表示選択演出7(124s)及び音声選択演出7(124s)が対応付けられている。
また、総残り時間の予測値tが140s以上かつ156s未満である場合に対して、表示選択演出8(140s)及び音声選択演出8(140s)が対応付けられており、総残り時間の予測値tが156s以上かつ172s未満である場合に対して、表示選択演出9(156s)及び音声選択演出9(156s)が対応付けられている。さらに、総残り時間の予測値tが172s以上である場合に対しては、表示選択演出10(172s)及び音声選択演出10(172s)が対応付けられている。
このように、本実施形態では、表示選択演出1〜9及び音声選択演出1〜9については、予測された総残り時間(即ち、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに要する時間)より短い演出期間の選択演出(表示選択演出、音声選択演出)が選択されるように構成されている。よって、選択された選択演出は、大当たり演出の終了以前に終了させることが可能であり、選択演出を大当たり終了前に終了させる(即ち、大当たり演出を大当たり終了前に終了させる)ことにより、遊技者に大当たり演出の全てを見せることができる。従って、大当たり演出が途中で途切れて見ることができなくなった部分に対し、遊技者が不満を抱き、遊技意欲が低下することを防止することができる。
次に、図10から図18のフローチャートを参照して、上記構成を有するパチンコ機10における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されNMI割込処理とに大別される。
まず、図10を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図10は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(演出制御装置117、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、図11のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理(S112,S113)の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図11を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)や、外部出力端子板260を介してホールコンピュータ600へ送信(出力)する(S201)。この外部出力処理(S201)により、例えば、S501のスイッチ読み込み処理(図16参照)によって検出された入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理(S201)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、種別コマンド、停止コマンド、演出時間加減算コマンド等を演出制御装置117に送信したり、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
S201の処理後、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図12を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり処理を実行する(S205)。具体的には、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aの開放し、その後、予め規定されている時間(本実施形態では、30秒)が経過するか、特定入賞口65aに所定数(本実施形態では、10個)の球が入球した場合に、特定入賞口65aを閉鎖する処理を、所定ラウンド数(本実施形態では、16ラウンド)繰り返し実行する処理である。なお、大当たり処理の詳細は図15を参照して後述する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2、CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図15参照)が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や演出制御装置117等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図12を参照して、変動処理(S204)について説明する。図12は、メイン処理(図11参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、RAM203内に設けられている特図保留球カウンタ(図示せず)の値、即ち、特図保留球数Nを取得する(S303)。S303の処理後、特図保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S304)。特図保留球数Nが0であれば(S304:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特図保留球数N>0であれば(S304:Yes)、特図保留球数N(即ち、特図保留球カウンタの値)を1減算し(S304)、RAM203に設けられている保留球格納エリア(図示せず)の保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる保留球格納エリア順送り処理を実行する(S305)。なお、保留球格納エリア順送り処理(S305)で実行される詳細な処理については、図13を参照して後述する。
保留球格納エリア順送り処理(S305)の実行後、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行し(S306)、変動処理(S204)を終了する。なお、変動開始処理(S306)で実行される詳細な処理については、図14を参照して後述する。
一方、S302の処理により確認した結果、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、RAM203に設けられた特図制御タイマ(図示せず)を参照して変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。なお、特図制御タイマ(図示せず)は、変動開始から変動終了までの時間を管理するタイマである。なお、第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された演出時間の加減算値とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
ここで、第1図柄表示装置37の停止表示にて表示される停止図柄は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かの停止図柄が決定される。さらに、大当たりの停止図柄については、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、大当たり後に高確率状態となる場合(即ち、確変大当たり)の停止図柄と、大当たり後に低確率状態となる場合(即ち、通常大当たり)の停止図柄とに区別される。例えば、確変大当たりであれば、停止図柄として青色のLEDを点灯させ、第2の確変大当たりであれば、停止図柄として赤色のLEDを点灯させる。一方で、抽選結果(第1当たり乱数カウンタC1の値)が外れである場合には停止図柄として、赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
なお、変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示を終了(停止)するために、停止表示の設定を行い(S309)、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドを設定し(S310)、RAM203に設けられた大当たり開始フラグ(図示せず)をオンして(S311)、変動処理(S204)を終了し、メイン処理(図9参照)へ戻る。演出制御装置117は、S310において設定された停止コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において実行中の1の変動表示を終了させる。
次に、図13を参照して、上述した保留球格納エリア順送り処理(S305)について説明する。図13は、変動処理(図12参照)の中で実行される保留球格納エリア順送り処理(S305)を示すフローチャートである。
この保留球格納エリア順送り処理(S305)では、まず、保留球格納エリアの保留第1エリアに記憶されている各データ(第1当たり乱数カウンタの値、第1当たり種別カウンタの値、及び停止パターン選択カウンタの値)を、実行エリアへシフトする(S351)。
次に、保留第2エリア〜保留第4エリアに記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリアへシフトする(S352)。なお、本実施形態では、第2〜第4保留エリアのうち、データが記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行う。よって、データが記憶(保留)されていない保留エリアについては、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
また、データの有無に関わらず、第2〜第4保留エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2〜第4保留エリアにデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
次に、特図保留球カウンタの値(特図保留球数N)を1減算し(S353)、減算した後の特図保留球カウンタの値を示す保留数コマンドを設定する(S354)。このS354の処理により設定された保留数コマンドは、メイン処理(図11参照)において次回に実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された保留数コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプが特図保留ランプ85において点灯される。
次に、特図保留球カウンタの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S355)、保留球格納エリア順送り処理(S305)を終了し、変動処理(図12参照)へ戻る。
次に、図14を参照して、上述した変動開始処理(S306)について説明する。図14は、変動処理(図12参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示すフローチャートである。
変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。
なお、本実施形態では、通常の確率(低確率)時には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「310」又は「608」であれば、S401の処理により大当たりと判別される。一方、高確率時には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,63,90,127,154,188,210,250,278,305,343,375,400,426,471,509,535,568,598,618」のうちのいずれかであれば、S401の処理により大当たりと判別される。
S401の処理により大当たりであると判別された場合には(S401:Yes)、第1図柄表示装置37に表示する大当たり時の表示態様(LED37aの点灯状態)を設定する(S402)。具体的に、S402では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づき大当たり種別(即ち、大当たり時の停止図柄)を決定した後、決定された大当たり種別に応じた表示態様が第1図柄表示装置37に表示されるように設定を行う。なお、本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2の値が「1,2,3」である場合の大当たり種別は「確変大当たり」であり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0,4」である場合の、大当たり種別は「通常大当たり」である。
S402の処理後、第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別と、RAM203内のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づき、大当たり時の変動パターンを決定する(S403)。
即ち、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、ノーマルリーチ変動(20秒間)、スーパーリーチ変動(40秒間)の中から、大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。このS403の処理による変動パターンの決定によって、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
なお、上述の変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか、又は、2つの変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決めるように構成しても良い。
一方で、S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、第1図柄表示装置37に表示する外れ時の表示態様(LED37aの点灯状態)を設定する(S408)。具体的に、S408では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づき、外れ時の停止図柄(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、又は完全外れ)を決定した後、決定された停止図柄に応じた表示態様が第1図柄表示装置37に表示されるように設定を行う。
S408の処理後、停止パターン選択カウンタC3の値が示す外れ時の停止図柄と、RAM203内のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づき、外れ時の変動パターンを決定する(S409)。
即ち、上記したS403の処理と同様に、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ変動(11秒間)、ノーマルリーチ変動(20秒間)、スーパーリーチ変動(40秒間)の中から、大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2(中図柄))が停止するまでの変動時間を決定する。このS409の処理による変動パターンの決定によって、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
なお、S408の処理において、外れ時の表示態様として「前後外れリーチ」又は「前後外れ以外リーチ」が設定された場合には、S409の処理によって必ずリーチ変動(ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動)が決定されるように、テーブルが予め設定されている。
S403又はS409の処理後、これらの処理により決定された変動時間に加減算される演出時間(演出時間の加減算値)を決定する(S404)。このとき、RAM203内のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに記憶されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて加減算される演出時間が決定される。
S404の処理後、S403又はS409の処理により決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターンコマンドを設定し(S405)、次いで、S402又はS408の処理で設定された表示態様(即ち、停止図柄)に応じた種別コマンドを設定する。(S408)。その後、S404の処理で決定された演出時間の加減算値に応じた演出時間加減算コマンドを設定し(S407)、この変動開始処理(S306)を終了し、変動処理(図10参照)へ戻る。
上述した通り、保留球格納エリア順送り処理(図13参照)の中で、「保留数コマンド」が設定された後、変動開始処理(図14参照)の中で、「変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加減算コマンド」の順で、コマンドが設定される。メイン処理(図11参照)における外部出力処理(S201)では、コマンドが設定された順番に各コマンドが出力されるので、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を開始する際には、「保留数コマンド」、「変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加減算コマンド」の順でコマンドが演出制御装置117に出力される。
次に、図15を参照して、上述した大当たり処理(S205)について説明する。図15は、メイン処理(図11参照)の中で実行される大当たり処理(S205)を示すフローチャートである。
図15に示すように、大当たり処理(S205)では、まず、変動処理(図12参照)におけるS301の処理と同様に大当たり中であるかを判別し(S421)、大当たり中でなければ(S421:No)、大当たりの開始時であるか、即ち、大当たり開始フラグ(図示せず)がオンであるかを判別する(S422)。S422の処理による判別の結果、大当たり開始フラグがオフ、即ち、大当たりの開始時でなければ(S322:No)、大当たり処理(S205)を終了する。
一方、S422の処理による判別の結果、大当たり開始フラグがオン、即ち、大当たりの開始時であれば(S422:Yes)、大当たり開始フラグをオフし(S423)、大当たりオープニングを設定する(S424)。S424の処理では、大当たりオープニングの演出期間が、RAM203内に設けられている大当たり制御タイマ(図示せず)に設定される。
S424の処理後、大当たり移行コマンドを設定する(S425)。S425の処理により大当たり移行コマンドが設定されると、メイン処理(図11参照)の外部出力処理(S201)により、設定された大当たり移行コマンドが、演出制御装置117に出力される。そして、大当たり移行コマンドを受信した演出制御装置117は、大当たりオープニングの演出を開始(第3図柄表示装置81に表示)する。
S425の処理後、大当たり制御タイマ(図示せず)が特定入賞口65aの開放タイミングを示すかを判別する(S426)。また、S421の処理による判別の結果、大当たり中である場合(S421:Yes)も、S426の処理へ移行し、特定入賞口65aの開放タイミングであるか判別する。
S426の処理による判別の結果、特定入賞口65aの開放タイミングであれば(S426:Yes)、ラウンドを開始させるために開放時設定処理を実行する(S427)。具体的に、開放時設定処理(S427)では、大開放口ソレノイド(ソレノイド209の一部)をオン(励磁)して、特定入賞口65aを開放すると共に、特定入賞口65aの最大開放期間(本実施形態では、30s)を大当たり制御タイマ(図示せず)に設定する。
開放時設定処理(S427)の実行後、開放コマンドを設定する(S428)。S428の処理により開放コマンドが設定されると、メイン処理(図11参照)の外部出力処理(S201)により、設定された開放コマンドが、演出制御装置117に出力される。そして、演出制御装置117は、かかる開放コマンドの受信により、ラウンドの開始を認識し、ラウンド中における表示や出力音声を制御するために必要な各設定を実行する。
S428の処理後、大当たり制御タイマ(図示せず)が特定入賞口65aの閉鎖タイミングを示すかを判別する(S429)。また、S426の処理による判別の結果、特定入賞口65aの開放タイミングでない場合(S426:No)も、S429の処理へ移行し、特定入賞口65aの閉鎖タイミングであるか判別する。
S429の処理による判別の結果、特定入賞口65aの閉鎖タイミングであれば(S429:Yes)、ラウンドを終了させるために閉鎖時設定処理を実行する(S430)。具体的に、閉鎖時設定処理(S430)では、大開放口ソレノイドをオフして、特定入賞口65aを閉鎖すると共に、実行中のラウンドが最終ラウンド以外の場合には、次のラウンド(即ち、次回の特定入賞口65aの開放)までのインターバル期間(本実施形態では、2s)を大当たり制御タイマ(図示せず)に設定する。
閉鎖時設定処理(S427)の実行後、閉鎖コマンドを設定する(S431)。S431の処理により閉鎖コマンドが設定されると、メイン処理(図11参照)の外部出力処理(S201)により、設定された閉鎖コマンドが、演出制御装置117に出力される。そして、演出制御装置117は、かかる閉鎖コマンドの受信により、ラウンドの終了を認識し、ラウンド終了後の表示や出力音声を制御するために必要な各設定を実行する。
一方、S429の処理による判別の結果、特定入賞口65aの閉鎖タイミングでない場合には(S429:No)、特定入賞口65aの開放後に、所定数(本実施形態では、10個)の球が特定入賞口65aに入球したかを判別する(S435)。
S435の処理による判別の結果、特定入賞口65aの開放後に、所定数の球が特定入賞口65aに入球した場合には(S435:Yes)、ラウンドの終了条件が成立したので、S430の処理へ移行し、閉鎖時設定処理を実行する(S430)。一方、特定入賞口65aに所定数の球が未だ入球していなければ(S435:No)、大当たり処理(S205)を終了する。
S431の処理後、大当たりの終了時であるか、即ち、最終ラウンド(本実施形態では、第16ラウンド)の終了時であるかを判別する(S432)。S432の処理による判別の結果、大当たりの終了時でなければ(S432:No)、大当たり処理(S205)を終了する。
一方で、S432の処理による判別の結果、大当たりの終了時であれば(S432:Yes)、大当たりエンディングを設定する(S433)。S433の処理では、大当たりエンディングの演出期間が、大当たり制御タイマ(図示せず)に設定される。
S433の処理後、エンディングコマンドを設定し(S434)、大当たり処理(S205)を終了する。S434の処理によりエンディングコマンドが設定されると、メイン処理(図11参照)の外部出力処理(S201)により、設定されたエンディングコマンドが、演出制御装置117に出力される。そして、エンディングコマンドを受信した演出制御装置117は、大当たりエンディングの演出を開始(第3図柄表示装置81に表示)する。
図16は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では、それぞれ、619,15,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、始動入賞処理については、図17を参照して後述する。また、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示せず)により検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ(図示せず)が操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図17のフローチャートを参照して、上述した始動入賞処理(S504)を説明する。図17は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の特図保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。
このとき、第1入球口64への入賞があり、且つ特図保留球数N<4であれば(S602:Yes)、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S603)。
次に、特図保留球カウンタ(図示せず)の値、即ち、特図保留球数Nに1加算し(S604)、加算した後の特図保留球数カウンタの値を示す保留数コマンドを設定する(S605)。S605の処理により設定された保留数コマンドは、メイン処理(図11参照)の中で実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。保留数コマンドを受信した演出制御装置117は、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプを特図保留ランプ85において点灯する。
次に、特図保留球カウンタの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S606)、始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図16参照)へ戻る。
一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特図保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図16参照)へ戻る。
図18は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される処理であり、このNMI割込処理の実行により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
次に、図19から図27を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU271の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、主制御装置110から送信された各種コマンドを受信する毎に実行されるコマンド受信割込処理とに大別される。
図19は、演出制御装置117内のMPU271により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、演出制御装置117の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU271がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定を行う(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源投入報知処理を実行する(S1002)。この電源投入報知処理(S1002)は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などにより行われる。
電源投入報知処理(S1002)の実行後は、第3図柄表示装置81に初期画面を表示するために、まず、初期画面に応じた演出データ(又は、画像データ)を、キャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に記憶する(S1003)。そして、その演出データを使用して、初期画面を第3図柄表示装置(LCD)81に表示する(S1004)。
次に、今回の立ち上げ処理が、後述する電源断処理(図20のS1110参照)の実行途中で、MPU271がリセットされたために実行されたものであるのかを、RAM273内に設けられている電源断処理中フラグ(図示せず)がオンされているか否かによって判定する(S1005)。
上述した通り、瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)が発生すると、主制御装置110は、演出制御装置117などに対して電源断コマンドを送信する。詳細については図20を参照しつつ後述するが、演出制御装置117は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると、電源断コマンドを受信したことを示す電源断の発生情報をRAM273に記憶し、電源断処理(図20のS1110参照)を実行する。電源断処理中フラグは、この電源断処理の前にオンされ、電源断処理の終了後にオフされる。
つまり、電源断処理の実行途中で、MPU271がリセットされたか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。なお、電源断処理の実行途中に、または、実行完了した後に電源が完全に遮断された場合には、RAM273のデータが喪失するので、かかる場合には、電源断処理中フラグはオフとなる。
より具体的には、電源断処理中フラグがオフである場合は、次の3つの状態のいずれかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合である。第1の状態としては、電源が完全に遮断された状態である。電源が完全に遮断されると、RAM273のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
第2の状態としては、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図20のS1110参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理が完了した後に、MPU271がリセットされた状態である。この場合、電源が遮断されなかったため、RAM273のデータは喪失せずに保持される。また、電源断処理が完了するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
第3の状態としては、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた状態である。つまり、電源断処理が実行されることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、MPU271がリセットされると、電源断処理中フラグがオフのまま、RAM273のデータが保持される。
上述した3つの状態のいずれかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合、即ち、電源断フラグがオフの場合は(S1005:No)、RAM273のデータが破壊されているか否かを確認する(S1006)。なお、ここでデータが破壊されているか否かを確認しているのは、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合に、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して演出制御装置117の制御を継続できるからである。
RAM273のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM273の特定の領域には、後述するS1009の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM273のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM273のデータ破壊を確認することができる。RAM273のデータ破壊が確認されれば(S1006:Yes)、S1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。一方、RAM273のデータ破壊が確認されなければ(S1006:No)、S1010の処理へ移行する。
より具体的には、電源が完全に遮断された後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM273の記憶は喪失するから)、RAM273のデータ破壊と判断され(S1006:Yes)、S1007の処理へ移行する。一方、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図20のS1110参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行が完了した後にMPU271がリセットされて、今回の立ち上げ処理が開始されたか、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM273のデータは正常と判断されて(S1006:No)、S1010の処理へ移行する。
S1005の処理において、電源断処理中フラグがオンである場合は(S1005:Yes)、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図20のS1110参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中でMPU271がリセットされた場合である。この場合は、現在のRAM273の記憶状態が必ずしも正しいとは言えない。よって、かかる場合には制御を継続することが困難であるので、処理をS1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。
S1007の処理では、RAM273の全範囲の記憶領域をチェックし(S1007)、そのチェック結果に基づいてRAM273が正常であるか否かを判別する(S1008)。なお、S1007で行うチェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM273の読み書きチェックにより、RAM273のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM273のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出された場合には、RAM273に異常があると判別し(S1008:No)、RAM273の異常を報知して(S1014)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM273の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM273の異常報知を行うようにしても良い。また、第3図柄表示装置81の画面において、RAM273の異常を報知するように構成しても良い。
一方、RAM273のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常であれば、RAM273は正常であると判別し(S1008:Yes)、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1009)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM273にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
S1109の処理後、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1010)。電源断フラグは、電源断処理(図20のS1110参照)が実行される前にオンされ、電源が完全に遮断されるとオフとなる。よって、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオンである場合とは、瞬間的な停電が発生したため電源断処理が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中に、または、実行完了してMPU271がリセットされた場合である。
よって、S1010の処理により確認した結果、電源断フラグがオンである場合には(S1010:Yes)、演出制御装置117の各処理を初期化するためにRAM273の作業エリア(作業領域)をクリアし(S1011)、RAM273の初期値を設定した後(S1012)、割込み許可を設定して(S1013)、メイン処理へ移行する。なお、S1012でRAM273の初期値を設定する際には、参照値メモリ273bには、デフォルト値である25sが参照値として設定される。
一方、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオフである場合とは、例えば、電源が完全に遮断された後に、再度電源が投入された場合(電源断フラグのデータを含むRAM273のデータが喪失している場合)、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、電源断フラグがオンされることなく(即ち、主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、RAM273のデータが保持されている場合である。
よって、S1010の処理により確認した結果、電源断フラグがオフされている場合には(S1010:No)、RAM273の作業エリアのクリア処理であるS1011をスキップして、処理をS1012へ移行し、RAM273の初期値を設定した後(S1012)、割込み許可を設定して(S1013)、メイン処理へ移行する。
なお、電源断フラグがオフされている場合にS1011のクリア処理をスキップするのは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、演出制御装置117の制御を継続できるからである。また、S1007〜S1009の処理が実行された場合には、S1007の処理によって、RAM273のすべての記憶領域は既にクリアされているので、再度、RAM273の作業エリアをクリアする必要がないからである。
次に、図20を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図20は、演出制御装置117内のMPU271により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、遊技の演出(音声出力や表示など)に関する制御を実行するための処理であり、上述した演出制御装置117の立ち上げ処理(図19参照)の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
メイン処理では、まず、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1101の処理が実行されてから)、1ms以上が経過したか否かを判定し(S1101)、前回の判定が実行されてから1ms以上経過している場合には(S1101:Yes)、共通演出時間計測カウンタ273d及び表示R計測カウンタ273eの値を更新する計測時間更新処理を実行する(S1102)。なお、この計測時間更新処理(S1102)の詳細については、図21を参照して後述する。
計測時間更新処理(S1102)の処理後、特別遊技状態(大当たり)中に実行する選択演出を決定する選択演出決定処理を実行する(S1103)。なお、この選択演出決定処理(S1103)の詳細については、図22を参照して後述する。
選択演出決定処理(S1103)の処理後、各種ランプの点灯制御や音声出力制御などを実行する処理である音声ランプ演出処理を実行し(S1104)、S1105の処理へ移行する。なお、この音声ランプ演出処理(S1102)の詳細については、図23を参照して後述する。
一方、S1101の処理による判定の結果、前回の判定から未だ1msが経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1104の処理をスキップして、S1105の処理へ移行する。なお、S1101の処理によって前回の判定が実行されてから1ms経過していない場合に、音声ランプ演出処理(S1104)の処理をスキップするのは、音声ランプ演出処理(S1104)の中で実行されるランプの点灯制御や音声出力制御を1msより短い周期で実行する必要がないからである。
S1105の処理では、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1105の処理が実行されてから)、20ms以上が経過したか否かを判定する(S1105)。このとき、前回の判定が実行されてから20ms以上経過している場合には(S1105:Yes)、変動演出に応じた動画(画像)や大当たり演出に応じた動画(画像)を第3図柄表示装置(LCD)81に表示させるための処理である表示演出処理を実行し(S1106)、S1107の処理へ移行する。なお、この表示演出処理(S1106)の詳細については、図24を参照して後述する。
一方、S1105の処理による判定の結果、前回の判定が実行されてから未だ20msが経過していなければ(S1105:No)、S1106の処理をスキップして、S1107の処理へ移行する。なお、S1105の処理によって前回の判定が実行されてから20ms経過していない場合に表示演出処理(S1106)の処理をスキップするのは、この表示演出処理が、第3図柄表示装置(LCD)81に表示させる画像を変動時間に応じて更新する処理であるので、かかる処理を20msより短い周期で実行する必要がないからである。
S1107の処理では、RAM273に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判定する(S1107)。なお、電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1107の処理により、電源断の発生情報が記憶されていると判定された場合には(S1107:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1109)、電源断処理を実行する(S1110)。電源断処理(S1110)の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1111)、その後、処理を、無限ループする。
S1110の電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226、電飾部29〜33、表示ランプ34、及び、第3図柄表示装置81への出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。なお、各出力ポートをオフするのは、異常な表示や、異常な音声出力が行われることを防止するためであり、異常な表示や、異常な音声出力によって、遊技者を困惑させないようにするためである。
一方、S1107の処理による判定の結果、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1107:No)、立ち上げ処理(図19参照)のS1009の処理によってRAM273に記憶されたキーワード「55AAh」に基づき、RAM273が破壊されているか否かを判別し(S1108)、RAM273が破壊されていなければ(S1108:No)、S1101の処理へ戻り、上述したS1101〜S1108の各処理を繰り返し実行する。
一方、S1108の処理により、RAM273が破壊されると判定された場合には(S1108:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて処理が無限ループとされたことにより、表示演出処理(S1106)が実行されなくなるため、その後は、第3図柄表示装置81の表示が変化されない。これにより、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。なお、RAM273が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などによりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図21を参照して、上述した計測時間更新処理(S1102)について説明する。図21は、演出制御装置117のメイン処理(図20参照)の中で実行される計測時間更新処理(S1102)を示すフローチャートである。
計測時間更新処理(S1102)では、まず、共通演出時間計測フラグ273fがオンであるかを判別する(S1201)。このとき、共通演出時間計測フラグ273fがオンであれば(S1201:Yes)、共通演出時間計測カウンタ273dによる計測の実行中である。よって、かかる場合には、共通演出時間計測カウンタ273dの値から1減算し(S1202)、S1203の処理へ移行する。
一方、共通演出時間計測フラグ273fがオフであれば(S1201:No)、共通演出時間計測カウンタ273dによる計測は行われていない。よって、かかる場合には、S1202の処理をスキップして、S1203の処理へ移行する。
S1203の処理では、表示R時間計測フラグ273gがオンであるかを判別する(S1203)。S1203の処理による判別の結果、表示R時間計測フラグ273gがオンであれば(S1203:Yes)、表示R時間計測カウンタ273eによる計測中であるので、表示R時間計測カウンタ273eの値に1加算する(S1204)。S1204の処理後、計測時間更新処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、S1203の処理による判別の結果、表示R時間計測フラグ273gがオフであれば(S1203:No)、表示R時間計測カウンタ273eによる計測中ではないので、S1204の処理をスキップして、計測時間更新処理を終了し、メイン処理へ戻る。
次に、図22を参照して、上述した選択演出決定処理(S1103)について説明する。図22は、演出制御装置117のメイン処理(図20参照)の中で実行される選択演出決定処理(S1103)を示すフローチャートである。
選択演出決定処理(S1103)では、まず、共通演出時間計測フラグ273fがオンであるかを判別する(S1221)。このとき、共通演出時間計測フラグ273fがオフであれば(S1221:No)、共通演出時間計測カウンタ273dによる計測が行われていないので、かかる場合には、選択演出決定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、S1221の処理による判別の結果、共通演出時間計測フラグ273fがオンであれば(S1221:Yes)、共通演出時間計測カウンタ273dが0であるかを判別する(S1222)。
S1222の処理による判別の結果、共通演出時間計測カウンタ273dが0でなければ(S1222:No)、選択演出の決定を行うタイミングではないので、かかる場合には、選択演出決定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、S1222の処理による判別の結果、共通演出時間計測カウンタ273dが0であれば(S1222:Yes)、共通演出時間計測フラグ273fをオフし(S1223)、計測時間メモリ273aに記憶されている各ラウンドに対する計測値(計測されたラウンド期間)のうち、第1ラウンドの値と、参照値メモリ273bに記憶されている参照値を超える値とを除いた各値を抽出する(S1224)。次いで、抽出した値の平均値を、1ラウンドの消化に要する平均時間として算出する(S1225)。
このように、本実施形態では、共通演出の期間中に計測された各ラウンドの計測値から、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出する際には、遊技者の打ち出し遅れなどの原因によってラウンド期間が長くなる傾向にある第1ラウンドの値と、平均時間を算出するのに有意といえる値の限界(即ち、参照値)を超える計測値を除いて平均時間の算出を行う。よって、1ラウンドの消化に要する平均時間を実際の遊技に対して精度良く得ることができる。
S1225の処理後、共通演出の演出期間(本実施形態では、130s)から、計測時間メモリに記憶されている各値の和(即ち、共通演出期間中に終了した各ラウンドのラウンド期間の合計)を減算し、現在のラウンドの実行時間を算出する(S1226)。
次いで、S1225において算出した1ラウンドの消化に要する平均時間(以下、単に「平均時間」と称する。)から、S1226において算出した現在のラウンドの実行時間を減算して、現在のラウンドの残り時間を予測(推定)する(S1227)。
S1227の処理後、表示R数カウンタ273cの値に基づき、現在のラウンド以降のラウンド数(以下、「残りR数」と称する。)を取得する(S1228)。次いで、S1228において算出した残りR数と、S1225において算出した平均時間とを積算して、残りラウンドによる残り時間を予測する(S1229)。
S1229の処理後、S1227において予測した現在のラウンドの残り時間と、S1229の処理により予測した残りラウンドによる残り時間とを加算して、全ラウンド終了までの残りラウンド時間を予測する(S1230)。
S1230の処理後、S1228において取得した残りR数と、インターバル期間(本実施形態では、2s)とを積算して、全ラウンド終了までに実行される残りのインターバル期間を算出する(S1231)。
S1231の処理後、S1230において予測した残りラウンド時間と、S1231において取得した残りのインターバル期間とを加算して、全ラウンド終了(即ち、大当たり演出終了)までの総残り時間を予測する(S1232)。
S1232の処理後、選択演出決定テーブル272b(図9)を参照し、予測される総残り時間に応じた表示選択演出及び音声選択演出を決定する(S1233)。その後、決定した表示選択演出及び音声選択演出を設定し(S1234)、選択演出決定処理を終了し、メイン処理に戻る。
S1233及びS1234の処理の結果、遊技状況(例えば、遊技者の遊技の仕方や、パチンコ機10の個体差など)に応じて予測される総残り時間に対して、好適な演出期間の選択演出(表示選択演出及び音声選択演出)が、共通演出(表示共通演出及び音声共通演出)に引き続いて表示又は音声出力される。
次に、図23を参照して、上述した音声ランプ演出処理(S1104)について説明する。図23は、演出制御装置117のメイン処理(図20参照)の中で実行される音声ランプ演出処理(S1104)を示すフローチャートである。
音声ランプ演出処理(S1104)では、まず、後述するS1245の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプ(例えば、電飾部29〜33や、表示ランプ34など)の出力を設定する(S1241)。
S1241の処理後、客待ち演出処理(S1242)を実行し、保留個数表示更新処理を実行する(S1243)。客待ち演出処理(S1242)では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などを行う。また、保留個数表示更新処理(S1243)では、主制御装置110から受信した保留数コマンドに基づいて、特図保留ランプ85の点灯数が更新される。
次いで、枠ボタン入力監視・演出処理を実行する(S1244)。この枠ボタン入力監視・演出処理(S1244)では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、パチンコ機に枠ボタン22が配設されていない場合には、S1244の処理を省略することができる。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1244)の実行後は、ランプ編集処理を実行し(S1245)、音編集・出力処理を実行する(S1246)。ランプ編集処理(S1245)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンや、表示ランプ34などを設定する。音編集・出力処理(S1246)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどを設定し、その設定に応じて音声出力装置226から音を出力させる。
S1206の処理後、変動時液晶演出実行管理処理を実行し(S1247)、大当たり時液晶演出実行管理処理を実行し(S1248)、音声ランプ演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
変動時液晶演出実行管理処理(S1247)では、主制御装置110から送信されて受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間を設定する。大当たり時液晶演出実行管理処理(S1248)では、第3図柄表示装置81で行われる大当たり演出に対応する音声演出(音声共通演出、及び、選択演出決定処理(図22参照)により決定された音声選択演出)に要する時間と同期した時間を設定する。これらの変動時液晶演出実行管理処理(S1247)及び大当たり時液晶演出実行管理処理(S1248)で設定された時間に基づいてS1245のランプ編集処理やS1246の音編集・出力処理を実行する。
次に、図24を参照して、上述した表示演出処理(S1106)について説明する。図24は、演出制御装置117のメイン処理(図20参照)の中で実行される表示演出処理(S1106)を示すフローチャートである。
表示演出処理(S1106)では、まず、第3図柄表示装置81で実行されている変動演出が大当たり用の演出であるか(即ち、大当たり中であるか)否かを判別し(S1221)、大当たり中であれば(S1261:Yes)、大当たり演出処理を実行する(S1268)。この大当たり演出処理では、第3図柄表示装置81で行われる大当たり演出(表示共通演出、及び、選択演出決定処理(図22参照)により決定された表示選択演出)に応じた演出データをキャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に書き込むことにより、該大当たり演出の画像の更新を行う。大当たり演出処理(S1268)の終了後は、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1261の処理において、大当たり中でなければ(S1261:No)、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示の実行中であるか(即ち、変動中であるか)否かを判定する(S1262)。このとき、変動中でない場合は(S1262:No)、RAM273内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)がオンであるかを判定する(S1263)。
なお、図示されない変動開始フラグは、第3図柄の変動表示の開始を指示するフラグであり、S1263において変動開始フラグがオンであると判定された場合に、第3図柄の変動表示が開始される。この変動開始フラグは、主制御装置110から送信されてくる変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定され(図25参照)、第3図柄の変動表示を開始する際にオフに設定される。
S1263の処理による判定の結果、変動開始フラグがオフであれば(S1263:No)、その他の表示処理を実行する(S1270)。なお、その他の表示処理では、例えば、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に実行する客待ち演出などの表示処理である。その他表示処理(S1270)の実行後は、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1263の処理による判定の結果、変動開始フラグがオンであれば(S1263:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1264)、RAM273内に設けられている変動時間カウンタ(図示せず)に初期値を設定する(S1265)。なお、図示されない変動時間カウンタは、第3図柄の変動表示が開始されてからの経過時間を計時するためのカウンタである。なお、S1265において変動時間カウンタに設定される初期値は、変動パターンコマンドが示す変動パターンの変動時間と、演出時間加減算コマンドが示す演出時間の加減算値とから得られる時間である。
S1265の処理後、変動時間カウンタの値が0より大きいか否か、即ち、変動時間内であるか否かを判定する(S1227)。一方、S1262の処理による判定の結果、第3図柄の変動表示の実行中(変動中)である場合は(S1262:Yes)、変動時間カウンタの値から1減算して(S1269)、S1266の処理へ移行し、変動時間内であるか否かの判定を行う。
S1266の処理による判定の結果、変動時間内であれば(S1266:Yes)、図柄の変動表示を実行する(S1267)。具体的に、S1267の処理では、ビデオRAM276の変動演出データ記憶領域(図示せず)に記憶されている変動演出データを使用して、第3図柄表示装置(LCD)81に、変動演出データ(高速変動などの変動演出)に対応する画像を表示する。S1267の処理後、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方で、S1266の処理による判定の結果、変動時間カウンタの値が0、即ち、変動時間が終了している場合には(S1266:No)、主制御装置110から受信した種別コマンドに基づいて設定された停止図柄を第3図柄表示装置(LCD)81に表示し(S1271)、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
次に、図25を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行されるコマンド受信割込処理について説明する。図25は、コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信するための処理であり、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信する毎に実行される割込処理である。
コマンド受信割込処理では、まず、大当たり移行コマンドを受信したか否かを判定する(S1301)。このとき、大当たり移行コマンドを受信していない場合には(S1301:No)、S1302の処理へ移行する。
一方、大当たり移行コマンドを受信した場合には(S1301:Yes)、表示R数カウンタ273cに最大ラウンド数(本実施形態では、16ラウンド)を設定し(S1306)、大当たり状態に移行したことや特定入賞口65aの開放回数(即ち、ラウンド数)等を報知するための演出である大当たりオープニングを設定する処理を実行する(S1307)。S1307の処理後、S1302の処理へ移行する。
S1302の処理では、開放コマンドを受信したか否かを判定する(S1302)。S1302の処理による判定の結果、開放コマンドを受信していない場合には(S1302:No)、閉鎖コマンドを受信したか否かを判定する(S1303)。S1303の処理による判定の結果、閉鎖コマンドを受信していない場合には(S1303:No)、S1304の処理へ移行する。
ここで、開放コマンドを受信した場合(S1302:Yes)、又は、閉鎖コマンドを受信した場合(S1303:Yes)には、ラウンドの開始又は終了に関わる設定を行うラウンド設定処理を実行し(S1308)、S1304の処理へ移行する。なお、このラウンド設定処理(S1308)の詳細については、図26を参照して後述する。
S1304の処理では、変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1304)。このとき、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1304:No)、S1305の処理へ移行する。
一方、変動パターンコマンドを受信した場合には(S1304:Yes)、RAM203内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)をオンし(S1309)、第3図柄表示装置81において変動演出を開始するために必要な変動演出データの設定を行う変動演出設定処理を実行し(S1310)、S1305の処理へ移行する。
S1305の処理では、その他のコマンドを受信したかを判定する(S1305)。このとき、その他のコマンドを受信していない場合には(S1305:No)、このコマンド受信割込処理を終了する。
一方、その他のコマンドを受信した場合は(S1305:Yes)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1311)、このコマンド受信割込処理を終了する。なお、その他のコマンドの応じた処理(S1311)としては、例えば、種別コマンドを受信した場合に、停止図柄の設定を行うことや、演出時間加減算コマンドを受信した場合に、演出時間の加減算値に応じた予告演出(例えば、スベリ演出や戻り演出など)の決定を行うことや、エンディングコマンドを受信した場合に、大当たり状態が終了すること等を報知するための演出である大当たりエンディングを設定すること、などがある。
次に、図26を参照して、上述したラウンド設定処理(S1308)について説明する。図26は、開放コマンド又は閉鎖コマンドを受信した場合に、上述したコマンド受信割込処理(図25参照)の中で実行されるラウンド設定処理(S1308)を示すフローチャートである。
ラウンド設定処理(S1308)では、まず、受信コマンドが開放コマンドであるかを判定し(S1401)、開放コマンドであれば(S1401:Yes)、表示R数カウンタ273cの値が最大値(本実施形態では、16)であるかを判定する(S1402)。
S1402の処理による判定の結果、表示R数カウンタ273cの値が最大値であれば(S1402:Yes)、受信した開放コマンドは、第1ラウンドの開始を示すものである。よって、かかる場合には、表示共通演出を設定し(S1403)、音声共通演出を設定する(S1404)。S1403及びS1404の処理の結果、共通演出(表示共通演出及び音声共通演出)の実行(表示又は音声出力)開始により、大当たり演出が開始される。
S1404の処理後、共通演出時間計測カウンタ273dに、共通演出の演出期間(本実施形態では、130s)に対応する初期値を設定する(S1405)。本実施形態では、共通演出時間計測カウンタ273dは、1ms毎に更新される(図21参照)ので、「130000」が初期値として設定される。
S1405の処理後、共通演出時間計測フラグ273fをオンする(S1406)。S1406の処理により、共通演出時間計測フラグ273fがオンされたことにより、共通演出時間計測カウンタ273dによる共通演出の演出期間の計測が開始される。
S1406の処理後、表示R時間計測カウンタ273eを0クリアし(S1407)、表示R時間計測フラグ273gをオンする(S1408)。S1407及びS1408の処理の結果、各ラウンドのラウンド期間の計測が開始される。
S1408の処理後、今回のラウンド数を報知(表示及び音声出力)するための設定を行い(S1409)、ラウンド設定処理を終了して、コマンド受信割込処理へ戻る。
一方、S1402の処理による判定の結果、表示R数カウンタ273cの値が最大値でなければ(S1402:No)、受信した開放コマンドは、第2ラウンド以降の開始を示すものであるので、かかる場合には、S1403〜S1406の処理をスキップして、S1407の処理へ移行する。
また、S1401の処理による判定の結果、受信コマンドが開放コマンドでなければ(S1401:No)、受信コマンドは、ラウンドの終了を示す閉鎖コマンドである。よって、かかる場合には、表示R時間計測フラグ273gをオフし(S1410)、表示R計測カウンタ273eの値が示す時間を、表示R数カウンタ273cの値(即ち、今回終了したラウンドのラウンド数を示す値)に対応付けて、計測時間メモリ273aに記憶する(S1411)。
S1411の処理後、表示R数カウンタ273cの値から1減算し(S1412)、表示R数カウンタ273cの値が0となったかを判定する(S1413)。S1413の処理による判定の結果、表示R数カウンタ273cの値が未だ0でなければ(S1413:No)、次のラウンドが存在するので、次回のラウンド数を報知(表示及び音声出力)するための設定を行い(S1414)、ラウンド設定処理を終了して、コマンド受信割込処理へ戻る。
一方、S1413の処理による判定の結果、表示R数カウンタ273cの値が0である場合(S1413:Yes)、最終ラウンドが終了(即ち、大当たり演出が終了)したことを示すので、次回に実行される大当たり演出において使用する参照値を算出する参照値算出処理を実行し(S1415)、ラウンド設定処理を終了して、コマンド受信割込処理へ戻る。
ここで、図27を参照して、上述した参照値算出処理(S1414)について説明する。図27は、上述したラウンド設定処理(図26参照)の中で実行される参照値算出処理(S1414)を示すフローチャートである。
参照値算出処理(S1414)では、まず、計測時間メモリ273aに記憶されている第1〜第16ラウンドまでの各ラウンドに対する計測値(計測されたラウンド期間)のうち、第1ラウンドの値と、参照値メモリ273bに記憶されている参照値を超える値とを除いた各値を抽出し(S1421)、抽出した値の平均値を、1ラウンドの消化に要する平均時間として算出する(S1422)。
このように、本実施形態では、特別遊技状態(大当たり)に実行される各ラウンドの計測値から、遊技者の打ち出し遅れなどの原因によってラウンド期間が長くなる傾向にある第1ラウンドの値と、平均時間を算出するのに有意といえる値の限界(即ち、参照値)を超える計測値を除き、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出する。よって、1ラウンドの消化に要する平均時間を実際の遊技に対して精度良く得ることができる。
S1422の処理後、算出した1ラウンドの消化に要する平均時間に、所定時間(例えば、10s)を加算して、次回の大当たり演出において使用する参照値を算出し(S1423)、算出した参照値を参照値メモリ273bに記憶する(S1424)。S1424の処理後、計測時間メモリ273aをクリアし(S1425)、参照値算出処理を終了して、ラウンド設定処理に戻る。
以上説明した通り、第1実施形態のパチンコ機10によれば、1の特別遊技状態に実行される一連の演出である大当たり演出のうち、前半に実行される共通演出の演出期間中の遊技状況(具体的には、該共通演出の演出期間中に実行される各ラウンドのラウンド期間の計測値)に基づいて、共通演出の終了後から大当たり演出が終了するまで(即ち、最終ラウンドが終了するまで)の期間を予測し、その予測に応じた選択演出を選択するように構成されているので、終了時期にばらつきが生じ易い特別遊技状態中に好適な長さで大当たり演出を実行することができる。
共通演出の終了後から大当たり演出が終了するまでの期間の予測材料とする遊技状況を、大当たり演出が実行されるときと同じ状態(即ち、特別遊技状態)において検出するので、同じ条件下(即ち、特別遊技状態)での遊技者の操作癖などを反映させることができる。よって、共通演出の終了後から大当たり演出が終了するまでの期間の予測を精度良く行うことができるので、好適な長さの選択演出を選択することができ、結果として、大当たり演出を好適な長さで実行することができる。
また、本実施形態では、共通演出の演出期間内で実行される複数のラウンドの各々について、ラウンド期間(即ち、各ラウンドの開始から終了までの期間)を計測し、計測されたラウンド期間に基づき、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間を算出し、算出された平均時間に基づいて、共通演出の終了後から大当たり演出が終了するまでの期間を予測する。よって、各ラウンドのラウンド期間の計測は容易であると共に、複数のラウンド期間から、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間を算出することにより、共通演出の終了後から大当たり演出が終了するまでの期間の予測の精度を高めることができる。
また、共通演出の演出期間の開始から終了に亘って(即ち、取り得る最大の期間に亘って)、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間を算出するために使用するラウンド期間の計測を行うので、計測値の数を最大限に確保することができる。よって、共通演出の終了後から大当たり演出が終了するまでの期間の予測の精度をより高めることができ、結果として、大当たり演出をより好適な長さで実行することができる。
また、1の特別遊技状態において実行された各ラウンドに対して計測されたラウンド期間に基づき、次回の特別遊技状態において使用する参照値を算出するので、遊技者による球の打ち出し方や、パチンコ機10の個体差に応じた球の移動の様子などの遊技状況が反映された値を参照値として設定することができ、共通演出の終了後から大当たり演出が終了するまでの期間の予測の精度を高めることができる。
次に、図28から図32を参照して、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、表示演出及び表示演出は、両方とも、特別遊技状態(大当たり)中におけるラウンド間のインターバルの期間に中断することなく実行される構成であった。
これに対し、この第2実施形態では、表示演出は、特別遊技状態中におけるラウンド間のインターバルの期間に中断されるように構成されている。一方、音声演出は、特別遊技状態中におけるラウンド間のインターバルの期間に中断することなく一連の演出として実行される。なお、第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図28(a)は、第2実施形態の大当たり演出における表示演出の構成を示す模式図であり、図28(a)は、第2実施形態の大当たり演出における音声演出の構成を示す模式図である。
図28(a)に示すように、第2実施形態の表示演出は、大当たり演出の開始から実行される共通演出と、その共通演出に引き続いて実行される選択演出とから構成される。第2実施形態の表示演出は、ラウンド間のインターバルの期間に中断されるので、その分、演出期間が短い。
第2実施形態の表示演出における共通演出の演出期間は、120sであり、可変である選択演出の演出期間は、8sから152sまでの10種類の表示選択演出(表示選択演出1〜10)の中から、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに実行されるラウンドの実行期間(残りラウンド時間)の予測値に応じた1の表示選択演出が選択(選定)される。なお、本実施形態では、ラウンド間のインターバルは2秒であるので、16ラウンドにおけるインターバルの合計期間(即ち、表示演出が中断される合計期間)は、30sである。
一方、第2実施形態の表示演出は、特別遊技状態中におけるラウンド間のインターバルの期間に中断することなく一連の演出として実行されるので、演出期間が130sである共通演出と、演出期間が28sから172sまでの10種類の音声選択演出(表示選択演出1〜10)の中から表示選択演出と同様に選択される1の音声選択演出とから構成される。
図29は、第2実施形態の大当たり演出(表示演出)の内容を説明する図であり、図29(a)は、表示演出における共通演出(表示共通演出)の内容を示す図であり、図29(b)は、表示演出における選択演出(表示選択演出)の内容を示す図である。なお、第2実施形態の音声演出の内容は、音声共通演出及び音声選択演出ともに、第1実施形態と同様である。即ち、図8(c)及び図8(d)に示す内容と同様である。
図29(a)に示すように、演出期間(表示期間)が120sである表示共通演出は、20s間の「冒険出発」部分と、それに続く100s間の「海底探索」部分とから構成される。この「海底探索」部分では、第1実施形態と同様に、メインキャラ1〜メインキャラ18までが登場するように設定されている。
図29(b)に示すように、表示選択演出1〜10のうち、演出期間(表示期間)が8sである表示選択演出1だけは、8s間の「エンディング」部分から構成され、それ以外の表示選択演出2〜10は、種々の演出期間の「ジャングル探索」部分と、8s間の「エンディング」部分とから構成される。即ち、表示選択演出2〜10の演出期間の相違は、「ジャングル探索」部分の演出期間に応じたものとなる。
具体的に、演出期間が24sである表示選択演出2の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ17,18が登場する16s間の演出として構成される。また、演出期間が40sである表示選択演出3の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ15〜18が登場する32s間の演出として構成される。
同様に、演出期間が56sである表示選択演出4の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ13〜18が登場する48s間の演出として構成され、演出期間が72sである表示選択演出5の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ11〜18が登場する64s間の演出として構成さる、演出期間が88sである表示選択演出6の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ9〜18が登場する80s間の演出として構成される。
また、表示選択演出7(104s)、表示選択演出8(120s)、表示演出選択演出9(136s)、及び表示選択演出10(152s)の「ジャングル探索」部分は、それぞれ、サブキャラ7〜18が登場する96s間の演出、サブキャラ5〜18が登場する112s間の演出、サブキャラ3〜18が登場する128s間の演出、及びサブキャラ1〜18が登場する144s間の演出として構成される。
なお、上述した表示共通演出及び表示選択演出1〜10において登場する「冒険出発」部分、「海底探索」部分、「ジャングル探索」部分、及び「エンディング」部分のデータは、キャラクタROM275に記憶されている。また、「海底探索」部分に登場するメインキャラ1〜18、及び「ジャングル探索」部分に登場するサブキャラ1〜18のデータも、キャラクタROM275に記憶されている。
次に、図30を参照して、第2実施形態の選択演出決定テーブル272bについて説明する。図30は、第2実施形態の選択演出決定テーブル272bの内容を示す模式図である。
この第2実施形態の選択演出決定テーブルは、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに実行されるラウンドの実行期間(残りラウンド時間)の予測値と、表示選択演出及び音声選択演出とが対応付けられている。
具体的に、残りラウンド時間の予測値tが24s未満である場合に対して、表示選択演出1(8s)及び音声選択演出1(28s)が対応付けられている。また、残りラウンド時間の予測値tが24s以上かつ40s未満である場合に対して、表示選択演出2(24s)及び音声選択演出2(44s)が対応付けられており、残りラウンド時間の予測値tが40s以上かつ56s未満である場合に対して、表示選択演出3(40s)及び音声選択演出3(60s)が対応付けられている。
同様に、残りラウンド時間の予測値tが56s以上かつ72s未満である場合に対して、表示選択演出4(56s)及び音声選択演出4(76s)が対応付けられており、残りラウンド時間の予測値tが72s以上かつ88s未満である場合に対して、表示選択演出5(72s)及び音声選択演出5(92s)が対応付けられている。
また、残りラウンド時間の予測値tが88s以上かつ104s未満である場合に対して、表示選択演出6(88s)及び音声選択演出6(108s)が対応付けられており、残りラウンド時間の予測値tが104s以上かつ120s未満である場合に対して、表示選択演出7(104s)及び音声選択演出7(124s)が対応付けられている。
また、残りラウンド時間の予測値tが120s以上かつ136s未満である場合に対して、表示選択演出8(120s)及び音声選択演出8(140s)が対応付けられており、残りラウンド時間の予測値tが136s以上かつ152s未満である場合に対して、表示選択演出9(136s)及び音声選択演出9(156s)が対応付けられている。さらに、残りラウンド時間の予測値tが152s以上である場合に対しては、表示選択演出10(152s)及び音声選択演出10(172s)が対応付けられている。
このように、第2実施形態では、表示選択演出1〜9及び音声選択演出1〜9については、予測された残りラウンド時間(即ち、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに実行されるラウンドの実行期間)より短い演出期間の表示選択演出が選択されると共に、その表示選択演出の演出期間に対応する演出期間の音声選択演出が選択されるように構成されている。よって、この第2実施形態の場合も、上述した第1実施形態の場合と同様に、選択された表示選択演出及び音声選択演出は、大当たり演出の終了以前に終了させることが可能であるので、遊技者に大当たり演出の全てを見せることができる。従って、大当たり演出が途中で途切れて見ることができなくなった部分に対し、遊技者が不満を抱き、遊技意欲が低下することを防止することができる。
この第2実施形態では、選択演出決定処理(S1103)及びラウンド設定処理(S1308)が、それぞれ、第1実施形態で実行された選択演出決定処理(図22参照)及びラウンド設定処理(図26参照)と相違する。
ここで、図31を参照して、第2実施形態の選択演出決定処理(S1103)について説明する。図31は、第2実施形態のパチンコ機10の演出制御装置117内のMPU271により実行される選択演出決定処理(S1103)を示すフローチャートである。
図31に示すように、第2実施形態の選択演出決定処理では、第1実施形態と同様にS1221〜S1230の処理を実行した後、選択演出決定テーブル272b(図30)を参照し、S1230において予測した残りラウンド時間に応じた表示選択演出及び音声選択演出を決定し(S1235)、決定した表示選択演出及び音声選択演出を設定する(S1234)。そして、選択演出決定処理を終了し、メイン処理(図20参照)に戻る。
次に、図32を参照して、第2実施形態のラウンド設定処理(S1308)について説明する。図32は、第2実施形態のパチンコ機10の演出制御装置117内のMPU271により実行されるラウンド設定処理(S1308)を示すフローチャートである。
図32に示すように、第2実施形態のラウンド設定処理では、S1401及びS1402の処理により、第1ラウンドの開始を示す開放コマンドを受信したと判定された場合に(S1401:Yes,S1402:Yes)、表示共通演出及び音声共通演出を設定し(S1403,S1404)、共通演出時間計測カウンタ273dに、表示共通演出の演出期間(本実施形態では、120s)に対応する初期値を設定する(S1416)。本実施形態では、共通演出時間計測カウンタ273dは、1ms毎に更新される(図21参照)ので、「120000」が初期値として設定される。
S1416の処理後、共通演出時間計測フラグ273fをオンする(S1406)。S1406の処理により、共通演出時間計測フラグ273fがオンされたことにより、共通演出時間計測カウンタ273dによる表示共通演出の演出期間の計測が開始される。
S1406の処理後、表示R時間計測カウンタ273eを0クリアし(S1407)、表示R時間計測フラグ273gをオンする(S1408)。S1407及びS1408の処理の結果、各ラウンドのラウンド期間の計測が開始される。次いで、第1実施形態と同様にS1409の処理を実行した後、ラウンド設定処理を終了して、コマンド受信割込処理へ戻る。
一方、S1402の処理による判定の結果、表示R数カウンタ273cの値が最大値でなく、第2ラウンド以降の開始を示す開放コマンドを受信した場合には(S1402:No)、S1403,S1404,S1416の処理をスキップして、S1406の処理へ移行する。
また、S1401の処理による判定の結果、受信コマンドが、ラウンドの終了を示す閉鎖コマンドである場合には(S1401:No)、表示共通演出の演出期間の計測を中断するために、共通演出時間計測フラグ273をオフする(S1417)。
S1417の処理後、表示R時間計測フラグ273gをオフし(S1410)、表示R計測カウンタ273eの値が示す時間を、表示R数カウンタ273cの値に対応付けて、計測時間メモリ273aに記憶する(S1411)。
S1411の処理後、表示R数カウンタ273cの値から1減算し(S1412)、減算後の表示R数カウンタ273cの値が0でなければ(S1413:No)、第1実施形態と同様にS1414の処理を実行した後、ラウンド設定処理を終了して、コマンド受信割込処理へ戻る。
一方、減算後の表示R数カウンタ273cの値が0である場合には(S1413:Yes)、参照値算出処理を実行した後(S1415)、ラウンド設定処理を終了して、コマンド受信割込処理へ戻る。
以上説明した通り、第2実施形態のパチンコ機10によれば、1の特別遊技状態に実行される一連の演出である大当たり演出のうち、前半に実行される共通演出の演出期間中に実行される各ラウンドのラウンド期間の計測値に基づき、1ラウンドを消化するのに要する平均時間を求め、その平均時間に基づいて、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに実行されるラウンドの実行期間(残りラウンド時間)を予測し、予測した残りラウンド時間に応じた選択演出を選択するように構成されている。よって、ラウンド間のインターバルの期間に中断される表示演出において、ラウンド毎に時間調整を行うことなく、ラウンド期間のばらつきを吸収できるので、大当たり演出全体としての一連の演出に不自然さを感じさせることを防止できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態では、大当たり演出を、特別遊技状態(大当たり)の全期間ではなく、第1ラウンドの開始から最終ラウンドの終了まで実行される演出としたが、大当たりオープニングの開始から、大当たりエンディングの終了まで実行される演出としてもよい。かかる場合には、上記実施形態で説明した共通演出の前に大当たりオープニングを実行する演出を共通演出とすると共に、上記実施形態で説明した各選択演出の後に大当たりエンディングを実行する演出を選択演出とすればよい。
また、上記第1実施形態では、特別遊技状態中の遊技状況(具体的に、1ラウンドを消化するのに要する平均時間)に基づいて、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに要する時間(総残り時間)を予測する構成としたが、1ラウンドを消化するのに要する平均時間に基づいて遊技状態の終了時期を予測し、大当たりエンディングの実行期間などを除くことによって総残り時間を予測する構成としてもよい。
同様に、上記第2実施形態では、特別遊技状態中の遊技状況(具体的に、1ラウンドを消化するのに要する平均時間)に基づいて、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに実行されるラウンドの実行期間(残りラウンド時間)を予測する構成としたが、1ラウンドを消化するのに要する平均時間に基づいて遊技状態の終了時期を予測し、大当たりエンディングの実行期間及び残りのインターバル期間などを除くことによって総残り時間を予測する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、特別遊技状態中の遊技状況(具体的に、1ラウンドを消化するのに要する平均時間)に基づいて選択演出を選択(選定)する構成としたが、特別遊技状態でなく、通常状態の遊技状況に基づいて選択演出を選択する構成としてもよい。
例えば、特定入賞口65aの開放時に特定入賞口65aに入賞すると推定可能な位置(例えば、遊技盤13上における特定入賞口65aの開口部の上方側の位置や、特定入賞口65aの開閉板の前面側など)にセンサを設け、通常遊技中(即ち、特定入賞口65aが閉鎖されている状態)、センサによって単位時間あたりに検出される球の数を測定し、その結果から、1ラウンドを消化するのに要する時間を算出するようにしてもよい。あるいは、特定入賞口65aの開放時に特定入賞口65aに入賞しないと推定可能な位置(例えば、内レール61及び円弧部材70に沿った位置)にセンサを設け、通常遊技中、センサによって検出される単位時間あたりの球数に基づき、その単位時間あたりの球の検出数と球の発射数とから、1ラウンドを消化するのに要する時間を算出するようにしてもよい。
また、特定入賞口65aへの単位時間あたりの入賞数(入球数)を遊技状況として取得し、その遊技状況に基づいて特別遊技状態(より詳細には、大当たり演出の実行期間)の終了時期を予測する構成としてもよい。例えば、特定入賞口65aの開放期間が一定期間に構成されている場合に、1回の開放期間内に該特定入賞口65aに入賞した数から、単位時間当たりの入賞数を求めることができる。また、一定期間(例えば、1分間)における特定入賞口65aへの入賞数を計測し、その計測値から単位時間当たりの入賞数を求めることができる。あるいは、特定入賞口65aへ入賞する球の時間間隔を計測することにより、単位時間当たりの入賞数を求めることもできる。
また、上記各実施形態では、1の大当たり演出を、1の共通演出(前半の演出)と、1の選択演出(後半の演出)との2単位の演出から構成したが、1の大当たり演出を、3単位以上の演出(例えば、最初に実行される第1演出と、第1演出に続いて実行される第2演出と、第2演出に続いて実行されて大当たり演出を構成する最後の単位演出である第3演出)から構成してもよい。かかる場合には、時間調整を行う対象とする単位演出より前に実行される単位演出において、ラウンド期間の計測を行い、特別遊技状態(より詳細には、大当たり演出の実行期間)の終了時期を予測して、時間調整を行う対象とする単位演出の時間調整を行うように構成すればよい。
また、上記各実施形態では、共通演出の演出期間が130s(第1実施形態)又は120s(第2実施形態)とされている。1ラウンドのラウンド期間が最長で30sであるので、遊技者が通常の遊技を行うのであれば、上記各実施形態における共通演出は、その演出期間中に2ラウンド以上のラウンドが必ず実行され、複数ラウンドのラウンド期間の計測値から、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出できるように構成されている。しかし、遊技者の事情によって遊技が中断された結果、計測されたラウンド期間が参照値との比較によって除外され、平均時間を算出できなくなった場合も想定される。かかる場合には、予め決められた選択演出を実行するように構成してもよい。なお、予め決められた選択演出としては、短めの演出期間のものであっても、長めのものであってもよい。
また、上記各実施形態では、共通演出の期間中に2ラウンド以上のラウンドが必ず実行され、複数ラウンドから平均時間を算出できるように構成されているが、一般的に、1ラウンドの消化に最長期間(即ち、30s)かかる可能性は低いので、共通演出の演出期間を、60s未満、即ち、2ラウンド分を消化するのに要する最長期間より短い値としてもよい。このとき、共通演出が終了するまでに2ラウンド目が終了しない場合には、平均時間を算出することなく、予め決められた選択演出を実行するように構成する。なお、予め決められた選択演出としては、短めの演出期間のものであっても、長めのものであってもよい。
また、上記各実施形態では、共通演出の終了時点で、ラウンド期間の計測値に基づいて大当たり演出の実行期間の終了時期(即ち、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までの期間)を予測し、その予測に応じた選択演出を選択する構成とした。これに換えて、共通演出が終了する所定時間前(例えば、1s前)までの間に計測されたラウンド期間の値に基づいて、大当たり演出の実行期間の終了時期を予測し、その予測に応じた選択演出を選択し、選択した選択演出を共通演出の終了後から実行するように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、1の特別遊技状態の中で、共通演出の実行中に実行された複数ラウンドのラウンド期間の各計測値に基づいて、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間を算出する構成とした。これに換えて、現在の特別遊技状態における共通演出の演出期間中に計測したラウンド期間の計測値と、それ以前の別遊技状態において計測されたラウンド期間の計測値とから、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間を算出する構成としてもよい。また、それ以前の特別遊技状態において計測されたラウンド期間の計測値から、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間を算出し、今回の特別遊技状態における大当たり演出の実行期間の終了時期を予測する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、1の特別遊技状態の中で、共通演出の実行中に実行されたラウンドのラウンド期間の計測値に基づいて、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間を算出し、大当たり演出の実行期間の終了時期を予測する構成としたが、それ以前の特別遊技状態におけるラウンド期間の計測値から平均時間(即ち、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間)を算出し、共通演出の実行中にラウンドのラウンド期間を計測することなく、今回の特別遊技状態における大当たり演出の実行期間の終了時期を予測する構成としてもよい。かかる場合には、大当たり演出を選択演出によってのみ構成することができるので、共通演出から選択演出に演出を切り替える制御が不要となる。なお、次回の特別遊技状態における大当たり演出の実行期間の終了時期の予測に使用するために、今回の特別遊技状態においてもラウンド期間の計測は実行することが好ましい。
また、上記各実施形態では、共通演出の演出期間中に実行された各ラウンドのラウンド期間を計測して、その計測値に基づいて大当たり演出の実行期間の終了時期を予測する構成としたが、予め決められているラウンド数に対し、各ラウンドのラウンド期間を計測して、その計測値に基づいて大当たり演出の実行期間の終了時期を予測する構成としてもよい。
また、予め決められているラウンド数に対し、各ラウンドのラウンド期間を計測した後、1ラウンドを消化するのに要する平均時間を算出し、以降のラウンドでは、ラウンド毎に、算出された平均時間に応じた演出を選択演出として選定する構成としてもよい。かかる場合には、予め決められているラウンド数に対し、各ラウンドのラウンド期間を計測した後、特定のラウンドで行われる特定の演出を、算出された平均時間に応じた好適な演出期間の演出として実行することができる。
また、上記各実施形態では、1の特別遊技状態に実行されるラウンド数として16ラウンドのみが設定されているが、1の特別遊技状態に実行されるラウンド数が、複数種類設定されている場合に、これら複数種類のラウンド数のうち、最も値が小さいラウンド数以下のラウンド数に対するラウンド期間の計測値から、1ラウンドを消化するのに要する平均時間を算出し、算出された平均時間に基づいて大当たり演出の実行期間の終了時期を予測するように構成してもよい。
例えば、16ラウンドと8ラウンドの特別遊技状態が設定されている場合には、8ラウンド以下、例えば、第1〜第6ラウンドまでの6つのラウンドに対して、各ラウンドのラウンド期間を計測して、1ラウンドを消化するのに要する平均時間を算出し、算出された平均時間に基づいて大当たり演出の実行期間の終了時期を予測する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、前回の特別遊技状態中(大当たり)に計測された全ラウンドのラウンド期間に基づいて算出された参照値を、今回の特別遊技状態において使用する参照値を算出する構成としたが、参照値を、デフォルト値(上記各実施形態では、25s)に固定してもよい。
また、上記各実施形態では、前回の特別遊技状態中に計測された全ラウンドのラウンド期間に基づいて算出された参照値を、今回の特別遊技状態において使用する参照値を算出する構成としたが、今回の特別遊技状態より以前の複数の特別遊技状態中に計測されたラウンド期間に基づいて参照値を算出する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、前回の特別遊技状態中に計測された全ラウンドのラウンド期間に基づいて算出された参照値を、今回の特別遊技状態において使用する参照値を算出する構成としたが、操作ハンドル51が所定期間操作されなかったり、第3図柄表示装置81にデモ画面が表示されたりした場合に、遊技者が変わったと判断して、参照値をデフォルト値に戻す構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、第1ラウンドの計測値は、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出するための値から除外する構成としたが、第1ラウンドのラウンド期間を計測しないことにより、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出するための値から除外する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、参照値を超える値を異常な値とし、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出するための値から除外する構成としたが、ラウンドの実行中に球の発射操作の有無を検出し、その検出結果に基づいて、そのラウンドのラウンド期間を平均時間の算出に使用するか否かを判定する構成としてもよい。例えば、発射操作が所定期間以上途絶えた場合に、平均時間の算出に使用しない(即ち、除外する)ように構成することができる。
また、上記各実施形態では、選択演出決定テーブル272bは、総残り時間や残りラウンド時間より短い演出期間の選択演出が選択されるように構成されているが、総残り時間や残りラウンド時間より長い演出期間の選択演出が選択されるよう構成されていてもよい。なお、音声演出の場合には、総残り時間や残りラウンド時間より長い演出期間の選択演出が選択され、その選択演出が最終ラウンドの終了時に終了しないときには、最終ラウンドの終了前からボリュームを下げて、最終ラウンドの終了時の音量をゼロ付近にするようにすれば、音声演出が途中で切れる不自然さを緩和することができる。
また、上記各実施形態では、予測された総残り時間又は残りラウンド時間より短い演出期間の選択演出(表示選択演出、音声選択演出)が選択されるように構成したが、予測された総残り時間又は残りラウンド時間より短い演出期間のうち、該総残り時間又は該残りラウンド時間に最も近い演出期間の演出パターンを選定する構成としてもよい。かかる構成により、遊技者に演出の全てを見せる(又は、聴かせる)ことができる上に、予測された時間より足りない部分における演出パターンの繰り返しを最小限に抑えることができる。
また、上記各実施形態では、共通演出は1種類としたが、同じ演出期間の共通演出を2種類以上準備し、そのうちの1の共通演出を状況に応じて適宜使用するように構成してもよい。
あるいは、異なる演出期間の共通演出を準備し、そのうちの1の共通演出を状況に応じて適宜使用するように構成してもよい。かかる場合には、使用する共通演出の演出期間に応じて、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出するための計測期間が変わるようにしてもよい。
また、上記第2実施形態では、ラウンド設定処理(図32)のS1416の処理において、共通演出時間計測カウンタ273dに、表示共通演出の演出期間(120s)に対応する初期値を設定する構成としたが、音声共通演出の演出期間(130s)に対応する初期値を設定する構成としてもよい。かかる場合には、ラウンド設定処理は、第1実施形態のラウンド設定処理(図26)とすればよい。
また、上記第2実施形態では、残りラウンド時間を予測し、その残りラウンド時間に応じた表示選択演出及び音声表示演出を、図30の選択演出決定テーブル272bを参照して選択する構成としたが、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に総残り時間を予測し、図9の選択演出決定テーブル272bを参照して、表示選択演出及び音声選択演出を選択する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、主制御装置110から受信した開放コマンド及び閉鎖コマンド等に基づいて、演出制御装置117が、各ラウンド期間の計測や、1ラウンドの消化に要する平均時間の算出や、総残り時間又は残りラウンド時間の予測などを行い、表示選択演出及び音声選択演出の決定(選定)を行う構成とした。
これに換えて、主制御装置110が実行する大当たり処理(図15参照)の中で、各ラウンド期間の計測や、1ラウンドの消化に要する平均時間の算出や、総残り時間又は残りラウンド時間の予測などを行い、主制御装置110が取得した情報を演出制御装置117へ出力し、情報を受信した演出制御装置117は、受信した情報に基づいて表示選択演出及び音声選択演出の決定(選定)を行う構成としてもよい。例えば、主制御装置110が、総残り時間又は残りラウンド時間の予測を行い、予測された時間を演出制御装置117へ出力し、その情報(予測時間)を受信した演出制御装置117が、受信した予測時間に基づいて表示選択演出及び音声選択演出の決定(選定)を行う構成としてもよい。あるいは、主制御装置110は、総残り時間又は残りラウンド時間を予測した後、表示選択演出及び音声選択演出の決定まで行い、決定された表示選択演出及び音声選択演出を演出制御装置117に指示して、演出制御装置117に表示させるように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、計測時間更新処理(S1102)及び選択演出決定処理(S1103)を、演出制御装置117のメイン処理(図20参照)によって、1ms毎に繰り返す処理としたが、表示演出処理(S1106)のように20ms毎に繰り返す処理としてもよい。あるいは、所定期間毎(例えば、2ms毎)に実行される割り込み処理により、計測時間更新処理(S1102)及び選択演出決定処理(S1103)を実行する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを1の制御装置(即ち、演出制御装置117)によって行う構成としたが、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを別々の制御装置により行う構成としてもよい。
例えば、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を主制御装置110に接続し、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を音声ランプ制御装置に接続して、各コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置に送信し、その音声ランプ制御装置から表示制御装置に表示の指示がなされるよう構成してもよい。あるいは、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を主制御装置110に接続し、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を表示制御装置に接続して、各コマンドを主制御装置110から表示制御装置に送信し、その表示制御装置から音声ランプ制御装置に、音声出力や各種ランプの点灯の制御指示がなされるよう構成してもよい。また、主制御装置110から表示制御装置に直接コマンドを送信するものとしてもよい。
また、上記実施形態では、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81の一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。なお、スロットの場合には、リールの回動を開始させるために遊技者が操作するレバーの操作間隔に基づいて、特別遊技状態(大当たり)中における遊技の進行速度を求め、それによって、大当たり演出の実行期間の終了時期を予測し、予測された終了時期に応じた演出を選択するように構成してもよい。なお、レバーの操作間隔は、通常遊技状態中に検出するものであっても、特別遊技状態中に検出するものであってもよい。なお、通常遊技状態中にレバーの操作間隔を検出することにより、多数のデータを取得することができるので、信頼性の高い遊技状況(レバーの操作間隔の平均値、即ち、遊技の進行速度)を取得することができる。また、特別遊技状態中に入る前に、遊技の進行速度が取得され、その特別遊技状態中における大当たり演出の実行期間の終了時期を予測できるので、大当たり演出を選択演出によってのみ構成することができ、共通演出から選択演出に演出を切り替える制御が不要となる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機、および、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
通常遊技状態とは異なる特定遊技状態を発生可能な遊技機において、前記特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を、遊技状況に基づいて予測する遊技進行時間予測手段と、前記一連の演出の少なくとも一部分を構成する演出パターンを、該演出パターンの実行期間に応じて複数種類記憶する演出パターン記憶手段と、前記実行時間予測手段により予測された前記特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期に基づいて、前記演出パターン記憶手段に記憶されている演出パターンの中から、前記特定遊技状態中の所定区間の所定位置から、該区間の終了位置まで実行する1の演出パターンを選定する演出パターン選定手段と、その演出パターン選定手段により選定された演出パターンを前記区間の所定位置から実行するよう制御する演出実行制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期が、遊技進行時間予測手段によって遊技状況に基づいて予測される。そして、そのように予測された時期に基づき、該特定遊技状態中の所定区間の所定位置から、該区間の終了位置まで実行する1の演出パターンが、演出パターン選定手段により、演出パターン記憶手段に記憶されている演出パターンの中から選定される。
特定遊技状態が発生してから終了するまでの期間は、遊技状況(遊技者の遊技の仕方や、遊技機の個体差に応じた遊技媒体の移動の様子、など)に応じて幅広い範囲を取り得るが、この遊技機A1によれば、遊技状況に応じた予測を元に、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
なお、遊技機A1において、「所定区間の所定位置」とは、所定区間における開始位置と、所定区間における途中の位置との両方を含むことを意図している。
また、上述した実施形態において、遊技機A1の遊技進行予測手段としては、選択演出決定処理(図22)のS1224〜S1231の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A1の演出パターン記憶手段としては、選択演出決定テーブル272bが例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A1の演出パターン選定手段としては、選択演出決定処理(図22)のS1233の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A1の演出実行制御手段としては、表示演出処理(図24)のS1268の処理及び音声ランプ演出処理(図23)のS1248の処理が例示される。
通常遊技状態とは異なる特定遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技が、前記特定遊技状態中の所定区間の所定位置から、該区間の終了位置まで進行するのに要する時間を、遊技状況に基づいて予測する遊技進行時間予測手段と、一連の演出の少なくとも一部分を構成する演出パターンを、該演出パターンの実行期間に応じて複数種類記憶する演出パターン記憶手段と、前記実行時間予測手段により予測された時間に基づいて、前記演出パターン記憶手段に記憶されている演出パターンの中から、前記区間内の所定位置から該区間の終了位置までの間に実行する1の演出パターンを選定する演出パターン選定手段と、その演出パターン選定手段により選定された演出パターンを前記区間の所定位置から実行するよう制御する演出実行制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、特定遊技状態中の所定区間の所定位置から、該区間の終了位置まで、遊技が進行するのに要する時間が、遊技進行時間予測手段によって遊技状況に基づいて予測される。そして、そのように予測された時間に基づき、該区間内の所定位置から該区間の終了位置までの間に実行する1の演出パターンが、演出パターン選定手段により、演出パターン記憶手段に記憶されている演出パターンの中から選定される。
特定遊技状態が発生してから終了するまでの期間は、遊技状況(遊技者の遊技の仕方や、遊技機の個体差に応じた遊技媒体の移動の様子、など)に応じて幅広い範囲を取り得るが、この遊技機A2によれば、遊技状況に応じた予測を元に、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
なお、遊技機A2において、「所定区間の所定位置」とは、所定区間における開始位置と、所定区間における途中の位置との両方を含むことを意図している。
また、上述した実施形態において、遊技機A2の遊技進行予測手段としては、選択演出決定処理(図22)のS1224〜S1231の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A2の演出パターン記憶手段としては、選択演出決定テーブル272bが例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A2の演出パターン選定手段としては、選択演出決定処理(図22)のS1233の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A2の演出実行制御手段としては、表示演出処理(図24)のS1268の処理及び音声ランプ演出処理(図23)のS1248の処理が例示される。
遊技機A2において、前記遊技進行時間予測手段は、現在又はそれ以前の特定遊技状態中かつ前記区間の前記所定位置以前の、所定期間の遊技状況に基づいて前記時間を予測するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、現在又はそれ以前の特定遊技状態中かつ該特定遊技状態中の所定区間の所定位置以前の、所定期間の遊技状況に基づいて、特定遊技状態中の所定区間の所定位置から該区間の終了位置まで遊技が進行するのに要する時間が予測される。よって、特定遊技状態中における遊技状況に基づいて、同じ特定遊技状態中の時間を予測するので、特定遊技状態における遊技者の操作癖などが反映され、時間の予測を精度良く行うことができ、その結果、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
遊技機A2又はA3において、前記遊技進行時間予測手段は、前記区間の開始位置から前記所定位置又はそれ以前の位置までの期間における遊技状況に基づいて前記時間を予測するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、1の特定遊技状態の中で、所定区間の開始位置から所定位置又はそれ以前の位置までの期間における遊技状況に基づいて、該区間における所定位置から終了位置まで遊技が進行するのに要する時間が予測される。よって、その特定遊技状態における遊技状況(遊技者の操作癖など)が反映された予測時間を得ることができるので、時間の予測を精度良く行うことができ、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記区間内には、複数の単位遊技期間が設定されており、前記単位遊技期間の長さを計測する単位遊技期間計測手段と、その単位遊技期間計測手段により計測された前記単位遊技期間の長さを該単位遊技期間毎に記憶する単位遊技期間記憶手段とを備え、前記遊技進行時間予測手段は、前記単位遊技期間記憶手段に記憶されている内容を用い、前記所定区間の所定位置以前に設定されている少なくとも2以上の単位遊技期間の長さに基づいて、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出する平均時間算出手段を含み、前記平均時間算出手段により算出された平均時間に基づき、遊技が、前記区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間を予測するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、所定区間内に設定されている複数の単位遊技期間の長さが単位遊技期間計測手段により計測され、計測された長さが単位遊技期間毎に単位遊技期間記憶手段に記憶される。そして、かかる単位遊技期間記憶手段に記憶されている内容を用いて、所定区間の所定位置以前に設定されている少なくとも2以上の単位遊技期間の長さに基づいて、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間が平均時間算出手段により算出される。よって、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間(遊技状況)と、該所定区間の所定位置以降に含まれる単位遊技期間とから、所定区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間を予測することが可能となるので、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。また、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を利用して、所定区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間を予測するので、予測精度を向上させることができる。また、単位遊技期間の計測によって、所定区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間を予測するので、該時間の予測が容易である。
なお、上述した実施形態において、遊技機A5の単位遊技期間計測手段としては、計測時間更新処理(図21)のS1203,S1204の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A5の単位遊技期間記憶手段としては、計測時間メモリ273aが例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A5の平均時間算出手段としては、選択演出決定処理(図22)のS1224,S1225の処理が例示される。
遊技機A5において、前記単位遊技期間記憶手段に記憶されている単位遊技期間の長さが予め設定されている設定値を超えるか否かを判定する判定手段を備え、前記平均時間算出手段は、前記所定区間の所定位置以前に設定されている少なくとも2以上の単位遊技期間のうち、単位遊技期間の長さが前記判定手段により前記設定値を超えると判定された単位遊技期間を除いた、残りの単位遊技期間の長さの平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、異常な計測値を除外することができるので、所定区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間の予測精度を向上させることができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A6の判定手段としては、選択演出決定処理(図22)のS1224において、参照値メモリ273bに記憶されている参照値を超える値を得るために、各ラウンドの計測値と参照値とを比較判定することが例示される。
遊技機A6において、前記設定値は、前記遊技進行時間予測手段による予測の対象となる特定遊技状態より以前に生じた特定遊技状態に含まれる単位遊技期間の平均時間に基づいて設定された値であることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、設定値は、予測の対象となる特定遊技状態より以前に生じた特定遊技状態に含まれる単位遊技期間の平均時間に基づいて設定されるので、遊技状況(遊技者の遊技の仕方や、遊技機の個体差に応じた遊技媒体の移動の様子、など)が反映された値を設定値とすることができる。よって、異常な計測値の除外を適切に行うことができるので、所定区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間の予測精度をより好適に向上させることができる。
遊技機A6又はA7において、前記平均時間算出手段は、前記予測のために用いる期間に含まれる少なくとも一部の単位遊技期間のうち、単位遊技期間の長さが前記判定手段により前記設定値を超えると判定された単位遊技期間と前記区間内における最初の単位遊技期間とを除いた、残りの単位遊技期間の長さの平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、異常な計測値を除外すると共に、元来、異常な値となる傾向にある最初の単位遊技期間の計測値を除外するので、所定区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間の予測精度を向上させることができる。
遊技機A5において、前記平均時間算出手段は、前記予測のために用いる期間に含まれる少なくとも一部の単位遊技期間のうち、前記区間内における最初の単位遊技期間を除いた、残りの単位遊技期間の長さの平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、元来、異常な値となる傾向にある最初の単位遊技期間の計測値を除外するので、所定区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間の予測精度を向上させることができる。
遊技機A2からA9のいずれかにおいて、前記演出パターンの前に実行し、その実行後に該演出パターンと連続させることにより、前記一連の演出を構成し得る第2演出パターンを記憶する第2演出パターン記憶手段を備え、前記演出実行制御手段は、前記第2演出パターン記憶手段に記憶されている第2演出パターンを前記区間の開始位置から実行すると共に、前記演出パターン選定手段により選定された演出パターンを前記区間の所定位置から実行するよう制御するものであり、前記遊技進行時間予測手段は、前記第2演出パターンの開始から、該第2演出パターンが終了するまでの所定期間の遊技状況に基づいて前記時間を予測するものであることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、特定遊技状態における所定区間で実行される一連の演出の前半部分の演出(即ち、第2演出パターン)が終了するまでの間に、該区間における所定位置(即ち、第2演出パターンの終了位置であり、演出パターン選定手段により選定される演出パターンの開始位置)から、該区間の終了位置まで遊技が進行するのに要する時間が予測される。よって、現在の特定遊技状態における遊技状況(遊技者の操作癖など)が反映された予測時間を得ることができるので、時間の予測を精度良く行うことができ、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A10の第2演出パターン記憶手段としては、共通演出メモリ272aが例示される。
遊技機A10において、前記遊技進行時間予測手段は、前記第2演出パターンの開始から、該第2演出パターンが終了するまでの遊技状況に基づいて前記時間を予測するものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、第2演出パターンを開始してから終了するまでの期間の遊技状況を時間の予測に用いるので、遊技状況を監視する期間を最大限長くすることができる。よって、時間の予測を精度良く行うことができ、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
前記遊技機A10又はA11において、前記区間内には、複数の単位遊技期間が設定されており、前記第2演出パターンの長さは、前記複数の単位遊技期間のうち2以上の所定数の単位遊技期間が各々最長期間とされるときの期間より長く設定されていることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、第2演出パターンの長さは、区間内に設定されている複数の単位遊技期間のうち2以上の所定数の単位遊技期間が各々最長期間とされるときの期間より長く設定されているので、2以上の所定数の単位遊技期間を各々計測して、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出し、その平均時間を用いて残りの単位遊技期間を消化するのに要する時間を予測することができ、その結果として、第2演出パターンの終了位置から特定遊技状態の終了位置までの実行に要する時間(即ち、特定遊技状態の終了時期)を予測することが可能となる。このとき、計測する単位遊技期間の数(即ち、所定数)をできるだけ多く設定することにより、時間の予測を精度良く行うことが可能となるので、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
遊技機A2からA9のいずれかにおいて、前記区間内には、複数の単位遊技期間が設定されており、前記遊技進行時間予測手段は、前記複数の単位遊技期間のうち、前記区間内の所定位置以前に含まれる2以上である所定数の単位遊技期間が終了するまでの期間における遊技状況に基づいて前記時間を予測するものであることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、区間内に設定されている複数の単位遊技期間のうち、該区間内の所定位置以前に含まれる2以上である所定数の単位遊技期間が終了するまでの期間における遊技状況に基づいて、該区間における所定位置から終了位置まで遊技が進行するのに要する時間が予測される。よって、2以上の所定数の単位遊技期間を各々計測して、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出し、その平均時間を用いて残りの単位遊技期間を消化するのに要する時間を予測することができるので、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を容易に実行可能である。
遊技機A13において、単位遊技期間の数が異なる複数種類の特定遊技状態を発生可能に構成されており、前記遊技進行時間予測手段により前記時間を予測するために用いられる前記単位遊技期間の数は、前記複数種類の特定遊技状態の各々に含まれている単位遊技期間の数のうち、最も少ない単位遊技期間の数より小さい数であることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、特定遊技状態中における所定区間における所定位置から終了位置まで遊技が進行するのに要する時間を予測するために用いられる単位遊技期間の数が、複数種類の特定遊技状態の各々に含まれている単位遊技期間の数のうち、最も少ない単位遊技期間の数より小さい数とされるので、複数種類の特定遊技状態のいずれに対しても同じ制御で、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間の算出、そして、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出の選定を行うことができる。
遊技機A2からA14のいずれかにおいて、前記演出パターン選定手段は、前記実行時間予測手段により予測された時間より実行期間の短い前記演出パターンを選定することを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、実行時間予測手段により予測された時間より実行期間が短い演出パターンのうち、該時間に最も近い実行期間の演出パターンが選定されるので、遊技者に演出の全てを見せる(又は、聴かせる)ことができる。
遊技機A2からA15のいずれかにおいて、前記演出パターン選定手段は、前記実行時間予測手段により予測された時間より実行期間の短い前記演出パターンのうち、該時間に最も近い実行期間の演出パターンを選定することを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、実行時間予測手段により予測された時間より実行期間が短い演出パターンのうち、該時間に最も近い実行期間の演出パターンが選定されるので、遊技者に演出の全てを見せる(又は、聴かせる)ことができる上に、予測された時間より足りない部分における演出パターンの繰り返しを最小限に抑えることができる。
遊技機A1からA16のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機A17。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態(特定遊技状態)の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA16のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機A18。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態(特定遊技状態)を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA16のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機A19。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態(特定遊技状態)を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
通常遊技状態とは異なる遊技状態であって複数の単位遊技期間が所定のインターバル期間を介在させつつ順次実行される特定遊技状態を発生可能な遊技機において、前記特定遊技状態中、前記一連の演出を、前記インターバル期間において中断させつつ各単位遊技期間において実行するよう制御する演出実行制御手段とを備え、前記一連の演出は、複数の単位演出パターンの組み合わせにより構成されており、前記複数の単位演出パターンのうち、最初の単位演出パターンを除く、少なくとも1の単位演出パターンの演出時間を調整することにより、前記一連の演出の全体演出時間を調整する全体演出時間調整手段を備え、前記全体演出時間調整手段は、前記演出時間の調整対象となる単位演出パターンより以前の遊技状況に基づいて、前記特定遊技状態中に実行される前記一連の演出の終了時期を予測する予測手段を含み、前記予測手段により予測された前記終了時期に基づいて、該演出時間の調整対象となる単位演出パターンの演出時間を調整するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、特定遊技状態中、演出実行制御手段によって、複数の単位演出パターンの組み合わせから構成される一連の演出が、インターバル期間において中断させつつ各単位遊技期間において実行するよう制御される場合には、全体演出時間調整手段により、最初の単位演出パターンを除く、少なくとも1の単位演出パターンの演出時間が調整されて、一連の演出の全体演出時間が調整される。
このとき、演出時間の調整対象となる単位演出パターンより以前の遊技状況に基づいて、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測し、そのように予測された終了時期に基づいて、該演出時間の調整対象となる単位演出パターンの演出時間を調整する。よって、特定遊技状態が発生してから終了するまでの期間は、遊技状況(遊技者の遊技の仕方や、遊技機の個体差に応じた遊技媒体の移動の様子、など)に応じて幅広い範囲を取り得るが、この遊技機B1によれば、遊技状況に応じて予測される特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を基に、演出時間の調整対象となる単位演出パターン(一連の演出を構成する複数の単位演出パターンの一部)の演出時間が調整されるので、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
また、複数の単位演出パターンのうち、最初の単位演出パターンを除く、少なくとも1の単位演出パターンの演出時間を調整することにより、一連の演出の全体演出時間を調整するので、演出時間の調整対象とする単位演出パターンの数を少なく設定することにより、単位演出パターン間の繋がりに影響を与える可能性を少なくすることができる。よって、一連の演出に不自然さを感じさせることを防止しつつ、特定遊技状態に実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
なお、上述した実施形態において、遊技機B1の演出時間制御手段としては、表示演出処理(図24)のS1268が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機B1の全体演出調整手段としては、選択演出決定処理(図31)のS1224〜S1230,S1235,S1234の処理が例示される。
遊技機B1において、前記予測手段は、前記演出時間の調整対象となる単位演出パターンより以前であり、かつ、今回又はそれ以前の特定遊技状態中の遊技状況に基づいて、前記終了時期を予測するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、演出時間の調整対象となる単位演出パターンより以前であり、かつ、現在又はそれ以前の特定遊技状態中の遊技状況に基づいて、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期が予測される。よって、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を、同じ特定遊技状態中における遊技状況に基づいて予測するので、特定遊技状態における遊技者の操作癖などが反映され、該終了時期の予測を精度良く行うことができ、その結果、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
遊技機B1又はB2において、前記全体演出時間調整手段は、前記複数の単位演出パターンのうち、最後の前記単位演出パターンの演出時間を調整することにより、前記一連の演出の全体演出時間を調整するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、複数の単位演出パターンのうち、最後の単位演出パターンの演出時間が調整されて、一連の演出の全体演出時間が調整される。よって、単位演出パターン間の繋がりに影響を与えることがないので、一連の演出に不自然さを感じさせることを防止することができる。
遊技機B3において、前記全体演出時間調整手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中の遊技状況に基づいて、前記最後の前記単位演出パターンの演出時間を調整するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、特定遊技状態において実行される一連の演出のうち、最初の単位演出パターンの実行中の遊技状況に基づいて、最後の単位演出パターンの演出時間が調整され、それによって、一連の演出の全体演出時間が調整される。よって、現在の特定遊技状態における遊技状況(遊技者の操作癖など)が反映されるので、特定遊技状態の終期の予測を精度良く行うことができ、その結果、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
遊技機B3又はB4において、前記単位遊技期間の実行時間を計測する単位遊技期間計測手段を備え、前記全体演出時間調整手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間に対して前記単位遊技期間計測手段により計測された実行時間に基づいて、前記特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測する予測手段と、その予測手段により予測された前記終了時期に応じて、演出時間の調整対象となる前記単位演出パターンの演出時間を調整する演出時間調整手段とを含むことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、特定遊技状態において実行される一連の演出のうち、最初の単位演出パターンの実行中に実行される単位遊技期間の実行時間の計測値に基づいて、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期が予測される。よって、単位遊技期間における遊技状況(遊技者の操作癖など)を反映することができ、該終了時期の予測を精度良く行うことができる。その結果、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
なお、上述した実施形態において、遊技機B5の単位遊技期間計測手段としては、計測時間更新処理(図21)のS1203,S1204の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機B5の予測手段としては、選択演出決定手段(図31)のS1224〜S1230の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機B5の演出時間調整手段としては、選択演出決定手段(図31)のS1235,S1234の処理が例示される。
遊技機B5において、前記最初の単位演出パターンの演出時間は、前記複数の単位遊技期間のうち2以上の所定数の単位遊技期間が各々最長期間とされるときの期間より長く設定されていることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、最初の単位演出パターンの演出時間は、複数の単位遊技期間のうち2以上の所定数の単位遊技期間が各々最長期間とされるときの期間より長く設定されているので、2以上の所定数の単位遊技期間を各々計測して、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出し、その平均時間を用いて残りの単位遊技期間を消化するのに要する時間を予測することができる。それによって、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期の予測することができる。このとき、計測する単位遊技期間の数(即ち、所定数)をできるだけ多く設定することにより、時間の予測を精度良く行うことが可能となるので、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
遊技機B5又はB6において、前記単位遊技期間計測手段により計測された前記単位遊技期間の実行時間を該単位遊技期間毎に記憶する単位遊技期間記憶手段と、前記単位遊技期間記憶手段に記憶されている内容を用い、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される複数の前記単位遊技期間の実行時間に基づいて、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出する平均時間算出手段とを備え、前記予測手段は、前記平均時間算出手段により算出された平均時間に基づき、前記特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、単位遊技期間計測手段により計測された単位遊技期間の実行時間は、該単位遊技期間毎に単位遊技期間記憶手段に記憶される。そして、かかる単位遊技期間記憶手段に記憶されている内容を用いて、最初の単位演出パターンの実行中に実行される複数の単位遊技期間の実行時間に基づいて、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間が平均時間算出手段により算出される。よって、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間(遊技状況)に基づき、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測することが可能となり、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。また、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を利用して、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測するので、予測精度を向上させることができる。また、単位遊技期間の計測によって、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測するので、該時期の予測が容易である。
なお、上述した実施形態において、遊技機B7の単位遊技期間記憶手段としては、計測時間メモリ273aが例示される。また、上述した実施形態において、遊技機B7の平均時間算出手段としては、選択演出決定手段(図31)のS1224,S1225の処理が例示される。
遊技機B7において、前記単位遊技期間記憶手段に記憶されている単位遊技期間の実行時間が予め設定されている設定値を超えるか否かを判定する判定手段を備え、前記平均時間算出手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間のうち、単位遊技期間の実行時間が前記判定手段により前記設定値を超えると判定された単位遊技期間を除いた、残りの単位遊技期間の実行時間の平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、異常な計測値を除外することができるので、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期の予測精度を向上させることができる。
遊技機B8において、前記設定値は、現在の特定遊技状態より以前に生じた特定遊技状態において実行された単位遊技期間の平均時間に基づいて設定された値であることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、設定値は、予測の対象となる特定遊技状態より以前に生じた特定遊技状態に含まれる単位遊技期間の平均時間に基づいて設定されるので、遊技状況(遊技者の遊技の仕方や、遊技機の個体差に応じた遊技媒体の移動の様子、など)が反映された値を設定値とすることができる。よって、異常な計測値の除外を適切に行うことができるので、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期の予測精度をより好適に向上させることができる。
遊技機B8又はB9において、前記平均時間算出手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間のうち、単位遊技期間の実行時間が前記判定手段により前記設定値を超えると判定された単位遊技期間と最初の前記単位遊技期間とを除いた、残りの単位遊技期間の長さの平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、異常な計測値を除外すると共に、元来、異常な値となる傾向にある最初の単位遊技期間の計測値を除外するので、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期の予測精度を向上させることができる。
遊技機B7において、前記平均時間算出手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間のうち、最初の前記単位遊技期間を除いた、残りの単位遊技期間の長さの平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、元来異常な値となる傾向にある最初の単位遊技期間の計測値を除外するので、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期の予測精度を向上させることができる。
遊技機B3からB11のいずれかにおいて、前記一連の演出を構成する単位演出パターンを記憶する演出パターン記憶手段を備え、前記演出パターン記憶手段には、演出時間の異なる複数の前記単位演出パターンが、前記最後の演出パターンとして記憶されており、前記全体演出時間調整手段は、前記演出パターンに記憶されている複数種類の前記単位演出パターンの中から、所定の演出時間の単位演出パターンを前記最後の単位演出パターンとして選定する選定手段を含むことを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、演出パターンに記憶されている複数種類の単位演出パターンの中から、所定の演出時間の単位演出パターンを最後の単位演出パターンとして選定するので、特定遊技状態の終期に対して、適切な演出時間の単位演出パターンを用いることができ、演出が短すぎたり、長すぎたりすることを防止することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機B12の演出パターン記憶手段としては、選択演出決テーブル272bが例示される。
遊技機B12において、前記選定手段は、前記最後の単位演出パターンを実行した場合の終了時期が、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期より短くなるような単位演出パターンを選定することを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、最後の単位演出パターンを実行した場合の終了時期が、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期より短くなるような単位演出パターンが選定されるので、遊技者に演出の全てを見せる(又は、聴かせる)ことができる。
遊技機B1からB13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B14。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態(特定遊技状態)の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機B1からB13のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機B15。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態(特定遊技状態)を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機B1からB13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B16。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態(特定遊技状態)を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
110 主制御装置
117 演出制御装置
本発明は、パチンコ機やスロットマシン等に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機には、始動条件が成立した場合に行われる抽選の結果が所定の結果であった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態(特定遊技状態)に切り替えられるものが多く存在する。かかるタイプの遊技機では、特別遊技状態中に、表示装置に映像を表示したり、スピーカーから音楽を出力したり等の演出を行うことにより、該特別遊技状態の興趣を高める工夫がなされている。
特別遊技状態中には、所定期間の経過又は所定数の入賞を終了条件として大開放口が開放されるイベント(所謂「ラウンド」)が複数回設けられている。隣接するラウンド間には、所定時間のインターバル期間が設けられている。特別遊技状態中に実行される演出は、全体として一連の演出であるものの、ラウンド間のインターバル期間で中断しつつ間欠的に実行されることがある。
特別遊技状態が発生してから終了するまでの期間は、常に一定でなく、状況に応じて幅広い範囲を取り得る。例えば、パチンコ機の場合には、遊技者による球の打ち出し方や、盤面の釘の状態等によって相違するパチンコ機の個体差などに応じて1回のラウンド期間にばらつきが生じるため、特別遊技状態が発生してから終了するまでの期間が幅広く相違する。
そのため、特別遊技状態の期間と、該特別遊技状態中に実行される演出(表示演出、音声演出)の全体時間とを合わせることは困難であった。
本発明は、上記例示した事情等を鑑みてなされたものであり、特別遊技状態中に好適な演出を実行できる遊技機を提供することを目的としている
この目的を達成するために、請求項1記載の遊技機は、通常遊技状態とは異なる遊技状態であって複数の単位遊技期間が所定のインターバル期間を介在させつつ順次実行される特定遊技状態を発生可能なものであって、前記特定遊技状態中、一連の演出を、前記インターバル期間において中断させつつ各単位遊技期間において実行するよう制御する演出実行制御手段とを備え、前記一連の演出は、複数の単位演出パターンの組み合わせにより構成されており、前記複数の単位演出パターンのうち、最初の単位演出パターンを除く、少なくとも1の単位演出パターンの演出時間を調整することにより、前記一連の演出の全体演出時間を調整する全体演出時間調整手段と、前記単位遊技期間の実行時間を計測する単位遊技期間計測手段と、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間に対して前記単位遊技期間計測手段により計測された実行時間に基づいて、前記特定遊技状態中に実行される前記一連の演出の終了時期を予測する予測手段と、その予測手段により予測された前記終了時期に応じて、演出時間の調整対象となる前記単位演出パターンの演出時間を調整する演出時間調整手段と、前記単位遊技期間計測手段により計測された前記単位遊技期間の実行時間を該単位遊技期間毎に記憶する単位遊技期間記憶手段と、前記単位遊技期間記憶手段に記憶されている内容を用い、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される複数の前記単位遊技期間の実行時間に基づいて、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出する平均時間算出手段とを備え前記平均時間算出手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間のうち、最初の前記単位遊技期間を除いた、残りの単位遊技期間の実行時間の平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものであり、前記予測手段は、前記平均時間算出手段により算出された平均時間に基づき、前記特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測するものであり、前記全体演出時間調整手段は、前記予測手段により予測された前記終了時期に基づいて、該演出時間の調整対象となる単位演出パターンの演出時間を調整するものである。
本発明の遊技機によれば、通常遊技状態とは異なる遊技状態であって複数の単位遊技期間が所定のインターバル期間を介在させつつ順次実行される特定遊技状態を発生可能なものであって、前記特定遊技状態中、一連の演出を、前記インターバル期間において中断させつつ各単位遊技期間において実行するよう制御する演出実行制御手段とを備え、前記一連の演出は、複数の単位演出パターンの組み合わせにより構成されており、前記複数の単位演出パターンのうち、最初の単位演出パターンを除く、少なくとも1の単位演出パターンの演出時間を調整することにより、前記一連の演出の全体演出時間を調整する全体演出時間調整手段と、前記単位遊技期間の実行時間を計測する単位遊技期間計測手段と、、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間に対して前記単位遊技期間計測手段により計測された実行時間に基づいて、前記特定遊技状態中に実行される前記一連の演出の終了時期を予測する予測手段と、その予測手段により予測された前記終了時期に応じて、演出時間の調整対象となる前記単位演出パターンの演出時間を調整する演出時間調整手段と、前記単位遊技期間計測手段により計測された前記単位遊技期間の実行時間を該単位遊技期間毎に記憶する単位遊技期間記憶手段と、前記単位遊技期間記憶手段に記憶されている内容を用い、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される複数の前記単位遊技期間の実行時間に基づいて、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出する平均時間算出手段とを備え前記平均時間算出手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間のうち、最初の前記単位遊技期間を除いた、残りの単位遊技期間の実行時間の平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものであり、前記予測手段は、前記平均時間算出手段により算出された平均時間に基づき、前記特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測するものであり、前記全体演出時間調整手段は、前記予測手段により予測された前記終了時期に基づいて、該演出時間の調整対象となる単位演出パターンの演出時間を調整するものであるので、特別遊技状態中に好適な演出を実行できるという効果がある。
本発明の第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
第3図柄表示装置の表示画面を説明するための模式図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
各種カウンタの概要を示す図である。
(a)は、大当たり演出の構成を示す模式図であり、1ラウンドあたりの消化時間と、選択演出の演出期間との関係を説明する図である。
大当たり演出の内容を説明する図である。
選択演出決定テーブルの内容を示す模式図である。
主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
図11のメイン処理の中で実行される変動処理を示すフローチャートである。
図12の変動処理の中で実行される保留球格納エリア順送り処理を示すフローチャートである。
図12の変動処理の中で実行される変動開始処理を示すフローチャートである。
図11のメイン処理の中で実行される大当たり処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
図16のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
NMI割込処理を示すフローチャートである。
演出制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
演出制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
図20のメイン処理の中で実行される計測時間更新処理を示すフローチャートである。
図20のメイン処理の中で実行される選択演出決定処理を示すフローチャートである。
図20のメイン処理の中で実行される音声ランプ演出処理を示すフローチャートである。
図20のメイン処理の中で実行される表示演出処理を示すフローチャートである。
演出制御装置内のMPUにより実行されるコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。
図25のコマンド受信割込処理の中で実行されるラウンド設定処理を示すフローチャートである。
図27のラウンド設定処理の中で実行される参照値算出処理を示すフローチャートである。
第2実施形態の大当たり演出の構成を示す模式図である。
第2実施形態の大当たり演出(表示演出)の内容を説明する図である。
第2実施形態の選択演出決定テーブルの内容を示す模式図である。
第2実施形態の選択演出決定処理を示すフローチャートである。
第2実施形態のラウンド設定処理を示すフローチャートである。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、パチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3は、パチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示(変動演出)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ(図示せず)がオンされると共に可変抵抗器(図示せず)の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。なお、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ(図示せず)および打ち止めスイッチ(図示せず)がオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、第2入球口67(スルーゲート)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。なお、この図2は、符号を分かり易くするために、釘や金具などの一部を削除し図示したものである。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が落下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、主に第1図柄を表示するための第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられている。
第1図柄表示装置37における複数のLED37aは、点灯状態によって種々の情報を報知するものである。具体的に、LED37aは、主制御装置110(図3,5参照)でなされる大当たりの抽選結果に応じた第1図柄を点灯状態によって示す。大当たりの抽選結果として、例えば、確変大当たりと、通常大当たりと、外れとの3種類の抽選結果が設けられている場合に、抽選結果が「確変大当たり」であれば、LED37aは、点灯状態によって「確変大当たり」に対応する第1図柄を示す。同様に、LED37aは、大当たりの抽選結果に応じて、「通常大当たり」及び「外れ」にそれぞれ対応する第1図柄を点灯状態によって示す。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの抽選結果として、「確変大当たり」と、「通常大当たり」と、「外れ」との3つの抽選結果が設けられており、第1入球口64への入賞に基づき、「確変大当たり」であるか、「通常大当たり」であるか、「外れ」であるかが抽選されるように構成されている。
そして、かかる抽選の結果が「確変大当たり」であった場合には、第1図柄表示装置37のLED37aが「確変大当たり」に対応する第1図柄を停止図柄として表示した後、大当たり抽選の大当たり確率が通常確率よりアップして特別遊技状態(特定遊技状態)へ移行し易い遊技の状態になると共に、後述する第2図柄の当たり確率が通常確率よりアップして、第1入球口64(図2参照)に付随する電動役物が所定時間だけ開放されて、球が第1入球口64へ入球し易い状態となる。以下では、この状態のことを、確変中(確変状態)と称する。
一方で、大当たり抽選の結果が「通常大当たり」であった場合には、第1図柄表示装置37のLED37aが「通常大当たり」に対応する第1図柄を停止図柄として表示した後、大当たり抽選の大当たり確率は通常確率のままであるが、第2図柄の当たり確率が通常確率よりアップして、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放されて、球が第1入球口64へ入球し易い状態となる。以下では、この状態のことを、時短中(時短状態)と称する。
なお、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物を開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしてもよい。
また、大当たり抽選の結果が「外れ」であった場合には、第1図柄表示装置37のLED37aが「外れ」に対応する第1図柄を停止図柄として表示した後、確変中でも時短中でもない遊技の状態、即ち、大当たり抽選の大当たり確率も第2図柄の当たり確率も通常確率である状態となる。以下では、このような、確変中(確変状態)でも時短中(時短状態)でもない状態を、通常中(通常状態)と称する。
また、LED37aは、パチンコ機10の遊技状態(例えば、確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか、等)を点灯状態により、変動表示中(変動中)であるか否かを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示す。
これらLED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ない数のLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。また、7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞(入球)をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示部83と、第2入球口67(スルーゲート)を通過した球の保留球数を示す第2図柄保留ランプ84とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する演出制御装置117によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている(図4参照)。また、本実施形態では、第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。なお、本実施形態では、第1図柄表示装置37において主制御装置110の制御に伴った遊技状態や、大当たりの抽選結果を示す第1図柄の表示が行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示(変動演出)が、第3図柄表示装置81において行われる。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、大当たりの抽選が開始されてから、第1図柄表示装置37において、各種の停止図柄(例えば、確変大当たりを示す第1図柄、通常大当たりを示す第1図柄、外れを示す第1図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第1図柄表示装置37により示されると共に、特図保留ランプ85の点灯個数においても示される。以後、第1入球口64についての保留回数のことを、特図保留球数Nと称する。なお、特図保留ランプ85は、最大保留回数分の4つ設けられており、第3図柄表示装置81の上方に配設されている。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞が最大4回まで保留されるように構成するが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特図保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37において保留回数を表示するようにしても良い。なお、その場合は、特図保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示部83は、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過する毎に、表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。本実施形態のパチンコ機10は、第2図柄表示部83における変動表示が所定図柄(「○」の図柄)で停止した場合に、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口64へ入球し易い状態となるように構成されている。
球の第2入球口67(スルーゲート)の通過回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第2図柄保留ランプ84において点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67(スルーゲート)についての球の保留回数は、第1入球口64と同様に、最大回数が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ208a(図5参照)がオンとなり、その第1入球口スイッチ208aのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた第1図柄の表示が第1図柄表示装置37のLED37aにより示されると共に、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が、第3図柄表示装置81により示される。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、一般入賞口63へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、異なる数としても良い。例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を20個としても良い。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりであった場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、第1図柄表示装置37のLED37aを大当たりの停止図柄となるように点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(本実施形態では、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図5に示すソレノイド209の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞し易い開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、特別遊技状態は上述した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37のLED37aが大当たりに対応する態様で点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と、演出制御基板(演出制御装置117)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と、発射制御基板(発射制御装置112)と、電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、演出制御装置117、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本実施形態のパチンコ機10における第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための模式図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列(仮想図柄リール)を構成している。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃って停止する変動表示が行われ、その変動表示後(即ち、同一の主図柄が揃って停止した後)に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃って停止する変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃って停止する変動表示が行われる。
本実施形態では、図柄の変動方向は横方向Xとされており、かかる横方向の変動(横スクロール)において、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示され、各図柄列(Z1〜Z3)毎に左・中・右の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。ここで、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
第3図柄表示装置81の表示画面には、5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図4に示すように、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。
第1入球口64へ球が入球(入賞)し、所定の変動方向(本実施形態では横方向X)にスクロールする変動表示が実行された場合、その変動表示は、所定の変動時間後に、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順で停止する。このとき、いずれかの有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせ(本実施形態では、同一の主図柄の組み合わせ)が揃って停止すれば、大当たりが発生し、その大当たり遊技中に大当たり動画(大当たり演出)が表示される。
なお、本実施形態では、変動方向(スクロール方向)を横方向Xとしたが、変動方向は縦方向(即ち、横方向Xと直交する方向)であってもよい。変動方向を縦方向(縦スクロール)とする場合には、有効ラインを、上ライン(図4におけるZ1のライン)、中ライン(図4におけるZ2のライン)、下ライン(図4におけるZ3のライン)、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つとすればよい。そして、縦スクロールの場合には、例えば、左図柄列L1’→右図柄列L3→中図柄列L2の順に変動表示を停止する。
次に、図5を参照して、上述したパチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の構成を示すブロック図である。主制御装置110は、パチンコ機10全体の動作を制御するものであり、払出制御装置111や、演出制御装置117などのサブ制御装置に対して各種コマンドを送信し、サブ制御装置の動作を制御するものである。なお、主制御装置110からサブ制御装置へ送信される各種コマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。なお、サブ制御装置から主制御装置110へ、サブ制御装置の状態を示すコマンドを送信するように構成しても良い。
この主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、後述する各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路とが内蔵されている。
ここで、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられている保留球格納エリアや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等について説明する。図6は、各カウンタの概要を示す模式図である。
保留球格納エリアや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等は、大当たりの判定や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示部83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示部83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新される毎に、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
これらの各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2は、メイン処理(図11参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図16参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに適宜記憶される。なお、各種の制御プログラムの実行に際して、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の各値が参照される場合には、カウンタ用バッファに記憶されている各カウンタの各値がそれぞれ参照される。
保留球格納エリアは、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の値を記憶するためのメモリである。この保留球格納エリアには、球の入賞タイミングで取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶できるように、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有していると共に、変動開始処理(図14参照)において参照される1つの実行エリアとから構成されている。
保留球格納エリアにおける4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を格納するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を格納するためのエリアとが設けられている。なお、本実施形態では、1の保留球格納エリア内の各保留エリアの中に、カウンタC1〜C3の値が格納される3つのエリアを設ける構成としたが、保留球格納エリアを複数設けて、これら3つのエリアを複数の保留球格納エリアに分けて記憶する構成としてもよい。例えば、カウンタC1〜C3の値を格納するための3つのエリアのうちの一部(1又は2つのエリア)を、2つ設けられた保留球格納エリアのうちの一方に設け、残りのエリアを他方の保留球格納エリアに設けるように構成してもよい。
上述した通り、保留球格納エリアには、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶することができるが、複数回のデータを記憶する場合には、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。即ち、エリア番号の小さい保留エリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶される。よって、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
保留球格納エリアにおける実行エリアには、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を格納するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を格納するためのエリアとが設けられている。後述する変動処理(図12参照)において、保留球格納エリアの保留第1エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3の値)が、実行エリアにシフトされて参照され、その参照データに基づいて大当たりの抽選結果が決定される。そして、その抽選結果に対応する変動表示及び停止表示が、第1図柄表示装置37などで行われる。
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成されており(値=0〜738)、タイマ割込処理(図16参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図11参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。本実施形態では、大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時(大当たり確率が通常の状態)と高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)との2種類設定されている。低確率時(大当たり確率が通常の状態)に大当たりとなる乱数の値は2種類で、その値は「373,727」である。一方、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)に大当たりとなる乱数の値は13種類で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。なお、第1当たり乱数カウンタC1の値(乱数値)から、大当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの種別を決定するためのカウンタである。本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2により決定される大当たりの種別として、大当たり終了後に高確率状態となる大当たり(確変大当たり)と、大当たり終了後に低確率状態となる大当たり(通常大当たり)とがあり、球が第1入球口64に入賞したタイミング取得された第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、これら2種類の大当たり種別のうちのいずれかが決定される。
本実施形態において、第1当たり種別カウンタC2は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施形態では、後述する図16のタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。本実施形態では、「大当たり終了後に高確率状態となる大当たり(確変大当たり)」となる乱数の値は「1,2,3」であり、「大当たり終了後に低確率状態となる大当たり(通常大当たり)」となる乱数の値は「0,4」である。この第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、「大当たり終了後に高確率状態となる大当たり」か「大当たり終了後に低確率状態となる大当たり」かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
なお、本実施形態では、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されたデータ(カウンタC1〜C3の値)のうち、第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき「大当たり」と判定され、かつ、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき「大当たり終了後に高確率状態となる大当たり」と判定された場合に、その大当たりが「確変大当たり」となる。一方、第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき「大当たり」と判定され、かつ、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき「大当たり終了後に低確率状態となる大当たり」と判定された場合に、その大当たりが「通常大当たり」となる。
よって、第1当たり乱数カウンタC1の値と第1当たり種別カウンタC2の値とに基づき、2種類の大当たり(確変大当たり、又は通常大当たり)に対応した表示態様と、外れに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つの表示態様が、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様として選択される。
なお、本実施形態における「確変大当たり」は、最大ラウンド数が16ラウンドである大当たりの後、次に大当たり(確変大当たり、又は、通常大当たり)となるまでの間は、第1図柄の大当たり確率が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)へと移行すると共に、第2図柄の当たり確率もアップする大当たり(16ラウンド確変大当たり)である。
また、本実施形態における「通常大当たり」と、最大ラウンド数が16ラウンドである大当たりの後、第1図柄の大当たり確率が低確率状態(大当たり確率が通常の状態)へ移行し、所定の変動回数の間(本実施形態では、100変動回数)だけ、第2図柄の当たり確率のみがアップする大当たり(15R通常大当たり)である。
なお、本実施形態では、「通常大当たり」となった場合には、所定の変動回数の間、第2図柄の当たり確率をアップするように構成するが、これに換えて、次の大当たりの抽選結果が決定されるまで、第2図柄の当たり確率のアップを継続するように構成してもよい。
また、本実施形態では、「確変大当たり」又は「通常大当たり」の最大ラウンド数を16ラウンドとするが、最大ラウンド数は16ラウンドに限らず、種々の値(例えば、7ラウンドや、15ラウンドなど)とすることができる。
また、本実施形態では、「確変大当たり」の最大ラウンドも「通常大当たり」の最大ラウンド数も両方とも16ラウンドとするが、最大ラウンド数が「確変大当たり」と「通常大当たり」とで異なるようにしても良い。例えば、「確変大当たり」の最大ラウンド数を16ラウンドとし、「通常大当たり」の最大ラウンド数を7ラウンドとしても良い。
また、本実施形態では、「確変大当たり」となった場合には、次の大当たりの抽選結果が決定されるまで、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しているが、その代わりに、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)だけ、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しても良い。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止パターン(動的表示の表示結果の態様)が選択される。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。
なお、停止パターン選択カウンタC3の値(乱数値)から、停止パターンを選択するために参照されるテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられており、停止パターンは、このテーブルと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて選択される。なお、かかるテーブルは、1の停止パターンを取り得る停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。これは、パチンコ機10の現在の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留球数N等に応じて、各停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜5と狭くなると共に、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)で、保留球格納エリアに各乱数値が記憶(保留)されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜8であり、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
次に、3つの変動種別カウンタCS1〜CS3のうち、変動種別カウンタCS1,CS2について説明する。一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」とも称することがある。
第1変動種別カウンタCS1は、第3図柄の変動表示(動的表示)のパターン(変動パターン)を選択(選定)するために使用するカウンタである。この第1変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図11参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
本実施形態では、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択可能な変動パターンとして、通常変動、ノーマルリーチ変動、及びスーパーリーチ変動という3種類の変動パターンが設定されている。第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択される各変動パターンは、演出時間(変動時間)が異なるように構成されている。
これらの変動パターンのうち、「通常変動」は、リーチ表示を伴わずにハズレの表示結果を現出する変動パターン(即ち、外れ変動)である。本実施形態では、「通常変動」は、変動時間が11秒の変動パターンとして構成される。
「ノーマルリーチ変動」は、リーチ表示を伴う所謂ノーマルリーチの変動パターンである。本実施形態では、「ノーマルリーチ変動」は、変動時間が20秒の変動パターンとして構成される。
「スーパーリーチ変動」は、リーチが発生してから最終図柄が停止するまでの間に所定の演出が現出するリーチパターンである。本実施形態では、「スーパーリーチ変動」は、変動時間が40秒の変動パターンとして構成される。なお、「スーパーリーチ変動」においてリーチが発生してから最終図柄が停止するまでの間に現出する所定の演出としては、特定のキャラクタを登場させることや、特定の背景表示を行うことや、特定の態様(例えば、図柄が拡大又は縮小されたり、図柄がゆらゆらと揺れたり、など)で図柄が変動されること等が例示される。
第1変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から変動パターンを選択する際には、ROM202に記憶されている第1選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第1選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別(確変大当たり又は通常大当たり)や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止図柄(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各第1選択テーブルにおいて、変動パターンに対する第1変動種別カウンタCS1の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第1選択テーブル毎に、変動パターンの選択確率が異なる。
一方、第2変動種別カウンタCS2は、リーチパターン(本実施形態では、ノーマルリーチ又はスーパーリーチ)において、最終停止図柄以外の図柄が停止してリーチが発生した後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定するためのカウンタである。この第2変動種別カウンタCS2の値は、後述するメイン処理(図11参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
なお、以下の説明では、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて決定される、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を、単に「変動図柄数」と称することがある。即ち、本実施形態では、第2変動種別カウンタCS2の値により、ノーマルリーチにおける、左図柄列Z1の図柄(左図柄)及び右図柄列Z3の図柄(右図柄)が停止してから、中図柄列Z2の図柄(中図柄)が停止するまでの変動図柄数が決定される。
第2変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する際には、ROM202に記憶されている第2選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第2選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別(確変大当たり又は通常大当たり)や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止図柄(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各変動パターン選択テーブルにおいて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数に対する、第2変動種別カウンタCS2の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第2選択テーブルに応じて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数の選択確率が異なる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンの種別を選択し、第2変動種別カウンタCS2の値に基づき、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する。即ち、第1変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定される。つまり、変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動表示の多種多様化を容易に実現できる。
次に、変動種別カウンタCS3について説明する。変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」と称する。
第3変動種別カウンタCS3は、予告演出の演出パターンを選択するためのカウンタである。即ち、本実施形態の第3図柄表示装置81は、第3図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり(所謂「スベリ演出」)、図柄を戻したり(所謂「戻り演出」)、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出を行うことができるので、その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3によって選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算(例えば、+0.5秒、+1秒、+2秒など)する演出パターンや、それとは反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算(例えば、−1秒など)する演出パターンや、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。
即ち、この第3変動種別カウンタCS3の値に基づき、演出時間の加減算値が決定される。第3変動種別カウンタCS3の値に基づき決定された演出時間の加減算値が、変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて決定される変動時間に加減算されることにより、第1図柄又は第3図柄の変動表示の変動時間(即ち、図柄の変動表示が開始されてから、最終停止図柄が停止するまでの変動時間)が決定される。よって、変動種別カウンタCS1,CS2に加え、さらに変動種別カウンタCS3を組み合わせることにより、変動表示をさらに多種多様化できる。
なお、上述した停止パターン選択カウンタC3の場合と同様に、この変動種別カウンタCS3の場合も、変動種別カウンタCS3の値(乱数値)に対して選択される予告演出の演出パターンの範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。即ち、パチンコ機10の現在の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留球数N、等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるテーブルが設けられている。かかるテーブル(図示せず)は、上述した変動種別カウンタCS1,CS2と同様に、ROM202内に設けられている。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、例えば、本実施形態ではタイマ割込処理(図16参照)毎に、定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値は149種類あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
また、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図16参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図11参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
再度、図5に戻って説明する。RAM203は、上述したカウンタやフラグなどの他にも、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図11参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図10参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図18参照)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111と、演出制御装置117と、第1図柄表示装置37と、第2図柄表示装置82と、第2図柄保留ランプ84と、第1入球口スイッチ208aや図示しないスイッチ群又はセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209とが接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
また、RAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。なお、払出制御装置111で実行されるNMI割込処理は、主制御装置110で実行されるNMI割込処理(図18参照)と同様の処理である。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示せず)により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
演出制御装置117は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力設定、特図保留ランプ85におけるランプの点灯数の設定、電飾部29〜33や表示ランプ34などにおけるランプの点灯および消灯の設定、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示や大当たり演出を制御するものである。
演出制御装置117は、MPU271と、画像コントローラ274と、キャラクタROM275と、ビデオRAM276と、入出力ポート277と、出力ポート278と、バスライン279,280とを有している。
演算装置であるMPU271には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン279を介して入出力ポート277が接続されている。入出力ポート277には、主制御装置110と、画像コントローラ274と、音声出力装置226と、電飾部29〜33及び表示ランプ34と、特図保留ランプ85とが接続されている。
画像コントローラ274には、キャラクタROM275、及びビデオRAM276が接続されると共に、バスライン280を介して出力ポート278が接続されている。この出力ポート278の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの当選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、演出制御装置117は共通部品化されコスト低減が図られている。
なお、本実施形態では、音声出力の制御や、各種ランプの点灯および消灯の制御や、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示の制御を一括して演出制御装置117で行うよう構成しているが、各種制御を複数の制御装置で分担して行うように構成しても良い。例えば、音声出力の制御と、各種ランプの点灯および消灯の制御とを専用の制御装置(音声ランプ制御装置)で行い、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示の制御を専用の制御装置(表示制御装置)で行うように構成しても良い。
MPU271は、1チップマイコンとしての演算装置である。MPU271には、MPU271により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM272と、ワークメモリ等として使用されるRAM273などの各種回路とが内蔵されている。
ROM272は、 共通演出メモリ272aと、選択演出決定テーブル272bを格納する領域とを有している。
共通演出メモリ272aは、特別遊技状態中(即ち、大当たり中)に第3図柄表示装置81に表示される大当たり演出における共通演出部分の設定を記憶するためのメモリである。なお、「共通演出」とは、大当たり演出における前半部分を構成する演出パターンである。本実施形態では、「共通演出」の演出期間は130sである。
選択演出決定テーブル272bは、大当たり演出における選択演出部分を決定(選定)するためのテーブルである。なお、「選択演出」とは、大当たり演出における後半部分を構成する演出パターンである。本実施形態では、演出期間の異なる複数の選択演出が選択演出決定テーブル272bに準備されており、遊技状況に応じて、最適な演出期間の選択演出を選択(選定)するよう構成されている。なお、選択演出決定テーブル272bの構成については、図9を参照しつつ後述する。
詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり演出のうち共通演出の演出期間(本実施形態では130s)中に実行される各ラウンドの実行期間を計測し、計測された実行期間に基づき、1ラウンドの消化に要する平均時間を求める。そして、求めた平均時間に基づき、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに要する時間(総残り時間)の予測を行い、予測された総残り時間(共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに要する時間)に対して、最適な演出期間の選択演出を選択演出決定テーブル272bから選択するように構成されている。
演出制御装置117のRAM273は、計測時間メモリ273aと、参照値メモリ273bと、表示R数カウンタ273cと、共通演出時間計測カウンタ273dと、表示R時間計測カウンタ273eと、共通演出時間計測フラグ273fと、表示R時間計測フラグ273gとを有している。
計測時間メモリ273aは、特定遊技状態中(大当たり中)に実行される各ラウンドの実行期間(ラウンド期間)の計測値を、ラウンド数(即ち、表示R数カウンタ273cの値が示すラウンド)に対応付けて記憶するためのメモリである。
参照値メモリ273bは、「参照値」を記憶するためのメモリである。この「参照値」は、表示R時間計測カウンタ273eにより計測されたラウンド期間が、何らかの原因(例えば、遊技者が席を離れる等によって遊技が中断された、等)によって生じた異常な値であるか否かを判定するために使用される値である。
詳細は後述するが、計測時間メモリ273aに記憶されている各ラウンドのラウンド期間の計測値のうち、この参照値メモリ273bに記憶されている値(即ち、参照値)を超える値は、異常な値であるとして、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出するための値から除外される。
この参照値メモリ273bには、パチンコ機10に電源が投入されると、デフォルト値として25sが設定される。その後、特別遊技状態(大当たり)が終了する毎に、その特別遊技状態中の各ラウンドの計測時間に基づいて1ラウンドの消化に要する平均時間を算出し、算出された平均時間に基づき、次回の特別遊技状態において適用される参照値が決定されて、参照値メモリ273bに記憶される。
表示R数カウンタ273cは、特別遊技状態(大当たり)中に実行するラウンド数を管理するためのカウンタである。演出制御装置117が、主制御装置110から特別遊技状態への移行を指示する大当たり移行コマンドを受信すると、今回の特別遊技状態において実行される最大ラウンド数(本実施形態では、16ラウンド)が、表示R数カウンタ273cに設定される。その後、演出制御装置117が、主制御装置110から閉鎖コマンドを受信して1ラウンドが終了する毎に、表示R数カウンタ273cの値は1ずつ減算される。
共通演出時間計測カウンタ273dは、大当たり演出の前半を構成する演出である共通演出部分の演出期間(本実施形態では130s)を計測するためのカウンタである。本実施形態では、大当たり演出は、第1ラウンドの開始時から、最終ラウンド(本実施形態では、第16ラウンド)の終了時まで実行されるように構成されている。そのため、第1ラウンドの開始前に、共通演出部分の演出期間に相当する値が共通演出時間計測カウンタ273dに設定され、第1ラウンドの開始に伴って計測(計時)を開始する。そして、この共通演出時間計測カウンタ273dの値がゼロになったとき、共通演出部分の演出期間が終了したことを示す。
表示R時間計測カウンタ273eは、各ラウンドの期間を計測するためのカウンタである。演出制御装置117が、主制御装置110からラウンドの開始(即ち、特定入賞口65aの開放)を示す開放コマンドを受信すると、表示R時間計測カウンタ273eによる計測がゼロから開始される。そして、主制御装置110からラウンドの終了(即ち、特定入賞口65aの閉鎖)を示す閉鎖コマンドを受信すると、表示R時間計測カウンタ273eによる計測を終了し、そのときの値が、計測対象ラウンドのラウンド期間を示す。
共通演出時間計測フラグ273fは、共通演出時間計測カウンタ273dによる計測の実行中であるか否かを示すフラグであり、この共通演出時間計測フラグ273fがオン(即ち、「1」)であれば、共通演出時間計測カウンタ273dによる計測の実行中であることを示す。
この共通演出時間計測フラグ273fは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM273の初期化処理においてオフ(即ち、「0」)に初期化される。そして、演出制御装置117が、第1ラウンドの開始を示す開放コマンドを主制御装置110から受信すると、共通演出時間計測フラグ273fはオンに設定され、その後、共通演出時間計測フラグ273fは、共通演出時間計測カウンタ273dがゼロになったときにオフに設定される。
表示R時間計測フラグ273gは、表示R時間計測カウンタ273eによる計測の実行中であるか否かを示すフラグであり、この表示R時間計測フラグ273gがオン(即ち、「1」)であれば、表示R時間計測カウンタ273eによる計測の実行中であることを示す。
この表示R時間計測フラグ273gは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM273の初期化処理においてオフ(即ち、「0」)に初期化される。そして、1のラウンドの開始時点及び終了時点にそれぞれオン及びオフされる。具体的に、演出制御装置117が、ラウンドの開始を示す開放コマンドを主制御装置110から受信すると、表示R時間計測フラグ273gはオンに設定され、その後、そのラウンドの終了を示す開放コマンドを主制御装置110から受信すると、表示R時間計測フラグ273gはオフに設定される。
また、RAM273は、MPU271の内部レジスタの内容やMPU271により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更に、RAM273は、各種のメモリ、フラグ、カウンタ等などを有している。
MPU271は、上述したROM272及びRAM273に加え、音声メモリ280を有している。この音声メモリ280は、変動表示(変動演出)や大当たり演出に用いられる音声データや、効果音のデータなどを格納するメモリである。
画像コントローラ274は、キャラクタROM275、ビデオRAM276、入出力ポート277、出力ポート278のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM276に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
キャラクタROM275は、第3図柄表示装置81に表示する図柄(背景図柄や第3図柄や装飾図柄)などの演出用のデータが、圧縮された形式で格納されているメモリである。このキャラクタROM275には、例えば、変動表示(変動演出)や大当たり演出に用いられる演出用の各種データや、第3図柄のキャラクタ図柄や、背景図柄や、予告キャラクタ図柄などが記憶されている。演出用の各種データとしては、通常変動(外れ変動)、ノーマルリーチ変動、の各変動表示に用いるデータ(変動表示データ)などが該当する。なお、本実施形態では、大当たり演出のうち、表示演出は、動画又は静止画のコマ送りによって実行されるよう構成されており、キャラクタROM275には、動画又は静止画のコマ送りを行うためのデータが記憶されている。
キャラクタROM275には、記憶するデータ量を少なくするために、上述したような演出用のデータが圧縮された状態で記憶されている。本実施形態では、演出用のデータは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのデータが、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタROM275に記憶されている。キャラクタROM275に圧縮され記憶されている演出用のデータは、必要なものだけが読み出されて、解凍された後に、ビデオRAM276の所定の領域に書き込まれる。
ビデオRAM276は、第3図柄表示装置81に表示する演出用のデータを、解凍した状態(直ぐに使用可能な状態)で記憶するためのメモリである。ビデオRAM276は、変動表示データ記憶領域(図示せず)を有している。この図示されない変動表示データ記憶領域は、第3図柄表示装置81において変動表示(変動演出)や大当たり演出を行うためのデータを記憶するためのメモリであり、第3図柄表示装置81において各演出が開始されると、この変動演出データ記憶領域に記憶されているデータに対応する画像が時間に応じて第3図柄表示装置81に表示される。
なお、各種データをキャラクタROM275から読み出し、変動演出データ記憶領域に記憶するのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためである。例えば、演出データをキャラクタROM275から読み出しながら第3図柄表示装置(LCD)81に表示する構成にすると、読み出すデータ量が大きい場合には読み出しに時間を有し、スムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができない場合があるからである。また、RAMに記憶する方が、表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるからでもある。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図18参照)を正常に実行し、電源断の発生情報をRAM203及びRAM213に記憶して完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図7及び図8を参照して、本実施形態のパチンコ機10において実行される大当たり演出について説明する。図7(a)は、本実施形態のパチンコ機10において実行される大当たり演出の構成を示す模式図である。
本実施形態の大当たり演出は、表示演出及び音声演出ともに、開始から終了まで一連の演出として構成されている。即ち、本実施形態の表示演出及び表示演出は、特別遊技状態(大当たり)中におけるラウンド間のインターバルの期間に中断することなく一連の演出として実行されるように構成されている。
図7(a)に示すように、本実施形態の大当たり演出は、該大当たり演出の開始から実行される共通演出と、その共通演出に引き続いて実行される選択演出とから構成される。共通演出は、どの大当たり演出においても共通して実行される演出であり、その演出期間は130sとされている。
なお、この共通演出の演出期間(本実施形態では、130s)は、所定数Rのラウンドのラウンド期間が、各ラウンドを消化するのに要する最長期間(本実施形態では、30s)で実行される場合よりも長い期間であることが好ましい。その理由としては、1のラウンドを消化するのに要する平均時間の算出に使用する計測値(ラウンド期間の計測値)の数を少なくとも所定数Rだけ確保することができるからである。
一方、選択演出は、演出期間が28sである選択演出1から、演出期間が172sである選択演出10まで、10種類の選択演出が準備されており、これら10種類の選択演出の中から、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに要する時間(総残り時間)の予測値に応じたものが選択(選定)される。即ち、選択演出の演出期間は可変である。
図7(b)は、特別遊技状態(大当たり)において、1ラウンドあたりの消化時間(即ち、ラウンド期間)と、選択演出の演出期間との関係を説明する図である。ところで、球の発射間隔は一般的に0.6s程度であるので、ラウンドの終了条件の1つである10個の球が特定入賞口65aに入球するには、最低6sが必要であるので、1ラウンドの消化時間は最低6s程度要する。
本実施形態では、大当たり演出は、第1ラウンドの開始時から、最終ラウンド(本実施形態では、第16ラウンド)の終了時まで実行されるように構成されているので、1ラウンドあたりの消化時間が6〜8sである場合、ラウンド間のインターバル期間(本実施形態では、2s)を含め、大当たり演出期間は、126〜158sとなる。よって、共通演出の演出期間は130sであることから、1ラウンドあたりの消化時間が8s以下である場合の選択演出期間は、最大で28sとなる。本実施形態では、演出期間が28sである選択演出を選択演出1(表示選択演出1、音声選択演出1)として準備している。
同様に、1ラウンドあたりの消化時間が9s、10s、11s、12s、13s、14s、15s、及び16sである場合の選択演出期間は、それぞれ、44s、60s、76s、92s、108s、124s、140s、及び156sである。本実施形態では、演出期間が44s、60s、76s、92s、108s、124s、140s、及び156sである選択演出を、それぞれ、選択演出2〜9として準備している。
1ラウンドあたりの消化時間が16sより長い場合についても、選択演出1〜9と同様に、1s単位で選択演出を準備することもできるが、その分、キャラクタROM275や音声メモリ280に記憶するデータ量が増えるため、本実施形態では、1ラウンドあたりの消化時間が16sより長い場合には、選択演出の演出期間を一律172sとしている。そして、演出期間が172sである選択演出を選択演出10(表示選択演出10、音声選択演出10)として準備している。
図8は、大当たり演出の内容を説明する図である。まず、図8(a)及び(b)を参照して、第3図柄表示装置81に表示される大当たり演出の内容について説明する。図8(a)は、第3図柄表示装置81に表示される大当たり演出のうち、共通演出(以下、「表示共通演出」と称する。)の内容を示す図であり、図8(b)は、第3図柄表示装置81に表示される大当たり演出のうち、選択演出(以下、「表示選択演出」と称する。)の内容を示す図である。
図8(a)に示すように、演出期間(表示期間)が130sである表示共通演出は、20s間の「冒険出発」部分と、それに続く110s間の「海底探索」部分とから構成される。なお、表示共通演出における「海底探索」部分では、第3図柄のリーチ演出中に登場すると大当たりへの期待感が高まる(所謂「アツい」)キャラクタであるメインキャラを含む、メインキャラ1〜メインキャラ18までが登場するように設定されている。表示共通演出は、大当たり演出時に必ず実行される演出であるので、かかる表示共通演出の中で、リーチ演出中には登場する確率の低いアツいキャラクタを含むメインキャラを登場させることにより、遊技者に大当たり演出を堪能させることができる。
図8(b)に示すように、表示選択演出1〜10のうち、演出期間(表示期間)が28sである表示選択演出1だけは、28s間の「エンディング」部分から構成され、それ以外の表示選択演出2〜10は、種々の演出期間の「ジャングル探索」部分と、28s間の「エンディング」部分とから構成される。即ち、表示選択演出2〜10の演出期間の相違は、「ジャングル探索」部分の演出期間に応じたものとなる。
具体的に、演出期間が44sである表示選択演出2の「ジャングル探索」部分は、第3図柄のリーチ演出中に登場するサブキャラのうち、サブキャラ17,18が登場する16s間の演出として構成される。また、演出期間が60sである表示選択演出3の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ15〜18が登場する32s間の演出として構成される。
同様に、演出期間が76sである表示選択演出4の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ13〜18が登場する48s間の演出として構成され、演出期間が92sである表示選択演出5の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ11〜18が登場する64s間の演出として構成さる、演出期間が108sである表示選択演出6の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ9〜18が登場する80s間の演出として構成される。
また、表示選択演出7(124s)、表示選択演出8(140s)、表示演出選択演出9(156s)、及び表示選択演出10(172s)の「ジャングル探索」部分は、それぞれ、サブキャラ7〜18が登場する96s間の演出、サブキャラ5〜18が登場する112s間の演出、サブキャラ3〜18が登場する128s間の演出、及びサブキャラ1〜18が登場する144s間の演出として構成される。
なお、上述した表示共通演出及び表示選択演出1〜10において登場する「冒険出発」部分、「海底探索」部分、「ジャングル探索」部分、及び「エンディング」部分のデータは、キャラクタROM275に記憶されている。また、「海底探索」部分に登場するメインキャラ1〜18、及び「ジャングル探索」部分に登場するサブキャラ1〜18のデータも、キャラクタROM275に記憶されている。
次に、図8(c)及び(d)を参照して、音声出力装置226から音声として出力される大当たり演出の内容について説明する。図8(c)は、音声出力装置226から出力される大当たり演出のうち、共通演出(以下、「音声共通演出」と称する。)の内容を示す図であり、図8(d)は、音声出力装置226から出力される大当たり演出のうち、選択演出(以下、「音声選択演出」と称する。)の内容を示す図である。
図8(c)に示すように、演出期間(演奏期間)が130sである音声共通演出は、20s間の「前奏」と、それに続く110s間の「1番」とから構成される。なお、音声共通演出における「1番」は、Aメロ(20s)とBメロ(8s)とCメロ(24s)とDメロ(8s)とサビA(50s)とが、この順序で演奏される構成である。
図8(d)に示すように、音声選択演出1〜10は、種々の演出期間(演奏期間)の「2番」と、8s間の「エンディング」とから構成される。即ち、音声選択演出1〜10の演出期間の相違は、「2番」の演出期間に応じたものとなる。
具体的に、演出期間が28sである音声選択演出1の「2番」は、20s間のAメロから構成される。また、演出期間が44sである音声選択演出2の「2番」は、20s間のAメロと、8s間のBメロと、8s間のDメロとから構成され、演出期間が60sである音声選択演出3の「2番」は、20s間のAメロと、8s間のBメロと、24s間のCメロとから構成される。
同様に、演出期間が76sである音声選択演出4の「2番」は、20s間のAメロと、8s間のBメロと、40s間のサビBとから構成され、演出期間が92sである音声選択演出5の「2番」は、20s間のAメロと、24s間のCメロと、40s間のサビBとから構成され、演出期間が108sである音声選択演出6の「2番」は、20s間のAメロと、8s間のBメロと、24s間のCメロと、8s間のDメロと、40s間のサビBとから構成される。
また、演出期間が124sである音声選択演出7の「2番」は、20s間のAメロと、56s間のギターと、40s間のサビBとから構成され、演出期間が140sである音声選択演出8の「2番」は、20s間のAメロと、8s間のBメロと、8s間のDメロと、56s間のギターと、40s間のサビBとから構成される。また、演出期間が156sである音声選択演出9の「2番」は、20s間のAメロと、8s間のBメロと、24s間のCメロと、56s間のギターと、40s間のサビBとから構成され、演出期間が172sである音声選択演出10の「2番」は、20s間のAメロと、8s間のBメロと、24s間のCメロと、56s間のギターと、8s間のBメロと、40s間のサビBとから構成される。
なお、上述した表示共通演出及び表示選択演出1〜10において登場する「前奏」、「Aメロ」、「Bメロ」、「Cメロ」、「Dメロ」、「Aサビ」、「Bサビ」、「ギター」、「エンディング」のデータは、音声メモリ280に記憶されている。
次に、図9を参照して、複数の選択演出(表示選択演出1〜10、音声選択演出1〜10)の中から、1の選択演出を選択する方法について説明する。図9は、大当たり演出における選択演出部分を決定(選定)するためのテーブルである選択演出決定テーブル272b(図5参照)の内容を示す模式図である。
図9に示すように、選択演出決定テーブル272bは、共通演出期間中に計測された各ラウンドの実行期間(ラウンド期間)に基づいて算出された、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに要する時間(総残り時間)の予測値と、表示選択演出及び音声選択演出とが対応付けられている。
具体的に、総残り時間の予測値tが44s未満である場合に対して、表示選択演出1(28s)及び音声選択演出1(28s)が対応付けられている。また、総残り時間の予測値tが44s以上かつ60s未満である場合に対して、表示選択演出2(44s)及び音声選択演出2(44s)が対応付けられており、総残り時間の予測値tが60s以上かつ76s未満である場合に対して、表示選択演出3(60s)及び音声選択演出3(60s)が対応付けられている。
同様に、総残り時間の予測値tが76s以上かつ92s未満である場合に対して、表示選択演出4(76s)及び音声選択演出4(76s)が対応付けられており、総残り時間の予測値tが92s以上かつ108s未満である場合に対して、表示選択演出5(92s)及び音声選択演出5(92s)が対応付けられている。
また、総残り時間の予測値tが108s以上かつ124s未満である場合に対して、表示選択演出6(108s)及び音声選択演出6(108s)が対応付けられており、総残り時間の予測値tが124s以上かつ140s未満である場合に対して、表示選択演出7(124s)及び音声選択演出7(124s)が対応付けられている。
また、総残り時間の予測値tが140s以上かつ156s未満である場合に対して、表示選択演出8(140s)及び音声選択演出8(140s)が対応付けられており、総残り時間の予測値tが156s以上かつ172s未満である場合に対して、表示選択演出9(156s)及び音声選択演出9(156s)が対応付けられている。さらに、総残り時間の予測値tが172s以上である場合に対しては、表示選択演出10(172s)及び音声選択演出10(172s)が対応付けられている。
このように、本実施形態では、表示選択演出1〜9及び音声選択演出1〜9については、予測された総残り時間(即ち、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに要する時間)より短い演出期間の選択演出(表示選択演出、音声選択演出)が選択されるように構成されている。よって、選択された選択演出は、大当たり演出の終了以前に終了させることが可能であり、選択演出を大当たり終了前に終了させる(即ち、大当たり演出を大当たり終了前に終了させる)ことにより、遊技者に大当たり演出の全てを見せることができる。従って、大当たり演出が途中で途切れて見ることができなくなった部分に対し、遊技者が不満を抱き、遊技意欲が低下することを防止することができる。
次に、図10から図18のフローチャートを参照して、上記構成を有するパチンコ機10における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されNMI割込処理とに大別される。
まず、図10を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図10は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(演出制御装置117、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、図11のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理(S112,S113)の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図11を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)や、外部出力端子板260を介してホールコンピュータ600へ送信(出力)する(S201)。この外部出力処理(S201)により、例えば、S501のスイッチ読み込み処理(図16参照)によって検出された入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理(S201)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、種別コマンド、停止コマンド、演出時間加減算コマンド等を演出制御装置117に送信したり、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
S201の処理後、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図12を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり処理を実行する(S205)。具体的には、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aの開放し、その後、予め規定されている時間(本実施形態では、30秒)が経過するか、特定入賞口65aに所定数(本実施形態では、10個)の球が入球した場合に、特定入賞口65aを閉鎖する処理を、所定ラウンド数(本実施形態では、16ラウンド)繰り返し実行する処理である。なお、大当たり処理の詳細は図15を参照して後述する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2、CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図15参照)が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や演出制御装置117等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図12を参照して、変動処理(S204)について説明する。図12は、メイン処理(図11参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、RAM203内に設けられている特図保留球カウンタ(図示せず)の値、即ち、特図保留球数Nを取得する(S303)。S303の処理後、特図保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S304)。特図保留球数Nが0であれば(S304:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特図保留球数N>0であれば(S304:Yes)、特図保留球数N(即ち、特図保留球カウンタの値)を1減算し(S304)、RAM203に設けられている保留球格納エリア(図示せず)の保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる保留球格納エリア順送り処理を実行する(S305)。なお、保留球格納エリア順送り処理(S305)で実行される詳細な処理については、図13を参照して後述する。
保留球格納エリア順送り処理(S305)の実行後、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行し(S306)、変動処理(S204)を終了する。なお、変動開始処理(S306)で実行される詳細な処理については、図14を参照して後述する。
一方、S302の処理により確認した結果、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、RAM203に設けられた特図制御タイマ(図示せず)を参照して変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。なお、特図制御タイマ(図示せず)は、変動開始から変動終了までの時間を管理するタイマである。なお、第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された演出時間の加減算値とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
ここで、第1図柄表示装置37の停止表示にて表示される停止図柄は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かの停止図柄が決定される。さらに、大当たりの停止図柄については、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、大当たり後に高確率状態となる場合(即ち、確変大当たり)の停止図柄と、大当たり後に低確率状態となる場合(即ち、通常大当たり)の停止図柄とに区別される。例えば、確変大当たりであれば、停止図柄として青色のLEDを点灯させ、第2の確変大当たりであれば、停止図柄として赤色のLEDを点灯させる。一方で、抽選結果(第1当たり乱数カウンタC1の値)が外れである場合には停止図柄として、赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
なお、変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示を終了(停止)するために、停止表示の設定を行い(S309)、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドを設定し(S310)、RAM203に設けられた大当たり開始フラグ(図示せず)をオンして(S311)、変動処理(S204)を終了し、メイン処理(図9参照)へ戻る。演出制御装置117は、S310において設定された停止コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において実行中の1の変動表示を終了させる。
次に、図13を参照して、上述した保留球格納エリア順送り処理(S305)について説明する。図13は、変動処理(図12参照)の中で実行される保留球格納エリア順送り処理(S305)を示すフローチャートである。
この保留球格納エリア順送り処理(S305)では、まず、保留球格納エリアの保留第1エリアに記憶されている各データ(第1当たり乱数カウンタの値、第1当たり種別カウンタの値、及び停止パターン選択カウンタの値)を、実行エリアへシフトする(S351)。
次に、保留第2エリア〜保留第4エリアに記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリアへシフトする(S352)。なお、本実施形態では、第2〜第4保留エリアのうち、データが記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行う。よって、データが記憶(保留)されていない保留エリアについては、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
また、データの有無に関わらず、第2〜第4保留エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2〜第4保留エリアにデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
次に、特図保留球カウンタの値(特図保留球数N)を1減算し(S353)、減算した後の特図保留球カウンタの値を示す保留数コマンドを設定する(S354)。このS354の処理により設定された保留数コマンドは、メイン処理(図11参照)において次回に実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された保留数コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプが特図保留ランプ85において点灯される。
次に、特図保留球カウンタの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S355)、保留球格納エリア順送り処理(S305)を終了し、変動処理(図12参照)へ戻る。
次に、図14を参照して、上述した変動開始処理(S306)について説明する。図14は、変動処理(図12参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示すフローチャートである。
変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。
なお、本実施形態では、通常の確率(低確率)時には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「310」又は「608」であれば、S401の処理により大当たりと判別される。一方、高確率時には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,63,90,127,154,188,210,250,278,305,343,375,400,426,471,509,535,568,598,618」のうちのいずれかであれば、S401の処理により大当たりと判別される。
S401の処理により大当たりであると判別された場合には(S401:Yes)、第1図柄表示装置37に表示する大当たり時の表示態様(LED37aの点灯状態)を設定する(S402)。具体的に、S402では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づき大当たり種別(即ち、大当たり時の停止図柄)を決定した後、決定された大当たり種別に応じた表示態様が第1図柄表示装置37に表示されるように設定を行う。なお、本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2の値が「1,2,3」である場合の大当たり種別は「確変大当たり」であり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0,4」である場合の、大当たり種別は「通常大当たり」である。
S402の処理後、第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別と、RAM203内のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づき、大当たり時の変動パターンを決定する(S403)。
即ち、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、ノーマルリーチ変動(20秒間)、スーパーリーチ変動(40秒間)の中から、大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。このS403の処理による変動パターンの決定によって、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
なお、上述の変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか、又は、2つの変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決めるように構成しても良い。
一方で、S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、第1図柄表示装置37に表示する外れ時の表示態様(LED37aの点灯状態)を設定する(S408)。具体的に、S408では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づき、外れ時の停止図柄(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、又は完全外れ)を決定した後、決定された停止図柄に応じた表示態様が第1図柄表示装置37に表示されるように設定を行う。
S408の処理後、停止パターン選択カウンタC3の値が示す外れ時の停止図柄と、RAM203内のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づき、外れ時の変動パターンを決定する(S409)。
即ち、上記したS403の処理と同様に、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ変動(11秒間)、ノーマルリーチ変動(20秒間)、スーパーリーチ変動(40秒間)の中から、大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2(中図柄))が停止するまでの変動時間を決定する。このS409の処理による変動パターンの決定によって、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
なお、S408の処理において、外れ時の表示態様として「前後外れリーチ」又は「前後外れ以外リーチ」が設定された場合には、S409の処理によって必ずリーチ変動(ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動)が決定されるように、テーブルが予め設定されている。
S403又はS409の処理後、これらの処理により決定された変動時間に加減算される演出時間(演出時間の加減算値)を決定する(S404)。このとき、RAM203内のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに記憶されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて加減算される演出時間が決定される。
S404の処理後、S403又はS409の処理により決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターンコマンドを設定し(S405)、次いで、S402又はS408の処理で設定された表示態様(即ち、停止図柄)に応じた種別コマンドを設定する。(S408)。その後、S404の処理で決定された演出時間の加減算値に応じた演出時間加減算コマンドを設定し(S407)、この変動開始処理(S306)を終了し、変動処理(図10参照)へ戻る。
上述した通り、保留球格納エリア順送り処理(図13参照)の中で、「保留数コマンド」が設定された後、変動開始処理(図14参照)の中で、「変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加減算コマンド」の順で、コマンドが設定される。メイン処理(図11参照)における外部出力処理(S201)では、コマンドが設定された順番に各コマンドが出力されるので、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を開始する際には、「保留数コマンド」、「変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加減算コマンド」の順でコマンドが演出制御装置117に出力される。
次に、図15を参照して、上述した大当たり処理(S205)について説明する。図15は、メイン処理(図11参照)の中で実行される大当たり処理(S205)を示すフローチャートである。
図15に示すように、大当たり処理(S205)では、まず、変動処理(図12参照)におけるS301の処理と同様に大当たり中であるかを判別し(S421)、大当たり中でなければ(S421:No)、大当たりの開始時であるか、即ち、大当たり開始フラグ(図示せず)がオンであるかを判別する(S422)。S422の処理による判別の結果、大当たり開始フラグがオフ、即ち、大当たりの開始時でなければ(S322:No)、大当たり処理(S205)を終了する。
一方、S422の処理による判別の結果、大当たり開始フラグがオン、即ち、大当たりの開始時であれば(S422:Yes)、大当たり開始フラグをオフし(S423)、大当たりオープニングを設定する(S424)。S424の処理では、大当たりオープニングの演出期間が、RAM203内に設けられている大当たり制御タイマ(図示せず)に設定される。
S424の処理後、大当たり移行コマンドを設定する(S425)。S425の処理により大当たり移行コマンドが設定されると、メイン処理(図11参照)の外部出力処理(S201)により、設定された大当たり移行コマンドが、演出制御装置117に出力される。そして、大当たり移行コマンドを受信した演出制御装置117は、大当たりオープニングの演出を開始(第3図柄表示装置81に表示)する。
S425の処理後、大当たり制御タイマ(図示せず)が特定入賞口65aの開放タイミングを示すかを判別する(S426)。また、S421の処理による判別の結果、大当たり中である場合(S421:Yes)も、S426の処理へ移行し、特定入賞口65aの開放タイミングであるか判別する。
S426の処理による判別の結果、特定入賞口65aの開放タイミングであれば(S426:Yes)、ラウンドを開始させるために開放時設定処理を実行する(S427)。具体的に、開放時設定処理(S427)では、大開放口ソレノイド(ソレノイド209の一部)をオン(励磁)して、特定入賞口65aを開放すると共に、特定入賞口65aの最大開放期間(本実施形態では、30s)を大当たり制御タイマ(図示せず)に設定する。
開放時設定処理(S427)の実行後、開放コマンドを設定する(S428)。S428の処理により開放コマンドが設定されると、メイン処理(図11参照)の外部出力処理(S201)により、設定された開放コマンドが、演出制御装置117に出力される。そして、演出制御装置117は、かかる開放コマンドの受信により、ラウンドの開始を認識し、ラウンド中における表示や出力音声を制御するために必要な各設定を実行する。
S428の処理後、大当たり制御タイマ(図示せず)が特定入賞口65aの閉鎖タイミングを示すかを判別する(S429)。また、S426の処理による判別の結果、特定入賞口65aの開放タイミングでない場合(S426:No)も、S429の処理へ移行し、特定入賞口65aの閉鎖タイミングであるか判別する。
S429の処理による判別の結果、特定入賞口65aの閉鎖タイミングであれば(S429:Yes)、ラウンドを終了させるために閉鎖時設定処理を実行する(S430)。具体的に、閉鎖時設定処理(S430)では、大開放口ソレノイドをオフして、特定入賞口65aを閉鎖すると共に、実行中のラウンドが最終ラウンド以外の場合には、次のラウンド(即ち、次回の特定入賞口65aの開放)までのインターバル期間(本実施形態では、2s)を大当たり制御タイマ(図示せず)に設定する。
閉鎖時設定処理(S427)の実行後、閉鎖コマンドを設定する(S431)。S431の処理により閉鎖コマンドが設定されると、メイン処理(図11参照)の外部出力処理(S201)により、設定された閉鎖コマンドが、演出制御装置117に出力される。そして、演出制御装置117は、かかる閉鎖コマンドの受信により、ラウンドの終了を認識し、ラウンド終了後の表示や出力音声を制御するために必要な各設定を実行する。
一方、S429の処理による判別の結果、特定入賞口65aの閉鎖タイミングでない場合には(S429:No)、特定入賞口65aの開放後に、所定数(本実施形態では、10個)の球が特定入賞口65aに入球したかを判別する(S435)。
S435の処理による判別の結果、特定入賞口65aの開放後に、所定数の球が特定入賞口65aに入球した場合には(S435:Yes)、ラウンドの終了条件が成立したので、S430の処理へ移行し、閉鎖時設定処理を実行する(S430)。一方、特定入賞口65aに所定数の球が未だ入球していなければ(S435:No)、大当たり処理(S205)を終了する。
S431の処理後、大当たりの終了時であるか、即ち、最終ラウンド(本実施形態では、第16ラウンド)の終了時であるかを判別する(S432)。S432の処理による判別の結果、大当たりの終了時でなければ(S432:No)、大当たり処理(S205)を終了する。
一方で、S432の処理による判別の結果、大当たりの終了時であれば(S432:Yes)、大当たりエンディングを設定する(S433)。S433の処理では、大当たりエンディングの演出期間が、大当たり制御タイマ(図示せず)に設定される。
S433の処理後、エンディングコマンドを設定し(S434)、大当たり処理(S205)を終了する。S434の処理によりエンディングコマンドが設定されると、メイン処理(図11参照)の外部出力処理(S201)により、設定されたエンディングコマンドが、演出制御装置117に出力される。そして、エンディングコマンドを受信した演出制御装置117は、大当たりエンディングの演出を開始(第3図柄表示装置81に表示)する。
図16は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では、それぞれ、619,15,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、始動入賞処理については、図17を参照して後述する。また、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示せず)により検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ(図示せず)が操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図17のフローチャートを参照して、上述した始動入賞処理(S504)を説明する。図17は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の特図保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。
このとき、第1入球口64への入賞があり、且つ特図保留球数N<4であれば(S602:Yes)、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S603)。
次に、特図保留球カウンタ(図示せず)の値、即ち、特図保留球数Nに1加算し(S604)、加算した後の特図保留球数カウンタの値を示す保留数コマンドを設定する(S605)。S605の処理により設定された保留数コマンドは、メイン処理(図11参照)の中で実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。保留数コマンドを受信した演出制御装置117は、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプを特図保留ランプ85において点灯する。
次に、特図保留球カウンタの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S606)、始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図16参照)へ戻る。
一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特図保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図16参照)へ戻る。
図18は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される処理であり、このNMI割込処理の実行により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
次に、図19から図27を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU271の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、主制御装置110から送信された各種コマンドを受信する毎に実行されるコマンド受信割込処理とに大別される。
図19は、演出制御装置117内のMPU271により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、演出制御装置117の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU271がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定を行う(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源投入報知処理を実行する(S1002)。この電源投入報知処理(S1002)は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などにより行われる。
電源投入報知処理(S1002)の実行後は、第3図柄表示装置81に初期画面を表示するために、まず、初期画面に応じた演出データ(又は、画像データ)を、キャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に記憶する(S1003)。そして、その演出データを使用して、初期画面を第3図柄表示装置(LCD)81に表示する(S1004)。
次に、今回の立ち上げ処理が、後述する電源断処理(図20のS1110参照)の実行途中で、MPU271がリセットされたために実行されたものであるのかを、RAM273内に設けられている電源断処理中フラグ(図示せず)がオンされているか否かによって判定する(S1005)。
上述した通り、瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)が発生すると、主制御装置110は、演出制御装置117などに対して電源断コマンドを送信する。詳細については図20を参照しつつ後述するが、演出制御装置117は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると、電源断コマンドを受信したことを示す電源断の発生情報をRAM273に記憶し、電源断処理(図20のS1110参照)を実行する。電源断処理中フラグは、この電源断処理の前にオンされ、電源断処理の終了後にオフされる。
つまり、電源断処理の実行途中で、MPU271がリセットされたか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。なお、電源断処理の実行途中に、または、実行完了した後に電源が完全に遮断された場合には、RAM273のデータが喪失するので、かかる場合には、電源断処理中フラグはオフとなる。
より具体的には、電源断処理中フラグがオフである場合は、次の3つの状態のいずれかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合である。第1の状態としては、電源が完全に遮断された状態である。電源が完全に遮断されると、RAM273のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
第2の状態としては、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図20のS1110参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理が完了した後に、MPU271がリセットされた状態である。この場合、電源が遮断されなかったため、RAM273のデータは喪失せずに保持される。また、電源断処理が完了するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
第3の状態としては、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた状態である。つまり、電源断処理が実行されることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、MPU271がリセットされると、電源断処理中フラグがオフのまま、RAM273のデータが保持される。
上述した3つの状態のいずれかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合、即ち、電源断フラグがオフの場合は(S1005:No)、RAM273のデータが破壊されているか否かを確認する(S1006)。なお、ここでデータが破壊されているか否かを確認しているのは、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合に、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して演出制御装置117の制御を継続できるからである。
RAM273のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM273の特定の領域には、後述するS1009の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM273のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM273のデータ破壊を確認することができる。RAM273のデータ破壊が確認されれば(S1006:Yes)、S1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。一方、RAM273のデータ破壊が確認されなければ(S1006:No)、S1010の処理へ移行する。
より具体的には、電源が完全に遮断された後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM273の記憶は喪失するから)、RAM273のデータ破壊と判断され(S1006:Yes)、S1007の処理へ移行する。一方、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図20のS1110参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行が完了した後にMPU271がリセットされて、今回の立ち上げ処理が開始されたか、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM273のデータは正常と判断されて(S1006:No)、S1010の処理へ移行する。
S1005の処理において、電源断処理中フラグがオンである場合は(S1005:Yes)、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図20のS1110参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中でMPU271がリセットされた場合である。この場合は、現在のRAM273の記憶状態が必ずしも正しいとは言えない。よって、かかる場合には制御を継続することが困難であるので、処理をS1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。
S1007の処理では、RAM273の全範囲の記憶領域をチェックし(S1007)、そのチェック結果に基づいてRAM273が正常であるか否かを判別する(S1008)。なお、S1007で行うチェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM273の読み書きチェックにより、RAM273のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM273のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出された場合には、RAM273に異常があると判別し(S1008:No)、RAM273の異常を報知して(S1014)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM273の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM273の異常報知を行うようにしても良い。また、第3図柄表示装置81の画面において、RAM273の異常を報知するように構成しても良い。
一方、RAM273のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常であれば、RAM273は正常であると判別し(S1008:Yes)、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1009)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM273にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
S1109の処理後、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1010)。電源断フラグは、電源断処理(図20のS1110参照)が実行される前にオンされ、電源が完全に遮断されるとオフとなる。よって、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオンである場合とは、瞬間的な停電が発生したため電源断処理が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中に、または、実行完了してMPU271がリセットされた場合である。
よって、S1010の処理により確認した結果、電源断フラグがオンである場合には(S1010:Yes)、演出制御装置117の各処理を初期化するためにRAM273の作業エリア(作業領域)をクリアし(S1011)、RAM273の初期値を設定した後(S1012)、割込み許可を設定して(S1013)、メイン処理へ移行する。なお、S1012でRAM273の初期値を設定する際には、参照値メモリ273bには、デフォルト値である25sが参照値として設定される。
一方、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオフである場合とは、例えば、電源が完全に遮断された後に、再度電源が投入された場合(電源断フラグのデータを含むRAM273のデータが喪失している場合)、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、電源断フラグがオンされることなく(即ち、主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、RAM273のデータが保持されている場合である。
よって、S1010の処理により確認した結果、電源断フラグがオフされている場合には(S1010:No)、RAM273の作業エリアのクリア処理であるS1011をスキップして、処理をS1012へ移行し、RAM273の初期値を設定した後(S1012)、割込み許可を設定して(S1013)、メイン処理へ移行する。
なお、電源断フラグがオフされている場合にS1011のクリア処理をスキップするのは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、演出制御装置117の制御を継続できるからである。また、S1007〜S1009の処理が実行された場合には、S1007の処理によって、RAM273のすべての記憶領域は既にクリアされているので、再度、RAM273の作業エリアをクリアする必要がないからである。
次に、図20を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図20は、演出制御装置117内のMPU271により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、遊技の演出(音声出力や表示など)に関する制御を実行するための処理であり、上述した演出制御装置117の立ち上げ処理(図19参照)の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
メイン処理では、まず、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1101の処理が実行されてから)、1ms以上が経過したか否かを判定し(S1101)、前回の判定が実行されてから1ms以上経過している場合には(S1101:Yes)、共通演出時間計測カウンタ273d及び表示R計測カウンタ273eの値を更新する計測時間更新処理を実行する(S1102)。なお、この計測時間更新処理(S1102)の詳細については、図21を参照して後述する。
計測時間更新処理(S1102)の処理後、特別遊技状態(大当たり)中に実行する選択演出を決定する選択演出決定処理を実行する(S1103)。なお、この選択演出決定処理(S1103)の詳細については、図22を参照して後述する。
選択演出決定処理(S1103)の処理後、各種ランプの点灯制御や音声出力制御などを実行する処理である音声ランプ演出処理を実行し(S1104)、S1105の処理へ移行する。なお、この音声ランプ演出処理(S1102)の詳細については、図23を参照して後述する。
一方、S1101の処理による判定の結果、前回の判定から未だ1msが経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1104の処理をスキップして、S1105の処理へ移行する。なお、S1101の処理によって前回の判定が実行されてから1ms経過していない場合に、音声ランプ演出処理(S1104)の処理をスキップするのは、音声ランプ演出処理(S1104)の中で実行されるランプの点灯制御や音声出力制御を1msより短い周期で実行する必要がないからである。
S1105の処理では、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1105の処理が実行されてから)、20ms以上が経過したか否かを判定する(S1105)。このとき、前回の判定が実行されてから20ms以上経過している場合には(S1105:Yes)、変動演出に応じた動画(画像)や大当たり演出に応じた動画(画像)を第3図柄表示装置(LCD)81に表示させるための処理である表示演出処理を実行し(S1106)、S1107の処理へ移行する。なお、この表示演出処理(S1106)の詳細については、図24を参照して後述する。
一方、S1105の処理による判定の結果、前回の判定が実行されてから未だ20msが経過していなければ(S1105:No)、S1106の処理をスキップして、S1107の処理へ移行する。なお、S1105の処理によって前回の判定が実行されてから20ms経過していない場合に表示演出処理(S1106)の処理をスキップするのは、この表示演出処理が、第3図柄表示装置(LCD)81に表示させる画像を変動時間に応じて更新する処理であるので、かかる処理を20msより短い周期で実行する必要がないからである。
S1107の処理では、RAM273に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判定する(S1107)。なお、電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1107の処理により、電源断の発生情報が記憶されていると判定された場合には(S1107:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1109)、電源断処理を実行する(S1110)。電源断処理(S1110)の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1111)、その後、処理を、無限ループする。
S1110の電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226、電飾部29〜33、表示ランプ34、及び、第3図柄表示装置81への出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。なお、各出力ポートをオフするのは、異常な表示や、異常な音声出力が行われることを防止するためであり、異常な表示や、異常な音声出力によって、遊技者を困惑させないようにするためである。
一方、S1107の処理による判定の結果、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1107:No)、立ち上げ処理(図19参照)のS1009の処理によってRAM273に記憶されたキーワード「55AAh」に基づき、RAM273が破壊されているか否かを判別し(S1108)、RAM273が破壊されていなければ(S1108:No)、S1101の処理へ戻り、上述したS1101〜S1108の各処理を繰り返し実行する。
一方、S1108の処理により、RAM273が破壊されると判定された場合には(S1108:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて処理が無限ループとされたことにより、表示演出処理(S1106)が実行されなくなるため、その後は、第3図柄表示装置81の表示が変化されない。これにより、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。なお、RAM273が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などによりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図21を参照して、上述した計測時間更新処理(S1102)について説明する。図21は、演出制御装置117のメイン処理(図20参照)の中で実行される計測時間更新処理(S1102)を示すフローチャートである。
計測時間更新処理(S1102)では、まず、共通演出時間計測フラグ273fがオンであるかを判別する(S1201)。このとき、共通演出時間計測フラグ273fがオンであれば(S1201:Yes)、共通演出時間計測カウンタ273dによる計測の実行中である。よって、かかる場合には、共通演出時間計測カウンタ273dの値から1減算し(S1202)、S1203の処理へ移行する。
一方、共通演出時間計測フラグ273fがオフであれば(S1201:No)、共通演出時間計測カウンタ273dによる計測は行われていない。よって、かかる場合には、S1202の処理をスキップして、S1203の処理へ移行する。
S1203の処理では、表示R時間計測フラグ273gがオンであるかを判別する(S1203)。S1203の処理による判別の結果、表示R時間計測フラグ273gがオンであれば(S1203:Yes)、表示R時間計測カウンタ273eによる計測中であるので、表示R時間計測カウンタ273eの値に1加算する(S1204)。S1204の処理後、計測時間更新処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、S1203の処理による判別の結果、表示R時間計測フラグ273gがオフであれば(S1203:No)、表示R時間計測カウンタ273eによる計測中ではないので、S1204の処理をスキップして、計測時間更新処理を終了し、メイン処理へ戻る。
次に、図22を参照して、上述した選択演出決定処理(S1103)について説明する。図22は、演出制御装置117のメイン処理(図20参照)の中で実行される選択演出決定処理(S1103)を示すフローチャートである。
選択演出決定処理(S1103)では、まず、共通演出時間計測フラグ273fがオンであるかを判別する(S1221)。このとき、共通演出時間計測フラグ273fがオフであれば(S1221:No)、共通演出時間計測カウンタ273dによる計測が行われていないので、かかる場合には、選択演出決定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、S1221の処理による判別の結果、共通演出時間計測フラグ273fがオンであれば(S1221:Yes)、共通演出時間計測カウンタ273dが0であるかを判別する(S1222)。
S1222の処理による判別の結果、共通演出時間計測カウンタ273dが0でなければ(S1222:No)、選択演出の決定を行うタイミングではないので、かかる場合には、選択演出決定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、S1222の処理による判別の結果、共通演出時間計測カウンタ273dが0であれば(S1222:Yes)、共通演出時間計測フラグ273fをオフし(S1223)、計測時間メモリ273aに記憶されている各ラウンドに対する計測値(計測されたラウンド期間)のうち、第1ラウンドの値と、参照値メモリ273bに記憶されている参照値を超える値とを除いた各値を抽出する(S1224)。次いで、抽出した値の平均値を、1ラウンドの消化に要する平均時間として算出する(S1225)。
このように、本実施形態では、共通演出の期間中に計測された各ラウンドの計測値から、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出する際には、遊技者の打ち出し遅れなどの原因によってラウンド期間が長くなる傾向にある第1ラウンドの値と、平均時間を算出するのに有意といえる値の限界(即ち、参照値)を超える計測値を除いて平均時間の算出を行う。よって、1ラウンドの消化に要する平均時間を実際の遊技に対して精度良く得ることができる。
S1225の処理後、共通演出の演出期間(本実施形態では、130s)から、計測時間メモリに記憶されている各値の和(即ち、共通演出期間中に終了した各ラウンドのラウンド期間の合計)を減算し、現在のラウンドの実行時間を算出する(S1226)。
次いで、S1225において算出した1ラウンドの消化に要する平均時間(以下、単に「平均時間」と称する。)から、S1226において算出した現在のラウンドの実行時間を減算して、現在のラウンドの残り時間を予測(推定)する(S1227)。
S1227の処理後、表示R数カウンタ273cの値に基づき、現在のラウンド以降のラウンド数(以下、「残りR数」と称する。)を取得する(S1228)。次いで、S1228において算出した残りR数と、S1225において算出した平均時間とを積算して、残りラウンドによる残り時間を予測する(S1229)。
S1229の処理後、S1227において予測した現在のラウンドの残り時間と、S1229の処理により予測した残りラウンドによる残り時間とを加算して、全ラウンド終了までの残りラウンド時間を予測する(S1230)。
S1230の処理後、S1228において取得した残りR数と、インターバル期間(本実施形態では、2s)とを積算して、全ラウンド終了までに実行される残りのインターバル期間を算出する(S1231)。
S1231の処理後、S1230において予測した残りラウンド時間と、S1231において取得した残りのインターバル期間とを加算して、全ラウンド終了(即ち、大当たり演出終了)までの総残り時間を予測する(S1232)。
S1232の処理後、選択演出決定テーブル272b(図9)を参照し、予測される総残り時間に応じた表示選択演出及び音声選択演出を決定する(S1233)。その後、決定した表示選択演出及び音声選択演出を設定し(S1234)、選択演出決定処理を終了し、メイン処理に戻る。
S1233及びS1234の処理の結果、遊技状況(例えば、遊技者の遊技の仕方や、パチンコ機10の個体差など)に応じて予測される総残り時間に対して、好適な演出期間の選択演出(表示選択演出及び音声選択演出)が、共通演出(表示共通演出及び音声共通演出)に引き続いて表示又は音声出力される。
次に、図23を参照して、上述した音声ランプ演出処理(S1104)について説明する。図23は、演出制御装置117のメイン処理(図20参照)の中で実行される音声ランプ演出処理(S1104)を示すフローチャートである。
音声ランプ演出処理(S1104)では、まず、後述するS1245の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプ(例えば、電飾部29〜33や、表示ランプ34など)の出力を設定する(S1241)。
S1241の処理後、客待ち演出処理(S1242)を実行し、保留個数表示更新処理を実行する(S1243)。客待ち演出処理(S1242)では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などを行う。また、保留個数表示更新処理(S1243)では、主制御装置110から受信した保留数コマンドに基づいて、特図保留ランプ85の点灯数が更新される。
次いで、枠ボタン入力監視・演出処理を実行する(S1244)。この枠ボタン入力監視・演出処理(S1244)では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、パチンコ機に枠ボタン22が配設されていない場合には、S1244の処理を省略することができる。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1244)の実行後は、ランプ編集処理を実行し(S1245)、音編集・出力処理を実行する(S1246)。ランプ編集処理(S1245)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンや、表示ランプ34などを設定する。音編集・出力処理(S1246)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどを設定し、その設定に応じて音声出力装置226から音を出力させる。
S1206の処理後、変動時液晶演出実行管理処理を実行し(S1247)、大当たり時液晶演出実行管理処理を実行し(S1248)、音声ランプ演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
変動時液晶演出実行管理処理(S1247)では、主制御装置110から送信されて受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間を設定する。大当たり時液晶演出実行管理処理(S1248)では、第3図柄表示装置81で行われる大当たり演出に対応する音声演出(音声共通演出、及び、選択演出決定処理(図22参照)により決定された音声選択演出)に要する時間と同期した時間を設定する。これらの変動時液晶演出実行管理処理(S1247)及び大当たり時液晶演出実行管理処理(S1248)で設定された時間に基づいてS1245のランプ編集処理やS1246の音編集・出力処理を実行する。
次に、図24を参照して、上述した表示演出処理(S1106)について説明する。図24は、演出制御装置117のメイン処理(図20参照)の中で実行される表示演出処理(S1106)を示すフローチャートである。
表示演出処理(S1106)では、まず、第3図柄表示装置81で実行されている変動演出が大当たり用の演出であるか(即ち、大当たり中であるか)否かを判別し(S1221)、大当たり中であれば(S1261:Yes)、大当たり演出処理を実行する(S1268)。この大当たり演出処理では、第3図柄表示装置81で行われる大当たり演出(表示共通演出、及び、選択演出決定処理(図22参照)により決定された表示選択演出)に応じた演出データをキャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に書き込むことにより、該大当たり演出の画像の更新を行う。大当たり演出処理(S1268)の終了後は、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1261の処理において、大当たり中でなければ(S1261:No)、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示の実行中であるか(即ち、変動中であるか)否かを判定する(S1262)。このとき、変動中でない場合は(S1262:No)、RAM273内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)がオンであるかを判定する(S1263)。
なお、図示されない変動開始フラグは、第3図柄の変動表示の開始を指示するフラグであり、S1263において変動開始フラグがオンであると判定された場合に、第3図柄の変動表示が開始される。この変動開始フラグは、主制御装置110から送信されてくる変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定され(図25参照)、第3図柄の変動表示を開始する際にオフに設定される。
S1263の処理による判定の結果、変動開始フラグがオフであれば(S1263:No)、その他の表示処理を実行する(S1270)。なお、その他の表示処理では、例えば、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に実行する客待ち演出などの表示処理である。その他表示処理(S1270)の実行後は、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1263の処理による判定の結果、変動開始フラグがオンであれば(S1263:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1264)、RAM273内に設けられている変動時間カウンタ(図示せず)に初期値を設定する(S1265)。なお、図示されない変動時間カウンタは、第3図柄の変動表示が開始されてからの経過時間を計時するためのカウンタである。なお、S1265において変動時間カウンタに設定される初期値は、変動パターンコマンドが示す変動パターンの変動時間と、演出時間加減算コマンドが示す演出時間の加減算値とから得られる時間である。
S1265の処理後、変動時間カウンタの値が0より大きいか否か、即ち、変動時間内であるか否かを判定する(S1227)。一方、S1262の処理による判定の結果、第3図柄の変動表示の実行中(変動中)である場合は(S1262:Yes)、変動時間カウンタの値から1減算して(S1269)、S1266の処理へ移行し、変動時間内であるか否かの判定を行う。
S1266の処理による判定の結果、変動時間内であれば(S1266:Yes)、図柄の変動表示を実行する(S1267)。具体的に、S1267の処理では、ビデオRAM276の変動演出データ記憶領域(図示せず)に記憶されている変動演出データを使用して、第3図柄表示装置(LCD)81に、変動演出データ(高速変動などの変動演出)に対応する画像を表示する。S1267の処理後、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方で、S1266の処理による判定の結果、変動時間カウンタの値が0、即ち、変動時間が終了している場合には(S1266:No)、主制御装置110から受信した種別コマンドに基づいて設定された停止図柄を第3図柄表示装置(LCD)81に表示し(S1271)、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
次に、図25を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行されるコマンド受信割込処理について説明する。図25は、コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信するための処理であり、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信する毎に実行される割込処理である。
コマンド受信割込処理では、まず、大当たり移行コマンドを受信したか否かを判定する(S1301)。このとき、大当たり移行コマンドを受信していない場合には(S1301:No)、S1302の処理へ移行する。
一方、大当たり移行コマンドを受信した場合には(S1301:Yes)、表示R数カウンタ273cに最大ラウンド数(本実施形態では、16ラウンド)を設定し(S1306)、大当たり状態に移行したことや特定入賞口65aの開放回数(即ち、ラウンド数)等を報知するための演出である大当たりオープニングを設定する処理を実行する(S1307)。S1307の処理後、S1302の処理へ移行する。
S1302の処理では、開放コマンドを受信したか否かを判定する(S1302)。S1302の処理による判定の結果、開放コマンドを受信していない場合には(S1302:No)、閉鎖コマンドを受信したか否かを判定する(S1303)。S1303の処理による判定の結果、閉鎖コマンドを受信していない場合には(S1303:No)、S1304の処理へ移行する。
ここで、開放コマンドを受信した場合(S1302:Yes)、又は、閉鎖コマンドを受信した場合(S1303:Yes)には、ラウンドの開始又は終了に関わる設定を行うラウンド設定処理を実行し(S1308)、S1304の処理へ移行する。なお、このラウンド設定処理(S1308)の詳細については、図26を参照して後述する。
S1304の処理では、変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1304)。このとき、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1304:No)、S1305の処理へ移行する。
一方、変動パターンコマンドを受信した場合には(S1304:Yes)、RAM203内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)をオンし(S1309)、第3図柄表示装置81において変動演出を開始するために必要な変動演出データの設定を行う変動演出設定処理を実行し(S1310)、S1305の処理へ移行する。
S1305の処理では、その他のコマンドを受信したかを判定する(S1305)。このとき、その他のコマンドを受信していない場合には(S1305:No)、このコマンド受信割込処理を終了する。
一方、その他のコマンドを受信した場合は(S1305:Yes)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1311)、このコマンド受信割込処理を終了する。なお、その他のコマンドの応じた処理(S1311)としては、例えば、種別コマンドを受信した場合に、停止図柄の設定を行うことや、演出時間加減算コマンドを受信した場合に、演出時間の加減算値に応じた予告演出(例えば、スベリ演出や戻り演出など)の決定を行うことや、エンディングコマンドを受信した場合に、大当たり状態が終了すること等を報知するための演出である大当たりエンディングを設定すること、などがある。
次に、図26を参照して、上述したラウンド設定処理(S1308)について説明する。図26は、開放コマンド又は閉鎖コマンドを受信した場合に、上述したコマンド受信割込処理(図25参照)の中で実行されるラウンド設定処理(S1308)を示すフローチャートである。
ラウンド設定処理(S1308)では、まず、受信コマンドが開放コマンドであるかを判定し(S1401)、開放コマンドであれば(S1401:Yes)、表示R数カウンタ273cの値が最大値(本実施形態では、16)であるかを判定する(S1402)。
S1402の処理による判定の結果、表示R数カウンタ273cの値が最大値であれば(S1402:Yes)、受信した開放コマンドは、第1ラウンドの開始を示すものである。よって、かかる場合には、表示共通演出を設定し(S1403)、音声共通演出を設定する(S1404)。S1403及びS1404の処理の結果、共通演出(表示共通演出及び音声共通演出)の実行(表示又は音声出力)開始により、大当たり演出が開始される。
S1404の処理後、共通演出時間計測カウンタ273dに、共通演出の演出期間(本実施形態では、130s)に対応する初期値を設定する(S1405)。本実施形態では、共通演出時間計測カウンタ273dは、1ms毎に更新される(図21参照)ので、「130000」が初期値として設定される。
S1405の処理後、共通演出時間計測フラグ273fをオンする(S1406)。S1406の処理により、共通演出時間計測フラグ273fがオンされたことにより、共通演出時間計測カウンタ273dによる共通演出の演出期間の計測が開始される。
S1406の処理後、表示R時間計測カウンタ273eを0クリアし(S1407)、表示R時間計測フラグ273gをオンする(S1408)。S1407及びS1408の処理の結果、各ラウンドのラウンド期間の計測が開始される。
S1408の処理後、今回のラウンド数を報知(表示及び音声出力)するための設定を行い(S1409)、ラウンド設定処理を終了して、コマンド受信割込処理へ戻る。
一方、S1402の処理による判定の結果、表示R数カウンタ273cの値が最大値でなければ(S1402:No)、受信した開放コマンドは、第2ラウンド以降の開始を示すものであるので、かかる場合には、S1403〜S1406の処理をスキップして、S1407の処理へ移行する。
また、S1401の処理による判定の結果、受信コマンドが開放コマンドでなければ(S1401:No)、受信コマンドは、ラウンドの終了を示す閉鎖コマンドである。よって、かかる場合には、表示R時間計測フラグ273gをオフし(S1410)、表示R計測カウンタ273eの値が示す時間を、表示R数カウンタ273cの値(即ち、今回終了したラウンドのラウンド数を示す値)に対応付けて、計測時間メモリ273aに記憶する(S1411)。
S1411の処理後、表示R数カウンタ273cの値から1減算し(S1412)、表示R数カウンタ273cの値が0となったかを判定する(S1413)。S1413の処理による判定の結果、表示R数カウンタ273cの値が未だ0でなければ(S1413:No)、次のラウンドが存在するので、次回のラウンド数を報知(表示及び音声出力)するための設定を行い(S1414)、ラウンド設定処理を終了して、コマンド受信割込処理へ戻る。
一方、S1413の処理による判定の結果、表示R数カウンタ273cの値が0である場合(S1413:Yes)、最終ラウンドが終了(即ち、大当たり演出が終了)したことを示すので、次回に実行される大当たり演出において使用する参照値を算出する参照値算出処理を実行し(S1415)、ラウンド設定処理を終了して、コマンド受信割込処理へ戻る。
ここで、図27を参照して、上述した参照値算出処理(S1414)について説明する。図27は、上述したラウンド設定処理(図26参照)の中で実行される参照値算出処理(S1414)を示すフローチャートである。
参照値算出処理(S1414)では、まず、計測時間メモリ273aに記憶されている第1〜第16ラウンドまでの各ラウンドに対する計測値(計測されたラウンド期間)のうち、第1ラウンドの値と、参照値メモリ273bに記憶されている参照値を超える値とを除いた各値を抽出し(S1421)、抽出した値の平均値を、1ラウンドの消化に要する平均時間として算出する(S1422)。
このように、本実施形態では、特別遊技状態(大当たり)に実行される各ラウンドの計測値から、遊技者の打ち出し遅れなどの原因によってラウンド期間が長くなる傾向にある第1ラウンドの値と、平均時間を算出するのに有意といえる値の限界(即ち、参照値)を超える計測値を除き、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出する。よって、1ラウンドの消化に要する平均時間を実際の遊技に対して精度良く得ることができる。
S1422の処理後、算出した1ラウンドの消化に要する平均時間に、所定時間(例えば、10s)を加算して、次回の大当たり演出において使用する参照値を算出し(S1423)、算出した参照値を参照値メモリ273bに記憶する(S1424)。S1424の処理後、計測時間メモリ273aをクリアし(S1425)、参照値算出処理を終了して、ラウンド設定処理に戻る。
以上説明した通り、第1実施形態のパチンコ機10によれば、1の特別遊技状態に実行される一連の演出である大当たり演出のうち、前半に実行される共通演出の演出期間中の遊技状況(具体的には、該共通演出の演出期間中に実行される各ラウンドのラウンド期間の計測値)に基づいて、共通演出の終了後から大当たり演出が終了するまで(即ち、最終ラウンドが終了するまで)の期間を予測し、その予測に応じた選択演出を選択するように構成されているので、終了時期にばらつきが生じ易い特別遊技状態中に好適な長さで大当たり演出を実行することができる。
共通演出の終了後から大当たり演出が終了するまでの期間の予測材料とする遊技状況を、大当たり演出が実行されるときと同じ状態(即ち、特別遊技状態)において検出するので、同じ条件下(即ち、特別遊技状態)での遊技者の操作癖などを反映させることができる。よって、共通演出の終了後から大当たり演出が終了するまでの期間の予測を精度良く行うことができるので、好適な長さの選択演出を選択することができ、結果として、大当たり演出を好適な長さで実行することができる。
また、本実施形態では、共通演出の演出期間内で実行される複数のラウンドの各々について、ラウンド期間(即ち、各ラウンドの開始から終了までの期間)を計測し、計測されたラウンド期間に基づき、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間を算出し、算出された平均時間に基づいて、共通演出の終了後から大当たり演出が終了するまでの期間を予測する。よって、各ラウンドのラウンド期間の計測は容易であると共に、複数のラウンド期間から、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間を算出することにより、共通演出の終了後から大当たり演出が終了するまでの期間の予測の精度を高めることができる。
また、共通演出の演出期間の開始から終了に亘って(即ち、取り得る最大の期間に亘って)、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間を算出するために使用するラウンド期間の計測を行うので、計測値の数を最大限に確保することができる。よって、共通演出の終了後から大当たり演出が終了するまでの期間の予測の精度をより高めることができ、結果として、大当たり演出をより好適な長さで実行することができる。
また、1の特別遊技状態において実行された各ラウンドに対して計測されたラウンド期間に基づき、次回の特別遊技状態において使用する参照値を算出するので、遊技者による球の打ち出し方や、パチンコ機10の個体差に応じた球の移動の様子などの遊技状況が反映された値を参照値として設定することができ、共通演出の終了後から大当たり演出が終了するまでの期間の予測の精度を高めることができる。
次に、図28から図32を参照して、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、表示演出及び表示演出は、両方とも、特別遊技状態(大当たり)中におけるラウンド間のインターバルの期間に中断することなく実行される構成であった。
これに対し、この第2実施形態では、表示演出は、特別遊技状態中におけるラウンド間のインターバルの期間に中断されるように構成されている。一方、音声演出は、特別遊技状態中におけるラウンド間のインターバルの期間に中断することなく一連の演出として実行される。なお、第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図28(a)は、第2実施形態の大当たり演出における表示演出の構成を示す模式図であり、図28(a)は、第2実施形態の大当たり演出における音声演出の構成を示す模式図である。
図28(a)に示すように、第2実施形態の表示演出は、大当たり演出の開始から実行される共通演出と、その共通演出に引き続いて実行される選択演出とから構成される。第2実施形態の表示演出は、ラウンド間のインターバルの期間に中断されるので、その分、演出期間が短い。
第2実施形態の表示演出における共通演出の演出期間は、120sであり、可変である選択演出の演出期間は、8sから152sまでの10種類の表示選択演出(表示選択演出1〜10)の中から、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに実行されるラウンドの実行期間(残りラウンド時間)の予測値に応じた1の表示選択演出が選択(選定)される。なお、本実施形態では、ラウンド間のインターバルは2秒であるので、16ラウンドにおけるインターバルの合計期間(即ち、表示演出が中断される合計期間)は、30sである。
一方、第2実施形態の表示演出は、特別遊技状態中におけるラウンド間のインターバルの期間に中断することなく一連の演出として実行されるので、演出期間が130sである共通演出と、演出期間が28sから172sまでの10種類の音声選択演出(表示選択演出1〜10)の中から表示選択演出と同様に選択される1の音声選択演出とから構成される。
図29は、第2実施形態の大当たり演出(表示演出)の内容を説明する図であり、図29(a)は、表示演出における共通演出(表示共通演出)の内容を示す図であり、図29(b)は、表示演出における選択演出(表示選択演出)の内容を示す図である。なお、第2実施形態の音声演出の内容は、音声共通演出及び音声選択演出ともに、第1実施形態と同様である。即ち、図8(c)及び図8(d)に示す内容と同様である。
図29(a)に示すように、演出期間(表示期間)が120sである表示共通演出は、20s間の「冒険出発」部分と、それに続く100s間の「海底探索」部分とから構成される。この「海底探索」部分では、第1実施形態と同様に、メインキャラ1〜メインキャラ18までが登場するように設定されている。
図29(b)に示すように、表示選択演出1〜10のうち、演出期間(表示期間)が8sである表示選択演出1だけは、8s間の「エンディング」部分から構成され、それ以外の表示選択演出2〜10は、種々の演出期間の「ジャングル探索」部分と、8s間の「エンディング」部分とから構成される。即ち、表示選択演出2〜10の演出期間の相違は、「ジャングル探索」部分の演出期間に応じたものとなる。
具体的に、演出期間が24sである表示選択演出2の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ17,18が登場する16s間の演出として構成される。また、演出期間が40sである表示選択演出3の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ15〜18が登場する32s間の演出として構成される。
同様に、演出期間が56sである表示選択演出4の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ13〜18が登場する48s間の演出として構成され、演出期間が72sである表示選択演出5の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ11〜18が登場する64s間の演出として構成さる、演出期間が88sである表示選択演出6の「ジャングル探索」部分は、サブキャラ9〜18が登場する80s間の演出として構成される。
また、表示選択演出7(104s)、表示選択演出8(120s)、表示演出選択演出9(136s)、及び表示選択演出10(152s)の「ジャングル探索」部分は、それぞれ、サブキャラ7〜18が登場する96s間の演出、サブキャラ5〜18が登場する112s間の演出、サブキャラ3〜18が登場する128s間の演出、及びサブキャラ1〜18が登場する144s間の演出として構成される。
なお、上述した表示共通演出及び表示選択演出1〜10において登場する「冒険出発」部分、「海底探索」部分、「ジャングル探索」部分、及び「エンディング」部分のデータは、キャラクタROM275に記憶されている。また、「海底探索」部分に登場するメインキャラ1〜18、及び「ジャングル探索」部分に登場するサブキャラ1〜18のデータも、キャラクタROM275に記憶されている。
次に、図30を参照して、第2実施形態の選択演出決定テーブル272bについて説明する。図30は、第2実施形態の選択演出決定テーブル272bの内容を示す模式図である。
この第2実施形態の選択演出決定テーブルは、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに実行されるラウンドの実行期間(残りラウンド時間)の予測値と、表示選択演出及び音声選択演出とが対応付けられている。
具体的に、残りラウンド時間の予測値tが24s未満である場合に対して、表示選択演出1(8s)及び音声選択演出1(28s)が対応付けられている。また、残りラウンド時間の予測値tが24s以上かつ40s未満である場合に対して、表示選択演出2(24s)及び音声選択演出2(44s)が対応付けられており、残りラウンド時間の予測値tが40s以上かつ56s未満である場合に対して、表示選択演出3(40s)及び音声選択演出3(60s)が対応付けられている。
同様に、残りラウンド時間の予測値tが56s以上かつ72s未満である場合に対して、表示選択演出4(56s)及び音声選択演出4(76s)が対応付けられており、残りラウンド時間の予測値tが72s以上かつ88s未満である場合に対して、表示選択演出5(72s)及び音声選択演出5(92s)が対応付けられている。
また、残りラウンド時間の予測値tが88s以上かつ104s未満である場合に対して、表示選択演出6(88s)及び音声選択演出6(108s)が対応付けられており、残りラウンド時間の予測値tが104s以上かつ120s未満である場合に対して、表示選択演出7(104s)及び音声選択演出7(124s)が対応付けられている。
また、残りラウンド時間の予測値tが120s以上かつ136s未満である場合に対して、表示選択演出8(120s)及び音声選択演出8(140s)が対応付けられており、残りラウンド時間の予測値tが136s以上かつ152s未満である場合に対して、表示選択演出9(136s)及び音声選択演出9(156s)が対応付けられている。さらに、残りラウンド時間の予測値tが152s以上である場合に対しては、表示選択演出10(152s)及び音声選択演出10(172s)が対応付けられている。
このように、第2実施形態では、表示選択演出1〜9及び音声選択演出1〜9については、予測された残りラウンド時間(即ち、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに実行されるラウンドの実行期間)より短い演出期間の表示選択演出が選択されると共に、その表示選択演出の演出期間に対応する演出期間の音声選択演出が選択されるように構成されている。よって、この第2実施形態の場合も、上述した第1実施形態の場合と同様に、選択された表示選択演出及び音声選択演出は、大当たり演出の終了以前に終了させることが可能であるので、遊技者に大当たり演出の全てを見せることができる。従って、大当たり演出が途中で途切れて見ることができなくなった部分に対し、遊技者が不満を抱き、遊技意欲が低下することを防止することができる。
この第2実施形態では、選択演出決定処理(S1103)及びラウンド設定処理(S1308)が、それぞれ、第1実施形態で実行された選択演出決定処理(図22参照)及びラウンド設定処理(図26参照)と相違する。
ここで、図31を参照して、第2実施形態の選択演出決定処理(S1103)について説明する。図31は、第2実施形態のパチンコ機10の演出制御装置117内のMPU271により実行される選択演出決定処理(S1103)を示すフローチャートである。
図31に示すように、第2実施形態の選択演出決定処理では、第1実施形態と同様にS1221〜S1230の処理を実行した後、選択演出決定テーブル272b(図30)を参照し、S1230において予測した残りラウンド時間に応じた表示選択演出及び音声選択演出を決定し(S1235)、決定した表示選択演出及び音声選択演出を設定する(S1234)。そして、選択演出決定処理を終了し、メイン処理(図20参照)に戻る。
次に、図32を参照して、第2実施形態のラウンド設定処理(S1308)について説明する。図32は、第2実施形態のパチンコ機10の演出制御装置117内のMPU271により実行されるラウンド設定処理(S1308)を示すフローチャートである。
図32に示すように、第2実施形態のラウンド設定処理では、S1401及びS1402の処理により、第1ラウンドの開始を示す開放コマンドを受信したと判定された場合に(S1401:Yes,S1402:Yes)、表示共通演出及び音声共通演出を設定し(S1403,S1404)、共通演出時間計測カウンタ273dに、表示共通演出の演出期間(本実施形態では、120s)に対応する初期値を設定する(S1416)。本実施形態では、共通演出時間計測カウンタ273dは、1ms毎に更新される(図21参照)ので、「120000」が初期値として設定される。
S1416の処理後、共通演出時間計測フラグ273fをオンする(S1406)。S1406の処理により、共通演出時間計測フラグ273fがオンされたことにより、共通演出時間計測カウンタ273dによる表示共通演出の演出期間の計測が開始される。
S1406の処理後、表示R時間計測カウンタ273eを0クリアし(S1407)、表示R時間計測フラグ273gをオンする(S1408)。S1407及びS1408の処理の結果、各ラウンドのラウンド期間の計測が開始される。次いで、第1実施形態と同様にS1409の処理を実行した後、ラウンド設定処理を終了して、コマンド受信割込処理へ戻る。
一方、S1402の処理による判定の結果、表示R数カウンタ273cの値が最大値でなく、第2ラウンド以降の開始を示す開放コマンドを受信した場合には(S1402:No)、S1403,S1404,S1416の処理をスキップして、S1406の処理へ移行する。
また、S1401の処理による判定の結果、受信コマンドが、ラウンドの終了を示す閉鎖コマンドである場合には(S1401:No)、表示共通演出の演出期間の計測を中断するために、共通演出時間計測フラグ273をオフする(S1417)。
S1417の処理後、表示R時間計測フラグ273gをオフし(S1410)、表示R計測カウンタ273eの値が示す時間を、表示R数カウンタ273cの値に対応付けて、計測時間メモリ273aに記憶する(S1411)。
S1411の処理後、表示R数カウンタ273cの値から1減算し(S1412)、減算後の表示R数カウンタ273cの値が0でなければ(S1413:No)、第1実施形態と同様にS1414の処理を実行した後、ラウンド設定処理を終了して、コマンド受信割込処理へ戻る。
一方、減算後の表示R数カウンタ273cの値が0である場合には(S1413:Yes)、参照値算出処理を実行した後(S1415)、ラウンド設定処理を終了して、コマンド受信割込処理へ戻る。
以上説明した通り、第2実施形態のパチンコ機10によれば、1の特別遊技状態に実行される一連の演出である大当たり演出のうち、前半に実行される共通演出の演出期間中に実行される各ラウンドのラウンド期間の計測値に基づき、1ラウンドを消化するのに要する平均時間を求め、その平均時間に基づいて、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに実行されるラウンドの実行期間(残りラウンド時間)を予測し、予測した残りラウンド時間に応じた選択演出を選択するように構成されている。よって、ラウンド間のインターバルの期間に中断される表示演出において、ラウンド毎に時間調整を行うことなく、ラウンド期間のばらつきを吸収できるので、大当たり演出全体としての一連の演出に不自然さを感じさせることを防止できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態では、大当たり演出を、特別遊技状態(大当たり)の全期間ではなく、第1ラウンドの開始から最終ラウンドの終了まで実行される演出としたが、大当たりオープニングの開始から、大当たりエンディングの終了まで実行される演出としてもよい。かかる場合には、上記実施形態で説明した共通演出の前に大当たりオープニングを実行する演出を共通演出とすると共に、上記実施形態で説明した各選択演出の後に大当たりエンディングを実行する演出を選択演出とすればよい。
また、上記第1実施形態では、特別遊技状態中の遊技状況(具体的に、1ラウンドを消化するのに要する平均時間)に基づいて、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに要する時間(総残り時間)を予測する構成としたが、1ラウンドを消化するのに要する平均時間に基づいて遊技状態の終了時期を予測し、大当たりエンディングの実行期間などを除くことによって総残り時間を予測する構成としてもよい。
同様に、上記第2実施形態では、特別遊技状態中の遊技状況(具体的に、1ラウンドを消化するのに要する平均時間)に基づいて、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までに実行されるラウンドの実行期間(残りラウンド時間)を予測する構成としたが、1ラウンドを消化するのに要する平均時間に基づいて遊技状態の終了時期を予測し、大当たりエンディングの実行期間及び残りのインターバル期間などを除くことによって総残り時間を予測する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、特別遊技状態中の遊技状況(具体的に、1ラウンドを消化するのに要する平均時間)に基づいて選択演出を選択(選定)する構成としたが、特別遊技状態でなく、通常状態の遊技状況に基づいて選択演出を選択する構成としてもよい。
例えば、特定入賞口65aの開放時に特定入賞口65aに入賞すると推定可能な位置(例えば、遊技盤13上における特定入賞口65aの開口部の上方側の位置や、特定入賞口65aの開閉板の前面側など)にセンサを設け、通常遊技中(即ち、特定入賞口65aが閉鎖されている状態)、センサによって単位時間あたりに検出される球の数を測定し、その結果から、1ラウンドを消化するのに要する時間を算出するようにしてもよい。あるいは、特定入賞口65aの開放時に特定入賞口65aに入賞しないと推定可能な位置(例えば、内レール61及び円弧部材70に沿った位置)にセンサを設け、通常遊技中、センサによって検出される単位時間あたりの球数に基づき、その単位時間あたりの球の検出数と球の発射数とから、1ラウンドを消化するのに要する時間を算出するようにしてもよい。
また、特定入賞口65aへの単位時間あたりの入賞数(入球数)を遊技状況として取得し、その遊技状況に基づいて特別遊技状態(より詳細には、大当たり演出の実行期間)の終了時期を予測する構成としてもよい。例えば、特定入賞口65aの開放期間が一定期間に構成されている場合に、1回の開放期間内に該特定入賞口65aに入賞した数から、単位時間当たりの入賞数を求めることができる。また、一定期間(例えば、1分間)における特定入賞口65aへの入賞数を計測し、その計測値から単位時間当たりの入賞数を求めることができる。あるいは、特定入賞口65aへ入賞する球の時間間隔を計測することにより、単位時間当たりの入賞数を求めることもできる。
また、上記各実施形態では、1の大当たり演出を、1の共通演出(前半の演出)と、1の選択演出(後半の演出)との2単位の演出から構成したが、1の大当たり演出を、3単位以上の演出(例えば、最初に実行される第1演出と、第1演出に続いて実行される第2演出と、第2演出に続いて実行されて大当たり演出を構成する最後の単位演出である第3演出)から構成してもよい。かかる場合には、時間調整を行う対象とする単位演出より前に実行される単位演出において、ラウンド期間の計測を行い、特別遊技状態(より詳細には、大当たり演出の実行期間)の終了時期を予測して、時間調整を行う対象とする単位演出の時間調整を行うように構成すればよい。
また、上記各実施形態では、共通演出の演出期間が130s(第1実施形態)又は120s(第2実施形態)とされている。1ラウンドのラウンド期間が最長で30sであるので、遊技者が通常の遊技を行うのであれば、上記各実施形態における共通演出は、その演出期間中に2ラウンド以上のラウンドが必ず実行され、複数ラウンドのラウンド期間の計測値から、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出できるように構成されている。しかし、遊技者の事情によって遊技が中断された結果、計測されたラウンド期間が参照値との比較によって除外され、平均時間を算出できなくなった場合も想定される。かかる場合には、予め決められた選択演出を実行するように構成してもよい。なお、予め決められた選択演出としては、短めの演出期間のものであっても、長めのものであってもよい。
また、上記各実施形態では、共通演出の期間中に2ラウンド以上のラウンドが必ず実行され、複数ラウンドから平均時間を算出できるように構成されているが、一般的に、1ラウンドの消化に最長期間(即ち、30s)かかる可能性は低いので、共通演出の演出期間を、60s未満、即ち、2ラウンド分を消化するのに要する最長期間より短い値としてもよい。このとき、共通演出が終了するまでに2ラウンド目が終了しない場合には、平均時間を算出することなく、予め決められた選択演出を実行するように構成する。なお、予め決められた選択演出としては、短めの演出期間のものであっても、長めのものであってもよい。
また、上記各実施形態では、共通演出の終了時点で、ラウンド期間の計測値に基づいて大当たり演出の実行期間の終了時期(即ち、共通演出の終了後から大当たり演出の終了までの期間)を予測し、その予測に応じた選択演出を選択する構成とした。これに換えて、共通演出が終了する所定時間前(例えば、1s前)までの間に計測されたラウンド期間の値に基づいて、大当たり演出の実行期間の終了時期を予測し、その予測に応じた選択演出を選択し、選択した選択演出を共通演出の終了後から実行するように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、1の特別遊技状態の中で、共通演出の実行中に実行された複数ラウンドのラウンド期間の各計測値に基づいて、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間を算出する構成とした。これに換えて、現在の特別遊技状態における共通演出の演出期間中に計測したラウンド期間の計測値と、それ以前の別遊技状態において計測されたラウンド期間の計測値とから、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間を算出する構成としてもよい。また、それ以前の特別遊技状態において計測されたラウンド期間の計測値から、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間を算出し、今回の特別遊技状態における大当たり演出の実行期間の終了時期を予測する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、1の特別遊技状態の中で、共通演出の実行中に実行されたラウンドのラウンド期間の計測値に基づいて、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間を算出し、大当たり演出の実行期間の終了時期を予測する構成としたが、それ以前の特別遊技状態におけるラウンド期間の計測値から平均時間(即ち、1ラウンドが消化されるのに要する平均時間)を算出し、共通演出の実行中にラウンドのラウンド期間を計測することなく、今回の特別遊技状態における大当たり演出の実行期間の終了時期を予測する構成としてもよい。かかる場合には、大当たり演出を選択演出によってのみ構成することができるので、共通演出から選択演出に演出を切り替える制御が不要となる。なお、次回の特別遊技状態における大当たり演出の実行期間の終了時期の予測に使用するために、今回の特別遊技状態においてもラウンド期間の計測は実行することが好ましい。
また、上記各実施形態では、共通演出の演出期間中に実行された各ラウンドのラウンド期間を計測して、その計測値に基づいて大当たり演出の実行期間の終了時期を予測する構成としたが、予め決められているラウンド数に対し、各ラウンドのラウンド期間を計測して、その計測値に基づいて大当たり演出の実行期間の終了時期を予測する構成としてもよい。
また、予め決められているラウンド数に対し、各ラウンドのラウンド期間を計測した後、1ラウンドを消化するのに要する平均時間を算出し、以降のラウンドでは、ラウンド毎に、算出された平均時間に応じた演出を選択演出として選定する構成としてもよい。かかる場合には、予め決められているラウンド数に対し、各ラウンドのラウンド期間を計測した後、特定のラウンドで行われる特定の演出を、算出された平均時間に応じた好適な演出期間の演出として実行することができる。
また、上記各実施形態では、1の特別遊技状態に実行されるラウンド数として16ラウンドのみが設定されているが、1の特別遊技状態に実行されるラウンド数が、複数種類設定されている場合に、これら複数種類のラウンド数のうち、最も値が小さいラウンド数以下のラウンド数に対するラウンド期間の計測値から、1ラウンドを消化するのに要する平均時間を算出し、算出された平均時間に基づいて大当たり演出の実行期間の終了時期を予測するように構成してもよい。
例えば、16ラウンドと8ラウンドの特別遊技状態が設定されている場合には、8ラウンド以下、例えば、第1〜第6ラウンドまでの6つのラウンドに対して、各ラウンドのラウンド期間を計測して、1ラウンドを消化するのに要する平均時間を算出し、算出された平均時間に基づいて大当たり演出の実行期間の終了時期を予測する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、前回の特別遊技状態中(大当たり)に計測された全ラウンドのラウンド期間に基づいて算出された参照値を、今回の特別遊技状態において使用する参照値を算出する構成としたが、参照値を、デフォルト値(上記各実施形態では、25s)に固定してもよい。
また、上記各実施形態では、前回の特別遊技状態中に計測された全ラウンドのラウンド期間に基づいて算出された参照値を、今回の特別遊技状態において使用する参照値を算出する構成としたが、今回の特別遊技状態より以前の複数の特別遊技状態中に計測されたラウンド期間に基づいて参照値を算出する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、前回の特別遊技状態中に計測された全ラウンドのラウンド期間に基づいて算出された参照値を、今回の特別遊技状態において使用する参照値を算出する構成としたが、操作ハンドル51が所定期間操作されなかったり、第3図柄表示装置81にデモ画面が表示されたりした場合に、遊技者が変わったと判断して、参照値をデフォルト値に戻す構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、第1ラウンドの計測値は、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出するための値から除外する構成としたが、第1ラウンドのラウンド期間を計測しないことにより、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出するための値から除外する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、参照値を超える値を異常な値とし、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出するための値から除外する構成としたが、ラウンドの実行中に球の発射操作の有無を検出し、その検出結果に基づいて、そのラウンドのラウンド期間を平均時間の算出に使用するか否かを判定する構成としてもよい。例えば、発射操作が所定期間以上途絶えた場合に、平均時間の算出に使用しない(即ち、除外する)ように構成することができる。
また、上記各実施形態では、選択演出決定テーブル272bは、総残り時間や残りラウンド時間より短い演出期間の選択演出が選択されるように構成されているが、総残り時間や残りラウンド時間より長い演出期間の選択演出が選択されるよう構成されていてもよい。なお、音声演出の場合には、総残り時間や残りラウンド時間より長い演出期間の選択演出が選択され、その選択演出が最終ラウンドの終了時に終了しないときには、最終ラウンドの終了前からボリュームを下げて、最終ラウンドの終了時の音量をゼロ付近にするようにすれば、音声演出が途中で切れる不自然さを緩和することができる。
また、上記各実施形態では、予測された総残り時間又は残りラウンド時間より短い演出期間の選択演出(表示選択演出、音声選択演出)が選択されるように構成したが、予測された総残り時間又は残りラウンド時間より短い演出期間のうち、該総残り時間又は該残りラウンド時間に最も近い演出期間の演出パターンを選定する構成としてもよい。かかる構成により、遊技者に演出の全てを見せる(又は、聴かせる)ことができる上に、予測された時間より足りない部分における演出パターンの繰り返しを最小限に抑えることができる。
また、上記各実施形態では、共通演出は1種類としたが、同じ演出期間の共通演出を2種類以上準備し、そのうちの1の共通演出を状況に応じて適宜使用するように構成してもよい。
あるいは、異なる演出期間の共通演出を準備し、そのうちの1の共通演出を状況に応じて適宜使用するように構成してもよい。かかる場合には、使用する共通演出の演出期間に応じて、1ラウンドの消化に要する平均時間を算出するための計測期間が変わるようにしてもよい。
また、上記第2実施形態では、ラウンド設定処理(図32)のS1416の処理において、共通演出時間計測カウンタ273dに、表示共通演出の演出期間(120s)に対応する初期値を設定する構成としたが、音声共通演出の演出期間(130s)に対応する初期値を設定する構成としてもよい。かかる場合には、ラウンド設定処理は、第1実施形態のラウンド設定処理(図26)とすればよい。
また、上記第2実施形態では、残りラウンド時間を予測し、その残りラウンド時間に応じた表示選択演出及び音声表示演出を、図30の選択演出決定テーブル272bを参照して選択する構成としたが、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に総残り時間を予測し、図9の選択演出決定テーブル272bを参照して、表示選択演出及び音声選択演出を選択する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、主制御装置110から受信した開放コマンド及び閉鎖コマンド等に基づいて、演出制御装置117が、各ラウンド期間の計測や、1ラウンドの消化に要する平均時間の算出や、総残り時間又は残りラウンド時間の予測などを行い、表示選択演出及び音声選択演出の決定(選定)を行う構成とした。
これに換えて、主制御装置110が実行する大当たり処理(図15参照)の中で、各ラウンド期間の計測や、1ラウンドの消化に要する平均時間の算出や、総残り時間又は残りラウンド時間の予測などを行い、主制御装置110が取得した情報を演出制御装置117へ出力し、情報を受信した演出制御装置117は、受信した情報に基づいて表示選択演出及び音声選択演出の決定(選定)を行う構成としてもよい。例えば、主制御装置110が、総残り時間又は残りラウンド時間の予測を行い、予測された時間を演出制御装置117へ出力し、その情報(予測時間)を受信した演出制御装置117が、受信した予測時間に基づいて表示選択演出及び音声選択演出の決定(選定)を行う構成としてもよい。あるいは、主制御装置110は、総残り時間又は残りラウンド時間を予測した後、表示選択演出及び音声選択演出の決定まで行い、決定された表示選択演出及び音声選択演出を演出制御装置117に指示して、演出制御装置117に表示させるように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、計測時間更新処理(S1102)及び選択演出決定処理(S1103)を、演出制御装置117のメイン処理(図20参照)によって、1ms毎に繰り返す処理としたが、表示演出処理(S1106)のように20ms毎に繰り返す処理としてもよい。あるいは、所定期間毎(例えば、2ms毎)に実行される割り込み処理により、計測時間更新処理(S1102)及び選択演出決定処理(S1103)を実行する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを1の制御装置(即ち、演出制御装置117)によって行う構成としたが、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを別々の制御装置により行う構成としてもよい。
例えば、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を主制御装置110に接続し、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を音声ランプ制御装置に接続して、各コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置に送信し、その音声ランプ制御装置から表示制御装置に表示の指示がなされるよう構成してもよい。あるいは、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を主制御装置110に接続し、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を表示制御装置に接続して、各コマンドを主制御装置110から表示制御装置に送信し、その表示制御装置から音声ランプ制御装置に、音声出力や各種ランプの点灯の制御指示がなされるよう構成してもよい。また、主制御装置110から表示制御装置に直接コマンドを送信するものとしてもよい。
また、上記実施形態では、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81の一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。なお、スロットの場合には、リールの回動を開始させるために遊技者が操作するレバーの操作間隔に基づいて、特別遊技状態(大当たり)中における遊技の進行速度を求め、それによって、大当たり演出の実行期間の終了時期を予測し、予測された終了時期に応じた演出を選択するように構成してもよい。なお、レバーの操作間隔は、通常遊技状態中に検出するものであっても、特別遊技状態中に検出するものであってもよい。なお、通常遊技状態中にレバーの操作間隔を検出することにより、多数のデータを取得することができるので、信頼性の高い遊技状況(レバーの操作間隔の平均値、即ち、遊技の進行速度)を取得することができる。また、特別遊技状態中に入る前に、遊技の進行速度が取得され、その特別遊技状態中における大当たり演出の実行期間の終了時期を予測できるので、大当たり演出を選択演出によってのみ構成することができ、共通演出から選択演出に演出を切り替える制御が不要となる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機、および、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
通常遊技状態とは異なる特定遊技状態を発生可能な遊技機において、前記特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を、遊技状況に基づいて予測する遊技進行時間予測手段と、前記一連の演出の少なくとも一部分を構成する演出パターンを、該演出パターンの実行期間に応じて複数種類記憶する演出パターン記憶手段と、前記実行時間予測手段により予測された前記特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期に基づいて、前記演出パターン記憶手段に記憶されている演出パターンの中から、前記特定遊技状態中の所定区間の所定位置から、該区間の終了位置まで実行する1の演出パターンを選定する演出パターン選定手段と、その演出パターン選定手段により選定された演出パターンを前記区間の所定位置から実行するよう制御する演出実行制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期が、遊技進行時間予測手段によって遊技状況に基づいて予測される。そして、そのように予測された時期に基づき、該特定遊技状態中の所定区間の所定位置から、該区間の終了位置まで実行する1の演出パターンが、演出パターン選定手段により、演出パターン記憶手段に記憶されている演出パターンの中から選定される。
特定遊技状態が発生してから終了するまでの期間は、遊技状況(遊技者の遊技の仕方や、遊技機の個体差に応じた遊技媒体の移動の様子、など)に応じて幅広い範囲を取り得るが、この遊技機A1によれば、遊技状況に応じた予測を元に、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
なお、遊技機A1において、「所定区間の所定位置」とは、所定区間における開始位置と、所定区間における途中の位置との両方を含むことを意図している。
また、上述した実施形態において、遊技機A1の遊技進行予測手段としては、選択演出決定処理(図22)のS1224〜S1231の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A1の演出パターン記憶手段としては、選択演出決定テーブル272bが例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A1の演出パターン選定手段としては、選択演出決定処理(図22)のS1233の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A1の演出実行制御手段としては、表示演出処理(図24)のS1268の処理及び音声ランプ演出処理(図23)のS1248の処理が例示される。
通常遊技状態とは異なる特定遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技が、前記特定遊技状態中の所定区間の所定位置から、該区間の終了位置まで進行するのに要する時間を、遊技状況に基づいて予測する遊技進行時間予測手段と、一連の演出の少なくとも一部分を構成する演出パターンを、該演出パターンの実行期間に応じて複数種類記憶する演出パターン記憶手段と、前記実行時間予測手段により予測された時間に基づいて、前記演出パターン記憶手段に記憶されている演出パターンの中から、前記区間内の所定位置から該区間の終了位置までの間に実行する1の演出パターンを選定する演出パターン選定手段と、その演出パターン選定手段により選定された演出パターンを前記区間の所定位置から実行するよう制御する演出実行制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、特定遊技状態中の所定区間の所定位置から、該区間の終了位置まで、遊技が進行するのに要する時間が、遊技進行時間予測手段によって遊技状況に基づいて予測される。そして、そのように予測された時間に基づき、該区間内の所定位置から該区間の終了位置までの間に実行する1の演出パターンが、演出パターン選定手段により、演出パターン記憶手段に記憶されている演出パターンの中から選定される。
特定遊技状態が発生してから終了するまでの期間は、遊技状況(遊技者の遊技の仕方や、遊技機の個体差に応じた遊技媒体の移動の様子、など)に応じて幅広い範囲を取り得るが、この遊技機A2によれば、遊技状況に応じた予測を元に、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
なお、遊技機A2において、「所定区間の所定位置」とは、所定区間における開始位置と、所定区間における途中の位置との両方を含むことを意図している。
また、上述した実施形態において、遊技機A2の遊技進行予測手段としては、選択演出決定処理(図22)のS1224〜S1231の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A2の演出パターン記憶手段としては、選択演出決定テーブル272bが例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A2の演出パターン選定手段としては、選択演出決定処理(図22)のS1233の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A2の演出実行制御手段としては、表示演出処理(図24)のS1268の処理及び音声ランプ演出処理(図23)のS1248の処理が例示される。
遊技機A2において、前記遊技進行時間予測手段は、現在又はそれ以前の特定遊技状態中かつ前記区間の前記所定位置以前の、所定期間の遊技状況に基づいて前記時間を予測するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、現在又はそれ以前の特定遊技状態中かつ該特定遊技状態中の所定区間の所定位置以前の、所定期間の遊技状況に基づいて、特定遊技状態中の所定区間の所定位置から該区間の終了位置まで遊技が進行するのに要する時間が予測される。よって、特定遊技状態中における遊技状況に基づいて、同じ特定遊技状態中の時間を予測するので、特定遊技状態における遊技者の操作癖などが反映され、時間の予測を精度良く行うことができ、その結果、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
遊技機A2又はA3において、前記遊技進行時間予測手段は、前記区間の開始位置から前記所定位置又はそれ以前の位置までの期間における遊技状況に基づいて前記時間を予測するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、1の特定遊技状態の中で、所定区間の開始位置から所定位置又はそれ以前の位置までの期間における遊技状況に基づいて、該区間における所定位置から終了位置まで遊技が進行するのに要する時間が予測される。よって、その特定遊技状態における遊技状況(遊技者の操作癖など)が反映された予測時間を得ることができるので、時間の予測を精度良く行うことができ、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記区間内には、複数の単位遊技期間が設定されており、前記単位遊技期間の長さを計測する単位遊技期間計測手段と、その単位遊技期間計測手段により計測された前記単位遊技期間の長さを該単位遊技期間毎に記憶する単位遊技期間記憶手段とを備え、前記遊技進行時間予測手段は、前記単位遊技期間記憶手段に記憶されている内容を用い、前記所定区間の所定位置以前に設定されている少なくとも2以上の単位遊技期間の長さに基づいて、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出する平均時間算出手段を含み、前記平均時間算出手段により算出された平均時間に基づき、遊技が、前記区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間を予測するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、所定区間内に設定されている複数の単位遊技期間の長さが単位遊技期間計測手段により計測され、計測された長さが単位遊技期間毎に単位遊技期間記憶手段に記憶される。そして、かかる単位遊技期間記憶手段に記憶されている内容を用いて、所定区間の所定位置以前に設定されている少なくとも2以上の単位遊技期間の長さに基づいて、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間が平均時間算出手段により算出される。よって、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間(遊技状況)と、該所定区間の所定位置以降に含まれる単位遊技期間とから、所定区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間を予測することが可能となるので、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。また、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を利用して、所定区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間を予測するので、予測精度を向上させることができる。また、単位遊技期間の計測によって、所定区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間を予測するので、該時間の予測が容易である。
なお、上述した実施形態において、遊技機A5の単位遊技期間計測手段としては、計測時間更新処理(図21)のS1203,S1204の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A5の単位遊技期間記憶手段としては、計測時間メモリ273aが例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A5の平均時間算出手段としては、選択演出決定処理(図22)のS1224,S1225の処理が例示される。
遊技機A5において、前記単位遊技期間記憶手段に記憶されている単位遊技期間の長さが予め設定されている設定値を超えるか否かを判定する判定手段を備え、前記平均時間算出手段は、前記所定区間の所定位置以前に設定されている少なくとも2以上の単位遊技期間のうち、単位遊技期間の長さが前記判定手段により前記設定値を超えると判定された単位遊技期間を除いた、残りの単位遊技期間の長さの平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、異常な計測値を除外することができるので、所定区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間の予測精度を向上させることができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A6の判定手段としては、選択演出決定処理(図22)のS1224において、参照値メモリ273bに記憶されている参照値を超える値を得るために、各ラウンドの計測値と参照値とを比較判定することが例示される。
遊技機A6において、前記設定値は、前記遊技進行時間予測手段による予測の対象となる特定遊技状態より以前に生じた特定遊技状態に含まれる単位遊技期間の平均時間に基づいて設定された値であることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、設定値は、予測の対象となる特定遊技状態より以前に生じた特定遊技状態に含まれる単位遊技期間の平均時間に基づいて設定されるので、遊技状況(遊技者の遊技の仕方や、遊技機の個体差に応じた遊技媒体の移動の様子、など)が反映された値を設定値とすることができる。よって、異常な計測値の除外を適切に行うことができるので、所定区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間の予測精度をより好適に向上させることができる。
遊技機A6又はA7において、前記平均時間算出手段は、前記予測のために用いる期間に含まれる少なくとも一部の単位遊技期間のうち、単位遊技期間の長さが前記判定手段により前記設定値を超えると判定された単位遊技期間と前記区間内における最初の単位遊技期間とを除いた、残りの単位遊技期間の長さの平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、異常な計測値を除外すると共に、元来、異常な値となる傾向にある最初の単位遊技期間の計測値を除外するので、所定区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間の予測精度を向上させることができる。
遊技機A5において、前記平均時間算出手段は、前記予測のために用いる期間に含まれる少なくとも一部の単位遊技期間のうち、前記区間内における最初の単位遊技期間を除いた、残りの単位遊技期間の長さの平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、元来、異常な値となる傾向にある最初の単位遊技期間の計測値を除外するので、所定区間の所定位置から終了位置まで進行するのに要する時間の予測精度を向上させることができる。
遊技機A2からA9のいずれかにおいて、前記演出パターンの前に実行し、その実行後に該演出パターンと連続させることにより、前記一連の演出を構成し得る第2演出パターンを記憶する第2演出パターン記憶手段を備え、前記演出実行制御手段は、前記第2演出パターン記憶手段に記憶されている第2演出パターンを前記区間の開始位置から実行すると共に、前記演出パターン選定手段により選定された演出パターンを前記区間の所定位置から実行するよう制御するものであり、前記遊技進行時間予測手段は、前記第2演出パターンの開始から、該第2演出パターンが終了するまでの所定期間の遊技状況に基づいて前記時間を予測するものであることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、特定遊技状態における所定区間で実行される一連の演出の前半部分の演出(即ち、第2演出パターン)が終了するまでの間に、該区間における所定位置(即ち、第2演出パターンの終了位置であり、演出パターン選定手段により選定される演出パターンの開始位置)から、該区間の終了位置まで遊技が進行するのに要する時間が予測される。よって、現在の特定遊技状態における遊技状況(遊技者の操作癖など)が反映された予測時間を得ることができるので、時間の予測を精度良く行うことができ、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A10の第2演出パターン記憶手段としては、共通演出メモリ272aが例示される。
遊技機A10において、前記遊技進行時間予測手段は、前記第2演出パターンの開始から、該第2演出パターンが終了するまでの遊技状況に基づいて前記時間を予測するものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、第2演出パターンを開始してから終了するまでの期間の遊技状況を時間の予測に用いるので、遊技状況を監視する期間を最大限長くすることができる。よって、時間の予測を精度良く行うことができ、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
前記遊技機A10又はA11において、前記区間内には、複数の単位遊技期間が設定されており、前記第2演出パターンの長さは、前記複数の単位遊技期間のうち2以上の所定数の単位遊技期間が各々最長期間とされるときの期間より長く設定されていることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、第2演出パターンの長さは、区間内に設定されている複数の単位遊技期間のうち2以上の所定数の単位遊技期間が各々最長期間とされるときの期間より長く設定されているので、2以上の所定数の単位遊技期間を各々計測して、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出し、その平均時間を用いて残りの単位遊技期間を消化するのに要する時間を予測することができ、その結果として、第2演出パターンの終了位置から特定遊技状態の終了位置までの実行に要する時間(即ち、特定遊技状態の終了時期)を予測することが可能となる。このとき、計測する単位遊技期間の数(即ち、所定数)をできるだけ多く設定することにより、時間の予測を精度良く行うことが可能となるので、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
遊技機A2からA9のいずれかにおいて、前記区間内には、複数の単位遊技期間が設定されており、前記遊技進行時間予測手段は、前記複数の単位遊技期間のうち、前記区間内の所定位置以前に含まれる2以上である所定数の単位遊技期間が終了するまでの期間における遊技状況に基づいて前記時間を予測するものであることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、区間内に設定されている複数の単位遊技期間のうち、該区間内の所定位置以前に含まれる2以上である所定数の単位遊技期間が終了するまでの期間における遊技状況に基づいて、該区間における所定位置から終了位置まで遊技が進行するのに要する時間が予測される。よって、2以上の所定数の単位遊技期間を各々計測して、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出し、その平均時間を用いて残りの単位遊技期間を消化するのに要する時間を予測することができるので、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を容易に実行可能である。
遊技機A13において、単位遊技期間の数が異なる複数種類の特定遊技状態を発生可能に構成されており、前記遊技進行時間予測手段により前記時間を予測するために用いられる前記単位遊技期間の数は、前記複数種類の特定遊技状態の各々に含まれている単位遊技期間の数のうち、最も少ない単位遊技期間の数より小さい数であることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、特定遊技状態中における所定区間における所定位置から終了位置まで遊技が進行するのに要する時間を予測するために用いられる単位遊技期間の数が、複数種類の特定遊技状態の各々に含まれている単位遊技期間の数のうち、最も少ない単位遊技期間の数より小さい数とされるので、複数種類の特定遊技状態のいずれに対しても同じ制御で、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間の算出、そして、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出の選定を行うことができる。
遊技機A2からA14のいずれかにおいて、前記演出パターン選定手段は、前記実行時間予測手段により予測された時間より実行期間の短い前記演出パターンを選定することを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、実行時間予測手段により予測された時間より実行期間が短い演出パターンのうち、該時間に最も近い実行期間の演出パターンが選定されるので、遊技者に演出の全てを見せる(又は、聴かせる)ことができる。
遊技機A2からA15のいずれかにおいて、前記演出パターン選定手段は、前記実行時間予測手段により予測された時間より実行期間の短い前記演出パターンのうち、該時間に最も近い実行期間の演出パターンを選定することを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、実行時間予測手段により予測された時間より実行期間が短い演出パターンのうち、該時間に最も近い実行期間の演出パターンが選定されるので、遊技者に演出の全てを見せる(又は、聴かせる)ことができる上に、予測された時間より足りない部分における演出パターンの繰り返しを最小限に抑えることができる。
遊技機A1からA16のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機A17。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態(特定遊技状態)の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA16のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機A18。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態(特定遊技状態)を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA16のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機A19。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態(特定遊技状態)を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
通常遊技状態とは異なる遊技状態であって複数の単位遊技期間が所定のインターバル期間を介在させつつ順次実行される特定遊技状態を発生可能な遊技機において、前記特定遊技状態中、前記一連の演出を、前記インターバル期間において中断させつつ各単位遊技期間において実行するよう制御する演出実行制御手段とを備え、前記一連の演出は、複数の単位演出パターンの組み合わせにより構成されており、前記複数の単位演出パターンのうち、最初の単位演出パターンを除く、少なくとも1の単位演出パターンの演出時間を調整することにより、前記一連の演出の全体演出時間を調整する全体演出時間調整手段を備え、前記全体演出時間調整手段は、前記演出時間の調整対象となる単位演出パターンより以前の遊技状況に基づいて、前記特定遊技状態中に実行される前記一連の演出の終了時期を予測する予測手段を含み、前記予測手段により予測された前記終了時期に基づいて、該演出時間の調整対象となる単位演出パターンの演出時間を調整するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、特定遊技状態中、演出実行制御手段によって、複数の単位演出パターンの組み合わせから構成される一連の演出が、インターバル期間において中断させつつ各単位遊技期間において実行するよう制御される場合には、全体演出時間調整手段により、最初の単位演出パターンを除く、少なくとも1の単位演出パターンの演出時間が調整されて、一連の演出の全体演出時間が調整される。
このとき、演出時間の調整対象となる単位演出パターンより以前の遊技状況に基づいて、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測し、そのように予測された終了時期に基づいて、該演出時間の調整対象となる単位演出パターンの演出時間を調整する。よって、特定遊技状態が発生してから終了するまでの期間は、遊技状況(遊技者の遊技の仕方や、遊技機の個体差に応じた遊技媒体の移動の様子、など)に応じて幅広い範囲を取り得るが、この遊技機B1によれば、遊技状況に応じて予測される特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を基に、演出時間の調整対象となる単位演出パターン(一連の演出を構成する複数の単位演出パターンの一部)の演出時間が調整されるので、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
また、複数の単位演出パターンのうち、最初の単位演出パターンを除く、少なくとも1の単位演出パターンの演出時間を調整することにより、一連の演出の全体演出時間を調整するので、演出時間の調整対象とする単位演出パターンの数を少なく設定することにより、単位演出パターン間の繋がりに影響を与える可能性を少なくすることができる。よって、一連の演出に不自然さを感じさせることを防止しつつ、特定遊技状態に実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
なお、上述した実施形態において、遊技機B1の演出時間制御手段としては、表示演出処理(図24)のS1268が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機B1の全体演出調整手段としては、選択演出決定処理(図31)のS1224〜S1230,S1235,S1234の処理が例示される。
遊技機B1において、前記予測手段は、前記演出時間の調整対象となる単位演出パターンより以前であり、かつ、今回又はそれ以前の特定遊技状態中の遊技状況に基づいて、前記終了時期を予測するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、演出時間の調整対象となる単位演出パターンより以前であり、かつ、現在又はそれ以前の特定遊技状態中の遊技状況に基づいて、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期が予測される。よって、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を、同じ特定遊技状態中における遊技状況に基づいて予測するので、特定遊技状態における遊技者の操作癖などが反映され、該終了時期の予測を精度良く行うことができ、その結果、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
遊技機B1又はB2において、前記全体演出時間調整手段は、前記複数の単位演出パターンのうち、最後の前記単位演出パターンの演出時間を調整することにより、前記一連の演出の全体演出時間を調整するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、複数の単位演出パターンのうち、最後の単位演出パターンの演出時間が調整されて、一連の演出の全体演出時間が調整される。よって、単位演出パターン間の繋がりに影響を与えることがないので、一連の演出に不自然さを感じさせることを防止することができる。
遊技機B3において、前記全体演出時間調整手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中の遊技状況に基づいて、前記最後の前記単位演出パターンの演出時間を調整するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、特定遊技状態において実行される一連の演出のうち、最初の単位演出パターンの実行中の遊技状況に基づいて、最後の単位演出パターンの演出時間が調整され、それによって、一連の演出の全体演出時間が調整される。よって、現在の特定遊技状態における遊技状況(遊技者の操作癖など)が反映されるので、特定遊技状態の終期の予測を精度良く行うことができ、その結果、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
遊技機B3又はB4において、前記単位遊技期間の実行時間を計測する単位遊技期間計測手段を備え、前記全体演出時間調整手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間に対して前記単位遊技期間計測手段により計測された実行時間に基づいて、前記特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測する予測手段と、その予測手段により予測された前記終了時期に応じて、演出時間の調整対象となる前記単位演出パターンの演出時間を調整する演出時間調整手段とを含むことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、特定遊技状態において実行される一連の演出のうち、最初の単位演出パターンの実行中に実行される単位遊技期間の実行時間の計測値に基づいて、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期が予測される。よって、単位遊技期間における遊技状況(遊技者の操作癖など)を反映することができ、該終了時期の予測を精度良く行うことができる。その結果、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
なお、上述した実施形態において、遊技機B5の単位遊技期間計測手段としては、計測時間更新処理(図21)のS1203,S1204の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機B5の予測手段としては、選択演出決定手段(図31)のS1224〜S1230の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機B5の演出時間調整手段としては、選択演出決定手段(図31)のS1235,S1234の処理が例示される。
遊技機B5において、前記最初の単位演出パターンの演出時間は、前記複数の単位遊技期間のうち2以上の所定数の単位遊技期間が各々最長期間とされるときの期間より長く設定されていることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、最初の単位演出パターンの演出時間は、複数の単位遊技期間のうち2以上の所定数の単位遊技期間が各々最長期間とされるときの期間より長く設定されているので、2以上の所定数の単位遊技期間を各々計測して、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出し、その平均時間を用いて残りの単位遊技期間を消化するのに要する時間を予測することができる。それによって、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期の予測することができる。このとき、計測する単位遊技期間の数(即ち、所定数)をできるだけ多く設定することにより、時間の予測を精度良く行うことが可能となるので、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。
遊技機B5又はB6において、前記単位遊技期間計測手段により計測された前記単位遊技期間の実行時間を該単位遊技期間毎に記憶する単位遊技期間記憶手段と、前記単位遊技期間記憶手段に記憶されている内容を用い、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される複数の前記単位遊技期間の実行時間に基づいて、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出する平均時間算出手段とを備え、前記予測手段は、前記平均時間算出手段により算出された平均時間に基づき、前記特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、単位遊技期間計測手段により計測された単位遊技期間の実行時間は、該単位遊技期間毎に単位遊技期間記憶手段に記憶される。そして、かかる単位遊技期間記憶手段に記憶されている内容を用いて、最初の単位演出パターンの実行中に実行される複数の単位遊技期間の実行時間に基づいて、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間が平均時間算出手段により算出される。よって、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間(遊技状況)に基づき、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測することが可能となり、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できる。また、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を利用して、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測するので、予測精度を向上させることができる。また、単位遊技期間の計測によって、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測するので、該時期の予測が容易である。
なお、上述した実施形態において、遊技機B7の単位遊技期間記憶手段としては、計測時間メモリ273aが例示される。また、上述した実施形態において、遊技機B7の平均時間算出手段としては、選択演出決定手段(図31)のS1224,S1225の処理が例示される。
遊技機B7において、前記単位遊技期間記憶手段に記憶されている単位遊技期間の実行時間が予め設定されている設定値を超えるか否かを判定する判定手段を備え、前記平均時間算出手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間のうち、単位遊技期間の実行時間が前記判定手段により前記設定値を超えると判定された単位遊技期間を除いた、残りの単位遊技期間の実行時間の平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、異常な計測値を除外することができるので、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期の予測精度を向上させることができる。
遊技機B8において、前記設定値は、現在の特定遊技状態より以前に生じた特定遊技状態において実行された単位遊技期間の平均時間に基づいて設定された値であることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、設定値は、予測の対象となる特定遊技状態より以前に生じた特定遊技状態に含まれる単位遊技期間の平均時間に基づいて設定されるので、遊技状況(遊技者の遊技の仕方や、遊技機の個体差に応じた遊技媒体の移動の様子、など)が反映された値を設定値とすることができる。よって、異常な計測値の除外を適切に行うことができるので、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期の予測精度をより好適に向上させることができる。
遊技機B8又はB9において、前記平均時間算出手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間のうち、単位遊技期間の実行時間が前記判定手段により前記設定値を超えると判定された単位遊技期間と最初の前記単位遊技期間とを除いた、残りの単位遊技期間の長さの平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、異常な計測値を除外すると共に、元来、異常な値となる傾向にある最初の単位遊技期間の計測値を除外するので、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期の予測精度を向上させることができる。
遊技機B7において、前記平均時間算出手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間のうち、最初の前記単位遊技期間を除いた、残りの単位遊技期間の長さの平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、元来異常な値となる傾向にある最初の単位遊技期間の計測値を除外するので、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期の予測精度を向上させることができる。
遊技機B3からB11のいずれかにおいて、前記一連の演出を構成する単位演出パターンを記憶する演出パターン記憶手段を備え、前記演出パターン記憶手段には、演出時間の異なる複数の前記単位演出パターンが、前記最後の演出パターンとして記憶されており、前記全体演出時間調整手段は、前記演出パターンに記憶されている複数種類の前記単位演出パターンの中から、所定の演出時間の単位演出パターンを前記最後の単位演出パターンとして選定する選定手段を含むことを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、演出パターンに記憶されている複数種類の単位演出パターンの中から、所定の演出時間の単位演出パターンを最後の単位演出パターンとして選定するので、特定遊技状態の終期に対して、適切な演出時間の単位演出パターンを用いることができ、演出が短すぎたり、長すぎたりすることを防止することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機B12の演出パターン記憶手段としては、選択演出決テーブル272bが例示される。
遊技機B12において、前記選定手段は、前記最後の単位演出パターンを実行した場合の終了時期が、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期より短くなるような単位演出パターンを選定することを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、最後の単位演出パターンを実行した場合の終了時期が、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期より短くなるような単位演出パターンが選定されるので、遊技者に演出の全てを見せる(又は、聴かせる)ことができる。
遊技機B1からB13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B14。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態(特定遊技状態)の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機B1からB13のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機B15。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態(特定遊技状態)を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機B1からB13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B16。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態(特定遊技状態)を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機には、始動条件が成立した場合に行われる抽選の結果が所定の結果であった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態(特定遊技状態)に切り替えられるものが多く存在する(例えば、特許文献1:特開2004−141213号公報)。かかるタイプの遊技機では、特別遊技状態中に、表示装置に映像を表示したり、スピーカーから音楽を出力したり等の演出を行うことにより、該特別遊技状態の興趣を高める工夫がなされている。
特別遊技状態中には、所定期間の経過又は所定数の入賞を終了条件として大開放口が開放されるイベント(所謂「ラウンド」)が複数回設けられている。隣接するラウンド間(即ち、大開放口が閉鎖されてから、次に開放するまでの間)には、所定時間(例えば、2s)のインターバル期間が設けられている。特別遊技状態中に実行される演出は、全体として一連の演出であるものの、ラウンド間のインターバル期間で中断しつつ間欠的に実行されることがある。
特別遊技状態が発生してから終了するまでの期間は、常に一定でなく、状況に応じて幅広い範囲を取り得る。例えば、パチンコ機の場合には、遊技者による球の打ち出し方や、盤面の釘の状態等によって相違するパチンコ機の個体差などに応じて1回のラウンド期間にばらつきが生じるため、特別遊技状態が発生してから終了するまでの期間が幅広く相違する。
そのため、特別遊技状態の期間と、該特別遊技状態中に実行される演出(表示演出、音声演出)の全体時間とを合わせることは困難であった。特別遊技状態中に実行される演出をラウンド間のインターバル期間で中断しつつ実行する場合には、例えば、ラウンド毎に予め定めた範囲の演出を各ラウンドで時間調整を行いつつ実行することによって、ラウンド期間のばらつきを吸収する、等によって、特別遊技状態の期間と演出の全体時間とを合わせること、等が行われている。
しかしながら、ラウンド毎に予め定めた範囲の演出を各ラウンドで時間調整を行うことにより、ラウンド間の繋がりに不自然さが生じることがあり、その不自然さによって遊技者が違和感を感じることがある。
本技術的思想は、上記例示した事情等を鑑みてなされたものであり、特別遊技状態中に好適な長さの演出を実行できる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1の遊技機は、通常遊技状態とは異なる遊技状態であって複数の単位遊技期間が所定のインターバル期間を介在させつつ順次実行される特定遊技状態を発生可能なものであって、 前記特定遊技状態中、前記一連の演出を、前記インターバル期間において中断させつつ各単位遊技期間において実行するよう制御する演出実行制御手段とを備え、前記一連の演出は、複数の単位演出パターンの組み合わせにより構成されており、前記複数の単位演出パターンのうち、最初の単位演出パターンを除く、少なくとも1の単位演出パターンの演出時間を調整することにより、前記一連の演出の全体演出時間を調整する全体演出時間調整手段を備え、前記全体演出時間調整手段は、前記演出時間の調整対象となる単位演出パターンより以前の遊技状況に基づいて、前記特定遊技状態中に実行される前記一連の演出の終了時期を予測する予測手段を含み、前記予測手段により予測された前記終了時期に基づいて、該演出時間の調整対象となる単位演出パターンの演出時間を調整するものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1の遊技機において、前記全体演出時間調整手段は、前記複数の単位演出パターンのうち、最後の前記単位演出パターンの演出時間を調整することにより、前記一連の演出の全体演出時間を調整するものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2の遊技機において、前記単位遊技期間の実行時間を計測する単位遊技期間計測手段を備え、前記全体演出時間調整手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間に対して前記単位遊技期間計測手段により計測された実行時間に基づいて、前記特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測する予測手段と、その予測手段により予測された前記終了時期に応じて、演出時間の調整対象となる前記単位演出パターンの演出時間を調整する演出時間調整手段とを含む。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想3の遊技機において、前記単位遊技期間計測手段により計測された前記単位遊技期間の実行時間を該単位遊技期間毎に記憶する単位遊技期間記憶手段と、前記単位遊技期間記憶手段に記憶されている内容を用い、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される複数の前記単位遊技期間の実行時間に基づいて、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出する平均時間算出手段とを備え、前記予測手段は、前記平均時間算出手段により算出された平均時間に基づき、前記特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測するものである。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想4の遊技機において、前記単位遊技期間記憶手段に記憶されている単位遊技期間の実行時間が予め設定されている設定値を超えるか否かを判定する判定手段を備え、前記平均時間算出手段は、前記最初の単位演出パターンの実行中に実行される前記単位遊技期間のうち、単位遊技期間の実行時間が前記判定手段により前記設定値を超えると判定された単位遊技期間を除いた、残りの単位遊技期間の実行時間の平均を取ることによって、前記1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を算出するものである。
<効果>
技術的思想1の遊技機によれば、特定遊技状態中、演出実行制御手段によって、複数の単位演出パターンの組み合わせから構成される一連の演出が、インターバル期間において中断させつつ各単位遊技期間において実行するよう制御される場合には、全体演出時間調整手段により、最初の単位演出パターンを除く、少なくとも1の単位演出パターンの演出時間が調整されて、一連の演出の全体演出時間が調整される。
このとき、演出時間の調整対象となる単位演出パターンより以前の遊技状況に基づいて、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測し、そのように予測された終了時期に基づいて、該演出時間の調整対象となる単位演出パターンの演出時間を調整する。よって、特定遊技状態が発生してから終了するまでの期間は、遊技状況(遊技者の遊技の仕方や、遊技機の個体差に応じた遊技媒体の移動の様子、など)に応じて幅広い範囲を取り得るが、この技術的思想1の遊技機によれば、遊技状況に応じて予測される特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を基に、演出時間の調整対象となる単位演出パターン(一連の演出を構成する複数の単位演出パターンの一部)の演出時間が調整されるので、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できるという効果がある。
また、複数の単位演出パターンのうち、最初の単位演出パターンを除く、少なくとも1の単位演出パターンの演出時間を調整することにより、一連の演出の全体演出時間を調整するので、演出時間の調整対象とする単位演出パターンの数を少なく設定することにより、単位演出パターン間の繋がりに影響を与える可能性を少なくすることができる。よって、一連の演出に不自然さを感じさせることを防止しつつ、特定遊技状態に実行する演出として好適な長さの演出を実行できるという効果がある。
技術的思想2の遊技機によれば、技術的思想1の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。複数の単位演出パターンのうち、最後の単位演出パターンの演出時間が調整されて、一連の演出の全体演出時間が調整される。よって、単位演出パターン間の繋がりに影響を与えることがないので、一連の演出に不自然さを感じさせることを防止することができるという効果がある。
技術的思想3の遊技機によれば、技術的思想2の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。特定遊技状態において実行される一連の演出のうち、最初の単位演出パターンの実行中に実行される単位遊技期間の実行時間の計測値に基づいて、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期が予測される。よって、単位遊技期間における遊技状況(遊技者の操作癖など)を反映することができ、該終了時期の予測を精度良く行うことができる。その結果、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できるという効果がある。
技術的思想4の遊技機によれば、技術的思想3の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。単位遊技期間計測手段により計測された単位遊技期間の実行時間は、該単位遊技期間毎に単位遊技期間記憶手段に記憶される。そして、かかる単位遊技期間記憶手段に記憶されている内容を用いて、最初の単位演出パターンの実行中に実行される複数の単位遊技期間の実行時間に基づいて、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間が平均時間算出手段により算出される。よって、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間(遊技状況)に基づき、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測することが可能となり、特定遊技状態において実行する演出として好適な長さの演出を実行できるという効果がある。また、1の単位遊技期間の消化に要する平均時間を利用して、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測するので、予測精度を向上させることができるという効果がある。また、単位遊技期間の計測によって、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期を予測するので、該時期の予測が容易であるという効果がある。
技術的思想5の遊技機によれば、技術的思想4の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。異常な計測値を除外することができるので、特定遊技状態中に実行される一連の演出の終了時期の予測精度を向上させることができるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
110 主制御装置
117 演出制御装置