JP2014223423A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】確定表示期間を利用して遊技の状況を遊技者に認識させ得る遊技機を提供すること。
【解決手段】本発明の遊技機によれば、判定手段によって示唆演出を実行すると判定された場合に、その後に停止表示制御手段によって行われる識別情報の停止表示のうち、少なくとも1回の停止表示の確定表示期間が、停止期間設定手段により、確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定されるように構成されている。よって、始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により特別遊技状態を発生することが選ばれているということを、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間によって感覚的に判別させ得る。
【選択図】図11
【解決手段】本発明の遊技機によれば、判定手段によって示唆演出を実行すると判定された場合に、その後に停止表示制御手段によって行われる識別情報の停止表示のうち、少なくとも1回の停止表示の確定表示期間が、停止期間設定手段により、確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定されるように構成されている。よって、始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により特別遊技状態を発生することが選ばれているということを、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間によって感覚的に判別させ得る。
【選択図】図11
Description
本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の1つであるパチンコ機は、始動口に遊技球が入球する等による始動条件の成立を契機として、液晶表示装置などの表示装置において図柄のスクロールなどの変動表示を所定の期間に亘って実行した後、内部抽選による抽選結果に応じた図柄の並びを停止表示(停止した状態での表示)する。その停止表示が予め定められた図柄の並びであれば、所謂「大当たり」と称する遊技者に有利な特別遊技状態が発生し、大量の遊技媒体が払出可能な状態となる(例えば、特許文献1)。
通常、図柄の停止表示がされると、停止表示された図柄の並びを遊技者に確認させるための期間として、その停止表示の状態を維持し続ける最小限の期間(以下、この期間を「確定表示期間」と称する)が設けられている。従来、かかる確定表示期間は一定とされていた。
遊技機で行われる遊技の多様化に対する近年の要望に対し、確定表示期間が一定とされている上記遊技機は改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等を鑑みてなされたものであり、確定表示期間を利用して遊技の状況を遊技者に認識させ得る遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の遊技機は、識別情報を表示可能な表示手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、通常状態に比べて遊技者に有利な特別遊技状態を発生するか否かを抽選する抽選手段と、前記検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、前記表示手段に識別情報の動的表示を行わせる動的表示制御手段と、その動的表示制御手段による識別情報の動的表示が終了した場合に、前記抽選手段による抽選結果に応じた態様で識別情報の停止表示を前記表示手段に行わせる停止表示制御手段と、前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記停止表示制御手段による識別情報の停止表示の後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに前記検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、その始動条件の成立に基づく前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行を保留する保留手段と、前記停止表示制御手段により前記識別情報の停止表示が行われた後に、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行が可能になると、前記保留手段により保留されていた動的表示を前記動的表示制御手段に実行させる保留解除手段とを備えたものであって、少なくとも前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、前記検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して前記抽選手段によって行われた抽選により前記特別遊技状態を発生することが選ばれた場合に、その後に前記停止表示制御手段によって行われる少なくとも1回の識別情報の停止表示について、該識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間を、該確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定する停止期間設定手段とを備えている。
請求項2記載の遊技機は、請求項1において、少なくとも前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、前記検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して前記抽選手段によって行われた抽選により前記特別遊技状態を発生することが選ばれた場合に、前記抽選手段によって特別遊技状態を発生することが選ばれたことを示唆する示唆演出を実行するか否かを判定する判定手段と、その判定手段により前記示唆演出を実行すると判定された場合に、該判定の契機となった始動条件の成立により前記動的表示制御手段によって識別情報の動的表示が実行される前に、少なくとも1回の前記示唆演出が実行されるように設定を行う示唆演出設定手段とを備え、前記停止期間設定手段は、前記判定手段により前記示唆演出を実行すると判定された場合に、その判定後に前記停止表示制御手段によって行われる少なくとも1回の識別情報の停止表示について、該識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間を、該確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定する。
請求項3記載の遊技機は、請求項2において、前記停止期間設定手段は、前記判定手段によって前記示唆演出を実行すると判定された場合に、前記示唆演出設定手段により設定された示唆演出が実行され得る期間内において、前記停止表示制御手段によって行われる識別情報の停止表示のうち、少なくとも1回の停止表示の確定表示期間を前記基準期間とは異なる期間に設定する。
請求項4記載の遊技機は、請求項2又は3において、前記停止期間設定手段は、前記判定手段によって前記示唆演出を実行すると判定された後、該判定の契機となった始動条件の成立より前に前記保留手段により保留されていた前記動的表示の保留数が所定数以下になった場合に、前記確定表示期間を、前記基準期間とは異なる期間に設定する。
請求項5記載の遊技機は、請求項2から4のいずれかにおいて、前記停止期間設定手段は、前記判定手段によって前記示唆演出を実行すると判定された後、該判定の契機となった始動条件の成立より前に前記保留手段により保留されていた前記動的表示の保留数が所定数以下になった場合に、前記確定表示期間を、前記基準期間より長い期間に設定する。
請求項6記載の遊技機は、請求項5において、前記示唆演出設定手段は、前記判定手段により前記示唆演出を実行すると判定された後、該判定の契機となった始動条件の成立より前に前記保留手段により保留されていた前記動的表示の保留数が所定数以下になった場合に前記停止表示制御手段により実行される識別情報の停止表示の確定表示期間中に、前記示唆演出として、前記基準期間において現出し得る視覚的な第1所定情報を現出させる第1の示唆演出を設定すると共に、所定確率で、前記第1の示唆演出後に前記基準期間では現出し得ない視覚的な第2所定情報を現出させる第2の示唆演出を設定する。
請求項7記載の遊技機は、識別情報を表示可能な表示手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、通常状態に比べて遊技者に有利な特別遊技状態を発生するか否かを抽選する抽選手段と、前記検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、前記表示手段に識別情報の動的表示を行わせる動的表示制御手段と、その動的表示制御手段による識別情報の動的表示が終了した場合に、前記抽選手段による抽選結果に応じた態様で識別情報の停止表示を前記表示手段に行わせる停止表示制御手段と、前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記停止表示制御手段による識別情報の停止表示の後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに前記検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、その始動条件の成立に基づく前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行を保留する保留手段と、前記停止表示制御手段により前記識別情報の停止表示が行われた後に、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行が可能になると、前記保留手段により保留されていた動的表示を前記動的表示制御手段に実行させる保留解除手段とを備えたものであって、少なくとも前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、前記検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して前記抽選手段によって行われた抽選により前記特別遊技状態を発生することが選ばれた場合に、前記抽選手段によって特別遊技状態を発生することが選ばれたことを示唆する示唆演出を実行するか否かを判定する第1判定手段と、少なくとも前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、前記検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して前記抽選手段によって行われた抽選により前記特別遊技状態を発生させないことが選ばれた場合に、前記示唆演出と同じ演出を実行するか否かを判定する第2判定手段と、前記第1判定手段又は前記第2判定手段により、前記示唆演出又は前記示唆演出と同じ演出を実行すると判定された場合に、該判定の契機となった始動条件の成立により前記動的表示制御手段によって識別情報の動的表示が実行される前に、前記停止表示制御手段により行われる識別情報の停止表示のうち、少なくとも1回の識別情報の停止表示の態様を所定態様とすることにより、前記示唆演出又は前記示唆演出と同じ演出を設定する示唆演出設定手段と、前記第1判定手段によって前記示唆演出を実行すると判定された後、前記示唆演出設定手段により所定態様とされた識別情報の停止表示を前記停止表示制御手段によって行うときに該識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間と、前記第2判定手段によって前記示唆演出と同じ演出を実行すると判定された後、前記示唆演出設定手段により所定態様とされた識別情報の停止表示を前記停止表示制御手段によって行うときに該識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間とを、異なる期間に設定する停止期間設定手段とを備えている。
請求項1記載の遊技機によれば、少なくとも動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により特別遊技状態を発生することが選ばれると、その後における少なくとも1回の識別表示の停止表示の確定表示期間(識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間)が、停止期間設定手段により、該確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定されるように構成されている。
よって、始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により特別遊技状態を発生することが選ばれていることを、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間によって感覚的に判別させ得るという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。少なくとも動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により特別遊技状態を発生することが選ばれた場合に、抽選手段によって特別遊技状態を発生することが選ばれたことを示唆する示唆演出を実行するか否かが、判定手段によって判定される。かかる判定手段により、示唆演出を実行すると判定された場合には、該判定の契機となった始動条件の成立により識別情報の動的表示が動的表示制御手段によって実行される前に少なくとも1回の示唆演出が実行されるように、示唆演出設定手段によって設定が行われる。これにより、示唆演出を実行するか否かの判定の契機となった始動条件の成立により識別情報の動的表示が動的表示制御手段によって実行される前に示唆演出が実行される。
ここで、判定手段によって示唆演出を実行すると判定された場合には、その判定後に停止表示制御手段によって行われる少なくとも1回の識別情報の停止表示について、確定表示期間(識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間)が、停止期間設定手段により、該確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定されるように構成されている。よって、示唆演出が実行され得る状況であるか否かを、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間によって感覚的に判別させ得る。示唆演出が実行され得る状況であるということは、将来的に特別遊技状態が発生する可能性があるということでもあるので、換言すれば、将来的に特別遊技状態が発生する可能性があることを、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間によって感覚的に判別させ得るという効果がある。
また、識別情報の停止表示の確定表示期間の違いを認識できるか否かは、遊技者の技量に応じて異なるので、遊技者によっては、示唆演出が実行され得る状況であるか否かを、識別情報の停止表示の確定表示期間の違いから区別できないこともある。そのため、両者を識別情報の停止表示の確定表示期間の違いによって区別できる遊技者に、自分にはその違いが分かるという優越感を持たせることができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。判定手段によって示唆演出を実行すると判定された場合に、示唆演出設定手段により設定された示唆演出が実行され得る期間内において、停止表示制御手段によって行われる識別情報の停止表示のうち、少なくとも1回の停止表示の確定表示期間が、停止期間設定手段により、確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定されるように構成されている。
よって、示唆演出が実行され得る期間であるか否かを、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間によって感覚的に判別させ得る。示唆演出が実行され得る期間であるということは、将来的に特別遊技状態が発生する可能性があるということでもあるので、換言すれば、将来的に特別遊技状態が発生する可能性があることを、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間によって感覚的に判別させ得るという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1又は2の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。判定手段によって示唆演出を実行すると判定された後、その判定の契機となった始動条件の成立より前に保留手段により保留されていた動的表示の保留数が所定数以下になった場合に、確定表示期間が、停止期間設定手段により、基準期間とは異なる期間に設定されるように構成されている。即ち、特別遊技状態の発生が選ばれた抽選の契機となった始動条件の成立に基づく識別の動的表示が実行される前に実行される動的表示の残り回数が所定数以下になった場合に、識別情報の停止表示の確定表示期間が基準期間とは異なる期間とされる。よって、識別情報の停止表示の確定表示期間に着目させることにより、近いうちに特別遊技状態が発生する可能性があることを、遊技者に認識させ得るという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項2から4のいずれかの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。判定手段によって示唆演出を実行すると判定された後、その判定の契機となった始動条件の成立より前に保留手段により保留されていた動的表示の保留数が所定数以下になった場合に、確定表示期間が、停止期間設定手段により、基準期間より長い期間に設定されるように構成されている。即ち、特別遊技状態の発生が選ばれた抽選の契機となった始動条件の成立に基づく識別の動的表示が実行される前に実行される動的表示の残り回数が所定数以下になった場合に、識別情報の停止表示の確定表示期間が基準期間より長い期間とされる。よって、識別情報の停止表示の確定表示期間に着目させることにより、近いうちに特別遊技状態が発生する可能性があることを、遊技者に認識させ得るという効果がある。また、停止表示の確定表示期間が基準期間より長く設定されることにより、停止表示の確定表示期間中に多様な示唆演出を実行し得るという効果がある。
請求項6記載の遊技機によれば、請求項5の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。判定手段によって示唆演出を実行すると判定された後、その判定の契機となった始動条件の成立(即ち、特別遊技状態の発生が選ばれた抽選の契機となった始動条件の成立)に基づく識別の動的表示が実行される前に実行される動的表示の残り回数が所定数以下になった場合に停止表示制御手段によって行われる識別情報の停止表示の確定表示期間中に、示唆演出設定手段により示唆演出が設定される。より具体的には、当該期間中に、第1の示唆演出が設定されると共に、第2の示唆演出が所定確率で設定される。
ここで、第1の示唆演出において現出する視覚的な第1所定情報が基準期間において現出し得るものであるのに対し、第2の示唆演出において現出する視覚的な第2所定情報は、基準期間では現出し得ないものであるので、遊技者が識別情報の停止表示の確定表示期間中に第2所定情報を視認した場合には、その遊技者に、近いうちに特別遊技状態が発生することを強く期待させることができ、遊技を続けたいという気持ちを高めることができるという効果がある。また、かかる第2所定情報を現出させる第2の示唆演出は、所定確率で設定されるので、その確率によっては必ずしも第2所定情報が現出されないので、遊技者が第2所定情報を視認したときに感じる期待感をより高めることができるという効果がある。
また、識別情報の停止表示の確定表示期間を利用して示唆演出を行うので、判定手段により示唆演出を実行すると判定されたタイミングで識別情報の動的表示が行われていても、実行中の動的表示の後に行われる停止表示の確定表示期間も示唆演出の対象にすることが可能となる。判定手段により示唆演出を実行すると判定されたタイミングで実行中の動的表示を用いて示唆演出を行うことは困難であるので、特別遊技状態が発生する前に示唆演出を実行する機会を増やすことができるという効果がある。
また、遊技者は、識別情報の動的表示が自身に利益をもたらす態様の停止表示となるか否かに興味があるので、識別情報の動的表示の実行期間中には、刻々と変化する識別情報の表示態様を注視する傾向にある。そのため、識別情報の動的表示の実行期間中に視覚的な所定情報を示唆演出として現出させた場合には、刻々と変化する識別情報の表示態様の視認性が阻害され、遊技者が識別情報の表示態様を認識し難くなって苛立ちを覚え遊技の興趣を低下させるおそれがある。これに対し、識別情報の停止表示の確定表示期間中には、当該識別情報の停止表示の態様がもはや変更されることはないので、識別情報の停止表示の確定表示期間中に視覚的な所定情報を示唆演出として現出させたとしても、遊技者は識別情報の停止表示の態様を十分に認識することができる。よって、示唆演出を、遊技者に特別遊技状態の発生を期待させるものとして有効に機能させることができるという効果がある。
請求項7記載の遊技機によれば、少なくとも動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により特別遊技状態を発生することが選ばれた場合に、抽選手段によって特別遊技状態を発生することが選ばれたことを示唆する示唆演出を実行するか否かが、第1判定手段によって判定される。その一方で、少なくとも動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により特別遊技状態を発生させないことが選ばれた場合に、示唆演出と同じ演出を実行するか否かが、第2判定手段によって判定される。第1判定手段により示唆演出を実行すると判定された場合、又は、第2判定手段により示唆演出と同じ演出を実行すると判定された場合には、該判定の契機となった始動条件の成立により識別情報の動的表示が動的表示制御手段によって実行される前に停止表示制御手段により行われる識別情報の停止表示のうち、示唆演出設定手段により、示唆演出又は示唆演出と同じ演出として、少なくとも1回の識別情報の停止表示の態様が所定態様に設定される。
ここで、第1判定手段によって示唆演出を実行すると判定された後、示唆演出設定手段により所定態様とされた識別情報の停止表示を停止表示制御手段によって行うときの確定表示期間と、第2判定手段によって示唆演出と同じ演出を実行すると判定された後、示唆演出設定手段により所定態様とされた識別情報の停止表示を停止表示制御手段によって行うときの確定表示期間と、停止期間設定手段により、異なる期間に設定される。
第1判定手段による判定の契機となった始動条件の成立は、特別遊技状態の発生が選ばれた抽選の契機となった始動条件の成立であり、第2判定手段による判定の契機となった始動条件の成立は、特別遊技状態の発生が選ばれなかった抽選の契機となった始動条件の成立であるので、停止表示の確定表示期間の違いによって、特別遊技状態が発生するか否かを遊技者に認識させ得るという効果がある。
また、識別情報の停止表示の確定表示期間の違いを認識できるか否かは、遊技者の技量に応じて異なるので、遊技者によっては、示唆演出が実行され得る期間であるか否かを、識別情報の停止表示の確定表示期間の違いから区別できないこともある。そのため、両者を識別情報の停止表示の確定表示期間の違いによって区別できる遊技者に、自分にはその違いが分かるという優越感を持たせることができるという効果がある。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、パチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3は、パチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示(変動演出)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ(図示せず)がオンされると共に可変抵抗器(図示せず)の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。なお、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ(図示せず)および打ち止めスイッチ(図示せず)がオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、第2入球口67(スルーゲート)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。なお、この図2は、符号を分かり易くするために、釘や金具などの一部を削除し図示したものである。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が落下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、主に第1図柄を表示するための第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられている。
第1図柄表示装置37における複数のLED37aは、点灯状態によって種々の情報を報知するものである。具体的に、LED37aは、球が第1入球口64へ入賞したこと(以下、この入賞を「始動入賞」と称することがある)に基づき、主制御装置110(図3,5参照)にてなされる大当たり抽選による抽選結果に応じた第1図柄の停止表示を点灯状態によって示す。本実施形態では、この大当たり抽選により、「16R通常当たり」、「16R確変当たり」、「5R確変当たり」、「2R潜伏確変当たり」、「小当たり」、又は「通常外れ」のいずれかが選ばれるように構成されている。よって、例えば、大当たり抽選により「16R通常当たり」が選ばれた場合には、LED37aは、点灯状態によって「16R通常当たり」に対応する第1図柄の停止表示を示す。
また、LED37aは、始動入賞から、第1図柄の停止表示がされるまでの間、点灯状態を刻々と変化することにより第1図柄の変動表示を示す。その他にも、LED37aは、第3図柄表示装置81において第3図柄が変動表示されているか否かや、パチンコ機10の遊技状態(例えば、確変状態であるか、通常状態であるか、等)や、第1入球口64への入賞(始動入賞)を保留した回数や、第2入球口67への入賞を保留した回数を点灯状態によって示す。
なお、「確変状態」とは、大当たり抽選により大当たり(本実施形態では、16R通常当たり、16R確変当たり、5R確変当たり、2R潜伏確変当たり)が選ばれる確率が通常確率より高くなると共に、後述する第2図柄の当たり確率が通常確率より高くなる状態である。一方、「通常状態」とは、大当たり抽選により大当たりが選ばれる確率も、第2図柄の当たり確率も通常確率のままの状態である。
これらのLED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ない数のLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。また、7セグメント表示器37bは、大当たり時に付与されるラウンド数やエラー表示を行うものである。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞(入球)をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下、単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示部83と、第2入球口67(スルーゲート)を通過した球の保留球数を示す第2図柄保留ランプ84とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する演出制御装置117によって表示内容が制御され、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に横にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている(図4参照)。また、本実施形態では、第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。なお、本実施形態では、第1図柄表示装置37において主制御装置110の制御に伴った遊技状態や、大当たり抽選による抽選結果を示す第1図柄の表示が行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示(変動演出)が、第3図柄表示装置81において行われる。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37において第1図柄の変動表示がされている間に、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合には、その入賞(又は、その入賞に基づく変動表示の実行)が保留されるように構成されており、本実施形態では、第1入球口64への入賞(始動入賞)が最大4回まで保留できるように構成される。その保留回数は、上述した第1図柄表示装置37(LED37a)により示されると共に、特図保留ランプ85の点灯個数においても示される。なお、特図保留ランプ85は、保留回数の上限回数分のランプから構成され、第3図柄表示装置81の上方に配設されている。
なお、以下の説明では、第1入球口64への入賞(又は、その入賞に基づく変動表示の実行)を保留した回数のことを、特図保留球数Nと称する。本実施形態においては、特図保留球数Nの上限値を4(即ち、第1入球口64への入賞、又は、その入賞に基づく変動表示の実行が最大4回まで保留される)とするが、特図保留球数Nの上限値は4に限定されるものでなく、3以下、又は、5以上の値(例えば、8)に設定しても良い。
第2図柄表示部83は、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過する毎に、表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。本実施形態のパチンコ機10は、第2図柄表示部83における変動表示が所定図柄(「○」の図柄)で停止した場合に、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口64へ入球し易い状態となるように構成されている。
球の第2入球口67(スルーゲート)の通過回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第2図柄保留ランプ84において点灯表示される。なお、第2入球口67(スルーゲート)についての球の保留回数は、第1入球口64への入賞を保留する場合と同様に、最大回数(上限値)が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ208a(図5参照)がオンとなり、その第1入球口スイッチ208aのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた第1図柄の表示が第1図柄表示装置37のLED37aにより示されると共に、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が、第3図柄表示装置81により示される。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、一般入賞口63へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、異なる数としても良い。例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を20個としても良い。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110によって行われる大当たり抽選の抽選結果が、大当たり(本実施形態では、16R通常当たり、16R確変当たり、5R確変当たり、又は2R潜伏確変当たり)であった場合には、第1図柄表示装置37において第1図柄の停止表示によって抽選結果が表示された後(又は、第3図柄表示装置81において第3図柄の停止表示によって抽選結果が表示された後)、球が入賞し易い特別遊技状態に遊技状態が遷移する。
かかる特別遊技状態では、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間に亘って開放された後に再び閉鎖される開閉動作が、所定回数、繰り返される。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、大当たり抽選の抽選結果が16R通常当たり、16R確変当たり、又は5R確変当たりのいずれかである場合には、特別遊技状態において、特定入賞口65aは、所定時間(本実施形態では、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放された後に閉鎖される。この特定入賞口65aの開閉動作の繰り返し回数は、抽選結果に応じた回数とされる。例えば、16R通常当たり及び16R確変当たりであれば、当該繰り返し回数は16回(16ラウンド)であり、5R確変当たりであれば、当該繰り返し回数は5回(5ラウンド)である。以下の説明では、大当たり抽選の抽選結果が16R通常当たり、16R確変当たり、又は5R確変当たりのいずれかである場合に発生する、特定入賞口65aの開閉を伴う上述した特別遊技状態を「大当たり遊技」と称することがある。
一方、大当たり抽選の抽選結果が2R潜伏確変当たりである場合には、特別遊技状態において、特定入賞口65aが所定時間(本実施形態では、0.5秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放された後に閉鎖される開閉動作が、2回(2ラウンド)実行される。
また、本実施形態では、主制御装置110によって行われる大当たり抽選の抽選結果が外れの一種である小当たりであった場合もまた、第1図柄表示装置37において第1図柄の停止表示によって抽選結果が表示された後(又は、第3図柄表示装置81において第3図柄の停止表示によって抽選結果が表示された後)に、特定入賞口65aの開閉動作を行うように構成されている。大当たり抽選の抽選結果が小当たりである場合に実行される特定入賞口65aの開閉動作は、大当たり抽選の抽選結果が2R潜伏確変当たりであった場合に生じる上述した特別遊技状態と同様に行われる。即ち、特定入賞口65aが所定時間(本実施形態では、0.5秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放された後に閉鎖される開閉動作が、2回(2ラウンド)実行される。よって、遊技者は、特定入賞口65aの開閉動作(開放時間及び開閉回数)だけでは、大当たり抽選の抽選結果が、2R潜伏確変当たりであったか、小当たりであったかを区別することができない。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図5に示すソレノイド209の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時には開閉板によって閉鎖されて、球が特定入賞口65aに入賞できないか又は入賞し難い状態(閉状態)になっている。大当たり遊技などで可変入賞装置65を開閉する際には、大開放口ソレノイドを励磁して開閉板を前面下側に傾倒することによって特定入賞口65aを開放し、球が特定入賞口65aに入賞し易い状態(開状態)を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態を交互に繰り返すように大開放口ソレノイドを動作させる。
なお、特別遊技状態は上述した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37のLED37aが大当たりを示す態様で点灯(停止表示)した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と、演出制御基板(演出制御装置117)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と、発射制御基板(発射制御装置112)と、電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、演出制御装置117、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本実施形態のパチンコ機10における第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための模式図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列(仮想図柄リール)を構成している。
本実施形態では、図柄の変動方向は横方向Xとされており、かかる横方向の変動(横スクロール)において、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示され、各図柄列(Z1〜Z3)毎に左・中・右の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。ここで、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
第3図柄表示装置81の表示画面には、5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図4に示すように、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。
第1入球口64へ球が入球(入賞)し、第3図柄表示装置81において所定の変動方向(本実施形態では横方向X)にスクロールする第3図柄の変動表示を所定の変動時間に亘り行った後、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順で第3図柄の停止表示を行う。このとき、第3図柄の停止表示が、いずれかの有効ライン上において予め決められた第3図柄の並び(第3図柄の組み合わせ)で並ぶものであれば、大当たり抽選の抽選結果が大当たりであったことを示す。
ここで、どの種別の大当たりであるかは、第3図柄の並びによって示され、例えば、偶数番号(「2」,「4」,「6」,「8」)に対応する主図柄のうち、同一の偶数番号に対応する主図柄が1の有効ライン上に並んだ場合には、大当たりが16R通常当たりであることを示す。また、例えば、「7」に対応する主図柄が1の有効ライン上に並んだ場合には、大当たりが16R確変当たりであることを示し、「7」以外の奇数番号(「1」,「3」,「5」,「9」)に対応する主図柄が1の有効ライン上に並んだ場合には、大当たりが5R確変当たりであることを示す。なお、大当たりを示す第3図柄の並びは、同一の第3図柄の並びであることに限らない。例えば、1の有効ライン上に「1」と[2]と「3」とにそれぞれ対応する主図柄が並んだ場合を大当たりを示す題3図柄の並びとしてもよい。
有効ライン上に並ぶ第3図柄の組み合わせが、大当たり遊技を発生する大当たり(本実施形態では、16R通常当たり、16R確変当たり、又は5R確変当たり)であれば、第3図柄の停止表示後に実行される大当たり遊技において、大当たり動画(大当たり演出)が第3図柄表示装置81に表示される。
なお、本実施形態では、変動方向(スクロール方向)を横方向Xとしたが、変動方向は縦方向(即ち、横方向Xと直交する方向)であってもよい。変動方向を縦方向(縦スクロール)とする場合には、有効ラインを、上ライン(図4におけるZ1のライン)、中ライン(図4におけるZ2のライン)、下ライン(図4におけるZ3のライン)、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つとすればよい。そして、縦スクロールの場合には、例えば、左図柄列L1’→右図柄列L3→中図柄列L2の順に第3図柄の停止表示を行う。
次に、図5を参照して、上述したパチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の構成を示すブロック図である。本実施形態のパチンコ機10は、遊技の状況に応じて、第1図柄及び第3図柄の停止表示の確定表示期間(即ち、停止表示の状態を維持し続ける最小限の期間)が変更されるように構成されている。図5に示すように、パチンコ機10は、主制御装置110と、払出制御装置111と、演出制御装置117とを有している。
主制御装置110は、パチンコ機10全体の動作を制御するものであり、払出制御装置111や、演出制御装置117などのサブ制御装置に対して各種コマンドを送信し、サブ制御装置の動作を制御するものである。本実施形態では、主制御装置110からサブ制御装置へ送信される各種コマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。なお、サブ制御装置から主制御装置110へ、サブ制御装置の状態を示すコマンドを送信するように構成しても良い。
この主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路とが内蔵されている。
RAM203は、カウンタエリア203aと、特図保留球カウンタ203bと、変動時間カウンタ203cと、図柄停止時間カウンタ203dと、図柄停止時間メモリ203eと、連続演出フラグ203fと、連続演出カウンタ203gと、連続演出待機フラグ203hとを有している。
カウンタエリア203aは、各種カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2(図6参照)等を有し、大当たりの判定や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示部83の表示結果の抽選などを行うために使用されるエリアである。なお、このカウンタエリア203aの詳細な構成については、図6を参照して後述する。
特図保留球数カウンタ203bは、特図保留球数N、即ち、第1入球口64への入賞(始動入賞)を保留した回数を計数するカウンタであり、第1入球口64に球が入球(入賞)する毎に1ずつ加算され、図柄(第1図柄及び第3図柄)の変動表示が実行される毎に1ずつ減算される。
変動時間カウンタ203cは、第1図柄の変動表示が開始されてからの経過時間を計時するためのカウンタである。変動時間カウンタ203cは、変動開始処理(図16参照)が実行される毎、即ち、第1図柄の変動表示を開始する毎に、設定された変動パターン及び加算時間により決まる第1図柄の変動時間に応じた値が初期値として設定される。初期値が設定された後、メイン処理(図13参照)における定期処理の実行間隔である4ms毎に、変動時間カウンタ203cの値は1ずつ減算される。これにより、初期値が設定されてから、変動時間カウンタ203cの値がゼロになるまでの期間が、設定された変動パターン及び加算時間により決まる第1図柄の変動時間となる。
図柄停止時間カウンタ203dは、第1図柄の停止表示が開始されてからの経過時間を計時するためのカウンタである。図柄停止時間カウンタ203dは、初期値設定後に刻々と減算されていた変動時間カウンタ203cの値がゼロになり、第1図柄の停止表示を開始する際に、第1図柄の停止表示の確定表示期間(停止表示の状態を維持し続ける最小限の期間)に応じた値が初期値として設定される。なお、第1図柄の停止表示の確定表示期間を示す値は、後述する図柄停止時間メモリ203eに記憶されている値であり、初期値を設定する際には、図柄停止時間メモリ203eに記憶されている値が用いられる。初期値が設定された後、メイン処理(図13参照)における定期処理の実行間隔である4ms毎に、図柄停止時間カウンタ203dの値は1ずつ減算される。これにより、初期値が設定されてから、図柄停止時間カウンタ203dの値がゼロになるまでの期間が、第1図柄の停止表示の確定表示期間となる。
図柄停止時間メモリ203eは、図柄停止時間カウンタ203dに設定すべき第1図柄の停止表示の確定表示期間を記憶するためのメモリである。図柄停止時間メモリ203eには、変動開始処理(図16参照)が実行される毎に、遊技の状況に応じて決定された第1図柄の停止表示の確定表示期間を示す値が、上書きによって記憶される。
連続演出フラグ203fは、先読み抽選の抽選結果が5R確変当たりであったことに基づくチャンス目連続演出が実行中であるか否かを示すフラグである。なお、「先読み抽選」とは、球が第1入球口64への入賞(始動入賞)した場合に、その始動入賞に基づく図柄の変動表示の開始タイミングで実行される大当たり抽選とは別に、当該大当たり抽選に先立って行われる抽選である。この先読み抽選は、抽選を行うタイミングが異なる以外は、大当たり抽選と同じ抽選方法で行われ、当該大当たり抽選と同じ抽選結果が得られる。
連続演出フラグ203fは、オン(「1」)が設定されている場合には、先読み抽選の抽選結果が5R確変当たりであったことに基づくチャンス目連続演出が実行中であることを示し、オフ(「0(ゼロ)」)が設定されている場合には、先読み抽選の抽選結果が5R確変当たりであったことに基づくチャンス目連続演出が演出制御装置117において実行されていないことを示す。
この連続演出フラグ203fは、始動入賞に基づき実行される始動入賞処理(図21参照)の一部である入賞時保留数コマンド設定処理(図22参照)の中で、当該入賞に基づいて行われた先読み抽選の抽選結果が5R確変当たりであったことに基づくチャンス目連続演出を演出制御装置117に実行させる条件が成立した場合にオンに設定される。その後、後述する連続演出カウンタ203gの値がゼロとなって、演出制御装置117において実行されていたチャンス目連続演出が終了されることに伴い、連続演出フラグ203fはオフに設定される。
連続演出カウンタ203gは、先読み抽選の抽選結果が5R確変当たりであったことに基づいて演出制御装置117において実行されるチャンス目連続演出の実行期間を管理するためのカウンタである。入賞時保留数コマンド設定処理(図22参照)において上述した連続演出フラグ203fがオンされる場合に、そのときの特図保留球カウンタ203bの値(特図保留球数Nの値)が連続演出カウンタ203gに設定される。その後、連続演出カウンタ203gの値がゼロになるまで、第1図柄の変動表示が開始される毎に連続演出カウンタ203gの値は1ずつ減算される。即ち、連続演出カウンタ203gは、チャンス目連続演出を実行させる5R確変当たりが選ばれた先読み抽選の契機となった始動入賞に基づく第1図柄の変動表示と、当該入賞以前に保留されていた1又は複数回の入賞に基づく第1図柄の変動表示とが実行される回数を計数する。
連続演出待機フラグ203hは、先読み抽選の抽選結果が5R確変当たりであったことに基づいて演出制御装置117において実行されるチャンス目連続演出の実行期間の中で、チャンス目連続演出の実行の待機中であるか否かを示すフラグであり、オン(「1」)が設定されている場合には、当該チャンス目連続演出の実行の待機中であることを示し、オフ(「0(ゼロ)」)が設定されている場合には、当該チャンス目連続演出を待機することなく実行できること示す。この連続演出待機フラグ203hは、始動入賞に基づいて行われた先読み抽選の抽選結果が5R確変当たりであり、かつ、当該入賞があったときに第1図柄の変動表示が実行中である場合にオンに設定され、その後、実行中であった第1図柄の変動表示が終了するとオフに設定される。
なお、上述したカウンタエリア203a、特図保留球カウンタ203b、変動時間カウンタ203c、図柄停止時間カウンタ203d、図柄停止時間メモリ203e、連続演出フラグ203f、連続演出カウンタ203g、及び、連続演出待機フラグ203hは、いずれも、パチンコ機10の電源投入に伴って実行される立ち上げ処理(図12参照)の中で行われるRAM203の初期化処理において初期化(0クリア)される。
RAM203は、上述したカウンタやフラグなどの他にも、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図13参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図12参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図23参照)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111と、演出制御装置117と、第1図柄表示装置37と、第2図柄表示装置82と、第2図柄保留ランプ84と、第1入球口スイッチ208aや図示しないスイッチ群又はセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209とが接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
また、RAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。なお、払出制御装置111で実行されるNMI割込処理は、主制御装置110で実行されるNMI割込処理(図23参照)と同様の処理である。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示せず)により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
演出制御装置117は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力設定、特図保留ランプ85におけるランプの点灯数の設定、電飾部29〜33や表示ランプ34などにおけるランプの点灯および消灯の設定、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示や大当たり演出を制御するものである。
演出制御装置117は、MPU271と、画像コントローラ274と、キャラクタROM275と、ビデオRAM276と、入出力ポート277と、出力ポート278と、バスライン279,280とを有している。
演算装置であるMPU271には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン279を介して入出力ポート277が接続されている。入出力ポート277には、主制御装置110と、画像コントローラ274と、音声出力装置226と、電飾部29〜33及び表示ランプ34と、特図保留ランプ85と、枠ボタン22とが接続されている。
画像コントローラ274には、キャラクタROM275、及びビデオRAM276が接続されると共に、バスライン280を介して出力ポート278が接続されている。この出力ポート278の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの当選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、演出制御装置117は共通部品化されコスト低減が図られている。
なお、本実施形態では、音声出力の制御や、各種ランプの点灯および消灯の制御や、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示の制御を一括して演出制御装置117で行うよう構成しているが、各種制御を複数の制御装置で分担して行うように構成しても良い。例えば、音声出力の制御と、各種ランプの点灯および消灯の制御とを専用の制御装置(音声ランプ制御装置)で行い、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示の制御を専用の制御装置(表示制御装置)で行うように構成しても良い。
MPU271は、1チップマイコンとしての演算装置である。MPU271には、MPU271により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM272と、ワークメモリ等として使用されるRAM273などの各種回路とが内蔵されている。
RAM273は、保留情報格納エリア273aと、保留球カウンタ273bと、変動時間カウンタ273cと、連続演出フラグ273dと、連続演出カウンタ273eと、連続演出待機フラグ273fと、連続演出実行抽選カウンタ273gと、図柄停止時演出抽選カウンタ273hと、図柄停止時特別抽選カウンタ273iと、図柄停止中フラグ273jとを有している。
保留情報格納エリア273aは、始動入賞に基づき主制御装置110において設定されて出力された入賞時保留数コマンドに基づき、当該入賞に基づく第3図柄の変動表示後に行う停止表示の種別などのデータを記憶するためのエリアである。この保留情報格納エリア273aの詳細な構成については、図8を参照して後述する。
保留球カウンタ273bは、主制御装置110における特図保留球数カウンタ203bに対応するカウンタであり、特図保留球数Nの値を示すためのものである。保留球カウンタ273bは、主制御装置110において特図保留球数Nの値(特図保留球数カウンタ203bの値)が変更される毎に設定されて出力されるコマンド(より詳細には、入賞時保留数コマンド及び変動開始時保留数コマンド)を受信した場合に、そのコマンドが示す特図保留球数Nの値が設定される。
変動時間カウンタ273cは、第3図柄の変動表示が開始されてからの経過時間を計時するためのカウンタである。変動時間カウンタ273cは、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信する毎、即ち、第3図柄の変動表示を開始する毎に、変動パターンコマンドが示す変動パターンの変動時間に、その後に主制御装置110から受信する変動時間加算コマンドが示す加算時間を加算して得られる第3図柄の変動時間に応じた値が、初期値として設定される。初期値が設定された後、表示演出処理の実行間隔である20ms毎に、変動時間カウンタ273cの値は1ずつ減算される。よって、初期値が設定されてから、変動時間カウンタ273cの値がゼロになるまでの期間が、第3図柄の変動時間となる。
連続演出フラグ273dは、チャンス目連続演出の実行中であるか否かを示すフラグであり、オン(「1」)が設定されている場合には、チャンス目連続演出が実行中であることを示し、オフ(「0(ゼロ)」)が設定されている場合には、チャンス目連続演出が実行されていないことを示す。
この連続演出フラグ273dは、始動入賞に基づき主制御装置110において設定されて出力された入賞時保留数コマンドを受信した場合に実行されるチャンス目連続演出設定処理(図31参照)において、チャンス目連続演出を実行すると決定された場合にオンに設定される。具体的に、受信した入賞時保留数コマンドが、その入賞時保留数コマンドの設定の契機となった入賞に基づく先読み抽選により5R確変当たりが選ばれたことを示すものであり、かつ、入賞時保留数コマンドの受信により更新された保留球カウンタ273bの値(特図保留球数Nの値)が2以上であったときに、連続演出フラグ273dはオンに設定される。あるいは、受信した入賞時保留数コマンドが、その入賞時保留数コマンドの設定の契機となった入賞に基づく先読み抽選により通常外れが選ばれたことを示すものであり、かつ、入賞時保留数コマンドの受信により更新された保留球カウンタ273bの値が2以上であったときに、後述する連続演出実行抽選カウンタ273gの値に基づき所定確率(本実施形態では、1/150)でチャンス目連続演出の実行が選ばれた場合にも連続演出フラグ273dはオンに設定される。
連続演出フラグ273dがオンに設定された後、後述する連続演出カウンタ273eの値がゼロとなって、実行中のチャンス目連続演出が終了されることに伴い、連続演出フラグ273dはオフに設定される。
連続演出カウンタ273eは、チャンス目連続演出の実行期間を管理するためのカウンタである。主制御装置110から入賞時保留数コマンドを受信した場合に実行されるチャンス目連続演出設定処理(図31参照)において、上述した連続演出フラグ203fがオンされる場合に、そのときの保留球カウンタ273bの値(特図保留球数Nの値)が連続演出カウンタ273eに設定される。その後、連続演出カウンタ273eの値がゼロになるまで、第3図柄の変動表示が開始される毎に連続演出カウンタ273eの値は1ずつ減算される。即ち、連続演出カウンタ273eは、チャンス目連続演出の実行を決定する契機となった入賞時保留数コマンドに対応する始動入賞に基づく第3図柄の変動表示と、当該入賞以前に保留されていた1又は複数回の入賞に基づく第3図柄の変動表示とが実行される回数を計数する。
連続演出待機フラグ273fは、チャンス目連続演出の実行期間の中で、チャンス目連続演出の実行の待機中であるか否かを示すフラグであり、オン(「1」)が設定されている場合には、当該チャンス目連続演出の実行の待機中であることを示し、オフ(「0(ゼロ)」)が設定されている場合には、当該チャンス目連続演出を待機することなく実行できること示す。
この連続演出待機フラグ273fは、演出制御装置117が主制御装置110から入賞時保留数コマンドを受信した場合に実行するチャンス目連続演出設定処理(図31参照)において、その入賞時保留数コマンドに基づいてチャンス目連続演出の実行が決定され、かつ、そのときに第3図柄の変動表示の実行中である場合にオンに設定され、その後、実行中であった第3図柄の変動表示が終了するとオフに設定される。即ち、本実施形態のパチンコ機10は、演出制御装置117が、主制御装置110から受信した入賞時保留コマンドに基づいてチャンス目連続演出の実行を決定した場合に連続演出フラグ273dをオンに設定してチャンス目連続演出を実行するが、そのときに第3図柄の変動表示が実行中であれば、その変動表示が終了するまで、当該チャンス目連続演出の実行を待機するように構成されている。
連続演出実行抽選カウンタ273gは、先読み抽選が通常外れであったことを示す入賞時保留数コマンドに対し、チャンス目連続演出を実行するか否かを抽選するために使用されるカウンタである。この連続演出実行抽選カウンタ273gは、0〜299の範囲で更新されるループカウンタとして構成され、演出制御装置117で実行されるメイン処理(図25参照)の中で、1ms毎に繰り返し更新される。
連続演出実行抽選カウンタ273gによる抽選は、演出制御装置117が主制御装置110から入賞時保留数コマンドを受信した場合に実行するチャンス目連続演出設定処理(図31参照)において行われる。具体的に、チャンス目連続演出設定処理(図31参照)において、受信した入賞時保留数コマンドが先読み抽選により通常外れが選ばれたことを示すものであり、その入賞時保留数コマンドによって更新された保留球カウンタ273bの値が2以上であった場合に、連続演出実行抽選カウンタ273gの値を参照し、参照した値が「0」又は「1」であれば、当選であり、チャンス目連続演出の実行が決定される。即ち、本実施形態のパチンコ機10は、先読み抽選が通常外れであったことを示す入賞時保留数コマンドに対し、1/150の確率でチャンス目連続演出を実行するように構成されている。
図柄停止時演出実行抽選カウンタ273hは、チャンス目連続演出の実行期間内に行われる第3図柄の停止表示の確定表示期間中に、泡が発生して立ち昇っていく演出(以下、この演出を「図柄停止時通常演出」と称することがある)を実行するか否かを抽選するために使用されるカウンタである。この図柄停止時演出実行抽選カウンタ273hは、0〜99の範囲で更新されるループカウンタとして構成され、演出制御装置117で実行されるメイン処理(図25参照)の中で、1ms毎に繰り返し更新される。
図柄停止時演出実行カウンタ273hによる抽選は、チャンス目連続演出の実行期間中に、第3図柄の停止表示を実行するためのデータを設定するための停止図柄設定処理(図29参照)の中で図柄停止時演出実行カウンタ273hの値を参照することによって行われ、参照した値が、「0」から「9」までの範囲内の値であれば、図柄停止時通常演出の実行が決定される、即ち、本実施形態のパチンコ機10は、チャンス目連続演出の実行期間中には、1/10の確率で図柄停止時通常演出を実行(表示)するように構成されている。
図柄停止時演出特別抽選カウンタ273iは、チャンス目連続演出の実行期間内に行われる第3図柄の停止表示の確定表示期間中に、図柄停止時通常演出(泡が発生して立ち昇っていく演出)の実行後に、クラゲが登場する演出(以下、この演出を「図柄停止時特別演出」と称することがある)を実行するか否かを抽選するために使用されるカウンタである。この図柄停止時演出特別抽選カウンタ273iは、0〜10の範囲で更新されるループカウンタとして構成され、演出制御装置117で実行されるメイン処理(図25参照)の中で、1ms毎に繰り返し更新される。
図柄停止時演出特別抽選カウンタ273iによる抽選は、停止図柄設定処理(図29参照)において行われる。具体的に、先読み抽選により5R確変当たりが選ばれたことによって実行されているチャンス目連続演出の実行期間中であり、図柄停止時通常演出の実行が決定され、かつ、変動開始時における連続演出カウンタ273eの値が2以下である場合に、図柄停止時演出特別抽選カウンタ273iの値を参照することによって行われる。このとき、参照した値が、「0」から「4」までの範囲内の値であれば、図柄停止時特別演出の実行が決定される。即ち、本実施形態のパチンコ機10は、最終的に5R確変当たりを示す第3図柄の停止表示が行われるチャンス目連続演出の実行期間中に、図柄停止時通常演出を実行する場合には、1/2の確率で、図柄停止時通常演出の後に図柄停止時特別演出を実行(表示)するように構成されている。
図柄停止中フラグ273jは、第3図柄の停止表示が実行中であるか否かを示すフラグであり、オン(「1」)が設定されている場合には、第3図柄の停止表示が実行中であることを示し、オフ(「0(ゼロ)」)が設定されている場合には、第3図柄の停止表示が行われていない(例えば、第3図柄の変動表示の実行中や、客待ち演出の表示中である)ことを示す。図柄停止中フラグ273jは、表示演出処理(図27参照)において第3図柄の停止表示が実行される際にオンに設定される。オンに設定された図柄停止中フラグ273jは、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信したことにより第3図柄の変動表示を開始する場合、又は、第3図柄の停止表示が確定表示期間を超える所定期間(例えば、1分)に亘って継続され客待ち演出の表示を開始する場合に、オフに設定される。
なお、上述した保留情報格納エリア273a、保留球カウンタ273b、変動時間カウンタ273c、連続演出フラグ273d、連続演出待機フラグ273f、連続演出実行抽選カウンタ273g、図柄停止時演出抽選カウンタ273h、図柄停止時特別抽選カウンタ273i、及び、図柄停止中フラグ273jは、いずれも、パチンコ機10の電源投入に伴って実行される立ち上げ処理(図24参照)の中で行われるRAM273の初期化処理において初期化(0クリア)される。
また、RAM273は、MPU271の内部レジスタの内容やMPU271により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更に、RAM273は、各種のメモリ、フラグ、カウンタ等などを有している。
画像コントローラ274は、キャラクタROM275、ビデオRAM276、入出力ポート277、出力ポート278のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM276に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
キャラクタROM275は、第3図柄表示装置81に表示する図柄(背景図柄や第3図柄や装飾図柄)などの演出用のデータが、圧縮された形式で格納されているメモリである。このキャラクタROM275には、例えば、変動表示(変動演出)や、第3図柄の停止表示の確定表示期間中に実行される演出(図柄停止時通常演出、図柄停止時特別演出)に用いられる演出用の各種データや、第3図柄のキャラクタ図柄や、背景図柄や、予告キャラクタ図柄などが記憶されている。演出用の各種データとしては、通常変動(外れ変動)、ノーマルリーチ変動、の各変動表示に用いるデータ(変動表示データ)などが該当する。
キャラクタROM275には、記憶するデータ量を少なくするために、上述したような演出用のデータが圧縮された状態で記憶されている。本実施形態では、演出用のデータは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのデータが、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタROM275に記憶されている。キャラクタROM275に圧縮され記憶されている演出用のデータは、必要なものだけが読み出されて、解凍された後に、ビデオRAM276の所定の領域(変動演出データ記憶エリア276a,停止図柄データ記憶エリア276b,図柄停止時演出データ記憶エリア276c)に書き込まれる。
ビデオRAM276は、第3図柄表示装置81に表示する演出用のデータを、解凍した状態(直ぐに使用可能な状態)で記憶するためのメモリである。ビデオRAM276は、変動演出データ記憶エリア276aと、停止図柄データ記憶エリア276bと、図柄停止時演出データ記憶エリア276cとを有している。
変動演出データ記憶エリア276aは、変動表示(変動演出)や大当たり演出を第3図柄表示装置81に表示させるためのデータを記憶するエリアである。各演出を開始する際に、実行する演出のデータがキャラクタROM275から読み出されて、変動演出データ記憶エリア276aに記憶される。そして、各演出が開始されると、変動演出データ記憶エリア276aに記憶されているデータに対応する画像が時間に応じて第3図柄表示装置81に表示される。
停止図柄データ記憶エリア276bは、第3図柄の停止表示を第3図柄表示装置81に表示させるためのデータを記憶するエリアである。第3図柄の変動表示を開始する際に、保留情報格納エリア273a(より詳細には、実行エリア273a0(図8参照))に記憶されている停止図柄設定値に基づき決定された停止表示を行うためのデータがキャラクタROM275から読み出されて、停止図柄データ記憶エリア276bに記憶される。そして、第3図柄の変動表示の終了後、停止図柄データ記憶エリア276bに記憶されているデータに対応する画像が停止表示として第3図柄表示装置81に表示される。
図柄停止時演出データ記憶エリア276cは、第3図柄の停止表示の確定表示期間中に実行される演出(図柄停止時通常演出、図柄停止時特別演出)を第3図柄表示装置81に表示させるためのデータを記憶するエリアである。停止図柄設定処理(図29参照)において図柄停止時通常演出や図柄停止時特別演出の実行が決定された場合に、第3図柄の変動表示を開始する際に、決定された演出のデータがキャラクタROM275から読み出されて、図柄停止時演出データ記憶エリア276cに記憶される。そして、各演出の開始タイミングにおいて、図柄停止時演出データ記憶エリア276cに記憶されているデータに対応する画像が時間に応じて第3図柄表示装置81に表示される。
なお、各種データをキャラクタROM275から読み出し、各データ記憶エリア276a〜276cに記憶するのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためである。例えば、演出データをキャラクタROM275から読み出しながら第3図柄表示装置(LCD)81に表示する構成にすると、読み出すデータ量が大きい場合には読み出しに時間を有し、スムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができない場合があるからである。また、RAMに記憶する方が、表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるからでもある。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図23参照)を正常に実行し、電源断の発生情報をRAM203及びRAM213に記憶して完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられているカウンタエリア203aについて詳細に説明する。図6は、カウンタエリア203aの内容を示す模式図である。カウンタエリア203aは、各種カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2と、カウンタ用バッファと、保留球格納エリアとを有している。
第1当たり乱数カウンタC1は、第1図柄(又は第3図柄)が大当たりであるか、外れであるかを抽選するためのカウンタであり、本実施形態では、0〜699の範囲を取り得るループカウンタとして構成されている。
第1当たり種別カウンタC2は、第1当たり乱数カウンタC1による抽選により大当たりが選ばれた場合に、その大当たりの種別を抽選するためのカウンタであり、本実施形態では、0〜9の範囲を取り得るループカウンタとして構成されている。なお、本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2による抽選により、16R通常当たり、16R確変当たり、5R確変当たり、又は2R潜伏確変当たりのいずれかが選ばれるように構成されている。
停止パターン選択カウンタC3は、第3図柄の変動表示における外れ時における図柄の停止表示の態様を抽選するためのカウンタであり、本実施形態では、0〜238の範囲を取り得るループカウンタとして構成されている。この停止パターン選択カウンタC3による抽選により、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」、又は、リーチが発生しない「単外れ」のいずれかが、外れ時における図柄の停止表示の態様として選ばれる。
第2当たり乱数カウンタC4は、第2図柄が大当たりであるか、外れであるかを抽選するためのカウンタであり、本実施形態では、0〜250の範囲を取り得るループカウンタとして構成されている。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1の初期値を決めるためのカウンタであり、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲(本実施形態では、0〜699)で更新されるループカウンタとして構成されている。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4の初期値を決めるためのカウンタであり、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲(本実施形態では、0〜250)で更新されるループカウンタとして構成されている。
変動種別カウンタCS1〜CS3は、第3図柄の変動表示(動的表示)の種別を抽選するためのカウンタである。なお、以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」、CS3を「第3変動種別カウンタ」とも称することがある。
第1変動種別カウンタCS1は、第3図柄の変動表示(動的表示)のパターン(変動パターン)を選択(選定)するために使用するカウンタであり、本実施形態では、0〜198の範囲を取り得るループカウンタとして構成されている。なお、本実施形態では、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選定される変動パターンとしては、単外れ変動、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、及びスペシャルリーチ変動の4種類が設けられている。
第2変動種別カウンタCS2は、リーチパターン(本実施形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ)において、最終停止図柄以外の図柄が停止してリーチが発生した後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定するためのカウンタである。本実施形態では、第2変動種別カウンタCS2は、0〜240の範囲を取り得るループカウンタとして構成されている。
第3変動種別カウンタCS3は、予告演出の演出パターンを選択するためのカウンタであり、本実施形態では、0〜162の範囲を取り得るループカウンタとして構成されている。
これらのカウンタC1〜C4,CINI1〜CINI2,CS1〜CS3は、いずれも、更新される毎に、前回値に1が加算される。なお、ループカウンタであるので、カウンタの最大値に達した後は0に戻る。
ここで、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合には、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合には、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
これらのカウンタのうち、カウンタC1〜C4は、タイマ割込処理(図20参照)の実行間隔である2ms間隔で更新される。一方、カウンタCINI1〜CINI2は、タイマ割込処理(図20参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図13参照)の残余時間内で繰り返し更新される。また、カウンタCINI1〜CINI2は、タイマ割込処理(図20参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図13参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
各カウンタC1〜C4,CINI1〜CINI2,CS1〜CS3は、更新される毎に、その更新値がカウンタエリア203a内のカウンタ用バッファにおける対応領域に適宜記憶される。そして、各種の制御プログラムの実行中に、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の各値を参照する必要がある場合には、カウンタ用バッファに記憶されている各カウンタの各値がそれぞれ参照される。
保留球格納エリアは、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の値を記憶するためのメモリである。この保留球格納エリアには、球の入賞タイミングで取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶できるように、4つの保留エリア(第1保留エリア〜第4保留エリア)を有していると共に、変動開始処理(図15参照)において参照される1つの実行エリアとから構成されている。
保留球格納エリアにおける4つの保留エリア(第1保留エリア〜第4保留エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を格納するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を格納するためのエリアとが設けられている。なお、本実施形態では、1の保留球格納エリア内の各保留エリアの中に、カウンタC1〜C3の値が格納される3つのエリアを設ける構成としたが、保留球格納エリアを複数設けて、これら3つのエリアを複数の保留球格納エリアに分けて記憶する構成としてもよい。例えば、カウンタC1〜C3の値を格納するための3つのエリアのうちの一部(1又は2つのエリア)を、2つ設けられた保留球格納エリアのうちの一方に設け、残りのエリアを他方の保留球格納エリアに設けるように構成してもよい。
上述した通り、保留球格納エリアには、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶することができるが、複数回のデータを記憶する場合には、4つの保留エリア(第1保留エリア〜第4保留エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。即ち、エリア番号の小さい保留エリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶される。よって、第1保留エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
保留球格納エリアにおける実行エリアには、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を格納するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を格納するためのエリアとが設けられている。後述する変動処理(図14参照)において、保留球格納エリアの第1保留エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3の値)が、実行エリアにシフトされて参照され、その参照データに基づいて大当たりの抽選結果が決定される。そして、その抽選結果に対応する変動表示及び停止表示が、第1図柄表示装置37などで行われる。
次に、上述した各カウンタによる抽選について説明する。まず、図7(a)を参照して、第1当たり乱数カウンタC1による抽選について説明する。図7(a)は、第1当たり乱数カウンタC1による抽選を説明するための模式図である。
上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値は、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。そして、変動開始処理(図16参照)において、保留球格納エリアの実行エリアに記憶されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、第1図柄の大当たりであるか、外れであるかが判定される。
本実施形態では、大当たりとなる乱数の値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の数は、大当たり確率が通常の状態である低確率時と、大当たり確率が通常よりも高い状態である高確率時との2種類が設定されている。
具体的に、図7(a)に示すように、低確率時に大当たりとなる乱数の値は2種類で、その値は「0,1」である。一方、高確率時に大当たりとなる乱数の値は10種類で、その値は「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」である。
また、本実施形態では、外れとして、特定入賞口65aの開閉を行わない単なる外れである「通常外れ」と、特定入賞口65aの開閉を行う外れである「小当たり」とが設けられており、外れとなる乱数の値(第1当たり乱数カウンタC1の値)に基づき選ばれるように構成されている。
具体的に、図7(a)に示すように、低確率時に外れとなる乱数の値(2〜699)のうち、通常外れとなる値は「2〜692」の範囲内の値であり、小当たりとなる値は「693〜699」の範囲内の値である。一方、高確率時に外れとなる乱数の値(20〜699)のうち、通常外れとなる値は「20〜692」の範囲内の値であり、小当たりとなる値は「693〜699」の範囲内の値である。
なお、第1当たり乱数カウンタC1の値(乱数値)から、大当たりであるか、外れ(通常外れ又は小当たり)であるかを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、低確率時に用いるテーブルと、高確率時に用いるテーブルとが、それぞれ、主制御装置110のROM202内に設けられている。
次に、図7(b)を参照して、第1当たり種別カウンタC2による抽選について説明する。図7(b)は、第1当たり種別カウンタC2による抽選を説明するための模式図である。
上述した通り、第1当たり種別カウンタC2の値は、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。そして、変動開始処理(図16参照)において、保留球格納エリアの実行エリアに記憶されている第1当たり乱数カウンタC1の値が第1図柄の大当たりであると判定された場合に、第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、その大当たりの種別(大当たり時の表示態様)が選定される。
本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2により決定される大当たりの種別として、大別して、大当たり終了後に大当たり確率が高確率となる大当たり(確変当たり)と、大当たり終了後に大当たり確率が高確率となる大当たり(通常当たり)とが設けられている。
より詳細には、大当たりの種別は、実行されるラウンドの数(特定入賞口65aの開閉動作の回数に相当)に応じて細分化されており、16ラウンドが実行される通常当たりである「16R通常当たり」と、16ラウンドが実行される確変当たりである「16R確変当たり」と、5ラウンドが実行される確変当たりである「5R確変当たり」と、2ラウンドが実行される確変当たりである「2R潜伏確変当たり」との4種類の大当たり種別が設けられている。
なお、「2R潜伏確変当たり」は、大当たり終了後に大当たり確率が高確率となること以外、図柄の変動表示の態様や、図柄の停止表示の態様や、特定入賞口65aの開閉動作の回数、など)が、上述した「小当たり」と同一又は類似とされる。よって、「2R潜伏確変当たり」は、一見して「小当たり」と区別することが困難な大当たりである。
具体的に、図7(b)に示すように、第1当たり種別カウンタC2の値のうち、16R確変当たりとなる値は「0,1,2」であり、16R確変当たりとなる値は「3,4」であり、5R確変当たりとなる値は「5,6,7」であり、2R潜伏確変当たりとなる値は「8,9」である。
なお、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、大当たりが、16R通常当たりであるか、16R確変当たりであるか、5R確変当たりであるか、2R潜伏確変当たりであるかを選定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値と第1当たり種別カウンタC2の値とに基づき、4種類の大当たり(16R通常当たり、16R確変当たり、5R確変当たり、2R潜伏確変当たり)に対応した表示態様と、2種類の外れ(通常外れ、小当たり)に対応した表示態様との合計6種類の表示態様のうち、いずれか1つの表示態様が、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様として選択される。即ち、本実施形態における「大当たり抽選」及び「先読み抽選」は、第1当たり乱数カウンタC1と第1当たり種別カウンタC2との2つのカウンタを用いて行う抽選に相当する。
次に、停止パターン選択カウンタC3による抽選について説明する。上述した通り、停止パターン選択カウンタC3の値は、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。そして、変動開始処理(図16参照)において、保留球格納エリアの実行エリアに記憶されている第1当たり乱数カウンタC1の値が第1図柄の外れであると判定された場合に、停止パターン選択カウンタC3に基づいて、その外れに対する図柄の停止表示の態様(外れ時の表示態様)が選定される。
本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3の値のうち、前後外れリーチとなる値は「0〜8」の範囲内の値であり、前後外れ以外リーチとなる値は「9〜38」の範囲内の値であり、単外れとなる値は「39〜238」の範囲内の値である。
なお、停止パターン選択カウンタC3の値(乱数値)から、外れ時における図柄の停止表示の態様(停止パターン)を選定するために参照されるテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。なお、ROM202内には、かかるテーブルとして、各停止パターンの選定比率の異なる複数のテーブルが設けられており、これらの複数のテーブルの中から、パチンコ機10の現在の大当たり確率が高確率(通常より高い確率)であるかや、低確率(通常の大当たり確率)の状態であるかや、特図保留球数N、等に応じた1つのテーブルが、停止パターンの選定を行うためのテーブルとして選択される。
例えば、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)には、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「単外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「単外れ」が選択され易くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜5と狭くなると共
に、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
に、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率時(大当たり確率が通常の状態)であり、保留球格納エリアに各乱数値が記憶(保留)されていない場合には、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「単外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「単外れ」が選択され難くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜8であり、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率時(大当たり確率が通常の状態)において、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
次に、3つの変動種別カウンタCS1〜CS3のうち、第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2による抽選について説明する。第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2は、変動開始処理(図16参照)において参照され、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンが選定され、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、リーチが発生した後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数が選定される。
第1変動種別カウンタCS1により選定され得る変動パターンのうち、「単外れ変動」は、リーチ表示を伴わずにハズレを示す図柄の停止表示を現出する変動パターンである。また、「ノーマルリーチ変動」は、リーチ表示を伴う所謂ノーマルリーチの変動パターンである。また、「スーパーリーチ変動」及び「スペシャルリーチ変動」は、リーチが発生してから最終図柄が停止するまでの間に所定の演出が現出するリーチパターンである。なお、「スーパーリーチ変動」や「スペシャルリーチ変動」においてリーチが発生してから最終図柄が停止するまでの間に現出する所定の演出としては、特定のキャラクタを登場させることや、特定の背景表示を行うことや、特定の態様(例えば、図柄が拡大又は縮小されたり、図柄がゆらゆらと揺れたり、など)で図柄が変動されること等が例示される。
これらの4種の変動パターンは、それぞれ、演出時間(変動時間)が異なるように構成されている。その変動時間は、図柄の変動表示を開始する際の特図保留球数Nの値や、大当たり確率が高確率であるか低確率であるか等に応じて異なるが、単外れ変動、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動の順で長い。
第1変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から変動パターンを選定する際には、ROM202に記憶されている第1選択テーブル(図示せず)が選択されて参照される。この第1選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別(通常当たり又は各種確変当たり)や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止図柄(単外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各第1選択テーブルにおいて、変動パターンに対する第1変動種別カウンタCS1の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第1選択テーブル毎に、変動パターンの選定確率が異なる。
一方、第2変動種別カウンタCS2は、上述した通り、リーチパターン(本実施形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ)において、最終停止図柄以外の図柄が停止してリーチが発生した後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定するためのカウンタである。即ち、第2変動種別カウンタCS2の値により、各リーチ変動における、左図柄列Z1の図柄(左図柄)及び右図柄列Z3の図柄(右図柄)が停止してから、中図柄列Z2の図柄(中図柄)が停止するまでの変動図柄数が決定される。なお、以下の説明では、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて決定される、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を、単に「変動図柄数」と称することがある。
第2変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する際には、ROM202に記憶されている第2選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第2選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別(通常当たり又は各種確変当たり)や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止図柄(単外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各変動パターン選択テーブルにおいて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数に対する、第2変動種別カウンタCS2の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第2選択テーブルに応じて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数の選定確率が異なる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンの種別を選択し、第2変動種別カウンタCS2の値に基づき、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する。即ち、第1変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ等の変動パターンの種別、即ち、大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定される。つまり、変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動表示の多種多様化を容易に実現できる。
次に、第3変動種別カウンタCS3による抽選について説明する。第3変動種別カウンタCS2は、変動開始処理(図16参照)において参照され、その値に基づいて、予告演出の演出パターンが選定される。
具体的に、第3変動種別カウンタCS3の値に基づいて予告演出に必要な演出時間の加算値(例えば、+0.5秒、+1秒、+2秒など)が決定され、その加算値(加算時間)に応じた予告演出の演出パターンが選定される。本実施形態では、例えば、変動している図柄を滑らせたり(所謂「スベリ演出」)、図柄を戻したり(所謂「戻り演出」)、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させる、等の予告演出が第3変動種別カウンタCS3により選定されるように構成されている。
このように、変動種別カウンタCS1,CS2に加え、さらに変動種別カウンタCS3を組み合わせることにより、変動表示をさらに多種多様化できる。なお、本実施形態では、第3変動種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間(変動時間)の加算値を選定し、その加算値に応じた予告演出の演出パターンを選定する構成としたが、変動種別カウンタCS3により、変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算(例えば、−1秒など)する演出パターンや、変動時間を加減算しない演出パターンが選定される構成としてもよい。
なお、第3変動種別カウンタCS3の値から予告演出の演出パターンを選定する際に使用するテーブルは、ROM202内に設けられている。ROM202内には、かかるテーブルとして、上述した停止パターン選択カウンタC3の場合と同様に、各予告演出の演出パターンの選定比率の異なる複数のテーブルが設けられている。これらの複数のテーブルの中から、パチンコ機10の現在の大当たり確率が高確率(通常より高い確率)であるかや、低確率(通常の大当たり確率)の状態であるかや、特図保留球数N、等に応じた1つのテーブルが、予告演出の演出パターンを選定するためのテーブルとして選択される。
次に、第2当たり乱数カウンタC4による抽選について説明する。第2当たり乱数カウンタC4は、球が左右何れかの第2入球口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得され、取得した乱数の値が「5〜153」の範囲内の値である場合に第2図柄の当たりと判定される。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
次に、図8を参照して、演出制御装置170のRAM273内に設けられている保留情報格納エリア273aについて詳細に説明する。図8は、保留情報格納エリア273aの内容を示す模式図である。
保留情報格納エリア273aは、演出制御装置117が主制御装置110から入賞時保留数コマンドを受信した場合に、その入賞時保留数コマンドの内容に応じたデータを記憶するためのエリアである。なお、入賞時保留数コマンドが含む情報については、図9(a)を参照して後述する。
保留情報格納エリア273aは、4つの保留エリア(第1保留エリア273a1,第2保留エリア273a2,第3保留エリア273a3,第4保留エリア273a4)を有しており、主制御装置110のRAM203(カウンタエリア203a)内に設けられている保留球格納エリアと同様に、4つ分の入賞時保留数コマンド、即ち、4回分の第1入球口64への入賞(始動入賞)に関するデータをそれぞれ保留することができる。
これらの保留エリア273a1〜273a4は、カウンタエリア203a内に設けられている保留球格納エリアにおける4つの保留エリアと同様、エリア番号の小さい保留エリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶される。即ち、保留第1エリア273a1には、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
よって、演出制御装置117が主制御装置110から出力された入賞時保留数コマンドを受信し、その入賞時保留数コマンドの内容に応じたデータを保留情報格納エリア273aに記憶する場合には、4つの保留エリア273a1〜273a4の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の最も小さいエリアにデータが記憶される。
なお、入賞時保留数コマンドは、始動入賞がある毎に、主制御装置110が設定して出力するものであるので、4つの保留エリア273a1〜273a4の各エリア番号と、カウンタエリア203a内に設けられている保留球格納エリアにおける保留エリアの各エリア番号と対応しており、保留情報格納エリア273a及びカウンタエリア203a内における同じエリア番号の保留エリアには、第1入球口64への同じ入賞に基づくデータが記憶されている。
また、保留情報格納エリア273aは、これらの4つの保留エリア273a1〜273a4と共に、表示演出処理(図27参照)において第3図柄の変動表示を実行する際に参照される1つの実行エリア273a0を有している。
保留情報格納エリア273aに設けられている各保留エリア273a1〜273a4及び実行エリア273a0に記憶されているデータは、後述する保留情報格納エリア順送り処理(図28参照)において、第1保留エリア273a1に記憶されているデータが、実行エリア273a0にシフトされ、シフトされたことにより実行エリア273a0に記憶されているデータが参照される。次いで、第2保留エリア273a2〜第4保留エリア273a4に記憶されている各データが、それぞれ、エリア番号の1小さいエリアにシフトされる。
各保留エリア273a1〜273a4及び実行エリア273a0は、それぞれ、停止図柄設定値メモリ273ana(nは、0,1,2,3,4のいずれか)と、当たり時フラグ273anb(nは、0,1,2,3,4のいずれか)とを有している。
具体的に、第1保留エリア273a1は、停止図柄設定値メモリ273a1aと、当たり時フラグ273a1bとを有し、第2保留エリア273a2は、停止図柄設定値メモリ273a2aと、当たり時フラグ273a2bとを有し、第3保留エリア273a3は、停止図柄設定値メモリ273a3aと、当たり時フラグ273a3bとを有し、第4保留エリア273a4は、停止図柄設定値メモリ273a4aと、当たり時フラグ273a4bとを有している。また、実行エリア273a0は、停止図柄設定値メモリ273a0aと、当たり時フラグ273a0bとを有している。
停止図柄設定値メモリ273anaは、第3図柄の停止表示の態様を示す停止図柄設定値を記憶するためのメモリである。後述する停止図柄データ設定処理(図29参照)において実行エリア273a0の停止図柄設定値メモリ273a0aに記憶されている停止図柄設定値が参照され、参照された停止図柄設定値に基づいて停止図柄データが設定される。そして、第3図柄の停止表示を行う際には、その停止図柄データに応じた第3図柄の停止表示(第3図柄の並び)が第3図柄表示装置81に表示される。
なお、本実施形態では、停止図柄設定値として、先読み抽選の抽選結果(即ち、16R通常当たり、16R確変当たり、5R確変当たり、2R潜伏確変当たり、小当たり、通常外れ)に応じた第3図柄の停止表示の各態様に対応する値、又は、先読み抽選による抽選結果に基づいて決定されるチャンス目連続演出において用いるチャンス目に対応する値が設定される。
詳細は後述するが、演出制御装置117が主制御装置110から入賞時保留数コマンドを受信した場合、チャンス目連続演出設定処理(図31参照)において、受信した入賞時保留数コマンドが示す先読み抽選の抽選結果に応じた停止図柄設定値が、その入賞時保留数コマンドに基づくデータを記憶する保留エリア(保留エリア273a1〜273a4のいずれか)内の停止図柄設定値メモリ273ana(nは、対象となる保留エリアに応じた値)に記憶される。
また、チャンス目連続演出設定処理(図31参照)において、受信した入賞時保留数コマンドに基づきチャンス目連続演出の実行が決定された場合には、その入賞時保留数コマンドに基づくデータを記憶する保留エリアより前の保留エリア(即ち、入賞時保留数コマンドに基づくデータを記憶する保留エリアのエリア番号より小さいエリア番号の保留エリア)内の停止図柄設定値メモリ273ana(nは、対象となる保留エリアに応じた値)に記憶されていた停止図柄設定値が、チャンス目を示す停止図柄設定値に書き換えられる。
一方、当たり時フラグ273anbは、チャンス目連続演出のうち、先読み抽選によって5R確変当たりが選ばれたことにより実行されるチャンス目連続演出の実行対象となるエリアであるか否かを示すフラグである。
当たり時フラグ273anbにオン(「1」)が設定されている場合には、その当たり時フラグ273anbを含む保留エリア273a1〜273a4及び実行エリア273a0は、先読み抽選によって5R確変当たりが選ばれたことにより実行されるチャンス目連続演出の実行対象となるエリアであることを示す。一方で、当たり時フラグ273anbにオフ(「0(ゼロ)」)が設定されている場合には、その当たり時フラグ273anbを含む保留エリア273a1〜273a4及び実行エリア273a0は、先読み抽選によって5R確変当たりが選ばれたことにより実行されるチャンス目連続演出の実行対象となるエリアではないことを示す。
詳細は後述するが、チャンス目連続演出設定処理(図31参照)において、受信した入賞時保留数コマンドが示す先読み抽選の抽選結果が5R確変当たりである場合に、その入賞時保留数コマンドに基づくデータを記憶する保留エリア(保留エリア273a1〜273a4のいずれか)より前の保留エリア(即ち、入賞時保留数コマンドに基づくデータを記憶する保留エリアのエリア番号より小さいエリア番号の保留エリア)内の当たり時フラグ273anb(nは、対象となる保留エリアに応じた値)がオンに設定される。
なお、上述した通り、保留情報格納エリア273a(各保留エリア273a1〜273a4及び実行エリア273a0)は、パチンコ機10の電源投入に伴って実行される立ち上げ処理(図24参照)の中で行われるRAM273の初期化処理において初期化(0クリア)される。また、保留情報格納エリア順送り処理(図28参照)において、各保留エリア273a1〜273a4のデータがシフトされた際には、第4保留エリア273a4の停止図柄設定値メモリ273a4a及び当たり時フラグ273a4bの内容が初期化(0クリア)される。
次に、図9を参照して、主制御装置110が演出制御装置117へ特図保留球数Nを伝達するためのコマンドである保留数コマンドについて説明する。保留数コマンドには、始動入賞があったことにより特図保留球数Nが増えた場合に設定される入賞時保留数コマンドと、第1図柄の変動表示が開始されたことにより特図保留球数Nが減った場合に設定される変動開始時保留数コマンドとの2種類がある。
図9(a)は、入賞時保留数コマンドのビット構成を示す模式図であり、図9(b)は、変動開始時保留数コマンドのビット構成を示す模式図である。図9(a)及び(b)に示すように、保留数コマンド(入賞時保留数コマンド、変動開始時保留数コマンド)は、2バイトのコマンドとして構成される。なお、以下の説明において、2バイトのコマンドのうち、上位側のバイトを上位バイトと称し、下位側のバイトを下位バイトと称する。また、各バイトにおいて、最上位ビット(MSB)を「第7ビット」とし、最下位ビット(LSB)を「第0ビット」として、説明を行う。
図9(a)に示すように、入賞時保留数コマンドは、上位バイトの第7ビットから第5ビット(上位3ビット)が、固定値「011」(2進数)で構成されており、これによって、このコマンドが入賞時保留数コマンドであることを示す。
また、入賞時保留数コマンドにおける上位バイトの第2ビットから第0ビット(下位3ビット)は、この入賞時保留数コマンドを設定する契機となった始動入賞に基づいて行われた先読み抽選の抽選結果を表すためのビットである。即ち、その入賞時保留数コマンドに対応する始動入賞(第1入球口64への入賞)時に行われた先読み抽選の抽選結果が「16R通常当たり」であるか、「16R確変当たり」であるか、「5R確変当たり」であるか、「2R潜伏確変当たり」であるか、「小当たり」であるか、「通常外れ」であるかを表すためのビットである。
具体的に、入賞時保留数コマンドにおける上位バイトの下位3ビットの値が、「000」(2進数)である場合には「通常外れ」であることを示し、「001」(2進数)である場合には「小当たり」であることを示し、「010」(2進数)である場合には「16R通常当たり」であることを示し、「011」(2進数)である場合には「16R確変当たり」であることを示し、「100」(2進数)である場合には「5R確変当たり」であることを示し、「101」(2進数)である場合には「2R潜伏確変当たり」であることを示す。
一方、入賞時保留コマンドにおける下位バイトは、入賞時保留コマンドに対応する始動入賞による変更(加算)後の特図保留球数Nの値を表すビットである。始動入賞(即ち、第1入球口64への入賞)があった場合に、主制御装置110は、当該始動入賞によって1加算された特図保留球数カウンタ203bの値を、入賞時保留コマンドにおける下位バイトの第2から第0ビット(下位3ビット)を用いて2進数で設定する。よって、入賞時保留数コマンドにおける下位バイトの第2ビットから第0ビットの値が、「001」(2進数)である場合には特図保留球数Nが「1」、「010」(2進数)である場合には特図保留球数Nは「2」、「011」(2進数)である場合には特図保留球数Nは「3」、「100」(2進数)である場合には特図保留球数Nは「4」であることを示す。
演出制御装置117は、主制御装置110からコマンドを受信した場合、受信したコマンドの上位バイトにおける上位3ビットの値を確認し、その値が「011」(2進数)である場合に、受信したコマンドが入賞時保留数コマンドと判別する。
そして、入賞時保留数コマンドであると判別された場合には、上位バイトの下位3ビットの値を確認し、この入賞時保留数コマンドに対応する始動入賞に基づく先読み抽選による抽選結果を判別することができる。チャンス目連続演出を実行するか否かの決定は、入賞時保留数コマンドから判別された先読み抽選の抽選結果に基づいて行われる。
また、入賞時保留数コマンドにおける下位バイトの下位3ビットの値から、この入賞時保留数コマンドに対応する始動入賞により変更(加算)された特図保留球数Nの値を取得し、取得した値を保留球カウンタ273bに設定する。
図9(b)に示すように、変動開始時保留数コマンドは、上位バイトの第7ビットから第5ビット(上位3ビット)が、固定値「010」(2進数)で構成されており、これによって、このコマンドが変動開始時保留数コマンドであることを示す。
また、変動開始時保留コマンドにおける下位バイトは、変動開始時保留コマンドを設定する契機となった図柄の変動表示の開始による変更(減算)後の特図保留球数Nの値を表すビットである。主制御装置110は、第1図柄の変動表示を開始するに伴って1減算された特図保留球数カウンタ203bの値を、変動開始時保留コマンドにおける下位バイトの第2から第0ビット(下位3ビット)を用いて2進数で設定する。よって、変動開始時保留数コマンドにおける下位バイトの第2ビットから第0ビットの値が、「000」(2進数)である場合には特図保留球数Nが「0」、「001」(2進数)である場合には特図保留球数Nが「1」、「010」(2進数)である場合には特図保留球数Nは「2」、「011」(2進数)である場合には特図保留球数Nは「3」であることを示す。
演出制御装置117は、主制御装置110からコマンドを受信した場合、受信したコマンドの上位バイトにおける上位3ビットの値を確認し、その値が「010」(2進数)である場合に、受信したコマンドが変動開始時保留数コマンドと判別する。そして、変動開始時保留数コマンドであると判別された場合には、下位バイトの下位3ビットの値から、この変動開始時保留数コマンドに対応する図柄の変動表示の開始によって変更(減算)された特図保留球数Nの値を取得し、取得した値を保留球カウンタ273bに設定する。
このように、演出制御装置117は、保留数コマンド(入賞時保留数コマンド、変動開始時保留数コマンド)を受信する毎に、受信した保留数コマンドの下位バイトが示す特図保留球数Nの値を保留球カウンタ273bに設定する。よって、ノイズ等が原因となって保留球カウンタ273bの値が不意に変更されることがあっても、特図保留球数Nが変更される毎に主制御装置110から受信する保留数コマンドによって随時正しい値に修正される。よって、この保留球カウンタ273bにより管理される第3図柄の変動表示の保留回数と、主制御装置110の特図保留球カウンタ203bの値が示す第1図柄の変動表示の保留回数との間に齟齬が生じることを防ぐことができる。
なお、入賞時保留コマンドにおける上位バイトの第4ビット及び第3ビットと、下位バイトの第7から第3ビットには、全て0が設定され、変動開始時保留数コマンドにおける上位バイトの第4から第0ビットと、下位バイトの第7ビットから第3ビットには、全て0が設定される。
次に、図10及び図11を参照して、上記構成を有するパチンコ機10において生じ得る種々の遊技の状況において設定される確定表示期間との関係について説明する。なお、「確定表示期間」とは、停止表示の状態を維持し続ける最小限の期間であり、かかる確定表示期間が設けられていることにより、遊技者は、図柄の停止表示の態様、特に、第3図柄の停止表示における図柄の並びを確認することができる。
図10は、大当たり又は小当たりによる特定入賞口65aの開閉動作後に生じる各種遊技モードにおけるパチンコ機10の特徴的動作を説明するための説明図である。図10に示すように、本実施形態のパチンコ機10には、取り得る遊技モードとして、通常モードと、高期待モードと、高確率モードとの3種類のモードが設けられている。
「通常モード」は、大当たり確率が低確率(即ち、大当たり確率が通常の状態)であるモードである。この通常モードは、始動入賞(第1入球口64への入賞)に基づく図柄の変動表示後に、16R通常当たりを示す図柄の停止表示が行われることを移行条件とし、当該図柄の停止表示後に実行される特定入賞口65aの開閉動作(即ち、大当たり遊技)の終了後を移行タイミングとして移行(又は継続)するモードである。
「高確率モード」は、大当たり確率が高確率(即ち、大当たり確率が通常より高い状態)であるモードである。この高確率モードは、始動入賞に基づく図柄の変動表示後に、16R確変当たり又は5R確変当たりを示す図柄の停止表示が行われることを移行条件とし、当該図柄の停止表示後に実行される特定入賞口65aの開閉動作(即ち、大当たり遊技)の終了後を移行タイミングとして移行(又は継続)するモードである。
「高期待モード」は、始動入賞に基づく図柄の変動表示後に、2R潜伏確変当たり又は小当たりを示す図柄の停止表示が行われることを移行条件とし、当該図柄の停止表示後に実行される特定入賞口65aの開閉動作の終了後を移行タイミングとして移行(又は継続)するモードである。高期待モードが、小当たりによるものである場合には、その高期待モードにおいて大当たり確率が通常のままであるが、2R潜伏確変当たりによるものである場合には、その高期待モードにおいて大当たり確率が高確率(通常より高い確率)となる。即ち、「高期待モード」とは、大当たり確率が高確率であることが期待できるモードである。
通常モード及び高期待モードでは、第2図柄の当たり確率が通常確率のままの状態とされる(即ち「電役サポートなし」である)ので、第1入球口64に付随する電動役物の開放頻度は通常のままである。
一方、高確率モードでは、第2図柄の当たり確率が高確率(通常より高い確率)とされる(即ち「電役サポートあり」である)ので、第1入球口64に付随する電動役物が開放し易く、通常モード及び高期待モードのように電役サポートがない場合に比べて、当該電動役物の開放頻度が高い。つまり、高確率モードでは、第1入球口64に付随する電動役物の開放頻度が通常より高い。
図柄(第1図柄、第3図柄)の変動表示の態様として設けられている4種類の態様(単外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ)の実行期間は、各態様とも、遊技モード(通常モード、高期待モード、高確率モード)とは無関係に、変動開始時の特図保留球数N(特図保留球カウンタ203bの値、保留球カウンタ273bの値)が3以上である場合の方が、変動開始時の特図保留球数Nが2以下である場合に比べて短く設定されている。このように、変動開始時の特図保留球数Nが3以上である場合における図柄の変動表示の実行期間を、変動開始時の特図保留球数Nが2以下である場合に比べて短くすることにより、特図保留球数Nが上限値(本実施形態では、4)である状態で球が第1入球口64に入賞して当該入賞が無駄になることを抑制することができる。
具体的に、単外れの場合、変動開始時の特図保留球数Nが3以上である場合には5秒であり、2以下である場合には11秒である。また、ノーマルリーチの場合、変動開始時の特図保留球数Nが3以上である場合には14秒であり、2以下である場合には20秒である。また、スーパーリーチの場合、変動開始時の特図保留球数Nが3以上である場合には24秒であり、2以下である場合には30秒である。また、スペシャルリーチの場合、変動開始時の特図保留球数Nが3以上である場合には34秒であり、2以下である場合には40秒である。
図柄の変動表示の各態様の実行期間が、上述の通り、変動開始時の特図保留球数Nの区分(本実施形態では、変動開始時の特図保留球数Nが3以上である区分、又は、変動開始時の特図保留球数Nが2以下である区分)が同じであれば、遊技モードとは無関係に一定の期間に設定されているのに対し、図柄の停止表示の確定表示期間は、遊技モードの相違や、同じ遊技モードであっても変動開始時の特図保留球数Nの相違、などに応じて種々の期間が設定されている。
即ち、本実施形態のパチンコ機10では、図柄(第1図柄、第3図柄)の停止表示状態を維持し続ける最小限の期間である確定表示期間が、遊技の状況に応じて異なる値に設定されている。
具体的に、電役サポートがある(即ち、高確率モードである)場合の確定表示期間(0.4秒)は、電役サポートがない(即ち、通常モード又は高期待モードである)場合の確定表示期間(0.5秒又は0.6秒)より短い期間に設定されている。特に、電役サポートがある場合の確定表示期間は、確定表示期間の基準期間である0.5秒より短い期間に設定されている。よって、電役サポートがある場合には、電役サポートがない場合に比べ、図柄の停止表示を挟んで連続する変動表示の開始間隔が短く、それにより、遊技者に、保留の消化速度が速くなったと感じさせることができる。
電役サポートがあり、第1入球口64に付随する電動役物が通常より高い頻度で開放される場合には、球が第1入球口64に入賞し易くなるので、特図保留球数Nは上限値(本実施形態では、4)に達し易い。そのため、遊技者は、特図保留球数Nが上限値の状態で始動条件が成立して当該始動条件の成立が無駄になることがないよう、特図保留球数Nがある程度増えると、その保留が消化されるまで、操作ハンドル51から手を離す等により遊技の進行を意図的に中断する傾向がある。しかし、遊技の進行が中断されてしまうと、ホール側にとっては遊技機の稼働率が下がって不利益が生じ、一方、遊技者側にとっては遊技が中断されたことにより遊技の面白さが低減してしまう。
これに対し、本実施形態のパチンコ機10によれば、上述した通り、電役サポートがある場合の確定表示期間が、電役サポートがない場合の確定表示期間より短い期間とされるので、保留の消化速度が速くなったと遊技者に感じさせることができ、遊技を中断するという考えを遊技者に持たせ難くすることができる。よって、遊技者が操作ハンドル51から手を離すなどの行為をすることを抑制することができるので、遊技機の稼働率が下がってホールが不利益を被ることを抑制できると共に、遊技の中断によって遊技者自身の遊技の興趣が低下することを抑制できる。
また、高期待モードにおいて、その高期待モードが、図柄の停止表示が2R潜伏確変当たりを示すものであったことにより移行した高期待モードであり、かつ、変動開始時の特図保留球数Nが2以下である場合の確定表示期間(0.6秒)は、高期待モードにおけるその他の場合の確定表示期間(0.5秒)より長い期間に設定されている。特に、2R潜伏確変当たりによる高期待モードへの移行後、変動開始時の特図保留球数Nが2以下である場合の確定表示期間は、確定表示期間の基準期間である0.5秒より短い期間に設定されている。
上述した通り、2R潜伏確変当たりと小当たりとは、一見して区別し難いので、遊技者は、高期待モードが、2R潜伏確変当たりによるものか、小当たりによるものかを判別し難い。しかし、本実施形態のパチンコ機10によれば、高期待モードへの移行後、変動開始時の特図保留球数Nが2以下になった場合における確定表示期間が、高期待モードにおける他の場合の確定表示期間より長い期間に設定されている。よって、高期待モードへの以降後、変動開始時の特図保留球数Nが2以下になった場合に、確定表示期間の差異を判別することができれば、それによって、遊技者は、大当たり確率が高確率である高期待モード(即ち、2R潜伏確変当たりによる高期待モード)であるか否かを感覚的に判別することができる。
ここで、確定表示期間の差異を判別できるか否かは、遊技者の技量に応じて異なるので、遊技者によっては、大当たり確率が高確率である高期待モードであるか否かの判別ができない場合もある。よって、大当たり確率が高確率である高期待モードであるか否かを、確定表示期間の差異によって判別できる遊技者に、大当たり確率が高確率である高期待モードであるか否かを判別できるという優越感を持たせることができる。
また、かかる高期待モードでは、特図保留球数Nに応じて確定表示期間が異なる。つまり、高期待モードにおける確定表示期間の変化は、特図保留球数Nが2以下になった場合に生じるので、確定表示期間の違いにより、特図保留球数Nが3以上であるか、2以下であるかを遊技者に判別させることが可能である。よって、確定表示期間の違いから特図保留球数Nを判別できる遊技者は、特図保留球数Nを報知する特図保留ランプ85等の装置を確認しなくても特図保留球数Nを把握することができ、第3図柄表示装置81の表示内容(図柄の変動表示や停止表示)を見ることに集中することができる。それにより、かかる遊技者は、図柄の変動表示(変動演出)を十分に楽しむことができると共に、自身に有利な表示を見逃すことも防止できる。
図11は、チャンス目連続演出中におけるパチンコ機10の特徴的動作を説明するための説明図である。「チャンス目連続演出」は、所謂、先読み連続演出の一形態であり、先読み抽選を実行する契機となった始動入賞より前に保留されていた始動入賞に基づく図柄の停止表示を所定のチャンス目とすることにより、近いうちに大当たりとなる可能性があることを示唆又は報知する演出である。なお、チャンス目連続演出の実行期間は、先読み抽選に基づき所定の実行条件が成立したタイミングから、当該先読み抽選の契機となった始動入賞に基づく図柄の停止表示がされるまでの期間である。
本実施形態では、チャンス目連続演出の実行条件として、2つの条件が設定されている。具体的に、第1の実行条件は、特図保留球数Nが1以上である場合に生じた始動入賞(第1入球口64への入賞)に基づく先読み抽選により5R確変当たりが選ばれたときであり、第2の実行条件は、特図保留球数Nが1以上である場合に生じた始動入賞)に基づく先読み抽選により通常外れが選ばれ、かつ、連続演出実行抽選カウンタ273gによる連続演出抽選に当選したときである。
図11に示すように、本実施形態のパチンコ機10では、チャンス目連続演出中においても、図柄の停止表示の確定表示期間が、遊技の状況に応じて異なる期間とされている。具体的に、チャンス目連続演出中において、そのチャンス目連続演出が、先読み抽選による抽選結果が5R確変当たりであったことに基づいて実行されたものであり、かつ、変動開始時における先読み対象(チャンス目連続演出の実行の契機となった始動入賞)に到達するまでの保留球数、即ち、変動開始時における連続演出カウンタ203g又は連続演出カウンタ273gの値が2以下である場合の確定表示期間(0.8秒)が、その他の場合における確定表示期間より長い期間とされる。なお、この「その他の場合における確定表示期間」は、図10に示した各遊技モードのうち滞在中の(実行中の)遊技モードと、変動開始時に特図保留球数Nとに応じた時間であり、0.4秒、0.5秒、又は0.6秒のいずれかである。
よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、5R確変当たりを期待させるチャンス目連続演出中に、5R確変当たりが近いうちに生じるか否かを、確定表示期間の違いによって遊技者に判別させることができる。
また、先読み抽選による抽選結果が5R確変当たりであったことに基づいて実行されたチャンス目連続演出において、変動開始時における先読み対象に到達するまでの保留球数が2以下になると、確定表示期間が、確定表示期間の基準期間である0.5秒より長い0.8秒とされるので、保留の消化が比較的ゆったりしたペースで行われていると遊技者に感じさせることができ、近いうちに5R確変当たりが発生することを察することができた遊技者には、ハンドルから手を離す余裕を与えることができる。よって、5R確変当たりを示す図柄の停止表示が行われることを待つ間、遊技者は、操作ハンドル51から手を離した状態で、5R確変当たりを示す図柄の停止表示が行われるまでの過程(例えば、図柄の変動表示や演出など)をじっくり楽しむことができる。
また、上述した通り、確定表示期間の差異を判別できるか否かは、遊技者の技量に応じて異なるので、近いうちに5R確変当たりが生じるか否かを、確定表示期間の差異によって判別できる遊技者には優越感を持たせることができる。
また、先読み抽選による抽選結果が5R確変当たりであったことに基づいて実行されたものであり、かつ、変動開始時における先読み対象に到達するまでの保留球数が2以下である場合の確定表示期間が、その他の場合の確定表示期間より長い期間(本実施形態では、0.8秒)設定されているので、かかる停止表示期間中に行う演出に多様性を持たせることができる。
例えば、本実施形態では、0.8秒の確定表示期間において、その他の場合にも表示される演出(図柄停止時通常演出)の後に、当該確定表示期間においてのみ表示される特別な演出(図柄停止時特別演出)が実行される。このように、確定表示期間より長くなったことにより、停止表示期間中に行う演出が多様化され、遊技者の期待感を煽る発展型の演出を実行することが可能となる。
次に、図12から図23のフローチャートを参照して、上記構成を有するパチンコ機10における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理の後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されNMI割込処理とに大別される。
まず、図12を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図12は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(演出制御装置117、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、図11のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理(S112,S113)の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図13を参照して、上述した立ち上げ処理の後に実行されるメイン処理について説明する。図13は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)や、外部出力端子板260を介してホールコンピュータ600へ送信(出力)する(S201)。この外部出力処理(S201)により、例えば、S501のスイッチ読み込み処理(図20参照)によって検出された入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理(S201)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、種別コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等を演出制御装置117に送信したり、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
S201の処理後、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203(カウンタエリア203a)内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図14を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための特定入賞口開閉処理を実行する(S205)。具体的には、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aの開放し、その後、予め規定されている時間(例えば、30秒)が経過するか、特定入賞口65aに所定数(例えば、10個)の球が入球した場合に、特定入賞口65aを閉鎖する処理を、所定ラウンド数(例えば、16ラウンド)繰り返し実行する処理である。なお、特定入賞口開閉処理の詳細は図18を参照して後述する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2、CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では699、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203(カウンタエリア203a)内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203(カウンタエリア203a)内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図23参照)が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や演出制御装置117等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図14を参照して、変動処理(S204)について説明する。図14は、メイン処理(図13参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。
変動処理では、まず、当たりイベント中であるか否かを判別する(S301)。当たりイベントとしては、図柄の停止表示が、16R通常当たり、16R確変当たり、又は5R確変当たりを示すものであったことによって行われる大当たり遊技と、図柄の停止表示が2R潜伏確変当たり又は小当たりを示すものであったことによって行われる2ラウンドの特定入賞口65aの開閉動作とがある。なお、当たりイベント中としては、大当たり遊技又は2ラウンドの特定入賞口65aの開閉動作の実行中と、それらのイベントの終了後に次の変動表示が開始可能となるまでの所定期間とが含まれる。S301による判別の結果、当たりイベント中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、当たりイベント中でなければ(S301:No)、変動時間カウンタ203cの値が0(ゼロ)より大きいか否か、即ち、第1図柄表示装置37において第1図柄の変動表示の実行中であるか否かを判別する(S302)。S302による判別の結果、変動時間カウンタ203cの値がゼロ、即ち、第1図柄の変動表示が実行されていない場合には(S302:No)、図柄停止時間カウンタ203dの値が0(ゼロ)より大きいか否か、即ち、第1図柄の停止表示の確定表示期間中であるか否かを判別する(S303)。
S303による判別の結果、図柄停止時間カウンタ203dの値がゼロであれば(S303:No)、特図保留球カウンタ203bの値、即ち、特図保留球数Nを取得する(S304)。S304の処理後、特図保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S305)。特図保留球数Nが0であれば(S305:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特図保留球数N>0であれば(S305:Yes)、カウンタエリア203a内の保留球格納エリアに格納されたデータのうち、最古のデータを実行エリアへ移動する保留球格納エリア順送り処理を実行する(S306)。なお、この保留球格納エリア順送り処理(S306)において実行される詳細な処理は、図15を参照しつつ後述する。
保留球格納エリア順送り処理(S306)の実行後、第1図柄表示装置37において第1図柄の変動表示を開始すると共に、変動パターンコマンドなどを設定して第3図柄表示装置において第3図柄の変動表示を開始させる変動開始処理を実行し(S307)、変動処理を終了する。なお、変動開始処理(S307)で実行される詳細な処理については、図16を参照して後述する。
一方、S302による判別の結果、変動時間カウンタ203cの値がゼロでない、即ち、第1図柄の変動表示の実行中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間カウンタ203cから1減算し(S308)、変動時間カウンタ203cの値が0ゼロより大きいか否かを再び判別する(S309)。
S309による判別の結果、変動時間カウンタ203cの値がゼロでない場合には(S309:Yes)、第1図柄表示装置37の表示を更新することにより、第1図柄の変動表示を継続する(S310)。S310の処理後、本処理を終了して、メイン処理(図13)に戻る。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、第1図柄の変動表示が開始されてから変動時間(当該変動表示の実行期間)が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、この変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、S309による判別の結果、変動時間カウンタ203cの値がゼロであれば(S309:No)、第1図柄の変動表示が開始してから変動時間が経過したので、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示を終了(停止)するために、停止図柄(第1図柄の停止表示の態様)の設定を行う(S315)。S315の処理により停止図柄が設定されると、設定された停止図柄が第1図柄表示装置37(LED37a)に表示される。
ここで、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄は、第1当たり乱数カウンタC1の値と第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて行われる大当たり抽選による抽選結果に応じたものとされる。よって、本実施形態では、16R通常当たり、16R確変当たり、5R確変当たり、2R潜伏確変当たり、小当たり、及び通常外れをそれぞれ示す停止図柄がS315の処理により設定され、第1図柄表示装置37に表示される。例えば、16R確変当たりであれば、停止図柄として青色のLEDを点灯させ、16通常当たりであれば、停止図柄として赤色のLEDを点灯させる。なお、本実施形態では、各LEDによる停止図柄の表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S315の処理後、図柄停止時間カウンタ203dに図柄停止時間メモリ203eの値を初期値として設定する(S316)。詳細は後述するが、図柄停止時間メモリ203eには、遊技の状況に基づいて決まる確定表示期間を示す値が記憶されている。よって、S316の処理では、図柄停止時間カウンタ203dに、遊技の状況に基づく確定表示期間を示す値が初期値として設定される。
S316の処理後、連続演出待機フラグ203hがオンに設定されているか否かを判別し(S317)、連続演出待機フラグ203hがオフに設定されている場合には(S317:No)、本処理を終了する。一方で、連続演出待機フラグ203hがオンに設定されている場合には(S317:Yes)、連続演出待機フラグ203hがオフに設定し(S318)、本処理を終了する。
また、S303による判別の結果、図柄停止時間カウンタ203dの値がゼロでなければ(S303:Yes)、第1図柄の停止表示の確定表示期間中である。よって、かかる場合には、図柄停止時間カウンタ203dから1減算し(S311)、図柄停止時間カウンタ203dの値が0ゼロより大きいか否かを再び判別する(S312)。このとき、変動時間カウンタ203cの値がゼロでない場合には(S312:Yes)、第1図柄の停止表示を継続するために、本処理を終了する。
一方で、S309による判別の結果、変動時間カウンタ203cの値がゼロであれば(S312:No)、第1図柄の停止表示の確定表示期間が終了したので、連続演出カウンタ203gの値が0より大きいか否かを判別する(S313)。
S313による判別の結果、連続演出カウンタ203gの値が0でなければ(S313:Yes)、先読み抽選の抽選結果が5R確変当たりであったことに基づくチャンス目連続演出が続行されるので、そのまま本処理を終了する。一方、S313による判別の結果、連続演出カウンタ203gの値が0であれば(S313:No)、続行中のチャンス目連続演出を終了させるために、連続演出フラグ203fをオフし(S314)、本処理を終了する。
上述した変動処理によれば、第1図柄の停止表示が開始されてから、図柄停止時間カウンタ203dの値がゼロになるまで、即ち、設定された確定表示期間が経過するまでは、保留されている始動入賞がある場合であっても、変動パターンコマンドの設定が行われる変動開始処理(S307)の実行が待機される。つまり、次の変動パターンコマンドの設定及び演出制御装置117への出力は、設定された確定表示期間が経過するまで待機される。
次に、図15を参照して、上述した保留球格納エリア順送り処理(S306)について説明する。図15は、変動処理(図14参照)の中で実行される保留球格納エリア順送り処理(S306)を示すフローチャートである。
この保留球格納エリア順送り処理では、まず、カウンタエリア203a内の保留球格納エリアの第1保留エリアに記憶されている各データ(第1当たり乱数カウンタの値、第1当たり種別カウンタの値、及び停止パターン選択カウンタの値)を、実行エリアへシフトする(S381)。
次に、第2保留エリア〜第4保留エリアに記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリアへシフトする(S382)。本実施形態では、データの有無に関わらず、第2〜第4保留エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトする。かかる場合には、第2〜第4保留エリアにデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができ、ROM202の空き容量を増やすことができる。なお、データのシフトに伴い、第4保留エリアに記憶されているデータはクリアする。
なお、S382において、第2〜第4保留エリアのうち、データが記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行うように構成してもよい。かかる場合には、データが記憶(保留)されていない保留エリアについては、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。また、かかる場合には、第2〜第4保留エリアのうち、データが記憶(保留)されている保留エリアのうち、エリア番号が最も大きい保留エリアに記憶されているデータはデータのシフトに伴いクリアする。
次に、特図保留球カウンタ203bの値(特図保留球数N)を1減算し(S383)、減算した後の特図保留球カウンタ203bの値に基づき変動開始時保留数コマンド(図9(b)参照)を設定する(S384)。このS384の処理により設定された変動開始時保留数コマンドは、メイン処理(図13参照)において次回に実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された変動開始時保留数コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その変動開始時保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプが特図保留ランプ85において点灯される。
次に、特図保留球カウンタ203bの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させ、新たな保留回数を点灯状態により表示する(S385)。S385の処理後、連続演出フラグ203fがオンに設定されているか否かを判別する(S386)。
S386による判別の結果、連続演出フラグ203fがオンに設定されている場合には(S386:Yes)、連続演出カウンタ203gから1減算し(S387)、保留球格納エリア順送り処理を終了して、変動処理(図14参照)へ戻る。一方で、連続演出フラグ203fがオフに設定されている場合には(S386:No)、S387の処理をスキップし、保留球格納エリア順送り処理を終了して、変動処理(図14参照)へ戻る。
次に、図16を参照して、上述した変動開始処理(S307)について説明する。図16は、変動処理(図14参照)の中で実行される変動開始処理(S307)を示すフローチャートである。
変動開始処理では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。
なお、本実施形態では、通常の確率(低確率)時には、上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」又は「1」であれば、S401の処理により大当たりと判別される。一方、高確率時には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」から「19」までのいずれかであれば、S401の処理により大当たりと判別される。
S401の処理により大当たりであると判別された場合には(S401:Yes)、第1図柄表示装置37に表示する大当たり時の表示態様(LED37aの点灯状態)を設定する(S402)。具体的に、S402では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づき大当たり種別(即ち、大当たり時の停止図柄)を決定した後、決定された大当たり種別に応じた表示態様が第1図柄表示装置37に表示されるように設定を行う。
なお、本実施形態では、上述した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0」から「2」までのいずれかである場合の大当たり種別は「16R通常当たり」であり、「3」又は「4」である場合の大当たり種別は「16R確変当たり」であり、「5」から「7」までのいずれかである場合の大当たり種別は「5R確変当たり」であり、「8」又は「9」である場合の大当たり種別は「2R潜伏確変当たり」である。
S402の処理後、第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別と、RAM203内のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値と、特図保留球カウンタ203bの値(特図保留球数N)とに基づき、大当たり時の変動パターンを決定する(S403)。
即ち、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、およびスペシャルリーチ変動の中から、大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄列Z2の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。このS403の処理により決定される変動パターンの変動時間(即ち、大まかな図柄変動の変動時間とリーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動時間との合計時間)に、後述するS407により決定される演出時間(変動時間)の加算値を加算した時間が、第1図柄表示装置37において実行される第1図柄の変動時間、及び、第3図柄表示手段において実行される第3図柄の変動時間とされる。
なお、このS403において決定する変動時間は、上述の通り、第1変動種別カウンタCS1と第2変動種別カウンタCS2との両方を用いて決定することに限らず、第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか、又は、2つの変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決めるように構成しても良い。
一方で、S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、第1図柄表示装置37に表示する外れ時の表示態様(LED37aの点灯状態)を設定する(S410)。具体的に、S410では、第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき、通常外れか小当たりかの外れ種別を判別した上で、判別された外れ種別と、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づき、外れ時の停止図柄(前後外れリーチ図柄、前後外れ以外リーチ図柄、又は単外れ図柄)を決定した後、決定された停止図柄に応じた表示態様が第1図柄表示装置37に表示されるように設定を行う。
S410の処理後、停止パターン選択カウンタC3の値が示す外れ時の停止図柄と、RAM203内のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値と、特図保留球カウンタ203bの値(特図保留球数N)とに基づき、外れ時の変動パターンを決定する(S411)。
即ち、上記したS403の処理と同様に、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、単外れ変動、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、およびスペシャルリーチ変動の中から、大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄列Z2(中図柄))が停止するまでの変動時間を決定する。このS411の処理により決定される変動パターンの変動時間(即ち、大まかな図柄変動の変動時間とリーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動時間との合計時間)に、後述するS407により決定される演出時間(変動時間)の加算値を加算した時間が、第1図柄表示装置37において実行される第1図柄の変動時間、及び、第3図柄表示手段において実行される第3図柄の変動時間とされる。
なお、S410の処理において、外れ時の表示態様(即ち、外れ時の停止図柄)として「前後外れリーチ図柄」又は「前後外れ以外リーチ図柄」が設定された場合には、S411の処理によって必ずリーチ変動(ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動)が決定されるように、テーブルが予め設定されている。
S403又はS411の処理後、これらの処理により決定された変動時間に加算される演出時間(演出時間の加算値)を決定する(S404)。このとき、RAM203内のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに記憶されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて加減算される演出時間が決定される。
S404の処理後、S403又はS411の処理により決定された変動パターンに基づき、決定された変動パターンの変動時間を示す変動パターンコマンドを設定する(S405)。次いで、S402又はS410の処理で設定された表示態様に応じた種別コマンドを設定する(S410)。なお、本実施形態では、種別コマンドとして、4種類の大当たり種別(16通常当たり、16R確変当たり、5R確変当たり、2R潜伏確変当たり)をそれぞれ示す4種類のコマンドと、小当たりである場合における3種類の停止図柄(前後外れリーチ図柄、前後外れ以外リーチ図柄、単外れ図柄)をそれぞれ示す3種類のコマンドと、通常外れである場合における3種類の停止図柄をそれぞれ示す3種類のコマンドとの合計10種類の種別コマンドが設けられている。
S406の処理後、S404の処理で決定された演出時間の加算値に応じた演出時間加算コマンドを設定し(S407)、遊技の状況に応じた確定表示期間(図柄の停止表示の状態を維持し続ける最小限の期間)を設定する図柄停止時間設定処理を実行する(S408)。なお、この図柄停止時間設定処理(S408)で実行される詳細な処理については、図17を参照して後述する。
図柄停止時間設定処理(S408)の実行後、変動時間カウンタ203cに計時すべき第1図柄の変動時間の初期値を設定する(S409)。具体的に、S409の処理では、S403又はS411の処理により決定された変動パターンの変動時間に、S407により決定される演出時間(変動時間)の加算値を加算して得られた値に応じた値を、計時すべき第1図柄の変動時間の初期値として変動時間カウンタ203cに設定する。S409の処理後、変動開始処理を終了して、変動処理(図10参照)へ戻る。
なお、この変動開始処理に先立って実行される保留球格納エリア順送り処理(図15参照)の中で、「変動開始時保留数コマンド」が設定される。その後、この変動開始処理の中で、「変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加算コマンド」の順で、コマンドが設定される。メイン処理(図13参照)における外部出力処理(S201)では、コマンドが設定された順番に各コマンドが出力されるので、「変動開始時保留数コマンド」、「変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加算コマンド」の順でコマンドが演出制御装置117に出力される。
次に、図17を参照して、上述した図柄停止時間設定処理(S408)について説明する。図17は、変動開始処理(図16参照)の中で実行される図柄停止時間設定処理(S408)を示すフローチャートである。
図17に示すように、図柄停止時間設定処理では、まず、連続演出フラグ203fがオンに設定されているか否か、即ち、先読み抽選の抽選結果が5R確変当たりであったことに基づくチャンス目連続演出が実行中であるか否かを判別する(S421)。
S421による判別の結果、連続演出フラグ203fがオフに設定されている場合には(S421:No)、特図保留球カウンタ203bの値(即ち、特図保留球数N)を判別する(S422)。
S422による判別の結果、特図保留球カウンタ203bの値が「0,1,2」のいずれか、即ち、変動開始時の特図保留球数Nが「0,1,2」のいずれかである場合には(S422:0,1,2)、S410において設定された種別コマンドが2R潜伏確変当たりのものであるか否かを判別する(S423)。
S423による判別の結果、S410において設定された種別コマンドが2R潜伏確変当たりのものであれば(S422:Yes)、図柄停止時間メモリ203eに、4ms毎に更新されるカウンタでの0.6秒に相当する150を設定し(S424)、図柄停止時間設定処理を終了する。
一方、S423による判別の結果、S410において設定された種別コマンドが2R潜伏確変当たりのものでなければ(S422:No)、16R確変当たり又は5R確変当たりのものであるか否かを判別する(S428)。
S428による判別の結果、S410において設定された種別コマンドが16R確変当たり又は5R確変当たりのものであれば(S428:Yes)、図柄停止時間メモリ203eに、4ms毎に更新されるカウンタでの0.4秒に相当する100を設定し(S429)、図柄停止時間設定処理を終了する。
また、S428による判別の結果、S410において設定された種別コマンドが、16R確変当たりのものでも、5R確変当たりのものでもない場合には(S428:No)、大当たり種別(16R確変当たり)又は外れの種別(通常外れ、小当たり)にかかわらず、4ms毎に更新されるカウンタでの0.5秒に相当する125を図柄停止時間メモリ203eに設定し(S430)、図柄停止時間設定処理を終了する。
一方で、S422による判別の結果、特図保留球カウンタ203bの値が「3」又は「4」のいずれか、即ち、変動開始時の特図保留球数Nが「3」又は「4」のいずれかである場合には(S422:3,4)、S410において設定された種別コマンドが16R確変当たり又は5R確変当たりのものであるか否かを判別する(S431)。
S431による判別の結果、S410において設定された種別コマンドが16R確変当たり又は5R確変当たりのものであれば(S431:Yes)、図柄停止時間メモリ203eに、4ms毎に更新されるカウンタでの0.4秒に相当する100を設定し(S432)、図柄停止時間設定処理を終了する。
また、S431による判別の結果、S410において設定された種別コマンドが、16R確変当たりのものでも、5R確変当たりのものでもない場合には(S431:No)、大当たり種別(16R確変当たり、2R潜伏確変当たり)又は外れの種別(通常外れ、小当たり)にかかわらず、4ms毎に更新されるカウンタでの0.5秒に相当する125を図柄停止時間メモリ203eに設定し(S430)、図柄停止時間設定処理を終了する。
一方、S421による判別の結果、連続演出フラグ203fがオンに設定されている場合には(S421:Yes)、連続演出待機フラグ203hがオンに設定されているか否かを判別する(S425)。
S425による判別の結果、連続演出待機フラグ203hがオンに設定されている場合には(S425:Yes)、チャンス目連続演出は待機される(即ち、実行対象外である)ので、滞在中の遊技モードと変動開始時の特図保留球数Nとに応じた確定表示期間を設定するため、S422の処理へ移行する。
また、S425による判別の結果、連続演出待機フラグ203hがオフに設定されている場合には(S425:No)、連続演出カウンタ203gの値を判別する(S426)。
S426による判別の結果、連続演出カウンタ203gの値が「3」又は「4」のいずれかであれば(S426:3,4)、変動開始時における先読み対象に到達するまでの保留球数が「3」又は「4」のいずれかであるということであるので、かかる場合も、滞在中の遊技モードと変動開始時の特図保留球数Nとに応じた確定表示期間を設定するため、S422の処理へ移行する。
一方、S426による判別の結果、連続演出カウンタ203gの値が「0,1,2」のいずれか、即ち、変動開始時における先読み対象に到達するまでの保留球数が「0,1,2」のいずれかである場合には(S426:0,1,2)、図柄停止時間メモリ203eに、4ms毎に更新されるカウンタでの0.8秒に相当する200を設定し(S427)、図柄停止時間設定処理を終了する。
かかる図柄停止時間設定処理(S408)の中で、図柄停止時間メモリ203eに確定表示期間として設定された値は、変動処理(図14参照)において図柄の停止表示を開始する際に、図柄停止時間カウンタ203dに初期値として設定され、図柄の停止表示が少なくとも確定表示期間に亘って維持されるよう制御(管理)される。
次に、図18を参照して、上述した特定入賞口開閉処理(S205)について説明する。図18は、メイン処理(図13参照)の中で実行される特定入賞口開閉処理(S205)を示すフローチャートである。
図18に示すように、特定入賞口開閉処理では、まず、変動処理(図14参照)におけるS301の処理と同様に当たりイベント中であるかを判別し(S321)、当たりイベント中でなければ(S321:No)、特定入賞口開閉処理を終了して、メイン処理(図13参照)へ戻る。
S321による判別の結果、当たりイベント中であれば(S321:Yes)、当たりイベントの契機が16R通常当たりによるものであるか否かを判別し(S322)、16R通常当たりによるものであれば(S322:Yes)、特定入賞口65aの開閉動作を伴う当たりイベントの1つである大当たり遊技を制御する大当たり遊技処理を実行し(S333)、特定入賞口開閉処理を終了して、メイン処理(図13参照)へ戻る。なお、大当たり遊技処理(S333)で実行される詳細な処理については、図19を参照して後述する。
一方、S322による判別の結果、当たりイベントの契機が16R通常当たりでなければ(S322:No)、当たりイベントの契機が16R確変当たりによるものであるか否かを判別し(S323)、16R確変当たりによるものであれば(S323:Yes)、大当たり遊技処理(S333)を実行する。
また、S323による判別の結果、当たりイベントの契機が16R確変当たりによるものでなければ(S323:No)、当たりイベントの契機が5R確変当たりによるものであるか否かを判別し(S324)、5R確変当たりによるものであれば(S324:Yes)、大当たり遊技処理(S333)を実行する。
一方、S324による判別の結果、当たりイベントの契機が5R確変当たりによるものでなければ(S324:No)、当たりイベントの契機は2R潜伏確変当たり又は小当たりによるものであるので、当たりイベントとして特定入賞口65aの開閉動作を行うためにS325へ移行する。
S325では、特定入賞口65aの開放タイミングであるか否かを判別する(S325)。S325による判別の結果、特定入賞口65aの開放タイミングでなければ(S325:No)、S328へ移行する。
一方、S325による判別の結果、特定入賞口65aの開放タイミングであれば(S325:Yes)、特定入賞口65aを開放する際の設定を行う開放時設定処理を実行し(S326)、大開放口ソレノイド(ソレノイド209の一部)をオン(励磁)して、特定入賞口65aを開放し(S327)、S328へ移行する。なお、開放時設定処理では、特定入賞口65aの最大開放期間(本実施形態では、0.5s)を大当たり制御タイマ(図示せず)に設定すると共に、ラウンド管理カウンタ(図示せず)に1を加算する。また、特定入賞口65aが開放されたことを演出制御装置117に伝達する開放コマンドの設定を行う。
S328では、特定入賞口65aの閉鎖タイミングであるか否かを判別する(S328)。S328による判別の結果、特定入賞口65aの閉鎖タイミングであれば(S328:Yes)、特定入賞口65aを閉鎖する際の設定を行う閉鎖時設定処理を実行し(S329)、大開放口ソレノイドをオフして、特定入賞口65aを閉鎖する(S330)。なお、閉鎖時設定処理(S329)では、ラウンド管理カウンタが最終ラウンド以外の値である場合に、次のラウンド(即ち、次回の特定入賞口65aの開放)までのインターバル期間(本実施形態では、0.5s)を大当たり制御タイマに設定すると共に、特定入賞口65aが閉鎖されたことを演出制御装置117に伝達する閉鎖コマンドの設定を行う。
一方、S328による判別の結果、特定入賞口65aの閉鎖タイミングでなければ(S328:No)、特定入賞口65aの開放後に、所定数(本実施形態では、10個)の球が特定入賞口65aに入球したかを判別する(S334)。S334による判別の結果、特定入賞口65aの開放後に、所定数の球が特定入賞口65aに入球した場合には(S334:Yes)、ラウンドの終了条件が成立したので、S329へ移行し、閉鎖時設定処理を実行する(S329)。一方、特定入賞口65aに所定数の球が未だ入球していなければ(S334:No)、特定入賞口開閉処理を終了する。
S330の処理により特定入賞口65aが閉鎖された後、ラウンド管理カウンタが最終ラウンド(本実施形態では、2ラウンド)を示す値であるか否かを判別する(S331)。S331による判別の結果、最終ラウンドでなければ(S331:No)、特定入賞口開閉処理を終了する。
一方、S331による判別の結果、最終ラウンドであれば(S331:Yes)、当たりイベント後の遊技状態を設定し(S332)。特定入賞口開閉処理を終了する。なお、S332では、当たりイベントの契機が2R潜伏確変当たりによるものであれば、当たりイベント後の遊技状態が、確変状態、即ち、大当たり確率および第2図柄の当たり確率がいずれも高確率(通常より高い確率)となる状態に設定される。一方、当たりイベントの契機が小当たりによるものであれば、当たりイベント後の遊技状態は通常状態のままとされる。
次に、図19を参照して、上述した大当たり遊技処理(S333)について説明する。図19は、特定入賞口開閉処理(図18参照)の中で実行される大当たり遊技処理(S333)を示すフローチャートである。
図19に示すように、大当たり遊技処理では、まず、大当たり遊技の開始時であるか否かを判別する(S341)。S341による判別の結果、大当たり遊技の開始時でなければ(S341;No)、S343へ移行する。
一方、S341による判別の結果、大当たり遊技の開始時であれば(S341:Yes)、大当たりオープニングを設定し(S342)、S343へ移行する。なお、S342では、大当たりオープニングを含む大当たり演出の演出期間が、RAM203内に設けられている大当たり制御タイマ(図示せず)に設定される共に、大当たり演出が開始されることを演出制御装置117に伝達する大当たり演出開始コマンドの設定を行う。
S343では、特定入賞口65aの開放タイミングであるか否かを判別する(S343)。S343による判別の結果、特定入賞口65aの開放タイミングでなければ(S343:No)、S346へ移行する。
一方、S343による判別の結果、特定入賞口65aの開放タイミングであれば(S343:Yes)、特定入賞口65aを開放する際の設定を行う開放時設定処理を実行し(S344)、大開放口ソレノイド(ソレノイド209の一部)をオン(励磁)して、特定入賞口65aを開放し(S345)、S346へ移行する。なお、開放時設定処理(S344)では、特定入賞口65aの最大開放期間(本実施形態では、30s)を大当たり制御タイマ(図示せず)に設定すると共に、ラウンド管理カウンタ(図示せず)に1を加算する。また、特定入賞口65aが開放されたことを演出制御装置117に伝達する開放コマンドの設定を行う。
S346では、特定入賞口65aの閉鎖タイミングであるか否かを判別する(S346)。S346による判別の結果、特定入賞口65aの閉鎖タイミングであれば(S346:Yes)、特定入賞口65aを閉鎖する際の設定を行う閉鎖時設定処理を実行し(S347)、大開放口ソレノイドをオフして、特定入賞口65aを閉鎖する(S348)。なお、閉鎖時設定処理(S348)では、ラウンド管理カウンタが最終ラウンド以外の値である場合に、次のラウンド(即ち、次回の特定入賞口65aの開放)までのインターバル期間(本実施形態では、2s)を大当たり制御タイマに設定すると共に、特定入賞口65aが閉鎖されたことを演出制御装置117に伝達する閉鎖コマンドの設定を行う。
一方、S346による判別の結果、特定入賞口65aの閉鎖タイミングでなければ(S346:No)、特定入賞口65aの開放後に、所定数(本実施形態では、10個)の球が特定入賞口65aに入球したかを判別する(S352)。S352による判別の結果、特定入賞口65aの開放後に、所定数の球が特定入賞口65aに入球した場合には(S352:Yes)、ラウンドの終了条件が成立したので、S347へ移行し、閉鎖時設定処理を実行する(S347)。一方、特定入賞口65aに所定数の球が未だ入球していなければ(S352:No)、大当たり遊技処理を終了する。
S348の処理により特定入賞口65aが閉鎖された後、ラウンド管理カウンタが最終ラウンド(例えば、当たりイベントの契機が16R通常当たりであれば、16ラウンド)を示す値であるか否かを判別する(S349)。S349による判別の結果、最終ラウンドでなければ(S349:No)、大当たり遊技処理を終了する。
一方、S349による判別の結果、最終ラウンドであれば(S349:Yes)、大当たりエンディングを設定し(S350)、S351へ移行する。なお、S350では、大当たりエンディングの演出期間が、RAM203内に設けられている大当たり制御タイマ(図示せず)に設定される共に、大当たりエンディングの開始を演出制御装置117に伝達する大当たりエンディングコマンドの設定を行う。
S351では、当たりイベント(大当たり遊技)後の遊技状態を設定する(S351)。なお、S351では、当たりイベントの契機が16R確変当たり又は5R確変当たりによるものであれば、当たりイベント後の遊技状態が、確変状態に設定される。一方、当たりイベントの契機が16R通常当たりによるものであれば、当たりイベント後の遊技状態は通常状態のままとされる。
図20は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では699)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では、それぞれ、699,9,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、始動入賞処理については、図21を参照して後述する。また、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示せず)により検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ(図示せず)が操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図21のフローチャートを参照して、上述した始動入賞処理(S504)を説明する。図21は、タイマ割込処理(図20参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、特図保留球カウンタ203bの値(即ち、特図保留球数N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。
このとき、第1入球口64への入賞があり、且つ特図保留球数N<4であれば(S602:Yes)、この始動入賞処理に先立って実行されたS503(図20参照)により更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S603)。
次に、特図保留球カウンタ203bの値に1加算し(S604)、加算した後の特図保留球数カウンタ203bの値と先読み抽選の結果とに基づき入賞時保留数コマンド(図9(a)参照)を設定するために入賞時保留球数コマンド設定処理を実行する(S605)。なお、入賞時保留球数コマンド設定処理(S605)で実行される詳細な処理については、図22を参照して後述する。
次に、特図保留球カウンタ203bの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S606)、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理(図20参照)へ戻る。
一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特図保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603〜S606の各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理(図20参照)へ戻る。
次に、図22のフローチャートを参照して、上述した入賞時保留数コマンド設定処理(S605)を説明する。図22は、始動入賞処理(図21参照)の中で実行される入賞時保留数コマンド設定処理(S605)を示すフローチャートである。
入賞時保留数コマンド設定処理では、まず、今回の始動入賞に基づきS603(図21参照)において保留エリアに格納されたカウンタの値に基づき先読み抽選を行い、その抽選結果が通常外れであるか否かを判別する(S621)。
S621による判別の結果、先読み抽選による抽選結果が通常外れである場合には(S621:Yes)、下位3ビットが「000」(2進数)である「60H」を、入賞時保留数コマンドの上位バイトとして設定し(S631)、下位バイトを設定するためにS630へ移行する。
一方、S621による判別の結果、先読み抽選による抽選結果が通常外れでなければ(S621:No)、先読み抽選による抽選結果が5R確変当たりであるか否かを判別する(S622)。
S622による判別の結果、先読み抽選による抽選結果が5R確変当たりでなければ(S622:No)、先読み抽選の抽選結果に応じた値を入賞時保留数コマンドの上位バイトとして設定し(S632)、下位バイトを設定するためにS630へ移行する。
具体的に、先読み抽選による抽選結果が小当たりであれば、下位3ビットが「001」(2進数)である「61H」を入賞時保留数コマンドの上位バイトとして設定する。また、先読み抽選による抽選結果が16R通常当たりであれば、下位3ビットが「010」(2進数)である「62H」を入賞時保留数コマンドの上位バイトとして設定する。また、先読み抽選による抽選結果が16R確変当たりであれば、下位3ビットが「011」(2進数)である「63H」を入賞時保留数コマンドの上位バイトとして設定する。また、先読み抽選による抽選結果が2R潜伏通常当たりであれば、下位3ビットが「101」(2進数)である「65H」を入賞時保留数コマンドの上位バイトとして設定する。
一方、S622による判別の結果、先読み抽選による抽選結果が5R確変当たりであれば(S622:Yes)、下位3ビットが「100」(2進数)である「64H」を入賞時保留数コマンドの上位バイトとして設定する(S623)。
S623の処理後、連続演出フラグ203fがオンに設定されているか否かを判別し(S624)、オンに設定されている場合には(S624:Yes)、チャンス目連続演出の実行中であるので、下位バイトを設定するためにS630へ移行する。
一方、S624による判別の結果、連続演出フラグ203fがオフに設定されている場合には(S624:No)、特図保留球カウンタ203bの値(特図保留球数N)が1より大きい、即ち、2以上であるか否かを判別する(S625)。このとき、特図保留球カウンタ203bの値が1以下であれば(S625:No)、チャンス目連続演出の実行条件を満たしていないので、下位バイトを設定するためにS630へ移行する。
S625による判別の結果、特図保留球カウンタ203bの値が2以上であれば(S625:Yes)、チャンス目連続演出の実行条件を満たしているので、連続演出カウンタ203gに、特図保留球カウンタ203cの値を設定し(S626)、連続演出フラグ203fをオンに設定する(S627)。
S627の処理後、変動時間カウンタ203cの値が0より大きいか否かを判別し(S628)、変動時間カウンタ203cの値が0より大きければ(S628:Yes)、連続待機演出フラグ203hをオンに設定し(S629)、S630へ移行する。一方、変動時間カウンタ203cの値が0であれば(S629:Yes)、S629の処理をスキップして、S630へ移行する。
S630では、特図保留球カウンタ203bの値に応じて、入賞時保留数コマンドの下位バイトを設定する(S630)。S630の処理後、入賞時保留数コマンド設定処理を終了する。
この入賞時保留数コマンド設定処理により設定された入賞時保留数コマンドは、メイン処理(図13参照)において次回に実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。入賞時保留数コマンドを受信した演出制御装置117は、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプを特図保留ランプ85において点灯する。
図23は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される処理であり、このNMI割込処理の実行により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
次に、図24から図31を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU271の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、主制御装置110から送信された各種コマンドを受信する毎に実行されるコマンド受信割込処理とに大別される。
図24は、演出制御装置117内のMPU271により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、演出制御装置117の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU271がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定を行う(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源投入報知処理を実行する(S1002)。この電源投入報知処理(S1002)は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などにより行われる。
電源投入報知処理(S1002)の実行後は、第3図柄表示装置81に初期画面を表示するために、まず、初期画面に応じた演出データ(又は、画像データ)を、キャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に記憶する(S1003)。そして、その演出データを使用して、初期画面を第3図柄表示装置81に表示する(S1004)。
次に、今回の立ち上げ処理が、後述する電源断処理(図25のS1109参照)の実行途中で、MPU271がリセットされたために実行されたものであるのかを、RAM273内に設けられている電源断処理中フラグ(図示せず)がオンされているか否かによって判定する(S1005)。
上述した通り、瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)が発生すると、主制御装置110は、演出制御装置117などに対して電源断コマンドを送信する。詳細については図25を参照しつつ後述するが、演出制御装置117は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると、電源断コマンドを受信したことを示す電源断の発生情報をRAM273に記憶し、電源断処理(図25のS1109参照)を実行する。電源断処理中フラグは、この電源断処理の前にオンされ、電源断処理の終了後にオフされる。
つまり、電源断処理の実行途中で、MPU271がリセットされたか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。なお、電源断処理の実行途中に、または、実行完了した後に電源が完全に遮断された場合には、RAM273のデータが喪失するので、かかる場合には、電源断処理中フラグはオフとなる。
より具体的には、電源断処理中フラグがオフである場合は、次の3つの状態のいずれかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合である。第1の状態としては、電源が完全に遮断された状態である。電源が完全に遮断されると、RAM273のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
第2の状態としては、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図25のS1109参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理が完了した後に、MPU271がリセットされた状態である。この場合、電源が遮断されなかったため、RAM273のデータは喪失せずに保持される。また、電源断処理が完了するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
第3の状態としては、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた状態である。つまり、電源断処理が実行されることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、MPU271がリセットされると、電源断処理中フラグがオフのまま、RAM273のデータが保持される。
上述した3つの状態のいずれかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合、即ち、電源断フラグがオフの場合は(S1005:No)、RAM273のデータが破壊されているか否かを確認する(S1006)。なお、ここでデータが破壊されているか否かを確認しているのは、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合に、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して演出制御装置117の制御を継続できるからである。
RAM273のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM273の特定の領域には、後述するS1009の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM273のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM273のデータ破壊を確認することができる。RAM273のデータ破壊が確認されれば(S1006:Yes)、S1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。一方、RAM273のデータ破壊が確認されなければ(S1006:No)、S1010へ移行する。
より具体的には、電源が完全に遮断された後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM273の記憶は喪失するから)、RAM273のデータ破壊と判断され(S1006:Yes)、S1007へ移行する。一方、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図25のS1109参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行が完了した後にMPU271がリセットされて、今回の立ち上げ処理が開始されたか、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM273のデータは正常と判断されて(S1006:No)、S1010へ移行する。
S1005において、電源断処理中フラグがオンである場合は(S1005:Yes)、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図25のS1109参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中でMPU271がリセットされた場合である。この場合は、現在のRAM273の記憶状態が必ずしも正しいとは言えない。よって、かかる場合には制御を継続することが困難であるので、処理をS1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。
S1007では、RAM273の全範囲の記憶領域をチェックする(S1007)。次いで、そのチェック結果に基づいてRAM273が正常であるか否かを判別する(S1008)。なお、S1007で行うチェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM273の読み書きチェックにより、RAM273のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM273のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出された場合には、RAM273に異常があると判別し(S1008:No)、RAM273の異常を報知して(S1014)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM273の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM273の異常報知を行うようにしても良い。また、第3図柄表示装置81の画面において、RAM273の異常を報知するように構成しても良い。
一方、RAM273のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常であれば、RAM273は正常であると判別し(S1008:Yes)、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1009)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM273にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
S1109の処理後、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1010)。電源断フラグは、電源断処理(図25のS1109参照参照)が実行される前にオンされ、電源が完全に遮断されるとオフとなる。よって、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオンである場合とは、瞬間的な停電が発生したため電源断処理が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中に、または、実行完了してMPU271がリセットされた場合である。
よって、S1010による判別の結果、電源断フラグがオンである場合には(S1010:Yes)、演出制御装置117の各処理を初期化するためにRAM273の作業エリア(作業領域)をクリアし(S1011)、RAM273の初期値を設定した後(S1012)、割込み許可を設定して(S1013)、メイン処理へ移行する。
一方、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオフである場合とは、例えば、電源が完全に遮断された後に、再度電源が投入された場合(電源断フラグのデータを含むRAM273のデータが喪失している場合)、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、電源断フラグがオンされることなく(即ち、主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、RAM273のデータが保持されている場合である。
よって、S1010による判別の結果、電源断フラグがオフされている場合には(S1010:No)、RAM273の作業エリアのクリア処理であるS1011をスキップして、処理をS1012へ移行し、RAM273の初期値を設定した後(S1012)、割込み許可を設定して(S1013)、メイン処理へ移行する。
なお、電源断フラグがオフされている場合にS1011のクリア処理をスキップするのは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、演出制御装置117の制御を継続できるからである。また、S1007〜S1009の処理が実行された場合には、S1007の処理によって、RAM273のすべての記憶領域は既にクリアされているので、再度、RAM273の作業エリアをクリアする必要がないからである。
次に、図25を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図25は、演出制御装置117内のMPU271により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、遊技の演出(音声出力や表示など)に関する制御を実行するための処理であり、上述した演出制御装置117の立ち上げ処理(図24参照)の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
メイン処理では、まず、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1101の処理が実行されてから)、1ms以上が経過したか否かを判定し(S1101)、前回の判定が実行されてから1ms以上経過している場合には(S1101:Yes)、演出制御装置117に設けられている各種カウンタの更新を行う(S1102)。なお、S1102の処理により更新されるカウンタとしては、連続演出実行抽選カウンタ273gや、図柄停止時演出抽選カウンタ273hや、図柄停止時演出特別カウンタ273iや、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づき変動表示の演出パターンを設定する際に使用されるカウンタ(図示せず)などが含まれる。
S1102の処理後、各種ランプの点灯制御や音声出力制御などを実行する処理である音声ランプ演出処理を実行する(S1103)。なお、この音声ランプ演出処理(S1103)の詳細については、図26を参照して後述する。
一方、S1101の処理による判定の結果、前回の判定から未だ1msが経過していなければ(S1101:No)、S1102およびS1103の処理をスキップして、S1104の処理へ移行する。なお、S1101の処理によって前回の判定が実行されてから1ms経過していない場合に、音声ランプ演出処理(S1103)の処理をスキップするのは、音声ランプ演出処理(S1103)の中で実行されるランプの点灯制御や音声出力制御を1msより短い周期で実行する必要がないからである。
S1104の処理では、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1104の処理が実行されてから)、20ms以上が経過したか否かを判定する(S1104)。このとき、前回の判定が実行されてから20ms以上経過している場合には(S1104:Yes)、変動表示(変動演出)に応じた動画(画像)や大当たり演出に応じた動画を第3図柄表示装置(LCD)81に表示させるための処理である表示演出処理を実行し(S1105)、S1106の処理へ移行する。なお、この表示演出処理(S1105)の詳細については、図27を参照して後述する。
一方、S1104の処理による判定の結果、前回の判定が実行されてから未だ20msが経過していなければ(S1104:No)、S1105の処理をスキップして、S1106の処理へ移行する。なお、S1106の処理によって前回の判定が実行されてから20ms経過していない場合に表示演出処理(S1105)の処理をスキップするのは、この表示演出処理が、第3図柄表示装置(LCD)81に表示させる画像を変動時間に応じて更新する処理であるので、かかる処理を20msより短い周期で実行する必要がないからである。
S1106の処理では、RAM273に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判定する(S1106)。なお、電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1106の処理により、電源断の発生情報が記憶されていると判定された場合には(S1106:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1108)、電源断処理を実行する(S1109)。電源断処理(S1109)の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1110)、その後、処理を、無限ループする。
S1109の電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226、電飾部29〜33、表示ランプ34、及び、第3図柄表示装置81への出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。なお、各出力ポートをオフするのは、異常な表示や、異常な音声出力が行われることを防止するためであり、異常な表示や、異常な音声出力によって、遊技者を困惑させないようにするためである。
一方、S1106の処理による判定の結果、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1106:No)、立ち上げ処理(図24参照)のS1009の処理によってRAM273に記憶されたキーワード「55AAh」に基づき、RAM273が破壊されているか否かを判別し(S1107)、RAM273が破壊されていなければ(S1107:No)、S1101の処理へ戻り、上述したS1101〜S1107の各処理を繰り返し実行する。
一方、S1107の処理により、RAM273が破壊されると判定された場合には(S1107:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて処理が無限ループとされたことにより、表示演出処理(S1105)が実行されなくなるため、その後は、第3図柄表示装置81の表示が変化されない。これにより、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。なお、RAM273が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などによりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図26を参照して、上述した音声ランプ演出処理(S1103)について説明する。図26は、演出制御装置117のメイン処理(図25参照)の中で実行される音声ランプ演出処理(S1103)を示すフローチャートである。
音声ランプ演出処理では、まず、後述するS1244の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプ(例えば、電飾部29〜33や、表示ランプ34など)の出力を設定する(S1241)。
S1241の処理後、客待ち演出処理(S1242)を実行し、保留個数表示更新処理を実行する(S1243)。客待ち演出処理(S1242)では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示を客待ち演出の画面に切り換える設定を行う。なお、「客待ち演出」とは、遊技状態とは無関係の表示演出であり、タイトル表示やデモ表示を含んで構成される演出である。また、保留個数表示更新処理(S1243)では、主制御装置110から受信した保留数コマンドに基づいて、特図保留ランプ85の点灯数が更新される。
次いで、枠ボタン入力監視・演出処理を実行する(S1244)。この枠ボタン入力監視・演出処理(S1244)では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、パチンコ機に枠ボタン22が配設されていない場合には、S1244の処理を省略することができる。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1244)の実行後は、ランプ編集処理を実行し(S1245)、音編集・出力処理を実行する(S1246)。ランプ編集処理(S1245)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンや、表示ランプ34などを設定する。音編集・出力処理(S1246)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどを設定し、その設定に応じて音声出力装置226から音を出力させる。
S1206の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1247)、音声ランプ演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
液晶演出実行管理処理(S1247)では、主制御装置110から送信されて受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間を設定する。この液晶演出実行監視処理(S1247)で設定された時間に基づいてS1245のランプ編集処理やS1246の音編集・出力処理を実行する。
次に、図27を参照して、上述した表示演出処理(S1105)について説明する。図27は、演出制御装置117のメイン処理(図25参照)の中で実行される表示演出処理(S1105)を示すフローチャートである。
表示演出処理では、まず、第3図柄表示装置81で実行されている変動演出が大当たり演出であるか(即ち、大当たり遊技中であるか)否かを判別し(S1261)、大当たり遊技中であれば(S1261:Yes)、大当たり演出処理を実行する(S1270)。この大当たり演出処理ではビデオRAM276の変動演出データ記憶エリア276aに記憶されている大当たり演出用の演出データを用い、更新タイミングに応じた演出データに対応する画像を第3図柄表示装置81に表示させる。大当たり演出処理(S1270)の終了後は、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1261による判別の結果、大当たり遊技中でなければ(S1261:No)、変動時間カウンタ273cの値が0より大きいか否か、即ち、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示の実行中であるか(即ち、変動表示中であるか)否かを判別する(S1262)。このとき、変動表示中でない場合は(S1262:No)、RAM273内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)がオンに設定されているかを判定する(S1263)。
なお、図示されない変動開始フラグは、第3図柄の変動表示の開始を指示するフラグであり、S1263において変動開始フラグがオンに設定されていると判別された場合に、第3図柄の変動表示が開始される。この変動開始フラグは、主制御装置110から変動パターンコマンドの後に送信される変動時間加算コマンドを受信した場合にコマンド受信割込処理(図30参照)の中でオンに設定され、第3図柄の変動表示を開始する際にオフに設定される。
S1263による判別の結果、変動開始フラグがオンに設定されている場合には(S1263:Yes)、変動開始フラグをオフに設定する(S1264)。これにより、第3図柄の停止表示が表示されていた場合には、その停止表示の実行が解除されて、第3図柄の変動表示が開始される状態となる。
上述した通り、主制御装置110は、第1図柄の停止表示を開始してから、設定された確定表示期間が経過するまで、次の変動パターンコマンドの設定及び出力を待機する。即ち、図柄の変動表示が保留されている場合には、演出制御装置117が変動パターンコマンドを受信する間隔は、主制御装置110において設定された確定表示期間に相当する時間となる。よって、本実施形態のパチンコ機10では、演出制御装置117が遊技の状況に応じて第3図柄の停止表示の確定表示期間を設定しなくても、変動パターンコマンドの受信間隔によって第3図柄の停止表示の確定表示期間を制御することができる。
S1264の処理後、RAM273内に設けられている変動時間メモリ(図示せず)に記憶されている値に基づき、変動時間カウンタ273cに初期値を設定する(S1265)。なお、図示されない変動時間メモリには、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターンの変動時間と、主制御装置110から受信した演出時間加算コマンドが示す演出時間の加算値との合算値が記憶されている。即ち、S1265において変動時間カウンタ273cに設定される初期値は、主制御装置110で実行される変動開始処理(図16参照)におけるS403又はS411の処理により決定された変動パターンの変動時間と、S404の処理により決定された演出時間の加算値との合算値に応じた値である。
S1265の処理後、図柄停止中フラグ273jをオフに設定し(S166)、保留情報格納エリア273a内の4つの保留エリア273a1〜273a4に格納されたデータのうち、最古のデータを実行エリア273a0へ移動する保留情報格納エリア順送り処理を実行する(S1267)。なお、この保留情報格納エリア順送り処理(S1267)において実行される詳細な処理は、図28を参照しつつ後述する。
S1267の処理後、変動時間カウンタ273cの値が0より大きいか否か、即ち、変動時間内であるか否かを判別する(S1268)。また、S1262による判別の結果、第3図柄の変動表示の実行中(変動表示中)であれば(S1262:Yes)、変動時間カウンタ273cの値から1減算して(S1271)、S1268の処理へ移行し、変動時間内であるか否かの判別を行う。
S1268による判別の結果、変動時間内であれば(S1268:Yes)、図柄の変動表示を実行する(S1269)。具体的に、ビデオRAM276の変動演出データ記憶エリア276aに記憶されている変動表示用の演出データ(変動演出データ)を用い、更新タイミングに応じた変動演出データに対応する画像を第3図柄表示装置81に表示させる。S1269の処理後、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1268の処理による判定の結果、変動時間カウンタ273cの値が0、即ち、変動時間の終了タイミングである場合には(S1268:No)、停止表示処理を行い(S1277)、図柄停止中フラグ273jをオフに設定し(S1278)、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
なお、停止表示処理(S1277)では、ビデオRAM276の停止図柄データ記憶エリア276bに記憶されている停止図柄データに基づき、第3図柄の停止表示(停止図柄)を第3図柄表示装置81に表示させる。さらに、図柄停止時演出データ記憶エリア276cに泡演出データが記憶されている場合には、その泡演出データによる図柄停止時通常演出を第3図柄表示装置81に表示させることを開始する。また、客待ち演出の実行タイミングを測るために演出制御装置273に設けられている客待ち演出管理タイマ(図示せず)による計測を開始する。
また、S1263による判別の結果、変動開始フラグがオフに設定されている場合には(S1263:No)、図柄停止中フラグ273jがオンに設定されているか否かを判別する(S1272)。このとき、図柄停止中フラグ273jがオフに設定されている場合には(S1272:No)、S1273へ移行する。
一方、S1272による判別の結果、図柄停止中フラグ273jがオンに設定されている場合には(S1272:Yes)、図柄停止中フラグ273jがオンに設定されてから、即ち、第3図柄の停止表示が開始されてから所定時間(例えば、1分)が経過したか否かを客待ち演出管理タイマ(図示せず)の値に基づいて判別する(S1275)。
S1275による判別の結果、図柄停止中フラグ273jがオンに設定されてから所定時間が経過した場合には(S1275:Yes)、客待ち演出を開始するタイミングであるので、S1273へ移行する。
S1273では、図柄停止中フラグ273jをオフに設定する(S1273)。S1273の処理後、客待ち演出などを第3図柄表示装置81に表示させる各表示処理を実行し(S1274)、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1275による判別の結果、図柄停止中フラグ273jがオンに設定されてから未だ所定時間が経過していない場合には(S1275:No)、停止図柄時演出処理を実行した後(S1276)、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
停止図柄時演出処理(S1276)では図柄停止時演出データ記憶エリア276に記憶されている演出データ(泡演出データ、クラゲ登場演出データ)を用い、更新タイミングに応じた演出データに対応する画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
よって、図柄停止時演出データ記憶エリア276に泡演出データのみが記憶されている場合には、第3図柄の停止表示が開始されてから0.4秒の間、泡演出データに基づく図柄停止時通常演出(即ち、泡が発生して立ち昇っていく演出)が第3図柄表示装置81に表示される。
一方、図柄停止時演出データ記憶エリア276に泡演出データとクラゲ登場演出データとの両方が記憶されている場合には、第3図柄の停止表示が開始されてから0.4秒の間、泡演出データに基づく図柄停止時通常演出が第3図柄表示装置81に表示された後、引き続き0.4秒に亘り、クラゲ登場演出データに基づく図柄停止時特別演出(即ち、クラゲが登場する演出)が第3図柄表示装置81に表示される。
なお、図柄停止時演出データ記憶エリア276に泡演出データもクラゲ登場演出データも記憶されていない場合には、停止図柄時演出処理(S1276)が実行されても、何の演出も第3図柄表示装置81に表示されることはない。
次に、図28を参照して、上述した保留情報格納エリア順送り処理(S1267)について説明する。図28は、表示演出処理(図27参照)の中で実行される保留情報格納エリア順送り処理(S1267)を示すフローチャートである。
この保留情報格納エリア順送り処理では、まず、保留情報格納エリア273aの第1保留エリア273a1に記憶されている各データを、実行エリア273a0へシフトする(S1281)。即ち、停止図柄設定値メモリ273a1aに記憶されている停止図柄設定値、および、当たり時フラグ273a1bの設定状態を、それぞれ、停止図柄設定値メモリ273a0aおよび当たり時フラグ273a0bへシフトする。
次に、第2保留エリア273a2〜第4保留エリア273a4に記憶されている各データ(停止図柄設定値メモリに記憶されている停止図柄設定値、および、当たり時フラグの設定状態)を、エリア番号の1小さいエリアにおける該当領域へシフトする(S1282)。本実施形態では、S1282の処理を、保留球格納エリア順送り処理(図15参照)と同様、データの有無に関わらず、第2保留エリア273a2〜第4保留エリア273a4の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするものとする。よって、データのシフトに伴い、第4保留エリアに記憶されているデータはクリアする。
また、S1282の処理を、第2保留エリア273a2〜第4保留エリア273a4のうち、データが記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行うように構成してもよい。かかる場合には、第2保留エリア273a2〜第4保留エリア273a4のうち、データが記憶(保留)されている保留エリアのうち、エリア番号が最も大きい保留エリアに記憶されているデータはデータのシフトに伴いクリアする。
次に、連続演出フラグ273dがオンに設定されているか否かを判別する(S1283)。このとき、連続演出フラグ273dがオンに設定されていれば(S1283:Yes)、連続演出カウンタ273eの値を1減算し(S1284)、S1285へ移行する。一方、連続演出フラグ273dがオフに設定されていれば(S1283:No)、S1284の処理をスキップして、S1285へ移行する。
S1285では、第3図柄の停止表示(停止図柄)を設定する停止図柄設定処理を実行する(S1285)。停止図柄設定処理(S1285)の実行後、保留情報格納エリア順送り処理を終了する。
ここで、図29を参照して、停止図柄設定処理(S1285)について説明する。図29は、保留情報格納エリア順送り処理(図28参照)の中で実行される停止図柄設定処理(S1285)を示すフローチャートである。
この停止図柄設定処理では、まず、実行エリア273a0の停止図柄設定値メモリ273a0aに記憶されている停止図柄設定値に応じた停止図柄データをキャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の停止図柄データ記憶エリア276bに記憶する(S1301)。
S1301の処理後、連続演出待機フラグ273fがオンに設定されているか否かを判別し(S1302)、連続演出待機フラグ273fがオンに設定されていれば(S1302:Yes)、連続演出待機フラグ273fをオフに設定して(S1314)、停止図柄設定処理を終了する。
一方、S1302による判別の結果、連続演出待機フラグ273fがオフに設定されている場合に(S1302:No)、連続演出フラグ273dがオンに設定されているか否かを判別する(S1303)。
S1303による判別の結果、連続演出フラグ273dがオフに設定されている場合には(S1303:No)、チャンス目連続演出の実行中ではないので、停止図柄設定処理を終了する。
一方、S1303による判別の結果、連続演出フラグ273dがオンに設定されている場合には(S1303:Yes)、連続演出カウンタ273eの値が0より大きいか否かを判別する(S1304)。
S1304による判別の結果、連続演出カウンタ273eの値が0である場合には(S1303:No)、S1301の処理により、チャンス目連続演出により示唆(報知)されていた先読み抽選の抽選結果に応じた第3図柄の停止表示の停止図柄データが設定されたことになるので、連続演出フラグ273dをオフに設定し(S1305)、S1306へ移行する。
その一方で、S1305による判別の結果、連続演出カウンタ273eの値が0である場合には(S1303:No)、今回の第3図柄の停止表示ではチャンス目連続演出は終了しないので、S1305の処理をスキップして、S1306へ移行する。
S1306では、図柄停止時演出抽選カウンタ273hの値を取得する(S1306)。S1306の処理により取得した図柄停止時演出抽選カウンタ273hの値に基づき、図柄停止時通常演出を実行するか否かを判定する(S1307)。
S1306の処理により取得した図柄停止時演出抽選カウンタ273hの値が、図柄停止時通常演出を実行する値として予め規定されている値であれば、S1307において、図柄停止時通常演出を実行すると判定される。ここで、図柄停止時通常演出を実行しないと判定された場合には(S1307:No)、停止図柄設定処理を終了する。
一方で、図柄停止時通常演出を実行すると判定された場合には(S1307:Yes)、図柄停止時通常演出の演出データとして、0.4秒の泡演出データをキャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の図柄停止時演出データ記憶エリア276cに記憶する(S1308)。
S1308の処理後、連続演出カウンタ273eの値が2より大きいか否かを判別する(S1309)。S1309による判別の結果、連続演出カウンタ273eの値が2以下であれば(S1309:No)、実行エリア273a0の当たり時フラグ273a0bがオンに設定されているか否かを判別する(S1310)。
S1310による判別の結果、実行エリア273a0の当たり時フラグ273a0bがオンに設定されている場合には(S1310:Yes)、図柄停止時特別演出を設定可能であるので、図柄停止時特別抽選カウンタ273iの値を取得する(S1311)。S1311の処理により取得した図柄停止時特別抽選カウンタ273iの値に基づき、図柄停止時特別演出を実行するか否かを判定する(S1312)。
S1311の処理により取得した図柄停止時特別抽選カウンタ273iの値が、図柄停止時特別演出を実行する値として予め規定されている値であれば、S1312において、図柄停止時特別演出を実行すると判定される。図柄停止時特別演出を実行すると判定された場合には(S1312:Yes)、S1308の処理により設定された図柄停止時通常演出に続く図柄停止時特別演出の演出データとして、0.4秒のクラゲ登場演出データをキャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の図柄停止時演出データ記憶エリア276cに記憶する(S1313)。S1313の処理後、停止図柄設定処理を終了する。
一方、S1309による判別の結果、連続演出カウンタ273eの値が2より大きい(即ち3以上)である場合(S1309:Yes)、又は、S1310による判別の結果、実行エリア273a0の当たり時フラグ273a0bがオフに設定されている場合には(S1310:No)、図柄停止時特別演出を設定できない状況であるので、停止図柄設定処理を終了する。また、S1313において、図柄停止時特別演出を実行しないと判定された場合もまた(S1313:No)、停止図柄設定処理を終了する。
次に、図30を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行されるコマンド受信割込処理について説明する。図30は、コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信するための処理であり、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信する毎に実行される割込処理である。
コマンド受信割込処理では、まず、入賞時保留数コマンドを受信したか否かを判別する(S1401)。このとき、入賞時保留数コマンドを受信していない場合には(S1401:No)、S1402へ移行する。
一方、入賞時保留数コマンドを受信した場合には(S1401:Yes)、受信した入賞時保留球コマンドの下位バイトが示す特図保留球数Nの値を保留球カウンタ273bに設定し(S1407)、受信した入賞時保留球コマンドの上位バイトに基づいてチャンス目連続演出の設定を行うチャンス目連続演出設定処理を実行し(S1408)、S1402へ移行する。なお、チャンス目連続演出設定処理(S1408)において実行される詳細な処理は、図31を参照しつつ後述する。
S1402では、変動開始時保留数コマンドを受信したか否かを判別する(S1402)。S1402による判別の結果、変動開始時保留数コマンドを受信していない場合には(S1402:No)、S1403へ移行する。
一方、S1402による判別の結果、変動開始時保留数コマンドを受信した場合には(S1402:Yes)、受信した変動開始時保留球コマンドの下位バイトが示す特図保留球数Nの値を保留球カウンタ273bに設定し(S1409)、S1403へ移行する。
S1403では、変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1403)。S1403による判別の結果、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1403:No)、S1404へ移行する。
一方、S1403による判別の結果、変動パターンコマンドを受信した場合には(S1403:Yes)、受信した変動パターンコマンドが示す変動パターンの変動時間をRAM203内に設けられている変動時間メモリ(図示せず)に記憶する(S1410)。
S1410の処理後、受信した変動パターンコマンドと、RAM203内に設けられている演出パターン設定用のカウンタ(図示せず)の値とに基づき演出パターンの設定を行う(S1411)。その後、S1404へ移行する。
S1404では、変動時間加算コマンドを受信したか否かを判別する(S1404)。S1404による判別の結果、変動時間加算コマンドを受信していない場合には(S1404:No)、S1405へ移行する。
一方、S1404による判別の結果、変動時間加算コマンドを受信した場合には(S1404:Yes)、受信した変動時間加算コマンドが示す加算値(演出時間の加算値)を、変動時間メモリに記憶されている値に加算する(S1412)。S1412の処理後、演出時間の加減算値に応じた予告演出(例えば、スベリ演出や戻り演出など)を決定し(S1413)、S1405へ移行する。
S1405では、種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1405)。S1405による判別の結果、種別コマンドを受信した場合には(S1405:Yes)、変動時間メモリに記憶されている値と、S1410の処理により決定された演出パターンと、受信した種別コマンドの内容に応じた変動演出データをキャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の変動演出データ記憶エリア276aに記憶する(S1414)。S1414の処理後、RAM203内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)をオンし(S1415)、コマンド受信割込処理を終了する。
なお、本実施形態では、種別コマンドが2R潜伏確変当たりを示すものである場合にS1414においてキャラクタROM275から選定され得る変動演出データと、種別コマンドが小当たりを示すものである場合にS1414においてキャラクタROM275から選定され得る変動演出データとが共通とされている。よって、遊技者は、第3図柄の変動演出を見るだけでは、大当たり抽選の抽選結果が、2R潜伏確変当たりであったか、小当たりであったかを区別することができない。
一方、S1405による判別の結果、種別コマンドを受信していない場合には(S1405:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1406)、コマンド受信割込処理を終了する。なお、その他のコマンドの応じた処理(S1405)としては、例えば、主制御装置110からエラーコマンドを受信した場合に、電飾部29〜33や表示ランプ34を用いてエラーの報知を行うこと、等がある。
次に、図31を参照して、上述したチャンス目連続演出設定処理(S1408)について説明する。図31は、コマンド受信割込処理(図30参照)の中で実行されるチャンス目連続演出設定処理(S1408)を示すフローチャートである。
このチャンス目連続演出設定処理では、まず、第1保留エリア273a1〜第4保留エリア273a4のうち、保留球カウンタ273bの値が示すエリア番号の保留エリアの停止図柄設定値メモリ273ana(nは、保留球カウンタ273bの値が示すエリア番号)に、受信した入賞時保留数コマンドの上位バイトに応じた値を設定する(S1521)。具体的に、入賞時保留数コマンドの上位バイトの下位3ビットで表される先読み抽選による抽選結果(16R通常当たり、16R確変当たり、5R確変当たり、2R潜伏確変当たり、小当たり、通常外れ)に応じた値が停止図柄設定値として設定される。
S1521の処理後、連続演出フラグ273dがオンに設定されているか否かを判別する(S1522)。S1522による判別の結果、連続演出フラグ273dがオンに設定されている場合には(S1522:Yes)、チャンス目連続演出の実行中であるので、チャンス目連続演出設定処理を終了する。
一方、S1522による判別の結果、連続演出フラグ273dがオフに設定されている場合には(S1522:No)、保留球カウンタ273bの値が1より大きいか否かを判別する(S1523)。このとき、保留球カウンタ273bの値が1以下であれば(S1523:No)、チャンス目連続演出の実行条件が満たされていないので、チャンス目連続演出設定処理を終了する。
S1522による判別の結果、保留球カウンタ273bの値が1より大きい、即ち、2以上であれば(S1523:Yes)、受信した入賞時保留数コマンドの上位バイトが「64H」であるか否かを判別する(S1524)。
S1524による判別の結果、受信コマンドの上位バイトが「64H」であれば(S1524:Yes)、先読み抽選による抽選結果が5R確変当たりであるので、保留球カウンタ273bの値が示すエリア番号の保留エリアより前の(即ち、保留球カウンタ273bの値が示すエリア番号より小さい)エリア番号の保留エリアにおける当たり時フラグ273anb(nは、保留球カウンタ273bの値が示すエリア番号より小さいエリア番号)をオンに設定する(S1525)。S1525の処理後、S1526へ移行する。
一方、S1524による判別の結果、受信した入賞時保留数コマンドの上位バイトが「64H」でなければ(S1524:No)、その上位バイトが「60H」であるか否かを判別する(S1531)。
S1531による判別の結果、受信コマンドの上位バイトが「60H」であれば(S1531:Yes)、先読み抽選による抽選結果が通常外れであるので、連続演出実行抽選カウンタ273gの値を取得する(S1532)。S1532の処理により取得した連続演出実行カウンタ273gの値に基づき、チャンス目連続演出を実行するか否かを判定する(S1533)。
S1532の処理により取得した連続演出実行抽選カウンタ273gの値が、チャンス目連続演出を実行する値として予め規定されている値であれば、S1533において、チャンス目連続演出を実行すると判定される。チャンス目連続演出を実行すると判定された場合には(S1533:Yes)、S1526へ移行する。
S1526では、連続演出カウンタ273eに、保留球カウンタ273bの値を設定する(S1526)。S1526の処理後、連続演出フラグ273dをオンに設定する(S1527)。
次いで、保留球カウンタ273bの値が示すエリア番号の保留エリアより前の(即ち、保留球カウンタ273bの値が示すエリア番号より小さい)エリア番号の保留エリアにおける停止図柄設定値メモリ273ana(nは、保留球カウンタ273bの値が示すエリア番号より小さいエリア番号)の値を、チャンス目を示す値に変更する(S1528)。S1528の処理により、最新に受信した入賞時保留数コマンドに対応する始動入賞より前から保留されていた始動入賞に基づく第3図柄の変動表示が全てチャンス目とされる。
S1528の処理は、入賞時保留数コマンドが示す先読み抽選の結果が5R確変当たりであるか、通常外れである場合の所定確率(本実施形態では、1/150)で実行される。よって、遊技者は、第3図柄の停止表示としてチャンス目を認識すると、近いうちに5R確変当たりとなる可能性があることを期待する。
S1528の処理後、変動時間カウンタ273cの値が0より大きいか否かを判別し(S1529)、変動時間カウンタ273cの値が0より大きい場合には(S1529:Yes)、連続演出待機フラグ273fをオンに設定して(S1530)、チャンス目連続演出設定処理を終了する。一方、S1529による判別の結果、変動時間カウンタ273cの値が0である場合には(S1529:No)、1530の処理をスキップして、チャンス目連続演出設定処理を終了する。
一方、S1531による判別の結果、受信した入賞時保留数コマンドの上位バイトが「60H」でない場合(S1531:No)には、その入賞時保留数コマンドが示す先読み抽選の抽選結果はチャンス目連続演出とは無関係のものであるので、チャンス目連続演出設定処理を終了する。また、S1533において、チャンス目連続演出を実行しないと判定された場合もまた(S1533:No)、チャンス目連続演出設定処理を終了する。
以上説明した通り、第1実施形態のパチンコ機10によれば、図柄(第1図柄、第3図柄)の確定表示期間が各種の遊技の状況に応じた期間とされるので、遊技者は、図柄の停止表示の確定表示期間に基づいて遊技の状況を認識し得る。
特に、図柄の停止表示の確定表示期間はそもそも1秒以下の短い期間であるので、0.1秒程度の差であっても全体からするとその差は比較的大きな割合を占める。また、図柄の停止表示は、その表示態様によって大当たり抽選の結果を示されるので、遊技者が注視する傾向にあり、図柄の停止表示の確定表示期間のわずかな差異を遊技者に認識させることは十分に可能である。しかしながら、図柄の停止表示の確定表示期間を遊技者が認識できるか否かは、遊技者の技量にも依存するので、その差異を認識できた遊技者に、自分には分かるという優越感を持たせることができる。
また、図柄の停止表示の確定表示期間が遊技の状況に応じて変化するので、図柄の変動表示の間隔が可変となり、それによって、保留されていた図柄の変動表示が消化されていく際に、遊技者が単調な感じを受け難くなる。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、主制御装置110が第1図柄の停止表示の確定表示期間を設定し、図柄の変動表示が保留されている場合における変動パターンコマンドの出力間隔を確定表示期間とすることにより、演出制御装置117において、確定表示期間を設定することなく、第3図柄の停止表示の確定表示期間が制御される。よって、変動パターンコマンドに図柄の停止表示の確定表示期間の情報を含める必要がないので、変動パターンコマンドの数を増やすことなく、第3図柄の停止表示の確定表示期間を遊技の状況に応じた種々の時間に変更することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、図柄の停止表示の確定表示期間を利用して、先読み抽選による抽選結果を示唆する演出を実行する。遊技者は、図柄の変動表示が自身に利益をもたらす表示態様の停止表示となるか否かに興味があるので、図柄の変動表示中には、刻々と変化する図柄の表示態様を注視する傾向にある。そのため、図柄の変動表示中に先読み抽選による抽選結果を示唆する視覚的な演出を現出させた場合には、刻々と変化する図柄の表示態様の視認性が阻害され、遊技者が図柄の表示態様を認識し難くなって苛立ちを覚え遊技の興趣を低下させるおそれがある。これに対し、図柄の停止表示の確定表示期間中には、当該図柄の停止表示の表示態様がもはや変更されることはないので、上述した通り、図柄の停止表示の確定表示期間を利用して、先読み抽選による抽選結果を示唆する演出を現出させたとしても、遊技者は図柄の停止表示の表示態様を十分に認識することができる。よって、先読み抽選による抽選結果を示唆する演出を、遊技者に大当たりの発生を期待させるものとして有効に機能させることができる。
また、図柄の変動表示の実行期間を変更することなく先読み抽選による抽選結果を示唆する演出を提供できるので、図柄の変動表示の実行期間がより一層複雑になることにより、図柄の変動表示の制御が複雑化されることを防止できる。また、図柄の停止表示の確定表示期間は変動表示の実行期間に比べてかなり短いので、図柄の変動表示の実行期間中に比べて少ないデータ量で、かかる示唆演出を実行できる。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、先読み抽選による抽選結果が5R確変当たりであったことに基づいて実行されたものであり、かつ、変動開始時における先読み対象に到達するまでの保留球数が2以下である場合の確定表示期間が、その他の場合の確定表示期間より長い期間(0.8秒)設定されているので、かかる停止表示期間中に行う演出に多様性を持たせることができる。具体的に、かかる0.8秒の確定表示期間において、その他の場合にも表示される図柄停止時通常演出の後に、当該確定表示期間においてのみ表示される特別な演出(図柄停止時特別演出)が実行される。このように、確定表示期間より長くなったことにより、停止表示期間中に行う演出が多様化され、遊技者の期待感を煽る発展型の演出を実行することが可能となる。
図柄停止時特別演出は、先読み抽選による抽選結果が5R確変当たりであった場合にのみ実行され、先読み抽選による抽選結果が通常外れであった場合には実行されないので、かかる図柄停止時特別演出を視認した遊技者には、近いうちに5R確変当たりが生じることを強く期待させることができる。その上、図柄停止時特別演出は、先読み抽選による抽選結果が5R確変当たりであった場合であっても、所定確率でしか実行されないので、余計に視認したときの期待感を高めることができ、遊技を続けたいと強く思わせることができる。
次に、図33から図35を参照して、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドの間隔によって、演出制御装置117において確定表示期間の設定を行うことなく、第3図柄の停止表示の確定表示期間を制御するものであった。
これに対し、第2実施形態では、演出制御装置117が、主制御装置110から受信したコマンドに基づいて遊技の状況を判別し、第3図柄の停止表示の確定表示期間の設定を行う。なお、第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図32は、第2実施形態のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。この第2実施形態のパチンコ機10は、演出制御装置117のRAM273の一部構成が上述した第1実施形態と異なっている。
具体的に、図32に示すように、第2実施形態のパチンコ機10における演出制御装置117のRAM273は、保留情報格納エリア273aと、保留球カウンタ273bと、変動時間カウンタ273cと、連続演出フラグ273dと、連続演出カウンタ273eと、連続演出待機フラグ273fと、連続演出実行抽選カウンタ273gと、図柄停止時演出抽選カウンタ273hと、図柄停止時特別抽選カウンタ273iと、図柄停止時間カウンタ273kと、図柄停止時間メモリ273lとを有している。
即ち、第2実施形態のパチンコ機10は、第1実施形態において設けられていた図柄停止中フラグ273jを有しておらず、第1実施形態において設けられていない図柄停止時間カウンタ273kと、図柄停止時間メモリ273lとを有している。
図柄停止時間カウンタ273kは、初期値設定後に刻々と減算されていた変動時間カウンタ273cの値がゼロになり、第3図柄の停止表示を開始する際に、第3図柄の停止表示の確定表示期間を示す値が初期値として設定される。なお、第3図柄の停止表示の確定表示期間を示す値は、後述する図柄停止時間メモリ273lに記憶されている値であり、初期値を設定する際には、図柄停止時間メモリ273lに記憶されている値が用いられる。初期値が設定された後、表示演出処理(図35参照)の実行間隔である20ms毎に、図柄停止時間カウンタ273kの値は1ずつ減算される。これにより、初期値が設定されてから、図柄停止時間カウンタ273kが、第3図柄の停止表示の確定表示期間となる。
図柄停止時間メモリ273lは、図柄停止時間カウンタ273kに設定すべき第3図柄の停止表示の確定表示期間を記憶するためのメモリである。図柄停止時間メモリ273lには、主制御装置110から種別コマンドを受信したことに基づき実行されるコマンド受信割込処理(図33参照)の中で、種別コマンドが示す図柄の停止表示の表示態様や、チャンス目連続演出の実行状態を示す各フラグの設定状態や、保留球カウンタ273bの値などが示す遊技の状態に応じて決定された第3図柄の停止表示の確定表示期間を示す値が、上書きによって記憶される。
次に、図33を参照して、第2実施形態のパチンコ機10のMPU271(演出制御装置117のMPU)により実行されるコマンド受信割込処理について説明する。図33は、第2実施形態のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。
第2実施形態のコマンド受信割込処理は、第1実施形態のコマンド受信割込処理(図30参照)と同様、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信するための処理であり、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信する毎に実行される割込処理である。
第2実施形態のコマンド受信割込処理は、種別コマンドを受信した場合に(S1405:Yes)、S1414の処理とS1415の処理と間において、第1実施形態のコマンド受信割込処理では行わなかった図柄停止時間設定処理を実行する(S1416)。
ここで、図34を参照して、上述した図柄停止時間設定処理(S1416)について説明する。図34は、第2実施形態のコマンド受信割込処理(図33参照)の中で実行される図柄停止時間設定処理(S1416)を示すフローチャートである。
図柄停止時間設定処理(S1416)は、遊技の状況に応じた第3図柄の確定表示期間を設定する処理であり、まず、連続演出フラグ273dがオンに設定されているか否か、即ち、チャンス目連続演出が実行中であるか否かを判別する(S1501)。
S1501による判別の結果、連続演出フラグ273dがオフに設定されている場合には(S1501:No)、保留球カウンタ273bの値(即ち、特図保留球数N)を判別する(S1502)。
S1502による判別の結果、保留球カウンタ273bの値が「0,1,2」のいずれか、即ち、変動開始時の特図保留球数Nが「0,1,2」のいずれかである場合には(S1502:0,1,2)、受信した種別コマンドが2R潜伏確変当たりを示すものであるか否かを判別する(S1503)。
S1503による判別の結果、受信した種別コマンドが2R潜伏確変当たりを示すものであれば(S1503:Yes)、図柄停止時間メモリ273lに、20ms毎に更新されるカウンタでの0.6秒に相当する30を設定し(S1504)、図柄停止時間設定処理を終了する。
一方、S1503による判別の結果、受信した種別コマンドが2R潜伏確変当たりを示すものでなければ(S1503:No)、16R確変当たり又は5R確変当たりを示すものであるか否かを判別する(S1508)。
S1508による判別の結果、受信した種別コマンドが16R確変当たり又は5R確変当たりを示すものであれば(S1508:Yes)、図柄停止時間メモリ273lに、20ms毎に更新されるカウンタでの0.4秒に相当する20を設定し(S1509)、図柄停止時間設定処理を終了する。
また、S1508による判別の結果、受信した種別コマンドが、16R確変当たりを示すものでも、5R確変当たりを示すものでもない場合には(S1508:No)、種別コマンドが示す図柄の停止表示の表示態様が、16R確変当たりであるか、通常外れであるか、小当たりであるかにかかわらず、20ms毎に更新されるカウンタでの0.5秒に相当する25を図柄停止時間メモリ273lに設定し(S1510)、図柄停止時間設定処理を終了する。
一方で、S1502による判別の結果、保留球カウンタ273bの値が「3」又は「4」のいずれか、即ち、変動開始時の特図保留球数Nが「3」又は「4」のいずれかである場合には(S1502:3,4)、受信した種別コマンドが16R確変当たり又は5R確変当たりを示すものであるか否かを判別する(S1511)。
S1511による判別の結果、受信した種別コマンドが16R確変当たり又は5R確変当たりを示すものであれば(S1511:Yes)、図柄停止時間メモリ273lに、20ms毎に更新されるカウンタでの0.4秒に相当する20を設定し(S1512)、図柄停止時間設定処理を終了する。
また、S1511による判別の結果、受信した種別コマンドが、16R確変当たりを示すものでも、5R確変当たりを示すものでもない場合には(S1511:No)、種別コマンドが示す図柄の停止表示の表示態様が、16R確変当たりであるか、2R潜伏確変当たりであるか、通常外れであるか、小当たりであるかにかかわらず、20ms毎に更新されるカウンタでの0.5秒に相当する25を図柄停止時間メモリ273lに設定し(S1510)、図柄停止時間設定処理を終了する。
一方、S1501による判別の結果、連続演出フラグ273dがオンに設定されている場合には(S1501:Yes)、連続演出待機フラグ273fがオンに設定されているか否かを判別する(S1505)。
S1505による判別の結果、連続演出待機フラグ273fがオンに設定されている場合には(S1505:Yes)、チャンス目連続演出は待機される(即ち、実行対象外である)ので、滞在中の遊技モードと変動開始時の特図保留球数Nとに応じた確定表示期間を設定するため、S1502の処理へ移行する。
また、S1505による判別の結果、連続演出待機フラグ273fがオフに設定されている場合には(S1505:No)、保留球カウンタ273bの値を判別する(S1506)。
S1506による判別の結果、連続演出カウンタ273eの値が「0」又は「4」のいずれかであれば(S1506:0,4)、かかる場合も、滞在中の遊技モードと変動開始時の特図保留球数Nとに応じた確定表示期間を設定するため、S1502の処理へ移行する。
なお、この図柄停止時間設定処理(S1416)は、変動開始フラグをオンに設定する処理(S1415)前に実行されるので、S1506において判別される連続演出カウンタ273eの値は、図柄の変動開始に伴う更新をする前の値である。そのため、連続演出カウンタ273eにおいて、連続演出カウンタ273eの値が「0」であると判別された場合には、次に実行される図柄の停止表示はチャンス目連続演出の実行対象外であることを示し、連続演出カウンタ273eの値が「4」であると判別された場合には、次に実行される変動表示の開始時における先読み対象に到達するまでの保留球数が「3」であることを示す。
一方、S1506による判別の結果、連続演出カウンタ273eの値が「1,2,3」のいずれか、即ち、次に実行される変動表示の開始時における先読み対象に到達するまでの保留球数が「0,1,2」のいずれかである場合には(S1506:1,2,3)、図柄停止時間メモリ273lに、20ms毎に更新されるカウンタでの0.8秒に相当する40を設定し(S1507)、図柄停止時間設定処理を終了する。
かかる図柄停止時間設定処理(S1416)の中で、図柄停止時間メモリ273lに確定表示期間として設定された値は、表示演出処理(図35参照)において図柄の停止表示を開始する際に、図柄停止時間カウンタ273kに初期値として設定され、第3図柄の停止表示が少なくとも確定表示期間に亘って維持されるよう制御(管理)される。
よって、第2実施形態のパチンコ機10は、主制御装置110において図柄停止時間設定処理(S408:図17参照)を実行することにより、第1図柄の停止表示の確定表示期間を制御する一方で、演出制御装置117において上述した図34の図柄停止時間設定処理(S1416)を実行することにより、第3図柄の停止表示の確定表示期間を制御する。
次に、図35を参照して、第2実施形態のパチンコ機10のMPU271(演出制御装置117のMPU)により実行される表示演出処理(S1105)について説明する。図35は、第2実施形態の表示演出処理(S1105)を示すフローチャートである。
図35に示す第2実施形態の表示演出処理は、演出制御装置117のメイン処理(図25参照)の中で、第1実施形態の表示演出処理(図27参照)に換えて実行される処理である。
第2実施形態の表示演出処理では、まず、大当たり遊技中であるか否かを判別し(S1261)、大当たり遊技中であれば(S1261:Yes)、大当たり演出処理を実行し(S1270)、表示演出処理を終了して、メイン処理(図25参照)へ戻る。一方、大当たり遊技中でなければ(S1261:No)、変動時間カウンタ273cの値に基づき、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示中であるか否かを判別する(S1262)。
このとき、変動表示中でない場合は(S1262:No)、図柄停止時間カウンタ273kの値が0(ゼロ)より大きいか否か、即ち、第3図柄の停止表示の確定表示期間中であるか否かを判別する(S2261)。
S2261による判別の結果、図柄停止時間カウンタ273kの値がゼロであれば(S2261:No)、RAM273内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)がオンに設定されているかを判定する(S1263)。S1263による判別の結果、変動開始フラグがオンに設定されている場合には(S1263:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1264)、RAM273内に設けられている変動時間メモリ(図示せず)に記憶されている値に基づき、変動時間カウンタ273cに初期値を設定する(S1265)。
S1265の処理後、保留情報格納エリア順送り処理を実行する(S1267:図28参照)。保留情報格納エリア順送り処理(S1267)の実行後、変動時間カウンタの値に基づき変動時間内であるか否かを判別する(S1268)。また、S1262による判別の結果、第3図柄の変動表示中であれば(S1262:Yes)、変動時間カウンタ273cの値から1減算して(S1271)、S1268の処理へ移行し、変動時間内であるか否かの判別を行う。S1268による判別の結果、変動時間内であれば(S1268:Yes)、図柄の変動表示を実行し(S1269)、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1268の処理による判定の結果、変動時間カウンタの値が0であり、変動時間の終了タイミングである場合には(S1268:No)、図柄停止時間カウンタ273kに図柄停止時間メモリ273lの値を初期値として設定する(S2264)。上述した通り、図柄停止時間メモリ273lには、遊技の状況に基づいて決まる第3図柄の停止表示の確定表示期間を示す値が記憶されている。よって、S2264の処理では、図柄停止時間カウンタ273kに、遊技の状況に基づく第3図柄の停止表示の確定表示期間を示す値が初期値として設定される。S2264の処理後は、停止表示処理を行い(S1277)、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
また、S2261による判別の結果、図柄停止時間カウンタ273kの値がゼロでなければ(S2261:Yes)、第3図柄の停止表示の確定表示期間中である。よって、かかる場合には、図柄停止時間カウンタ273kから1減算し(S2261)、図柄停止時間カウンタ273kの値が0ゼロより大きいか否かを再び判別する(S2262)。
S2262による判別の結果、変動時間カウンタ273kの値がゼロでない場合には(S262:Yes)、第3図柄の停止表示の確定表示期間中であるので、停止図柄時演出処理を実行した後(S1276)、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S2262による判別の結果、変動時間カウンタ273kの値がゼロであれば(S262:No)、S1263へ移行し、変動開始フラグ(図示せず)がオンに設定されているかを判定する(S1263)。
S1263による判別の結果、変動開始フラグがオフに設定されている場合には(S1263:No)、客待ち演出管理タイマ(図示せず)の値に基づき、第3図柄の停止表示が開始されてから所定時間(例えば、1分)が経過したか否かを判別する(S1275)。
S1275による判別の結果、第3図柄の停止表示が開始されてから所定時間が経過した場合には(S1275:Yes)、客待ち演出を開始するタイミングであるので、各表示処理(S1274)へ移行して、客待ち演出を第3図柄表示装置81に表示させる。
一方、S1275による判別の結果、第3図柄の停止表示が開始されてから所定時間が経過していなければ(S1275:No)、第3図柄の停止表示又は客待ち演出を継続するために、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
以上説明した通り、第2実施形態のパチンコ機10によれば、演出制御装置117が、主制御装置110から受信したコマンドに基づいて遊技の状況を判別し、第3図柄の停止表示の確定表示期間の設定を行い、第3図柄の停止表示の確定表示期間を制御する。このように、種別コマンドという従来から存在するコマンドを利用するので、コマンドの数を増やすことなく、第3図柄の停止表示の確定表示期間を遊技の状況に応じた種々の時間に変更することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態では、チャンス目連続演出設定処理において、主制御装置110から受信した入賞時保留数コマンドに基づき、チャンス目連続演出の実行を決定した際に、図柄の変動表示が実行中であれば、その実行中の変動表示の終了後の第3図柄の停止表示をチャンス目連続演出の対象から外す(即ち、チャンス目連続演出の実行を待機する)構成としたが、図柄の変動表示の実行中であっても、その変動表示の終了に伴って停止表示される第3図柄の表示態様をチャンス目に変更可能なタイミング(例えば、第3図柄の変動表示が高速変動している間)であれば、実行中の変動表示の終了後の第3図柄の停止表示をチャンス目連続演出の対象とする構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、近いうちに大当たりとなる可能性があることを示唆又は報知する先読み連続演出として、第3図柄の停止表示の表示態様を特定の態様(チャンス目)とするチャンス目連続演出を例示したが、先読み抽選を実行する契機となった始動入賞より前に保留されていた始動入賞に基づく1又は複数回の図柄の変動表示を用いて、近いうちに大当たりとなる可能性があることを示唆又は報知する先読み連続演出を行うように構成してもよい。
なお、先読み抽選を実行する契機となった始動入賞より前に保留されていた始動入賞に基づく1又は複数回の図柄の変動表示を用いて先読み連続演出を行う場合には、先読み連続演出の実行を決定した際に実行中の図柄の変動表示を変更することが困難又は不可能であるので、通常、先読み連続演出の実行を決定した際に実行中の図柄の変動表示は先読み演出の対象から外される。これに対し、上記実施形態において例示したチャンス目連続演出のように、第3図柄の停止表示を利用した先読み演出は、チャンス目連続演出の実行を決定した際に第3図柄の停止表示の表示態様を変更可能であれば、先読み演出の対象の対象とすることが可能であるので、近いうちに大当たりとなる可能性があることを示唆又は報知する機会を増やすことができる。
また、上記各実施形態では、特図保留球数Nが1以上である場合に生じた始動入賞であることを、チャンス目連続演出を実行するための必須の条件としたが、特図保留球数Nが0のときに図柄の変動表示中に生じた始動入賞であっても、先読み連続演出を実行するための条件が成立した場合に先読み連続演出を実行するように構成してもよい。例えば、特図保留球数Nが0のときに図柄の変動表示中に生じた始動入賞に基づく先読み抽選により5R確変当たりが選ばれ、かつ、第3図柄の表示態様をチャンス目に変更可能なタイミングであれば、実行中の変動表示の終了後の第3図柄の停止表示をチャンス目連続演出の対象とする構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、チャンス目連続演出の実行中に、チャンス目連続演出を実行する条件が新たに成立した場合には、その成立を無視する構成としたが、チャンス目連続演出の実行中に、チャンス目連続演出を実行する条件が新たに成立した場合には、実行中のチャンス目連続演出の終了後、続けて、当該新たに成立した条件に基づくチャンス目連続演出が実行される構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、演出制御装置117が連続演出実行抽選カウンタ273gを有し、先読み抽選の抽選結果が通常外れである場合にチャンス目連続演出を実行するか否かを演出制御装置117において行うように構成したが、連続演出実行抽選カウンタ273gと同様の連続演出実行抽選カウンタを主制御装置110に設け、先読み抽選の抽選結果が通常外れである場合にチャンス目連続演出を実行するか否かを主制御装置110の連続演出実行抽選カウンタにより決定する構成としてもよい。かかる場合には、例えば、入賞時保留数コマンドを、先読み抽選の抽選結果でなく、チャンス目連続演出を実行するか否かに関する情報を含むコマンドとしたり、チャンス目連続演出を実行することを示す専用のコマンドを設けるようにすればよい。
また、上記各実施形態では、泡演出データによる図柄停止時通常演出の実行期間を、設定され得る確定表示期間のうち、最も短い期間(高確率モードのときの確定表示期間)に等しい0.4秒とし、図柄停止時通常演出が確定表示期間内に収まるように構成したが、図柄停止時通常演出の演出期間が、確定演出期間より長く、次の図柄の変動表示に跨る構成としてもよい。同様に、図柄停止時通常演出に続いて図柄停止時特別演出が実行される場合も、図柄停止時通常演出又は図柄停止時特別演出が、次の図柄の変動表示に跨る構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、図柄停止時通常演出が終了した後に、図柄停止時特別演出を実行する構成としたが、図柄停止時通常演出と図柄停止時特別演出とが一部重なって表示される構成としてもよい。例えば、泡が発生して立ち昇っていく演出が終了する間際に、クラゲが登場する演出を開始させてもよい。
また、上記各実施形態では、先読み抽選による抽選結果が5R確変当たりであったことに基づいて実行されたチャンス目連続演出において、変動開始時における先読み対象に到達するまでの保留球数が2以下になった場合に、確定表示時間が0.8秒とされ、当該保留球数が0,1,2のいずれであっても、同じ図柄停止時演出(図柄停止時通常演出および図柄停止時特別演出)が実行される構成としたが、確定表示時間が同じ0.8秒であっても、当該保留球数に応じて異なる図柄停止時演出が実行される構成としてもよい。例えば、当該保留球数が2である場合には、図柄停止時特別演出として単にクラゲが登場する演出が行われ、当該保留球数が減って先読み対象に近くなると、クラゲが登場するだけでなく登場したクラゲが光るなどの図柄停止時特別演出が実行されるように構成してもよい。かかるように構成することにより、遊技者が近いうちに大当たりとなることを確信し易く、遊技者の期待感を煽ることができる。
また、上記各実施形態では、先読み抽選による抽選結果が5R確変当たりであったことに基づいて実行されたチャンス目連続演出において、変動開始時における先読み対象に到達するまでの保留球数が2以下になった場合に、確定表示時間が0.8秒とする構成としたが、変動開始時における先読み対象に到達するまでの保留球数が2以下になった場合に、抽選によって確定表示時間を0.8秒とするか否かを決める構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、第1入球口64への入賞(始動入賞)に基づく先読み抽選の結果に応じて実行されるチャンス目連続演出の実行期間内において確定表示期間が0.8秒に設定される構成としたが、第1入球口64への入賞に基づく先読み抽選によって所定の結果(例えば、上記各実施形態と同様に5R確変当たり、等)が選ばれた場合に、当該始動入賞を契機として、所定の条件が成立するまで無期限に、当該始動入賞以降に行われる第3図柄の停止表示に対する確定表示期間を基準期間と異なる期間に設定する構成としてもよい。なお、基準期間と異なる確定表示期間としては、1の期間に限らず、複数の期間が混在していてもよい。
なお、確定表示期間を基準期間と異なる期間に設定する契機を、第1入球口64への入賞に基づく先読み抽選によって所定の結果が得られた場合としたが、この所定の結果としては、5R確変当たりのような大当たりであることに限らず、小当たりなどの外れとしてもよい。
また、かかる場合には、始動入賞に基づく先読み抽選によって所定の結果が選ばれた後の確定表示期間を全て基準期間と異なる期間とすることに限らず、第3図柄の停止表示が行われるときの特図保留数Nの数や、第3図柄の停止表示が行われる毎に実行する抽選などに応じて、基準期間と、該基準期間とは異なる期間とを組み合わせるようにしてもよい。
また、始動入賞に基づく先読み抽選によって所定の結果が選ばれた後に第3図柄の停止表示に対する確定表示期間を基準期間と異なるようにする期間を終了するための条件としては、例えば、その後の先読み抽選によって所定の抽選結果(例えば、16R通常当たりなど)が選ばれた場合や、その後の先読み抽選によって所定の抽選結果(例えば、16R確変当たりなど)が連続して選ばれた場合や、遊技領域内の所定箇所を通過(又は入球)した場合などを適用できる。また、始動入賞に基づく先読み抽選によって確定表示期間を基準期間とは異なる期間とする所定の結果が選ばれた後、所定回数の変動表示の実行を終了条件とし、状況に応じて終了条件とする変動表示の実行回数を増減するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、変動開始時における特図保留球数Nや変動開始時における先読み対象に到達するまでの保留球数に応じて確定表示期間を変える場合には、特図保留球数Nや当該保留球数を2区分に分割して、各区分に対して確定表示期間が異なるように構成したが、この区分は2区分に限らず、3区分以上であってもよい。
また、上記各実施形態では、始動入賞するための入賞口として第1入球口64のみが設けられているパチンコ機10を例示したが、始動入賞するための入賞口が2つ以上設けられているパチンコ機を用いてもよい。
始動入賞するための入賞口が2つ以上設けられているパチンコ機を用いる場合には、入賞口毎に始動入賞が区別されることなく保留される場合(例えば、第1の入賞口であるか第2の入賞口であるかにかかわらず、最大8回分の始動入賞の保留が可能とされている場合)には、全体として保留可能な保留数を2区分以上に区分して、各区分に対して確定表示期間が異なるように構成してよい。
また、始動入賞するための入賞口が2つ以上設けられているパチンコ機を用いる場合には、入賞口毎に始動入賞が区別されて保留される場合(例えば、第1の入賞口に対して最大4回分の始動入賞の保留が可能であり、第2の入賞口に対し、第1の入賞口とは別に最大4回分の始動入賞の保留か可能とされている場合)には、入賞口の違いに応じて確定表示期間が異なるように構成してよい。かかる場合には、図柄の停止表示の確定表示期間の違いにより、いずれの入賞口への始動入賞であるかを区別させることが可能となる。第1の入賞口への入賞と第2の入賞口への入賞とで、遊技者が受ける有利度に差がある場合(例えば、大当たり確率が異なる、大当たり抽選により選ばれ得る大当たり種別が異なる、など)には、図柄の停止表示の確定表示期間の違いにより、それらの区別も可能となる。
また、上記各実施形態では、遊技モードやチャンス目連続演出を考慮して、図柄の停止表示の確定表示期間を設定する構成としたが、特図保留球数Nのみに応じて図柄の停止表示の確定表示期間を設定する構成としてもよい。
例えば、変動開始時の特図保留球数Nが3以上である場合と、変動開始時の特図保留球数Nが2以下である場合とで、確定表示期間を異ならせるように構成してもよい。これにより、特図保留球数Nが3以上であるか、2以下であるかを、確定表示期間の違いによって遊技者に判別させることが可能である。よって、確定表示期間の違いから特図保留球数Nを判別できる遊技者には、特図保留球数Nを報知する特図保留ランプ85等の装置を確認しなくても特図保留球数Nを把握させることができ、第3図柄表示装置81の表示内容(図柄の変動表示や停止表示)を見ることに集中させることができる。その結果、かかる遊技者は、図柄の変動表示(変動演出)を十分に楽しむことができると共に、自身に有利な表示を見逃すことも防止できる。
特図保留球数Nに応じて図柄の停止表示の確定表示期間を設定する場合、特図保留球数Nが所定数より多い場合における確定表示期間を、当該所定数より少ない場合に比べて、短い期間とすることにより、特図保留球数Nが所定数より多い場合に、図柄の停止表示を挟んで連続する変動表示の開始間隔が短くなり、それにより、保留の消化速度が速くなったと遊技者に感じさせることができる。
特図保留球数Nが上限値(上記実施形態では、4)に近くなると、遊技者は、特図保留球数Nが上限値の状態で始動入賞(始動条件が成立)して当該始動入賞が無駄になることがないよう、特図保留球数Nがある程度増えると、その保留が消化されるまで、遊技球を発射するための操作ハンドル51から手を離す等により遊技の進行を意図的に中断する傾向がある。遊技の進行が中断されてしまうと、ホール側にとっては遊技機の稼働率が下がって不利益が生じ、遊技者側にとっては遊技が中断されたことにより遊技の興趣が低減してしまうことがある。しかし、特図保留球数Nが所定数より多い場合における確定表示期間を、当該所定数より少ない場合に比べて、短い期間とし、それにより、遊技者が保留の消化速度が速くなったと感じたことにより、操作ハンドル51から手を離す等の行為が抑制されるので、遊技機の稼働率が下がってホールが不利益を被ることを抑制できると共に、遊技の中断により遊技者にとっての遊技の興趣が低減してしまうことを抑制できる。
また、特図保留球数Nに応じて図柄の停止表示の確定表示期間を設定する場合、特図保留球数Nが所定数以下である場合における確定表示期間を、当該所定数を超える場合に比べて、長い期間とすることにより、特図保留球数Nが所定数以下である場合に、図柄の停止表示を挟んで連続する変動表示の開始間隔が長くなり、それにより、保留の消化速度が比較的ゆったりしたペースで行われていると遊技者に感じさせることができる。よって、操作ハンドル51から手を離す余裕を遊技者に与えることができ、操作ハンドル51から手を離した状態で遊技が進行する過程を遊技者に楽しませることができる。
また、上記第1実施形態では、演出制御装置117が変動パターンコマンドを受信する間隔(主制御装置110から変動パターンコマンドを出力する間隔)によって第3図柄の停止表示の確定表示期間を制御し、上記第2実施形態では、主制御装置110から出力される種別コマンドに基づいて第3図柄の停止表示の確定表示期間を設定する構成としたが、主制御装置110が確定表示期間を示す専用のコマンドを出力する構成としてもよい。また、変動パターンコマンドに第3図柄の停止表示の確定表示期間を示す情報が含まれる構成としてもよい。
また、上記第2実施形態では、主制御装置110から出力される種別コマンドに基づいて第3図柄の停止表示の確定表示期間を設定する構成としたが、入賞時保留数コマンドが示す先読み抽選の抽選結果に基づいて第3図柄の停止表示の確定表示期間を設定する構成としてもよい。かかる場合には、保留情報格納エリア273aの各保留エリア273a1〜273a4及び実行エリア273a0に、入賞時保留数コマンドが示す先読み抽選の結果を記憶するメモリ(先読み抽選結果メモリ)を設け、入賞時保留数コマンドを受信した場合に、その入賞時保留数コマンドが示す先読み抽選の抽選結果を記憶先の保留エリアの先読み抽選結果メモリに記憶し、実行エリア287a0の先読み抽選結果メモリに記憶されているデータに基づいて第3図柄の停止表示の確定表示期間を設定すればよい。
また、上記第2実施形態では、主制御装置110から出力される種別コマンドに基づいて第3図柄の停止表示の確定表示期間を設定する構成としたが、主制御装置110は遊技の状況が変化する毎に専用のコマンドを設定して演出制御装置117へ出力し、そのコマンドを受信した演出制御装置117が受信コマンドに基づいて第3図柄の停止表示の確定表示期間を設定する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、演出制御装置117が、変動時間カウンタ273cにより第3図柄の変動時間を計時することにより、第3図柄の変動表示の実行期間を管理する構成としたが、主制御装置110が、第1図柄の変動表示の終了タイミングで(例えば、変動処理(図14参照)のS315の実行後に、第3図柄の変動表示の終了を指示する停止コマンドを設定して演出制御装置117へ出力し、演出制御装置117は、その停止コマンドを受信したことに基づいて、第3図柄の変動表示を終了させる構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを1の制御装置(即ち、演出制御装置117)によって行う構成としたが、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを別々の制御装置により行う構成としてもよい。
例えば、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を主制御装置110に接続し、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を音声ランプ制御装置に接続して、各コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置に送信し、その音声ランプ制御装置から表示制御装置に表示の指示がなされるよう構成してもよい。あるいは、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を主制御装置110に接続し、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を表示制御装置に接続して、各コマンドを主制御装置110から表示制御装置に送信し、その表示制御装置から音声ランプ制御装置に、音声出力や各種ランプの点灯の制御指示がなされるよう構成してもよい。また、主制御装置110から表示制御装置に直接コマンドを送信するものとしてもよい。
また、上記各実施形態では、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。
また、上記各実施形態では、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を特図保留ランプ85の点灯状態により表す構成としたが、特図保留ランプ85を設けることなく、又は、特図保留ランプ85による特図保留球数Nの表示に加えて、特図保留球数Nを第3図柄表示装置81の一部に数字で表示したり、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)としたり、等により表示するようにしてもよい。また、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成してもよい。なお、その場合は、特図保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしてもよい。
また、上記各実施形態では、第2図柄表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより第2図柄の変動表示を行う構成としたが、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしてもよい。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、上記各実施形態では、第1図表示装置37に確変当たり(16R確変当たり、5R確変当たり、2R潜伏確変当たり)を示す停止表示が表示されると、大当たり抽選により大当たりが選ばれる確率が通常確率より高くなると共に、第2図柄の当たり確率が通常確率より高くなる状態(確変状態)が生じ、第1図表示装置37に通常当たり(16R通常当たり)を示す表示態様の停止表示が表示されると、大当たり抽選により大当たりが選ばれる確率も、第2図柄の当たり確率も通常確率のままである状態(通常状態)が生じる構成とした。
これらの確変状態と通常状態に加え、第1図表示装置37に所定の当たりを示す表示態様が表示された場合に、大当たり抽選により大当たりが選ばれる確率は通常確率のままであるが、第2図柄の当たり確率が通常確率より高くなる状態(時短状態)が生じる構成としてもよい。第1図表示装置37に通常当たりを示す表示態様が表示された場合に、時短状態が生じるように構成してもよい。
なお、確変状態や時短状態において、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物を開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしてもよい。
また、上記各実施形態では、確変当たりの後の生じた確変状態は、次に大当たり抽選が行われるまで継続する構成としたが、確変状態が生じてから、所定の変動回数(例えば、100変動回数)の間に亘って当該確変状態を維持する構成としてもよい。また、時短状態を設ける場合には、時短状態が生じてから、次に大当たり抽選が行われるまで当該時短状態を継続する構成としても、時短状態が生じてから、所定の変動回数(例えば、100変動回数)の間に亘って当該時短状態を維持する構成としてもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することを始動条件とし、かかる始動条件が成立した場合に図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機、および、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
識別情報を表示可能な表示手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、前記表示手段に識別情報の動的表示を行わせる動的表示制御手段と、その動的表示制御手段による識別情報の動的表示が終了した場合に、所定の態様で識別情報の停止表示を前記表示手段に行わせる停止表示制御手段とを備えた遊技機において、前記停止表示制御手段に識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間を遊技の状況に応じた期間に設定する停止期間設定手段を備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、始動条件の成立が検出手段により検出された場合には、その検出に基づき、動的表示制御手段による識別情報の動的表示が表示手段において行われる。その後、その識別情報の動的表示が終了すると、停止表示制御手段による識別情報の停止表示が表示手段において行われる。ここで、停止表示制御手段に識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間が、停止期間設定手段により、遊技の状況に応じた期間に設定されるように構成されているので、遊技の状況を識別情報の停止表示の確定表示期間によって認識可能にできる。
なお、上述した各実施形態において、遊技機A1の各構成として以下の構成が例示される。即ち、遊技機A1における表示手段としては、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81が例示され、遊技機A1における検出手段としては、第1入球口スイッチ208aが例示される。また、遊技機A1における動的表示制御手段としては、S307やS310などの第1図柄の変動表示を行うための各処理、又は、S1269などの第3図柄の変動表示を行うための各処理が例示される。また、遊技機A1における停止表示制御手段としては、S315などの第1図柄の停止表示を行うための各処理や、S1277などの第3図柄の停止表示を行うための各処理が例示される。また、遊技機A1における停止期間設定手段としては、主制御装置110において実行される図柄停止時間設定処理(図17参照)や、演出制御装置117において実行される図柄停止時間設定処理(図34参照)が例示される。
識別情報を表示可能な表示手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、前記表示手段に識別情報の動的表示を行わせる動的表示制御手段と、その動的表示制御手段による識別情報の動的表示が終了した場合に、所定の態様で識別情報の停止表示を前記表示手段に行わせる停止表示制御手段と、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに前記検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、その始動条件の成立に基づく前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行を保留する保留手段と、前記停止表示制御手段により前記識別情報の停止表示が行われた後に、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行が可能になると、前記保留手段により保留されていた動的表示を前記動的表示制御手段に実行させる保留解除手段とを備えた遊技機において、前記停止表示制御手段に識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間を遊技の状況に応じた期間に設定する停止期間設定手段を備えていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、始動条件の成立が検出手段により検出された場合には、その検出に基づき、動的表示制御手段による識別情報の動的表示が表示手段において行われる。その後、その識別情報の動的表示が終了すると、停止表示制御手段による識別情報の停止表示が表示手段において行われる。なお、動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに検出手段により始動条件の成立が検出された場合には、その始動条件の成立に基づく識別情報の動的表示の実行が保留手段によって保留される。そして、停止表示制御手段により識別情報の停止表示が行われた後に、動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行が可能になると、保留解除手段により、保留手段により保留されていた動的表示を動的表示制御手段に実行させる。
ここで、停止表示制御手段に識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間が、停止期間設定手段により、遊技の状況に応じた期間に設定されるように構成されているので、遊技の状況を識別情報の停止表示の確定表示期間によって認識可能にできる。
なお、上述した各実施形態において、遊技機A2の各構成として以下の構成が例示される。即ち、遊技機A2における表示手段としては、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81が例示され、遊技機A2における検出手段としては、第1入球口スイッチ208aが例示される。また、遊技機A2における動的表示制御手段としては、S307やS310などの第1図柄の変動表示を行うための各処理、又は、S1269などの第3図柄の変動表示を行うための各処理が例示される。また、遊技機A2における停止表示制御手段としては、S315などの第1図柄の停止表示を行うための各処理や、S1277などの第3図柄の停止表示を行うための各処理が例示される。また、遊技機A2における保留手段としては、S603などの処理が例示され、遊技機A2における保留解除手段としては、S381などの処理が例示される。また、遊技機A2における停止期間設定手段としては、主制御装置110において実行される図柄停止時間設定処理(図17参照)や、演出制御装置117において実行される図柄停止時間設定処理(図34参照)が例示される。
遊技機A2において、前記停止期間設定手段は、設定対象となる識別情報の停止表示が行われるときに前記保留手段により保留されている前記動的表示の保留数を前記遊技の状況とし、前記確定表示期間を当該保留数に応じた期間に設定することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、確定表示期間が、停止期間設定手段により、設定対象となる識別情報の停止表示が行われるときに保留手段により保留されている動的表示の保留数(遊技の状況の1つ)に応じた期間に設定されるように構成されているので、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間によって保留数を感覚的に判別させることが可能となる。遊技者は、識別情報の停止表示の確定表示期間によって保留数を判別できるようになると、従来の遊技機において保留数を報せるための構成(例えば、表示手段とは別に設けられている保留ランプや、表示手段において識別情報が表示される中央領域より端側にずれた位置に表示される保留数表示、など)を確認することなく、識別情報の表示(動的表示及び停止表示)を見ることに集中でき、それにより、自身に有利な表示を見逃すことなく遊技を行うことができる。
遊技機A3において、前記停止期間設定手段は、前記保留手段により保留されている前記動的表示の保留数が所定数より多い場合における前記確定表示期間を、当該所定数以下の場合における前記確定表示期間に比べて短い期間に設定することを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、保留手段により保留されている動的表示の保留数が所定数より多い場合と少ない場合とで、停止期間設定手段により設定される確定表示期間が異なる。具体的に、動的表示の保留数が所定数より多い場合の確定表示期間が、当該所定数以下の場合における確定表示期間より短い期間とされる。
保留数が上限値に近くなると、遊技者は、保留数が上限値の状態で始動条件が成立して当該始動条件の成立が無駄になることがないよう、動的表示の保留数がある程度増えると、その保留が消化されるまで、遊技球を発射するためのハンドルから手を離す等により遊技の進行を意図的に中断する傾向がある。遊技の進行が中断されてしまうと、ホール側にとっては遊技機の稼働率が下がって不利益が生じ、遊技者側にとっては遊技が中断されたことにより遊技の興趣が低減してしまうことがある。
これに対し、遊技機A4によれば、動的表示の保留数が所定数を超えると、確定表示期間が、当該所定数以下の場合に比べて短い期間に設定されるので、停止表示を挟んで連続する動的表示の開始間隔が短くなる。これにより、遊技者は、保留の消化速度が速くなったと感じ、ハンドルから手を離す等の遊技の中断を行うことなく遊技を続行するようになるので、遊技機の稼働率が下がってホールが不利益を被ることを抑制できると共に、遊技の中断により遊技者にとっての遊技の興趣が低減してしまうことを抑制できる。
遊技機A3において、前記停止期間設定手段は、前記保留手段により保留されている前記動的表示の保留数が所定数以下の場合における前記確定表示期間を、当該所定数を超える場合における前記確定表示期間に比べて長い期間に設定することを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、保留手段により保留されている動的表示の保留数が所定数より多い場合と少ない場合とで、停止期間設定手段により設定される確定表示期間が異なる。具体的に、動的表示の保留数が所定数以下の場合における確定表示期間が、当該所定数より多い場合の確定表示期間より長い期間とされる。よって、動的表示の保留数が所定数以下になると、確定表示期間が、当該所定数を超える場合に比べて長い期間に設定されるので、保留されていた動的表示の消化が比較的ゆったりしたペースで行われていると遊技者に感じさせることができる。よって、ハンドルから手を離す余裕を遊技者に与えることができ、ハンドルから手を離した状態で遊技が進行する過程を遊技者に楽しませることができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、所定箇所への遊技球の通過を容易にする第1状態と、その第1状態より前記所定箇所への遊技球の通過が困難となる第2状態とを取り得る可動手段と、前記可動手段が第1状態になる頻度を所定の頻度とする低頻度状態、又は、その低頻度状態に比べて前記頻度が高い高頻度状態に設定する頻度状態設定手段とを備え、前記検出手段は、前記所定箇所を通過した遊技球の検出によって始動条件の成立を検出するものであり、前記停止期間設定手段は、設定対象となる識別情報の停止表示が行われるときに、前記頻度状態設定手段により設定されている状態を前記遊技の状況とし、前記頻度状態設定手段により設定されている状態が、前記高頻度状態である場合には、前記低頻度状態である場合に比べて前記確定表示期間を短く設定することを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、検出手段による始動条件の成立の検出は、所定箇所を通過した遊技球を該検出手段によって検出することにより行われる。当該所定箇所への遊技球の通過のし易さは、可動手段の状態に応じて異なっており、可動手段が第1状態である場合には、当該所定箇所への遊技球の通過は容易となり、その一方で、可動手段が第2状態である場合には、当該所定箇所への遊技球の通過は第1状態に比べて困難となる。可動手段が第1状態になる頻度は、頻度状態設定手段により設定される。具体的には、当該頻度状態設定手段により、可動手段が第1状態になる頻度が所定の頻度となる低頻度状態、又は、その頻度が低頻度状態のときに比べて高い高頻度状態のいずれかに設定される。
ここで、可動手段が第1状態になる頻度が高頻度状態に設定されている場合には、保留手段への動的表示の保留が溜まり易くなるので、保留数が上限値に到達し易い。そのため、遊技者は、保留数が上限値の状態で始動条件が成立して当該始動条件の成立が無駄になることがないよう、動的表示の保留数がある程度増えると、その保留が消化されるまで、遊技球を発射するためのハンドルから手を離す等により遊技の進行を意図的に中断する傾向がある。遊技の進行が中断されてしまうと、ホール側にとっては遊技機の稼働率が下がって不利益が生じ、遊技者側にとっては遊技が中断されたことにより遊技の興趣が低減してしまうことがある。
これに対し、遊技機A6によれば、確定表示期間が、停止期間設定手段により、設定対象となる識別情報の停止表示が行われるときに、頻度状態設定手段により設定されている状態(遊技の状況の1つ)に応じた期間とされる。より具体的には、頻度状態設定手段により高頻度状態に設定されている場合には、停止期間設定手段により、低頻度状態に設定されている場合に比べて確定表示期間が短く設定されるように構成されている。よって、可動手段が第1状態になる頻度が所定の頻度より高い高頻度状態に設定されている場合において、停止表示を挟んで連続する動的表示の開始間隔が短くなるので、遊技者は、保留の消化速度が速くなったと感じ、ハンドルから手を離す等の遊技の中断を行うことなく遊技を続行するようになる。これにより、遊技機の稼働率が下がってホールが不利益を被ることを抑制できると共に、遊技の中断により遊技者にとっての遊技の興趣が低減してしまうことを抑制できる。
なお、上述した各実施形態において、遊技機A6の各構成として以下の構成が例示される。即ち、遊技機A6における可動手段としては、第1入球口64に付随する電動役物が例示され、遊技機A6における頻度状態設定手段としては、S332やS351の処理などが例示される。
識別情報を表示可能な表示手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき遊技状態の抽選を行う抽選手段と、前記検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、前記表示手段に識別情報の動的表示を行わせる動的表示制御手段と、その動的表示制御手段による識別情報の動的表示が終了した場合に、前記抽選手段による抽選結果に応じた態様で識別情報の停止表示を前記表示手段に行わせる停止表示制御手段と、その停止表示制御手段により識別情報の停止表示が行われた後に、前記抽選手段による抽選結果に応じた遊技状態を設定する遊技状態設定手段とを備えた遊技機において、前記停止表示制御手段に識別情報の停止表示を維持される最小限の期間である確定表示期間を遊技の状況に応じた期間に設定する停止期間設定手段を備えていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、始動条件の成立が検出手段により検出された場合には、その検出に基づき、動的表示制御手段による識別情報の動的表示が表示手段において行われる。その後、その識別情報の動的表示が終了すると、停止表示制御手段による識別情報の停止表示が表示手段において行われる。このとき、識別情報の停止表示は、始動条件の成立が検出されたことに基づき抽選手段により行われた抽選の結果に応じた態様とされる。識別情報の停止表示がされた後は、抽選手段による抽選結果に応じた遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。
ここで、停止表示制御手段に識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間が、停止期間設定手段により、遊技の状況に応じた期間に設定されるように構成されているので、遊技の状況を識別情報の停止表示の確定表示期間によって認識可能にできる。
なお、上述した各実施形態において、遊技機A7の各構成として以下の構成が例示される。即ち、遊技機A7における表示手段としては、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81が例示され、遊技機A7における検出手段としては、第1入球口スイッチ208aが例示される。また、遊技機A7における抽選手段としては、主制御装置110で実行される大当たり抽選又は先読み抽選が例示される。また、遊技機A7における動的表示制御手段としては、S307やS310などの第1図柄の変動表示を行うための各処理、又は、S1269などの第3図柄の変動表示を行うための各処理が例示される。また、遊技機A7における停止表示制御手段としては、S315などの第1図柄の停止表示を行うための各処理や、S1277などの第3図柄の停止表示を行うための各処理が例示される。また、遊技機A7における停止期間設定手段としては、主制御装置110において実行される図柄停止時間設定処理(図17参照)や、演出制御装置117において実行される図柄停止時間設定処理(図34参照)が例示される。
識別情報を表示可能な表示手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、遊技状態の抽選を行う抽選手段と、前記検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、前記表示手段に識別情報の動的表示を行わせる動的表示制御手段と、その動的表示制御手段による識別情報の動的表示が終了した場合に、前記抽選手段による抽選結果に応じた態様で識別情報の停止表示を前記表示手段に行わせる停止表示制御手段と、その停止表示制御手段により識別情報の停止表示が行われた後に、前記抽選手段による抽選結果に応じた遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに前記検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、その始動条件の成立に基づく前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行を保留する保留手段と、前記停止表示制御手段により前記識別情報の停止表示が行われた後に、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行が可能になると、前記保留手段により保留されていた動的表示を前記動的表示制御手段に実行させる保留解除手段とを備えた遊技機において、前記停止表示制御手段に識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間を遊技の状況に応じた期間に設定する停止期間設定手段を備えていることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、始動条件の成立が検出手段により検出された場合には、その検出に基づき、動的表示制御手段による識別情報の動的表示が表示手段において行われる。その後、その識別情報の動的表示が終了すると、停止表示制御手段による識別情報の停止表示が表示手段において行われる。このとき、識別情報の停止表示は、始動条件の成立が検出された際に抽選手段による抽選結果に応じた態様とされる。識別情報の停止表示がされた後は、抽選手段による抽選結果に応じた遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。なお、動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに検出手段により始動条件の成立が検出された場合には、その始動条件の成立に基づく識別情報の動的表示の実行が保留手段によって保留される。そして、停止表示制御手段により識別情報の停止表示が行われた後に、動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行が可能になると、保留解除手段により、保留手段により保留されていた動的表示を動的表示制御手段に実行させる。
ここで、停止表示制御手段に識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間が、停止期間設定手段により、遊技の状況に応じた期間に設定されるように構成されているので、遊技の状況を識別情報の停止表示の確定表示期間によって認識可能にできる。
なお、上述した各実施形態において、遊技機A8の各構成として以下の構成が例示される。即ち、遊技機A8における表示手段としては、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81が例示され、遊技機A8における検出手段としては、第1入球口スイッチ208aが例示される。また、遊技機A8における抽選手段としては、主制御装置110で実行される大当たり抽選又は先読み抽選が例示される。また、遊技機A8における動的表示制御手段としては、S307やS310などの第1図柄の変動表示を行うための各処理、又は、S1269などの第3図柄の変動表示を行うための各処理が例示される。また、遊技機A8における停止表示制御手段としては、S315などの第1図柄の停止表示を行うための各処理や、S1277などの第3図柄の停止表示を行うための各処理が例示される。また、遊技機A8における保留手段としては、S603などの処理が例示され、遊技機A8における保留解除手段としては、S381などの処理が例示される。また、遊技機A8における停止期間設定手段としては、主制御装置110において実行される図柄停止時間設定処理(図17参照)や、演出制御装置117において実行される図柄停止時間設定処理(図34参照)が例示される。
遊技機A7又はA8において、前記抽選手段により選ばれる遊技状態は、第1の遊技状態と、その第1の遊技状態より遊技者に有利な第2の遊技状態とを含んでおり、前記停止期間設定手段は、設定対象となる識別情報の停止表示が行われた後に、前記抽選手段により選ばれたことによって前記遊技状態設定手段により設定される遊技状態を前記遊技の状況とし、前記遊技状態設定手段により設定される遊技状態が、前記第1の遊技状態であるか、前記第2の遊技状態であるかに応じて、前記確定表示期間を異なる期間に設定することを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、確定表示期間が、停止期間設定手段により、設定対象となる識別情報の停止表示が行われた後に、抽選手段により選ばれたことによって設定される遊技状態(遊技の状況の1つ)に応じた期間、より具体的には、遊技状態設定手段により設定される遊技状態が第1の遊技状態であるか、該第1の遊技状態より有利な第2の遊技状態であるかに応じて、識別情報の停止表示の確定表示期間が異なる期間に設定されるように構成されている。よって、遊技者に、識別情報の停止表示の後に有利な遊技状態となるか否かを、識別情報の停止表示の確定表示期間によって感覚的に認識させることができる。
遊技機A7又はA8において、識別情報の動的表示の態様を記憶する動的表示態様記憶手段と、その動的表示記憶手段に記憶されている識別情報の動的表示の態様の中から、前記動的表示制御手段により実行される態様を選定する動的表示態様選定手段を備え、前記動的表示制御手段は、前記動的表示態様選定手段により選定された態様で識別情報の動的表示を実行し、前記抽選手段により選ばれる遊技状態は、第1の遊技状態と、その第1の遊技状態より遊技者に有利な第2の遊技状態とを含んでおり、前記動的表示態様選定手段は、前記抽選手段により前記第1の遊技状態が選ばれた場合と、前記第2の遊技状態が選ばれた場合とで、前記動的表示態様記憶手段に記憶されている識別情報の動的表示の態様の中から、同一又は類似の態様を選定し、前記停止期間設定手段は、設定対象となる識別情報の停止表示が行われた後に、前記抽選手段により選ばれたことによって前記遊技状態設定手段により設定される遊技状態を前記遊技の状況とし、前記遊技状態設定手段により設定される遊技状態が、前記第1の遊技状態であるか、前記第2の遊技状態であるかに応じて、前記確定表示期間を異なる期間に設定することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、抽選手段により第1の遊技状態が選ばれた場合と、第2の遊技状態が選ばれた場合とでは、動的表示態様選定手段により動的表示態様記憶手段に記憶されている識別情報の動的表示の態様の中から、同一又は類似の態様が選定される。動的表示制御手段は、動的表示態様選定手段により選定された態様で識別情報の動的表示を実行するように構成されているので、抽選手段により第1の遊技状態が選ばれた場合と、第2の遊技状態が選ばれた場合とで、識別情報の動的表示が同一又は類似の態様で実行される。そのため、識別情報の動的表示では、識別情報の停止表示の後に設定される遊技状態が第1の遊技状態となるか、該第1の遊技状態より有利な第2の遊技状態となるかの区別が困難である。
しかし、遊技機A10によれば、確定表示期間が、停止期間設定手段により、設定対象となる識別情報の停止表示が行われた後に、抽選手段により選ばれたことによって設定される遊技状態(遊技の状況の1つ)に応じた期間、より具体的には、遊技状態設定手段により設定される遊技状態が第1の遊技状態であるか、該第1の遊技状態より有利な第2の遊技状態であるかに応じて、識別情報の停止表示の確定表示期間が異なる期間に設定されるように構成されている。よって、識別情報の停止表示の後に設定される遊技状態が第1の遊技状態となるか、第2の遊技状態となるかを、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間により感覚的に認識させ得る。
また、識別情報の停止表示の確定表示期間の違いを認識できるか否かは、遊技者の技量に応じて異なるので、遊技者によっては、識別情報の停止表示の後に設定される遊技状態が第1の遊技状態となるか、第2の遊技状態となるかを区別できないこともある。そのため、両者を識別情報の停止表示の確定表示期間の違いによって区別できる遊技者に、自分にはその違いが分かるという優越感を持たせることができる。
なお、上述した各実施形態において、遊技機A10の各構成として以下の構成が例示される。即ち、遊技機A10における動的表示態様記憶手段としては、キャラクタROM275が例示され、遊技機A10における動的表示態様選定手段としては、S1414などの処理が例示される。
遊技機A10において、前記検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、その始動条件の成立に基づく識別情報の停止表示の後、前記遊技状態設定手段により遊技状態が設定される前に、通常状態に比べ、遊技者がより多くの遊技価値を得ることができる特別遊技状態を発生させるか否かを抽選する特別遊技状態抽選手段を備え、前記第2の遊技状態は、前記特別遊技状態抽選手段により前記特別遊技状態が選ばれる確率が前記第1の遊技状態に比べて高くされている遊技状態であることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、第2の遊技状態は、特別遊技状態抽選手段により特別遊技状態(その特別遊技状態抽選手段による抽選を行う契機となった始動条件の成立に基づく識別情報の停止表示の後、遊技状態設定手段により遊技状態が設定される前に、通常状態に比べ、遊技者がより多くの遊技価値を得ることができる状態)が選ばれる確率が第1の遊技状態に比べて高い。よって、識別情報の停止表示の後に設定される遊技状態が第1の遊技状態となるか、第2の遊技状態となるかを識別情報の停止表示の確定表示期間の違いによって区別できる遊技者に、特別遊技状態が発生する確率が上がることによって気分が高揚した状態で自身が識別情報の停止表示の後の遊技状態が分かることに対して優越感を抱かせることができるので、その優越感を増幅させることができる。
なお、上述した各実施形態において、遊技機A11の各構成として以下の構成が例示される。即ち、遊技機A11における特別遊技状態抽選手段としては、大当たり抽選のうち第1当たり乱数カウンタC1による抽選が例示される。
遊技機A1からA11のいずれかにおいて、遊技の主な制御を実行するものであって、前記停止期間設定手段を含んで構成される主制御手段と、その主制御手段からの出力される制御コマンドに基づく制御を実行するものであって、前記動的表示制御手段と前記停止表示制御手段とを含んで構成されるサブ制御手段とを備え、前記主制御手段は、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに前記検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、その始動条件の成立に基づく前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行を保留する保留手段と、前記停止表示制御手段により前記識別情報の停止表示が行われた後に、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行が可能になると、前記保留手段により保留されていた動的表示を前記動的表示制御手段に実行させる保留解除手段と、前記検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、前記表示手段に識別情報の動的表示の種別を選定する種別選定手段と、その種別選定手段により選ばれた種別に応じた識別情報の動的表示の実行期間を示す前記制御コマンドとしての変動パターンコマンドを設定する変動パターンコマンド設定手段と、その変動パターンコマンド設定手段により設定された変動パターンコマンドを前記サブ制御手段へ出力するコマンド出力手段とを備え、前記保留解除手段は、前記保留手段により前記識別情報の動的表示が保留されている場合に、前記コマンド出力手段により変動パターンコマンドを出力してから、前記停止期間設定手段により設定された識別情報の停止表示の確定表示期間が経過した後に、前記変動パターンコマンド設定手段によって次に設定された変動パターンコマンドを前記コマンド出力手段によって前記サブ制御手段へ出力するものであり、前記動的表示制御手段は、前記コマンド出力手段により出力された変動パターンコマンドに基づき、識別情報の動的表示を該変動パターンコマンドに応じた実行期間で実行し、前記停止表示制御手段は、前記コマンド出力手段により前記変動パターンコマンドが出力されてから、前記出力許可手段により次の変動パターンの出力が許可されるまでの期間を、識別情報の停止表示の確定表示期間として、識別情報の停止表示を実行することを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、保留手段により識別情報の動的表示が保留されている場合には、コマンド出力手段により変動パターンコマンドを出力してから、停止期間設定手段により設定された識別情報の停止表示の確定表示期間が経過した後に、保留解除手段により、変動パターンコマンド設定手段によって次に設定された変動パターンコマンドがコマンド出力手段によってサブ制御手段へ出力される。停止表示制御手段は、コマンド出力手段(主制御手段)により1の変動パターンコマンドが出力されてから、コマンド出力手段による次の変動パターンコマンドが出力されるまでの期間、即ち、変動パターンコマンドの出力間隔を識別情報の停止表示の確定表示期間として、識別情報の停止表示を実行する。よって、変動パターンコマンドに識別情報の停止表示の確定表示期間の情報を含める必要がないので、変動パターンコマンドの数を増やすことなく識別情報の停止表示の確定表示期間を変更することができる。即ち、変動パターンコマンドの数を増やすことなく、識別情報の停止表示の確定表示期間を遊技の状況に応じた種々の時間に変更し得る。
なお、上述した各実施形態において、遊技機A12の各構成として以下の構成が例示される。即ち、遊技機A12における主制御手段としては、主制御装置110が例示され、遊技機A12におけるサブ制御手段としては、演出制御装置117が例示される。また、遊技機A12における保留手段としては、S603などの処理が例示され、遊技機A12における保留解除手段としては、S381などの処理が例示される。また、遊技機A12における種別選定手段としては、S403やS411などの処理が例示され。遊技機A12における変動パターンコマンド出力手段としては、S405などの処理が例示される。また、遊技機A12におけるコマンド出力手段としては、S201などの処理が例示される。
遊技機A1からA12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機A13。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA12のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機A14。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機A15。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
識別情報を表示可能な表示手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、通常状態に比べて遊技者に有利な特別遊技状態を発生するか否かを抽選する抽選手段と、前記検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、前記表示手段に識別情報の動的表示を行わせる動的表示制御手段と、その動的表示制御手段による識別情報の動的表示が終了した場合に、前記抽選手段による抽選結果に応じた態様で識別情報の停止表示を前記表示手段に行わせる停止表示制御手段と、前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記停止表示制御手段による識別情報の停止表示の後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに前記検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、その始動条件の成立に基づく前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行を保留する保留手段と、前記停止表示制御手段により前記識別情報の停止表示が行われた後に、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行が可能になると、前記保留手段により保留されていた動的表示を前記動的表示制御手段に実行させる保留解除手段とを備えた遊技機において、前記停止表示制御手段に識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間を遊技の状況に応じた期間に設定する停止期間設定手段を備えていることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、始動条件の成立が検出手段により検出された場合には、その検出に基づき、動的表示制御手段による識別情報の動的表示が表示手段において行われる。その後、その識別情報の動的表示が終了すると、停止表示制御手段による識別情報の停止表示が表示手段において行われる。このとき、識別情報の停止表示は、始動条件の成立が検出されたことに基づき抽選手段によって行われた抽選、即ち、通常状態に比べて遊技者に有利な特別遊技状態を発生するか否かの抽選に応じた態様とされる。そして、抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合には、停止表示制御手段による識別情報の停止表示の後に特別遊技状態発生手段により特別遊技状態が発生される。なお、動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに検出手段により始動条件の成立が検出された場合には、その始動条件の成立に基づく識別情報の動的表示の実行が保留手段によって保留される。そして、停止表示制御手段により識別情報の停止表示が行われた後に、動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行が可能になると、保留解除手段により、保留手段により保留されていた動的表示を動的表示制御手段に実行させる。
ここで、停止表示制御手段に識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間が、停止期間設定手段により、遊技の状況に応じた期間に設定されるように構成されているので、遊技の状況を識別情報の停止表示の確定表示期間によって認識可能にできる。
なお、上述した各実施形態において、遊技機B1の各構成として以下の構成が例示される。即ち、遊技機B1における表示手段としては、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81が例示され、遊技機B1における検出手段としては、第1入球口スイッチ208aが例示される。また、遊技機B1における抽選手段としては、大当たり抽選または先読み抽選における第1当たり乱数カウンタC1による抽選が例示される。また、遊技機B1における動的表示制御手段としては、S307やS310などの第1図柄の変動表示を行うための各処理、又は、S1269などの第3図柄の変動表示を行うための各処理が例示される。また、遊技機B1における停止表示制御手段としては、S315などの第1図柄の停止表示を行うための各処理や、S1277などの第3図柄の停止表示を行うための各処理が例示される。また、遊技機B1における保留手段としては、S603などの処理が例示され、遊技機B1における保留解除手段としては、S381などの処理が例示される。また、遊技機B1における停止期間設定手段としては、主制御装置110において実行される図柄停止時間設定処理(図17参照)や、演出制御装置117において実行される図柄停止時間設定処理(図34参照)が例示される。
遊技機B1において、前記停止期間設定手段は、少なくとも前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、前記検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して前記抽選手段によって行われた抽選により前記特別遊技状態を発生することが選ばれた場合に、その後に前記停止表示制御手段によって行われる少なくとも1回の識別情報の停止表示について、前記確定表示期間を、該確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定することを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、少なくとも動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により特別遊技状態を発生することが選ばれると、その後における少なくとも1回の識別表示の停止表示の確定表示期間(識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間)が、停止期間設定手段により、該確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定されるように構成されている。
よって、始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により特別遊技状態を発生することが選ばれていることを、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間によって感覚的に判別させ得る。
遊技機B1又はB2において、少なくとも前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、前記検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して前記抽選手段によって行われた抽選により前記特別遊技状態を発生することが選ばれた場合に、前記抽選手段によって特別遊技状態を発生することが選ばれたことを示唆する示唆演出を実行するか否かを判定する判定手段と、その判定手段により前記示唆演出を実行すると判定された場合に、該判定の契機となった始動条件の成立により前記動的表示制御手段によって識別情報の動的表示が実行される前に、少なくとも1回の前記示唆演出が実行されるように設定を行う示唆演出設定手段とを備え、前記停止期間設定手段は、前記判定手段によって前記示唆演出を実行すると判定された場合に、その判定後に前記停止表示制御手段によって行われる少なくとも1回の識別情報の停止表示について、該識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間を、該確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定することを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、少なくとも動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により特別遊技状態を発生することが選ばれた場合に、抽選手段によって特別遊技状態を発生することが選ばれたことを示唆する示唆演出を実行するか否かが、判定手段によって判定される。かかる判定手段により、示唆演出を実行すると判定された場合には、該判定の契機となった始動条件の成立により識別情報の動的表示が動的表示制御手段によって実行される前に少なくとも1回の示唆演出が実行されるように、示唆演出設定手段によって設定が行われる。これにより、示唆演出を実行するか否かの判定の契機となった始動条件の成立により識別情報の動的表示が動的表示制御手段によって実行される前に示唆演出が実行される。
ここで、判定手段によって示唆演出を実行すると判定された場合には、その判定後に停止表示制御手段によって行われる少なくとも1回の識別情報の停止表示について、確定表示期間(識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間)が、停止期間設定手段により、該確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定されるように構成されている。
よって、示唆演出が実行され得る状況であるか否かを、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間によって感覚的に判別させ得る。示唆演出が実行され得る状況であるということは、将来的に(最終的に)特別遊技状態が発生する可能性があるということでもあるので、換言すれば、将来的に特別遊技状態が発生する可能性があることを、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間によって感覚的に判別させ得る。
また、識別情報の停止表示の確定表示期間の違いを認識できるか否かは、遊技者の技量に応じて異なるので、遊技者によっては、示唆演出が実行され得る状況であるか否かを、識別情報の停止表示の確定表示期間の違いから区別できないこともある。そのため、両者を識別情報の停止表示の確定表示期間の違いによって区別できる遊技者に、自分にはその違いが分かるという優越感を持たせることができる。
なお、上述した各実施形態において、遊技機B3の各構成として以下の構成が例示される。即ち、遊技機B3における判定手段としては、S1524や、S1533などの処理が例示され、遊技機B3における示唆演出設定手段としては、S1528や、S1308や、S1313などの処理が例示される。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、少なくとも前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、前記検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して前記抽選手段によって行われた抽選により前記特別遊技状態を発生することが選ばれた場合に、前記抽選手段によって特別遊技状態を発生することが選ばれたことを示唆する示唆演出を実行するか否かを判定する判定手段と、その判定手段により前記示唆演出を実行すると判定された場合に、該判定の契機となった始動条件の成立により前記動的表示制御手段によって識別情報の動的表示が実行される前に、少なくとも1回の前記示唆演出が実行されるように設定を行う示唆演出設定手段とを備え、前記停止期間設定手段は、前記判定手段によって前記示唆演出を実行すると判定された場合に、前記示唆演出設定手段により設定された示唆演出が実行され得る期間内において、前記停止表示制御手段によって行われる識別情報の停止表示のうち、少なくとも1回の停止表示の確定表示期間を、確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定することを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、少なくとも動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により特別遊技状態を発生することが選ばれた場合に、抽選手段によって特別遊技状態を発生することが選ばれたことを示唆する示唆演出を実行するか否かが、判定手段によって判定される。かかる判定手段により、示唆演出を実行すると判定された場合には、該判定の契機となった始動条件の成立により識別情報の動的表示が動的表示制御手段によって実行される前に少なくとも1回の示唆演出が実行されるように、示唆演出設定手段によって設定が行われる。これにより、示唆演出を実行するか否かの判定の契機となった始動条件の成立により識別情報の動的表示が動的表示制御手段によって実行される前に示唆演出が実行される。
ここで、判定手段によって示唆演出を実行すると判定された場合に、示唆演出設定手段により設定された示唆演出が実行され得る期間内において、停止表示制御手段によって行われる識別情報の停止表示のうち、少なくとも1回の停止表示の確定表示期間(識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間)が、停止期間設定手段により、確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定されるように構成されている。
よって、示唆演出が実行され得る期間であるか否かを、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間によって感覚的に判別させ得る。示唆演出が実行され得る期間であるということは、将来的に特別遊技状態が発生する可能性があるということでもあるので、換言すれば、将来的に特別遊技状態が発生する可能性があることを、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間によって感覚的に判別させ得る。
また、識別情報の停止表示の確定表示期間の違いを認識できるか否かは、遊技者の技量に応じて異なるので、遊技者によっては、示唆演出が実行され得る期間であるか否かを、識別情報の停止表示の確定表示期間の違いから区別できないこともある。そのため、両者を識別情報の停止表示の確定表示期間の違いによって区別できる遊技者に、自分にはその違いが分かるという優越感を持たせることができる。
なお、上述した各実施形態において、遊技機B4の各構成として以下の構成が例示される。即ち、遊技機B4における判定手段としては、S1524や、S1533などの処理が例示され、遊技機B4における示唆演出設定手段としては、S1528や、S1308や、S1313などの処理が例示される。
遊技機B3又はB4において、前記停止期間設定手段は、前記判定手段によって前記示唆演出を実行すると判定された後、該判定の契機となった始動条件の成立より前に前記保留手段により保留されていた前記動的表示の保留数が所定数以下になった場合に、前記確定表示期間を、前記基準期間とは異なる期間に設定することを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、判定手段によって示唆演出を実行すると判定された後、その判定の契機となった始動条件の成立より前に保留手段により保留されていた動的表示の保留数が所定数以下になった場合に、確定表示期間が、停止期間設定手段により、基準期間とは異なる期間に設定されるように構成されている。即ち、特別遊技状態の発生が選ばれた抽選の契機となった始動条件の成立に基づく識別の動的表示が実行される前に実行される動的表示の残り回数が所定数以下になった場合に、識別情報の停止表示の確定表示期間が基準期間とは異なる期間とされる。よって、識別情報の停止表示の確定表示期間に着目させることにより、近いうちに特別遊技状態が発生する可能性があることを、遊技者に認識させ得る。
遊技機B3からB5のいずれかにおいて、前記停止期間設定手段は、前記判定手段によって前記示唆演出を実行すると判定された後、該判定の契機となった始動条件の成立より前に前記保留手段により保留されていた前記動的表示の保留数が所定数以下になった場合に、前記確定表示期間を、前記基準期間より長い期間に設定することを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、判定手段によって示唆演出を実行すると判定された後、その判定の契機となった始動条件の成立より前に保留手段により保留されていた動的表示の保留数が所定数以下になった場合に、確定表示期間が、停止期間設定手段により、基準期間より長い期間に設定されるように構成されている。即ち、特別遊技状態の発生が選ばれた抽選の契機となった始動条件の成立に基づく識別の動的表示が実行される前に実行される動的表示の残り回数が所定数以下になった場合に、識別情報の停止表示の確定表示期間が基準期間より長い期間とされる。
よって、識別情報の停止表示の確定表示期間に着目させることにより、近いうちに特別遊技状態が発生する可能性があることを、遊技者に認識させ得る。また、停止表示の確定表示期間が基準期間より長く設定されることにより、停止表示の確定表示期間中に多様な示唆演出を実行し得る。
また、識別情報の停止表示の確定表示期間が基準期間より長い期間とされるので、保留されていた動的表示の消化が比較的ゆったりしたペースで行われていると遊技者に感じさせることができる。よって、識別情報の停止表示の確定表示期間に基づき、近いうちに特別遊技状態が発生する可能性があることを察することができた遊技者には、ハンドルから手を離す余裕を与えることができ、遊技者が特別遊技状態の発生を待つ間、ハンドルから手を離した状態で遊技が進行する過程を遊技者に楽しませることができる。
遊技機B5又はB6において、前記示唆演出設定手段は、前記判定手段により前記示唆演出を実行すると判定された後、該判定の契機となった始動条件の成立より前に前記保留手段により保留されていた前記動的表示の保留数が所定数以下になった場合に前記停止表示制御手段により実行される識別情報の停止表示の確定表示期間中に視覚的な所定情報を現出させることを前記示唆演出として設定することを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、判定手段によって示唆演出を実行すると判定された後、その判定の契機となった始動条件の成立(即ち、特別遊技状態の発生が選ばれた抽選の契機となった始動条件の成立)に基づく識別の動的表示が実行される前に実行される動的表示の残り回数が所定数以下になった場合に停止表示制御手段によって行われる識別情報の停止表示の確定表示期間中に、示唆演出設定手段により、視覚的な所定情報が現出する示唆演出が設定される。よって、基準時間と異なる期間に設定された停止表示の確定表示期間と、示唆演出としての視覚的な所定情報の現出との関係から、近いうちに特別遊技状態が発生する可能性があることを遊技者に認識させ易くなり、技量が比較的低い遊技者であっても、識別情報の停止表示の確定表示期間の変化によって提供される遊技性を享受することができる。
また、識別情報の停止表示の確定表示期間を利用して示唆演出を行うので、判定手段により示唆演出を実行すると判定されたタイミングで識別情報の動的表示が行われていても、実行中の動的表示の後に行われる停止表示の確定表示期間も示唆演出の対象にすることが可能となる。判定手段により示唆演出を実行すると判定されたタイミングで実行中の動的表示を用いて示唆演出を行うことは困難であるので、特別遊技状態が発生する前に示唆演出を実行する機会を増やすことができる。
また、識別情報の動的表示の実行期間を変更することなく示唆演出を提供できるので、識別情報の動的表示の実行期間がより一層複雑になることにより、識別情報の動的表示の制御が複雑化されることを防止できる。また、識別情報の停止表示の確定表示期間は動的表示の実行期間に比べて短いので、識別情報の動的表示の実行期間中に比べて少ないデータ量で示唆演出を実行できる。
また、遊技者は、識別情報の動的表示が自身に利益をもたらす態様の停止表示となるか否かに興味があるので、識別情報の動的表示の実行期間中には、刻々と変化する識別情報の表示態様を注視する傾向にある。そのため、識別情報の動的表示の実行期間中に視覚的な所定情報を示唆演出として現出させた場合には、刻々と変化する識別情報の表示態様の視認性が阻害され、遊技者が識別情報の表示態様を認識し難くなって苛立ちを覚え遊技の興趣を低下させるおそれがある。これに対し、識別情報の停止表示の確定表示期間中には、当該識別情報の停止表示の態様がもはや変更されることはないので、識別情報の停止表示の確定表示期間中に視覚的な所定情報を示唆演出として現出させたとしても、遊技者は識別情報の停止表示の態様を十分に認識することができる。よって、示唆演出を、遊技者に特別遊技状態の発生を期待させるものとして有効に機能させることができる。
遊技機B6において、前記示唆演出設定手段は、前記判定手段により前記示唆演出を実行すると判定された後、該判定の契機となった始動条件の成立より前に前記保留手段により保留されていた前記動的表示の保留数が所定数以下になった場合に前記停止表示制御手段により実行される識別情報の停止表示の確定表示期間中に、前記示唆演出として、前記基準期間において現出し得る視覚的な第1所定情報を現出させる第1の示唆演出を設定すると共に、所定確率で、前記第1の示唆演出後に前記基準期間では現出し得ない視覚的な第2所定情報を現出させる第2の示唆演出を設定することを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、判定手段によって示唆演出を実行すると判定された後、その判定の契機となった始動条件の成立(即ち、特別遊技状態の発生が選ばれた抽選の契機となった始動条件の成立)に基づく識別の動的表示が実行される前に実行される動的表示の残り回数が所定数以下になった場合に停止表示制御手段によって行われる識別情報の停止表示の確定表示期間中に、示唆演出設定手段により示唆演出が設定される。より具体的には、当該期間中に、第1の示唆演出が設定されると共に、第2の示唆演出が所定確率で設定される。
ここで、第1の示唆演出において現出する視覚的な第1所定情報が基準期間において現出し得るものであるのに対し、第2の示唆演出において現出する視覚的な第2所定情報は、基準期間では現出し得ないものであるので、遊技者が識別情報の停止表示の確定表示期間中に第2所定情報を視認した場合には、その遊技者に、近いうちに特別遊技状態が発生することを強く期待させることができ、遊技を続けたいという気持ちを高めることができる。
また、かかる第2所定情報を現出させる第2の示唆演出は、所定確率で設定されるので、その確率によっては必ずしも第2所定情報が現出されないので、遊技者が第2所定情報を視認したときに感じる期待感をより高めることができる。
また、識別情報の停止表示の確定表示期間を利用して示唆演出を行うので、判定手段により示唆演出を実行すると判定されたタイミングで識別情報の動的表示が行われていても、実行中の動的表示の後に行われる停止表示の確定表示期間も示唆演出の対象にすることが可能となる。判定手段により示唆演出を実行すると判定されたタイミングで実行中の動的表示を用いて示唆演出を行うことは困難であるので、特別遊技状態が発生する前に示唆演出を実行する機会を増やすことができる。
また、遊技者は、識別情報の動的表示が自身に利益をもたらす態様の停止表示となるか否かに興味があるので、識別情報の動的表示の実行期間中には、刻々と変化する識別情報の表示態様を注視する傾向にある。そのため、識別情報の動的表示の実行期間中に視覚的な所定情報を示唆演出として現出させた場合には、刻々と変化する識別情報の表示態様の視認性が阻害され、遊技者が識別情報の表示態様を認識し難くなって苛立ちを覚え遊技の興趣を低下させるおそれがある。これに対し、識別情報の停止表示の確定表示期間中には、当該識別情報の停止表示の態様がもはや変更されることはないので、識別情報の停止表示の確定表示期間中に視覚的な所定情報を示唆演出として現出させたとしても、遊技者は識別情報の停止表示の態様を十分に認識することができる。よって、示唆演出を、遊技者に特別遊技状態の発生を期待させるものとして有効に機能させることができる。
遊技機B1において、少なくとも前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、前記検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して前記抽選手段によって行われた抽選により前記特別遊技状態を発生することが選ばれた場合に、前記抽選手段によって特別遊技状態を発生することが選ばれたことを示唆する示唆演出を実行するか否かを判定する第1判定手段と、少なくとも前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、前記検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して前記抽選手段によって行われた抽選により前記特別遊技状態を発生させないことが選ばれた場合に、前記示唆演出と同じ演出を実行するか否かを判定する第2判定手段と、前記第1判定手段又は前記第2判定手段により、前記示唆演出又は前記示唆演出と同じ演出を実行すると判定された場合に、該判定の契機となった始動条件の成立により前記動的表示制御手段によって識別情報の動的表示が実行される前に、前記停止表示制御手段により行われる識別情報の停止表示のうち、少なくとも1回の識別情報の停止表示の態様を所定態様とすることにより、前記示唆演出又は前記示唆演出と同じ演出を設定する示唆演出設定手段とを備え、前記停止期間設定手段は、前記第1判定手段によって前記示唆演出を実行すると判定された後、前記示唆演出設定手段により所定態様とされた識別情報の停止表示を前記停止表示制御手段によって行うときに該識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間と、前記第2判定手段によって前記示唆演出と同じ演出を実行すると判定された後、前記示唆演出設定手段により所定態様とされた識別情報の停止表示を前記停止表示制御手段によって行うときに該識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間とを、異なる期間に設定することを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、少なくとも動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により特別遊技状態を発生することが選ばれた場合に、抽選手段によって特別遊技状態を発生することが選ばれたことを示唆する示唆演出を実行するか否かが、第1判定手段によって判定される。その一方で、少なくとも動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により特別遊技状態を発生させないことが選ばれた場合に、示唆演出と同じ演出を実行するか否かが、第2判定手段によって判定される。
第1判定手段により示唆演出を実行すると判定された場合、又は、第2判定手段により示唆演出と同じ演出を実行すると判定された場合には、該判定の契機となった始動条件の成立により識別情報の動的表示が動的表示制御手段によって実行される前に停止表示制御手段により行われる識別情報の停止表示のうち、示唆演出設定手段により、示唆演出又は示唆演出と同じ演出として、少なくとも1回の識別情報の停止表示の態様が所定態様に設定される。
ここで、第1判定手段によって示唆演出を実行すると判定された後、示唆演出設定手段により所定態様とされた識別情報の停止表示を停止表示制御手段によって行うときの確定表示期間(識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間)と、第2判定手段によって示唆演出と同じ演出を実行すると判定された後、示唆演出設定手段により所定態様とされた識別情報の停止表示を停止表示制御手段によって行うときの確定表示期間(識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間)とが、停止期間設定手段により、異なる期間に設定される。
第1判定手段による判定の契機となった始動条件の成立は、特別遊技状態の発生が選ばれた抽選の契機となった始動条件の成立であり、第2判定手段による判定の契機となった始動条件の成立は、特別遊技状態の発生が選ばれなかった抽選の契機となった始動条件の成立であるので、停止表示の確定表示期間の違いによって、特別遊技状態が発生するか否かを遊技者に認識させ得る。
また、識別情報の停止表示の確定表示期間の違いを認識できるか否かは、遊技者の技量に応じて異なるので、遊技者によっては、特別遊技状態が発生するか否かを、識別情報の停止表示の確定表示期間の違いから区別できないこともある。そのため、両者を識別情報の停止表示の確定表示期間の違いによって区別できる遊技者に、自分にはその違いが分かるという優越感を持たせることができる。
なお、上述した各実施形態において、遊技機B9の各構成として以下の構成が例示される。即ち、遊技機B9における第1判定手段としては、S1524などの処理が例示され、遊技機B9における第2判定手段としては、S1533などの処理が例示され、遊技機B9における示唆演出設定手段としては、S1528などの処理が例示される。
遊技機B9において、前記停止期間設定手段は、前記第1判定手段によって前記示唆演出を実行すると判定された後、該判定の契機となった始動条件の成立より前に前記保留手段により保留されていた前記動的表示の保留数が所定数以下になった場合に前記停止表示制御手段によって行われる識別情報の停止表示の確定表示期間と、前記第2判定手段によって前記示唆演出と同じ演出を実行すると判定された後、該判定の契機となった始動条件の成立より前に前記保留手段により保留されていた前記動的表示の保留数が前記所定数以下になった場合に前記停止表示制御手段によって行われる識別情報の停止表示の確定表示期間とを、異なる期間に設定することを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、第1判定手段によって示唆演出を実行すると判定された後、該判定の契機となった始動条件の成立より前に保留手段により保留されていた動的表示の保留数が所定数以下になった場合に停止表示制御手段によって行われる識別情報の停止表示の確定表示期間と、第2判定手段によって示唆演出と同じ演出を実行すると判定された後、該判定の契機となった始動条件の成立より前に保留手段により保留されていた動的表示の保留数が所定数以下になった場合に停止表示制御手段によって行われる識別情報の停止表示の確定表示期間とが、停止期間設定手段により、異なる期間に設定される。
第1判定手段による判定の契機となった始動条件の成立は、特別遊技状態の発生が選ばれた抽選の契機となった始動条件の成立であり、第2判定手段による判定の契機となった始動条件の成立は、特別遊技状態の発生が選ばれなかった抽選の契機となった始動条件の成立であるので、停止表示の確定表示期間の違いによって、近いうちに特別遊技状態が発生するか否かを遊技者に認識させ得る。
また、識別情報の停止表示の確定表示期間の違いを認識できるか否かは、遊技者の技量に応じて異なるので、遊技者によっては、近いうちに特別遊技状態が発生するか否かを、識別情報の停止表示の確定表示期間の違いから区別できないこともある。そのため、両者を識別情報の停止表示の確定表示期間の違いによって区別できる遊技者に、自分にはその違いが分かるという優越感を持たせることができる。
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、遊技の主な制御を実行するものであって、前記停止期間設定手段を含んで構成される主制御手段と、その主制御手段からの出力される制御コマンドに基づく制御を実行するものであって、前記動的表示制御手段と前記停止表示制御手段とを含んで構成されるサブ制御手段とを備え、前記主制御手段は、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに前記検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、その始動条件の成立に基づく前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行を保留する保留手段と、前記停止表示制御手段により前記識別情報の停止表示が行われた後に、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行が可能になると、前記保留手段により保留されていた動的表示を前記動的表示制御手段に実行させる保留解除手段と、前記検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、前記表示手段に識別情報の動的表示の種別を選定する種別選定手段と、その種別選定手段により選ばれた種別に応じた識別情報の動的表示の実行期間を示す前記制御コマンドとしての変動パターンコマンドを設定する変動パターンコマンド設定手段と、その変動パターンコマンド設定手段により設定された変動パターンコマンドを前記サブ制御手段へ出力するコマンド出力手段とを備え、前記保留解除手段は、前記保留手段により前記識別情報の動的表示が保留されている場合に、前記コマンド出力手段により変動パターンコマンドを出力してから、前記停止期間設定手段により設定された識別情報の停止表示の確定表示期間が経過した後に、前記変動パターンコマンド設定手段によって次に設定された変動パターンコマンドを前記コマンド出力手段によって前記サブ制御手段へ出力するものであり、前記動的表示制御手段は、前記コマンド出力手段により出力された変動パターンコマンドに基づき、識別情報の動的表示を該変動パターンコマンドに応じた実行期間で実行し、前記停止表示制御手段は、前記コマンド出力手段により前記変動パターンコマンドが出力されてから、前記出力許可手段により次の変動パターンの出力が許可されるまでの期間を、識別情報の停止表示の確定表示期間として、識別情報の停止表示を実行することを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、保留手段により識別情報の動的表示が保留されている場合には、コマンド出力手段により変動パターンコマンドを出力してから、停止期間設定手段により設定された識別情報の停止表示の確定表示期間が経過した後に、保留解除手段により、変動パターンコマンド設定手段によって次に設定された変動パターンコマンドがコマンド出力手段によってサブ制御手段へ出力される。停止表示制御手段は、コマンド出力手段(主制御手段)により1の変動パターンコマンドが出力されてから、コマンド出力手段による次の変動パターンコマンドが出力されるまでの期間、即ち、変動パターンコマンドの出力間隔を識別情報の停止表示の確定表示期間として、識別情報の停止表示を実行する。よって、変動パターンコマンドに識別情報の停止表示の確定表示期間の情報を含める必要がないので、変動パターンコマンドの数を増やすことなく識別情報の停止表示の確定表示期間を変更することができる。即ち、変動パターンコマンドの数を増やすことなく、識別情報の停止表示の確定表示期間を遊技の状況に応じた種々の時間に変更し得る。
なお、上述した各実施形態において、遊技機B11の各構成として以下の構成が例示される。即ち、遊技機B11における主制御手段としては、主制御装置110が例示され、遊技機B11におけるサブ制御手段としては、演出制御装置117が例示される。また、遊技機B11における種別選定手段としては、S403やS411などの処理が例示され。遊技機B11における変動パターンコマンド出力手段としては、S405などの処理が例示される。また、遊技機B11におけるコマンド出力手段としては、S201などの処理が例示される。
識別情報を表示可能な表示手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、遊技状態の抽選を行う抽選手段と、前記検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、前記表示手段に識別情報の動的表示を行わせる動的表示制御手段と、その動的表示制御手段による識別情報の動的表示が終了した場合に、前記抽選手段による抽選結果に応じた態様で識別情報の停止表示を前記表示手段に行わせる停止表示制御手段と、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに前記検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、その始動条件の成立に基づく前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行を保留する保留手段と、前記停止表示制御手段により前記識別情報の停止表示が行われた後に、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行が可能になると、前記保留手段により保留されていた動的表示を前記動的表示制御手段に実行させる保留解除手段とを備えた遊技機において、少なくとも前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、前記検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して前記抽選手段によって行われた抽選により所定の遊技状態が選ばれた場合に、その後に前記停止表示制御手段によって行われる少なくとも1回の識別情報の停止表示について、該識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間である確定表示期間を、該確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定する停止期間設定手段とを備えていることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、始動条件の成立が検出手段により検出された場合には、その検出に基づき、動的表示制御手段による識別情報の動的表示が表示手段において行われる。その後、その識別情報の動的表示が終了すると、停止表示制御手段による識別情報の停止表示が表示手段において行われる。このとき、識別情報の停止表示は、始動条件の成立が検出されたことに基づき抽選手段によって行われた遊技状態を選定する抽選に応じた態様とされる。なお、動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに検出手段により始動条件の成立が検出された場合には、その始動条件の成立に基づく識別情報の動的表示の実行が保留手段によって保留される。そして、停止表示制御手段により識別情報の停止表示が行われた後に、動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行が可能になると、保留解除手段により、保留手段により保留されていた動的表示を動的表示制御手段に実行させる。
ここで、少なくとも動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに、検出手段により始動条件の成立が検出され、かつ、その始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により所定の遊技状態が選ばれた場合には、その後における少なくとも1回の識別表示の停止表示の確定表示期間(識別情報の停止表示を維持させる最小限の期間)が、停止期間設定手段により、該確定表示期間として予め規定されている基準期間とは異なる期間に設定されるように構成されている。
よって、始動条件の成立に対して抽選手段によって行われた抽選により所定の遊技状態が選ばれたことを、遊技者に、識別情報の停止表示の確定表示期間によって感覚的に判別させ得る。
なお、上述した各実施形態において、遊技機B12の各構成として以下の構成が例示される。即ち、遊技機B12における表示手段としては、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81が例示され、遊技機B12における検出手段としては、第1入球口スイッチ208aが例示される。また、遊技機B12における抽選手段としては、大当たり抽選または先読み抽選における第1当たり乱数カウンタC1による抽選が例示される。また、遊技機B12における動的表示制御手段としては、S307やS310などの第1図柄の変動表示を行うための各処理、又は、S1269などの第3図柄の変動表示を行うための各処理が例示される。また、遊技機B12における停止表示制御手段としては、S315などの第1図柄の停止表示を行うための各処理や、S1277などの第3図柄の停止表示を行うための各処理が例示される。また、遊技機B12における保留手段としては、S603などの処理が例示され、遊技機B12における保留解除手段としては、S381などの処理が例示される。また、遊技機B12における停止期間設定手段としては、主制御装置110において実行される図柄停止時間設定処理(図17参照)や、演出制御装置117において実行される図柄停止時間設定処理(図34参照)が例示される。
遊技機B1からB12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B13。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機B1からB12のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機B14。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機B1からB12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B15。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
110 主制御装置
117 演出制御装置
110 主制御装置
117 演出制御装置
Claims (1)
- 識別情報を表示可能な表示手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、遊技状態の抽選を行う抽選手段と、前記検出手段により始動条件の成立が検出されたことに基づき、前記表示手段に識別情報の動的表示を行わせる動的表示制御手段と、その動的表示制御手段による識別情報の動的表示が終了した場合に、前記抽選手段による抽選結果に応じた態様で識別情報の停止表示を前記表示手段に行わせる停止表示制御手段と、その停止表示制御手段により識別情報の停止表示が行われた後に、前記抽選手段による抽選結果に応じた遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示が行われているときに前記検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、その始動条件の成立に基づく前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行を保留する保留手段と、前記停止表示制御手段により前記識別情報の停止表示が行われた後に、前記動的表示制御手段による識別情報の動的表示の実行が可能になると、前記保留手段により保留されていた動的表示を前記動的表示制御手段に実行させる保留解除手段と、を備え、
識別情報の動的表示の態様を記憶する動的表示態様記憶手段と、
その動的表示記憶手段に記憶されている識別情報の動的表示の態様の中から、前記動的表示制御手段により実行される態様を選定する動的表示態様選定手段と、
前記停止表示制御手段による前記抽選結果に応じた態様の識別情報の表示を所定期間維持させるための表示期間を、前記遊技状態設定手段により設定される遊技状態に応じた期間で実行する停止期間実行手段と、を備え、
前記動的表示制御手段は、前記動的表示態様選定手段により選定された態様で識別情報の動的表示を実行し、
前記抽選手段により選ばれる遊技状態は、第1の遊技状態と、その第1の遊技状態より遊技者に有利な第2の遊技状態とを含んでおり、
前記動的表示態様選定手段は、前記抽選手段により前記第1の遊技状態が選ばれた場合と、前記第2の遊技状態が選ばれた場合とで、前記動的表示態様記憶手段に記憶されている識別情報の動的表示の態様の中から、同一又は類似の所定表示態様を選定する手段を備え、
その遊技機は、識別情報の動的表示が行われた後に、前記遊技状態設定手段により設定された遊技状態を実行し、
前記停止期間実行手段は、前記遊技状態設定手段により設定される遊技状態が、前記第1の遊技状態であるか、前記第2の遊技状態であるかに応じて、前記所定表示態様における前記表示期間を異なる期間に設定する手段を備え、
前記表示期間を異なる期間に設定する手段は、前記第2の遊技状態に対する表示期間を、前記第1の遊技状態に対する表示期間より長い期間に設定することを特徴とする遊技機。
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-
2014
- 2014-07-10 JP JP2014142655A patent/JP2014223423A/ja active Pending
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