この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
(定義)
本発明で、空気清浄機Aの「運転モード」とは、以下のような「自動運転モード」と、「手動運転モード」と、「急速脱臭運転モード」と、「強制的再生運転モード」の、4つがある。
「急速運転モード」には、吹き出し空気の形態を区別した「ワイド吹き出しモード」と「スポット吹き出しモード」がある。
「自動運転モード」には、標準モードと、おやすみモード及び節電モードの3つのモードがある。節電モードは、送風モーター13の消費電力を抑制したもので、埃の量が少ない場合には、自動的に運転が一時的に停止される。
「おやすみモード」は、深夜でも気兼ねなく使用できるように運転音を抑えた運転をするものである。
「標準モード」は、空気中の埃の量が少ない場合でも、送風モーター13を弱風量で運転継続するものである。
「ワイド吹き出しモード」は、後述する空気吹出口9から空気清浄後の空気を吹き出す際に、自動的に向きが変化するルーバー(風向き板)により、空気の向きを広範囲に吹き出すようにしたものであり、これに対して「スポット吹き出しモード」は、そのようなルーバーの動きを固定したままにして、1つの方向のみに空気吹出口9から空気清浄後Aの空気を吹き出すことをいう。
また「急速脱臭モード」は、所定時間(例えば15分間)だけ、最大の脱臭能力を発揮させるように運転するものであり、このモードは、臭いの発生現場において最短時間で脱臭したい場合に利用すると便利である。
「強制的再生運転モード」は、送風モーター13を停止している状態で、後述する加熱ユニット17のヒーター22に通電を行い、後述する脱臭エレメント16を、一定の角度だけ間欠的に回転・停止という動作を繰り返しことで、最終的に脱臭エレメント16の全面を加熱し、その脱臭機能を再生(復活)させる運転モードをいう。つまり、空気を浄化するという動作を行わずに、専ら脱臭エレメントの脱臭機能再生だけを目的にしたものである(後述する「脱臭機能回復動作」だけを行う運転モード)。
「運転モード」を整理すると以下の通りである。
(1)「自動運転モード」
標準・おやすみ・節電、の3つのモードがある。
(2)「手動運転モード」
強運転・中運転・弱運転、の3つのモードがある。
(3)「急速脱臭運転モード」
(2−1)「ワイド吹き出しモード」
(2−2)「スポット吹き出しモード」
なお、「切タイマー運転」という運転方法も使用できる。これは使用者が運転時間を事前に設定し(例えば30分間)、運転開始すると、制御装置19がその操作部8から入力された設定時間(例えば、1時間、2時間、3時間、4時間の4つの内、1つを選択して確定)だけ運転するというものである。但し、この「切タイマー運転」は、「急速脱臭運転モード」には適用できない。「急速脱臭運転モード」は、前記したように1つの固定時間(例えば15分間)だけ運転するように設定されており、この時間を使用者が変更することはできない。
前記手動運転モードにおいて、「強運転」、「中運転」、「弱運転」は、単位時間あたりの空気浄化能力レベルを示す情報の1つである。この他に、例えば1分間当たり1立法メートルというように、数値で空気浄化できる送風量(体積)を示した情報も空気浄化能力レベルを示す情報の1つである。
本発明で「家電機器」EEとは、主に家庭で使用されることを想定して設計された電気機器をいい、後述するキッチン内家電機器KP、TV受像機75等の映像機器、空気調和機76、空気清浄機Aや空気脱臭機等の空気処理機、電気ストーブ等の暖房機器、電気掃除機、電気洗濯機(乾燥機能付きを含む)、お風呂に使用される給湯機器(給湯タンク付きを含む)を含む。なお、以下の説明では、家電機器という場合には、特に断りがない限り、空気清浄機Aを含む。
本発明で家電機器EEの「識別情報」とは、家電機器EEを特定するための情報で、家電機器EEに固有の情報のことであり、的確な修理や点検を行う場合に必要となる重要な情報である。例えば、具体的には、以下のようなものが識別情報に含まれるが、これらには限定されない。なお、家電機器EEについては、あとで詳しく説明する。
(1)家電機器の製造者名
(2)型名
(3)形式番号
(4)定格消費電力
(5)購入年月日(製造業者や販売業者の品質保証期間の起算日になる場合が多い)
(6)使用開始年月日(食器洗い乾燥機では、「法定点検」時期の起算日になる)
(7)品質保証書番号
前記(6)の「法定点検」とは、2009年4月1日から改正・施行された「消費者生活用製品安全法」で新設された「長期使用製品安全点検制度による点検」をいう。なお、この法律とは別の「電気用品安全法」では、技術基準省令の改正により、長期使用製品安全表示制度が創設されており、消費生活用製品のうち、特定の製品にいついては、設計上の標準使用期間と経年劣化について、消費者に対し適切な保守点検を促すように注意喚起等の表示が義務化されている。そこで、その標準使用期間の参考となるように、消費者に対して表示する「製品の製造日」や製造年月から起算した「経過年数」の情報を、家電機器EEの「識別情報」に含めても良い。
また後述する空気調和機76等の「特定家電機器」(環境改善機器)SP1であるかどうかも識別情報の一部であり、電力指令装置(「統合管理装置」と呼ぶ場合がある)79と相互に無線通信を行う場合、その電力指令装置79側にこの識別情報が、特定家電機器(環境改善機器)SP1側から提供される。
本発明では、「環境情報」とは、環境検知部103で検出する「環境データ」それ自体と、そのような環境データに基づいて作成される「環境評価情報」を総称したものをいい、家屋の居住快適性に影響する以下のような種類の情報を含むが、これに限定されない。
(1)温度情報
(2)湿度情報
(3)塵埃飛散度(単位容積あたり)情報
(4)花粉飛散量情報
(5)光量(可視光線量)情報・・言い換えると居住空間の明るさの情報である。
(6)騒音情報・・・居住空間の静けさの情報である。
また本実施の形態1では、「環境情報の利用」とは、後述する各種家電機器EEが前記環境情報をその家電機器EEの、効率的運転又は効果的運転又は環境に配慮した運転に利用することをいい、以下のような例を含む。
(1)温度高い場合、電気炊飯器の保温機能を炊飯工程の終了に連続して動作させる。
(2)湿度の場合、家電機器EEの1種である除湿機を動作させる。または換気扇を運転開始する。空気調和機76の運転条件(目標とする室温など)を変える。
(3)空中を浮遊するような微細な塵埃が飛量している場合、空気清浄機Aを動作させる。または換気扇を運転開始する。
(4)花粉飛散量が多い場合、空気清浄機Aの運転を開始する。
(5)比較的直径や長さが大きく、床に落下する土埃や衣類の埃等の場合、自走式電気掃除機を運転開始させる。
(6)光量(可視光線量)の場合、照明器具77A、77Bを点灯させる。
(7)騒音の場合は、騒音がない状態から、深夜などの静寂な時間帯と判断し、ブロワーモーターの運転音や走行音が発生する自走式電気掃除機の運転や、洗濯乾燥用ドラムを回転させる電気モーターの運転音が発生する洗濯乾燥機の運転を避ける。
なお、気温と湿度の関係で、いわゆる「不快指数」を算出し、空気調和機3の運転を開始することも含む。
(8)不快な臭いが居住空間71にある場合、空気清浄機Aの運転を開始する。
本発明で「環境データ」とは、計測された温度や湿度、臭い等の物理的状態を示すデータそれ自体をいう。例えば気温35℃は環境データに該当する。
これに対し、そのようなデータ(例:気温35℃)に基づいて、何らかの評価基準や計算処理等を経て分類やランク付け、又はその他加工をされた情報は前記した「環境評価情報」に該当する。例えば、「室温は高い」、「標準気温」、「臭いが強い」というような情報が前記「環境評価情報」に該当する。
本発明で「臭気強度」とは、脱臭効果を確認するために設定した臭気の強度であり、例えば6段階の臭気強度で区分される。臭気強度0は、無臭であり、臭気強度1は、やっと人が感知できる臭い、臭気強度2は、何の臭いであるか分かる弱いである。
また、臭気強度3は、楽に感知できる臭い、臭気強度4は、強い臭い(全ての人が不快であると感じ、環境改善対策が必要)、臭気強度5は、強烈な臭い(その場に居られない)レベル、とそれぞれ定義してある。本実施の形態1の空気清浄機Aでは、一度の処理空気の吸い込みで臭いを80%除去し、前記臭気強度を1ランク下げる能力がある(これを、「ワンパス除去率80%」と呼んでいる)。
さらにまた本実施の形態1では、環境情報の利用により、以下のように居住者の利便性が向上する。
(1)居住環境を良くするために家電機器EEの使用について、アドバイス情報が出る(例えば、換気扇や空気清浄機Aなど)。このアドバイス情報により、居住者の利便性、快適性が確保される。
(2)現在、運転中の家電機器EEが分かる。
(3)離れた居住空間の人の存在・不存在が分かる。
(4)高い温度で、かつ湿度も高い、不快な臭い強いなど、快適ではない居住空間が分かる。
(5)室内運動をする際に、運動に不向きな居住空間が分かる。
(6)電力指令装置5から、警報を出すために、室温の上限値を設定しておけば、その設定値を超えた部屋があることを知ることが分かり、離れた部屋の環境も知ることができる。
また居住空間内の空気の温度、湿度、質を改善する効果がある家電機器EEを「第1の特定家電機器」(「環境改善機器」)SP1という場合がある。
また、室内空間の快適性を維持、向上させるために、暖房用の熱を発生する電気ヒーター式ストーブや空気調和機3は環境改善機器の1種である。
一方、室内空間の快適性維持・向上が本来の目的ではなく、室内空間に熱を与えてしまう電熱加熱調理器等のような家電機器EEを「第2の特定家電機器SP2」という場合がある。
さらにまた、複数の家電機器EEの中で、電力削減要請信号AS2や電力削減指令信号AS3を受信するものを「第1の家電機器」いう場合があり、またその第1の家電機器と区別するために別の家電機器を「第2の家電機器」という場合がある。
本発明の空気清浄機Aは、空気清浄運転を行っている場合には、前記第1の特定家電機器(環境改善機器)SP1に属するが、後述する加熱ユニット17のヒーター22に通電を開始し、それが高熱を発して脱臭エレメント16の機能再生処理を行っている場合には、空気中に熱を出すので、第2の特定家電機器SP2でもある。
本発明で「電力指令装置」とは、2つ以上の電気機器、家電機器の通電を制御して、1つの家庭や家屋、複数の部屋からなる居住エリア等の総電力使用量が所定の量を超過しないように抑制する装置をいう。抑制の手段としては、例えば(予め定めた家電機器の優先順位に従って選定された家電機器の)電力量を減少させること、電力の供給自体を遮断することである。これに対し、「統合管理装置」とは、2つ以上の電気機器、家電機器と有線(ケーブル等)又は無線通信で接続され、当該電気機器、家電機器の個々について通電は制御(遮断や抑制)する場合はあっても、1つの家庭や家屋、居住エリア等の総電力使用量を監視し、それを超えないような総電力制御動作を行わないものをいう。従って、有線や無線通信で電力指令装置に接続される空気調和機があり、その電力指令装置に空気清浄機が追加で接続された場合、空気清浄機は前記電力指令装置の総電力制御動作の影響を受けない場合には、空気清浄機から見た場合、前記「電力指令装置」は、「電力指令装置」ではなく「統合管理装置」である。
本実施の形態1では、「在宅検知手段」104とは、以下のような手段を含むが、以下の実施の形態の説明では全ての手段については詳しく説明せず、代表的な手段についてのみ詳しく説明する。
(1)住宅の入口(玄関)の外側に設置された電子錠42とその電子錠に入力された暗証番号や生体情報(例えば指紋情報)から、居住者が帰宅したことを検知する手段。
(2)居住者が保持している固有の身分証やIDカード等に記録された個人特定情報を、磁気的又は光学的手段で、あるいは近距離通信やその他通信手段で電力指令装置5に直接読み込ませ、その読み込ませた情報を解読してその本人が在宅していると判定する手段。
(3)居住者が保持している携帯用電話等の情報通信端末機器25等に記録された個人特定情報を、近距離通信やその他通信手段で直接電力指令装置5に読み込ませ、その読み込ませた情報を解読してその本人が在宅していると判定する手段。
(4)個人が固有している身分証やIDカード等、情報通信端末機器25等に記録された個人特定情報を、特定の家電機器EEに読み込ませ、又は個人だけが知っているID番号やパスワードを家電機器EEに読み込ませたり、入力キーによって入力したりして、その個人特定情報やパスワードを電力指令装置5側にて解読し、読み込ませた本人が在宅していると判定する手段。
本実施の形態1では、「居住者」とは、後述する1つの家屋に居住する者をいい、血縁関係にある親子、兄弟、姉妹等を含むが、後述する居住空間71に所定期間だけ臨時で宿泊する訪問者や、生活を共にするその他の者を含んでいる。1つ又は複数の居住空間を1人又は数人で借用している者も含む。なお、家電機器EEを使用した場合には、居住者を「使用者」と呼ぶ。
複数の個人が居住(一時的滞在を含む)する介護施設、病院等で、空気清浄機Aを各居住空間の共用機器として利用する場合には、居住者でなくとも、その空気清浄機Aを操作して運転した者を「使用者」と呼ぶ。
本実施の形態1では、「家庭」とは、特定の管理者が管理する1つの家屋を意味しており、複数の部屋があり、複数の家族が入居している集合住宅や介護施設等も含む場合がある。すなわち、そのような集合住宅等でも、1つの家屋の場合と同様に、1つの居住空間又は複数の居住空間に対して商用電力の上限が1つの電力遮断機器(ブレーカーBK)で一元管理されている場合は、ここでいう家庭とみなす。
本実施の形態1において、後述する電力指令装置79の「動作情報」とは、1つの家庭に設定されている上限の総電力量を示す情報、現在使用している使用電力量を示す情報、前記総電力量と使用電力量の差を表す情報、前記電力指令装置79が制御対象にしている家電機器EEを具体的に特定する名称等の情報、当該家電機器EEの使用状態を示した情報、各家電機器EEで使用されている電力量の情報(例えば1分間の平均電力量)等をいうが、これに限定されるものではない。
本実施の形態1において、後述する空気清浄機Aの「記憶装置」(記憶部)とは、特に明記ない限り、制御装置19の記憶部19R、19AとNFC記憶部43の一方又は両方をいうものとする。
本実施の形態1において、「家電機器側の電力制限情報」とは、電力指令装置79から家電機器が受けた電力消費量に関する何らかの信号に関する情報をいい、後述する電力削減要請信号AS2、電力削減指令信号AS3の送信を指令に関する情報を含んだものをいう。それら情報には、その信号の受信時期(年月と秒単位の時刻)と信号の意味を示す情報が含まれる。例えば、誘導加熱調理器に対するある時点の電力削減指令信号AS3について「受信時刻:2014年1月15日 17時00秒 瞬間最大消費電力量を2%下げ」のような情報である。なお、この家電機器側の電力制限情報は、家電機器、例えば誘導加熱調理器では、その制御装置の記憶装置の中に時系列で記憶されており、主電源をON又はOFFしても消えない。主電源をONし、OFFしたことを1回の調理と考えて、少なくとも数回分は記憶保持されるようになっている。それを超えた分が順次自動的に消去される。
本実施の形態1において、「家電機器側の位置情報」とは、居住空間71の中のどの部屋に、家電機器が存在しているのかを示す情報(コード)であり、例えば居間はコード001、キッチンはコード002、寝室は003、のように事前に電力指令装置79の制御部94によってルール化されており、家電機器EEを使用して電力指令装置79の制御対象になる場合には、その家電機器の識別情報とともに当該位置情報が電力指令装置79に登録される。
キッチンの厨房家具の中に設置されて使用されるビルト・イン式の誘導加熱調理器や、壁や天井部に固定して使用される空気調和機76のように、最初の設置位置が変化しない(非可搬式)家電機器EEの場合は、そのまま永続的に位置情報を利用できる。
しかしながら、自走式電気掃除機や本発明の対象となる空気清浄機Aのように、使用者が任意の位置に持ち運び容易な(可搬式)家電機器EEの場合には、電力指令装置79と無線通信を行った場合に、その最新の位置が電力指令装置79によって割り出される。割り出された結果で、ある居住空間に空気清浄機Aがあって保湿運転された場合には、その時の居住空間の識別コードが、その空気清浄機Aの運転のデータ(例えば、運転開始時刻と終了時刻)と対になって、電力指令装置79の制御部36の記憶部(後述する第2の記憶部)99Bに記憶されるようになっている。言い換えると、その後に別の居住空間において、その空気清浄機Aを運転すると、別の居住空間の識別コードが付されて制御部94の記憶部に記憶される。
電力指令装置79と電気的接続又は通信セッションが確立した家電機器について、その位置を電力指令装置79側から特定する技術は色々提案されている。例えば最近のものでは、日本国特許公開2014−79036号公報に1例が提案されている。その先行例では、新規に導入した家電機器と、電源タップ(又は壁等の構造物に固定されている「コンセント」又は「ソケット」と呼ぶ差し込み口)との関係情報を管理するために、従来では家電機器の使用者が手動で情報を手動登録しなければならないという課題があったことを解決するため、電源タップに家電機器を接続した際、電源タップからは機器接続検知イベントを、また家電機器からは起動完了イベント通知を行い、2つの通知を受信した、家電機器(情報家電)管理装置は、どの情報端末が、どの電源タップ又はコンセントに挿されたかの候補情報をテーブルに登録する。その後、家電機器管理装置より電源タップに対し、該当コンセントに対する電源OFF指示を行い、相関関係を仮定した情報家電との通信状態をモニタする。電源OFF指示の結果、相関関係を仮定した家電機器との通信が切れたた場合には、再度、該当コンセントに対する電源ON指示を行うとともに、仮定した相関関係が正しいものとして家電機器、及び接続コンセントの登録を行う。これにより、家電機器管理装置では、人手を介さずに自動的にコンセントと家電機器との正しい接続関係を検知し、自動登録処理を行うことが可能となる技術を提案している。つまり、1つの居住空間71で電源供給を受けるコンセントを特定することで、家電機器が使用される場所の特定が可能となる。
従って、この実施の形態1の説明では、空気清浄機Aやその他個々の可搬性家電機器の最新の位置を把握する手段についての詳細な説明は省略する。
図1〜図17は、この発明の実施の形態1を示すものである。図1は、この発明の実施の形態1における空気清浄機の正面図である。図2は、この発明の実施の形態1における空気清浄機の平面図である。図3は、この発明の実施の形態1における空気清浄機の脱臭部を前方から見た斜視図である。図4は、この発明の実施の形態1における空気清浄機の脱臭部を後方から見た斜視図である。図5は、図1に示した空気清浄機の中央部B−B線における縦断面図である。図6は、図1の空気清浄機の電気回路構成を示すブロック図1。図7は、この発明の実施の形態1における図1の空気清浄機の電気回路構成を示すブロック図2。図8は、図1の空気清浄機の動作を説明するためのフローチャート図1。図9は、図1の空気清浄機の動作を説明するためのフローチャート図2。図10は、この発明の実施の形態1における情報通信端末機器の構成を示すブロック図。図11は、図10の情報通信端末機器の構成を示すフローチャート図1。図12は、図10の情報通信端末機器の構成を示す正面図1。図13は、図10の情報通信端末機器の構成を示す正面図2。図14は、この発明の実施の形態1における1つの家屋とその外部通信環境に関する概要図。図15は、図14に示した1つの家屋とその外部通信環境を示す概念図。図16は、本発明の実施の形態1に係る統合管理装置(電力指令装置)を含む、家電機器の運転管理システムの構成図。図17は、図16の統合管理装置の動作を示すフローチャート図である。
図1の空気清浄機Aにおいて、1は、空気清浄機Aの本体1A外郭前面を形成する前パネルであり、正面視において長方形状に形成されている。前パネル1の前面には、複数の空気吸込口2が規則的に形成されている。前記空気吸込口2は、長手方向を水平方向にして形成されている。空気吸込口2は、外部に向けて開口している。すなわち、空気吸込口2は、空気清浄機Aの外郭の前壁を貫通している。
図2に示すように、前記前パネル1の後方には、空気清浄機Aの本体1A外郭(前半分)を形成する前ケース3が設けられている。その前ケース3は、直方体状に形成されている。前ケース3の正面は、前記前パネル1によって覆われている。前ケース3の下面には、複数の車輪4が設けられる。この車輪は、前記本体1Aに固定された支持軸を中心として平面的に見て360度のどの方向にも自在に回転するものである。前記前ケース3の後方には、空気清浄機Aの外郭(後半分)を形成する後ケース5が設けられている。後ケース5は、直方体状に形成されている。後ケース5の下面には、複数の車輪6が設けられる。この車輪は、前記車輪4と同様に、平面的に見て360度のどの方向にも自在に回転する。
図1と図2に示すように、前記前ケース3の上面には、本体1Aを移動させるときに使用者が手を掛けて握ることができるプラスチック製のハンドル7と、使用者が運転条件を入力するための操作部8が設けられている。操作部8には、5つの操作ボタン8a1、8a2、8a3、8a4、8a5、表示部8b、ブザー8c、音声出力部(音声ガイド装置)8d、発光部8e、警告光発光部8fが設けられる。表示部8bは、例えば液晶表示画面によって形成されている。
図2と図4、図5に示すように、前記前ケース3の上面には、室内の照度検知手段として、照度センサー9が設けられている。操作部8において、8a3は、後述する「自動運転モード」を使用者が選定する操作ボタン、8a4は、空気中の匂い物質の捕集をする「急速脱臭運転モード」を使用者が選定する操作ボタンである。最も右側にある8a5は、主電源スイッチ25の押しボタン(操作ボタン)である。
図2において、9は、前記後ケース5の上面に形成した空気吹出口であり、使用者が手指等を不用意に挿入しないように、安全用の格子状の枠で覆われている。この空気吹出口9は、前記本体1Aの内部空間を外部に向けて連通させるものである。すなわち、この空気吹出口9は、空気清浄機Aの内部空間に吸込んだ空気を上方へ吹き出す口である。
図2において、20は、使用者が持ち運べる情報通信端末機器45との間で、近距離無線通信によって情報を授受できるNFC入出力部(第1の入出力部)である。これは、前記情報通信端末機器45の無線通信部41(「無線入出力部」ともいう)が所定の距離(約10センチメートル)まで接近した場合に、情報の授受が行える通信確立状態となり(1つの通信セッションの開始となる)、情報の授受が行えるための入出力部となる。
NFCとは、Near Field Communication(略称:NFC)としてとして知られている無線通信の国際規格技術のことである。
21は、統合管理装置79と無線通信ができるように、前記ハンドル7の中に設置した無線通信用のアンテナである。このアンテナは、後述する無線通信部(入出力部)35に繋がっている。
前記無線通信用のアンテナ21は、例えばIEEEにより策定された、広く普及している無線LAN関連規格の一つである「国際標準規格IEEE 802.11b」で定める2.4GHzのISM帯と呼ばれる周波数帯域を利用するものである。なお、この実施の形態1では、実際の使用中心周波数は2.412GHz(2412MHz)〜2.472GHzに設定されている。
図4において、12は、「脱臭運転モード」において空気中の匂い物質の捕集をする機能を発揮する脱臭部(「脱臭ユニット」ともいう)である。
図5に示すように、脱臭部12には、前記本体1Aの中心部に配置された額縁状の枠体15の中に設けられている。枠体15には、円板状に形成された脱臭エレメント16が設けられている。その脱臭エレメント16は、セラミック又はアルミニウムにより形成されたハニカムコアからなる。すなわち、脱臭エレメント16には、蜂の巣の開口のような複数の開口が形成される。例えば、脱臭エレメント16には、触媒がバインダーを介して塗布される。例えば、脱臭エレメント16には、触媒が含浸される。
脱臭エレメント16は、その中心部が支軸(図示せず)によって前記枠体15に回転自在に支持されている。
脱臭エレメント16下部の後方(風下側)には、加熱ユニット17が設けられている。加熱ユニット17は、扇状に形成された金属製のケースによって全体が覆われており、その加熱ユニット17の金属製のケースの内部には、ヒーター22(図6参照)が設けられている。例えば、ヒーターは、PTCヒーターからなる。PTCヒーター22は、チタン酸バリウムを主成分とする半導体セラミックからなる。
脱臭エレメント16上部一側の後方には、脱臭エレメント16の位置変更手段として、モーター23(図6参照)によって脱臭エレメント16を回転駆動する駆動手段18が設けられる。なお、駆動手段18は、脱臭エレメント16の周囲を支える外枠に形成したギアと噛み合う駆動側ギアを有しており、前記ヒーター22の加熱により、脱臭エレメント16を部分的に加熱し、その脱臭機能を回復し得る目的で設けたものである。加熱ユニット17は所定時間だけ脱臭エレメントと向かい合ってその対向部分を加熱すると、後述する制御装置19の指令によって自動的に駆動され、一定の角度だけ脱臭エレメント16を回動させて停止し、その停止状態で再び前記ヒーター22の加熱により、脱臭エレメント16を部分的に加熱するという方法を繰り返して、最終的には脱臭エレメント16の全体を加熱し、脱臭機能を回復させることができる(この脱臭機能の回復動作を、以下「脱臭機能回復動作」という)。
図4に示すように、前パネル1の下流側には、空気中の塵埃や花粉等の捕集対象物(以下、「塵埃等」という)の内、比較的大きなものを捕捉するプレフィルター10Pと、塵埃等の内、微細なものを捕集する集塵フィルター10Mとが、それぞれ前記本体1Aの内側に(互いに重なり合った状態で)着脱自在に設けられている。集塵フィルター10Mは、例えば除菌性能付きのHEPAフィルターが用いられる。
図5において、集塵フィルター10Mから見て空気流の下流側には、前記脱臭部12が設けられている。後ケース5には、送風手段として、送風用モーター13と送風ファン14とが設けられている。送風用モーター13は、その送風ファン14の中心部を支えている回転軸が水平になっている。なお、空気清浄能力は、送風手段の送風能力に依存するが、この実施の形態1では、送風能力は3段階に設定されており、最大能力時の風量は毎分8立法メートル(8m3)、中段階能力は毎分5.1m3、最小能力時の風量は毎分は1.7m3になっている。また空気清浄できる適用床面積の目安は、61平方メートル(61m2)である(一般社団法人「日本電機工業会」:規則 JEM1467により規定)。
図5において、後ケース5の下部には、制御手段としての制御装置19が設けられている。制御装置19は、操作部8、送風用モーター13、加熱ユニット17、駆動手段18に対して、それぞれ電気的に接続されている。この制御装置19は、その中核部分がマイクロコンピューターによって構成されており、運転用のコンピューター・プログラムを格納した記憶部19A(図6参照)を備えている。
空気清浄機Aの本体1A内部には、清浄にすべき空気(「処理空気」ともいう)が流れるための通風路Rが形成されている。通風路Rは、空気吸込口2、プレフィルター10、集塵フィルター11、脱臭エレメント16、送風ファン14、空気吹出口9を、順次つなぐように形成されている。
空気清浄機Aにおいて、利用者が操作部8の操作ボタン8a4を操作して通常の空気清浄運転モードを選択すると、操作部8は、通常運転モードに対応した情報を出力し、当該情報は制御装置19に入力される。当該情報に基づいて、制御装置19は、空気清浄機Aの運転を行う動作プログラムを実行する。
具体的には、制御装置19は、送風用モーター13を駆動する。当該駆動により、送風ファン14が予め設定された回転数で回転する。当該回転により、吸込み力が発生する。当該吸込み力により、室内の空気が空気吸込口2へ流入する。この際、表示部8bには、次回の脱臭機能回復動作を制御装置19が自動的に実行するまでの残時間が表示される。例えば、「残時間1時間」と表示された場合、それから通常の空気清浄運転を続けて1時間を経過すると、その直後において、制御装置19は脱臭機能回復動作の開始を指令する。
空気吸込口2へ流入した処理空気は、空気清浄機Aの本体1A内部を後方へと流れる。当該空気は、プレフィルター10Pを通過する。この際、プレフィルター10Pは、空気中から大きな塵埃を取り除く。その後、当該空気は、集塵フィルター10Mを通過する。この際、集塵フィルター10Mは、空気中から微細な塵埃を取り除く。
その後、当該空気は、更に後方へと流れる。当該空気は、脱臭エレメント16に至る。当該空気は、脱臭エレメント16上部の表側から裏側へと通過する際に、ハニカム形状の開口を通過する。この際、脱臭エレメント16の触媒は、空気に含まれる臭気の原因物質、例えばアンモニアを吸着する。当該吸着により、臭気が空気から取り除かれる。
当該空気は、更に後方に流れる。当該空気は、送風ファン14に至る。当該空気は、空気吹出口9から外部に吐き出される。
空気清浄機Aの運転を長時間継続すると、脱臭エレメント16には、吸着した臭気成分が蓄積される。当該蓄積により、脱臭エレメント16の脱臭機能が低下する。
そこで、制御装置19は、表示部8bに表示される残時間が0分になると脱臭機能回復動作を開始する。すなわち、制御装置19は、前回の脱臭機能回復動作が終了してからの累積運転時間が予め設定された時間を超えた場合に、脱臭機能回復動作を開始する。
具体的には、制御装置19は、空気清浄機Aが空気清浄運転を行っていない状態において、加熱ユニット17に対して通電する。当該通電により、加熱ユニット17のヒーター22が熱を発する。当該熱により、脱臭エレメント16において、加熱ユニット17と対向している部位が予め設定された温度まで上昇する。当該加熱は、予め設定された時間だけ継続する。その結果、脱臭エレメント16において、当該部位に吸着した臭気成分物質が十分に除去(化学分解等)される。この際、送風用モーター13は、駆動していても駆動していなくてもよい。この際、表示部8bには、脱臭機能回復動作終了までの残時間が表示される。
当該部位に対する脱臭機能回復動作が終了すると、制御装置19は、駆動手段18を予め設定された時間だけ動作させる。当該動作により、脱臭エレメント16が予め設定された角度だけ回転する。当該回転により、当該部位は、加熱ユニット17に対して回転方向にずれる。
このように、制御装置19は、脱臭エレメント16の局部的な加熱と回転とを繰り返すことを指令する。その結果、脱臭エレメント16の全域が加熱される。当該加熱により、脱臭エレメント16の全域において、吸着した臭気が十分に除去される。
(空気清浄機Aの制御装置と回路)
図6において、24は、100Vの商用電源EPにブレーカーBK介して接続された電源線、25は使用者によって開閉操作される主電源スイッチ、25Aは、その主電源スイッチ25の操作ボタン、26は、この主電源スイッチを介して電気エネルギーが供給される電源回路である。
19は、この電源回路26から所定の低圧電流が供給されるマイクロコンピューターを中心に構成される制御装置である。前記マイクロコンピューターは、入力部と、出力部と、記憶部と、CPU(演算制御部)の4つの部分から構成され、その記憶部19Aには、各種調理メニューに対応した通電制御プログラムが予め記憶(格納)されている。また、前記マイクロコンピューターの記憶部(ROM、RAM)とは別に、異常監視情報や運転時間情報を記録する大容量の記憶装置19Rを内蔵している。
空気清浄機Aの運転中は、電気的な異常状態の有無の監視が制御装置19によって実施されている。さらに制御装置19は、異常検知手段ESの一部を構成する温度検出回路27から温度情報を得て、空気清浄機Aの主要な部分(例えば、脱臭エレメント16)が異常な高温度になっていないかどうかを監視しており、所定温度を超えないように温度検出回路27を通じて監視しており、前記所定温度を超えた時点で異常状態である、と制御装置19によって判定される。この異常状態では直ちに加熱動作は停止され、送風用モーター13も電源供給が遮断する。
そして、少なくともこのような運転開始から異常発生までの期間における空気清浄機Aの主要な部分(一例として前記した脱臭エレメント16の温度)の異常監視データが、制御装置19の記憶部19Rの中に、時系列で順次格納される。
図6において、8dは、電子的に作成した音声を合成する音声合成装置であり、使用者に対する操作の案内や、異常発生時の報知などをスピーカー28から音声でその都度報知する。8cは、異常発生時に警報音を出すブザーである。
27は、温度検出回路である。この温度検出回路は、前記脱臭エレメント16の温度や、空気清浄機Aの本体1Aの内部空間の温度を検知するための複数個の温度センサー(図示せず)から温度検知情報を受け取る。
この温度検出回路27で取得した温度データは制御装置19に送られて、異常な高温になっているかどうかの判定に利用される。なお、前記温度センサー(図示せず)は赤外線センサーのような非接触型、あるいはサーミスタのような接触型の何れであっても良く、それらを単独で、又は組み合わせて使用している。
図6において、29は、ヒーター22の駆動回路で、前記電源回路26から所定の電圧(100V)の電流が供給される。
30は、位置変更手段であるモーター23の駆動回路であり、前記電源回路26から所定の電圧(100V)の電流が供給される。
図6において、31は、送風用モーター13の駆動回路であり、前記電源回路26から所定の電圧(100V)の電流が供給される。
32は、操作部8に設けた表示部8b(液晶表示画面)の駆動回路である。
33は、リアルタイム・クロックとも呼ばれている時計回路であり、後述する主電源スイッチ25に繋がる電源回路26とは別の専用電源(内蔵電池)BT1から電源が供給され、長期間に亘って駆動されるようになっている。これは例えば電波時計でも良く、常に制御装置19から求めがあれば、現在の日にちと正確な時刻を秒単位で知らせるものであり、この空気清浄機Aの製造段階で正しい日時にセットされている。従って、空気清浄機Aの主電源スイッチ25を切り、その後再度主電源を投入しても、この時計回路の時刻情報は、影響受けず、常に最新の正しい時刻を制御装置19に伝える機能がある。このため、前記制御装置19の記憶装置19Rに記録される異常監視情報も常に正確な時刻情報が同時に記録されて保存されることになる。さらに運転時刻の開始・終了時刻、また運転時間等も、記憶装置19Rに順次蓄積して保存されることになる。従ってNFC入出力部20から、情報通信端末機器45によって外部に読み出される異常監視データには、前記した発生時刻情報が付加されている。これにより後でデータを分析する際に、時間の経過を正確に把握できる。
34は、地震発生時の揺れを検知する感振機器であり、所定の震度(加速度)以上を感知した場合、振動感知信号を前記制御装置19に送り、制御装置19ではその信号を受けて地震発生と判断し、通電中のヒーター22と、モーター23、送風用モーター13の電源を瞬時に遮断する動作を行う。なお、この緊急遮断情報は、後述する電力指令装置79にも瞬時に発信され、運転中の他の家電機器(特に、電気熱源を内蔵しているもの)がある場合、電力指令装置79が、それら家電機器の電源も一斉に緊急遮断する。
35は、前記無線通信用のアンテナ21(図2参照)と接続されている無線通信部(第2の入出力部)である。
36は、空気清浄機Aの本体1Aの内部空間に設置した臭いセンサーであり、特定の臭い(例えば、臭気成分としてアンモニア)を検知した場合、その臭いの強さに応じた電圧の信号を前記制御装置19に送信する。
37は、空気清浄機Aの本体1Aの内部空間や前ケース1の前面等に設置した埃センサーであり、空気中に含まれる所定以上の大きさ(例えば、粒径0.3μm以上)の粒子の単位体積あたりの数を検知し、その数値の大小に応じた電圧の信号を前記制御装置19に送信する。
38は、空気清浄機Aの本体1Aの位置を特定する情報(例えば、水平面におけるX軸と、これに直交するY軸上の座標値や、事前に登録された部屋を特定する識別情報)を取得する位置情報取得手段である。この位置情報取得手段については、あとで詳しく説明する。なお、この位置情報取得手段38は、これ単体で物理的に独立した回路構成である必要はなく、例えば前記制御装置19の中に物理的に包含させ、その制御装置の動作を規定するコンピュータ・ソフトウエアの一部分として構成しても良い。
39は、空気清浄機Aの本体1Aの内部空間に設置された風量センサーであり、送風用モーター13によって本体1Aの空気吹出口9から吹き出される空気の量を検知し、その空気量の大小に応じた電圧の信号を前記制御装置19に送信する。
次に図7について説明する。図7は空気清浄機Aの内部構成を示すブロック図である。
前記表示部8bの駆動回路40は、表示用メモリー40A、表示コントローラー40B、インターフェース部40C、電源40D、コモンドライバー40E、およびセグメントドライバー40Fを備えている。
駆動回路40は、図7に示している通り、電源回路26からの電力により動作し、インターフェース部40Cにより制御装置19の記憶部(内蔵メモリー)19Rから表示用の画像情報を取得する。この記憶部19Rを、以下「第1の記憶部」と呼ぶ。メモリー表示用メモリー91Rは、制御装置19から取得した画像情報を記憶する。なお、空気清浄機Aの動作用制御プログラムを格納した記憶部19Aは、以下「第2の記憶部」と呼ぶ場合がある。
図7において、表示コントローラー40Bは、表示用メモリー40Aに記憶された画像情報を読み出し、この画像情報に基づいて、コモンドライバー40Eおよびセグメントドライバー40Fを継続的に駆動する。コモンドライバー40Eおよびセグメントドライバー40Fは、液晶表示画面で構成された表示部8bの、各画素に対応して設けられた互いに交差する電極に電圧を印加することで液晶を駆動する。
前記駆動回路40は、表示用メモリー40Aに記憶された画像情報を、必要な都度表示部8bに表示させる。なお、表示コントローラー40Bによって表示部8bに表示させる情報は、後述するように異常の種類や原因等が分かるように、文章化されたテキストデータも含まれる。
図7において、41は所定の位置に配置されたNFCタグの一部を構成するNFC用の通信制御IC(NFC制御回路)である。42は、このNFC制御回路41に接続されていて、外部から所定の周波数の無線を受けるとNFC制御回路41のための電源となる誘導電力を発生させアンテナである。43は、前記NFC制御回路41に接続されているマイクロチップメモリー(前述した「NFC記憶部」と同じ)である。このメモリーを以下「第3の記憶部」と呼ぶ。
図7において、44は、前記NFC用入出力部20を構成するアンテナ42部分の近傍を囲むように設置された導光板(図示せず)を、その下方から照らす発光ダイオード素子(LED)である。このLEDによって近接通信のためのタッチ位置を示す表示部20(図2に示した、前記近距離通信用入出力部と同じ)は、本体1Aの上面壁の内側から光で照らされるので、使用者は、空気清浄機Aと情報通信端末機器45との間でNFC通信状態を確立させる場合に、情報通信端末機器45を接近させる位置が容易に分かる。
前記LED44は、常時発光していなくとも良く、制御装置19によって駆動回路40の動作と連携するようになっているため、近距離通信(NFC)機能のある情報通信端末機器45等で、詳しい異常内容と対処方法等の情報が得られる旨表示することに同期して、駆動回路40により所定タイミングで点灯される。なお、点灯から一定時間経過後、LED44を自動消灯する構成にしても良い。
表示部駆動回路40は、制御装置19を構成するマイクロコンピューターとは別の、専用のマイクロコンピューターによって構成されているが、同じマイクロコンピューターで構成しても良い。
次に、図8を用いて、空気清浄機Aの動作を説明する。
図8はこの発明の実施の形態1における空気清浄機の動作を説明するためのフローチャートである。最初に、主電源スイッチ25の押しボタン(操作ボタン)8a5を押し、次に「自動運転モード」を使用者が選定する操作ボタン8a3を押した場合について以下説明する。
ステップS1において、操作部8からの入力により、制御装置19は、空気清浄機Aの運転を開始する。その後、ステップS2に進み、空気清浄機Aは、空気清浄運転を開始する。その後、ステップS3に進み、制御装置19は、送風用モーター13に対して通電する。その後、ステップS4に進み、制御装置19は、カウント手段として、送風用モーター13の通電とほぼ同時に累積運転時間TXの計時を開始する。この場合、制御装置19は、リアルタイム・クロック(時計回路)33の情報も利用する。
その後、ステップS5に進み、制御装置19は、累積運転時間TXが予め設定された時間T1以上か否かを判定する。ステップS5で累積運転時間TXが予め設定された時間T1未満の場合は、ステップS2に戻る。ステップS5で累積運転時間TXが予め設定された設定時間T1以上の場合は、ステップS6に進む。
ステップS6では、制御装置19は、照度センサー11からの検知信号に基づいて室内の明暗を判定する。ステップS6で室内が明るい場合は、ステップS2に戻る。ステップS6で室内が暗い場合は、ステップS7に進む。
ステップS7では、制御装置19は、送風用モーター13の通電を停止する。その後、ステップS8に進み、空気清浄機Aは、空気清浄運転を終了する。その後、ステップS9に進み、制御装置19は、脱臭機能回復動作を開始する。その後、ステップS10に進み、制御装置19は、加熱ユニット17のヒーター22に対して通電する。その後、ステップS11に進み、制御装置19は、加熱ユニット17のヒーター22の通電開始とほぼ同時に加熱ユニット17の通電時間TYの計時を開始する。
その後、ステップS12に進み、制御装置19は、加熱ユニット17の通電時間TYが予め設定された時間T2以上か否かを判定する。ステップS12で加熱ユニット17の通電時間TYが予め設定された時間T2未満の場合は、ステップS10に戻る。ステップS12で加熱ユニット17の通電時間TYが予め設定された時間T2以上の場合は、ステップS13に進む。
ステップS13では、制御装置19は、加熱ユニット17のヒーター22の通電を停止する。その後、ステップS14に進み、制御装置19は、駆動手段18のモーター23に対して通電する。その後、ステップS15に進み、制御装置19は、駆動手段18のモーター23への通電開始とほぼ同時に駆動手段18の通電時間TZの計時を開始する。
その後、ステップS16に進み、制御装置19は、駆動手段18の通電時間TZが予め設定された時間T3以上か否かを判定する。ステップS16で駆動手段18の通電時間TZが予め設定された時間T3未満の場合は、ステップS14に戻る。ステップS16で駆動手段18の通電時間TZが予め設定された時間T3以上の場合は、ステップS17に進む。
ステップS17では、制御装置19は、駆動手段18のモーター23の通電を停止する。その後、ステップS18に進み、制御装置19は、脱臭機能回復動作を終了する。その後、ステップS2に戻り、空気清浄運転が再開される。
以上で説明した実施の形態1によれば、室内が暗いときのみ、脱臭機能運転が開始される。すなわち、利用者が室内にいるとき等、室内が明るいときには、脱臭機能運転は開始されない。このため、利用者が室内にいる可能性が高い場合に脱臭することを妨げず、脱臭部12の脱臭機能を効率よく回復させることができる。その結果、利用者の利便性を向上することができる。
また、照度センサー11からの検知信号に基づいて室内が暗い状態になったと判定した場合は、空気清浄機Aの運転モードが夜間運転モードとなる。このため、利用者が部屋にいない可能性が高い場合に、空気清浄機Aの消費電力を抑制することができる。
なお、加熱ユニット17に採用したPTCヒーター23は、自己温度制御性を備える。すなわち、サーモスタットとは異なり、断続的制御が不要となる。このため、ノイズが発生しない。その結果、空気清浄機Aを安定して使用することができる。
次に、図9を用いて、第1の発明と第2の発明について、本発明の空気清浄機Aの特徴的な動作を説明する。
本発明の空気清浄機Aは、運転モード毎の累積運転時間又はその時間に応じた点検や機能部品の交換の時期を示したメンテナンス情報と、前記運転場所情報記録部で記録された運転場所毎の前記累積運転時間の情報とを、外部の情報通信端末機器45に提供できることが大きな特徴である。
図9はこの発明の実施の形態1の空気清浄機が、運転モード毎の累積運転時間又はその時間に応じた点検や機能部品の交換の時期を示したメンテナンス情報を蓄積する動作を説明するためのフローチャートである。このフローチャートに示す動作プログラムが前記制御装置19の記憶部19Aに格納されている。
ステップS51で処理をスタートさせると、操作部8において操作ボタン(主電源スイッチ操作ボタン)8a5を使用者が押す(ステップS2)と、制御装置19に電源が供給され、動作プログラムが起動し、ステップS53に進み、表示部8b(表示画面)を起動する。
次にステップS54に進み、使用者が操作部8において運転モードを選択することを待つ。この場面では、「自動運転モード」と、「手動運転モード」と、「急速脱臭運転モード」と、「強制的再生運転モード」の4つの内、どれを選択しても良いが、「急速脱臭運転モード」は、最も大きな空気清浄能力を要求されるので、以下、この「急速脱臭運転モード」を使用者が選定したと仮定して説明する。
ステップS54で「急速脱臭運転モード」が選択されると、ステップS55に進む。
このステップS55では、使用者が選択した運転モードが、制御装置19に読み込まれる。
そして、次のステップS56に進む。
ステップS56では、空気清浄機Aを使用する場所(部屋)を特定する情報として、使用者が決めた識別の数字、例えば「居間」は「1」、「寝室」は「2」等の数字を、操作部8において操作ボタン8a1を押してインプットした場合、その使用場所の識別情報(この場合には識別の数字1、2等)が、位置情報取得手段38に入力される。
上記の識別情報とは別に、あるいはその情報に加えて、空気清浄機Aの位置情報を、位置情報取得手段38が取得する。例えば、制御装置19の指令によって、無線入出力部35が、後述する統合管理装置(電力指令装置)79に空気清浄機Aの位置を問い合わせ、その返信信号に含まれた位置情報を利用しても良い。そして位置情報取得手段38が取得した位置情報は、制御装置19が読み込み、次のステップS57において、前回の空気清浄運転の場所の情報に追加する。それら情報は記憶装置19Rに蓄積される。
ステップS57の「場所の情報の追加」とは、前回の運転場所を示す位置情報に、今回の位置情報を加えることを意味する。例えば、前回の「急速脱臭運転モード」は、3日前と2日前に行われ、その際の使用場所は「寝室」であったが、これに今回も「寝室」が加わるので、3日間において寝室で「急速脱臭運転モード」が計3回使用された事実を示すデータが、最終的に記憶装置19Rに保存されることになる。
次のステップS58では、使用者が空気清浄機Aの運転の開始を操作部8で指令したかどうかの判定を行う。運転開始が指令された場合、ステップS59に進み、空気清浄機Aは、空気清浄運転(この場合は、「急速脱臭運転モード」)が開始される。この運転開始と同時に経過時間の計測が行われる。
次のステップS60では、「急速脱臭運転モード」の運転規制時間(運転開始から15分間)が経過したかどうか、あるいは使用者が運転停止の指令をしたかどうかの判定が行われ、時間経過した場合、または運転停止の指令があった場合には、次のステップS61に進み、制御装置19は、送風用モーター13への通電を停止して空気清浄運転を停止する。
次のステップS62では、制御装置19は、記憶部19Rに一時的に記憶させてある今回の運転場所(位置情報)と、運転モードの「急速脱臭運転モード」を示す情報に、今回の運転時間(使用者が途中で停止しない場合は、上記したように既定時間である15分間)を加算する。
次のステップS63では、制御装置19は、記憶部19RにステップS63の段階の運転時間や運転場所の累積情報を、一括して記憶部19Rへ格納する。
次のステップS64では、制御装置19は、ステップS63の段階の累積運転時間と、この空気清浄機Aのメーカが事前に決めて記憶部19Rに格納しておいた所定の(部品交換)メンテナンス時間や点検推奨時間とを比較し、それらを超えたと判断した場合、所定のアドバイス情報を生成し、または「追加動作」を行う。
この図9の実施の形態1では、ステップS64で、制御装置19は、前記「追加動作」として加熱ユニット17のヒーター22に通電を開始し、脱臭エレメント16の「脱臭機能回復動作」を開始する。これにより、脱臭エレメント16は、その一部分だけではなく、全面が加熱され、脱臭機能の再生が図られる。なお、このように全面に及ぶ「脱臭機能回復動作」には、30〜1時間程度の時間を要する。つまり、脱臭エレメント16は、所定時間だけ加熱されると、一定角度(例えば30度)だけモーター23により回動されて停止、その停止位置で所定時間加熱されると、再び一定角度だけ回動されるという動作を反復して行うことで、結果的に全体が加熱されて脱臭機能の再生が図られる。
この図9の実施の形態1では、表示部8b(表示画面)において「脱臭機能回復動作」を開始することが予告される(ステップS65)。
次に、加熱ユニット17のヒーター22に通電が開始され、再生処理がスタートする(ステップS66)。そして所定の再生処理が完了すると、表示部8b(表示画面)において、再生処理が終了した旨表示される(ステップS67)。
次に、制御装置19は、記憶部19Rの中の再生運転の実行データに、今回の再生運転の履歴を追加して記憶させる(ステップS68)。これにより、例えば、再生運転が必要な空気清浄運転の累積時間が、この段階でゼロにリセットされるので、次回の空気清浄運転では、再び0時間から運転時間の加算が行われる。
そして、ステップS69では表示部8b(表示画面)への通電を停止し、その後、主電源スイッチ25を自動的に開放する処理を行い、終了する(ステップS70)。
(情報通信端末機器45の内部構成)
図10において、情報通信端末機器45は、例えば「スマートフォン」と呼ばれる高機能の通信端末機器であり、液晶表示基板等から構成された表示画面46Aを有する表示部46と、使用者が操作する複数の入力キーを有する操作入力部(操作部)47と、無線インターフェース(無線入出力部)48と、姿勢検知部49と、マイクロコンピューターを内蔵した制御部50と、操作場面に応じた複数種類の合成音声を出力し、かつ必要に応じて情報通信端末機器45を振動させる小型バイブレータを内蔵した報知部51と、を備えている。このバイブレータは、前記報知部51から音声を出す(鳴動)するときに、それと同期して情報通信端末機器45自体を振動させることができ、これにより表示部46だけでは確実に使用者に対して操作状況や通知の着信等を報知することができない状況でも、音と振動でその報知を補うことができる。
無線入出力部48は、2つの入出力部から構成され、その1つは、後述する広域通信回路網(通信ネットワーク)88との間で所定の通信を行う無線入出力部48Aであり、他の1つは、後述する電力指令装置79のNFC入出力部98及び空気清浄機AのNFC入出力部20との間で、それぞれ近距離無線通信する無線入出力部48Bである。
前記表示部46、操作部47と、無線入出力部48、姿勢検知部49、制御部50、報知部51は、図示していないが、信号回路で相互に接続されている。前記姿勢検知部49には、ジャイロセンサー(図示せず)を備えており、使用者が情報通信端末機器45を(左右・前後方向に)傾ける際の姿勢を検出して、当該姿勢を示す信号を前記制御部50に出力する。
制御部50は、大きく分けて中央演算処理装置(CPU)52と、半導体記憶素子を主体に形成された記憶部53とを備える。CPU52は、記憶部53の中にあるROM、RAM部54に格納されている制御プログラムに従って、情報通信端末機器45全体の処理を実行するものであり、処理を実行する過程で必要なデータを前記ROM、RAM部54から読み出したり、処理を実行する過程で生成したデータを、前記ROM、RAM部54に格納したりする。
55は、記憶部53の一部を構成する半導体製の不揮発性メモリーである。このメモリー55には、前記無線入出力部48から読み込んだ各種情報を記憶させておくことができる。また、述する電力指令装置79から読み込んだ各種電気機器EEの運転状況を示す情報、環境検知部103から提供された環境情報、「異常発生情報」、後述する情報サーバー90から送信された情報、後述する対策ソフトウェア等、のそれぞれが一時的に記憶・蓄積される。この「一時的」という意味は、使用者が特に消去の指令操作をしない限り保存される場合や、1ケ月又は1週間等の一定期間だけ自動的に記憶保持され、その期間経過後には自動消去される場合を指す。
前記記憶部53には、アプリケーション・ソフトウェア部56が含まれ、このアプリケーション・ソフトウェア部56には、受信処理部57、送信処理部58、通信確立部59、表示制御部60、選択確定部61、前記メモリー55が含まれている。
前記「異常発生情報」とは、電力指令装置79の制御部94が、家電機器EE、例えば空気清浄機Aから、その電熱源(加熱源)であるヒーター22と、モーター13の緊急停止を示す信号を受けた場合に、新たに生成する特別な情報である。この異常発生情報は、前記情報通信端末機器45と、情報サーバー90で認識される専用情報である。つまり、家庭の外部へ家電機器EEの異常発生を知らせるための情報である。この異常発生情報には、電気機器EEの個別の異常発生データ(例えば、電圧値や温度、温度上昇速度など)も含まれる。前記空気清浄機Aでは、ヒーター22の電圧値や電流値、モーター13の電圧値や電流値、操作部8の表示画面8bの温度等が制御装置19によって監視されているので、それら各部から取得されたデータが、制御装置19によって異常検知に利用され、また電力指令装置79の制御部94で異常発生情報に利用される。
前記アプリケーション・ソフトウェア部56は、空気清浄機A等の家電機器EEのアプリケーション・ソフトウェアを格納することができる部分である。このアプリケーション・ソフトウェア部56は、また後述する電力指令装置79の表示盤95のためのアプリケーション・ソフトウェアも格納する。アプリケーション・ソフトウェア部56のソフトウェアは、情報通信端末機器45の外部からインストールされたものでもよいし、情報通信端末機器45の出荷時から記憶部53に格納されているものでもよい。つまり、後述する広域通信回路網(通信ネットワーク)88を介して、家庭や事務所等の外部(近郊や遠隔地など何処でも良い)にある情報サーバー90から送信された対策ソフトウェアプログラム(後述する)も、この記憶部53に格納される。
CPU52が上記のアプリケーション・ソフトウェア部56に従って処理を実行することによって、所定の受信処理部57、送信処理部58、通信確立部59、表示制御部60、選択確定部61、の各機能が実現される。これら各部分の動作について後で説明する。
次に図11に基づいて、情報通信端末機器45が、運転状態のデータや異常監視データを空気清浄機Aから取得する動作について説明する。なお、運転状態のデータや異常監視データだけではなく、空気清浄機Aが後述する電力指令装置79から取得したデータ(例えば、地域別の花粉の飛散量データ)を取得する場合も、基本的にこの図11に示すように情報通信端末機器45は動作する。
図11は、情報通信端末機器45の処理ステップを示すものである。ここで示されるステップを実行するような制御プログラムが前記中央演算処理装置(CPU)52に最初から格納されている。なお、図11の説明において、符号「SV」は、処理のステップを示すものである。また空気清浄機Aでは、空気清浄運転の途中で、何らかの異常が発生したため、使用者が表示部(表示画面)8bに表示された表示内容見て、異常内容を確認する場合を想定して以下説明する。その表示内容とは、例えば、「異常が検知されたため、緊急停止しました。詳細は、NFC表示部にNFC機能付きの携帯電話等の端末機器を接近させると情報入手できます」という説明の文字情報である。なお、同時に音声ガイド装置8dによって報知しても良い。
先に起動しておいた情報通信端末機器45を空気清浄機AのNFC用入出力部20に接近させる。すると、情報通信端末機器45は、記憶部53に格納されているアプリケーション・ソフトウェア部56を起動することによって処理が開始される。
ステップSV1において、情報通信端末機器45の通信確立部59は、情報通信端末機器45と空気清浄機Aの間にNFC通信セッションが確立されることを監視している。NFC通信は、前述したように13.56MHz帯の電波を利用した近距離無線通信である。
使用者が情報通信端末機器45を、空気清浄機AのNFC用入出力部20に近づけ、接近させる(例えば10cm又は5cmまで)と、通信確立部59は、NFC通信セッションを確立する。
NFC通信セッションが確立されると、通信確立部59はSV1でYESと判断して、SV2に進む。SV2では、送信処理部58は、SV1で確立されたNFC通信セッションを用いて、空気清浄機Aの異常監視データや識別情報の提供を要求するための情報を、空気清浄機Aに送信する(SV2)。この要求情報は、図7に示したNFC記憶部43に一時的に記憶される。
続いて、SV3では、情報通信端末機器45は、SV1で確立されたNFC通信セッションを用いて、空気清浄機Aから、使用者が表示を希望する情報を選択するための「専用の表示画面」を情報通信端末機器45の表示部46に表示する情報を受信する。この情報は、図11では「表示メニュー用の情報」と記載している。
ここでいう「表示メニュー」とは、異常発生時においては、少なくとも次の3つの情報群をいう。
(1)識別情報(製品識別情報)
(2)異常内容情報(異常内容を解説した詳細情報)
(3)アドバイス情報(製品の正しい使用方法や異常時の対処方法等を解説した情報)
前記「専用の表示画面」とは、例えば図12、図13に示したものである。
表示メニュー用情報を受信すると、受信処理部57が受信内容を確認し、SV4において、制御部50は、情報通信端末機器45を鳴動させる。これにより、使用者に受信(ここでは表示メニュー用情報の受信)が終了した旨が報知される。この直後に、情報通信端末機器45はSV1で確立されたNFC通信セッションを用いてMACアドレスを、空気清浄機Aに送信する。このMACアドレスを空気清浄機Aが受信することにより、以後の通信で連続性・関連性が担保するために空気清浄機A側において通信機器の識別に利用される。
前記SV4の時点での報知により、使用者は、情報通信端末機器45を空気清浄機Aから遠ざけてよいことを知る。仮にこれを知らない場合でも、SV6のステップでは、情報通信端末機器45の表示部46に、表示メニュー用情報の受信が完了し、通信は一旦中断するため、「空気清浄機Aから遠ざけるように」との表示が出るので、使用者の無用の混乱は回避される。これら表示部46の画面処理は表示制御部60で実行する。
情報通信端末機器45を空気清浄機Aからから遠ざけ、表示部46の表示画面46Aが見やすいよう自分の手元近くに移動させて、以後の操作を行うことができる。これにより、情報通信端末機器45と空気清浄機Aとの間の距離が、互いに電波が届く距離より大きくなると、S1で確立されたNFC通信セッションが中断される(SV7)。なお、ここまでを第1のNFC通信セッションと定義すれば、このSV7の段階は第1のNFC通信セッションの完了と言える。
仮にSV7で、NFC通信セッションが前記したようにSV7で中断しないままになった場合は、SV6の処理に戻り、使用者はNFC通信を一旦中断するように勧告される。
次に、SV8において、制御部50は、情報通信端末機器45を鳴動させる。これにより、使用者にはNFCが中断した旨が報知される。
表示制御部60は、SV3で受信された表示メニュー用情報に含まれるテキストデータを用いて、所定の選択画面を生成する(SV9)。つまり、使用者が情報通信端末機器45の表示部46で最初に確認する内容は、図12、図13に示すような「専用の表示画面」であり、表示を希望する情報の種類を3つの中から1つだけ選択することができるものである。なお、このSV9における情報の種類の選択方法については複数あるので、図12と図13の説明の際に詳しく述べる。
SV9において、例えば「異常内容情報表示」を選択した場合、この選択結果を空気清浄機Aにインプットする前には、NFC通信セッションを確立する必要がある。そこで前記したように、使用者が情報通信端末機器45を、空気清浄機Aの本体1A上面にあるNFC用入出力部20に近づけ、通信確立部59が、NFC通信セッションの確立を確認した場合、通信確立部59はSV10でYESと判断して、SV11に進む。
この後、情報通信端末機器45はSV11で確立されたNFC通信セッションを用いてMACアドレスを再び空気清浄機Aに送信する。このMACアドレスを空気清浄機Aが再度受信することにより、空気清浄機Aでは前回との通信の関連性が確認される。また同時に、情報通信端末機器45はSV9において選択した「異常内容情報表示」という表示指令を空気清浄機Aに送信する(SV11)。
続いて、SV12では、情報通信端末機器45は、SV10で確立されたNFC通信セッションを用いて、空気清浄機Aから、使用者が表示を指定した「異常内容」に関する情報を受信する。
この異常内容に関する情報を受信すると、受信処理部57が受信内容を確認し、SV13において、制御部50は、情報通信端末機器45を鳴動させる。これにより、使用者に指定した情報を受信(ここでは「異常内容情報」の受信)が終了した旨が報知される。
その後、制御部50は表示部46に、NFC通信セッションは切断することを表示し、使用者が所定時間内に新たな操作入力をしない限り、NFC通信セッションを自動的に遮断して一連の処理を終了する。なお、使用者が受信した前記「異常内容情報」は、情報通信端末機器45の記憶部53のメモリー55に記憶されるので、使用者は後日その内容を再び読み出して表示部46に表示させることができる。またその「異常内容情報」は、情報通信端末機器45の通信機能を使って広域通信回路網88経由で空気清浄機Aの販売会社や修理業者のサーバー等に送信することもできるし、情報通信端末機器45を修理業者等の所まで持参して、当該業者のところで異常監視データの内容を見せることができる。また、そのような場合、空気清浄機Aの識別情報も記録されているので、修理業者等に正確な識別情報を伝達できる。
異常監視データには、後述する各種運転情報信号L1〜L10、対象機器登録信号AS1、家電機器の総電力量を下げる要請信号(予告信号)AS2、電力削減指令信号AS3を含ませている。そのため、実際の異常を示すデータ(例えば、温度や電圧値)の計測タイミングと、例えば運転情報信号L1〜L7の送信タイミング等を時間的に対応付けてあるので、異常発生後の原因分析が容易になる。
なお、情報通信端末機器45が、SV11において「異常内容情報表示」という表示指令を空気清浄機Aに送信した場合、前記表示指令は空気清浄機AのNFC記憶部43に一旦記録され、その表示指令を受けてNFC制御回路41では、制御装置19の記憶装置19Rに記憶している異常監視データを、NFC制御回路41側へ送信するような(異常管理)データ送信命令を出す。
前記NFC制御回路41のデータ送信命令を監視していた空気清浄機Aの制御装置19が、前記NFC制御回路41の送信命令を受けて動作する。つまり、情報通信端末機器45側から制御データ(データ送信命令という制御コマンド)を前記家電機器EEの一種である空気清浄機AのNFC記憶部43へ送り、当該空気清浄機Aの制御装置19(「ホストコンピューター」機能を有する)が、前記NFC記憶部43に記憶された前記制御コマンドに従って制御動作するものである。但し、後述する図14のフローチャート図では、セキュリティの面から、電力指令装置79側から空気清浄機Aへ、情報通信端末機器45での異常監視データ取得を許可するステップ(SY11)があると説明しており、そのような指令が、後述する第1の通信手段91A経由で空気清浄機Aへ届いた後で、情報通信端末機器45が異常監視データを読み出せるようにしている。
空気清浄機Aが主電源スイッチ25を切られ、あるいは空気清浄運転が終了又は一時停止している期間中でも、使用者が情報通信端末機器45を、空気清浄機AのNFC用入出力部20に接近させれば、その都度NFC通信をできるようにするために、前記ステップ(SY11)は削除しても良い。
次に情報通信端末機器45が、空気清浄機Aの運転状態のデータや異常監視データを取得する場面での、表示部46の表示内容について、図12と図13を参照しながら説明する。
図12は、情報通信端末機器45の表示部46の表示内容を示すものである。ここで示される表示部46の表示内容は、図11のステップSV9の段階におけるものである。
図12に示している通り、表示部46には表示を希望する情報の種類を、3つの項目の中から1つ選択するように求める画面を生成している。
この図12において、62は異常発生を知らせる文字情報、63は、使用者に表示すべき情報の種類を選択するように促す操作誘導情報、64Aは「製品識別情報表示」という表示をした選択情報、64Bは「異常内容情報表示」という表示をした選択情報、64Cは「アドバイス情報表示」という文字が表示された選択情報である。
この図12の表示画面で、例えば「異常内容情報表示」を選択する場合は、2つの方法がある。
第1の方法:
操作入力部47に設けた4つの方向の選択キー(タッチ式又は押しボタン式)を使用し、例えば、選択項目を下方向に順次選ぶには、下方向指定選択キー65Bを押せば良い。最初は「製品識別情報表示」の項が選択されるように、その文字情報64Aがハイライト表示等で強調された表示になっていた場合、前記した下方向指定選択キー65Bを1回押せば、「異常内容情報表示」の項が選択され、その文字情報64Bがハイライト表示等で強調された表示になる。
下方向指定選択キー65Bを更に1回押せば、更に下方に表示されている「アドバイス情報表示」の項が選択され、その文字情報64Cがハイライト表示等で強調された表示になる。さらに1回下方向指定選択キー65Bを1回押せば、最初に戻って「製品識別情報表示」の項が選択され、「製品識別情報表示」の文字情報64Aがハイライト表示等で強調された表示になる。
以後もこのように下方向指定選択キー65Bを押せば、選択項目が巡回する。なお、同じように上方向指定選択キー65A、右方向指定選択キー65C、左方向指定選択キー65Dも操作入力部47に設けてある。なお、選択を確定するには、操作入力部47の中央部にある確定キー(タッチ式又は押しボタン式)66を押せば良い。この確定キー66を押した段階で、図11に示したSV9の処理が終わる。
第2の方法:
操作入力部47に設けた4つの方向の選択キー65A〜65Dを一切使用せずに、情報通信端末機器45を水平に維持にした状態から、左右又は前後に傾ける動作で「製品識別情報表示」の項から「アドバイス情報表示」の項まで選択できる。前記したように、情報通信端末機器45には、姿勢検知部49を内蔵しているので、使用者が情報通信端末機器45を傾ける際の姿勢(より具体的には、回転角度)を検出して、当該姿勢を示す信号を制御部50に出力する。従って、例えば下方向指定選択キー65Bを1回押すのと同様にするには、情報通信端末機器45の表示画面46Aが最も上で、下方向指定選択キー65Bが最も下になるように傾斜させれば良い。そして所望の項が選択された段階で前記確定キー66を押せば良い。この確定キー66を押した段階で、図11に示したSV9の処理が終わる。
次に図13について説明する。
図13は、空気清浄機Aから情報通信端末機器45で異常監視データを表示させた場面を示している。図13において、67は異常の内容を知らせる文字情報、68Aは、異常発生個所を示した文字情報、68Bは異常の原因を示した文字情報である。69は、使用者にこの製品(空気清浄機A)の異常について修理や点検の依頼先の情報を表示するかどうか使用者に判断を求める選択情報である。この69の項を選択して更に詳しい情報を求める場合には、前記右方向指定選択キー65Cを1回押せば良い。この図13には示していないが、空気清浄機Aを販売した時点で、製造業者がNFC記憶部43に書き込んでおいた連絡先の所在地、電話番号等の文字情報が表示画面46Aにて表示できる。
前記した「識別情報」は、空気清浄機Aに固有の情報のことであり、的確な修理や点検を行う場合に必要となる重要な情報であるから、前記NFC記憶部43に記録しておくことが望ましいが、前記制御装置19の記憶装置19Rに「識別情報」を記憶させておくことでも良い。あるいは双方に重複して記憶させておくことでも良い。例えば、工場の製造段階で識別情報が確定する製造年月や製品(シリアル)番号、保証書番号等は、記憶装置19Rに記憶させ、製品の販売時点で確定する販売日、販売業者名等の識別情報については販売店や設置業者が、NFC用入出力部20を介して後から情報を書き込んでも良い。
以上説明した実施の形態1における空気清浄機Aは、
集塵用フィルター10P、10Mを内蔵し、空気中の塵埃を捕集する空気清浄運転モードと空気中の匂い物質の捕集をする脱臭運転モードの少なくとも2つを有し、
前記運転モードの選択結果を入力する操作部8と、
前記操作部への入力結果を表示する表示部8bと、
使用者によってON・OFF操作される主電源スイッチ25と、
前記主電源スイッチ25がONにされてからOFFにされるまでの1回の使用において、運転モード毎に、その運転された時間を順次累積して記憶する記憶部19Rと、
前記フィルターに室内の空気を流通させる送風用モーター13と、
使用者が持ち運べる情報通信端末機器45との間で、近距離無線通信(NFC)によって情報を授受できるNFC入出力部20と、
前記操作部8からの入力に応じて、前記表示部46及び前記送風用モーター13の運転を制御する制御装置19と、を有し、
前記制御装置19は、前記NFC入出力部20を介して前記情報通信端末機器45と通信状態を確立した場合、前記記憶部19Rに記憶されている運転モード毎の累積運転時間又はその時間に応じた点検や機能部品の交換の時期を示したメンテナンス情報を、前記情報通信端末機器45の表示用として送信する構成である。
この実施の形態1の空気清浄機Aによれば、スマートフォンなどの情報通信端末機器45に対してNFC入出力部20経由で運転モード毎の累積運転時間又はその時間に応じて点検や機能部品の交換時期を示したメンテナンス情報を送信することができ、空気清浄機Aの保守管理(メンテナンス)が格段と楽になる。
またこの実施の形態1の空気清浄機Aは、第2の発明も次の形態で実施している。
すなわち、集塵フィルター10P、10Mを内蔵し、空気中の塵埃を捕集する空気清浄運転モードと空気中の匂い物質の捕集をする脱臭運転モードの少なくとも2つを有する空気清浄機において、
前記運転モードの選択結果を入力する操作部8と、
前記操作部への入力結果を表示する表示部8bと、
使用者によってON・OFF操作される主電源スイッチ25と、
前記主電源スイッチがONにされてからOFFにされるまでの1回の使用において、運転モード毎に、その運転された時間を順次累積して記憶する記憶部19Rと、
前記フィルター・ユニットに室内の空気を流通させる送風用モーター13と、
使用者が持ち運べる情報通信端末機器との間で、近距離無線通信(NFC)によって情報を授受できるNFC入出力部20と、
前記主電源スイッチ25がONにされて運転開始される度に、そのON操作後の空気清浄機A本体1の運転場所を示す情報を前記記憶部19Rに送信する運転場所情報記録部と、
前記操作部8からの入力に応じて、前記表示部8b及び前記送風用モーター13の運転を制御する制御装置19と、を有し、
前記制御装置19は、前記NFC入出力部20を介して前記情報通信端末機器45と通信状態を確立した場合、前記記憶部19Rに記憶されている運転モード毎の累積運転時間又はその時間に応じた点検や機能部品の交換の時期を示したメンテナンス情報と、前記運転場所情報記録部で記録された運転場所毎の前記累積運転時間の情報とを、前記情報通信端末機器45の表示用として送信することを特徴と空気清浄機である。
このため、この空気清浄機Aによれば、スマートフォンなどの情報通信端末機器45に対してNFC入出力部20経由で運転モード毎の累積運転時間又はその時間に応じて点検や機能部品の交換時期を示したメンテナンス情報を送信することができ、また空気清浄機Aを運転した場所とその場所毎の使用時間の履歴を把握できるので、使用頻度の高い場所が過去の使用実績データから分かり、予めその場所へ移動させておくこともでき、長期にわたり、保守管理(メンテナンス)が格段と楽になり、また複数の部屋で使用する場合に利便性が向上する。
この実施の形態1における空気清浄機Aの運転管理システムは、以下の構成の第3の発明も実施している。
すなわち、花粉や塵埃等の対象物を除去するフィルター10P、10Mと、室内空気を吸引する送風用モーター13とを具備し、臭いの除去機能を有した移動可能な空気清浄機Aと、
前記空気清浄機Aに対し運転開始指令信号と運転状態確認照会信号とを、無線通信用の第1の入出力部を介してそれぞれ送信する統合管理装置79と、
前記統合管理装置79に備えた無線通信用の入出力部98に対し、所定の指令信号を与える情報通信端末機器45と、を備え、
空気清浄機Aには、前記情報通信端末機器45と通信状態が確立されるNFC入出力部20を有し、
前記統合管理装置79は、前記入出力部98を介して通信状態が確立された前記情報端末機器45から、前記空気清浄機Aの、所定期間における累積運転時間、移動距離、移動の軌跡、運転回数、の少なくとも何れか1つの「運転関連情報」を読み出す制御装置94と、この制御装置94によって空気清浄機Aから取得した前記「運転関連情報」を記憶させる記憶部99Bと、この記憶部99Bに記憶された前記「運転関連情報」を任意のタイミングで表示画面に表示させることを指令する入力操作部97、とを具備したものである。
このため、この第3の発明を実施した空気清浄機Aの運転管理システムによれば、空気清浄機Aの累積運転時間等の「運転関連情報」を統合管理装置79によって管理でき、また、使用者によって任意のタイミングでそれら「運転関連情報」を読み出して表示画面95Aで確認でき、空気清浄機Aの保守管理(メンテナンス)の利便性が向上する。
この実施の形態1の空気清浄機Aでは、前記主電源スイッチ25がONにされてからOFFにされるまでの1回の使用において、その運転された時間を順次累積して記憶する場合、単位時間あたりの空気浄化能力レベルを示す情報として、手動運転モードにおいて、「強運転」、「中運転」、「弱運転」という情報も記憶部19Rに記憶させ、前記制御装置19が、前記NFC入出力部20を介して前記情報通信端末機器45と通信状態を確立した場合、前記記憶部19Rに記憶されているそのような空気浄化能力レベルを示す情報も読み出しを許可し、前記表示部8bに表示させることができる。このため、運転時間の履歴と、運転された場所を見る場合に、使用形態が容易に把握できる。
(統合管理装置と運転管理システム)
図14は、本実施形態1の空気清浄機Aが使用された1つの家屋の例を示している。このような戸建ての家庭ではなく、マンション等の集合住宅や介護施設等であっても本発明は適用できる。
図14において、70は、1つの家屋を示しており、71Aは1つの家屋の居住空間(居間)を示している。71Bは前記居住空間71Aと壁72で仕切られた隣の居住空間(キッチン)を示している。なお、居住空間を総称する場合には71を符号として使用する。この図1には示していないが、この家屋70の中には、そのほかに「浴室」、「寝室」等があり、またトイレのある部屋もある。これ以外の部屋があっても良い。
全ての居住空間71には、家屋70の外部にある電力会社の商用電源EPから例えば200Vの電力が供給されている。その電力は、電力量計73を介して家屋の内部に引き込まれている。74は前記200Vの商用電源EPにブレーカーBKを介して接続された電源線(主幹線)である。前記電源線には、空気清浄機A、テレビジョンの受像機(以下、「TV受像機」という)75、空気調和機76、照明器具77A、77B、台所用電気機器(以下、「キッチン内家電機器」という)KPがそれぞれ接続されている。なお、図1においては、TV受像機76、空気調和機76、キッチン内家電機器KPは、それぞれ1つしか示されていないが、家屋70の中に複数個あっても良い。また照明器具77A、77Bも2つだけではないが、その他は図示していない。
78は、家屋70の中で居住空間71の上面を仕切る天井面(壁)、79はブレーカーBKを介して電力が供給される電力指令装置であり、家屋70の中に1つだけ設置される。なお、前記ブレーカーBKは、家屋全体で統合的なブレーカーとして、1つの家屋で主幹回路に1つ設け、その下流側には主幹回路から分岐した2つ以上の副回路に、それぞれ副ブレーカーを配置したものでも良い。
前記電力指令装置79は、居住空間71A(キッチン)の壁面等のように、家族が容易に接近できる場所に壁掛け状態で設置されているか、又は床面の上に置いてある。なお、その他の家電機器として、食器洗い乾燥機(図示せず)や自動洗濯衣類乾燥機(図示せず)、その他の家電機器も複数あるが、これらは後で説明する。なお、この「電力指令装置」は、「統合管理装置」又は「統合管理装置」又は「集中管理装置」と呼ぶ場合がある。その理由については、後で説明する。
図14において、80は、居住空間(キッチン)71Bの室内の気温と湿度を検出する複合センサー(温度・湿度センサー)であり、環境センサーの1種である。81は、居住空間(居間)71Aの室内気温と室内湿度を検出する温度・湿度センサーであり、環境センサーの1種である。82は、家屋70の外部空間(外壁面)に設置された温度センサーであり、環境センサーの1種である。83は、居住空間(居間)71Bの花粉量を検知する花粉センサーである。
107は、少なくとも居間71Aとキッチン71B及び寝室(図示せず)の3カ所に設置した臭気センサーであり、例えばアンモニア臭や硫黄化合物の臭いに敏感なものが選定されている。この臭気センサー107も、環境センサーの1種である。
140は、少なくとも居間71Aとキッチン71B及び寝室(図示せず)の3カ所に設置した塵埃センサーであり、空気清浄機Aの埃センサー37と同様な機能を有する。この塵埃センサー140も、環境センサーの1種である。
前記複合センサー80、(屋外)温度センサー82、温度・湿度センサー81、花粉センサー83、臭気センサー107、は、測定された温度や湿度を無線又は電気信号で後述する電力指令装置79の環境検知部103に送信する機能を有している。またその電源は充電された電池でも良いし、前記電源線1からの電力でも良い。またこれらセンサーの消費電力は1W(ワット)程度の小さいものであるため、前記電源線74からの電力で運転する場合でも、電力指令装置79の電力制限対象にはしていない。これら環境センサーは、所定のタイミングで電力指令装置79へ計測データを継続的に送信している。例えば、空気調和機76のある居住空間(居間)71Aにおいては、10分間隔で、またキッチン71Bでは5分間隔で気温と湿度、埃、臭気が計測されている。特にキッチン71Bでは、食品等を扱う空間であるため、気温と湿度、埃、臭気の監視間隔は、居間71Aに比較して短くしており、電力指令装置79側から環境データの取得指令が発せられなくとも、環境変化を自動的に短時間(少なくとも5分間)間隔で検知できるようにしている。
以上説明したように、環境センサーの1種として、空気中の花粉の飛散量を測定する花粉センサー83と、空気中の単位容積あたりの塵埃量を測定する塵埃センサー140と、室内の騒音の大きさを検知する騒音センサー(図示せず)と、が各居住空間71A、71B内のそれぞれ適当な位置に設けてある。また室内の明るさを検知する照度センサー(図示せず)も、各居住空間71A、71B、寝室(図示せず)内のそれぞれ適当な位置に設けてある。
また前記温度・湿度センサー81の他に、室外又は家屋70の外部の気温と湿度を検知する温度センサーや湿度センサーを設けても良く、花粉センサーは、室内だけではなく室外(例えば家屋70の外壁表面や窓の外枠、ベランダ、屋上等)にも設置しても良い。なお、この環境検知部103自体は、前記電力指令装置79の本体79Aと離れた場所、あるいは別の居住空間に設置してあり、その本体79Aと無線又は有線で接続されている場合も、本発明では「電力指令装置79に備えている」と定義している。
図14において、84Aは、人間が自然に発する赤外線を検知して居住空間71Aの中に人間が居るかどうかを検知できる人感知センサーである。84Bは、同じく人間が自然に発する赤外線を検知して居住空間71Bの中に人間が居るかどうかを検知できる人感知センサーである。なお、この他の居住空間71にもこのような人感知センサー84(図示せず)を設置しても良い。
前記人感知センサー71A、71Bは、人が居るかどうかを検出した結果を、無線又は電気信号で後述する電力指令装置79の人検知部105に送信する機能を有している。またその電源は、事前に充電された電池でも良いし、前記電源線74から分岐して供給される電力を使用しても良い。またこれらセンサーの消費電力は1W〜数W程度の小さいものであるため、前記電源線74からの電力で運転する場合でも、電力指令装置79の電力制限対象にはしていないので、所定のタイミング(例えば10秒毎)で電力指令装置79へ計測データを継続的に送信している。なお、人感知センサー71A、71Bは、赤外線式だけに限定されず、他の方式、例えば超音波方式のものを採用しても良い。
引き続いて図14を説明する。85は、前記TV受像機75のチューナ(図示せず)に接続されている屋外アンテナ、86Aは、前記電力指令装置79に接続されたルーターAであり、このルーターAは、電力指令装置79を電力会社やその家屋の地域に情報を発信する地域地震情報提供機関等の外部機関87Aにインターネット等の広域通信回路網(「通信ネットワーク」又は「インターネット」と称する場合がある)88を介して接続している。
86Bは、前記TV受像機75に接続されたルーターBであり、このルーターBは、前記TV受像機75を、前記広域通信回路網88を介して外部機関87Bに接続している。この外部機関87Bは、例えば放送番組を提供する放送局や、医療・健康管理情報・運動計測(運動管理)情報を提供する公的機関や民間会社等であるが、これら以外であっても良い。前記2つの外部機関87A、97Bは別々のものであっても良く、また同じ機関であっても良い。
運動計測情報を提供する民間会社等とは、例えば、本格的なトレーニングプログラムを希望者へ提供し、また当該希望者が実施した各種運動(歩行、走行、ダンスやヨガ等)のデータや、それら運動した人の体組成バランス(例えば、体脂肪の率)や活動消費カロリー等の各種データを管理する組織をいう。怪我や病気で運動機能が低下した人に対し、その運動機能の改善を目的としたリハビリ情報を提供する機関も含まれている。
図14において、Aは、本発明の対象となる移動式の空気清浄機であり、図14では1つの居住空間71Aの中に設置されているが、寝室やキッチン71B等の他の居住空間71へ自由に移動させることが可能である。
次に図15を参照しながら、この家屋70の外部の通信環境を説明する。なお、この実施の形態1の電力指令装置79は、ルーターA86Aを介して外部機関87Aに通信ネットワーク経由で接続されているが、一般にホーム・ゲートウエイと呼ばれる機器を使用しても良い。この場合のホーム・ゲートウエイとは、インターネット接続やデジタル放送,IP電話などの各種デジタル情報メディアと,電力指令装置79やデジタル家電機器などの端末の間に設置する家庭内用機器をいい、それら電力指令装置79等をネットワーク化して制御したり,通信・放送メディアから受け取ったりした情報をそれら電力指令装置79やデジタル家電機器に伝達する役割を担うものである。常時接続型のブロードバンド・サービスで,インターネット接続に加えてIP電話やコンテンツ配信サービスを提供している際に,事業者がこのような家庭の居住者(使用者)に貸し出すルーターを「ホーム・ゲートウエイ」と称する場合が多い。
前記電力指令装置79は、図14では広域通信回路網88を介して外部機関87Aに接続されていたが、実際にはこの図15に示すように、広域通信回路網88は、88Aと88Bの2つから構成されており、また中継サーバー89と、それぞれの広域通信回路網88A、88Bを介して外部機関87AのASP(「アプリケーション・サービス・プロバイダー」のことをいう)サーバー90にアクセスする。このASPサーバー90には、後述するように各種データベースが設けられており、多数の住宅に対応して後述する各種情報を記憶するように構成されている。つまり、このASPサーバー90は、情報サーバーとしての機能を保有するので、以後、情報サーバー90と呼ぶ。
前記情報サーバー90は、各種家電機器EEの主に制御手段及び情報提供手段として機能するもので、家電機器EEの製造業者(メーカ)、販売業者、修理業者、あるいは情報サービス提供業者等の組織が、単独で、又は2つ以上の組織が共同で設置しており、家電機器EEに関する各種サービスを、広域通信回路網88A、88Bを介して利用者に提供するものである。
前記情報サーバー90には、このサーバーのホストコンピュータとして機能する中央演算処理装置90CPと、広域通信回路網88に接続されて情報の授受を行う通信手段である通信部90IFと、前記家電機器EEのアプリケーション・ソフトウェアを記憶し、また改善ソフトウェアを蓄積している改善ソフトウェア(対策プログラム)提供部90Sと、家電機器EEの使用者を特定する利用者特定用データベース(「使用者情報データベース」ともいう)90Uと、空気清浄機A等の家電機器EEの製造業者(メーカ)が提供した技術情報を蓄積したメーカ側情報データベース90Mと、が設けられている。
前記情報サーバー90は、一般に「Webサーバー」(以下「ウェブサーバー」という)と呼ばれているもので良い。ウェブサーバーは、HTTP(HTML文書や画像などのデータをWebサーバーとWebブラウザ間でやり取りするために使われるプロトコル)に則り、各種情報通信端末機器45、各家庭等にあり情報通信機能を備えた前記電力指令装置79、あるはその他パーソナル・コンピュータ等のような、「情報を受け取る側」の情報処理機器(クライアント)側ソフトウェアのウェブ・ブラウザに対して、HTMLやオブジェクト(画像など)の表示情報を提供するサービスプログラム及び、そのサービスが動作するサーバーコンピュータを指す。なお、ウェブ・ブラウザは、「インターネットブラウザ」、又は「WWWブラウザ」ともいい、「World Wide Web」の利用に供するブラウザである。
前記利用者特定用データベース90Uには、利用者からの、所謂ユーザー登録により受け付けた情報として例えば情報サーバー90へのログインIDやパスワードなどの利用者固有情報、ルーターA86Aのネットワークアドレス(MACアドレス)などの設定情報、特定の家電機器EEのネットワークアドレスや種類、型名といった固有の情報(前記した「識別情報」を含む)が記憶されている。つまり、前記家電機器EEの使用者情報を、検索可能な状態で蓄積する機能を備えている。
前記アプリケーションデータベース90Bには、居住空間の外部、例えば居住者の勤務先や外出先等の遠隔地から、電力指令装置79又は家電機器EEを遠隔制御することができるようにした制御用アプリケーション・ソフトウェアが格納・記憶されている。これにより、後述する情報通信端末機器45、例えばスマートフォンと呼ばれている端末機器から情報サーバー90にアクセスして制御用アプリケーション・ソフトウェアをダウンロード(読み込み)することにより、前記遠隔制御を実現することができる。
情報サーバー90には、家電機器EEの特定の機種モデルに対応して、家電機器EEの動作プログラムの内容を改善した「改善ソフトウェア」が保管してあり、それを電力指令装置79が広域通信回路網88を介して入手した場合、当該改善ソフトウェアは、電力指令装置79の入出力部91B(図16参照)を介して電力指令装置79から、空気清浄機Aやその他の家電機器EE側へ提供される。なお、ここでいう「改善ソフトウェア」は、「対策ソフトウェア」と同じである。改善ソフトウェアは、1回作成されるだけではなく、必要に応じ、さらに改善したバージョン・アップ版が用意される場合がある。
この実施の形態1でいう情報通信端末機器45とは、使用者が気軽に携帯して屋内や屋外、その他外出先等で通話やデータ(メール情報を含む)の通信を行える携帯用通信機器のことである。インターネットで文字情報や画像、音楽等をダウンロードしたり、メールを送信・受信したり、遠隔操作信号を発信できる機器であるが、通話できない機器でも良く、そのような携帯用通信機器を総称して情報通信端末機器45と呼んでいる。なお、小型の携帯用パーソナル・コンピュータも情報通信端末機器の一種である。
本実施の形態1における情報通信端末機器45は、各家電機器EEの入出力部に数センチメートル程度接近させ(又は接触させても良い)、近距離通信で信号の授受をさせる近距離無線通信機能を備えている。
この実施の形態1では、空気清浄機Aを含む家電機器EE側に、いわゆる無線タグ(NFCタグ)が埋め込まれている。当該NFCタグは、空気清浄機Aの例で示したような、NFC用の通信制御IC(以下、「NFC制御回路」という)41(図7参照)と、この制御回路に接続されていて、外部から所定の周波数の無線を受けると前記制御回路41のための電力が発生するアンテナ42と、前記NFC制御回路41に接続されているマイクロチップメモリー(以下、「NFC記憶部」という)43とから構成されている。
一方、情報通信端末機器25側では、図10に示したような構成を具備している。
そして、空気清浄機Aの例で説明したように、家電機器EEの内部記憶装置にある情報を、情報通信端末機器45側で読み出す機能だけではなく、家電機器EE側の動作も情報通信端末機器45からの制御コマンドによって起動できる機能まで保有している。
図15において、92は基地局であり、居住者が所有している情報通信端末機器45を、家屋70と距離的に離れた場所にある勤務先の施設93の場所で使用した場合に、情報通信端末機器45との間で通信を行う。
図15において、広域通信回路網88Bには、中継サーバー89、広域通信回路網88Aを介して情報通信端末機器45の基地局92が接続されており、情報通信端末機器45から基地局92を介して情報サーバー90やルーターA86Aにアクセスすることができるようになっている。つまり、この家庭の居住者が所有している情報通信端末機器45を、図15に示すように離れた場所にある勤務先の施設93から広域通信回路網88Aに接続すれば、情報サーバー90にアクセスすることができ、電力指令装置79又は電気機器EEの制御用アプリケーション・ソフトウェアをダウンロードすることにより、家庭から離れた施設93から、電気機器EEを遠隔制御することができる。
この実施の形態1においては、情報通信端末機器45から空気清浄機Aを含む家電機器EE側に対する直接的な遠隔操作はできないようにしてある。これは家電機器EEの中には、電熱調理器等のように高熱を発するもの(第2の特定家電機器SP2)もあるため、家屋の外から多くの人が利用する通信回路を経由して遠隔操作することは、安全面を考慮して採用していない。その代わり、全て電力指令装置79を経由して家電機器EEの操作が可能となるようにしている。なお、家屋70の内部では、情報通信端末機器45はTV受像機75のみを無線通信で遠隔操作できるように制限してある。遠隔制御の内容は後で詳しく説明する。情報通信端末機器45は、空気清浄機Aの主電源ON−OFFや空気清浄運転の開始、停止等は行えないようになっている(NFC入出力部20を介しての情報の授受はできる)。
図16は、本実施形態1の家電機器の運転管理システムが適用された電力指令装置5を中心に示したブロック図である。この図16において、79Aは、前記電力指令装置79の本体で、外形は箱形状をしている。この本体79Aの内部には、1つの家庭で使用できる電力使用限度を設定する設定器や、家電機器EEと電力上限値(家庭内で使用できる総電力)との差を判定する比較器、強制的に電力を削減する場合に、削減すべき家電機器の優先順位の設定手段、及びこれら各構成要素を制御する制御部94が全て格納されている。
図16において、95は、電力指令装置79の本体79Aの正面に設けた表示盤で、使用者が自由に持ち運びできる大きさ、重さになっている。95Aは、その表示盤95の表示画面である。
96は本体79Aに内蔵された記憶装置(大容量メモリー)で、例えばDVD記録装置や各種半導体メモリー、又はハードディスクドライブ装置(HDD)等である。また、表示盤95の表面は、例えばタッチ式パネルで構成されており、電力制御や居住空間HAの気温や湿度等の環境関係の情報を表示する表示部としての機能と、画面に触れることにより使用者からの入力が行われる操作入力部97としての機能とを有している。この操作入力部97を操作することにより、電力指令装置79における前記した使用限度設定器の上限電力値や削減すべき家電機器の優先順位の設定が行える。
図16において、91A、91B、91Cは、無線通信を行うための送受信部であり、以下、単に「入出力部」と呼ぶ。1つの入出力部91Aは、前記空気清浄機Aを含む各種家電機器EEと無線通信を行うためのものである。入出力部91Bは、前記ルーター86Aと無線通信を行うためのものである。91Cは、TV受像機75と無線通信を行うためのものである。なお、この実施の形態1では、これら送受信部91A、91B、91Cで使用する無線は、IEEEにより策定された、広く普及している無線LAN関連規格の一つである「国際標準規格IEEE 802.11b」で定める2.4GHzのISM帯と呼ばれる周波数帯域を利用している。実際の使用中心周波数は2.412GHz(2412MHz)〜2.472GHzに設定されている。
なお、各家電機器EEには、通信機能を内蔵させずに、通信用アダプター100(図18において説明する)を1つずつ設置しても良い。前記通信用アダプター100も、上記した2.4GHzの周波数帯域を利用している。
図16において、98は、NFCのための無線入出力部である。これは、図10に示している前記情報通信端末機器45の無線通信部(NFC無線入出力部)48Bが所定の距離(約10センチメートル)まで接近した場合に、情報の授受が行える通信確立状態となり(1つの通信セッションの開始となる)、情報の授受が行えるための入出力部となる。
前記無線入出力部98は、電力指令装置79における表示盤95の操作入力部97の直ぐ近くの下方に、常時「NFC」の文字を表示して設けてある。これにより、無線入出力部98の設置位置が明確になるようにしてあるから、情報通信端末機器45の無線通信部(NFC無線入出力部)48Bを接近させることが容易にできる。
TV受像機75は、外部機関87Bから緊急的な情報、例えば夏場の日中において、この家庭の総電力量の上限を早急に削減(いわゆる「ピークカット対応」)して欲しいという要請情報がTV受像機75に届いた場合、あるいは緊急地震情報が気象庁や居住地域を担当する地域の防災センターや地震警報センター等から届いた場合等に、それら情報をこの居住空間HAにいる居住者が早期に知ることができる。なお、TV受像機75を視聴していない場合であっても、緊急遮断情報が発信された場合、当該情報で起動され、情報を報知するようにしたTV受像機は従来から色々提案されているので、ここでは具体的な説明を省略する。
電力指令装置79の電力関連情報、例えばその時点における家庭内の総電力使用量や、外部から電力削減要請を受けていることを示す情報等を、前記電力指令装置79の表示画面95Aで表示するのではなく、居住者が集まっている居間等の居住空間に設置されているTV受像器75で表示させることができる。
94は、前記したように、3つの無線通信用の入出力部91A〜91Cや、表示画面95Aを集中的に制御する制御部である。またこの制御部94は、後述するように、家電機器EEに対して、電力削減要請信号AS2、電力削減指令信号AS3の送信を指令する。前記空気清浄機Aは、この実施の形態1においては、消費電力を削減すべき対象機器ではない。つまり「第1の家電機器」ではないので、電力指令装置79の入出力部91Aから前記電力削減要請信号AS2、電力削減指令信号AS3を受信することはない。
前記制御部94には、電力制御関係で専用の「第1の記憶部」となる第1のメモリー99Aを保有しており、ブレーカーBKに設定された総電力量上限値の情報や、各種家電機器EEの消費電力量を制限するための電力量上限値のデータ、さらには居住者毎に設定された電力上限値等の情報が、それぞれ記憶されている。
また制御部94には、空気清浄機Aの関係で、特に使用場所データ等を格納するために「第2の記憶部」となる第2のメモリー99Bを保有している。
この第2の記憶部99Bには、空気清浄機Aの運転中において、空気清浄機Aが使用された居住空間71における環境情報又は環境データ(例えば、気温、湿度、臭い、単位体積あたりの埃の数)が、その運転時間と対になって時系列で記録される。「臭い」データの代わりに、臭気強度という環境情報を記憶させても良い。
例えば、運転時刻が23時10分であった場合、それから10分ごと(居間71Aの場合、キッチン71Bでは5分毎)に環境検知部103(後述する)によって取得された気温と湿度の環境データが、その時刻情報と共に順次記憶される。従って環境データに基づく「環境快適度」等の「環境情報」の生成も可能となる。
なお、前記入出力部91Aは、電力指令装置79がインターネット経由で入手した各電気機器EEの動作プログラム改善用の特定のコンピュータ・プログラムソフトウェアを読み込む際に使用される。
図16において、103は前記環境検知部である。この環境検知部は、前記複合センサー80、温度・湿度センサー81、温度センサー82、臭気センサー107、塵埃センサー140で測定された温度や湿度等の情報を受け取る。84は、人感知センサー82、83の人感知情報を受け取る人感知部である。
前記環境検知部103には、各居住空間71の中に、それぞれ照度センサー(図示せず)を設置している。その照度センサーは、居住空間が明るいか暗いかを見分けるためのものであり、例えば前記人検知部105が、ある居住空間71に人がいないと判断している状況で、照度センサーが明るい状態であることを示している場合、居住者が照明器具77Aを点灯したままの状態であることを忘れている可能性が考えられる。そこでこのような場合は、電力指令装置79の制御部94は、その時点での総電力使用量が使用限度設定器で設定された上限値よりも十分に余裕のある少ない量であったとしても、電気エネルギーの無駄を無くすという観点から照明器具77Aの消灯を使用者に(表示画面95AやTV受像機75の表示画面を通じて)勧告する。その後、電力指令装置79の制御部94は消灯指令信号を当該照明器具に発する(但し、当該照明器具77Aを電力指令装置79の電力削減対象機器になるように、接続しておくことが必要)。
図16において、104は在宅検知手段(「在宅検知部」ともいう)であり、前記人検知部105からの人の存在を検知しているかどうかの検知信号を受ける構成になっている。
また居住空間71の共通した出入口である玄関(図示せず)の外側には、電気錠106が設置されており、その電子錠に入力された暗証番号や生体情報(例えば指紋情報)に基づいて、居住者が帰宅したことを検知する個人認証手段(図示せず)を備えている。この個人認証装置では居住者からのパスワードの入力に基づいて、居住者であるかどうかを判定するが、その判定結果を前記在宅検知手段104に送信する構成になっている。
玄関のドアを電子的にロックしている前記電子錠と個人認証手段については、既に多くの構成例が提案されているので詳しく説明しないが、本実施の形態1においては、各居住者(例えば居住者A〜Dの4名)にそれぞれ固有のパスワードが割り当てられている。全ての居住者には「4桁の(共通の)数字の後に、個人別数字2文字」というルールでパスワードを決めるように指示されている。居住者Aのパスワードは「123401」、居住者Bのパスワードは「123402」、居住者Cのパスワードは「123403」となっている。なお、このパスワードは、玄関ドアの電子錠の所に設置してある10個の入力キー(テン・キー)で入力する。
前記パスワード入力して居住空間の中に入った後、玄関から逆に外に出る際には、パスワード入力は必要ないが、前記人検知部105が、所定の時間(例えば30分間)に亘って全ての居住空間71から人の存在を検知できない場合は、在宅検知手段104が、全ての居住者が外出しているものと判断し、それまでに入力した全ての居住者のパスワード入力記録を取り消し、在宅状態から留守状態へ検知情報を変更する。
この後、居住者が帰宅した場合は、再度パスワード入力が必要となる。なお、玄関から外出する際に、各居住者が外出することを前記個人認証装置にインプットするようにすれば、更に在宅状態の検知は正確になる。また前記したように、パスワードの入力を省略するため、生体情報(例えば指紋情報)から、居住者が帰宅したことを検知する手段に変えたり、居住者が保持している固有の身分証やIDカード等に記録された個人特定情報を、磁気的又は光学的手段で個人認証装置に直接読み込ませたりするという方法でも良いが、詳しい説明は省略する。
図16に示した表示盤95の表示画面95Aでは、前記環境検知部103が判定した環境関係のデータを、前記情報通信端末機器45のNFC入出力部48Bから読み出すことができる。つまり、仮に空気清浄機Aの無線通信部(第2の入出力部)35と電力指令装置79の入出力部91Aとの間で、無線通信ができない状況(例えば一時的な通信障害)であっても、空気清浄機AのNFC入出力部(第1の入出力部)20と、情報通信端末機器45のNFC入出力部48Bとの間で情報の授受ができる。
同様に、その他家電機器EEと電力指令装置79の入出力部91Aとの間で、無線通信ができない状況(例えば一時的な通信障害)であっても、情報の授受が行える。
空気清浄機Aの運転結果(例えば、累積運転時間や、運転モード、あるいは異常発生で停止した状態)のデータが、情報通信端末機器45で取得できることから、情報通信端末機器45を家屋70の外部に持ち出して、遠隔地でそれらデータを専門家(例えば医師や空気調和専門家等)に見て貰って質の良い空気調和、空気清浄の助言を得たり、そのデータを加工したりして、帰宅後に、空気清浄機Aに読み込ませ、その後の運転に利用するという便利な利用方法も可能となる。
TV受像機75の表示画面で表示できる情報と、表示盤95の表示画面97Aで表示できる情報とは、基本的に較差はない。つまり電力指令装置79の「動作情報」、環境検知部103の「環境情報」は、TV受像機75の表示画面でも表示盤95の表示画面97Aでも、同様に表示可能である。但し、TV受像機75では、通常20〜60インチの画面サイズであるのに対し、表示盤95の表示画面97Aの画面サイズは、10〜15インチ程度と、数分の1以下と狭いので、全く同じ内容が同じ大きさで表示される訳ではない。当然ながら表示される文字のサイズは小さくなるが、前記した居住空間71の温度・湿度表示情報や各種環境情報は、何れも表示される。
以上説明した構成により、TV受像機75の表示画面と表示盤95の表示画面97Aとの間で、表示される情報の齟齬が生じないようにして、キッチンでも居間でも同じ(電力関連情報、環境情報等の)情報を確認できるようにしている。なお、これら各種情報の表示画面97Aでの表示は、前記制御部94の第1の記憶部99Aに格納した表示用制御プログラムによって実行される。
本発明の(空気清浄機を含む)家電機器の運転管理システムは以上の構成であるので、前記空気清浄機Aや、空気調和機76は、電力指令装置79の本体79Aとの間で、無線信号によって電力削減指令や運転状態報知等の通信を行っている。但し、空気清浄機Aは、電力削減指令信号は受けない。
前記空気清浄機Aからの異常監視データや識別情報は、その空気清浄機Aの入出力部35と入出力部91Aとの間の無線通信を利用して、電力指令装置79の本体79A側へ送信され、最終的には当該本体79Aの中にある第2の記憶部99Bに記録させる。
これによって、仮に空気清浄機Aの異常監視データの容量が大きく、情報通信端末機器45が近距離無線通信(NFC)によって当該データを読み込むまでに時間を要することが懸念される場合にも、迅速に異常監視データを電力指令装置79は空気清浄機Aから取り出すことができる。そして第2の記憶部99Bに保存した異常監視データは、操作入力部97からの操作によって、表示盤95の表示画面95Aに表示させることができる。そのため、使用者は、手元に適当な情報通信端末機器45がない場合でも、前記電力指令装置79の表示盤95を利用して異常の内容や推定原因、その他アドバイスを確認することができる。
同様に、識別情報も本体79A側へ送信し、第2の記憶部99Bに記憶させておけば良い。このようにすることで、仮に数年前に空気清浄機Aを購入し、既に取扱説明書や保証書等の物的な書面、資料が手元に無い場合であっても、使用者はその空気清浄機Aに異常が発生した段階で、異常の内容や識別情報を確認し、販売店やメーカ(製造業者やその委託を受けた業者等)に修理や点検を依頼する場合でも、的確に空気清浄機Aに関する事実関係を伝達でき、早期に的確な対応をすることを可能にし、使用者だけではなく、販売店やメーカ側においても利便性が向上する。
空気清浄機A等の家電機器EEの識別情報は、異常監視データとは異なり、常に変化するものではないので、1回だけ第2の記憶部99Bに記憶できれば良い。従って、異常発生の都度、必ずしも識別情報を取得する必要はないが、古い記録の中から探す労力を減らすためには、異常が発生した場合に識別情報を空気清浄機A側から提供することが望ましい。
上記のように空気清浄機Aから情報通信端末機器45が異常監視データを直接受け取り、情報サーバー90にその異常監視データを転送する方法では、空気清浄機Aの周囲の環境データ(例えば、居住空間71Aの気温や湿度情報)や、電力指令装置79から他の家電機器EEに対して出していた電力制限動作等の指令情報が、情報サーバー90に伝達できない。そこで、これを解決する方法として、電力指令装置79が異常監視データを、前記「異常発生データ」に変更(データ充実化)して、情報サーバー90に送る方法も実施できるように構成している。これについては、次の図17を参照しながら説明する。
図17は、電力指令装置79の制御部94の動作を示すフローチャート図である。
空気清浄機Aの空気清浄運転が緊急停止した情報が、入出力部35と入出力部91Aを介して電力指令装置79の制御部94に届く(ステップ:SY1)と、制御部94は、使用者が情報通信端末機器45を介して外部に異常監視データの送信を設定しているかどうかを判定する(SY2)。
情報通信端末機器45を介して異常監視データを送信するように事前に設定してあった場合、制御部94は、空気清浄機Aに対して、情報通信端末機器45が異常監視データを取得し、外部へ送信することを通知する(SY10)。これに続いて、空気清浄機Aに対して、その制御装置19が把握している異常監視データを、情報通信端末機器45がNFC通信で読み取ることを許可するように指令する(SY11)。これ以降は、前記したように、情報通信端末機器45が異常監視データを直接受け取り、情報サーバー90にその異常監視データを転送することができる。なお、前記したように、空気清浄機Aから、いつでも情報通信端末機器45がNFC通信で異常監視データや識別情報を読み取ることができるよう、前記2つのステップ(SY10)、(SY11)は省略しても良い。
一方、前記ステップSY2において、異常監視データを情報通信端末機器45経由で送信するよう事前に設定していない場合には、制御部94は、環境検知部103に対して、最新の環境情報を取得するように指令し、環境検知部103は、空気清浄機Aが設置されている居間や寝室等の居住空間71の気温や湿度等の環境情報を取得して、制御部94に送信する(SY3)。
次に、制御部94は、空気清浄機Aが設置されている居間、寝室等において、他に運転中の家電機器がある場合、その運転情報を取得する。例えば、空気調和機76が運転中であり、消費電力は1300Wであること、また運転開始から120分経過していること、電力指令装置79からは何の電力制限指令も出されていないこと、等の情報が取得される(SY4)。このような情報取得は、前記電力指令装置79に対して、各家電機器EEの設置位置の情報が登録されているため、可能となっている。同じ居住空間における家電機器は、電力指令装置79側の制御部94(第2の記憶部99B)に保存されている「設置位置情報」を検索することで直ぐに分かる。
次に、制御部94は、空気清浄機Aから受信した異常監視データに、環境データをセットにして情報サーバー90に対して、異常発生情報を送信するための指令を出す。このデータ送信時には、前記した「同一居住空間における、他の家電機器EE等の運転情報」も送信する(SY5)。つまり、単なる異常を監視していて計測、取得されたデータそれだけではなく、異常が発生したことを電気機器側が一次判定したことを示す特別な識別コードも含め、「異常発生情報」としている。なお、異常発生情報が、1度の通信で送信できない場合には、複数回に分割して自動的に送信するようにしておいても良い。
次に、制御部94は、情報サーバー90に送信した異常監視データ等の異常発生情報を、記憶装置96の内部に、識別情報とセットにして記憶させる。これにより、上記情報サーバー90への送信が、何らかの通信異常で失敗した場合でも、後日また電力指令装置79としてデータを取り出し、再送信することができる。
次に、制御部94は、居間のTV受像機75が既に起動されているかどうかを判定する(SY12)。居間で空気清浄機75を使用中に、その使用者(就寝者)がその居間から離れて別の部屋(居住空間)に行っていることは想定し難いが、可能性としてはゼロではないので、人感知センサー82、83によって居住者が居ることが分かった居住空間にあるTV受像機75で、空気清浄機Aの使用者や他の居住者へ、異常の発生を報知した方が安全性向上する。このためにこの処理(SY12)がある。但し、空気清浄機Aの異常発生タイミングが、深夜(23時)から早朝(午前5時)の間である場合には、突然TV受像機2が起動されて画像や音声で報知されると、安眠妨害や他の居住者の不安感を招くおそれがあるので、上記のSY12の処理を受けて、TV受像機75を起動するという後述の処理(SY7)は、深夜から早朝の間は省略される。
次に、制御部94は、TV受像機75が既に起動されていた場合、その表示画面において、異常発生を警報文字やアニメーション等で速やかに報知する(SY8)。
もしこのステップ(SY12)でTV受像機75が起動していない場合は、電力指令装置79の制御部94は、TV受像機75に、起動指令信号を送り、TV受像機75を起動する(SY7)。そして異常発生を警報文字やアニメーション等で速やかに報知する(SY8)。
次に、制御部94は、空気清浄機Aから受信した異常監視データと、環境データとをセットにして、異常発生情報を(情報サーバー90に向けて)送信するよう、入出力部91Bへ指令を出す。またこのデータ送信時には、前記した「同一居住空間における、他の家電機器EE等の運転情報」も送信する(SY9)。以上で電力指令装置79により情報サーバー90への異常発生情報の送信動作を終える。
この図17に説明した機能は、例えば子供や高齢者が自宅の寝室で空気清浄機Aを使用中に、もし異常が発生した場合でも、その異常の発生を子供の親や高齢者の介護者等が保有している情報通信端末機器45で確認でき、またその使用場所と離れた居住空間のTV受像機75でも知ることができるので、居住者の安全性や安心感を増大させることができる。
実施の形態1の変形例.
図18は、本発明の実施の形態1の変形例を示したものであり、本発明に係る家電機器の運転管理システムで使用される通信アダプター100、電力指令装置79及び家電機器の全体構成を示すブロック図である。図中、前記実施の形態1のものと同一又は相当部分には同一符号を付してある。
図18における家電機器の運転管理システムは、実施の形態1のものと基本的構成は同じである。但し、電力指令装置79の制御部94と、空気清浄機A含む家電機器EEとの間は、直接情報の授受ができず、介在物として別個の通信アダプター100を使用している点が大きく異なっている。また、空気清浄機Aは、「第1の家電機器」と定義されており、電力指令装置79から電力削減指令信号AS3等を受ける可能性がある点で、実施の形態1とは大きく異なっている、
前記「通信アダプター」100とは、個々の家電機器とその電源との間に設けられる通信制御機器をいう。例えばここでいう通信アダプターとは、特開2010−288388号公報に示されるような通信アダプターをいい、電源プラグとコンセント(接続口)又は端子を有し、そのコンセント又は端子に通電を制御すべき電気機器を接続する。そして電力指令信号を通信アダプターが無線や有線通信手段によって受け取ると、制御すべき家電機器の電源供給を制限し、又は遮断する。このように既存の家電機器に通信アダプターを接続し、その通信アダプターに電力制御装置79から電力指令信号を送り、その信号によって通信アダプター100が家電機器を制御するので、既存の家電機器にも通信アダプター100を電源側に介在させることで、電力指令装置79によって電力を集中制御できる利点が得られる。
通信アダプター100は、電力指令装置79の入出力部91Aに無線で接続される入出力部110と、通信アダプター100自身の制御を行う制御部111と、通信アダプター100が制御対象とする空気清浄機Aの通電制御を行うための制御プログラム及び制御用データを格納したプログラム格納部112と、空気清浄機Aの制御装置19に所定の信号ケーブルで接続された入出力部(インターフェース部)113、とにより構成されている。
前記通信アダプター100は、空気清浄機Aとは別に直接電源線(主幹線)74に接続され、その電源線から電力を得る方式で良いが、空気清浄機Aの電源回路26に、コネクタ等の接続手段で接続し、電力を得る方式でも良い。電源線74に直接接続したものでは、空気清浄機Aの主電源スイッチを開放(切断)しても、常に通信アダプター100には電力が供給されるから、空気清浄機Aの運転中、主電源切断中の何れにあっても電力指令装置79との通信を実行することができる。
この図18に示した変形例では、空気清浄機A以外の家電機器EEにも、それぞれ前記通信アダプター100と同様な構成のアダプター(図示せず)が設置されている。このため、1つの家庭内、居住空間等で複数の通信アダプター100が同時に使用されることから、各通信アダプター100には、各通信アダプター固有の識別番号(通信アダプターID)が付けられており、電力指令装置79の側から見て、通信相手の特定の通信アダプター100だけを識別できるようになっている。
1つの通信アダプター100は、空気清浄機Aの本体1Aの外郭となる本体ケース(箱体)に直接固定し、又はそのような本体1Aと信号用ケーブル等で接続し、その本体の近傍に設置されて使用されるようになっている。またこの通信アダプター100があることから、実施の形態1における空気清浄機Aで備えていた無線通信用の入出力部35は、空気清浄機A側で不要となっている。なお、実際には、空気清浄機Aをメーカが販売する場合には、この通信アダプター100をセットにして同時に販売している。
この変形例においては、実施の形態1のように、空気清浄機Aに異常が発生したことが制御装置19によって判定されると、直ちに空気清浄機Aの動作を緊急停止するため、ヒーター22と、モーター13を緊急停止する。そしてこれら緊急停止を示す信号を、前記通信アダプター100から電力指令装置79に送信し、その後、制御装置19で空気清浄運転中に連続的に取得していた監視データが、通信アダプター100から電力指令装置79に送信される。
この変形例によれば、通信アダプター100が、電力指令装置79との間で各種信号を授受できる。
しかも、空気清浄機Aの中に、前記した通信アダプター100のような機能を組み込んで製造する必要がないので、空気清浄機A自体のコストを低く抑えることができる。つまり、この通信アダプター100は、空気清浄機Aの特定モデル専用に設計されたものでなくとも良く、他の家電機器EEにも(前記プログラム格納部112の記憶内容を入れ替えること等で)広く利用することができるので、多数の家電機器EEを使用する1つの家庭でも、全体の設置費用を抑制できるという効果もある。
実施の形態2.
図19〜図22は、本発明の実施の形態2を示すもので、図19は、空気清浄機Aの操作部を示す平面図である。図20は、同じくその空気清浄機AとNFC通信によって情報の授受を行える情報通信端末機器を示す正面図1、図21は、同じく情報通信端末機器を示す正面図2である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分は同一符号を付け、重複した説明は省略する場合がある。
図19において、8bは、空気清浄機Aの操作部8に設けた表示部(表示画面)であり、その表示部は、液晶表示画面116と、この液晶表示画面の上面全体を覆うガラス板(図示せず)に使用者のタッチを(静電容量の変化で)検出する複数の透明な検知電極(図示せず)を貼り付けたり、蒸着させて定着させたりして構成したタッチ検知部とを具備している。
前記ガラス板の上面(表面)には、物理的な構造物としては現れないが、後述する各種アイコン115が、前記液晶表示画面116の表示によって視覚上で認識できる。そのガラス板自体の特定部分が発光したり、画像を発生させたりする訳ではないが、以下の説明では、このように表示部8bの上のガラス板に、文字や図形、その他の情報が表示されることを、視認する使用者の立場に立って、「表示画面に表示」という表現を使う。
なお、ここでいう「アイコン」とは、所望の入力を行うことができる。つまり、個々のアイコン部分には、静電容量検知型のキーが配置される。アイコンの存在と機能を表示するため、特定の機能が(少なくとも入力を受け付け可能な状態では)文字や図形で表示される。後述する図28の例のように、「健康管理情報」というように、文字で目的・機能を表示しただけの入力表示部(「タブ」又は「見出し」と呼ばれる場合もある)174もアイコンに含むものとする。
前記液晶表示画面116は、図19に示すように平面視が長方形である。
117は、使用者に操作の入力を促す情報を表示する第1の表示エリアで、図19の例では、使用者に運転モードを選択するように文字情報が表示されている。
図19において、118〜121は、運転モードを選択するアイコンである。図19に示した画面は、空気清浄機Aの主電源スイッチ25をONにして使用開始する場合の最初の画面を示したものである。実施の形態1と同様に、この実施の形態2においても、空気清浄機Aの「運転モード」とは、「自動運転モード」と、「手動運転モード」と、「急速脱臭運転モード」と、「強制的再生運転モード」の、4つがある。
118は、「自動運転モード」の選択用アイコン、119は「手動運転モード」の選択用アイコン、120は、「急速脱臭運転モード」の選択用アイコン、121は、「強制的再生運転モード」の選択用アイコンである。
122は、空気清浄機Aの累積運転時間を表示する運転時間表示部である。この累積運転時間は、強制的再生運転モードによって前記脱臭エレメント16全面が加熱され、脱臭機能の再生が図られた場合には、その時点でゼロに戻る。つまり、この累積運転時間の表示を見ることで、脱臭機能の再生後の運転時間を把握することができる。
123は、空気清浄機Aが、制御装置19によって自動的、つまり強制的に脱臭機能の再生運転に入るまでの余裕時間を示す運転可能時間表示部である。この図19の例では、あと累積運転時間が10時間までは、強制的な脱臭機能の再生運転モードには入らないことが使用者には容易に分かる。言い換えると、運転時間表示部122と運転可能時間表示部123の2つから、脱臭エレメント16の定格運転時間が、累積で60時間であり、既に50時間運転してしまったことが分かる。
124A〜124Dは、空気清浄機Aを使用した場所(居住空間)の情報を、使用者が直接入力できるようにした4つのアイコンである。124Aは、居間という使用場所情報を入力するためのアイコン、124Bは、居間1という使用場所情報を入力するためのアイコン、124Cは、居間2という使用場所情報を入力するためのアイコン、124Dは、まだ特定の居住空間が指定されていないアイコンである。このアイコン124Dの使用場所情報を定義する入力は、この空気清浄機A自体で行え、また情報通信端末機器45でも行えるが、詳しい説明は省略する。なお、以下の説明では、124A〜124Dの4つの使用場所情報の入力用アイコンを総称する場合は、符号として124を用いる。またこれら使用場所情報の入力用アイコンは、実施の形態1における位置情報取得手段38の(運転場所情報の)手動入力手段に相当する。
125Fは、液晶表示画面116を切り替える(進める)ためのアイコンであり、次の画面を表示させる場合に使用される。125Bは、逆に1つ前の画面に切り替える(戻す)ためのアイコンである。図19の状態は、最初の画面であり、前の画面に戻す必要もなく、また戻すことは不可能であるので、図19では破線でアイコンの輪郭を示しているが、実際には、このアイコン125Bは表示されないので、使用者が仮にタッチしても、何の操作入力も行えない。
図19において、126は、空気清浄運転や、強制的な脱臭機能の再生運転の開始を指令するスタートスイッチ(スタートキー)に相当するアイコン、127は、前記した4つの運転モードによる運転を、使用者が任意の時点で停止させるための指令を与えるストップスイッチ(スタートキー)に相当するアイコンである。
128は、インフォーメーション・キーであり、使用者がこれに触れると、その場面で使用者に参考になる有益な使用方法、特定の運転モードの運転条件(例えば、運転時間)などの情報が、この液晶表示画面116の中、例えば、前記第1の表示エリア117の中や、それとは別の位置に出現する特定の表示エリアにその都度表示される。
129は、ヘルプモードキーであり、使用者がこれに触れると、その場面で使用者の操作に参考になる情報が表示されるとともに、音声ガイド装置8dによって、正しい操作方法が音声で報知される。なお、何度もこのキーを押した場合、この液晶表示画面116の中に、注意事項や更に詳しい操作手順等の情報が、模式図や文字等で表示される。なお、20は、NFC入出力部(第1の入出力部)であり、前記液晶表示画面116の外側で、かつ手前の位置にある。つまり、このNFC入出力部は、空気清浄機A本体1Aの上面に配置されており、使用者が操作部8を操作する場合に、容易にその設置位置が分かるようになっている。
前記各種アイコン118〜121、使用場所情報の入力用アイコン124、インフォーメーション・キー128、ヘルプモードキー129、運転の開始・停止用のアイコン126、127は、常に液晶表示画面116の中に表示されるものではない。使用者の入力操作が必要になった場合に、必要なアイコンは表示され、不必要になった場合には、自動的に消える。これらの一連の表示動作は、制御装置19が駆動回路40(図7参照)を通じて実行している。
実施の形態2の空気清浄機Aは、使用場所情報の入力用アイコン124があるので、使用者は使用する部屋等を直感的に選定でき、目的の使用場所を示したアイコン124にタッチする。なお、例えば2つのアイコン124Aと124Bが同時にタッチされた場合は、入力を無効とするようになっている。1つのアイコン124Aがタッチされ、その後で別のアイコン124Bがタッチした場合には、最も新しい操作を有効と判断するようになっており、アイコン124Bの操作入力が制御装置19に対して有効となる。
この実施の形態であるから、実施の形態1ではステップS56において、空気清浄機Aを使用する場所(部屋)を特定する情報として、使用者が決めた識別の数字、例えば「居間」は「1」を、操作部8において操作ボタン8a1を押してインプットする必要があったが、この実施の形態では、「居間」を指定するには、居間であることが明示されたアイコン124Aにタッチすれば良く、迅速に入力操作を終えることができる。そしてこの入力を完了しない限り、運転開始の指令を与えるアイコン126を表示した表示画面には進まない。なお、図19では、アイコン125Fが破線で描かれていないが、図19は、使用場所情報の入力用アイコン124が押され、アイコン125Fは入力可能状態であり、これをタッチすれば次の画面に進めることを示しているので、実線でアイコン125Fを示している。
次に図20について説明する。
図20は、空気清浄機Aの空気清浄運転が終了した後、その直後に、運転結果を情報通信端末機器45で確認する場合の表示画面46Aの表示内容を示している。
この場面の情報通信端末機器45は、実施の形態1で説明したNFC通信セッションの確立により、空気清浄機AのNFC記憶部43(第3の記憶部)に記憶されていた直前の運転データを読み取った状態である。
図20において、130は空気清浄運転が終了したことを確認する画面であることを知らせる文字情報である。この図20に示している通り、表示部46の表示画面46Aには、表示を希望する情報の種類を、3つの項目の中から1つ選択するように求める画面を生成している。131は、選択を促す文字情報である。
この図20において選択できる3つの情報とは、使用場所別の累積使用時間について情報と、空気清浄度(空気清浄運転の結果)に関する情報と、アドバイス情報である。
132Aは、「場所別累積使用時間」という表示をした選択情報、132Bは、「空気清浄度」という表示をした選択情報、132Cは、「アドバイス情報表示」という表示をした選択情報である。
図20において、「場所別累積使用時間」という表示をした選択情報132Aを入力操作部47で選択した場合、図21の画面表示に変化する。図21において、133、134は、累積運転時間の情報を表示する画面であることを知らせる文字情報である。
135Aは、居間の累積使用時間を示した情報で、図21では「5時間」となっている。135Bは、寝室1の累積使用時間を示した情報で、図21では「45時間」となっている。つまり、この空気清浄機Aは、2つの居住空間で、合計50時間運転されていることが分かる。
なお、この実施の形態2では、空気清浄機Aの運転中において、空気清浄機Aが使用された居住空間71における環境情報又は環境データ(例えば、気温、湿度、臭い、単位体積あたりの埃の数)が、その運転時間と対になって時系列で、記憶装置19Rに記録される。記憶装置19Rには、異常監視情報を記録した結果も記憶させてある。このため、情報通信端末機器45では,前記した「空気清浄度」の選択情報132Bを選ぶ操作を行うことによって、空気清浄機Aの臭いセンサー36や埃センサー37が検知した環境状況を、空気清浄機AからNFC入出力部20を介して読み出し、表示部46に随時表示させることができる。
実施の形態3.
図22〜図24は、本発明の実施の形態3に関するものである。図22は、統合管理装置(電力指令装置を兼ねる)79を主体にした、家電機器の運転管理システムの構成図であり、空気清浄機Aの運転管理システムを示している。図23は、統合管理装置79と、空気清浄機Aの間における、各種指令信号や報知情報の授受を、時系列で示した説明図1である。図24は、統合管理装置79と、空気清浄機Aの間における、各種指令信号や報知情報の授受を、時系列で示した説明図2である。なお、これら図において、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して、重複した説明は極力省略する。
まずこの実施の形態3の空気清浄機Aの制御装置19は、統合管理装置79に対して、空気清浄機Aを使用する居住空間の環境状態(例えば、埃や花粉の飛散量)を把握するために、空気清浄運転を開始する段階で、単位体積あたりの花粉の飛散量や、埃の量等のリアルなデータの提供を求めることができ、また居住空間が暗い場合又は夜間の時間帯では、後述する睡眠時間の判定データを求めることができる点が特徴である。
実施の形態3の統合管理装置79は、居住空間にいる居住者の入眠時刻、覚醒時刻等のタイミングを示す情報から実際の睡眠時間帯を把握できる機能がある。具体的には、図22に示すように、睡眠判定部101を有している。この睡眠判定部101は、睡眠センサー102から、生体情報を定期的(所定の時間間隔)に受信して睡眠状態を判定する機能を有する。この生体情報とは、例えば居住者の就寝時(就床時)の生体の心拍、呼吸数、および体動の時間変化を示す情報であるが、これに限定されない。
各種の睡眠検知手段や睡眠状態の判定技術が既に提案されており、例えば日本国特許公開2007−199025号公報には、睡眠センサー付き身体装着装置及び睡眠報知制御方法が提案されている。また日本国特許公開2014−73237号公報には、対象者の呼吸から睡眠状態を推定する睡眠モニタリングシステムが提案され、日本国特許公開2014−70766号公報には、脚を具備するベッドと、脚に設置され脚に掛かる荷重を検出する荷重計と、寝室を空調する空調機と、荷重計にて検出された荷重の変動に基づき使用者の睡眠状態を判定し、使用者の睡眠状態に基づきエアコンの設定温度を決定する温度決定部と、寝室の温度が温度決定部によって決定され設定温度になるようにエアコンを制御する制御基板と、を備える、睡眠環境制御システムが提案されている。日本国特許公開2014−42773号公報では、浅い睡眠から深い睡眠へと遷移する際に最適な制御を行い、利用者に違和感を与えることなく浅い睡眠から深い睡眠へと誘導することができる睡眠環境温度制御装置が提案されている。その他として日本国特許公開2013−213642号公報では、就寝者に快適な睡眠環境を提供可能な室内環境制御システムが提案されている。
本発明の本実施の形態3における睡眠判定部102は、上記したような各種方式、構成の技術が適用できる。
次に、図23の各動作T1〜T12について説明する。
使用者が、空気清浄機Aの主電源スイッチ25をONし(T1)、「お任せ(運転)モード」を選択すると、この選択結果を示す信号が空気清浄機Aから統合管理装置79に送信される(T2)。ここで「お任せモード」とは、実施の形態1における「自動運転モード」に相当するものであり、標準モードと、おやすみモード及び節電モードの3つのモードがある。空気清浄機A自身が、臭いセンサー36や、埃センサー37を利用して、空気清浄機Aが置かれた場所、居住空間71の環境情報を常に所定時間間隔で監視し、空気清浄運転を開始したり、一時停止したり、あるいは送風用モーター13の消費電力を抑制した「弱」運転に切り替えたりする等の動作を自動的に行うものである。なお、前記「節電モード」は、居住空間の空気中における花粉の飛散量や埃の飛散量が少ない場合には、自動的に運転が一時的に停止するものである。
統合管理装置79の制御部94は、環境検知部103に対して、空気清浄機Aの置かれた居住空間71の環境データを取得するように指令する(T3)。すると環境検知部103は、環境センサー80、81、82,83、107、140を起動する。
環境検知部103は、取得した環境データの中から、空気調和に関係するものとして、少なくとも室内気温・湿度・花粉飛散量、埃飛散量の各データを、空気清浄機Aの置かれた居住空間71の環境データとして制御部94へ送信する。
制御部94は、入出力部91Aから無線で空気清浄機Aの無線入出力部35へ前記環境データを送信する(T5)。なお、ここで室内気温・湿度・花粉飛散量、埃飛散量の各データをそのまま送信しているが、空気清浄機Aでは、そのような実際の生データの方が制御装置19における処理に使いやすいからである。しかし、環境データではなく、それに評価係数等を掛けて評価指標等に変換した「環境情報」の形で送信しても良い。
空気清浄機Aでは、その入出力部35から制御装置19に届いた環境データは、制御装置19の記憶部19Rにおいて、時系列で、かつ居住空間71別に記憶されて保存される(T6)。仮に取得した環境データから、埃や花粉の飛散量が多く、空気の汚染度が高くて、居住者には健康上、推奨できない状況であることが制御装置19によって判明した場合、できるだけ迅速に空気を浄化できるような運転条件を選び、空気清浄運転を開始する(T6)。
空気清浄機Aは、空気清浄運転を開始し、その入出力部35から統合管理装置79の制御部94に対して、空気清浄運転を開始したことを示す通知信号を送信する(T7)。
空気清浄機Aでは、その制御装置19によって、埃センサー37や臭いセンサー36等から送信されてくる検出データを所定の時間間隔(例えば1分間)で繰り返しチェックし、居住空間71の空気の質の変化(この場合、空気浄化の改善度合い)を監視する。
一方、前記環境検知部103は、空気清浄機Aの置かれた居住空間71の環境データを、その後も所定の時間間隔(例えば3分間)で取得し、前に取得した環境データと変化があった場合には、最新のデータとして入出力部91Aから無線で空気清浄機Aの無線入出力部35へ送信するように指令する(T8)。
制御部94は、入出力部91Aから無線で空気清浄機Aの無線入出力部35へ前記環境データを送信する(T9)。
空気清浄機Aは、制御装置19によって所定の時間(例えば、3時間)だけ空気清浄運転を継続して運転を終了するが、このような運転終了について、その入出力部35から統合管理装置79の制御部94に対して、通知する(T10)。
空気清浄機Aでは、T7の時点から空気清浄運転が停止するまでの時間を計測しているので、空気清浄運転が一時停止した場合にも、それまでの運転時間データは制御装置19の記憶部19Rに保存される(T11)。
空気清浄機Aでは、T7の時点から空気清浄運転が停止するまでの期間中、空気清浄度を監視している。すなわち、一旦空気清浄度が向上し、空気清浄運転を自動的に一時休止したあと、再びその居住空間の環境状況が悪化した場合を検知し、その場合には、空気清浄運転を再開してその旨統合管理装置79へ報知する(T12)。
次に、図24の各動作T1〜T14について説明する。
この図24は、使用者が、「お任せモード」の中の1つのモードである「おやすみモード」を選択した場合の動作を示している。
図24のT8までは、図23と同じである。
図24において、睡眠判定部は、空気清浄機Aの設置された居住空間71において、居住者の入眠状態を検知したとの判定データを空気清浄機Aへ無線で送信する(T9)。すると、それまで通常の運転速度で回転駆動されていた送風用モーター13は、空気清浄機Aの運転音が最も静かになるように制御装置19によって制御される。つまり、「おやすみモード」の中で最も静かな運転状態になる(T10)。
空気清浄機Aは、制御装置19によって所定の時間(例えば、5時間)だけ空気清浄運転を継続して運転を終了するが、このような運転終了について、その入出力部35から統合管理装置79の制御部94に対して、通知する(T11)。
空気清浄機Aでは、T6の時点から空気清浄運転が停止するT11の時点までの時間を計測しているので、空気清浄運転が終了した場合にも、それまでの運転時間データ(この場合は、5時間)は制御装置19の記憶部19Rに保存される(T12)。
空気清浄機Aは、制御装置19によって、空気清浄運転の累積時間が所定時間(例:30時間)になると脱臭機能回復動作を開始するようにプログラムされているが、前記T12の段階で、そのような30時間になった場合(この30時間に近い時間、例えば27時間の場合でも良い)、制御装置19は、脱臭機能回復動作を指令する。具体的には、空気清浄機Aが空気清浄運転を行っていない状態において、加熱ユニット17に対して通電開始する(T13)。当該通電により、加熱ユニット17のヒーター22が熱を発して脱臭エレメント16の機能再生処理が行われる。そして当該加熱は、予め設定された時間だけ継続し、脱臭機能回復動作は終了する(T14)。
以上のように、この実施の形態3における空気清浄機A及び運転管理システムは、空気清浄機Aのある居住空間で使用者(居住者)か入眠したことを示す睡眠判定データを入手し、睡眠状態を妨げないように、空気清浄機Aの運転モード、運転条件(送風用モーター13の回転速度など)を自動的に制御装置19が変更する。
このため、この実施の形態3においては、居住者が就寝時に空気清浄機Aを使用する場合でも、その睡眠状態を妨げず、快適な睡眠となるように自動的に「おやすみモード」を適切に実行するから、使用者にとってより快適な使用環境が実現できるという効果がある。
なお、睡眠センサー102と睡眠判定部101を1つのユニットで構成し、居住者の体や衣服、または寝具等に装着して、入眠データを統合管理装置79に送信するように変更しても良い。
また入眠データは、統合管理装置79から自動的に空気清浄機Aに提供されるようにした構成(図24)ではなく、空気清浄機Aから統合管理装置79へ要求信号が届いた場合に、初めて睡眠判定部101を起動し、睡眠状態にあるかどうかを判定するように変更しても良い。
なお、図23と図24に示す空気清浄機Aの動作履歴は、制御装置19の記憶部19Bに、その日時情報、使用場所のデータと組にして格納される。一方、統合管理装置79側でも同様に制御部94の動作や、睡眠判定部101の判定結果を示す情報は、記憶装置99Bの中に、その日時情報、空気清浄機Aの使用場所のデータと組にして格納される。従って、これら何れの情報も、情報通信端末機器45によって容易に取り出せるとともに、また操作入力部97の操作に応じて液晶表示画面95Aに表示させることができるので、空気清浄機Aの運転履歴や運転時間等の情報を、使用者が確認できる。
以上の説明から明らかなように、この空気清浄機Aでも、実施の形態1と同様の効果が期待できる。
さらに、睡眠状態を妨げないように、空気清浄機Aの運転モード、運転条件(送風用モーター13の回転速度など)を自動的に調整するから、居住者が就寝時にも快適に使用できる空気清浄機Aを提供できる。
第4の発明
以上の説明から明らかなように、この実施の形態4では、更に別の空気清浄機の運転管理システムを実施している。
すなわち、実施の形態4の空気清浄機の運転管理システムは、
居住空間から空気を吸引し、花粉や塵埃等の対象物を除去した後の空気を居住空間へ排出する機能を有し、居住空間内を移動可能な空気清浄機Aと、
前記空気清浄機Aと、第1の入出力部91Aを介して無線で通信する統合管理装置79と、
前記統合管理装置79に備えた無線通信用の第2の入出力部98に対し、所定の指令信号を与える情報通信端末機器45と、を備え、
前記空気清浄機Aは、前記情報通信端末機器45と通信状態が確立されるNFC入出力部20を有し、かつ送風量が異なる複数の運転モードを選択できる操作部8を有し、
前記統合管理装置79は、睡眠センサー102から入手した生体データから使用者(居住者)か入眠したことを判定する睡眠判定部101を備え、
前記空気清浄機Aは、空気清浄運転中に、前記統合管理装置79から前記入眠状態になったことを示す所定の通知を受けた場合、睡眠状態を妨げないように、空気清浄機Aの運転モードを自動的に変更する制御装置19を備えたものである。
この構成の空気清浄機の運転管理システムによれば、空気清浄機Aから累積運転時間やメンテナンス情報等の情報を情報通信端末機器45で容易に取得できるとともに、居住者の入眠後の睡眠を妨害しないような空気調和運転に自動的に変更できる。このため、深夜の寝室等においても空気清浄機Aを有効に活用できる。
実施の形態4.
図25〜図30は、本発明の実施の形態4を示すものであり、図25は、空気清浄機の移動用車輪部分と制御装置の概要図である。図26は、空気清浄機を使用する家屋を模式的に示した平面図、図27は、空気清浄機やその他家電機器が接続される電力制御システムで制御されるTV受像機の画面例の概要図1、図28は、図27に示したTV受像機の画面例の概要図2である。図29は、図27に示したTV受像機の画面例の概要図3、図30は、図27に示したTV受像機の画面例の概要図3である。なお、これら図において、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して、重複した説明は極力省略する。
図25は、本発明の空気清浄機の移動用車輪部分と制御装置の概要図であり、前記車輪の回転量とその方向を検知して空気清浄機本体の移動方向と距離を計測する移動検出部を説明する図である。
図25において、141は、ボール状の車輪(移動用ボール)であり、空気清浄機Aの本体1Aを支えるように支柱(図示せず)に回転自在に支持されている。この車輪は、パーソナル・コンピュータの入力用操作部として知られている「トラックボール」のように、球体であり、空気清浄機Aの本体1Aが家屋70の床上を移動する場合に、円滑に回転する。空気清浄機Aの本体1Aの底部の少なくとも4隅に、1つずつ配置されている。なお、1つの車輪はこの図25の構成を用い、他の複数個の車輪は、実施の形態1で示したような汎用の車輪4,6であっても良い。
142は、1つの前記車輪141の上に設置された車輪カバーであり、縦断面形状が半円形であり、車輪141の上部表面に近接するように球面形状に形成されている。
143は、回転検出センサーであり、磁気感知式又は光学式のセンサーである。
磁気式とは前記車輪が磁性体から形成されている場合、その回転によって発生する磁気を検知し、車輪141の回転を非接触で検知するものをいう。
光学式とは、前記車輪に対してレーザー光線等を当て、その反射光から車輪の回転を非接触で読み取るものをいう。
144は、回転量と回転方向の判定回路であり、前記回転検出センサー143から送られてくるパルス状の信号を積算し、図26に示すように平面上のX軸方向とY軸方向の回転量を制御回路19が算出できるようにしている。なお、前記判定回路144と、回転検出センサー、制御回路19は、電源コードを介して電源回路26に電源を供給しなくとも(つまり、主電源スイッチ25を閉じなくとも)、空気清浄機Aの本体1Aに内蔵した二次電池や補助電源回路によって電源が供給されるようになっている。つまり通常の空気清浄運転時では電源コードの先端のプラグを壁等の給電口に接続する必要があるが、この実施の形態4の空気清浄機Aでは、そのような電源接続動作は不要である。但し、主電源スイッチ25を閉じないと、空気清浄運転はできない。
図26は、空気清浄機を使用する家屋70を模式的に示した平面図である。この場合の家屋70とは、一般の家庭はもちろん、高齢者介護施設や病院の病室等であっても良い。
家屋70は、第1の部屋71E、第2の部屋71F、第3の部屋71G、第4の部屋71Hから構成されている。
図26から明らかなように、家屋70は、前記4つの部屋(居住空間)71E、71F、71G、71Hが1つの廊下145によって繋がっている。それら各部屋は壁72A〜72Fによって区画されている。
図26の家屋70の中に示したP1は、第1の場所(基準位置)である。この位置は、空気清浄機Aを使用する使用者が最初に自由に設定できる。この図26では、廊下145の左端部にある。
P2は、第2の場所である。P3は、第3の場所である。
前記第1の位置〜第3の位置は、実際の家屋70の床上等に何ら物理的に存在したものではなく、空気清浄機Aの制御装置19が、移動検出部としての機能を発揮するために、コンピューター・プログラムで描いたマップ(座標データ)の上の1つの点でしかない。
以上の構成であるから、この空気清浄機Aを使用する場合には、最初に第1の場所P1に空気清浄機Aを配置し、その位置で、操作部8に設けた起点設定ボタン(「基準位置設定ボタン」ともいう)を押すと、空気清浄機Aの制御装置19は、その位置で、記憶装置19Rに蓄積される使用位置データをリセットする。
次に空気清浄機Aを実際に使用する場所が第3の部屋71Gであった場合と仮定して説明する。
空気清浄機Aを第1の場所P1から第3の部屋71Gの第2の場所P2に、廊下145を経由して床上を前記車輪141によって移動させると、その移動に伴う車輪141の回転と回転方向を示す信号が、前記回転検出センサー143からの信号を受けた判定回路144に送信される。例えば、前記車輪141の外周長さが20cmであった場合、この車輪141が20回転すれば、それまでの回転検出信号を蓄積した結果、制御装置19では走行距離は4mであることが分かる。
そこで、第3の部屋71Gの第2の場所P2で、空気清浄機Aの主電源スイッチ25をONし、その場所で空気清浄運転を行うと、その第2の場所P2で行った空気清浄運転の運転モードや運転時間、日時等の情報がセットになって記憶部19Rに記憶される。なお、運転時間は、空気清浄運転の終了を待って計算され、記憶される。
空気清浄機Aを次に使用する場所が第4の部屋71Hであった場合と仮定して説明する。
空気清浄機Aを第2の場所P2から第4の部屋71Hの第3の場所P3に、廊下145を経由して床上を前記車輪141によって移動させると、その移動に伴う車輪141の回転と回転方向を示す信号が、前記回転検出センサー143からの信号を受けた判定回路144に送信される。そして制御装置19では走行距離は、例えば第2の場所P2からX軸方向で、マイナス3mであることが分かる。
このようにして、空気清浄機Aを色々な場所に移動して使用しても、その移動方向と移動距離が、最終的には前記第1の場所(基準点)を基準にして分かる。制御装置19は、そのような移動方向と移動距離のデータを集計すれば、例えば1週間単位での空気清浄機Aの運転時間と使用場所が分かる。
この実施の形態4の空気清浄機Aによれば、使用者が実施の形態2のように、使用場所においてその都度使用場所・位置を示す情報を制御装置19に読み込ませなくとも良い。言い換えると、最初の基準点P1を設定するだけで、移動した距離と方向の座標データ(X軸とY軸の2軸で)が制御装置19に蓄積できる。従って、その情報をそのまま数字や文字で表示部8bに表示させても良いが、座標データから平面図を自動的に作成し、その図面上に、累積運転時間等のデータを表示させても良い。
次に図27について説明する。図27はTV受像機の画面例とその操作説明図1である。
図27において、TV受像機75にはテレビ用ポータルサイトが表示された状態であって、リモコン75Rに設けられた特定の電源ON用ボタンを1回押圧すると、TV受像機75が起動され、液晶表示画面75DにTV用ポータルサイトを表示する。ここで、TV用ポータルサイトとは、主にインターネットへの接続機能を持ったTV向けに様々なサービスを提供することを目的としたポータルサイトのことをいう。
図27に示したように、TV用ポータルサイトには、例えば「ニュース」、「天気予報」、「交通情報」、「地震・津波情報」などの略方形の枠で囲まれたアイコン(オンスクリーン型の入力スイッチ)150によるポータルサイトのメニューが表示される。また、別のアイコンとして、「健康管理情報」と表示された特別アイコン151と、「電気エネルギー管理」と表示された特別アイコン152と、「すまいの環境情報」と表示された特別アイコン153が、それぞれ表示されている。これら3つの特別アイコンは、他の通常のアイコンよりも特別に目立つように大きく、また目立つ色で表示しても良い。なお、ここでいうアイコンとは、表示画面上に表示され、特定の機能の選択が行われるものであり、図形だけではなく、文字でその特定機能を表現している場合も含む。また図28の例のように、「健康管理情報」というように、文字で目的・機能を表示しただけの入力表示部(「タブ」又は「見出し」と呼ばれる場合もある)174、175、176もアイコンに含むものとする。
ここで、図27に示したように、TV受像機75の液晶表示画面75Dに「電気エネルギー管理」と表示された特別アイコン152方向に向けて、リモコン75Rの特定のボタン(入力決定ボタン)を押すと、リモコン75Rが赤外線信号を発信し、それをTV受像機75が検知して「電気エネルギー管理」の画面を選択したことになるので、液晶表示画面75Dには「電気エネルギー管理」と表示された専用の画面(図示していない)が表示される。
なお、リモコンからの赤外線信号が特定のアイコンのみに照射されて入力信号が発生するのではなく、リモコンで特定のアイコンを選択した上で、リモコンが赤外線信号を発したことが検知され、その選択されていたアイコンが選択されたことになる。このようなアイコン自体は周知であるので、詳しい動作原理の説明は省略する。
一方、液晶表示画面75Dに「健康管理情報」と表示された特別アイコン151に向けて、リモコン75Rの特定のボタン(入力決定ボタン)を押すと、液晶表示画面75Dには、「健康管理情報」と表示された専用の画面が表示される。
一方、図27に示した液晶表示画面75Dに「すまいの環境情報」と表示された特別アイコン153側に向けて、リモコン75Rの特定のボタン(入力決定ボタン)を押すと、液晶表示画面75Dには、図28に示したような環境情報専用の画面が表示される。
図27では、TV受像機75のリモコン75Rで、各種アイコン150、151〜153の選択を行っているが、家屋の中では、前記情報通信端末機器45でも行えるようになる。情報通信端末機器45から基地局92を介して情報サーバー90にアクセスすることができるようになっているから、前記情報サーバー90にあるTV受像機75の制御用アプリケーション・ソフトウェアをダウンロードすれば、家屋70の内部においてTV受像機75の制御に使用することができる。また前述したように、この実施の形態4においては、外出先等から情報通信端末機器45によって家電機器EEに対する直接的な遠隔操作はできないようにしてあるが、家屋70の内部では、TV受像機75以外の他の家電機器EEの操作をできる。そのため、各家電機器EEの入出力部に情報通信端末機器45を接近させ(接触させても良い)、近距離無線通信(NFC)で情報、指令信号の授受をさせることができる。
図27において、EV1は、環境確認用の指令スイッチ(図示せず)の押しボタン式操作ボタンであり、前記TV受像機75の前面で、液晶表示画面75Dの下辺近傍に設けてある。EV2は、前記TV受像機75のリモコン75Rの中に設けた環境確認用の指令スイッチ(図示せず)の操作ボタンである。これら2つの操作ボタンEV2、EV3の何れか1つを押すと、TV受像機75が起動していない場合は、起動し、その液晶表示画面75Dでは、最初に後述するような各種環境情報を表示する画面(図28又は図29に示す)を表示し、後述するポータルサイト画面(図11に示す)の表示を経ずに、家屋内部の全居住空間71の環境状況を素早く確認できる。
このように、この実施の形態4では、空気清浄機Aを使用していない場合でも、使用者は自分の居る居住空間71を含め、家屋70内部の環境状況を随時確認できるから、ある部屋の掃除をした後のその部屋の塵埃の飛散量(空気清浄度)の確認や、来客を招く部屋の環境の事前確認、更には子供や幼児が単独で就寝している部屋の環境を、親が離れた場所から確認すること等、便利な使い方ができる。なお、統合管理装置79の表示盤95にも、これら2つの環境確認用の操作スイッチ(図示せず)の操作ボタンEV1、EV2と同様な機能の操作ボタンEV3(図示せず)が設けてあり、その操作ボタンを押せば、任意のタイミングで、液晶表示画面95Aに、家屋70内部の環境状況を数値やグラフ等で表示させることができる。
次に図28において、154は、居間の環境情報を表示するエリア、155は、キッチンの環境情報を表示するエリア、156は、寝室の環境情報を表示するエリア、157は、浴室の環境情報を表示するエリアであり、この「住まいの環境情報」の表示画面を表示した際に、TV受像機75のシステム制御部(図示せず)によって仮想的に形成される。仮想的とはエリア個々が物理的に独立したものではなく、システム制御部の制御プログラムによって液晶表示画面75Dの画像表示エリアが、区分けされた状態をいう。なお、各表示用エリア154〜157には、対応する居住空間の名称が「居間」、「キッチン」等の文字で表示される。
図28において、158は、室内の気温または湿度の少なくも何れか一方を文字で表示した温度・湿度表示部、159は、居住空間71が使用者の予め定めた室温と気温の範囲にある場合に現れる快適マークで、星型マークの3つが最高、2つが中程度の快適、1つは3段階の快適度の内の最も低い場合を示す。このマークに代えて文字で表示しても良い。このマーク159は快適性を示す情報の一種である。なお、この快適度は、使用者が何時での変更可能であり、例えば冬と夏、あるいは居住している地方の実情に合せて居住者が自由に決めることができる。なお、初期設定では気温26℃、湿度50%未満に快適(3段階)の範囲のデフォルト値が設定してある。
160は、前記快適条件を外れるような気温と湿度であって、不快状態又はそれに近い状態にある場合に表示される注意マーク(表示情報)である。三角形のマーク1つは、「やや不快」、三角形のマーク2つは「不快」を意味する。このマーク160も快適性を示す情報の一種である。なお、日本では、気温と湿度で算出する不快指数を用いる場合がある。例えば、気温29℃、湿度70%で不快指数80である。この不快指数が75を越えると人口の10%が不快に感じ、80を越えると全員が不快になると言われているが、注意160を1つ表示する場合は不快指数75未満、2つ表示する場合は不快指数75以上、と定義して表示させるようにしても良い。
前記三角形のマーク160が1つの場合は、「やや不快」、2つの場合は「不快マーク」であるとしているが、室温が30度以上で、湿度75%を超えた場合、不快指数は80を超え、室内に居ても熱中症になる危険性がある。特に、熱中症の発症現場を見ると、65歳以上の男性、女性とも室内が圧倒的に多いということが分かっている(参考文献:日本の環境省の「熱中症環境保健マニュアル」:2011年5月改訂版)。
そこで、環境検知部103は、気温29℃で、湿度70%になった時点で「第1次警報」レベルの信号を前記制御部94に送り、室温が30度以上で、湿度75%を超えた場合時点で「第2次警報」レベルの信号を制御部94に対して送る。制御部94は、人検知部105が何らかの居住者等の人の存在を検知している居住空間が、前記「第1次警報」を出された場合は、以下に示す「第1次警報」を出すための処理を行う。
対策1:統合管理装置(電力指令装置)79の表示盤95の表示画面95Aで警報出す。
対策2:TV受像機75を視聴している状態であれば、その液晶表示画面75Dに文字で警報出す。
前記対策1、対策2の動作指令を出してから5分以内に、気温29℃未満か、湿度70%未満に改善されない場合は、当該居住空間71にいる人が暑さを体感していない場合も想定されるので、この場合は、制御部94は次に示す「第2次警報」を出すための処理をする。
対策3:当該居住空間にある環境改善機器の内、冷房能力(気温上昇抑制効果)のある空気調和機2を強制的に運転開始する(例えば、その時の室内目標温度は27℃)。
この実施の形態4で、空気調和機76が第1の居住空間71Aにある場合とは、その居住空間の内部に装置自体があることは勿論含む。また居住空間の外部に装置自体があっても良いが、処理された空気が居住空間内へ供給される場合も含むものである。空気調和機76が居住空間に無い場合又は電源コードのプラグが接続口から抜かれている等、運転不能であることが分かった場合は、他の環境改善機器(後述するが、例えば換気装置や空気清浄機A等)を運転開始する。
熱中症を防止するために室内の空気を対流させることも効果があることは知られている。そこで本発明の実施の形態では、居住空間71の外にいる居住者に対して、環境状態が健康上で危険であることを報知する。具体的には報知情報は、統合管理装置79の入出力部91B(図22参照)からルーター86Aを介して屋外の通信回路網(通信ネットワーク)88に通信で送られ、居住者の情報通信端末機器45に届くようにする。居住者が遠隔操作で統合管理装置79を経由して空気調和機76の運転を行うようにするが、これが出来ない場合には、近親者や介護ヘルパー派遣事務所などに連絡して直接居住空間に出向いて貰うこともできる。つまり、前記制御部94は、前記第2次警報信号を受けてから所定時間内に気温と湿度が第1の所定値未満の状態に改善しない場合、居住空間71の外にいる居住者に対して、環境状態が危険であることを報知する。この構成であるから、環境改善機器の使用に不慣れな高齢者や子供が1人で部屋にいる場合でも、その環境を前記検知部103が見守り、屋内居住空間71での安全性を高めることが期待できる。
また、環境検知部103は、「第1次警報」を出したかどうかに関係なく、室温が30度以上で、湿度75%を超えた場合時点で直ちに「第2次警報」を制御部94に対して出す。制御部94は、人検知部105が何らかの居住者等の人の存在を検知している居住空間が、前記「第2次警報」を出された場合は、前記した対策3の処理を指令する。対策3を指令してから以後1分経過毎に環境検知部103は、当該警報を出した居住空間の最新環境条件を計測して監視する。
上記のように強制的に運転開始された空気調和機76、空気清浄機A等の環境改善機器は、居住空間71の環境条件が、居住者の定めた所定の条件になった場合には、制御部94が指令を出し、環境改善機器の運転を自動停止させる。あるいは環境改善機器の運転を30分継続したら、自動停止させることでも良い。必要以上に運転すると省エネの観点から好ましくないからである。
さらにこの実施の形態4では、熱中症の危険性がある居住空間に、空気調和機76がないが、空気清浄機Aがある場合には、前記した3つの対策と別に、次の対策をおこなう。
(4)対策4:当該居住空間にある空気清浄機Aを強制的に運転開始する(その場合には、送風用モーター13は、最大送風能力で送風するように制御を指令する)。この運転開始指令を出すには、空気清浄機Aが、当該居住空間にあることを統合管理装置79で把握しており、また空気清浄機Aの電源コードが居住空間の電源接続口に接続されている必要がある。空気清浄機Aが、当該居住空間にあることは、空気清浄機Aが空気清浄運転を終えた時点でその位置情報を統合管理装置79に送信していれば良い。あるいは、図18に示したように、どの居住空間に設置しているかを統合管理装置79側で把握している通信アダプター100に空気清浄機Aが接続されていれば良い。
何れにしても、空気調和機76が居住空間にない場合の緊急的な代替手段として、熱中症を防止するために空気清浄機Aを有効活用できる構成になっている。
図28において、161は、前記注意マーク160の近傍に文字で暑さ又は寒さを表示する寒暖表示部である。図28では、寝室と浴室には、それぞれこの寒暖表示部として「暑い」と表示されている。
162は、前記統合管理装置(電力指令装置)79の人検知部105によって人がいないと判定された場合に表示される不在マーク(不在表示情報)である。図28では、寝室と浴室には誰も居ないことがこの液晶表示画面75Dによって容易に分かる。
図28において、163は、居住空間の空気に影響を与え、快適性を維持・改善できる機能を備えた家電機器EE、例えば空気調和機76や、空気清浄機A、換気装置(図示せず)等の「環境改善機器」の運転状況を示す第1の特定電気機器SP1の運転表示部である。なお、換気装置は図示していないが、IHクッキングヒータ等のキッチン内家電機器KPの真上の位置に設置されるフード付換気扇が代表的なものである。
164は、居住空間が快適性高く、室内の運動に適しているかどうかを文字で表示する運動注意マーク(運動注意表示情報)である。このマークは全ての居住空間の表示エリア154〜157に表示させても良いが、少なくとも居住空間71に前記統合管理装置(電力指令装置)79に無線又は有線で情報を送信したい健康計測機器、例えば前記室内運動計測機器がある場合には、その機器のある居住空間の表示エリアには、前記運動注意マーク164が表示される。
前記図27〜図28に示したTV受像機75の液晶表示画面75Aの構成、つまり表示される情報とその配置等は、表示盤95の液晶表示画面95Aでも同様に表示される。但し、20〜60インチの画面サイズの液晶表示画面75Dの有効表示面積に比較して、10〜15インチの画面サイズの表示画面95Aでは、数分の1以下と狭いので、全く同じ内容が同じ大きさで表示される訳ではない。当然ながら表示される文字のサイズは小さくなるが、前記した温度・湿度表示部158、快適マーク159、注意マーク160、運動注意マーク164、後述する変動表示部170、不適環境表示部171、花粉飛散量表示部172、運転表示部173は、何れも表示される。これによりTV受像機75の液晶表示画面75Dと表示盤95の液晶表示画面95Aとの間で、表示される情報の較差が生じないようにして、キッチンでも居間でも同じ情報を確認できるようにしている。なお、これら各種情報の液晶表示画面95Aでの表示は、前記制御部94の表示用制御プログラムによって実行される。
図28において、174は、「健康管理情報」と表示された特別アイコン151と同様のタブ(アイコン)である。175は、同じく、「電気エネルギー管理」と表示された特別アイコン152と同様のタブ(アイコン)である。
176は、同じく「すまいの環境情報」と表示された特別アイコン153と同様のタブ(アイコン)である。
図28において、177は、表示画面を切り替えるためのアイコンであり、図27のメニューページに戻る場合に選択する。
次に図29について説明する。この図29は、図28に示した環境情報の画面構成の変形例である。
この図29において、特徴的な構成は、居住空間別に詳細な情報を見るためのアイコン178〜181を、4つの各表示エリア154〜157に、それぞれ設けていることにある。また前記第1の特定家電機器SP1の運転表示部163に加え、居住空間の空気に放熱してそれを高温化する可能性があるなどの悪影響を及ぼす可能性のある第2の特定家電機器SP2、例えば電気炊飯器の運転の状況を示す運転表示部182を設けたことである。
図29において、170は、温度又は湿度が所定の変化率以上変化(上昇又は下降)していることを示す変動表示部である。例えば2分間に気温が1℃以上上昇している場合、又は下降している場合には「上昇中」又は「下降中」とそれぞれ表示される。
図29において、171は、居住者の健康に適当ではなく、前記第1の特定家電機器SP1、つまり環境改善機器の運転によって改善できるような物理的環境にあることを示す不適環境表示部である。図29では、空気中1リットル中に含まれる所定の大きさ(直径)以上の塵埃が所定数以上ある場合を示している。例えば、起床後に寝具を移動させたり、叩いたりした場合には一時的に埃が空気中に舞い上がって滞留している状態になるので、このような場合にはこの不適環境表示部に何らかの文字や記号等が現れる。この不適環境表示部171も、特定の居住空間の快適性を示す情報の一種である。
図29において、172は、家屋の外の空気中に飛散している花粉の量が多いかどうかを表示する花粉飛散量表示部であり、花粉アレルギーの人達にとっては外出を控えたりする判断材料にもなり、有益な情報である。なお、この花粉飛散量表示部の基礎データは、日本の気象庁やその他気象専門機関、TV放送局などから提供されるので、前記した花粉センサー83(図14参照)の情報に加え、あるいはその花粉センサー83を設ける代わりに、それら外部機関からの情報を利用しても良い。そのような外部情報は外部機関87A、87Bから統合管理装置(電力制御装置)79又はTV受像機75が取得する。
次に、図29の表示画面の状態で、さらにリモコン75Rを操作して、例えば前記アイコン180を選択すると、図30に示すように寝室についての環境情報を示すための画面構成に切り替わる。
図30において、183は、寝室に設置された換気扇(図示せず)が運転されているかどうかを示す表示部、184は、同じく寝室に設置された電気掃除機(自走式掃除ロボット)(図示せず)が運転されているかどうかを示す表示部である。この自走式掃除ロボットとは、使用者が運転開始指令を与えると、居住空間71の内部で床上を自動的に移動し、移動しながら床上の塵埃を吸引することで掃除を行う機器であり、既に周知であるので、詳しい説明は省略する。
185は、寝室に設置された空気調和機(エアコン)が運転されているかどうかを示す表示部である。186は、寝室においてある空気清浄機Aが運転されているかどうかを示す表示部である。この空気清浄機Aは、実施の形態1で示したように、居住者が床上を移動させることができる可搬性のものであるため、寝室から別の部屋に移動させて使用することもできる。
187は、各居住空間の表示エリア154〜157において、居住者が快適に生活できるために有益となる情報を文字で表示する快適アドバイス情報表示部である。図30では「空気清浄機が運転できます」と表示されているが、この表示の基礎となる情報は、統合管理装置(電力指令装置)79が、環境検知部103で取得している居住空間(この場合は、寝室)71の環境データに基づいて、以下の判断で自動的に行っている。
(1)寝室の埃の飛散量が多い。
(2)空気清浄機Aが運転されていない。
(3)寝室に空気清浄機Aが現在置いてある。
なお、この実施の形態4においても、実施の形態1と同様に、この空気清浄機Aは、統合管理装置79から見て、電力量が制限される対象機器ではなく、空気調和機76の場合のように、統合管理装置79が「電力指令装置」ではないが、仮にこの空気清浄機Aが電力量の制限される対象機器であった場合には、前記した(1)〜(3)の判断要素・条件に加え、次の判断要素が加わる。
(4)ブレーカーBKの容量と現時点の家電機器EEの総電力使用量との対比結果から見て、空気清浄機Aを運転するだけの電力量の余裕がある。
なお、寝室の窓が開放されていて屋外の空気が流入するような状況になっているかどうかを検知する構成になっていた場合には、上記のように空気清浄機Aの運転を推奨するようなアドバイス情報は出ない。特に図30のように、花粉飛散量表示部172において花粉の量が多いと表示されている場合には、屋外の花粉飛散量が多いことが想像されるので、空気清浄機Aを運転する場合には、窓を閉めるようにアドバイス情報が出る。これらの情報は、統合管理装置79の制御部94で行われる。
188は、空気清浄機Aを運転する場合に、選択されると空気清浄機Aに対して運転開始指令信号が統合管理装置79の制御部94から、入出力部91Aを介して無線で出されるアイコンである。なお、この空気清浄機Aは、統合管理装置79から見て、電力量が制限される対象機器ではないが、空気清浄運転の開始と停止は、使用者の入力操作に応じて遠隔的に実行できるものである。
189は、キッチンの環境情報を、図30に示したように詳細に確認したい場合に、選択されるタブ(アイコン)である。190は、居間の環境情報を、図30に示したように詳細に確認したい場合に、選択されるタブ(アイコン)である。191は、同様に浴室の環境情報を、詳細に確認したい場合に、選択されるタブ(アイコン)である。
このように、この実施の形態4では、空気清浄機Aから離れた場所においても、また空気清浄機Aを運転していない状態でも、居住者は自分の居る居住空間71を含め、家屋70内部の環境状況を随時確認でき、しかも空気清浄機Aの運転によって快適な環境にすることができる居住空間の情報が、TV受像機75の液晶表示画面を通じてリアルタイムで入手できる。
また同様な情報は、統合管理装置79の表示盤95においても、TV受像機75で表示したものと同等の情報を表示させることができる。
このように、この実施の形態4においては、家屋の中の各居住空間の環境情報をTV受像機75又は統合管理装置79によって一元的に把握できるから、快適な居住空間を維持するために空気清浄機Aを含む、環境改善機器SP1を有効に活用できるという効果が期待できる。
なお、前記した実施の形態4では、居住空間71の快適性の具体的指標について述べなかったが、初期設定を、気温26℃、湿度50%未満に快適の範囲を、デフォルト値として設定しておく案がある。
一般的に、快適な環境を絶対的な数値で表現することは難しい。例えば快適性とは、ASHRAE(アメリカ暖房冷凍空調学会 1996年)によると、「環境条件への満足度を表す知覚の状態」と定義している。つまり、今よりも暑くなっても寒くなっても不快感をもたらすような環境条件を意味していると言える。このため、居住者が受ける印象は、必ずしも常に環境から受ける感じに対応している訳ではなく、居住者の気分や、体験、体調等でも変化する。
そこで一般に「快適な室内環境(気候)」とはどのような状態であるのか、定義を述べると、例えばIEA(国際エネルギー機関)では、室内(部屋)における状態を次のように定義している。
(1)室内気温:冬においては20℃前後であること。
夏においては28℃前後であること。
(2)部屋の水平温度:一様であること。
(3)部屋の上下の温度差:3℃〜4℃以下であること。
一方、家庭内の部屋やオフィスの空気調和機での設定温度は夏の冷房時で28℃、冬の暖房時で20度が、省エネルギーの観点から日本では推奨されているが、実際に人が快適と感じる室温は25℃前後であるとも一般に言われている。
従って、本発明の実施の形態4を実施する場合に、快適性を算出し、それを表示する場合には、家屋のある地域や居住者の年齢や性別等の種類のような、多様な前提条件で快適性の判断が変わる可能性があるので、居住者が例えば、快適性の「気温」を、適宜調整できるようにすると更に良い。また統合管理装置(電力指令装置)79に電波時計等を内蔵させ、季節に応じて前記気温を自動的に変化させるようにしても良い。さらには、具体的には、居住者が快適と感じた段階で、TV受像機75や統合管理装置(電力指令装置)79又は情報通信端末機器45、空気清浄機Aで、快適と感じた時点を特定する信号を統合管理装置(電力指令装置)79に入力し、統合管理装置(電力指令装置)79がその入力受付時の環境情報(気温や湿度など)を、以後の快適性判定の基礎データに用いるようにしても良い。このような居住者の快適性に関係する情報の蓄積で統合管理装置(電力指令装置)79による快適性判定は、居住者の認識、感覚に一層近いものにできる。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態4では、第3の発明に係る空気清浄機の運転管理システムを、以下の形態で実施している。
すなわち、実施の形態4の空気清浄機の運転管理システムは、
花粉や塵埃等の対象物を除去するフィルター10Mと、空気吸引用のモーター13とを具備し、臭いの除去機能を有した移動可能な空気清浄機Aと、
前記空気清浄機Aに対し運転開始指令信号を、無線通信用の第1の入出力部91Aを介して送信する統合管理装置79と、
前記統合管理装置79に備えた無線通信用の第2の入出力部98に対し、所定の指令信号を与える情報通信端末機器45と、を備え、
前記空気清浄機Aには、前記情報端末機器45と通信状態が確立されるNFC入出力部20を有し、
前記統合管理装置79は、前記第2の入出力部98を介して通信状態が確立された前記情報通信端末機器45から、前記空気清浄機Aの、所定期間における累積運転時間、移動距離、移動の軌跡、運転回数、の少なくとも何れか1つの運転関連情報を読み出す制御部94と、この制御部94によって空気清浄機Aから取得した前記運転関連情報を記憶させる記憶部99Bと、この記憶部99Bに記憶された前記運転関連情報を任意のタイミングで表示画面95Aに表示させることを指令する操作入力部97、とを具備したことを特徴とするものである。
この構成であるから、この空気清浄機の運転管理システムによれば、情報通信端末機器45を通じて、空気清浄機Aの累積運転時間等の運転関連情報を統合管理装置79によって確認でき、また、使用者によって任意のタイミングでその運転関連情報を読み出して表示画面95Aで確認できる。このため、空気清浄機Aの保守管理(メンテナンス)の利便性が向上する。
第5の発明
以上の説明から明らかなように、この実施の形態4では、更に別の空気清浄機の運転管理システムを実施している。
すなわち、実施の形態4の空気清浄機の運転管理システムは、
居住空間から空気を吸引し、花粉や塵埃等の対象物を除去した後の空気を居住空間へ排出する機能を有し、居住空間内を移動可能な空気清浄機Aと、
前記空気清浄機Aと少なくともTV受像機75に対し運転開始指令信号を、無線通信用の第1の入出力部91Aを介して送信する統合管理装置79と、
前記統合管理装置79に備えた無線通信用の第2の入出力部98に対し、所定の指令信号を与える情報通信端末機器45と、を備え、
前記空気清浄機Aには、前記情報端末機器45と通信状態が確立されるNFC入出力部20を有し、
前記統合管理装置79は、居住空間の環境データを取得する環境検知部103と、この環境検知部103を介して取得した環境データを利用して前記空気清浄機Aが置かれた居住空間の環境状況を判定する制御部94と、この判定結果を示すデータを記憶させる記憶部99Bと、を備えており、
前記制御部94は、居住者の入力操作に応じて、前記TV受像機75の表示画面95Aにおいて、前記記憶部99Bに記憶された前記空気清浄機Aが置かれた居住空間の環境状況を示すデータを、表示させる構成である。
この構成の空気清浄機の運転管理システムによれば、空気清浄機Aの置かれた居住空間の気温や埃の飛散量等の環境データを、その空気清浄機Aからの検出データに依存しないで、統合管理装置79が独自に取得し、統合管理装置79が居住空間の環境の快適性を判定することができる。しかも、統合管理装置79は、居住者の入力操作に応じて、TV受像機75の表示画面95Aにおいて、空気清浄機Aが置かれた居住空間の環境状況を文字や図形等の視覚的媒体で表示させるので、空気清浄機の使用者やその他居住者が、任意のタイミングで居住空間のその運転関連情報を読み出して表示画面95Aで確認できる。このため、空気清浄機を使用する居住空間の環境状況がTV受像機で事前に確認でき、空気清浄機Aを有効活用できる。
実施の形態5.
図31は、本発明の実施の形態5に係る空気清浄機を接続した統合管理装置の動作を示すフローチャート図である。なお、図31において、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して、重複した説明は極力省略する。
この実施の形態5は、空気清浄機Aの室内環境の信頼性を向上させ、また空気清浄機Aやその他家電機器と無線通信を行い、環境情報を集中的に取得る統合管理装置(電力指令装置)79による居住空間の環境監視精度も向上させることを目的としたものである。
この実施の形態5では、実施の形態1と同じように、複合センサー80、(屋外)温度センサー82、温度・湿度センサー81、花粉センサー83、臭気センサー107、は、測定された温度や湿度を無線又は電気信号で電力指令装置79の環境検知部103に送信する機能を有している。
この実施の形態5では、それら環境センサーが統合管理装置79へ環境した計測データを継続的に送信するタイミングを、居住者が居るかどうかで変化させ、また家電機器EEの種類で変化させていることが特徴である。
前記したように、居住空間内の空気の温度、湿度、質を改善する効果がある家電機器EEを「第1の特定家電機器」(環境改善機器)SP1と呼び、室内の居住空間に熱を与えてしまう電熱加熱調理器等のような家電機器EEを「第2の特定家電機器」SP2と呼んでいる。ところで、本発明の対象である空気清浄機Aは、空気清浄運転を行っている場合に、前記第1の特定家電機器(環境改善機器)SP1に属するが、加熱ユニット17のヒーター22に通電を開始して脱臭エレメント16の機能再生処理を行っている場合には、第2の特定家電機器SP2でもある。そこで、本実施の形態5では、空気清浄機Aを第2の特定家電機器SP2であると分類して、以下詳細に説明する。
図31に示すフローチャート図で基づき、統合管理装置79の動作を、スタート(ステップSX1)から順次説明する。
統合管理装置79は、空気清浄機Aから図23のT7時点のように、運転開始通知の信号を受け、空気清浄機Aが実際に運転されたことを知る。なお、統合管理装置79が、電力指令装置である場合には、空気清浄機A側の事情ではなく、他の電気機器の電力使用量の増加等によって、家庭内の総電力使用量がブレーカーBKの定格容量に接近した場合、電力指令装置79は空気清浄機Aに対して電力削減要請信号AS2を出す。このような電力指令装置79と空気清浄機Aとの関係である場合、空気清浄機Aからは、その主電源スイッチ25がONしたあとに、事前に使用したい希望の電力量を電力指令装置79に通知して、運転開始の許可を求めるステップがある。この実施の形態5ではこのような、運転開始通知の信号を発する前に、希望の使用電力量を電力指令装置79に通知することを「運転開始予告」と呼ぶ。この予告の信号を「運転開始予告信号」という。
ステップ(SX2)において、統合管理装置79が、空気清浄機Aから運転開始通知の信号又は運転開始予告信号を受けた場合、次のステップ(SX3)に進む。
ステップ(SX3)では、前記運転開始通知の信号又は運転開始予告信号を送ってきた家電機器EEが「第2の特定家電機器」SP2であるかどうかの判定が行われる。本実施の形態5では、空気清浄機Aは第2の特定家電機器SP2であるので、このステップ(SX3)では「Yes」と判定され、次のステップ(SX4)に進む。
ステップ(SX4)では、統合管理装置79が、空気清浄機Aの位置情報を取得しているかどうか判定する。何らかの事情で最新の位置情報を取得していない場合には、統合管理装置79の入出力部91Aから、空気清浄機Aの無線入出力部35又は通信アダプター100に対して位置情報を送信するよう指令信号を無線通信で送信する(SX7)。
ステップ(SX4)で、統合管理装置79が、空気清浄機Aの位置情報を取得した場合には、次のステップ(SX5)に進む。ステップ(SX5)では、統合管理装置79が、空気清浄機Aの位置情報、通信アダプター100からの位置情報から、空気清浄機Aの最新の位置を特定し、人検知部105に指令して、その特定された居住空間に居住者が居るかどうかの判定を行う。そして人の存在が感知できたかどうかを判定する(SX5)。
ステップ(SX5)で、人の存在が感知できない場合(例えば、家屋の中に居住者が居るが、別の居住空間に移動している場合)には、次のステップ(SX6)に進む。ステップ6は、環境検知部103の環境監視レベルを決定する監視レベル決定手段の1つである。
ステップ(SX6)では、第2の特定家電機器SP2の運転中に、居住者が近くに居ない場合であるため、危険度のレベルが最も高いと判定し、「危険度レベル:高い」を選択し、環境検知部103が、空気清浄機Aのある最新の居住空間(例えば、居間71A)に配置されている各種環境センサーの内、温度・湿度センサー81、臭気センサー107、塵埃センサー140、花粉センサー83からの環境データを、1分間隔で求めるように動作する。これによって、空気清浄機Aのある最新の居住空間(居間71A)では、温度、湿度、悪臭の発生、花粉の飛散量等が監視される。なお、臭気センサー107の種類によっては、衣類等の焦げた臭いも感知できるので、空気清浄機Aが万一、ヒーター22に通電を開始して脱臭エレメント16の機能再生処理の途中で異常な高温になった場合等の場合には、それも統合管理装置79が感知できる。そのため、空気清浄機A以外の家電機器EEの運転時の異常発熱事故や、その他可燃物の燃焼等の不測の事態も感知できる。
一方、前記ステップ(SX3)の判定で、第2の特定家電機器SP2ではないとの判定が行われた場合、次のステップ(SX8)に進む。ステップ(SX8)では、統合管理装置79が、家電機器EE(この場合は、空気清浄機Aを含まない)の位置情報を取得した場合には、次のステップ(SX9)に進む。ステップ(SX9)では、統合管理装置79が、家電機器EE(この場合は、空気清浄機Aを含まない)の位置情報、通信アダプター100からの位置情報から、その家電機器EEの最新の位置を特定し、人検知部105に指令して、その特定された居住空間に居住者が居るかどうかの判定を行う。そして人の存在が感知できたかどうかを判定する。何らかの事情で最新の位置情報を取得していない場合には、統合管理装置79の入出力部91Aから、家電機器又はその通信アダプター100に対して位置情報を送信するよう指令信号を無線通信で送信する(SX12)。
ステップ(SX9)で、人の存在が感知できなかった場合には、次のステップ(SX10)に進む。ステップ10は、環境検知部103の環境監視レベルを決定する監視レベル決定手段の1つである。
ステップ(SX10)では、危険度のレベルが「中程度」と判定し、「危険度レベル:中」を選択し、環境検知部103が、家電機器EE(この場合も、空気清浄機Aを含まない)のある最新の居住空間(例えば、居間71A)に配置されている各種環境センサーの内、温度・湿度センサー81、臭気センサー107、塵埃センサー140、花粉センサー83からの環境データを、3分間隔で求めるように動作する。これによって、家電機器EE(この場合は、空気清浄機Aを含まない)のある最新の居住空間(居間71A)では、温度、湿度、悪臭の発生、花粉の飛散量等が監視される。
一方、前記ステップ(SX5)で、人の存在が感知できた場合には、前記ステップ(SX10)に進む。そして危険度のレベルが「中程度」と判定され、「危険度レベル:中」で決まっている環境監視ルールに従い、環境検知部103は室内気温等の各種環境データの取得を、3分間隔で環境センサーに要求するように動作することになる。
さらに前記ステップ(SX9)で、人の存在が感知できた場合には、次のステップ(SX11)に進む。ステップ11は、環境検知部103の環境監視レベルを決定する監視レベル決定手段の1つである。このステップ(SX11)では、危険度のレベルが「低い」と判定し、「危険度レベル:低」を選択し、環境検知部103が、家電機器EE(この場合も、空気清浄機Aを含まない)のある最新の居住空間(例えば、居間71A)に配置されている各種環境センサーの内、温度・湿度センサー81、臭気センサー107、塵埃センサー140、花粉センサー83からの環境データを、10分間隔で求めるように動作する。
以上のように、運転開始された家電機器EEが、第1の特定家電機器SP1であるか、第2の特定家電機器SP2であるかという条件と、居住者が同じ居住空間に居るか、居ないかという条件の組み合わせに応じて、危険度のレベルを変え、環境データの取得頻度を変化させて環境監視している。
また環境データも、温度や温度、湿度、悪臭、花粉の飛散量等、異なる種類のものを使用しているため、居住空間内の環境変化を色々な角度から監視できる。
以上のように、この実施の形態5では、以下のような第4の発明を実施した家電機器の運転監視システムを開示している。
すなわち、複数の家電機器EEと統合管理装置79との間で無線通信により運転監視を行うものにおいて、
前記統合管理装置79は、室内の少なくとも温度データを取得する環境検知部103を有し、かつ前記家電機器EEから運転開始情報又は運転開始予告情報を受けた場合、当該家電機器EEの位置情報から、その家電機器のある居住空間71の人の存在を検知し、さらに当該家電機器EEが特定の熱機器(第2の特定家電機器SP2)であるかどうか判別する機能を有し、
前記第2の特定家電機器SP2は、自身の運転開始後の温度監視機能と異常温度が検知された場合に自動停止する機能を有し、
前記統合管理装置79は、運転開始情報又は運転開始予告情報を受けた場合、当該家電機器EEのある居住空間71に人の存在が検知されず、である場合には、環境検知部103の環境データ取得時間間隔を、人が検知された場合に比較して短く設定する(判断ステップSX6)ことを特徴とするものである。
このため、この実施の形態5では、熱機器等の第2の特定家電機器SP2が、複数の居住空間の中で移動させられて使用される場合でも、居住者が検知出来ない場合には、危険度のレベル、言い換えると環境監視のレベルを高くして、時間的に細かい間隔で環境変化を監視するので、居住空間の安全・安心感を高めることができる。また、統合管理装置79によって、異常発生の報知が各居住空間に広く行われるので、異常発生の事態を各居住者に迅速に周知できる。
また、この実施の形態5では、以下のような第5の発明を実施した家電機器の運転監視システムを開示している。
すなわち、
内部に電熱源22を有し、室内の異なる2つ以上の居住空間71A、71Bでそれぞれ使用可能な家電機器EE(空気清浄機Aを含む)と、
前記家電機器EEとの間の無線通信により当該家電機器の運転監視を行う統合管理装置79と、を備えた家電機器の運転監視システムにおいて、
前記家電機器EE(空気清浄機Aを含む)は、自身の位置情報を発信する機能と、室温を検知して温度情報を発信する機能を有し、
前記統合管理装置79は、前記家電機器EE(空気清浄機Aを含む)から、運転開始情報又は運転開始予告情報を受けた場合、当該家電機器EEの位置情報から、その家電機器のある居住空間の人の存在を検知し、
人の存在が検知されない場合には、当該家電機器(空気清浄機Aを含む)との間で室内温度情報の取得を、所定の時間間隔で繰り返し実行し、かつ、当該時間間隔を、人が検知された場合に比較して短く設定する(図31の、判断ステップSX6、SX10)ことを特徴とする構成である。
このため、この実施の形態5では、家電機器が、複数の居住空間の中で移動させられて使用される場合でも、居住者が検知出来ない場合には、危険度のレベル、言い換えると環境監視のレベルを高くして、時間的に細かい間隔で環境変化を監視するので、居住空間の安全・安心感を高めることができる。また、統合管理装置79によって、異常発生の報知が各居住空間に広く行われるので、異常発生の事態を各居住者に迅速に周知できる。
なお、実施の形態5では具体的に説明しなかったが、環境センサーの1つとして、煙を検知する煙センサーや、一酸化炭素ガスを計測するセンサーを設けても良い。例えば、一酸化炭素ガスセンサーとメタンガスセンサーが、1つの実装基板上にセットになったモジュールが既に市販されており、そのようなセンサーを採用すれば、居住空間内の火炎や火災の発生を早期に検知可能となる。
つまり、この実施の形態5では、以下のような第6の発明を実施した家電機器の運転監視システムを開示している。
すなわち、
内部に電熱源22を有し、室内の異なる2つ以上の居住空間71でそれぞれ使用可能な家電機器EE(空気清浄機Aを含む)と、
前記家電機器との間の無線通信により当該家電機器の運転監視を行う統合管理装置79と、を備えた家電機器の運転監視システムにおいて、
前記家電機器(空気清浄機Aを含む)は、自身の位置情報を発信する機能と、室温を検知して温度情報を発信する機能と、煙を検知して警報情報を発する機能(一酸化炭素ガスを計測するセンサー201Aによる一酸化炭素ガス検知機能)と、を有し、
前記統合管理装置79は、前記家電機器から、運転開始情報又は運転開始予告情報を受けた場合、当該家電機器の位置情報から、その家電機器のある居住空間71の人の存在を検知し、また警報情報を受けた場合に、音による警報を発生する機能を有し、
人の存在が検知されない場合には、当該家電機器との間で室内温度情報の取得を、所定の時間間隔で繰り返し実行し、かつ、当該時間間隔を、人が検知された場合に比較して短く設定する(危険度レベル:「高い」に設定する)ことを具備している。
なお、前記音による警報を発生する機能とは、音声合成装置8dと、スピーカー28の他に、各居住空間に向けて警報音を発するようなブザーやスピーカーを設ければ、容易に実現できる。
実施の形態6.
図32〜図35は、本発明の実施の形態6を示すものであり、図32は、空気清浄機の縦断面図、図33は、図32の空気清浄機の電気回路構成を示すブロック図1。図34は、図32の空気清浄機の電気回路構成を示すブロック図2。図35は、図32の空気清浄機の動作を示すフローチャート図である。なお、これら図において、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して、重複した説明は極力省略する。
図32において、200は、人間が自然に発する赤外線を検知して居住空間71の中に人間が居るかどうかを検知できる人感知センサーである。
前記人感知センサー200は、空気清浄機Aの本体1Aの前パネル1の正面最上端部に形成した透孔に臨むようにその背後側に設置されている。
前記人感知センサーは、空気吸込口2の真上位置から、前記空気吸込口2の前方方向(図32の矢印IRの方向)における人の存在を検知するものであり、この人感知センサー200からの感知信号は、制御装置19に入力される。なお、この人感知センサー200は、例えば超音波センサー、赤外線センサー、あるいはこれらを組み合わせた複合センサーである。人の存在有無の検知動作は、空気清浄機Aの主電源スイッチ25をONにした後、所定の時間(少なくとも5秒未満が望ましい)間隔で自動的に繰り返し実行される。
27Bは、温度検出回路27に接続された温度センサーであり、前記空気吸込口2に流入する居住空間71の室内空気に直接接触するサーミスタ式温度センサーであり、空気吸込口2の下端部に臨むように本体1A内部に設置されている。そのため、空気清浄機Aの本体1A内部に形成された通風路Rに露出しており、この通風路を流れる処理空気の温度を直接感知できる。
27Aは、温度検出回路27に接続された温度センサーであり、加熱ユニット17の温度を検知するよう、当該加熱ユニット17の部分に設置されている。その温度センサー27Aからの検出温度データを制御装置19が取得するので、脱臭エレメント16の機能再生処理の際に、脱臭エレメント16が加熱ユニット17のヒーター22によって適正な範囲で加熱されるよう、制御装置19によって制御される。
前記温度検出回路27は、前記温度センサー27Bからの検出データと、前記温度センサー27Aからの検出データが、それぞれ所定の温度(「閾値」)を超えないかどうかを判定する。例えば温度センサー27Bについては、50℃、温度センサー27Aについては、200℃に設定してあり、これら閾値を超えた場合には、危険であることを示す所定の信号(以下、「異常温度検知信号」という)を、前記制御装置19へ即座に送る。
図32において、201Aは、炭酸ガス(二酸化炭素ガス)の濃度を検知できるガスセンサーである。この種のセンサーには各種方式があるが、例えば、光源(ランプ)と検出素子(サーモパイル)の間に、空気を流通させ、光源から検出素子に向けて放射された赤外線の特定の波長域で、炭酸ガスが赤外線を吸収する性質を利用したものが1つの代表例である。
前記ガスセンサー201Aは、空気清浄機Aの本体1Aの前パネル1に形成した空気吸込口2の上部に臨むように、その前パネル1の背後側に設置されている。そのため、ガスセンサー201Aは、空気清浄機Aの本体1A内部に形成された通風路Rに露出しており、この通風路を流れる処理空気の中の二酸化炭素ガスの濃度を直接感知できる。炭酸ガスの濃度変化の検知動作は、空気清浄機Aの主電源スイッチ25をONにした後、所定の時間間隔(少なくとも30秒未満が望ましい)(以下、この時間間隔を「ガス検知間隔」という)で自動的に繰り返し実行される。なお、ガスセンサー201Aの検知動作は、空気清浄機Aの主電源スイッチ25をONにした後、スタートするのではなく、使用者が空気清浄機Aの運転の開始を操作部8で指令した時点(図35のステップS84)からスタートするように変更しても良い。
次に図33において、201は、前記ガスセンサー201Aからの検出データを取得するガス検知回路である。このガス検知回路では、炭酸ガスの濃度が人体に有害なレベルになった場合、あるいは火災等の発生が疑われる場合を検知するため、所定の「閾値」を超えるレベルの検出データを取得した場合、危険であることを示す所定の信号(以下、「異常ガス検知信号」という)を、前記制御装置19へ即座に送る。
図33において、19Eは、制御装置19に内蔵された異常判定処理部であり、前記異常温度検知信号と異常ガス検知信号の2つの信号を受けた場合、予め決定してある所定の処理プロセスに従って、空気清浄機Aを制御し、また統合管理装置(電力指令装置)79に対して所定の報知信号を発信する。
図33において、100は、通信アダプターであり、制御装置19とは端子100Tを介して接続されている。
この通信アダプター100には、固有の識別番号(通信アダプターID)が付けられており、統合管理装置(電力指令装置)79の側から見て、通信相手の特定の通信アダプター100だけを識別できるようになっている。つまり、他の家電機器EEにも同様の通信アダプターが使用されても、この空気清浄機Aの通信アダプター100だけを識別できる。
次に図34について説明する。100は、前記通信アダプターである。実施の形態1において、電源タップに家電機器を接続した際、電源タップからは機器接続検知イベントを、また家電機器からは起動完了イベント通知を行い、2つの通知を受信した、統合管理装置(家電機器管理装置)は、人手を介さずに自動的に電源接続口(コンセント)と家電機器との正しい接続関係を検知する技術が提案されていることを説明したが、この実施の形態6においても、居住空間71毎に、電源接続口(コンセント)の識別コードが付けられているので、そのコンセントに空気清浄機Aを接続して、通信アダプター100を介して統合管理装置79と交信を行うと、統合管理装置79側では、その空気清浄機Aの現在位置が特定できる。また空気清浄機Aの通信アダプター100も、統合管理装置79からの返信を受けて、その空気清浄機Aの現在位置情報を取得できる。そのため、この図34では、電源供給を受けるコンセント口を特定することで、空気清浄機Aが使用される場所の特定が可能となる。
従って、この図34では、通信アダプター100と端子100Tが、位置情報の取得手段38として機能する部分となっている。
空気清浄機Aの現在位置を特定できる情報を統合管理装置79が得た場合、その情報に基づいて所定の居住空間の名称(例えば、「居間」、「キッチン」等)に変換されて、記憶部99Bに記憶される。
また、空気清浄機A側でも、空気清浄機Aの現在位置を特定できる情報を制御装置19が得た場合、その情報に基づいて所定の居住空間の名称(例えば、「居間」、「キッチン」等)に変換されて、記憶部19Rに記憶される。なお、居住空間の名称は、電源接続口(コンセント)の識別コードと対応させておくため、電源接続口(コンセント)の識別コードを、統合管理装置79に事前に登録する際に、名称情報も登録しておく。
次に図35について説明する。図35はこの発明の実施の形態6の空気清浄機Aの制御装置19が、前記異常温度検知信号と異常ガス検知信号の2つの信号を受けた場合、予め決定してある所定の処理プロセスに従って動作することを説明するフローチャート図である。
まず、空気清浄機Aを目的の居住空間71に移動させて、居住空間71にある電源接続口(コンセント)に電源プラグ(図示せず)を接続し、主電源スイッチ25を使用者がONすると、一連の動作がスタート(S80)する。
すると、次のステップ(S81)では、空気清浄機Aを使用する場所(部屋)を特定する位置情報が、統合管理装置79から届いているかどうかの判定を行い、位置情報を取得していなかった場合には、統合管理装置79へ問い合わせの信号を送信する。そして、位置情報取得手段38が取得した位置情報は、制御装置19が読み込み、前回の空気清浄運転の場所の情報に追加する。それら情報は記憶装置19Rに蓄積される(S82)。
次のステップ(S83)では、表示部(表示画面)8bが起動される。次に使用者が空気清浄機Aの運転の開始を操作部8で指令したかどうかの判定を行う(S84)。運転開始が指令された場合、ステップS85に進み、空気清浄機Aは、使用者が操作部8で選定した空気清浄運転(例えば、「急速脱臭運転モード」)について、運転を開始するとの予告信号を統合管理装置79へ送信する。
統合管理装置79から運転の開始について許可するとの信号を受けかどうかの判定を行い(S86)、許可信号が到着した場合には、次のステップ(S87)では、送風用モーター13に対して通電を開始する。このステップ(S87)時点から経過時間のカウントを始める。
制御装置19の異常判定処理部19Eは、温度検出回路27に接続された温度センサー27A,27Bからの温度検知信号を、30秒置きにチェックしている。
この温度センサーの内、居住空間71の室内空気を直接計測する温度センサー27Bは、空気吸込口2に吸い込まれる空気の流れの中に露出しており、この通風路を流れる処理空気の温度を直接感知しており、計測された温度T1が、所定の閾値である基準温度TSと同じかそれ未満であるかどうかを、所定の時間間隔(少なくとも30秒以下が望ましい)(以下、この時間間隔を「温度検知間隔」という)で判定している(ステップS88)。なお、温度センサー27Bの検知動作は、空気清浄機Aの主電源スイッチ25をONにした後、スタートして所定の温度検知間隔で自動的に繰り返し実行されるが、そのスタート時期を、使用者が空気清浄機Aの運転の開始を操作部8で指令した時点(図35のステップS84)からとしても良い。
前記ステップ(S88)で基準温度(TS)と同じが、それ未満であった場合には、次のステップ(S89)へ進む。
ステップ(S89)では、制御装置19の異常判定処理部19Eは、前記ガスセンサー201Aからの検出データを取得し、その計測されたガス量V1が、所定の「閾値」であるガス量VSを超えたかどうかの判定をする。基準量(VS)と同じが、それ未満であった場合には、次のステップ(S90)へ進む。
次のステップ(S90)では、前記ステップ(S87)時点からの経過時間のカウント結果が、予め定めてある時間、又は使用者が運転開始前に設定した希望時間を超過したかどうかを判定する。例えば、実施の形態1で説明したように「急速脱臭運転モード」は、1つの固定時間(例えば15分間)だけ運転するように設定されており、この時間を使用者が変更することはできない
ステップ(S90)で時間を超過していない場合には、ステップ(S88)に戻り、再び計測された温度T1が、所定の閾値(基準温度TS)と同じか、それ未満であるかどうかの判定がされる。
ステップ(S90)で、予め定めてある時間や使用者が設定した希望時間を超過した場合には、次のステップ(S91)に進み、送風用モーター13への通電を停止する。そして送風用モーター13への通電時点(ステップS87)以降の運転データを記憶部19Rに記憶させる(S92)。
そして次のステップ(S93)では、表示部(表示画面)8bの動作を停止し、さらに統合管理装置79に対して空気清浄運転を終了したことを示す信号を送信し、終了する(S99)。
一方、前記ステップ(S88)で基準温度(TS)を超えた場合には、ステップ(S94)へ進む。異常判定処理部19Eがこの時に出す信号を「第1異常信号」と呼ぶ。
また、前記ステップ(S89)で基準量(VS)を超えた場合には、ステップ(S94)へ進む。異常判定処理部19Eがこの時に出す信号を「第2異常信号」と呼ぶ。
ステップ(S94)では、前記第1異常信号又は第2異常信号の少なくとも何れか一方が発信された場合には、空気清浄機Aにて異常発生を検知したものと判断し、異常発生を報知する。具体的にはブザー8cを鳴動させる。また音声合成装置8dにより、スピーカー28から音声で異常発生したことを報知させる。これら異常発生報知の際には、空気清浄機Aが使用されている居住空間の名称も同時に報知する。
次のステップ(S95)では、制御装置19は、統合管理装置79に対して空気清浄運転中に異常発生したことを感知した旨の信号を送信する。なお、統合管理装置79では、家屋70内部の各種家電機器EEの内、報知機能を持ったもの、例えばTV受像機75を起動し、その表示画面で、空気清浄機Aが、ある居住空間(例えば2階の寝室)において、異常発生を報知していることを音声や文字情報等を利用して居住者に緊急に知らせる。この報知に際に、統合管理装置79の記憶部99Bには、直前までの記憶情報の中に、空気清浄機Aが、ある居住空間(例えば2階の寝室)で使用開始されたことのデータがあるので、そのデータを読みだして瞬時に正確な場所の名称を報知する。
一方、制御装置19は、ステップ(S96)で、送風用モーター13への通電を緊急停止する。そして空気清浄運転の開始時点(ステップS87)から、この送風用モーター13への通電時点(ステップS96)までの運転データや制御装置19から出された制御指令信号等のデータを、記憶部19Rに一括して記憶させる(S97)。
そして表示部(表示画面)8bを停止し、空気清浄運転の開始時点(ステップS87)から、この送風用モーター13への通電時点(ステップS96)までの運転データや制御装置19から出された制御指令信号等のデータを、統合管理装置79に送信(S98)して、終了する(S99)。
この実施の形態6の空気清浄機Aは、「環境改善機器」SP1の1種である。この実施の形態6の構成は、他の環境改善機器SP1、例えば室内空気に高湿度の空気や水蒸気を供給して湿度を上げる加湿機器、あるいは逆に湿度を下げる除湿機器にも適用できる。
この実施の形態6において、温度センサー27Bと、ガスセンサー201Aをそれぞれ通風路Rの中、特に最も上流側である前パネル1側に設置したのは、空気清浄機Aの運転中に、室内空気の変化を迅速に捉えるためである。すなわち、送風用モーター13が運転されている空気清浄運転中には、常に室内の空気が通風路Rの中に順次導入されるので、通風路Rの中の最も上流側の空気吸込口2付近が有利である。
また、温度センサー27Bと、ガスセンサー201Aは、前パネル1の裏側(通風路Rの中で下流側)であるため、使用者が通常の使用時に不用意に直接触れることがなく、そのような接触による誤動作や故障等の懸念もない。
なお、人感知センサー200によって、空気清浄機Aの前方に使用者が居る場合は、その居住空間71に、他の熱源機器等による異常高温が発生して煙が発生したような場合でも早期発見できるが、使用者が空気清浄機Aのある居住空間から出てしまった場合には、危険度が増す。そのため、この実施の形態6においては、前記した「温度検知間隔」と「ガス検知間隔」を、「使用者が居る」と人感知センサー200が判定している期間中は、前記したように少なくとも(最長で)30秒間間隔に設定し、使用者が居ない場合(居ると判定していた状態から、居ることが検知できなくなった場合含む)には、例えば5秒又は10秒間隔に短縮化し、監視密度を上げるようにしている。このような変更の指示は、制御装置19の異常判定処理部19Eの中に、所定の監視動作プログラムとして格納されている。
さらに、統合管理装置79の環境検知部103による居住環境の監視も、人感知部105で居住者の存在が確認できなくなった場合には、検知動作の頻度(検知間隔の時間の短縮)を上げ、空気清浄機Aの監視動作に協調、連携させると更に安全性と信頼性が高まる。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態6では、実施の形態1と同様に、第1〜第3の発明を実施しているため、実施の形態1と同様な効果を期待できる。
さらに、この実施の形態6では、以下のような第7の発明を実施した環境改善機器を開示している。
すなわち、本体1Aの内部に電熱源となるヒーター22を有し、室内の異なる2つ以上の居住空間71に移動可能な空気清浄機A等の環境改善機器であって、
前記本体1Aの位置情報を取得し、居住空間71を特定する名称情報として蓄積する記憶部19Rと、
室内空気を循環させて空気の質を改善する空気処理部(集塵フィルター10M、脱臭ユニット12)と、
空気処理部のために処理用空気を導入し、それを強制的に排出する電動送風機用モーター13と、
前記処理用空気の温度又は一酸化炭素ガス量の少なくとも何れか1つを検知して所定の閾値を超えた場合、異常発生信号(「第1異常信号」、「第2異常信号」)を発信する異常判定処理部19Eと、
前記異常発生信号を受信した場合、警報信号を発信するとともに、前記モーター13の運転を制御する制御装置19と、
前記警報信号を受けて警報音を発する警報部8cと、
前記制御装置19の指令に応じて前記本体1Aの外部に向け異常発生事態であることを示す外部報知信号を無線通信で送信する無線送信部(アダプター100)と、を有し、
前記制御装置19は、前記異常判定処理部19Eから異常発生信号を受信した場合に前記ヒーター22とモーター13の運転を停止させ、前記無線送信部から前記外部報知信号及び前記記憶部19Rが保有している居住空間の名称情報を送信する構成である。
この第7の発明の実施態様によれば、空気清浄機Aにおいて、居住空間に有害な煙が発生して炭酸ガスの濃度が人体に有害なレベルになった場合、あるいは火災等の発生が疑われる場合を検知するため、所定の「閾値」を超えるレベルの検出データを取得した場合、危険であることを報知し、また統合管理装置79へ即座に送ることができ、しかもその警報時には、空気清浄機Aの本体1Aが存在する居住空間内の位置情報から、当該居住空間71を特定する名称情報も報知できるので、警報に接した居住者に正しい情報を伝えることができ、居住者の安心感・安全性を向上させることができる。
なお、前記した各実施の形態では、1つの空気清浄機Aを1つの統合管理装置(電力指令装置)79で制御するシステムであったが、2台以上の空気清浄機Aを1つの統合管理装置79で集中制御することにも応用できる。例えば、高齢者介護施設等で多数の部屋(居住空間)で、複数の空気清浄機Aを共同で使用しているような場合、個々の空気清浄機Aの累積運転時間や使用場所の情報を集約して統合管理装置79で確認できる。そのため、過去の仕様頻度を見て、予め空気清浄機Aの一時的な保管場所を使用頻度の高い部屋の近くにするなどにより、人的労力の大幅な軽減に貢献できる。同様に、スマートフォンやタブレット型端末機と呼ばれているような情報通信端末機器45が1つであっても、各空気清浄機Aから個々にNFC通信で運転時間情報等を読み出すことができる。
また以上の各実施形態の説明において、電力指令装置(統合管理装置)79には、在宅検知部104、人検知部105、環境検知部103、睡眠判定部101、NFC入出力部98を有していたが、それらは独立した構造物として設置されている構成に限定されない。例えば、環境検知部103の基本的動作を実行するソフトウェアは、他の部分のソフトウェアと同じ回路実装基板の上に取付けた半導体記憶素子の中に一体に組み込むことでも良い。また電力指令装置(統合管理装置)79の記憶装置96の一部は、家屋70の外部の遠隔地に設置された情報サーバー90にて構成し、その情報サーバーと電力指令装置79が通信回路網を経由して情報を授受するようなシステムで構成しても良い。
また以上の各実施形態の説明において、空気清浄機Aには、温度検知回路27、ガス検知回路201、位置情報取得手段38を有していたが、それらは独立した構造物として設置されている構成に限定されない。例えば、位置情報取得手段38の基本的動作を実行するソフトウェアは、他の部分のソフトウェアと同じ回路実装基板の上に取付けた半導体記憶素子の中に一体に組み込むことでも良い。また臭いセンサー36や照度センサー11、埃センサー37、温度センサー27A、27B等の各種センサー類も複数のものを組み合せて複合機能に構成したものでも良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の実質的な範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。