JP6364918B2 - 高炉スラグの選別方法及び高炉セメントの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉水砕スラグを加熱することによって得られるメルヴィナイトの生成量から活性度指数を予測し高炉スラグを選別する高炉スラグの選別方法及び選別した高炉スラグとセメントを混合する高炉セメントの製造方法に関する。
製鉄所から生産される高炉水砕スラグは、2012年度でおよそ2千万tであり、そのうちのおよそ90%はセメント原料に利用されている。中でも、高炉セメントに利用されるスラグの品質はその高炉セメントの品質に大きく影響を及ぼし、JIS(JIS A 6206「コンクリート用高炉スラグ微粉末」)に定められている塩基度((CaO+MgO+Al)/SiO)が高炉スラグの品質管理指標値として扱われている。
JIS(JIS A 6206「コンクリート用高炉スラグ微粉末」)に定められている高炉スラグの活性度指数は、普通ポルトランドセメント:高炉スラグ微粉末=1:1となるように作製したセメントのモルタル圧縮強さと普通ポルトランドセメント単独のモルタル圧縮強さとの比(材齢7日および28日)で表され、活性度指数が高いほど品質が良好な高炉スラグであると考えられる。一般的に、先述した塩基度は活性度指数の指標として用いられており、塩基度が高いほど活性度指数は高まる傾向にある。
しかしながら、塩基度のみで活性度指数を予測しても、実測値と比べてばらつきを持つ場合が多い。このため、実際の製造現場において、高炉スラグの塩基度が高いため、活性度指数が高いと判断し、品質を確保するための製造時のアクションをとらず、製造した高炉セメントの品質が目標のレベルに達しない場合がある。
一方で、既往の検討では、JISの塩基度を改良し、TiOおよびMnO量を考慮した指標とすることで、精度よく活性度指数を予測する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2008−247715号公報
しかしながら、特許文献1の指標よりも更に精度よく活性度指数を予測する指標が産業界から望まれていた。
そこで、本発明は、精度よく活性度指数を予測する指標を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、高炉スラグを加熱することによって得られるメルヴィナイトの生成量が活性度指数を予測する指標として有効であることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、高炉スラグを950℃〜1150℃で加熱し、高炉スラグの活性度指数の指標A1を求める指標算出工程と、指標A1に基づいて高炉スラグを選別する選別工程とを含むことを特徴とする高炉スラグの選別方法であって、指標算出工程は、加熱した高炉スラグに対し、内部標準物質であるAl を外割で1〜30質量%添加して粉末X線回折測定を行い、メルヴィナイトのピーク面積とAl のピーク面積を求める工程と、メルヴィナイトのピーク面積をAl のピーク面積で除してピーク面積比を求める工程と、ピーク面積比と内部標準物質の添加量(外割での質量%)とを乗じて指標A1を求める工程とを含み、選別工程は、指標A1が所定の値以上である場合を高活性度高炉スラグ、指標A1が所定の値未満である場合を低活性度高炉スラグとして高炉スラグを選別する工程である、高炉スラグの選別方法に関する。
本発明の選別方法によれば、精度よく活性度指数を予測出来る指標により、品質の良い高炉スラグを選別する方法を提供出来る。
また、本発明は、高炉スラグを950℃〜1150℃で加熱し、高炉スラグの活性度指数の指標A1を求める指標算出工程と、指標A1に基づいて高炉スラグを選別する選別工程と、選別された高炉スラグとセメントとを混合し、高炉セメントを製造する製造工程とを含むことを特徴とする高炉セメントの製造方法であって、指標算出工程は、加熱した高炉スラグに対し、内部標準物質であるAl を外割で1〜30質量%添加して粉末X線回折測定を行い、メルヴィナイトのピーク面積とAl のピーク面積を求める工程と、前記メルヴィナイトのピーク面積をAl のピーク面積で除してピーク面積比を求める工程と、ピーク面積比と内部標準物質の添加量(外割での質量%)とを乗じて指標A1を求める工程とを含み、選別工程は、指標A1が所定の値以上である場合を高活性度高炉スラグ、指標A1が所定の値未満である場合を低活性度高炉スラグとして高炉スラグを選別する工程である、高炉セメントの製造方法に関する。
本発明の製造方法によれば、精度よく活性度指数を予測出来る指標により、品質の良い高炉スラグを選別することで、品質の良い高炉スラグを提供出来る。

本発明に関わる高炉スラグの選別方法によれば、高炉スラグの品質がばらついても、活性度指数を精度よく予測し、良好な高炉スラグを選別する方法を提供することが出来る。また、本発明に関わる高炉セメントの製造方法によれば、良好な高炉スラグを選別し、高品質の高炉セメントを製造する製造方法を提供することが出来る。
再加熱した高炉スラグ中のメルヴィナイトの回折ピークとピーク分離およびピーク面積の算出方法 再加熱した高炉スラグ中のゲーレナイトの回折ピークとそのピーク面積の算出方法 Al2O3の回折ピークとそのピーク面積の算出方法 加熱した高炉スラグの粉末X線回折チャートを示す図である(試料No.1、塩基度:1.93、活性度:110.8%)。 加熱した高炉スラグの粉末X線回折チャートを示す図である(試料No.7、塩基度:1.73、活性度:107.0%) 加熱した高炉スラグの粉末X線回折チャートを示す図である(試料No.9、塩基度:1.71、活性度:91.9%) JISの塩基度と活性度指数(28日)との関係を示すグラフである。 指標A1(メルヴィナイト生成量×内部標準物質添加量と活性度指数(28日)との関係を示すグラフである。 高炉スラグの塩基度Bmおよびメルヴィナイト生成量から求めた指標Aと、活性度指数(28日)との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<高炉スラグの選別方法>
本実施形態の高炉スラグの選別方法は、高炉スラグを加熱し、得られたメルヴィナイトの生成量を求める生成量算出工程と、前記メルヴィナイトの生成量から高炉スラグの活性度指数の指標Aを求める指標算出工程と、前記指標Aに基づいて高炉スラグを選別する選別工程とを含む。
高炉スラグの加熱は、一般的な電気炉を使用すれば良く、加熱温度や加熱時間はメルヴィナイトが十分生成する条件であれば良い。
高炉スラグの加熱温度は、より具体的には、850℃〜1150℃が好ましく、より好ましくは950℃〜1150℃、さらに好ましくは950℃〜1050℃である。この範囲であれば、メルヴィナイトを評価指標として判別出来るような十分な量を生成させることができる。
高炉スラグの加熱時間は、好ましくは5分〜3時間、より好ましくは10分〜1時間、更に好ましくは10分〜40分である。この範囲であれば、メルヴィナイトを評価指標として判別出来るような十分な量を生成させることができる。
メルヴィナイトの生成量を求める生成量算出工程は、前記加熱した高炉スラグに対し、内部標準物質であるAlを外割で1〜30質量%、好ましくは5〜15質量%、さらに好ましくは8〜12質量%、特に好ましくは9〜11質量%、最も好ましくは10質量%添加して粉末X線回折測定を行い、メルヴィナイトのピーク面積を求める工程と、前記メルヴィナイトのピーク面積を前記Alのピーク面積で除してメルヴィナイトの生成量とする工程とを含むことが好ましい。
メルヴィナイトのピークは、2θ=32.0〜34.5°に現れるピークであり、2θ=32.1〜34.4°や2θ=31.9〜34.6°なども用いることができる。
また、副次的に現れる鉱物、例えばゲーレナイトのピーク面積も求めておくと、活性度指数を評価する上で好ましい。
ゲーレナイトのピークは、2θ=30.5〜32.1°に現れるピークであり、2θ=30.6〜32.0°や2θ=30.4〜32.2°なども用いることができる。
さらに、Alのピークは、2θ=34.8〜35.4°に現れるピークであり、2θ=34.9〜35.3°や2θ=34.7〜35.5°なども用いることができる。
この範囲とすることで、より確実に解析対象の結晶のピークが得られる。
なお、ピーク面積は、解析ソフトであるJADE6により、各対象のピークをpseudo-Voigt関数を用いてフィッティングすることで求めることが出来る。また、2θ=33.3°付近のメルヴィナイトピークは、2θ=33.7°付近のメルヴィナイトのピークと重なっているため、ピーク分離を行うことが望ましい。
粉末X線回折の測定条件は、例えば、粉末X線回折装置RINT−2500(リガク社製)を用い、X線源をCuKαとして、管電圧:35kV、管電流:110mA、測定範囲:2θ=5〜60°、ステップ幅:0.02°、計数時間:2秒間、発散スリット:1°および受光スリット:0.15mmの測定条件で測定することができる。
前記指標Aはメルヴィナイトの生成量に内部標準物質の添加量を乗じたものを使用するのが好ましい。また、前記選別工程は、前記メルヴィナイトの生成量と前記内部標準物質添加量を乗じて前記指標Aを求める工程と、前記指標A以上である場合を高活性度高炉スラグ、前記指標A未満である場合を低活性度高炉スラグとして高炉スラグを選別する工程を含むとより好ましい。
前記指標Aは0.5〜22の何れかの値であることが好ましく、5〜21の何れかの値であるとより好ましく、10〜20の何れかの値であるとさらに好ましい。
この指標値を採用することで、品質が良く、均質な高炉スラグを選別することが可能となる。
活性度指数の指標としては、JIS A 6206「コンクリート用高炉スラグ微粉末」の塩基度が代表的な指標として知られている。
上記JISの塩基度は、高炉スラグ中の前記CaO含有量、SiO2含有量及びAl含有量から求まり、下記式(J)で表される。
JIS塩基度=(CaO+Al+MgO)/SiO・・・(J)
このJIS塩基度の精度を向上させたものが、本発明に関わる指標Aである。この指標Aは、メルヴィナイトの生成量と相関関係にあり、メルヴィナイトの生成量が多い程、高炉スラグの活性度指数が大きくなる。
更に、指標AとしてJIS塩基度とメルヴィナイト生成量×内標準物質=A1)との両者を考慮したものを使用することがより好ましい。指標算出工程は、前記高炉スラグのCaO含有量、SiO含有量、Al含有量、MgO含有量、TiO含有量及びMnO含有量を測定する工程と、前記CaO含有量、SiO含有量、Al含有量、MgO含有量、TiO含有量及びMnO含有量と、前記メルヴィナイトの生成量から高炉スラグの活性度指数の指標Aを求める工程とを含めるとより好ましい。
ここで、高炉スラグのCaO含有量等の化学成分は、JIS R 5202「セメントの化学分析方法」またはJIS R5204「セメントの蛍光X線分析方法」に準じて測定することができる。
上述した高炉スラグの活性度指数の指標Aを求める工程は、下記式(1)及び式(2)に基づくとより好ましい。

=Bm−γ×(メルヴィナイト生成量×内部標準物質添加量)・・・(1)
Bm=(CaO+Al+MgO)/SiO−α×TiO−β×MnO・・・(2)
但し、CaO、Al、MgO、SiO、TiO及びMnOは高炉スラグ中の各化学成分の含有量である。また、α=0.03〜0.5、好ましくは0.05〜0.45、より好ましくは0.07〜0.40、β=0.7〜1.3、好ましくは0.75〜1.25、より好ましくは0.8〜1.20、γ=0.01〜0.1、好ましくは0.015〜0.090、より好ましくは0.02〜0.085である。

上述した指標Aに基づいて高炉スラグを選別することにより、品質が良く、均質な高炉スラグを選別することが可能となる。選別する方法としては、任意の高炉スラグをサンプリングし、指標Aを求めた後、良好な指標Aを示した高炉スラグと同一のロットを選別する等の方法が挙げられる。
<高炉セメントの製造方法>
次に、本発明の高炉セメントの製造方法について説明する。
高炉セメントの製造方法は、選別工程までは、上述した高炉スラグの選別方法と同じ工程を経れば良い。
次いで、製造工程では、選別した高炉スラグを粉砕した後、セメントを混合する方法や、選別された高炉スラグとセメントの混合と粉砕を同時に行う方法が挙げられる。
また、指標A1又はA2の測定結果が低活性度高炉スラグである場合は、高活性度高炉スラグと混合し指標A1又はA2を調整すれば良い。あるいは、高炉セメント中の高炉スラグ添加量を減らしたり、高炉セメントを十分粉砕し比表面積を高めることで強度を確保すれば良い。
本発明の高炉セメントの製造方法は、石灰石、硅石、石炭灰、粘土、高炉スラグ、建設発生土、下水汚泥、銅からみ及び焼却灰からなる群より選ばれる原料を混合し、焼成してセメントクリンカーを製造する工程と、セメントクリンカーと石膏と高炉スラグとを混合する工程とを含めても良い。
セメントクリンカーは、SP方式(多段サイクロン予熱方式)又はNSP方式(仮焼炉を併設した多段サイクロン予熱方式)等の既存のセメント製造設備を用いて、製造することができる。
本発明の高炉セメントの製造方法として、セメントクリンカーと石膏と高炉スラグを混合する工程において、さらに少量の混合材を添加してもよい。混合材は、JIS R 5211「高炉セメント」に規定される高炉スラグ、JIS R 5212「シリカセメント」に規定されるシリカ質混合材、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」に規定されるフライアッシュ、JIS R 5210「ポルトランドセメント」に規定される石灰石を利用することができる。
本発明のセメントクリンカーと石膏と高炉スラグと少量混合物などを混合する方法としては、特に制限されるものではなく、セメントクリンカーと石膏と高炉スラグとを混合粉砕する方法や、セメントクリンカーと石膏とを混合粉砕後、別粉砕したスラグとを混合する方法等があげられる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
1.供試試料
様々なキャラクターをもつスラグを集め、実験に供した。それらの高炉水砕スラグの化学組成を表1に示す。また、各高炉スラグの塩基度および活性度指数(28日)を表2に示す。
塩基度は、JIS A 6206「コンクリート用高炉スラグ微粉末」に準拠して求めたものと、特開2008−247715号公報のTi・Mn量を考慮したもの(Bm)を求めた。なお、前者の塩基度は式(J)に従い、後者の塩基度は式(2’)に従い算出した。

JIS塩基度=(CaO+Al+MgO)/SiO・・・(J)
Bm=(CaO+Al+MgO)/SiO−0.13×TiO−MnO・・・(2’)
また、活性度指数の評価は、JIS A 6206:2013「コンクリート用高炉スラグ微粉末」の付属書に記載されている「高炉スラグ微粉末のモルタルによる活性度指数およびフロー値比の試験方法」に準拠して行った。
Figure 0006364918
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2.高炉スラグの加熱(結晶化処理)と粉末X線回折測定
上記10種類の高炉スラグ30gをるつぼに入れて、電気炉の中で、1000℃で30分間加熱し、結晶化させた。加熱後の高炉スラグに対し、標準物質としてAlを外割で10質量%添加し、遊星ミルで5分間粉砕した。粉砕後の試料は、XRD測定を行い(測定条件:粉末X線回折装置RINT−2500((株)リガク製)を用い、X線源をCuKαとして,管電圧35kV、管電流110mA、測定範囲2θ=10〜60°、ステップ幅0.02°、計数時間2秒間、発散スリット:1°及び受光スリット:0.15mmの条件でXRD測定を行った。そして、2θ=32.9〜34.2°に現れるメルヴィナイト(3CaO・MgO・2SiO2)(図1)、2θ=30.5〜32.1°に現れるゲーレナイト(2CaO・Al2O3・SiO2)(図2)および2θ=34.8〜35.4°に現れるAl(図3)のピーク面積を求めて、メルヴィナイトおよびゲーレナイトのピーク面積をAlの面積で除したものをそれぞれメルヴィナイトおよびゲーレナイトの生成量とした。それらの値を表3に示す。
なお、ピーク面積は、解析ソフトであるJADE6により、各対象のピークをpseudo-Voigt関数を用いてフィッティングすることで求めた。また、2θ=33.3°付近のメルヴィナイトピークは、2θ=33.7°付近のメルヴィナイトのピークと重なっているため、ピーク分離を行うことが望ましい。θ=33.3°付近のメルヴィナイトピークは、2θ
3.評価(粉末X線解析)
図4〜6に1000℃で加熱した高炉スラグの粉末X線回折のチャートを示す。塩基度および活性度ともに高いスラグ(試料No.1)、塩基度は低いが活性度が高いスラグ(試料No.7)および塩基度と活性度がともに低いスラグ(試料No.9)を示したが、試料No.7と試料No.9とを比較した場合、同等の塩基度においても活性度の高いNo.7はメルヴィナイトのピークが高く、活性度の低いNo.9はメルヴィナイトのピークは観察できなかった。このことから、塩基度が低くても加熱時にメルヴィナイトが生成する高炉スラグを選別すれば、塩基度が高い高炉スラグと同等に使用できることがわかる。
4.評価(メルヴィナイトと活性度指数の関係)
表3にはNo.1〜10の高炉スラグについて、加熱時のメルヴィナイトおよびゲーレナイトの生成量を示す。また、内部標準物質添加量が異なった場合でも対応できるようにするため、メルヴィナイト生成量に内部標準添加量を乗じた値である指標A1を表4に示す。
活性度指数が100%未満と低いNo.9および10は1000℃で加熱した場合、メルヴィナイトは生成していない。また、メルヴィナイト生成量が1.6以上のNo.1〜8はいずれも活性度指数が100%以上と高い。
さらに、塩基度が1.70前後と低いスラグをみた場合、指標A1(メルヴィナイト生成量×内部標準添加量)が1.6以上のもの(試料No.7および試料No.8)は活性度指数が100%以上であり、1.6未満のもの(試料No.9および試料No.10)は90%台と低く、塩基度が低いスラグにおいて活性度指数を正確に選別する指標としてメルヴィナイト生成量が有効であることがわかる。
このことから、より活性度が高いものを選別しようとすれば、指標A1が0.5以上、好ましくは1.6以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上、最も好ましくは20以上で選別すればよい。
また、900℃で加熱するよりも1000℃で加熱した方が、メルヴィナイト生成量と活性度指数との相関関係がより明確になることがわかる。
一方、活性度指数が低いものは、ゲーレナイト量が多い傾向であった。
高炉スラグはガラス質(アモルファス)であり、結晶相はほとんど存在しないが、ある程度の温度で加熱するとガラス相が結晶化し、ゲーレナイトやメルヴィナイトのような結晶相が生成する。その結晶相は組成だけでなく、ガラスの構造の違いも反映したものとなり、これを用いれば、ガラスの性質(活性度)の評価も可能になるものと考えられる。
Figure 0006364918
Figure 0006364918
図7には塩基度と高炉スラグの活性度指数との関係、図8には1000℃で加熱した際の指標A1と高炉スラグの活性度指数との関係を示す。指標A1を指標とすることにより、活性度指数との相関係数が高まることがわかる。
特に丸で囲ったデータは指標A1を指標とすることにより、塩基度が低くても活性度が高いものを仕分けできることを示しており、本発明の指標A1はJIS塩基度よりもより精度の高い指標であるといえる。
5.評価(Bmと活性度指数の関係)
塩基度、あるいはTiOおよびMnOを考慮した塩基度とメルヴィナイト量とを併用することにより、更に活性度指数の評価が精度よくできるようになる。以下に詳細を記す。
メルヴィナイト生成量およびTiOおよびMnOを考慮した塩基度Bmを独立変数とし、活性度指数(材齢28日)を従属変数として重回帰分析を行い、式(1’)を求めた。また、式(1’)から算出した活性度指数を予測するための指標A2を表4に示す。
A2=Bm0.065×(メルヴィナイトの生成量×内部標準物質添加量)・・・(1’)
Figure 0006364918
図9に式(1’)から求めた指標A2と実測した活性度指数との関係を示す。
図7ではデータの相関係数rが0.831であり、また、図8は0.875である。一方、図9では0.881である。従って、塩基度Bmとメルヴィナイト生成量を組み合わせることで、上述したメルヴィナイト生成量のみの指標よりもより精度が高まり、塩基度(JIS)の場合よりも精度よく材齢28日の活性度指数を予測できた。

Claims (3)

  1. 高炉スラグを950℃〜1150℃で加熱し、高炉スラグの活性度指数の指標A1を求める指標算出工程と、
    前記指標A1に基づいて高炉スラグを選別する選別工程とを含むことを特徴とする高炉スラグの選別方法であって、
    前記指標算出工程は、前記加熱した高炉スラグに対し、内部標準物質であるAlを外割で1〜30質量%添加して粉末X線回折測定を行い、メルヴィナイトのピーク面積とAlのピーク面積を求める工程と、前記メルヴィナイトのピーク面積を前記Alのピーク面積で除してピーク面積比を求める工程と、前記ピーク面積比と前記内部標準物質の添加量(外割での質量%)とを乗じて前記指標A1を求める工程とを含み、
    前記選別工程は、前記指標A1が所定の値以上である場合を高活性度高炉スラグ、前記指標A1が所定の値未満である場合を低活性度高炉スラグとして前記高炉スラグを選別する工程である、高炉スラグの選別方法。
  2. 前記指標A1が0.5〜22の何れかの値である、請求項1記載の高炉スラグの選別方法。
  3. 高炉スラグを950℃〜1150℃で加熱し、高炉スラグの活性度指数の指標A1を求める指標算出工程と、
    前記指標A1に基づいて高炉スラグを選別する選別工程と、前記選別された高炉スラグとセメントとを混合し、高炉セメントを製造する製造工程とを含むことを特徴とする高炉セメントの製造方法であって、
    前記指標算出工程は、前記加熱した高炉スラグに対し、内部標準物質であるAlを外割で1〜30質量%添加して粉末X線回折測定を行い、メルヴィナイトのピーク面積とAlのピーク面積を求める工程と、前記メルヴィナイトのピーク面積を前記Alのピーク面積で除してピーク面積比を求める工程と、前記ピーク面積比と前記内部標準物質の添加量(外割での質量%)とを乗じて前記指標A1を求める工程とを含み、
    前記選別工程は、前記指標A1が所定の値以上である場合を高活性度高炉スラグ、前記指標A1が所定の値未満である場合を低活性度高炉スラグとして前記高炉スラグを選別する工程である、高炉セメントの製造方法。
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