JP6338993B2 - 混合セメント中の混合材の定量方法 - Google Patents

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Description

本発明は、混合セメント中の混合材の定量方法に関する。なお、本明細書中、混合セメントとは、JISで規定されている高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントの他に、ポルトランドセメント(普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント)にシリカフュームを混合してなるセメント(以下、「シリカフューム混合セメント」ともいう。)等を含むものである。
セメントの製造において、製造されたセメントの鉱物組成を定量分析して、得られた値をセメントの品質管理等に利用することが行われている。
セメントの鉱物組成の定量分析の方法として、例えば、特許文献1には、セメント硬化体の試料を熱分析してその水和物吸収熱量を測定し、得られた水和物吸収熱量の測定波形を波形分離し、セメント硬化物中に生成したカルシウムシリケート系非晶質水和物を測定することを特徴とするカルシウムシリケート系非晶質水和物の測定方法が記載されている。
また、特許文献2には、粉末X線回析チャートのリートベルト解析を利用した鉱物組成の分析によって、セメント又はクリンカ中の3CaO・SiO2、2CaO・SiO2、3CaO・Al23、4CaO・Al23・Fe23、フリーライム、カルサイト、2水石膏、半水石膏及び高炉スラグから選ばれる1種以上を定量する方法が記載されている。
さらに、非特許文献1には、X線回折法において、標準物質としてケイ素(silicon)を用いた外部標準法により、セメント中の3CaO・SiO2(エーライト)を定量する方法が記載されている。
特開平10−68707号公報 特開2007−76931号公報
Journal of Applied Crystallography 44、p.895−901 (2011)
混合セメント中の混合材(例えば、フライアッシュセメント中のフライアッシュ)の割合を、製造後に定量する方法としては、X線回折リートベルト法を用いた方法や湿式法が知られている。
ここで、X線回折リートベルト法を用いた方法としては、内部標準法、及び外部標準法等が挙げられる。
しかし、湿式法は、定量に多大な労力がかかるという問題がある。
また、内部標準法は、内部標準物質を混合する作業が必要であることから、自動化には不向きであるという問題がある。
一方、外部標準法は、上述した内部標準法や湿式法におけるデメリットは少ないものの、標準物質の適切な選択が難しい場合があるという問題がある。
そこで、本発明は、簡便でかつ高精度に混合セメント中の混合材を定量することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、混合セメント中の混合材の定量に際し、X線回折リートベルト法に基づいた外部標準法を用い、かつ、上記外部標準法における標準物質として、特定のセメントを用いれば、本発明の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供するものである。
[1] X線回折リートベルト法を用いた、混合セメント中の混合材の定量方法であって、上記X線回折リートベルト法に基づいた外部標準法を用い、かつ、上記外部標準法における標準物質として、上記混合セメントに含まれているポルトランドセメントを用いることを特徴とする混合セメント中の混合材の定量方法。
[2] (A) 上記ポルトランドセメントについて、X線回折及び蛍光X線分析を行ない、これらの測定結果に基いて、下記式(1)中のGで表される、上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相のGファクターを算出した後、得られた各結晶相のGファクターを合計することによって、上記ポルトランドセメントのGファクターを算出する工程と、
=Sρ μ/C ・・・(1)
(式(1)中、SはX線回折リートベルト法を用いて得られる上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相のスケールファクターであり、ρは上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相の密度であり、Vは上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相の格子体積であり、μは上記ポルトランドセメントの質量減弱係数であり、Cは上記ポルトランドセメントの質量割合である。)
(B) 上記混合セメントについて、X線回折及び蛍光X線分析を行ない、これらの測定結果に基いて、下記式(2)中のCで表される、上記混合セメントを構成する各結晶相の質量割合を算出する工程と、
=Sρ μ/G ・・・(2)
(式(2)中、SはX線回折リートベルト法を用いて得られる上記混合セメントを構成する各結晶相のスケールファクターであり、ρは上記混合セメントを構成する各結晶相の密度であり、Vは上記混合セメントを構成する各結晶相の格子体積であり、μは上記混合セメントの質量減弱係数であり、Gは工程(A)で得られたGファクターである。)
(C) 工程(B)で得られた各結晶相の質量割合に基づいて、上記混合セメント中の非晶質の質量割合を算出する工程と、
(D) 工程(B)で得られた、上記混合材を構成する各結晶相の質量割合と、工程(C)で得られた、上記混合セメント中の非晶質の質量割合を合計することによって、上記混合セメント中の上記混合材の質量割合を算出する工程、
を含む前記[1]に記載の混合セメント中の混合材の定量方法。
[3] (A) 上記ポルトランドセメントについて、X線回折及び蛍光X線分析を行ない、これらの測定結果に基いて、下記式(1)中のGで表される、上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相のGファクターを算出した後、得られた各結晶相のGファクターを合計することによって、上記ポルトランドセメントのGファクターを算出する工程と、
=Sρ μ/C ・・・(1)
(式(1)中、SはX線回折リートベルト法を用いて得られる上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相のスケールファクターであり、ρは上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相の密度であり、Vは上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相の格子体積であり、μは上記ポルトランドセメントの質量減弱係数であり、Cは上記ポルトランドセメントの質量割合である。)
(B) 上記混合セメントについて、X線回折及び蛍光X線分析を行ない、これらの測定結果に基いて、下記式(2)中のCで表される、上記混合セメントを構成する各結晶相の質量割合を算出する工程と、
=Sρ μ/G ・・・(2)
(式(2)中、SはX線回折リートベルト法を用いて得られる上記混合セメントを構成する各結晶相のスケールファクターであり、ρは上記混合セメントを構成する各結晶相の密度であり、Vは上記混合セメントを構成する各結晶相の格子体積であり、μは上記混合セメントの質量減弱係数であり、Gは工程(A)で得られたGファクターである。)
(E) 工程(B)で得られた、上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相の質量割合(%)を合計し、該合計量を100(%)から差し引くことによって、上記混合セメント中の上記混合材の質量割合を算出する工程、
を含む前記[1]に記載の混合セメント中の混合材の定量方法。
[4] 上記混合セメントがフライアッシュセメント、高炉セメント、シリカセメント、またはポルトランドセメントにシリカフュームを混合してなるセメントである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の混合セメント中の混合材の定量方法。
本発明の混合セメント中の混合材の定量方法によれば、簡便でかつ高精度に混合セメント中の混合材を定量することができる。
本発明の混合セメント中の混合材の定量方法は、X線回折リートベルト法を用いた、混合セメント中の混合材の定量方法であって、上記X線回折リートベルト法に基づいた外部標準法を用い、かつ、上記外部標準法における標準物質として、上記混合セメントに含まれているポルトランドセメントを用いるものである。
具体的には、本発明の方法は、後述する工程(A)〜(D)、又は、工程(A)〜(B)、(E)を含むものである。以下、各工程について詳しく説明する。
[工程(A)]
工程(A)は、上記ポルトランドセメントについて、X線回折及び蛍光X線分析を行ない、これらの測定結果に基いて、下記式(1)中のGで表される、上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相のGファクターを算出した後、得られた各結晶相のGファクターを合計することによって、上記ポルトランドセメントのGファクターを算出する工程である。
=Sρ μ/C ・・・(1)
(式(1)中、SはX線回折リートベルト法を用いて得られる上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相のスケールファクターであり、ρは上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相の密度(g/cm)であり、Vは上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相の格子体積(Å)であり、μは上記ポルトランドセメントの質量減弱係数(mass attenuation coefficient;質量減衰係数)(cm/g)であり、Cは上記ポルトランドセメントの質量割合(質量%)である。)
なお、Cは100(質量%)である。
工程(A)において、Gファクターを算出するための標準物質として、混合セメントに含まれているポルトランドセメントを選択することによって、混合材の定量を高精度に行うことができる。
工程(A)において、Gファクターを算出するための上記各結晶相としては、3CaO・SiO2(エーライト;以下、「C3S」ともいう。)、2CaO・SiO2(ビーライト;以下、「C2S」ともいう。)、3CaO・Al23(アルミネート相;以下、「C3A」ともいう。)、4CaO・Al23・Fe23(フェライト相;以下、「C4AF」ともいう。)、MgO、2水石膏、及び半水石膏等が挙げられる。
中でも、混合材の定量の精度を高める観点から、C3S、C2S、C3A、C4AF、2水石膏、及び半水石膏の各Gファクターを算出することが好ましく、C3S、C2S、C3A、C4AF、MgO、2水石膏、及び半水石膏の各Gファクターを算出することがより好ましく、上記ポルトランドセメントを構成する全ての結晶相の各Gファクターを算出することが特に好ましい。
X線回折は、市販のX線回折装置(例えば、Panalytical社製、商品名「CubiX Pro」)を用いて、常法により行うことができる。また、リートベルト法は、市販のリートベルト解析ソフト(例えば、SIROQUANT社製、「Siroquant Ver3.0」)を用いて行うことができる。なお、上記ρ及びVは、通常、市販のX線回折装置を用いてX線回折リートベルト法を行う際に、スケールファクターと共に測定することができる。
また、上記μは、蛍光X線分析によって、上記ポルトランドセメントの化学組成を測定した後、ポルトランドセメントを構成する各元素の質量減弱係数(cm/g)と質量割合の積を算出し、これらを合計することによって算出することができる。
[工程(B)]
工程(B)は、上記混合セメントについて、X線回折及び蛍光X線分析を行ない、これらの測定結果に基いて、下記式(2)中のCで表される、上記混合セメントを構成する各結晶相の質量割合を算出する工程である。
=Sρ μ/G ・・・(2)
(式(2)中、SはX線回折リートベルト法を用いて得られる上記混合セメントを構成する各結晶相のスケールファクターであり、ρは上記混合セメントを構成する各結晶相の密度(g/cm)であり、Vは上記混合セメントを構成する各結晶相の格子体積(Å)であり、μは上記混合セメントの質量減弱係数(cm/g)であり、Gは工程(A)で得られたGファクターである。)
本発明の定量方法において、定量の対象である混合セメントとしては、フライアッシュセメント、高炉セメント、シリカセメント、シリカフューム混合セメント等が挙げられる。
上記混合セメントを構成する結晶相は、混合セメントの鉱物組成によって異なるものである。
例えば、混合セメントがフライアッシュセメントである場合、フライアッシュセメントを構成する結晶相としては、ポルトランドセメント(基材セメント)由来のC3S、C2S、C3A、C4AF、MgO、2水石膏、及び半水石膏、並びに、フライアッシュ(混合材)由来のムライト、クォーツ、ヘマタイト、及びマグネタイト等が挙げられる。
また、混合セメントが高炉セメントである場合、高炉セメントを構成する結晶相としては、ポルトランドセメント(基材セメント)由来のC3S、C2S、C3A、C4AF、MgO、2水石膏、及び半水石膏、並びに、高炉スラグ(混合材)由来のゲーレナイト、アケルマナイト及びメリライト等が挙げられる。
また、混合セメントがシリカフューム混合セメントである場合、シリカフューム混合セメントを構成する結晶相としては、ポルトランドセメント(基材セメント)由来のC3S、C2S、C3A、C4AF、MgO、2水石膏、及び半水石膏、並びに、シリカフューム(混合材)由来のクォーツ及びクリストバライト等が挙げられる。
工程(B)において、ポルトランドセメント由来の結晶相(好ましくはC3S、C2S、C3A、C4AF、2水石膏、及び半水石膏の結晶相、より好ましくは全ての結晶相)、および、混合材由来の結晶相(好ましくは2種以上、より好ましくは3種以上、特に好ましくは全ての結晶相)の各々について、質量割合を算出することが、混合材の定量の精度を高める観点から好ましい。
例えば、混合セメントがフライアッシュセメントである場合、混合材の定量の精度を高める観点から、C3S、C2S、C3A、C4AF、2水石膏、半水石膏、ムライト、クォーツ、及びヘマタイトの質量割合を算出することが好ましく、これらに加えてMgOの質量割合を算出することがより好ましい。
また、混合セメントが高炉セメントである場合、混合材の定量の精度を高める観点から、C3S、C2S、C3A、C4AF、2水石膏、半水石膏、ゲーレナイト、アケルマナイト及びメリライトの質量割合を算出することが好ましく、これらに加えてMgOの質量割合を算出することがより好ましい。
また、混合セメントがシリカフューム混合セメントである場合、混合材の定量の精度を高める観点から、C3S、C2S、C3A、C4AF、2水石膏、半水石膏、クォーツ及びクリストバライトの質量割合を算出することが好ましく、これらに加えてMgOの質量割合を算出することがより好ましい。
上記μは、蛍光X線分析によって、上記混合セメントの化学組成を測定した後、上記μと同様に算出することができる。
[工程(C)]
工程(C)は、工程(B)で得られた各結晶相の質量割合に基いて、上記混合セメント中の非晶質の質量割合を算出する工程である。
上記非晶質の質量割合は、工程(B)で得られた各結晶相の質量割合から、以下の式(3)によって、算出することができる。
A=100−(Cj1+Cj2・・・・Cjn) ・・・(3)
(式(3)中、Aは混合セメント中の非晶質の質量割合(質量%)であり、Cj1〜Cjnは工程(B)で得られた各結晶相の質量割合(質量%)であり、nは、工程(B)において質量割合の算出を行った混合セメント中の結晶相の種類の総数である。)
上記nは、好ましくは8以上、より好ましくは9以上である。
[工程(D)]
工程(D)は、工程(B)で得られた、上記混合材を構成する各結晶相の質量割合と、工程(C)で得られた、上記混合セメント中の非晶質の質量割合を合計することによって、上記混合セメント中の上記混合材の質量割合を算出する工程である。
例えば、混合セメントがフライアッシュセメントである場合、フライアッシュセメント中のフライアッシュの質量割合(質量%)は、工程(B)で得られたフライアッシュを構成する各結晶相(ムライト、クォーツ、ヘマタイト、及びマグネタイト等)の質量割合と、工程(C)で得られた上記フライアッシュセメント中の非晶質の質量割合を合計することによって算出することができる。
また、工程(B)の後に、以下の工程(E)を行うことによって、上記混合セメント中の混合材の質量割合を算出することもできる。
[工程(E)]
工程(E)は、工程(B)で得られた、上記ポルトランドセメント(混合セメントの基材セメント)を構成する各結晶相の質量割合(%)を合計し、得られた合計量を100(%)から差し引くことによって、上記混合セメント中の上記混合材の質量割合を算出する工程である。
具体的には、以下の式(4)によって、算出することができる。
B=100−(Cj1+Cj2・・+Cjm) ・・・(4)
(式(4)中、Bは混合セメント中の混合材の質量割合(質量%)であり、Cj1〜Cjmは工程(B)で得られたポルトランドセメントを構成する各結晶相の質量割合(質量%)であり、mは、工程(B)において質量割合の算出を行ったポルトランドセメント中の結晶相の種類の総数である。)
上記mは、好ましくは6以上、より好ましくは7以上である。
例えば、混合セメントがフライアッシュセメントである場合、フライアッシュセメント中のフライアッシュの質量割合(質量%)は、工程(B)で得られたポルトランドセメントを構成する各結晶相(C3S、C2S、C3A、C4AF、MgO、2水石膏、及び半水石膏等)の質量割合(質量%)の合計量を、100(質量%:混合セメント100質量%を意味する。)から差し引くことによって算出することができる。
本発明の定量方法によれば、混合セメント中の混合材の割合を高精度に定量することができる。
また、内部標準法とは異なり、標準物質を混合する作業が不要であることから、操作が簡便であり、セメントの品質管理の自動化に好適である。
さらに、本発明の工程(A)において算出される、ポルトランドセメントのGファクターは、セメントの製造現場で日常管理されているデータに基づいて算出可能であることから、当該Gファクターの算出のために、ポルトランドセメントの鉱物組成等を別途測定する必要はない。
[混合セメント1〜4の製造]
普通ポルトランドセメントとフライアッシュを混合して、フライアッシュセメント中のフライアッシュの質量割合が、各々、10質量%、20質量%、30質量%、及び40質量%である、混合セメント1〜4を製造した。
[実施例1]
標準物質として、混合セメント1〜4の製造に用いた普通ポルトランドセメントを使用した。該普通ポルトランドセメントについて、X線回折装置(ブルカー・エイエックスエス社製、商品名「Bruker D8 advance」)、及びリートベルト解析ソフト(ブルカー・エイエックスエス社製、「TOPAS Ver.3.0」)を用いて、上記普通ポルトランドセメントを構成する各結晶相について、S(スケールファクター)、ρ(密度)、V(格子体積)を測定した。X線回折測定は、CuKα線、管電圧50kV、管電流350mA、走査範囲50〜65°(2θ)、ステップ幅0.0234°、スキャンスピード0.13sec/stepの条件で行った。
また、蛍光X線分析装置(リガク社製、商品名「ZSX100e」)を用いて、上記普通ポルトランドセメントの化学組成を測定した後、上記に示した方法と同様な方法によってCuKα線におけるμ(質量減弱係数)を算出した。
得られた数値と上記式(1)を用いて、上記各結晶相のGファクターを算出した後、得られた各結晶相のGファクターを合計することによって、上記普通ポルトランドセメントのGファクターを算出した。
なお、式(1)における、C(普通ポルトランドセメントの質量割合)は100質量%である。
混合セメント1〜4について、上記X線回折装置、及び上記リートベルト解析ソフトを用いて、混合セメントを構成する各結晶相について、S(スケールファクター)、ρ(密度)、V(格子体積)を測定した。
また、上記蛍光X線分析装置を用いて、混合セメントの化学組成を測定した後、上記に示した方法と同様な方法によってCuKα線におけるμ(質量減弱係数)を算出した。
得られたμの測定値、上記普通ポルトランドセメントのGファクター、及び上記式(2)を用いて、上記各結晶相のC(質量割合)を算出した。結果を表1に示す。
得られた各結晶相のC(質量割合)と上記式(3)を用いて、上記混合セメント中の非晶質の質量割合を算出した。
フライアッシュ由来の結晶相(ムライト、クォーツ、ヘマタイト)の合計の質量割合と上記混合セメント中の非晶質の質量割合を合計することで、混合セメント1〜4中の混合材(フライアッシュ)の質量割合を算出した。結果を表2に示す。
Figure 0006338993
Figure 0006338993
[比較例1]
標準物質として、ケイ素粉末(関東化学社製の試薬、ケイ素の含有率:>99.99質量%)を用いる以外は、実施例1と同様にして、混合セメント1〜4中の混合材(フライアッシュ)の質量割合を算出した。ケイ素粉末のS(スケールファクター)、ρ(密度)、V(格子体積)、μ(質量減弱係数)、Gファクターを、表3に示す。また、混合セメント中の非晶質、混合材中の結晶相、及び混合セメント中の混合材の質量割合の算出結果を表4に示す。
Figure 0006338993
Figure 0006338993
表2及び表4から、本発明の方法によって算出された各混合セメント中の混合材の割合の値(実施例1)は、標準物質としてケイ素粉末を用いた場合(比較例1)と比較して、高精度であることがわかる。

Claims (4)

  1. X線回折リートベルト法を用いた、混合セメント中の混合材の定量方法であって、上記X線回折リートベルト法に基づいた外部標準法を用い、かつ、上記外部標準法における標準物質として、上記混合セメントに含まれているポルトランドセメントを用いることを特徴とする混合セメント中の混合材の定量方法。
  2. (A) 上記ポルトランドセメントについて、X線回折及び蛍光X線分析を行ない、これらの測定結果に基いて、下記式(1)中のGで表される、上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相のGファクターを算出した後、得られた各結晶相のGファクターを合計することによって、上記ポルトランドセメントのGファクターを算出する工程と、
    =Sρ μ/C ・・・(1)
    (式(1)中、SはX線回折リートベルト法を用いて得られる上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相のスケールファクターであり、ρは上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相の密度であり、Vは上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相の格子体積であり、μは上記ポルトランドセメントの質量減弱係数であり、Cは上記ポルトランドセメントの質量割合である。)
    (B) 上記混合セメントについて、X線回折及び蛍光X線分析を行ない、これらの測定結果に基いて、下記式(2)中のCで表される、上記混合セメントを構成する各結晶相の質量割合を算出する工程と、
    =Sρ μ/G ・・・(2)
    (式(2)中、SはX線回折リートベルト法を用いて得られる上記混合セメントを構成する各結晶相のスケールファクターであり、ρは上記混合セメントを構成する各結晶相の密度であり、Vは上記混合セメントを構成する各結晶相の格子体積であり、μは上記混合セメントの質量減弱係数であり、Gは工程(A)で得られたGファクターである。)
    (C) 工程(B)で得られた各結晶相の質量割合に基づいて、上記混合セメント中の非晶質の質量割合を算出する工程と、
    (D) 工程(B)で得られた、上記混合材を構成する各結晶相の質量割合と、工程(C)で得られた、上記混合セメント中の非晶質の質量割合を合計することによって、上記混合セメント中の上記混合材の質量割合を算出する工程、
    を含む請求項1に記載の混合セメント中の混合材の定量方法。
  3. (A) 上記ポルトランドセメントについて、X線回折及び蛍光X線分析を行ない、これらの測定結果に基いて、下記式(1)中のGで表される、上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相のGファクターを算出した後、得られた各結晶相のGファクターを合計することによって、上記ポルトランドセメントのGファクターを算出する工程と、
    =Sρ μ/C ・・・(1)
    (式(1)中、SはX線回折リートベルト法を用いて得られる上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相のスケールファクターであり、ρは上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相の密度であり、Vは上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相の格子体積であり、μは上記ポルトランドセメントの質量減弱係数であり、Cは上記ポルトランドセメントの質量割合である。)
    (B) 上記混合セメントについて、X線回折及び蛍光X線分析を行ない、これらの測定結果に基いて、下記式(2)中のCで表される、上記混合セメントを構成する各結晶相の質量割合を算出する工程と、
    =Sρ μ/G ・・・(2)
    (式(2)中、SはX線回折リートベルト法を用いて得られる上記混合セメントを構成する各結晶相のスケールファクターであり、ρは上記混合セメントを構成する各結晶相の密度であり、Vは上記混合セメントを構成する各結晶相の格子体積であり、μは上記混合セメントの質量減弱係数であり、Gは工程(A)で得られたGファクターである。)
    (E) 工程(B)で得られた、上記ポルトランドセメントを構成する各結晶相の質量割合(%)を合計し、得られた合計量を100(%)から差し引くことによって、上記混合セメント中の上記混合材の質量割合を算出する工程、
    を含む請求項1に記載の混合セメント中の混合材の定量方法。
  4. 上記混合セメントがフライアッシュセメント、高炉セメント、シリカセメント、またはポルトランドセメントにシリカフュームを混合してなるセメントである請求項1〜3のいずれか1項に記載の混合セメント中の混合材の定量方法。
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