JP5251056B2 - セメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種の推定方法 - Google Patents

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本発明は、セメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種の推定方法に関し、更に詳しくは、セメント硬化体から細骨材や混和材等を分離することなく、このセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種そのものを推定することが可能なセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種の推定方法に関するものである。
従来、セメント硬化体を用いて、このセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種を推定する場合、一般的には、セメント硬化体から20cm以上程の大きさの試料を切り出し、この試料に高濃度の酸を用いてセメントペーストを溶解させて酸に不溶である骨材・混和材との分離を行い、溶液を化学分析して得られた化学組成から用いられたセメントのクリンカ品種を推定することが多い。
また、材齢が比較的若いセメント硬化体では、この硬化体中に未水和セメントが多く残存しているので、この未水和セメント鉱物を粉末X線回折法により定量分析し、この定量分析結果から用いられたセメントのクリンカ品種を推定することが行われている。
また、顕微鏡法によりセメント硬化体中の未水和セメントを観察し、このポイントをカウントすることにより未水和セメント鉱物の組成を定量し、この定量結果から用いられたセメントのクリンカ品種を推定することも行われている。
また、近年では、普通ポルトランドセメントに含まれる酸化カルシウム(CaO)の含有量が64.5%程度に調整されていることに注目し、微粉末の分析試料中のセメント起源の酸化カルシウム(CaO)の含有量を測定し、この測定値から、検体である硬化コンクリートのセメント構成比、単位セメント量、結合水構成比、骨材の構成比等を推定する硬化コンクリートの配合推定方法が提案されている(特許文献1)。
特開2003−66031号公報
しかしながら、従来の化学分析結果からセメントのクリンカ品種を推定する方法では、セメント硬化体のセメントの溶解にかなり濃厚な酸を用いているために、石灰石骨材など酸で溶解される鉱物が含まれている場合にはセメントの部分のみならず骨材部分をも溶解することとなり、したがって、セメント硬化体を構成するセメントと砂等の骨材とを完全に分離することが難しく、セメントの組成比の推定値にかなりの誤差が生じてしまうという問題点があった。
また、セメント硬化体から骨材を取り除きセメント部分のみを溶解して検液を得る作業が煩雑であり、かつ化学分析に必要な試料量を得る必要がある等の問題点があった。
更にまた、スラグやフライアッシュ等を含む混合セメントの場合には、これらの混合材を含めた化学組成しか得ることができないために、用いられたセメントのクリンカ品種そのものを推定することができないという問題点があった。
また、粉末X線回折法や顕微鏡法によりセメントのクリンカ品種を推定する方法では、一度水和してしまったセメント硬化体では、アルミン酸三カルシウム(3CaO・Al:CA)やケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO:CS)等の一部のクリンカ鉱物が選択的に先んじて消費されるために、元のクリンカの鉱物組成を推定することができないという問題点があった。
さらに、これらのセメントのクリンカ品種を推定する方法では、セメント硬化体の材齢が経過すればするほど、セメントのクリンカ品種を推定することが難しくなってくるという問題点があった。
さらに、従来の硬化コンクリートの配合推定方法では、確かに、分析試料中の酸化カルシウム(CaO)の含有量の測定値から、硬化コンクリートのセメント構成比、単位セメント量、結合水構成比等を推定することはできるものの、対象となるコンクリートが、酸化カルシウム(CaO)の含有量が既知である普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートに限られてしまい、低熱セメントや速硬セメント等の普通ポルトランドセメント以外のセメントを用いたコンクリートには適用することができないという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、セメント硬化体から細骨材や混和材等を分離することなく、このセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種そのものを精度良く推定することが可能であり、しかも、5mm角程度の大きさの試料からも充分推定することが可能なセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種の推定方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、セメント硬化体中に残存しているケイ酸二カルシウムまたはケイ酸三カルシウムの微小部分の組成分析を電子プローブマイクロアナライザを用いて行い、この組成分析の結果に基づきセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種を容易に推定することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種の推定方法は、セメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種を電子プローブマイクロアナライザを用いて推定する方法であって、前記セメント硬化体中に残存しているケイ酸二カルシウムまたはケイ酸三カルシウムを選択し、このケイ酸二カルシウムまたはケイ酸三カルシウムの微小部分の組成分析を電子プローブマイクロアナライザを用いて行い、この組成分析の結果に基づき酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)との質量比(Al/Fe比)を求め、この質量比(Al/Fe比)と、前記セメントのセメントクリンカにおける酸化アルミニウム(Al )と酸化鉄(Fe )との質量比(Al /Fe 比)と、の対応関係に基づいて、前記組成分析の結果から求められた質量比(Al /Fe 比)から前記セメントのクリンカ品種を推定することを特徴とする。
前記セメント硬化体は、1mm以上の表面積を有するセメント硬化体片であることが好ましい。
予め、複数種のセメントのセメントクリンカについて、酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)との質量比(Al/Fe比)を求めておき、 前記組成分析の結果から求められた質量比(Al/Fe比)に基づき、前記複数種のセメントの中から該当するセメントのクリンカ品種を選択することが好ましい。
本発明のセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種の推定方法によれば、セメント硬化体中に残存しているケイ酸二カルシウムまたはケイ酸三カルシウムを選択し、このケイ酸二カルシウムまたはケイ酸三カルシウムの微小部分の組成分析を電子プローブマイクロアナライザを用いて行い、この組成分析の結果に基づき酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)との質量比(Al/Fe比)を求め、この質量比(Al/Fe比)と、前記セメントのセメントクリンカにおける酸化アルミニウム(Al )と酸化鉄(Fe )との質量比(Al /Fe 比)と、の対応関係に基づいて、前記組成分析の結果から求められた質量比(Al /Fe 比)から前記セメントのクリンカ品種を推定するので、セメント硬化体から細骨材や混和材等を分離することなく、このセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種そのものを精度良く推定することができる。
また、セメント硬化体中に残存しているケイ酸二カルシウムまたはケイ酸三カルシウムの微小部分の組成分析を電子プローブマイクロアナライザを用いて行うので、ミリメートル程度の大きさのセメント硬化体片であっても、このセメント硬化体片に用いられたセメントのクリンカ品種を容易かつ精度良く推定することができる。
本発明のセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種の推定方法の最良の形態について、図面に基づき説明する。
なお、本実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態のセメントのクリンカ品種の推定方法は、セメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種を電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いて推定する方法であって、前記セメント硬化体中に残存している未水和カルシウムシリケート相を選択し、この未水和カルシウムシリケート相の微小部分の組成分析を電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いて行い、この組成分析の結果に基づきセメントのクリンカ品種を推定する方法である。
ここで、セメント硬化体とは、セメントと、骨材と、水と、必要に応じて混和材、ポゾラン物質等とを含有したセメント組成物を、所定の期間(材齢)養生・硬化させたもののことで、内部に少量ながら未水和のクリンカ鉱物が残存しているものであればよい。
このセメント硬化体は、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いて組成分析を行うことができる大きさであればよく、特に限定しないが、試料を作製する際の容易さ等を勘案すると、表面積が1mm以上、好ましくは5mm以上、より好ましくは15mm以上のセメント硬化体片が好ましい。
上記のセメントとしては、特に限定されないが、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント、超速硬セメント、その他特殊セメント等、いずれのセメントも使用することができる。
このセメント組成物は、所定の期間(材齢)養生させることにより水和反応が進行すると共に硬化も進行し、セメント硬化体となるが、水和が進行してしまったセメント硬化体であっても、少量ながら未水和のクリンカ鉱物が残存している。
クリンカは、石膏と共にセメントの主成分を構成するもので、例えばポルトランドセメントは、ケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO:CS)であるエーライト相と、ケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO:CS)であるビーライト相と、アルミン酸三カルシウム(3CaO・Al:CA)系固溶体であるアルミネート相と、アルミン酸鉄カルシウム(4CaO・Al・Fe)系固溶体であるフェライト相等を含む混合相により構成されている。
また、低熱セメントは、ポルトランドセメントと同様に、エーライト相、ビーライト相、アルミネート相、フェライト相等を含む混合相により構成されている。
また、低鉄率(IM)セメントは、エーライト相、ビーライト相、フェライト相等を含む混合相により構成されている。
また、超速硬セメントは、エーライト相、ビーライト相、カルシウムアルミネート相(12CaO・7Al:C12、11CaO・7Al・CaF:C11・CaF、CaO・Al:CA、CaO・2Al:CA、CaO・6Al:CA)等を含む混合相により構成されている。
このクリンカ中の未水和のクリンカ鉱物であるカルシウムシリケート相(エーライト相およびビーライト相)には、酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)がわずかに固溶している。その固溶量は同一種のクリンカであっても結晶ごとに異なっておりばらつきを示すが、酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)の比(Al/Fe比)が一定の割合で固溶している。
図1は、ケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO:CS)からなる未水和カルシウムシリケート相であるエーライト相中における酸化アルミニウム(Al)の固溶量(重量%)と酸化鉄(Fe)の固溶量(重量%)との関係を示す図であり、普通ポルトランドセメント(◆)、低熱セメント(○)、低鉄率(IM)セメント(▲)、超速硬セメント(□)各々について示してある。
この図1では、同一種のセメントクリンカ品種であれば、固溶している酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)の比(Al/Fe)が同じ比であることを示している。
図2は、ケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO:CS)からなる未水和カルシウムシリケート相であるビーライト相中における酸化アルミニウム(Al)の固溶量(重量%)と酸化鉄(Fe)の固溶量(重量%)との関係を示す図であり、普通ポルトランドセメント(◆)、低熱セメント(○)、低鉄率(IM)セメント(▲)、超速硬セメント(□)各々について示してある。
この図2では、同一種のセメントクリンカ品種であれば、固溶している酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)の比(Al/Fe)が同じ比であることを示している。
また、カルシウムシリケート相におけるアルミニウム(Al)と鉄(Fe)との固溶比(Al/Fe)は、セメントクリンカ全体の化学組成比である酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)との比(Al/Fe)(質量比)と比例関係にある。
図3は、セメントクリンカにおける酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)との比(Al/Fe)(質量比)と、未水和カルシウムシリケート相に固溶している酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)との比(Al/Fe)(質量比)との関係を示す図であり、普通ポルトランドセメントのエーライト相(◆)及びビーライト相(◇)、低熱セメントのエーライト相(●)及びビーライト相(○)、低鉄率(IM)セメントのエーライト相(▲)及びビーライト相(△)各々について示してある。
この図3によれば、セメントクリンカにおけるAl/Fe(質量比)は、未水和カルシウムシリケート相の固溶量比Al/Fe(質量比)と同等の関係にあることが分かる。
図4は、セメントクリンカのAl/Feと、未水和カルシウムシリケート相の固溶AlとFeとの分布における近似線の傾きより求めたAl/Feの関係を示す図であり、普通ポルトランドセメントのエーライト相(◆)及びビーライト相(◇)、低熱セメントのエーライト相(●)及びビーライト相(○)、低鉄率(IM)セメントのエーライト相(▲)及びビーライト相(△)各々について示してある。
この図4によれば、セメントクリンカにおけるAl/Fe(質量比)は、未水和カルシウムシリケート相の固溶量比Al/Fe(質量比)と同等の関係にあることが分かる。
したがって、未水和カルシウムシリケート相における酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)との比(Al/Fe)(質量比)を求めると、この比により、セメント組成物中のセメントの化学組成比である酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)との比(Al/Fe)が分かり、このAl/Fe比によりセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種を推定することができる。
そこで、本実施形態では、電子顕微鏡を用いて、このセメント硬化体中に僅かに残存する未水和カルシウムシリケート相を選び出し、この未水和カルシウムシリケート相の微小部分の組成分析を電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いて行い、この組成分析の結果に基づきセメント硬化体に用いられたセメントそのものの化学組成を推定し、この化学組成の推定結果からセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種を推定する。
ここで、セメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種を推定する手順について、さらに詳しく説明する。
(1)セメント硬化体からの試料の採取
セメント硬化体から、電子顕微鏡及び電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)により微小分析を行うのに適当な大きさの試料を採取する。
この試料の大きさは、表面積が1mm以上であることが好ましい。
この採取した試料を加工して薄片または研磨片とし、この加工された試料に金属をスパッタリングする等の導電処理を施したものを電子顕微鏡の試料用ステージに固定する。
(2)セメント硬化体中の未水和カルシウムシリケート相の選択
電子顕微鏡を用いて上記の試料を観察し、この試料中の未水和カルシウムシリケート相からなる粒子を選び出す。
選び出す際の未水和カルシウムシリケート相の粒子の大きさは、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)の照射径より大きいことが必要である。
(3)カルシウムシリケート相の組成分析
選び出した未水和カルシウムシリケート相の粒子の微小部分の組成分析を電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いて行う。
この場合、微小部分の測定は1点でもよいが、数点の方がより好ましい。
また、分析の対象となる元素は、未水和カルシウムシリケート相を構成する化合物のうち酸化アルミニウム(Al)及び酸化鉄(Fe)を構成しているアルミニウム(Al)及び鉄(Fe)が好ましい。
ここでは、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いてアルミニウム(Al)及び鉄(Fe)それぞれの定量を行う。
(4)Al/Fe(質量比)の算出
上記の組成分析の結果に基づき酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)との比(Al/Fe)(質量比)を求め、この比(Al/Fe)をセメント硬化体に用いられたセメントの化学組成比であるAl/Fe(質量比)とする。
このAl/Feから、セメントの化学組成比を推定し、この化学組成比から上記のセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種を推定することができる。
例えば、Al/Feが2.0の場合には、Al/Feが2.0となるセメント、例えばポルトランドセメントと推定することができる。
(5)セメントのクリンカ品種の推定
予め、複数種のセメント各々の酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)との比(Al/Fe)及び諸特性を求めておけば、上記の組成分析の結果から求められた比(Al/Fe)に基づき、複数種のセメントの中から該当するセメントのクリンカ品種を選択することができる。
ここで、セメントの品種毎の酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)との比(Al/Fe)(質量比)及び諸特性をデータベース化しておけば、上記の組成分析の結果から求められた比(Al/Fe)に基づき、データベースに記載された複数種のセメントの中から該当するセメントのクリンカ品種を選択することができる。
例えば、Al/Feが2.0の場合には、データベースに記載された複数種のセメントの中から、Al/Feが2.0となるセメント、例えば普通ポルトランドセメントと推定することができる。
以上説明したように、本実施形態のセメントのクリンカ品種の推定方法によれば、使用されたセメントのクリンカ品種が不明であるセメント硬化体においても、使用されたセメントのクリンカ品種を推定することができる。
また、混和材等の添加の有無にかかわらず、未水和カルシウムシリケート相の微小部分の酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)との質量比(Al/Fe比)を算出することにより、使用されたセメントのクリンカ品種を推定することができる。
また、未水和カルシウムシリケート相の粒子1個でも組成分析を行うことができるので、1mm角程度の大きさのセメント硬化体片があれば、セメントの推定を充分行うことができる。
カルシウムシリケート相の中でも、特にケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO:CS)は水和速度が遅く、材齢が数十年経過したセメント硬化体中にも残存している場合が多いので、本実施形態のセメントのクリンカ品種の推定方法を適用することで、セメント硬化体の材齢にかかわらず、このセメント硬化体に使用されたセメントのクリンカ品種を推定することができる。
エーライト相中のAlの含有率とFeの含有率との関係を示す図である。 ビーライト相中のAlの含有率とFeの含有率との関係を示す図である。 セメントクリンカのAl/Feと、未水和カルシウムシリケート相の固溶Al/Fe(平均値)との関係を示す図である。 セメントクリンカのAl/Feと、未水和カルシウムシリケート相の固溶AlとFeとの分布における近似線の傾きより求めたAl/Feの関係を示す図である。

Claims (3)

  1. セメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種を電子プローブマイクロアナライザを用いて推定する方法であって、
    前記セメント硬化体中に残存しているケイ酸二カルシウムまたはケイ酸三カルシウムを選択し、
    このケイ酸二カルシウムまたはケイ酸三カルシウムの微小部分の組成分析を電子プローブマイクロアナライザを用いて行い、
    この組成分析の結果に基づき酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)との質量比(Al/Fe比)を求め、
    この質量比(Al/Fe比)と、前記セメントのセメントクリンカにおける酸化アルミニウム(Al )と酸化鉄(Fe )との質量比(Al /Fe 比)と、の対応関係に基づいて、前記組成分析の結果から求められた質量比(Al /Fe 比)から前記セメントのクリンカ品種を推定することを特徴とするセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種の推定方法。
  2. 前記セメント硬化体は、1mm以上の表面積を有するセメント硬化体片であることを特徴とする請求項1記載のセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種の推定方法。
  3. 予め、複数種のセメントのセメントクリンカについて、酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(Fe)との質量比(Al/Fe比)を求めておき、
    前記組成分析の結果から求められた質量比(Al/Fe比)に基づき、前記複数種のセメントの中から該当するセメントのクリンカ品種を選択することを特徴とする請求項1または2記載のセメント硬化体に用いられたセメントのクリンカ品種の推定方法。
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