以下、本発明の典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、眼科装置模擬動作実行プログラムに従って動作する端末1の一例について説明する。本実施形態の端末1は、ユーザが携帯することが可能な小型の端末であり、画像表示機能、音声出力機能、操作入力機能、通信機能、充電機能等を備える。
端末1は、端末1の制御を司るCPU(プロセッサ)10を備える。CPU10には、ROM11、RAM12、不揮発性メモリ13、表示コントローラ21、タッチパネルインターフェース(I/F)22、操作スイッチI/F23、電源コントローラ24、補助記憶装置I/F26、および通信I/F27が、バスを介して接続されている。また、端末1は、ディスプレイ31、タッチパネル32、操作スイッチ33、電源端子34、およびバッテリー35を備える。
ROM11は、各種プログラムおよび初期値等を記憶している。RAM12は、各種情報を一時的に記憶する。不揮発性メモリ13は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体(例えば、フラッシュROM等)である。本実施形態では、眼科装置模擬動作実行プログラムは不揮発性メモリ13に記憶されている。端末1は、補助記憶装置36またはネットワーク37(後述する)等を介して眼科装置模擬動作実行プログラムを取得し、不揮発性メモリ13に記憶させることができる。また、端末1は、眼科装置模擬動作実行プログラムをアップデートすることもできる。なお、不揮発性メモリ13には、眼科装置の模擬動作の実行中にディスプレイ31に表示される画像(静止画および動画)のデータも記憶されている。詳細には、不揮発性メモリ13には、症例、診断方法(本実施形態では撮影方法)、および診断データ(本実施形態では撮影データ)の解析方法の少なくともいずれかが異なる複数の動作画像が記憶されている。動作画像とは、眼科装置の操作部が操作されることを契機として眼科装置が実行する動作の画像である。
表示コントローラ21は、ディスプレイ31による画像(静止画および動画)の表示を制御する。ディスプレイ31には、液晶表示装置等の各種表示装置を採用できる。タッチパネルI/F22は、タッチパネル32に対するユーザからの操作入力を受け付ける。タッチパネル32は、ディスプレイ31の表面に設けられている。操作スイッチI/F23は、操作スイッチ33に対するユーザからの操作入力を受け付ける。電源コントローラ24は、電源端子34から供給された電力のバッテリー35への充電を制御し、且つ、端末1が使用する電力の供給元を、電源端子34とバッテリー35の間で切り換える。電源端子34は、端末1を外部電源に接続する。補助記憶装置I/F26には、補助記憶装置36(例えばUSBメモリ等)が着脱可能に装着される。通信I/F27は、ネットワーク37を介して端末1を外部機器(例えば、サーバまたは他の端末)に接続する。端末1は、通信I/F27によって有線通信または無線通信を行うことができる。
なお、端末1の構成は変更できる。例えば、端末1は、タッチパネル32の代わりに、またはタッチパネル32と共に、ディスプレイ31上に表示されるポインタを移動させるためのマウスを接続してもよい。端末1は、他の操作手段(例えばキーボード)を接続または装備してもよい。また、端末1は、上記の構成のうちの一部を備えていなくてもよい。例えば、ディスプレイ31が端末1の外部に設けられており、ディスプレイ31に接続された端末1がディスプレイ31の表示を制御する場合でも、本実施形態で例示する眼科装置模擬動作実行プログラムを採用できる。補助記憶装置36を接続するための構成を省略することも可能である。また、本実施形態で例示する眼科装置模擬動作実行プログラムは、ノート型のPC、デスクトップ型のPC、スマートフォン等によって実行されてもよい。この場合でも、メーカー等は、端末1が用いられる場合と同様に、眼科装置の動作をより容易且つ十分にユーザに理解させることができる。
図2から図15を参照して、本実施形態の眼科装置模擬動作実行プログラムに従って端末1が実行するメイン処理について説明する。以下説明する処理は、単なる例示的な処理である。従って、以下説明する処理に対し、処理の追加、変更、省略等を行ってもよいことは言うまでも無い。例えば、本実施形態では、患者眼の眼底組織の断層画像を撮影することが可能な眼科装置(いわゆる断層画像撮影装置)の模擬動作を実行する場合を例示する。しかし、他の眼科装置(例えば、眼軸長測定装置、眼圧測定装置、多覚的眼屈折力測定装置、自覚的眼屈折力測定装置、白内障手術装置、硝子体手術装置、レーザ光凝固装置、レーザ角膜手術装置等)の模擬動作を実行する場合にも、本実施形態で例示する技術の少なくとも一部を適用できることは言うまでも無い。
前述したように、端末1の不揮発性メモリ13には眼科装置模擬動作実行プログラムが記憶されている。CPU10は、眼科装置の模擬動作を開始する操作指示をタッチパネル32等を介して受け付けると、眼科装置模擬動作実行プログラムに従って、図2に示すメイン処理を実行する。
まず、ディスプレイ31にメインメニューが表示される(S1)。本実施形態のメインメニューでは、図3に示すように、シミュレーションの対象となる眼科装置の外観と共に、模擬動作の開始指示を受け付けるためのボタン(「解析シミュレーション」ボタン)が表示される。
次いで、ユーザによる終了指示が入力されたか否かが判断される(S2)。終了指示の入力の有無は、例えば、ディスプレイ31上に表示された終了ボタンの操作の有無によって判断されてもよいし、操作スイッチ33の操作の有無によって判断されてもよい。終了指示が入力されていない場合(S2:NO)、模擬動作の開始指示が入力されたか否かが判断される(S3)。本実施形態では、メインメニュー(図3参照)上の「解析シミュレーション」ボタンがタッチパネル32によって操作されたか否かが判断されることで、模擬動作の開始指示が入力されたか否かが判断される。開始指示が入力されていなければ(S3:NO)、処理はS1に戻り、S2およびS3の判断が繰り返される。
終了指示が入力されると(S2:YES)、ログ送信処理が行われて(S4)、メイン処理は終了する。ログ送信処理とは、少なくとも動作画像の表示履歴の情報を含むログを、ネットワーク37を介して、端末1による模擬動作を管理する管理装置(例えばサーバ)に送信する処理である。本実施形態の端末1は、眼科装置模擬動作実行プログラムの更新が行われるタイミングでネットワーク37に接続される。一例として、本実施形態では、プログラム更新のために端末1がネットワーク37に接続された際に、その時点で記憶されていたログが管理装置に送信される。従って、端末1は、ログを送信するために常にネットワーク37に接続されている必要は無いので、オフラインでも模擬動作を実行できる。ただし、ログの送信方法は適宜変更できる。例えば、端末1は、眼科装置の各種模擬動作を実行する毎にログを送信してもよい。端末1は、プログラム更新時に限らず、ネットワーク37に接続される毎にログを送信してもよい。なお、ログを記憶する処理については後述する。
模擬動作の開始指示が入力されると(S3:YES)、CPU10は、眼科装置のシミュレーションを端末1に実行させる。まず、不揮発性メモリ13に記憶されている画像データに基づいて、患者選択操作画像がディスプレイ31に表示される(S5)。図4に示すように、患者選択操作画像は、過去の診断データが記憶されている患者をユーザが眼科装置において選択する際に、眼科装置のディスプレイに表示される画像である。図4に例示した患者選択操作画像では、ユーザが操作可能な操作部として、黄斑疾患コンボ撮影適用患者欄41と、緑内障コンボ撮影適用患者欄42とが含まれている。黄斑疾患コンボ撮影適用患者欄41は、黄斑疾患コンボと言われる撮影方法で撮影を行う患者を選択する際に操作される。緑内障コンボ撮影適用患者欄42は、緑内障コンボと言われる撮影方法で撮影を行う患者を選択する際に操作される。眼科装置を操作するユーザは、2つの操作部41,42のいずれかをマウス等によって選択する。これに対応するように、端末1を操作するユーザは、画像に含まれる2つの操作部41,42のいずれかを、タッチパネル32によって選択する。
なお、本実施形態でシミュレートする眼科装置では、過去の診断データ(撮影データおよび解析データ等)が記憶されていない新規な患者の診断を行う場合、患者の登録操作を受け付けた後に撮影(診断)処理を行う。しかし、本実施形態では、この処理のシミュレーションは省略されている。このように、眼科装置における一部の動作のシミュレーションを省略してもよい。また、眼科装置が患者以外の要素(例えば、診断方法、手術方法等)の選択指示を受け付ける場合、CPU10は、眼科装置に対応するように、患者以外の要素の選択指示を受け付けるための操作部を含む画像を表示させればよい。
次いで、黄斑疾患コンボ撮影適用患者欄41が選択されたか否かが判断される(S6)。選択されていなければ(S6:NO)、緑内障コンボ撮影適用患者欄42が選択されたか否かが判断される(S7)。選択されていなければ(S7:NO)、終了指示が入力されたか否かが判断される(S8)。終了指示が入力されると(S8:YES)、処理はS1へ戻り、メインメニューが再び表示される。終了指示が入力されていなければ(S8:NO)、処理はS6の判断へ戻り、S6〜S8の判断が繰り返される。
黄斑疾患コンボ撮影適用患者欄41が選択されると(S6:YES)、黄斑コンボ撮影動作処理が実行される(S10)。黄斑コンボ撮影動作処理とは、眼科装置が黄斑コンボの撮影方法によって患者眼を撮影する際の模擬動作を端末1に実行させる処理である。なお、本実施形態における黄斑コンボは、黄斑近傍でラスタースキャンを行う撮影方法(いわゆる「黄斑マルチ」)と、黄斑近傍の三次元画像を生成するための撮影方法(いわゆる「黄斑マップ」)を組み合わせた撮影方法である。
図5に示すように、黄斑コンボ撮影動作処理が実行されると、黄斑コンボ撮影の模擬動作が実行されることを履歴として記録するためのログが、不揮発性メモリ13に記憶される(S20)。本実施形態では、選択された動作内容(つまり、選択された動作画像の表示履歴)を示す情報と、その時点の日時と、ユーザを特定するための情報とがログとして記録される。しかし、ログとして記録する情報が適宜選択できることは言うまでも無い。また、後述の処理においても、動作画像が選択される毎にログが記録されるが、以下では説明を省略する。なお、ログを記憶する記憶手段は、画像データを記憶する記憶手段(本実施形態では不揮発性メモリ13)と同一でもよいし、異なっていてもよい。
次いで、黄斑疾患患者画像がディスプレイ31に表示される(S21)。黄斑疾患患者画像では、選択された黄斑疾患コンボ撮影適用患者の過去の診断データを示すサムネイル画像が表示されている。また、画像の上部には、撮影を開始させるためのOCT撮影ボタン43が表示されている。
次いで、OCT撮影ボタン43が操作されたか否かが判断される(S22)。操作されていなければ(S22:NO)、S22の判断が繰り返される。タッチパネル32を介してOCT撮影ボタン43が操作されると(S22:YES)、黄斑マルチの撮影の動作画像を表示させる状態であることを示すために、黄斑マルチフラグがONとされる(S24)。次いで、アライメント動作画像が表示される(S25)。アライメント動作画像とは、患者眼に対する眼科装置のアライメントが行われている際に眼科装置のディスプレイに実際に表示される画像である。
アライメント動作画像の再生が終了すると、Optimize前画像がディスプレイ31に表示される(S26)。Optimize前画像とは、アライメントが行われた状態であり、且つOptimizeを眼科装置に実行させることが可能な状態において、眼科装置のディスプレイに実際に表示される画像である。Optimizeとは、眼科装置が有する機能の1つであり、光路長およびフォーカスの最適化を行う機能である。図7に示すように、Optimize前画像には、Optimize操作部44と、Release操作部45とが含まれる。なお、図7に示す例では、Optimizeのシミュレーションが可能な状態であることを示す「Optimize START」の表示が行われているが、この表示は省略してもよい。
次いで、Optimizeボタン44が操作されたか否かが判断される(S27)。操作されていなければ(S27:NO)、S27の判断が繰り返される。Optimizeボタン44が操作されると(S27:YES)、Optimize動作画像がディスプレイ31に表示される(S29)。Optimize動作画像とは、眼科装置においてOptimizeボタン44が実際に操作された際に実行されるOptimizeの動作中に、眼科装置のディスプレイに表示される画像である。
S25〜29では、アライメント動作画像上で眼科装置が次の操作を受付可能な状態となったことが表示されている間(つまり、Optimize前画像が表示されている間)に、動作画像に含まれる操作部(つまり、Optimizeボタン44)が操作指示によって指定される。その結果、指定された操作部が眼科装置において実際に操作されることを契機として眼科装置が実行する動作の画像(この場合はOptimize動作画像)が、さらにディスプレイ31に表示される。本実施形態では、他のステップでもS25〜S29と同様の処理が行われる。
Optimize動作画像の再生が終了すると、Release前画像がディスプレイ31に表示される(S30)。Release前画像とは、Release(撮影開始)が可能な状態において眼科装置のディスプレイに表示される画像である。本実施形態では、Release前画像はOptimize前画像とほぼ同一である。
次いで、Releaseボタン45が操作されたか否かが判断される(S31)。操作されていなければ(S31:NO)、S31の判断が繰り返される。Releaseボタン45が操作されると(S31:YES)、撮影中動作画像がディスプレイ31に表示される(S33)。撮影中動作画像とは、眼科装置が患者眼の撮影を行っている際に眼科装置のディスプレイに表示される画像である。なお、黄斑マルチフラグがONとなっている場合、S33では、眼科装置が黄斑マルチの撮影を行っている場合の撮影中動作画像が表示される。一方で、後述する黄斑マップフラグがONとなっている場合、S33では、眼科装置が黄斑マップの撮影を行っている場合の撮影中動作画像が表示される。
撮影中動作画像の再生が終了すると、確認動作画像が表示される(S34)。図8に示すように、確認動作画像とは、撮影された画像をユーザに確認させるために、眼科装置のディスプレイに表示される画像である。眼科装置を実際に操作するユーザは、確認した画像が良好であれば「OK」を操作し、不良であれば「NG」または「再撮影」を操作する。次いで、「OK」が操作されたか否かが判断される(S35)。操作されていなければ(S35:NO)、S35の判断が繰り返される。「OK」が操作されると(S35:YES)、黄斑コンボ撮影に含まれる黄斑マップ撮影の動作画像の表示が既に終了しているか否かが判断される(S36)。終了していなければ(S36:NO)、黄斑マップの撮影の動作画像を表示させる状態であることを示すために、黄斑マップフラグがONとされる(S37)。処理はS30へ戻り、黄斑マップの撮影を行っている場合の撮影中動作画像が表示される(S33)。黄斑マップ撮影の動作画像の表示が既に終了していれば(S36:YES)、処理はメイン処理へ戻る。なお、黄斑コンボ撮影動作処理では、片眼に対する撮影動作の画像が表示されてもよいし、両眼に対する撮影動作の画像が表示されてもよい。
図2の説明に戻る。緑内障コンボ撮影適用患者欄42がユーザによって選択されると(S7:YES)、緑内障コンボ撮影動作処理が行われる(S11)。緑内障コンボ撮影動作処理とは、撮影装置が緑内障コンボの撮影方法によって患者眼を撮影する際の模擬動作を端末1に実行させる処理である。本実施形態における緑内障コンボは、黄斑近傍の三次元画像を生成するための撮影方法(前述した黄斑マップ)と、視神経乳頭近傍の三次元画像を生成するための撮影方法(いわゆる「乳頭マップ」)を組み合わせた撮影方法である。緑内障コンボ撮影動作処理の大まかな流れは、前述した黄斑コンボ撮影動作処理の流れと近似する。従って、説明を簡略化するために、緑内障コンボ撮影動作処理の詳細な説明は省略する。
黄斑コンボ撮影動作処理(S10)または緑内障コンボ撮影動作処理(S11)が終了すると、解析データ選択画像がディスプレイ31に表示される(S13)。解析データ選択画像とは、1または複数の撮影データの中から、解析対象とする撮影データをユーザに選択させる際に、眼科装置のディスプレイに表示される画像である。例えば、緑内障コンボ撮影が行われた場合には、黄斑マップによる撮影データと、乳頭マップによる撮影データのいずれかを選択させる解析データ選択画像が表示される。いずれかの撮影データがタッチパネル32を介して選択されると(S14:YES)、解析動作処理が行われて(S15)、処理はS1へ戻る。解析動作処理では、撮影データに対する解析の結果を眼科装置がユーザに提示する際の動作が再現される。
図9を参照して、解析動作処理について説明する。まず、総合解析画像がディスプレイ31に表示される(S41)。図10に示すように、総合解析画像は、黄斑マップによる撮影データから作成される複数の解析画像の1つである。本実施形態でシミュレーションする眼科装置は、解析を行った後に最初に総合解析画像を表示させる。
総合解析画像には、解析画像切換ボタン51、解析対象切換ボタン52、エクスポートボタン53、レポートボタン54、印刷ボタン55、印刷プレビューボタン56、および終了ボタン57が含まれる。解析画像切換ボタン51は、同一の撮影方法によって得られた撮影データから作成される複数の解析画像のうち、ディスプレイに表示させる解析画像を切り換えるために操作される。解析対象切換ボタン52は、解析対象の撮影データ(例えば、黄斑マルチと黄斑マップ)を切り換えるために操作される。エクスポートボタン53は、眼科装置から他のデバイス(例えば、眼科装置に接続されたPC)に解析結果を出力させるために、ユーザによって操作される。レポートボタン54は、レポート形式の表示を眼科装置に実行させるために操作される。印刷ボタン55は、解析結果の印刷指示を入力するために操作される。印刷プレビューボタン56は、印刷プレビュー画像を表示させるために操作される。終了ボタン57は、解析結果の表示を終了させるために操作される。
次いで、解析画像を切り換える指示がタッチパネル32を介して入力されたか否かが判断される(S42)。本実施形態では、解析画像切換ボタン51または解析対象切換ボタン52が操作されたか否かによって、解析画像の切替指示が入力されたか否かが判断される。入力されていなければ(S42:NO)、処理はそのままS44の判断に移行する。解析画像の切替指示が入力されると(S42:YES)、ディスプレイ31に表示されていた解析画像が、切替指示によって指定された解析画像に切り換えられて(S43)、処理はS44の判断に移行する。例えば、図10に示す状態で、解析画像切換ボタン51に含まれる3Dの解析画像への切換ボタンが操作されると、図11に示すように、黄斑マップの撮影データに対する3D解析の画像が表示される。また、図10に示す状態で、解析対象切換ボタン52が操作されると、図12に示すように、黄斑マップの撮影データに対する解析画像が、黄斑マルチの撮影データに対する解析画像に切り換えられる。
次いで、エクスポートボタン53が操作されたか否かが判断される(S44)。操作されていなければ(S44:NO)、処理はそのままS46の判断へ移行する。エクスポートボタン53が操作されると(S44:YES)、エクスポート動作画像がディスプレイ31に表示されて(S45)、処理はS46の判断に移行する。本実施形態のS45では、出力するデータ形式をユーザに選択させるための画像が表示され、データ形式の選択指示が入力されると、「エクスポートは正常に終了しました」というメッセージが表示される。以上のエクスポート動作の流れは、眼科装置において実際に行われる動作の流れと同様である。
次いで、レポートボタン54が操作されたか否かが判断される(S46)。操作されていなければ(S46:NO)、処理はそのままS48の判断へ移行する。レポートボタン54が操作されると(S46:YES)、レポート動作画像がディスプレイ31に表示されて(S47)、処理はS48の判断へ移行する。本実施形態のS47では、レポートの形式をユーザに選択させるための画像が表示され、形式の選択指示がタッチパネル32を介して入力されると、選択された形式のレポート画像(図13参照)が表示される。
次いで、印刷ボタン55が操作されたか否かが判断される(S48)。操作されていなければ(S48:NO)、処理はそのままS50の判断へ移行する。印刷ボタン55が操作されると(S48:YES)、図14に示すように、眼科装置が印刷装置に印刷データを送信している際に表示される印刷動作画像がディスプレイ31に表示されて(S49)、処理はS50の判断へ移行する。
次いで、印刷プレビューボタン56が操作されたか否かが判断される(S50)。操作されていなければ(S50:NO)、処理はそのままS52の判断へ移行する。印刷プレビューボタン56が操作されると(S50:YES)、図15に示すように、眼科装置が実際に表示させる印刷プレビュー画像がディスプレイ31に表示されて(S51)、処理はS52の判断へ移行する。
次いで、終了ボタン57が操作されたか否かが判断される(S52)。操作されていなければ(S52:NO)、処理はS42の判断へ戻り、S42〜S52の判断が繰り返される。終了ボタン57が操作されると(S52:YES)、処理はメイン処理(図2参照)へ戻る。
以上説明したように、本実施形態の眼科装置模擬動作実行プログラムによると、端末1は、ユーザによる操作指示によって操作部が指定された場合に、眼科装置が実際に実行する動作の画像をディスプレイ31に表示させる。つまり、実際に眼科装置を操作する場合と同様の操作をユーザが行うことで、ユーザが再現させたい眼科装置の動作の画像が、ユーザが再現させたいタイミングで表示される。眼科装置の動作を説明するメーカー等は、眼科装置本体を持ち込む必要は無い。従って、端末1は、眼科装置の動作をより容易且つ十分にユーザに理解させることができる。
本実施形態では、動作画像上で眼科装置が次の操作を受付可能な状態となると、ユーザは、動作画像に含まれる操作部を指定することができる。操作部が指定されると、端末1は、眼科装置が実際に実行する動作の画像をさらに表示させる。つまり、本実施形態では、端末1は、単に1つの動作画像を表示させるのではなく、実際の眼科装置と同様の態様でユーザからの複数回の操作指示を受け付けると共に、指定された眼科装置の動作を再現する。従って、ユーザは、眼科装置の挙動、操作方法、使い易さ、または有用性等をより正確に把握することができる。
本実施形態では、ユーザは、症例、診断方法(本実施形態では撮影方法)、および診断データ(本実施形態では撮影データ)の解析方法の少なくともいずれかを指定し、指定した眼科装置の動作を端末1に再現させることができる。従って、ユーザは、眼科装置の動作をより正確に把握することができる。
本実施形態では、端末1は、動作画像の表示履歴の情報を含むログを記憶手段に記憶させる。従って、メーカー等は、ユーザが端末1に再現させた眼科装置の動作の頻度等を、眼科装置の動作毎に正確に把握することができる。また、本実施形態では、端末1は、動作画像の表示履歴の情報を含むログを、ネットワーク37を介して管理装置に送信する。従って、管理装置は、1または複数の端末1で再現された眼科装置の動作の頻度等を、より容易に把握することができる。
上記実施形態で開示された内容は一例に過ぎない。従って、上記実施形態で開示された内容を変更することも可能である。まず、上記実施形態では、患者眼の眼底組織の断層画像を撮影することが可能な断層画像撮影装置の模擬動作を実行する場合を例示した。しかし、他の眼科装置の模擬動作を実行する場合にも、上記実施形態で例示した技術の少なくとも一部を適用できる。他の眼科装置の模擬動作を実行する場合には、模擬動作の対象とする眼科装置の態様に合わせて、画像のデータを用意しておけばよい。例えば、眼科手術装置の模擬動作を端末1に実行させる場合には、手術方法が異なる複数の動作画像を記憶装置に記憶させておき、ユーザによる操作指示に応じて動作画像を表示させることも可能である。この場合、端末1は、手術方法をユーザに指定させるための操作部をディスプレイ31に表示させて、ユーザからの指示を受け付ければよい。
上記実施形態では、眼科装置がディスプレイに表示させる画像上の操作ボタンを、端末1も同様にディスプレイ31に表示させる。しかし、端末1は、ジョイスティック等の他の操作部をディスプレイ31に表示させてもよい。また、端末1は、眼科装置における何らかのパラメータを増減させる操作部(例えば、パワー、光量等を増減させる操作部)を表示させてもよい。この場合、端末1は、増減されたパラメータに応じて眼科装置が実行する動作の画像をディスプレイ31に表示させてもよい。また、上記実施形態では、端末1がユーザの操作に応じて眼科装置の操作画像および動作画像を表示させる場合を例示した。しかし、端末1は、操作画像または動作画像の表示に併せて音声を出力してもよい。
上記実施形態における動作画像は、ユーザによって指定された動作を眼科装置が実行している場合に眼科装置のディスプレイに表示される画像である。しかし、動作画像は、眼科装置のディスプレイに表示される画像に限定されない。例えば、レーザ光凝固装置のシミュレーションを実行する場合には、患部にレーザが照射されている画像が動作画像として用いられてもよい。白内障手術装置のシミュレーションを実行する場合には、水晶体核を超音波チップ等で破砕している状態の画像が動作画像として用いられてもよい。