JP6364370B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
また、第2の燃油供給ステップでは、燃油を近い着床領域に吐出しながら、燃油供給量を適正に制御して安定した燃焼を確保することができる。
このため、請求項2に係る燃焼装置は、より着火性よくして着火後の燃焼を安定させることができる。
石油ファンヒータ1は、図1に示すように、有底の気化筒2と、気化筒2を加熱するヒータ3と、気化筒2に燃油Nを吐出するノズル4と、燃油Nを貯留するタンク41と、ノズル4に燃油Nを供給する電磁ポンプ5と、気化筒2に燃焼用の空気Kを送風する燃焼ファン6と、気化した燃油Nと空気Kの混合気に着火する着火装置8と、気化筒2の温度を検出する温度センサ31と、電磁ポンプ5の動作を制御する燃焼制御装置9と、を備えている。
ノズル4は、電磁ポンプ5から圧送された燃油Nを気化筒2に吐出して燃油Nの液滴nを気化筒2に着床させる。
なお、「液滴n」の用語は、便宜上、ノズル4から吐出された燃油Nを表現するためのものであり、特に燃油Nの状態を特定する趣旨ではなく、ノズル4から吐出された燃油Nは、粒状、霧状、微粒子状等の種々の形態をなしたものでもよい。
電磁ポンプ5からノズル4に供給される単位時間当たりの燃油Nの供給量を燃油供給量Qという。燃油供給量Qは、ノズル4から吐出する燃油Nの量を意味する。
また、着火装置8は、着火したことを火炎83によって検出するフレームロッド84を備えているため、フレームロッド84によって燃焼制御装置9は、正常に着火動作が完了したことを検出することができる。
一方、駆動オンタイムを短くすることで、電磁ポンプ5のプランジャー(不図示)の駆動ストロークを小さくして、1パルス当たりの燃油Nの吐出量を減少させることができる。駆動周波数が同じであれば、駆動オンタイムを短くすると燃油供給量Qも減少する。
このため、許容範囲内で駆動周波数を高くすると燃油供給量Qが増大し、駆動周波数を低くすると燃油供給量Qが減少する。
図2に示すように、燃焼制御装置9は、運転スイッチ(不図示)がオンにされて運転を開始してから、低温着火モード(図3、図5(a)と(b)参照)、または高温着火モード(図4、図5(c)参照)を選択して実行する。
低温着火モード(図3、図5(a)と(b)参照)、および高温着火モード(図4、図5(c)参照)は、それぞれ所定の待機動作と、着火動作と、を実行する。
低温着火モードにおける待機動作と着火動作について、主として図3と図5の(a)と(b)を参照しながら説明する。参照する図3は、上から順に、気化筒2の温度θ(ポット温度)の時系列における推移、燃油供給量Q(ノズル4から吐出する燃油Nの量)の時系列における推移、および燃焼ファン6の回転速度(単位時間当たりの回転数)の時系列における推移を示す。図5の(a)は、第1の燃油供給ステップLV1における燃油の吐出イメージ、(b)は第2の燃油供給ステップLV2における燃油の吐出イメージを示す。
着火動作は、着火装置8によって混合気に点火してから安定した火炎83(図1参照)を生成するまでの動作であり(時刻t1〜t3)、待機動作(時刻t0〜t1)の終了後、通常運転(時刻t3〜)に移行するまでの動作である。
通常運転は、着火動作の完了後、使用者によって設定された暖房温度まで上昇させる動作である(時刻t3〜)。
点火動作と同時に、燃焼制御装置9は、図3の中段に示すように、電磁ポンプ5を駆動して気化筒2に燃油Nを吐出する第1の燃油供給ステップLV1(時刻t1〜t2、図5(a)参照)と第2の燃油供給ステップLV2(時刻t2〜t3、図5(b)参照)と実行する。
燃焼制御装置9は、図3の下段に示すように、着火動作(時刻t1〜t3)では、燃焼ファン6(図1参照)は、所定の低回転で一定に制御する。つまり、第1の燃油供給ステップLV1(時刻t1〜t2、図5(a)参照)から第2の燃油供給ステップLV2(時刻t2〜t3、図5(b)参照)まで燃焼ファン6は一定の回転速度で維持されている。
例えば、第1の燃油供給ステップLV1では、燃焼制御装置9(図1参照)は、電磁ポンプ5に対して第1の駆動オンタイム(例えば、20msec)を設定し、駆動周波数を例えば、5Hzで設定して、動作時間を2秒間として燃油Nを吐出する(時刻t1〜t2)。
例えば、第2の燃油供給ステップLV2では、燃焼制御装置9(図1参照)は、電磁ポンプ5に対して第2の駆動オンタイム(例えば、5msec)を設定し、駆動周波数を例えば、20Hzで設定して、動作時間を13秒間として燃油Nを吐出する(時刻t2〜t3)。
このとき、駆動オンタイムを長くすることで、1パルス当たりの燃油N(図5(b)参照)の吐出量が増えるので、第1の燃油供給ステップLV1における駆動周波数(例えば、5Hz)は、第2の燃油供給ステップLV2における駆動周波数(例えば、20Hz)よりも低く設定するのが望ましい。
また、第1の燃油供給ステップLV1の動作時間(例えば、2秒間)を第2の燃油供給ステップLV2の動作時間(例えば、13秒間)よりも短く設定することで、着火動作の初めに相対的に燃油N(図5(b)参照)の吐出量を多くして気化を促進させる。
燃焼制御装置9は、低温着火モードが完了し、フレームロッド84によって安定した着火を確認すると(時刻t3)、通常運転に移行する。通常運転では、使用者の要求に応じて適宜所定の燃焼動作を実行する。通常運転では、気化筒2の温度をθ5〜θ6(℃)の範囲で管理するため、気化筒2の温度がθ6になるとヒータ3をオフにし(時刻t4)、気化筒2の温度がθ5まで下がるとヒータ3をオンにする(時刻t5)。通常運転は、着火動作に関して特に限定されるものではないので、詳細な説明は省略する。
高温着火モードでは、図4に示すように、燃焼制御装置9は、運転スイッチ(不図示)がオンにされると、ヒータ3(図1参照)をオンにして(時刻t0)、温度センサ31(図1参照)によって検出した気化筒2の温度がθ4(例えば、225℃)になるまで待機動作を実行する(時刻t0〜t3)。
点火動作と同時に、燃焼制御装置9は、図4の中段に示すように、着火動作を実行する。
着火動作(時刻t3〜t4)では、電磁ポンプ5(図1参照)に対して駆動オンタイムを例えば、7msecに設定し、駆動周波数を例えば、15.2Hzで設定して、動作時間を15秒間として燃油Nを吐出する。
高温着火モードにおける着火動作時間(例えば、15秒)は、低温着火モードにおける第1の燃油供給ステップLV1の着火動作時間(2秒)と第2の燃油供給ステップLV2の着火動作時間(13秒)とを合計した着火動作時間(2秒+13秒=15秒)と同じである。
すなわち、低温着火モードを採用したことで、石油ファンヒータ1は、遠い位置である第1の着床領域(図5(b)の液滴n1参照)から近い着床領域である第2の着床領域(図5(b)の液滴n2参照)まで燃油Nの着床領域を拡張してより広範囲に均等に燃油Nを着床させるため、気化筒2に着床された燃油Nの気化をより促進させて気化効率を向上させることができる。
2 気化筒
3 ヒータ
4 ノズル
5 電磁ポンプ
6 燃焼ファン
8 着火装置
9 燃焼制御装置
31 温度センサ
K 燃焼用の空気
LV1 第1の燃油供給ステップ(低温着火モードにおける着火動作)
LV2 第2の燃油供給ステップ(低温着火モードにおける着火動作)
LV3 高温着火モードにおける着火動作着火動作
N 燃油
n,n1,n2,n3 液滴
Claims (3)
- 有底の気化筒と、この気化筒を加熱するヒータと、前記気化筒に燃油を吐出して燃油の液滴を当該気化筒に着床させるノズルと、このノズルに燃油を供給する電磁ポンプと、
前記電磁ポンプの動作を制御する燃油供給量を設定する燃焼制御装置と、を有し、前記気化筒に着床された液滴を気化して燃焼させる燃焼装置であって、
前記燃焼制御装置は、パルス波の駆動オンタイムおよび駆動周波数を制御して前記燃油供給量を設定し、
着火動作において、前記液滴が第1の着床領域に向けて着床するように、前記電磁ポンプに対して第1の駆動オンタイムを設定して前記燃油を吐出する第1の燃油供給ステップと、
前記第1の燃油供給ステップの後、前記第1の着床領域とは異なる第2の着床領域に向けて前記液滴が着床するように、前記電磁ポンプに対して第2の駆動オンタイムを設定して前記燃油を吐出する第2の燃油供給ステップと、
を含む処理を実行するものであり、
前記第1の着床領域は、前記ノズルから見て前記第2の着床領域よりも遠い位置であり、
前記第1の駆動オンタイムは、前記第2の駆動オンタイムよりも長く、
前記第1の燃油供給ステップにおける第1の駆動周波数は、前記第2の燃油供給ステップにおける第2の駆動周波数よりも低いこと、
を特徴とする燃焼装置。 - 前記第1の燃油供給ステップにおける燃油供給量は、前記第2の燃油供給ステップにおける燃油供給量よりも大きいこと、
を特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。 - 前記気化筒の温度を検出する温度センサをさらに備え、
前記温度センサによって検出した前記気化筒の温度が所定の着火温度よりも低い場合に前記第1の燃油供給ステップと前記第2の燃油供給ステップを実行すること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃焼装置。
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