JP6363373B2 - 車両用のオイルストレーナ - Google Patents

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Description

本発明は、オイルパンから吸い上げられたオイルを濾過して排出するオイルストレーナに関する。
トランスミッション内部は、バリエータやギヤ等に代表される金属部品にてトルクを伝達する構造となっている。トランスミッション駆動状態においては、これらの金属部品間にて摺動が生じて金属粉が発生する。発生した金属粉等の異物は、オイルの流れによってオイルパン内に蓄積し、鉄系の異物はオイルパン内に固定されたマグネットで収集される。オイルパン内で捕捉できなかった異物は、オイルポンプによるオイルの吸い上げに伴ってオイルストレーナの濾材により捕捉される。このように、オイルポンプにより吸い上げられたオイルをオイルストレーナで濾過することで、オイル内に混入する異物を除去している。
ここで、オイルパンからオイルストレーナへ吸い上げられたオイルに混入する異物を捕捉するための補助部材として、従来、マグネットが用いられている。マグネットによりオイル内の鉄系の異物を吸着して捕捉することができる。
例えば、特許文献1には、オイルパンの底面に向って延出したオイル吸入筒の外周側に筒状マグネットが配置されたオイル貯留装置が開示されている。かかるオイル貯留装置では、オイル吸入筒からオイルパン内のオイルが吸い上げられる際に、筒状マグネットの下端部とオイルパンの底面との隙間を通過するオイルに混入している鉄系異物を筒状マグネットで効率的に吸着捕捉している。
また、特許文献2には、バルブボディとオイルパンとの間に配置され、オイルパンから吸引される作動油を濾過する濾材を有するストレーナを備えた油圧制御装置が開示されている。かかる油圧制御装置のストレーナのオイルパンと対向する面には、磁石が固定されている。この磁石により、オイルパンに流れ込んだ作動油中の異物を磁石の磁力によりオイルパン内で吸着捕捉している。また、磁石の磁力がストレーナの内部にも作用する場合には、ストレーナ内の作動油に含まれる金属粉といった異物も磁石の磁力により吸着捕捉可能となり、オイルパンに流れ込んだ作動油中の異物をストレーナの濾材に達するまでに磁石の磁力により良好に捕捉している。
特開2008−280910号公報 特開2011−208779号公報
ここで、オイルストレーナの濾材は交換されないため、自動車のフルライフを通して正常に機能することが必要である。濾材において異物を捕捉可能な濾過面積は使用とともに減少するため、発生する総コンタミを考慮すると、濾材には多大な濾過面積が要求される。オイルストレーナの濾過面積を小さくするとライフ末期にてオイルストレーナ内部の濾材が捕集された異物によって全面閉塞してしまい、オイルポンプがオイルを吸い上げられず、油圧特性の不良、車両の走行不良に直結する。
一方で、オイルストレーナを大きくすると、発生する異物を捕捉するのに十分な濾過面積を確保することはできるが、オイルストレーナを収めるトランスミッションケースやオイルパンも大きくする必要がある。オイルパンが大きくなると、エア吸いを発生させないだけのオイルを充填する必要があり、トランスミッションの重量や燃費にも跳ね返る。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、小型で、かつ十分な濾過面積を確保することが可能な、新規かつ改良されたオイルストレーナを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、オイルの吸入部と流出部とを備えるオイル収容部と、オイル収容部内の空間を吸入部側と流出部側とに区分するように設けられ、オイル収容部内を通過するオイルを濾過する濾材と、オイル収容部内の、濾材より吸入部側の入側空間に設けられ、入側空間を移動可能なマグネットと、を備え、前記オイル収容部の吸入部の周縁部分には、前記濾材側に向かって突出するリブが設けられ、前記濾材と前記リブとの間の距離は、前記マグネットの厚みより小さい車両用のオイルストレーナが提供される。
本発明によれば、オイル収容部の入側空間内を移動するマグネットを設けることで、濾材により捕捉された異物をマグネットの磁力によって吸着し、濾材から取り除くことができる。
オイル収容部の吸入部の周縁部分には、濾材側に向かって突出するリブが設けられ、濾材とリブとの間の距離は、マグネットの厚みより小さくなるように構成される。これにより、マグネットが吸入部から外部に抜けださないようにすることができる。
マグネットは、外形が角丸となるように形成してもよい。これにより、濾材を傷付けないようにすることができる。
また、マグネットは、濾材と対向する面に、当該面の方向に沿って凹部が形成されてもよい。これにより、濾材との対向する面の表面積が増大するので、効率よく濾材から異物を除去することが可能となる。また、濾材から吸着した異物が凹部に溜まることで、濾材とマグネットとが擦れても吸着した異物がマグネットから落ちないようにすることができる。
あるいは、マグネットは、濾材と対向する面にフランジが形成されてもよい。これにより、濾材との対向する面の表面積が増大するので、効率よく濾材から異物を除去することが可能となる。
マグネットの、濾材と対向する面の面積は、濾材と対向する面と反対側の面に吸音材を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のオイルストレーナ。これにより、マグネットとオイル収容部との接触音を低減することができる。
マグネットの形状は、オイル収容部の形状または自動車のライフタイムを通して捕捉される鉄系の異物量を推定した結果の少なくともいずれか一方に基づき決定してもよい。
オイル収容部は、少なくともマグネットが配置される入側空間側が、マグネットが吸着しない材質から形成される。
このようなオイルストレーナは、オイル収容部の底面が地面に対して略平行となるように車両に設置される。これにより、車両の挙動に応じて発生する重力によってマグネットを万遍なく入側空間内を移動させることが可能となる。
また、オイル収容部は底面を有し、マグネットは、第1の平面部分と第1の平面部分と反対側の第2の平面部分とを有し、第1の平面部分が濾材に対向し、第2の平面部分がオイル収容部の底面に対向した状態で移動するように設けられていても良い。
以上説明したように本発明によれば、小型で、かつ十分な濾過面積を確保することが可能なオイルストレーナを提供することができる。
本発明の実施形態に係るオイルストレーナによる異物除去のメカニズムを示す説明図である。 同実施形態に係るオイルストレーナの構成を示す分解斜視図である。 同実施形態に係るオイルストレーナの部分断面図である。 オイルストレーナ内におけるマグネットの可動範囲を示す概略斜視図である。 オイルストレーナの高さ方向におけるフィルタ、マグネットおよびオイル吸入部の関係を説明するための説明図である。 フランジを有するマグネットの一構成例を示す平面図および側面図である。 凹部を有するマグネットの一構成例を示す平面図およびA−A切断線における断面図である。 吸音材を備えるマグネットの一構成例を示す側面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.異物除去のメカニズム>
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るオイルストレーナによる異物除去のメカニズムを説明する。図1は、本実施形態に係るオイルストレーナによる異物除去のメカニズムを示す説明図である。
本実施形態に係るオイルストレーナは、オイルストレーナ内に配置された濾材とオイルが吸入する側の面から対向するように設けられた、当該オイルストレーナ内を移動可能なマグネットを備える。このマグネットは、濾材が捕捉した異物を濾材から取り除くことを主たる機能とする。
図1に示すように、トランスミッションが駆動すると、トランスミッションを構成する金属部品間での摺動が生じて金属粉等の異物が発生する。発生した異物はオイルの流れによってオイルパン内に蓄積され、このうち鉄系の異物はオイルパン内に固定されたオイルパンマグネットにより捕捉される。オイルパン内で捕捉できなかった異物は、オイルポンプによるオイルの吸い上げによってオイルとともにオイルパンからオイルストレーナへ移動する。オイルストレーナに吸入されたオイルに混入する異物は、オイルストレーナ内の濾材により捕捉される。
ここで、上述したように、オイルストレーナ内の濾材により捕捉可能な異物量は、残存する濾過面積により決まる。従来、濾材が捕捉した異物を濾材から取り除くことはされないため、濾過面積は使用とともに減少する一方であった。ここで、オイルに混入する異物のうち、鉄系の異物の割合は大きい。そこで、本実施形態に係るオイルストレーナでは、鉄が磁石に引き寄せられる強磁性体であることに着目し、オイルストレーナ内を移動するマグネットを設け、濾材が捕捉した鉄系の異物をマグネットにより吸着して濾材から取り除く。これにより、異物を捕捉していた領域の濾材を再度機能させることが可能となる。
例えば、オイルに混入する全異物のうち、鉄系の異物が70%強である場合に、濾材に捕捉された鉄系の異物を取り除くと、濾材の濾過面積の約70%を再度機能させることが可能となる。すなわち、オイルストレーナの濾過面積を約70%縮小可能ということになる。
このように、本実施形態に係るオイルストレーナは、オイルの中を浮遊する異物を濾材により捕捉するとともに、濾材により捕捉された異物をマグネットにより吸着して濾材から取り除く。これにより、濾材は、自動車のフルライフを想定した場合の濾過面積から、マグネットにより異物を取り除き浄化できる面積を差し引いた分の濾過面積を有しておけばよく、従来のオイルストレーナと比べて小型化が可能となる。なお、このマグネットは、濾材により捕捉された異物を取り除く以外にも、オイル中を浮遊する異物を吸着して捕捉することもできる。以下、本実施形態に係るオイルストレーナの構成を詳細に説明する。
<2.オイルストレーナの構成>
[2−1.全体構成]
まず、図2〜図5に基づいて、本実施形態に係るオイルストレーナ100の全体構成を説明する。図2は、本実施形態に係るオイルストレーナ100の構成を示す分解斜視図である。図3は、本実施形態に係るオイルストレーナ100の部分断面図である。図4は、オイルストレーナ100内におけるマグネット140の可動範囲を示す概略斜視図である。図5は、オイルストレーナ100の高さ方向におけるフィルタ130、マグネット140およびオイル吸入部122の関係を説明するための説明図である。
本実施形態に係るオイルストレーナ100は、図2に示すように、上部ボディ110と、下部ボディ120と、フィルタ130とマグネット140とから構成される。上部ボディ110および下部ボディ120は、オイル吸入部122から吸入されたオイルを収容するオイル収容部を構成する。フィルタ130およびマグネット140は、オイル収容部内に設けられる。
(オイル収容部)
オイル収容部は、オイルポンプ(図示せず。)により吸い上げられたオイルが吸入されるオイル吸入部122側の下部ボディ120と、オイル収容部内からオイルを流出するオイル流出部112側の上部ボディ110とから構成される。上部ボディ110および下部ボディ120は、それぞれ対向する面側から互いに離隔させる向きに突出した形状となっており、周縁部を接合することでオイルを収容する空間を形成する。なお、上部ボディ110および下部ボディ120により構成されるオイル収容部の形状は、搭載される車種によって適宜決定されるものであり、特定の形状に限定されるものではない。
下部ボディ120のオイル吸入部122と、上部ボディ110のオイル流出部112とは、なるべく離隔した位置に設けられる。通常、オイルストレーナ100は、オイル流出部112を車両前方にして、車両停止時に底面(すなわち、下部ボディ120の底面121)が地面と略平行となるように車両に設置される。また、オイル吸入部122の周縁部には、オイル収容部の内部空間側に向かって突出するリブ124が形成される。リブ124は、オイルストレーナ100内のマグネット140が、オイル吸入部122から外部に抜け出さないようにするために形成される。
また、下部ボディ120は、マグネット140が吸着しないように、例えば樹脂等のマグネット140が吸着しない材質により形成される。なお、上部ボディ110の材質は特に限定されないが、下部ボディ120と同様に樹脂等から生成してもよい。
(フィルタ)
フィルタ130は、オイルストレーナ100に吸入されたオイルに混入する異物を捕捉する濾材である。フィルタ130は、図2に示すように、フレーム132と、梁部134と、フィルタ部138とからなる。
フレーム132は、図3に示すように、上部ボディ110および下部ボディ120により形成される空間の内面に接するように形成された枠であって、フレーム132の内部にはその形状を維持するための梁部134が複数設けられている。なお、梁部134には、フィルタ130と上部ボディ110との間の出側空間Vを保持するための支持部材(図示せず。)が複数設けられてもよい。また、支持部材は、上部ボディ110の内側に設けられていてもよい。
また、フレーム132の内部には、オイルに混入する異物を捕捉するためのフィルタ部138が設けられる。フィルタ部138は、例えばステンレス製のメッシュや不織布等を用いることができる。フィルタ部138には、オイルは通過させることができるが異物を通過させない大きさの孔が複数存在する。フィルタ部138の孔の大きさは、捕捉する異物の粒径に応じて決定される。フィルタ部138は、フレーム132の内部の全面を覆うように設けられる。
本実施形態に係るフィルタ130は、図1および図2に示すように上部ボディ110と下部ボディ120との間に設けられ、オイル収容部の内部空間を、下部ボディ120側の入側空間Vと上部ボディ110側の出側空間Vとに区分する。これにより、オイル吸入部122から吸入されたオイルは、入側空間Vからフィルタ130を介して出側空間Vへと移動し、上部ボディ110のオイル流出部112から流出する。
(マグネット)
マグネット140は、オイル収容部内のフィルタ130と下部ボディ120との間の入側空間Vに設けられ、フィルタ130が捕捉した異物を吸着してフィルタ130を浄化する部材として機能する。マグネット140は、図2〜図4に示すように、下部ボディ120の底面121上に載置され、底面121上を車両の加速や減速、左右旋回時の重力を受けて入側空間V内を遊動する。すなわち、マグネット140は下部ボディ120に固定されておらず、入側空間V内を自由に移動できる。
マグネット140は、略平板状に形成されており、2つの平面部分がそれぞれフィルタ130と下部ボディ120の底面121とに対向するように設けられる。本実施形態に係るマグネット140は、図2に示すように、円板の中心部が貫通した環状に形成されている。マグネット140の外形は、フィルタ130や下部ボディ120を傷付けないように、鋭角がなく、角の丸い形状とするのがよい。
ここで、マグネット140のフィルタ130側の面を上面142とし、上面142と反対側の面を下面144とする。図5に示すように、マグネット140の上面142はフィルタ130に近接しており、これらは距離dだけ離隔されている。距離dは、例えば数mm程度としてもよい。マグネット140の上面142とフィルタ130とを近接させることで、マグネット140によりフィルタ130に捕捉された異物を効果的に取り除くことができる。なお、オイルストレーナ100内にはオイルが存在するため、マグネット140は、実際にはオイルで満たされた空間内を遊動している状態となる。したがって、マグネット140は、車両の挙動によって入側空間Vを高さ方向に僅かに上下方向(すなわち、高さ方向)に動きつつ、平面方向に大きく動く。
車両の挙動によってマグネット140が入側空間V内で動くと、フィルタ部138に捕捉されている異物のうち鉄系の異物は、マグネット140がこの異物の近傍を通過する際に、マグネット140の磁力によってマグネット140の上面142に吸着される。これにより、フィルタ部138から異物が取り除かれ、フィルタ130が浄化される。
このようなマグネット140の機能を考慮すると、フィルタ130と対向する上面142の表面積を大きくすると効率よくフィルタ130から異物を取り除くことができる。一方で、フィルタ130はオイル収容部の内部空間を区分するように平面的に配置されているため、マグネット140はフィルタ130の面の隅々まで移動できるのが望ましい。ここで、下部ボディ120の形状は車種等に応じて決定されるものであるため、ある決まった形状を有しているものではない。例えば図4に示すように、オイル吸入部122付近は可動範囲が広いが、オイル流出部112付近は可動範囲が狭くなっている形状もある。このような場合にもマグネット140のサイズを一様に大きくすると、可動範囲の狭い部分にマグネット140が入り込むことができないこともある。
これより、マグネット140の大きさは、下部ボディ120の形状やフィルタ130から取り除きたい異物量等を考慮して決定される。例えば、マグネット140は、平面外周において任意の2点を結んだ長さが、下部ボディ120の底面121の外周における任意の2点を結んだときの最小長さよりも短い部分を有するように形成してもよい。あるいは、マグネット140は、自動車のライフタイムを通して捕捉される鉄系の異物量を推定した結果に基づき、これらの異物を吸着可能な表面積を有するように形成してもよい。異物の推定量は、例えば過去の実績データに基づき取得することができる。
また、図5に示すように、マグネット140は、オイル吸入部122から抜け出さないように、その厚みDがフィルタ130とオイル吸入部122の周縁部に設けられたリブ124との距離dよりも大きくなるように形成される。これにより、マグネット140を確実にオイル収容部の入側空間Vに位置させることができる。
マグネット140の磁力の大きさは、フィルタ130とマグネット140との距離や異物の吸着能力に応じて適宜決定することができる。例えば、マグネット140の磁力の大きさは、オイルパンに設けられるオイルパンマグネット(いずれも図示せず。)と同程度としてもよい。なお、マグネット140は、フィルタ130から異物を除去する部材として主として機能するが、オイルパンマグネットのようにオイル中を浮遊する異物を吸着して捕捉することも可能である。
以上、本実施形態に係るオイルストレーナ100の構成について説明した。このように、本実施形態にかかるオイルストレーナ100は、フィルタ130により捕捉された鉄系の異物をマグネット140に吸着させ、フィルタ130から除去する浄化機能を有している。このようなマグネット140を設けることで、フィルタ130により異物を捕捉する一方で、フィルタ130から捕捉された異物が取り除かれるので、異物を捕捉可能な濾過面積を急激に低減させることなく保持できるようになり、フィルタ130の面積を小さくすることができる。結果として、オイルストレーナ100を小型化することができる。
[2−2.マグネットの変形例]
本実施形態に係るマグネットは、図2に示したような環状以外の形状であってもよく、例えば図6〜図8のような形状としてもよい。
(変形例1:フランジを有する形状)
図6に示すマグネット240はフランジを有するものである。マグネット240は、基台部241と、フランジ部243とからなる。フランジ部243の表面242がフィルタ130と対向するように、オイルストレーナ100の入側空間Vに配置される。マグネット240は、少なくともフランジ部243が磁石であればよく、基台部241の材質は特に限定されない。マグネット240の厚みDは、フィルタ130とリブ124との距離dよりも大きくなるように形成される。これにより、マグネット140を確実にオイル収容部の入側空間Vに位置させることができる。
マグネット240のようにフランジ部240を設けることで、フィルタ130との対向面積を増大させることができるので、効率よくフィルタ130から鉄系の異物を吸着して取り除くことが可能となる。また、基台部241の厚みDをリブ124の高さより大きくし、マグネット240全体の厚みDを下部ボディ120の底面121とフィルタ130との距離より小さくすることで、マグネット240をオイル吸入部122から抜け出さないようにできるとともに、リブ124とフィルタ130との間をフランジ部243が通過できるようになる。
これにより、例えば、基台部241がリブ124に当接したときに、フランジ部243がリブ124とフィルタ130との間を通過し、オイル吸入部122の位置にあるフィルタ部138により捕捉された鉄系の異物を吸着して取り除くことが可能となる。
なお、基台部241およびフランジ部243の形状は、図6に示したような円板状に限定されず、下部ボディ120の形状やフィルタ130から取り除きたい異物量等を考慮して決定される。また、基台部241およびフランジ部243の平面形状は異なる形状であってもよい。
(変形例2:凹部を有する形状)
図7に示すマグネット340は、円板状の磁石であって、フィルタ130と対向する側の面(以下、「上面」とする。)342に、凹部344が形成されている。図7に示すマグネット340には半球状の複数の凹部344が形成されているが、本発明はかかる例に限定されず、1または複数の凹部を形成してもよく、その形状、深さ等は特に限定されるものではない。
マグネット340の上面342に凹部344を形成することで、上面342の表面積を増大させることができるので、効率よくフィルタ130から鉄系の異物を吸着して取り除くことが可能となる。また、凹部344にフィルタ130から取り除いた異物が蓄積されることで、マグネット340の上面342がフィルタ130と接触して擦れても、吸着した異物を落とさず保持し続けることが可能となる。図2に示した環状のマグネット140の中央の貫通部146も、この凹部344と同様に機能する。
変形例1、2の形状とすることで、フィルタ130との対向面の表面積を増大させることができるが、これら以外にも、例えばマグネットのフィルタ130との対向面を波状としたり、凸部を設けたりすることで、対向面の表面積を増大させることができる。
(変形例3:吸音材を備える構成)
図8に示すマグネット440は、磁石からなる本体部441の下面(すなわち、下部ボディ120側の面)444に吸音材443が設けられて構成されている。吸音材443は、車両の挙動に応じてマグネット440が入側空間Vを遊動する際に、下部ボディ120との接触音が発生するのを抑制する。
図2、図6〜図8に示したマグネットの構成は、適宜組み合わせることができる。例えば、図2に示す環状のマグネット140の下面144に吸音材を設けてもよく、図6に示すマグネット240のフランジ部243の表面に凹部等を形成してもよい。また、マグネットは、上述した以外にも、楕円の平面形状を有する板状部材や略球状の部材等であってもよい。
<3.まとめ>
以上、本実施形態に係るオイルストレーナ100の構成について説明した。オイルストレーナ100は、オイルポンプにより吸入されたオイルに混入する異物をフィルタ130によって捕捉する。また、本実施形態に係るオイルストレーナ100の入側空間にはマグネット140が設けられており、車両が加速や減速、左右旋回するとマグネット140が車両の挙動により発生する重力を受けて入側空間内を遊動する。このとき、フィルタ130により捕捉された鉄系の異物がマグネット140に吸着され、フィルタ130から除去される。これにより、フィルタ130を浄化することができる。
通常、フィルタ130の濾過面積のうち、異物を捕捉した部分は、以後濾材としては機能しない。しかし、本実施形態に係るオイルストレーナ100によればフィルタ130から捕捉された異物を取り除くことができ、再度濾材として機能させることが可能となる。したがって、再度濾材として機能させることができる濾過面積の分、フィルタ130を小さくすることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、オイル収容部は、上部ボディ110と下部ボディ120とを接合して形成したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、オイル収容部は一体形成してもよい。
また、上記実施形態では、オイルストレーナ100のマグネット140は1つのみ設けたが、本発明はかかる例に限定されない。オイルストレーナ100の入側空間V内に複数のマグネットを設けてもよい。
さらに、上記実施形態では、トランスミッション用のオイルストレーナ100の構成について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。上記オイルストレーナ100の構成は、例えばエンジン用オイルストレーナや燃料フィルタ等、車両の稼働状態で前後左右の重力を受ける部分に用いられるストレーナ全般について適用可能である。
100 オイルストレーナ
110 上部ボディ
112 オイル流出部
120 下部ボディ
122 オイル吸入部
124 リブ
130 フィルタ
132 フレーム
134 梁部
138 フィルタ部
140、240、340、440 マグネット
142 上面
144 下面
241 基台部
243 フランジ部
344 凹部
443 吸音材

Claims (9)

  1. オイルの吸入部と流出部とを備えるオイル収容部と、
    前記オイル収容部内の空間を吸入部側と流出部側とに区分するように設けられ、前記オイル収容部内を通過するオイルを濾過する濾材と、
    前記オイル収容部内の、前記濾材より前記吸入部側の入側空間に設けられ、前記入側空間を移動可能なマグネットと、
    を備え
    前記オイル収容部の吸入部の周縁部分には、前記濾材側に向かって突出するリブが設けられ、
    前記濾材と前記リブとの間の距離は、前記マグネットの厚みより小さい、車両用のオイルストレーナ。
  2. 前記マグネットの外形は、角丸に形成されている、請求項1に記載の車両用のオイルストレーナ。
  3. 前記マグネットは、前記濾材と対向する面に凹部が形成されている、請求項1又は2に記載の車両用のオイルストレーナ。
  4. 前記マグネットは、前記濾材と対向する面に、当該面の方向に沿ってフランジが形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用のオイルストレーナ。
  5. 前記マグネットは、前記濾材と対向する面と反対側の面に吸音材を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用のオイルストレーナ。
  6. 前記マグネットの、前記濾材と対向する面の面積は、前記オイル収容部の形状または自動車のライフタイムを通して捕捉される鉄系の異物量を推定した結果の少なくともいずれか一方に基づき決定される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用のオイルストレーナ。
  7. 前記オイル収容部は、少なくとも前記マグネットが配置される入側空間側が、前記マグネットが吸着しない材質から形成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用のオイルストレーナ。
  8. 前記オイル収容部内の底面は、地面に対して略平行となるように車両に設置される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用のオイルストレーナ。
  9. 前記オイル収容部は底面を有し、前記マグネットは、第1の平面部分と前記第1の平面部分と反対側の第2の平面部分とを有し、前記第1の平面部分が前記濾材に対向し、前記第2の平面部分が前記オイル収容部の前記底面に対向した状態で移動するように設けられている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両用のオイルストレーナ。
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