本明細書では、1つ以上の症状の治療のために、患者における解剖学的標的を刺激するための刺激システムが説明される。刺激システムは、少なくとも1つのコントローラと、少なくとも1つのマイクロ刺激装置とを含んでもよい。コントローラは、マイクロ刺激装置の一部として、または別個のデバイスとして実装されてもよい。別個のデバイスとして形成されたとき、コントローラは、無線および/または有線接続を介してマイクロ刺激装置と通信してもよい。コントローラは、電力および/または情報をマイクロ刺激装置に伝え得る波形信号を生じさせてもよく、マイクロ刺激装置は、波形信号に基づいて、1つ以上の刺激信号を解剖学的標的に送達してもよい。
刺激システムは、1つまたは複数の任意の好適な解剖学的標的を刺激して、いくつかの症状を治療するために使用されてもよい。いくつかの変形例では、本明細書で説明される刺激システムは、ドライアイを治療するために使用されてもよい。例えば、刺激システムは、1つ以上の神経、組織、腺、あるいは流涙または腺血管拡張のプロセスに関与する他の構造を刺激するために使用されてもよい。例えば、本システムは、涙腺、1つ以上のマイボーム腺、涙管、副交感神経、線維、および神経突起、交感神経、線維、および神経突起、涙腺枝、涙腺神経、涙腺動脈およびその分岐の血管周囲神経、マイボーム腺に神経を分布させる神経線維、涙腺の筋上皮細胞、涙腺の腺房細胞、涙腺の導管細胞のうちの1つ以上を刺激してもよい。ドライアイおよび他の症状を治療する方法は、以下でさらに詳細に説明される。本明細書ではまた、患者に1つ以上のマイクロ刺激装置および/またはコントローラを送達し、または別様に埋め込むための送達システムおよび方法も説明される。
(刺激システム)
図1Aおよび1Bは、本明細書で説明される刺激システムの2つの変形例のブロック図を示す。図1Aは、コントローラ(110)と、マイクロ刺激装置(120)とを含む、無線刺激システム(100)を描写する。そこで示されるように、コントローラ(110)は、筐体(119)を含んでもよく、コントローラ回路(115)を含有してもよい。コントローラ回路(115)は、マイクロ刺激装置(120)によって無線で受信され得る出力信号(112)を生成および伝送してもよい。伝送された信号は、1つ以上の磁場、電子信号、無線周波数信号、光信号、超音波信号等を含んでもよい。出力信号(112)は、以下でさらに詳細に説明されるように、電力および/または情報をマイクロ刺激装置(120)に提供してもよい。コントローラは、以下でさらに詳細に説明されるように、患者内に埋め込まれてもよく、または患者の外部にとどまってもよい。コントローラ回路(115)は、以下でさらに詳細に説明されるコントローラ回路のうちの1つ以上等の任意の好適な回路であってもよい。
図1Aに示されるように、マイクロ刺激装置(120)は、1つ以上の電極(117)と、1本以上のリード線(113)と、刺激回路(121)とを含んでもよい。電極(117)は、リード線(113)を介して刺激回路(121)に接続されるものとして図1Aに示されているが、マイクロ刺激装置(120)はリード線を含む必要がないことを理解されたい。マイクロ刺激装置(120)は、患者内に埋め込まれ、コントローラ(110)に対して設置されてもよく、それにより、マイクロ刺激装置(120)は、コントローラ(110)によって生成される出力信号(112)を受信してもよい。刺激回路(121)は、出力信号(112)を受信してもよく、受信された出力信号(112)に基づいて刺激信号(114)を生成してもよい。例えば、いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置(120)は、マイクロ刺激装置(120)内のいかなる内部論理またはインテリジェンスも使用することなく、出力信号(112)を処理し、処理された信号を刺激信号(114)として組織に送達するように構成される受動刺激回路を備えてもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置(120)は、受信された出力信号(112)を処理する際に内部論理またはインテリジェンスを使用してもよい。結果として生じる刺激信号(114)は、直流または交流電流信号であってもよく、電極(117)のうちの1つ以上を介して、例えば、涙腺等の解剖学的標的(123)に印加されてもよい。刺激信号(114)は、荷電平衡であってもよい。マイクロ刺激装置は、以下でさらに詳細に説明されるように、任意の好適な方式で構成されてもよい。
刺激信号(114)が解剖学的標的(123)に送達されるとき、刺激は、所望の生理学的効果(例えば、患者において涙を生成すること等)をもたらしてもよい。解剖学的標的(123)の刺激は、限定するものではないが、流体、電解質、およびタンパク質の分泌、血管拡張、涙液の量の増加、涙液の質の増大、眼球表面の健康の改善、涙液浸透圧の減少、および眼の炎症の減少を含む、任意の好適な内分泌的または他の生理学的成果を生じさせてもよい。
図1Bは、有線刺激システム(130)の変形例のブロック図を示す。有線刺激システム(130)は、コントローラ(140)と、マイクロ刺激装置(150)とを含んでもよい。コントローラ(140)は、筐体(149)と、コントローラ回路(145)とを含んでもよく、導線または他の媒体等の有線伝送線(148)を介して、出力信号(142)をマイクロ刺激装置(150)に伝送するように構成されてもよい。有線伝送線(148)は、コントローラ(140)に取り付けられ、患者の身体を通してマイクロ刺激装置(150)に送られてもよい。マイクロ刺激装置(150)がコントローラ(140)から出力信号(142)を受信し得るように、マイクロ刺激装置(150)は、患者内に埋め込まれ、コントローラ(140)に対して設置されてもよい。刺激回路(151)は、出力信号(142)を受信してもよく、受信された出力信号(142)に基づいて刺激信号(144)を生成してもよい。刺激信号(144)は、電極(147)のうちの1つ以上、場合によっては、1本以上のリード線(143)を介して、例えば涙腺等の解剖学的標的(153)に印加されてもよい。解剖学的標的(153)の刺激は、直上で説明されたもの等の1つ以上の生理学的または他の内分泌学的な成果(159)をもたらしてもよい。
刺激システムが、コントローラとマイクロ刺激装置との間の伝送線、または1つ以上の電極をマイクロ刺激装置に接続するリード線を備えるとき、伝送線および/またはリード線は、トンネルに通されてもよい。トンネル経路は、マイクロ刺激装置、コントローラ、および/または電極が埋め込まれる場所に依存し得る。例えば、トンネル経路は、(側頭骨の表面で)耳領域から眼窩の側頭面まで、眼窩の上外側面の中へ、眼窩隔膜を通って解剖学的標的まで延長してもよい。
(マイクロ刺激装置)
上述のように、本明細書で説明される刺激システムは、1つ以上のマイクロ刺激装置を備える。マイクロ刺激装置は、刺激を組織に送達するために好適な任意のデバイスであってもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、デバイスがいかなる内部論理またはインテリジェンス(例えば、ASIC、マイクロコントローラ等)も含まない1つ以上の受動刺激回路を備えてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、マイクロ刺激装置は、内部バッテリを持たない。これらの変形例では、マイクロ刺激装置は、コントローラから出力信号を受信し、受信された信号に基づいて電流を生成し、生成された電流を送達する散逸回路のみを含んでもよい。散逸回路は、コントローラから受信される信号を成形し、または別様に修正し得る1つ以上の信号調節ユニットを含有してもよい。いくつかの変形例では、回路は、外部源からエネルギーを受容し、エネルギーを刺激パルスに整流し、受動的な電荷平衡を可能にするように構成されてもよい。いくつかの変形例では、刺激回路は、1つ以上の電流整流器、1つ以上の振幅制限ユニット、および1つ以上のランピング制御ユニット、それらの組み合わせ等を備えてもよい。いくつかの変形例では、散逸回路は、1つ以上の調整可能/同調可能な構成要素を備えてもよい。
他の変形例では、マイクロ刺激装置は、コントローラから受信される信号を成形または修正するために使用され得る内部論理を含んでもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、マイクロ刺激装置は、動作電力がコントローラの出力信号によって受容されるように、内部バッテリを含まなくてもよい。なおも他の変形例では、マイクロ刺激装置は、電気パルスを生成して組織に送達するために必要な全ての回路を含み得る埋込型パルス発生器を備えてもよい。本明細書で説明される刺激回路は、コントローラが刺激回路の1つ以上の動作パラメータを検出することを可能にする要素を含有してもよい。
図2は、本明細書で説明される刺激デバイスとともに使用され得る受動刺激回路(200)の一変形例を描写する。そこで示されるように、刺激回路(200)は、マイクロ刺激装置コイル(202)(例えば、伝導性コイル)と、ダイオード(204)および抵抗器(206)を含む整流回路(205)と、同調コンデンサ(208)と、結合コンデンサ(216)とを含んでもよい。そこで示されるように、マイクロ刺激装置コイル(202)の一方の端部は、同調コンデンサ(208)の第1の端部、および整流回路(205)の第1の端部に接続されてもよい。抵抗器(206)およびダイオード(204)は、整流回路(205)の第1の端部が同調コンデンサ(208)およびマイクロ刺激装置コイル(202)に接続され、整流回路(205)の第2の端部が結合コンデンサ(216)に接続された状態で、並列に接続されてもよい。結合コンデンサ(216)は、第1の電極(210)に接続されてもよい。整流回路(205)は、半波整流器、全波整流器等を備えてもよいことを理解されたい。マイクロ刺激装置コイル(202)の第2の端部は、同調コンデンサ(208)の他方の端部および第2の電極(212)に接続されてもよい。
動作中、コントローラ(図示せず)によって生成される磁場が、マイクロ刺激装置コイル(202)に印加されてもよい。マイクロ刺激装置コイル(202)は、(例えば、誘導結合を介して)印加された磁場の結果として電流icoilを生成してもよい。同調コンデンサ(208)は、マイクロ刺激装置コイル(202)が特定の周波数または周波数の範囲を使用して生成される磁場のみを受容するように、マイクロ刺激装置コイル(202)と同調回路を形成してもよい。電流は、抵抗器(208)およびダイオード(204)の整流回路を通過し、第1(210)の電極と第2の(212)電極との間に電流iloadを送達してもよい。電流iloadは、組織(214)(抵抗器として図2で表される)を通過してもよい。結合コンデンサ(216)は、組織(214)に印加される刺激のためにAC結合および電荷平衡を提供してもよい。結合コンデンサ(216)は、活性刺激パルスが整流回路(205)を通過させられたときに充電してもよく、活性刺激パルスの送達後の不活性段階中に、整流回路の抵抗器(208)を通して放電してもよい。
受動刺激回路が、コントローラから受信される出力信号を調節および送達するように構成されるため、マイクロ刺激装置によって送達される刺激信号の1つ以上の特性は、刺激信号の1つ以上の特性に少なくとも部分的に依存し得る。コントローラは、マイクロ刺激装置によって生じさせられる刺激信号の1つ以上の特性(例えば、振幅、パルス幅、パルス周波数等)を変更するように出力信号の1つ以上の特性(例えば、振幅、バースト(burst)幅、バースト周波数等)を調整してもよい。例えば、マイクロ刺激装置によって生成された、印加される信号の振幅は、コントローラコイルによって生じさせられる交流磁場の振幅を修正することによって調整されてもよい。
刺激回路(200)は、コイル(202)を備えるものとして図2において示されているが、本明細書で説明される刺激回路は、任意の好適な方式でエネルギーを受容してもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの変形例では、刺激は、磁気エネルギーを受容するように構成されてもよい。これらの変形例では、マイクロ刺激装置は、磁場がそこに印加されたときに電流を生成する材料から形成され得る1つ以上のコイル(図2に示されるもの等)および/または磁電気要素を備えてもよい。磁電気要素は、Cr2O3、1つ以上のマルチフェロイック材料、それらの組み合わせ等の1つ以上の材料から形成されてもよい。磁電気要素は、コイルに必要とされ得るよりも小さい体積またはデバイス設置面積を用いて、電流発生を可能にしてもよい。磁電気要素はさらに、磁場に対して複数の配向で設置されたときに、電流を生成することが可能であり得るように成形されてもよい。
いくつかの変形例では、刺激回路は、超音波エネルギーを受容するように構成されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、伝送された超音波信号に応じて電流を生成し得る、1つ以上の超音波振動子を備えてもよい。いくつかの変形例では、超音波信号は、1つ以上の超音波伝送器を使用して、マイクロ刺激装置上に集束されてもよい。他の変形例では、マイクロ刺激装置は、光エネルギー(例えば、赤外線、紫外線、可視波長等)を受容し、それに応じて電流を生成するように構成されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、刺激回路は、受容された光エネルギーに応じて電流を生成する、1つ以上の光起電要素を備えてもよい。他の変形例では、マイクロ刺激装置は、遠距離RFエネルギーを受容するように構成されてもよい。例えば、高周波数RFエネルギーは、アンテナを使用してマイクロ刺激装置によって受容されてもよく、種々のマイクロ刺激装置配向を容認することを可能にしてもよい。いくつかの変形例では、本明細書で説明されるマイクロ刺激装置は、磁気、超音波、光、および/またはRF信号の組み合わせ等の複数のエネルギー源からエネルギーを受容することが可能であってもよいことを理解されたい。
刺激回路が誘導結合を使用して電流を生成するように構成される、変形例では、刺激回路は、内部および外部構成要素の間の角変形への耐性を向上させるように構成されてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、マイクロ刺激装置は、非並列配向で設置される、2つ以上のコイルを含んでもよい。図3A−3Fは、複数のコイルを有する、コイル配列の3つの変形例を図示する。例えば、図3Aおよび3Bは、それぞれ、第1のコイル(302)と、第2のコイル(304)とを備える、コイル配列(300)の側面図および上面図を示す。そこに示されるように、第1のコイル(302)は、第2のコイル(304)の平面に対して角度(θ1)にある、平面内に設置されてもよい。第1および第2のコイルの間の角度(θ1)は、約90度であるものとして図3Aおよび3Bで示されているが、この角度は任意の好適な角度(例えば、約45度、約60度等)であってもよいことを理解されたい。異なる平面内でコイルを設置することによって、たとえコイルのうちの1つが外部コイルに対して垂直に設置されたとしても、コイル配列は、依然として電流を生成することが可能であってもよい。
図3Cおよび3Dは、それぞれ、第1のコイル(308)、第2のコイル(310)、および第3のコイル(312)を有するコイル配列(306)の別の変形例の側面図および上面図を図示する。第1(308)、第2(310)、および第3の(312)コイルの各々の平面は、他のコイルに対して角度を成してもよい。例えば、図3Cおよび3Dに示される変形例では、第1のコイル(308)の平面は、第2のコイル(310)の平面に対して垂直であり得、第3のコイル(312)の平面は、第1(308)および第2のコイル(310)の両方の平面に対して垂直であり得る。任意の2つのコイルの間の角度は、任意の好適な角度であってもよいことを理解されたい。図3Eおよび3Fは、それぞれ、第1のコイル(316)、第2のコイル(318)、および第3のコイル(320)を有するコイル配列(314)の別の変形例の斜視図および側面図を描写する。第1(316)、第2(318)、および第3の(320)コイルの各々の平面は、直上で説明されるように、他のコイルに対して角度を成してもよい。加えて、コイル配列(314)の全体的な外形を縮小することに役立つために、第1のコイル(316)は、第2のコイル(318)内に設置されてもよく、第1(316)および第2の(318)コイルは、第3のコイル(320)内に設置されてもよい。刺激回路が、複数のコイルを備える、コイル配列を備える場合において、刺激回路は、複数の同調回路を備えてもよく、複数のコイルによって生じさせられる電流は、整流器を使用して合計されてもよい。
受動刺激回路(200)は、電気刺激を患者に送達するように構成されるものとして図2に関して上記で説明されているが、本明細書で説明されるマイクロ刺激装置は、任意の好適な刺激を患者に印加するように構成されてもよいことを理解されたい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、1つ以上の光信号、音響信号等を患者に送達するように構成されてもよい。
本明細書で説明される刺激回路は、1つ以上の電気安全特徴を備えてもよい。電気安全特徴は、マイクロ刺激装置によって受信または生成される信号の1つ以上のパラメータを制限してもよく、それが、潜在的に有害な刺激回路が患者に供給されることを防止し得る。電気安全特徴は、電荷送達を制限するための電極と直列であるコンデンサ等の1つ以上の要素、DC電荷平衡刺激を確保するための電極と直列であるコンデンサ等の1つ以上の要素、容量放電によってDC電荷平衡刺激を可能にするための電極と並列である1つ以上の抵抗器および/または直列コンデンサ、最大刺激電流振幅を制限するための電極と直列である1つ以上の電流制限ダイオード、最大出力電圧を制限するための1つ以上のツェナーダイオード、それらの組み合わせ等を含んでもよい。電極と並列である抵抗器は、電力効率の良い刺激を確保するように、組織負荷インピーダンスよりも大きいインピーダンスであってもよい。
図4は、電流制限デバイスを備える刺激回路(400)の一変形例を示す。そこで示されるように、刺激回路(400)は、コイル(402)と、同調コンデンサ(404)と、ダイオード(406)および抵抗器(408)から成る整流回路(405)と、第1(414)および第2の(416)電極とを備えてもよい。これらの要素は、刺激回路(200)の構成要素と同一であってもよく、図2に関して上記で説明されたように設置されてもよい。加えて、図4には、電流制限ダイオード(412)が示され、電流制限ダイオード(412)は、コイル(402)および同調コンデンサ(404)から第2の電極(416)を分離する。電流制限ダイオード(412)は、ダイオード(412)を通過する電流を制限してもよく、それがまた、第1(414)の電極と第2の(416)電極との間の組織負荷(410)を通過させられる電流も制限してもよい。例えば、以下でさらに詳細に説明されるように、パルスが組織負荷(410)を通して送達されるとき、電荷平衡を提供する再充電電流は、最初に、意図しない組織の不快感または刺激を引き起こす振幅を有し得る。電流制限デバイス(あるいは組織負荷と並列である高インピーダンス再充電回路またはツェナーダイオードまたは電圧制限要素等の上記で説明された電気安全特徴のうちの1つ以上)は、再充電電流の大きさを制限してもよく、それにより、意図しない組織刺激または不快感/疼痛を防止してもよい。
いくつかの変形例では、本明細書で説明される刺激回路は、1つ以上の調整可能要素を備える。例えば、刺激回路は、1つ以上の可変抵抗要素、可変容量性要素、可変インダクタンス要素、可変非線形要素等を備えてもよい。可変抵抗要素、容量性要素、誘導要素、または非線形要素は、共振周波数等の刺激回路の特性、または、例えば、振幅等の刺激パラメータを変更するために使用されてもよい。可変構成要素を含む変形例では、可変構成要素は、可逆的に変化させられ、または不可逆的に変化させられてもよい。場合によっては、可変構成要素のうちの1つ以上は、以下でさらに詳細に説明されるように、外部コントローラによって制御され、変化させられてもよい。可変構成要素は、マイクロ刺激装置の1つ以上の機能を調整し、または別様に変更するように調整されてもよい。例えば、マイクロ刺激装置の受信ユニットまたは出力ユニットの共振周波数を変更するために、調整可能要素が使用されてもよく、それは、受信ユニットが受信することが可能な出力信号の周波数、およびマイクロ刺激装置によって生成される刺激信号の周波数を制御してもよい。加えて、または代替として、マイクロ刺激装置によって提供される刺激の1つ以上のパラメータ(例えば、振幅、パルス幅等)を変更するために、調整可能要素が使用されてもよい。
本明細書で説明される刺激回路の構成要素のうちのいずれかは、調整可能であり得る。例えば、いくつかの変形例では、刺激回路(200)からの同調コンデンサ(208)は、刺激回路(200)の出力を調整するように同調されてもよい。図5Aおよび5Bは、調整可能要素を備える、刺激回路の2つの実施例を示す。図5Aは、刺激回路(500)の変形例を示す。そこで示されるように、刺激回路(500)は、コイル(502)と、同調コンデンサ(504)と、ダイオード(506)および抵抗器(508)から成る整流回路(505)と、第1(514)および第2の(516)電極と、電流制限ダイオード(512)とを備えてもよい。これらの要素は、図2および4に関して上記で説明されたように配列されてもよい。加えて、整流回路と第1の電極(514)との間で直列に設置された可変要素(518)が示されている。可変要素(518)は、光FET、光学的に同調可能な抵抗器、コンデンサ、プログラム可能な電流リミッタ等の可変インピーダンス要素を備えてもよい。可変要素(518)は、それを通って流れる電流を変更するように(例えば、コントローラを介して)調整されてもよく、それは、第1(514)の電極と第2の(516)電極との間の組織負荷(510)を通して送達される電流を変更してもよい。図5Bは、図5Aと同一の構成要素を含む、刺激回路(520)の別の変形例を示すが、可変要素(518)は、第1(514)および第2の(516)電極と並列に設置される。
いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、刺激中に患者に供給される刺激信号の振幅を受動的にランピング上昇させるように構成される、受動刺激回路を備えてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、受動刺激回路はさらに、患者に提供される刺激信号の最大振幅を制限するように構成されてもよい。図36は、刺激回路によって生じさせられる刺激信号を受動的にランピング上昇させるように構成され得る、受動刺激回路(3600)の一変形例のブロック図を示す。そこで示されるように、受動刺激回路(3600)は、受信ユニット(3602)と、信号調節ユニット(3603)と、ランピング制御ユニット(3608)と、出力ユニット(3610)とを備えてもよい。信号受信ユニット(3602)は、信号調節ユニット(3603)およびランピング制御ユニット(3608)に電力供給するために使用され得る、コントローラから1つ以上の出力信号を受信してもよい。いくつかの変形例では、信号受信ユニット(3602)は、信号受信ユニット(3602)が、ある周波数または周波数の範囲の出力信号のみを受信するように、同調された回路であってもよい。
信号調節ユニット(3603)は、振幅制限ユニット(3604)と、整流ユニット(3606)とを含んでもよいが、信号調節ユニット(3606)は、受信ユニット(3602)によって受信される出力信号を成形し、または別様に変更し得る、ユニットの任意の組み合わせを備えてもよいことを理解されたい。信号調節ユニット(3603)が整流ユニット(3606)を備える、変形例では、整流ユニット(3606)は、信号受信ユニット(3602)によって受信されている信号を整流してもよく、全波整流器または半波整流器を備えてもよい。振幅制限ユニット(3604)を含む変形例では、振幅制限ユニット(3604)は、組織に送達される刺激電流の振幅を制限してもよい。例えば、振幅制限ユニット(3604)は、刺激回路内の信号の振幅を削減し、または別様に制限し得る、1つ以上のツェナーダイオード、電流制限要素等を備えてもよい。例えば、いくつかの変形例では、コントローラによって生じさせられる出力信号は、コントローラの出力段階とマイクロ刺激装置の受信ユニットとの間の潜在的な整列差を考慮するように、意図された刺激信号振幅よりも大きくてもよい。これらの変形例では、振幅制限ユニット(3604)は、受信ユニット(3602)によって受容される過剰な電力を削減してもよい。信号調節ユニット(3603)に含まれるものとして図36で示されているが、振幅制限ユニット(3604)は、刺激回路(3600)の任意のユニットに含まれてもよいことを理解されたい。
信号調節ユニット(3603)は、1つ以上の電極を介して刺激信号を組織に送達し得る、出力ユニット(3610)に、調節された出力信号を提供してもよい。信号調節ユニット(3603)から出力ユニット(3610)に送達される刺激信号の振幅は、少なくとも部分的にランピング制御ユニット(3608)によって制御されてもよい。いくつかの変形例では、ランピング制御ユニット(3608)は、充電ユニット(3612)と、電界効果トランジスタ(3614)とを備えてもよい。信号調節ユニット(3603)および出力ユニット(3610)は、電界効果トランジスタ(3614)のソースおよびドレイン端子に接続されてもよく、充電ユニット(3612)は、電界効果トランジスタ(3614)のゲート端子に接続されてもよい。充電ユニット(3612)によって電界効果トランジスタ(3614)に提供される電圧は、信号調節ユニット(3603)と出力ユニット(3610)との間を流れる電流を決定してもよい。例えば、充電ユニット(3612)が充電されていないとき(受信ユニット(3602)が最初にコントローラから出力信号を受信し始めるときに起こり得る)、電界効果トランジスタ(3614)は、信号調節ユニット(3603)と出力ユニット(3610)との間の電流の流れを防止し、それにより、患者への刺激信号の送達を防止してもよい。受信ユニット(3602)が電力を充電ユニット(3612)に提供すると、(例えば、以下でさらに詳細に説明されるように、充電可能構成要素を充電することによって)電界効果トランジスタ(3614)のゲートに提供される電圧が増加し、それは、信号調節ユニット(3603)と出力ユニット(3610)との間で流れ得る電流の量を増加させる。したがって、出力ユニット(3610)によって提供される刺激信号の振幅は、充電ユニット(3612)が充電するにつれて増加してもよく、刺激信号の振幅は、充電ユニット(3612)が完全に充電されるまで自動的に上向きにランピングされてもよい。このランピングの速度は、充電ユニット(3612)が充電される速度によって決定されてもよい。加えて、充電ユニット(3612)は、電力がそれに供給されていないときに放電するように構成されてもよい。これは、刺激回路が後続の治療で生じさせられる後続の刺激信号をランピングすることができるように、ランピングユニット(3602)が異なる治療セッション間でリセットすることを可能にしてもよい。
図43は、刺激回路によって提供される刺激信号を受動的にランピングするように構成され得る刺激装置回路(4320)の変形例を描写する。そこで示されるように、刺激装置回路(4320)は、受信ユニット(4322)と、信号調節ユニット(4324)と、ランピング制御ユニット(4326)と、出力ユニット(4328)とを備えてもよい。図36に関して上記でさらに詳細に説明されるように、受信ユニット(4322)は、コントローラ(図示せず)から出力信号を受信するように構成されてもよく、受信された信号を信号調節ユニット(4324)およびランピング制御ユニット(4326)に伝送してもよい。図43に示される変形例では、受信ユニット(4322)は、同調コンデンサ(4332)と並列に接続されたコイル(4330)を備える、共振回路を備えてもよい。この共振は、ある周波数または周波数の範囲で伝送される、出力信号を受信するように同調され、または別様に構成されてもよい。しかしながら、受信ユニット(4322)は、出力信号(例えば、磁場、RF信号、光信号、超音波信号等)を受信し、そこから電流または電圧を生成する、任意の好適な構成要素を備えてもよいことを理解されたい。
上述のように、受信ユニット(4322)によって受信される信号は、信号調節ユニット(4324)およびランピング制御ユニット(4326)に伝えられてもよい。図43に示される変形例では、信号調節ユニット(4324)は、整流ユニット(4334)と、振幅制御ユニット(4336)と、電流源ユニット(4338)とを備えてもよい。信号調節ユニット(4324)は、これらの個々の構成要素のうちのいくつかのみを含んでもよく、および/または所望に応じて付加的な構成要素を含有してもよいことを理解されたい。整流ユニット(4334)を含む変形例では、整流ユニット(4334)は、任意の交流電流信号を直流電流信号に変換するように構成されてもよい。整流ユニットは、半波整流器または全波整流器であってもよく、場合によっては、整流された信号を平滑化するように構成されてもよい。例えば、図43に示される整流ユニット(4334)の変形例は、半波整流器の出力に配置されるダイオード(4340)および平滑コンデンサ(4342)を備える半波整流器を備えてもよい。
振幅制御ユニット(4336)を含む変形例では、振幅制御ユニット(4336)は、出力段階(4328)によって送達される信号の最大振幅を制限するように構成されてもよい。例えば、図43に示される振幅制御ユニット(4336)は、ツェナーダイオード(4344)を横断する電圧が閾値電圧を超えるときに、信号調節ユニット(4324)から離して電流を分路し得る、ツェナーダイオード(4344)を備えてもよい。振幅制御ユニット(4336)は、(例えば、受信ユニット(4322)、信号調節ユニット(4324)、ランピング制御ユニット(4326)、出力ユニット(4328)、それらの組み合わせ等の一部として)刺激装置回路(4300)の任意の好適な部分の中に設置され得る、任意の好適な電流または電圧制限要素を備えてもよいことを理解されたい。いくつかの変形例では、刺激回路は、複数の振幅制御ユニットを備えてもよく、そのうちの各々は、生成された刺激信号の異なる側面を制限してもよく、または異なる場所で生成された制御信号の側面を制限してもよい。
信号調節ユニット(4324)が電流源ユニット(4338)を備える、変形例では、電流源ユニット(4338)は、電流源ユニット(4338)によって受容される電圧入力に基づいて電流を出力し得る、電圧制御電流源の役割を果たすように構成されてもよい。例えば、(図43に示されるもの等の)いくつかの変形例では、電流源ユニット(4338)は、トランジスタ(4340)のゲートおよびソースが(例えば、抵抗器(4348)等を介して)接続される、トランジスタ(4346)(例えば、JFET、MOSFET、BJT)を備えてもよい。いくつかの変形例では、電流源ユニット(4338)は、ある閾値を上回る任意の電圧が電流源ユニット(4338)の入力に印加されたときに、定電流を提供し得る、定電流源の役割を果たしてもよい。いくつかの変形例では、電流源ユニットは、1つ以上の電流制限ダイオード等を備えてもよい。いくつかの変形例では、電流源ユニット(4338)は、電流ミラー回路を備えてもよい。電流ミラー回路は、対称または非対称であり得る。
いったん受信された出力信号が信号調節ユニット(4324)によって調節されると、信号は、出力ユニット(4328)に伝えられてもよい。したがって、出力ユニット(4328)は、電極(4352)を介して、処理された信号を出力信号として組織(4350)に送達してもよい。いくつかの変形例では、出力ユニット(4328)は、受動電荷平衡を可能にするように構成されてもよい。例えば、出力ユニット(4328)は、コンデンサ(4354)と、抵抗器(4356)とを備えてもよい。コンデンサ(4354)は、信号調節ユニット(4324)が電流を出力ユニット(4328)および組織(4350)に送達しているときに充電してもよく、信号調節ユニット(4324)が電流を出力ユニット(4328)に送達していないときに放電してもよく、それは、出力ユニット(4328)が、二相性電荷平衡刺激信号を組織(4350)に提供することを可能にし得る。いくつかの変形例では、出力ユニット(4328)は、コンデンサ(4354)によって生じさせられる平衡電流の大きさを制限し得る、電流制限デバイス(図示せず)等を備えてもよい。
上述のように、ランピング制御ユニット(4326)は、信号処理ユニット(4324)から出力ユニット(4326)に提供される信号をランピングするように構成されてもよい。図43に示されるように、ランピング制御ユニット(4326)は、充電ユニット(4358)と、電界効果トランジスタ(4360)とを備えてもよい。電界効果トランジスタ(4360)は、任意の好適なトランジスタ(例えば、MOSFET、BJT等)であってもよい。信号調節ユニット(4324)および出力ユニット(4328)は、電界効果トランジスタ(4360)のソースおよびドレイン端子に接続されてもよく、充電ユニット(4326)は、電界効果トランジスタ(4360)のゲート端子に接続されてもよい。上述のように、信号調節ユニット(4324)と出力ユニット(4328)との間で電界効果トランジスタ(4360)を通過する電流は、充電ユニット(4326)によって電界効果トランジスタ(4360)のゲート端子に提供される電圧に依存し得る。このように、ランピング制御ユニット(4326)は、充電ユニット(4326)が充電するにつれて刺激信号の振幅を増加させるように構成されてもよい。
充電ユニット(4326)は、受信ユニット(4322)がコントローラによって生成される出力信号を受信すると、電界効果トランジスタ(4360)に提供される電圧を増加させるように構成されてもよい。例えば、図43に示されるように、充電ユニット(4326)は、受信ユニット(4322)が出力信号を受信すると充電され得る、コンデンサ(4362)を備えてもよい。コンデンサ(4362)が充電すると、電界効果トランジスタ(4360)に印加される電圧が増加してもよく、それにより、信号調節ユニット(4324)から出力ユニット(4328)に伝わり得る電流を増加させてもよい。これは、マイクロ刺激装置によってランピングされた刺激信号を生じさせ得る。場合によっては、充電ユニット(4326)は、受信ユニット(4322)から受信される信号を整流し得る、整流ダイオード(4364)または他の整流回路を備えてもよい。加えて、充電ユニット(4326)は、コンデンサ(4362)が充電および放電する速度を制御し得る、1つ以上の付加的な構成要素、(例えば、抵抗器(4366)および(4377)、ダイオード(4368)、ならびにトランジスタ(4370))を備えてもよい。図36および43に関して上記で説明された刺激装置回路は、内部論理またはインテリジェンスを使用することなく、刺激信号を受動的にランピングする受動回路であるが、いくつかの変形例では、本明細書で説明されるような刺激回路は、刺激信号のランピングを制御し得るマイクロコントローラまたは他の内部論理を備えてもよいことを理解されたい。
上記で説明されたマイクロ刺激装置は、いくつかの形状および形態のうちのいずれかを成してもよい。図6A−6Hは、本明細書で説明される刺激システムとともに使用するために好適である、例示的なマイクロ刺激装置を図示する。図6A−6Hに示されるマイクロ刺激装置の各々は、上記で詳細に説明される回路または機能性(例えば、受動刺激回路)のうちのいずれかを含んでもよく、密封されてもよいことを理解されたい。マイクロ刺激装置は、例えば、1つ以上の金属(チタン、ニオブ、ステンレス鋼、白金、それらの合金、それらの組み合わせ等)、1つ以上のポリマー、1つ以上のセラミック、それらの組み合わせ等の任意の好適な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。図6Aは、本体および2つの端部を有するカプセルのように成形される、マイクロ刺激装置(600)の一変形例を描写する。本体は、円筒形、正方形、長方形、台形、または他の形状の断面、および丸い、尖った、または他の形状の端部を伴って、比較的真っ直ぐであり得る。カプセル形のマイクロ刺激装置(600)は、以下でさらに詳細に説明されるように、1つ以上の端部において、および/またはその長さに沿って、電極(図示せず)を含んでもよい。マイクロ刺激装置は、任意の好適な寸法を有してもよい。例えば、いくつかの変形例では、刺激装置の長さは、約6ミリメートルから約30ミリメートルの間であってもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、刺激装置の長さは、約16ミリメートルであってもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置の高さは、約0.5ミリメートルから約2ミリメートルの間であってもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、マイクロ刺激装置の高さは、約1.5ミリメートルであってもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置の幅は、約3ミリメートルから約10ミリメートルの間であってもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置の幅は、約5ミリメートルであってもよい。
図6Bは、曲線状の本体を有するカプセルのように成形される、マイクロ刺激装置(602)の別の変形例を描写する。これらの変形例では、本体の湾曲は、涙腺窩等の患者の解剖学的構造に適応するように構成されてもよい。マイクロ刺激装置(602)の本体は、図6Aに示されるマイクロ刺激装置(600)に関して上記で説明されたように、任意の好適な端部および断面形状を有してもよいことを理解されたい。加えて、マイクロ刺激装置(602)は、以下でさらに詳細に説明されるように、1つ以上の電極(図示せず)を備えてもよい。
単一の曲線を有するものとして図6Bで示されているが、マイクロ刺激装置(602)は、複数の曲線を備えてもよいことを理解されたい。例えば、図6Cは、複数の曲線を備える、マイクロ刺激装置(604)を示す。そこで示されるように、マイクロ刺激装置(604)は、1つの方向に第1の曲線と、第2の方向に第2の曲線とを含む。曲線は、図6Cに示されるように、単一の平面で形成されてもよく、または異なる平面で形成されてもよい。加えて、マイクロ刺激装置(604)は、可撓性デバイスであってもよく、または涙腺窩等の患者の解剖学的構造に一致するように構成されてもよい。
図6Dは、平面構造として構成されるマイクロ刺激装置(606)の別の変形例を描写する。これらの変形例のうちのいくつかでは、マイクロ刺激装置(606)は、以下でさらに詳細に説明されるように、患者に挿入されているときに第1の形態を有し、送達中または後に第2の形態を有するように操作されてもよい。平面マイクロ刺激装置(606)は、可撓性であり得、および/または涙腺窩等の1つ以上の解剖学的構造に一致するように構成されてもよい。
図6Eは、本明細書で説明される刺激システムとともに使用するための可撓性分割マイクロ刺激装置(608)を図示する。可撓性分割マイクロ刺激装置(608)は、区画(612)によって分離される複数の電極(610)を含んでもよい。電極は、涙腺等の1つ以上の解剖学的標的を刺激するための刺激回路の一部として実装されてもよい。マイクロ刺激装置(608)は、電極(610)が曲線に沿って整列させられるように、単一の曲線を形成するものとして図6Eで示されているが、マイクロ刺激装置は、単一の曲線を形成する必要がないことを理解されたい。例えば、図6Fは、電極(616)が他の電極(616)とほぼ平行に延長するように、区画(618)によって接続された複数の電極(616)を備える、可撓性分割マイクロ刺激装置(614)の変形例を示す。
図6Gおよび6Hは、コンタクトレンズに組み込まれるマイクロ刺激装置(620)の一変形例を図示する。そこで示されるように、コンタクトレンズ(622)は、眼の(630)虹彩(626)を覆って設置されてもよく、1つ以上の電極(628)を備えてもよい。コンタクトレンズ(622)は、角膜と接触してもよく、その内面は、角膜および/結膜の形状に一致してもよい。マイクロ刺激装置(620)は、任意の好適な数の電極(628)(例えば、1つ、2つ、または3つ以上の電極)を含有してもよく、反射活性化をもたらし得る、電流を眼の表面に送達してもよい。
いくつかの変形例では、コンタクトレンズ(622)は、電力供給(例えば、バッテリ等)を有してもよい。加えて、または代替として、コンタクトレンズ(622)は、コントローラからエネルギーを受容し得る1つ以上のコイル(624)または他の要素を備えてもよい。図6Hは、図6Gに示されるコイル(624)の拡大図である。マイクロ刺激装置(620)は、以下で説明されるようなコントローラのうちの1つ以上による等、任意の好適な方式で電力供給されてもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置(620)は、眼瞼内に配置された磁石によって電力供給されてもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、眼を瞬きすることによって起動されてもよく、その場合、瞬き検出機構が、マイクロ刺激装置と併せて使用されてもよい。
上述のように、本明細書で説明されるマイクロ刺激装置は、1つ以上の電極を備えてもよい。電極は、マイクロ刺激装置の1つまたは複数の任意の好適な部分に取り付けられてもよく、場合によっては、1本以上のリード線を介してマイクロ刺激装置に接続されてもよい。いくつかの変形例では、電極は、ファラデー電荷移動ではなく、容量電荷移動を可能にするように構成されてもよい。マイクロ刺激装置が、図6Dに関して上記で説明されたマイクロ刺激装置(606)等の平面本体を備えるとき、マイクロ刺激装置は、平面構造の両側に電極を含んでもよく、または平面構造の片側のみに電極を含んでもよい。マイクロ刺激装置は、任意の好適な数の電極(例えば、1つ、2つ、3つ、または4つ以上の電極)を備えてもよい。図7A−7Fは、異なる電極構成を有する、例示的なマイクロ刺激装置を描写する。例えば、図7Aは、電極(704)がそれに連結されている刺激回路(702)を含むマイクロ刺激装置(700)を図示する。図7Aに示される刺激回路(702)は、上記でさらに詳細に説明される刺激回路のうちの1つ以上等の任意の好適な刺激回路であってもよいことを理解されたい。電極(704)は、図7Aに示されるように、マイクロ刺激装置(700)の端部において刺激回路(702)に連結されてもよく、またはマイクロ刺激装置(700)の本体に沿って接続されてもよい。
図7Bは、マイクロ刺激装置(706)の外部上の小さく丸い接点を介してマイクロ刺激装置(706)に取り付けられる電極(708)を含むマイクロ刺激装置(706)の別の変形例を示す。マイクロ刺激装置(706)の端部に取り付けられるものとして図7Bで示されているが、電極のうちの1つ以上は、マイクロ刺激装置(706)の本体に沿って取り付けられてもよい。他の変形例では、電極は、マイクロ刺激装置の表面に少なくとも部分的に埋め込まれ、または定着されてもよい。例えば、図7Cは、定着した電極(710)を有するマイクロ刺激装置(708)を図示する。電極(710)は、円形パターンとして構成されるものとして図7Cで示されているが、定着した電極(710)は、任意の好適な形状および/またはパターンを有してもよいことを理解されたい。
いくつかの変形例では、1つ以上の電極は、1本以上のリード線を介してマイクロ刺激装置に取り付けられてもよい。リード線は、可撓性であってもよく、または可撓性ではなくてもよく、あるいは1つ以上の可撓性部分を備えてもよく、または備えなくてもよい。例えば、図7Dは、可撓性リード線(716)を介してマイクロ刺激装置(712)に取り付けられた電極(714)を備える、マイクロ刺激装置(712)の一変形例を描写する。可撓性リード線(716)は、本体の1つ以上の領域を通って横断し、および/またはそこに一致するように、1つ以上の形状に操作されてもよい。図7Eは、剛性リード線(722)を介してマイクロ刺激装置(718)に取り付けられた電極(720)を含む、マイクロ刺激装置(718)の別の変形例を示す。マイクロ刺激装置がリード線を備える変形例では、マイクロ刺激装置は、任意の好適な数のリード線(例えば、1本、2本、3本、または4本以上のリード線)を備えてもよく、各リード線は、任意の好適な数の電極(例えば、1つ、2つ、3つ、または4つ以上の電極)を含んでもよいことを理解されたい。
マイクロ刺激装置が、1本以上のリード線を介してマイクロ刺激装置の本体に取り付けられた電極を含む、変形例では、リード線は、マイクロ刺激装置の本体が、刺激部位から遠隔に位置することを可能にしてもよい。例えば、図7Fは、本体(724)と、リード線(726)を介して本体(724)に取り付けられた複数の電極(728)とを備える、埋め込まれたマイクロ刺激装置(723)の一変形例を示す。そこで示されるように、電極(728)は、刺激信号(730)を眼の周囲の組織(例えば、涙腺)に送達するように構成されてもよいが、本体(724)(1つ以上の刺激回路を含み得る)は、遠隔に(例えば、図7Fに示されるように耳の後ろに、あるいは頭部、頸部、または胴体における別の場所に)設置されてもよい。
上述のように、マイクロ刺激装置は、送達デバイスからの埋込時に形状を変化させるように構成されてもよい。例えば、図8Aおよび8Bは、送達デバイス(802)からの埋込時に形状を変化させるように構成される、マイクロ刺激装置(800)の一変形例を描写する(例えば、針等)。具体的には、マイクロ刺激装置(800)は、送達デバイスの内側に配置されたときに、第1の薄型形態を有してもよい。マイクロ刺激装置(800)は、この薄型形態を達成するように、丸められ、圧着され、折り畳まれ、または別様に操作されてもよい。例えば、図8Aでは、マイクロ刺激装置(800)は、第1の薄型形態に折り畳まれるものとして示されている。
マイクロ刺激装置(800)が(例えば、押込器等を介して)送達デバイス(802)から解放されるとき、マイクロ刺激装置(800)は、第2の形態を成してもよい。その第2の形態であるとき、マイクロ刺激装置(800)は、涙腺窩等の1つ以上の解剖学的構造に一致してもよい。マイクロ刺激装置(800)は、任意の好適な方式で、第1の形態と第2の形態との間で移行してもよい。例えば、いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置(800)は、マイクロ刺激装置(800)の中の貯蔵されたエネルギー(例えば、形状記憶エネルギー、バネまたはコイルエネルギー等)の放出時に、広がり、展開し、または別様に形状を変化させてもよい。他の場合において、マイクロ刺激装置(800)は、機械的操作により、あるいは薄型形態でマイクロ刺激装置(800)を保持する構造の分解または他の除去によって、形状を変化させてもよい。
いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、組織の中へのデバイスの挿入を補助し得る、1つ以上の構成要素を備えてもよい。例えば、いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、マイクロ刺激装置が組織の中へ、または組織を通り過ぎて前進させられる際に、組織損傷を低減させ得る1つ以上の丸い縁を備えてもよい。加えて、または代替として、マイクロ刺激装置は、少なくとも部分的に組織の中へ、または組織を通して、マイクロ刺激装置を前進させることを補助し得る1つ以上の尖らせた先端を備えてもよい。例えば、図9Aおよび9Bは、マイクロ刺激装置(900)の1つのそのような変形例を示す。図9Aに示されるように、マイクロ刺激装置(900)は、勾配付き先端(902)を備えてもよい。場合によっては、マイクロ刺激装置(900)は、図9Bに示されるように、送達デバイス(904)を使用して前進させられてもよく、勾配付き先端(902)の狭くなった縁(906)は、マイクロ刺激装置(900)が送達デバイス(904)を使用して前進させられると、組織を切断し、または別様に分離してもよい。勾配付きであるものとして図9Aで示されているが、マイクロ刺激装置の先端は、尖っていてもよく、または別様に尖らせてもよい。尖らせた先端は、以下でさらに詳細に説明されるように、マイクロ刺激装置の送達後の移動を防止するのに役立ち得る1つ以上の鉤を備えてもよいことも理解されたい。
図10は、そこから延長するらせん鉤(1002)を備えるマイクロ刺激装置(1000)の別の変形例を示す。らせん鉤(1002)は、らせん鉤(1002)を組織にねじ込むように、送達中にマイクロ刺激装置(1000)が回転させられ得るように構成されてもよい。これは、マイクロ刺激装置を前進させるのに役立ってもよく、また、組織に対して適所にマイクロ刺激装置を固着してもよい。
マイクロ刺激装置が尖らせた先端を備える変形例では、先端は、単一のデバイスとして形成されてもよく、またはマイクロ刺激装置とは別に形成され、それに取り付けられてもよい。いくつかの変形例では、先端は、埋込後に、分解し、または別様にマイクロ刺激装置から着脱するように構成されてもよい。例えば、図11Aおよび11Bは、マイクロ刺激装置(1100)の1つのそのような変形例を示す。図11Aに示されるように、マイクロ刺激装置(1100)は、本体(1102)と、生分解性の尖った先端(1104)とを備えてもよい。尖った先端(1104)は、マイクロ刺激装置(1100)の前進中に組織を穿孔すること、または別様に分離することによって、マイクロ刺激装置(1100)の送達を補助してもよい。いったん体内で適所状態になると、先端(1104)は、図11Bに示されるように、マイクロ刺激装置(1100)の本体(1102)が適所に残されるように、生物分解してもよい。生分解性先端は、1つ以上の生分解性糖またはポリマー(例えば、PLA、PLGA等)等の1つまたは複数の任意の好適な生体追従性かつ生分解性材料から作製されてもよい。
本明細書で説明されるマイクロ刺激装置はまた、組織に対して適所にマイクロ刺激装置を維持するのに役立ち得る1つ以上の要素を備えてもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、組織に対して適所にマイクロ刺激装置を保持するのに役立ち得る、1つ以上の被覆(例えば、接着被覆等)を備えてもよい。他の変形例では、マイクロ刺激装置は、組織内方成長を促進し得る1つ以上の材料(例えば、Dacron被膜)または構造を備えてもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、フック、鉤、アンカー、段差、または他の突出等の1つ以上の固定要素を備えてもよい。例えば、図12は、複数の鉤付き固定要素(1202)を有するマイクロ刺激装置(1200)を図示する。固定要素(1202)は、マイクロ刺激装置の本体に取り付けられるものとして図12で示されているが、固定要素は、マイクロ刺激装置の任意の好適な部分に添着されてもよいことを理解されたい。マイクロ刺激装置が尖らせた先端を備える変形例では、先端は、1つ以上の固定要素を備えてもよい。マイクロ刺激装置が1本以上のリード線を備える変形例では、リード線のうちの1本以上は、1つ以上の固定要素を備えてもよい。例えば、図13は、その上に位置する鉤付き固定要素(1304)を有するリード線(1302)を備える、マイクロ刺激装置(1300)の別の変形例を描写する。リード線は、直上で説明されたもの等の任意の好適な固定要素を備えてもよいことを理解されたい。
マイクロ刺激装置は、複数の異なる固定要素を備えてもよいことを理解されたい。例えば、図14は、マイクロ刺激装置(1400)から突出する複数の段差(1402)およびリング部材(1404)を備える、マイクロ刺激装置(1400)の変形例を図示する。これらの変形例では、段差(1402)およびリング部材(1404)は、組織に対するマイクロ刺激装置(1400)の移動に抵抗してもよい。加えて、リング部材(1404)は、組織に対して適所にマイクロ刺激装置(1400)を保持するのにさらに役立ち得る、組織内方成長を促進してもよい。加えて、または代替として、1本以上の縫合糸(図示せず)が、組織に対して適所にデバイスを縫い付けるのに役立つように、リング部材を通り抜けさせられてもよい。マイクロ刺激装置は、上記で説明されたような固定要素の任意の好適な組み合わせを備えてもよい。
本明細書で説明されるマイクロ刺激装置のいくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、低侵襲性回収を促進する1つ以上の特徴を備えてもよい。例えば、図15A−15Cは、回収特徴を含むマイクロ刺激装置の例示的な変形例を描写する。15Aは、再捕捉ループ(1502)を備える、マイクロ刺激装置(1500)の変形例を示す。再捕捉ループ(1502)は、開口(1504)を備えてもよく、マイクロ刺激装置(1500)の回収を補助してもよい。具体的には、回収中に、医師が、再捕捉ループ(1502)に係合するために鉗子またはフックデバイス等の回収デバイスを使用し、体内のその位置からマイクロ刺激装置(1500)を除去してもよい。いくつかの変形例では、縫合糸(図示せず)が、再捕捉ループ(1502)に取り付けられてもよく、縫合糸は、その位置からマイクロ刺激装置(1500)を引くように、(例えば、回収デバイスを介して)医師によって係合させられてもよい。マイクロ刺激装置は、複数の再捕捉ループ(1502)を備えてもよく、または備えなくてもよく、これらの再捕捉ループは、マイクロ刺激装置(1500)の一方または両方の端部に、および/またはマイクロ刺激装置(1500)の本体の長さに沿って位置してもよい。マイクロ刺激装置は、図6Aに関して上記で説明されたマイクロ刺激装置(600)に類似するカプセル形の本体を有するものとして図15Aで示されているが、本明細書で説明される任意のマイクロ刺激装置は、再捕捉ループを備えてもよいことを理解されたい。
図15Bは、再捕捉磁石(1512)を有する、マイクロ刺激装置(1510)の別の変形例を図示する。再捕捉磁石(1512)は、マイクロ刺激装置(1510)の除去または再配置を支援するように、別の磁気デバイスによって係合させられてもよい。再捕捉磁石(1512)はまた、送達デバイスによって係合させられてもよく、送達中にマイクロ刺激装置(1510)を設置するのに役立ってもよいことも理解されたい。
図15Cは、成形回収タブ(1522)を有する、マイクロ刺激装置(1520)の別の変形例を図示する。また、その遠位端に開口(1526)を有する回収デバイス(1524)も示されている。マイクロ刺激装置(1520)の回収を補助するために、回収デバイス(1524)は、開口(1526)が開口(1526)の中で回収タブ(1522)の一部分を受容するように前進させられてもよく、マイクロ刺激装置(1520)および回収デバイス(1524)を一時的に接続するように回転させられてもよい。いったん接続されると、回収デバイス(1524)は、マイクロ刺激装置を再配置または除去するように操作され、または引き出されてもよい。
図42A−42Cは、本明細書で説明されるマイクロ刺激装置(4200)の別の変形例を図示する。具体的には、図42Aは、マイクロ刺激装置(4200)の斜視図を示す。そこで示されるように、マイクロ刺激装置(4200)は、筐体(4202)と、筐体(4202)に接続される可撓性延長部(4204)とを備えてもよい。筐体(4202)は、密封されてもよく、その中に刺激回路の一部または全てを含有してもよい。マイクロ刺激装置(4200)は、上記で説明されたもの等の任意の刺激回路を備えてもよい。筐体(4202)は、1つ以上の金属(例えば、チタン)または他の生体追従性材料から形成されてもよい。
延長部(4204)は、シリコン等の可撓性材料から形成されてもよく、第1の電極(4206)と、第2の電極(4208)と、コイル(4210)とを備えてもよい。いくつかの変形例では、延長部(4204)は、成形シリコン等の成形構成要素であってもよい。可撓性延長部(4204)は、組織に埋め込まれたときに生体構造の1つ以上の部分(例えば、眼窩または涙腺)と一致してもよい。図42Bは、マイクロ刺激装置(4200)の側面図を示す。そこに示されるように、延長部(4204)の厚さは、筐体(4202)の厚さよりも小さくてもよく、筐体(4202)の厚さまで漸減してもよい。いくつかの変形例では、延長部(4204)の厚さは、筐体(4202)の厚さと同一か、またはそれよりも大きくてもよいことを理解されたい。加えて、延長部(4204)の幅は、筐体(4202)の幅よりも大きいものとして図42Aで示されており、筐体(4202)の厚さまで漸減してもよい。しかしながら、いくつかの変形例では、筐体は、同一の幅を有してもよく、または延長部よりも幅が広くてもよい。
2つの電極を有するものとして図42Aに示されているが、マイクロ刺激装置(4200)は、任意の好適な数の電極(例えば、1つ、2つ、3つ、または4つ以上の電極)を備えてもよいことを理解されたい。電極のうちのいくつかまたは全ては、テクスチャ加工またはパターン化されてもよく、それは電極の有効表面積を向上させ得る。電極のうちの1つ以上は、陥凹していてもよく、それは電極表面上により均一な電荷密度を提供し得る。図42Aに示される変形例では、第1の電極(4206)と第2の電極(4208)とは、延長部(4204)の同一の側面上に設置されるが、いくつかの変形例では、第1(4206)と第2の(4208)電極とは、延長部(4204)の反対側の面上に設置されてもよい。加えて、コイル(4210)を有するものとして図42Aで示されているが、マイクロ刺激装置(4200)は、以下でさらに詳細に説明されるように、1つまたは複数の任意のエネルギー受容要素を備えてもよいことを理解されたい。
電極(4206)および(4208)ならびにコイル(4210)は、1つ以上のフィードスルーを介してマイクロ刺激装置回路に接続されてもよい。例えば、図42Cは、延長部(4204)が除去されている筐体(4202)の斜視図を示す。そこで示されるように、筐体(4202)は、筐体(4202)を通って延長する複数のフィードスルー(4212)を備えてもよい。1つ以上の要素(例えば、電極(4206)または(4208)のうちの1つ、あるいはコイル(4210))は、フィードスルー(4212)への接続によって、密封された刺激回路に電気的に接続されてもよい。加えて、フィードスルー(4212)のうちのいくつかは、筐体(4202)からフィードスルー(4212)を電気的に絶縁し得る絶縁部材(4214)を備えてもよい。
本明細書で説明されるマイクロ刺激装置は、任意の材料または材料の組み合わせから作製されてもよい。例えば、電極の組成は、限定するものではないが、白金、イリジウム、白金イリジウム、酸化イリジウム、スパッタ酸化イリジウム、窒化チタン、タンタル、およびそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの変形例では、本明細書で説明される埋込型マイクロ刺激装置は、磁気共鳴映像(MRI)機械に適合するように構成されてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、本デバイスは、MRI撮像中に作成される磁力に起因し得るデバイス移動を最小化する、またはマイクロ刺激装置の構成要素において起こり得る加熱を最小化するように構成されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、非強磁性または低強磁性材料から作製されてもよい。他の変形例では、マイクロ刺激装置は、強磁性材料を含んでもよいが、これらの構成要素の相対量は、MRI撮像中にこれらの構成要素に提供される力がデバイスを実質的に移動させないように、十分小さくてもよい。他の変形例では、マイクロ刺激装置は、MRI撮像が不慮の刺激またはマイクロ刺激装置の他の起動を引き起こさないように構成されてもよい。例えば、マイクロ刺激装置が(上記でさらに詳細に論議されるような)共振周波数を有する受信回路を備えるとき、マイクロ刺激装置は、共振周波数が、MRI撮像中に生じさせられる周波数範囲(例えば、MRIスキャナの主磁場、勾配磁場、および/またはRF磁場によって生じさせられる周波数)外であるように構成されてもよい。
いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、患者の1つ以上の物理的パラメータを測定し得る、1つ以上のセンサを備えてもよい。いくつかの変形例では、センサは、1つ以上の解剖学的構造の閉ループ刺激を実装するために使用されてもよい。図37は、涙腺刺激の閉ループ制御を伴って実装されたマイクロ刺激装置を図示する。示されるように、マイクロ刺激装置(3706)は、センサ(3708)と、電極支持リード線(3704)とを含んでもよい。センサ(3708)は、患者の眼球上に設置されてもよく、リード線(3704)は、マイクロ刺激装置(3706)と涙腺(3710)等の1つ以上の解剖学的標的との間に延長してもよい。マイクロ刺激装置(3706)は、センサ(3708)によって測定される信号を使用した閉ループ刺激に基づいて、リード線(3704)を介して解剖学的標的を刺激するように構成されてもよい。1つ以上の信号によって刺激されたとき、涙が上眼瞼(3720)の下で産生されてもよく、患者の眼球集合の虹彩(3700)上で移動してもよい。マイクロ刺激装置がセンサを備える変形例では、マイクロ刺激装置は、センサから受信された情報をコントローラに伝送するように構成されてもよい。
閉ループ刺激は、涙の産生の要件に関する情報を提供する状態(湿潤を検出する表面インピーダンス)を検出し、状態信号を生成することによって機能してもよい。次いで、マイクロ刺激装置(またはコントローラ)は、この状態信号に応じて、その出力を変調し、涙の産生におけるその出力を修正してもよい。状態を検出することは、1つ以上の変数の測定を含んでもよい。閉ループ刺激で使用するための測定された変数は、涙液の伝導度、涙液の量、および腺の伝導度のうちの1つ以上を含んでもよい。感知要素が、埋込型マイクロ刺激装置の一部であってもよく、または埋め込まれたマイクロ刺激装置から分離し得る(例えば、コンタクトレンズ、コントローラの一部等の中に提供される)。刺激出力の調整は、アルゴリズムに基づいてもよい。
(コントローラ)
上述のように、本明細書で説明される刺激システムは、電力、情報等を伝送および/または受信するように本明細書で説明される刺激デバイスと通信し得る、コントローラを備えてもよい。コントローラおよびマイクロ刺激装置の構成要素は、単一のデバイスとして、または別個のデバイスとして実装されてもよい。コントローラは、無線で、および/または有線接続を介して、マイクロ刺激装置と通信してもよい。コントローラは、体内に埋め込むために構成されてもよく、または身体の外部にとどまるように構成されてもよい。コントローラは、使い捨てであり得、再利用可能であり得、または部分的に再利用可能であり得る。場合によっては、マイクロ刺激装置の1つ以上の構成要素が、再利用可能であり得る一方で、他の構成要素は、使い捨てであり得る。場合によっては、コントローラは、再充電可能であり得る。
コントローラが身体の外部にとどまるように構成されるとき、コントローラは、少なくとも一時的に患者に添着されるように構成されてもよい。例えば、コントローラは、患者の皮膚に接着して添着されるように構成されてもよく、(例えば、患者の頭部に設置された1つ以上の磁石を介して)患者の皮膚に磁気で取り付けられてもよく、眼鏡に組み込まれてもよく、耳の上に装着され、または別様に耳に付着するように構成されてもよく、腕時計またはブレスレットに組み込まれ、または別様にそれに連結してもよい等である。コントローラは、埋め込まれた刺激装置に近接してコントローラを設置するために適切であり得るように、こめかみ、額、眉、耳、頸部等の任意の好適な皮膚表面に対する配置のために構成されてもよい。他の変形例では、コントローラは、キーフォブ等の1つ以上の手持ち式デバイスを備えてもよい。
いくつかの変形例では、コントローラは、少なくとも一時的にコントローラを患者に添着するように構成され得るパッチまたは類似構造を備えてもよい。図16Aは、患者(1606)の皮膚(1604)に接着して添着するように構成されるコントローラ(1602)を含む刺激システム(1600)の1つのそのような変形例を示す。示されるように、コントローラ(1600)は、パッチ(1608)を患者(1606)に一時的に接続し得る1つ以上の接着剤層(図示せず)を有するパッチ(1608)を備えてもよい。コントローラ(1602)は、以下でさらに詳細に説明されるように、無線信号(1612)を介してマイクロ刺激装置(1610)と通信してもよい。マイクロ刺激装置(1610)は、ひいては、本明細書の全体を通して説明されるように、患者の1つ以上の解剖学的標的を刺激するための出力信号(1614)を提供してもよい。
図16Bは、パッチ(1622)を備えるコントローラ(1620)の一変形例の断面側面図を示す。そこで示されるように、パッチ(1622)は、基層(1624)と、コントローラ回路(1626)と、被覆層(1628)と、接着剤層(1630)と、解放ライナー(1632)とを備えてもよい。解放ライナー(1632)は、接着剤層(1630)から剥離され、または別様に除去されてもよく、パッチ(1622)は、接着剤層(1630)を介して一時的にパッチ(1622)をそこに添着するように、表面(例えば、ユーザの皮膚)に対して配置されてもよい。
コントローラ回路(1626)は、基層(1624)および被覆層(1628)から分離しているものとして図16Bで示されているが、コントローラの回路は、パッチの任意の部分に組み込まれてもよいことを理解されたい。例えば、場合によっては、コントローラ回路の少なくとも一部は、パッチの1つ以上の層(例えば、基層、被覆層、接着剤層、それらの組み合わせ等)に組み込まれてもよい。パッチが基層を備える変形例では、基層(または他のパッチ層のうちの1つ)は、コントローラがそこに取り付けられたときに付加的な快適性を患者に提供し得る1つ以上のパッドまたは織物層を含んでもよい。加えて、または代替として、基層は、コントローラ回路の1つ以上の構成要素を組み込むプリント回路基板を備えてもよい。
パッチ(1622)は、被覆層(1628)を有するものとして図16Bで示されているが、パッチはいかなる被覆層も持つ必要がないか、または複数の被覆層を有してもよいことを理解されたい。パッチが1つ以上の被覆層を備える変形例では、被覆層は、1つ以上の有用な機能を提供してもよい。場合によっては、被覆層は、シリコーン、ラテックス、パリレン、1つ以上のプラスチック等の材料(軟質デュロメータ材料であり得る)を含んでもよく、コントローラ回路等の1つ以上のデバイス構成要素を保護するように構成されてもよい。被覆層は、場合によっては、付加的な快適性を患者に提供するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、被覆層は、パッチの偶発的な除去を防止するように構成されてもよい。加えて、または代替として、パッチは、パッチの気密性を維持するか、および/またはデバイス内で生成される電圧から患者を絶縁するのに役立ち得る絶縁被覆層(例えば、ラテックス、パリレン等でできた層)を備えてもよい。加えて、または代替として、パッチは、コントローラによって生じさせられる磁場を強化し、または方向付け得るか、および/または渦電流損失を低減させ得る層を備えてもよい。これらの層は、1つ以上のフェライト、パターン化されたフェライト等を備えてもよい。
いくつかの変形例では、被覆層は、コントローラ回路の異なる構成要素の間に配置されてもよい。例えば、図44は、パッチ(4400)の1つのそのような変形例の分解図を示す。そこで示されるように、パッチ(4400)は、回路基板(4402)と、反射層(4404)と、コイル(4406)とを備えてもよい。反射層(4404)は、回路基板(4402)とコイル(4406)との間に設置されてもよく、出力信号の生成中にコイル(4406)によって作成される磁場から回路基板(4402)の構成要素を遮蔽するように構成されてもよい。例えば、反射層(4404)は、回路基板(4402)の回路構成要素において作成され得る渦電流を最小化してもよい。加えて、反射層(4404)は、反射層(4404)から離して生成された磁場を成形し、または別様に方向付けてもよく、それが埋め込まれたマイクロ刺激装置への電力伝送を増加させ得る。パッチ(4400)は、本明細書の全体を通してさらに詳細に論議されるように、1つ以上の接着剤層または他の層を備えてもよい。
パッチ構成要素のうちの1つ以上は、可撓性であり得るか、および/または少なくとも部分的に患者の輪郭に一致するように構成されてもよいことを理解されたい。例えば、コントローラの回路は、可撓性基材または層(例えば、フレキシブル回路基板)に組み込まれてもよい。パッチが1つ以上のパッドまたは織物層を備える変形例では、これらの層は、可撓性であり得る。パッチはまた、1つ以上の半透明材料から形成されてもよく、または患者の皮膚の色合いに合致するように着色されてもよく、それがパッチをあまり目立たなくさせ得る。
上記で論議されるように、パッチは、コントローラを表面に添着するための1つ以上の接着剤層を備えてもよい。いくつかの変形例では、接着剤層は、接着剤の一方の側面が1つ以上のパッチ構成要素(例えば、織物層、プリント回路基板等)に接着し、接着剤の他方の側面が皮膚に接着する両面接着剤を備えてもよい。接着剤層は、任意の好適な時間量にわたって持続するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、接着剤層は、1時間以上(例えば、1時間、4時間、8時間等)、1日以上(例えば、1日、2日、3日等)、または1週間以上(例えば、1週間、2週間等)持続するように構成されてもよい。本明細書で説明されるパッチは、解放ライナーをさらに備えてもよいが、必要であることはない。解放ライナーを備える変形例では、解放ライナーは、ワックスで被覆した紙、または一時的に接着剤層を覆う他の材料を含んでもよい。解放ライナーは、接着剤層の表面を露出するように剥離され、または別様に除去されてもよく、それにより、接着剤層が皮膚または別の所望の表面に対して配置されることを可能にする。いくつかの変形例では、コントローラは、解放ライナーの除去がデバイスの1つ以上の機能を起動するように構成されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、解放ライナーの除去は、以下でさらに詳細に説明されるように、時限出力信号の生成を開始してもよい。
上述のように、いくつかの変形例では、パッチは、複数の接着剤層を備えてもよい。図16Cは、第1の接着剤層(1644)および第2の接着剤層(1646)を有するパッチ(1642)を備えるコントローラ(1640)の1つのそのような実施例を示す。また、第1の接着剤層と第2の接着剤層との間に設置された第1の解放ライナー(1648)、および第2の接着剤層(1646)を覆う第2の解放ライナー(1650)も示されている。これらの変形例では、異なる接着剤層が異なる期間中にパッチ(1642)を患者に取り付けるために使用されてもよい。例えば、第2の解放ライナー(1650)は、第2の接着剤層(1646)を露出するように除去されてもよく、コントローラは、第1の期間にわたって第2の接着剤層(1646)を介して患者または他の表面に取り付けられてもよい。この期間後、第1の解放ライナー(1648)は、第2の接着剤層(1646)の残存し得るものを除去するように、および第1の接着剤層(1644)を露出するように除去されてもよい。次いで、コントローラは、第1の接着剤層(1644)を介して患者または他の表面に再び取り付けられてもよい。このようにして、複数の接着剤層は、接着剤層のうちの1つ以上がすでに使用された後でさえも、コントローラの継続使用を可能にしてもよい。例えば、いくつかの変形例では、コントローラは、それぞれの解放ライナーによって分離される複数の接着剤層を備えてもよい。患者は、解放ライナーを除去し、1つの治療期間にわたって(例えば、患者が眠っている間の夜に)コントローラを患者に取り付けるために、露出接着剤層を使用してもよい。コントローラは、治療期間後に除去されてもよく、患者がコントローラを再び取り付けることを希望するたびに、新しい接着剤層が利用されてもよい。場合によっては、解放ライナーの1つ以上の部分は、特定の接着剤層が除去されるべきである曜日を示すように標識されてもよい。
パッチが複数の接着剤層を備える変形例では、各接着剤層が同一の接着剤を備えてもよく、または異なる層が異なる接着剤を備えてもよいことを理解されたい。加えて、または代替として、接着剤層の各々は、同一の時間量で持続するように構成されてもよく、または異なる接着剤層は、異なる時間量にわたって持続するように構成されてもよい。加えて、コントローラが複数の接着剤層を覆う複数の解放ライナーを備えるとき、解放ライナーのうちのいくつかまたは全ての除去が、コントローラの1つ以上の機能を起動してもよいことを理解されたい。これらの変形例のうちのいくつかでは、各解放ライナーの除去がコントローラの機能を起動してもよい。例えば、第1の解放ライナーの除去が、第1の時限出力信号の生成を開始してもよく、第2の解放ライナーの除去が、第2の時限出力信号の生成を開始してもよい。他の変形例では、いくつかの解放ライナーの除去が、1つ以上のコントローラ機能を起動してもよい一方で、他の解放ライナーの除去は、コントローラ機能を変更しない。例えば、いくつかの変形例では、第1の解放ライナーの除去は、第1の時限出力信号の生成を開始してもよいが、後続の解放ライナーの除去は、コントローラの動作に影響を及ぼさない。
本明細書で説明される刺激システムのいくつかの変形例では、コントローラは、眼鏡に組み込まれてもよい。図17Aおよび17Bは、本明細書で説明される刺激システムとともに使用するためのコントローラの2つのそのような変形例を図示する。図17Aは、眼鏡(1704)のフレーム内に埋め込まれるコントローラ(1702)を含む刺激システム(1700)を示す。コントローラ(1702)は、埋め込まれたマイクロ刺激装置(1708)によって受信され得る出力信号(1706)を生成してもよい。埋め込まれたマイクロ刺激装置(1708)は、以下でさらに詳細に説明されるように、解剖学的標的を刺激するために使用される刺激信号(1710)を生成してもよい。コントローラ(1702)は、眼鏡の任意の好適な部分(例えば、フレーム、ブリッジ等)に組み込まれてもよい。
図17Aに示されるコントローラ(1702)は、眼鏡(1704)に埋め込まれるが、場合によっては、コントローラは、眼鏡に取り付けられてもよいことを理解されたい。例えば、図17Bは、眼鏡(1724)のフレームに取り付けられるコントローラ(1722)を備える刺激システム(1720)の別の変形例を示す。コントローラ(1722)は、眼鏡(1724)に一時的または永久的に取り付けられてもよく、任意の好適な方式で取り付けられてもよい。いくつかの変形例では、コントローラ(1722)は、1つ以上の接着剤を介して眼鏡(1724)に取り付けられてもよい。他の変形例では、コントローラ(1722)は、眼鏡(1724)にクリップで留めるか、または別様に機械的に接続するように構成されてもよい。場合によっては、コントローラ(1722)は、眼鏡(1724)の1つ以上の部分上で摺動するように構成されてもよい。コントローラが解放可能に眼鏡に取り付けられる場合において、コントローラは、眼鏡(1724)の構成要素を交換する必要なく交換されてもよい。加えて、患者が異なる眼鏡に(例えば、無色のレンズとサングラスを)切り替えることを希望する場合、解放可能に取付可能なコントローラが異なる眼鏡の間で切り替えられてもよい。コントローラ(1722)は、埋め込まれたマイクロ刺激装置(1728)によって受信され得る出力信号(1726)を生成してもよい。埋め込まれたマイクロ刺激装置(1728)は、以下でさらに詳細に説明されるように、解剖学的標的を刺激するために使用され得る刺激信号(1730)を生成してもよい。
他の変形例では、コントローラは、ユーザの耳の上または後ろに装着され得るデバイスに組み込まれてもよい。例えば、図18は、側頭骨の乳様突起領域(1804)付近で患者の耳の上に装着され得るコントローラ(1802)を備える刺激システム(1800)の1つのそのような実施例を示す。場合によっては、コントローラ(1802)は、耳に対して適所にコントローラ(1802)を保持するのに役立つように、1つ以上の接着剤を備えてもよい。コントローラ(1802)は、埋め込まれたマイクロ刺激装置(1808)によって受信され得る出力信号(1806)を生成してもよい。埋め込まれたマイクロ刺激装置(1808)は、以下でさらに詳細に説明されるように、解剖学的標的を刺激するために使用される刺激信号(1810)を生成してもよい。
なおも他の変形例では、コントローラは、耳の一部分自体に取り付けられてもよい。例えば、図19は、患者の耳に取り付けられ得るイヤリング(1904)を備えるコントローラ(1902)を含む刺激システム(1900)の1つのそのような変形例を示す。コントローラ(1902)は、埋め込まれたマイクロ刺激装置(1906)の一部分によって受信される出力信号(図示せず)を生成してもよい。埋め込まれたマイクロ刺激装置(1906)は、図7Fに関して上記で説明されたマイクロ刺激装置(723)等の解剖学的標的を刺激するために使用される刺激信号(1908)を生成してもよい。
いくつかの変形例では、コントローラは、眼瞼の下の眼の円盤に配置するように構成されてもよい。例えば、図20は、患者の上眼瞼(2008)の下の円盤に配置されたマイクロ刺激装置(2002)と、埋込型マイクロ刺激装置(2004)と、コントローラ(2006)とを含む刺激システム(2000)の一変形例を示す。コントローラ(2006)は、可撓性および/または追従性であり得、眼球および/または円盤の湾曲に合致または適応するように成形されてもよい。いくつかの変形例では、コントローラ(2006)は、再充電可能であり得る。いくつかの変形例では、コントローラ(2006)は、使い捨てであり得る。マイクロ刺激装置(2002)は、涙腺(2010)の上に設置されるものとして図20で示されているが、円盤ベースのコントローラは、任意の好適な場所に設置されたマイクロ刺激装置とともに使用されてもよいことを理解されたい。いくつかの変形例では、円盤ベースのコントローラは、患者によって装着され得るコンタクトレンズに取り付けられるか、または組み込まれてもよい。1つ以上のマイクロ刺激装置は、円盤に配置するように構成されてもよいことを理解されたい。
図21は、本明細書で説明される刺激システムとともに使用するための別の例示的な外部コントローラを描写する。そこで示されるように、刺激システム(2100)は、手持ち式デバイス(2104)を備えるコントローラ(2102)を含む。コントローラ(2102)は、埋め込まれたマイクロ刺激装置(2106)の近傍に運ばれてもよく、埋め込まれたマイクロ刺激装置(2106)によって受信される出力信号(2108)を生じさせてもよい。埋め込まれたマイクロ刺激装置は、ひいては、以下でさらに詳細に説明されるように、解剖学的標的を刺激するために使用される刺激信号(2110)を生成してもよい。手持ち式デバイスは、キーフォブ、腕時計、または別の好適な構造として構成されてもよい。
上述のように、本明細書で説明される刺激システムのいくつかの変形例は、埋込型コントローラを備えてもよい。例えば、図22は、埋込型コントローラ(2202)と、埋込型マイクロ刺激装置(2204)とを備える刺激システム(2200)の一変形例を描写する。埋込型コントローラ(2202)は、埋込型マイクロ刺激装置(2204)によって受信され得る出力信号(2206)を生じさせてもよい。埋込型マイクロ刺激装置(2204)は、ひいては、解剖学的標的を刺激するために使用される刺激信号(2208)を生成してもよい。埋込型マイクロ刺激装置(2204)が、空間が制限される標的場所に埋め込まれる場合において、遠隔に設置された埋込型コントローラ(2202)は、標的場所に設置される必要はなく、回路または他の構成要素が患者に埋め込まれることを可能にしてもよい。埋込型コントローラ(2202)は、患者の頭部に埋め込まれるものとして図22で示されているが、埋込型コントローラ(2202)は、身体の任意の好適な場所(例えば、頭部、頸部、胴体等)にあってもよいことを理解されたい。刺激システム(2200)が埋込型コントローラ(2202)を備える場合において、刺激システム(2200)は、プログラミング命令を埋込型コントローラ(2202)に提供するように構成され得る1つ以上の外部デバイス(上記で説明されたコントローラのうちの1つ以上等)を備えてもよく、および/または埋め込まれたコントローラ(2202)が再充電可能電源を備える変形例において、埋め込まれたコントローラ(2202)を再充電してもよいことを理解されたい。
なおも他の変形例では、コントローラ構成要素のうちのいくつかまたは全ては、埋込型刺激デバイスに組み込まれてもよい。例えば、いくつかの変形例では、刺激デバイスは、内部電源を有する埋込型パルス発生器を備えてもよい。図23Aは、埋込型マイクロ刺激装置(2302)を備える刺激システム(2300)の一変形例を描写する。そこで示されるように、埋込型マイクロ刺激装置(2302)は、複数の電極(2308)を備えるリード線(2306)に接続されるパルス発生器(2304)を備えてもよい。リード線(2306)は、電極(2308)が涙腺(2310)に隣接して、またはその中に設置され得るように設置されてもよいが、電極(2308)は、以下でさらに詳細に説明されるように、任意の好適な組織の付近に設置されてもよいことを理解されたい。パルス発生器(2304)は、1つ以上のバッテリまたは他の電源を備えてもよく、1つ以上の所望の解剖学的標的を刺激するように電極に印加される1つ以上の刺激パルスまたは他の信号を生じさせるように構成されてもよい。多重電極リード線(2306)を備えるものとして図23Aで示されているが、いくつかの変形例では、刺激デバイスは、1本以上の単極電極リード線を備えてもよい。
埋込型刺激デバイスが、内部電源を有する埋込型パルス発生器を備えるとき、パルス発生器は、体内の任意の好適な場所に埋め込まれてもよい。例えば、図23Bは、患者の鎖骨付近に埋め込まれたパルス発生器(2304)を有する刺激システム(2300)を示す。リード線(2306)は、パルス発生器(2304)から標的場所(例えば、涙腺)まで患者の体内において延長してもよい。他の変形例では、パルス発生器(2304)は、頭部または頸部の中に設置されてもよい。マイクロ刺激装置(2302)が埋め込まれたパルス発生器(2304)を備える場合において、刺激システム(2300)は、依然として、プログラミング命令をパルス発生器(2304)に提供するように構成され得る1つ以上の外部デバイス(上記で説明されたもの等)を備えてもよく、および/またはマイクロ刺激装置(2302)が再充電可能電源を備える変形例で、パルス発生器(2304)を再充電してもよいことを理解されたい。
上述のように、コントローラは、1つ以上の信号を埋め込まれたマイクロ刺激装置に伝送するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、コントローラによって生じさせられる出力信号は、電力をマイクロ刺激装置に提供してもよい。例えば、刺激システムが受動刺激回路(あるいは別様にバッテリまたは内部電源を含まない刺激回路)を有するマイクロ刺激装置を備える変形例では、コントローラ信号は、刺激デバイスに電力供給してもよい。刺激システムのマイクロ刺激装置が電源を備える変形例では、コントローラの信号は、マイクロ刺激装置の動作を支援するように、および/またはマイクロ刺激装置の電力供給を再充電するように、電力をマイクロ刺激装置に一時的に提供してもよい。刺激システムが埋め込まれたコントローラを備える変形例では、外部コントローラが、埋め込まれたコントローラを再充電するか、または別様にそれに電力供給するように信号を提供してもよい。
いくつかの変形例では、コントローラによって生じさせられる信号のうちの1つ以上は、情報を刺激システムの1つ以上の部分に伝送してもよい。例えば、刺激システムが埋込型パルス発生器を有するマイクロ刺激装置を備える変形例では、コントローラは、プログラミング命令(例えば、刺激パラメータ、刺激時間等)を埋込型パルス発生器に提供してもよい。同様に、刺激システムが埋め込まれたコントローラを備える変形例においては、外部コントローラが、1つ以上の制御信号または他の情報を埋め込まれたコントローラに提供するように構成されてもよい。マイクロ刺激装置が調整可能構成要素を備える変形例では、コントローラの1つ以上の出力信号が、調整可能構成要素を調整するために使用されてもよい。
図30は、本明細書で説明される刺激システムとともに使用するために好適であるコントローラ(3000)回路の一変形例の概略図を描写する。そこで示されるように、コントローラ(3000)は、電源(3002)と、入力モジュール(3004)と、コントローラ(3006)と、伝送構成要素(3008)とを含んでもよい。電源(3002)は、電圧または電流をコントローラ(3006)に提供してもよい。供給された電力は、一定の電圧もしくは電流または交流の電圧もしくは電流であってもよい。
入力モジュール(3004)は、患者、医療専門家、または他の外部源等のユーザから受信される入力に基づいて、1つ以上の入力信号をコントローラ(3006)に提供してもよい。例えば、ユーザ入力は、(涙腺等の)1つ以上の解剖学的標的に刺激を印加するかどうか、どのような種類の刺激を印加するか、および/またはどのような刺激パラメータを適用するかを示す、押下されたボタン、スライドバーに沿った入力、または何らかの他の入力であってもよい。入力信号はまた、入力モジュール(3004)の内側の論理から生成されてもよい。例えば、入力モジュール(3004)は、周期的に、ランピングされた様式で、継続的に、パターン化様式で、低いまたは減少した涙の産生、または何らかの他の状態の検出に応じて、刺激を涙腺に印加する論理を含んでもよい。いくつかの変形例では、刺激は、痛覚の活性化を防止するようにランピングされてもよい。
コントローラ(3006)は、出力信号を生成するように、電源(3002)から電力を、および入力モジュール(3004)から入力信号を受信してもよい。出力信号は、伝送要素(3008)に印加される電圧信号または電流信号であってもよい。出力信号は、入力モジュール(3004)から受信される入力およびコントローラ(3002)から受容される電力に基づいて、周波数、振幅、期間、および/または相が異なってもよい。伝送要素(3008)は、1つ以上のコイル、超音波発生器、光エネルギー発生器等のマイクロ刺激装置(図示せず)にエネルギーおよび/または情報を伝えるために好適な任意の要素であってもよい。出力信号がコイルを含む伝送要素(3008)に印加されるとき、コイルは、出力信号およびコイルに基づいて、無線周波数および振幅を有する磁気波を生成してもよい。いくつかの変形例では、コントローラ(3006)は、マイクロ刺激装置の1つ以上の動作パラメータを検出してもよい。
コントローラ(3006)は、入力部分を有するものとして図30において示されているが、コントローラは、入力部分を有する必要がないことを理解されたい。図45Aは、電源(4502)と、コントローラ(4504)と、伝送部分(4506)とを備えるコントローラ回路(4500)の別の変形例のブロック図を描写する。上記でさらに詳細に説明されるように、電源(4502)は、電力をコントローラ(4504)に提供してもよい。コントローラ(4504)は、伝送部分(4506)を介してマイクロ刺激装置に伝送され得る1つ以上の出力信号を生じさせるようにプログラムされるか、または別様に構成されてもよい。
図45Bは、直上で説明されたように、電源(4512)と、コントローラ(4514)と、伝送部分(4516)とを備えるコントローラ回路(4510)の一変形例を描写する。示されるように、電源(4512)は、コンデンサ(4520)と並列であるバッテリ(4518)を備えてもよいが、電源(4512)は、任意の好適な要素を含んでもよいことを理解されたい。この変形例では、バッテリ(4518)は、コンデンサ(4520)を継続的に充電してもよく、コンデンサ(4520)は、バッテリ(4518)の電気化学反応が、出力信号を生成するために必要とされる電流の量を提供するほど速くないときに、出力信号の生成中に電流をコントローラ(4514)に提供してもよい。電源(4512)は、再充電可能であってもよいか、またはそうでなくてもよい。
電源(4512)は、出力信号を生成し得るコントローラ(4514)に電力を提供してもよい。図45Bに示される変形例では、コントローラは、パルス発生器(4522)と、第1のトランジスタ(4526)と、第2のトランジスタ(4524)とを備えてもよい。パルス発生器(4522)は、パルス発生器(4522)がパルスを生成しているときに、電流が第1のトランジスタ(4526)のみを通って流れてもよく、パルス発生器(4522)がパルスを生成していないときに、電流が第2のトランジスタ(4525)のみを通って流れてもよいように、第1および第2のトランジスタに接続されてもよい。これは、交流電流が伝送部分(4516)において生成されることを可能にしてもよい。第1および第2のトランジスタに接続されたパルス発生器(4522)を有するものとして図45Bで示されているが、コントローラは、Hブリッジ、マイクロコントローラ等に接続されたパルス発生器を備えてもよいことを理解されたい。
コントローラ(4514)によって生じさせられる出力信号は、伝送部分(4516)を使用してマイクロ刺激装置に伝送されてもよい。伝送部分(4516)は、出力信号を伝送し得る1つ以上のコイル、超音波発生器、光源等を備えてもよい。例えば、図45Bに示されるように、伝送部分(4516)は、コイル(4530)と直列である同調コンデンサ(4528)を備えてもよい。この回路は、コントローラ(4514)によって生成されるパルスが特定の周波数(例えば、1Mhz等)で伝送されるように同調されてもよい。
図46は、周期的な振動出力信号を生成するために使用され得るコントローラ回路(4600)の別の変形例を示す。そこで示されるように、コントローラ回路(4600)は、電圧源(4602)と、抵抗器(4604)と、第1のコンデンサ(4606)と、第2のコンデンサ(4614)と、第3のコンデンサ(4616)と、バイポーラ接合トランジスタ(4608)と、伝送コイル(4610)と、チョーク(4612)とを備えてもよい。電圧源(4602)(例えば、バッテリ)は、抵抗器(4604)および第1のコンデンサ(4606)と並列に接続されてもよく、バイポーラ接合トランジスタ(4608)の基部は、抵抗器(4604)と第1のコンデンサ(4606)との間に接続されてもよい。電圧源(4602)の第1の端部はまた、伝送コイル(4610)に接続されてもよい。電圧源(4602)の第2の端部はまた、チョーク(4612)および第3のコンデンサ(4616)に接続されてもよい。バイポーラ接合トランジスタ(4608)のコレクタは、伝送コイル(4610)および第2のコンデンサ(4614)に接続されてもよく、バイポーラ接合トランジスタ(4608)のエミッタは、第2のコンデンサ(4614)、第3のコンデンサ(4616)、およびチョーク(4612)に接続されてもよい。
電圧源(4602)がコントローラ回路(4600)に接続されると、電圧源(4602)は、バイポーラ接合トランジスタ(4608)が伝導し始めるまで第1のコンデンサ(4606)を充電してもよい。バイポーラ接合トランジスタ(4608)が伝導している間、振動信号が振動磁場を生じさせるように伝送コイル(4610)を通過させられてもよい。振動出力信号の周波数は、伝送コイル(4610)のインダクタンス値ならびに第2(4614)および第3の(4616)コンデンサの容量値によって決定されてもよい。チョーク(4612)は、振動出力信号の生成中にDCバイアスを提供してもよい。振動信号は、第1のコンデンサ(4606)がバイポーラ接合トランジスタ(4608)を通して放電し、バイポーラ接合トランジスタ(4608)が伝導を停止するまで継続してもよい。この時点で、電圧源(4602)は、第1のコンデンサ(4606)を再充電し、それにより、振動出力信号の生成を繰り返してもよい。このようにして、振動信号は、電圧源(4602)が切断され、または別様に消費されるまで、設定された間隔で継続的に生じさせられてもよい。抵抗器(4604)の抵抗は、第1のコンデンサ(4606)が充電する速度を決定してもよく、それが振動出力信号の後続の管理の間の遅延を決定し得る。いくつかの変形例では、抵抗器(4604)は、遅延を変化させるように調整可能であり得る。加えて、第1のコンデンサ(4606)の電気容量が、少なくとも部分的に振動出力信号の持続時間を決定してもよい。いくつかの変形例では、第1のコンデンサ(4606)は、振動出力信号の持続時間を変化させるように調整可能であり得る。
電圧源(4602)は、振動出力信号がコントローラ回路(4600)によって生じさせられるときを決定するように、コントローラ回路に選択的に接続されてもよい。例えば、上記でより詳細に説明されるように、コントローラ回路(4600)が解放ライナーを有するパッチに組み込まれる変形例において、解放ライナーの除去が、伝送信号の周期的生成を開始するように、電圧源(4602)をコントローラ回路(4600)に接続し(または別様に回路を完成させ)てもよい。これらの変形例では、電圧源(4602)は、設定された期間(例えば、約4時間、約8時間等)にわたってコントローラ回路(4600)に電力供給し得る1つ以上のバッテリを備えてもよい。他の変形例では、コントローラは、設定された期間後(または患者からの何らかの入力時)に電圧源(4602)を切断するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、コントローラは、コントローラ回路(4602)への電圧源(4602)の接続を制御し得る1つ以上のコントローラおよび/またはユーザ入力を備えてもよい。
いくつかの変形例では、コントローラは、埋め込まれたマイクロ刺激装置(または別のコントローラ)からの任意のフィードバックとは無関係な信号を出力するように構成されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、コントローラは、(例えば、コントローラ上のボタンを押下すること、接着剤層から解放ライナーを除去すること等によって)コントローラが起動されたときに、事前設定された時間量にわたって事前設定された信号を生じさせるように構成されてもよい。いくつかの変形例では、以下でさらに詳細に説明されるように、事前設定された信号は、ユーザ入力によって修正されてもよい。
他の変形例では、コントローラは、埋め込まれたマイクロ刺激装置から受信されるフィードバックに応じて、その出力を変更するように構成されてもよい。場合によっては、コントローラは、コントローラとマイクロ刺激装置との間の不整列または他の移動に対処するよう、フィードバックに基づいてその出力を変更するように構成されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、埋め込まれたマイクロ刺激装置は、マイクロ刺激装置によって受信される信号の強度に関する情報をコントローラに伝送するように構成されてもよく、コントローラは、受信された情報に応じてその出力を変更するように構成されてもよい。他の変形例では、コントローラは、コントローラによって生じさせられる磁場内に設置される負荷を検出して測定するように構成されてもよく、測定された負荷の関数として、生じた磁場の強度を変更してもよい。加えて、または代替として、コントローラは、患者から測定される1つ以上の信号(例えば、眼の乾燥を示す信号)を受信するように構成されてもよく、測定された信号に応じて、コントローラの出力を変更するように構成されてもよい。埋め込まれたマイクロ刺激装置が1つ以上の調整可能/同調可能構成要素を備える変形例では、マイクロ刺激装置の出力を変更することは、調整可能構成要素を調整することを含んでもよい。
なおも他の変形例では、コントローラの出力強度を増加または減少させることによって患者が刺激の強度を変更することを可能にすることが望ましくあり得る。いくつかの変形例では、コントローラは、患者がコントローラの出力強度を変更するために操作し得る1つ以上のボタン、スライダ、レバー、ノブ、または他の機構を備えてもよい。他の変形例では、刺激システムは、コントローラの出力を変更するために使用され得る1つ以上の外部プログラマを備えてもよい。例えば、図21に関して上記で説明された手持ち式コントローラ(2102)は、1つ以上の他のコントローラ(例えば、埋め込まれたコントローラ)と通信し、プログラミング命令を提供するように構成されてもよい。
いくつかの変形例では、コントローラは、1つ以上の安全要素を備えてもよい。例えば、いくつかの変形例では、コントローラは、コントローラの内側の温度を測定する、温度センサを備えてもよい。これらの変形例では、コントローラは、コントローラの内側の温度がある閾値を超えるときに、動作停止するように構成されてもよい。これは、(例えば、患者がコントローラを保持しているとき、コントローラが患者に取り付けられているとき等に)コントローラが患者を負傷させ得る温度に達することを防止してもよい。
いくつかの変形例では、刺激セットは、複数のコントローラを備えてもよく、各コントローラは、異なる出力信号を生じさせるように構成される。図24は、複数の個々のコントローラを備えるコントローラセット(2400)の一変形例を示す。そこで示されるように、コントローラセット(2400)は、第1のコントローラ(2402)と、第2のコントローラ(2404)と、第3のコントローラ(2406)と、第4のコントローラ(2408)とを備えるが、コントローラセット(2400)は、任意の好適な数のコントローラを備えてもよいことを理解されたい。コントローラセット(2400)のコントローラは、患者が、ある物理的効果を達成するよう特定のコントローラを選択してもよいように、異なる刺激パラメータ(例えば、パルス幅、刺激持続時間等)を有する出力信号を生成するように構成されてもよい。例えば、第1のコントローラ(2402)は、第2のコントローラ(2404)によって生成される出力信号よりも長いパルス幅を有する出力信号を生成するように構成されてもよく、第2のコントローラ(2404)は、第3のコントローラ(2406)によって生成される出力信号よりも長いパルス幅を有する出力信号を生成するように構成されてもよい。患者は、刺激信号を埋込型マイクロ刺激装置に提供するために第2のコントローラ(2404)を使用してもよい。刺激が患者にとって強すぎる場合、患者は、第2のコントローラ(2404)を第3のコントローラ(2406)(または第3のコントローラ(2406)よりも弱い刺激信号を生じさせ得る第4のコントローラ(2408))に切り替えてもよい。逆に、第2のコントローラ(2404)によって提供される刺激が所望の物理的効果を達成しない場合、患者は、第2のコントローラ(2404)を第1のコントローラ(2402)に切り替えてもよい。
場合によっては、所定の時間量にわたって特定の刺激信号を患者に送達することが望ましくあり得る。したがって、刺激の制御された「投与量」を患者に提供するように刺激システムを構成することが望ましくあり得る。例えば、設定された期間(例えば、4時間、8時間、12時間等)にわたって刺激を提供するように刺激システムを構成することが望ましくあり得る。したがって、本明細書で説明されるコントローラは、所定の期間にわたって出力信号を生成するように構成されてもよく、それが、患者に埋め込まれたマイクロ刺激装置による、対応する刺激信号の生成をもたらし得る。
上記でさらに詳細に説明されるように、コントローラが、解放ライナーによって覆われる接着剤層を有するパッチを備える変形例において、解放ライナーの除去が、刺激療法の投与量を開始してもよい。刺激システムが受動刺激システムを有するマイクロ刺激装置を備える変形例において、上記でさらに詳細に説明されるように、刺激療法は、出力信号を生成してマイクロ刺激装置に伝送することを含んでもよい。刺激システムが埋込型パルス発生器を有するマイクロ刺激装置を備える変形例において、刺激療法は、刺激を組織に送達するようにマイクロ刺激装置に命令する1つ以上の信号を埋込型パルス発生器に送達することを含んでもよい。コントローラは、刺激療法の投与の持続時間にわたって、1つまたは複数の信号を出力し続けてもよい。場合によっては、コントローラは、設定された期間後に動作停止するか、または信号を生じさせなくなるようにプログラムされてもよい。他の場合において、コントローラの電源は、刺激療法の投与の持続時間にわたって、コントローラを電力供給するのに十分な電荷のみを有してもよい。
パッチコントローラが解放ライナーによって分離される複数の接着剤層を有する変形例において、各解放ライナーの除去が、刺激療法の異なる投与を開始してもよい。例えば、患者は、毎日、刺激療法の1回投与量を受容することが望ましくあり得る。第1日に刺激投与量を開始するために、患者が、第1の接着剤層から第1の解放ライナーを除去し、第1の接着剤層を介してコントローラを皮膚表面に添着してもよい。第1の解放ライナーの除去は、コントローラがそこに添着されている間に患者に送達され得る刺激療法の第1の投与量を開始してもよい。パッチは、第1の投与量の投与後に患者から除去されてもよい。翌日、患者は、第2の接着剤層から第2の解放ライナーを除去してもよく(刺激療法の第2の投与量を開始してもよい)、刺激療法の第2の投与量の送達を可能にするように、コントローラを皮膚表面に再添着してもよい。これは、パッチコントローラの接着剤層の各々が使用されるまで、または患者が規定数の投与量を投与するまで、繰り返されてもよい。
他の変形例では、複数の使い捨てコントローラが、刺激療法の複数の投与量を送達するために使用されてもよい。例えば、図25Aおよび25Bは、刺激療法の複数の投与量を送達するために使用され得るコントローラセット(2500)の側面図および上面図を示す。そこで示されるように、コントローラセット(2500)は、基部(2504)に取り付けられる複数の積層パッチコントローラ(2502)を備えてもよい。各パッチコントローラ(2502)は、スタックからのそのコントローラの除去を補助し得るタブ(2506)または他の構造を備えてもよい。場合によっては、各コントローラ(2502)の1つ以上の部分(例えば、タブ(2506))は、そのコントローラ(2502)の意図された使用のための時間または日で標識されてもよく、そのコントローラ(2502)は、意図された使用の時間または日のための所望の治療を提供するように構成される出力信号を提供するように構成されてもよい。例えば、7つのコントローラのセットが、月曜日から日曜日まで標識されてもよい。コントローラ(2502)のスタックは、スタックからのコントローラの除去がコントローラ(2502)を起動して、刺激療法の投与量の送達を指図する(例えば、出力信号の生成を開始する)ように構成されてもよい。スタックからのコントローラの除去はまた、パッチコントローラを患者の皮膚表面に添着するために使用され得る接着剤層を露出してもよい。コントローラが刺激療法のその投与量を完了した後に、コントローラは、除去および破棄されてもよく、刺激療法の新しい投与量を送達することが所望されるときに、新しいコントローラがスタックから除去されてもよい。
図25Aおよび25Bに示されるコントローラセット(2500)は、コントローラのスタックを備えるが、いくつかの変形例において、複数の使い捨てコントローラが直接接続される必要がないことを理解されたい。例えば、図26は、複数のパッチコントローラ(2602)が各々、基部(2604)に取り付けられているコントローラセット(2600)の別の変形例を示す。コントローラ(2602)の各々は、刺激療法の投与量の送達を指示するために基部(2604)から除去されたときに、起動するように構成されてもよく、コントローラ(2602)が基部(2604)から除去されたときに露出される接着剤層を介して患者に添着されてもよい。これらの変形例のうちのいくつかにおいて、コントローラセット(2600)は、刺激療法の異なる投与量を提供するように構成されるコントローラ(2602)を備えてもよい。例えば、セットのいくつかのコントローラは、所望の刺激に応じて、ユーザがコントローラセット(2600)から特定のコントローラを選択し得るように、異なる刺激強度および/または刺激持続時間を提供するように構成されてもよい。
上述のように、本明細書において説明されるコントローラは、使い捨てであり得るか、または再利用可能であり得る。いくつかの変形例では、コントローラは、デバイス構成要素の改ざんまたは他の修正を防止するように構成されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、コントローラの1つ以上の構成要素(例えば、バッテリ、コイル等)は、これらの構成要素のうちの1つ以上にアクセスすること、および/またはそれらを除去することにより、デバイスの機能性を無効にし得るように、コントローラ本体に溶接され、または別様にその内側に一体的に形成されてもよい。これは、ユーザが、コントローラの1つ以上の構成要素を不正に交換または修正しようとすることを防止してもよい。いくつかの変形例では、コントローラは、コントローラの1つ以上の構成要素が使い捨てである一方で、コントローラの1つ以上の構成要素が再利用可能であるように構成されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、コントローラは、コントローラ全体を交換する必要なく、バッテリ、接着剤層、またはコイル等のコントローラの1つ以上の構成要素が交換され得るように構成されてもよい。
(方法)
本明細書ではまた、組織を刺激するための方法も説明される。いくつかの変形例では、本明細書で説明される刺激システムのうちの1つ以上は、刺激を1つ以上の解剖学的標的に送達するために使用されてもよい。概して、刺激システムのマイクロ刺激装置は、患者に埋め込まれてもよく、(例えば、1つ以上の電極を介して)組織に印加される刺激信号を生成するために使用されてもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、受動刺激回路を備え、刺激信号は、コントローラによって生成される出力信号から受動的に生成される。刺激システムおよび関連方法は、1つ以上の症状を治療するために使用されてもよい。いくつかの変形例では、刺激システムは、1つ以上の眼の症状を治療するように構成されてもよい。例えば、本明細書で説明される刺激システムは、ドライアイを治療するように構成されてもよい。
例示の目的で、図27A−27Dは、患者の頭部の生体構造の種々の図を描写する。図27Aは、涙の産生および排出のための眼窩の構造を含有する生理系である涙器(lacrimalまたはlachrymal apparatus)を図示する。上眼瞼(2720)および下眼瞼(2722)を有する眼(2730)が示されている。涙器は、涙腺(2710)と、腺管(2712)と、涙点(2716)と、涙管(2718)と、鼻涙管(2724)とを含む。涙腺(2710)は、いくつかの神経によって神経支配されてもよい。これらの神経は、涙腺枝、涙腺神経、涙腺動脈の血管周囲神経、ならびに涙腺およびその関連血管系に神経を分布させる交感神経線維および神経突起を含んでもよい。涙腺(2710)は、腺管(2712)を通って眼(2730)と上(2720)および下(2722)眼瞼との間の空間に流入し得る涙液(すなわち、涙)(2714)を分泌してもよい。眼(2730)が瞬きをすると、涙液(2714)が、眼(2730)の表面を横断して広げられてもよい。涙液(2714)は、涙湖(図示せず)の中に集まってもよく、毛細管作用によって涙点(2716)に引き込まれてもよい。涙液(2714)は、涙管(2718)に進入し、鼻涙管(2724)を通って流出するように、上(2720)および下(2722)眼瞼の目頭における涙小管(図示せず)を通って流れてもよい。涙液は、鼻涙管(2724)から患者の鼻腔の中へ流出してもよい。
図27Bは、涙器の周囲の付加的な解剖学的構造を図示する。そこで示されるように、上眼瞼(2720)および下眼瞼(2722)の周縁は、マイボーム腺(2728)を含有する。マイボーム腺(2728)は、マイバム(脂質を含み、眼の涙液膜の蒸発を遅らせる油性物質)の供給に関与する皮脂腺である。また、図27Bには、涙骨の眼窩面を2つの部分に分割する垂直隆起である後涙嚢稜(2734)も示される。後涙嚢稜(2734)の前には、頭蓋骨(2740)の前頭突起(2746)と合体する縦溝がある。
涙腺窩と呼ばれ得る眼窩の中の2つの骨性くぼみがある。第1は、前頭骨の各眼窩板の内面上に位置する、平滑で凹状の浅いくぼみである。このくぼみは、涙腺を収納し、「涙腺窩」(2730)と呼ばれる。第2は、眼窩の内壁を形成する、涙骨上の平滑でより深い凹状のくぼみである。このくぼみは、涙嚢を収納し、「涙嚢窩」(2732)と呼ばれる。
眼窩上突起(2744)は、眼窩上動脈および神経のための前頭骨の中の通路である。眼窩上突起(2744)は、前頭骨の中の上および内側縁上に位置する。頭蓋骨(2740)の眼窩は、骨膜(図示せず)で裏打ちされ、眼球(2730)、眼球(2730)の運動のための外眼筋、静脈(図示せず)、動脈(図示せず)、および顔および涙腺(2710)の中へ眼窩を横断する神経(図示せず)を含有する。
外眼筋は、外直筋(2750)、内直筋(図示せず)、上直筋(2752)、下直筋(2754)、上斜筋(2756)、下斜筋(2758)、および上眼瞼挙筋(図示せず)を含む。外直筋(2750)は、鼻から離して眼球を外転させ、内直筋は、鼻に向かって眼球を内転させる。外直筋(2750)および内直筋は、水平面内のみで眼球を移動させる。上直筋(2752)、下直筋(2754)、上斜筋(2756)、および下斜筋(2758)は、垂直運動を制御する。上眼瞼挙筋は、蝶形骨(2736)上を起点とし、上眼瞼(2720)を持ち上げることに関与する。頬骨突起(2726)は、頬骨(2770)と関節動作する上顎(図示せず)からの粗い突起である。
図27Cは、頭蓋骨の正面図を示し、頭蓋骨(2740)の骨に対する眼窩の生体構造を強調する。図27Dは、頭蓋骨(2740)の左眼窩の拡大図を示す。そこで示されるように、眼窩の外部は、後涙嚢稜(2734)、眼窩上突起(2744)、前頭突起(2746)、蝶形骨(2736)、および頬骨(2770)を含む。左眼窩の内部は、上眼窩裂(2733)、下眼窩裂(2735)、涙腺窩(2780)、および涙嚢窩(2732)を含む。上眼窩裂33を通って眼窩に進入する構造は、脳神経(CN)III、IV、およびVI、涙腺神経、前頭神経、鼻毛様体神経、中硬膜動脈の眼窩枝、涙腺動脈の反回枝、上眼窩静脈、および上眼静脈を含む。下眼窩裂35を通って眼窩に進入する構造は、眼窩下神経、頬骨神経、涙腺への副交感神経、眼窩下動脈、眼窩下静脈、および翼突筋静脈叢への上眼静脈枝を含む。
図28は、本明細書で説明される刺激システムを使用して解剖学的標的を刺激するための方法のフローチャートを描写する。この方法は、以下でさらに詳細に説明されるように、ドライアイ、または1つ以上の他の症状を治療するために使用されてもよい。第1に、マイクロ刺激装置がステップ(2800)において挿入デバイスを使用して埋め込まれてもよい。マイクロ刺激装置は、上記でさらに詳細に説明されるマイクロ刺激装置のうちの1つ以上等の任意の好適なマイクロ刺激装置であってもよい。マイクロ刺激装置は、受動刺激回路を備えてもよいが、必要であるわけではない。マイクロ刺激装置が受動刺激回路を備える変形例では、受動刺激回路は、以下でさらに詳細に説明されるように、受動刺激回路によって生じさせられる刺激信号を受動的にランピングし得るランピング制御ユニットを備えてもよい。
挿入デバイスが、ステップ(2802)において患者から除去されてもよい。波形信号が、ステップ(2804)において生成されてもよい。波形信号は、コントローラの出力信号として生成されてもよい。波形は、閉ループ制御に基づいて、またはコントローラによって受信されるユーザ入力に基づいて、自動的に生成されてもよい。刺激信号が、ステップ(2806)において波形信号から生成されてもよい。刺激信号は、コントローラによって生成され、マイクロ刺激装置によって受信される出力信号に基づいて、マイクロ刺激装置によって生成されてもよい。次いで、刺激信号は、ステップ(2808)において解剖学的標的に印加されてもよい。
ステップ(2800)に関して記述されるように、マイクロ刺激装置を埋め込むとき、マイクロ刺激装置は、身体に対して任意の好適な場所に埋め込まれてもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、眼に隣接して頭蓋骨の眼窩の中に埋め込まれてもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、涙腺の周囲の中に、涙腺に近接して、涙腺の内部に、または部分的に涙腺の中に埋め込まれてもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、涙腺窩に埋め込まれてもよい。マイクロ刺激装置がドライアイを治療するために使用される場合において、マイクロ刺激装置は、以下でさらに詳細に説明されるように、涙腺組織に神経を分布させる1つ以上の神経を刺激するために使用されてもよい。
図29A−29Hは、(例えば、ドライアイの治療のために)マイクロ刺激装置が涙腺を刺激することを可能にし得る、様々な埋込場所を描写する。図29Aは、患者の頭蓋骨の眼窩内の眼の内側図を示す。図29Aの図は、図27Cで図示される図線29Aに対応する。具体的には、図29Aは、図27Cの上眼瞼(2720)および下眼瞼(2722)、上直筋(2752)、外直筋(2750)、下直筋(2754)、および涙腺(2710)とともに眼(2730)を含む。また、眼窩縁から後方および内側に突出する、厚い頑丈な板である、頬骨の眼窩突起(2742)も示されている。
図29A(および図29Bの拡大図)に示されるように、マイクロ刺激装置(2900)は、涙腺窩(2780)を形成する骨の部分と骨膜(2922)との間に設置されてもよい。健康な眼の眼窩の骨膜(2922)は、緊密に付着していてもよい。病的な眼の場合、骨膜(2922)は、緩く付着し、下の骨から持ち上げられ得る。
図29Cは、患者の頭蓋骨の眼窩内の眼の別の断面内側図を示す。図29Cの図は、図27Cで図示される図線29Cに対応する。図29Aの図は、外側であり、図29Cよりも内側である。図29Cは、上眼瞼(2720)および下眼瞼(2722)、上直筋(2725)、外直筋(2750)、下直筋(2754)、および涙腺(2710)とともに眼(2730)を含む。いくつかの変形例では、図29C(および図29Dの拡大図)に示されるように、マイクロ刺激装置(2924)は、図29Aおよび29Bに示されるように、骨膜(2922)と涙腺窩(2780)を形成する骨の部分との間に設置されてもよい。
図29Eは、患者の頭蓋骨の眼窩内の眼の別の断面内側図を示す。図29Eの図は、図27Cで図示される図線29Eに対応する。図29E(および図29Fの拡大図)に示されるように、いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置(2926)は、骨膜(2922)と涙腺(2710)との間に設置されてもよい。
図29Gは、患者の頭蓋骨の眼窩内の眼の別の断面内側図を示す。図29Gの図は、図27Cで図示される図線29Gに対応する。図29Hは、マイクロ刺激装置(2928)を有する、上眼窩の下縁の別の拡大断面図である。マイクロ刺激装置(2928)の位置は、マイクロ刺激装置(2928)が骨膜(2922)と涙腺(2710)との間に設置されて示されることを除いて、図29Cおよび29Dに示されるマイクロ刺激装置(2924)の設置に類似する。
図32は、マイクロ刺激装置(図示せず)用、またはマイクロ刺激装置の1つ以上の電極用の別のインプラントゾーン(3200)を図示する。マイクロ刺激装置またはその電極は、眼(3205)の上直筋(3202)と外直筋(3204)との間の眼窩の涙腺窩内に設置されてもよい。そこに設置されたとき、マイクロ刺激装置は、外眼筋を完全に活性化することなく、涙腺(3206)等の解剖学的標的を選択的に刺激してもよい。例えば、涙腺の刺激は、水平または垂直方向に眼球を移動させるであろう外眼筋に係合することなく、流涙または腺血管の血管拡張を生じさせることに十分であり得る。
マイクロ刺激装置またはその電極は、図27Dに示されるもの等の流涙のプロセスに特異的な解剖学的標的のうちの1つ以上へのアクセスを提供する、頭蓋骨の骨構造および領域のうちのいずれかの中に、またはそれに隣接して設置されてもよい。骨構造および領域のうちのいくつかは、限定するものではないが、蝶形骨(2736)、下眼窩裂(2735)、眼窩下孔(2762)、上顎軸(2764)、鼻上顎領域(2766)、鼻腔(2768)、涙嚢窩(2732)、後涙嚢稜(2734)、眼窩上突起の下内側面(2772)、上眼窩裂(2733)、および涙腺窩(2780)を含む。
いくつかの変形例では、図6Gに関して上記で説明されたマイクロ刺激装置(620)等の1つ以上のマイクロ刺激装置が、眼の表面上に設置されてもよい。加えて、または代替として、1つ以上のマイクロ刺激装置またはその中の電極は、1つ以上の涙点、涙管、および/または鼻涙管の中に設置されてもよい。例えば、図33は、マイクロ刺激装置(3300)が少なくとも部分的に涙管(3302)内に設置される一変形例を示す。これらの変形例では、電流が、1つ以上の求心性神経(例えば、眼表面内の求心性神経、涙管または鼻涙管内の求心性神経)に送達されてもよく、それが反射的な涙の産生をもたらし得る。マイクロ刺激装置(3300)は、上記でさらに詳細に説明されるマイクロ刺激装置のうちのいずれかであってもよく、上記でさらに詳細に説明されるように、任意の好適な方式で電力供給されてもよい。
上記で説明されたマイクロ刺激装置のうちのいずれかは、涙腺等の解剖学的標的の上に、またはそれに隣接して埋め込まれてもよいことを理解されたい。図31A−31Dは、患者の涙腺の上に、またはそれに隣接して設置されるマイクロ刺激装置の異なる変形例を図示する。図31Aは、マイクロ刺激装置(3100)の一変形例を有する患者の眼の斜視図である。マイクロ刺激装置(3100)は、図6Dに関して上記で論議されたマイクロ刺激装置(606)等の平面的で柔軟なマイクロ刺激装置であってもよい。平面的で柔軟なデバイスは、涙腺(3102)の上に、またはそれに隣接して設置されるものとして図31Aで示され、マイクロ刺激装置の表面が涙腺の表面の一部分を覆って拡張するように展開されてもよい。
図31Bは、別の例示的なマイクロ刺激装置(3104)を伴う患者の眼の斜視図である。マイクロ刺激装置(3104)は、図6Bに関して上記で論議されるマイクロ刺激装置(604)等の曲線状のマイクロ刺激装置であってもよい。曲線状のマイクロ刺激装置(3104)は、涙腺(3102)の上に、またはそれに隣接して設置され、涙腺窩等の患者の解剖学的構造に一致するように湾曲する。
図31Cは、例示的なマイクロ刺激装置(3106)を伴う患者の眼の別の斜視図である。マイクロ刺激装置(3106)は、図6Eに関して示されるマイクロ刺激装置(608)等の可撓性分割マイクロ刺激装置を備えてもよい。マイクロ刺激装置(3106)は、涙腺窩等の患者の解剖学的構造に一致し得る曲線形状を備えてもよく、上記でさらに詳細に説明されるように複数の電極(3108)を備えてもよい。
図31Dは、図42A−42Cに関して上記で説明されたマイクロ刺激装置(4200)を伴う患者の眼の別の斜視図である。そこで示されるように、マイクロ刺激装置(4200)は、第1(4206)および第2の(4208)電極が涙腺(3102)に対面するように、涙腺(3102)の上に、またはそれに隣接して設置されてもよい。場合によっては、図31Dに示されるように、マイクロ刺激装置(4200)は、第1の電極(4206)が上眼瞼(3110)に対して第2の電極(4208)の遠位にある状態で設置されてもよい。これらの変形例では、組織刺激電流が、第1の電極(4206)から外へ方向付けられてもよく、それが結膜(3112)の周囲の外部組織刺激を低減させ得る。加えて、図31Dに示されるように、マイクロ刺激装置(4200)の筐体(4202)(または別の端部)は、結膜(3112)に対して、またはその付近に設置されてもよく、それがマイクロ刺激装置の回収を促進し得る。例えば、マイクロ刺激装置(4200)の筐体(4202)は、上眼瞼(3110)が持ち上げられたときに結膜を通して可視的であるように設置されてもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置(4200)の1つ以上の部分は、マイクロ刺激装置(4200)の可視性を増加させるように着色されてもよい。マイクロ刺激装置(4200)を除去するために、医師がマイクロ刺激装置(4200)の上に横たわる結膜を切断してもよく、鉗子等の回収ツールでマイクロ刺激装置(4200)を把持してもよい。
眼窩の周囲の1つ以上の構造の中、上、または付近に埋め込まれるものとして上記で論議されるが、本明細書で説明されるマイクロ刺激装置は、任意の好適な場所に埋め込まれてもよいことを理解されたい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、刺激を1つ以上の標的神経に提供する場所に埋め込まれてもよい。例えば、マイクロ刺激装置は、(例えば、頭痛または他の疼痛を治療するために)後頭神経、(例えば、てんかん、うつ病等を治療するために)迷走神経、(例えば、勃起または性的機能不全、尿失禁等を治療するために)背側生殖器神経(dorsal genital nerve)等を刺激するように設置されてもよい。神経を刺激するために設置されたとき、場合によっては、マイクロ刺激装置の電極は、神経の神経上膜の上に、あるいは組織または線に神経を分布させる神経の部分から離れて位置してもよい。直接神経刺激装置の実施例は、円筒ポリマーシースの内壁上で担持される電極を含む神経カフである。神経カフは、刺激される神経の隔離部分と電極を直接接触させるように、神経に巻き付けられてもよい。神経の間接的刺激は、刺激される神経にごく接近しているが、直接接触していない電極を介して、低振幅電気刺激を送達することを含んでもよい。束、叢、または神経支配組織、あるいは腺の中にある神経は、他の神経または構造から隔離されない。隔離されていない標的神経または構造は、電気的選択性を使用することによって、間接的に刺激されてもよい。
他の変形例では、1つ以上のマイクロ刺激装置は、口または唾液腺の中または周囲の1つ以上の場所に埋め込まれてもよい。例えば、いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、顎下腺、耳下腺、舌下腺等の中、上、または周囲に設置されてもよい。これらの変形例では、刺激システムは、これらの解剖学的標的のうちの1つ以上に(本明細書の全体を通して説明されるような)刺激を提供して、口渇等の1つ以上の症状を治療するために使用されてもよい。マイクロ刺激装置は、任意の好適なアプローチを使用して埋め込まれてもよい。例えば、いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、舌下腺の中、上、または周囲にマイクロ刺激装置を設置するように皮下に配置されてもよい。顎下腺または舌下腺の中、上、または周囲にマイクロ刺激装置を設置するとき、マイクロ刺激装置は、口底を通して前進させられてもよく、または顎下腺アプローチを使用して前進させられてもよい。マイクロ刺激装置は、上記で説明された送達システムのうちの1つ以上を使用して前進させられてもよい。
本明細書で説明されるマイクロ刺激装置は、任意の好適な方式で送達されてもよい。本明細書では、マイクロ刺激装置を組織の領域に送達するための送達システムおよび方法が説明される。送達システムは、概して、少なくとも1つの挿入デバイスを備え、いくつかの変形例では、切開ツールを備えてもよい。マイクロ刺激装置の送達は、直接可視化および/または間接可視化(例えば、超音波、蛍光透視法等)の下で行われてもよい。図34は、マイクロ刺激装置(3402)を患者に埋め込むために挿入デバイス(3400)が使用され得る一事例を図示する。そこで示されるように、挿入デバイス(3400)は、涙腺窩付近の挿入領域を通してマイクロ刺激装置(3402)を挿入してもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置(3402)は、患者内に設置されている間、挿入デバイス(3400)内に固定されてもよい。いったん挿入デバイスが患者内の所望の場所にマイクロ刺激装置(3402)を設置すると、挿入デバイス(3400)は、患者の中でマイクロ刺激装置(3402)を展開してもよい。
図35Aは、マイクロ刺激装置(3502)を送達するために使用され得る挿入デバイス(3500)の一変形例の側面図である。そこで示されるように、挿入デバイス(3500)は、筐体(3524)と、遠位端(3526)と、デバイスシャフト(3528)とを含む。マイクロ刺激装置(3502)は、挿入デバイス(3500)の遠位端(3526)の付近に固定されてもよい。挿入デバイス(3500)は、マイクロ刺激装置(3502)が挿入デバイス(3500)に固定されている間に、涙腺等の解剖学的標的に、またはそれに隣接して、マイクロ刺激装置(3502)を設置してもよい。いくつかの変形例では、挿入デバイス(3500)は、針(例えば、12ゲージ以上の針)を含んでもよい。図35Bに示されるように、マイクロ刺激装置(3502)は、デバイスシャフト(3528)に対してデバイス筐体(3524)を引き出すことによって(またはデバイス筐体(3524)に対してデバイスシャフト(3528)を前進させることによって)挿入デバイス(3500)から解放されてもよい。いくつかの変形例では、挿入デバイス(3500)は、マイクロ刺激装置(3502)の安全かつ正確な送達を促進する場所に挿入デバイスを設置するための要素を含有してもよい。挿入デバイスは、非針のカニューレにマイクロ刺激装置(3502)を収納してもよい。
挿入デバイスは、挿入を促進する1つ以上のエネルギー貯蔵デバイス、例えば、バネを含有してもよい。挿入デバイスは、プランジャまたはボタン等の、埋め込む医師がマイクロ刺激装置の挿入または展開をトリガする要素を含有してもよい。図38は、上記で説明されたマイクロ刺激装置のうちの1つ以上であり得るマイクロ刺激装置(3802)を送達するために使用され得る挿入デバイス(3800)の1つのそのような変形例を示す。そこで示されるように、挿入デバイス(3800)は、ピストンアセンブリ(3806)、およびその中に収納されたバネ(3808)を有する、筐体(3804)と、トリガ部材(3810)とを備えてもよい。バネ(3808)に貯蔵されたエネルギーが筐体(3804)に対してピストンアセンブリ(3806)を移動させ得るように、バネ(3808)は、ピストンアセンブリ(3806)の一部分を筐体(3804)に接続してもよい。例えば、図38に示されるように、ピストンアセンブリ(3806)は、バネ(3808)が伸張され得るように後退させられてもよく、ピストンアセンブリ(3806)は、(例えば、トリガ部材(3810)を介して)コックを起こした位置で保持されてもよい。トリガ部材(3810)は、筐体(3804)に対してピストンアセンブリ(3806)を解放するように作動させられてもよい。次いで、バネ(3808)は、挿入デバイス(3800)の遠位端に向かってピストンアセンブリ(3806)を引き得る非伸張構成に向かって付勢してもよい。ピストンアセンブリ(3806)は、前方に移動するにつれて、マイクロ刺激装置(3802)を筐体(3804)から外へ前進させ、それにより、マイクロ刺激装置(3802)を送達してもよい。ピストンアセンブリ(3806)のコックを起こしたときに伸張させられるものとして図38で示されているが、場合によっては、バネ(3808)は、ピストンアセンブリ(3806)のコックを起こしたときに圧縮されるように構成されてもよい。
いくつかの変形例では、送達システムは、患者の外側からマイクロ刺激装置のための送達場所までの挿入経路を形成するために使用され得る1つ以上の切開ツールを備えてもよい。例えば、図39は、眼窩の中への挿入経路を形成するために使用され得る切開ツール(3900)の一変形例を示す。そこで示されるように、切開ツール(3900)は、基板部材(3902)と、挿入部分(3904)とを備えてもよい。挿入部分(3904)は、切開ツール(3900)が組織の中へ前進させられると組織を切断し得る切断刃(3906)をその遠位端で含んでもよい。切断刃(3906)は、単一の斜面、両斜面、丸い先端等を含んでもよい。単一の切断刃(3906)を有するものとして図39に示されているが、場合によっては、切開ツール(3900)は、前進中に切開ツール(3900)が意図された経路を維持するのに役立ち得る2つ以上の切断刃を備えてもよいことを理解されたい。いくつかの変形例では、挿入部分(3904)は、挿入中に挿入部分(3904)が頭蓋骨の骨のくぼみの周囲で湾曲することを可能にし得る曲線状部(3908)を備えてもよい。加えて、または代替として、いくつかの変形例では、挿入部分(3904)は、基板部材(3902)に対して角度を成してもよい。挿入部分(3904)と基板部材(3902)との間の角度は、任意の好適な角度(例えば、約10度から約170度の間)であってもよく、基板部材(3902)が頬または顔の別の部分によって遮断または妨害されることなく、挿入部分(3904)を用いた眼窩へのより容易なアクセスを医師に許可してもよい。図39に示される切開ツール(3900)の変形例では、基板部材(3902)は、切開ツールがハンドル(例えば、メスのハンドル、挿入デバイス等)に接続されることを可能にし得る、開口(3910)を備えてもよい。他の変形例では、切開ツールは、基板部材に一体的に接続されるハンドルを備えてもよい。加えて、または代替として、いくつかの変形例では、切開ツール(3900)の一部分は、前進中に振動して、組織の切断に役立つように構成されてもよい。
図40A−40Dは、本明細書において説明される送達システムを使用して、マイクロ刺激装置が涙腺の上に、またはそれに隣接して配置され得る方法を図示する。最初に、上眼瞼(4002)が、図40Aに示されるように、眼(4000)に対して持ち上げられてもよく、それが結膜を暴露し得る。いくつかの変形例では、眼瞼は、手で、または1つ以上のツールを使用して保持されてもよい。いくつかの変形例では、挿入デバイスまたは切開ツールは、持ち上げられた構成で眼瞼を保持し得る1つ以上の構成要素を備えてもよい。医師は、視覚的に、および/または1つ以上の間接的な視覚化を使用して、涙腺の場所を特定して、図40Bに示されるように、結膜を切断し、涙腺(4004)と眼窩(4006)との間に挿入経路を形成するために切開ツール(4008)を前進させてもよい。切開ツール(4008)は、図39に関して上記で説明された切開ツール(3900)等の任意の好適な切開ツールであってもよい。いくつかの変形例では、切開ツール(4008)は、それが骨膜(図示せず)の一部分を切り開き、挿入経路が骨膜と眼窩(4006)との間に形成されるように前進させられてもよい。他の変形例では、切開ツール(4008)は、それが骨膜を切り開かず、挿入経路が骨膜と涙腺(4004)との間に形成されるように前進させられる。なおも他の変形例では、挿入経路は、涙腺(4004)の一部分の中に形成されてもよく、それは、マイクロ刺激装置の一部分が涙腺内に設置されることを可能にし得る。
いったん挿入経路が形成されると、挿入デバイス(4010)が挿入経路を通して前進させられてもよい。いくつかの変形例では、切開ツール(4008)は、挿入デバイス(4010)を前進させる前に、部分的または完全に引き出されてもよい。いくつかの変形例では、挿入デバイス(4010)は、図40Cに示されるように、少なくとも部分的に挿入経路に挿入デバイス(4010)を導入するように、切開ツール(4008)に沿って前進させられる。いったん挿入デバイス(4010)が適所状態にあると、マイクロ刺激装置(4012)が、挿入デバイス(4010)から挿入経路の中へ送達されてもよく、送達ツールが、図40Dに示されるように除去されてもよい。いくつかの変形例では、挿入デバイスは、挿入経路に導入されなくてもよいが、代わりに、切開ツール(4008)上で挿入経路の中へマイクロ刺激装置(4012)を押し込むか、または別様に前進させてもよい。
切開ツール(4008)は、挿入デバイス(4010)から分離しているものとして図40A−40Dにおいて示されているが、いくつかの変形例では、挿入デバイスは、挿入経路を作成し得る切開ツール構成要素を備えてもよいことを理解されたい。他の変形例では、切開ツールがマイクロ刺激装置を送達するよう構成されるように、切開ツールは、マイクロ刺激装置を収納および放出するように構成されてもよい。
いくつかの変形例では、送達システムは、送達システムの1つ以上の切開ツールおよび/または挿入デバイスを方向付けるか、または別様に設置することに役立つような誘導要素を備えてもよい。例えば、図41は、本明細書で説明される送達システムとともに使用するために好適である誘導要素(4100)の一変形例を描写する。そこで示されるように、誘導要素(4100)は、基部(4101)と、そこから延長するガイドカニューレ(4102)とを備えてもよい。ガイドカニューレ(4102)は、1つ以上の送達ツール(例えば、切開ツール、挿入デバイス等)がそこを通して前進させられ得るように、ガイドカニューレ(4102)および基部(4101)を通って延長する管腔(4104)を備えてもよい。基部(4101)は、ガイドカニューレ(4102)をマイクロ刺激装置のための挿入部位と整列させるために、患者の1つ以上の表面上に(例えば、眼を覆って、額の上、頬の上、それらの組み合わせ等)に設置されてもよい。いくつかの変形例では、基部に対するガイドカニューレ(4102)の角度またはピッチは、調整可能であり得る。いったんガイドカニューレ(4102)が、マイクロ刺激装置のための意図された挿入部位と整列させられると、上記でさらに詳細に説明されたように、1つ以上の送達ツールが、マイクロ刺激装置を挿入部位に送達するように管腔(4104)を通して前進させられてもよい。送達ツールが管腔(4104)を通過させられると、ガイドカニューレ(4102)は、挿入部位に対して送達ツールを整列させるように作用してもよい。これは、組織に対してマイクロ刺激装置のより正確な配置を提供することに役立ってもよい。加えて、身体の1つ以上の構造(例えば、眼)を覆って配置されたとき、基部(4101)は、これらの身体構造を保護してもよく、組織への意図しない損傷を防止してもよい。
マイクロ刺激装置の配置中またはその後のいずれかにおいて、医師は、刺激システムの1つ以上の刺激パラメータを試験してもよい。例えば、マイクロ刺激装置、送達システムに組み込まれた1つ以上の電極、経皮針刺激装置等を使用して、試験信号が患者に印加されてもよい。医師は、涙の産生、不快感、感覚等の試験信号の1つ以上の成果を評価してもよく、デバイスの刺激パラメータおよび/または配置を変更してもよい。例えば、いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、試験信号が十分な涙の産生をもたらさない場合、または試験信号が患者に不快感をもたらす場合に、再配置されてもよい。加えて、または代替として、1つ以上の刺激パラメータ(例えば、パルス幅、振幅等)は、試験信号の結果に応じて調整されてもよい。いくつかの変形例では、これは、上記でさらに詳細に説明されるように、マイクロ刺激装置の1つ以上の調整可能要素を調整することを含んでもよい。マイクロ刺激装置の刺激パラメータおよび/または配置は、所望の刺激成果を達成するために必要に応じて繰り返されてもよい。
いったんマイクロ刺激装置が身体に対して適所状態にあると、マイクロ刺激装置は、刺激を1つ以上の組織に送達するために使用されてもよい。例えば、ドライアイを治療するために使用されるとき、刺激が涙腺に印加されてもよい。刺激は、涙腺に神経を分布させる1つ以上の神経を選択的に刺激してもよい。いくつかの変形例では、刺激は、涙腺に神経を分布する1つ以上の神経しか刺激しない。他の変形例では、刺激は、涙点、涙管、および/または鼻涙管の中、またはその周囲の組織に印加されてもよい。
上記で説明された神経または組織のうちの1つ以上を刺激するとき、上記で論議される眼筋を刺激することなく、これらの神経を刺激することが望ましくあり得る。自律遠心性線維が、感覚求心性線維およびAデルタ疼痛線維よりも選択的に刺激されてもよい。遠心性線維は、C疼痛線維よりも選択的に刺激されてもよい。いくつかの変形例では、疼痛線維よりも遠心性線維を刺激するパルス幅を選択することが望ましくあり得る。これらの変形例のうちのいくつかにおいて、短いパルス幅(例えば、50μ秒〜300μ秒)を使用した刺激が、遠心性線維に向かって刺激を付勢してもよい。
マイクロ刺激装置によって生じさせる刺激信号は、パルス振幅、パルス幅、およびパルス周波数を含んでもよい。パルス振幅、パルス幅、またはパルス周波数のうちの1つ以上は、治療期間にわたって変化させられてもよい。刺激信号は、約500μΑから約25mAの間のパルス振幅を有する電流を含んでもよい。刺激信号は、約2Hzから約200Hzの間のパルス周波数を有してもよい。パルス周波数は、約30Hzから約40Hzの間であってもよい。刺激信号は、約50μ秒から約2000μ秒の間のパルス幅を有する電流を含んでもよい。いくつかの変形例では、刺激は、測定された変数に応じて調整されてもよい。刺激信号は、間欠的に連発して(in bursts)送達されてもよく、約100μ秒から約1000μ秒の間のパルス幅を有する電流を含んでもよい。これらの刺激パラメータを使用した刺激は、本明細書で説明されるように、ドライアイを治療するために使用されてもよい。
刺激は、パターンで送達されてもよい。パターン化刺激は、患者の快適性を確保するために使用されてもよい。パターン化刺激は、刺激の有効性を確保するために使用されてもよい。刺激は、規則的または不規則的な間隔で周期的に送達されてもよい。刺激バーストは、規則的または不規則的な間隔で周期的に送達されてもよい。刺激振幅、パルス幅、または周波数は、刺激の経過中に修正されてもよい。例えば、刺激振幅は、ある期間にわたって、低い振幅からより高い振幅までランピングされてもよい。刺激振幅は、ある期間にわたって、高い振幅からより低い振幅までランピングされてもよい。刺激パルス幅は、ある期間にわたって、低いパルス幅からより高いパルス幅までランピングされてもよい。刺激パルス幅は、ある期間にわたって、高いパルス幅からより低いパルス幅までランピングされてもよい。ランピング期間は、1秒から15分の間であってもよい。ランピング期間は、5秒から30秒の間であってもよい。刺激は、夜間に送達されてもよい。刺激は、夜間のみに送達されてもよい。刺激は、標的組織における活性を遮断するように、非常に高い周波数のパルスから構成されてもよい。これらの非常に高い周波数のパルスは、1,000Hzから100,000Hzの間の周波数であってもよい。
上述のように、マイクロ刺激装置によって提供される刺激は、コントローラによって生じさせられる出力信号に応じて生成されてもよい。これらの変形例では、コントローラは、コントローラの出力信号を開始させるように起動されてもよく、コントローラは、出力信号をコントローラに伝送するようにマイクロ刺激装置の受信部分の付近に運ばれてもよい。いくつかの変形例では、これは、コントローラを生体構造の一部分に接続すること、または別様に添着することを含んでもよい。例えば、マイクロ刺激装置が涙腺の中、上、または周囲に設置される変形例においては、コントローラは、患者の眼空洞の付近に設置されてもよい。例えば、コントローラがパッチを備える変形例では、パッチは、患者のこめかみ、眉、額、頬、または他の好適な場所の上に設置されてもよい。パッチは、(上記でさらに詳細に説明されたような)接着剤を介して、(患者内に設置された1つ以上の磁石に取り付けられ得る)コントローラの中の1つ以上の磁石を介して、適所に保持されてもよい。刺激システムが埋め込まれたコントローラを備える変形例では、コントローラは、定期的に出力信号を出力するようにプログラムされてもよく、および/または外部プログラマから受信される信号に応じて出力信号を生じさせるように構成されてもよい。
本明細書で説明される刺激システムが、涙腺等の上記で記載された解剖学的構造のうちの1つを刺激することによってドライアイを治療するために使用されるとき、最初に、本明細書で説明される刺激システムの使用が患者に適切であるか否かを評価することが望ましくあり得る。例えば、一部の患者においては、涙腺が涙を分泌できない程度まで、取り返しがつかないほど損傷され得る。これらの変形例では、涙腺が涙を分泌することが可能であるか否かを評価するために検査が行われてもよい。いくつかの変形例では、1つ以上の刺激信号が、マイクロ刺激装置の送達の前または間に涙腺に投与されてもよい。例えば、経皮的皮膚刺激装置または経皮針刺激装置が、試験信号を涙腺に提供するために使用されてもよく、医師または他のユーザが、患者からの生理学的反応(例えば、涙の産生)を評価してもよい。試験信号は、試験信号の投与が患者から生理学的反応を生じさせる場合に、本明細書で説明される刺激システムを使用した治療が、その患者に適切であるように構成されてもよい。患者へのマイクロ刺激装置の送達中に、1つ以上の試験信号が投与され得るように、1つ以上の電極は、上記で説明された挿入デバイスのうちの1つ以上に組み込まれてもよいことを理解されたい。
上記で説明された刺激システムおよび方法が、ドライアイを治療するために使用されるとき、刺激電流によって提供される刺激は、涙腺を修復するように構成されてもよいことを理解されたい。これらの変形例では、経時的に涙腺の機能を改善するように、治療計画が涙腺に供給されてもよい。場合によっては、治療計画は、所定の時間に涙腺を刺激すること(例えば、毎日の刺激)等を含んでもよい。マイクロ刺激装置によって提供される刺激は、上記で詳細に説明されるもの等の任意の好適な刺激パラメータを含んでもよい。
上記で説明された方法は、電気刺激を1つ以上の解剖学的組織に送達することについて論議するが、刺激システムは、加えて、または代替として、1つ以上の化学、光、磁気、熱、および/または音響刺激を使用して、組織を刺激してもよいことを理解されたい。例えば、上記で説明された方法がドライアイを治療するために使用されるとき、加えて、または代替として、1つ以上の薬物または活性薬剤を(涙腺等の)上記でさらに詳細に説明される解剖学的構造のうちの1つ以上に提供することが望ましくあり得る。送達される薬剤は、任意の好適な薬剤または薬剤の組み合わせ(ピロカルピンまたは1つ以上の副交感神経薬等)であってもよく、任意の好適な方式で送達されてもよい。いくつかの変形例では、マイクロ刺激装置は、そこから1つ以上の薬物または活性薬剤を放出するように構成されてもよい。加えて、または代替として、薬物放出インプラントが、涙腺、涙腺窩、円盤、涙管、(例えば、コンタクトレンズを介して)眼に送達されてもよい。例えば、1つ以上の薬剤(例えば、ピロカルピン)を含む1つ以上の生分解性デポが、涙腺の中、上、または付近に埋め込まれてもよい。1つまたは複数のデポは、1つ以上の生分解性ポリマー(例えば、PLA、PLGA、それらの組み合わせ等)を含んでもよく、ある期間(例えば、1週間、2週間、1ヶ月等)にわたって、1つ以上の薬剤を放出するように構成されてもよい。付加的なデポが、涙腺への1つ以上の薬剤の投与を延長するように埋め込まれてもよい。
いくつかの変形例では、本明細書で説明される方法は、加えて、光刺激を涙腺等の解剖学的標的に提供することを含んでもよい。例えば、光刺激は、薬物(上記で説明されたインプラントのうちの1つ以上から放出される薬剤等)の光電活性化、Vanderbilt/Jensen技法等を使用した赤外線刺激、あるいは光遺伝学技法を使用した治療を含んでもよい。いくつかの変形例では、本明細書で説明される方法は、加えて、磁気刺激を1つ以上の解剖学的標的に提供することを含んでもよい。例えば、いくつかの変形例では、1つ以上の外部磁場が、組織において電流を誘導するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本明細書で説明される方法は、ある組織の治療を活性化するか、または別様に支援するように、その組織の中または周囲の温度を上昇または低下させることを含んでもよい。なおも他の変形例では、本明細書で説明される方法は、超音波または他の音響エネルギーを解剖学的標的に提供することを含んでもよい。
上記で説明された刺激システムおよび方法は、いくつかの症状を治療するために使用されてもよい。例えば、本明細書で説明される刺激デバイスは、眼の中または周囲の1つ以上の組織を刺激して、限定するものではないが、アレルギー、弱視、ベル麻痺、眼瞼炎、角膜潰瘍、眼の閉塞、眼のけいれん、黄斑円孔、眼振、眼性片頭痛、眼の酒さ、視神経炎、羞明、瞼裂斑、翼状片、下垂症、斜視、ブドウ膜炎、結膜炎、糖尿病性網膜症、緑内障(例えば、毛様体/神経刺激を介する)、円錐角膜、黄斑変性症、黄斑ジストロフィ、高眼圧症、網膜色素変性症、スタルガルト病、複視、遠視、近視、および老眼を含む、1つ以上の症状を治療するために使用されてもよい。