JP3493196B2 - 神経刺激による神経精神障害の治療 - Google Patents

神経刺激による神経精神障害の治療

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は患者の所定神経または神経束に変調電気信号
を加えて疾患、精神障害または神経障害を治療またはコ
ントロールする方法および装置に関するものであり、特
に、埋込み式の神経刺激装置を用いて迷走神経の求心性
腺維(vagus nerve afferent fiber)の活動を選択的に
電気刺激することによって患者の神経精神障害(neurop
sychiatric disorders)を有する患者を治療する方法に
関するものである。本発明は特に迷走神経活性を選択的
に変調させることによって精神分裂症、鬱病、境界人格
異常等の神経精神異常の症状を治療するものである。
精神分裂症は心理的な原因によってのみ起こるものと
考えられていたが、神経生物学と精神薬理学の進歩によ
ってこの病気が本来器質性のものであることが明らかに
なった。この器質性の病因説は精神分裂症患者の電気生
理学的な研究によって裏付けられている。完全に矛盾が
無いというわけではないが、脳波(EEG)を用いた研究
ではこれらの患者に異常が見つかることが多い。また、
精神分裂症と癲癇との間には幾つかの相似点が見出され
ている。
ミューラー(Meuller)はPsych.Res.(1989)29:419
−420において、急性の精神病発作中に左側の中央−側
頭部領域にβ波(17.5Hz)活性の増加が見られるが、発
作の前後ではEEGの周波数分布は正常であることを報告
している。
ウィリアムソン(Williamson)達は、Can.J.Psych.
(1989)34:680−686において、EEGマッピングによる研
究を再検討して異常の存在を報告している。その幾つか
は非対称の高速活性が見られ、他は原則として低速化で
ある。
ケシャヴァン(Kechaven)はComprehensive Psych.
(1990)30(1):34−47において、精神分裂症患者の
睡眠中のEEGの研究から一貫した異常が示されること、
精神分裂症に特異的ではないが患者は睡眠の連続性が損
なわれて合計の睡眠時間が減少していることを示してい
る。しかし全ての患者がこのような異常を示したわけで
はないと報告している。
グルゼリエ(Gruzelier)達はInt.J.Psychophysiol.1
990,8:275−282において、正常な被験者ではEEGスペク
トラムのβII領域のパワーは特定の精神的機能に関する
大脳皮質領域で減少し、この限局的なパワー低下は視床
皮質のEEG非同期化応答と一致することを報告してい
る。
ディール(Diehl)はPsychopathol.1989,22:65−140
において、急性の精神病発作は側頭葉癲癇の現れである
可能性を示唆し、発作間と同様、癲癇性の発作中にも障
害が存在するという考えを示した。
キド(Kido)達は、Japan J.Psych.Neurol.(1989)4
3:433−438において、発作後に精神分裂症のような状態
にある6人の患者について議論している。
アルディラ(Ardilla)達は、Intern.J.Neuroscience
において、精神病として治療を受けた患者が複雑で部分
的な癲癇性の状態(complex partial status epileptic
us)を有することを3つのケースで報告している。
鬱病の場合も、神経生物学および神経薬理学の発展に
よって主たる鬱病障害および二極性の鬱病(bipolar de
pression)は精神病というよりむしろ生物的なものであ
るという多くの証拠が得られている。
脳の神経刺激物の不足が鬱病と関連付けられている。
特に、スターク(Stark)達がJ.Clin.Psychopharmacol.
(1985)46[3,sec.2]:7−13の概論で述べているよう
に、鬱病患者ではセロトニンとその代謝物の濃度が異常
に低いことが見出されている。数種類のセロトニン吸収
阻害剤(シナプスにおけるセロトニンの量を増加させ
る)が効果的な抗鬱剤であることが示されている。
セロトニンは動物(Kilpatrick et al.Eur.J.Pharmac
ol.(1989)159:157−164)および人間(Reynolds et a
l.Eur.J.Pharmacol.(1989)174:127−130)の迷走神経
の脳幹突起に含まれることが知られている神経伝達物質
である。従って、迷走神経活性の増加は脳におけるセロ
トニンの放出の増加と関係すると考えることができる。
鬱病が生物学的なものに基づくという結論は多くの電
気生理学およびホルモンの研究によっても裏付けられて
いる。
Biol.Psychiatry(1990)27:757−780のポロック(Po
llock)達の論文では、起きている状態の鬱病患者の研
究を再検討した結果、対照例と比較してαおよびβ活性
の上昇が報告されている。δおよびθ周波数範囲の上昇
が見られることもあった。特に同時に不安障害を有する
患者でβ活性の上昇が目立つことも認められた。
ビュイセ(Buysee)達はArch.Gen.Psych.(1988)45:
568−575において、元来鬱病であって副次的に痴呆症で
ある患者の睡眠中のEEGは、本来痴呆症であって副次的
に鬱病の患者よりも急速な眼球運動(REM)のパーセン
テージが高く、より段階的なREM活性(phasic REM)お
よび強度が見られたと報告している。
睡眠と鬱病との間には強い関係があることが見出され
ている。鬱病の最も有効な治療の1つに睡眠を取らせな
いというものがあるが、これは実用的な長期治療法では
ない。精神分裂症と同様、鬱病と発作との間にも関係が
あるものと思われる。データの大部分が、抗痙攣剤化合
物が癲癇病のプロセスとは関連づけられていない各種の
精神病症候群において一定範囲の治療効果を有すること
を示唆している。神経興奮性および/または調節障害の
病的度合いは目立った行動の変化に現れ、この行動の変
化は同時に発作障害が発生していない場合でも抗痙攣剤
によって治療できる。
電気ショック療法(ECT)を用いて発作を起こすのが
急性憂鬱性障害の基本的な治療方法である。ETCは三環
式抗鬱剤を用いた伝統的な精神薬理学的治療方法と同等
またはそれより優れていると思われる。ECTの効果の正
確なメカニズムは完全には判っていないが、発作に関連
して同時に起こる放出によって脳内部でおこる生化学的
な変化に関係するものと見られている。抗鬱剤は発作を
引き起こすことなく類似の変化を作り出している可能性
がある。
カルバマゼピンのようなある種の抗痙攣剤は精神障害
に使用される。いくつかの研究によって癲癇に関係する
情緒的な精神分裂症に類似の兆候がカルバマゼピンによ
って劇的に回復することが示された。癲癇ではないが非
特異的なEEG異常を持つ目立った精神障害を患っている
患者もこの薬剤に対して好ましい反応を示した。このグ
ループでは暴力的な行動、過敏性、精神不安定、鬱病、
心の動揺および無感情の改善が報告されている。従っ
て、抗痙攣剤化合物は癲癇障害の治療での臨床利用に加
えて、神経精神症候群において広範囲の臨床活性を有す
るものと思われる。
境界人格異常はあまり理解されていないが、精神分裂
症および鬱病と重複する精神障害と認識されている。患
者はflorid psychlsisあるいはouvert depressionなし
ではほとんど機能しないことが多い。
ラーメイヤー(lahmeyer)達は、J.Clin.Psych.(198
9)50(6):217−225において、境界人格異常の患者の
睡眠機構は、REM潜伏が減少してREM密度が増加して妨害
されることを報告している。これは患者が同時に鬱病を
患っている時や感情障害の病歴または家族に精神機能障
害の病歴がある時に当てはまることが判っている。睡眠
異常は感情障害のそれに類似であると報告されている。
神経刺激を含む本発明の神経精神障害の治療法につい
て説明する前に、既に分かっている知識を説明する。人
の神経は寸法の違った数千本の腺維で構成され、一般に
A群、B群およびC群で表される。各腺維は脳および体
内の他の部分へ、またはその逆方向へ信号を伝送する。
迷走神経は3つの異なる形式の約100,000本の腺維(軸
索)を有し、その各々が信号を伝送する。正常な状態で
は神経の各軸索は1方向にだけ伝送する。AとBの腺維
はミエリン化、すなわち主に脂肪で構成されたミエリン
鞘(myelin sheath)を有し、C腺維はミエリン化され
ていない。
ミエリン化されたA腺維とB腺維はミエリン化されて
いないC腺維に比べて一般に大型で伝導速度が速く、電
気刺激閾値がはるかに低く、特定の幅と振幅とを有する
刺激パルスに対して特定の強度−時間曲線を示す。
A腺維とB腺維は比較的狭いパルス幅、例えば50〜20
0μsで刺激される。A腺維はB腺維よりもわずかに速
い導電性を示し、わずかに低い電気刺激閾値を示す。C
腺維の活性化にはより幅が広く(例えば300〜1000μ
s)、より振幅の高いパルスが必要になる。AとBの腺
維はさらにC腺維を刺激することなく選択的に刺激され
るが、C腺維を刺激するために必要なパルスの大きさお
よび幅ではAとBの腺維も活性化される。
通常は、神経刺激によって双方向に神経信号が活性化
される(2方向性)が、特殊な電極および波型を用いて
神経を一方へのみ選択的に刺激する(1方向性)ことも
できる。
ウッドバリー(Woodbury)は、実験的に発作を起こさ
せたラットでの迷走神経刺激作用に関する論文(Epilep
sia,1990,31(Supp 2):S7−S19)において、迷走神経
は体腔および内臓の求心性腺維(すなわちパルスを脳ま
たは脊髄などの神経中枢へ伝送する内側に向かって伝え
る神経腺維)と遠心性腺維(パルスを効果器に伝送して
それを刺激し、活性化させる外側へ向かって伝える神経
腺維)とで構成されていることを記載している。迷走神
経の大部分はC腺維であり、大部分は頸部の本体すなわ
ち神経節の所にあるセルを有する内臓の求心性腺維であ
り、その中央突起は大体、腺維を脳の各領域(例えば視
床下部、視床および扁桃体)へ送る単独路の核で終わっ
ており、他は骨髄、小脳、けつ状束核、その他の領域の
中間網状体へ続いている。
ウッドバリーはさらに、動物での迷走神経の求心性腺
維を刺激することによって検出可能なEEGの変化が全て
の領域で起こり、EEGの変化の種類および程度は刺激パ
ラメータに依存するということを記載している。チェー
ス(Chase)は迷走神経を活性化することによって脳の
ある部分のEEG活性に影響を与えることができるという
ことを見出した(Exp Neurol(1966)16:36−49)。本
出願人は、高周波数(>70Hz)の弱い刺激がミエリン化
された(AとBの)神経腺維だけを活性化した時にEEG
の同期化がおこり、刺激強度がミエリン化していない
(C)神経腺維を活性化するレベルまで大きくなった時
にはEEGの非同期化が起こると考えた。ウッドバリーは
さらに、迷走神経を刺激することによって発作および一
定の不随意運動を広範に抑制する作用が生じるというこ
とを見出した。
迷走神経を生理学的に外部から電気的に刺激すること
は癲癇や各種の不随意運動障害の治療で既に提案されて
いる。特に、1987年10月27日のザバラ(J.Zabara)の米
国特許第4,702,254号(以下、'254特許という)には、
脳の異常な神経放電パターンで特徴付けられる癲癇発作
を軽減または予防するための方法とインプラントとが記
載されている。'254特許に記載の埋め込み可能なニュー
ロサイバネティク補綴装置(Neurocybernetic prosthes
is)(NCP)はNCPジェネレータの外部電流を脳神経網に
作用する特定の抑制神経群の電気化学的特性に併せるニ
ューロサイバネティクスペクトル識別法を用いている。
抑制神経は他の神経束に埋め込まれていて、直接または
間接的かつ選択的に活性化され、NCPを高い脳神経放電
状態に合わせて痙攣または発作を制御する。この特許で
はスペクトル識別解析法を用いることによって、活性化
しようとする神経の電気化学的特性に基づいたNCPのパ
ルスジェネレータの一定の電気パラメータを選択する。
また、この特許には所望の効果を生じさせるのに最適な
NCPジェネレータの出力の印加位置は一般に脳神経、特
に迷走神経であると記載されている。
'254特許に記載されたNCPは手動または自動で活性化
されて発作期間中治療を行う。手動の場合には患者が発
作の開始時にその雰囲気を感じた時に作動させる。また
自動の場合には発作の直前または開始時にある種の状態
パラメータの瞬間的変化を検出して作動を開始させる。
また、NCPを周期的に作動して発作の発生を減らし且つ
/又は発作強度を軽減するという予防または防止法を採
用することもできる。'254特許のNCP刺激装置は患者の
胸部に埋め込まれ、選択された信号の印加位置の神経部
位に、迷走神経に沿って負の電極が脳に近く陽極が脳か
ら遠くに位置するように接続されている。
本発明の主目的は、埋め込み可能な神経刺激装置(回
路の一部のみを体内に埋め込むか、神経電極とそのリー
ドとを皮下に埋め込んで体外で用いる場合もある)を用
いて迷走神経の電気的活性を選択的に変調することによ
って、精神分裂症、鬱病、および境界人格異常を含む神
経精神障害を治療することにある。
発明の概要 本発明は、迷走神経(第10番目の脳神経)を所定の方
法で選択的に刺激し、障害の特徴に応じて患者のEEGを
主として同期化または非同期化して脳内のセロトニン濃
度を変化させ、患者の睡眠パターンを改善することによ
って、特定の神経精神障害を治療および制御する方法お
よび装置に関するものである。
一般に、正常なEEGは低電圧を示し、相対的に速い活
性を示す。EEG活性が遅くなり、高い電圧を示すことも
ある(例えば睡眠中)が、これは正常である。
本発明の装置は、神経刺激装置(埋め込み可能である
のが好ましいが、そうでなくともよい)を用いて、精神
分裂症、鬱病、境界人格異常、その他関連障害を含む神
経精神障害を選択的に治療するものである。本発明の治
療法では必ずしも障害の根本的な原因を軽減する効果は
期待できず、所定の方法で患者の迷走神経活性を変調さ
せて障害の症状を治療または緩和するものである。神経
刺激装置は患者が患っている神経精神障害を治療するた
めに必要な治療モダリティ(modality)を提供するよう
に担当医によってプログラムされる。
本発明者は例えば精神分裂症の治療に迷走神経刺激が
有効であるとの結論に達した。この結論を導いた1つの
所見は、この障害の研究においてEGGの高速な非同期
(ベータ)活性と発作性(同期性)活性の両方が報告さ
れていることである。刺激パラメータによっては迷走神
経刺激でEEGを同期化して増大したβ波の活性が存在す
る障害の治療を有効に行うことができる。第2の所見は
精神分裂症と側頭葉癲癇との間の明らかな相関である。
側頭葉は大脳辺縁系の一部であり、精神分裂症患者にお
いてはこの部分が機能不全を起こしているものと我々は
仮定している。迷走神経刺激によって、大脳辺縁系で発
生する側頭の(複雑で部分的なcomplex partial)発作
を抑えることができる。この系は相互に連結された構造
を有し、迷走神経刺激によって側頭葉に見られる有益な
効果が脳の他の部分へと伝達される。精神分裂症にも類
似の効果が得られる。この場合、治療される異常という
のは同期性の発作性(癲癇型の)放電であって、治療は
EEGを非同期化するように組まれている。
特定の神経精神障害を治療するための迷走神経変調法
は多数のファクタによって選択される。これらのファク
タには(i)どの神経腺維を変調すべきかの考慮、(i
i)非同期化を行うためのモダリティ、(iii)検出可能
で変調をトリガするのに使用可能な生理学的信号が発信
されるか否か、および/または(iv)変調後に変調の利
点が保持される「キャリーオーバー」すなわち不応期が
起きるか否か等がある。これらは特定の障害を治療する
ための刺激法を選択する際に考慮すべきファクタの全て
ではないし、必ずしも重要な順に挙げたものでもない。
これらのファクタはある特定の場合に適用すべき考慮点
を示したものである。
本発明の治療では、種々の信号パラメータと閾値曲線
とを用して患者の迷走神経の種々の腺維を活性化し、選
択的に変調する。神経刺激装置によって患者の迷走神経
に送られる電気信号のパルス幅と振幅を適当に設定する
ことによって、神経腺維を選択的に刺激することができ
る。B、C腺維でなくA腺維のみ、C腺維でなくA、B
腺維のみあるいはA、B、C腺維を同時に刺激できる。
しかし、この選択過程では各種の関係するファクタを考
慮しなければならない。例えば、C腺維は極めてゆっく
りと信号を伝送するので、速い刺激法に対する応答性は
あまり高くない。従って、C腺維を50Hzで刺激してEEG
の非同期活性を増加させたい場合には(例えば特定の患
者における神経精神障害治療のために)、刺激のために
短いパルス列を使用するのが賢明であろう。これは、腺
維が比較的短時間内に刺激に対して無反応になるので、
より長いパルス列を辿ることは不可能なためである。適
切な回復時間後に別の短いパルスを列を印加してさらに
治療を行うこともできる。使用する正確なパターン、例
えばオンとオフの時間の長さは各患者と治療する障害の
特性に応じて決定され、調節されよう。
加える信号の振幅と周波数範囲とを適切に指定するこ
とによって、腺維をEEGの非同期化または同期化に合わ
せて障害を治療する。EEGの非同期化は、0.1ボルトより
高いレベルで約20〜約75Hzの範囲の周波数で刺激するこ
とによって行えることが分かっている。75Hzより高い周
波数では3ボルトを越える信号が必要になる。周波数が
75Hz以上で信号が3ボルト未満の場合には、EEGの同期
化が行われる。実際に必要な電圧は電極の種類と幾何学
的形態および電極−組織インターフェースのインピーダ
ンスによって決まる。
本発明の基本的な刺激方法は大脳辺縁系、網様体およ
び海馬(側脳室の側頭部にある隆起)を含む多くの脳構
造の活性を変調させるものである。ルテッキ(Ruteck
i)がEpilepsia(1990)31(supp.2):S1−S6に記載の
ように、迷走神経は直接または間接的にこれら脳構造へ
突き出している。
本発明の刺激法は、刺激発生装置を自動的に作動させ
て、患者の迷走神経に印加されて大脳辺縁系、網様体お
よび海馬を含む脳構造の活性を変調させるのに適した電
気信号を連続的、周期的または断続的に発生させる日周
期性プログラムを用いて行うのが好ましい。例えば癲癇
型の活性を治療する場合には、同期性で高電圧の徐波を
非同期化させてバックグラウンドの非同期性活性を増大
させるように変調する。本発明の別の側面は予め指定し
た検出可能な事象が1つ以上発生した時に、選択的な変
調電気信号を患者の迷走神経に加えて治療する点にあ
る。
鬱病の場合に睡眠を取らせないというのは長期治療で
は実用的ではないが、迷走神経を刺激することによって
睡眠状態の構成を変化させて有効な抗鬱効果を作り出す
療法である。さらに、発作と鬱病の関係および鬱病(主
な鬱病障害)のECTによる治療の有効性は迷走神経刺激
を処方する上で有用である。ECTは精神障害の治療にお
ける脳の電気刺激の有効性を示すものであるが、脳に送
られる電気刺激は患者の発作を引き起こすのに十分なほ
ど強いものである。それに対して、本発明の方法および
装置による神経刺激装置によって行われる治療は元来、
ECTに比べてより安全で患者にとっても負担が少ない。
出力電流ははるかに小さく、頭蓋骨を通じて直接脳に印
加させるものではない。迷走神経刺激における特定のパ
ラメータによって、発作を起こさずに、鬱病を緩和する
のに必要な生化学的変化を生じさせるように脳活性を同
期化する。抗鬱薬によっても類似の生化学的変化を起こ
すことができる。抗鬱薬が作用する神経伝達物質の1つ
であるセロトニンも迷走神経パルスの仲介に関与してい
る。
境界人格異常の治療においても迷走神経刺激が有効で
あると思われる。なぜならば、少なくともそのような障
害には睡眠構成に異常が見られ、迷走神経の刺激によっ
て睡眠の状態を変化させることができるからである。
本発明の対象は神経刺激によって数種類の神経精神障
害のいずれかを治療するための、好ましくは埋め込み可
能な神経刺激装置を用いた装置および方法にある。迷走
神経に印加される変調信号がその他の神経信号を刺激ま
たは抑制して、興奮性または抑制性の神経伝達物質の放
出を起こす可能性があるが、本明細書ではいずれの状態
も「刺激する」という用語で表現してある。変調信号を
印加するのに好ましい神経部位は迷走神経であるが、そ
の他の1つまたは複数の神経、特に脳神経に刺激を印加
することによっても有効な治療が行われることは強調す
べきことであり、そのような治療も本発明の範囲に含ま
れる。本発明は、迷走神経刺激という特殊な技術を特定
の神経精神障害の治療のために利用するものである。
従って、本発明のより特定された目的は、患者の迷走
神経または他の脳神経に電気的な刺激を与え、選択され
た神経の全ての腺維群より特定の腺維群を活性化して患
者のEEGを選択的に同期化または非同期化し、さらに/
または障害の特性に応じてREM活性を変化させ、さらに
/または脳のセロトニン濃度を変化させることによって
神経精神障害を治療および制御する方法および装置を提
供することにある。
本発明の他の目的は、障害の症状または予め指定され
た検出可能な事象の発生を感知し、自動または手動で所
定の刺激を患者の迷走神経に加えて迷走神経活性を変調
させることによって障害を抑制する神経精神障害の治療
および制御方法を提供することにある。
図面の簡単な説明 本発明の上記目的およびその他の目的、特徴および利
点は添付図面を参照した下記の好ましい実施例の説明か
ら明らかになろう。
図1は本発明の片頭痛の治療で用いられる(パラメー
タは適当な範囲で設定)埋め込み可能な神経刺激装置の
電子パッケージ(刺激ジェネレータ)の単純化されたブ
ロック図である。
図2は患者の体内に埋め込まれた神経刺激装置の刺激
ジェネレータおよびリード/電極システムの一部を示す
簡略図である。
図3は迷走神経活性を変調するために患者の頸部の迷
走神経に埋め込まれる神経電極の一部分を示す詳細図で
ある。
図4は信号に関するパラメータを明らかにする上で有
用な刺激ジェネレータの理想化した電気出力信号波形図
である。
図5は刺激ジェネレータで用いられるEEG信号解析回
路の単純化したブロック図である。
好ましい具体例と方法の説明 図を参照すると、図1は神経刺激装置の刺激ジェネレ
ータの基本的な構成部品とそれらの相互関係のブロック
図で、図2、3はこれをインプラントにした場合の位置
とそれと組み合わされるリード/電極系の詳細図であ
る。
本発明の目的で使用される神経刺激装置の電気刺激ジ
ェネレータは、本出願と同じ譲渡人に譲渡されたヴァリ
キオ(Anthony J.Varrichio)達の1989年11月10日出願
の米国特許出願番号第07/434,985号(以下、'985出願と
いう)に開示された具体例を本明細書に記載の点で変更
および追加したものが好ましい。この'985出願の明細書
全体の内容が本発明には含まれるが、読者の便宜のため
にその一部のみを要約する。
この神経刺激装置は通常のマイクロプロセッサおよび
その他の標準的電気・電子部品を利用する。埋込み型装
置の場合には装置の状態を制御・表示するための非同期
逐次通信手段を介して患者の体外に設けたプログラム可
能な装置および/またはモニターと通信する。この神経
刺激装置にはエネルギー保持手段(疾患の医学治療用に
埋込まれる電池作動式の装置の場合に重要)と各種安全
機能を付与する手段(誤って装置をリセットされないよ
うにする手段等)とがさらに備えられている。
刺激ジェネレータ10(図1)は外科医によって患者の
体内の図4に示す胸の皮膚のすぐ下の位置に形成された
ポケット内に埋め込むのが好ましい。この神経刺激装置
には患者の迷走神経に刺激ジェネレータの出力信号(電
気刺激)を加えるためのリード装置22を有する埋め込み
可能な刺激電極(以下で詳細に説明)が含まれる。患者
の体外の構成要素には、刺激ジェネレータヘパラメータ
の変化を遠隔操作で送り、刺激ジェネレータからの信号
をモニターするためのプログラム式ワンド(光学式文字
読み取り装置)と、コンピュータと、各パラメータを調
節して刺激ジェネレータ、プログラム式ワンドおよびコ
ンピュータの間の通信を制御するためのソフトウェアと
が含まれる。これら装置外部の構成要素は図示してな
い。
刺激ジェネレータ10は、マイクロプロセッサをベース
とした論理・制御回路と共に、患者のEEGの特定の特徴
を感知して異常な活性が存在する時のみ刺激信号の自動
的な発信をトリガする検出回路を備えていてもよい。例
えば、図2、図5で説明するように、患者のEEGの特徴
を感知して治療をトリガするために表層または深層の電
極を埋め込むこともできる。この方法は精密な電極/リ
ード埋め込み手術を必要とし、スペクトル解析用の回路
および/またはプログラム可能なスペクトル認識回路ま
たはパターン認識回路を必要とする。従って、治療は連
続的または周期的あるいは断続的に行うか、患者の日周
期性リズムに従って行うのが好ましい。刺激ジェネレー
タは目的とする特定の神経精神障害を治療・制御するよ
うに迷走神経の電気活性を変調させ、選択的にパターン
化された刺激信号を発生するように設計、実行およびプ
ログラムされる。
図1に示した刺激ジェネレータ10は電池(または電池
群)12を有しており、この電池12は埋込み式の医療用電
子装置を駆動するのに通常用いられる信頼性の高い長時
間持続型の電池、例えば単一のリチウムチオニルクロラ
イドセルにすることができる。電池12の端子は電圧調節
器13の入力側に接続されており、電圧調節器13は電池の
出力を平滑化して乱れのない一定の出力電圧を出し、特
殊用途では電圧倍増、分割等を行う。
電圧調節器13は論理・制御部15へ電力を与える。この
論理・制御部15はマイクロプロセッサ(図示せず)を備
え、装置のプログラム可能な関数を制御する。プログラ
ム可能な関数は、出力電流または電圧、出力信号周波
数、出力信号パルス幅、出力信号オン時間、出力信号オ
フ時間、迷走神経活性を連続的または周期的に変調する
ための毎日の処理時間、出力信号開始遅延時間等を含む
ジェネレータによって発信されるパルスシーケンスのパ
ラメータである。これらがプログラム可能であることに
よって、出力信号を刺激電極の組また列25(図2、図
3)に合わせて選択的に調整して印加することができ、
それによって慢性的な痛みの治療(抑制)に必要な迷走
神経の電気活性の変調を行うことができる。刺激ジェネ
レータの論理・制御関数用のタイミング信号は水晶発振
器16で作られる。患者がジェネレータを手動で操作でき
るようにするために磁気的に作動されるリードスイッチ
14を設け、これを電子パッケージ内またはインプラント
位置のすぐ近くに図示していない外部磁石で作動する。
埋め込まれた刺激ジェネレータと外部電子部品(プロ
グラミング装置、モニタ装置の両方を含む)との間の通
信は組み込みアンテナ17で行われ、神経刺激装置はパラ
メータ変更用のプログラミング信号を受信でき、プログ
ラム式ワンドから(およびそれへ)の情報の転送は遠隔
操作で行うことができる。上記システムが一旦プログラ
ムされると、外部コンピュータとプログラム式ワンドと
を用いて(担当医または付随する技術者によって)再プ
ログラムされるまでプログラムされた設定で装置は連続
的に作動する。
刺激ジェネレータ10の論理・制御部15は障害の治療用
にプログラムされた信号レベルを生成する出力回路また
は出力部19を制御する。出力部およびそのプログラムさ
れた出力信号はジェネレータのハウジング21の電気接点
20と、刺激電極に接続されたリード組立て体22とに(直
接結合、容量結合または誘導結合で)接続されている
(図2、図3)。治療対象の神経精神障害の始まりを検
出した時点で刺激ジェネレータによる治療の開始をトリ
ガするためにEEG感知電極(またはEEG検出用の眼球運動
感知電極)を患者に埋め込む場合には、ジェネレータの
ハウジング21内に感知信号解析回路23を設け、これを論
理・制御部15および感知電極に接続する。感知信号解析
回路の例は以下で記載する。
刺激ジェネレータ10を内蔵したハウジング21は患者の
体液および組織と生物学的に適合するチタン等の材料で
作られ、密封されている。本明細書の片頭痛の治療とは
無関係な神経刺激装置の詳細な構造と動作は'985出願に
記載されており、それを参照することができる。好まし
い実施例では使用されていないがEEGの特徴を検出する
か、眼球の動きを検出して、治療の必要性を示すような
所定の事象が検出された時に自動的に迷走神経刺激を開
始するようにするために、神経刺激装置と一緒に検出シ
ステムを使用する場合には、埋め込まれた装置の信号パ
ラメータを遠隔操作で送信したデータによって(プログ
ラミングワンドを介して)各患者で較正し、マイクロプ
ロセッサでプログラムして適当な処置をする。
図2は患者の胸部の皮膚のすぐ下に外科医によって形
成されたポケット内に埋め込まれた刺激ジェネレータ10
(コネクタ20を有するケース21の内部にある)の好まし
い配置を示す図で、刺激神経電極の組25(図3)は絶縁
された電導性リード組立体22の末端部に導電的に接続さ
れている。リード組立体22の基端部はコネクタ20に接続
される。電極の組25はブッララ(Bullara)の米国特許
第4,573,481号に記載の形式のバイポーラ刺激電極にす
るのが好ましい。この電極組立体は頸部領域の迷走神経
27に外科的に埋め込まれるが、既に述べたように、一般
的には、迷走神経刺激部位は通常、患者が感じている痛
み(刺激によって抑制しようとする痛み)の場所よりも
上方の任意の点にすることができる。2つの電極25−1
と25−2とを迷走神経に巻き付け、本出願人に譲渡され
たテリー ジュニア(Reese S.Terry Jr.)の米国特許
第4,979,511号に記載の螺旋型留鎖28で電極組立体を神
経に固定するのが好ましい。リード22は胸部および頸部
が運動した時に屈曲できる状態で近くの組織に縫合接続
30などによって固定する。
上記ブッララ(Bullara)の特許に詳細に記載されて
いるように、電極組立体25は自動的にサイズが決まり且
つ可撓性のある螺旋構造をしているので、神経の物理的
破損の危険が最小になり、神経と体液との相互交換が可
能になる。電極組立体を神経の形に合った形状にするこ
とによって刺激接触領域が広くなり、刺激閾値が低くな
る。構造的には、電極組立体は電極を構成する2本のプ
ラチナリボンで構成され、各電極は3本のループ状螺旋
組立体の最初の2つの螺旋ループ25−1と25−2との内
面に接着され、各導体リボン電極には2本のリード線が
溶着されている。各ループの残りの部分はシリコンゴム
で構成され、第3のループは電極組立体用の鎖(tethe
r)28の役目をする。螺旋状バイポーラ電極組立体の典
型的な内径は約2mmであり、各螺旋の長さは約7mmである
(神経の軸線に沿って測定)。
図2に示眼球運動を感知するための電極33は各眼窩の
外縁またはその付近の筋肉の動きまたは実際の眼球の動
きを感知するのに適した位置に埋め込まれ、さらにカテ
ーテルまたはその他適当な手段(図示せず)を介して埋
め込まれたリード34に電気的に接続されている。このリ
ード34は頸部と胸部の組織内を下顎の輪郭に沿って刺激
発生装置10の感知信号解析回路23まで延びている。以下
で詳細に説明するように、感知電極33は治療すべき疾患
を示唆する急速な眼球運動(REM)のパターンを検出す
るのに用いられる。別の方法として、あるいはそれに加
えて、EGG感知電極36が頭蓋骨から離れた所に埋め込
み、それをリード37に接続する。このリードを頭皮とこ
めかみに沿って上記の眼球運動用電極のリードと同じ経
路で延ばす。これらの感知電極またはその他の感知電極
が必要なのは本発明の変形例においてのみである。好ま
しい具体例では、連続的、周期的または断続的な刺激信
号(いずれも信号を連続的に印加するという形態であ
る)を適当な迷走神経に加えて、対象となる各患者に関
して診断されている特定の神経精神障害を治療する。
刺激ジェネレータは、例えば本出願人の譲渡人である
サイベロニクスインクが著作権登録したプログラミング
ソフトフェアと同じ種類または本明細書の記載に基づい
たその他の適当なソフトウェアを用いてIBM互換パーソ
ナルコンピュータ(図示せず)とプログラム式ワンド
(図示せず)とを用いてプログラムすることができる。
刺激ジェネレータを埋め込んだ後は、ワンドとソフトウ
ェアとによって刺激ジェネレータと非侵略的な通信がで
きる。ワンドは内部電池で駆動され、通信に十分な電力
を表示する「パワーオン」ライトを備えている。また、
ワンドと刺激ジェネレータとの間でデータ転送が行われ
ていることを示すための別の表示ライトを設けるのが好
ましい。
次に、神経精神障害を制御および治療するための刺激
ジェネレータ10の動作を図4に示した信号波型を参照し
て説明する。この図4は神経刺激装置の出力部19が電極
組み立て体25へと送達する出力信号波型を理想化して示
したものである。この図は主として出力信号オン時間、
出力信号オフ時間、出力信号周波数、出力信号パルス
幅、出力信号電流の各パラメータを含めた用語を明らか
にするために示したものである。
本発明の精神分裂症の治療における好ましい刺激方法
は、患者が起きている時間中は日周期性のプログラミン
グによってEEGを非同期化し、夜間は睡眠促進のためにE
EGを同期化する方法である。別の方法では中央側頭部領
域上におけるβ波および/または異常な睡眠パターンの
EEGを検出する等の検出方法を用いて刺激をトリガす
る。好ましい具体例および方法では、患者の日周期性サ
イクルの中の指定された期間中連続的、周期的または断
続的に迷走神経を刺激する。例えば日中の刺激は刺激性
のパルス波型を得るようなランダムな周波数で周期的に
行い(パラメータはEEGを非同期化するように選択す
る)、夜間は患者のEEGを同期化するようにパラメータ
を設定(例えば、パルスの波型を90Hz、1mA、0.10ms)
して周期的な印加パターンを所定の間隔(例えば100分
間隔)で非同期化刺激と交互に行って、低電圧の高速
(REM)活性を作り出す。そのような迷走神経刺激の方
法は神経刺激電子パッケージにプログラムされる。
精神分裂症患者は通常は疾患の症状を認識することが
できないので、この特定の疾患を治療する場合には神経
刺激装置を患者に作動させることは不可能である。しか
し、患者の同伴者が刺激ジェネレータを手動で作動させ
ることはできる(例えば外部の磁石を用いて図1の埋め
込み型の装置のリードスイッチ14を作動させる)。
精神分裂症の治療のための刺激パラメータの好ましい
範囲と刺激出力信号の各パラメータの代表的値は以下の
通りである。
日中の刺激のもう一つの作動モダリティは、神経刺激
パルスジェネレータの出力を患者が許容できる最大の振
幅にプログラムし、所定の時間オンとオフのサイクルを
繰り返し、その後比較的長い時間刺激を与えないことで
ある。
鬱病治療のための本発明の好ましい刺激方法は、夜間
の刺激には日周期性のプログラミングを採用してREM活
性を増大させ、患者が通常起きている時間にはEEGの同
期化を増加させる方法である。別の方法では、αまたは
β波型のEEG検出法および/または夜間の睡眠中にEEGを
検出し、REM活性を解析し、検出回路によって作動され
ている間に神経刺激ジェネレータが大きな信号でごくた
まに刺激する。この場合にも刺激は表層または深層の電
極とEEGスペクトルまたはREM解析回路とを用いて行うこ
とができる。
鬱病患者は疾患の症状を認識することができるので、
神経刺激装置を手動で開始するようにしてもよい。手動
で作動する場合には、患者が起きている時間に治療が行
われるようにするのが好ましい。すなわちEEGを同期化
するものが好ましい。しかし、抗鬱効果がすぐに出るこ
とはない。事実、薬剤を用いた鬱病の治療効果は2〜4
週間で出始める。これはおそらく受容体の変化に関係す
るものであるが、鬱病に対する迷走神経刺激も類似の結
果を生むものと思われるからである。そのため、神経刺
激装置は手動による作動に応答して比較的長期間刺激を
発生するようにプログラムしなければならない。
既に述べたように、治療は迷走神経活性を増加させて
患者の脳により多くの神経伝達物質セロトニンを放出さ
せるようにする。特に脳におけるセロトニン濃度の変
化、特に増加は、迷走神経の変調を通じてこの天然の抗
鬱剤の生成が増強された結果である。
鬱病治療のための刺激パラメータの好ましい範囲と、
刺激ジェネレータのプログラムされた出力信号の各パラ
メータは以下の通りである。
夜間の睡眠パターンの同期化するために日周期性のプ
ログラムを設定することもできる(例えば20Hz、500m
s、2mAの出力刺激信号を300秒オンで30秒オフのサイク
ルで印加する)。
鬱病の治療には、日中患者にとって許容可能な最大の
振幅で神経に刺激を加え、最初のインターバルではオン
/オフサイクルを行い、続く比較的長時間の第2のイン
ターバルでは刺激なしとするという精神分裂症に関して
先に述べたものと類似の作動モダリティで行うのが有効
である。この方法は鬱病の場合に有効であることが判っ
ているECTといくらかの類似性があり、短い刺激時間で
同期活性を作り出すものである。
境界人格異常の治療での好ましい刺激法は患者の睡眠
パターンを正常なパターンへ変化させるような方法であ
る。この場合の適当な検出方法は睡眠中の筋肉の動きあ
るいは実際の眼球の動きを感知する電極を埋め込み(図
2に示すように)、検出されるREM活性を解析する方法
か、表層または深層のEEG電極を用いてEEGを検出し、EE
Gのスペクトル解析を行う方法である。しかし、この場
合にも余計な侵略的プロセスを避けるために、連続的、
周期的または断続的なパターンで自動的に刺激を与える
よう出力信号は日周期性のプログラムミングで行うのが
好ましい。一般に、境界人格異常患者の場合、神経刺激
ジェネレータを患者が作動する方法は実用的なものでは
ない。しかし、この場合も、同伴者によって行われるな
らば手動による作動は適当といえる。
境界人格異常の治療のための刺激パラメータの好まし
い範囲と、プログラムされた刺激信号の各パラメータの
代表的値は以下の通りである。
日周期性プログラミングは、夜間に特殊なパターンを
採用して各患者に合わせてREM潜伏を増加させてREM強度
を低下させるようにREM活性を変調させる。そのような
刺激法は患者が過去に一貫した睡眠パターンを示してい
る場合に最も適切に構成されるもので、睡眠時間中の個
々の時間ブロックについて刺激パターンを規定する必要
がある。
治療中の疾患の発現を検出するのに感知電極を用いる
場合には、刺激ジェネレータ10に信号分析回路23を設け
る(図1)。図5では感知電極がEEG電極36と、それと
組み合わされた図2のリード37であり、解析回路23はEE
Gを検出および解析する。そのためには、解析回路23が
複数の平行なアクティブセンス信号帯域フィルタ40(例
えば0〜2Hz、2〜4Hzおよび15〜20Hzの範囲で選択的に
ろ波するもの)、複数のフィルタ40の中から1つのフィ
ルタの出力を選択する論理回路42およびアナログ/デジ
タル(A/D)変換器45を含んでいる。フィルタの出力は
論理回路42によって個々にサプリングされ、サンプリン
グレート、平均化時間間隔、各センス信号のバンドに割
当られたウエイティングは、刺激ジェネレータ10内の論
理・制御部15のマイクロプロセッサによってEEGパター
ンを検出するように調節される(図1)。各患者に特異
的な片頭痛のエピソードの始まりを示すEEG変化が検出
されると、処理したデジタル信号がマイクロプロセッサ
に送られて患者の迷走神経に対する刺激信号の印加をト
リガする。
解析回路23およびその内部構成要素である回路構造は
連続的に作動させる必要はないが、治療する疾患に応じ
て例えば2〜3時間おきに周期的に行う。
患者の安全と快適性とを保つために、神経刺激装置に
各種の特色を持たせることもできる。例えば、電極に送
る電気刺激を突然に送るよりも刺激の最初の2秒間で立
ち上がるようにプログラミングすると、快適性が高くな
る。また、迷走神経に印加される最大電圧を例えば14V
に制限するためのクランプ回路を埋め込み型の刺激ジェ
ネレータに設けることもできる。この最大限度は患者の
迷走神経への損傷を避けるように設定する。
神経刺激装置のプログラム可能な関数および装置を、
埋込み後に刺激ジェネレータと非侵入通信できる状態に
することによって、活性化および関数のモニタが容易に
なる。プログラミングのソフトウェアは簡単且つ迅速に
プログラミングができるように構成されていて、装置の
主要関数の他に、ストレートフォーワードメニュドリブ
ン操作、HELP機能、プロンプトおよびメッセージを出し
てシーケンスの各段階で起きている全ての情報をプログ
ラマー(医師または医師の監督下に作業を行う技術者)
に完全に知らせるようにする。プログラミングは刺激ジ
ェネレータの可変パラメータとその出力信号を選択的に
変更でき、装置を診断テストし、遠隔操作でデータの記
憶・検索ができるようにしなければならない。また、埋
め込んだ装置を調べた時に調節可能なパラメータの現在
の状態が外部PCのモニタにディスプレイされるのが好ま
しい。プログラマーはそれらのパラメータのいずれかま
たは全てを同時に簡単に変化させることができ、特定の
パラメータを変化するように選択した時にはそのパラメ
ータの許容値の全てを表示して、プログラマーが神経刺
激装置へ入力する適当な所望値を選択できるようにする
のが好ましい。
埋め込み前の診断テストでは装置が正しく動作するこ
とを確認し、通信、電池、リード/電極インピーダンス
等に問題がないかを確認する。例えばバッテリーが点燈
した時に電池の寿命が差し迫って、新しい装置を埋め込
む必要があることを示すようにする。診断テストで欠陥
または故障が見られなければ、電極は半永久的に使用す
ることができる。
以上、本発明による迷走神経変調による神経精神障害
の治療と制御の好ましい実施例を説明したが、当業者は
本発明の精神を逸脱しないで上記実施例を変更、改良す
ることができる。例えば完全に埋め込み可能な神経刺激
装置が好ましいが、必要であれば、エネルギー供給用パ
ッケージの大部分を体外に出すこともできる。必要なエ
ネルギーレベルを出すRF電力装置で刺激を与えることも
できる。埋め込む要素をリード/電極装置、コイル、直
流整流器に限定することもできる。所望のパラメータに
よってプログラムされたパルスをRFキャリアで皮膚を介
して転送し、その後、信号を調整して迷走神経に対する
刺激等の印加されるパルス化された信号を再度発生させ
て迷走神経活性を変調することもできる。そうすること
によって実質的に電池の交換を無くすことができる。こ
の方法の不利な点は患者が外部トランスミッタを持って
歩かなければならなず、必要な作動電力が大きく、神経
に対する出力電流の安定性が低下することである。
外部刺激ジェネレータと一緒に、埋め込み型神経電極
の組に向かって皮下まで延びたリードを使用することも
できる。ここで大きな問題は感染の可能性である。患者
が患っている痴呆症の治療が成功するか否かを決定する
ための短期間の検査を行うために一時的に配置して、結
果が決定的または期待できるものであれば、恒久的に埋
め込むようにすればよい。
本発明は請求の範囲のみによって限定されるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ザバラ,ジェイコブ アメリカ合衆国 19106 ペンシルヴァ ニア フィラデルフィア ロカスト ス トリート 200 アパートメント 22デ ィー. (56)参考文献 特開 昭51−42383(JP,A) 実開 昭59−8342(JP,U) 特表 昭60−502192(JP,A) 特表 昭61−502236(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61N 1/00 - 1/44 A61H 39/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】精神分裂症、鬱病または境界人格異常の神
    経精神障害を有する患者を治療するための装置であっ
    て、 精神分裂症、鬱病または境界人格異常の患者の神経精神
    障害の存在を臨床的に示す事象を検出する患者の体内に
    移植されるセンサーと、 このセンサーが精神分裂症、鬱病または境界人格異常を
    表す事象を検出した時に、プログラムされた出力信号パ
    ラメターを有するパルス波型の電気的刺激信号を発生す
    る患者の体内に移植される電気信号発生器と、 この電気信号発生器の出力に接続されたリード/電極系
    とを有し、 このリード/電極系は末端に電気コネクターを有し、先
    端に患者の迷走神経に接続される神経電極を有し、 上記末端の電気コネクターは上記のプログラムされた出
    力信号パラメターを有するパルス波型の電気信号を受
    け、上記先端の神経電極は上記電気信号発生器からの電
    気刺激信号を患者の迷走神経に送って患者の精神分裂
    症、鬱病または境界人格異常の症状を軽くする、 ことを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】治療対象の神経精神障害が精神分裂症であ
    り、上記センサーは患者の(i)中央側頭部領域におけ
    るEEGのβ波または(ii)異常な睡眠パターンからなる
    臨床的事象を検出し、電気信号発生器のパルス波型の電
    気信号の信号パラメターが、患者が起きている時間には
    EEGの非同期活性を増加させ、睡眠中にはEEGの同期活性
    を増加させるようにプログラムされている請求項1に記
    載の装置。
  3. 【請求項3】治療対象の神経精神障害が鬱病であり、上
    記センサーは患者の(i)EEGのα波およびβ波または
    (ii)睡眠中のREM活性の所定レベルからなる臨床的事
    象を検出し、電気信号発生器のパルス波型の電気信号の
    信号パラメターが、患者が起きている時間にはEEGの同
    期活性を増加させ、睡眠中には患者の急速眼球運動(RE
    M)活性を増加させるようにプログラムされている請求
    項1に記載の装置。
  4. 【請求項4】電気信号発生器を手動で動かしてプログラ
    ムされたパルス波型の出力電気信号を出す手段をさらに
    含む請求項3に記載の装置。
  5. 【請求項5】電気信号発生器が、患者の脳内のセロトニ
    ン放出を増加させるように所定の時間の間連続的にプロ
    グラムされたパルス波型の出力電気信号を出すようにプ
    ログラムされている請求項3に記載の装置。
  6. 【請求項6】治療対象の神経精神障害が境界人格異常で
    あり、上記センサーは睡眠中の患者の急速眼球運動(RE
    M)活性からなる臨床的事象を検出し、電気信号発生器
    のパルス波型の電気信号の電気パラメターが、患者の睡
    眠中のREM潜伏を増加させ且つREM強度を減少させるよう
    にプログラムされている請求項1に記載の装置。
  7. 【請求項7】電気信号発生器のパルス波型の電気信号の
    信号パラメターが患者の脳内のセロトニン放出を変化さ
    せるようにプログラムされている請求項1に記載の装
    置。
  8. 【請求項8】電気信号発生器がプログラムされたパルス
    波型の出力電気信号を連続的、周期的または断続的に発
    生する請求項1〜4、6または7のいずれか一項に記載
    の装置。
  9. 【請求項9】電気信号発生器のパルス波型の電気信号の
    プログラムされた信号パラメターがパルス幅、出力電
    流、周波数、オン時間およびオフ時間を含む請求項1〜
    8のいずれか一項に記載の装置。
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