JP6362594B2 - ネットワークシステムおよびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ネットワークシステムおよびその制御方法に関するものである。
ルーティング手法のひとつに、非特許文献1に示すAODV(Ad hoc On-Demand Distance Vector)と呼ばれる手法がある。このAODVは、無線ネットワークに最適であるアドホックなルーティング手法であり、AODVによるルーティングの骨子としては、送信先のノード装置までの経路を必要とするノード装置がブロードキャストによって経路探索パケットを送信し、経路探索パケットを受信したノード装置は経路探索パケットの情報を参照して送信元への経路を形成するとともに、経路探索パケットを周囲に転送する。送信先のノード装置または送信先のノード装置に対する十分新しい情報を持つノード装置に経路探索パケットが到着すると、該当ノード装置は経路探索パケットを破棄し、形成されている送信元のノード装置への経路を利用して経路回答パケットを送信し、送信元のノード装置へ経路を通知することでたがいに経路を確立することである。複数の経路の候補がある場合、最も経路のコスト値(ホップ数もしくは中継経路毎に定められる任意の値)が少ない経路が選択される。
このようなAODVにより経路探索を行うと、各ノード装置は経路探索パケットが受信される毎に、経路探索パケット中のコスト情報に対して転送元からのコストを加算し、受信した方向へ経路探索パケットを送信したノード装置に向けた経路を形成した後、再度経路探索パケットを転送する。経路探索パケットが経路宛先もしくは経路宛先について十分新しい情報を知っているノード装置へ到達すると経路探索パケット転送は打ち切られ、経路探索パケットを送信したノード装置に向けて経路回答情報が送信され、経路探索パケットを送信したノード装置は宛先への経路を作成することができる。ここで情報の新旧は各ノード装置が持つシーケンス番号(Sequence Number)と呼ばれる番号で管理され、自身に関する経路探査または回答処理が実行されるたびに増加され、他ノード装置が経路探査処理を実行した際に経路情報とともに記録される。以降他のノード装置は新たに到達するパケット中のシーケンス番号と、既に記録したシーケンス番号を比較することで情報の新旧を検知し、更新の可否を決定することができる。
IETF RFC3561 "Ad hoc On-Demand Distance Vector (AODV) Routing" (Experimental, 2003)
ところで、前述したAODVによる経路探索手法を、図8に示すような、ノード装置10−1〜10−10がリング型に接続されたネットワークで使用すると、リングの円周の隣接したノード装置間のみ通信可能である前提では、必ずしも最適な経路が形成されない場合がある。例えば、このようにノード装置が配置され、送信元(例えば、ノード装置10−1)より経路探索パケットが送信されると、経路探索パケットは図8に示すように各ノード装置にて経路探索パケットを送信したノード装置向けの経路(ノード装置中の矢印で示される経路)を形成しながら転送されていく。図8のようにリング下側に経路の宛先となるノード装置(例えば、ノード装置8)が存在するとすれば、経路探索パケットは先に下側リングを通じて該当ノード装置まで到達し、該当ノード装置で経路回答が発生することから転送が打ち切られ、該当ノード装置までのリング下側のノード装置は下側リング側を通じて送信元とのルートが確立する。このとき宛先ノード装置の右側に対しては上側リングを通じてのみ経路探索パケットが回り込んで逆向き経路が形成されてしまう。したがって宛先ノードの右側に位置するノード装置(例えば、ノード装置10−7等)はホップ数から考えると適切とは言えない上側リングを通じた経路を用いて経路探索送信元と通信することになる。なお、リング上側を通じて回り込んだ経路探索パケットはノード装置10−8にも転送されるが、本ノードにはリング下側からもパケットが転送されているためコスト比較により破棄される。このように、最適でない経路が形成されてしまうと、ホップ数が大きい経路を介して通信しなければならないため、中継数が増えて通信の遅延時間が大きくなる。特に、リアルタイム性の高いアプリケーションでは影響が大きい。さらに、経路探索パケットが定期的に発行されない場合には、最適でない経路が一旦形成されてしまうと、その経路が長期間維持されてしまうため、通信の遅延が長時間持続するという問題がある。
そこで、本発明は、適切な経路を選択することが可能なネットワークシステムおよびその制御方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、設置位置が固定された複数のノード装置がリンクによって通信可能に接続されたネットワークシステムにおいて、送信元のノード装置は、送信先のノード装置までの経路を探索するための信号である経路探索信号を送信し、前記送信元のノード装置と前記送信先のノード装置の間に配置されるノード装置は、前記経路探索信号を受信した場合には周辺のノード装置に転送し、前記送信先のノード装置または前記送信先のノード装置までの経路に関する情報を有するノード装置は、前記経路探索信号を受信した場合には、前記送信元から前記送信先までの経路を回答する信号である経路回答信号を前記送信元のノード装置に向けて送信し、前記経路回答信号を受信したノード装置は、前記経路回答信号を参照して前記送信先までの経路を確立するとともに、前記経路回答信号を次のノード装置に転送し、前記経路回答信号を送信した前記ノード装置は、前記経路回答信号を送信したノード装置周辺のノード装置に前記送信元のノード装置が送信した前記経路探索信号を転送し、前記経路回答信号を送信したノード装置周辺のノード装置は、当該経路探索信号を参照して、前記送信元までの経路を確立し、前記送信元のノード装置が送信した前記経路探索信号を受信した前記送信先のノード装置は前記経路探索信号を周辺のノード装置に転送する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、適切な経路を選択することが可能となる。
また、本発明は、前記ノード装置は、複数の経路探索信号を受信した場合には、最もコストが低い経路を選択して、前記送信元までの経路を確立するとともに、それ以外の経路に係る経路探索信号を破棄することを特徴とする。
このような構成によれば、コストが最も低い経路を選択することで最適な経路を確立することができる。
また、本発明の一側面は、前記ノード装置は、前記コストとして各リンクのホップ数を参照し、前記各リンクは2以上のホップ数を含む、ことを特徴とする。
このような構成によれば、ホップ数が1以外のリンクが含まれる場合であっても、適切な経路を確立することができる。
また、本発明の一側面は、前記送信先のノード装置までの経路に関する情報を有するノード装置が前記経路回答信号を送信した場合、当該ノード装置は、前記経路回答信号を送信したことを示す情報を前記経路探索信号に付加して転送し、前記経路回答信号を送信したことを示す情報が付加された前記経路探索信号を受信したノード装置は、前記経路回答信号を送信しないか、または、付加情報を参照して新たな経路回答信号が必要な場合のみ送信する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、経路回答信号が重複して送信されることを防止できる。
前記複数のノード装置は、有線のリンクによって通信可能に接続されていることを特徴とする。
このような構成によれば、リンクが有線の場合であっても、適切な経路を選択することが可能となる。
また、本発明は、設置位置が固定された複数のノード装置がリンクによって通信可能に接続されたネットワークシステムの制御方法において、送信元のノード装置が送信先のノード装置までの経路を探索するための信号である経路探索信号を送信し、前記送信元のノード装置と前記送信先のノード装置の間に配置されるノード装置は、前記経路探索信号を受信した場合には周辺のノード装置に転送し、前記送信先のノード装置または前記送信先のノード装置までの経路に関する情報を有するノード装置は、前記経路探索信号を受信した場合には、前記送信元から前記送信先までの経路を回答する信号である経路回答信号を前記送信元のノード装置に向けて送信し、前記経路回答信号を受信したノード装置は、前記経路回答信号を参照して前記送信先までの経路を確立するとともに、前記経路回答信号を次のノード装置に転送し、前記経路回答信号を送信した前記ノード装置は、前記経路回答信号を送信したノード装置周辺のノード装置に前記送信元のノード装置が送信した前記経路探索信号を転送し、前記経路回答信号を送信したノード装置周辺のノード装置は、当該経路探索信号を参照して、前記送信元までの経路を確立し、前記送信元のノード装置が送信した前記経路探索信号を受信した前記送信先のノード装置は前記経路探索信号を周辺のノード装置に転送する、ことを特徴とする。
このような方法によれば、適切な経路を選択することが可能となる。
本発明によれば、適切な経路を選択することが可能なネットワークシステムおよびその制御方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。 図1に示すノード装置の詳細な構成例を示す図である。 第1実施形態の動作を説明するための図である。 第1実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態の動作を説明するための図である。 第3実施形態の動作を説明するための図である。 第3実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。 従来例の動作を説明するための図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)第1実施形態の構成の説明
図1は、本発明の第1実施形態に係るネットワークシステムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るネットワークシステムは、ノード装置10−1〜10−10およびリンク20−1〜20−10を有しており、ノード装置10−1〜10−10がループを形成するようにリンク20−1〜20−10によって接続されて構成される。なお、ノード装置10−1〜10−10は設置位置が固定された固定局であり、また、リンク20−1〜20−10は、有線接続によって構成される。
図2はノード装置の詳細な構成例を示している。なお、ノード装置10−1〜10−10は同様の構成を有しているので、以下では、これらをノード装置10として説明する。図2に示すように、ノード装置10は、パケット中継処理部11、制御部12、記憶部13、受信部14−1〜14−n、および、送信部15−1〜15−nを有している。なお、図1の例では、ノード装置10には2つのリンクが接続されているので、受信部14−1〜14−nおよび送信部15−1〜15−nのうちリンクに接続されているのは2つである。もちろん、n=2に設定してもよい。
ここで、パケット中継処理部11は、制御部12の制御に応じて、受信部14−1〜14−nによって受信されたパケットを、そのヘッダに格納されている情報に応じて、対応する送信部15−1〜15−nから送出する。制御部12は、記憶部13に記憶されている経路情報13aに応じて、受信パケットのヘッダを書き換え、パケット中継処理部11を介して、パケットを中継するとともに、後述するように経路探索パケットおよび経路回答パケットに関する処理を実行する。
記憶部13は、半導体メモリによって構成され、パケットを転送するための情報である経路情報13aを有するとともに、後述する経路探索に関する処理を実行するためのプログラムやデータを格納している。受信部14−1〜14−nは、リンクを介してパケットを受信する。また、送信部15−1〜15−nは、リンクを介してパケットを送信する。なお、ハイフンの後に同じ数字が付与された受信部および送信部は、同じリンクに接続されている。例えば、受信部14−1と送信部15−1は同じリンクに接続されている。
(B)第1実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の第1実施形態の動作について説明する。以下では、ノード装置10−1からノード装置10−8までの経路を探索する場合(ノード装置10−1が送信元で、ノード装置10−8が送信先である場合)を例に挙げて説明する。なお、この例では、リンク20−1〜20−10のコストは全て1(=ホップ数)であるとする。その場合、ノード装置10−1は、自身のIP(Internet Protocol)アドレスを送信元IPアドレスとし、ノード装置10−8のIPアドレスを送信先IPアドレスとし、ノード装置10−1が記憶するノード装置10−8の最新のシーケンス番号と、ノード装置10−1自身のシーケンス番号を有する経路探索パケット(請求項中の「経路探索信号」に対応)を生成する。なお、送信先ノード装置10−8のシーケンス番号は、経路情報13aから検索し、最新のシーケンス番号を付与する。また、経路情報13aにノード装置10−8のシーケンス番号が存在しない場合には、シーケンス番号は、例えば、“0”と、未知の経路であることを示すフラグを付与する。ノード装置10−1は、このような経路探索パケットを、ブロードキャストする。例えば、図1に示す例では、図3に実線の矢印で示すように、ノード装置10−1は、ノード装置10−2,10−10に対して経路探索パケットを送信する。
ノード装置10−2,10−10では、経路探索パケットを受信したと判定した場合には、経路探索解析処理が実行され、転送元(ノード装置10−2,10−10ではノード装置10−1)から自身までのコスト値が計算され、経路探索パケットに含まれるコスト値が更新される。
つづいて、ノード装置10−2,10−10は、経路探索パケットに格納されている送信元(ノード装置10−1)に関するシーケンス番号と、自身が有する送信元(ノード装置10−1)に関するシーケンス番号とを比較し、経路探索パケットに含まれているシーケンス番号の方が大きい(新しい)か、または、シーケンス番号が同じであって、コスト値が前回の値未満であるか、ノード装置10−2,10−10にとってノード装置10−1が未知でありシーケンス番号が存在しなかった場合には、送信元であるノード装置10−1への経路を作成する。一方、経路探索パケットに格納されているシーケンス番号の方が小さい(古い)場合には、この経路探索パケットを破棄する。
送信元であるノード装置10−1への経路を作成する方法としては、まず、送信元IPアドレスと、現状のコスト値と、送信元ノード装置10−1のシーケンス番号とを記録する。また、送信元IPアドレスで示される送信元が経路探索パケット転送元のノード装置(この例ではノード装置10−1)側にあるから、通信が必要な場合に転送元ノード装置へ送信する経路を記録するとともに、送信先IPアドレスを参照して経路情報13aを探索する。そして、宛先が自分自身である場合または経路情報13aに新しい情報が記載されている場合には、ノード装置10−1に対して経路回答パケット(請求項中の「経路回答信号」に対応)を送信する。なお、経路情報の新旧判断については、前述したように、パケット中のシーケンス番号を比較することで判定することができる。すなわち、シーケンス番号が大きい場合には新しい情報と判定することができる。
そして、本発明の第1実施形態では、従来と同様に、経路回答パケットを送信しなかった場合に、周辺のノード装置(自身に隣接する複数のノード装置)へ経路探索パケットを転送するとともに、従来とは異なり、経路回答パケットを送信した場合についても、経路探索パケットをさらに周辺のノード装置へ転送する。上述の例では、ノード装置10−2,10−10は、経路回答パケットを送信していないので、経路探索パケットをノード装置10−3,10−9に転送する。ノード装置10−3,10−9でも同様の処理が実行され、ノード装置10−3,10−9のいずれも送信先ノードではなく、また、経路も知らないことから、コスト値がインクリメントされた経路探索パケットがノード装置10−4,10−8に転送される。
ノード装置10−8は、ノード装置10−9から転送された経路探索パケットに含まれる送信先IPアドレスと、経路情報13aとを比較し、自身が送信先であると判定する。同様に、ノード装置10−8は、上側のリングを経由してノード装置10−7から受信した経路探索パケットに含まれる送信先IPアドレスと、経路情報13aとを比較し、自身が送信先であると判定する。そして、ノード装置10−8は、上側のリングと、下側のリングを介して伝送されてきた2つの経路探索パケットのコスト値を比較し、コスト値が小さい方のパケット(ノード装置10−9から伝送されてきた経路探索パケット)が伝送されてきた経路を適切な経路として選択する。この結果、いまの例では、ノード装置10−9からの経路が適切な経路として選択される。ノード装置10−8は、このようにして選択したノード装置10−9に対して経路回答パケットを送信する。また、通常は、経路回答パケットを送信した場合には破棄される経路探索パケットを、次のノード装置10−9,10−7に対して転送する。
ノード装置10−7は、ノード装置10−6から転送された経路探索パケットを受信する。その場合、すでに記録されているノード装置10−8を経由する経路のコスト値は4であり、この経路探索パケットのコスト値は6であり、こちらのコスト値の方が大きいことから、ノード装置10−7は、ノード装置10−6を経由した経路探索パケットを破棄する。この結果、ノード装置10−7については、ノード装置10−1と通信する場合には、下側のリングを経路としてパケットが転送される。なお、以上の例では、ノード装置10−7は、経路探索パケットを、ノード装置10−6よりもノード装置10−8から先に受信する場合を説明したが、通信経路の混雑状況によっては、ノード装置10−8よりもノード装置10−6から先に受信することもあり得る。そのような場合には、すでに記録されているノード装置10−6を経由する経路のコスト値は6であり、この経路探索パケットのコスト値は4であり、こちらのコスト値の方が小さいことから、ノード装置10−7は、ノード装置10−8を経由する経路を送信元向け経路として登録する。
一方、ノード装置10−6は、上側と下側のリングのコスト値は同じ5であるので、先に届いた方の経路探索パケットに基づいて、経路の作成が行われる。例えば、上側のリングからの経路探索パケットが先に届いた場合には、上側のリングが送信元向け経路として登録される。そして、その後に、下側のリングから経路探索パケットが届くと、この経路探索パケットは処理済みであるので、記録済みの経路のコスト値と比較され、コスト値が同じであるので、経路探索パケットは破棄される。
以上の処理によれば、経路回答パケットを送信したノード装置10−8が、経路探索パケットをノード装置10−7に転送するようにしたので、ノード装置10−7は、ノード装置10−1との間の経路として、下側のリングを選択することができる。
つぎに、図4を参照して、中継ノード装置において実行される処理の一例を説明する。
ステップS10では、制御部12は、経路探索パケットを受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(ステップS10:Yes)にはステップS11に進み、それ以外の場合(ステップS10:No)には同様の処理を繰り返す。
ステップS11では、制御部12は、受信した経路探索パケットに含まれている情報を解析する処理である経路探索解析処理を実行する。
ステップS12では、制御部12は、経路探索パケットに格納されている送信元に関するシーケンス番号と、自身が有する送信元に関するシーケンス番号とを比較し、経路探索パケットに含まれているシーケンス番号の方が大きい(新しい)場合にはステップS14に進み、これらが同一の場合にはステップS13に進み、経路探索パケットに格納されているシーケンス番号の方が小さい(古い)場合にはステップS10に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。
ステップS13では、制御部12は、ステップS10において新たに受信した経路探索パケットのコスト値と、自身が有する経路のコスト値とを比較し、ステップS10において新たに受信した経路探索パケットのコスト値が、自身が有する経路のコスト値未満である場合にはステップS14に進み、自身が有する経路のコスト値以上である場合にはステップS10に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。
ステップS14では、制御部12は、経路探索パケットを送信した送信元向けの経路を作成し、記憶部13に記憶する。
ステップS15では、制御部12は、経路探索パケットの探索先(送信先)を参照し、探索先が自分自身である場合にはステップS18に進み、他のIPアドレスである場合にはステップS16に進み、到達不能なIPアドレスである場合にはステップS10に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。
ステップS16では、制御部12は、記憶部13に記憶されている経路情報13aに該当する項目があるか否かを判定し、該当する項目があると判定した場合(ステップS16:Yes)にはステップS17に進み、それ以外の場合(ステップS16:No)にはステップS20に進む。
ステップS17では、制御部12は、送信先に関するシーケンス番号を参照し、経路情報13aに記憶されている情報が経路探索パケットに含まれている送信先に関するシーケンス番号よりも大きい場合、情報が新しいと判断してステップS18に進み、それ以外の場合にはステップS20に進む。
ステップS18では、制御部12は、自身までの適切な経路を示す情報を含む経路回答パケットを生成する。
ステップS19では、制御部12は、経路探索パケットの転送元に対して、経路回答パケットを送信する。
ステップS20では、制御部12は、経路探索パケットを次のノード装置に対して転送する。
ステップS21では、処理を終了するか否かを判定し、処理を終了しないと判定した場合(ステップS21:No)にはステップ10に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS21:Yes)には処理を終了する。
以上の処理によれば、経路回答パケットを送信した場合であっても、ノード装置が次のノード装置に経路探索パケットを転送するようにしたので、適切な経路を選択することが可能になる。
(C)第2実施形態の説明
つぎに、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では図5に示すように、コスト値がホップ数と異なっている。具体的には、図5の例では、リンク2−3のコスト値が4になっている。このような系であっても、図3の系と同様に図4のフローチャートにより対応することができる。
図4に示す状態において、ノード装置10−1を送信元とし、ノード装置10−5を送信先とする場合について説明する。この場合、ノード装置10−4経由で中途にある全ノードを中継して通信した場合、ノード装置10−1からノード装置10−5までのコストは7であり、ノード装置10−6経由で中途にある全ノードを中継して通信した場合、ノード装置10−1からノード装置10−5までのコストは6となることから、適切な経路は、ノード装置10−6を経由する経路である。コストに関わらず中継時間が同一とすれば、ノード装置10−1から送信された経路探索パケットは、まず、中継数の短いリング上側を通ってノード装置10−5に到達し、ノード装置10−4を経由する経路をノード装置10−1への最短経路として確立する。その後、ノード装置10−6を経由する経路を経路探索パケットが回り込み、図4に示すフローチャートのステップS12において送信元に関するシーケンス番号が同一と判定されるとともに、ステップS13において過去の情報よりも小さいと判定され、ステップS14において、経路が作成され、ノード装置10−1への経路がノード装置10−6を経由する経路に切り替わる。ノード装置10−6からノード装置10−5へ到達した経路探索パケットは、さらにノード装置10−4へと転送されるがノード装置10−4ではノード装置10−3より伝達されたコスト値(=6)以下であることから、経路探索パケットは破棄される。
以上に説明したように、図5に示すように、コスト値がホップ数と異なっている場合であっても、図4に示すフローチャートを適用することができる。
(D)第3実施形態の説明
AODVにおいては送信先ノード装置への経路を知っている途中のノード装置が送信先ノード装置に代わって経路回答パケットを送信することが可能である。本発明の第3実施形態では、途中のノード装置による経路回答を実施する場合、途中のノード装置は、経路探索パケットを転送する際、途中のノード装置が回答したことを示す回答情報を付加する。本情報を付加することで後に、経路探索パケットが到着する送信先のノード装置や他のノード装置は既に回答済みであることを認識し、重複して回答することを防止できる。
図6は、第3実施形態の動作を説明するための図である。この図6は、ノード装置10−1がノード装置10−8への経路を探索する場合を例に挙げており、ノード装置10−9がノード装置10−8への経路を知っているためにノード装置10−1に途中回答し、それ以降のノード装置10−8、ノード装置10−7、ノード装置10−6へは途中回答情報付きの経路探索パケットが転送される。ノード装置10−8以降のノード装置は、途中回答情報付きパケットを受信した場合には、ノード装置10−9により回答されていることを認識できることから、ノード装置10−8への経路を知っているが経路回答は実施しない。経路回答パケットには、回答を実施したノード装置のIPアドレス、回答した経路のコスト、回答に利用したシーケンス番号の一部または全てを含み、受信したノード装置が、自分の持つ情報と比較して、新旧およびコストの優劣を判断して回答の必要性を判断できる構成とされている。なお、ノード装置10−8以降のノード装置は、途中回答情報付きパケットを受信した場合であっても、新たな経路回答情報が必要であると判定した場合には、経路回答情報を送信するようにしてもよい。
図7は、第3実施形態の処理の流れを説明するためのフローチャートである。なお、図7において、図4と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。図7では、図4と比較すると、ステップS30〜S33の処理が追加されている。それ以外の処理は、図4の場合と同様である。以下では、追加された処理であるステップS30〜S33を中心に説明する。
ステップS15において、探索先が自身であると判定されるか、ステップS17において記録されている情報が経路探索パケットの情報よりも新しいと判定された場合にはステップS30に進み、経路探索パケットに経路回答情報が付加されているか否かを判定し、経路回答情報が付加されていると判定した場合(ステップS30:Yes)にはステップS31に進み、それ以外の場合(ステップS30:No)にはステップS18に進む。
ステップS18では、経路回答パケットが生成され、ステップS33では、経路探索パケットに対して経路回答を行ったことを示す経路回答情報が付加され、ステップS19では、経路回答パケットが送信される。
一方、ステップS30において経路回答情報が付加されていると判定した場合には、ステップS31に進み、経路回答情報のシーケンス番号を確認し、このシーケンス番号が新しい場合にはステップS18に進んで経路回答情報が付加された経路探索パケットが転送されるとともに、経路回答パケットが送信される。シーケンス番号が回答済み情報と同じである場合にはステップS32に進む。また、シーケンス番号が回答済み情報よりも古い場合には、ステップS20に進んで、経路回答情報が付加されていない経路探索パケットを転送する。
ステップS32では、経路回答情報のコストを参照し、経路回答情報のコストが回答済み経路のコストよりも小さいと判定された場合(ステップS32:Yes)にはステップS18に進み、それ以外の場合にはステップS20に進む。
以上の処理によれば、送信先までに存在する途中のノード装置が経路回答を行うことができるとともに、他のノード装置に経路回答を行ったことを通知するようにしたので、経路回答が重複して実行されることを防止できる。
(C)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の各実施形態では、10台のノード装置10−1〜10−10によってネットワークシステムが形成されるようにしたが、9台以下であったり、11台以上であったりしてもよい。
また、以上の各実施形態では、送信元はノード装置10−1であり、送信先はノード装置10−8である場合を例に挙げて説明したが、これら以外の組み合わせであってもよい事は言うまでもない。
また、以上の実施形態では、コスト値としてホップ数を用いる構成としたが、これ以外の指標を、通信の優先順位を決定する指標として用いるようにしてもよい。例えば、IGRP(Interior Gateway Routing Protocol)のように帯域幅や信頼性等の情報を複合的に採用してもよい。
また、以上の各実施形態では、リンクは、20−1〜20−10は、有線接続によって構成される場合を例に挙げて説明したが、場合によっては、無線接続によって構成されてもよい。
10−1〜10−8 ノード
11 パケット中継処理部
12 制御部
13 記憶部
13a ルーティングテーブル
14−1〜14−n 受信部
15−1〜15−n 送信部
21〜29,30 リンク

Claims (6)

  1. 設置位置が固定された複数のノード装置がリンクによって通信可能に接続されたネットワークシステムにおいて、
    送信元のノード装置は、送信先のノード装置までの経路を探索するための信号である経路探索信号を送信し、
    前記送信元のノード装置と前記送信先のノード装置の間に配置されるノード装置は、前記経路探索信号を受信した場合には周辺のノード装置に転送し、
    前記送信先のノード装置または前記送信先のノード装置までの経路に関する情報を有するノード装置は、前記経路探索信号を受信した場合には、前記送信元から前記送信先までの経路を回答する信号である経路回答信号を前記送信元のノード装置に向けて送信し、
    前記経路回答信号を受信したノード装置は、前記経路回答信号を参照して前記送信先までの経路を確立するとともに、前記経路回答信号を次のノード装置に転送し、
    前記経路回答信号を送信した前記ノード装置は、前記経路回答信号を送信したノード装置周辺のノード装置に前記送信元のノード装置が送信した前記経路探索信号を転送し、前記経路回答信号を送信したノード装置周辺のノード装置は、当該経路探索信号を参照して、前記送信元までの経路を確立し、前記送信元のノード装置が送信した前記経路探索信号を受信した前記送信先のノード装置は前記経路探索信号を周辺のノード装置に転送する、
    ことを特徴とするネットワークシステム。
  2. 前記ノード装置は、複数の経路探索信号を受信した場合には、最もコストが低い経路を選択して、前記送信元までの経路を確立するとともに、それ以外の経路に係る経路探索信号を破棄することを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。
  3. 前記ノード装置は、前記コストとして各リンクのホップ数を参照し、
    前記各リンクは2以上のホップ数を含む、
    ことを特徴とする請求項2に記載のネットワークシステム。
  4. 前記送信先のノード装置までの経路に関する情報を有するノード装置が前記経路回答信号を送信した場合、当該ノード装置は、前記経路回答信号を送信したことを示す情報を前記経路探索信号に付加して転送し、
    前記経路回答信号を送信したことを示す情報が付加された前記経路探索信号を受信したノード装置は、前記経路回答信号を送信しないか、または、付加情報を参照して新たな経路回答信号が必要な場合のみ送信する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
  5. 前記複数のノード装置は、有線のリンクによって通信可能に接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
  6. 設置位置が固定された複数のノード装置がリンクによって通信可能に接続されたネットワークシステムの制御方法において、
    送信元のノード装置が送信先のノード装置までの経路を探索するための信号である経路探索信号を送信し、
    前記送信元のノード装置と前記送信先のノード装置の間に配置されるノード装置は、前記経路探索信号を受信した場合には周辺のノード装置に転送し、
    前記送信先のノード装置または前記送信先のノード装置までの経路に関する情報を有するノード装置は、前記経路探索信号を受信した場合には、前記送信元から前記送信先までの経路を回答する信号である経路回答信号を前記送信元のノード装置に向けて送信し、
    前記経路回答信号を受信したノード装置は、前記経路回答信号を参照して前記送信先までの経路を確立するとともに、前記経路回答信号を次のノード装置に転送し、
    前記経路回答信号を送信した前記ノード装置は、前記経路回答信号を送信したノード装置周辺のノード装置に前記送信元のノード装置が送信した前記経路探索信号を転送し、前記経路回答信号を送信したノード装置周辺のノード装置は、当該経路探索信号を参照して、前記送信元までの経路を確立し、前記送信元のノード装置が送信した前記経路探索信号を受信した前記送信先のノード装置は前記経路探索信号を周辺のノード装置に転送する、
    ことを特徴とするネットワークシステムの制御方法。
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